JP5534727B2 - 樹脂被覆金属管の金属管露出方法 - Google Patents
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Description
本発明は、樹脂被覆金属管の金属管露出方法に関するもので、特には、樹脂被覆金属管の中間部において樹脂被覆層を除去して金属管を露出させる金属管露出方法に関するものである。
例えば、自動車においては、飛び石等による配管の保護を目的として金属管に樹脂を被覆した樹脂被覆金属管が使用されている。このような樹脂被覆金属管が燃料配管に使用されている場合には、燃料が管内を流れると、燃料と管内面との間の摩擦により静電気が発生する。そして、その静電気が管内に帯電し、電圧が高まると、静電放電が生じて管にダメージを与える虞がある。
そこで、燃料配管では、管に帯電された静電気を積極的に徐電するための方策が講じられている（例えば、特許文献１）
この特許文献１の燃料配管では、樹脂被覆金属管の樹脂被覆層を除去して、金属管を露出させ、その露出部に導電性ゴムを被覆し、該導電性ゴムにクランプを取り付け、該クランプを車体ボディに係合させることによって、金属管の静電気を車体ボディに逃すようにしている。
この特許文献１の燃料配管では、樹脂被覆金属管の樹脂被覆層を除去して、金属管を露出させ、その露出部に導電性ゴムを被覆し、該導電性ゴムにクランプを取り付け、該クランプを車体ボディに係合させることによって、金属管の静電気を車体ボディに逃すようにしている。
ところで、上記のような場合における、樹脂被覆金属管の樹脂被覆層の一部を取除き、金属管を露出させる方法としては、例えば、特許文献２に、適宜な間隔をもって周方向に切込みを入れ、次いで、両周方向の切込み間に長手方向の切込みを入れ、そして、切り込んだ隙間から指を入れて樹脂被覆層を手で剥離することが開示されている。
しかしながら、上記した特許文献２に開示された発明では、樹脂被覆層を手で剥離するため、労力を必要とするばかりでなく、作業が手間取ってしまう。
そこで、本発明は、樹脂被覆層の一部を迅速に除去し、金属管を露出させることができる樹脂被覆金属管の金属管露出方法を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するため、請求項１の樹脂被覆金属管の金属管露出方法は、樹脂被覆金属管の周面の長手方向適宜間隔をもった部位に、支持ローラとディスクカッターが周方向等間隔に配置され、かつそれらが半径方向に移動可能に設置されたカッター装置を用い、上記支持ローラおよびディスクカッターを移動させて樹脂被覆金属管を支持し、さらにディスクカッターを樹脂被覆層に必要量切り込ませ、支持ローラおよびディスクカッターを樹脂被覆金属管の周面に対して相対的に回転させることによって、樹脂被覆層の周面に周方向の切込みを入れ、次いで、上記周方向の両切込み間の樹脂被覆層に、板状の刃と受け部材とを備えたカッター装置を用い、上記受け部材を樹脂被覆金属管の周面に当て、上記板状の刃を樹脂被覆層に必要量切り込ませ、該板状の刃を樹脂被覆金属管に対して長手方向に移動させることによって、樹脂被覆層の周面に長手方向の切込みを入れ、次いで、一対の剥離ローラを備えた剥離装置を用い、上記周方向の両切込み間の樹脂被覆層の外周面を上記一対の剥離ローラで挟持し、該剥離ローラをそれぞれ上記長手方向の切込みと反対の方向に回転させることによってその部分の樹脂被覆層を剥ぎ取り、金属管の一部を露出させることを特徴とする。
