JP5530085B2 - マイクロパターン形成用材料、マイクロパターン複合材及びその製造方法並びに微小3次元構造基板の製造方法 - Google Patents
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(A)ラジカル重合性基を有し、炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル系単量体又は重合体
ラジカル重合性基を有し、炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル系単量体又は重合体(A)は、ラジカル重合性基として(メタ)アクリル基を有するラジカル重合性化合物であり、光の照射により光ラジカル発生剤(E)が活性化され生じたラジカルによりラジカル重合する。このようなラジカル重合性基を有し、炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル系単量体又は重合体(A)は、単量体(A1)または重合体(A2)である。
カルボキシル基または水酸基を含有する(メタ)アクリル系モノマー(B)は、カルボキシル基または水酸基を有するため、アルカリ可溶性を発現する。従って、光を照射した後、アルキル水溶液により現像し、パターニングを行うことが可能となる。
イオン重合性反応基を含有する(メタ)アクリル系モノマー(C)は、トリガーが付与された際にイオン重合触媒が活性化されると、発生したカチオンなどのイオンによりイオン重合する(メタ)アクリル系モノマーである。すなわち、イオン重合性反応基がイオン重合性を有するため、上記イオン重合により重合し、硬化する。そして、本発明に係るマイクロパターン形成用材料に光を照射して得られたマイクロパターン部材に上記トリガーを付与することにより上記イオン重合の結果、マイクロパターン部材が硬化し、接着性を発現する。
上記ラジカル重合性二重結合を有するオリゴマー(D)は、光が照射された際に、ラジカル重合し、上記ラジカル重合性基を有し、炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル系単量体又は重合体(A)と反応し、架橋構造に取り込まれ、マイクロパターン部材の半硬化状態における形状維持性や比率性を高めるように作用する。従って、マイクロパターン部材における弾性率などの機械的物性をオリゴマー(D)の選択及び配合割合の調整により容易に調製することができる。上記オリゴマー(D)としては、ラジカル重合性二重結合を有する限り特に限定されず、例えば、ラジカル重合性二重結合を有する限り、特に限定されるものではない。例えば、(メタ)アクリル系オリゴマー、ポリエステルオリゴマー、ポリカーボネート系オリゴマー、ポリアミド系オリゴマー、ポリイミド系オリゴマー、ポリウレタン系オリゴマー、ポリエーテル系オリゴマー、フェノール系オリゴマー、クレゾールノボラック系オリゴマーなどが挙げられる。また、上記オリゴマーとしては、SBSやSISなどの熱可塑性エラストマーに、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、ビニルエステル基、またはビニロキシ基などのようなラジカル重合性二重結合を有するように変性されたオリゴマーを用いてもよい。
光ラジカル発生剤(E)としては、光の照射により活性化され、ラジカルを発生する適宜の化合物を挙げることができる。好ましくは、光の照射により活性化され、前述した共重合性単量体b1)、オリゴマーb2)及び化合物または共重合体b3)をラジカル反応架橋させる光ラジカル反応開始剤を用いることができる。
本発明において、イオン重合触媒(F)は、光や熱などのトリガーにより活性化されて、イオンを発生し、イオン重合性反応基を含有する(メタ)アクリル系モノマー(C)由来のイオン重合性反応基をイオン重合させ、硬化させる化合物である。
上記ラジカル重合性基を有し、炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル系単量体又は重合体(A)、カルボキシル基または水酸基を含有する(メタ)アクリル系モノマー(B)、イオン重合性反応基を含有する(メタ)アクリル系モノマー(C)及びラジカル重合性二重結合を有するオリゴマー(D)の配合割合については、ラジカル重合性基を有し、炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル系単量体又は重合体(A)、カルボキシル基または水酸基を含有する(メタ)アクリル系モノマー(B)、イオン重合性反応基を含有する(メタ)アクリル系モノマー(C)及びラジカル重合性二重結合を有するオリゴマー(D)の合計を100重量部とした場合に、ラジカル重合性基を有し、炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル系単量体又は重合体(A)20〜60重量部、カルボキシル基または水酸基を含有する(メタ)アクリル系モノマー(B)を20〜40重量部、より好ましくは30〜40重量部、イオン重合性反応基を含有する(メタ)アクリル系モノマー(C)を10〜20重量部、より好ましくは15〜20重量部、オリゴマー(D)は10〜50重量部、より好ましくは10〜30重量部の範囲とすることが望ましい。
本発明の目的を阻害しない限り、上記マイクロパターン形成用材料には、他の成分が適宜添加されてもよい。このような他の成分としては、支持体上にフィルムを形成する際の溶剤、柔軟性を付与するための可塑剤、光反応性を制御するための反応促進剤もしくは反応抑制剤、適宜の充填剤、安定性を高めるための酸化防止剤、耐候性を高めるための紫外線吸収剤、あるいは酸素吸収剤などが挙げられる。また、導電性を付与するために、金属微粒子、有機導電性化合物あるいは固体電解質などを添加してもよい。
上記マイクロパターン形成用材料における光架橋や硬化を進めるための光源としては、使用する光の波長に応じて適宜の光源を用いることができる。このような光源としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、エキシマレーザー、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ、ナトリウムランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、蛍光灯、太陽光、電子線照射装置、UV−LED等が挙げられる。また、フィルター等を用いて不要な波長成分を低減又は除去してもよいし、各種光源を組み合わせて用いても良い。
また、熱硬化剤(F2)の硬化にトリガーとして熱を利用する場合には、適宜の熱源を用いることができる。このような熱源としては、ヒーター、炉あるいは赤外線を照射する赤外光照射装置などを挙げることができる。
上記マイクロパターン形成用材料に光を照射した後の半硬化物、すなわちマイクロパターン部材の表面タックは、好ましくは、4〜20である。タックが4未満であると、基板への貼り合わせ時に滑ってしまい、位置合わせが困難になるおそれがある。また、20を超えると、位置合わせ修正が困難になるおそれがある。なお、上記タックは以下の方法で測定した値である。
離型処理を施した厚み50μmのPETフィルム上に、厚みが20μmとなるようにマイクロパターン形成用材料をキャスティングし、樹脂フィルムを作成した。カバーフィルムとして厚み50μmのPETフィルムをラミネートした。
離型処理を施した厚み50μmのPETフィルム上に、厚みが20μmとなるようにマイクロパターン形成用材料をキャスティングし、樹脂フィルムを作成した。カバーフィルムとして厚み50μmのPETフィルムをラミネートした。
従来からヤング率の測定法として知られているバルジ法に基づき、ヤング率を測定した。すなわち、被測定対象物であるフィルムに負圧を加え、その負圧に対するフィルムの歪み量をヘテロダイン変位計で計測して、負圧と歪み量の計測結果を30〜500点求め、その関係式よりヤング率を計算する方式を採用した。負圧は真空系を用いて実現した。薄膜に負圧を加える領域を円形とした場合、薄膜の最大のたわみを示す部位(薄膜の中心)でのたわみ量には
Δp=(Ath/r2)+(BtEh5/r4)
の関係がある。ここで、p;大気圧との差の圧力、h;たわみ量、E;ヤング率、r;負圧のかかる円形領域の半径、t;薄膜厚、A、B;定数である。この計算式に基づき、ヤング率が既知の窒化シリコンの標準サンプルで定数A,Bを求めて、目的のフィルムのヤング率Eを算出した。測定用サンプルは,シリコン異方性エッチングにより形成された2mm丸の開口を有する厚さ2ミリのステンレスプレートに被測定フィルムを貼り付けて作製した。
本発明に係るマイクロパターン複合材は、支持体上に、マイクロパターン部材が積層された構造を有する。この状態におけるマイクロパターン部材は、最小幅10μm以下のオーダーの微小貫通構造もしくは微小スリット構造を有するフィルム、あるいは、微小周期構造等である。マイクロパターン部材は、そのままでは接着力はないが、第2のトリガーの付与により接着性を発現する。支持体に対するマイクロパターン部材の剥離力は、好ましくは、0.02N/10mm以下である。それによって、転写後に支持体を容易に剥離することができる。剥離力がこの値を超えると、転写後に支持体を剥離することが困難となることがある。なお、剥離力は、以下の方法で測定された値である。
