JP4737320B2 - 内燃機関制御装置及び内燃機関制御システム - Google Patents

内燃機関制御装置及び内燃機関制御システム Download PDF

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Description

本発明は、燃料の噴射形態及び吸気状態を制御する内燃機関制御装置に関する。
従来より、燃焼室内の圧力(筒内圧)を筒内圧センサによって検出し、その筒内圧検出値に基づき気筒の燃焼特性を検出し、検出した燃焼特性に応じて内燃機関を制御する制御装置が提案されている。例えばディーゼルエンジンを対象とした特許文献1記載の制御装置では、筒内圧検出値に基づき、燃焼室内における燃料の燃焼によって生じるエネルギ発生率(熱発生率)を算出し、算出される熱発生率を用いて実際の着火時期を燃焼特性として検出している。
そして、検出した着火時期が所望の着火時期とずれているといった燃焼ばらつきに応じて次のように噴射形態を補正している。すなわち、1燃焼サイクル中に複数回噴射する多段噴射の場合にはメイン噴射開始時期やパイロット噴射量等を補正し、単段噴射の場合には噴射開始時期を補正している。
特開2005−351161号公報
しかしながら、筒内圧検出値では燃焼後の情報しか分からないため、筒内圧検出値から検出した燃焼ばらつきの原因が、噴射形態及び吸気状態のいずれによるものかを区別できない。そして、上記従来の制御では、いずれが原因であるかに拘わらず燃焼ばらつきを検出した場合には噴射形態のみを補正しているので、吸気状態(例えばEGR量や過給圧)のばらつきが原因で燃焼ばらつきが生じている場合であっても噴射形態(例えば噴射開始時期)のみを補正してしまう。よって、噴射形態及び吸気状態を十分に最適化しているとは言えず、改善の余地がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、噴射形態及び吸気状態の双方について最適化を図った内燃機関制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明では、
内燃機関に設けられた燃料噴射弁から噴射される燃料の噴射形態、及び前記内燃機関の燃焼室に流入して前記燃料と混合する吸気の状態を制御する内燃機関制御装置において、
前記燃焼室内の圧力を検出する筒内圧センサから、その筒内圧検出値を取得する筒内圧取得手段と、
前記燃料噴射弁からの燃料噴射に伴い変動する燃料の圧力を検出する燃圧センサから、その燃圧検出値を取得する燃圧取得手段と、
前記筒内圧検出値に基づき実際の燃焼量又は燃焼量に相当する物理量を算出する実燃焼量算出手段と、
前記燃圧検出値に基づき実際の噴射量を算出するとともに、算出した実噴射量から換算される理論上の燃焼量又は燃焼量に相当する物理量を算出する理論燃焼量算出手段と、
算出した前記実燃焼量及び前記理論燃焼量に基づき、前記燃料噴射弁から噴射した燃料が燃焼に寄与した割合を示す燃焼割合を算出する燃焼特性算出手段と、
前記燃焼特性算出手段により算出された燃焼割合に応じて、前記噴射形態及び前記吸気状態を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
ところで、燃料噴射弁に供給される燃料の圧力(燃圧)は燃料の噴射に伴い変動する。そして、このような燃圧の変動と実際の噴射状態とは相関が強い。例えば、実噴射開始に伴い前記燃圧は下降を開始するよう変動する(図5(c)参照)。また、前記燃圧の変動に伴い噴射率は変化し(図5(b)(c)参照)、噴射率変化の積分値(図5(b)中の斜線面積S)は実噴射量に相当する。したがって、上記燃圧を検出すれば噴射開始時期や噴射量等の噴射形態を算出することができる。
本発明者らはこの点に着目し、燃焼後の情報である筒内圧検出値に加えて、燃焼前の情報である、燃料噴射弁からの燃料噴射に伴い変動する燃料の圧力(燃圧検出値)をも取得する上記発明を想起した。これによれば、筒内圧検出値から算出可能な着火時期及び燃焼量(燃焼後の情報)に加え、燃圧検出値から算出可能な噴射形態を燃焼前の情報として取得することができる。
そして本発明では、取得した筒内圧検出値及び燃圧検出値の両検出値に基づき、気筒の燃焼に関する燃焼特性として燃焼割合を算出し、算出した燃焼割合に応じて噴射形態及び吸気状態を制御する。よって、筒内圧検出値から算出される着火時期に応じて噴射開始時期を制御する従来の制御に比べて、噴射形態及び吸気状態の双方について十分に最適化できる。
さらに、請求項1記載の発明によれば、燃圧検出値により取得した実際の噴射開始時期に基づき燃焼割合を算出するので、精度良く燃焼割合を得ることができる。そして、このような高精度の燃焼割合に応じて噴射形態及び吸気状態を制御するので、噴射形態及び吸気状態の双方について十分に最適化できる。なお、燃焼割合が同じ場合であっても、筒内圧検出値に基づく実燃焼量、及び燃圧検出値に基づき算出した燃焼量が異なる場合には、これらの燃焼量に応じて噴射形態及び吸気状態の制御内容を変更するよう制御してもよい。
請求項2記載の発明では、前記内燃機関の定常運転状態時において、前記制御手段は、前記燃焼割合が想定割合より大きい場合には前記吸気状態が燃焼を抑制する状態となるよう、前記燃焼割合が想定割合より小さい場合には前記吸気状態が燃焼を促進する状態となるよう前記吸気状態を制御することを特徴とする。これによれば、燃焼量が所望の量となるよう制御することを容易に実現できる。なお、EGR量や過給圧等の吸気状態を変化させた場合、その変化が燃焼状態に反映されるまで応答遅れが生じる。よって、上記請求項2記載の発明では、内燃機関の定常運転状態時において吸気状態を制御している。
請求項3記載の発明では、前記内燃機関は、前記燃料噴射弁を複数備えた多気筒内燃機関であり、複数の前記燃料噴射弁の噴射開始時期及び噴射量を揃えた状態で、前記燃焼割合を複数の気筒毎に算出し、算出した前記複数の燃焼割合の平均値を前記想定割合としたことを特徴とする。
これによれば、各気筒における噴射開始時期及び噴射量を揃えているので、気筒間の燃焼ばらつきが生じている場合に、そのばらつきの要因から噴射形態の要因を取り除くことができる。したがって、ある気筒に対する燃焼割合が複数の燃焼割合の平均値(想定割合)に対してばらついている場合に、そのばらつきは吸気状態が要因であると特定することができる。よって、このように吸気状態が要因であると特定した状態で燃焼割合に応じて吸気状態を制御する上記請求項3記載の発明によれば、噴射形態及び吸気状態の双方について十分に最適化できる。
請求項4記載の発明では、前記内燃機関には、排気系から吸気系に還流するEGR量を調整するEGRバルブが備えられており、前記制御手段は、前記燃焼割合が想定割合より大きい場合には前記EGR量を増量させるよう、前記燃焼割合が想定割合より小さい場合には前記EGR量を減量させるよう前記EGRバルブの開度を制御することを特徴とする。これによれば、燃焼量が所望の量となるよう制御することを容易に実現できる。
請求項5記載の発明では、前記内燃機関には、排気を駆動力として吸気を過給する過給機が備えられており、前記過給機は、排気の流体エネルギを前記駆動力に変換する割合を変更可能に構成されるとともに、当該変換割合を変更することにより過給圧を調整するよう構成されており、前記制御手段は、前記燃焼割合が想定割合より大きい場合には前記過給圧を減少させるよう、前記燃焼割合が想定割合より小さい場合には前記過給圧を増大させるよう前記変換割合を制御することを特徴とする。これによれば、燃焼量が所望の量となるよう制御することを容易に実現できる。
請求項6記載の発明では、前記内燃機関の過渡運転状態時において、前記制御手段は、前記燃焼割合が想定割合より大きい場合には前記噴射形態が燃焼を抑制する形態となるよう、前記燃焼割合が想定割合より小さい場合には前記噴射形態が燃焼を促進する形態となるよう前記噴射形態を制御することを特徴とする。
ここで、先述した通り、EGR量や過給圧等の吸気状態を変化させた場合、その変化が燃焼状態に反映されるまで応答遅れが生じる。これに対し、噴射開始時期等の噴射形態を変化させた場合の応答遅れは小さい。そこで、内燃機関の過渡運転状態時においては、上記請求項6記載の発明の如く噴射形態を制御することで、燃焼量が所望の量となるよう制御することを容易に実現できる。
