JP5527150B2 - 電力変換装置 - Google Patents

電力変換装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5527150B2
JP5527150B2 JP2010225353A JP2010225353A JP5527150B2 JP 5527150 B2 JP5527150 B2 JP 5527150B2 JP 2010225353 A JP2010225353 A JP 2010225353A JP 2010225353 A JP2010225353 A JP 2010225353A JP 5527150 B2 JP5527150 B2 JP 5527150B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
operation signal
signal
switching element
drive circuit
abnormality
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010225353A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012080703A (ja
Inventor
健 森岡
浩也 辻
洋 稲村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2010225353A priority Critical patent/JP5527150B2/ja
Publication of JP2012080703A publication Critical patent/JP2012080703A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5527150B2 publication Critical patent/JP5527150B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/64Electric machine technologies in electromobility

Landscapes

  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)
  • Inverter Devices (AREA)

Description

本発明は、回転機を直流電源の正極側に接続する高電位側スイッチング素子及び該回転機を前記直流電源の負極側に接続する低電位側スイッチング素子の直列接続体と、前記スイッチング素子の操作信号を生成する処理を行う制御手段と、前記生成された操作信号を入力として前記スイッチング素子をオン状態又はオフ状態とするための駆動信号を出力する駆動回路とを備えて構成される電力変換装置に関する。
この種の装置としては、正弦波PWM制御や過変調制御によってインバータのスイッチング素子を操作することで回転機を制御するものが知られている。詳しくは、正弦波PWM制御は、回転機への指令電圧と三角波との大小比較に基づきスイッチング素子の操作信号を生成し、生成された操作信号を入力として駆動回路から駆動信号を出力することでスイッチング素子を操作するものである。また、過変調制御は、回転機への指令電圧のピーク値が直流電源の電圧の1/2を上回る場合に、回転機への指令電圧に対する回転機への実際の印加電圧の不足分を補償するようにスイッチング素子の操作信号を生成することで、スイッチング素子を操作するものである。
ここで上記駆動回路からスイッチング素子までの信号伝達経路等に異常が生じると、スイッチング素子をオフ状態とすることができなくなる異常(以下、短絡異常)が生じることがある。短絡異常が生じると、高電位側のスイッチング素子及び低電位側のスイッチング素子の双方がオン状態とされる事態が発生し、これらスイッチング素子に短絡電流が流れることによってスイッチング素子等の信頼性が低下するおそれがある。
こうした問題を解決すべく、下記特許文献1に見られるように、スイッチング素子の導通制御端子への電圧印加状態及びスイッチング素子の操作信号等に基づき、上記信号伝達経路の異常の有無を診断する技術が開示されている。
特開2008−011608号公報
