JP5529485B2 - ゲームプログラムおよびゲームシステム - Google Patents

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この発明は、遊戯者が操作するプレイヤキャラクタが第2キャラクタ(パートナーキャラクタ等)と協力してストーリーを進行させるアクションゲーム等のゲームを実行するゲームプログラムおよびゲームシステムに関する。
アクションゲーム等には、プレイヤキャラクタが味方のキャラクタであるパートナーキャラクタと協力してゲームを進行させるものがある。また、それらのうちのいくつかには、パートナーキャラクタがAI(ゲーム装置)によって制御される1人用のゲームモードと、パートナーキャラクタが他の遊戯者によって操作される2人用のゲームモードとがある。その場合、1人用のゲームモード時には、パートナーキャラクタはノンプレイヤキャラクタとなり、2人用のゲームモード時には、パートナーキャラクタはもう一人のプレイヤキャラクタとなる。
それらのゲームでは、ゲームの進行の過程で、プレイヤキャラクタとパートナーキャラクタが会話を行う場面がある。例えば、イベントとよばれるストーリーが大きく展開する場面では、ゲーム進行の鍵となる長めの会話が行われる。また、通常のゲーム進行中でも、パートナーキャラクタがプレイヤキャラクタの名前を呼んだり、プレイヤキャラクタの要求に返答したりする等の単発の会話が行われる。
また、これまでのゲームでは、プレイヤキャラクタが近くにいるパートナーキャラクタと会話する場合には対面しながら直接会話し、遠くにいるパートナーキャラクタと会話する場合には無線通信(例えば携帯電話等の通信機器)により会話する、という表現方法がよく用いられていた。この場合、直接対面して行う会話は、通常の明瞭な音声データ「直接音声(直接音の音質の音声)」を再生することにより表現されていた。一方、無線通信による会話は、予め加工された一定のノイズがかかった音声データ「無線音声(無線通話の音質の音声)」を再生することにより表現されていた。
「バイオハザード4解体真書」株式会社エンターブレイン、2006年1月26日、p.19、194
しかしながら、これまでのゲームでは、上記のような「直接音声」と「無線音声」とは、予め設定されたとおりに画一的に再生されるのみであり、会話当事者間の距離等の条件によって、同一の会話内容を「直接音声」と「無線音声」とでリアルタイムに切替えるということは行われていなかった。そのため、ゲーム進行中の会話が単調になり、ゲームがリアリティに欠けるものになっていた。
この点は、ゲーム進行の過程で、プレイヤキャラクタとパートナーキャラクタとのゲーム空間内における距離が、リアルタイムに近づいたり、大きく離れたりするタイプのゲームにおいて、特に不都合として顕著に現れる。例えば、所定内容の会話音声データが「直接音声」であった場合、会話当事者が離れた状況でそれが再生されると不自然である。逆に、「無線音声」であった場合、会話当事者が近い状況でそれが再生されると、同様に不自然である。
そこで、この発明は、プレイヤキャラクタと第2キャラクタ(パートナーキャラクタ等)との会話表現をゲーム進行の状況に応じて変化させることにより、ゲームの世界を現実世界に即してリアルに制御することができるゲームプログラムおよびゲームシステムを提供することを目的とする。
請求項1の発明は、コンピュータを、仮想のゲーム空間を生成するゲーム空間制御手段、前記ゲーム空間内に遊戯者によって操作されるプレイヤキャラクタを生成し、遊戯者の操作に応じて、該プレイヤキャラクタの前記ゲーム空間内における活動を制御するプレイヤキャラクタ制御手段、前記ゲーム空間内に音声データに基づいて声を発声する第2キャラクタを生成し、該第2キャラクタの前記ゲーム空間内における活動および発声を制御する第2キャラクタ制御手段、として機能させるゲームプログラムであって、前記第2キャラクタ制御手段は、前記第2キャラクタが前記プレイヤキャラクタに対して声を発声するとき、前記第2キャラクタと前記プレイヤキャラクタとの位置関係が第1の位置関係のとき、直接音の音質である第1の音質で前記声を発声させ、第2の位置関係のとき、無線通話の音質である第2の音質で前記声を発声させる発声制御手段、を含むことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の発明において、前記発声制御手段は、前記直接音の音質で前記声を発声させるとき、前記パートナーキャラクタの位置に応じて音量、定位の一方または両方を制御することを特徴とする。