また、請求項２の樹脂被覆金属管の金属管露出方法は、樹脂被覆金属管の周面の長手方向適宜な位置に、支持ローラとディスクカッターが周方向等間隔に配置され、かつそれらが半径方向に移動可能に設置されたカッター装置を用い、上記支持ローラおよびディスクカッターを移動させて樹脂被覆金属管を支持し、さらにディスクカッターを樹脂被覆層に必要量切り込ませ、支持ローラおよびディスクカッターを樹脂被覆金属管の周面に対して相対的に回転させることによって、樹脂被覆層の周面に周方向の切込みを入れ、次いで、断面が略半円の受け面を有し、樹脂被覆金属管の長手方向に移動する移動ブロックと、断面が略半円の当接面を有する圧接ブロックとを備えた移動装置を用い、上記周方向の切込みを境にした一方の樹脂被覆金属管の樹脂被覆層を移動ブロックの受け面と圧接ブロックの当接面によって挟持するとともに圧接ブロックを移動ブロックに固定し、移動ブロックを樹脂被覆金属管の長手方向に移動させることによって、上記周方向の切込みを境にした一方の樹脂被覆層を金属管から脱落させることなく長手方向に移動させ、金属管の一部を露出部させることを特徴とする。
請求項１の発明によれば、前記周方向の両切込み間の樹脂被覆層の外周面を、前記長手方向の切込みと反対の方向に力を作用させることによって、樹脂被覆層を剥ぎ取るので、被覆樹脂層の剥ぎ取りを迅速に行うことができる。
請求項２の発明によれば、樹脂被覆層を長手方向に移動させることによって、金属管の一部を露出部させるので、金属管の露出を迅速に行うことができる。
以下、上記した本発明に係る樹脂被覆金属管の金属管露出方法の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図示した樹脂被覆金属管（以下、パイプという）１は、金属管２に樹脂被覆層３を被覆形成したものである。このようなパイプ１は、例えば、自動車の燃料配管，ブレーキ配管等に使用され、金属管２に押出成形等によって樹脂被覆層３が被覆形成される。
パイプ１の樹脂被覆層３を剥離して金属管２を露出させる第１の方法は、以下のとおりである。
まず、図１（ａ）に示すように、金属管２を露出させようとする部位の両端部の樹脂被覆層３に、カッターＡによって、周方向の切込み４，４を入れる。
この第１の工程では、例えば、図２（ａ）に示すようなカッター装置１０が使用される。このカッター装置１０は、パイプ１を囲むように、２つの支持ローラ１１，１１と、１つのディスクカッター１２が周方向等間隔（１２０度間隔）に配置され、かつそれらがパイプ１の半径方向に移動可能に設置されている。
そして、上記支持ローラ１１，１１およびディスクカッター１２を、パイプ１の方向に移動させることによってパイプ１を支持させ、さらに、ディスクカッター１２を樹脂被覆層３に必要量切り込ませる。次いで、支持ローラ１１，１１およびディスクカッター１２を、パイプ１の周面に対して回転させることによって、樹脂被覆層３に切込み４を入れる。
なお、カッター装置１０として、例えば、刃をパイプ１の周面に固定支持させ、パイプ１を回転させることによって切込み４を入れるようする等、他の機構を備えた装置によって切込み４を入れることもできる。
なお、カッター装置１０として、例えば、刃をパイプ１の周面に固定支持させ、パイプ１を回転させることによって切込み４を入れるようする等、他の機構を備えた装置によって切込み４を入れることもできる。
次いで、図１（ｂ）に示すように、切込み４，４間の樹脂被覆層３に、カッターＢによって、長手方向の切込み５を入れる。
この第２の工程では、例えば、図２（ｂ）に示すようなカッター装置２０が使用される。このカッター装置２０は、板状の刃２１と受け部材２２とを備えている。そして、受け部材２２を、切込み４，４間のパイプ１の周面に当て、パイプ１の受け部材２２と反対の周面に刃２１を当て、該刃２１をパイプ１の軸芯に向けて樹脂被覆層３の厚み分切り込んで切込み５を入れる。
なお、カッター装置２０として、例えば、刃をパイプ１の周面長手方向に移動可能に配設し、該刃をパイプ１の周面長手方向に移動させることによって切込み５を入れる装置であってもよい。
