JP5527312B2 - オートフレッテージ加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、高圧燃料噴射管やコモンレール等の加工装置に使用されるものであって、特に超高圧下でのオートフレッテージ加工を行うためのオートフレッテージ加工装置に関する。
特許文献1、2にみられるように、密閉状態で高圧をかけて材料組織に残留応力を残して強度をあげる加工方法(オートフレッテージ加工と称す)が知られている。
すなわち、オートフレッテージ加工では、ワークの内側においては塑性変形させるように、かつ、ワークの外側においては弾性変形させるものの塑性変形させないような高圧力をワーク内部に与えている。これによって、ワークに残留圧縮応力を付与し、ワークの耐圧疲労強度を増強させている。このような加工方法は、ディーゼルコモンレールシステム部品などの耐圧疲労強度が必要とされる部品の、疲労強度増強を目的とした残留圧縮応力付与に利用されている。
特許文献1では、ワーク内部に加圧シリンダのピストンを直接挿入して昇圧するものであるが、このような加工方法では、加工の対象となるワークの形状(細孔、短い管路等)に起因して、昇圧時のストローク不足やピストンがワーク内に挿入できないなどの様々な制約が発生していた。
独国特許発明第102006054440号明細書(DE102006054440B3、特表2010−510385号公報は対応日本公報) 特開2004−92551号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、製品形状などに起因する各種制約に対する解決策を提供するものである。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、ワーク端部開口(14)および内圧室(IC)を有し、当該内圧室(IC)は、前記ワーク端部開口(14)を除いて密閉され、当該ワーク端部開口(14)から当該内圧室(IC)に作動油(2)が充填されるワーク(1)と、当該ワーク(1)に対して着脱可能であり、内部に直線流路(52)を有し、当該直線流路(52)は、前記ワーク端部開口(14)に対してシール部(55)を経由して漏れなく連通するよう構成された治具(51)と、前記治具内部に設けられた前記直線流路(52)の内壁に対して、所定の平均隙間量(h)を有する隙間(3)を形成するピストン(42)と、当該ピストン(42)を駆動する加圧部(40)と、を具備し、前記加圧部(40)は、前記作動油(2)で充填された前記直線流路(52)において前記ピストン(42)が所定の送り速度(v)となるように、前記ピストン(42)を駆動するものであり、当該駆動により前記隙間(3)より漏れ出す前記作動油(2)の、単位時間当たりの最大漏れ流量(Qmax)に相当する臨界送り速度(Vc)よりも前記所定の送り速度(v)を速くすることにより、前記ワーク(1)にオートフレッテージ加工を施すことを特徴とするオートフレッテージ加工装置である。
これにより、ワークにピストンを挿入することなく、治具の直線流路において、ピストンを臨界送り速度Vc以上で挿入することができるので、超高圧になった作動油を、シール部を通じて、ワーク1の内圧室ICに充填することができる。したがって、送り速度限界やワークの製品形状などに起因する各種制約が存在しても、ワークに対して着脱可能な治具の方で、シート幅やシート円周長さなどのスペックを、任意に設計することができ、臨界送り速度Vcを適宜設定可能とすることができる。また、設備の小型化、サイクルタイム削減など作業工程の簡素化でコスト削減を図ることができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記治具(51)には、前記直線流路(52)に連通するエア抜き通路(53)が設けられていることを特徴とする。これにより、作動油の初期充填のエア抜きを容易に行うことができる。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記エア抜き通路(53)には、エア抜き通路の止め栓(54)が設けられていることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の発明において、前記シール部(55)は、連通孔(55’’)が貫通したシール体(55’)を、前記ワーク(1)のワーク端部開口(14)と、前記治具(51)の直線流路(52)の連結端部開口(52’)との間に隙間なく押し当てることによりシールしたことを特徴とする。これにより、ワークと治具とのシールを完全にすることができる。