ところで、上記信号伝達経路の異常の有無についての診断手法としては、上記特許文献1に記載された手法とは別に、スイッチング素子をオン状態とするための操作信号(オン操作信号)からオフ状態とするための操作信号(オフ操作信号)に切り替えられた場合における駆動回路に入力される上記操作信号の変化や駆動回路から出力される駆動信号の変化に基づくものも考えられる。ここで、このような診断手法を採用する場合、過変調制御が行われる状況下において信号伝達経路の異常の有無についての診断頻度が低下するおそれがある。つまり、過変調制御が行われる場合には通常、正弦波PWM制御が行われる場合と比較して、オン操作信号やオフ操作信号が継続して出力される時間が長くなる傾向にある。このため、オン操作信号からオフ操作信号に切り替えられる頻度が低下することで診断頻度が低下するおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、過変調制御が行われる場合において、上記信号伝達経路等の異常診断頻度の低下を回避するためのスイッチング素子の操作信号を適切に生成することのできる電力変換装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、回転機を直流電源の正極側に接続する高電位側スイッチング素子及び該回転機を前記直流電源の負極側に接続する低電位側スイッチング素子の直列接続体と、前記スイッチング素子の操作信号を生成する処理を行う制御手段と、前記生成された操作信号を入力として前記スイッチング素子をオン状態又はオフ状態とするための駆動信号を出力する駆動回路とを備えて構成される電力変換装置において、前記制御手段は、前記回転機への指令電圧のピーク値が前記直流電源の電圧の1/2を上回る場合に、前記指令電圧に対する前記回転機への実際の印加電圧の不足分を補償するための前記操作信号を生成する過変調処理を行うものであり、前記制御手段によって前記過変調処理が行われることで該制御手段から前記駆動回路にオン操作信号が出力される期間に、該出力されるオン操作信号を一時的にオフ操作信号に強制的に変更する強制変更手段を備えることを特徴とする。
上記発明では、過変調処理が行われることで制御手段から駆動回路にスイッチング素子をオン状態とするための操作信号(オン操作信号)が出力される期間に、上記出力されるオン操作信号を、スイッチング素子をオフ状態とするための操作信号(オフ操作信号)に強制的に変更する。このため、オン操作信号からオフ操作信号に切り替えられる頻度が低下する過変調処理が行われる場合であっても、上記信号伝達経路の異常の有無の診断用にオン操作信号からオフ操作信号に切り替えることができる。これにより、上記信号伝達経路の異常の有無についての診断頻度の低下を回避するための操作信号を適切に生成することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記オン操作信号から前記オフ操作信号に切り替えられた場合における前記駆動回路に入力される前記操作信号の変化又は該駆動回路から出力される駆動信号の変化に基づき、前記制御手段から前記スイッチング素子までの信号伝達経路の異常の有無を診断する診断手段を備えることを特徴とする。
上記発明では、オン操作信号からオフ操作信号への切り替えによって上記信号伝達経路の異常の有無を適切に診断することができる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記制御手段は、前記過変調処理として、前記指令電圧と三角波との大小比較に基づき前記操作信号を生成する処理を行うものであり、前記強制変更手段は、前記出力されるオン操作信号を、前記三角波の周期毎のタイミングで前記オフ操作信号に強制的に変更することを特徴とする。
上記発明では、過変調処理で用いられる三角波を利用することで、オン操作信号をオフ操作信号に強制的に変更するタイミングを簡易に設定することができる。
請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記制御手段は、前記過変調処理として、前記回転機の電気角と関連付けられたタイミングで前記スイッチング素子をオン状態又はオフ状態とするための前記操作信号を生成する処理を行うものであり、前記強制変更手段は、前記出力されるオン操作信号を、前記電気角と関連付けられたタイミングで前記オフ操作信号に強制的に変更することを特徴とする。
上記発明では、過変調処理によって上記態様にてスイッチング素子の操作信号を生成している。このため上記発明では、オン操作信号をオフ操作信号に強制的に変更するタイミングを電気角と関連付けられたタイミングとして設定することで、オフ操作信号への強制的な変更を適切に行うことができる。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明において、前記制御手段及び前記強制変更手段は、前記駆動回路に対して前記操作信号を出力する制御装置に備えられ、前記オン操作信号から前記オフ操作信号に切り替えられた場合における前記駆動回路に入力される前記操作信号の変化又は該駆動回路から出力される駆動信号の変化に基づき、前記制御手段から前記スイッチング素子までの信号伝達経路の異常の有無を診断する診断手段を更に備え、該診断手段は、前記制御装置及び前記駆動回路のそれぞれに備えられる複数の手段であることを特徴とする。
