JP5533562B2 - ディーゼルエンジンの筒内圧制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、ディーゼルエンジンの筒内圧制御システムに関するものである。
車両に搭載されるディーゼルエンジンにおいては、低燃費化及び軽量化を図るために、ダウンサイジング化が図られている。一方、ダウンサイジング化に伴う出力の低下を補うべく馬力を上げる必要性から筒内圧(燃焼爆発時の圧力)を上げると、耐久性の低下を来す問題があることから、エンジンのいかなる状況でも筒内圧が最大値を超えないように設定されると共に、筒内の低圧縮比化も図られている。
ただ、筒内の低圧縮比化は、シリンダ、ピストン、燃焼室で構成される内燃室の圧縮比を低くすることから、圧縮端温度が低下し、白煙が発生しやすくなる。そのため、前記白煙の発生を防止すべく、前記圧縮比が高めに設定される。なお、筒内の圧縮比を制御する技術としては、例えばディーゼルエンジンの圧縮比可変システム(特許文献1参照)が知られている。
特開平5−296061号公報
ところで、前記筒内圧の最大値の数値は、かなりのマージンを持っており、ある条件では筒内圧にかなりの余裕を持っている場合があり、エンジンのパフォーマンス(例えば馬力)を最大に生かすことができなかった。なお、筒内圧が規定値を超えると耐久性及び信頼性の低下を来す問題がある。
本発明は、前記事情を考慮してなされたものであり、いかなる運転状況でも筒内圧を適切にコントロールすることができ、エンジンのパフォーマンスを最大に生かすことができると共に耐久性及び信頼性の向上が図れるディーゼルエンジンの筒内圧制御システムを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、低圧縮比化されたディーゼルエンジンの筒内圧制御システムであって、前記ディーゼルエンジンにモータ発電機を有する電動ターボチャージャを搭載すると共に、前記ディーゼルエンジンの筒内圧を検出する筒内圧センサを設け、該筒内圧センサにより検出された検出筒内圧を吸入空気量と過給圧と燃料噴射タイミングとの関係から予めマップとして設定された設定筒内圧と比較して、検出筒内圧が設定筒内圧よりも低いときには筒内圧を上げるべく前記電動ターボチャージャを前記モータ発電機のモータ機能により駆動させて過給圧を上げ、検出筒内圧が設定筒内圧よりも高いときには筒内圧を下げるべく前記電動ターボチャージャを前記モータ発電機の発電機機能により制動回生させて過給圧を下げるように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、いかなる運転状況でも筒内圧を適切にコントロールすることができ、エンジンのパフォーマンスを最大に生かすことができると共にエンジンの耐久性及び信頼性の向上が図れる。
本発明の実施形態に係るディーゼルエンジンの筒内圧制御システムを概略的に示す図である。 筒内圧制御システムの作用を説明するフローチャートである。
以下に、本発明を実施するための形態を添付図面に基いて詳述する。
図1において、1は車両(図示省略)に搭載されるディーゼルエンジンで、そのエンジン本体1aの一側に吸気マニホールド2が、他側に排気マニホールド3がそれぞれ設けられている。前記吸気マニホールド2には吸気通路4が接続され、この吸気通路4の上流端には図示しないエアクリーナが設けられている。また、前記排気マニホールド3には排気通路5が接続され、この排気通路5の下流端には図示しない後処理装置を介してマフラが設けられている。
前記ディーゼルエンジン1には吸気を加給するための電動ターボチャージャ(以下、電動ターボともいう)6が搭載されている。この電動ターボ6は、前記排気通路5に設けられ排気圧力により回転駆動されるタービン7と、吸気通路4に設けられ吸気を加圧するコンプレッサ8と、タービン7の動力をコンプレッサ8に伝達すべくこれらタービン7とコンプレッサ8を接続する回転軸9と、この回転軸9を回転駆動することが可能であり且つ制動回生することも可能なモータ発電機10とを備えている。前記モータ発電機10はインバータ11を介してバッテリ12に接続されている。また、電動ターボ6のモータ発電機10は、後述のECU13によりインバータ11を介して制御されるようになっている。
