JP5531052B2 - 燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法 - Google Patents

燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法 Download PDF

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Description

この発明は、燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法に関するものである。
燃料電池として、固体高分子電解質膜をアノード電極とカソード電極とで両側から挟んで膜電極構造体を形成し、この膜電極構造体の両側に一対のセパレータを配置して平板状の単位燃料電池(以下「単位セル」という。)を構成し、この単位セルを複数積層して燃料電池スタックとするものが知られている。この燃料電池では、アノード電極とアノード側セパレータとの間に形成されたアノードガス流路に燃料ガスとして水素ガスを供給するとともに、カソード電極とカソード側セパレータとの間に形成されたカソードガス流路に酸化剤ガスとして空気を供給する。これにより、アノード電極で触媒反応により発生した水素イオンが固体高分子電解質膜を透過してカソード電極まで移動し、カソード電極で空気中の酸素と電気化学反応を起こして発電が行われる。
燃料電池システムは、発電に伴い発熱する燃料電池を冷却するための冷却手段を備えている。例えば、特許文献1の燃料電池システムは、車両に搭載されており、冷媒をラジエータに供給するラジエータ側流路と、燃料電池スタックを冷却した冷媒をラジエータから迂回させるバイパス流路と、冷媒の温度が高いときは低いときに比べてラジエータ側流路に流れる冷媒の流量を増加させるサーモスタットバルブと、を備えている。サーモスタットバルブの切替温度は、低地走行を基準に固定値に設定されている。
サーモスタットバルブは、冷媒の温度が切替温度よりも高くなるとバイパス流路を遮断し、ラジエータ側流路のみに冷媒を流す。これに対して、冷媒の温度が切替温度よりも低くなるとラジエータ側流路を遮断し、バイパス流路のみに冷媒を流す。
さらに、特許文献1に記載の燃料電池システムは、冷媒を加温する電気ヒータと、冷媒の温度を制御する制御手段と、を備えている。制御手段は、冷媒の温度と外気圧とに基づいて電気ヒータを制御しており、外気圧に応じて燃料電池に流入する冷媒の温度を制御している。
例えば、気圧の低い高地においては、電気ヒータを作動させてサーモスタットバルブに流入する冷媒を加温し、サーモスタットバルブを強制的に作動させて冷媒の流路をラジエータ側流路に切り替えることにより、冷媒の温度制御をしている。また、気圧の高い低地においては、低地走行を基準に切替温度が設定されたサーモスタットバルブにより、ラジエータを通過させるラジエータ側流路と、ラジエータを迂回するバイパス流路とを自動的に切り替えて、冷媒の温度制御をしている。
特許文献1によれば、気圧の低い高地においては燃料電池に供給される冷媒の温度を低めに制御することで膜の乾燥を防止でき、気圧の高い低地においては燃料電池に供給される冷媒の温度を高めに制御することで水分過剰を防止できるので、車両の走行環境に係わらず燃料電池の膜の湿潤状態を常に適正範囲に維持することができるとされている。
ところで、燃料電池システムでは、発電停止後に、燃料電池の内部に酸素や水素が残留する場合がある。この残留した酸素および水素は、アノード電極およびカソード電極を酸化させ、燃料電池を劣化させることが知られている。そこで、アノード電極およびカソード電極の酸化を抑制するため、発電停止後の燃料電池を迅速に冷却することが望まれる。
特開2010−67394号公報
しかし、特許文献1に記載の燃料電池システムにおいては、以下の問題がある。
燃料電池の発電停止後に燃料電池の冷却を行う場合、冷媒の温度がサーモスタットバルブの切替温度よりも低くなると、サーモスタットバルブは、冷媒がラジエータを迂回してバイパス流路を通流するように切り替わる。したがって、ラジエータにより冷媒の放熱ができず、サーモスタットバルブの切替温度よりも低い温度まで燃料電池を迅速に冷却できないため、燃料電池を劣化させるおそれがある。
しかも、特許文献1に記載の燃料電池システムでは、冷媒をラジエータ側流路に流通させて冷媒の温度を低めに設定するために、冷媒を加熱してサーモスタットバルブを切り替えている。したがって、冷媒の冷却効率が悪い。
そこで本発明は、燃料電池の発電停止後、燃料電池を迅速に冷却でき、燃料電池の劣化を抑制できる燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法の提供を課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明の燃料電池システム(例えば、実施形態における燃料電池システム100)は、燃料ガスと酸化剤ガスとの反応により発電する燃料電池(例えば、実施形態における燃料電池1)と、前記燃料電池の冷却を行う冷媒の放熱を行うラジエータ(例えば、実施形態におけるラジエータ43)と、前記冷媒の循環を行う冷媒ポンプ(例えば、実施形態における第一冷媒ポンプ41および第二冷媒ポンプ42)と、前記冷媒の温度を検出する温度検出手段(例えば、実施形態における冷媒温度センサ47)と、前記燃料電池に前記冷媒を導入する冷媒導入路(例えば、実施形態における冷媒導入路51)と、前記燃料電池を通流した後の前記冷媒を排出する冷媒排出路(例えば、実施形態における冷媒排出路52)と、前記ラジエータを通流して前記冷媒排出路から前記冷媒導入路へ前記冷媒を循環させるラジエータ循環路(例えば、実施形態におけるラジエータ循環路53)と、前記ラジエータをバイパスして前記冷媒排出路から前記冷媒導入路へ前記冷媒を循環させるバイパス循環路(例えば、実施形態におけるバイパス循環路55)と、前記バイパス循環路と、前記冷媒導入路または前記冷媒排出路との接続部に設けられ、前記燃料電池の発電中に、前記冷媒の温度が第一温度閾値以下(例えば、実施形態における第一温度閾値TL1)となった場合に、前記バイパス循環路へ前記冷媒を通流させるように設定された流路切替弁(例えば、実施形態におけるサーモスタットバルブ45)と、前記燃料電池の発電停止後に、前記燃料電池の急速冷却制御を行う制御部(例えば、実施形態におけるコントローラ60)と、を備えた燃料電池システムであって、前記制御部は、前記燃料電池の急速冷却制御において、前記冷媒の温度が前記第一温度閾値よりも低い第二温度閾値(例えば、実施形態における第二温度閾値TL2)になるまで前記ラジエータ循環路へ前記冷媒を通流させるように前記流路切替弁を制御する流路切替制御手段(例えば、実施形態における流路切替制御手段61)を備え、前記流路切替弁は、サーモスタットバルブ(例えば、実施形態におけるサーモスタットバルブ45)であり、前記サーモスタットバルブは、前記サーモスタットバルブを加温するヒータ(例えば、実施形態におけるヒータ46)を備え、前記流路切替制御手段は、前記燃料電池の発電停止後に、前記ヒータから前記サーモスタットバルブへの加温を制御することにより、前記冷媒の温度が前記第二温度閾値となるまで、前記ラジエータ循環路へ前記冷媒を通流させ、前記制御部は、前記燃料電池の急速冷却制御を開始した後、規定時間(例えば、実施形態における規定時間tout)が経過した場合に、前記ヒータによる前記サーモスタットバルブへの加温を停止するとともに、前記燃料電池の急速冷却制御を終了することを特徴としている。
本発明によれば、流路切替制御手段は、燃料電池の発電停止後、冷媒の温度が第一温度閾値よりも低い第二温度閾値になるまでラジエータ循環路へ冷媒を通流させるので、ラジエータにより冷媒の放熱を効果的に行うことができる。したがって、燃料電池の発電停止後の急速冷却制御により、第一温度閾値よりも低い第二温度閾値になるまで燃料電池を迅速に冷却できるので、燃料電池の劣化を抑制できる。
また、流路切替弁をサーモスタットバルブとしているので、例えば三方弁を用いる場合よりも、燃料電池システムを低コストに構成できる。また、サーモスタットバルブの切替温度を所定の値に設定することにより、特別な制御を行うことなく、冷媒の温度が切替温度になったときに自動的にラジエータ循環路とバイパス循環路とを切り替えることができる。したがって、流路切替弁をサーモスタットバルブとすることで、ラジエータ循環路とバイパス循環路とを簡単に切り替えることができる。
また、サーモスタットバルブを加温するヒータを備えているので、ヒータの温度を制御することにより、冷媒の温度に関わらずラジエータ循環路とバイパス循環路とを切り替えることができる。したがって、ヒータによりサーモスタットバルブを加温して第一温度閾値よりも高い温度することにより、冷媒が第一温度閾値以下であっても、擬似的に冷媒を第一温度閾値よりも温度が高い状態として、ラジエータ循環路へ冷媒を通流させることができる。しかも、特許文献1に記載の燃料電池システムと異なり、冷媒を加熱することなく、サーモスタットバルブを加温してサーモスタットバルブを切り替えているので、冷媒の冷却効率を向上できる。これにより、燃料電池の発電停止後、冷媒の温度が第二温度閾値となるまで、ラジエータ循環路へ冷媒を通流させることができるので、燃料電池を迅速に冷却でき、燃料電池の劣化を抑制できる。このように、流路切替弁をサーモスタットバルブとし、サーモスタットバルブを加温するヒータを備えることで、制御の簡素化と燃料電池の劣化抑制とを両立することができる。
また、規定時間が経過した場合にサーモスタットバルブへの加温を停止しているので、燃料電池が十分に冷却された後の無駄な電力消費を抑制できる。また、燃料電池の急速冷却制御を終了することで冷媒ポンプを停止できるので、冷媒ポンプの作動音や冷媒が循環する際の異音の発生を抑制できる。これにより、燃料電池システムの静粛性を確保できるので、使用者に対して音による違和感を与えるのを抑制できるとともに、燃料電池システムが搭載された商品の商品性を向上できる。
また、急速冷却制御を開始した後、冷媒の温度が第二温度閾値よりも低くなっていないにも関わらず規定時間が経過した場合には、燃料電池システムを構成するデバイスの故障が推定される。したがって、燃料電池システムを構成するデバイスの故障を早期に検出できる。
また、本発明の燃料電池システム(例えば、実施形態における燃料電池システム100)は、燃料ガスと酸化剤ガスとの反応により発電する燃料電池(例えば、実施形態における燃料電池1)と、前記燃料電池の冷却を行う冷媒の放熱を行うラジエータ(例えば、実施形態におけるラジエータ43)と、前記冷媒の循環を行う冷媒ポンプ(例えば、実施形態における第一冷媒ポンプ41および第二冷媒ポンプ42)と、前記冷媒の温度を検出する温度検出手段(例えば、実施形態における冷媒温度センサ47)と、前記燃料電池に前記冷媒を導入する冷媒導入路(例えば、実施形態における冷媒導入路51)と、前記燃料電池を通流した後の前記冷媒を排出する冷媒排出路(例えば、実施形態における冷媒排出路52)と、前記ラジエータを通流して前記冷媒排出路から前記冷媒導入路へ前記冷媒を循環させるラジエータ循環路(例えば、実施形態におけるラジエータ循環路53)と、前記ラジエータをバイパスして前記冷媒排出路から前記冷媒導入路へ前記冷媒を循環させるバイパス循環路(例えば、実施形態におけるバイパス循環路55)と、前記バイパス循環路と、前記冷媒導入路または前記冷媒排出路との接続部に設けられ、前記燃料電池の発電中に、前記冷媒の温度が第一温度閾値以下(例えば、実施形態における第一温度閾値TL1)となった場合に、前記バイパス循環路へ前記冷媒を通流させるように設定された流路切替弁(例えば、実施形態におけるサーモスタットバルブ45)と、前記燃料電池の発電停止後に、前記燃料電池の急速冷却制御を行う制御部(例えば、実施形態におけるコントローラ60)と、を備えた燃料電池システムであって、前記制御部は、前記燃料電池の急速冷却制御において、前記冷媒の温度が前記第一温度閾値よりも低い第二温度閾値(例えば、実施形態における第二温度閾値TL2)になるまで前記ラジエータ循環路へ前記冷媒を通流させるように前記流路切替弁を制御する流路切替制御手段(例えば、実施形態における流路切替制御手段61)を備え、前記流路切替弁は、サーモスタットバルブ(例えば、実施形態におけるサーモスタットバルブ45)であり、前記サーモスタットバルブは、前記サーモスタットバルブを加温するヒータ(例えば、実施形態におけるヒータ46)を備え、前記流路切替制御手段は、前記燃料電池の発電停止後に、前記ヒータから前記サーモスタットバルブへの加温を制御することにより、前記冷媒の温度が前記第二温度閾値となるまで、前記ラジエータ循環路へ前記冷媒を通流させ、前記制御部は、前記燃料電池の発電停止時における前記冷媒の温度が、前記第一温度閾値よりも高い場合には、前記ヒータによる前記サーモスタットバルブへの加温を開始するとともに前記冷媒ポンプによる前記冷媒の循環を開始し、前記燃料電池の発電停止時における前記冷媒の温度が、前記第一温度閾値以下である場合には、前記ヒータによる前記サーモスタットバルブへの加温を開始してから所定時間経過した後、前記冷媒ポンプによる前記冷媒の循環を開始することを特徴としている。
本発明によれば、流路切替制御手段は、燃料電池の発電停止後、冷媒の温度が第一温度閾値よりも低い第二温度閾値になるまでラジエータ循環路へ冷媒を通流させるので、ラジエータにより冷媒の放熱を効果的に行うことができる。したがって、燃料電池の発電停止後の急速冷却制御により、第一温度閾値よりも低い第二温度閾値になるまで燃料電池を迅速に冷却できるので、燃料電池の劣化を抑制できる。
また、流路切替弁をサーモスタットバルブとしているので、例えば三方弁を用いる場合よりも、燃料電池システムを低コストに構成できる。また、サーモスタットバルブの切替温度を所定の値に設定することにより、特別な制御を行うことなく、冷媒の温度が切替温度になったときに自動的にラジエータ循環路とバイパス循環路とを切り替えることができる。したがって、流路切替弁をサーモスタットバルブとすることで、ラジエータ循環路とバイパス循環路とを簡単に切り替えることができる。
また、サーモスタットバルブを加温するヒータを備えているので、ヒータの温度を制御することにより、冷媒の温度に関わらずラジエータ循環路とバイパス循環路とを切り替えることができる。したがって、ヒータによりサーモスタットバルブを加温して第一温度閾値よりも高い温度することにより、冷媒が第一温度閾値以下であっても、擬似的に冷媒を第一温度閾値よりも温度が高い状態として、ラジエータ循環路へ冷媒を通流させることができる。しかも、特許文献1に記載の燃料電池システムと異なり、冷媒を加熱することなく、サーモスタットバルブを加温してサーモスタットバルブを切り替えているので、冷媒の冷却効率を向上できる。これにより、燃料電池の発電停止後、冷媒の温度が第二温度閾値となるまで、ラジエータ循環路へ冷媒を通流させることができるので、燃料電池を迅速に冷却でき、燃料電池の劣化を抑制できる。このように、流路切替弁をサーモスタットバルブとし、サーモスタットバルブを加温するヒータを備えることで、制御の簡素化と燃料電池の劣化抑制とを両立することができる。
また、冷媒の温度が第一温度閾値以下の場合には、サーモスタットバルブの切替温度に達しておらず、サーモスタットバルブがラジエータ循環路側を開弁していない可能性がある。サーモスタットバルブがラジエータ循環路側を開弁していない状態で、冷媒ポンプによる冷媒の循環を開始した場合には、冷媒がラジエータを通流できず効率よく放熱できないばかりか、冷媒ポンプを駆動する電力が無駄に消費されることとなる。しかし、本発明によれば、冷媒の温度が第一温度閾値以下の場合には、サーモスタットバルブへの加温を開始してから所定時間経過した後に冷媒ポンプによる冷媒の循環を開始するので、サーモスタットバルブの温度が上昇し、サーモスタットバルブがラジエータ循環路側を開弁してから、冷媒を循環させることができる。これにより、冷媒ポンプを駆動するための電力を無駄に消費することなく、冷媒をラジエータに通流させて効率よく放熱できる。
