JP5530591B2 - ブチルゴムアイオノマーナノコンポジット - Google Patents

ブチルゴムアイオノマーナノコンポジット Download PDF

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Description

本発明は、イソプレン等の多価オレフィン(multiolefin)モノマーから誘導された繰り返し単位を有するブチルゴムアイオノマーを含む、ナノコンポジットおよびナノコンポジットの作製方法に関する。より詳細には、本発明は、高アスペクト比のフィラーを含むブチルゴムアイオノマーナノコンポジットに関する。本発明の好ましい一態様においては、このナノコンポジットは、ナノコンポジットの形成中にその場(in situ)で生成されたアイオノマーを含む。
ポリ(イソブチレン−コ−イソプレン)すなわちIIRは、ブチルゴムとして一般に周知の合成エラストマーであり、イソブチレンを少量のイソプレン(1〜2モル%)とランダムカチオン共重合することによって1940年代から調製されている。IIRは、その分子構造により、優れた空気不透過性、高損失弾性率、酸化安定性、および長期にわたる耐疲労性を有している。
ブチルゴムとは、イソオレフィンと、コモノマーとしての1種またはそれ以上の(好ましくは共役している)多価オレフィンとのコポリマーと理解されている。市販のブチルゴムは、大部分であるイソオレフィンおよび少量(2.5モル%以下の)の共役多価オレフィンを含んでいる。ブチルゴムすなわちブチルポリマーは、溶媒としての塩化メチルおよび重合開始剤の一部としてのフリーデルクラフツ触媒を用いたスラリー法で調製されるのが一般的である。この方法は、(特許文献1)および(非特許文献1)にさらに説明されている。
(特許文献2)および(特許文献3)には、多価オレフィン含有量の高い過酸化物硬化型のブチル系化合物の調製が記載されている。具体的には、(特許文献2)には、イソプレンの量が3〜8モル%の範囲にあるIIRの連続調製が記載されている。この高多価オレフィンブチルゴムをハロゲン化すると、エラストマー内に反応性アリル型ハロゲン化物基(allylic halide functionality)が生成する。現在ではこのようにイソプレン量を高くすることができるので、アリル型臭化物基を3〜8モル%の範囲で含むBIIR類似体を生成させることが原則として可能である。ブチルゴムの従来のハロゲン化方法は、例えば、(非特許文献2)および/または(非特許文献3)に記載されている。
アリル型ハロゲン化物基が存在することにより、求核的アルキル化反応を行うことが可能になる。最近になって、臭素化ブチルゴム(BIIR)を窒素系および/またはリン系の求核剤を用いて固体状態で処理することによって、興味深い物理的および化学的性質を有するIIR系のアイオノマーが生成することが示された((非特許文献4)、(非特許文献5)、(非特許文献6)参照)。アイオノマー基はBIIRのアリル型ハロゲン化物部位から生成する。BIIRの製造に用いられるブチルゴム中により多量の多価オレフィンモノマーが含まれると、臭素化に際しより多くのアリル型ハロゲン化物部位が得られ、したがって、求核置換後により多くのアイオノマー官能基が生じる可能性がある。多価オレフィン含有量がより高いBIIRから生成したアイオノマーの物理的性質は、その非アイオノマー系および/または多価オレフィンの少ない同等物よりも優れている。
ポリマーナノコンポジットは急速に拡大しつつある総合的な分野であり、従来のフィラーを充填したポリマーやポリマーブレンドの根本的な代替物を代表するものである。ポリマーナノコンポジットは、ポリマーマトリックス中にナノサイズの無機フィラーを組み込むことによって形成される。未処理(neat)および/または有機変性された高アスペクト比の板状フィラーで補強されたハイブリッド材料は、ナノコンポジットの中でも最も幅広く研究されている代表的な部類である。分散相とポリマーマトリックスとの間の界面相互作用が強力なことから、従来のコンポジットよりも高い機械的性質およびバリア性が得られる。ポリマーナノコンポジットに関する多くの研究分野の中でも、特に高アスペクト比のフィラーがタイヤ業界から注目を集めるようになった。最近の研究では、高アスペクト比のフィラーをタイヤのインナーライナー配合に加えることによって不透過性が最大で40%向上することが示された(例えば(特許文献4)参照)。
高アスペクト比フィラーの可能性を最大限に引き出すためには適切なモルホロジーが必要であり、ポリマーおよびフィラーの両方の選択が非常に重要になってくる。ポリマーを小板の層間にインターカレートして小板を剥離(delamination)および単層剥離(exfoliation)させ、この板をゴムマトリックス中に異方性配向させることが必要である。少なくともインターカレーションおよび剥離を達成するためには、ポリマーマトリックスとフィラー表面との間に化学的結合を確立することが有利である。