上記発明では、駆動回路にも異常診断機能を持たせることで、異常診断の信頼性を向上させることなどができる。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記駆動回路は、該駆動回路の備える前記診断手段によって前記信号伝達経路に異常が生じている旨診断された場合、前記スイッチング素子を強制的にオフ状態とさせるシャットダウン機能及び前記異常が生じている旨を外部に通知する通知機能のうち少なくとも1つを有することを特徴とする。
上記発明では、駆動回路にシャットダウン機能や通知機能を持たせることで、上記信号伝達経路に異常が生じた状態で電力変換装置が継続して使用される事態を極力回避することができる。
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明において、前記強制変更手段は、前記オフ操作信号に強制的に変更する時間を、前記スイッチング素子が実際にオフ状態とならないようなものとすることを特徴とする。
上記発明では、オン操作信号からオフ操作信号への強制的な変更によってスイッチング素子が実際にオフ状態とされることを回避することができる。これにより、スイッチング素子の操作状態が実際に切り替えられることに伴う電力損失(スイッチング損失)の増大等を回避することができる。
請求項8記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明において、前記強制変更手段は、前記オフ操作信号に前記強制的に変更する時間を、前記駆動回路が反応しない時間とすることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明において、前記制御手段は、前記過変調処理として、前記回転機の電気角と関連付けられて、かつ基準となる値に対する論理「H」及び論理「L」からなるPWM信号の論理値に応じて、前記スイッチング素子をオン状態又はオフ状態とするための前記操作信号を生成する処理を行うものであり、前記制御手段は、さらに、前記電気角の1周期のうち、前半における前記PWM信号の論理値の推移と、後半における前記PWM信号の論理値の推移とが、前記電気角の1周期の中央値かつ前記基準となる値から定まる点に対して点対称となるように前記操作信号を生成する処理を行うものであり、前記強制変更手段は、前記出力されるオン操作信号を、前記電気角と関連付けられたタイミングで前記オフ操作信号に強制的に変更するものであり、前記強制変更手段は、さらに、前記オフ操作信号に前記強制的に変更する時間を、前記電気角の1周期のうち前半及び後半のそれぞれにおいて前記回転機に印加される平均電圧が等しくならないことを回避できる時間とすることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項1〜のいずれか1項に記載の発明において、前記制御手段は、前記過変調処理として、前記回転機の電気角の一周期に前記高電位側スイッチング素子及び前記低電位側スイッチング素子を各1回オン状態とするような前記操作信号を生成する矩形波処理を行うことを特徴とする。
上記発明では、回転機への指令電圧に対する実際の印加電圧が大きく不足する状況下においてこれを補償すべく矩形波処理によって上記態様にて操作信号を生成している。ここで矩形波処理が行われると、オン操作信号からオフ操作信号に切り替えられる頻度の低下が顕著となる。このため、操作信号の切り替え頻度の低下が顕著となる上記発明は、強制変更手段を備えるメリットが大きい。
請求項11記載の発明は、請求項1〜10のいずれか1項に記載の発明において、前記オン操作信号から前記オフ操作信号に切り替えられた場合における前記駆動回路に入力される前記操作信号の変化又は該駆動回路から出力される駆動信号の変化に基づき、前記制御手段から前記スイッチング素子までの信号伝達経路の異常の有無を診断する診断手段を更に備え、該診断手段は、前記オン操作信号から前記オフ操作信号に切り替えられるタイミングにおいて前記異常の有無を診断することを特徴とする。
上記発明では、上記タイミングにおいて信号伝達経路の異常の有無を診断するため、信号伝達経路に異常が生じているか否かを極力速やかに診断することができる。
一実施形態にかかるシステム構成図。 一実施形態にかかるスイッチング素子の操作信号の生成処理を示すブロック図。 一実施形態にかかる三角波比較によるスイッチング素子の操作信号の生成手法の概要を示す図。 一実施形態にかかる信号伝達経路の異常診断のための構成を示す図。 一実施形態にかかる信号伝達経路の異常診断処理の一例を示すタイムチャート。 一実施形態にかかる信号伝達経路の異常診断処理の一例を示すタイムチャート。
