JP5531552B2 - 石積み浄化堤の機能維持方法及びシステム - Google Patents

石積み浄化堤の機能維持方法及びシステム Download PDF

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Description

本発明は、水質浄化堤が貧酸素水塊や青潮に曝されたときにその水質浄化機能を維持する方法及びシステムに関する。
都市部近傍の沿岸水域においては、河川による流入負荷や堆積ヘドロからの溶出負荷が大きく、広域かつ根本的な水質浄化を行うことは容易ではないが、かかる水域の一部を石積み浄化堤で取り囲み、その内側に拡がる内水域を浄化する試みが実施されるようになってきた。
石積み浄化堤は、礫あるいは石を堤体材として海底から積み上げてなる海洋構造物であり、潮の干満や波が生じると、外水域の海水は堤体材の礫間を通過して内水域へと移動する。
ここで、プランクトン等の海水中の汚濁成分は、堤体材の表面に付着形成された微生物群からなる生物膜によって付着あるいは捕捉されるとともに、付着捕捉された濁り成分は、微生物群によって分解されたり、礫間に棲息する貝類や甲殻類によって摂取される。
すなわち、外水域の海水は、石積み浄化堤を構成する堤体材の礫間を通過することで汚濁成分が除去され、清浄な海水となって内水域に流入することとなり、かくして石積み浄化堤は、自然の生態を利用した水質浄化機能を果たす。
特開平8−184081号公報 特開2000−45244号公報 特開平8−57489号公報 特開平7−290084号公報 特開2005−46756号公報
しかしながら、出願人による実証試験の結果、貧酸素水塊や青潮が潮汐や波浪によって石積み浄化堤に流入する懸念があることがわかってきた。かかる場合に遭遇した場合、石積み浄化堤の水質浄化機能は著しく低下することになる。
すなわち、貧酸素水塊は、海底近傍での有機物分解による多量の酸素消費によって溶存酸素濃度が例えば3.5mg/l未満に低下した海水であり、青潮は、かかる海水が表層部に湧昇し、それに含まれていた硫化水素が海面近傍で酸素と接触してコロイド状の硫黄になったものである。
そのため、貧酸素塊や青潮が潮の干満や波によって石積み浄化堤を通過すると、堤体材に付着していた生物膜や棲息生物は、無酸素あるいは貧酸素の状態に曝されることとなり、その結果、生物膜や棲息生物が死滅し、ひいては石積み浄化堤の水質浄化機能が著しく低下するという問題を生じていた。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、貧酸素塊や青潮に曝されても水質浄化機能を維持することが可能な石積み浄化堤の機能維持方法及びシステムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る石積み浄化堤の機能維持方法は請求項1に記載したように、潮汐又は波浪によって石積み浄化堤が貧酸素水に曝されたとき又は曝されるおそれがあるとき、該石積み浄化堤の堤体内で発生させたマイクロバブルを前記石積み浄化堤を構成する堤体材の礫間又は該礫間に連通する堤体内中空空間に噴出させるものである。
また、本発明に係る石積み浄化堤の機能維持方法は請求項2に記載したように、石積み浄化堤の堤体内で発生させたマイクロバブルを前記石積み浄化堤を構成する堤体材の礫間又は該礫間に連通する堤体内中空空間に噴出させる石積み浄化堤の機能維持方法であって、前記石積み浄化堤で囲まれた内水域、該石積み浄化堤の外側に拡がる外水域又はその堤体内の水位が上昇しているときに前記噴出を行うものである。
また、本発明に係る石積み浄化堤の機能維持方法は、前記取水を前記内水域から行うものである。