米国特許第2,356,128号明細書 CA2,418,884 CA2,458,741 米国特許第7,019,063B2号明細書 ウルマン工業化学百科事典(Ullmanns Encyclopedia of Industrial Chemistry)、第A23巻、1993年、288〜295頁 ウルマン工業化学百科事典(第5版、完全改訂版、第A23巻、エルバーズ(Elvers)ら編) 「ゴム技術(Rubber Technology)」、第3版、モーリス・モートン(Maurice Morton)著、第10章、(ファン・ノストラント・ラインホルト・カンパニー(Van Nostrand Reinhold Company(著作権)、1987年))、特に297〜300頁 ペアレント・J・S(Parent,J.S.)、リスコバ・A(Liskova,A.)、ホイットニー・R・A(Whitney,R.A)、レセンデス・R(Resendes,R.)、Journal of Polymer Science、第A部:Polymer Chemistry、第43巻、5671〜5679頁、2005年 ペアレント・J・S、リスコバ・A、レセンデス・R、Polymer、第45巻、8091〜8096頁、2004年 ペアレント・J・S、ペンチュ・A(Penciu,A.)、ギレン−カステラノス・S・A(Guillen−Castellanos,S.A.)、リスコバ・A、ホイットニー・R・A、Macromolecules、第37巻、7477〜7483頁、2004年
所望の化学的結合の確立にアイオノマーの帯電性が有用となる可能性が考えられ得るが、これがどの程度ナノコンポジット物品の物理的性質を改善することになるかは不明である。上述の先行技術においては、低多価オレフィンBIIRを用いてアイオノマーが生成され、これが後段でナノコンポジット中に組み込まれていたが、このようなナノコンポジットは未加硫であり、また、BIIR出発物質中の多価オレフィン含有量を高くすることによってアイオノマー性官能基が多くなるという利益は得られていなかった。加硫を行うことやアイオノマー含有量が硬化ナノコンポジット物品の引張強さ、硬化反応性、および/または不透過性に与える効果を突き止めるための実験的調査が必要とされている。
本発明の1つの態様によれば、少なくとも1種のイソオレフィンモノマーから誘導された繰り返し単位、少なくとも1種の多価オレフィンモノマーから誘導された繰り返し単位を少なくとも3.5モル%、および少なくとも1種の窒素系またはリン系の求核剤を含むブチルゴムアイオノマーと、ブチルゴムアイオノマーでインターカレートされた高アスペクト比フィラーとを含む硬化ポリマーナノコンポジットが提供される。
本発明の他の態様によれば、その場で生成されるブチルゴムアイオノマーを含むポリマーナノコンポジットの調製方法であって、少なくとも1種のイソオレフィンモノマーから誘導された繰り返し単位、少なくとも1種の多価オレフィンモノマーから誘導された繰り返し単位を含み、アリル型臭化物含有量が少なくとも0.5モル%である臭素化ブチルゴムポリマーを準備する工程と、窒素系またはリン系の求核剤を含む変性剤を臭素化ブチルゴムポリマーに添加する工程と、高アスペクト比フィラーを添加する工程と、臭素化ブチルゴムポリマー、変性剤、およびフィラーを混合して、フィラーでインターカレートされたブチルゴムアイオノマーを含む未硬化のナノコンポジットを形成させる工程と、ナノコンポジットを硬化させる工程とを含む方法が提供される。
本発明のさらなる他の態様によれば、ブチルゴムアイオノマーを含むポリマーナノコンポジットの調製方法であって、少なくとも1種のイソオレフィンモノマーから誘導された繰り返し単位、少なくとも1種の多価オレフィンモノマーから誘導された繰り返し単位を少なくとも3.5モル%、および少なくとも1種の窒素系またはリン系の求核剤を含むブチルゴムアイオノマーを準備する工程と、高アスペクト比フィラーを添加する工程と、ブチルゴムアイオノマーおよびフィラーを混合して未硬化のナノコンポジットを形成させる工程と、ナノコンポジットを硬化させる工程とを含む方法が提供される。
本発明は、有利には、先行技術のナノコンポジットと比較して引張強さ、硬化反応性、および/またはガス不透過性が改善されたポリマーナノコンポジットを提供する。本発明のナノコンポジットは、例えばタイヤのインナーライナー用途に特に有用である。
本発明のさらなる特徴を、以下の詳細な説明および実施例を参照しながら説明する。
ブチルゴムアイオノマーは、ハロゲン化ブチルゴムポリマーから調製される。ブチルゴムポリマーは、通常、少なくとも1種のイソオレフィンモノマー、少なくとも1種の多価オレフィンモノマー、および場合によりさらなる共重合可能なモノマーから誘導される。
ブチルゴムポリマーは、特定のイソオレフィンに限定されるものではない。しかし、4〜16個の範囲の炭素原子、好ましくは4〜7個の範囲の炭素原子を有するイソオレフィン、例えば、イソブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、およびこれらの混合物等が好ましい。イソブテンがより好ましい。
ブチルゴムポリマーは、特定の多価オレフィンに限定されるものではない。イソオレフィンと共重合可能な当業者に周知のあらゆる多価オレフィンを使用することができる。しかし、4〜14個の範囲の炭素原子を有する多価オレフィン、例えば、イソプレン、ブタジエン、2−メチルブタジエン、2,4−ジメチルブタジエン、ピペリレン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、2,4−ヘキサジエン、2−ネオペンチルブタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−2,4−ヘキサジエン、2−メチル−1,4−ペンタジエン、2−メチル−1,6−ヘプタジエン、シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、1−ビニル−シクロヘキサジエン、およびこれらの混合物等、好ましくは、共役ジエンを使用する。より好ましくは、イソプレンを使用する。
