以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しつつ、具体的に説明する。ここで、添付図面において同一の構成要素には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。
(A)主たる実施形態
(A−1)実施形態の構成
図1は、実施形態に係るIP−PBXシステムの構成を示すブロック図である。
図1に示すIP−PBXシステム1において、ワンナンバーサーバ100、プレゼンスサーバ200、IP−PBX300、及び、管理者PC400は、LAN(ローカルエリアネットワーク)10に接続され、SW(LANスイッチ)20を介してIP網50に接続される。また、個人PC500、ボイスメール装置600、及び、IP電話機801、901は、LAN30に接続され、SW(LANスイッチ)40を介してIP網50に接続される。
ワンナンバーサーバ100は、1つの番号(ワンナンバー)から接続先の内線端末に変換する機能を有する。
プレゼンスサーバ200は、IP−PBX300が収容する内線端末(電話端末)のプレゼンスを示す情報(以下、プレゼンス情報と呼ぶ)を蓄積する機能を有する。
IP−PBX300は、収容する内線及び回線の呼制御全般を担当する。なお、IP−PBX300は、発信側の内線端末(以下、発信内線端末と呼ぶ)から受信したワンナンバーに基づき接続先の内線端末の変換をワンナンバーサーバ100に要求すると共に、その要求に対するワンナンバーサーバ100からの結果(接続先の内線端末の情報)を受け取り、この接続先の内線端末への呼接続を実施する。
管理者PC400は、例えばコンピュータ(情報処理装置)であり、ワンナンバーサーバ100へのワンナンバーの登録及び変更を実施する。
個人PC500は、例えば、コンピュータ(情報処理装置)であり、個人でワンナンバーに対する優先して接続する内線端末(以下、優先接続端末と呼ぶ)の登録及び変更、ワンナンバーの行動状況の登録及び変更、優先接続端末の中で最優先の優先接続端末つまり最優先して接続する内線端末(以下、最優先接続端末と呼ぶ)に接続できない場合の接続先の登録及び変更を実施することができる。
ボイスメール装置600は、ワンナンバーによる接続で最優先接続端末に接続できない場合等の条件で発信内線端末と接続され、その発信内線端末の音声を録音する機能を有する。
IP電話機801、901は、それぞれ内線端末(電話端末)として機能し、IP−PBX300に収容されている。
また、携帯電話701は、携帯電話キャリア網60に収容されている。
ワンナンバーサーバ100は、図2に示すように、IP−PBX通信APL101、プレゼンス受信APL102、ワンナンバー翻訳APL103、接続先決定APL104、保守運用APL105、及び、データベース106を有している。
データベース106は、ワンナンバー、プレゼンス、接続先の各情報を格納するデータベースである。このデータベース106の詳細については後述する。
IP−PBX通信APL101は、IP−PBX300からのワンナンバーの翻訳要求を受信して接続先決定APL104へ渡すと共に、接続先決定APL104によって決定された接続先をIP−PBX300へ返信する。
プレゼンス受信APL102は、プレゼンスサーバ200からIP−PBX300が収容する内線端末のプレゼンス情報を受信すると共に、内線端末毎にそのプレゼンス情報をデータベース106に格納する。
ワンナンバー翻訳APL103は、IP−PBX通信APL101から渡されたワンナンバー翻訳要求に含まれるワンナンバーとデータベース106に登録されているワンナンバー及び接続先の情報とを基に、当該ワンナンバー翻訳要求に含まれるワンナンバーに対応する接続先を抽出する。
接続先決定APL104は、ワンナンバー翻訳APL103が抽出した結果とデータベース106に登録されているワンナンバー及びプレゼンス情報とを基に最適な接続先を決定すると共に、この決定した結果(最適な接続先情報)をIP−PBX通信APL101に渡す。
保守運用APL105は、管理者PC400あるいは個人PC500からのワンナンバーのデータ登録、接続先の登録、これらの登録情報の変更を受け付け、データベース106に登録する。
プレゼンスサーバ200は、図3に示すように、プレゼンス制御APL201、プレゼンス受信APL202、プレゼンス送信APL203、及び、データベース204を有している。
データベース204は、内線端末毎にプレゼンス情報を格納するデータベースである。
プレゼンス制御APL201は、データベース204から読み出したプレゼンス情報を、プレゼンス表示機能を有する内線端末へ送信する。
プレゼンス受信APL202は、IP−PBX300から送信されるプレゼンスを受信し、このプレゼンス情報をデータベース204に格納する。
プレゼンス送信APL203は、データベース204から読み出したプレゼンス情報をワンナンバーサーバ100へ送信する。
IP−PBX300は、図4に示すように、呼制御APL301、ワンナンバー通信APL302、プレゼンス送信APL303、保守運用APL304、及びデータベース305を有している。
呼制御APL301は、IP−PBX300が収容する内線端末及び回線との接続全般の制御を行う。
ワンナンバー通信APL302は、ワンナンバーサーバ100に対し内線端末、回線から受信したワンナンバーの翻訳要求を送信すると共に、その翻訳要求に対するワンナンバーサーバ100からの結果(決定された接続先情報)を受信し、さらに、この結果(決定された接続先情報)を呼制御部APL301に渡す。
