JP5531021B2 - パルス波高分析器およびこれを備える核医学診断装置 - Google Patents

パルス波高分析器およびこれを備える核医学診断装置 Download PDF

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Description

本発明は、放射線パルスの波高値を分析して必要な波高値の放射線パルスのみを取り出すパルス波高分析器に係り、特に、放射線パルスの波高値を計測する技術に関する。
従来、この種のパルス波高分析器として、放射線検出器に備えられるパルス波高分析器について、三つの例を挙げて説明する。なお、ここで放射線パルスとは、シンチレータにγ線あるいはX線が入射した時の相互作用による発光をPMT(Photomuitiplier tube)やフォトダイオードなどの光電変換素子により電流パルスに変え、さらに電流電圧変換回路により電圧パルスに変換して得られるものである。図示される放射線パルスは、それぞれ事象が異なるが便宜上、同一のタイミングで検出されたものとして示す。
第一の技術として、パルスの立ち上がり時間と減衰時間との合計であるパルス波長が数十nsecの放射線パルスをフィルター(CR積分)により数μsecまで波形整形を行い、その波形整形された放射線パルスが閾値電圧を超えてから一定時間(例えば500nsec)を経過した時に、放射線パルスをサンプルホールドし、そのピーク値を一回だけAD変換することで波高値を求めるものがある(以下、フィルター積分方式と呼ぶ)。
第二の技術として、パルス波長が数十nsecの放射線パルスをフィルター(CR積分)により数百nsecまで波形整形を行い、その波形整形された放射線パルスが閾値電圧を超えてから一定時間(例えば20nsec)間隔でたとえば8回AD変換した後に、AD変換することで求められた波高値を全て加算することで放射線パルスの波高値を求めるものがある(以下、デジタル積分方式と呼ぶ)。
第三の技術として、パルス波長が数十nsecの放射線パルスをフィルター(CR積分)により数百nsecまで波形整形を行い、その波形整形された放射線パルスが閾値電圧を超えてから同じ閾値電圧に戻るまでのパルス時間幅を測定することでパルス波高値を求めるものがある(以下、TOT(Time Over Threshold)方式と呼ぶ)(例えば、非特許文献1参照)。
高橋浩之、藤原健、島添健次著 「PET装置開発の展望(26)フロントエンド信号処理におけるTime over threshold methodの利用」 NIRS−R(National Inst. of Radiological Sciences) 放射線医学総合研究所、2009年4月8日、 http://jglobal.jst.go.jp/public/20090422/200902256578352763
しかしながら、これらの従来技術には次のような問題点がある。すなわち、デジタル積分方式においては、放射線パルスのピーク値をAD変換してパルス波高値を測定するので、高精度なADコンバータが必要である。また、デジタル積分方式においては、例えば20nsec間隔で8回AD変換して各パルス波高値を求めた後すべてを加算してパルス波高値を求めるので、極めて高速なADコンバータが必要である。どちらのADコンバータも高価なため、多数の放射線検出素子で構成される放射線検出器から次々と出力される放射線パルスを個々にAD変換する用途にはADコンバータの数が増大し膨大なコストがかかる。また、その処理及び制御回路も複雑なので、多チャンネルの用途に適さない。
TOT方式においては、パルス時間幅を測定することでパルス波高値を求めるので、ADコンバータは不要である。そのため、極めて簡単な構造であり、多チャンネルの用途にも適する。その一方で、図10に示すように、パルス波高値に対するパルス時間幅のリニアリティは、パルス波高値が高くなるにつれて悪化する。例えば、図11(a)には波形整形後の放射線パルスPa4,Pa5,Pa6を示す。この放射線パルスPa4がパルス時間幅(閾値電圧vthを超えてから閾値電圧vthに戻るまでのパルス時間幅)はWtot4であり、放射線パルスPa5のパルス時間幅はWtot5であり、放射線パルスPa6のパルス時間幅はWtot6である。この放射線パルスPa4,Pa5,Pa6ように波高値が高いパルス同士については、波高値の差に比べて、パルス時間幅Wtot4,Wtot5,Wtot6にはそれほど差が付かない。つまり、求められる波高値の精度が低下する。すると、図11(b)に示すように、本来ならばエネルギーウィンドウEW内に入らない高い波高値の放射線パルスPah(例えば、放射線パルスPa4,Pa5)が誤ってエネルギーウィンドウEW(例えば、放射線パルスPa6を含むエネルギーウィンドウEW)内に入る事態が生じる。その結果、エネルギーウィンドウEW内のエネルギースペクトラムPatに散乱成分が入り込み、精度の悪いエネルギースペクトラムPafが生じる。そのため、ルックアップテーブルを利用した補正を行っても、波高値の精度低下は改善されないので、エネルギー分解能が悪化するという問題は依然として残る。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、パルス時間幅に対するパルス波高値のリニアリティを改善し、エネルギー分解能を向上することができるパルス波高分析器を提供することを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、本発明のパルス波高分析器は、放射線の入射による発光を変換して得られる放射線パルスの波高値を放射線パルスが所定の閾値を上回るタイミングからこの放射線パルスが減衰して所定の閾値を下回るタイミングまでの時間を測定することにより計測し、この放射線パルスの波高値を分析して必要な波高値の放射線パルスのみを取り出すパルス波高分析器であって、この放射線パルスがこの所定の閾値を上回るタイミングに同期してこの所定の閾値を増加させ、増加後の閾値を下回るタイミングまでの時間を測定する閾値増加手段を備えることを特徴とするものである。
本発明のパルス波高分析器によれば、放射線の入射による発光を変換して得られる放射線パルスの波高値を放射線パルスが所定の閾値を上回るタイミングからこの放射線パルスが減衰して所定の閾値を下回るタイミングまでの時間を測定することにより計測し、この放射線パルスの波高値を分析して必要な波高値の放射線パルスのみを取り出す。そして、閾値増加手段はこの放射線パルスがこの所定の閾値を上回るタイミングに同期してこの所定の閾値を増加させ、増加後の閾値を下回るタイミングまでの時間を測定する。すなわち、この放射線パルスが減衰して所定の閾値を下回るタイミングとは、増加された所定の閾値を下回るタイミングになる。これにより、放射線パルスが減衰して所定の閾値を下回るタイミングは、所定の閾値が固定である従来の波高分析器と比べて早くなる。したがって、パルス時間幅に対するパルス波高値のリニアリティを改善し、エネルギー分解能を向上することができる。
本発明のパルス波高分析器は、基準電圧として一定電圧の初期閾値を出力する初期閾値出力手段と、この放射線パルスとこの初期閾値との大小を比較する比較器と、この放射線パルスがこの初期閾値よりも大きいときは所定の時間に亘って所定の波高値の基準パルスを発生させる基準パルス発生手段と、この基準パルスを受けてこの所定の時間に亘ってこの初期閾値からこの所定の波高値に近づくまで増加する増加閾値を基準電圧としてこの比較器に出力する増加閾値出力手段であることを特徴とするものである。