請求項7の発明は、コンピュータを、仮想のゲーム空間を生成するゲーム空間制御手段、前記ゲーム空間内に遊戯者によって操作されるプレイヤキャラクタを生成し、遊戯者の操作に応じて、該プレイヤキャラクタの前記ゲーム空間内における活動を制御するプレイヤキャラクタ制御手段、前記ゲーム空間内に音声データに基づいて声を発声する第2キャラクタを生成し、該第2キャラクタの前記ゲーム空間内における活動および発声を制御する第2キャラクタ制御手段、として機能させるゲームプログラムであって、前記第2キャラクタ制御手段は、前記第2キャラクタが前記プレイヤキャラクタに対して声を発声するとき、前記第2キャラクタと前記プレイヤキャラクタとの距離に応じて直接音の音質である第1の音質と無線通話の音質である第2の音質のミキシング比率を制御して前記声を発声させる発声制御手段、を含むことを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1乃至請求項のいずれかに記載のゲームプログラムを記憶した記憶部と、前記ゲームプログラムを実行するコンピュータと、を備えたゲームシステムである。
この発明によれば、プレイヤキャラクタと第2キャラクタ(パートナーキャラクタ等)との位置関係(距離、遮蔽物の有無等)に基づいて第2キャラクタの発声する会話音声を「直接音の音質(第1の音質)の音声」と「無線通話の音質(第2の音質)の音声」とで切り替えることにより、ゲームの状況に応じたリアルな会話表現を行うことができる。
この発明が適用されるゲーム装置の外観図 同ゲーム装置のブロック図 同ゲームプログラムと同ゲーム装置で構成されるゲームシステムを示す図 同ゲームプログラムで活動するキャラクタ等の位置関係を示す図 同ゲームプログラムに設定されているテーブルを示す図 前記ゲームシステムの動作を示すフローチャート 前記ゲームシステムの動作を示すフローチャート 同ゲームプログラムで活動するキャラクタ等の位置関係を示す図
≪ゲーム装置の説明≫
まず、図面を参照して、本発明が適用されるゲーム装置について説明する。
図1は、ゲームプログラムが実行されるゲーム装置(コンピュータ)の外観図である。
このゲーム装置は、ゲーム機本体10にコントローラ20が接続されて構成されている。コントローラ20は、遊戯者によって操作される。遊戯者は、このコントローラ20を用いて、ゲーム中に登場するプレイヤキャラクタ等を操作する。なお、ゲームは、遊戯者の操作およびゲームプログラム、ゲーム装置の処理動作で進行するが、以下の説明では、動作の内容に応じて、プレイヤキャラクタを主語とし、プレイヤキャラクタの動作として説明する場合がある。
ゲーム機本体10は、ゲームプログラムが記録された記録媒体(記憶媒体)15がセットされるトレイ11を有している。記録媒体15は、たとえばDVD(digital versatile disc)である。ゲーム機本体10は、この記録媒体15からゲームプログラムを読み取って、このプログラムを実行する。なお、記録媒体15は、DVD以外であってもよく、例えばCD、Blu−ray Disc、または、内蔵のハードディスクなどを用いることができる。
また、装置前面には、コントローラ20が接続されるコネクタ12、フラッシュメモリからなるカード型の外部メモリ45(図2参照)がセットされるメモリスロット13が、それぞれ2つずつ設けられている。
コントローラ20は、略コ字形をしており、遊戯者が両翼部のハンドルを左右両手で把持して操作する。コントローラ20の左右上面には操作ボタン群およびアナログスティックが設けられている。遊戯者は、これら操作ボタン群、アナログスティックを操作してプレイヤキャラクタやカメラ位置を制御する。この遊戯者の操作に応じてゲーム中のプレイヤキャラクタは、たとえば、歩く、銃を構える、振り向く等の動作を行う。
図2は、ゲーム機本体10およびコントローラ20の内部構成を示すブロック図である。
ゲーム機本体10は、装置全体の動作を制御するCPU31を有している。このCPU31に対してRAM32およびバス33が接続される。RAM32には、ゲームの進行に応じて各種のデータが記憶される。
バス33には、RAM35、GP36等により構成されるグラフィック・プロセッサ・ユニット(GPU)34、インプット・アウトプット (I/O)ポート39が接続される。GPU34には、デジタル映像信号をNTSCテレビジョン方式やPALテレビジョン方式に変換するためのデコーダ37を介して、外部機器であるモニタ(テレビジョン装置:TV)38が接続される。