プレゼンス送信APL303は、内線端末のプレゼンス情報を作成し、これをプレゼンスサーバ200へ送信する。
保守運用APL304は、管理者PC400からの呼制御にかかわるデータ設定要求を受け付けてデータベース305に登録する。
データベース305は、呼制御にかかわるデータ設定要求を登録するデータベースである。
次に、ワンナンバーサーバ100のデータベース106の詳細について、図5を参照して説明する。
データベース106は、図5に示すように、ワンナンバー106a、優先接続先106b、端末プレゼンス106c、ワンナンバープレゼンス106d、最優先接続端末に接続できない場合の接続先106eの各項目を有する。
図5において、ワンナンバー106aの項目には、ワンナンバーとして、「6000」、「7000」、「8000」及び「9000」が登録されている。
優先接続先106bの項目には、ワンナンバー「6000」に対応する優先接続先として「601(IP電話機)」及び「602(携帯電話)」が登録されている。ワンナンバー「7000」に対応する優先接続先として「701(携帯電話)」及び「702(IP電話機)」が登録されている。ワンナンバー「8000」に対応する優先接続先として「801(IP電話機)」及び「802(携帯電話)」が登録されている。ワンナンバー「9000」に対応する優先接続先として「901(IP電話機)」及び「902(PHS)」が登録されている。これらの内線端末(電話端末)は優先接続端末となる。
ここで、ワンナンバー毎に登録されている複数の内線端末(この例では2つの内線端末)は、複数の内線端末(この例では8つの内線端末)をグループ化した場合のグループに属する内線端末であると言える。換言すれば、グループ毎に、ワンナンバーとグループに属する1つ以上の内線端末とが対応付けされていることになる。
なお、IP電話機601、携帯電話602、IP電話機702、携帯電話802及びPHS端末902は、図1には図示されていないが、IP網50に接続される。
例えば、IP電話機601及びIP電話機702はLAN30に接続されている。また、携帯電話602及び携帯電話802は、LAN30などIP網50に接続されるLANに接続されたIP対応の無線LANアクセスポイント(図示せず)を介してIP−PBX300に収容される。また、PHS端末901は、LAN30などIP網50に接続されるLANに接続されたIP対応のPHS基地局(図示せず)を介してIP−PBX300に収容される。さらに、図1に示した携帯電話701も、LAN30などIP網50に接続されるLANに接続されたIP対応の無線LANアクセスポイント(図示せず)を介してIP−PBX300に収容される。
因みに、携帯電話602、携帯電話701及び携帯電話802は、無線LAN圏内では内線端末(内線電話)として機能し、一方、無線LAN圏外では携帯電話として機能する携帯端末、すなわち、無線LANデュアル端末である。
この優先接続先106bの項目に登録されている「601」、「602」、…、「902」は、IP電話機、携帯電話など内線端末の内線番号を示している。また、これらの数字は内線端末に付した符号でもある。
この実施形態では、ワンナンバーに対応して登録される優先接続先としての例えば2つの内線端末のうち、先頭(1番目)の内線端末が最優先(第1位の優先順位)の内線端末(優先接続端末、かつ最優先接続端末)で、2番目の内線端末が第2位の優先順位の内線端末(優先接続端末)を意味する。例えば、ワンナンバー「9000」に注目した場合、内線番号901(IP電話機901)が最優先の内線端末となり、内線番号902(PHS902)が第2位の優先順位の内線端末となる。
さて、端末プレゼンス106cの項目には、各ワンナンバーに対応する優先接続先としての内線端末毎に、内線端末のプレゼンス(以下、端末プレゼンスと呼ぶ)が登録されている。この例では、端末プレゼンスとして、「話中」、「空き(接続可能)」、「圏外(内線圏外)」が登録されている。なお、優先接続先106bの項目の優先接続先としての内線番号「701」及び内線番号「802」のそれぞれに対応する端末プレゼンス「圏外(内線圏外)」は、無線LAN圏外を意味する。
ワンナンバープレゼンス106dの項目には、ワンナンバー106aの項目に登録されているワンナンバー毎に、ワンナンバーのプレゼンス(以下、ワンナンバープレゼンスと呼ぶ)が登録されている。この例では、ワンナンバープレゼンスとして、「話中」、「圏外」、「空き」が登録されている。
最優先接続端末に接続できない場合の接続先106eの項目には、ワンナンバー106aの項目に登録されているワンナンバー毎に、最優先接続端末に接続できない場合の接続先が登録されるようになっている。もちろん、その接続先を登録しないことも可能である。この例では、ワンナンバー「6000」、「7000」のそれぞれに対応して、「空き」以外のワンナンバープレゼンス(「話中」、「圏外」)に応じて、最優先接続端末に接続できない場合の接続先が設定されている。
ところで、この実施形態では、ワンナンバーサーバ100は、複数の電話端末(内線端末)をグループ化した場合のグループ毎に、異なる1つの番号(ワンナンバー)とグループに属する1つ以上の電話端末の識別情報(内線番号)とを対応付けて記憶し管理するサーバ装置の機能を有している。