180度引きはがし粘着力試験
JIS Z0237:2000に準拠
厚み25μmのPETからなる支持体上にマイクロパターン部材が積層されたマイクロパターン複合材を幅10mmにカットして、試験片を得た。
厚さ2.0mmの市販アクリル板(キャスト品)を幅約50mm及び長さ約125mmに切断し、エタノールで洗浄して、被着体を得た。
被着体の表面に上記試験片をマイクロパターン部材側から積層した。この試験片の支持体のマイクロパターン部材が積層されている側とは反対側の面、すなわち背面に0.2MPaの荷重を加えるようにゴムローラーを300mm/分の速度で1往復させた。しかる後、上記被着体に試験片が圧着された積層体を23℃及び湿度50%で20分間静置した。
解像度10μm以下のオーダーとは、流路や反応槽を形成するためのスリットや貫通孔の幅もしくは径などの最小幅寸法が10μm以下、すなわち反応槽を形成するための最終寸法部分が10μm以下であることを意味するものとする。
上記マイクロパターン部材の形成は、上記マイクロパターン形成用材料を支持体上に塗工もしくは積層する前に、または塗工もしくは積層した後に、流路や貫通孔となる部分以外に、流路や貫通孔となる部分を遮光部とするマスクを用いて光を照射する。それによって、流路や貫通孔となる遮光部分では、光が照射されず、残りの部分では光が照射されることにより、光架橋が進行する。しかる後、アルカリ現像液で現像する。上記光が照射されなかった部分における未硬化の硬化性組成物がアルカリ現像液に溶解除去され、流路や貫通孔が形成されることになる。このようにしてマイクロパターン部材が支持体上に支持されたマイクロパターン複合材が得られる。マイクロパターン部材には、(メタ)アクリル系モノマー(C)由来のイオン重合性反応基が存在し、さらにイオン重合触媒(F)とが含まれている。特に、トリガーが光であり、イオン重合触媒(F)が光イオン重合触媒(F1)の場合には、該マイクロパターン部材は、マイクロパターン形成時の光照射の約十倍量の光照射により、光イオン重合反応を開始し、光遅延接着機能を発現する。
本発明において、微小3次元構造基板を得るにあたっては、先ず、上記マイクロパターン複合材を用意する。次に、別途用意された基板に該マイクロパターン複合材のマイクロパターン部材を積層する。このマイクロパターン部材の積層前あるいは積層後に、マイクロパターン部材にトリガー、例えば光や熱を付与し、マイクロパターン部材に接着性を発現させる。その後、ハンドゴムローラーやラミネーター等の加圧治具や装置を用いて、加圧しながら、該マイクロパターン複合材のマイクロパターン部材を基板の表面に圧着させる。圧着の際には、必要に応じて、加圧治具や装置の加圧圧力や回数を調整する。
(A)炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(A1)として、アクリル酸ブチルエステルを30重量部と、
(D)ラジカル重合性二重結合を有するオリゴマーとして、サイクロマーP ACAZ300(ダイセルサイテック社製、商品名)を40重量部と、
(C)グリシジル基を含有する(メタ)アクリル系モノマーとして、サイクロマーM―100(ダイセル化学工業社製、商品名)を20重量部と、
(B)カルボキシル基または水酸基を含有する(メタ)アクリル系モノマー(B)として、ペンタエリスリトールトリアクリレートを10重量部と、
(E)光ラジカル発生剤として、イルガキュア819(チバスペシャルティケミカル社製、商品名)を1重量部と、
(F)イオン重合触媒として、オプトマーSP−170(ADEKA社製、商品名)を2重量部と、
さらに、溶剤として、酢酸エチルを40重量部とを加え、遮光下で攪拌し、均一なキャスト用樹脂組成物溶液からなるマイクロパターン形成用材料を得た。
マイクロパターン形成用材料として下記の組成を用いたことを除いては、実施例1と同様にしてマイクロパターン複合材を得た。得られたマイクロパターン複合材の流路部位には、未硬化部分の樹脂組成物が完全に除去されていた。また、マイクロパターン複合材6の表面からサイクロマーM―100(ダイセル化学工業社製、商品名)由来の染みだしは、観察されなかった。マイクロパターン複合材6の表面は、微粘着性を有するが、そのままでは強固な接着力は有しない。前述した試験方法「接着力の測定」で測定された第1のトリガー付与後により得られた、本組成のマイクロパターン部材のポリカーボネート基板に対する接着力は、0.04N/cm2であった。