また、前記冷媒ポンプの回転数は、前記冷媒の温度が高いほど高くなることを特徴としている。
本発明によれば、冷媒の温度が高いときには、冷媒ポンプの回転数を高くして冷媒の循環流量を増加させ、冷媒の放熱を促進できる。また、冷媒の温度が低いときには、冷媒ポンプの回転数を低くして、冷媒ポンプの消費電力を削減できる。したがって、燃料電池の冷却を効率よく行うことができる。
また、外気温度(例えば、実施形態における外気温度Tout)を検出する外気温検出手段(例えば、実施形態における外気温センサ48)を備え、前記制御部は、前記燃料電池の発電停止後、前記燃料電池の急速冷却制御を行うかどうかの判断をする判断手段(例えば、実施形態における判断手段63)を備え、前記判断手段は、前記外気温度が前記第一温度閾値よりも低い所定外気温度よりもさらに低い場合、または前記燃料電池の発電停止後に検出された前記冷媒の温度が前記第一温度閾値よりも低い所定冷媒温度(例えば、実施形態における所定冷媒温度TL0)よりもさらに低い場合に、前記燃料電池の急速冷却制御を行わないことを特徴としている。
本発明によれば、例えば冬季等において外気温度が十分に低い場合や、冷媒の温度が第一温度閾値よりも十分に低い場合等、燃料電池の急速冷却が不要なときに、急速冷却制御が行われるのを防止できる。したがって、無駄な電力消費を抑制できる。
また、一般に燃料電池は、低温時においては発電効率が低下するため、燃料電池システムを低温時に起動する場合には、暖機運転が必要となる。しかし、本発明によれば、冷媒の温度が必要以上に低下するのを防止できるので、燃料電池システムを停止後、再起動する際に暖機運転時間が長くなるのを抑制できる。したがって、燃料電池システムを迅速に再起動できる。
また、前記燃料電池により発電された電力を蓄電するとともに、前記燃料電池の発電開始に必要な電力を供給する蓄電装置(例えば、実施形態における蓄電装置3)と、前記蓄電装置の容量を検出する容量検出部(例えば、実施形態におけるSOC検出部4)と、を備え、前記容量検出部により検出された前記蓄電装置の容量(例えば、実施形態における容量Bsoc)が、前記燃料電池の発電開始に必要な所定容量(例えば、実施形態における所定容量BL)未満となる前に、前記燃料電池の急速冷却制御を終了することを特徴としている。
本発明によれば、燃料電池の発電開始に必要な容量が蓄電装置に残存した状態で燃料電池の急速冷却制御を終了するので、燃料電池の劣化を抑制できるとともに、燃料電池システムを停止後、確実に再起動できる。
また、前記制御部は、前記冷媒の放熱量(例えば、実施形態における放熱量Qout)を算出する放熱量算出手段(例えば、実施形態における放熱量算出手段67)を備え、前記放熱量算出手段により算出された前記冷媒の放熱量が、所定放熱量(例えば、実施形態における所定放熱量QL)よりも大きくなった場合に、前記燃料電池の急速冷却制御を終了することを特徴としている。
本発明によれば、冷媒の放熱量が所定放熱量よりも大きくなった場合に燃料電池の急速冷却制御を終了するので、冷媒により燃料電池が十分に冷却された後の無駄な電力消費を抑制できる。また、急速冷却制御を開始した後、冷媒の温度が第二温度閾値よりも低くなっていないにも関わらず冷媒の放熱量が所定放熱量よりも大きくなった場合には、燃料電池システムを構成するデバイスの故障が推定される。したがって、燃料電池システムを構成するデバイスの故障を早期に検出できる。
また、本発明の燃料電池システムの制御方法は、燃料ガスと酸化剤ガスとの反応により発電する燃料電池と、前記燃料電池の冷却を行う冷媒の放熱を行うラジエータと、前記冷媒の循環を行う冷媒ポンプと、前記冷媒の温度を検出する温度検出手段と、前記燃料電池に前記冷媒を導入する冷媒導入路と、前記燃料電池を通流した後の前記冷媒を排出する冷媒排出路と、前記ラジエータを通流して前記冷媒排出路から前記冷媒導入路へ前記冷媒を循環させるラジエータ循環路と、前記ラジエータをバイパスして前記冷媒排出路から前記冷媒導入路へ前記冷媒を循環させるバイパス循環路と、前記バイパス循環路と、前記冷媒導入路または前記冷媒排出路との接続部に設けられ、前記燃料電池の発電中に、前記冷媒の温度が第一温度閾値以下となった場合に、前記バイパス循環路へ前記冷媒を通流させるように設定された流路切替弁と、前記燃料電池の発電停止後に、前記燃料電池の急速冷却制御を行う制御部と、を備えた燃料電池システムの制御方法であって、前記燃料電池の急速冷却制御において、前記温度検出手段により検出された前記冷媒の温度が、前記第一温度閾値よりも低い第二温度閾値になるまで前記ラジエータ循環路へ前記冷媒を通流させるように前記流路切替弁を制御するステップ(例えば、実施形態におけるS7〜S11)と、前記流路切替弁は、サーモスタットバルブ(例えば、実施形態におけるサーモスタットバルブ45)であり、前記サーモスタットバルブは、前記サーモスタットバルブを加温するヒータ(例えば、実施形態におけるヒータ46)を備え、前記燃料電池の発電停止後に、前記ヒータから前記サーモスタットバルブへの加温を制御することにより、前記冷媒の温度が前記第二温度閾値となるまで、前記ラジエータ循環路へ前記冷媒を通流させるステップ(例えば、実施形態におけるS19)と、前記燃料電池の急速冷却制御を開始した後、規定時間(例えば、実施形態における規定時間tout)が経過した場合に、前記ヒータによる前記サーモスタットバルブへの加温を停止するとともに、前記燃料電池の急速冷却制御を終了するステップ(例えば、実施形態におけるS21〜S25)と、を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、冷媒の温度が、第一温度閾値よりも低い第二温度閾値になるまでラジエータ循環路に冷媒を通流させるように流路切替弁を制御するステップを備えているので、ラジエータにより冷媒の放熱を効果的に行うことができる。したがって、燃料電池の発電停止後の急速冷却制御により、第一温度閾値よりも低い温度に燃料電池を迅速に冷却できるので、燃料電池の劣化を抑制できる。
本発明によれば、流路切替制御手段は、燃料電池の発電停止後、冷媒の温度が第一温度閾値よりも低い第二温度閾値になるまでラジエータ循環路へ冷媒を通流させるので、ラジエータにより冷媒の放熱を効果的に行うことができる。したがって、燃料電池の発電停止後の急速冷却制御により、第一温度閾値よりも低い第二温度閾値になるまで燃料電池を迅速に冷却できるので、燃料電池の劣化を抑制できる。
燃料電池システムの概略構成を示すブロック図である。 燃料電池の停止制御方法のフローチャートである。 燃料電池の停止制御方法のフローチャートである。 縦軸を第一冷媒ポンプ(第二冷媒ポンプ)の回転数とし、横軸を冷媒の温度としたときのグラフである。 縦軸をラジエータファンの回転数とし、横軸を冷媒の温度としたときのグラフである。
以下、本発明の実施形態につき図面を参照して説明する。以下では、車両に搭載される燃料電池システムを例にして説明する。
図1は、燃料電池システム100の概略構成を示すブロック図である。
燃料電池システム100は、燃料ガスと酸化剤ガスとの反応により発電する燃料電池スタック(以下、単に「燃料電池」という。)1を備えている。燃料電池1は、単位燃料電池(以下「単位セル」という。)を多数積層して電気的に直列接続したものである。単位セルは、膜電極構造体の両側にセパレータを配置したサンドイッチ構造になっている。詳述すると、膜電極構造体は、例えばフッ素系電解質材料等からなる固体高分子電解質膜(電解質膜)の両側にアノード電極とカソード電極を配置して構成されている。その膜電極構造体のアノード電極に面してアノード側セパレータが配置され、両者間にアノードガス流路11が形成されている。また、膜電極構造体のカソード電極に面してカソード側セパレータが配置され、両者間にカソードガス流路21が形成されている。
この燃料電池1では、アノードガス流路11にアノードガスとして水素ガス等の燃料ガスを供給し、カソードガス流路21にカソードガスとして酸素を含む空気等の酸化剤ガスを供給する。すると、アノード電極で触媒反応により発生した水素イオンが、固体高分子電解質膜を通過してカソード電極まで移動する。この水素イオンがカソード電極で酸素と電気化学反応を起こして発電が行われ、発電に伴ってカソード電極側で水が生成される。