請求項7記載の発明では、前記制御手段は、前記燃焼割合が想定割合より大きい場合には噴射開始時期を遅角させるよう、前記燃焼割合が想定割合より小さい場合には噴射開始時期を進角させるよう前記燃料噴射弁を制御することを特徴とする。これによれば、内燃機関の過渡運転状態時であっても、燃焼量が所望の量となるよう制御することを容易に実現できる。
さらに次の請求項8,9記載の発明によれば、内燃機関の過渡運転状態時であっても、着火時期又は燃焼量が所望の時期又は量となるよう制御することを容易に実現できる。すなわち、請求項8記載の発明では、前記内燃機関の過渡運転状態時において、前記制御手段は、EGR量を増量又は減量させるその補正量に応じて前記燃料噴射弁に供給される燃料の圧力を変更させることにより前記噴射形態を補正することを特徴とする。また、請求項9記載の発明では、前記内燃機関の過渡運転状態時において、前記制御手段は、過給圧を減少又は増大させるその補正量に応じて前記燃料噴射弁に供給される燃料の圧力を変更させることにより前記噴射形態を補正することを特徴とする。
請求項10記載の発明では、前記内燃機関は、前記燃料噴射弁を複数備えた多気筒内燃機関であり、前記燃圧センサは、複数の前記燃料噴射弁の各々に対して設けられており、前記筒内圧センサは、複数気筒の少なくとも1つに対して設けられていることを特徴とする。
例えば、複数気筒の全てに対して筒内圧センサを設けた場合には、全ての気筒について、筒内圧検出値及び燃圧検出値を取得して燃焼特性を算出することができる。よって、気筒毎の燃焼特性に応じて噴射形態を制御できるので、気筒毎の噴射形態及び吸気状態をより一層最適化できる。しかもこの場合には、気筒毎の燃焼特性を把握できるので、燃焼特性の気筒間ばらつきをなくすよう最適化することを容易に実現できる。
なお、例えば、筒内圧センサを代表する1つの気筒にのみ設けた場合には、他の気筒の筒内圧は代表気筒の筒内圧と同じとみなして他の気筒の燃焼特性を算出すればよく、これにより、筒内圧センサの数を減らしてコストダウンを図りつつ、上述の如く燃焼特性の気筒間ばらつきをなくすよう最適化することをも実現できる。
請求項11記載の発明では、前記内燃機関は、燃料を蓄圧する蓄圧容器から前記燃料噴射弁へ燃料を分配供給するよう構成されており、前記燃圧センサは、前記蓄圧容器から前記燃料噴射弁の噴射孔に至るまでの燃料通路のうち前記蓄圧容器に対して前記噴射孔に近い側に配置されていることを特徴とする。
ここで、蓄圧容器に燃圧センサ(レール圧センサ)を配置した構成は従来より知られているが、このようなレール圧センサにより噴射孔での圧力変動を検出しようとすると、噴射孔での圧力変動が蓄圧容器内で減衰した状態の圧力変動を検出することとなるため、噴射に伴い生じる圧力変動を精度よく検出することができない。これに対し上記請求項11記載の発明によれば、燃圧センサを、蓄圧容器から噴射孔に至るまでの燃料通路のうち蓄圧容器に対して噴射孔に近い側に配置しているので、噴射孔での圧力変動を蓄圧容器内で減衰する前に検出することができる。よって、噴射に伴い生じる圧力変動を精度よく検出することができ、ひいては、燃圧検出値を用いて算出される燃焼特性を高精度に取得できる。
請求項12記載の発明では、前記燃圧センサは前記燃料噴射弁に取り付けられていることを特徴とする。そのため、蓄圧容器と燃料噴射弁とを接続する配管に燃圧センサを取り付ける場合に比べて、燃圧センサの取り付け位置が燃料噴射弁の噴射孔に近い位置となる。よって、噴射孔での圧力変動が前記配管にて減衰してしまった後の圧力変動を検出する場合に比べて、噴射孔での圧力変動をより的確に検出することができる。
上述の如く燃圧センサを燃料噴射弁に取り付けるにあたり、請求項13記載の発明では前記燃料噴射弁の燃料流入口に取り付けることを特徴とし、請求項14記載の発明では、前記燃料噴射弁の内部に取り付け、前記燃料噴射弁の燃料流入口から前記噴射孔に至るまでの内部燃料通路の燃料圧力を検出することを特徴とする。
上述の如く燃料流入口に取り付ける場合には、燃料噴射弁の内部に取り付ける場合に比べて燃圧センサの取付構造を簡素にできる。一方、燃料噴射弁の内部に取り付ける場合には、燃料流入口に取り付ける場合に比べて燃圧センサの取り付け位置が燃料噴射弁の噴射孔に近い位置となるので、噴射孔での圧力変動をより的確に検出することができる。
請求項15記載の発明では、前記蓄圧容器から前記燃料噴射弁の燃料流入口までの燃料通路には、蓄圧容器内の燃料の圧力脈動を減衰させるオリフィスが備えられており、前記燃圧センサは前記オリフィスの燃料流れ下流側に配置されていることを特徴とする。ここで、前記オリフィスの上流側に燃圧センサを配置した場合には、噴射孔での圧力変動がオリフィスにより減衰してしまった後の圧力変動を検出することとなる。これに対し上記請求項15記載の発明によれば、オリフィスの下流側に燃圧センサを配置するので、オリフィスにより減衰する前の状態の圧力変動を検出することができ、噴射孔での圧力変動をより的確に検出することができる。
請求項16記載の発明は、燃料噴射弁からの燃料噴射に伴い変動する燃料の圧力を検出する燃圧センサ、及び気筒内の圧力を検出する筒内圧センサの少なくとも1つと、上記内燃機関制御装置と、を備えることを特徴とする内燃機関制御システムである。この内燃機関制御システムによれば、上述の各種効果を同様に発揮することができる。
本発明の第1実施形態に係る内燃機関制御装置が適用された、燃料系システムの概略を示す構成図。 図1の燃料噴射弁の内部構造を模式的に示す内部側面図。 図1のシステムに係る燃料噴射制御処理の基本的な手順を示すフローチャート。 図1の燃圧センサの検出圧力に基づく燃料噴射開始時期等の推定処理手順を示すフローチャート。 図1の燃圧センサによる検出圧力の変動波形と噴射率推移波形との関係を示す、単段噴射実行時におけるタイムチャート。 第1実施形態に係る吸排気系システムの概略を示す構成図。 図6のシステムに係る過給圧制御処理の基本的な手順を示すフローチャート。 図6のシステムに係るEGR量制御処理の基本的な手順を示すフローチャート。 第1実施形態において、各気筒の燃焼特性に応じてEGR量、過給圧及び噴射開始時期を補正する補正処理を示すフローチャート。 燃圧検出値及び筒内圧検出値等の変化の関係を示すタイミングチャート。 本発明の第2実施形態において、各気筒の燃焼特性に応じてEGR量、過給圧及び噴射開始時期を補正する補正処理を示すフローチャート。
以下、本発明を具体化した各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
先ず、本実施形態に係る内燃機関制御装置が搭載されるエンジン(内燃機関)の概略について、簡単に説明する。
本実施形態では、4輪自動車用ディーゼルエンジン(内燃機関)を対象にしており、燃焼室に直接的に高圧燃料(例えば噴射圧力「1000気圧」以上の軽油)を噴射供給(直噴供給)する方式のエンジンである。また、当該エンジンは、多気筒(例えば直列4気筒)の4ストローク、レシプロ式ディーゼルエンジン(内燃機関)を想定しており、4つのシリンダ#1〜#4について、それぞれ吸入・圧縮・燃焼・排気の4行程による1燃焼サイクルが「720°CA」周期で、詳しくは例えば各シリンダ間で「180°CA」ずらしてシリンダ#1,#3,#4,#2の順に逐次実行される。
次に、エンジンの燃料系について図1〜図5を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係るコモンレール式燃料噴射システムの構成図である。このシステムに備えられたECU30(電子制御ユニット)は、吸入調整弁11cに対する電流供給量を調整して燃料ポンプ11の燃料吐出量を所望の値に制御することで、コモンレール12(蓄圧容器)内の燃料圧力(燃圧センサ20aにて測定される時々の燃料圧力)を目標値(目標燃圧)にフィードバック制御(例えばPID制御)している。そして、その燃料圧力に基づいて、対象エンジンの所定シリンダに対する燃料噴射量、ひいては同エンジンの出力(出力軸の回転速度やトルク)を所望の大きさに制御している。
燃料供給系を構成する諸々の装置は、燃料上流側から、燃料タンク10、燃料ポンプ11、コモンレール12、及びインジェクタ20(燃料噴射弁)の順に配設されている。燃料ポンプ11は、対象エンジンの出力によって駆動される高圧ポンプ11a及び低圧ポンプ11bを有し、低圧ポンプ11bによって上記燃料タンク10から汲み上げられた燃料を、高圧ポンプ11aにて加圧して吐出するように構成されている。そして、高圧ポンプ11aに送られる燃料圧送量、ひいては燃料ポンプ11の燃料吐出量は、燃料ポンプ11の燃料吸入側に設けられた吸入調整弁(SCV:Suction Control Valve)11cによって調量される。すなわち、この燃料ポンプ11では、吸入調整弁11cの駆動電流量(ひいては弁開度)を調整することで、同ポンプ11からの燃料吐出量を所望の値に制御する。