(D)ラジカル重合性二重結合を有するオリゴマーとして、サイクロマーP ACAZ300(ダイセルサイテック社製、商品名)を40重量部と、
(C)グリシジル基を含有する(メタ)アクリル系モノマーとして、サイクロマーM―100(ダイセル化学工業社製、商品名)を20重量部と、
(B)カルボキシル基または水酸基を含有する(メタ)アクリル系モノマー(B)として、ペンタエリスリトールトリアクリレートを10重量部と、
(E)光ラジカル発生剤として、イルガキュア819(チバスペシャルティケミカル社製、商品名)を1重量部と、
(F)イオン重合触媒として、オプトマーSP−170(ADEKA社製、商品名)を2重量部と、
さらに、溶剤として、酢酸エチルを40重量部とを加え、遮光下で攪拌し、均一なキャスト用樹脂組成物溶液からなるマイクロパターン形成用材料を得た。
マイクロパターン形成用材料として下記の組成を用いたことを除いては、実施例2と同様にしてマイクロパターン複合材を得た。得られたマイクロパターン複合材の流路部位には、未硬化部分の樹脂組成物が完全に除去されていた。また、マイクロパターン複合材6の表面からサイクロマーM―100(ダイセル化学工業社製、商品名)由来の染みだしは、観察されなかった。マイクロパターン複合材6の表面は、微粘着性を有するが、そのままでは強固な接着力は有しない。前述した試験方法「接着力の測定」で測定された第1のトリガー付与後により得られた、本組成のマイクロパターン部材のポリカーボネート基板に対する接着力は、0.04N/cm2であった。
(A)ラジカル重合性基を有する炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル系重合体(A2)として、NKポリマー SK−1(新中村工業社製、商品名)を30重量部と、
(D)ラジカル重合性二重結合を有するオリゴマーとして、サイクロマーP ACAZ300(ダイセルサイテック社製、商品名)を40重量部と、
(C)グリシジル基を含有する(メタ)アクリル系モノマーとして、サイクロマーM―100(ダイセル化学工業社製、商品名)を20重量部と、
(B)カルボキシル基または水酸基を含有する(メタ)アクリル系モノマー(B)として、ペンタエリスリトールトリアクリレートを10重量部と、
(E)光ラジカル発生剤として、イルガキュア819(チバスペシャルティケミカル社製、商品名)を1重量部と、
(F)イオン重合触媒として、オプトマーSP−170(ADEKA社製、商品名)を2重量部と、
(G)熱硬化剤として、2MAOK−PW(四国化成社製、商品名)8重量部と、
さらに、溶剤として、酢酸エチルを40重量部とを加え、遮光下で攪拌し、均一なキャスト用樹脂組成物溶液からなるマイクロパターン形成用材料を得た。
実施例1で得られたマイクロパターン複合材6のマイクロパターン部材5A上に、貫通孔7a〜7cを有する厚さ1mmのアクリル系樹脂プレート7を、接触アライメント法による精密位置決めのうえ積層して、積層体を得た。この積層体をゴムローラーで軽くしごき、しかる後、2枚の2mm厚の石英ガラス板で挟み挟持サンプルを得た。このようにして得られた挟持サンプルに対し、0.1MPaの背圧をかけつつ、ポリカーボネートフィルム4が配置されている側の石英ガラス板の外側から365nm以下の波長の紫外光を4000mJ/cm2のエネルギー量となるように照射した。このようにして、上記アクリル系樹脂プレート7とマイクロパターン複合材6とを接合した。それによって、図2に示すように、マイクロパターン複合材6にアクリル系樹脂プレート7が接合された微小3次元構造基板からなるマイクロチップ8を得た。なお、充分な接着力が発現するまでの静置時間は6時間と短かった。従って、比較的短時間で充分な接着力が発現した。
表面離型処理された市販のポリエチレンテレフタレートフィルムを支持体として用いたこと、図4に示したフォトマスク11を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、上記ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、フィルム状のマイクロパターン部材が形成されているマイクロパターン複合材を用意した。図4に示すフォトマスク11では、多数の円盤形の遮光性薄膜12と、外周縁に沿う矩形枠状の遮光性薄膜13とが光透過性の樹脂シート14に印刷されている。