なお、カッター装置２０として、例えば、刃をパイプ１の周面長手方向に移動可能に配設し、該刃をパイプ１の周面長手方向に移動させることによって切込み５を入れる装置であってもよい。
次いで、図１（ｃ）に示すように、切込み４，４間の樹脂被覆層３ａの外周面を、切込み５と反対の方向に力Ｆを作用させ、樹脂被覆層３ａを剥ぎ取って、図１（ｄ）に示すように、一部に金属管２ａが露出したパイプ１を得る。
この第３の工程では、例えば、図２（ｃ）に示すような剥離装置３０が使用される。この剥離装置３０は、パイプ１の周面の相反する面にそれぞれ当接させ、かつパイプ１の周面に対して、その軸芯方向に移動可能に配設した一対の剥離ローラ３１，３１を備えている。
そして、上記剥離ローラ３１，３１を、切込み５に対して周方向９０度の角度の位置、即ち、剥離ローラ３１，３１をパイプ１の軸芯に対して相反する位置に配置し、それらによってパイプ１の周面を挟持させる。そして、剥離ローラ３１，３１を、それぞれ切込み５と反対の方向（図２（ｃ）において矢印方向）に回転させることによって、樹脂被覆層３ａを剥ぎ取る。
なお、剥離装置３０として、一対のアームの先端でパイプ１の樹脂被覆層３ａを挟持し、そのアームを切込み５と反対の方向に引っ張ることによって、樹脂被覆層３ａを剥ぎ取るようにしてもよい。
なお、剥離装置３０として、一対のアームの先端でパイプ１の樹脂被覆層３ａを挟持し、そのアームを切込み５と反対の方向に引っ張ることによって、樹脂被覆層３ａを剥ぎ取るようにしてもよい。
図３および図４は、パイプ１の樹脂被覆層３を剥離して金属管２を露出させる第２の方法を示している。
この方法では、まず、図３（ａ）に示すように、金属管２を露出させようとする部位の樹脂被覆層３に、カッターＣによって、周方向の切込み６を入れる。
この第１の工程では、例えば、図４（ａ）に示すようなカッター装置４０が使用される。このカッター装置４０は、図２（ａ）のカッター装置１０と同様な装置で、パイプ１を囲むように、２つの支持ローラ４１，４１と、１つのディスクカッター４２が周方向等間隔（１２０度間隔）に配置され、かつそれらがパイプ１の半径方向に移動可能に設置されている。
そして、上記支持ローラ４１，４１およびディスクカッター４２を、パイプ１の方向に移動させることによってパイプ１を支持させ、さらに、ディスクカッター４２を樹脂被覆層３に必要量切り込ませる。次いで、支持ローラ４１，４１およびディスクカッター４２をパイプ１の周面に対して回転させることによって、樹脂被覆層３に切込み６を入れる。
なお、カッター装置４０として、例えば、刃をパイプ１の周面に固定支持させ、パイプ１を回転させることによって切込み６を入れるようする等、他の機構を備えた装置によって切込み６を入れることもできる。
なお、カッター装置４０として、例えば、刃をパイプ１の周面に固定支持させ、パイプ１を回転させることによって切込み６を入れるようする等、他の機構を備えた装置によって切込み６を入れることもできる。
次いで、図３（ｂ）に示すように、切込み６によって分離された樹脂被覆層３ａを、矢印方向に移動させることによって、図３（ｃ）に示すように、一部に金属管２ａが露出したパイプ１を得る。
この第２の工程では、例えば、図４（ｂ）に示すような移動装置５０が使用される。この移動装置５０は、断面が略半円の受け面５１ａを有し、パイプ１の長手方向に移動する移動ブロック５１と、断面が略半円の当接面５２ａを有する圧接ブロック５２とを備えている。そして、パイプ１の樹脂被覆層３ａを、移動ブロック５１の受け面５１ａと圧接ブロック５２の当接面５２ａによって挟持するとともに、圧接ブロック５２を移動ブロック５１に固定し、移動ブロック５１をパイプ１の長手方向に移動させることによって、挟持されている樹脂被覆層３ａを移動させて、一部に金属管２ａが露出したパイプ１を得る。