請求項5の発明は、請求項4に記載の発明に、前記シール体(55’)が、金属又は合成樹脂で形成されていることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の発明において、前記シール部(55)は、前記ワーク(1)のワーク端部開口(14)と、前記治具(51)の直線流路(52)の連結端部開口(52’)とを隙間なく押し当てるか連結することによりシールしたことを特徴とする。これにより、ワークと治具とのシールを完全にすることができる。
請求項7の発明は、請求項6に記載の発明において、前記ワーク(1)のワーク端部開口(14)か、前記治具(51)の直線流路(52)の連結端部開口(52’)のいずれか一方又は双方に、Oリング、円環突起、テーパ面、又は、ねじが設けられていることを特徴とする。これにより、ワークと治具とのシールを完全にすることができる。
なお、上記に付した符号は、後述する実施形態に記載の具体的実施態様との対応関係を示す一例である。
ダイレクト加圧式のオートフレッテージ加工装置を模式的に示す説明図であり、(a)はピストン42の摺動開始前、(b)はピストン42の摺動開始後を示す図である。 ダイレクト加圧式のオートフレッテージ加工装置を模式的に示す説明図である。 (a)は図1に示す装置においてピストンをある一定の送り速度V0で内圧室ICに挿入して、内圧室ICの圧力Pを上昇させようとした場合の圧力と時間の関係を示す模式図であり、(b)はこの状況を説明する説明図である。 (a)〜(e)は、それぞれピストンを内圧室ICに挿入する送り速度を、V1〜V4に変更した場合の圧力上昇波形を示す特性図である。 漏れと圧力の関係を解析するための説明図である。 臨界送り速度Vcを求める一例を説明するための説明図である。 平均隙間量hを変更した場合の、内圧室ICの圧力と漏れ流量の関係および臨界送り速度Vcを示す特性図である。 作動油および平均隙間量hを変更した場合の内圧室圧力と最大漏れ流量Qmaxの関係を示す特性図である。 隙間3のシート幅Lをaからbに変更した場合の圧力上昇波形を示す特性図である。 ディーゼルエンジンで用いられる燃料噴射弁の一例である。 (a)、(b)は、燃料噴射弁に使用される一部材の一例を示す断面図である。 本発明の一実施形態を説明する概略断面図である。 本発明の一実施形態を説明する概略断面図である。 図13の本発明の一実施形態を説明する概略斜視図である。 (a)〜(c)は、シール体55’の変形例を示す断面図である。 (a)〜(e)は、シール部の変形例を示す断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を説明する。各実施態様について、同一構成の部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。本発明の各実施形態が、本発明の基礎となった基礎技術に対しても同一構成の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
(ダイレクト加圧式オートフレッテージ加工)
本発明の一実施形態を説明する前に、まず、本発明の基礎となった基礎技術である、ダイレクト加圧式のオートフレッテージ加工装置を説明する。なお、本発明の一実施形態においてもダイレクト加圧式のオートフレッテージ加工装置を前提としている。
図1、2は、ダイレクト加圧式オートフレッテージ加工を模式的に示す説明図である。高圧下でオートフレッテージ加工を施すワーク1の一例としては、特にディーゼルコモンレールシステム部品などの、耐圧疲労強度が必要とされる部品が挙げられる。その他、疲労強度増強を目的とした残留圧縮付与が必要とされる部品なら本発明は適用可能である。以下の説明では、ワーク1として、高圧燃料噴射管、コモンレール用レール、シリンダポンプ等にオートフレッジ加工を施す場合を例示して、本発明の一実施形態を説明する。
図1において、模式的に密閉したワークとして示されるワーク1の内部には作動油2が充填されており、サーボモータ(駆動モータ)を有する加圧部40には、ピストン42が連結されている。なお加圧部40は必ずしもピストン42に連結されている必要はない。
このピストン42は、図2に示すように、ワーク1の一端部の内壁に対して平均隙間量h(一例として1〜30μm)から成る隙間3を有するように挿入される。そのため、ピストン42が挿入されても平均隙間量hが維持されるように、少なくともピストン42が挿入される範囲のワーク1内部の軸方向と、ピストン42の軸方向と、加圧部40の加圧軸方向とが一致するように、加圧部40とワーク1とは設備に固定されている。
そして、ワーク1の配管口23に封止部材24が挿入された状態で圧力Wをかけることで密閉され、ワーク1の他端はシールピン4で密閉されているので、ワーク1は、その一端部以外は閉鎖された構造となり、ピストン42によりワーク1の内部に内圧室ICが形成されることになる。また、ワーク1の内圧室ICの圧力Pを計測するためにピストン42には歪みゲージ50が貼られていて、ピストン42の変形量から内圧室ICの圧力Pが算出される。なお、加圧部40に含まれるサーボモータとしては、流体圧アクチュエータ(油圧)を利用してもよく、また、電動モータでねじを回転させて、加圧しても良い。
