JP5530155B2 - 発電機能付き手動操作機器、発電機能付き遠隔操作装置 - Google Patents
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Description
また、メンテナンス負荷を軽減することも求められている。
このような観点から、太陽光、振動、熱などの自然エネルギーを利用した機器が多く提案されるようになってきている。
リモコン装置では、一般に電池が使用されているが、自然エネルギーを利用することによって電池交換のメンテナンスを無くすとともに、環境負荷を小さくすることが求められている。
図12は、特許文献1の第1実施形態の構成を示す図である。
この構成において、キー入力ボタン6の一つ一つに対して圧電バネ5が配設されている。使用者がキー6を打鍵すると、その応力によって圧電バネ5が変形する。すると、起電力が発生する。この起電力によって電子回路が駆動する。
この構成において、遠隔操作装置は、上面に複数のボタン26が設けられた圧電板25と、圧電板25の直下において前記ボタンに対応する位置に設けられたスイッチ28と、を備える。
ボタン26の押し下げによって圧電板25が変形し、圧電板25に起電力が生じる。この起電力は供給部25aから電子回路に送られる。また、ボタン26の押し下げによって圧電板25が変形すると圧電板の下のスイッチ28が押される。このスイッチ押し下げが電子回路で検出され、ボタン操作に応じた所定動作が実行される。
ここで、ユーザーがボタン26を強く押しこんで圧電板25を大きく変形させればよいとも考えられる。
しかしながら、スイッチ28が押された感触がユーザーの指に伝わると、ユーザーとしてはそれ以上に強くボタン26を押し込むことは一般的にはない。
ユーザーとしては、スイッチ28をクリックしたというボタン操作感覚が得られればボタン26から指を離してしまうのが普通であり、また、ボタン26のクリック圧に見合った力でしかボタン26を押さないものである。
したがって、スイッチ28のストローク以上に圧電板25が押し下げられず、圧電板25の変形が小さくなってしまう。
これでは圧電板から十分な発電量を得ることができない。
しかしながら、上記特許文献1の第1実施形態および第2実施形態にあっては、圧電板25が復元する時の発電分は全く使用されない。
圧電板25が復元する時の起電力を使用するためには電子回路の起動を圧電板の復元後まで待機させることが必要になるが、電子機器の起動を遅らせてしまうと、スイッチ28の押し下げが検出できないことになってしまう。なぜならば、圧電板25が復元したときにはスイッチ28も戻ってしまっているからである。したがって、特許文献1に開示される構成では、現実的には電力不足により動作不能になるおそれが高い。
タッチセンサ式の手動入力部と、
前記手動入力部で入力された指示を検出して指示に応じた制御動作を実行する制御部と、
発電用圧電材料によって構成され、前記手動入力部の下側に配設された発電部と、
前記発電部からの電力を充電する充電部と、
前記充電部からの電力を前記制御部に供給する電源供給部と、
前記制御部の動作に必要な電力が前記充電部に蓄電されたのちに前記電源供給部に動作指令を与える動作開始制御部と、を備え、
前記動作開始制御部は、
前記発電部から前記充電部への電力供給を検出してから所定の遅延時間後に前記電源供給部に動作指令を与える
ことを特徴とする。
また、このように、ユーザーの一回の押動操作に対して二回の振動(変形と復元)による発電を利用することができるので、発電部の大きさとしては、一回の振動による発電しか利用できない場合に比べてその大きさを半分にすることができる。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る遠隔操作装置(手動操作機器)100の構成を示す図である。
遠隔操作装置100は、入力部110と、発電部120と、回路部200と、を備える。
タッチセンサの構成事態は特に限定されるものではなく、シート状のタッチセンサであって、ユーザーの指が接触している領域を検出できるものであればよい。
タッチセンサの表面部には、複数のボタン111がプリントされている。
各ボタン111には、例えば文字や記号などが配置されており、各ボタン111はそれぞれ所定のコマンドに対応する。