表面が離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムを支持体として用いたこと、図6に示したフォトマスク21を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてマイクロパターン複合材を得た。フォトマスク21では、複数の正方形の遮光部21aがマトリックス状に配置されている。次に、得られたマイクロパターン複合材のマイクロパターン部材を、貫通孔を有する厚さ0.5mmのポリカーボネートプレート上に積層し、積層体を得た。この積層体を厚み方向に圧力を加えるように、ゴムローラーで軽くしごいた後、支持体であるポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、さらにその上に別の貫通孔を有する厚さ0.5mmのポリカーボネートプレートを積層し、マイクロパターン部材が2枚のポリカーボネートプレートにより挟持されてなる積層体を得た。この積層体に、365nm以下の波長の紫外光を4000mJ/cm2のエネルギー量となるように照射し、マイクロパターン部材と、両側のポリカーボネートプレートとを接着し、図7に示す上面及び下面に開口を有する微小3次元構造を備えたマイクロプレート23を得た。このように、マイクロパターン部材を支持していた支持体とは異なる2枚のポリカーボネートプレートに挟持された微小3次元構造体を容易に作製することができた。
支持体として、離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムを用いたこと、図8(a)及び(b)に示した各フォトマスク31,32を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、支持体上にマイクロパターン部材が形成されているマイクロパターン複合材を4枚作製した。フォトマスク31,32では、複数本の互いに平行に延びるストライプ状の遮光部31a,32aが設けられている。得られた1枚のマイクロパターン複合材を被着体としてとりあげ、被着体のマイクロパターン部材上に、別の1枚のマイクロパターン複合材のマイクロパターン部材を、複数の平行に延びるパターンが、被着体側のパターンの向きと交差するように積層し、積層体をゴムローラーで軽くしごいた。支持体側から365nm以下の波長の紫外光をエネルギー量が4000mJ/cm2となるように照射し、被着体とマイクロパターン部材を接着後、マイクロパターン部材から支持体を剥離した。しかる後、更にもう1枚のマイクロパターン複合材を同様に重ね、光接着および支持体の剥離を行った。この操作を繰り返し、図9に斜視図で示すように、厚み方向に隣り合うマイクロパターンの延びる方向が直交するように、4層のマイクロパターンが積層されたフォトニッククリスタル積層体41を得た。図10は得られたフォトニッククリスタル積層体41の電子顕微鏡写真であり、図11はその接着面をミクロトームで切開した部分を示す電子顕微鏡写真である。
実施例7と同様の方法により、5層積層接着を行って、マイクロ流体チップを作製した。作製したマイクロ流体チップの光学顕微鏡写真を図12に示す。2層めと4層めにスリットによる流路があり、3層めの貫通孔で接続されている。1層めと5層めは蓋の役割を果たしている。約10分間で5層全ての接着を終えることができた。2層めと4層めにみられる最小幅は 10μmであり、ラプラス圧によるパッシブバルブを構成している。
(C)グリシジル基を含有する(メタ)アクリル系モノマーとして、サイクロマーM―100(ダイセル化学工業社製、商品名)を配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、マイクロパターン形成用材料を得た。
2…ガラスプレート
3…遮光性薄膜
4…ポリカーボネートフィルム
5…樹脂組成物層
5A…マイクロパターン部材
6…マイクロパターン複合材
7…アクリル系樹脂プレート
7a、7b、7c…貫通孔
8…マイクロチップ
11…フォトマスク
12…遮光性薄膜
13…遮光性薄膜
14…樹脂シート
15…マイクロウェル付き化学電極アレイプレート
16…回路基板
17…マイクロパターン部材
17a…マイクロウェル
18…印刷電極
21…フォトマスク
21a…遮光部
23…マイクロプレート
31…フォトマスク
31a…遮光部
32…フォトマスク
32a…遮光部
41…フォトニッククリスタル積層体
Claims (12)
- マイクロパターン部材を形成するためのマイクロパターン形成用材料であって、
(A)ラジカル重合性基を有し、炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体又は、ラジカル重合性基を側鎖または主鎖もしくは主鎖末端に有する重合体であって、炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体を重合してなる重合体と、