上述のパルス波高分析器によれば、まず、比較器は初期閾値出力手段により基準電圧として出力される初期閾値と放射線パルスとを比較する。そして、基準パルス発生手段は、放射線パルスが初期閾値よりも大きいときは所定の時間に亘って所定の波高値の基準パルスを発生する。増加閾値出力手段はこの基準パルスを受け取ると、この所定の時間に亘って増加閾値を初期閾値から所定の波高値まで増加させる。そして、増加閾値出力手段はこの増加閾値を基準電圧として比較器に出力する。これにより、放射線パルスが初期閾値を上回るタイミングからこの放射線パルスが減衰して増加閾値を下回るタイミングまでの時間を測定して放射線パルスの波高値を計測するので、パルス時間幅に対するパルス波高値のリニアリティを改善し、エネルギー分解能を向上することができる。これに加えて、基準パルスの出力がONする所定の時間に亘って増加閾値が増加し続けるので、放射線パルスが基準電圧を下回ることにより発生するチャタリングの発生を防止し、正確に放射線パルスの波高値を分析できる。
また、本発明のパルス波高分析器は、この基準パルス発生手段は、コンデンサと抵抗とを有し、この比較器から出力される出力信号をトリガーとして所定の時定数で所定の波高値の基準パルスを発生させるワンショットマルチバイブレータ回路であり、この増加閾値出力手段は、コンデンサと抵抗とで構成されるCR回路であって、この基準パルスを受けて充電を開始することにより所定の時定数でこの増加閾値を増加させることが好ましい。
上述のパルス波高分析器によれば、この基準パルス発生手段はワンショットマルチバイブレータ回路によって基準パルスを発生し、増加閾値出力手段はCR回路により増加閾値を増加させる。そして、放射線パルスが初期閾値を上回るタイミングからこの放射線パルスが減衰して増加閾値を下回るタイミングまでの時間を測定して放射線パルスの波高値を計測する。これにより、パルス時間幅に対するパルス波高値のリニアリティを改善し、エネルギー分解能を向上することができる。これに加えて、高精度なADコンバータを使用しないので低価格であり、かつ、その処理および制御回路がシンプルであるパルス波高分析器を提供できる。
また、本発明のパルス波高分析器は、この増加閾値をこの初期閾値まで立ち下げる増加閾値立ち下げ手段と、この閾値増加手段とこの増加閾値立ち下げ手段とを切り替える閾値切替手段とを備え、この閾値切替手段はこの基準パルスの立ち上がりに同期してこの閾値増加手段に切り替え、この基準パルスの立ち下がりに同期してこの増加閾値立ち下げ手段に切り替えることが好ましい。
上述のパルス波高分析器によれば、増加閾値立ち下げ手段は増加閾値を初期閾値まで立ち下げる。また、閾値切替手段は、閾値増加手段による増加閾値の増加と増加閾値立ち下げ手段による増加閾値の立ち下げとを切り替える。そして、閾値切替手段は、放射線パルスが初期閾値を上回るタイミングで出力される基準パルスの立ち上がりに同期して閾値の増加に切り替え、この基準パルスの立ち下がりに同期して増加閾値の立ち下げに切り替える。パルス時間幅に対するパルス波高値のリニアリティを改善し、エネルギー分解能を向上することができる。これに加えて、閾値切替手段により増加閾値を強制的に立ち下げることができるので、一定の時間に入射する放射線パルスの数が多いときでも、計測漏れを少なくできる。
本発明の核医学診断装置は、放射性薬剤が投与された被検体から発生する放射線を放射線パルスに変換して検出する放射線検出手段と、この放射線パルスの波高値を放射線パルスが所定の閾値を上回るタイミングからこの放射線パルスが減衰して所定の閾値を下回るタイミングまでの時間を測定することにより計測し、この放射線パルスの波高値を分析して必要な波高値の放射線パルスのみを取り出すパルス波高分析器とを備え、このパルス波高分析器により取り出された必要な波高値の放射線パルスに基づいて被検体の核医学データを取得する核医学診断装置であって、このパルス波高分析器は、放射線パルスが所定の閾値を上回るタイミングに同期して所定の閾値を増加させ、増加後の閾値を下回るタイミングまでの時間を測定する閾値増加手段を備えることを特徴とするものである。
上述の核医学診断装置によれば、放射線検出手段は放射性薬剤が投与された被検体から発生する放射線を放射線パルスに変換してパルス波高分析器に出力する。この放射線パルスの波高値を放射線パルスが所定の閾値を上回るタイミングからこの放射線パルスが減衰して所定の閾値を下回るタイミングまでの時間を測定することにより計測し、この放射線パルスの波高値を分析して必要な波高値の放射線パルスのみを取り出す。この取り出された必要な波高値の放射線パルスに基づいて被検体の核医学データを取得する。ここで、閾値増加手段は、この放射線パルスがこの所定の閾値を上回るタイミングに同期してこの所定の閾値を増加させ、増加後の閾値を下回るタイミングまでの時間を測定する。すなわち、この放射線パルスが減衰して所定の閾値を下回るタイミングとは、増加された所定の閾値を下回るタイミングになる。これにより、放射線パルスが減衰して所定の閾値を下回るタイミングは、所定の閾値が固定である従来のパルス波高分析器と比べて早くなる。したがって、パルス時間幅に対するパルス波高値のリニアリティを改善し、エネルギー分解能を向上することができる。その結果、高いパルス波高値におけるエネルギースペクトラムの精度が上がり、とくに高エネルギーにおける散乱成分を除去できるので、診断精度の高い核医学データを取得できる。
また、本発明の核医学診断装置は、この閾値増加手段は、基準電圧として一定電圧の初期閾値を出力する初期閾値出力手段と、この放射線パルスとこの初期閾値との大小を比較する比較器と、この放射線パルスが前記初期閾値よりも大きいときは所定の時間に亘って所定の波高値の基準パルスを発生させる基準パルス発生手段と、この基準パルスを受けてこの所定の時間に亘ってこの初期閾値からこの所定の波高値に近づくまで増加する増加閾値を基準電圧としてこの比較器に出力する増加閾値出力手段であることが好ましい。
上述の核医学診断装置によれば、この閾値増加手段において、まず、比較器は初期閾値出力手段により基準電圧として出力される初期閾値と放射線パルスとを比較する。そして、基準パルス発生手段は、放射線パルスが初期閾値よりも大きいときは所定の時間に亘って所定の波高値の基準パルスを発生する。増加閾値出力手段はこの基準パルスを受け取ると、この所定の時間に亘って増加閾値を初期閾値から所定の波高値に近づくまで増加させる。そして、増加閾値出力手段はこの増加閾値を基準電圧として比較器に出力する。これにより、放射線パルスが初期閾値を上回るタイミングからこの放射線パルスが減衰して増加閾値を下回るタイミングまでの時間を測定して放射線パルスの波高値を計測するので、パルス時間幅に対するパルス波高値のリニアリティを改善し、エネルギー分解能を向上することができる。その結果、診断精度の高い核医学データを取得できる。これに加えて、基準パルスの出力がONする所定の時間に亘って増加閾値が増加し続けるので、放射線パルスが基準電圧を下回ることにより発生するチャタリングの発生を防止し、正確に放射線パルスの波高値を分析できる。
また、本発明の核医学診断装置は、この基準パルス発生手段は、コンデンサと抵抗とを有し、この比較器から出力される出力信号をトリガーとして所定の時定数で所定の波高値の基準パルスを発生させるワンショットマルチバイブレータ回路であり、この増加閾値出力手段は、コンデンサと抵抗とで構成されるCR回路であって、この基準パルスを受けて充電を開始することにより所定の時定数でこの増加閾値を増加させることが好ましい。
上述の核医学診断装置によれば、この基準パルス発生手段はワンショットマルチバイブレータ回路によって基準パルスを発生し、増加閾値出力手段はCR回路により増加閾値を増加させる。そして、放射線パルスが初期閾値を上回るタイミングからこの放射線パルスが減衰して増加閾値を下回るタイミングまでの時間を測定して放射線パルスの波高値を計測する。これにより、パルス時間幅に対するパルス波高値のリニアリティを改善し、エネルギー分解能を向上することができる。その結果、診断精度の高い核医学データを取得できる。これに加えて、パルス波高分析器は、高精度なADコンバータを使用しないので低価格であり、かつ、その処理および制御回路がシンプルであるので、低価格かつシンプルな核医学診断装置を提供できる。