I/Oポート39には、光ディスク等の記録媒体15に記録されているデータを再生し、デコードするためのドライバ(DRV)40,サウンド・プロセッサ(S・P)42、外部メモリ45、コントローラ20およびROM46が接続される。
コントローラ20は、I/Oポート21を介して各種操作子群22をゲーム装置本体10のI/Oポート39に接続する。
ROM46には、このゲーム機本体10を起動するとともに基本的な機能を実現するためのシステムプログラムが記憶されている。外部メモリ45には、遊戯者の情報や実行しているゲームの途中経過等が記憶される。遊戯者は、ゲームプログラムを記憶した記録媒体15と自己の外部メモリ45をセットすることにより、途中で中断したゲームを、その中断したタイミングから再開することができる。
サウンド・プロセッサ42は、増幅器43を介して、外部機器であるスピーカ44に接続される。このスピーカ44は、一般的には、テレビジョン装置に内蔵されている上記モニタ38と一体のスピーカである。
≪ゲームプログラムの説明≫
次に、このゲーム装置により実行されるゲームプログラムについて説明する。このゲームプログラムによって提供されるゲームは、遊戯者が操作するプレイヤキャラクタが銃やナイフ等の武器を使用してゾンビやモンスター等の敵キャラクタを倒しながら、各ステージに設定された目的をクリアしていくことにより進行するアクションゲームである。
このゲームでは、キャラクタAがキャラクタBと協力してゲームを進行させる。キャラクタAは常に遊戯者によって操作されるプレイヤキャラクタである。キャラクタBは味方のキャラクタである「パートナーキャラクタ」であり、キャラクタBがAI(ゲーム装置)によって制御される1人用のゲームモードと、キャラクタBが他の遊戯者によって操作される2人用のゲームモードとがある。したがって、1人用のゲームモード時には、キャラクタBはノンプレイヤキャラクタとなり、2人用のゲームモード時には、キャラクタBはもう一人のプレイヤキャラクタとなる。
なお、2人用のゲームモードには、1台の据え置き型ゲーム機を使用して2人でプレイするゲームモードと、2台の据え置き型ゲーム機をネットワークで接続して2人でプレイするゲームモードとがある。
本実施形態では、1人用のゲームモード(キャラクタBがノンプレイヤキャラクタである場合について)を中心に説明する。以下、キャラクタAをプレイヤキャラクタ、キャラクタBをパートナーキャラクタと表記する。
このゲームでは、ゲームの進行の過程で、プレイヤキャラクタとパートナーキャラクタとが会話を行う。プレイヤキャラクタが近くにいるパートナーキャラクタと会話する場合には対面しながら直接話し、遠くにいるパートナーキャラクタと会話する場合には無線通信により会話しているように会話音声が再生される。無線通信による会話とは、常に双方向での会話が可能な携帯電話のような通信機器を使用しての会話である。プレイヤキャラクタおよびパートナーキャラクタはヘッドセットを装着しており、これを用いて会話を行う。
プレイヤキャラクタとパートナーキャラクタとが会話している場合、プレイヤキャラクタが発音する会話音声は、自分が話している音声であるため、常に生の声である「直接音声」のデータを再生することにより表現する。直接音声は、通信機器によらずに空気を伝搬してきた直接音の音質の音声であり、加工されていない通常の明瞭な音声である。
一方、パートナーキャラクタが発音する会話音声は、位置関係等の条件に基づいて、「直接音声」と「無線音声」のデータを切り替えて再生することにより表現する。無線音声は、通信機器を通じて聞こえてくる音声であり、こもったような一定のノイズがかかった加工された無線通話の音質の音声である。
具体的には、プレイヤキャラクタとパートナーキャラクタとの距離が所定の境界距離未満の場合、パートナーキャラクタの発声を「直接音声」で再生する(「直接音声」のデータを再生する)。また、プレイヤキャラクタとパートナーキャラクタとの距離が境界距離以上の場合、パートナーキャラクタの発声を「無線音声」で再生する(「無線音声」のデータを再生する)。境界距離については図4を参照して後述する。
以上のように、プレイヤキャラクタとパートナーキャラクタとの距離に基づいてパートナーキャラクタの会話音声を「直接音声」と「無線音声」とで切り替えることにより、ゲームの状況に応じたリアルな会話表現を行うことができる。