燃料電池1のアノードガス流路11の入口側には、アノードガス供給路12が接続されている。アノードガス供給路12の上流側には、水素供給システム10が接続されている。水素供給システム10には、水素タンク(不図示)と、燃料ガスの流通を遮断する電磁遮断弁(不図示)と、酸化剤ガスの圧力に応じて燃料ガスを減圧する減圧弁(不図示)と、アノードオフガスをアノードガス供給路12に合流させるエゼクタ(不図示)とが設けられている。
また、燃料電池1のアノードガス流路11の出口側には、アノード循環路14が設けられている。アノード循環路14は、エゼクタに接続されている。
水素供給システム10の水素タンクから供給された燃料ガスは、アノードガス供給路12を通って燃料電池1のアノードガス流路11に供給される。アノードオフガスは、アノード循環路14を通ってエゼクタに吸引され、水素タンクから供給される燃料ガスと合流し、再び燃料電池1に供給されて循環するようになっている。
アノード循環路14から、電磁駆動式のパージ弁(不図示)を介して、アノードオフガス排出配管(不図示)が分岐されている。燃料電池1を循環するアノードオフガス中の不純物(水分や空気、窒素等)の濃度が高くなった場合など、燃料電池1の運転状態に応じて定期的にパージ弁が開放され、アノードオフガスがアノードオフガス排出配管に排出される。アノードオフガス排出配管は希釈器(不図示)に接続されている。希釈器は、アノードオフガス中に含まれる未反応の燃料ガスを、カソードオフガスで希釈して、外部に排出するものである。
燃料電池1のカソードガス流路21の入口側には、カソードガス供給路22が接続されている。カソードガス供給路22の上流側には、エア供給システム20が接続されている。エア供給システム20には、酸化剤ガスを供給するコンプレッサ(不図示)と、カソードオフガスを用いて酸化剤ガスを加湿する加湿器(不図示)とが設けられている。
また、カソードガス流路21の出口側には、カソードオフガス排出配管24が設けられている。カソードオフガス排出配管24は、加湿器を通り、背圧制御弁(不図示)を介して希釈器(不図示)に接続されている。
エア供給システム20のコンプレッサにより加圧された空気は、カソードガス供給路22を通って燃料電池1のカソードガス流路21に供給される。この空気中の酸素が酸化剤として発電に供された後、燃料電池1からカソードオフガスとして排出される。
燃料電池1は、不図示のDC/DCコンバータ等を介して蓄電装置3と電気的に接続されており、燃料電池1で発電した電力を蓄電装置3に蓄電可能となっている。
燃料電池1および蓄電装置3は、車両のモータ等の外部負荷(不図示)に電力供給可能に接続されている。車両は、燃料電池1および蓄電装置3から供給された電力によりモータを駆動して走行する。蓄電装置3は、例えば車両の加速時や低温起動時等、車両からの要求出力に対して燃料電池1の出力が不足している場合に、蓄電された電力を供給し、燃料電池1の出力不足を補完している。
また、蓄電装置3は、蓄電装置3の容量(State Of Charge:SOC)を検知するSOC検出部4(請求項の「容量検出部」に相当。)を備えている。SOC検出部4は、蓄電装置3のSOCに応じた電気信号を、後述するコントローラ60に出力している。
(冷却系ユニット)
燃料電池システム100は、冷却水等の冷媒との熱交換によって燃料電池1を冷却する冷却系ユニット40を備えている。
冷却系ユニット40は、冷媒が循環する冷媒循環路50と、冷媒の放熱を行うラジエータ43と、ラジエータ43に送風するラジエータファン44と、冷媒を循環させる第一冷媒ポンプ41および第二冷媒ポンプ42と、冷媒循環路50を循環する冷媒の温度を検出する冷媒温度センサ47(請求項の「温度検出手段」に相当。)と、冷媒の通流路を切り替えるサーモスタットバルブ45(請求項の「流路切替弁」に相当。)と、サーモスタットバルブ45を加温するヒータ46と、を備えている。なお、以下では、冷却系ユニット40を構成する各デバイスのうち、ラジエータファン44、第一冷媒ポンプ41、第二冷媒ポンプ42、冷媒温度センサ47、サーモスタットバルブ45およびヒータ46を総称して、冷却系デバイスということがある。
冷媒循環路50は、燃料電池1の内部に形成された冷媒連通路58に接続されており、冷媒導入路51と、冷媒排出路52と、ラジエータ循環路53と、バイパス循環路55とにより、燃料電池1の内部と外部とを冷媒が循環するように形成された循環路である。
冷媒導入路51は、燃料電池1の内部に冷媒を導入するための流路である。冷媒導入路51は、燃料電池1の冷媒連通路58における冷媒の循環方向の上流側に接続されている。
冷媒排出路52は、燃料電池1の内部に導入されて通流した冷媒を、燃料電池1の外部に排出するための流路である。冷媒排出路52は、燃料電池1の冷媒連通路58における冷媒の循環方向の下流側に接続されている。
ラジエータ循環路53は、ラジエータ43を通流して冷媒排出路52から冷媒導入路51へ冷媒を循環させるための流路である。ラジエータ循環路53は、ラジエータ導入路53aと、ラジエータ排出路53bとにより形成されている。
ラジエータ導入路53aは、ラジエータ43に冷媒を導入するための流路であり、上流側が冷媒排出路52に接続され、下流側がラジエータ43に接続されている。
ラジエータ排出路53bは、ラジエータ43から冷媒を排出するための流路であり、上流側がラジエータ43に接続され、下流側が冷媒導入路51に接続されている。
バイパス循環路55は、ラジエータ43をバイパスして冷媒排出路52から冷媒導入路51へ冷媒を循環させるための流路である。バイパス循環路55は、冷媒導入路51の上流側と冷媒排出路52の下流側とを接続するように形成されている。冷媒は、バイパス循環路55を通流することで、ラジエータ43を迂回して冷媒循環路50を循環するようになっている。冷媒循環路50は、後述するサーモスタットバルブ45により、ラジエータ循環路53とバイパス循環路55とに切替可能となっている。
ラジエータ循環路53には、ラジエータ43が配置されている。ラジエータ43は、ラジエータ43の内部を循環する冷媒と、ラジエータ43外側周辺の外気との熱交換を行い、冷媒を放熱している。
ラジエータファン44は、後述するコントローラ60(請求項の「制御部」に相当。)からの指令に基づき、所定の駆動Dutyで駆動される。ラジエータファン44は、ラジエータ43に冷却風を供給しており、ラジエータ43の内部を循環する冷媒と外気との熱交換を促進させている。ここで、駆動Dutyとは、ラジエータファン44の駆動時間における通電ON時間の比率をいう。したがって、駆動Dutyが高いほど、ラジエータファン44は回転数は高くなる。
冷媒排出路52には、第一冷媒ポンプ41が配置されている。また、冷媒導入路51には、第二冷媒ポンプ42が配置されている。第一冷媒ポンプ41および第二冷媒ポンプ42は、後述するコントローラ60からの指令に基づき所定の駆動Duty(回転数)で駆動され、冷媒循環路50内の冷媒を圧送して循環させている。
冷媒排出路52には、冷媒温度センサ47が配置されている。冷媒温度センサ47は、燃料電池1から排出された冷媒の温度を検出している。冷媒温度センサ47は、冷媒排出路52における燃料電池1の直近に配置される。したがって、冷媒温度センサ47により検出された冷媒の温度は、燃料電池1の内部温度と略同一となる。
(サーモスタットバルブ)
バイパス循環路55と、冷媒排出路52と、ラジエータ循環路53(ラジエータ導入路53a)との接続部には、サーモスタットバルブ45が配置されている。サーモスタットバルブ45は、例えば封入されたワックスが熱膨張および熱収縮するのを利用して、自動的に弁の開度が変化するように構成されている。サーモスタットバルブ45は、バイパス循環路55およびラジエータ循環路53のいずれか一方側の弁を開弁し他方側の弁を閉弁することで、冷媒の通流経路をバイパス循環路55およびラジエータ循環路53のいずれかに切り替えている。