ワンナンバーサーバ100において、データベース106は、複数の電話端末(内線端末)をグループ化した場合のグループ毎の異なる1つの番号(ワンナンバー)に対応して、識別情報の異なる1つ以上の電話端末(内線端末)の識別情報(内線番号)と、該当する1つの番号に対応するプレゼンス情報と、当該1つ以上の電話端末の中の接続先としての最優先の電話端末(最優先接続端末)に接続することができない場合の他の接続先(ボイスメール装置、携帯電話など)を示す他接続先情報とを記憶する記憶手段の機能を有している。
また、プレゼンス受信APL102は、複数の電話端末のプレゼンス情報を収集すると共に、グループ毎に該当するグループに属する1つ以上の電話端末のプレゼンス情報を基に当該グループの1つの番号に対応するプレゼンス情報を決定するプレゼンス情報決定手段の機能を有している。
また、IP−PBX通信APL101とワンナンバー翻訳APL103と接続先決定APL104とが協働することで、接続先決定処理手段の機能を果たすようになっている。
すなわち、接続先決定処理手段の機能には、少なくとも次の(1)〜(3)の機能が含まれている。
(1)IP−PBX300から所定の1つの番号(ワンナンバー)の接続先の問い合わせを受け付けたときに、データベース(記憶手段)106の記憶内容を基に最適な接続先を決定すると共に、当該最適な接続先(最優先接続端末)を示す情報(内線番号)をIP−PBX300へ返送する機能
(2)IP−PBX300からの所定の1つの番号(ワンナンバー)に対応する1つ以上の電話端末を優先の接続先として抽出すると共に、上記所定の1つの番号に対応するプレゼンス情報が通話可能を示す旨(空き)のときは上記抽出した優先の接続先の中の予め設定される最優先の接続先としての電話端末を示す識別情報(内線番号)を最適な接続先を示す情報としてIP−PBX300へ返送する機能
(3)IP−PBX300から所定の1つの番号に対応する1つ以上の電話端末を優先の接続先として抽出すると共に、上記所定の1つの番号に対応するプレゼンス情報が通話不可能を示す旨(話中、内線圏外)のときは上記所定の1つの番号に対応する上記他接続先情報(ボイスメール装置、携帯電話などを示す情報)を最適な接続先を示す情報としてIP−PBX300へ返送する機能
さらに、保守運用APL105は、次の電話端末情報更新手段の機能及びプレゼンス情報更新手段の機能を有している。
(1)電話端末情報更新手段の機能とは、IP網50を介して接続される個人PC500など情報処理装置(コンピュータ)によるワンナンバーサーバ(サーバ装置)100へのアクセスにより、データベース(記憶手段)106に記憶されている電話端末の識別情報(内線番号)にかかわる登録内容の更新指示があったときは、その更新後の電話端末の識別情報(内線番号)を基にデータベース(記憶手段)106の記憶内容を更新する機能である。
(2)プレゼンス情報更新手段の機能とは、保守運用APL105は、IP網50を介して接続される管理者PC400、個人PC500など情報処理装置(コンピュータ)によるワンナンバーサーバ(サーバ装置)100へのアクセスにより、データベース(記憶手段)106に記憶されている1つの番号(ワンナンバー)に対応するプレゼンス情報の更新指示があったときは、その更新後のプレゼンス情報を基にデータベース(記憶手段)106の記憶内容を更新する機能である。
また、この実施形態では、IP−PBX300において、呼制御APL301とワンナンバー通信APL302とが協働することで、発信側電話端末から所定の1つの番号(ワンナンバー)による発信があったときは、ワンナンバーサーバ(サーバ装置)100に対し当該所定の1つの番号に対応する接続先の問い合わせを行い、この問い合わせに対するワンナンバーサーバ(サーバ装置)100からの結果としての接続先の電話端末と上記発信側電話端末との呼接続を実施する機能を果たすようになっている。
呼制御APL301は、発信側電話端末に対し、ワンナンバーサーバ(サーバ装置)100からの結果としての接続先の電話端末に対応する1つの番号(ワンナンバー)を送信し発信履歴情報として記憶させると共に、当該接続先の電話端末に対し、上記発信側電話端末に対応する1つの番号(ワンナンバー)を送信し着信履歴情報として記憶させる機能を有している。
(A−2)実施形態の動作
最初に、IP−PBXシステム1によるワンナンバーに基づく呼接続を実施するに際し必要なデータの登録方法及び運用時のデータの登録方法、及び、それらの手順について、図6から図11を参照して説明する。
(A−2−1)ワンナンバーの登録と変更
ワンナンバーの登録処理及び変更処理について図6を参照して説明する。なお、図6は、IP−PBXシステム1によるワンナンバーの登録処理及び変更処理の処理手順を示すシーケンス図である。
図6に示すように、管理者PC400は、web経由でワンナンバーサーバ100の保守運用APL105にアクセスする。次に、管理者PC400は、Web画面に従いワンナンバーを登録するか、あるいは登録されているワンナンバーを変更する(S101)。
管理者PC400からのワンナンバーの登録あるいは変更を受けてワンナンバーサーバ100(の保守運用APL105)は、管理者PC400からのワンナンバーの登録又は変更の指示に応じて、データベース106のワンナンバー106aのテーブルにワンナンバーを登録するか、あるいは登録されているワンナンバーを変更する(S102)。
例えば、管理者PC400によって、ワンナンバー「9000」の登録が行われた場合、ワンナンバーサーバ100の保守運用APL105は、データベース106のワンナンバー106aの項目にワンナンバーとして「9000」を登録する。