ただし、本実施形態において「無線音声」で発音させる対象としているのは、会話音声のみである。例えば、プレイヤキャラクタがパートナーキャラクタに「行け!」と指示したときにパートナーキャラクタから発音される「OK!」という返答や、プレイヤキャラクタが銃で敵キャラクタの頭を上手く撃ち抜いたときに発音される「ナイスショット!」等が「無線音声」の対象になる。これらの会話音声以外の、環境音や、パートナーキャラクタの足音や、敵キャラクタから攻撃を受けたときに発せられるヤラレ音声等は、「無線音声」の対象にならない。
このようなゲームを実行するゲームプログラムを上述したゲーム装置に読み込ませることにより、図3に示すようなゲームシステムを機能的に実現することができる。ゲームシステムは、操作検出部50、ゲーム進行制御部51、プレイヤキャラクタ制御部52、第2キャラクタ制御部53、敵キャラクタ制御部54、ゲーム空間制御部55、描画処理部56、音声出力処理部57等から構成されている。
操作検出部50は、CPU31、RAM32等からなるデータ処理部およびコントローラ20を含み、遊戯者の各種操作を検出して、ゲーム進行制御部51に伝達する。
ゲーム進行制御部51は、CPU31、RAM32等からなるデータ処理部を含み、仮想のゲーム空間やキャラクタを生成するとともに、遊戯者の操作や時間の経過等に応じて、上述のゲーム空間を変化させたりキャラクタを活動させたりする等の処理を行ってゲームを進行させる。
プレイヤキャラクタ制御部52は、プレイヤキャラクタを生成するとともに、操作検出部50から入力される操作情報に基づいてその活動を制御する。
第2キャラクタ制御部53は、本実施形態のようにゲームが1人用のゲームモードで実行されている場合、ノンプレイヤキャラクタであるパートナーキャラクタを生成し、人工知能(AI)の制御に基づいてプレイヤキャラクタと協力しあって共に活動するようにその活動を制御する。また、第2キャラクタ制御部53は、本発明の「発声制御手段」を含み、パートナーキャラクタの声の発声を制御する。
なお、ゲームが2人用のゲームモードで実行されている場合、第2キャラクタ制御部53は、プレイヤキャラクタ制御部52と同様にパートナーキャラクタを生成するとともに、2人目の遊戯者の操作情報に基づいてその活動を制御する。
敵キャラクタ制御部54は、ゲーム空間内に生息するゾンビやモンスター等のノンプレイヤキャラクタである敵キャラクタを生成するとともに、プレイヤキャラクタの活動に対応した活動を行わせる。
ゲーム空間制御部55は、操作検出部50から入力された操作情報に基づいて選択されたゲームステージのゲーム空間を生成する。
描画処理部56は、CPU31、RAM32等からなるデータ処理部を含み、ゲーム進行制御部51が生成したゲーム空間、キャラクタを二次元のスクリーンに投影したゲーム空間の映像等を生成してモニタ38に出力する。
音声出力処理部57は、CPU31、RAM32等からなるデータ処理部を含み、ゲーム進行制御部51が生成したゲーム空間の環境音、各キャラクタ制御部52、53、54が生成した各キャラクタの会話音声、ヤラレ音声等の音を生成してスピーカ44に出力する。また、第2キャラクタ制御部53の発声制御に基づいてパートナーキャラクタの声を直接音声と無線音声とで切り替えて出力する。
図4は、プレイヤキャラクタ1とパートナーキャラクタ2との位置関係に応じた会話音声の再生制御を説明する図である。本実施形態では、上述の「直接音声」と「無線音声」を切り換える境界距離を10mに設定しており、同図の円3がプレイヤキャラクタ1から10mの距離範囲を示している。プレイヤキャラクタ1とパートナーキャラクタ2とが会話をするとき、両者の距離Lが10m未満である場合(パートナーキャラクタが同図の2aの位置)、パートナーキャラクタ2の会話音声として「直接音声」を発音する。一方、両者の距離Lが10m以上である場合(パートナーキャラクタが同図の2bの位置)、パートナーキャラクタ2の会話音声として「無線音声」を発音する。
また、プレイヤキャラクタ1の背後の所定距離離れた場所に、プレイヤキャラクタに向けて仮想カメラ4が配置されている。そして、仮想カメラ4とプレイヤキャラクタ1との間に仮想スクリーン5が配置され、周知技術である「透視投影変換」により仮想スクリーン5に投影された画像が描画処理部56によって描画され、モニタ38に出力される。そして、仮想スクリーン5の中心座標が「リスニングポイント6」に設定されている。リスニングポイント6は、仮想の耳の位置を示すものであり、上述の「直接音声」を発声させるとき、リスニングポイント6とパートナーキャラクタ2aとの位置関係によって音量、定位を算出する(図7で後述)。
なお、リスニングポイントは、上述のような仮想スクリーンの中心座標に限定されず、ゲーム空間内の任意の位置に設定可能である。例えば、プレイヤキャラクタの特定の関節座標や、仮想カメラの配置座標等でもよい。