以下、本発明にかかる電力変換装置(パワーコントロールユニット)を、車載主機として回転機及び内燃機関が搭載されたハイブリッド車両に適用した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかるパワーコントロールユニットを備える回転機の制御システムの全体構成を示す。
上記制御システムを構成するパワーコントロールユニットは、昇圧コンバータCVと、モータジェネレータ10を制御対象とする電子制御装置(以下、MGECU11)とを備えて構成されている。
上記モータジェネレータ10は、3相回転機である。本実施形態では、モータジェネレータ10として、永久磁石同期モータ(例えば埋め込み磁石同期モータ)を想定している。
モータジェネレータ10は、インバータIV及び昇圧コンバータCVを介して高電圧バッテリ12に接続されている。ここで昇圧コンバータCVは、高電圧バッテリ12の電圧(例えば「288V」)を所定の電圧(例えば「666V」)を上限として昇圧するものである。一方、インバータIVは、パワー素子としての高電位側のスイッチング素子Sjp(j=u,v,w)及び低電位側のスイッチング素子Sjnの直列接続体が3つ並列接続されて構成されている。そして、これら高電位側のスイッチング素子Sjp及び低電位側のスイッチング素子Sjnの接続点が、モータジェネレータ10のU,V,W相にそれぞれ接続されている。
これら高電位側のスイッチング素子Sjp及び低電位側のスイッチング素子Sjnは、いずれも電圧制御形のスイッチング素子である絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)にて構成されている。なお、上記高電位側のスイッチング素子Sjp及び低電位側のスイッチング素子Sjnのそれぞれの入出力端子間(コレクタ及びエミッタ間)には、高電位側のフリーホイールダイオードFDp及び低電位側のフリーホイールダイオードFDnのカソード及びアノードが接続されている。
上記制御システムには、モータジェネレータ10の回転角度(電気角θ)を検出する回転角度センサ14(例えばレゾルバ)、モータジェネレータ10の各相を流れる電流iu,iv,iwを検出する電流センサ16,18,20及びインバータIVの入力電圧(電源電圧VDC)を検出する電圧センサ22が備えられている。
上記各種センサの検出値は、インターフェース24を介して低圧システムを構成する上記MGECU11に取り込まれる。MGECU11は、制御対象としてのモータジェネレータ10の制御量を制御すべく、上記インバータIVを操作する。詳しくは、MGECU11は、上記各種センサの検出値等に基づき、インバータIVのU相、V相、及びW相のそれぞれについての高電位側のスイッチング素子Sjpを操作する操作信号gjpと、低電位側のスイッチング素子Sjnを操作する操作信号gjnとを生成する。
MGECU11によって生成された操作信号gjp,gjnは、駆動回路DUに取り込まれる。駆動回路DUは、上記インバータIVの各相のスイッチング素子Sjp,Sjnのそれぞれに対応して設けられており、これらスイッチング素子Sjp,Sjnの導通制御端子(ゲート)に接続される。詳しくは、駆動回路DUは、操作信号gjp,gjnのそれぞれを入力として、スイッチング素子Sjp,Sjnのそれぞれを駆動する駆動信号djp,djnを生成する。すなわち、スイッチング素子Sjp,Sjnは、駆動回路DUを介してMGECU11によって操作される。
ちなみに、本実施形態では、インターフェース24としてフォトカプラを想定している。これにより、インバータIVを備える高圧システムと、MGECU11を備える低圧システムとをフォトカプラによって絶縁しつつ、低圧システム側と高圧システム側とで情報のやり取りが可能となる。また、高電位側のスイッチング素子Sjpについての操作信号gjpと、低電位側のスイッチング素子Sjnについての操作信号gjnとは、交互にオン操作指令となる相補信号である。
上記MGECU11は、車両制御を行うべく外部に設けられるハイブリッド電子制御装置(以下、HVECU28)と情報のやり取りを行っている。詳しくは、MGECU11には、HVECU28からモータジェネレータ10の制御量についての指令値(要求トルク)等が入力される。一方、HVECU28には、MGECU11からフェール信号FL等が入力される。
次に、MGECU11の行う処理のうち、モータジェネレータ10を制御するための各種処理について説明する。本実施形態では、モータジェネレータ10を、正弦波PWM制御、過変調制御及び矩形波制御によって制御する。以下、図2及び図3を用いて、これら制御について詳述する。
図2に、スイッチング素子Sjk(j=u,v,w、k=p,n)の操作信号gjkの生成に関する処理のブロック図を示す。
まず、正弦波PWM制御について説明する。
2相変換部B1は、回転角度センサ14による電気角θの検出値に基づき、モータジェネレータ10の各相を流れる電流iu,iv,iwを、回転2相座標系の実電流であるd軸上の実電流idとq軸上の実電流iqとに変換する。なお、2相変換部B1の出力のd,q軸成分は、図示しないローパスフィルタにて高周波成分がカットされる。