低圧ポンプ11bは、例えばトロコイド式のフィードポンプとして構成されている。これに対し高圧ポンプ11aは、例えばプランジャポンプからなり、図示しない偏心カムにて所定のプランジャ(例えば3本のプランジャ)をそれぞれ軸方向に往復動させることにより加圧室に送られた燃料を逐次所定のタイミングで圧送するように構成されている。
燃料タンク10の燃料は、燃料ポンプ11によりコモンレール12へ加圧供給(圧送)された後、高圧状態でコモンレール12に蓄えられる。その後、シリンダ毎に設けられた高圧配管14を通じて、各シリンダ#1〜#4のインジェクタ20へそれぞれ分配供給される。これらインジェクタ20(#1)〜(#4)の燃料排出口21は、それぞれ余分な燃料を燃料タンク10へ戻すための配管18とつながっている。また、コモンレール12と高圧配管14との間には、コモンレール12から高圧配管14に流れる燃料の圧力脈動を減衰させるオリフィス12a(燃料脈動軽減手段)が備えられている。
図2に、上記インジェクタ20の詳細構造を示す。なお、上記4つのインジェクタ20(#1)〜(#4)は基本的には同様の構造(例えば図2に示す構造)となっている。いずれのインジェクタ20も、燃焼用のエンジン燃料(燃料タンク10内の燃料)を利用した油圧駆動式の燃料噴射弁であり、燃料噴射に際しての駆動動力の伝達が油圧室Cd(制御室)を介して行われる。同図2に示されるように、このインジェクタ20は、非通電時に閉弁状態となるノーマリクローズ型の燃料噴射弁として構成されている。
インジェクタ20のハウジング20eに形成された燃料流入口22には、コモンレール12から送られてくる高圧燃料が流入し、流入した高圧燃料の一部は油圧室Cdに流入し、他は噴射孔20fに向けて流れる。油圧室Cdには制御弁23により開閉されるリーク孔24が形成されており、制御弁23によりリーク孔24が開放されると、油圧室Cdの燃料はリーク孔24から燃料排出口21を経て燃料タンク10に戻される。
このインジェクタ20の燃料噴射に際しては、二方電磁弁を構成するソレノイド20bに対する通電状態(通電/非通電)に応じて制御弁23を作動させることで、油圧室Cdの密閉度合、ひいては同油圧室Cdの圧力(ニードル弁20cの背圧に相当)が増減される。そして、その圧力の増減により、スプリング20d(コイルばね)の伸張力に従って又は抗して、ニードル弁20cがハウジング20e内を往復動(上下)することで、噴射孔20f(必要な数だけ穿設)までの燃料供給通路25が、その中途(詳しくは往復動に基づきニードル弁20cが着座又は離座するテーパ状のシート面)で開閉される。
ここで、ニードル弁20cの駆動制御は、オンオフ制御を通じて行われる。すなわち、ニードル弁20cの駆動部(上記二方電磁弁)には、ECU30からオンオフを指令するパルス信号(通電信号)が送られる。そして、パルスオン(又はオフ)によりニードル弁20cがリフトアップして噴射孔20fが開放され、パルスオフ(又はオン)によりリフトダウンして噴射孔20fが閉塞される。
ちなみに、上記油圧室Cdの増圧処理は、コモンレール12からの燃料供給によって行われる。他方、油圧室Cdの減圧処理は、ソレノイド20bへの通電により制御弁23を作動させてリーク孔24を開放させることによって行われる。これにより、当該インジェクタ20と燃料タンク10とを接続する配管18(図1)を通じてその油圧室Cd内の燃料が上記燃料タンク10へ戻される。つまり、油圧室Cd内の燃料圧力を制御弁23の開閉作動により調整することで、噴射孔20fを開閉するニードル弁20cの作動が制御される。
このように、上記インジェクタ20は、弁本体(ハウジング20e)内部での所定の往復動作に基づいて噴射孔20fまでの燃料供給通路25を開閉(開放・閉鎖)することにより当該インジェクタ20の開弁及び閉弁を行うニードル弁20cを備える。そして、非駆動状態では、定常的に付与される閉弁側への力(スプリング20dによる伸張力)でニードル弁20cが閉弁側へ変位するとともに、駆動状態では、駆動力が付与されることにより上記スプリング20dの伸張力に抗してニードル弁20cが開弁側へ変位する。そしてこの際、それら非駆動状態と駆動状態とでは、ニードル弁20cのリフト量が略対称に変化する。
インジェクタ20には、燃料圧力を検出する燃圧センサ20a(図1も併せ参照)が取り付けられている。具体的には、ハウジング20eに形成された燃料流入口22と高圧配管14とを治具20jで連結させ、この治具20jに燃圧センサ20aを取り付けている。このようにインジェクタ20の燃料流入口22に燃圧センサ20aを取り付けることで、燃料流入口22における燃料圧力(インレット圧)の随時の検出が可能とされている。具体的には、この燃圧センサ20aの出力により、当該インジェクタ20の噴射動作に伴う燃料圧力の変動波形や、燃料圧力レベル(安定圧力)、燃料噴射圧力等を検出(測定)することができる。
燃圧センサ20aは、複数のインジェクタ20(#1)〜(#4)の各々に対して設けられている。そして、これら燃圧センサ20aの出力に基づいて、所定の噴射について、インジェクタ20の噴射動作に伴う燃料圧力の変動波形を高い精度で検出することができるようになっている(詳しくは後述)。
ECU30に搭載されるマイクロコンピュータ(マイコン)は、各種の演算を行うCPU(基本処理装置)、その演算途中のデータや演算結果等を一時的に記憶するメインメモリとしてのRAM、プログラムメモリとしてのROM、データ保存用メモリとしてのEEPROM、バックアップRAM(ECU30の主電源停止後も車載バッテリ等のバックアップ電源により常時給電されているメモリ)等を備えて構成されている。そして、ROMには、当該燃料噴射制御に係るプログラムを含めたエンジン制御に係る各種のプログラムや制御マップ等が、またデータ保存用メモリ(例えばEEPROM)には、対象エンジンの設計データをはじめとする各種の制御データ等が、それぞれ予め格納されている。
また、ECU30は、クランク角センサ42から入力される検出信号に基づき、対象エンジンの出力軸(クランク軸41)の回転角度位置や回転速度(エンジン回転速度NE)を算出する。また、アクセルセンサ44から入力される検出信号に基づき、運転者によるアクセルペダルの操作量(踏込み量)が算出される。ECU30は、前記各種センサ42,44及び後述する各種センサの検出信号に基づいて対象エンジンの運転状態やユーザの要求を把握し、それに応じて上記吸入調整弁11cやインジェクタ20等の各種アクチュエータを操作することにより、その時々の状況に応じた最適な態様で上記エンジンに係る各種の制御を行っている。
次に、ECU30が実行する燃料系の制御についての概略を説明する。
ECU30のマイコンは、時々のエンジン運転状態(例えばエンジン回転速度NE)や運転者によるアクセルペダルの操作量等に応じて燃料噴射量を算出し、所望の噴射開始時期に同期して、その燃料噴射量での燃料噴射を指示する噴射制御信号(噴射指令信号)を上記インジェクタ20へ出力する。当該噴射制御信号に応じた駆動量(例えば開弁時間)でインジェクタ20が作動することにより、対象エンジンの出力トルクが目標値へ制御されることになる。
以下、図3を参照して、上記燃料系制御の基本的な処理手順について説明する。なお、この図3の処理において用いられる各種パラメータの値は、例えばECU30に搭載されたRAMやEEPROM、あるいはバックアップRAM等の記憶装置に随時記憶され、必要に応じて随時更新される。そして、これら各図の一連の処理は、基本的には、ECU30でROMに記憶されたプログラムが実行される。
同図3に示すように、この一連の処理においては、まずステップS11で、所定のパラメータ、例えばその時のエンジン回転速度NE(クランク角センサ42による実測値)及び燃料圧力(燃圧センサ20aによる実測値)、さらには運転者によるその時のアクセル操作量(アクセルセンサ44による実測値)等を読み込む。
続くステップS12では、上記ステップS11で読み込んだ各種パラメータに基づいて噴射パターンを設定する。例えば単段噴射の場合にはその噴射の噴射量(噴射時間)が、また多段噴射の噴射パターンの場合にはトルクに寄与する各噴射の総噴射量(総噴射時間)が、それぞれ上記出力軸(クランク軸41)に生成すべきトルク(アクセル操作量等から算出される要求トルク、いわばその時のエンジン負荷に相当)に応じて可変設定される。