任意的なモノマーとして、イソオレフィンおよび/またはジエンと共重合可能な当業者に周知の任意のモノマーを使用することができる。好ましくは、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、クロロスチレン、シクロペンタジエン、およびメチルシクロペンタジエンが使用する。インデンおよび他のスチレン誘導体も使用してもよい。イソオレフィンのコモノマーとしてβ−ピネンも使用してもよい。
1つの実施態様においては、ブチルゴムアイオノマーは、多価オレフィンモノマーを1.5〜2.2モル%有するブチルゴムポリマーからその場で調製される。他の実施態様においては、アイオノマーは、その場で調製されるか、または多価オレフィン含有量のより高い(例えば、2.5モル%を超え、好ましくは3.5モル%を超え、より好ましくは4.0モル%を超える)ブチルゴムポリマーから予め調製されるかのいずれかである。好適な高多価オレフィンブチルゴムポリマーの調製については、同時係属中の出願CA2,418,884号に記載されており、この内容を参照により本明細書に援用する。
ブチルゴムポリマーは、次いで、ハロブチルポリマーを生成させるためにハロゲン化工程に付すことができる。臭素化または塩素化は、当業者に周知の方法、例えば、ゴム技術、第3版、モーリス・モートン編、クルワー・アカデミック・パブリッシャーズ(Kluwer Academic Publishers)、297〜300頁およびその中に引用されているさらなる文献に記載されている手順に従い実施することができる。
ハロゲン化の際には、ブチルポリマー中に含まれる多価オレフィンの一部または全部がアリル型ハロゲン化物に変換される。したがって、ハロブチルポリマー中のアリル型ハロゲン化物は、元々ブチルポリマー中に存在していた多価オレフィンモノマーから誘導された繰り返し単位である。ハロブチルポリマー中に含まれるアリル型ハロゲン化物の総量は、その母体となるブチルポリマー中の多価オレフィンの初期含有量を超えることはできない。
ハロブチルポリマーのアリル型ハロゲン化物部位は、次いで、以下の式、
Figure 0005530591
(式中、
Aは、窒素またはリンであり、
、R、およびRは、直鎖または分岐のC〜C18アルキル置換基、単環であるかもしくはC〜C縮合環から構成されるアリール置換基、ならびに/またはヘテロ原子(例えば、B、N、O、Si、P、およびSから選択される原子)からなる群から選択される)に従う、少なくとも1種の窒素またはリン含有求核剤と反応させることができる。
一般に、適切な求核剤は、求核置換反応に関与する際に電子的にも立体的にも利用可能な孤立電子対を有する少なくとも1個の中性窒素またはリン中心を含んでいるであろう。好適な求核剤としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、およびトリフェニルホスフィンが挙げられる。
ブチルゴムとの反応に供される求核剤の量は、ハロブチルポリマー中に存在するアリル型ハロゲン化物の総モル量を基準として、0.3〜5モル当量、より好ましくは0.5〜4モル当量、よりさらに好ましくは1〜3モル当量の範囲内であってよい。
ハロブチルポリマーと求核剤とを、約0.5〜90分間反応させることができる。ナノコンポジットを、高アスペクト比フィラーの存在下でのアリル型ハロゲン化物と窒素系またはリン系の求核剤との反応によってその場で生成させる場合、意外なことに、そして有利には、反応時間が、例えば0.5〜5分間、好ましくは1〜3分間の範囲内に短縮される。それ以外の場合、反応はこれよりも著しく長い、例えば、15〜90分間、好ましくは20〜60分間の範囲の時間を要する。ナノコンポジットをその場で生成させる場合、反応温度も同様に他の場合よりも非常に低くなり、例えば、その場で生成させるナノコンポジットの形成には25〜80℃の温度で十分であるが、それ以外の場合は80〜200℃の温度が必要となる。
求核剤はハロブチルポリマーのアリル型ハロゲン化物基と反応するため、結果として得られるアイオノマー性部分はアリル型ハロゲン化物から誘導された繰り返し単位となる。したがって、ブチルアイオノマー中のアイオノマー性部分の総含有量は、ハロブチルポリマー中のアリル型ハロゲン化物の初期量を超えることはできない。一方、残留アリル型ハロゲン化物および/または残留多価オレフィンが存在してもよい。結果として得られるハロブチル系アイオノマーは、好ましくは、アイオノマー性部分を少なくとも0.5モル%、好ましくは少なくとも0.75モル%、より好ましくは少なくとも1.0モル%、さらに好ましくは少なくとも1.5モル%有している。残留アリル型ハロゲン化物は、0.1モル%から、ブチルアイオノマーの製造に使用されたハロブチルポリマーの元々のアリル型ハロゲン化物含有量を超えない量までの量で存在していてもよい。残留多価オレフィンは、0.1モル%から、ハロブチルポリマーの製造に使用されたブチルポリマーの元々の多価オレフィン含有量を超えない量までの量で存在していてもよい。典型的には、アイオノマーの残留多価オレフィン含有量は、少なくとも0.4モル%、好ましくは少なくとも0.6モル%、より好ましくは少なくとも1.0モル%、さらに好ましくは少なくとも2.0モル%、一層好ましくは少なくとも3.0モル%、よりさらに好ましくは少なくとも4.0モル%である。