図5(A)は、ゲーム進行制御部51に設定されているパートナーキャラクタの「音声管理テーブル」を示す図である。音声管理テーブルはキャラクタごとに設けられている。このテーブルには約200の音声データを管理する音声データ管理情報が記憶されているが、同図では全音声データの中の一部を抜き出して示している。このテーブルには、各音声データのコード番号、管理用IDが音声データ管理情報として記憶されている。このテーブルを参照することにより、コード番号に基づいて発音すべき音声データファイルを割り出すことができる。
なお、参考として、図5(B)に、音声管理テーブルの各欄に対応する音声データの内容(発音される文言)、その発音目的、および、この音声を発音するキャラクタである発音キャラクタを示す。なお、この音声管理テーブルはパートナーキャラクタの音声管理テーブルであるため、発音キャラクタは全てパートナーキャラクタである。
まず、コード番号は、音声データを分類するための番号であり、0〜約200まで設けられている。直接音声データのコード番号に+100をして得られるコード番号に、その直接音声に対応する無線音声を配置している。例えば、コード14は「こっちだ!」とプレイヤキャラクタを呼ぶ直接音声であるのに対し、コード114は「こっちだ!」とプレイヤキャラクタを呼ぶ無線音声である。このように、同じ会話内容の直接音声と無線音声とを同一のテーブルによって管理している。
管理用IDは、各音声データを識別するための音声ファイル名である。語尾の「_r」の有無により、直接音声と無線音声とが対応している。例えば「c_14」は「こっちだ!」という直接音声であるのに対し、「c_14_r」は「こっちだ!」という無線音声である。
発音目的は、そのキャラクタが発音する目的であり、例えば、仲間を呼ぶ、仲間に要求する等である。発音音声は、そのキャラクタが実際に発音する言葉であり、例えば「こっちだ!」という指示や、「了解」という返答等である。そして、発音キャラクタは、その音声を発音するキャラクタの名前である。
以下に、図6、図7のフローチャートを参照しながら本実施形態の「音声データ決定処理」、「発音処理」について説明する。
図6は、ゲーム進行制御部51が行う「音声データ決定処理」を説明するフローチャートである。音声データ決定処理とは、音声データの種類やキャラクタの位置関係等の条件に基づいて、再生する音声データを選択する処理である。この処理は、音声再生条件が満たされるごとに1回実行される処理である。
ゲーム進行制御部51は、ゲーム進行中、遊戯者の操作やキャラクタの行動等に基づき音声発声条件が満たされたか否かを常に判定している。例えば、プレイヤキャラクタがゲーム空間内の所定領域に入ったか、遊戯者の操作入力によりプレイヤキャラクタがパートナーキャラクタに指示を出したか、両者による連携攻撃が成功したか等である。
そして、これらの音声発声条件を満たした場合、それに対応する音声データを要求するリクエスト情報が生成される。そのリクエスト情報には、(1)発音するキャラクタ名、(2)音声管理テーブル名、(3)その音声管理テーブルにおける音声データのコード番号、(4)プレイヤキャラクタとパートナーキャラクタとの間の距離をチェックするか否かのフラグデータ、が含まれている。そして、そのリクエスト情報のうち(2)(3)に基づいて、「リクエスト音声データ」を決定する。
例えば、パートナーキャラクタが遊戯者に弾丸を要求した場合、それにより特定された動作内容に対応する形で、(1)パートナーキャラクタ名、(2)パートナーキャラクタの音声管理テーブル名(図5(A))、(3)コード番号29、(4)距離チェックON、というリクエスト情報が生成され、それに基づいてリクエスト音声データを決定し、リクエストを行う。
まず、リクエスト音声データが距離チェック対象音声か否かを判定する(S11)。距離チェック対象音声とは、距離により決定される音声データが変わるため、距離を演算する必要がある音声である。距離チェック対象音声か否かは、上述のリクエスト情報の中の距離チェックフラグのON/OFFにより判定する。
なお、本実施形態において、S11の距離チェックの対象となるのは会話音声だけであり、その他の環境音やヤラレ音声は距離チェックの対象外となり、全く別の処理を行う。また、本実施形態では、全ての会話音声について直接音声と無線音声が用意されており、その全てについて距離チェックを行っている。しかし、S11の距離チェック処理を設けることにより、例えば、特定のシーンにおいて距離チェックを行いたくない場合に、距離チェックをせずに強制的に直接音声を再生することができ、効果的である。これらの本実施形態の設定に限定されず、距離チェックの対象となる音声は任意に選択可能である。