この噴射パターンは、例えば上記ROMに記憶保持された所定のマップ(噴射制御用マップ、数式でも可)及び補正係数に基づいて取得される。詳しくは、例えば予め上記所定パラメータ(ステップS11)の想定される範囲について試験により最適噴射パターン(適合値)を求め、その噴射制御用マップに書き込んでおく。
この噴射パターンは、例えば噴射段数(1燃焼サイクル中の噴射回数)、並びにそれら各噴射の噴射開始時期及び噴射時間(噴射量に相当)等のパラメータにより定められるものである。こうして、上記噴射制御用マップは、それらパラメータと最適噴射パターンとの関係を示すものとなっている。
そして、この噴射制御用マップで取得された噴射パターンを、別途更新されている補正係数(例えばECU30内のEEPROMに記憶)に基づいて補正する(例えば「設定値=マップ上の値/補正係数」なる演算を行う)ことで、その時に噴射すべき噴射パターン、ひいてはその噴射パターンに対応した上記インジェクタ20に対する噴射指令信号を得る。補正係数(厳密には複数種の係数のうちの所定の係数)は、別途の処理により内燃機関の運転中に逐次更新されている。
なお、上記噴射パターンの設定(ステップS12)には、同噴射パターンの要素(上記噴射開始時期等)毎に別々に設けられた各マップを用いるようにしても、あるいはこれら噴射パターンの各要素を幾つか(例えば全て)まとめて作成したマップを用いるようにしてもよい。
こうして設定された噴射パターン、ひいてはその噴射パターンに対応する指令値(噴射指令信号)は、続くステップS13で使用される。すなわち、同ステップS13(制御手段)では、その指令値(噴射指令信号)に基づいて(詳しくは上記インジェクタ20へその噴射指令信号を出力して)、同インジェクタ20の駆動を制御する。そして、このインジェクタ20の駆動制御をもって、図3の一連の処理を終了する。
次に、燃料噴射開始時期や燃料噴射量等を推定する処理について、図4を用いて説明する。
図4に示す一連の処理は、所定周期(例えば先述のCPUが行う演算周期)又は所定のクランク角度毎に実行される。まずステップS21で、燃圧センサ20aの出力値(燃圧検出値)を取り込む。この取り込み処理は複数の燃圧センサ20aの各々について実行される。以下、ステップS21の取り込み処理について、図5を用いて詳細に説明する。
図5(a)は、図3のステップS13にてインジェクタ20に出力される噴射指令信号を示しており、この指令信号のパルスオンによりソレノイド20bが作動して噴射孔20fが開弁する。つまり、噴射指令信号のパルスオン時期t1により噴射開始が指令され、パルスオフ時期t2により噴射終了が指令される。よって、指令信号のパルスオン期間(噴射指令期間)により噴射孔20fの開弁時間Tqを制御することで、噴射量Qを制御している。図5(b)は、上記噴射指令に伴い生じる噴射孔20fからの燃料噴射率の変化(推移)を示し、図5(c)は、噴射率の変化に伴い生じる燃圧センサ20aの燃圧検出値の変化(変動波形)を示す。
そして、ECU30は、図4の処理とは別のサブルーチン処理により、燃圧センサ20aの出力値を検出しており、そのサブルーチン処理では燃圧センサ20aの出力値を、該センサ出力で圧力推移波形の軌跡(図5(c)にて例示される軌跡)が描かれる程度に短い間隔(図4の処理周期よりも短い間隔)にて逐次取得している。具体的には、50μsecよりも短い間隔(より望ましくは20μsec)でセンサ出力を逐次取得する。
燃圧センサ20aの検出圧力(燃圧検出値)の変動と噴射率の変化とは以下に説明する相関があるため、検出圧力の変動波形から噴射率の推移波形を推定することができる。すなわち、先ず、図5(a)に示すように噴射開始指令がなされたt1時点の後、噴射率がR1の時点で上昇を開始して噴射が開始される。一方、検出圧力は、R1の時点で噴射率が上昇を開始したことに伴い変化点P1にて下降を開始する。その後、R2の時点で噴射率が最大噴射率に到達したことに伴い、検出圧力の下降は変化点P2にて停止する。次に、R2の時点で噴射率が下降を開始したことに伴い、検出圧力は変化点P2にて上昇を開始する。その後、R3の時点で噴射率がゼロになり実際の噴射が終了したことに伴い、検出圧力の上昇は変化点P3にて停止する。
以上により、燃圧センサ20aによる検出圧力の変動のうち変化点P1及びP3を検出することで、噴射率の上昇開始時点R1(実噴射開始時点)及び下降終了時点R3(実噴射終了時点)を推定することができる。また、以下に説明する検出圧力の変動と噴射率の変化との相関関係に基づき、検出圧力の変動から噴射率の変化を推定できる。
つまり、検出圧力の変化点P1からP2までの圧力下降率Pαと、噴射率の変化点R1からR2までの噴射率上昇率Rαとは相関がある。変化点P2からP3までの圧力上昇率Pγと変化点R2からR3までの噴射率下降率Rγとは相関がある。変化点P1からP2までの圧力下降量Pβ(最大落込量)と変化点R1からR2までの噴射率上昇量Rβとは相関がある。よって、燃圧センサ20aによる検出圧力の変動から圧力下降率Pα、圧力上量率Pγ及び圧力下降量Pβを検出することで、噴射率上昇率Rα、噴射率下降率Rγ及び噴射率上昇量Rβを推定することができる。以上の如く噴射率の各種状態R1,R3,Rα,Rβ,Rγを推定することができ、よって、図5(b)に示す燃料噴射率の変化(推移波形)を推定することができる。
さらに、実噴射開始から終了までの噴射率の積分値(斜線を付した符号Sに示す部分の面積)は噴射量に相当する。そして、検出圧力の変動波形のうち実噴射開始から終了までの噴射率変化に対応する部分(変化点P1〜P3の部分)の圧力の積分値と噴射率の積分値Sとは相関がある。よって、燃圧センサ20aによる検出圧力の変動から圧力積分値を算出することで、噴射量Qに相当する噴射率積分値Sを推定することができる。
図4の説明に戻り、先述のステップS21に続くステップS22(噴射開始時期算出手段)において、ステップS21で取得した変動波形から変化点P1,P3の出現時期を検出する。具体的には、変動波形の1階微分値を演算し、噴射指令のパルスオン時期t1以降、前記微分値が最初に閾値を超えたことをもってして変化点P1の出現を検出するようにして好適である。また、変化点P1の出現以降、前記微分値が閾値内で変動する安定状態となった場合に、その安定状態以前において前記微分値が最後に閾値を下回ったことをもってして変化点P3の出現を検出するようにして好適である。
続くステップS23では、ステップS21で取得した変動波形から圧力下降量Pβを検出する。具体的には、変動波形の変化点P1からP3までにおける検出圧力のピーク値から、変化点P1時点の検出圧力を減算することにより圧力下降量Pβを検出することが挙げられる。
続くステップS24では、ステップS22での検出結果P1,P2に基づき噴射率の上昇開始時点R1(実噴射開始時点)及び下降終了時点R3(実噴射終了時点)を推定する。また、ステップS23での検出結果Pβに基づき噴射率上昇量Rβを推定する。そして、少なくともこれらの推定値R1,R3,Rβに基づき、図5(b)に示すような噴射率の推移波形を算出する。なお、これらの推定値R1,R3,Rβの他にも、先述の如くR2,Rα,Rγ等の値を推定し、これらの推定値R2,Rα,Rγを噴射率推移波形の算出に用いるようにしてもよい。
続くステップS25では、ステップS24にて算出した噴射率推移波形をR1からR3の区間にて積分演算することにより面積Sを算出する。そして、当該面積Sを噴射量として推定する。以上により、図4の一連の処理が終了し、ステップS25にて推定された燃料噴射量及びステップS24にて推定された噴射率推移波形は、図3のステップS11で用いる先述の噴射制御用マップの更新(学習)等に用いられる。
次に、エンジンの吸排気系について図6及び図7を用いて説明する。
図6は、図1のエンジンに係る吸排気系システムの構成図である。当該エンジンは、排気系から吸気系に排気を還流させるEGR配管52を備えており、排気の一部を吸気管51に戻すことで、燃焼温度を下げてNOX低減等を図っている。EGR配管52には、EGR量(排気還流量)を調整するEGRバルブ52aが備えられている。EGRバルブ52aは電動アクチュエータ52bにより開閉作動し、全開作動時にEGR量は最大となり、全閉作動時にEGR量はゼロとなる。また、EGR配管52にはEGRクーラ52cが備えられており、還流させる排気を冷却して体積減少(密度上昇)を図ることで、燃焼室50aに流入する吸気の充填効率向上を図っている。