高アスペクト比フィラーとしては、アスペクト比が少なくとも1:3である、クレイ、タルク、マイカ等が挙げられる。このようなフィラーとしては、板状または針状構造を有する非円形または非等長性材料が挙げられるであろう。アスペクト比とは、板の面と同じ面積を有する円の平均径対板の平均厚さの比として定義される。針状および繊維形状のフィラーのアスペクト比は、長さに対する直径の比である。好ましい高アスペクト比フィラーは、アスペクト比が少なくとも1:5、より好ましくは少なくとも1:7、よりさらに好ましくは1:7〜1:200である。本発明によるフィラーの平均粒径は、0.001〜100ミクロン、好ましくは0.005〜50ミクロン、より好ましくは0.01〜10ミクロンの範囲にある。好適なフィラーのDIN(ドイツ工業規格(Deutsche Industrie Norm))66131に準拠して測定されたBET表面積は、5〜200m/gである。幾つかの好ましいフィラーの例およびその特性を、アスペクト比が1:3より低い典型的な先行技術のフィラーと比較して表1に示す。
Figure 0005530591
高アスペクト比フィラーの好ましい実施態様には、ナノクレイ、好ましくは有機変性ナノクレイが含まれる。本発明は特定のナノクレイに限定されないが、ナトリウムもしくはカルシウムモンモリロナイト等の天然のスメクタイト系クレイ粉末またはハイドロタルサイトおよびラポナイト等の合成クレイが出発物質として好ましい。有機変性されたモンモリロナイトナノクレイが特に好ましい。通常は疎水性であるポリマー環境中へのクレイの分散を促す界面活性機能をクレイに付与することを目的として、クレイを、当業者に周知のように、遷移金属をオニウムイオンで置換することによって変性させることが好ましい。好ましいオニウムイオンは、リン系(例えばホスホニウムイオン)および窒素系(例えばアンモニウムイオン)の、2〜20個の炭素原子を有する官能基を含むもの(例えばNR +−MMT)である。
クレイは、好ましくは、ナノメータースケールの粒径、好ましくは25μm(体積平均)未満、より好ましくは1〜50μm、さらに好ましくは1〜30μm、一層好ましくは2〜20μmで準備する。
好ましいナノクレイは、シリカに加えて一部にアルミナも含んでいてもよい。ナノクレイは、アルミナを0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%、より好ましくはアルミナを1〜3重量%含んでいてもよい。
本発明による高アスペクト比フィラーとして使用するのに好適な市販の好ましい有機変性ナノクレイとしては、例えば、クロイサイト(Cloisite)(登録商標)クレイ10A、20A、6A、15A、30B、または25Aが挙げられる。他の高アスペクト比フィラーとしては、例えば、ポリフィル80(登録商標)、ミストロン・ベーパー(登録商標)およびミストロンCB(登録商標)が挙げられる。
高アスペクト比フィラーは、20〜80phr、より好ましくは30〜70phr、さらに好ましくは40〜60phrの量でナノコンポジットに添加される。ナノコンポジットは、フィラーをBIIRに添加してからアイオノマーを形成させる反応を行うことによりその場でアイオノマーナノコンポジットを生成させることによって形成させてもよいし、従来の配合技法を用いて予め形成されたアイオノマーにフィラーを添加することによって形成させてもよい。
ナノコンポジットの成分は、例えば、バンバリーミキサー等のインターナルミキサー、ハーケ(Haake)もしくはブラベンダーミキサー等の小型インターナルミキサー、または二本ロールミルミキサーを用いて混合してもよい。押出機でも十分な混合が得られ、混合時間を短縮することが可能となる。混合を2以上の段階で行うことも可能であり、混合を異なる装置で、例えば、1段階をインターナルミキサーで、1段階を押出機で行うことが可能である。しかし、混合段階中に望ましくない前架橋(スコーチとしても知られる、ゲル形成の前駆状態)が起こらないように注意を払うべきである。配合技術に関するさらなる情報については、高分子科学工学百科事典(Encyclopedia of Polymer Science and Engineering)、第4巻、66頁以下(配合)を参照されたい。
ナノコンポジットを成形品に形成させてもよく、その後に硬化させる。好ましい硬化系は硫黄系である。典型的な硫黄系硬化系は、(i)金属酸化物、(ii)元素状硫黄、および(iii)少なくとも1種の硫黄系促進剤を含んでいる。金属酸化物を硬化系の成分として使用することは当該技術分野において周知である。好適な金属酸化物は酸化亜鉛であり、典型的には、ナノコンポジット中のブチルポリマー100重量部当たり約1〜約10重量部、好ましくは約2〜約5重量部の量で使用する。好ましい硬化系の成分(ii)を構成する元素状硫黄は、典型的には、組成物中のブチルポリマー100重量部当たり約0.2〜約10重量部の量で使用する。好適な硫黄系促進剤(好ましい硬化系の成分(iii))は、典型的には、組成物中のブチルポリマー100重量部当たり約0.5〜約3重量部の量で使用する。有用な硫黄系促進剤の非限定的な例は、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)等のチウラムスルフィド、亜鉛ジメチルジチオカルバメート(ZDC)等のチオカルバメート、ならびにメルカプトベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)等のチアジルおよびベンゾチアジル化合物から選択することができる。好ましくは、硫黄系促進剤は、メルカプトベンゾチアジルジスルフィドである。