また、本発明の核医学診断装置は、このコンデンサを強制的に放電させることによりこの増加閾値をこの初期閾値まで立ち下げる増加閾値立ち下げ手段と、この閾値増加手段とこの増加閾値立ち下げ手段とを切り替える閾値切替手段とを備え、この閾値切替手段はこの基準パルスの立ち上がりに同期してこの閾値増加手段に切り替え、この基準パルスの立ち下がりに同期してこの増加閾値立ち下げ手段に切り替えることが好ましい。
上述の核医学診断装置によれば、増加閾値立ち下げ手段は増加閾値を初期閾値まで立ち下げる。また、閾値切替手段は、閾値増加手段による増加閾値の増加と増加閾値立ち下げ手段による増加閾値の立ち下げとを切り替える。そして、閾値切替手段は、放射線パルスが初期閾値を上回るタイミングで出力される基準パルスの立ち上がりに同期して閾値の増加に切り替え、この基準パルスの立ち下がりに同期して増加閾値の立ち下げに切り替える。パルス時間幅に対するパルス波高値のリニアリティを改善し、エネルギー分解能を向上することができる。その結果、診断精度の高い核医学データを取得できる。これに加えて、閾値切替手段により増加閾値を強制的に立ち下げることができるので、一定の時間に入射する放射線パルスの数が多いときでも、計測漏れを少なくできる。
また、本発明の核医学診断装置は、この放射線検出手段は、シンチレータ素子および光電変換素子からなる検出セルが複数配列されるものであって、この検出セルごとに前記比較器とこの基準パルス発生手段とこの増加閾値出力手段とが配設されることが好ましい。
上述の核医学診断装置によれば、この放射線検出手段がシンチレータ素子および光電変換素子からなる検出セルが複数配列されるものであって、この検出セルごとにこの比較器とこの基準パルス発生手段とこの増加閾値出力手段とが配設される。これにより、検出セルの数が増えて多チャンネル化し、使用されるパルス波高分析器の数が多くなった場合でも、パルス波高分析器は、高精度なADコンバータを使用しないので低価格であり、かつ、その処理および制御回路がシンプルであるので、低価格かつシンプルな核医学診断装置を提供できる。
また、本発明の核医学診断装置は、この核医学診断装置は、単一光子を放出する放射性同位元素で標識された放射性薬剤が使用されるガンマカメラであって、この単一光子の強度に応じてこの基準パルス発生手段に用いられる時定数または前記増加閾値出力手段に用いられる時定数のうち少なくともいずれか一方を変えることが好ましい。
上述の核医学診断装置によれば、単一光子を放出する放射性同位元素で標識された放射性薬剤が使用されるガンマカメラである場合、この単一光子の強度に応じてこの基準パルス発生手段に用いられる時定数またはこの増加閾値出力手段に用いられる時定数のうち少なくともいずれか一方を変えることができる。ガンマカメラでは、異なる強度の単一光子を放出する放射性同位元素で標識された放射性薬剤が使用される。これにより、使用される薬剤が変わって放射線パルスの波高値が大きく変わり、既に設定されていた増加閾値を用いてはパルス時間幅に対するパルス波高値のリニアリティを十分に改善できない場合でも、単一光子の強度に合わせた最適な時定数に変更することにより、十分にリニアリティを改善できる。
また、本発明の核医学診断装置は、この放射線パルスの計数率に応じてこの基準パルス発生手段に用いられる時定数またはこの増加閾値出力手段に用いられる時定数のうち少なくともいずれか一方を変えることが好ましい。
上述の核医学診断装置によれば、この放射線パルスの計数率に応じてこの基準パルス発生手段に用いられる時定数またはこの増加閾値出力手段に用いられる時定数のうち少なくともいずれか一方を変えることができる。これにより、一定時間内に検出される放射線の数(計数率)が変わり、既に設定されていた増加閾値を用いてはパルス時間幅に対するパルス波高値のリニアリティを十分に改善できない場合でも、計数率に合わせた最適な時定数に変更することにより、十分にリニアリティを改善できる。
本発明に係るパルス波高分析器によれば、放射線の入射による発光を変換して得られる放射線パルスの波高値を放射線パルスが所定の閾値を上回るタイミングからこの放射線パルスが減衰して所定の閾値を下回るタイミングまでの時間を測定することにより計測し、この放射線パルスの波高値を分析して必要な波高値の放射線パルスのみを取り出す。そして、閾値増加手段はこの放射線パルスがこの所定の閾値を上回るタイミングに同期してこの所定の閾値を増加させ、増加後の閾値を下回るタイミングまでの時間を測定する。これにより、放射線パルスが減衰して所定の閾値を下回るタイミングは、所定の閾値が固定である従来の波高分析器と比べて早くなる。したがって、パルス時間幅に対するパルス波高値のリニアリティを改善し、エネルギー分解能を向上することができる。
実施例1に係るパルス波高分析器の全体構成を示すブロック図である。 実施例1に係るパルス波高分析器に備えられる波高値計測部の回路図である。 実施例1に係るパルス波高分析器において、増加閾値Vrefを増加させるタイミングチャートである。 実施例1に係るパルス波高分析器において、パルス波高値に対するパルス時間幅のリニアリティの改善示す線グラフである。 実施例2に係るパルス波高分析器に備えられる波高値計測部4の回路図である。 実施例2に係るパルス波高分析器において、増加閾値を増加および減衰させるタイミングチャートである。 実施例3に係るガンマカメラの全体構成を示すブロック図である。 実施例3に係るガンマカメラに備えられるγ線検出器を示す模式図である。 各実施例に係る変形例として備えられる定電流回路を示す回路図である。 従来のTOT方式におけるパルス波高値とパルス時間幅との関係を示す模式図である。 従来のTOT方式におけるタイミングチャートである。 従来技術の欄で発明者の知見として記載される回路図である。 従来技術の欄で発明者の知見として記載される回路図において発生するチャタリングを示すタイミングチャートである。
4 … 波高値計測部
7 … 比較器
8 … 基準パルス発生器
9 … 初期閾値電源
10 … 抵抗
11 … コンデンサ
12 … 抵抗
13 … カウンタ回路
Pa … アナログ放射線パルス
Pd … デジタル放射線パルス
Pm … 基準パルス
Vth … 初期閾値
Vref … 増加閾値
放射線の入射による発光を変換して得られる放射線パルスの波高値を放射線パルスが所定の閾値を上回るタイミングからこの放射線パルスが減衰して所定の閾値を下回るタイミングまでの時間を測定することにより計測するパルス波高分析器であって、この放射線パルスがこの所定の閾値を上回るタイミングに同期してこの所定の閾値を増加させることにより、パルス波高値に対するパルス時間幅のリニアリティを改善するという目的を実現した。
以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。図1は、実施例1に係るパルス波高分析器の全体構成を示すブロック図であり、図2は、放射線パルスの波高値を計測する波高値計測部の回路図であり、図3は、波高値計測部において増加閾値を増加させるタイミングチャートであり、図4は、パルス波高値に対するパルス時間幅のリニアリティの改善を示す線グラフである。
図1を参照して実施例1の全体構成を説明する。実施例1に係るパルス波高分析器1は、電流パルスとして入力される放射線パルスを電圧パルスに変換する電流電圧変換部2と、電圧パルスに変換された放射線パルスを増幅して波形整形する波形整形部3と、波形整形された放射線パルスの波高値を計測する波高値計測部4と、この波高値に基づいて所定の波高値の放射線パルスのみを必要なパルスとして取り出すエネルギー弁別部5とを備える。
電流電圧変換部2は、電流パルスとして入力される放射線パルスを電圧パルスに変換するオペアンプで構成される。CR積分回路を備えるシェーピングアンプであれば、電流電圧変換と波形整形とを1つの回路で行うことも可能である。