次に、上記構成における作動を説明する。ワーク1の他端側をシールピン4で密閉し、ワーク1の配管口23に封止部材24を挿入して圧力Wを掛けることで密閉した状態で作動油2をワーク1に充填する。続いて、ピストン42をワーク1の一端側より挿入し、ピストン42の非挿入側を加圧部40に連結する。ここで、ピストン42は、上述したように、ワーク1の一端部の内壁に対して所定の平均隙間量hからなる隙間3を有するように設定されていて、ピストン42とワーク1の内壁間には、シールリング等は一切使用されない。
この状態で、加圧部40によりピストン42をワーク1に所定の送り速度vで挿入させると、ワーク1の内壁およびピストン42の間の隙間3から作動油2が漏れ出すことになるが、上述した所定の送り速度vを当該漏れ出す速度よりも速く設定する、すなわち、隙間3から作動油2が漏れ出す速度以上の速度でワーク1の内部にピストン42を挿入させることにより、ワーク1の内部に充填された作動油2を圧縮し、ワーク1内部の圧力を上昇させる。
こうすることにより、オートフレッテージ加工装置において、シールリングを使用することなくオートフレッテージ加工を行うことができ、磨耗による部品消耗を極力低減することが可能である。また、従来、内圧により変形が起こると隙間をゼロとすることができないため、作動油の増圧部は非常に肉厚で巨大なハウジングを必要としていたが、このような巨大で高価な増圧部のハウジングをなくすことで、設備構造をシンプル・スリム化することができ、安い経費、償却費でオートフレッテージ加工をすることができるようになった。
(臨界送り速度Vcと、単位時間当たりの最大漏れ流量Qmax)
次に、上述したピストン42をワーク1に挿入させる際の所定の送り速度vについて説明するとともに、臨界送り速度Vcと、単位時間当たりの最大漏れ流量Qmaxとは何かについて説明する。
ワーク1の内部に充填される作動油2の粘度ηは、油の圧力をPとしたときに、次の式1で表すことができる。
η=η0exp(αP)・・・式1
ここで、η0は大気圧下の粘度(常圧粘度)、αは粘度圧力係数(液体固有のもの)であり、全ての液体で成立する(「トライボロジスト」第49巻第9号(2004年)720〜721頁等参照)。
この式1からわかるように、圧力Pが上昇すると指数関数的に粘度ηが増加する。すなわち、ピストン42を高速で降下させ、ワーク1の内圧室ICの圧力Pを上昇させると、内部の作動油2の粘度が上昇し、隙間3からの漏れ流量を減らす働きをする。この働きにより、更に内圧室ICの圧力が上昇し、目標とする圧力(フレッテージ加工を行う高圧力)に到達することができるものと考えられた。
しかし、実際には、上記の推測通りではない事が発明者の鋭意研究の末、判明した。以下、その内容について説明する。
図3(a)は、図1に示すオートフレッテージ加工装置において、ピストン42を、ある一定の送り速度v=V0で内圧室ICに挿入して、内圧室ICの圧力Pを上昇させようとした場合の圧力と時間の関係を説明するための模式図であり、(b)は、この状況を説明する説明図である。
図3(a)に示すように、前段の推測にもかかわらず、ピストン42を所定の送り速度V0で内圧室ICに挿入しても、内圧室ICの圧力Pが、時間T2までは圧力PはP2まで上昇するが、その後、圧力Pは上昇せず飽和してしまう状況が発生してしまい、目標とする圧力(フレッテージ加工を行う高圧力)に到達できないことが判明した。
この状況は図3(b)を用いて次のように説明される。
ピストン42の下降に伴い、内圧室ICの容積が減少し、同時に隙間3から作動油2が流出し始める。ピストン42の下降と作動油2の流出にはタイムラグが発生するので、内圧室ICの圧力Pは上昇する(時間T1〜T2)。やがて作動油2の流出(漏れ流量)が増大すると、内圧室ICの容積が減少する速度も低下して定常状態となるため、内圧室ICの圧力Pは飽和(時間T2〜T3)する。やがてピストン24が停止する(T3)と、作動油2の流出だけが発生して圧力が0になる(T4)という状況が発生するものと考えられる。
次に、一定の送り速度vを変化させた場合の圧力と時間の関係について説明する。
図4(a)〜(e)は、それぞれ、ピストン42を内圧室ICに挿入する際の所定の送り速度を、V1〜V4に変更した場合の圧力と時間の関係を示す特性図である。
ピストン42を内圧室ICに挿入する所定の送り速度vをV1〜V4と徐々に上げると、送り速度V1、V2、Vcでは図3に示す模式図と同様に、圧力が上昇してやがて飽和状態となる特性図が得られたが、送り速度Vcを超えた送り速度V3、V4では、圧力が飽和することなく、時間の経過と共に超高圧レベルまで内圧室ICの圧力Pが上昇していることがわかる。