硬化物は、ゴム業界において周知のさらなるゴム用助剤製品、例えば、反応促進剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、酸化防止剤、起泡剤、老化防止剤、熱安定剤、光安定剤、耐オゾン剤、加工助剤、可塑剤、粘着付与剤、発泡剤、染料、顔料、ワックス、増量剤、有機酸、阻害剤、金属酸化物、および活性化剤(例えば、トリエタノールアミン、ポリエチレングリコール、ヘキサントリオール等)等を含んでいてもよい。ゴム用助剤の使用量は、特に目的とする用途に依存する。硬化物は、鉱物系および/または非鉱物系フィラーを含んでいてもよい。従来量は、ゴムを基準として0.1〜50重量%である。
加硫方法に関するさらなる情報は、高分子科学工学百科事典、第17巻、666頁以下(加硫)から得られるであろう。
以下の実施例を用いて本発明の特定の実施態様を例示する。
[設備]
硬さおよび応力歪み特性は、ASTM D−2240の要件に従いA−2型デュロメータを用いて測定した。応力歪みデータは、ASTM D−412 A法の要件に準拠して、23℃で得た。厚さ2mmの引張試験用シート(15000psi、166℃のプレス内で合計30分間で形成させた)から切り出したダイCのダンベルシートを使用した。特に断りのない限り、アイオノマーは、BR−82バンバリー(容量1602g)を用いて、30℃、速度77rpmでその場で調製した。H NMRスペクトルを、ブルカー(Bruker)DRX500分光計(500.13MHz)を用いて、CDCl中、テトラメチルシランを化学シフトの基準として記録した。透過性の値を、ASTM D−1434に準拠し、約0.5mmのシート(15000psi、166℃のプレス内で合計30分間で形成させた)を用いて、インターナル(internal)透過性試験装置型式1000を50/60Hz、240V(単相)で動作させて、65.5℃、50psigで測定した。
[材料]
特に断りのない限り、試剤はすべてシグマ−アルドリッチ(Sigma−Aldrich)(オンタリオ州オークビル(Oakville,Ontario))から入手したそのままの状態で使用した。BIIR(ランクセス(LANXESS)BB2030、ランクセス・インコーポレーテッド(LANXESS Inc.))、サンパー(Sunpar)2280(R・E・キャロル・インコーポレーテッド(R.E.Carroll Inc))、ペンタリン(Pentalyn)A(ハーキュリーズ(Hercules))、ブルカチット・メルカプト(Vulkacit Mercapto)MG/C(ランクセス・インコーポレーテッド)、ブルカチットDM/C(ランクセス・インコーポレーテッド)、ブルカチットZBEC/C(ランクセス・インコーポレーテッド)、イルガノックス(Irganox)1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ・コーポレーション(Ciba Specialty Chemicals Corp))、イルガノックス1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ・コーポレーション)、カーボンブラックN660(シド・リチャードソン・カーボン・アンド・ガス・カンパニーズ(Sid Richardson Carbon and Gas Companies))、ミストロン・ベーパー(ルゼナック(Luzenac))、ミストロンCB(ルゼナック)、クロイサイト15A(サザン・クレイ・プロダクツ(Southern Clay Products))、ハイシル233(PPG・インダストリーズ・インコーポレーテッド(PPG Industries,Inc.))、およびポリフィル80(J・M・フーバー・コーポレーション(J.M.Huber Corporation))は、各供給業者から入手したそのままの状態で使用した。
[実施例1]:イソプレン7.5モル%を含有するブチルゴムの調製
以下の実施例は、本発明者らが、イソプレン含有量が最高で8.0モル%であり、ムーニー粘度(ML(1+8)125℃)が35〜40MUである新規なグレードのIIRを連続工程によって製造できることを例示するものである。
モノマー供給原料の組成は、4.40重量%のイソプレン(IPまたはIC5)をおよび25.7重量%のイソブテン(IBまたはIC4)を含んでいた。混合したこの供給原料を5900kg/hの速度で連続重合反応器に導入した。さらに、DVBを5.4〜6kg/hの速度で反応器に導入した。AlCl/MeCl溶液(MeCl中AlCl0.23重量%)を204〜227kg/hの速度で導入することによって重合を開始した。連続反応の内部温度を、蒸発冷却法を用いることによって−95〜−100℃に維持した。反応器内に十分滞留させた後、新たに形成された重合体クラムを、水フラッシュ槽を用いてMeCl希釈剤から分離した。このとき、約1重量%のステアリン酸を重合体クラムに導入した。乾燥を行う前に、0.1重量%のイルガノックス(登録商標)1010をポリマーに加えた。得られた物質をコンベアオーブンを用いて乾燥した。表2に最終物質の特性を詳述する。
[実施例2]:高イソプレンBIIRの調製