波形整形部3は、放射線パルスをCR積分回路のようなフィルタにより波形整形する。例えば、パルス波長が数十nsecの放射線パルスであれば、その数十倍の数百nsecにまで積分する。このような波形整形を行うのは、現実の放射線パルスが閾値を上回ってから閾値を下回るまでの時間(パルス時間幅)は、数十nsecのパルス波長よりもさらに短くなるからである。パルス時間幅を計測するカウンターパルスの周波数を1GHzかそれ以上にすれば波形整形せずにパルス時間幅を計測することも可能であるが、現実に使用される装置ではこのような周波数のパルスを出力することは難しい。そこで、実際に使用される100MHzないし200MHzの周波数のカウンターパルスでパルス時間幅を計測するには、波形整形することが望ましい。
図2を参照して波高値計測部4を構成する電気回路を説明する。波高値計測部4は、波形整形されたアナログ放射線パルスPaと基準電圧に相当する初期閾値Vthまたは増加閾値Vrefとを比較する比較器7と、アナログ放射線パルスPaが初期閾値Vthよりも大きいときは所定の時間に亘って所定の波高値の基準パルスPmを発生させる基準パルス発生器8と、基準電圧に相当する初期閾値Vthを比較器7に出力する初期閾値電源9と、初期閾値電源9と比較器7との間に接続される抵抗10と、増加閾値Vrefの増加に用いられるコンデンサ11および抵抗12と、比較器7から出力されるデジタル放射線パルスPdの波高値を計測するカウンタ回路13とを備える。なお、比較器7はこの発明の比較器に相当し、初期閾値電源9はこの発明の初期閾値出力手段に相当し、基準パルス発生器8はこの発明の基準パルス発生手段に相当し、コンデンサ11および抵抗12はこの発明の増加閾値出力手段に相当する。
比較器7は、信号入力(プラス側)端子に与えられる放射線パルスが基準電圧入力(マイナス側)に設定される所定の閾値を超えると出力をONし、その放射線パルスが基準電圧として設定される所定の閾値を下回ると出力をOFFする。すなわち、アナログ放射線パルスPaが基準電圧として設定される初期閾値Vthを上回るときに、比較器7はデジタル放射線パルスPdの出力をONする。そして、アナログ放射線パルスPaがピーク値を過ぎて減衰しながら基準電圧として設定される増加閾値Vrefを下回るときに、比較器7は出力をOFFする。比較器7は、デジタル放射線パルスPdを基準パルス発生器8とカウンタ回路13に出力する。
初期閾値Vthは、一定の電圧値である。また、初期閾値Vthは低い電圧値であることが好ましい。これは、放射線パルスは波高値が高いほど初期閾値Vthを上回るまでの時間が短く、波高値が低いほど初期閾値Vthを上回るまでの時間が長いからである。その結果、仮に異なる波高値の放射線パルスを同時に計測したとすると、初期閾値Vthを上回るタイミングは波高値が高い放射線パルスの方が早い。そこで、初期閾値Vthをできるだけ低く設定すれば、この立ち上がりのタイミングのばらつきを抑えることができるからである。
基準パルス発生器8は、デジタル放射線パルスPdがONするときの立ち上がりをトリガーとして、所定の時間幅および所定の波高値の基準パルスPmを発生させる。この基準パルス発生器8は、コンデンサ15および抵抗17を有するワンショットマルチバイブレータ回路(単安定マルチバイブレータ回路)で構成される。基準パルスPmはコンデンサ11および抵抗12に与えられる。基準パルス発生器8は、基準パルスPmのONからOFFまでの間に他のパルスが入力されても他の基準パルスPmを出力しない。基準パルスPmの所定の時間幅は、基準パルス発生器8を構成するコンデンサ15の容量と抵抗17の値の積により定まる時定数によって決まる。基準パルスPmの所定の波高値は例えば3.3vや5vなど固定の電圧値である。基準パルスPmがOFFのときの波高値は、初期閾値Vthと同じ電圧値である。
基準パルスPmがコンデンサ11に印加される間、コンデンサ11は電荷を蓄積する。電荷の蓄積によりコンデンサ11は比較器7に設定される基準電圧を上昇させる。これにより、コンデンサ11は基準パルスPmの所定の時間幅に亘り増加閾値Vrefを増加させる。コンデンサ11の容量と抵抗12の値との積により定まる時定数は、増加閾値Vrefが増加する時間、すなわち基準パルスPmの所定の時間幅に合わせて設定する。
このように、基準パルスPmを抵抗12およびコンデンサ11を介して比較器7の基準電圧としてフィードバックさせると、増加閾値Vrefは初期閾値Vthを超えてからの時間とともに上昇する。増加閾値Vrefの電圧値は、Vm*(1−exp(−t/τ))によって定まる。ここで、Vmは基準パルスPmの波高値である。tは増加閾値Vrefが初期閾値Vthを超えてから時間である。τはコンデンサ11の容量と抵抗12の値との積によって定まる時定数である。増加閾値Vrefは、tの値が大きくなるに従って指数関数的に増加して波高値Vmに漸近する。時定数τが大きくなるに従って波高値Vrefに近づくまでの時間が長くなり、時定数τが小さくなるに従って波高値Vrefに近づくまでの時間が短くなる。よって、基準電圧Pmのパルス時間幅Tmの範囲内で、コンデンサ11と抵抗12との組み合わせによって、時定数τを自由に設定できる。
カウンタ回路13は、デジタル放射線パルスPdのパルス時間幅を計測することにより、放射線パルスの波高値を計測する。すなわち、カウンタ回路13は、デジタル放射線パルスPdの立ち上がりに同期してカウンターパルスを発生させるとともに、デジタル放射線パルスPdの立ち下がりに同期してタウンターパルスを停止させる。そして、この間に計数されるパルスのカウント数に応じて放射線パルスの波高値が計測される。
次に、波高値計測部4を構成する回路の動作を説明する。アナログ放射線パルスPaは比較器7に入力され、初期閾値Vthよりも大きいときはデジタル放射線パルスPdが基準パルス発生器8およびカウンタ回路13に出力される。基準パルス発生器8は基準パルスPmを発生させ、コンデンサ11と抵抗12に電圧を加える。コンデンサ11に加えられる電圧が上昇するに従って、増加閾値Vrefも増加する。減衰し始めたアナログ放射線パルスPaが増加閾値Vrefよりも小さくなるときはデジタル放射線パルスPdの出力がOFFする。デジタル放射線パルスPdがOFFするときも増加閾値Vrefは増加し続け、ピークに達すると自然放電を開始する。カウンタ回路13はデジタル放射線パルスのパルス時間幅を計測する。これにより、アナログ放射線パルスPaの波高値が計測される。
次に、図3を参照して、増加閾値Vrefを増加させるタイミングを説明する。図3は、縦軸をパルス波高値とし横軸をパルス時間幅とするタイミングチャートである。Pa1´,Pa2´,Pa3´は電流電圧変換部2から出力されるアナログ放射線パルスである。Pa1,Pa2,Pa3は波形整形部3から出力されるアナログ放射線パルスである。Pd1,Pd2,Pd3は比較器7から出力されるデジタル放射線パルスである。Wtot1,Wtot2,Wtot3はPd1,Pd2,Pd3のパルス幅である。Pmは基準パルス発生器8から出力される基準パルスである。Tmは基準パルスPmのパルス幅であり、Vmは基準パルスPmの波高値である。また、増加閾値Vrefは基準パルスの波高値Vmに近づくように増加する。
Pa1´,Pa2´,Pa3´は、異なるタイミングで入力される放射線パルスであるが、説明の便宜上同じタイミングで立ち上がりを開始するものとする。アナログ放射線パルスPa1が初期閾値Vthを上回るタイミングに同期してデジタル放射線パルスPd1は立ち上がり、アナログ放射線パルスPa1が増加閾値Vrefを下回るタイミングに同期してデジタル放射線パルスPd1は立ち下がる。デジタル放射線パルスPd1の立ち上がりをトリガーとして基準パルスPmは立ち上がり、所定の時間Tmを経過後基準パルスPmは立ち下がる。基準パルスPmの立ち上がりに同期して増加閾値Vrefは増加する。増加閾値Vrefはアナログ放射線パルスPa1とのクロスポイント電位Vcp1を超えた後も増加し、基準パルスPmの立ち下がりに同期して初期閾値Vthまで減衰する。Pa2,Pa3についてもPa1と同様であるので、重複記載を避けるために説明を省略する。