また、本発明に係る石積み浄化堤の機能維持システムは請求項に記載したように、マイクロバブルを発生させる気泡発生装置を備えるとともに、マイクロバブルが石積み浄化堤の堤体内で発生して該石積み浄化堤を構成する堤体材の礫間又は該礫間に連通する堤体内中空空間に噴出するように前記気泡発生装置を設置した石積み浄化堤の機能維持システムであって、前記気泡発生装置を、マイクロバブルが前記石積み浄化堤で囲まれた内水域、該石積み浄化堤の外側に拡がる外水域又はその堤体内から取水された水との混合状態で発生し該水とともに噴出するように構成するとともに、前記取水ポンプを前記内水域に設置したものである。
また、本発明に係る石積み浄化堤の機能維持システムは請求項に記載したように、マイクロバブルを発生させる気泡発生装置を備えるとともに、マイクロバブルが石積み浄化堤の堤体内で発生して該石積み浄化堤を構成する堤体材の礫間又は該礫間に連通する堤体内中空空間に噴出するように、前記気泡発生装置を設置した石積み浄化堤の機能維持システムであって、前記石積み浄化堤で囲まれた内水域、該石積み浄化堤の外側に拡がる外水域又はその堤体内の水位を計測する水位計と該水位計で計測された水位の値に応じて前記気泡発生装置を駆動制御する制御手段とを備え、該制御手段は、前記水位計による値からその水位が上昇中であるかどうかを判断し、該水位が上昇中であると判断されたときに前記気泡発生装置を作動させるようになっているものである。
また、本発明に係る石積み浄化堤の機能維持システムは請求項に記載したように、マイクロバブルを発生させる気泡発生装置を備えるとともに、マイクロバブルが石積み浄化堤の堤体内で発生して該石積み浄化堤を構成する堤体材の礫間又は該礫間に連通する堤体内中空空間に噴出するように、前記気泡発生装置を設置した石積み浄化堤の機能維持システムであって、前記石積み浄化堤で囲まれた内水域、該石積み浄化堤の外側に拡がる外水域又はその堤体内の溶存酸素を計測する溶存酸素計と該溶存酸素計で計測された溶存酸素濃度の値に応じて前記気泡発生装置を駆動制御する制御手段とを備え、該制御手段は、前記溶存酸素計による値が所定値未満のときに前記気泡発生装置を作動させるようになっているものである。
石積み浄化堤が貧酸素水に曝されたとき、石積み浄化堤を構成する堤体材の表面に形成されている生物膜や礫間に棲息する生物は、上述したように貧酸素状態におかれて死滅し、石積み浄化堤はその水質浄化機能を喪失する。
本出願人は、かかる問題を解決すべく、石積み浄化堤の堤体に酸素を供給すればどうかという点に着眼して研究開発を行ったところ、曝気やエアレーションといった従来の手法によって石積み浄化堤の機能を維持することは困難であることが判明した。
すなわち、上述した従来手法は、水中の微生物活性を高める上で一定の効果があるが、水中に吹き出された気泡はすぐに上昇して水面で破裂放散するため、石積み浄化堤を構成する堤体材間隙の隅々にまで十分な量の酸素を供給することは難しい。特に、青潮の場合、空気中の酸素と未反応の硫化水素が残存しているところ、供給された酸素は、硫化水素の酸化に最初に消費されてしまうため、エアレーションや曝気によって溶存酸素濃度を高めることはきわめて困難となる。
それに対し、本発明においては、石積み浄化堤の堤体内で発生させたマイクロバブルを、石積み浄化堤を構成する堤体材の礫間又は該礫間に連通する堤体内中空空間に噴出させる。
このようにすると、マイクロバブルは、水中に長く滞留しながら、電荷による互いの反発力によって堤体の隅々に拡散し、しかる後、堤体材の礫間で消滅して該マイクロバブル内の気体成分である酸素が水に溶解する。
そのため、石積み浄化堤を構成する堤体材の礫間に十分な量の酸素を供給することが可能となり、かくして堤体材の表面に付着する生物膜や礫間に棲息する生物の死滅を未然に防止することができる。
また、マイクロバブルを石積み浄化堤の堤体内で発生させるようにしたので、マイクロバブルは、発生後速やかに噴出されることとなり、かくして発生から消滅までの時間を十分に生かしつつ、マイクロバブルを堤体材の礫間に確実に送り込むことが可能となる。
本発明においては、マイクロバブルを石積み浄化堤の堤体内で発生させるようにするが、これは、マイクロバブルを堤体外部で発生させた場合、マイクロバブルが堤体内部に到達するまでに時間を要し、その分、気泡としての寿命が短くなって堤体の隅々への拡散作用が低下することが懸念されるからである。