すなわち、図1に示すオートフレッテージ加工装置において、ピストン42を一定の送り速度で内圧室ICに挿入して、内圧室ICの圧力Pを上昇させようとする場合には、ピストン42の送り速度vが、送り速度Vc(臨界送り速度)より大きくすれば、内圧室ICの圧力Pが飽和することなく、時間の経過と共に超高圧レベルまで上昇させることができる。このように、内圧室ICの圧力Pが、飽和することなく時間の経過と共に超高圧レベルまで圧力Pが上昇するような特性に変移した場合の送り速度を、臨界送り速度Vcと定める。
次に、上記臨界送り速度Vcの求め方について、例示説明する。なお、臨界送り速度Vcの求め方については、実験によって定めても良い。
図5は、漏れ流量と圧力の関係を解析するための説明図であり、ピストン42をワーク1の内部に挿入することにより作動油2が漏れ出している状態を示している。
隙間3(平均隙間量h)からの漏れ流量Qは、次の一般式で表せる。
Q=C*(B/12L)*(h3/η)*ΔP・・・式2
ここで、Bは、シート円周長さ(隙間3の中央部分の円周長さ)、Lは、シート幅(隙間3が形成された領域の幅)、hは、隙間3の平均隙間量、ηは作動油2の粘性係数、ΔPは、隙間3の入口・出口圧力差である。Cは、ピストンとワーク内壁との間の表面形状によって定まる係数であり、表面粗さがRz=3.2程度の研磨面のときに、C=1とする。
(1)式1に基づいて、内圧室ICのある圧力Pのときの作動油粘度ηを算出する。
この時、常圧粘度η0および粘度圧力係数αは、使用する作動油2の種別によって一義的に決定される。図6に示す一例では、常圧粘度η0=0.047(Pa・s)、粘度圧力係数α=10.328(Pa-1)の特性値を有するエーテル系3を作動油2として使用している。ここで、エーテル系3とは、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルからなる作動油のことである。
(2)続いて、式2に基づいて内圧室ICのある圧力Pのときの隙間3からの漏れ流量Qを算出する。
この時、シート円周長さBおよび平均隙間量hは製品形状から一義的に決定され、粘性係数ηは上記(1)で求めた値を使用する。なお、シート幅Lについては、本来、ピストンの挿入量と共に増大する可変パラメータであるが、発明者達の研究結果によれば、固定値として漏れ流量Qを算出しても概ね差し支えない。
図6に示す一例では、B=9.5(mm)、h=20(μm)、L=10(mm)となっている。
(3)内圧0〜800MPa程度の間で、上記(1)および(2)を実施し、各圧力時での漏れ流量Qの大きさを求め、その中で最も大きい漏れ流量Qmax(最大漏れ流量と称す)を求める。
(4)続いて、(3)で算出した最大漏れ流量Qmaxをピストン42の断面積Aで割ることにより臨界送り速度Vcを算出する。
単位時間あたりに隙間3より流出する作動油2の漏れ流量は、ワーク1内部に挿入されるピストン42の単位時間あたりの体積に等しいので、最大漏れ流量Qmaxとなる時がピストン42の送り速度が最も速くなる速度、すなわち、臨界送り速度Vcとなる。
このように、臨界送り速度Vcと最大漏れ流量Qmaxの定義がなされ、それらの関係は、次のように表すことができる。
(臨界送り速度Vc)=(最大漏れ流量Qmax)/(ピストン42の断面積A)・・・式3
図6に示す一例の場合、最大漏れ流量Qmax=2329.32(mm3/sec)、ピストン42の断面積A=70.8mm2であるため、臨界送り速度Vc=32.9(mm/sec)となる。
つまり、この臨界送り速度Vc=32.9(mm/sec)を超える速度でピストン42をワーク1内部に挿入すれば、図4(d)、図4(e)に示すように、内圧室ICの圧力Pが飽和することなく、時間の経過と共に超高圧レベルまで上昇させることが可能となる。
次に、図6で示した作動油2と同一の作動油を使用しながら隙間3の平均隙間量hを変更した場合について説明する。
図7は、隙間3の平均隙間量hを変更した場合の内圧室ICの圧力と漏れ流量の関係を示す特性図である。図7に示すように、隙間3の平均隙間量hを変更しても、圧力が変化する過程でピーク値である最大漏れ流量Qmaxが発生する特性となっているため、上記と同様に、各々の平均隙間量に応じた臨界送り速度Vcを算出すればよい。
次に、図6で示した作動油2とは異なる作動油を使用しつつ、隙間3の平均隙間量hを変更した場合について説明する。
図8は、作動油の種類および平均隙間量を変更した場合の内圧室ICの圧力と漏れ流量の関係を示す特性図であり、作動油の種類として、トリエステル系、エーテル系1、エーテル系5、モノエステル系が例示されている。ここで、エーテル系1とは、ポリエチレングリコールからなる作動油のことであり、エーテル系5とは、ポリオキシプロピレンジアルキルエーテルからなる作動油のことである。図8に示すように、作動油として図6に示すものとは異なる上記作動油を使用しても、さらに、上記作動油で隙間3の平均隙間量hを変更しても、圧力が変化する過程でピーク値である最大漏れ流量Qmaxが発生する特性となることがわかる。