95Lの反応器内で、1,4IPを7.5モル%含有するIIR(POS 1138参照)7kgをヘキサン31.8kgおよび水2.31kgに溶解した溶液に、元素状臭素110mLを急速に撹拌しながら加えた。5分後、水1L中にNaOH76gを含む苛性溶液を加えることによって反応を停止させた。さらに10分間撹拌した後、ヘキサン500mL中にエポキシ化大豆油21.0gおよびイルガノックス1076 0.25gを含む安定剤溶液ならびにヘキサン500mL中にエポキシ化大豆油47.0gおよびステアリン酸カルシウム105gを含む安定剤溶液を反応混合物に加えた。さらに1時間撹拌した後、高IP BIIRを水蒸気凝固によって単離した。この最終物質を、10インチ×20インチの二本ロールミルを100℃で運転して、重量が一定になるまで乾燥した。得られた物質の微細構造を表3に示す。
Figure 0005530591
Figure 0005530591
[実施例3]:高イソプレンIIRアイオノマーの調製
実施例2を226gおよびトリフェニルホスフィン(TPP)を7.6g(実施例2のアリル型臭化物含有量を基準として1.2モル当量)を6インチ×12インチのミルを用いて室温で3分間予備混合した。次いで、この混合物を、160℃、速度20rpmで運転される二軸押出機を通過させた。最終生成物をH MNRで分析して、実施例2のアリル型臭化物が対応するアイオノマー種に完全に変換されたことを確認した。得られた材料が1,4−IPを4.20モル%有していることもわかった。
[実施例4〜8]
以下の実施例は、硫黄硬化されたカーボンブラック充填系の物理的性質にアイオノマーネットワーク(その場で形成された、ホスホニウム系およびアンモニウム系の両方)が与える効果を、同じフィラーを用いた典型的なインナーライナー配合の物理的性質と比較して例示するものである。実施例4は、BB2030およびフィラーを、バンバリーミキサーを用いて、30℃、ローター速度77rpmで1分間混合し、その後、オイルおよび促進剤を加え、さらに4分間混合した後、ダンプすることによって調製した。次いで、10インチ×20インチの二本ロールミルにて室温で硬化剤(硫黄、ステアリン酸、および酸化亜鉛)を加えた。実施例5〜8は、ゴム(BB2030または実施例2のいずれか)、変性剤の半量(TPP、またはN,N−ジメチルエタノールアミン(DMEA)/ヘキサメチルジシラザン(HMDZ)のいずれか)、およびフィラーの半量を、バンバリーミキサーを用いて、30℃、ローター速度77rpmで2分間混合することによって調製した。TPP変性剤の量は、BB2030のアリル型臭化物を基準として0.3当量および高IP BIIR(実施例2)のアリル型臭化物を基準として0.45当量とした。DMEA変性剤の量は、BB2030のアリル型臭化物を基準として2.9当量および高IP BIIR(実施例2)のアリル型臭化物を基準として4.1当量とした。残りの変性剤およびフィラーを添加してさらに3分間混合した後、ダンプした。次いで、このコンパウンドおよび硬化剤を10インチ×20インチ二本ロールミルを用いて室温で混合した。得られた配合物を硬化させ、引張特性を上述したように測定した。結果を表4に示す。
表4は、標準的なインナーライナー配合(実施例4)と比較して、ホスホニウムアイオノマー(実施例5および6)およびアンモニウムアイオノマー(実施例7および8)がいずれも、引張強さが最大で33%改善されていることに加えて、M200/M50値で示されるように、補強性(reinforcement)が向上していることを例示するものである。実施例4の透過性は後の比較で用いる。
Figure 0005530591
[実施例9〜13]
以下の実施例は、硫黄硬化されたシリカ充填系の物理的性質にアイオノマーネットワーク(その場で形成された、ホスホニウム系およびアンモニウム系の両方)が与える効果を、同じフィラーを含む典型的なインナーライナーの物理的性質と比較して例示するものである。実施例9および実施例10〜13の調製を、実施例4および実施例5〜8でそれぞれ上述したように実施した。得られた配合物を硬化し、引張特性を上述したように測定した。結果を表5に示す。
表5は、標準的なインナーライナー配合(実施例9)と比較して、ホスホニウムアイオノマー(実施例10および11)およびアンモニウムアイオノマー(実施例12および13)がいずれも、引張強さが最大で68%改善されていることに加えて、補強性が最大で70%向上していることを例示するものである。
Figure 0005530591
[実施例14〜18]
以下の実施例は、硫黄硬化されたミストロンCB充填系の物理的性質にアイオノマーネットワーク(その場で形成された、ホスホニウム系およびアンモニウム系の両方)が与える効果を、同じフィラーを含む典型的なインナーライナーの物理的性質と比較して例示するものである。実施例14および実施例15〜18の調製を、実施例4および実施例5〜8でそれぞれ上述したように実施した。得られた配合物を硬化し、引張特性を上述したように測定した。結果を表6に示す。
表6は、標準的なインナーライナー配合(実施例14)と比較して、ホスホニウムアイオノマー(実施例15および16)およびアンモニウムアイオノマー(実施例17)がいずれも、M200/M50値が29〜39%向上していることから示されるように、補強性が改善されていることを例示するものである。これらの実施例の透過性を上述したように測定した。カーボンブラックを充填した標準的なインナーライナー配合(実施例4)(透過性の測定値は3.1×10−8cm/atm・s)と比較すると、透過性が29〜55%改善されていることがわかり、高アスペクト比フィラーを使用したことの効果が実証された。さらに、アイオノマー(実施例15〜18)をこれらの非アイオノマー系の同等物(実施例14)と比較すると、不透過性が最大で41%向上しており、アイオノマーとフィラーとの相互作用の効果を示している。