すなわち、マイクロバブルは通常の気泡に比べ、水中に長く滞留するものの、いずれは収縮して消滅するものであって、淡水ならばせいぜい数分程度との見解もある。そのため、マイクロバブルが水中で消滅する前に、該マイクロバブルを堤体材の礫間に確実に拡散供給する必要があるからである。
マイクロバブルは、噴出後に水中に滞留しながら該水中で消滅する微細気泡であって、気泡径が主として数μm〜数十μmの微細気泡が該当するが、本発明においては、500μm程度以下の微細気泡もマイクロバブルに含まれるものとする。
マイクロバブルを石積み浄化堤の堤体内で発生させるには、例えば堤体内に函体を埋設した上、その内部空間に気泡発生装置全体を配置するようにすればよいが、気泡発生装置の保守点検で問題がないのであれば、石積み浄化堤の堤体に気泡発生装置全体を直接埋設するようにしてもかまわない。
気泡発生装置をどのように構成するかは任意であり、加圧溶解方式、高速旋回方式、気液混合せん断方式あるいは微細孔方式といった公知の発生方式から適宜選択しあるいは組み合わせて構成することができる。なお、空気に代えて酸素のみでマイクロバブルを発生させる場合には、例えばPSA方式の酸素濃縮装置を用いればよい。
気泡発生装置は、外部からの水の取込みに関し、取り込んだ水との混合状態でマイクロバブルを発生させる方式と、マイクロバブルのみを噴出させる方式に大別され、前者には、上述した加圧溶解方式、高速旋回方式、気液混合方式などが該当し、後者には微細孔方式が該当するが、前者の場合においては、石積み浄化堤で囲まれた内水域、該石積み浄化堤の外側に拡がる外水域又はその堤体内から取水された水との混合状態でマイクロバブルを発生させ、該水とともにマイクロバブルを噴出させる。
ここで、石積み浄化堤の内水域から取水するようにすれば、貧酸素水が石積み浄化堤を通過して内水域に流入した後であっても、該内水域から貧酸素水を除去することができるので、内水域の水質浄化を行うことも可能となる。
本発明において貧酸素水とは、溶存酸素濃度がきわめて小さい場合として実質的に無酸素水をも含むとともに、いわゆる貧酸素水塊もこれを含む概念で用いるものとする。また、青潮は、硫化水素や該硫化水素が酸化された硫黄酸化物を含むため、溶存酸素濃度が低い単なる貧酸素水塊とは区別されることがあるが、本明細書で貧酸素水とは、溶存酸素濃度が低い水であって、青潮も含む概念として用いるものとする。
気泡発生装置をどのタイミングで作動させるかは任意であるが、貧酸素水は主として外水域側で発生して内水域側に流入するため、石積み浄化堤の内水域、外水域又は堤体内の水位が上昇しているときにマイクロバブルの噴出を行うようにすれば、貧酸素水の流入に合わせてマイクロバブルが石積み浄化堤の堤体材間隙に拡散することとなり、石積み浄化堤の効率的な維持管理が可能となる。
気泡発生装置を作動させるには、内水域、外水域又は堤体内の水位を水位計で計測し、その値から水位が上昇中であるかどうかを制御手段で判断し、該水位が上昇中であると判断されたときに該制御手段で気泡発生装置を作動させるようにすればよい。
水位は、石積み浄化堤の内水域、外水域又は堤体内のいずれで計測してもよく、堤体内で計測する場合には例えば計測ピットを設けて該計測ピットの水位を計測するようにすればよい。
また、石積み浄化堤の内水域、外水域又はその堤体内の溶存酸素濃度が所定値未満のときにマイクロバブルの噴出を行うようにすれば、石積み浄化堤が貧酸素水に曝されるおそれがあるときのみ、酸素が供給されることとなり、水位上昇に基づく作動と同様、石積み浄化堤の効率的な維持管理が可能となる。
気泡発生装置を作動させるには、内水域、外水域又は堤体内の溶存酸素を溶存酸素計で計測し、その値が所定値未満のときに制御手段で気泡発生装置を作動させるようにすればよい。
石積み浄化堤の機能維持システム1の概略図。 マイクロバブルが噴出されている様子を示した図。 石積み浄化堤の機能維持システム1の実施手順を示したフローチャート。 変形例に係る石積み浄化堤の機能維持システムの概略図。 別の変形例に係る石積み浄化堤の機能維持システムの概略図。