アナログ放射線パルスPa1,Pa2,Pa3と初期閾値Vthとのクロスポイント電位Vcp1´,Vcp2´,Vcp3´は、近い時間内に発生するが、クロスポイント電位Vcp1,Vcp2,Vcp3は、Vcp1´,Vcp2´,Vcp3´に比べて時間の間隔が十分広い。そして、パルス時間幅Wtot1,Wtot2,Wtot3は、アナログ放射線パルスPa1,Pa2,Pa3のパルス波高値に対応して十分に差が出ている。
図4を参照して、パルス波高値に対するパルス時間幅のリニアリティの改善を説明する。図4は、横軸をパルス波高値とし、縦軸をパルス時間幅とする線グラフである。従来では波高値が高くなるにつれて傾きを小さくしていた線グラフが、この実施例ではほぼ直線的に増加していることが分かる。よって、パルス波高値に対するパルス時間幅のリニアリティが改善されることが分かる。
実施例1記載のパルス波高分析器1によれば、まず、比較器7は初期閾値出力部9により基準電圧として出力される初期閾値Vthとアナログ放射線パルスPaとを比較する。そして、基準パルス発生器8は、アナログ放射線パルスPaが初期閾値Vthよりも大きいときは所定の時間Tmに亘って所定の波高値Vmの基準パルスPmを発生する。コンデンサ11および抵抗12はこの基準パルスPmを受け取ると、この所定の時間Tmに亘って増加閾値Vrefを初期閾値Vthから所定の波高値Vmに近づくまで増加させる。そして、この増加閾値Vrefは比較器7の基準電圧として設定される。すると、アナログ放射線パルスPaが減衰して所定の閾値を下回るタイミングは増加閾値Vrefを下回るタイミングとなる。よって、アナログ放射線パルスPaが初期閾値Vrhを上回るタイミングからこのアナログ放射線パルスPaが減衰して増加閾値Vrefを下回るタイミングまでのパルス時間幅を測定することによりこのアナログ放射線パルスPaの波高値を計測することができる。したがって、パルス時間幅に対するパルス波高値のリニアリティが改善される。
実施例1記載のパルス波高分析器1によれば、基準パルス発生器8を構成するワンショットマルチバイブレータ回路は基準パルスPmを発生させ、コンデンサ11と抵抗12は増加閾値Vrefを増加させる。そして、アナログ放射線パルスPaが初期閾値Vthを上回るタイミングからこのアナログ放射線パルスPaが減衰して増加閾値Vrefを下回るタイミングまでの時間を測定して放射線パルスの波高値を計測する。これにより、パルス時間幅に対するパルス波高値のリニアリティを改善し、エネルギー分解能を向上することができる。これに加えて、ADコンバータを使用しないので低価格であり、かつ、その処理および制御回路がシンプルであるパルス波高分析器を提供できる。
次に、図面を参照して本発明の実施例2を説明する。図5は、実施例2に係るパルス波高分析器における放射線パルスの波高値を計測する波高値計測部の回路図であり、図6は、波高値計測部で用いられる増加閾値を増加させるタイミングチャートである。なお、実施例1と同じ構成要素については、重複記載を避けるため適宜同じ符号を用いて説明する。
実施例2に係るパルス波高分析器31に備えられる波高値計測部32は、比較器7と、カウンタ回路13と、基準パルス発生器8と、基準電圧を出力する初期閾値電源43と、後述の抵抗49およびコンデンサ51に電圧を加える増加閾値電源45と、初期閾値電源43と増加閾値電源45とを切り替えるアナログスイッチ47と、抵抗49と、コンデンサ51と、コンデンサ51の充電と放電を切り替えるアナログスイッチ53とを備える。なお、波高値計測部32を除くその他の構成については、実施例1に係るパルス波高分析器1と同じなので、重複記載を避けるため説明を省略する。
アナログスイッチ47は、機能的には、スイッチレバーAOを有する共通接点A1と、初期閾値電源43側の接点A2と、増加閾値電源45側の接点A3と、スイッチレバーAOを接点A2,A3との間で切り替えるスイッチ切替部A4とで構成される。アナログスイッチ53は、機能的には、スイッチレバーBOを有する共通接点B1と、放電側の接点B2と、充電側の接点B3と、スイッチレバーBOを接点B2,B3との間で切り替えるスイッチ切替部B4とで構成される。共通接点B1にはコンデンサ51が接続される。なお、スイッチレバーBO,共通接点B1、接点B2はこの発明の増加閾値立ち下げ手段に相当する。基準パルス発生器8と、スイッチ切替部A4,B4とはこの発明の閾値切替手段に相当する。初期閾値電源43と、スイッチレバーAOと、共通接点A1と、接点A2とは初期閾値出力手段に相当する。増加閾値電源45と、スイッチレバーAOと、共通接点A1と、接点A3と、抵抗49と、接点B3と、共通接点B1と、スイッチレバーBOと、コンデンサ51とは増加閾値出力手段に相当する。
波高値計測部32を構成する回路の動作を説明する。アナログ放射線パルスPaが入力されないときは、比較器7の出力はOFFの状態である。このとき、基準パルス発生器8はデジタル放射線パルスPdが入力されないので、基準パルスPmもOFFである。スイッチ47側では、基準パルスPmがOFFなので、スイッチレバーAOは接点A2と接触する。これにより、比較器7と初期閾値電源43とが繋がるので、基準電圧は初期閾値Vthとなる。スイッチ53の側では、基準パルスPmがOFFになるので、スイッチレバーBOは接点B2と接触する。これにより、コンデンサ51に蓄積されていた電荷は十分に放電される。スイッチ47,53は、アナログ放射線パルスPaが入力された後も比較器7の出力がONするまでこの状態を維持する。
アナログ放射線パルスPaが比較器7に入力されて初期閾値Vthを上回ると、比較器7の出力はONの状態に変化する。このとき、基準パルス発生器8は比較器7のONの出力を受けて、基準パルスPmの出力をONする。スイッチ47側では、基準パルスPmのONの出力を受けて、スイッチ切替部A4はスイッチを切り替える。共通接点A1のスイッチレバーAOは接点A3と接触する。スイッチ53側では、基準パルスPmのONの出力を受けて、スイッチ切替部B4はスイッチ53を切り替える。共通接点B1のスイッチレバーBOは接点B3と接触する。これにより、増加閾値電源45と、抵抗49と、コンデンサ51とが電気的に接続されるので、コンデンサ51は充電される。そして、増加閾値Vrefは上昇し、基準電圧は増加閾値Vrefとなる。
アナログ放射線パルスPaが増加閾値Vrefを下回ると比較器7の出力はOFFになるが、基準パルスPmは予め定められた時間の間ONし続ける。よって、スイッチ47,53は、アナログ放射線パルスPaが増加閾値Vrefを下回った後も予め定められた時間を経過するまで、この状態を維持する。
予め定められた時間を経過するとき、基準パルス発生器8は基準パルスPmの出力をOFFする。スイッチ47側では、基準パルスPmのOFFの出力を受けて、スイッチ切替部A4はスイッチを切り替える。共通接点A1のスイッチレバーAOは再び接点A2と接触し、基準電圧には初期閾値Vthが設定される。スイッチ53側では、基準パルスPmのOFFの出力を受けて、スイッチ切替部B4はスイッチを切り替える。共通接点B1のスイッチレバーBOは再び接点B2と接触する。これにより、コンデンサ51は強制的に放電される。増加閾値Vrefは急激に低下し、基準電圧は初期閾値Vthに戻る。なお、比較器7の出力が再びONし、基準パルス発生器8の出力がONすれば、上記の動作が繰り返される。
次に、図6を参照して、増加閾値Vrefを増加させるタイミングを説明する。図6は縦軸をパルス波高値とし、横軸をパルス時間幅とするタイミングチャートである。Pa´,Paa´は、波形整形前のアナログ放射線パルスである。Pa,Paaは、波形整形後のアナログ放射線パルスである。Pdは、比較器7から出力されるデジタル放射線パルスである。Wtot1,Wtot2は、デジタル放射線パルスPdのパルス時間幅である。Pmは、基準パルス発生器8から出力される基準パルスである。