リクエスト音声データが距離チェック対象音声ではない場合(S11でNO)、直接音声であるリクエスト音声データを再生する音声データに決定する(S12)。
リクエスト音声データが距離チェック対象音声である場合(S11でYES)、音声を発音する「発音キャラクタ」が、ゲーム装置10に接続されたコントローラ20の操作対象になっている「操作対象キャラクタ」であるか否かを判定する(S13)。発音キャラクタが操作対象キャラクタである場合(S13でYES)、操作対象キャラクタ自身が話している音声であるため常に直接音声でよく、直接音声であるリクエスト音声データを再生する音声データに決定する(S18)。
なお、操作対象キャラクタとは、1人用のゲームモードのとき、または遠隔地間(オンライン)での2人用のゲームモード(遠隔地2Pモード)のときは、そのゲーム機を使用する遊戯者により操作される1名のキャラクタ(プレイヤキャラクタ)のことをいう。一方、1台のゲーム機に2つのコントローラを接続して行われる2人用のゲームモード(1台2Pモード)のときは、それぞれのコントローラにより操作される2名のキャラクタのことをいう。すなわち、遠隔地でプレイヤによって操作されるキャラクタは、この処理において操作対象キャラクタに含まれず、非操作対象キャラクタ(ノンプレイヤキャラクタ)として扱われる。
また、1台2Pモード(操作対象キャラクタが2名)のときは、どちらの操作対象キャラクタが音声を発声する場合でも操作対象キャラクタが発音キャラクタになるため(S13でYES)、常に直接音声が再生音声として選択される。そして、それ以外の第3者のノンプレイヤキャラクタ(キャラクタC)が音声を発声する場合のみ、発音キャラクタが操作対象キャラクタではないため(S13でNO)、以下のS14〜S17の処理を行い、直接音声と無線音声との切り替えを行う。
発音キャラクタが操作対象キャラクタではない(非操作対象キャラクタが発音キャラクタである)場合(S13でNO)、発音キャラクタから最も近い操作対象キャラクタの座標を取得する(S14)。この座標は、操作対象キャラクタの口元付近の特定の関節のワールド座標系における座標である。次に、発音キャラクタの座標を取得する(S15)。この座標は、発音キャラクタの口元付近の特定の関節のワールド座標系における座標である。
そして、S14およびS15で取得した両座標間の距離を求めることによって操作対象キャラクタから発音キャラクタまでの距離の演算を行い(S16)、両者の距離が10m以上か否かを判定する(S17)。両者の距離が10m未満である場合(S17でNO)、リクエスト音声データである直接音声の音声データを、再生する音声データに決定する(S18)。
一方、両者の距離が10m以上である場合(S17でYES)、直接音声であるリクエスト音声データのコード番号に+100をして得られるコード番号の音声データである無線音声の音声データを、再生する音声データに決定する(S19)。
以上の処理(S12、S18、S19)により決定された音声データを読み出し、音声再生用データとして再生バッファにセットする(S20)。
なお、S14において、発音キャラクタから最も近い操作対象キャラクタの座標を取得し、この距離に基づいて音声データを選択するのは、発音キャラクタの近くに操作対象キャラクタが存在するにもかかわらず、遠くにいる操作対象キャラクタとの距離に基づいて会話音声が無線音声になってしまうと違和感があるからである。以下に、図8を参照して具体的に説明する。
図8に示す図では、1台2Pモードのときに、第1の遊戯者が操作する操作対象キャラクタであるキャラクタA101と、第2の遊戯者が操作する操作対象キャラクタであるキャラクタB102とが互いに離れて見えない位置におり、第3者のノンプレイヤキャラクタであるキャラクタC103がキャラクタB102の近くの見える位置にいる。この位置関係でキャラクタC103が声を発する場合に、キャラクタA,Bのどちらを基準にするかを決定し、決定された操作対象キャラクタを対象として距離チェックを行う。
一般的に、キャラクタC103の会話音声は、近くの見える位置にいるキャラクタB102の位置を基準に再生したほうが、隠れて遠くにいるキャラクタA101の位置を基準に再生するよりも自然である。したがって、ゲームステージに複数(2人)の操作対象キャラクタが存在し、第3のキャラクタ(発音キャラクタ)が声を発する場合には、その発音キャラクタから最も近い操作対象キャラクタを発言相手すなわち距離チェックの対象として処理を行っている。なお、この場面におけるキャラクタC103が本発明の「第2キャラクタ」に相当する。