以上、本発明に係る樹脂被覆金属管の金属管露出方法の実施の形態を説明したが、本発明は、何ら既述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の技術的思想の範囲内において、さらに種々の変形及び変更が可能であることは当然である。
１ パイプ（樹脂被覆金属管）
２，２ａ 金属管
３，３ａ 樹脂被覆層
４，５，６ 切込み
１０ カッター装置
１１ 支持ローラ
１２ ディスクカッター
２０ カッター装置
２１ 刃
２２ 受け部材
３０ 剥離装置
３１ 剥離ローラ
４０ カッター装置
４１ 支持ローラ
４２ ディスクカッター
５０ 移動装置
５１ 移動ブロック
５１ａ 受け面
５２ 圧接ブロック
５２ａ 当接面
２，２ａ 金属管
３，３ａ 樹脂被覆層
４，５，６ 切込み
１０ カッター装置
１１ 支持ローラ
１２ ディスクカッター
２０ カッター装置
２１ 刃
２２ 受け部材
３０ 剥離装置
３１ 剥離ローラ
４０ カッター装置
４１ 支持ローラ
４２ ディスクカッター
５０ 移動装置
５１ 移動ブロック
５１ａ 受け面
５２ 圧接ブロック
５２ａ 当接面
Claims (2)
- 樹脂被覆金属管の周面の長手方向適宜間隔をもった部位に、支持ローラとディスクカッターが周方向等間隔に配置され、かつそれらが半径方向に移動可能に設置されたカッター装置を用い、上記支持ローラおよびディスクカッターを移動させて樹脂被覆金属管を支持し、さらにディスクカッターを樹脂被覆層に必要量切り込ませ、支持ローラおよびディスクカッターを樹脂被覆金属管の周面に対して相対的に回転させることによって、樹脂被覆層の周面に周方向の切込みを入れ、次いで、上記周方向の両切込み間の樹脂被覆層に、板状の刃と受け部材とを備えたカッター装置を用い、上記受け部材を樹脂被覆金属管の周面に当て、上記板状の刃を樹脂被覆層に必要量切り込ませ、該板状の刃を樹脂被覆金属管に対して長手方向に移動させることによって、樹脂被覆層の周面に長手方向の切込みを入れ、次いで、一対の剥離ローラを備えた剥離装置を用い、上記周方向の両切込み間の樹脂被覆層の外周面を上記一対の剥離ローラで挟持し、該剥離ローラをそれぞれ上記長手方向の切込みと反対の方向に回転させることによってその部分の樹脂被覆層を剥ぎ取り、金属管の一部を露出させることを特徴とする、樹脂被覆金属管の金属管露出方法。
- 樹脂被覆金属管の周面の長手方向適宜な位置に、支持ローラとディスクカッターが周方向等間隔に配置され、かつそれらが半径方向に移動可能に設置されたカッター装置を用い、上記支持ローラおよびディスクカッターを移動させて樹脂被覆金属管を支持し、さらにディスクカッターを樹脂被覆層に必要量切り込ませ、支持ローラおよびディスクカッターを樹脂被覆金属管の周面に対して相対的に回転させることによって、樹脂被覆層の周面に周方向の切込みを入れ、次いで、断面が略半円の受け面を有し、樹脂被覆金属管の長手方向に移動する移動ブロックと、断面が略半円の当接面を有する圧接ブロックとを備えた移動装置を用い、上記周方向の切込みを境にした一方の樹脂被覆金属管の樹脂被覆層を移動ブロックの受け面と圧接ブロックの当接面によって挟持するとともに圧接ブロックを移動ブロックに固定し、移動ブロックを樹脂被覆金属管の長手方向に移動させることによって、上記周方向の切込みを境にした一方の樹脂被覆層を金属管から脱落させることなく長手方向に移動させ、金属管の一部を露出部させることを特徴とする、樹脂被覆金属管の金属管露出方法。
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|---|---|---|---|
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