アナログ放射線パルスPaが初期閾値Vthを上回るタイミングに同期してデジタル放射線パルスPdは立ち上がり、アナログ放射線パルスPaが増加閾値Vrefを下回るタイミングに同期してデジタル放射線パルスPdは立ち下がる。デジタル放射線パルスPdの立ち上がりをトリガーとして基準パルスPmは立ち上がり、所定の時間Tmを経過後基準パルスPmは立ち下がる。基準パルスPmの立ち上がりに同期して増加閾値Vrefは増加し、基準パルスPmの立ち下がりに同期して増加閾値Vrefは初期閾値Vthまで急激に減衰する。
次に、アナログ放射線パルスPaaが初期閾値Vthを上回るタイミングに同期してデジタル放射線パルスPdは立ち上がり、アナログ放射線パルスPaaが増加閾値Vrefを下回るタイミングに同期してデジタル放射線パルスPdは立ち下がる。デジタル放射線パルスPdの立ち上がりをトリガーとして基準パルスPmは立ちあがり、所定の時間Tmを経過後基準パルスPmは立ち下がる。基準パルスPmの立ち上がりに同期して増加閾値Vrefは増加し、基準パルスPmの立ち下がりに同期して増加閾値Vrefは初期閾値Vthまで急激に減衰する。
ここで、仮に増加閾値Vrefを強制的に放電させるアナログスイッチ53を備えない場合、増加閾値Vrefは自然放電するので、増加閾値VrefはVref´のように緩やかに減衰する。すると、アナログ電気パルスPa,Paaが比較的短い時間間隔で入力される場合、増加閾値Vref´はアナログ電気パルスPaaと交差する。これにより、アナログ電気パルスPaaのパルス時間幅Wtot2の計測に悪影響を及ぼす恐れがある。増加閾値Vrefを初期閾値Vthまで急激に減衰させることにより、連続的に入力されるアナログ放射線パルスPa,Paaのパルス時間幅Wtot1,Wtot2を正確に計測することができる。
実施例2のパルス波高分析器31によれば、支点A1のスイッチレバーAOと接点A3とが接触し、支点B1のスイッチレバーBOと接点B3が接触することにより、増加閾値電源45と抵抗49とコンデンサ51とが電気的に接続されるので、コンデンサ51の電圧の上昇に伴い増加閾値Vrefが増加する。支点A1のスイッチレバーAOと接点A2とが接触することによって基準電圧は初期閾値Vthに設定され、支点B1のスイッチレバーBOと接点B2とが電気的に接触することによって増加閾値Vrefは初期閾値Vthまで強制的に立ち下がる。また、アナログスイッチ43,53は、増加閾値Vrefの増加と増加閾値Vrefの立ち下げとを切り替える。そして、アナログスイッチ43,53は、アナログ放射線パルスPa,Paaが初期閾値Vthを上回るタイミングで出力される基準パルスPmの立ち上がりに同期してスイッチを閾値の増加に切り替え、この基準パルスPmの立ち下がりに同期してスイッチを増加閾値の立ち下げに切り替える。これにより、アナログスイッチ43,53により増加閾値Vrefを強制的に立ち下げることができるので、一定の時間に入射する放射線パルスの数が多いときでも、アナログ放射線パルスPaの計測に使用される増加閾値Vrefが次に入力されるアナログ放射線パルスPaaに交差する可能性が低くなるので、パルス時間幅に対するパルス波高値のリニアリティが改善されるとともに、計測漏れを少なくできる。
次に、図面を参照して本発明の実施例3を説明する。図7は、実施例3に係るγカメラ101の全体構成を示すブロック図であり、図8は、ガンマカメラ101に備えられるγ線検出器103を示す模式図である。なお、実施例1または実施例2と同じ構成要素については、適宜同じ符号を用いて説明する。
ガンマカメラ101は、放射性薬剤を投与された被検体から放出されるγ線を検出して電流パルスを出力するγ線検出器103と、電流電圧変換部2〜22500(総称するときは電流電圧回路2と呼ぶ)と、波形整形部3〜32500(総称するときは波形整形部3と呼ぶ)と、波高値計測部4〜42500(総称するときは波高値計測部4と呼ぶ)と、エネルギー弁別部5と、γ線入射位置を計算する位置計算回路107と、入射位置に対応するメモリにγ線の計数値を書き込んで記録する収集メモリ109と、収集メモリ109からデータを読み出して放射性同位元素の分布画像として表示する表示回路111と、これらを制御する制御部113と、制御に必要な情報を入力する入力部115と、被検体の放射性同位元素の分布画像をCRTや紙媒体に表示する表示部117とを備える。電流電圧変換部2と、波形整形部3と、波高値計測部4と、エネルギー弁別部5は、パルス波高分析器105を構成する。なお、γ線検出器103はこの発明の放射線検出手段に相当する。ガンマカメラ101はこの発明の核医学診断装置に相当する。
被検体に投与される放射性薬剤は、99mTc(テクネチウム:Technetium)や131I(ヨウ素:Iodine)などのように単一光子のγ線を放出する放射性同位元素で標識された薬剤である。
図8を参照してγ線検出器103を説明する。γ線検出器103は、シンチレータ119と、シンチレータ119に光学的に結合されるライトガイド121と、光電子増倍管(PMT:PhotoMultiplier Tubu)、APD(Avalache PhotoDiode)等の光電変換素子123とを組み合わせた検出器セル125〜1252500(総称するときは検出セル125と呼ぶ)で構成される放射線検出器あるいは半導体検出器である。
検出セル125は、X方向とY方向の二次元に配列される。検出セル125は、X方向とY方向に50×50個の検出セル125〜1252500が二次元マトリクス状に配列される。この場合、各検出セル125が縦横1mm角とすると、γ線検出器103はおよそ縦横50mm角となる。1つのγ線検出器103は2500個の検出セルで構成される。本発明のパルス波高分析器1に備えられる波高値計測部4は、1つの検出セル125ごとに設けられる。波高値計測部4の処理及び制御回路が複雑でないので、小型化が可能であり、このような多チャンネル化する検出器に対しても使用できる。この場合、受光素子123としてはPMTを用いることも可能であるが、小型化の観点からはAPDなどの半導体検出器を用いることが望ましい。
次に、上述した時定数τの設定・変更について説明する。放射線パルスの強度に応じて時定数τを設定してもよい。放射性同位元素から放出されるγ線のエネルギーは、放射性同位元素の種類に応じて大きく異なる。例えば、99mTcから放出される放射線のエネルギーは141keVであり、131Iから放出される放射線のエネルギーは364keVである。これにより、99mTcから放出される放射線エネルギーを測定するために設定された時定数をそのまま131Iから放出される放射線エネルギーを測定するための時定数として設定した場合、パルス波高値に対するパルス時間幅のリニアリティを十分に改善できない可能性がある。このような場合、コンデンサ11の容量と抵抗12の値を変えて時定数τを変更する。
また、放射線パルスの計数率に応じて時定数τを設定してもよい。一定の時間内に入力される放射線パルスの数が増えれば、できるだけ短時間で1個の放射線パルスの波高値を計測する必要がある。そのためには、アナログ放射線パルスPaが減衰し始めてから増加閾値Vrefを下回るタイミングをできるだけ早くする必要がある。コンデンサ11の電圧値がピークに達した時から自然放電を終えるまでの時間も考慮する必要がある。このように放射線パルスの計数率が大きい場合、コンデンサ11の容量と抵抗12の値を小さくして、時定数τを小さくすればよい。