(A−2−2)ワンナンバーの優先接続端末の登録と変更
ワンナンバーの優先接続端末の登録処理及び変更処理について、図7を参照して説明する。なお、図7は、IP−PBXシステム1によるワンナンバーの優先接続端末の登録処理及び変更処理の処理手順を示すシーケンス図である。
ここで、優先接続先とは、ワンナンバーに複数の内線端末が登録されている場合、ワンナンバーによる接続が実施されるときに、必ず優先して接続する内線端末(優先接続端末)を意味する。
図7に示すように、管理者PC400あるいは個人PC500は、Web経由でワンナンバーサーバ100の保守運用APL105にアクセスする。これら管理者PC400あるいは個人PC500は、Web画面に従いワンナンバーに対する優先接続先(優先接続端末)を登録するか、あるいは登録されている優先接続先(優先接続端末)を変更する(S111)。このとき優先接続先は1つでも複数でもかまわない。但し、優先接続先106bのテーブルの先頭に登録した内線端末が最優先の接続先(最優先接続端末)となる。
管理者PC400あるいは個人PC500からのワンナンバーに対する優先接続先の登録あるいは変更を受けてワンナンバーサーバ100(の保守運用APL105)は、データベース106のワンナンバー106aのテーブルを検索し、登録又は変更の対象となるワンナンバーに対応する優先接続先106bのテーブルを登録又は変更する(S112)。
例えば、管理者PC400あるいは個人PC500によってワンナンバー「9000」に対する優先接続先として内線番号「901」及び内線番号「902」の登録が行われた場合、ワンナンバーサーバ100の保守運用APL105は、データベース106のワンナンバー106aの項目におけるワンナンバー「9000」に対応して、優先接続先106bの項目に内線番号「901」及び内線番号「902」を登録する。
(A−2−3)ワンナンバーの行動状況の登録と変更
ワンナンバーの行動状況の登録処理及び変更処理について、図8を参照して説明する。
なお、図8は、IP−PBXシステム1によるワンナンバーの行動状況の登録処理及び変更処理の処理手順を示すシーケンス図である。
ここで、行動状況とは自動的に変わるプレゼンスを意味する。その行動状況には関係なく、個人で、自身の行動(会議、取込中等)をプレゼンスとして登録する。
図8に示すように、個人PC500は、Web経由でワンナンバーサーバ100の保守運用APL105にアクセスする。次に、個人PC500は、Web画面に従いワンナンバーに対するワンナンバープレゼンスを登録するか、あるいは登録されているワンナンバープレゼンスを変更する(S121)。
個人PC500からのワンナンバーに対するワンナンバープレゼンスの登録あるいは変更を受けてワンナンバーサーバ100(の保守運用APL105)は、データベース106のワンナンバー106aのテーブルを検索し、登録又は変更の対象となるワンナンバーに対応するワンナンバープレゼンス106dのテーブルを登録又は変更する(S122)。
例えば、個人PC500によって、ワンナンバー「9000」に対するワンナンバープレゼンス(行動)として「会議」の登録(変更)が行われた場合、ワンナンバーサーバ100の保守運用APL105は、データベース106のワンナンバープレゼンス106dの項目におけるワンナンバー「9000」に対応して、ワンナンバープレゼンス(行動)としての「会議」を登録する。
(A−2−4)最優先接続端末に接続できない場合の接続先の登録と変更
最優先接続端末に接続できない場合の接続先の登録処理及び変更処理について、図9を参照して説明する。なお、図9は、IP−PBXシステム1による最優先接続端末に接続できない場合の接続先の登録処理及び変更処理の処理手順を示すシーケンス図である。
ここで、最優先接続端末に接続できない場合の接続先とは、ワンナンバープレゼンスが話中又は圏外の場合の最優先接続端末に代わる接続先を意味する。
図9に示すように、個人PC500は、Web経由でワンナンバーサーバ100の保守運用APL105にアクセスする。個人PC500はWeb画面に従いワンナンバーに対する最優先接続端末に接続できない場合の接続先を登録するか、あるいは登録されている当該接続先を変更する(S131)。この場合、ワンナンバープレゼンスの状態(話中又は圏外)を指定し、その状態における接続先の登録あるいは変更を行う。
個人PC500からのワンナンバーに対する最優先接続端末に接続できない場合の接続先の登録あるいは変更を受けてワンナンバーサーバ100(の保守運用APL105)は、データベース106のワンナンバー106aのテーブルを検索し、登録又は変更の対象となるワンナンバーに対応する、最優先接続端末に接続できない場合の接続先106eのテーブルを登録又は変更する(S132)。
例えば、個人PC500によって、ワンナンバー「7000」に対する最優先接続端末に接続できない場合の接続先として、ワンナンバープレゼンスの状態が「圏外」のときは「携帯電話番号」(携帯電話)の登録(変更)が行われた場合、ワンナンバーサーバ100の保守運用APL105は、データベース106の最優先接続端末に接続できない場合の接続先106eの項目におけるワンナンバー「7000」に対応して、上記接続先として「圏外:携帯電話」を登録する。
次に、端末プレゼンスの受信、ワンナンバープレゼンスの作成及び更新について、図10及び図11を参照して説明する。