以上説明したダイレクト加圧式オートフレッテージ加工によれば、使用する作動油の特性(作動油粘度η)、およびワーク1とピストン42との隙間3のスペック(平均隙間量h、シート幅B、シート円周長さL)から最大漏れ流量Qmaxを求め、その最大漏れ流量Qmaxとピストン42のスペック(断面積A)とに基づいて臨界送り速度Vcを算出することにより、当該臨界送り速度Vcより速い速度でピストン42を送り出せば、オートフレッテージ加工として必要な目標圧力(一例として700MPa〜800MPa)まで昇圧させることができる。これにより、ダイレクト加圧式オートフレッテージ加工は、シールリングを無くすことができ、シールリングの磨耗に起因するコスト増大を低減することができる。
(ダイレクト加圧式オートフレッテージ加工における各種制約)
ダイレクト加圧式オートフレッテージ加工は、上記のように、従来技術のオートフレッテージ加工の問題点を解決するものであるが、オートフレッテージ作動油を加圧するための加圧部の送り速度限界や製品形状などに起因する各種制約が発生することがある。
1つには、例えば加圧部40を駆動する駆動モータの出力不足や、寿命からみた適切な出力限界であり、これらが要因となって、送り速度vが臨界送り速度Vcに上昇できないことがある。また、駆動モータを制御する制御回路や、オートフレッテージ加工の圧力制御装置(例えば、所定以上の圧力を何秒間掛けるといった圧力制御)において、制御すべき対象が余りにも速いと制御回路・装置が適切に制御することができないというような制約が生じる。このため、送り速度vは、ある程度遅い速度を利用した方が制御しやすく、通常最大出力の7割程度に制限することが必要となる。このように、駆動モータ、圧力制御回路などから生じる様々な制約から、送り速度vには上限が存在しているので、送り速度vを臨界送り速度Vcには上昇できない場合が発生することがある。
上述の駆動モータやその制御装置に起因する限界送り速度に対する解決策の1つには、以下のようなものがある。これを例示で説明すると、シート幅L=aの状態で、第1の臨界送り速度Vca以上でダイレクト加圧式オートフレッテージ加工を行う場合、駆動モータ、圧力制御回路などから生じる様々な制約から、送り速度vを、第1の臨界送り速度Vcaには上昇できない場合である。すなわち、上記制約上の最大送り速度を、限界送り速度V0と称すると、V0<Vcaの場合である。
この場合には、仮にピストンのシート幅Lをaより長いbとなるようにできさえすれば、第2の臨界送り速度Vcbより大きい送り速度vで、ダイレクト加圧式オートフレッテージ加工を行うことができる。第1の臨界送り速度Vca、第2の臨界送り速度Vcbは、それぞれ、L=a、bに基づき、式2、3により定められる。第2の臨界送り速度Vcbは、b>aであるので、第1の臨界送り速度Vcより小さい。
図9は、隙間3のシート幅Lをaからbに変更した場合の圧力上昇波形を示す特性図である。隙間3のシート幅Lをa=10mmからb=20mmに変更した場合の圧力上昇波形は、明らかにオートフレッジ加工が可能となっていることを示している。a=10mmの場合の臨界送り速度Vca=32.9mm/secは、b=20mmの場合には、臨界送り速度Vcb=16.5mm/secと低下している。このようにして、ピストンのシート幅Lをaより長いbとすれば、所定の送り速度vを、第2の臨界送り速度Vcbより速くし、かつ、限界送り速度V0未満の適当な値に設定することができるのである。
しかしながら、ワーク1によっては、製品形状などに起因して、ピストンのシート幅Lをaより長いbにすることができない場合が発生してしまう。
さらに、ダイレクト加圧式オートフレッテージ加工を行う際に、加工の対象となるワークの形状に起因して次のような制約(ストロークが短い場合の一例)が発生することがある。
図10は、ディーゼルエンジンで用いられる燃料噴射弁の一例である。図11(a)、(b)は、燃料噴射弁に使用される一部材の一例を示す断面図である。
加工対象がディーゼルエンジンで用いられる燃料噴射弁(一例として、特開2009−203843号公報等参照)である場合について説明する。この燃料噴射弁は、コモンレールから供給される高圧側の管路101と、バルブを閉じるまでに噴射されずに残った燃料をフューエルタンクへ戻す低圧側の管路102が存在している。図10に示すように、燃料噴射弁ボデー103内部の大径部104(図11参照)においては、ボデーの中心に、ピストン等がアクチュエータ(ソレノイド又はピエゾ)により上下するように配置されているため、オートフレッジ加工を施す高圧の管路101は必然的に偏芯してしまうことになる。このため、図11(a)に示すロアボデー103’の上部管路101’は傾斜して比較的短くなってしまう。また、図11(b)に示すような場合においても、管路101’’は比較的短いことが多い。オートフレッジ加工を施す管路が短いと、ピストンの送り速度が、臨界送り速度Vcを超えて所定の圧力に達するに必要なストロークを確保できない場合が発生する。