なお、ここでいうボタン111とは、それ自体が検知装置として機能するような物理的なスイッチ装置を意味するのではなく、単に、コマンドに対応した領域を示すマークのようなものを意味する。
発電部120は、電極と圧電体(発電用圧電材料)とからなる圧電素子によって構成されている。
印加された力を電圧に変換することができれば、発電部内における圧電素子の配設構造は特に限定されるものではない。例えば、複数の圧電素子を積層して一つの積層体としてもよい。または、可撓性材料からなる振動板に複数の圧電素子を配設し、振動板の変形にともなって圧電素子が発電するような構成にしてもよい。
発電部120は、タッチセンサ式入力部110の下面側に配置され、ユーザーが指で入力部110のボタン111を押すと、タッチセンサ入力部110と一緒に下面の発電部120も押し込まれるようになっている。
発電部120はボタン111ごとに分離分割されているものではなく、タッチセンサ入力部110の下に一体の発電部120がある。
上方からの平面視において、発電部120は少なくとも一つのボタン111よりも大きい。そして、押圧力が発電部120にかかったときには、発電部全体が変形する。
また、入力部110の下面側は、発電部120だけを配置するスペースとして確保する。
発電部120の大きさとしては、上方からの平面視において入力部110と同じかそれ以上の面積であって、十分な厚みを有するものとする。
回路部200は、整流部210と、充電部220と、動作開始制御部230と、電源供給部240と、制御部250と、発信部260と、を備える。
発電部120にて発電された電力は、整流部210で整流されたのち、充電部220に蓄電されるようになっている。
動作開始制御部230は、接地線201と電圧線202との間に設けられた二つの分圧抵抗231、232と、コンパレータ233と、遅延制御部235と、出力制御部238と、を備える。
ここで、基準電圧Vrefは、基準電圧生成回路234にて生成されるものである。
なお、基準電圧を生成するために基準電圧生成回路234には、素子としてツェナーダイオードを利用する。
この基準電圧生成回路の素子はツェナーダイオードでなくてもよく、例えば充電可能な二次電池とし、充電部220から充電されるようにするなどでもよい。
遅延時間設定コンデンサ236は、接地線201とコンパレータ出力線との間に設けられている。
コンパレータ233からHレベルが出力されると、遅延制御部235のコンデンサ236に蓄電されていく。
コンデンサ236の大きさによって遅延時間が規定される。
遅延時間としては、ユーザーがボタン押しを開始してから力を緩めるまでの一般的な経過時間程度に設定することが好ましい。
コンデンサ236に所定電圧が蓄電されて所定閾値を超えたところで遅延回路237から出力制御部238に信号が与えられる。すると、出力制御部238から電源供給部240にイネーブル信号のHレベルが出力される。
図4を参照しつつ、遠隔操作装置100の動作を説明する。
時刻T1においてユーザーがタッチセンサ入力部110のボタン111を押す押動操作を開始する。
このとき、ボタン111を押す力によって発電部120も押され、発電部120に発電電力が発生する。
発生した電力は整流部210を介して充電部220に蓄電されていく。
点Pの電圧は分圧抵抗による分圧後、コンパレータ233において基準電圧Vrefと比較される。
分圧抵抗で分圧された電圧が基準電圧Vrefを超えたところでコンパレータ233からHレベルが出力される(時刻T2)。
イネーブル信号のHレベルを受けて、電源供給部240は電源供給を開始する。
ここで、ユーザーが押圧の力を緩めていてもユーザーの指がタッチセンサに接触している限りはタッチセンサ入力部110にて接触位置を検出することができる。
制御部250は、指示されたコマンドに応じたデータを生成し、発信部260に送る。すると、発信部260から送信データが送信される。
たとえばテレビやエアコンなどの機器に対してユーザーの指示が与えられる。
(1)入力部110をタッチセンサで構成したので、ユーザーの指が入力部110に触れていればユーザーの入力コマンドを検出することができる。
すなわち、ユーザーが入力部110を押し込んでから指の力を緩めた時点でもユーザーの入力コマンドを検出できる。