図7は、ゲーム進行制御部51が行う「発音処理」を説明するフローチャートである。発音処理とは、再生バッファにセットされた音声再生用データに基づいて、実際に音声を発声させる処理である。この発音処理は、音声データの再生が終了するまで毎フレーム繰り返し実行される処理である。
まず、セットされた音声再生用データの種類を読み出し(S31)、そのデータが直接音声か否かを判定する(S32)。直接音声である場合(S32でYES)、フレームごとに音量・定位を制御するため以下の処理を実行する。
まず、リスニングポイントの座標およびリスニング方向を取得する(S33)。次に、発音キャラクタの座標を取得し(S34)、リスニングポイントから発音キャラクタまでの距離を演算する(S35)。
そして、両者の距離に応じて、音量を算出する(S36)。ゲーム進行制御部51には、音声ごとに、リスニングポイントからの距離に応じた音量減衰カーブが設定されており、演算された距離を参照して発音すべき音量を算出する。次に、両者の距離に応じて、定位を算出する(S37)。例えば、算出された音量の分配や、発音するタイミング等を決定する。そして、算出された音量、定位により実際に音声を発音させる(S38)。その後、音声データの再生が終了したか否かを判定し(S39)、再生が終了していなければ(S39でNO)、S33以下の処理を繰り返し行い、再生が終了していれば(S39でYES)、発音処理を終了する。
S32において、直接音声ではない(無線音声である)場合(S32でNO)、音量、定位は一定であるため、予め用意された音量、定位を読み出し(S40)、それに基づいて音声を発音させる(S41)。その後、音声データの再生が終了したか否かを判定し(S42)、再生が終了していなければ(S42でNO)、S40以下の処理を繰り返し、再生が終了していれば(S42でYES)、発音処理を終了する。
なお、本実施形態では、「直接音声」と「無線音声」の2種類の音声データを予め用意し、距離に応じて使用する音声データを切り替える処理を行ったが、音声データとして「直接音声」のみを用意しておき、エフェクタを用いて「無線音声」をその都度生成する処理を行ってもよい。
また、本実施形態では、使用する音声データを、距離に応じて「直接音声」と「無線音声」との間で選択的に切替える処理を行ったが、音声発声条件を満たした際に、同時に両音声データを再生しミキシングして出力するようにしてもよい。この場合、距離に応じてそれぞれのミキシング比率音量を変化させて距離に応じた音質で発音させる。すなわち、距離が近いほど直接音声のミキシング比率を高くし、距離が遠いほど無線音声のミキシング比率を高くする。
例えば、プレイヤキャラクタとパートナーキャラクタとの距離が10mまでは「直接音声」のみを発音させる(距離に応じて減衰する)。両キャラクタ間の距離が10m以上、15m未満の場合は、「直接音声」を極めて小さい音量で発音させるとともに、「無線音声」を発音させる。両キャラクタ間の距離が15m以上になったら「無線音声」のみを発音させる。
さらに、本実施形態では、「直接音声」と「無線音声」との切り替えを、プレイヤキャラクタとパートナーキャラクタとの距離を条件に行ったが、これに代えて、パートナーキャラクタのスクリーン上への表示の有無や、スクリーンに対するパートナーキャラクタの表示割合を条件としてもよい。また、両音声の切り替えを、両キャラクタ間の距離を条件に行うとともに、または代えて、両キャラクタの間に壁、ドア、ガラス等の遮蔽物が存在するか否かを条件としてもよい。
本実施形態では、「無線音声」を一定のノイズが混ざった音声としているが、無線音声の音質はこれに限定されない。たとえば、低音域、高音域が抑制され中音域のみのこもったような音声としてもよい。
上述した実施形態では操作対象キャラクタの会話音声は常に直接音声で再生するようにしているため、1台2Pモードの場合、キャラクタA、キャラクタBの両キャラクタが発声する会話音声は常に直接音声で再生されるが、これ以外の方式で会話音声を切り替えるようにしてもよい。
例えば、キャラクタAまたはキャラクタBが会話音声を発声するとき、相互間の距離に基づいて上述の音声データ決定処理を行い、「直接音声」と「無線音声」との切り替えを行ってもよい。すなわち、両キャラクタ間の距離が近い場合、キャラクタA,キャラクタBの発声を「直接音声」で再生し、両キャラクタ間の距離が遠い場合、キャラクタA,キャラクタBの発声を「無線音声」で再生する。