実施例3のガンマカメラ101によれば、比較器7と基準パルス発生器8とコンデンサ11と抵抗12とは、このアナログ放射線パルスPaがこの所定の閾値を上回るタイミングに同期してこの所定の閾値を増加させる。すると、アナログ放射線パルスPaが初期閾値Vthを上回るタイミングから増加閾値Vrefを下回るタイミングまでの時間を測定することにより、アナログ放射線パルスPaのパルス時間幅を計測できる。アナログ放射線パルスPaが減衰して増加閾値Vrefを下回るタイミングは、所定の閾値が固定である従来のパルス波高分析器と比べて早い。したがって、パルス時間幅に対するパルス波高値のリニアリティを改善し、エネルギー分解能を向上することができる。その結果、高いパルス波高値におけるエネルギースペクトラムの精度が上がり、とくに高エネルギーにおける散乱成分を除去できるので、診断精度の高い核医学データを取得できる。
実施例3のガンマカメラ101によれば、比較器7は初期閾値電源9により基準電圧として出力される初期閾値Vthとアナログ放射線パルスPaとを比較する。そして、基準パルス発生器8は、アナログ放射線パルスPaが初期閾値Vthよりも大きいときは所定の時間Tmに亘って所定の波高値Vmの基準パルスPmを発生する。コンデンサ11および抵抗12はこの基準パルスPmを受け取ると、この所定の時間Tmに亘って増加閾値Vrefを初期閾値Vthから所定の波高値Vmに近づくまで増加させる。そして、コンデンサ11はこの増加閾値Vrefを基準電圧として比較器7に出力する。これにより、アナログ放射線パルスPaが初期閾値Vthを上回るタイミングからこのアナログ放射線パルスPaが減衰して増加閾値Vrefを下回るタイミングまでの時間を測定してアナログ放射線パルスPaの波高値を計測するので、パルス時間幅に対するパルス波高値のリニアリティを改善し、エネルギー分解能を向上することができる。その結果、診断精度の高い核医学データを取得できる。これに加えて、基準パルスの出力がONする所定の時間Tmに亘って増加閾値Vrefが増加し続けるので、アナログ放射線パルスPaが基準電圧としての増加閾値Vrefを下回ることにより発生するチャタリングの発生を防止し、正確に放射線パルスの波高値を分析できる。
実施例3のガンマカメラ101によれば、基準パルス発生器8はワンショットマルチバイブレータ回路によって基準パルスPmを発生し、コンデンサ11および抵抗12はCR回路により増加閾値Vrefを増加させる。そして、アナログ放射線パルスPaが初期閾値Vthを上回るタイミングからこのアナログ放射線パルスPaが減衰して増加閾値Vrefを下回るタイミングまでの時間を測定してアナログ放射線パルスPaの波高値を計測する。これにより、パルス時間幅に対するパルス波高値のリニアリティを改善し、エネルギー分解能を向上することができる。その結果、診断精度の高い核医学データを取得できる。これに加えて、パルス波高分析器105は、ADコンバータを使用しないので低価格、かつ、その処理および制御回路がシンプルなので、低価格かつシンプルな核医学診断装置を提供できる。
実施例3のガンマカメラ101によれば、放射線検出器103はシンチレータ素子119および光電変換素子123からなる検出セル125が複数配列されるものである。この検出セル125ごとに比較器7と基準パルス発生器8とコンデンサ11および抵抗12とが配設される。これにより、検出セル125の数が増えて多チャンネル化し、使用されるパルス波高分析器105の数が多くなった場合でも、パルス波高分析器105は、ADコンバータを使用しないので低価格であり、かつ、その処理および制御回路がシンプルなので、低価格かつシンプルな核医学診断装置を提供できる。
実施例3のガンマカメラ101によれば、放射性同位元素から出力される単一光子の強度に応じて、基準パルス発生器8を構成するコンデンサ15の容量および抵抗17の値によって定められる時定数τまたはコンデンサ11の容量および抵抗12の値によって定められる時定数τのうち少なくともいずれか一方を変える。これにより、単一光子の強度に合わせた最適な時定数に変更することにより、十分にリニアリティを改善できる。
実施例3のガンマカメラ101によれば、放射線パルスの計数率に応じて、基準パルス発生器8を構成するコンデンサ15の容量および抵抗17の値によって定められる時定数τまたはコンデンサ11の容量および抵抗12の値によって定められる時定数τのうち少なくともいずれか一方を変える。これにより、放射線パルスの計数率に合わせた最適な時定数に変更することにより、十分にリニアリティを改善できる。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した各実施例では、デジタル放射線パルスPdの立ち上がりをトリガーとして基準パルス発生手段8が基準パルスPmを発生し、この基準パルスPmがコンデンサ11,51に印加される間増加閾値Vrefが増加する。しかし、これに限らず、基準パルス発生器8を備えないで、デジタル放射線パルスPdを直接コンデンサ11,51に印加しても構わない。なぜなら、TOT方式において、従来のように、放射線パルスが閾値電圧を超えてから同じ閾値電圧に戻るまでのパルス時間幅を測定するのではなく、放射線パルスが閾値電圧を超えてから閾値電圧を増加させ、増加された閾値電圧に戻るまでのパルス時間幅を測定することにより、波高値が高いパルス同士についても波高値に応じたパルス時間幅を持たせることができるからである。
図12および図13を参照して上述の変形実施例について説明する。図12はこの変形実施例において増加閾値Vreを増加させる回路図であり、図13はそのタイミングチャートである。比較器201は基準電圧入力として初期閾値電源202によって初期閾値Vthが与えられる。比較器201から出力されるデジタル放射線パルスPdを基準電圧としてコンデンサ203および抵抗205を介して比較器201にフィードバックする。これにより、フィードバックされる増加閾値Vrefは、コンデンサ203の容量と抵抗205の値の積である時定数により漸次増加する。なお、コンデンサ203と抵抗20tとは、この発明の閾値増加手段に相当する。
比較器201と初期閾値電源9と基準パルス発生器8とコンデンサ11と抵抗12は、このアナログ放射線パルスPaが初期閾値Vthを上回るタイミングに同期して増加閾値Vrefを増加させる。すなわち、このアナログ放射線パルスPaが減衰して所定の閾値を下回るタイミングとは、増加閾値Vrefを下回るタイミングになる。これにより、アナログ放射線パルスPaが減衰して増加閾値Vrefを下回るタイミングは、アナログ放射線パルスPaが初期閾値Vthを下回るタイミングよりも早くなる。したがって、パルス時間幅に対するパルス波高値のリニアリティが改善される。
もっとも、このような構成には以下の問題が発生するので、図13を参照して説明する。すなわち、コンパレータ201から出力されるデジタル放射線パルスPdは、コンデンサ203と抵抗205を介するものの、ダイレクトにコンパレータ201にフィードバックされる。コンデンサ203が所定の基準電圧まで充電されて飽和すると、自然放電する。一方、アナログ放射線パルスPaが増加閾値Vrefを下回るタイミングでコンパレータ201の出力はOFFするので、増加閾値Vrefは自然放電により低下するのではなく急激に低下する。急激に低下した閾値電圧を放射線パルスが上回ると、コンパレータの出力はONするので、閾値電圧は増加する。再度、放射線パルスが増加した閾値電圧を下回るタイミングでコンパレータの出力はOFFするので、閾値電圧は急激に低下する。このように、図13に示すように、増加閾値Vrefは、アナログ放射線パルスPaが増加閾値Vrefを下回る以降においてチャタリングが発生するので、デジタル放射線パルスPdに多数の小さな発振が生じる。これがパルス時間幅の測定の妨げとなる。
そこで、カウンタ回路13へ出力されるデジタル放射線パルスPdをフィルタ処理するフィルタ回路207を設ける。フィルタ回路207は、いわゆるローパスフィルタである。すなわち、図13においては周波数が高いほど振幅を小さくしており、このチャタリングはデジタル放射線パルスPdの高周波数成分として現れる。すると、所定のカットオフ周波数を境に高周波成分をカットするローパスフィルタを使用することにより、チャタリングによる発振を取り除くことができる。これにより、基準パルス発生器8を備えないで、デジタル放射線パルスPdを直接コンデンサ11,51に印加して、増加閾値Vrefをコンパレータ201にフィードバックする構成においても、チャタリングによるパルス時間幅の測定への影響を低減させて、パルス波高値を計測できる。