ユーザーが指の力を緩めてからでも入力コマンドを検出できるので、発電部120の復元による発電を待ってから回路動作を開始させてもよい。
回路動作の開始タイミングを発電部120の復元後にすることにより、充電部220に十分に蓄電させてから回路部200の動作を開始させることができる。
これにより、回路部200は安定した電源供給を受けて安定した動作を行うことができる。
このように、ユーザーの一回の押動操作に対して二回の振動(変形と復元)による発電を利用することができるので、発電部120の大きさとしては、一回の振動による発電しか利用できない場合に比べてその大きさを半分にすることができる。
特許文献1に開示される構成では、ボタンごとに圧電バネを設けたり、ボタンとメカニカルスイッチとで圧電板を挟むようにするなど、部品点数が多く、構造も複雑であった。
そのため、発電部である圧電材料を大きくすることができなかった。
この点、本実施形態では、発電部120の大きさを十分に大きくすることができ、回路動作に十分な電力を得ることができる。
また、ユーザーにはメカニカルスイッチのようなクリック感はないので、ユーザーはタッチセンサ入力部110に対して指を強く長く押し当てるようになり、下面の発電部120もそれだけ強く押されることになる。
これにより、発電部120からの発電量が大きくなる。
変形例1について説明する。
図5は、変形例1を示す図である。
上記第1実施形態においては発電部120の上面側にタッチセンサ入力部110と回路部200とを配設していた。
これに対し、変形例1では、回路部200を発電部120の側面側に配設し、発電部120の上面をすべて入力部110の配設領域にしている。
発電部120の上面をすべて入力部110にできるので、平面視において、ボタン111を発電部120の中央領域に配置することが可能になる。
これにより、ユーザーのボタン操作の際には発電部120の中央領域が押されやすくなり、発電部120の変形量がより大きくなる。したがって、より大きな発電量を得ることができるようになる。
タッチセンサ式の入力部110としては、たとえば樹脂フィルムなどの可撓性材料で形成されていてもよい。
この場合、図6に示すように、ユーザーがタッチセンサ入力部110を押し込むと、タッチセンサ入力部110と発電部120とはともに撓むように変形する。
ボタン111が中央領域にある場合には、少ない力で発電部120を撓ませ、大きく変形させることができる。
この場合、タッチセンサ入力部110を指で押すと、板材112全体が発電部120を押し下げるので、発電部120は上から圧縮されたように縮む。
板材112が均等に発電部120の上面を押し下げるので、ボタン111の位置にあまり関係なく発電部120を変形させることができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態においては、タッチセンサ入力部の下面側に表示部113を備える点に特徴を有する。
図8は、第2実施形態を示す図である。
タッチセンサ入力部110と発電部120との間に表示部113が設けられている。
表示部113は、不揮発性表示パネルである。
不揮発性表示パネルとは、表示状態の維持にエネルギー(電力)を要しない表示パネルである。
液晶表示パネルの場合、外部電圧が0になっても自発的に分極する強誘電液晶を使用したパネルを利用できる。
したがって、タッチセンサ入力部110にはボタン領域や文字/記号のプリントは必要ない。
ただし、タッチセンサ入力部110は、光透過性であることが必要である。
図9において、制御部250には書き換え可能な不揮発性メモリ251が付設されている。
不揮発性メモリ251は、表示部113に表示される入力メニューを記憶する。
制御部250は、表示部113の表示内容を制御し、表示部113の表示内容を切り換えるたびに不揮発性メモリ251に表示内容を保存する。
表示部113には、ユーザーがメインに使用するするメインボタン114と、機能変更などのためにサブ的に使用するサブボタン115と、が表示される。
図10では、メインボタン114として中央領域に4つ配し、サブボタン115として上辺部にN個配置している。
ユーザーは、よく使用するコマンドをメインボタン114に設定する。