Figure 0005530591
[実施例19〜23]
以下の実施例は、硫黄硬化されたミストロン・ベーパー充填系の物理的性質にアイオノマーネットワーク(その場で形成された、ホスホニウム系およびアンモニウム系の両方)が与える効果を、同じフィラーを含む典型的なインナーライナーの物理的性質と比較して例示するものである。実施例19および実施例20〜23の調製は、実施例4および実施例5〜8でそれぞれ上述したように実施した。得られた配合物を硬化し、引張特性を上述したように測定した。結果を表7に示す。
表7は、標準的なインナーライナー配合(実施例19)と比較して、ホスホニウムアイオノマー(実施例20および21)およびアンモニウムアイオノマー(実施例22および23)がいずれも、引張強さが最大で30%改善されており、補強性が最大で39%向上していることを例示するものである。引張特性以外にも、これらの実施例の透過性を上述したように測定した。カーボンブラックを充填した標準的なインナーライナー配合(実施例4)(透過性の測定値は3.1×10−8cm/atm・s)と比較すると、透過性が29〜65%改善されていることがわかり、高アスペクト比フィラーを使用することの効果が実証された。さらに、アイオノマー(実施例20〜23)をこれらの非アイオノマー系の同等物(実施例19)と比較すると、透過性が最大で41%向上しており、アイオノマーとフィラーとの相互作用の効果を示している。
Figure 0005530591
[実施例24〜28]
以下の実施例は、硫黄硬化されたポリフィル80充填系の物理的性質にアイオノマーネットワーク(その場で形成された、ホスホニウム系およびアンモニウム系の両方)が与える効果を、同じフィラーを含む典型的なインナーライナーの物理的性質と比較して例示するものである。実施例24および実施例25〜28の調製を、実施例4および実施例5〜8でそれぞれ上述したように実施した。得られた配合物を硬化し、引張特性を上述したように測定した。結果を表8に示す。
表8は、標準的なインナーライナー配合(実施例24)と比較して、ホスホニウムアイオノマー(実施例25および26)およびアンモニウムアイオノマー(実施例27および28)がいずれも、引張強さおよび補強性が最大で46%改善されたことを示すものである。引張特性以外にも、これらの実施例の透過性を上述したように測定した。カーボンブラックを充填した標準的なインナーライナー配合(実施例4)(透過性の測定値は3.1×10−8cm/atm・s)と比較すると、透過性が20〜58%改善されていることがわかり、ここでもやはり高アスペクト比フィラーを使用することの効果が実証された。
Figure 0005530591
[実施例29〜30]
以下の実施例は、硫黄硬化されたミストロンCB充填系の物理的性質に、アイオノマーを予め形成しておくことが与える効果を、実施例5〜8に上述したようにその場で作製することと比較して例示するものである。実施例29は、BB2030に替えて高イソプレンIIRアイオノマー(実施例3)を用いたことを除いて、実施例4に記載したように調製した。実施例30は、BB2030に替えて高イソプレンBIIR(実施例2)を使用したことと、アリル型臭化物を基準としてTPPを1.2当量使用したこととを除いて、実施例5に上述したように実施した。得られた配合物を硬化し、引張特性を上述したように測定した。結果を表9に示す。
表9は、予め形成されたアイオノマーの引張強さが、その場で形成されたアイオノマーよりも31%高いことを示すものである。さらに、伸びが27%増大した。本発明者らは硬化前にアイオノマー反応の完了を確認したので、アイオノマーを予め形成しておくことの利点が実証された。
Figure 0005530591
上述したのは、BIIRおよび高イソプレンBIIRの両方から出発し、従来のポリマー加工設備を用いて、簡便な固体状態での製造によって形成される新規なブチル系ホスホニウムおよびアンモニウムアイオノマーの製造である。このアイオノマーにより、これらの非アイオノマー系の同等物よりも補強性が向上した生成物が得られる。このアイオノマーを、有機変性されたモンモリロナイトナノクレイ、ミストロン(登録商標)CB、ミストロン・ベーパー(登録商標)、ポリフィル(登録商標)80等の高アスペクト比フィラーと併用することによって、シリカやカーボンブラック等の従来のフィラーよりも不透過性が向上するとともに機械的性質が向上する。さらに、アイオノマーを予め形成しておくことによって、その場で作製したアイオノマーよりも優れた特性を有する生成物が得られる。このような利点を考慮すると、本明細書において記載されたブチル系アイオノマーは、タイヤインナーライナー配合用のエラストマーナノコンポジットの作製に有益であろう。
[実施例31〜33]
以下の実施例は、予め作製したアイオノマーを用いた硫黄硬化された系の物理的性質にカーボンブラックおよびタルクの混合フィラー系(co-filler system)が与える効果を、硫黄硬化されたタルク充填類似体の物理的性質と比較して例示するものである。実施例31〜33は、BB2030に替えて高イソプレンIIRアイオノマー(実施例3)を用いたことを除いて、実施例4に上述したように調製した。得られた配合物を硬化し、引張特性を上述したように測定した。結果を表10に示す。