サーモスタットバルブ45が切り替わる切替温度は、所定の第一温度閾値TL1(例えば、65℃)に設定される。
具体的にサーモスタットバルブ45は、燃料電池1の発電中において、以下のように冷媒の通流経路を切り替える。
冷媒の温度が第一温度閾値TL1よりも高い場合、サーモスタットバルブ45は、ラジエータ循環路53側を開弁し、バイパス循環路55側を閉弁する。これにより、冷媒は、ラジエータ43の内部を循環して、燃料電池1から吸熱した後放熱できるので、燃料電池1を迅速に冷却できる。
これに対して、冷媒の温度が第一温度閾値TL1以下の場合、サーモスタットバルブ45は、バイパス循環路55側を開弁し、ラジエータ循環路53側を閉弁する。これにより、冷媒は、圧力損失の大きいラジエータ43を迂回できるので、冷媒循環路50を効率よく循環できる。また、ラジエータ43を迂回することにより、冷媒の温度の低下が抑制されるので、例えば、燃料電池1の発電開始直後の暖機運転を効率よく行うことができる。
サーモスタットバルブ45は、サーモスタットバルブ45を加温するヒータ46を備えている。ヒータ46は、例えばサーモスタットバルブ45の側方に固着されている。ヒータ46は、例えば電気抵抗体等により形成されたいわゆる電気ヒータであり、通電されることで発熱する。ヒータ46は、後述するように、燃料電池1の発電停止後に行われる燃料電池1の急速冷却制御において、コントローラ60の指令に基づき、サーモスタットバルブ45を加温する。これにより、サーモスタットバルブ45は、冷媒の温度が第一温度閾値TL1以下であっても、ヒータ46からの熱により自動的に冷媒の通流経路を切り替え、ラジエータ循環路53へ冷媒を通流させることができる。
(コントローラ)
燃料電池システム100は、コントローラ60を備えている。コントローラ60は、水素供給システム10、エア供給システム20、蓄電装置3の容量を検出するSOC検出部4、外気温度を検出する外気温センサ48(請求項の「外気温検出手段」に相当。)および冷却系ユニット40を構成する各冷却系デバイスと電気的に接続されている。コントローラ60は、各冷却系デバイスを制御することにより、後述する燃料電池1の停止制御を行う。コントローラ60は、流路切替制御手段61と、判断手段63と、計時手段65と、放熱量算出手段67とを備えている。
流路切替制御手段61は、燃料電池1の発電停止後に、冷媒の温度が第一温度閾値TL1よりも低い第二温度閾値TL2(例えば50℃)になるまで、ラジエータ循環路53へ冷媒を通流させるように、ヒータ46からサーモスタットバルブ45への加温を制御する。なお、第二温度閾値TL2は、後述する燃料電池1の急速冷却制御における冷媒の温度の目標値となっている。
流路切替制御手段61は、燃料電池1の発電停止後に、ヒータ46に通電を行ってサーモスタットバルブ45を加温し、サーモスタットバルブ45のラジエータ循環路53側を開弁させ、バイパス循環路55側を閉弁させる。これにより、冷媒は、ラジエータ43の内部を循環して燃料電池1から吸熱した後放熱するとともに、冷媒の温度が迅速に低下する。流路切替制御手段61は、冷媒の温度が第二温度閾値TL2になるまで、ヒータ46に通電を行う。これにより、燃料電池1の発電停止後、冷媒は、冷媒の温度が第二温度閾値TL2となるまでラジエータ循環路53を通流するので、ラジエータ43により冷媒の放熱を効果的に行うことができる。
判断手段63は、燃料電池1の発電停止後、燃料電池の急速冷却制御を行うかどうかの判断をしている。判断手段63については後述する。
計時手段65は、燃料電池1の急速冷却制御開始時からの経過時間を計時している。
放熱量算出手段67は、急速冷却制御において冷媒から放熱される放熱量の算出を行っている。放熱量の算出方法については後述する。
(燃料電池の停止制御方法)
次に、実施形態に係る燃料電池1の停止制御方法について説明する。
図2および図3は、実施形態に係る燃料電池1(図1参照)の停止制御方法のフローチャートである。以下に、図2および図3を用いて燃料電池1の停止制御方法の各ステップ(S1〜S25)について説明する。なお、図2では、燃料電池1の停止制御方法のうち、急速冷却制御を行う前のフローチャート(S1からS5まで)を図示している。また、図3では、燃料電池1の停止制御方法のうち、燃料電池1の急速冷却制御のフローチャート(S7からS25まで)を図示している。また、図2および図3のフローチャートの説明および図4以降のグラフの説明における各部品の符号については、図1を参照されたい。
図2に示すように、まずS1において、燃料電池1が発電停止状態であるか否かの判断を行う。燃料電池1が発電停止状態であるか否かの判断は、例えば、コントローラ60がイグニッションスイッチ(不図示)の状態を読み込み行う。具体的には、イグニッションスイッチがOFF状態であれば、燃料電池1が発電停止の状態にあるとして、S1で「YES」と判断し、次のS3に進む。これに対して、イグニッションスイッチがON状態であれば、燃料電池1が発電中の状態にあるとして、S1で「NO」と判断し、イグニッションスイッチの状態の読み込みを再度行う。
S3では、S1において燃料電池1が発電停止状態であると判断した直後に、冷媒温度センサ47が燃料電池1の発電停止時の冷媒温度(以下、「停止時温度TW0」という。)を検出し、コントローラ60に出力する。
S5では、急速冷却制御を行うか否かの判断を行う。具体的にS5では、冬季であるか否かの判断(以下、「冬季判断S5A」という。)および停止時温度TW0による冷媒の温度の判断(以下、「停止時温度判断S5B」という。)を行うことにより、コントローラ60の判断手段63が急速冷却制御を行うか否かの判断をする。
冬季判断S5Aでは、例えば外気温センサ48により検出された外気温度Toutが、第一温度閾値TL1よりも低い所定外気温度(例えば、5℃程度)よりもさらに低い場合には、冬季であると判断する。冬季である場合には、外気温度Toutが十分に低いため、急速冷却制御を行うことなく、冷媒の温度が急激に低下すると考えられる。したがって、急速冷却制御を行う必要が無いため、S5で「YES」とする。
停止時温度判断S5Bでは、停止時温度TW0と所定冷媒温度TL0との比較により、冷媒の温度が十分に低いか否かの判断を行う。ここで、所定冷媒温度TL0は、第一温度閾値TL1よりも低い温度であり、例えば第二温度閾値TL2と同一の温度(例えば50℃)に設定される。
停止時温度TW0が、所定冷媒温度TL0よりも低い場合には、冷媒の温度が十分に低く急速冷却制御を行う必要が無いため、S5で「YES」と判断する。
すなわち、S5において、冬季判断S5Aで冬季であると判断した場合または停止時温度判断S5Bで停止時温度TW0が所定冷媒温度TL0よりも低いと判断した場合には、S5で「YES」と判断し、S7以降に進むことなく(すなわち、急速冷却制御を行うことなく)燃料電池1の停止制御を終了する(図3参照)。
これに対して、S5において、冬季判断S5Aで冬季であると判断されず、かつ停止時温度判断S5Bで停止時温度TW0が所定冷媒温度TL0以上であると判断した場合には、S5で「NO」と判断し、S7以降に進んで急速冷却制御を行う(図3参照)。
このように、S5において急速冷却制御を行うか否かの判断をすることにより、燃料電池1の急速冷却が不要なときに、急速冷却制御が行われるのを防止できる。したがって、無駄な電力消費を抑制できる。
また、一般に燃料電池1は、低温時においては発電効率が低下するため、燃料電池システム100を低温時に起動する場合には、暖機運転が必要となる。しかし、上述のようにS5において冷媒の温度が必要以上に低下するのを防止できるので、燃料電池システム100を停止後、再起動する際に暖機運転時間が長くなるのを抑制できる。したがって、燃料電池システム100を迅速に再起動できる。
(燃料電池の急速冷却制御方法)
以下に、燃料電池1の急速冷却制御方法(S7以降)について説明する。
図3に示すように、S7では、コントローラ60の流路切替制御手段61がヒータ46への通電を開始し、サーモスタットバルブ45を加温する。