(A−2−5)端末プレゼンスの受信
端末プレゼンスの受信処理について、図10を参照して説明する。なお、図10は、IP−PBXシステム1による端末プレゼンスの受信処理の処理手順を示すシーケンス図である。
図10に示すように、IP−PBX300の呼制御APL301は、IP−PBX300が収容する内線端末の呼状態が変わる毎に、その呼状態をプレゼンスに変換し、このプレゼンスつまり端末プレゼンスをプレゼンス送信APL303に渡す。プレゼンス送信APL303は、呼制御APL301から渡された端末プレゼンスをプレゼンスサーバ200のプレゼンス受信APL202へ送信(通知)する(S201)。このとき端末プレゼンスのパラメータとして内線端末の内線番号と端末プレセンスとを付加する。
プレゼンスサーバ200では、プレゼンス受信APL202が、受信した端末プレゼンスをプレゼンス制御APL201へ通知すると、プレゼンス制御APL201は、その端末プレゼンスをプレゼンスサーバ200のデータベース204に格納する(S202)。
例えば、IP−PBX300のプレゼンス送信APL303が、内線端末の内線番号「801」と端末プレセンス「空き」の各パラメータが付加された端末プレゼンスをプレゼンス受信APL202へ送信した場合、プレゼンスサーバ200では、プレゼンス制御APL201は、プレゼンスサーバ200のデータベース204に、内線端末の内線番号「801」と端末プレセンス「空き」とを対応つけて格納する。
(A−2−6)ワンナンバーサーバによるプレゼンス情報の受信と格納
プレゼンスサーバ200のプレゼンス制御APL201は、端末プレゼンスをデータベース204に格納する際に、プレゼンス送信APL203に対し、ワンナンバーサーバ100への端末プレゼンス通知を要求する。すると、プレゼンス送信APL203は、図10に示すように、端末プレゼンス通知を受けてワンナンバーサーバ100へ端末プレゼンスを通知する(S203)。このとき端末プレゼンスのパラメータとして、内線端末の内線番号と端末プレゼンスとを付加する。
例えば、プレゼンス送信APL203は、内線端末の内線番号「801」と端末プレセンス「空き」とが付加情報として付加された端末プレゼンスをワンナンバーサーバ100へ通知する。
ワンナンバーサーバ100では、プレゼンス受信APL102は、受信した端末プレゼンス通知の付加情報である内線端末の内線番号に基づき、データベース106の優先接続先106bのテーブルを検索すると共に、優先接続先106bのテーブルに登録されている上記検索した結果に基づく内線端末(の内線番号)に対応する端末プレゼンス106cのテーブルの内容を、上記端末プレゼンス通知の付加情報である端末プレゼンスに更新する(S204)。
(A−2−7)ワンナンバープレゼンスの作成と登録(更新)
ワンナンバープレゼンスの作成処理及び登録(更新)処理について、図11を参照して説明する。なお、図11は、ワンナンバーサーバ100によるワンナンバープレゼンスの作成処理及び登録(更新)処理の処理手順を示すフローチャートである。
図11に示すように、ワンナンバーサーバ100では、プレゼンス受信APL102は、受信した端末プレゼンス通知の付加情報である内線端末の内線番号に基づき、データベース106のワンナンバー106aのテーブルからワンナンバーを決定し(ステップS301)、優先接続先106bのテーブルから上記決定したワンナンバーに対応する優先接続先(内線端末=優先接続端末)を全て抽出すると共に(ステップS302)、端末プレゼンス106cのテーブルから上記抽出した優先接続先(内線端末)に対応する端末プレゼンスを全て抽出する(ステップS303)。
次に、プレゼンス受信APL102は、上述したようにして抽出した優先接続先(内線端末)の全て(1つ又は複数)の端末プレゼンスの情報に応じて、ワンナンバープレゼンスを決定する(ステップS304)。
ここで、この実施形態では、内線端末毎の端末プレゼンス(「空き」、「話中」、「取込中」、「圏外」など)に応じて、次の(a)〜(d)の各決定処理が実施される。
(a)プレゼンス受信APL102は、優先接続先(1つ又は複数の内線端末)の端末プレゼンスがすべて「空き」の場合、ワンナンバープレゼンスを「空き」に決定すると共に(ステップS305)、この決定したワンナンバープレゼンスをワンナンバーサーバ100のデータベース106のワンナンバープレゼンス106dのテーブルの該当するワンナンバーに対応して登録又は更新する(ステップS306)。
この場合、データベース106のワンナンバープレゼンス106dのテーブルの該当するワンナンバーに対応して、ワンナンバー対応データとしてワンナンバープレゼンス「空き」が登録される。
(b)プレゼンス受信APL102は、優先接続先(1つ又は複数の内線端末)の端末プレゼンスの中の少なくとも1つの端末プレゼンスが「話中」、「取込中」又は「会議中」の場合、ワンナンバープレゼンスを「話中」に決定すると共に(ステップS307)、その後、ステップS306に進む。
この場合、データベース106のワンナンバープレゼンス106dのテーブルの該当するワンナンバーに対応して、ワンナンバー対応データとしてワンナンバープレゼンス「話中」が登録される。
(c)プレゼンス受信APL102は、優先接続先(1つ又は複数の内線端末)の端末プレゼンスが「空き」又は「圏外」であり、かつ「圏外」の端末プレゼンスがデータベース106の優先接続先106bの先頭に登録されている内線端末の場合、ワンナンバープレゼンスを「圏外」に決定すると共に(ステップS308)、その後、ステップS306に進む。