以下、本発明に係る石積み浄化堤の機能維持方法及びシステムの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る石積み浄化堤の機能維持システムを示した概略図である。同図でわかるように本実施形態に係る石積み浄化堤の機能維持システム1は、マイクロバブルを発生させる気泡発生装置9を石積み浄化堤2の堤体内に配置してある。
石積み浄化堤2は、礫、石等の堤体材3を海底4から積み上げ、これを被覆石5で被覆して堤体を構成してある。
気泡発生装置9は、石積み浄化堤2で囲まれた内水域7に拡がる海水を図示しない海水導入部を介して導入するとともに、その導入時に生じる負圧によって、大気中の空気を導入管12を介して自然導入し、これらを図示しない気液混合部で混合した後、高速旋回状態で切断することにより、マイクロバブルを発生させるとともに、取水した海水との混合状態でマイクロバブルを気泡噴出口10から噴出するようになっている。
また、図2に示すように、石積み浄化堤2には多数の吐出孔13が形成された中空管11を埋設してあるとともに、該中空管内に気泡発生装置9の気泡噴出口10を挿入してあり、気泡噴出口10から噴出されたマイクロバブルを中空管11に形成された吐出孔13を介して堤体材3の礫間に送り込むことができるようになっている。すなわち、中空管11の内部空間は、堤体材3の礫間に連通する堤体内中空空間として機能する。
中空管11は、気泡発生装置9の気泡噴出口10から噴出されたマイクロバブルが石積み浄化堤2の隅々に供給されるよう、断面積、本数、埋設深さ等を適宜設定するとともに、同様な観点で吐出孔13の孔径や個数を適宜設定する。
本実施形態に係る石積み浄化堤の機能維持システム1は図1に示すように、石積み浄化堤2の外水域14の潮位と溶存酸素濃度をそれぞれ計測する潮位計21及び溶存酸素計22と、潮位計21と溶存酸素計22とで計測された値に応じて気泡発生装置9を駆動制御する制御装置23とを備えており、該制御装置は、潮位計21による値から外水域14の水位が上昇中であるかどうかを判断し、該水位が上昇中であると判断されたとき、又は溶存酸素計22による値が所定値、例えば3.5mg/l未満のとき、気泡発生装置9を作動させるようになっている。
図3は、本実施形態に係る石積み浄化堤の機能維持システム1を用いて石積み浄化堤2の機能を維持する方法を実施する手順を示したフローチャートである。同図でわかるように、本実施形態に係る石積み浄化堤の機能維持方法においては、まず、石積み浄化堤2の外水域14の潮位と溶存酸素濃度を潮位計21及び溶存酸素計22でそれぞれ計測する(ステップ101)。
次いで、潮位計21による値から、外水域14の潮位が上昇中であるかどうかを判断する(ステップ102)。
ここで、上昇中でない場合には(ステップ102、NO)、溶存酸素濃度が所定値、例えば3.5mg/l未満がどうかを判断し(ステップ103)、所定値以上であれば(ステップ103、NO)、潮位計21及び溶存酸素計22による計測を継続して行う(ステップ101)。
一方、外水域14の潮位が上昇中であれば(ステップ102、YES)、貧酸素水が外水域14の側に存在していた場合、潮汐によって貧酸素水が外水域14から内水域7に流入している可能性があるので、制御装置23で気泡発生装置9を作動させることにより、石積み浄化堤2で囲まれた内水域7から貧酸素水又はその可能性がある海水を気泡発生装置9内に導入し、次いで、該海水とともにマイクロバブルを堤体材3の間隙に噴出させる(ステップ104)。
また、溶存酸素計22による値が所定値未満であれば(ステップ103、YES)、波浪によって貧酸素水が外水域14から内水域7に流入している可能性があるので、同様に気泡発生装置9を作動させ、マイクロバブルを堤体材3の間隙に噴出させる(ステップ104)。