吸気管51のうち、EGR配管52が接続される部分の上流側には、燃焼室50aに流入する吸気のうち新気の流量を調整するスロットルバルブ51aが備えられている。スロットルバルブ51aは図示しない電動アクチュエータにより開閉作動し、全開作動時に新気量は最大となり、全閉作動時に新気量はゼロとなる。また、吸気管51のうち、EGR配管52が接続される部分の上流側には、吸気圧(後述するターボチャージャの過給圧でもある)を検出する吸気圧センサ45と、吸気温度を検出する吸気温センサ46とが備えられている。これらのセンサ45,46の検出信号はECU30に出力される。
吸気管51と排気管53との間にはターボチャージャ54(過給機)が配設されている。ターボチャージャ54は、吸気管51に設けられたコンプレッサインペラ54aと、排気管53に設けられたタービンホイール54bとを有し、それらがシャフト54cにて連結されている。ターボチャージャ54では、排気管53を流れる排気によってタービンホイール54bが回転し、その回転力がシャフト54cを介してコンプレッサインペラ54aに伝達される。そして、コンプレッサインペラ54aにより、吸気管51内を流れる吸入空気が圧縮されて過給が行われる。
また、本実施形態に係るターボチャージャ54には、排気の流体エネルギをシャフト54cの回転駆動力に変換する割合を設定変更可能にする容量可変型のターボチャージャが採用されている。具体的には、タービンホイール54bには、吹き付けられる排気の流速を可変とするための複数の可変ベーン54dが設けられている。これらの可変ベーン54dは互いに同期した状態でアクチュエータ54eにより開閉動作する。そして、隣り合う可変ベーン54d間の隙間の大きさ、すなわち可変ベーン54dの開度を変化させることで、前記排気流速を調整し、これによりタービンホイール54bの回転速度が調整される。そして、タービンホイール54bの回転速度が調整されることにより、燃焼室50aに強制的に供給される空気の量、すなわち過給圧が調整される。
なお、ターボチャージャ54にて過給された空気は、インタークーラ55によって冷却された後、その下流側に給送される。インタークーラ55によって吸入空気を冷却して体積減少(密度上昇)を図ることで、燃焼室50aに流入する吸気の充填効率向上を図っている。
吸気管51のうちコンプレッサインペラ54aの上流側には、単位時間あたりに流入する吸入空気の質量流量(以下、単に吸入空気量又は吸気量と呼ぶ)を検出するエアフロメータ47(吸気量センサ)が取り付けられている。本実施形態に係るエアフロメータ47には、吸気流量に応じて発熱体から奪われる熱量の変化を検出することで吸気量を間接的に検出するホットワイヤ式エアフロメータが採用されている。
排気管53のうちタービンホイール54bの下流側には、排気を浄化する浄化装置56が取り付けられている。浄化装置56の具体例としては、排気中のPMを捕集するためのDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)、排気中のNOxを浄化するNOx触媒や排気中のHCやCOを浄化する酸化触媒等が挙げられる。
排気管53のうち浄化装置56の下流側には、排気中の酸素濃度を検出するA/Fセンサ48(酸素濃度センサ)が取り付けられている。A/Fセンサ48は、時々の排気中酸素濃度に応じた酸素濃度検出信号を出力する酸素濃度センサである。A/Fセンサ48のセンサ出力としての酸素濃度検出信号は、酸素濃度に応じてリニアに変化するように調整される。なお、A/Fセンサ48に替えて、排気がリッチかリーンかに応じて異なる起電力信号を出力する起電力出力型のO2センサを採用してもよい。
複数気筒の各々には、燃焼室50a内の圧力を検出する筒内圧センサ49が取り付けられている。なお、代表する気筒にのみ筒内圧センサ49を取り付け、他の気筒の筒内圧は代表気筒の筒内圧と同じとみなして各種算出、制御を実行するようにしてもよい。ちなみに、本実施形態に係る筒内圧センサ49には直挿型が採用されており、圧電素子やひずみゲージにより筒内圧を検出している。
次に、ECU30が実行する吸排気系の制御についての概略を説明する。
図7に示す処理は、容量可変型ターボチャージャ54の容量を調整して過給圧を制御するための処理である。当該処理は、ECU30のマイコンにより所定周期(例えば先述のCPUが行う演算周期)で実行され、先ずステップS31で、所定のパラメータ、例えば、エアフロメータ47により検出された吸入空気量、エンジン回転速度NE、前述のステップS11で設定された燃料噴射量(噴射指令信号)又はステップS25で検出(推定)した噴射量、吸気圧センサ45により検出された吸気圧(過給圧)、吸気温センサ46により検出された吸気温度、等を読み込む。
続くステップS32では、上記ステップS31で読み込んだ各種パラメータに基づいて目標過給圧を設定する。この目標過給圧は、例えば上記ROMに記憶保持された所定の演算式又はマップ等に基づいて算出される。続くステップS33では、上記ステップS32で算出した目標過給圧に基づき、上記EEPROM等に記憶保持された過給制御用マップを用いて可変ベーン54dの開度(ベーン開度)を設定する。つまり、過給制御用マップは、目標過給圧とベーン開度との関係を定めるマップであり、例えば予め目標過給圧の想定される範囲について試験により最適ベーン開度(適合値)を求め、その過給制御用マップに書き込んでおく。過給制御用マップは、後述する別途の処理(図9参照)により内燃機関の運転中に逐次更新されて学習される。
続くステップS34(制御手段)では、上記ステップS33で設定したベーン開度となるようアクチュエータ54eを駆動制御することにより、可変ベーン54dが設定した開度となるよう制御する。そして、この可変ベーン54dの駆動制御をもって、図7の一連の処理を終了する。
図8に示す処理は、EGRバルブ52aの開度を調整してEGR量を制御するための処理である。当該処理は、ECU30のマイコンにより所定周期(例えば先述のCPUが行う演算周期)で実行され、先ずステップS41で、所定のパラメータ、例えば、A/Fセンサ48により検出された排気酸素濃度、エンジン回転速度NE、前述のステップS11で設定された燃料噴射量(噴射指令信号)又はステップS25で検出(推定)した噴射量、等を読み込む。
続くステップS42では、上記ステップS41で読み込んだ各種パラメータに基づいて目標EGR量を設定する。この目標EGR量は、例えば上記ROMに記憶保持された所定の演算式又はマップ等に基づいて算出される。続くステップS43では、上記ステップS42で算出した目標EGR量に基づき、上記EEPROM等に記憶保持されたEGR制御用マップを用いてEGRバルブ52aの開度を設定する。つまり、EGR制御用マップは、目標EGR量とEGRバルブ開度との関係を定めるマップであり、例えば予め目標EGR量の想定される範囲について試験により最適EGRバルブ開度(適合値)を求め、そのEGR制御用マップに書き込んでおく。EGR制御用マップは、後述する別途の処理(図9参照)により内燃機関の運転中に逐次更新されて学習される。
続くステップS44(制御手段)では、上記ステップS43で設定したEGRバルブ開度となるようアクチュエータ52bを駆動制御することにより、EGRバルブ52aが設定した開度となるよう制御する。そして、このEGRバルブ52aの駆動制御をもって、図8の一連の処理を終了する。
また、ECU30のマイコンは、エアフロメータ47により検出された吸入空気量及びEGRバルブ52aの開度等に基づき、スロットルバルブ51aの開度を制御する。具体的にはエンジンの低負荷時にはスロットルバルブ51aの開度を小さくしてEGR量の増大を図り、高負荷時にはスロットルバルブ51aの開度を大きくして新気量の増大を図っている。
次に、各気筒の燃焼特性に応じてEGR量、過給圧及び噴射開始時期を補正する補正処理について、図9及び図10を用いて説明する。
図9に示す処理は、図3のステップS13にて噴射指令信号が出力される毎に、ECU30のマイコンにより実行される。また、図9の処理は、各気筒毎にそれぞれ実行される。先ずステップS50(燃圧取得手段)において、図4のステップS22にて算出した実噴射開始時期を取得する。すなわち、燃圧センサ20aの検出圧力の変動波形から、図5(c)に示す変化点P1が出現した時期を実際の噴射開始時期として取得する。なお、多段噴射を実行している場合には、最初の噴射段(図10の例ではパイロット噴射)に係る噴射開始時期を取得する。