また、加工対象がディーゼルエンジン用のコモンレールシステムである場合について説明する。燃料ポンプから吐出された燃料は、コモンレールに加圧供給される。コモンレールは、燃料ポンプから圧送された燃料を高圧状態で蓄え、高圧配管を介して各気筒の燃料噴射弁に供給する。図2のワーク1は、コモンレールを例示したもので、各気筒の燃料噴射弁に供給するための配管口23が複数配設されている。図2に示すワーク1において、オートフレッテージ加工は、少なくとも交差穴端部Xに対しても施す必要があるため、ワーク1の一端側から交差穴端部Xまでの距離が所望の圧力に達するのに必要なストロークより長くする必要がある。しかし、ワーク1の形状によっては、ワーク1の一端側から交差穴端部Xまでの距離が所定の圧力に達するのに必要なストロークより短い場合がある。
このように、ピストン42をワーク1の一端部の内壁に対して挿入するダイレクト加圧式オートフレッテージ加工には、各種制約が存在する。このような各種制約を繰り返して整理すれば、以下のように例示することができる。
(1)加圧部の能力により、ピストンの所定の送り速度を速くできない場合。
(2)加圧部の能力により、ピストンの押圧力を確保できない場合、例えば、ワークの内圧室ICの内径が大きすぎて、加圧部への負荷が大きすぎるような場合。
(3)ワーク形状により、ストロークを確保できない場合。
(4)ワーク形状により、挿入ピストン径が小さくなりすぎて、挿入ピストンに強度上の問題が生じる場合、すなわち、ワークの内圧室ICの径が小さすぎてピストンが挿入できない場合。
本発明は、上記のような加圧部の送り速度限界や製品形状などに起因する各種制約に対する解決策を提供するものである。
(本発明の一実施形態)
図12、図13は、本発明の一実施形態を説明する概略断面図である。図12では、ワーク1が高圧サプライポンプであり、図13では、ワーク1が燃料噴射弁ボデー103である。図14は、図13の本発明の一実施形態を説明する概略斜視図である。
なお、図12の高圧サプライポンプ1は、コモンレールに燃料を圧送するもので、特開2010−229924号公報等により周知のものである。図12の部分11には、吐出弁がねじ込まれ、部分12には吸入弁がねじ込まれる。13内部のICには、プランジャが挿入される。部分13の外周は円筒面となっており、ねじは形成されていない。
まず、本発明の一実施形態の概略を説明する。本発明の一実施形態では、オートフレッテージ加工を施すワーク1に上述のような各種制約が存在する場合に、ワーク1に対して着脱可能な治具を用意してオートフレッテージ加工を施すようにしたものである。治具内部には、直線流路52を有し、直線流路52は、ワーク1の端部開口14に、シール部55を介在して連通させている。そして、ワークにピストン42を挿入することなく、治具51の直線流路52において、ピストン42を臨界送り速度Vc以上で挿入することができる。これにより、超高圧になった作動油2を、シール体55’の連通孔55’’を通じて、ワーク1の内圧室ICに充填することができる。
このようにすれば、送り速度限界やワークの製品形状などに起因する各種制約が存在しても、ワーク1に対して着脱可能な治具51の方で、式2に見られるシート幅Lやシート円周長さBなどのスペックを、治具51において任意に設計することができ、臨界送り速度Vcを適宜設定可能とすることができる。
すなわち、先に例示した各種制約(1)、(3)に対して、ワーク1においてシート幅L、又はストロークが確保できなくても、治具51でシート幅L、又は、ストロークを確保すればよい。(2)に対しては、ワークの内圧室ICの内径が大きすぎて(断面積大)、加圧部への負荷が大きすぎるような場合であっても、治具51の直線流路52の径を小さくできる(断面積小)ので、加圧部のモータの負荷を軽減することができる。(4)に対しては、ワークの内圧室ICの内径が小さすぎて、挿入するピストン42の径が小さくて強度上の問題が生じる場合であっても、治具51の直線流路52の径を大きくできるので、ピストン42の径の強度上の問題を解決することができる。
以下、図12、13を参照して、本発明の一実施形態を説明する。図12では、ワーク1が高圧サプライポンプであり、図13では、ワーク1が燃料噴射弁ボデー103であるが、本実施形態はこれらのワークに限定されるものではない。
図12では、ワーク1が高圧サプライポンプであり、ワーク1は図示していないベース56(図14参照)に対して、Vブロックなどで載置され、シール体55’を、それぞれワーク1の端部開口14(ワーク端部開口)と直線流路52の端部開口52’(連結端部開口、Rや面取りなどが形成されている)に挿入して、シールする。内圧室ICに作動油2が送り込まれるように、シール体55’には連通孔55’’が設けられている。ワーク1の端部開口14の内周面の面取りなどを利用する場合には、シール部によるワークへの変形が生じても、製品として問題が発生しないので便利である。