(2)上述した各実施例では、基準パルス発生器8はワンショットマルチバイブレータ回路であるが、デジタル放射線パルスPdの立ち上がりに同期して所定のパルス時間幅および所定の波高値のデジタルパルスを出力するデジタルパルス発生器であってもよい。
(3)上述した各実施例では、基準パルス発生器8はワンショットマルチバイブレータ回路であるが、図9に示すように、デジタル放射線パルスPdの立ち上がりに同期して所定の時間に亘り所定の電流を流すトランジスタ151で構成される定電流回路であってもよい。
(4)上述した実施例3では、パルス波高分析器105として実施例1に係るパルス波高分析器1を備えるが、実施例2に係るパルス波高分析器31を備えてもよい。
(5)上述した実施例3では、放射性薬剤は単一光子のγ線を放出する放射性同位元素で標識された薬剤であったが、検出セル125の個数はこれに限定されない。また、陽電子(positron)放出各種で標識された薬剤であってもよい。
(6)上述した実施例3では、放射線検出器103はX方向とY方向にそれぞれ50個の検出セル125が二次元に配列される構成であったが、複数の検出セル125で構成されるブロック検出器がリング状に配列されるリング型検出器であってもよい。
(7)上述した実施例3では、ガンマカメラ101であったが、検出器103を被検体の体軸回りを回転させる機構を備えるSPECT装置や、上記のリング型検出器を備えるPET装置であってもよい。
以上のように、本発明は、放射線パルスが所定の閾値を上回るタイミングから放射線パルスが減衰して所定の閾値を下回るタイミングまでの時間を計測してパルス波高値を検出するパルス波高分析器において、パルス時間幅に対するパルス波高値のリニアリティを改善することに適している。

Claims (11)

  1. 放射線の入射による発光を変換して得られる放射線パルスの波高値を放射線パルスが所定の閾値を上回るタイミングから前記放射線パルスが減衰して所定の閾値を下回るタイミングまでの時間を測定することにより計測し、前記放射線パルスの波高値を分析して必要な波高値の放射線パルスのみを取り出すパルス波高分析器であって、前記放射線パルスが前記所定の閾値を上回るタイミングに同期して前記所定の閾値を増加させ、前記増加後の閾値を下回るタイミングまでの時間を測定する閾値増加手段を備えることを特徴とするパルス波高分析器。
  2. 放射線の入射による発光を変換して得られる放射線パルスの波高値を放射線パルスが所定の閾値を上回るタイミングから前記放射線パルスが減衰して所定の閾値を下回るタイミングまでの時間を測定することにより計測し、前記放射線パルスの波高値を分析して必要な波高値の放射線パルスのみを取り出すパルス波高分析器であって、基準電圧として一定電圧の初期閾値を出力する初期閾値出力手段と、前記放射線パルスと前記初期閾値との大小を比較する比較器と、前記放射線パルスが前記初期閾値よりも大きいときは所定の時間に亘って所定の波高値の基準パルスを発生させる基準パルス発生手段と、前記基準パルスを受けて前記所定の時間に亘って前記初期閾値から前記所定の波高値に近づくまで増加する増加閾値を基準電圧として前記比較器に出力する増加閾値出力手段であることを特徴とするパルス波高分析器。
  3. 請求項2記載のパルス波高分析器において、前記基準パルス発生手段は、コンデンサと抵抗とを有し、前記比較器から出力される出力信号をトリガーとして所定の時定数で所定の波高値の基準パルスを発生させるワンショットマルチバイブレータ回路であり、前記増加閾値出力手段は、コンデンサと抵抗とで構成されるCR回路であって、前記基準パルスを受けて充電を開始することにより所定の時定数で前記増加閾値を増加させることを特徴とするパルス波高分析器。
  4. 請求項3記載のパルス波高分析器において、前記コンデンサを強制的に放電させることにより前記増加閾値を前記初期閾値まで立ち下げる増加閾値立ち下げ手段と、前記閾値増加手段と前記増加閾値立ち下げ手段とを切り替える閾値切替手段とを備え、前記閾値切替手段は前記基準パルスの立ち上がりに同期して前記閾値増加手段に切り替え、前記基準パルスの立ち下がりに同期して前記増加閾値立ち下げ手段に切り替えることを特徴とするパルス波高分析器。
  5. 放射性薬剤が投与された被検体から発生する放射線を放射線パルスに変換して検出する放射線検出手段と、前記放射線パルスの波高値を放射線パルスが所定の閾値を上回るタイミングから前記放射線パルスが減衰して所定の閾値を下回るタイミングまでの時間を測定することにより計測し、前記放射線パルスの波高値を分析して必要な波高値の放射線パルスのみを取り出すパルス波高分析器とを備え、前記パルス波高分析器により取り出された必要な波高値の放射線パルスに基づいて被検体の核医学データを取得する核医学診断装置であって、前記パルス波高分析器は、前記放射線パルスが前記所定の閾値を上回るタイミングに同期して前記所定の閾値を増加させ、前記増加後の閾値を下回るタイミングまでの時間を測定する閾値増加手段を備えることを特徴とする核医学診断装置。
  6. 請求項5記載の核医学診断装置において、前記閾値増加手段は、基準電圧として一定電圧の初期閾値を出力する初期閾値出力手段と、前記放射線パルスと前記初期閾値との大小を比較する比較器と、前記放射線パルスが前記初期閾値よりも大きいときは所定の時間に亘って所定の波高値の基準パルスを発生させる基準パルス発生手段と、前記基準パルスを受けて前記所定の時間に亘って前記初期閾値から前記所定の波高値に近づくまで増加する増加閾値を基準電圧として前記比較器に出力する増加閾値出力手段であることを特徴とする核医学診断装置。
  7. 請求項6記載の核医学診断装置において、前記基準パルス発生手段は、コンデンサと抵抗とを有し、前記比較器から出力される出力信号をトリガーとして所定の時定数で所定の波高値の基準パルスを発生させるワンショットマルチバイブレータ回路であり、前記増加閾値出力手段は、コンデンサと抵抗とで構成されるCR回路であって、前記基準パルスを受けて充電を開始することにより所定の時定数で前記増加閾値を増加させることを特徴とする核医学診断装置。
  8. 請求項7記載の核医学診断装置において、前記コンデンサを強制的に放電させることにより前記増加閾値を前記初期閾値まで立ち下げる増加閾値立ち下げ手段と、前記閾値増加手段と前記増加閾値立ち下げ手段とを切り替える閾値切替手段とを備え、前記閾値切替手段は前記基準パルスの立ち上がりに同期して前記閾値増加手段に切り替え、前記基準パルスの立ち下がりに同期して前記増加閾値立ち下げ手段に切り替えることを特徴とする核医学診断装置。
  9. 請求項7または請求項8記載の核医学診断装置において、前記放射線検出手段は、シンチレータ素子および光電変換素子からなる検出セルが複数配列されるものであって、前記検出セルごとに前記比較器と前記基準パルス発生手段と前記増加閾値出力手段とが配設されることを特徴とする核医学診断装置。
  10. 請求項7ないし請求項9記載の核医学診断装置において、前記核医学診断装置は、単一光子を放出する放射性同位元素で標識された放射性薬剤が使用されるガンマカメラであって、前記単一光子の強度に応じて前記基準パルス発生手段に用いられる時定数または前記増加閾値出力手段に用いられる時定数のうち少なくともいずれか一方を変えることを特徴とする核医学診断装置。
  11. 請求項7ないし請求項9記載の核医学診断装置において、前記放射線パルスの計数率に応じて前記基準パルス発生手段に用いられる時定数または前記増加閾値出力手段に用いられる時定数のうち少なくともいずれか一方を変えることを特徴とする核医学診断装置。
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