続くステップS60では、ステップS50にて取得した噴射開始時期の精度が十分に高いか否かを判定する。例えば、燃料噴射毎に図4の処理を繰り返し、その結果得られた複数の噴射開始時期のばらつきが所定範囲内であれば、取得した噴射開始時期の精度が十分に高いと判定すればよい。精度が十分に高くないと判定された場合には図9の一連の処理を一旦終了する。
一方、精度が十分に高いと判定された場合(S60:YES)には、ステップS70に進み、筒内圧センサ49にて検出された筒内圧検出値(図10(c)参照)を取得する。図10は、メイン噴射に先立ってパイロット噴射及びプレ噴射を行う多段噴射を実行した場合における各種値の時間変化を示す。図10(b)は図4のステップS21にて取得した燃圧センサ20aによる変動波形(燃圧検出値)、図10(a)はステップS24にて推定した噴射率、図10(c)中の実線L1は筒内圧センサ49による燃焼時の変動波形(筒内圧検出値)、点線L2は非燃焼時の変動波形(筒内圧検出値)、図10(d)は燃焼時の筒内圧検出値から算出される熱発生率の変化を各々示している。
ちなみに、熱発生率は次の式にて算出することが一例として挙げられる。すなわち、上記筒内圧をP、燃焼室50a内の容積をV、比熱比をκとし、
(VdP+κPdV)/κ−1
との式により算出する。
続くステップS80(着火時期算出手段)では、筒内圧の変化又は熱発生率の変化に基づき実際に着火した実着火時期t5を算出する。具体的には、筒内圧又は熱発生率の上昇率が閾値を超えた時点を着火時期t5として算出する。続くステップS90(燃焼特性算出手段)では、ステップS50にて取得したパイロット噴射の実噴射開始時期t4、及びステップS80にて算出した実着火時期t5に基づき、噴射開始から着火までの着火遅れ時間Tdを算出する。各気筒に対して算出された着火遅れ時間Tdは、該当する気筒固有の燃焼特性を示していると言える。この燃焼特性は、気筒内における各種フリクション、気筒内における圧縮比、EGR量及び過給圧の各気筒への分配ばらつき、等を要因とした特性である。
続くステップS100では、エンジンが定常運転状態であるか否かを判定する。詳細には、実噴射開始時期t4の算出根拠となる燃圧検出値及び実着火時期t5の算出根拠となる筒内圧検出値が、エンジンの定常運転状態時に検出されたものであるか否かを判定する。例えば、エンジン回転速度、エンジン負荷及び車速の少なくとも1つが所定時間以上一定であるとの条件を満たした場合に定常運転状態であると判定し、前記条件を満たしていなければ過渡運転状態であると判定すればよい。
そして、定常運転状態であると判定された場合(S100:YES)にはステップS110に進み、ステップS90にて算出した着火遅れ時間Tdの値に応じて、EGR量及び過給圧を補正する。すなわち、着火遅れ時間Tdが理想とする時間(想定時間)より短い場合には、燃焼を抑制して着火遅れ時間Tdが想定時間に近づくよう、EGR量を増量補正するとともに過給圧を減少補正する。一方、着火遅れ時間Tdが理想時間より長い場合には、燃焼を促進して着火遅れ時間Tdが理想時間に近づくよう、EGR量を減量補正するとともに過給圧を増大補正する。
上記過給圧の補正は、図7のステップS33で用いる過給制御用マップの値を補正して学習することにより行い、上記EGR量の補正は、図8のステップS43で用いるEGR制御用マップの値を補正して学習することにより行う。なお、これらのマップを学習することに替えて、ステップS32及びステップS42の目標値を算出するための演算式又はマップを補正学習するようにしてもよい。
ここで、上記理想時間(想定時間)について追記する。本実施形態では、各気筒における噴射開始時期t4及び噴射量を揃えた状態にして、この状態時に検出した燃圧検出値及び筒内圧検出値に基づき、実噴射開始時期t4及び実着火時期t5を算出(S50,S80)するとともに着火遅れ時間Tdを算出(S90)するようにしている。そして、各気筒の着火遅れ時間Tdに基づき蒸気理想時間を設定している。例えば、各気筒の着火遅れ時間Tdの平均値を上記理想時間とすることが具体例として挙げられる。
続くステップS120では、ステップS90にて算出した着火遅れ時間Tdの値に応じてパイロット噴射に係る噴射開始時期を補正する。すなわち、着火遅れ時間Tdが理想とする時間(想定時間)より短い場合には噴射開始時期を遅角補正し、着火遅れ時間Tdが理想時間より長い場合には噴射開始時期を進角補正することで、着火遅れ時間Tdを理想時間に近づけさせる。なお、他の噴射段(例えばプレ噴射及びメイン噴射)に係る噴射開始時期についても、着火遅れ時間Tdの値に応じて補正するようにしてもよい。上記噴射開始時期の補正は、図3のステップS12で用いる噴射制御用マップの値を補正して学習することにより行う。
一方、過渡運転状態であると判定された場合(S100:NO)にはステップS130に進み、ステップS120と同様にして噴射開始時期の補正を行う。なお、このような過渡運転状態では、ステップS110における過給圧の補正及びEGR量の補正を禁止している。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
・筒内圧センサ49により筒内圧検出値を取得することに加え、燃圧センサ20aを備えることにより燃圧検出値をも取得する。そして、筒内圧検出値から算出される着火時期t5と燃圧検出値から算出される噴射開始時期t4とに基づき、気筒の燃焼特性として着火遅れ時間Tdを算出する。そして、この着火遅れ時間Tdが理想の時間となるよう、噴射開始時期(噴射形態)と、過給圧及びEGR量(吸気状態)とを協調して制御している。
そのため、従来制御では単純に着火時期に応じて噴射開始時期を制御しているのに対し、本実施形態では着火遅れ時間Tdに応じて噴射開始時期(噴射形態)のみならず過給圧及びEGR量(吸気状態)をも協調して制御するので、噴射形態及び吸気状態の双方について十分に最適化できる。しかも、当該協調制御に用いる着火遅れ時間Tdは、筒内圧センサ49により検出された実際の着火時期t5と、燃圧センサ20aにより検出された実際の噴射開始時期t4とから算出されるので、所望する着火遅れ時間となるよう高い精度で噴射形態及び吸気状態を協調制御できる。
・各気筒における噴射開始時期t4及び噴射量を揃えた状態にして、この状態時に検出した燃圧検出値及び筒内圧検出値に基づき、実噴射開始時期t4及び実着火時期t5を算出(S50,S80)するとともに着火遅れ時間Tdを算出(S90)する。よって、このようにして算出された着火遅れ時間Tdには、噴射形態に起因した気筒間ばらつきの要素は排除されている。
そして、噴射形態ばらつきが排除された着火遅れ時間Tdに気筒間のばらつきが生じている場合、つまり、該当する気筒の着火遅れ時間Tdが各気筒の着火遅れ時間Tdの平均時間に対して長い(又は短い)場合、そのばらつきは吸気状態に起因したばらつきであると特定できる。そして、ステップS110において着火遅れ時間Tdが理想時間に近づくよう過給圧及びEGR量(吸気状態)を補正するので、所望する着火遅れ時間となるよう噴射形態及び吸気状態を協調制御できる。
・EGR量や過給圧等の吸気状態を変化させた場合、その変化が燃焼状態に反映されるまで応答遅れが生じる。そこで本実施形態では、エンジンの運転状態が定常運転状態(S100:YES)であることを条件として過給圧及びEGR量(吸気状態)を補正しており、これにより、過渡運転状態時に吸気状態を補正してしまうことによる着火遅れ時間Tdの制御精度低下を回避している。
・また、過渡運転状態時には噴射開始時期(噴射形態)を補正することにより着火遅れ時間Tdを制御するので、過渡運転状態時であっても着火遅れ時間Tdを所望時間に近づけるよう制御できる。
(第2の実施形態)
上記第1実施形態では、図9のステップS90において着火遅れ時間Tdを燃焼特性として算出し、この着火遅れ時間Tdに応じて噴射形態及び吸気状態を補正している。これに対し、本実施形態では、図11の処理を実行することにより、燃焼割合を燃焼特性として算出し(図11のステップS95参照)、この燃焼割合に応じて噴射形態及び吸気状態を補正している。因みに、同じ燃焼噴射量であっても気筒固有の燃焼特性により、噴射した燃料がトルク生成に寄与する割合(燃焼割合)が異なる場合があり、燃焼割合が悪い場合には図10(c)中の一点鎖線L3に示すように筒内圧検出値が小さくなる。