この場合、データベース106のワンナンバープレゼンス106dのテーブルの該当するワンナンバーに対応して、ワンナンバー対応データとしてワンナンバープレゼンス「圏外」が登録される。
(d)プレゼンス受信APL102は、優先接続先(1つ又は複数の内線端末)の端末プレゼンスが「空き」又は「圏外」であり、かつ「空き」の端末プレゼンスがデータベース106の優先接続先106bの先頭に登録されている内線端末の場合、ワンナンバープレゼンスを「空き」に決定すると共に(ステップS309)、その後、ステップS306に進む。
この場合、データベース106のワンナンバープレゼンス106dのテーブルの該当するワンナンバーに対応して、ワンナンバー対応データとしてワンナンバープレゼンス「空き」が登録される。
次に、ワンナンバーでの接続処理の方法について、図12を参照して説明する。なお、図12は、IP−PBXシステム1によるワンナンバーでの接続処理の処理手順を示すシーケンス図である。
(A−2−8)ワンナンバーの受信
IP−PBX300に収容されている内線端末(IP電話機)801は、内線端末(IP電話機)901のワンナンバー「9000」をダイヤルする(S401)。この内線端末(IP電話機)801は発信内線端末となる。
IP−PBX300では、呼制御APL301は、発信内線端末(IP電話機)801から受信したワンナンバー「9000」を、データベース305を参照して番号翻訳を行う。
(A−2−9)ワンナンバーの問い合わせ
呼制御APL301は、翻訳した結果が「ワンナンバー接続呼」の場合には、ワンナンバー通信APL302を介して、ワンナンバーサーバ100に対し「ワンナンバー翻訳要求」を送信する(S402)。このとき、ワンナンバー翻訳要求のパラメータとして、発信内線端末(IP電話機)801がダイヤルしたワンナンバー(この例では「9000」)と発信内線端末(IP電話機)801の内線番号(この例では「801」)とを付加する。
IP−PBX300からのワンナンバー翻訳要求を受信したワンナンバーサーバ100は、後述する接続先決定処理(図13参照)を実施する(S403)。詳細は後述するが、ワンナンバー翻訳APL103及び接続先決定APL104が協働して、最適な接続先(最優先の内線端末=最優先接続端末)をデータベース106から抽出し、ワンナンバー翻訳APL103が、発信内線端末(IP電話機)801の内線番号に対応するワンナンバーをデータベース106から抽出する。
(A−2−10)ワンナンバー接続先をIP−PBXに返送
ワンナンバーサーバ100では、接続先決定APL104は、決定した接続先の内線端末(IP電話機)901をIP−PBX通信APL101に通知し、また、ワンナンバー翻訳APL103は、抽出した発信内線端末(IP電話機)801のワンナンバー「8000」をIP−PBX通信APL101に通知する。
IP−PBX通信APL101は、通知された接続先の内線端末(IP電話機)901、発信内線端末(IP電話機)801のワンナンバー「8000」、及び接続先のワンナンバー「9000」を、IP−PBX300のワンナンバー通信APL302へ返送する(S404)。
(A−2−11)内線端末の接続
IP−PBX300では、ワンナンバー通信APL302は、ワンナンバー100のIP−PBX通信101から返送された接続先の内線端末(IP電話機)901、及び、発信内線端末(IP電話機)801のワンナンバー「8000」)を呼制御APL301に通知する。
呼制御APL301は、通知された情報の中の接続先の内線端末(IP電話機)901と発信内線端末(IP電話機)801との呼接続を実行する(S405)。
(A−2−12)内線端末へのワンナンバーの表示と履歴の蓄積
IP−PBX300では、呼制御APL301は、発信内線端末(IP電話機)801に対して、接続先の内線端末(IP電話機)901のワンナンバー「9000」を送信する(S406)。
これにより、発信内線端末(IP電話機)801は、IP電話機のディスプレイに接続先の内線端末のワンナンバー「9000」を表示すると共に、IP電話機の発信履歴に接続先の内線端末のワンナンバー「9000」を格納する(S407)。
また、呼制御APL301は、接続先の内線端末(IP電話機)901に対して発信内線端末(IP電話機)801のワンナンバー「8000」を送信する(S408)。
これにより、接続先の内線端末(IP電話機)901は、IP電話機のディスプレイに発信内線端末のワンナンバー「8000」を表示すると共に、IP電話機の発信履歴に接続先の内線端末のワンナンバー「8000」を格納する(S409)。
IP−PBX300の呼制御APL301によって、内線端末(IP電話機)901と発信内線端末(IP電話機)801とが呼接続されたことにより、内線端末(IP電話機)901と発信内線端末(IP電話機)801とは通話(通信)することが可能となる(S410)。
次に、ワンナンバーサーバ100によるワンナンバーの接続先決定処理について、図13を参照して説明する。なお、図13は、そのワンナンバーの接続先決定処理の処理手順を示すフローチャートである。
(A−2−13)ワンナンバーの優先接続先抽出
ワンナンバーサーバ100では、IP−PBX300のワンナンバー通信APL302から送信されたワンナンバー翻訳要求を受信したIP−PBX通信APL101が、そのワンナンバー翻訳要求をワンナンバー翻訳APL103に渡す。