前記コンプレッサ8よりも下流の吸気通路4にはインタークーラ14が設けられている。このインタークーラ14よりも下流の吸気通路4とタービン7よりも上流の排気通路5とは排気を吸気側に還流して排気ガス中のNoxの低減を図るためのEGR通路15で接続され、このEGR通路15にはEGR弁16及びEGRクーラー17が設けられている。
前記ディーゼルエンジン1は、ダウンサイジングされていると共に低圧縮比化されている。このディーゼルエンジン1には、低圧縮比化されているが故に発生し易い白煙を防止すると共にいかなる運転状況でも筒内圧を適切にコントロールするための筒内圧制御システムが組み込まれたエンジンコントロールユニット(ECU)13が搭載されている。
前記筒内圧制御システムは、前記筒内圧センサ18により検出された筒内圧(検出筒内圧)を吸入空気量と過給圧と燃料噴射タイミングとの関係で予め設定された筒内圧(設定筒内圧)と比較して、検出筒内圧が設定筒内圧よりも低いときには筒内圧を上げるべく前記電動ダーボ6を前記モータ発電機10のモータ機能により駆動させて過給圧(ブースト圧)を上げ、検出筒内圧が設定筒内圧よりも高いときには筒内圧を下げるべく前記電動ターボ16を前記モータ発電機10の発電機機能により制動回生させて過給圧を下げるように構成されている。
具体的には、図2に示すように、前記筒内圧センサ18により筒内圧を直接検出し(S1)、次にその検出筒内圧が予め設定された設定筒内圧以内か否かを判定し(S2)、検出筒内圧が設定筒内圧以内であるときには電動ターボ6をモータ発電機10のモータ機能により駆動させて過給圧を上げ(S3)、推定筒内圧が設定筒内圧を超えるときには電動ターボ6をモータ発電機10の発電機機能により制動回生させて過給圧を下げる(S4)ように構成されている。
すなわち、検出筒内圧が設定筒内圧を超えているときには、排気圧力によるタービン7の回転力をモータ発電機10の駆動(発電)に用いるため、コンプレッサ8の回転力が抑制され、過給圧を下げて筒内圧を下げることができると共に、発電により生じた電気をバッテリ12に蓄えることができ、省エネルギ化を図ることができる。
以上の構成からなるディーゼルエンジン1の筒内圧制御システムによれば、低圧縮比化されたディーゼルエンジン1の筒内圧制御システムであって、前記ディーゼルエンジン1にモータ発電機10を有する電動ターボ6を搭載すると共に、前記ディーゼルエンジン1の筒内圧を検出する筒内圧センサ18を設け、該筒内圧センサ18により検出された検出筒内圧を吸入空気量と過給圧と燃料噴射タイミングとの関係で予め設定された設定筒内圧と比較して、検出筒内圧が設定筒内圧よりも低いときには筒内圧を上げるべく前記電動ターボ6を前記モータ発電機10のモータ機能により駆動し、検出筒内圧が設定筒内圧よりも高いときには筒内圧を下げるべく前記電動ターボ6を前記モータ発電機10の発電機機能により制動回生するように構成されているため、いかなる運転状況でも筒内圧を設定圧力になるよう適切にコントロールすることができ、エンジンのパフォーマンスを最大に生かすことができると共にエンジンの耐久性及び信頼性の向上が図れる。
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の設計変更が可能である。
1 ディーゼルエンジン
6 電動ターボチャージャ
10 モータ発電機
13 ECU
18 筒内圧センサ

Claims (1)

  1. 低圧縮比化されたディーゼルエンジンの筒内圧制御システムであって、前記ディーゼルエンジンにモータ発電機を有する電動ターボチャージャを搭載すると共に、前記ディーゼルエンジンの筒内圧を検出する筒内圧センサを設け、該筒内圧センサにより検出された検出筒内圧を吸入空気量と過給圧と燃料噴射タイミングとの関係で予め設定された設定筒内圧と比較して、検出筒内圧が設定筒内圧よりも低いときには筒内圧を上げるべく前記電動ターボチャージャを前記モータ発電機のモータ機能により駆動させて過給圧を上げ、検出筒内圧が設定筒内圧よりも高いときには筒内圧を下げるべく前記電動ターボチャージャを前記モータ発電機の発電機機能により制動回生させて過給圧を下げるように構成されていることを特徴とするディーゼルエンジンの筒内圧制御システム。
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