以下、本実施形態に係る補正処理の内容を図11を用いてより詳細に説明する。先ずステップS55(燃圧取得手段)にて、図4のステップS25にて算出した実噴射量を取得する。すなわち、燃圧センサ20aの検出圧力の変動波形から、図5(b)に示す噴射率の面積Sを実際の噴射量として取得する。なお、多段噴射を実行している場合には、各噴射の総噴射量を取得する。続くステップS56(理論燃焼量算出手段)では、ステップS55にて取得した噴射量から換算されるトルク発生量を算出する。
続くステップS65では、ステップS55にて取得した噴射量の精度が十分に高いか否かを判定する。例えば、燃料噴射毎に図4の処理を繰り返し、その結果得られた複数の噴射量のばらつきが所定範囲内であれば、取得した噴射量の精度が十分に高いと判定すればよい。精度が十分に高くないと判定された場合には図11の一連の処理を一旦終了する。
一方、精度が十分に高いと判定された場合(S65:YES)には、ステップS70(筒内圧取得手段)に進み、筒内圧センサ49にて検出された筒内圧検出値(図10(c)参照)を取得する。続くステップS85(実燃焼量算出手段)では、筒内圧の変化又は熱発生率の変化に基づき実際に発生したトルク(又は、トルクに関連する燃焼量等の物理量)を算出する。続くステップS95(燃焼特性算出手段)では、ステップS56にて算出したトルク発生量(噴射量換算トルク)、及びステップS85にて算出したトルク発生量(筒内圧検出トルク)とを比較して、噴射量換算トルクに対する筒内圧検出トルクの比率を燃焼割合(噴射特性)として算出する。
続くステップS100において、エンジンが定常運転状態であると判定された場合(S100:YES)にはステップS110に進み、ステップS95にて算出した燃焼割合の値に応じて、EGR量及び過給圧を補正する。すなわち、燃焼割合が理想とする割合(想定割合)より大きい場合には、燃焼を抑制して燃焼割合が想定割合に近づくよう、EGR量を増量補正するとともに過給圧を減少補正する。一方、燃焼割合が理想割合より小さい場合には、燃焼を促進して燃焼割合が理想割合に近づくよう、EGR量を減量補正するとともに過給圧を増大補正する。
上記過給圧の補正は、図7のステップS33で用いる過給制御用マップの値を補正して学習することにより行い、上記EGR量の補正は、図8のステップS43で用いるEGR制御用マップの値を補正して学習することにより行う。なお、これらのマップを学習することに替えて、ステップS32及びステップS42の目標値を算出するための演算式又はマップを補正学習するようにしてもよい。
ここで、上記理想割合(想定割合)について追記する。本実施形態では、各気筒における噴射開始時期t4及び噴射量を揃えた状態にして、この状態時に検出した燃圧検出値及び筒内圧検出値に基づき、噴射量換算トルク及び筒内圧検出トルクを算出(S55,S85)するとともに燃焼割合を算出(S95)するようにしている。そして、各気筒の燃焼割合に基づき上記理想割合を設定している。例えば、各気筒の燃焼割合平均値を理想時間とすることが具体例として挙げられる。
続くステップS120では、ステップS95にて算出した燃焼割合の値に応じてパイロット噴射に係る噴射開始時期を補正する。すなわち、燃焼割合が理想とする割合(想定割合)より大きい場合には噴射開始時期を遅角補正し、燃焼割合が理想割合より小さい場合には噴射開始時期を進角補正することで、燃焼割合を理想割合に近づけさせる。なお、他の噴射段(例えばプレ噴射及びメイン噴射)に係る噴射開始時期についても、燃焼割合の値に応じて補正するようにしてもよい。上記噴射開始時期の補正は、図3のステップS12で用いる噴射制御用マップの値を補正して学習することにより行う。
一方、過渡運転状態であると判定された場合(S100:NO)にはステップS130に進み、ステップS120と同様にして噴射開始時期の補正を行う。なお、このような過渡運転状態では、ステップS110における過給圧の補正及びEGR量の補正を禁止している。
以上詳述した本実施形態によれば、第1実施形態と同様にして以下の効果が得られるようになる。
・気筒の燃焼特性としての燃焼割合が理想の割合となるよう、噴射開始時期(噴射形態)と、過給圧及びEGR量(吸気状態)とを協調して制御するので、噴射形態及び吸気状態の双方について十分に最適化できる。しかも、当該協調制御に用いる燃焼割合は、筒内圧センサ49により検出された筒内圧検出トルクと、燃圧センサ20aにより検出された実際の噴射量Qから換算された噴射量換算トルクとから算出されるので、所望する燃焼割合となるよう高い精度で噴射形態及び吸気状態を協調制御できる。
・各気筒における噴射開始時期t4及び噴射量を揃えた状態にして、この状態時に検出した燃圧検出値及び筒内圧検出値に基づき、噴射量換算トルク及び筒内圧検出トルクを算出(S56,S85)するとともに燃焼割合を算出(S95)する。よって、このようにして算出された燃焼割合には、噴射形態に起因した気筒間ばらつきの要素は排除されている。
そして、噴射形態ばらつきが排除された燃焼割合に気筒間のばらつきが生じている場合、つまり、該当する気筒の燃焼割合が各気筒の燃焼割合の平均時間に対して小さい(又は大きい)場合、そのばらつきは吸気状態に起因したばらつきであると特定できる。そして、ステップS110において燃焼割合が理想時間に近づくよう過給圧及びEGR量(吸気状態)を補正するので、所望する燃焼割合となるよう噴射形態及び吸気状態を協調制御できる。
・EGR量や過給圧等の吸気状態を変化させた場合、その変化が燃焼状態に反映されるまで応答遅れが生じる。そこで本実施形態では、エンジンの運転状態が定常運転状態(S100:YES)であることを条件として過給圧及びEGR量(吸気状態)を補正しており、これにより、過渡運転状態時に吸気状態を補正してしまうことによる燃焼割合の制御精度低下を回避している。
・また、過渡運転状態時には噴射開始時期(噴射形態)を補正することにより燃焼割合を制御するので、過渡運転状態時であっても燃焼割合を所望割合に近づけるよう制御できる。
(他の実施形態)
上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。また、本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、各実施形態の特徴的構造をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
・図9及び図10のステップS110にてEGR量及び過給圧を補正する場合に、EGR量及び過給圧の増減補正量に応じて、コモンレール12内の燃圧を変更してインジェクタ20に供給される燃圧を補正するようにしてもよい。具体的には、前記増減補正量に応じて吸入調整弁11cの作動を補正して、燃料ポンプ11からコモンレール12への燃料吐出量を変更する。これによれば、エンジンの過渡運転状態時であっても着火遅れ時間Tdや燃焼割合を所望の値に近づけるよう制御できる。
・燃圧センサ20aをインジェクタ20に取り付けるにあたり、上記実施形態では、インジェクタ20の燃料流入口22に燃圧センサ20aを取り付けているが、図2中の一点鎖線200aに示すようにハウジング20eの内部に燃圧センサ200aを組み付けて、燃料流入口22から噴射孔20fに至るまでの内部燃料通路25の燃料圧力を検出するように構成してもよい。
そして、上述の如く燃料流入口22に取り付ける場合には、ハウジング20eの内部に取り付ける場合に比べて燃圧センサ20aの取付構造を簡素にできる。一方、ハウジング20eの内部に取り付ける場合には、燃料流入口22に取り付ける場合に比べて燃圧センサ20aの取り付け位置が噴射孔20fに近い位置となるので、噴射孔20fでの圧力変動をより的確に検出することができる。
・高圧配管14に燃圧センサ20aを取り付けるようにしてもよい。この場合、コモンレール12から一定距離だけ離間した位置に燃圧センサ20aを取り付けることが望ましい。
・コモンレール12と高圧配管14との間に、コモンレール12から高圧配管14に流れる燃料の流量を制限する流量制限手段を備えてもよい。この流量制限手段は、高圧配管14やインジェクタ20等の損傷による燃料漏れにより過剰な燃料流出が発生した時に、流路を閉塞するよう機能するものであり、例えば過剰流量時に流路を閉塞するように作動するボール等の弁体により構成することが具体例として挙げられる。なお、オリフィス12a(燃料脈動軽減手段)と流量制限手段とを一体に構成したフローダンパを採用してもよい。
・また、燃圧センサ20aをオリフィス及び流量制限手段の燃料流れ下流側に配置する構成の他に、オリフィス及び流量制限手段の少なくとも一方に対して下流側に配置するよう構成してもよい。