表10は、カーボンブラックを添加してもコンポジットの引張特性が向上しないことを例示するものである。
Figure 0005530591
[実施例34〜36]
以下の実施例は、硫黄硬化された系の物理的性質にカーボンブラックおよびタルクの混合フィラー系に加えて実施例2(高イソプレンBIIR)および実施例3(高イソプレンIIRアイオノマー)の混合ポリマー系(co-polymer system)が与える効果を、硫黄硬化されたタルク充填類似体の物理的性質と比較して例示するものである。実施例34〜36は、実施例2および実施例3およびフィラーを小型インターナルミキサーを用いて、ローター速度を60rpmとして60℃で1分間混合した後、フィラーを1分間で加え、次いでオイルおよび促進剤を加えて、さらに4分間撹拌した後、ダンプすることによって調製した。次いで、10インチ×20インチの二本ロールミルで硬化剤(硫黄、ステアリン酸、および酸化亜鉛)を室温で添加した。得られた配合物を硬化し、引張特性を上述したように測定した。結果を表11に示す。
表11は、混合フィラー系と、一方のポリマーが予め形成されたアイオノマーである混合ポリマー系(実施例34〜36)との両方の利点を、1種類のポリマーアイオノマーを用いた、タルク(実施例29)またはタルクおよびカーボンブラックの組合せ(実施例33)のいずれかを充填したコンパウンドと比較して例示するものである。実施例34〜36は、極限引張強さおよび極限伸びが著しく改善されていることが認められる一方で、透過性は2.5×10−8cm/atm・s以下の値を維持している。
Figure 0005530591

Claims (14)

  1. a.少なくとも1種のイソオレフィンモノマーから誘導された繰り返し単位、少なくとも1種の多価オレフィンモノマーから誘導された繰り返し単位を少なくとも3.5モル%、および少なくとも1種の窒素系またはリン系の求核剤を含むブチルゴムアイオノマーと、
    b.前記ブチルゴムアイオノマーでインターカレートされた、アスペクト比が少なくとも1:3である高アスペクト比フィラーと
    を含む硬化ポリマーナノコンポジット。
  2. 前記イソオレフィンがイソブテンを含み、前記多価オレフィンがイソプレンを含む、請求項1に記載のナノコンポジット。
  3. 前記窒素系求核剤がN,N−ジメチルエタノールアミン(DMEA)を含み、前記リン系求核剤がトリフェニルホスフィン(TPP)を含む、請求項1に記載のナノコンポジット。
  4. 前記フィラーが、有機変性されたモンモリロナイトナノクレイを含む、請求項1に記載のナノコンポジット。
  5. 前記フィラーが、20〜80phrの量で存在する、請求項1に記載のナノコンポジット。
  6. 前記ナノコンポジットの透過性が、2.5×10−8cm/atm・s以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載のナノコンポジット。
  7. その場で生成されるブチルゴムアイオノマーを含むポリマーナノコンポジットの調製方法であって、
    a.少なくとも1種のイソオレフィンモノマーから誘導された繰り返し単位、少なくとも1種の多価オレフィンモノマーから誘導された繰り返し単位少なくとも3.5モル%を含み、アリル型臭化物含有量が少なくとも0.5モル%である臭素化ブチルゴムポリマーを準備する工程と、
    b.窒素系またはリン系の求核剤を含む変性剤を前記臭素化ブチルゴムポリマーに添加する工程と、
    c.アスペクト比が少なくとも1:3である高アスペクト比フィラーを添加する工程と、
    d.前記臭素化ブチルゴムポリマー、前記変性剤、および前記フィラーを混合して、前記フィラーでインターカレートされたブチルゴムアイオノマーを含む未硬化のナノコンポジットを形成させる工程と、
    e.前記ナノコンポジットを硬化させる工程と
    を含む方法。
  8. 前記変性剤が、N,N−ジメチルエタノールアミン(DMEA)を含む窒素系求核剤である、請求項に記載の方法。
  9. 前記変性剤が、ヘキサメチルジシラザン(HMDZ)をさらに含む、請求項に記載の方法。
  10. 前記変性剤が、アリル型臭化物の量の0.3〜5モル当量の量で存在する、請求項またはに記載の方法。
  11. 前記変性剤が、トリフェニルホスフィン(TPP)を含むリン系求核剤である、請求項に記載の方法。
  12. 前記変性剤が、アリル型臭化物の量の0.3〜1.2モル当量の量で存在する、請求項11に記載の方法。
  13. ブチルゴムアイオノマーを含むポリマーナノコンポジットの調製方法であって、
    a.少なくとも1種のイソオレフィンモノマーから誘導された繰り返し単位、少なくとも1種の多価オレフィンモノマーから誘導された繰り返し単位を少なくとも3.5モル%、および少なくとも1種の窒素系またはリン系の求核剤を含むブチルゴムアイオノマーを準備する工程と、
    b.アスペクト比が少なくとも1:3である高アスペクト比フィラーを添加する工程と、
    c.前記ブチルゴムアイオノマーおよび前記フィラーを混合して未硬化のナノコンポジットを形成させる工程と、
    d.前記ナノコンポジットを硬化させる工程と
    を含む方法。
  14. 前記未硬化のナノコンポジットが、前記ブチルゴムアイオノマーでインターカレートされた前記フィラーを含む、請求項13に記載の方法。
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