S9では、ラジエータ循環路53側を開弁しバイパス循環路55側を閉弁しているか否かの判断(以下、「サーモスタットバルブ45の開弁判断S9」という。)を行う。サーモスタットバルブ45の開弁判断S9は、コントローラ60が冷媒温度センサ47により検出された冷媒の温度を読み込んで行う。
例えば、冷媒の停止時温度TW0がサーモスタットバルブ45の切替温度である第一温度閾値TL1よりも高い場合、サーモスタットバルブ45は、ヒータ46への通電を開始(S7)する前から既に切替温度に達しており、ラジエータ循環路53側を開弁していると考えられる。したがって、サーモスタットバルブ45の開弁判断S9では、「YES」と判断してS13に進む。
これに対して、冷媒の停止時温度TW0がサーモスタットバルブ45の切替温度である第一温度閾値TL1以下の場合、サーモスタットバルブ45は、未だ切替温度に達しておらず、ラジエータ循環路53側を開弁していない可能性がある。したがって、サーモスタットバルブ45の開弁判断S9では、「NO」と判断して所定時間経過した後(S11)、S13に進む。ここで、S11における所定時間とは、例えばサーモスタットバルブ45がヒータ46により加温されて(S7)切替温度に達し、ラジエータ循環路53側を開弁していると推定される時間をいう。所定時間は、例えば、S3により検出された停止時温度TW0に対応して、コントローラ60内にマップ化されている。
このように、サーモスタットバルブ45の開弁判断S9を備えることで、確実にラジエータ循環路53側を開弁してから次ステップ(S13以降)に進むことができる。したがって、電力を無駄に消費することなくS13で第一冷媒ポンプ41および第二冷媒ポンプ42を駆動し、冷媒をラジエータ43に通流させて効率よく放熱できる。
図4は、縦軸を第一冷媒ポンプ41(第二冷媒ポンプ42)の回転数とし、横軸を冷媒の温度としたときのグラフである。
S13では、第一冷媒ポンプ41および第二冷媒ポンプ42を駆動する。冷媒循環路50内の冷媒は、第一冷媒ポンプ41および第二冷媒ポンプ42により圧送され、ラジエータ43を通流して燃料電池1の内部と外部とを循環する。
図4に示すように、第一冷媒ポンプ41および第二冷媒ポンプ42の回転数は、冷媒温度センサ47により検出された冷媒の温度に対応しており、冷媒の温度が高いほど第一冷媒ポンプ41および第二冷媒ポンプ42の回転数も高くなるように設定されている。
これにより、冷媒の温度が高いときには、第一冷媒ポンプ41および第二冷媒ポンプ42の回転数を高くして冷媒の循環流量を増加させ、冷媒の放熱を促進できる。また、冷媒の温度が低いときには、第一冷媒ポンプ41および第二冷媒ポンプ42の回転数を低くして、第一冷媒ポンプ41および第二冷媒ポンプ42の消費電力を削減できる。したがって、燃料電池1の冷却を効率よく行うことができる。
図5は、縦軸をラジエータ43の回転数とし、横軸を冷媒の温度としたときのグラフである。
S15では、ラジエータファン44を駆動する。ラジエータファン44は、ラジエータ43に冷却風を供給する。これにより、冷媒は、燃料電池1から吸熱した後、ラジエータ43の内部を循環するときに、ラジエータ43外側の外気との熱交換が促進されてラジエータ43から効率よく放熱できるので、燃料電池1を迅速に冷却できる。
図5に示すように、ラジエータファン44の回転数は、冷媒温度センサ47により検出された冷媒の温度に対応しており、冷媒の温度が高いほどラジエータファン44の回転数も高くなるように設定されている。したがって、冷媒の温度が高いほどラジエータ43への送風量が増大するので、ラジエータ43の内部を循環する冷媒と、ラジエータ43外側の外気との熱交換を促進し、燃料電池1の冷却を急速に行うことができる。また、冷媒の温度が低いときには、ラジエータファン44の消費電力を削減できる。したがって、燃料電池1の冷却を効率よく行うことができる。
図3に示すように、S17では、冷媒温度検出S17A、SOC検出S17Bおよび放熱量算出S17Cを行うことにより、燃料電池システム100の状態検出を行う。
冷媒温度検出S17Aは、冷媒温度センサ47が冷媒の温度(以下、「冷媒検出温度TW」という。)を検出し、コントローラ60に出力する。
SOC検出S17Bは、SOC検出部4が蓄電装置3のSOC(以下、「容量Bsoc」という。)を検出し、コントローラ60に出力する。なお、急速冷却制御中において、蓄電装置3の容量Bsocは、ヒータ46や第一冷媒ポンプ41、第二冷媒ポンプ42、ラジエータファン44等の電力消費により漸次低下する。
放熱量算出S17Cは、以下の計算式に基づき行う。すなわち、急速冷却制御時における冷媒の放熱量をQoutとし、冷却系ユニット40の冷媒循環路50を循環する冷媒の重量をmとし、冷媒の比熱をCとしたとき、
Qout=m・C(TW0−TW)・・・(1)
により算出する。
冷媒温度検出S17Aで検出した冷媒検出温度TW、SOC検出S17Bで検出された蓄電装置3の容量Bsocおよび放熱量算出S17Cで算出された放熱量Qoutは、コントローラ60に出力される。
S19では、冷媒検出温度判断S19A、急速冷却制御時間判断S19B、蓄電装置容量判断S19Cおよび放熱量判断S19Dの各判断要素に基づいて、急速冷却制御を停止するか否かの判断(以下、「急速冷却制御停止判断S19」という。)を行う。以下に、各判断要素の詳細について説明をする。
冷媒検出温度判断S19Aでは、冷媒検出温度TWが第二温度閾値TL2より低いか否かの判断を行う。冷媒検出温度TWが第二温度閾値TL2より低い場合には、冷媒検出温度判断S19Aで「YES」と判断するとともに、急速冷却制御停止判断S19で「YES」と判断し、S21以降に進んで急速冷却制御の停止動作を行う。
急速冷却制御時間判断S19Bでは、計時手段65により計時されている急速冷却制御開始時からの経過時間t1が、規定時間toutを経過したか否かの判断を行う。ここで、規定時間toutは、例えば急速冷却制御が正常に行われた場合に、冷媒検出温度TWが第二温度閾値TL2よりも低くなると想定される時間である。急速冷却制御開始時からの経過時間t1が規定時間toutを越えた場合には、冷媒検出温度TWが第二温度閾値TL2よりも低くなっているか、もしくは燃料電池システム100を構成するいずれかのデバイスの故障が推定される。したがって、急速冷却制御時間判断S19Bで「YES」と判断するとともに、急速冷却制御停止判断S19で「YES」と判断し、S21以降に進んで急速冷却制御の停止動作を行う。
急速冷却制御時間判断S19Bを備えることで、規定時間toutが経過した場合には、後述するように急速冷却制御の停止動作によりサーモスタットバルブ45への加温を停止するので(S21)、燃料電池1が十分に冷却された後の無駄な電力消費を抑制できる。さらに、第一冷媒ポンプ41、第二冷媒ポンプ42およびラジエータファン44を停止するので(S23、S25)、第一冷媒ポンプ41、第二冷媒ポンプ42およびラジエータファン44の作動音や冷媒が循環する際の異音の発生を抑制できる。これにより、燃料電池システム100の静粛性を確保できるので、使用者に対して音による違和感を与えるのを抑制できるとともに、燃料電池システム100が搭載された車両の商品性を向上できる。
また、冷媒の温度が第二温度閾値TL2よりも低くなっていないにも関わらず規定時間toutが経過した場合には、燃料電池システム100を構成するデバイスの故障が推定される。したがって、燃料電池システム100を構成するデバイスの故障を早期に検出できる。
蓄電装置容量判断S19Cでは、急速冷却制御中に漸次低下する蓄電装置3の容量Bsocが所定容量BLに達したか否かを判断する。ここで、所定容量BLは、燃料電池1の発電開始に必要な電力に相当する蓄電装置3の容量である。
燃料電池1の発電停止後、再度の燃料電池1の発電(すなわち再起動)を可能とするためには、蓄電装置3の容量Bsocを所定容量BL以上確保する必要があり、蓄電装置3の容量Bsocが所定容量BL未満となる前に急速冷却制御を停止する必要がある。したがって、漸次低下する蓄電装置3の容量Bsocが所定容量BLに達した場合には、蓄電装置容量判断S19Cで「YES」と判断するとともに、急速冷却制御停止判断S19で「YES」と判断し、S21以降に進んで急速冷却制御の停止動作を行う。