・燃圧センサ20aの数は任意であり、例えば1つのシリンダの燃料流通経路に対して2つ以上のセンサを設けるようにしてもよい。また、上記実施形態で説明した燃圧センサ20aに加えて、さらにコモンレール12内の圧力を測定するレール圧センサを備える構成としてもよい。
・図2に例示した電磁駆動式のインジェクタ20に替えて、ピエゾ駆動式のインジェクタを用いるようにしてもよい。また、リーク孔24等からの圧力リークを伴わない燃料噴射弁、例えば駆動動力の伝達に油圧室Cdを介さない直動式のインジェクタ(例えば近年開発されつつある直動式ピエゾインジェクタ)等を用いることもできる。そして、直動式のインジェクタを用いた場合には、噴射率の制御が容易となる。
・制御対象とするエンジンの種類やシステム構成も、用途等に応じて適宜に変更可能である。例えば、上記実施形態ではディーゼルエンジンに本発明を適用した場合について言及したが、例えば火花点火式のガソリンエンジン(特に直噴エンジン)等についても、基本的には同様に本発明を適用することができる。直噴式ガソリンエンジンの燃料噴射システムでは、燃料(ガソリン)を高圧状態で蓄えるデリバリパイプを備えており、このデリバリパイプに対して燃料ポンプから燃料が圧送されるとともに、同デリバリパイプ内の高圧燃料が複数のインジェクタ20に分配され、エンジン燃焼室内に噴射供給される。なお、かかるシステムでは、デリバリパイプが蓄圧容器に相当する。また、本発明に係る装置及びシステムは、シリンダ内に燃料を直接的に噴射する燃料噴射弁に限らず、エンジンの吸気通路又は排気通路に燃料を噴射する燃料噴射弁についても適用できる。
20…インジェクタ(燃料噴射弁)、20a…燃圧センサ、49…筒内圧センサ、S13,S34,S44…制御手段、S22…噴射開始時期算出手段、S50,S55…燃圧取得手段、S56…理論燃焼量算出手段、S70…筒内圧取得手段、S80…着火時期算出手段、S85…実燃焼量算出手段、S90,S95…燃焼特性算出手段。

Claims (16)

  1. 内燃機関に設けられた燃料噴射弁から噴射される燃料の噴射形態、及び前記内燃機関の燃焼室に流入して前記燃料と混合する吸気の状態を制御する内燃機関制御装置において、
    前記燃焼室内の圧力を検出する筒内圧センサから、その筒内圧検出値を取得する筒内圧取得手段と、
    前記燃料噴射弁からの燃料噴射に伴い変動する燃料の圧力を検出する燃圧センサから、その燃圧検出値を取得する燃圧取得手段と、
    前記筒内圧検出値に基づき実際の燃焼量又は燃焼量に相当する物理量を算出する実燃焼量算出手段と、
    前記燃圧検出値に基づき実際の噴射量を算出するとともに、算出した実噴射量から換算される理論上の燃焼量又は燃焼量に相当する物理量を算出する理論燃焼量算出手段と、
    算出した前記実燃焼量及び前記理論燃焼量に基づき、前記燃料噴射弁から噴射した燃料が燃焼に寄与した割合を示す燃焼割合を算出する燃焼特性算出手段と、
    前記燃焼特性算出手段により算出された燃焼割合に応じて、前記噴射形態及び前記吸気状態を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関制御装置。
  2. 前記内燃機関の定常運転状態時において、
    前記制御手段は、前記燃焼割合が想定割合より大きい場合には前記吸気状態が燃焼を抑制する状態となるよう、前記燃焼割合が想定割合より小さい場合には前記吸気状態が燃焼を促進する状態となるよう前記吸気状態を制御することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関制御装置。
  3. 前記内燃機関は、前記燃料噴射弁を複数備えた多気筒内燃機関であり、
    複数の前記燃料噴射弁の噴射開始時期及び噴射量を揃えた状態で、前記燃焼割合を複数の気筒毎に算出し、
    算出した前記複数の燃焼割合の平均値を前記想定割合としたことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関制御装置。
  4. 前記内燃機関には、排気系から吸気系に還流するEGR量を調整するEGRバルブが備えられており、
    前記制御手段は、前記燃焼割合が想定割合より大きい場合には前記EGR量を増量させるよう、前記燃焼割合が想定割合より小さい場合には前記EGR量を減量させるよう前記EGRバルブの開度を制御することを特徴とする請求項2又は3に記載の内燃機関制御装置。
  5. 前記内燃機関には、排気を駆動力として吸気を過給する過給機が備えられており、
    前記過給機は、排気の流体エネルギを前記駆動力に変換する割合を変更可能に構成されるとともに、当該変換割合を変更することにより過給圧を調整するよう構成されており、
    前記制御手段は、前記燃焼割合が想定割合より大きい場合には前記過給圧を減少させるよう、前記燃焼割合が想定割合より小さい場合には前記過給圧を増大させるよう前記変換割合を制御することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つに記載の内燃機関制御装置。
  6. 前記内燃機関の過渡運転状態時において、
    前記制御手段は、前記燃焼割合が想定割合より大きい場合には前記噴射形態が燃焼を抑制する形態となるよう、前記燃焼割合が想定割合より小さい場合には前記噴射形態が燃焼を促進する形態となるよう前記噴射形態を制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の内燃機関制御装置。
  7. 前記制御手段は、前記燃焼割合が想定割合より大きい場合には噴射開始時期を遅角させるよう、前記燃焼割合が想定割合より小さい場合には噴射開始時期を進角させるよう前記燃料噴射弁を制御することを特徴とする請求項6に記載の内燃機関制御装置。
  8. 前記内燃機関の過渡運転状態時において、
    前記制御手段は、EGR量を増量又は減量させるその補正量に応じて前記燃料噴射弁に供給される燃料の圧力を変更させることにより前記噴射形態を補正することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関制御装置。
  9. 前記内燃機関の過渡運転状態時において、
    前記制御手段は、過給圧を減少又は増大させるその補正量に応じて前記燃料噴射弁に供給される燃料の圧力を変更させることにより前記噴射形態を補正することを特徴とする請求項5に記載の内燃機関制御装置。
  10. 前記内燃機関は、前記燃料噴射弁を複数備えた多気筒内燃機関であり、
    前記燃圧センサは、複数の前記燃料噴射弁の各々に対して設けられており、
    前記筒内圧センサは、複数気筒の少なくとも1つに対して設けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の内燃機関制御装置。
  11. 前記内燃機関は、燃料を蓄圧する蓄圧容器から前記燃料噴射弁へ燃料を分配供給するよう構成されており、
    前記燃圧センサは、前記蓄圧容器から前記燃料噴射弁の噴射孔に至るまでの燃料通路のうち前記蓄圧容器に対して前記噴射孔に近い側に配置されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の内燃機関制御装置。
  12. 前記燃圧センサは前記燃料噴射弁に取り付けられていることを特徴とする請求項11に記載の内燃機関制御装置。
  13. 前記燃圧センサは前記燃料噴射弁の燃料流入口に取り付けられていることを特徴とする請求項12に記載の内燃機関制御装置。
  14. 前記燃圧センサは、前記燃料噴射弁の内部に取り付けられ、前記燃料噴射弁の燃料流入口から前記噴射孔に至るまでの内部燃料通路の燃料圧力を検出するよう構成されていることを特徴とする請求項12に記載の内燃機関制御装置。
  15. 前記蓄圧容器から前記燃料噴射弁の燃料流入口までの燃料通路には、コモンレール内の燃料の圧力脈動を減衰させるオリフィスが備えられており、
    前記燃圧センサは前記オリフィスの燃料流れ下流側に配置されていることを特徴とする請求項11〜14のいずれか1つに記載の内燃機関制御装置。
  16. 燃料噴射弁からの燃料噴射に伴い変動する燃料の圧力を検出する燃圧センサ、及び気筒内の圧力を検出する筒内圧センサの少なくとも1つと、
    請求項1〜15のいずれか1つに記載の内燃機関制御装置と、
    を備えることを特徴とする内燃機関制御システム。
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