以上説明したように、本実施形態に係る石積み浄化堤の機能維持システム1及び方法によれば、気泡発生装置9で発生させたマイクロバブルを、石積み浄化堤2を構成する堤体材3の礫間に連通する堤体内中空空間に噴出させるようにしたので、マイクロバブルは、水中に長く滞留しながら、電荷による互いの反発力によって堤体の隅々に拡散し、しかる後、堤体材3の礫間で消滅して該マイクロバブル内の気体成分である酸素が水に溶解する。
そのため、石積み浄化堤2を構成する堤体材3の礫間に十分な量の酸素を供給することが可能となり、かくして堤体材3の表面に付着する生物膜や礫間に棲息する生物の死滅を未然に防止することができる。
また、本実施形態に係る石積み浄化堤の機能維持システム1及び方法によれば、気泡発生装置9を、マイクロバブルが石積み浄化堤2の堤体内で発生するように設置したので、マイクロバブルは、発生後速やかに噴出されることとなり、かくして発生から消滅までの時間を十分に生かしつつ、マイクロバブルを堤体材の礫間に確実に送り込むことが可能となる。
また、本実施形態に係る石積み浄化堤の機能維持システム1及び方法によれば、石積み浄化堤2の内水域7から取水した水との混合状態でマイクロバブルを噴出させるようにしたので、貧酸素水が石積み浄化堤2を通過して内水域7に流入した後であっても、該内水域から貧酸素水を除去することができるので、内水域7の水質浄化を行うことも可能となる。
また、本実施形態に係る石積み浄化堤の機能維持システム1及び方法によれば、石積み浄化堤2の外水域14の潮位を潮位計21で計測し、該潮位計で計測された値に応じて気泡発生装置9を制御装置23で駆動制御するようにしたので、マイクロバブルを、貧酸素水の流入に合わせて石積み浄化堤2を構成する堤体材3の礫間に噴出させることが可能となり、かくして石積み浄化堤2の効率的な維持管理が可能となる。
また、本実施形態に係る石積み浄化堤の機能維持システム1及び方法によれば、石積み浄化堤2の外水域14の溶存酸素濃度を溶存酸素計22で計測し、該溶存酸素計で計測された値に応じて気泡発生装置9を制御装置23で駆動制御するようにしたので、石積み浄化堤2が貧酸素水に曝されるおそれがあるときのみ、マイクロバブルを堤体材3の礫間に噴出させすることが可能となり、石積み浄化堤2のさらなる効率的な維持管理が可能となる。
本実施形態では、石積み浄化堤2の外水域14における潮位と溶存酸素濃度を潮位計21及び溶存酸素計22でそれぞれ計測するとともに、それらの計測値に応じて気泡発生装置9を制御装置23で駆動制御するようにしたが、潮位計21及び溶存酸素計22のうち、いずれか一方のみを設置し、潮位又は溶存酸素濃度のいずれかだけで気泡発生装置9を制御装置23で駆動制御するようにしてもよい。
例えば溶存酸素計22のみを外水域14に設置し、潮位とは関係なく溶存酸素濃度の計測値に応じて、気泡発生装置9を制御装置23で駆動制御するようにすれば、貧酸素水が石積み浄化堤2に到来した時点で、石積み浄化堤2の堤体材3の礫間にはマイクロバブルが既に満たされていることとなり、かくしてマイクロバブルは、石積み浄化堤2及びその内水域7を守るバリアとしての役目を果たし、石積み浄化堤2の機能低下を予防することが可能となる。
また、これとは逆に、制御装置23による各装置の作動条件を、潮位が上昇中でかつ溶存酸素濃度が所定値未満とすることが可能であり、かかる変形例においては、貧酸素水が流入している可能性がきわめて高い場合のみ、システムを稼働させるものであり、システムの運転コストを低減することが可能となる。
また、潮位や溶存酸素濃度を別システムで監視しつつ、あるいは潮位や溶存酸素濃度とは関係なく適宜に、気泡発生装置9を手動で操作するようにしてもよい。
一方、気泡発生装置9を常時運転することで、マイクロバブルを連続供給するようにしてもかまわない。
かかる変形例においては、システムの運転コストよりも、石積み浄化堤の機能維持が優先される。図4は、かかる変形例を示したものであって、潮位計21、溶存酸素計22及び制御装置23は不要となる。