このワンナンバー翻訳要求には、上述したように、パラメータとして、発信内線端末(IP電話機)801がダイヤルしたワンナンバー(この例では「9000」)と、発信内線端末(IP電話機)801の内線番号(この例では「801」)とが付加されている。
ワンナンバー翻訳APL103は、IP−PBX通信APL101から渡されたワンナンバー翻訳要求を基に、発信内線端末がダイヤルしたワンナンバーに対応する優先接続先を求めるという、ワンナンバー翻訳を実施する(ステップS501)。
例えば、ワンナンバー翻訳APL103は、IP−PBX通信APL101から渡されたワンナンバー翻訳要求を基に、発信内線端末(IP電話機)801がダイヤルしたワンナンバー「9000」に対応する優先接続先を求めるという、ワンナンバー翻訳を実施する。
このワンナンバー翻訳を実施するに際し、ワンナンバー翻訳APL103は、ワンナンバーを基に、データベース106に問い合わせし、データベース106のワンナンバー106aのテーブルを検索して、優先接続先106bのテーブルから当該ワンナンバーに対応する優先接続先を抽出し(ステップS502)、さらに、この抽出した結果及び当該ワンナンバーを接続先決定APL104に渡す。
例えば、ワンナンバー翻訳APL103は、ワンナンバー「9000」を基に、データベース106に問い合わせし、データベース106のワンナンバー106aのテーブルを検索して、優先接続先106bのテーブルから当該ワンナンバー「9000」に対応する優先接続先のIP電話機901及びPHS902を抽出(図5参照)し、この抽出した結果及びワンナンバー「9000」を接続先決定APL104に渡す。
(A−2−14)ワンナンバープレゼンスの抽出と接続先の決定
接続先決定APL104は、ワンナンバー翻訳APL103から渡されたワンナンバーを基に、データベース106のワンナンバープレゼンス106dのテーブルを検索し、当該ワンナンバーのプレゼンス(ワンナンバープレゼンス)を抽出(図5参照)すると共に(ステップS503)、この抽出したワンナンバープレゼンスの情報に応じて、最適な接続先(最優先の内線端末=最優先接続端末)を決定する(ステップS504)。
ここで、第1の実施形態では、ワンナンバープレゼンスは、「空き」、「話中」、「圏外」の3通りとしているので、次の(a)〜(c)の各決定処理が実施される。
(a)接続先決定APL104は、ワンナンバープレゼンスが「空き」の場合、データベース106の優先接続先106bの項目に登録されている1つ以上の優先接続先のうち1番目(先頭)の優先接続先を最適な接続先つまり最優先接続端末(接続先の内線端末)として決定する(ステップS505)。
(b)接続先決定APL104は、ワンナンバープレゼンスが「話中」の場合、データベース106の最優先接続端末に接続できない場合の接続先106eに登録されている接続先(「話中」の状態に対応する接続先)を最適な接続先として決定する(ステップS506)。
(c)接続先決定APL104は、ワンナンバープレゼンスが「圏外」の場合、データベース106の最優先接続端末に接続できない場合の接続先106eに登録されている接続先(「圏外」の状態に対応する接続先)を最適な接続先として決定する(ステップS507)。
ここで、具体的に説明する。接続先決定APL104は、ワンナンバー翻訳APL103から渡されたワンナンバー「9000」を基に、データベース106のワンナンバープレゼンス106dのテーブルを検索し、ワンナンバー「9000」のプレゼンス(ワンナンバープレゼンス)を抽出する。
次に、接続先決定APL104は、この抽出したワンナンバープレゼンスは「空き」であるので(図5参照)、ワンナンバー「9000」に関しては優先接続先106bのテーブルの先頭(1番目)に登録されている優先接続先の内線端末(最優先の接続先の内線端末)であるIP電話機901を最適な接続先(最優先接続端末)に決定する。
また、接続先決定APL104は、ワンナンバー翻訳APL103から渡されたワンナンバー「6000」を基に、データベース106のワンナンバープレゼンス106dのテーブルを検索し抽出した当該ワンナンバー「6000」のワンナンバープレゼンスが「話中」である場合(図5参照)、最優先接続端末への接続ができないと判断して、データベース106の最優先接続端末に接続できない場合の接続先106eのテーブルを抽出する。
そして、接続先決定APL104は、ワンナンバープレゼンスの「話中」に対応する接続先はボイスメール装置600が登録されているため、ボイスメール装置600を最適な接続先に決定する(図5参照)。
さらに、接続先決定APL104は、ワンナンバー翻訳APL103から渡されたワンナンバー「7000」を基に、データベース106のワンナンバープレゼンス106dのテーブルを検索し抽出した当該ワンナンバー「7000」のワンナンバープレゼンスが「圏外」である場合(図5参照)、最優先接続端末への接続ができないと判断して、データベース106の最優先接続端末に接続できない場合の接続先106eのテーブルを抽出する。
そして、接続先決定APL104は、ワンナンバープレゼンスの「圏外」に対応する接続先は携帯電話701が登録されているため、携帯電話701を最適な接続先に決定する(図5参照)。
上述したようにして最適な接続先(最優先接続端末)を決定した接続先決定APL104は、その決定した最適な接続先をIP−PBX通信APL101に渡す。
(A−2−15)発信電話端末のワンナンバーの抽出