シール体55’は、ワーク1と治具51との間で、シール漏れがあってはならないので、治具51は、ワークに対して、長尺ボルト57で4箇所ほどベース56にねじ止めして、締め付けている。図15(a)〜(c)は、シール体55’の変形例である。(a)は、上述のボールシールであり、(b)は、そろばんの玉形であり、(c)は、円筒形の上下面にR加工されたものである。これらは単なる一例であり、これらに限定されることなく様々な変形例が存在する。要は、シール体55’は、ワーク1と治具51のそれぞれの端部開口の形状に合わせてシール可能な構成に設計すればよい。
シール体55’の材質は、銅やなどの通常のシール金属のみならず、機械的強度さえクリアできれば合成樹脂であっても良い。ウレタン、フッ素樹脂、クロロプレン、ニトリルが適当であり、エチレン、ブチルなども使用可能である。
金属と合成樹脂の使い分けとしては、ワーク1に傷をつけたくない場合、すなわち、製品完成時のシール面など性状が損傷していないことが必須の場合は、合成樹脂を使用すると良い。傷があっても差支えがない部分(図12のワーク1の端部開口14内周の面取りが形成されている部分等)なら金属で良い。また、金属シールでも、オートフレッテージ加工終了後に、シール時にシール体55’により生じたワークの凹み部分を後で除去するならば問題ない。
ピストン42を直線通路52に挿入したときに、エアが混入されるので、治具51には、直線流路52に連通するエア抜き通路53が設けられている。そして、エア抜き通路53には、オートフレッテージ加工に作動油が漏れないように、エア抜き通路の止め栓54が設けられている。
なお、この止め栓54は、必ずしも治具51に設ける必要はない。例えば、エア抜き通路53に連通する供給管を該エア抜き通路53の開口に配設し、当該供給管の途中に弁を設けて、該弁にてこの供給管を開閉するようにしてもよい。
また、図12のように内圧室ICのストロークが不足して、ワーク1においてストロークが確保できなくても、治具51でストロークを確保することができるようになる。
図13では、ワーク1が燃料噴射弁ボデー103である。図14に示すように、燃料噴射弁ボデー103は、ベース56に対して、Vブロックなどで載置されている。シール体55’で、それぞれ燃料噴射弁ボデー103の内圧室ICの端部開口と直線流路52の端部開口がシールされている。シール体55’は、シール漏れがあってはならないので、治具51は、燃料噴射弁ボデー103に対して、長尺ボルト57で4箇所ほどベース56にねじ止めして、締め付けている。高圧管路101の出口はシールボール20により、ねじキャップ21で封止されている。その他、図12の場合と同様である。
図13の場合を、内圧室ICの径が小さすぎてピストンが挿入できない場合とすれば、治具51により、直線流路52の径を大きくできるので、ピストン42の径の強度上の問題を解決することができる。
図16(a)〜(e)は、シール部55の他の変形例を示す断面図である。
図12、13では、シール体55’を用いて、シール部55を構成していた。シール部55は、シール体55’を用いることなく、図16(a)のように、ワーク1の端部開口面と、治具51の端部開口面を直接接合させてシール部55としても良い。この場合には、ワーク1と治具51のそれぞれの端部開口面の加工精度を良くしておく必要がある。この場合も、ワーク1と治具51との間で、シール漏れがあってはならないので、治具51は、ワークに対して、長尺ボルト57で4箇所ほどベース56にねじ止めして、締め付けている。場合により、シール漏れがないように、長尺ボルト57の締め付けトルクを若干高めにするかもしくはボルト径を大きくすると良い。
図16(b)では、Oリング49を使用してシール部55を構成している。図16の(a)、(b)の場合には、ワーク1の端部開口面と、治具51の端部開口面のスペースが広く取れる時には有効である。また、図16(a)、(b)の場合に、ワーク端部開口14、連結端部開口52’に設けられたテーパ(面取り含む)やR部は特段設けなくてもよい。
製品として、ワーク1にテーパ面が存在する場合には、図16(c)のようにして、シール部55を構成しても良い。エッジで面圧を高くしてシール性を向上させたい場合には、図16(d)のように、円環状の断面山形突起59を形成すると良い。ワーク1の端部開口面に、Oリング挿入溝などの円環溝が存在する場合には、それを利用して、治具51の端部開口面に円環凸部59’を設けて、シール部55を構成すると良い。図13の燃料噴射弁ボデー103に見られるように、製品端部(ねじ部ねじキャップ21で封止部位)に、ねじが存在する場合には、治具51に封止できるように雌ねじや雄ねじを設置して、シール部55を構成しても良い。