蓄電装置容量判断S19Cを備えることで、燃料電池1の発電開始に必要な容量が蓄電装置3に残存した状態で燃料電池1の急速冷却制御の停止動作を行うので、燃料電池1の劣化を抑制できるとともに、燃料電池システム100を停止後、確実に再起動できる。
放熱量判断S19Dでは、放熱量算出S17Cで算出された放熱量Qoutが所定放熱量QLよりも大きくなったか否かを判断する。ここで、所定放熱量QLは、例えば急速冷却制御が正常に行われた場合に、冷媒検出温度TWが第二温度閾値TL2よりも低くなると想定される放熱量である。算出された放熱量Qoutが所定放熱量QLよりも大きくなった場合には、冷媒検出温度TWが第二温度閾値TL2よりも低くなっているか、もしくは燃料電池システム100を構成するいずれかのデバイスの故障が推定される。したがって、放熱量判断S19Dで「YES」と判断するとともに、急速冷却制御停止判断S19で「YES」と判断し、S21以降に進んで急速冷却制御の停止動作を行う。
放熱量判断S19Dを備えることで、冷媒の放熱量Qoutが所定放熱量QLよりも大きくなった場合に燃料電池1の急速冷却制御を終了するので、冷媒により燃料電池1が十分に冷却された後の無駄な電力消費を抑制できる。また、冷媒の温度が第二温度閾値TL2よりも低くなっていないにも関わらず、冷媒の放熱量Qoutが所定放熱量QLよりも大きくなった場合には、燃料電池システム100を構成するデバイスの故障が推定される。したがって、燃料電池システム100を構成するデバイスの故障を早期に検出できる。
このように、冷媒検出温度判断S19A、急速冷却制御時間判断S19B、蓄電装置容量判断S19Cおよび放熱量判断S19Dのうちいずれかで「YES」と判断した場合には、急速冷却制御停止判断S19で「YES」と判断し、S21以降に進んで急速冷却制御の停止動作を行う。
これに対して、冷媒検出温度判断S19A、急速冷却制御時間判断S19B、蓄電装置容量判断S19Cおよび放熱量判断S19Dの全判断要素で「NO」と判断した場合には、急速冷却制御停止判断S19で「NO」と判断し、S17に戻って急速冷却制御を継続し、燃料電池システム100の状態検出を行う。
S21では、コントローラ60の流路切替制御手段61がヒータ46への通電を停止し、サーモスタットバルブ45への加温を停止する。サーモスタットバルブ45は、第二温度閾値TL2よりも温度の低い冷媒によって、切替温度以下(すなわち第一温度閾値TL1以下)に冷却される。これにより、サーモスタットバルブ45は、ラジエータ循環路53側を閉弁し、バイパス循環路55側を開弁する。
S23では、第一冷媒ポンプ41および第二冷媒ポンプ42を停止する。
S25では、ラジエータファン44を停止する。
ラジエータファン44を停止した時点で、燃料電池1の急速冷却制御が終了し、燃料電池1の停止制御が終了する。
(効果)
本実施形態によれば、流路切替制御手段61は、燃料電池1の発電停止後、冷媒の温度が第一温度閾値TL1よりも低い第二温度閾値TL2になるまでラジエータ循環路53へ冷媒を通流させるので(S7〜S13)、ラジエータ43により冷媒の放熱を効果的に行うことができる。したがって、燃料電池1の発電停止後の急速冷却制御により、第一温度閾値TL1よりも低い温度に燃料電池1を迅速に冷却できるので、燃料電池1の劣化を抑制できる。
また、流路切替弁をサーモスタットバルブ45としているので、例えば三方弁を用いる場合よりも、燃料電池システム100を低コストに構成できる。また、サーモスタットバルブ45の切替温度を所定の値に設定することにより、特別な制御を行うことなく、冷媒の温度が切替温度になったときに自動的にラジエータ循環路53とバイパス循環路55とを切り替えることができる。したがって、流路切替弁をサーモスタットバルブ45とすることで、ラジエータ循環路53とバイパス循環路55とを簡単に切り替えることができる。
また、サーモスタットバルブ45を加温するヒータ46を備えているので、ヒータ46の温度を制御することにより、冷媒の温度に関わらずラジエータ循環路53とバイパス循環路55とを切り替えることができる。したがって、ヒータ46によりサーモスタットバルブ45を加温して第一温度閾値TL1よりも高い温度とすることにより、冷媒が第一温度閾値TL1以下であっても、擬似的に冷媒を第一温度閾値TL1よりも温度が高い状態として、ラジエータ循環路53へ冷媒を通流させることができる。しかも、特許文献1に記載の燃料電池システムと異なり、冷媒を加熱することなく、サーモスタットバルブ45を加温してサーモスタットバルブ45を切り替えているので、冷媒の冷却効率を向上できる。これにより、燃料電池1の発電停止後、冷媒の温度が第二温度閾値TL2となるまで、ラジエータ循環路53へ冷媒を通流させることができるので、燃料電池1を迅速に冷却でき、燃料電池1の劣化を抑制できる。このように、流路切替弁をサーモスタットバルブ45とし、サーモスタットバルブ45を加温するヒータ46を備えることで、制御の簡素化と燃料電池1の劣化抑制とを両立することができる。
なお、この発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
実施形態では、流路切替弁としてサーモスタットバルブ45を採用したが、例えば三方弁を採用してもよい。ただし、サーモスタットバルブ45は、自動的にラジエータ循環路53とバイパス循環路55とを切り替えることができる。したがって、特別な制御を行うことなく、ラジエータ循環路53とバイパス循環路55とを簡単に切り替えることができ、燃料電池システム100を低コストに構成できる点で、実施形態に優位性がある。
実施形態では、第一冷媒ポンプ41および第二冷媒ポンプ42の二個の冷媒ポンプを設けたが、冷媒ポンプの個数は実施形態に限定されず、例えば一個であってもよい。ただし、冷媒ポンプを二個設けることにより、冷媒ポンプが一個の場合よりも冷媒の流量を増大でき、かつ冷媒の流量の目標値に対して精度よく制御できる点で、実施形態に優位性がある。
実施形態では、第一冷媒ポンプ41を冷媒排出路52に配置し、第二冷媒ポンプ42を冷媒導入路51に配置していたが、第一冷媒ポンプ41および第二冷媒ポンプ42の配置位置は実施形態に限定されない。例えば、第一冷媒ポンプ41を冷媒導入路51に配置し、第二冷媒ポンプ42をラジエータ循環路53に配置してもよい。
実施形態では、外気温センサ48により検出された外気温度Toutにより冬季判断を行っていた。これに対して、例えば、コントローラ60内にあるカレンダー情報や、車両に設けられた通信手段やGPS(Global Positioning System)等をもとに得られる天気の情報等により冬季判断を行ってもよい。
実施形態では、車両に搭載される燃料電池システム100を例に説明をしたが、本発明の燃料電池システム100の適用は、車両に限定されることはない。
1 燃料電池
3 蓄電装置
4 SOC検出部(容量検出部)
40 冷却系ユニット
41 第一冷媒ポンプ(冷媒ポンプ)
42 第二冷媒ポンプ(冷媒ポンプ)
43 ラジエータ
45 サーモスタットバルブ(流路切替弁)
46 ヒータ
47 冷媒温度センサ(温度検出手段)
48 外気温センサ(外気温検出手段)
51 冷媒導入路
52 冷媒排出路
53 ラジエータ循環路
55 バイパス循環路
61 流路切替制御手段
63 判断手段
67 放熱量算出手段
BL 所定容量
Bsoc 容量
QL 所定放熱量
Qout 放熱量
TL1 第一温度閾値
TL2 第二温度閾値
Tout 外気温度
tout 規定時間

Claims (7)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスとの反応により発電する燃料電池と、
    前記燃料電池の冷却を行う冷媒の放熱を行うラジエータと、
    前記冷媒の循環を行う冷媒ポンプと、