なお、この場合、キャラクタAが音声を発声するときはキャラクタBが本発明の「プレイヤキャラクタ」となり、キャラクタAが本発明の「第2キャラクタ」となる。逆に、キャラクタBが音声を発声するときはキャラクタAが本発明の「プレイヤキャラクタ」となり、キャラクタBが本発明の「第2キャラクタ」となる。
1台2Pモードの場合、1台のモニタ38に、各遊戯者が操作するゲーム画面が上下に2つ並べて表示される。そして、各ゲーム画像は、同じタイミングにキャラクタA、Bの背後からゲーム空間を撮影した仮想カメラ4の画像がそれぞれ表示される。
なお、以上のような1台2Pモードの場合に限定されず、通信回線及びサーバを介して、遠隔地にあるゲーム機同士を通信接続し、接続されたゲーム機を操作する遊戯者が、それぞれキャラクタA、キャラクタBを操作する場合(遠隔地2Pモード)にも適用可能である。
なお、この場合、キャラクタAが操作されるゲーム機からみるとキャラクタAが本発明の「プレイヤキャラクタ」となり、キャラクタBが本発明の「第2キャラクタ」となる。逆に、キャラクタBが操作されるゲーム機からみるとキャラクタBが本発明の「プレイヤキャラクタ」となり、キャラクタAが本発明の「第2キャラクタ」となる。
また、キャラクタA(プレイヤキャラクタ)と共に活動するパートナーキャラクタは、1人のキャラクタBに限定されず、複数人(キャラクタC、キャラクタD等)いてもよい。さらに、第2キャラクタは、プレイヤキャラクタの仲間であるパートナーキャラクタに限定されず、敵対関係であっても、会話を行うキャラクタであればよい。
1 プレイヤキャラクタ
2 パートナーキャラクタ
3 距離範囲
4 仮想カメラ
5 仮想スクリーン
6 リスニングポイント
50 操作検出部
51 ゲーム進行制御部
52 プレイヤキャラクタ制御部
53 第2キャラクタ制御部
54 ノンプレイヤキャラクタ制御部
55 ゲーム空間制御部
56 描画処理部

Claims (4)

  1. コンピュータを、
    仮想のゲーム空間を生成するゲーム空間制御手段、
    前記ゲーム空間内に遊戯者によって操作されるプレイヤキャラクタを生成し、遊戯者の操作に応じて、該プレイヤキャラクタの前記ゲーム空間内における活動を制御するプレイヤキャラクタ制御手段、
    前記ゲーム空間内に音声データに基づいて声を発声する第2キャラクタを生成し、該第2キャラクタの前記ゲーム空間内における活動および発声を制御する第2キャラクタ制御手段、
    として機能させるゲームプログラムであって、
    前記第2キャラクタ制御手段は、
    前記第2キャラクタが前記プレイヤキャラクタに対して声を発声するとき、前記第2キャラクタと前記プレイヤキャラクタとの位置関係が第1の位置関係のとき、直接音の音質である第1の音質で前記声を発声させ、第2の位置関係のとき、無線通話の音質である第2の音質で前記声を発声させる発声制御手段、
    を含むことを特徴とするゲームプログラム。
  2. 前記発声制御手段は、
    前記直接音の音質で前記声を発声させるとき、前記パートナーキャラクタの位置に応じて音量、定位の一方または両方を制御することを特徴とする請求項に記載のゲームプログラム。
  3. コンピュータを、
    仮想のゲーム空間を生成するゲーム空間制御手段、
    前記ゲーム空間内に遊戯者によって操作されるプレイヤキャラクタを生成し、遊戯者の操作に応じて、該プレイヤキャラクタの前記ゲーム空間内における活動を制御するプレイヤキャラクタ制御手段、
    前記ゲーム空間内に音声データに基づいて声を発声する第2キャラクタを生成し、該第2キャラクタの前記ゲーム空間内における活動および発声を制御する第2キャラクタ制御手段、
    として機能させるゲームプログラムであって、
    前記第2キャラクタ制御手段は、
    前記第2キャラクタが前記プレイヤキャラクタに対して声を発声するとき、前記第2キャラクタと前記プレイヤキャラクタとの距離に応じて直接音の音質である第1の音質と無線通話の音質である第2の音質のミキシング比率を制御して前記声を発声させる発声制御手段、
    を含むことを特徴とするゲームプログラム。
  4. 請求項1乃至請求項のいずれかに記載のゲームプログラムを記憶した記憶部と、前記ゲームプログラムを実行するコンピュータと、を備えたゲームシステム
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