以上説明したように、製品形状などに起因する各種制約が存在しても、ワーク1に対して着脱可能な治具を用意してオートフレッテージ加工を施すようにすれば、様々な次のような効果を得ることができる。
ワーク形状によらず、治具51の直線流路52ならば、シート幅Lやシート円周長さBなどのスペックを、任意に設計することができ、臨界送り速度Vcを適宜設定可能とすることができる。しかも、複数製品(ワーク)に対して併用して、燃料噴射弁、シリンダポンプなど共用の治具にすることもできる。これにより、治具51の製造コストを低減することができる。
図13のように内圧室ICの径が小さすぎてピストンが挿入できない場合には、治具51により、直線流路52の径を大きくできるので、ピストン42の径の強度上の問題を解決することができる。これと反対に、ワークの内圧室ICの内径が大きすぎて(断面積大)、加圧部への負荷が大きすぎるような場合であっても、治具51の直線流路52の径を小さくできる(断面積小)ので、加圧部のモータの負荷、必要荷重を低減できる。このため、加圧部を小型のプレス機の使用で済ませることができるので、設備小型化を図ることができる。
ワーク1の内圧室ICにピストン42を挿入する場合には、煩雑な芯出し、位置決め作業が必要であったが、治具51によればシール部55の作業だけで済むので作業が簡単になり、位置決めユニットが必要なくなり、サイクルタイムを削減することができる。これにより、コスト低減、総投資額抑制(5台必要なところ4台で済む)という効果を得ることができる。
1 ワーク
2 作動油
3 隙間
14 ワーク端部開口
40 加圧部
42 ピストン
51 治具
52 直線流路
52’ 連結端部開口
53 エア抜き通路

Claims (7)

  1. ワーク端部開口(14)および内圧室(IC)を有し、当該内圧室(IC)は、前記ワーク端部開口(14)を除いて密閉され、当該ワーク端部開口(14)から当該内圧室(IC)に作動油(2)が充填されるワーク(1)と、
    当該ワーク(1)に対して着脱可能であり、内部に直線流路(52)を有し、当該直線流路(52)は、前記ワーク端部開口(14)に対してシール部(55)を経由して漏れなく連通するよう構成された治具(51)と、
    前記治具内部に設けられた前記直線流路(52)の内壁に対して、所定の平均隙間量(h)を有する隙間(3)を形成するピストン(42)と、
    当該ピストン(42)を駆動する加圧部(40)と、を具備し、
    前記加圧部(40)は、前記作動油(2)で充填された前記直線流路(52)において前記ピストン(42)が所定の送り速度(v)となるように、前記ピストン(42)を駆動するものであり、
    当該駆動により前記隙間(3)より漏れ出す前記作動油(2)の、単位時間当たりの最大漏れ流量(Qmax)に相当する臨界送り速度(Vc)よりも前記所定の送り速度(v)を速くすることにより、前記ワーク(1)にオートフレッテージ加工を施すことを特徴とするオートフレッテージ加工装置。
  2. 前記治具(51)には、前記直線流路(52)に連通するエア抜き通路(53)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のオートフレッテージ加工装置。
  3. 前記エア抜き通路(53)には、エア抜き通路の止め栓(54)が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のオートフレッテージ加工装置。
  4. 前記シール部(55)は、連通孔(55’’)が貫通したシール体(55’)を、前記ワーク(1)のワーク端部開口(14)と、前記治具(51)の直線流路(52)の連結端部開口(52’)との間に隙間なく押し当てることによりシールしたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のオートフレッテージ加工装置。
  5. 前記シール体(55’)が、金属又は合成樹脂で形成されていることを特徴とする請求項4に記載のオートフレッテージ加工装置。
  6. 前記シール部(55)は、前記ワーク(1)のワーク端部開口(14)と、前記治具(51)の直線流路(52)の連結端部開口(52’)とを隙間なく押し当てるか連結することによりシールしたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のオートフレッテージ加工装置。
  7. 前記ワーク(1)のワーク端部開口(14)か、前記治具(51)の直線流路(52)の連結端部開口(52’)のいずれか一方又は双方に、Oリング、円環突起、テーパ面、又は、ねじが設けられていることを特徴とする請求項6に記載のオートフレッテージ加工装置。
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