    前記冷媒の温度を検出する温度検出手段と、
    前記燃料電池に前記冷媒を導入する冷媒導入路と、
    前記燃料電池を通流した後の前記冷媒を排出する冷媒排出路と、
    前記ラジエータを通流して前記冷媒排出路から前記冷媒導入路へ前記冷媒を循環させるラジエータ循環路と、
    前記ラジエータをバイパスして前記冷媒排出路から前記冷媒導入路へ前記冷媒を循環させるバイパス循環路と、
    前記バイパス循環路と、前記冷媒導入路または前記冷媒排出路との接続部に設けられ、前記燃料電池の発電中に、前記冷媒の温度が第一温度閾値以下となった場合に、前記バイパス循環路へ前記冷媒を通流させるように設定された流路切替弁と、
    前記燃料電池の発電停止後に、前記燃料電池の急速冷却制御を行う制御部と、
    を備えた燃料電池システムであって、
    前記制御部は、前記燃料電池の急速冷却制御において、前記冷媒の温度が前記第一温度閾値よりも低い第二温度閾値になるまで前記ラジエータ循環路へ前記冷媒を通流させるように前記流路切替弁を制御する流路切替制御手段を備え
    前記流路切替弁は、サーモスタットバルブであり、
    前記サーモスタットバルブは、前記サーモスタットバルブを加温するヒータを備え、
    前記流路切替制御手段は、前記燃料電池の発電停止後に、前記ヒータから前記サーモスタットバルブへの加温を制御することにより、前記冷媒の温度が前記第二温度閾値となるまで、前記ラジエータ循環路へ前記冷媒を通流させ、
    前記制御部は、前記燃料電池の急速冷却制御を開始した後、規定時間が経過した場合に、前記ヒータによる前記サーモスタットバルブへの加温を停止するとともに、前記燃料電池の急速冷却制御を終了することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 燃料ガスと酸化剤ガスとの反応により発電する燃料電池と、
    前記燃料電池の冷却を行う冷媒の放熱を行うラジエータと、
    前記冷媒の循環を行う冷媒ポンプと、
    前記冷媒の温度を検出する温度検出手段と、
    前記燃料電池に前記冷媒を導入する冷媒導入路と、
    前記燃料電池を通流した後の前記冷媒を排出する冷媒排出路と、
    前記ラジエータを通流して前記冷媒排出路から前記冷媒導入路へ前記冷媒を循環させるラジエータ循環路と、
    前記ラジエータをバイパスして前記冷媒排出路から前記冷媒導入路へ前記冷媒を循環させるバイパス循環路と、
    前記バイパス循環路と、前記冷媒導入路または前記冷媒排出路との接続部に設けられ、前記燃料電池の発電中に、前記冷媒の温度が第一温度閾値以下となった場合に、前記バイパス循環路へ前記冷媒を通流させるように設定された流路切替弁と、
    前記燃料電池の発電停止後に、前記燃料電池の急速冷却制御を行う制御部と、
    を備えた燃料電池システムであって、
    前記制御部は、前記燃料電池の急速冷却制御において、前記冷媒の温度が前記第一温度閾値よりも低い第二温度閾値になるまで前記ラジエータ循環路へ前記冷媒を通流させるように前記流路切替弁を制御する流路切替制御手段を備え、
    前記流路切替弁は、サーモスタットバルブであり、
    前記サーモスタットバルブは、前記サーモスタットバルブを加温するヒータを備え、
    前記流路切替制御手段は、前記燃料電池の発電停止後に、前記ヒータから前記サーモスタットバルブへの加温を制御することにより、前記冷媒の温度が前記第二温度閾値となるまで、前記ラジエータ循環路へ前記冷媒を通流させ
    前記制御部は、
    前記燃料電池の発電停止時における前記冷媒の温度が、前記第一温度閾値よりも高い場合には、前記ヒータによる前記サーモスタットバルブへの加温を開始するとともに前記冷媒ポンプによる前記冷媒の循環を開始し、
    前記燃料電池の発電停止時における前記冷媒の温度が、前記第一温度閾値以下である場合には、前記ヒータによる前記サーモスタットバルブへの加温を開始してから所定時間経過した後、前記冷媒ポンプによる前記冷媒の循環を開始することを特徴とする燃料電池システム。
  3. 請求項1または2に記載の燃料電池システムであって、
    前記冷媒ポンプの回転数は、前記冷媒の温度が高いほど高くなることを特徴とする燃料電池システム。
  4. 請求項1からのいずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
    外気温度を検出する外気温検出手段を備え、
    前記制御部は、前記燃料電池の発電停止後、前記燃料電池の急速冷却制御を行うかどうかの判断をする判断手段を備え、
    前記判断手段は、前記外気温度が前記第一温度閾値よりも低い所定外気温度よりもさらに低い場合、または前記燃料電池の発電停止後に検出された前記冷媒の温度が前記第一温度閾値よりも低い所定冷媒温度よりもさらに低い場合に、前記燃料電池の急速冷却制御を行わないことを特徴とする燃料電池システム。
  5. 請求項1からのいずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
    前記燃料電池により発電された電力を蓄電するとともに、前記燃料電池の発電開始に必要な電力を供給する蓄電装置と、
    前記蓄電装置の容量を検出する容量検出部と、
    を備え、
    前記容量検出部により検出された前記蓄電装置の容量が、前記燃料電池の発電開始に必要な所定容量未満となる前に、前記燃料電池の急速冷却制御を終了することを特徴とする燃料電池システム。
  6. 請求項1からのいずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
    前記制御部は、前記冷媒の放熱量を算出する放熱量算出手段を備え、
    前記放熱量算出手段により算出された前記冷媒の放熱量が、所定放熱量よりも大きくなった場合には、前記燃料電池の急速冷却制御を終了することを特徴とする燃料電池システム。
  7. 燃料ガスと酸化剤ガスとの反応により発電する燃料電池と、
    前記燃料電池の冷却を行う冷媒の放熱を行うラジエータと、
    前記冷媒の循環を行う冷媒ポンプと、
    前記冷媒の温度を検出する温度検出手段と、
    前記燃料電池に前記冷媒を導入する冷媒導入路と、
    前記燃料電池を通流した後の前記冷媒を排出する冷媒排出路と、
    前記ラジエータを通流して前記冷媒排出路から前記冷媒導入路へ前記冷媒を循環させるラジエータ循環路と、
    前記ラジエータをバイパスして前記冷媒排出路から前記冷媒導入路へ前記冷媒を循環させるバイパス循環路と、
    前記バイパス循環路と、前記冷媒導入路または前記冷媒排出路との接続部に設けられ、前記燃料電池の発電中に、前記冷媒の温度が第一温度閾値以下となった場合に、前記バイパス循環路へ前記冷媒を通流させるように設定された流路切替弁と、
    前記燃料電池の発電停止後に、前記燃料電池の急速冷却制御を行う制御部と、
    を備えた燃料電池システムの制御方法であって、
    前記燃料電池の急速冷却制御において、前記温度検出手段により検出された前記冷媒の温度が、前記第一温度閾値よりも低い第二温度閾値になるまで前記ラジエータ循環路へ前記冷媒を通流させるように前記流路切替弁を制御するステップと、
    前記流路切替弁は、サーモスタットバルブであり、前記サーモスタットバルブは、前記サーモスタットバルブを加温するヒータを備え、前記燃料電池の発電停止後に、前記ヒータから前記サーモスタットバルブへの加温を制御することにより、前記冷媒の温度が前記第二温度閾値となるまで、前記ラジエータ循環路へ前記冷媒を通流させるステップと、
    前記燃料電池の急速冷却制御を開始した後、規定時間が経過した場合に、前記ヒータによる前記サーモスタットバルブへの加温を停止するとともに、前記燃料電池の急速冷却制御を終了するステップと、
    を備えたことを特徴とする燃料電池システムの制御方法。
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