(B)カルボキシル基または水酸基を含有する(メタ)アクリル系モノマーと、
(C)イオン重合性反応基を含有する(メタ)アクリル系モノマーと、
(D)炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体又は、ラジカル重合性基を側鎖または主鎖もしくは主鎖末端に有する重合体であって、炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体を重合してなる重合体(A)と反応し、かつラジカル重合性二重結合を有するオリゴマーと、
(E)光ラジカル発生剤と、
(F)イオン重合触媒とを含み、
光ラジカル発生剤(E)を活性化させる光が照射されることにより、部分的に硬化し、かつ部分的に硬化した部分以外の部分が除去された後に、イオン重合触媒(F)を活性化させるトリガーが与えられることにより硬化し、かつ接着性を発現する、マイクロパターン形成用材料。 - 前記トリガーが光であり、前記イオン重合触媒(F)が光イオン重合触媒である、請求項1に記載のマイクロパターン形成用材料。
- 前記光ラジカル発生剤(E)を活性化させる光の波長が、前記イオン重合触媒を活性化させる前記トリガーとしての光の波長よりも長波長であり、前記光ラジカル発生剤(E)が波長400nm以上の光が与えられた際にラジカルを発生するラジカル発生剤である、請求項2に記載のマイクロパターン形成用材料。
- 前記光ラジカル発生剤(E)を活性化させるための光照射に際しての光照射エネルギー総量をP1、トリガーとしての光の光照射エネルギー総量をP2としたときに、P2/P1が1〜100の範囲にある、請求項3に記載のマイクロパターン形成用材料。
- 熱硬化剤(G)をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のマイクロパターン形成用材料。
- 前記トリガーが熱であり、前記イオン重合触媒(F)が加熱により活性化される熱硬化剤である、請求項1に記載のマイクロパターン形成用材料。
- 支持体と、前記支持体上に形成されており、マイクロパターンを構成しているマイクロパターン部材とを備え、
前記マイクロパターン部材が、請求項1〜6のいずれか1項に記載のマイクロパターン形成用材料に光を照射することにより得られた材料からなり、前記トリガーが付与された後に接着性を発現する、マイクロパターン複合材。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載のマイクロパターン形成用材料を支持体上に積層する工程と、
前記マイクロパターン形成用材料を前記支持体に積層した後に、光を照射して、マイクロパターン形成用材料をパターニングすることにより、マイクロパターン部材を形成し、それによって支持体とマイクロパターン部材とを有するマイクロパターン複合材を得る工程とを備える、マイクロパターン複合材の製造方法。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載のマイクロパターン形成用材料を支持体上に積層する工程と、
前記マイクロパターン形成用材料を前記支持体に積層した後に、光を照射してマイクロパターン形成用材料をパターニングすることにより、マイクロパターン部材を形成し、それによって支持体とマイクロパターン部材とを有するマイクロパターン複合材を得る工程と、
前記マイクロパターン部材にトリガーを付与し、マイクロパターン部材において接着性を発現させる工程と、
前記トリガーの付与前または付与後に、前記マイクロパターン複合材の前記マイクロパターン部材を基板の表面に圧着する工程とを備える、微小3次元構造基板の製造方法。 - 前記マイクロパターン部材を前記基板に圧着した後に、前記支持体を前記マイクロパターン部材から剥離する工程をさらに備える、請求項9に記載の微小3次元構造基板の製造方法。
- 前記支持体が剥離された後に、前記マイクロパターン部材上に、新たなマイクロパターン複合材のマイクロパターン部材をさらに圧着する工程と、新たなマイクロパターン複合材の支持体を剥離する工程とを備える、請求項10に記載の微小3次元構造基板の製造方法。
- 前記支持体が剥離され、露出された前記マイクロパターン部材が接着反応を完了する前に、該マイクロパターン部材に他の部材を積層し、接着する工程をさらに備える、請求項10または11に記載の微小3次元構造基板の製造方法。
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