また、本実施形態では、石積み浄化堤2で囲まれた内水域7から貧酸素水又はその可能性がある海水を取水するようにしたが、これに代えて、石積み浄化堤2の堤体内から取水するようにしてもよい。
また、本実施形態では、気泡発生装置として気液混合旋回方式のものを採用したが、上述したように気泡発生装置をどのように構成するかは任意であり、気泡発生装置9に代えて、図5に示すような微細孔方式の気泡発生装置49を採用することも可能である。
気泡発生装置49は、微細孔が多数形成されたメンブレン(隔膜)を設けてあるとともに導入管12を介して導入された空気をメンブレンの背面に送り込むことにより、該メンブレンの正面から数百μm程度のマイクロバブルを噴出できるようになっている。なお、気泡発生装置49については、外部からの取水は不要である。
1 石積み浄化堤の機能維持システム
2 石積み浄化堤
3 堤体材
7 内水域
9,49 気泡発生装置
14 外水域
21 潮位計(水位計)
22 溶存酸素計
23 制御装置(制御手段)

Claims (6)

  1. 潮汐又は波浪によって石積み浄化堤が貧酸素水に曝されたとき又は曝されるおそれがあるとき、該石積み浄化堤の堤体内で発生させたマイクロバブルを前記石積み浄化堤を構成する堤体材の礫間又は該礫間に連通する堤体内中空空間に噴出させることを特徴とする石積み浄化堤の機能維持方法。
  2. 石積み浄化堤の堤体内で発生させたマイクロバブルを前記石積み浄化堤を構成する堤体材の礫間又は該礫間に連通する堤体内中空空間に噴出させる石積み浄化堤の機能維持方法であって、前記石積み浄化堤で囲まれた内水域、該石積み浄化堤の外側に拡がる外水域又はその堤体内の水位が上昇しているときに前記噴出を行うことを特徴とする石積み浄化堤の機能維持方法。
  3. 前記取水を前記内水域から行う請求項1又は請求項2記載の石積み浄化堤の機能維持方法。
  4. マイクロバブルを発生させる気泡発生装置を備えるとともに、マイクロバブルが石積み浄化堤の堤体内で発生して該石積み浄化堤を構成する堤体材の礫間又は該礫間に連通する堤体内中空空間に噴出するように前記気泡発生装置を設置した石積み浄化堤の機能維持システムであって、前記気泡発生装置を、マイクロバブルが前記石積み浄化堤で囲まれた内水域、該石積み浄化堤の外側に拡がる外水域又はその堤体内から取水された水との混合状態で発生し該水とともに噴出するように構成するとともに、前記取水ポンプを前記内水域に設置したことを特徴とする石積み浄化堤の機能維持システム。
  5. マイクロバブルを発生させる気泡発生装置を備えるとともに、マイクロバブルが石積み浄化堤の堤体内で発生して該石積み浄化堤を構成する堤体材の礫間又は該礫間に連通する堤体内中空空間に噴出するように、前記気泡発生装置を設置した石積み浄化堤の機能維持システムであって、前記石積み浄化堤で囲まれた内水域、該石積み浄化堤の外側に拡がる外水域又はその堤体内の水位を計測する水位計と該水位計で計測された水位の値に応じて前記気泡発生装置を駆動制御する制御手段とを備え、該制御手段は、前記水位計による値からその水位が上昇中であるかどうかを判断し、該水位が上昇中であると判断されたときに前記気泡発生装置を作動させるようになっていることを特徴とする石積み浄化堤の機能維持システム。
  6. マイクロバブルを発生させる気泡発生装置を備えるとともに、マイクロバブルが石積み浄化堤の堤体内で発生して該石積み浄化堤を構成する堤体材の礫間又は該礫間に連通する堤体内中空空間に噴出するように、前記気泡発生装置を設置した石積み浄化堤の機能維持システムであって、前記石積み浄化堤で囲まれた内水域、該石積み浄化堤の外側に拡がる外水域又はその堤体内の溶存酸素を計測する溶存酸素計と該溶存酸素計で計測された溶存酸素濃度の値に応じて前記気泡発生装置を駆動制御する制御手段とを備え、該制御手段は、前記溶存酸素計による値が所定値未満のときに前記気泡発生装置を作動させるようになっていることを特徴とする石積み浄化堤の機能維持システム。
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