ワンナンバーサーバ100では、ワンナンバー翻訳APL103は、既にIP−PBX通信APL101から渡されているワンナンバー翻訳要求に付加されている発信内線端末(IP電話機)801の内線番号(この例では「801」)を基に、データベース106の優先接続先106bを検索し、一致した優先接続先に対応するワンナンバーをワンナンバー106aのテーブルから抽出し(ステップS508)、この抽出した発信内線端末(IP電話機)801の内線番号に対応するワンナンバー(この例では「8000」)をIP−PBX通信APL101に渡す。
そして、IP−PBX通信APL101は、接続先決定APL104から渡された「最適な接続先としての最優先接続端末(最優先の内線端末)の内線番号(この例では「901)」、ワンナンバー翻訳APL103から渡された「発信内線端末の内線番号に対応するワンナンバー(この例では「8000」)」、既に受信しているワンナンバー翻訳要求に付加されている「発信内線端末がダイヤルした接続先のワンナンバー(この例では「9000」)」を、IP−PBX300のワンナンバー通信APL302へ返送する。この処理が図7のS404に相当する。
以上で、ワンナンバーサーバ100によるワンナンバーの接続先決定処理についての説明を終了する。
(A−3)実施形態の効果
上記実施形態によれば、1つ以上の電話端末(内線端末)を1つの番号(ワンナンバー)に対応させているので、そのワンナンバーによる発信があったときは、ワンナンバーに対応する1つ以上の内線端末(優先接続端末)の中で予め設定される最優先の内線端末(最優先接続端末)を接続先として決定することができる。
例えば、受信者が複数の内線端末を所有又は割り当てられている場合、発信者が当該複数の内線端末に対応するワンナンバーを指定(ダイヤル)することで、当該ワンナンバーに対応する複数の内線端末の中で予め設定される最優先の内線端末を接続先として決定することができる。
また、上記実施形態によれば、ワンナンバーサーバのデータベースを基に最適な接続先を決定するようにしているので、ワンナンバーによる発信があったときは、当該データベースを参照して、当該ワンナンバーに対応するプレゼンスに応じて最適な接続先を決定することができる。
例えば、ワンナンバーに対応するプレゼンスが例えば「空き」の場合では1つ以上の内線端末の中で予め設定される最優先の内線端末(最優先接続端末)を最適な接続先として決定することができる。また、ワンナンバーに対応するプレゼンスが例えば「話中」の場合では、最優先接続端末に接続できない場合の接続先としての例えばボイスメール装置を最適な接続先として決定することができる。
また、上記実施形態によれば、複数の電話端末(内線端末)をワンナンバーで一括して管理し、それぞれの電話端末に付与される優先順位に従って接続先を決定することができると共に、複数の電話端末のプレゼンスに基づくワンナンバーのプレゼンスに基づき最適な接続先を決定することができる。
そのため、掛け手(発信者)はワンナンバーを付与された個人(受信者)に電話する際には、発信者はいつでも当該ワンナンバーを意識すればよく、受け手(受信者)は電話端末の優先順位とワンナンバーのプレゼンスとに応じた最適な電話端末に接続してもらうことができる。
また、上記実施形態によれば、個人(個人PC)によって、ワンナンバーに対応する内線端末(優先接続端末)の登録内容を変更することができるので、ユーザの会社内での組織変更による座席移動があった場合に、そのユーザ(個人PC)が座席移動前のワンナンバーに対応させて、移動先の内線端末を自身の端末(最優先の内線端末=最優先接続端末)として登録することにより、座席移動前のワンナンバーによる発信があったときは、最優先の内線端末である移動先の内線端末を最適な接続先として決定することができる。
そのため、発信者は、接続先相手の受信者の座席移動や接続先の内線端末の変更を意識することなく、当該受信者にかかわる同じワンナンバーで発信することができ、しかも、受信者にとっては、座席移動に伴い内線端末の内線番号が座席移動前とは異なっている場合であっても、自身の指定した内線端末に着信させることができる。
また、上記実施形態によれば、IP電話機、携帯電話(無線LAN(WLAN)を使用する携帯デュアル端末)、PHS端末のようにディスプレイ表示が可能な内線端末については、発信履歴及び着信履歴がワンナンバーに対応して記憶されるため、発信履歴及び着信履歴で登録されたワンナンバーによるコールバックや再リダイヤルの際にも、当該ワンナンバーに対応する最適な接続先に接続することができる。
また、上記実施形態によれば、社内に電話帳が存在する場合において、電話帳に内線端末の内線番号ではなくワンナンバーを登録しておくことで、ユーザの会社内での組織変更による座席移動があった場合であっても、移動前の同一のワンナンバーに対応して移動先の内線端末の内線番号を登録することにより、電話帳の変更あるいは改版が不要になる。
さらに、上記実施形態によれば、例えば公衆回線からの着信に関しワンナンバーを利用すると電話の取次ぎ等が必要なく、必ず接続先につながることで顧客の満足度を向上させることができる。
(B)他の実施形態
上記実施形態では、IP−PBXシステムに本発明を適用した場合を示したが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではない。例えば、キャリアが提供する交換機(交換サーバ)を中心としたシステムに対しても、本発明を適用することができる。