例えば、第1メインボタン114に機能N-1の内容を割り当てたいとする。
このとき、ユーザーは、第1メインボタン114と機能N-1のサブボタン115とを同時にタッチする。
制御部250は、第1メインボタン114と機能N-1のサブボタン115とが同時に押されたことを検出すると、第1メインボタン114のコマンド内容を機能N-1に設定変更し、表示部113の表示を更新する。そして、制御部250は、このような機能設定があった場合には、これを不揮発性メモリ251に保存する。
以後、ユーザーは、機能N-1のコマンドを入力する場合には、第1メインボタン114を押せばよい。
自己発電型の遠隔操作装置100では、未使用時には回路部200に十分な電力が供給されない。
この点、第2実施形態では、電力が供給されていなくても不揮発性表示部113によって表示を維持することができる。
小さいボタン表示では軽いタッチになってしまう恐れがあり、指の腹で強く押させるためには指の腹よりも大きめのボタン表示が望まれる。
したがって、ユーザーに強く押させるにはボタン数に制限がでてくる。
この点、第2実施形態においては、ユーザーがメインに押すボタン114は中央領域に大きく4つ配置することとした。
このように大きめのメインボタン114を中央領域に配置することにより、ユーザーの指押しを強くさせることができ、発電量を十分に稼ぐことができる。
また、メインボタン114のコマンド内容を切り替えられるようにしているので、多くの種類のコマンド操作にも対応することができる。
一実施例を示す。
実際に一般的なリモコンと同じサイズの発電部を用いて実験を行った結果、一回の押動操作によって47μFのコンデンサを4.4Vまでチャージすることができた。
この電力によって。10mAの負荷を10ms間駆動させることができる。
動作開始制御部は、遅延時間設定コンデンサによって遅延させた遅延時間後にイネーブル信号を電源供給部に与える場合を説明したが、次のようにしてもよい。
基準電圧Vrefを回路動作に必要な基準電圧レベルとし、点Pの電圧レベルが前記基準電圧レベルを超えたことをコンパレータで検出したときにイネーブル信号を出力する。
この場合には、遅延時間制御部は不要である。
Claims (6)
- タッチセンサ式の手動入力部と、
前記手動入力部で入力された指示を検出して指示に応じた制御動作を実行する制御部と、
発電用圧電材料によって構成され、前記手動入力部の下側に配設された発電部と、
前記発電部からの電力を充電する充電部と、
前記充電部からの電力を前記制御部に供給する電源供給部と、
前記制御部の動作に必要な電力が前記充電部に蓄電されたのちに前記電源供給部に動作指令を与える動作開始制御部と、を備え、
前記動作開始制御部は、
前記発電部から前記充電部への電力供給を検出してから所定の遅延時間後に前記電源供給部に動作指令を与える
ことを特徴とする発電機能付き手動操作機器。 - 請求項1に記載の発電機能付き手動操作機器において、
前記動作開始制御部は遅延時間設定用コンデンサを備え、
前記遅延時間設定用コンデンサに所定電力を充電するための時間によって前記遅延時間が設定されている
ことを特徴とする発電機能付き手動操作機器。 - 請求項1または請求項2に記載の発電機能付き手動操作機器において、
前記制御部は、
ユーザーの指が前記手動入力部を押し下げる力を緩めた後でユーザーの指が接触している領域を検出する
ことを特徴とする発電機能付き手動操作機器。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の発電機能付き手動操作機器において、
前記手動入力部と前記発電部との間に設けられた不揮発性表示部を備える
ことを特徴とする発電機能付き手動操作機器。 - 請求項4に記載の発電機能付き手動操作機器において、
前記不揮発性表示部に表示されるボタンと各ボタンに設定された入力コマンドとの対応を記憶する不揮発性メモリを有する
ことを特徴とする発電機能付き手動操作機器。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の発電機能付き手動操作機器に無線電波発信部を組み込んだ発電機能付き遠隔操作装置。
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