指令電流設定部B2は、要求トルクTrに基づき、回転2相座標系の電流の指令値であるd軸上の指令電流idrと、q軸上の指令電流iqrとを設定する。
正弦波PWM指令電圧設定部B3は、モータジェネレータ10の生成トルクを要求トルクTrとすべく、モータジェネレータ10の3相の指令電圧vjr(j=u,v,w)を設定する。詳しくは、d,q軸上の実電流id,iqを指令電流idr,iqrにフィードバック制御するための操作量としてのd,q軸上の指令電圧を設定する。具体的には、実電流id,iqと指令電流idr,iqrとの偏差に基づく比例積分制御によってd,q軸上の指令電圧を設定する。そして、設定されたd,q軸上の指令電圧を、3相の指令電圧vjrに変換する。
三角波比較信号生成部B4は、第1セレクタSL1を介して入力された3相の指令電圧vjrと、図示しない三角波生成回路によって生成される所定周期のキャリア(三角波)との大小比較に基づき、操作信号gjkを生成する。ここで図3(A)を用いて、正弦波PWM制御による操作信号gjkの生成態様の一例を示す。詳しくは、図3(a―1)に、三角波比較信号生成部B4に入力される正弦波(指令電圧vjr)及び三角波の推移を示し、図3(a―2)に、PWM信号の推移を示す。なお、PWM信号が論理「H」となる期間において、高電位側のスイッチング素子Sjpをオン状態とするための論理「H」の電圧(オン操作信号)が操作信号gjpとして生成されて且つ、低電位側のスイッチング素子Sjnをオフ状態とするための論理「L」の電圧(オフ操作信号)が操作信号gjnとして生成される。一方、PWM信号が論理「L」になる期間においては、オフ操作信号が上記操作信号gjpとして生成されて且つ、オン操作信号が上記操作信号gjnとして生成される。
図示されるように、指令電圧Vjrが三角波の値よりも小さくなる期間においてPWM信号が立ち下がって論理「L」となり、指令電圧Vjrが三角波の値以上になる期間においてPWM信号が立ち上がって論理「H」となる。そしてPWM信号の論理値に応じて操作信号gjp,gjnが生成される。
次に、先の図2に戻り、過変調制御及び矩形波制御について説明する。
過変調制御及び矩形波制御は、指令電圧vjrのピーク値(例えば指令電圧Vjrの基本波成分の振幅)が電源電圧VDCの1/2を上回る場合に、指令電圧Vjrに対するモータジェネレータ10への実際の印加電圧の不足分を補償するための操作信号gjkを生成するためのものである。
詳しくは、トルク推定部B5は、実電流id,iqを入力として推定トルクTeを算出する。ここで推定トルクTeは例えば、実電流id,iqと推定トルクTeとの関係を定めたマップや数式を用いて算出すればよい。
角速度算出部B6は、回転角度センサ14の検出値に基づき電気角速度ωを算出する。
電圧振幅設定部B7は、要求トルクTr及び算出された電気角速度ωに基づき、インバータIVの出力電圧ベクトルの振幅Vnを設定する。ここで上記振幅Vnは、上記ベクトルの各成分の2乗の和の平方根によって定義される。なお、インバータIVの出力電圧ベクトルの振幅Vnは、例えば、要求トルクTr及び電気角速度ωと関係付けられた上記振幅Vnが規定されるマップを用いて設定すればよい。
位相設定部B8は、推定トルクTeを要求トルクTrにフィードバック制御するための操作量としての位相δを設定する。詳しくは、この位相δは、要求トルクTrと推定トルクTeとの偏差に基づく比例積分制御によって設定すればよい。
位相加算部B9は、上記位相δと電気角θとの加算値を算出する。これは、後述する過変調指令電圧設定部B10及び正負対称信号生成部B11において、指令電圧等を3相のものとして取り扱うためである。
過変調指令電圧設定部B10は、上記位相δ及び電気角θの加算値と、インバータIVの出力電圧ベクトルの振幅Vnとに基づき、モータジェネレータ10の3相の指令電圧vjrを設定する。こうして設定される指令電圧vjrのピーク値は、正弦波PWM指令電圧設定部B3によって設定される指令電圧vjrのピーク値よりも大きくなる。
上記過変調指令電圧設定部B10によって設定された指令電圧Vjrは、第1セレクタSL1を介して上記三角波比較信号生成部B4に入力される。そして三角波比較信号生成部B4では、入力された3相の指令電圧vjrと三角波との大小比較に基づき、操作信号gjkを生成する。ここで図3(B)を用いて、過変調制御による操作信号gjkの生成態様の一例を示す。詳しくは、図3(b―1)及び図3(b−2)は、先の図3(a―1)及び図3(a―2)に対応している。
図示されるように、指令電圧Vjrのピーク値が電源電圧VDCの1/2を上回る状況下、モータジェネレータ10への実際の印加電圧の不足分を補償するように指令電圧Vjr等が設定される。こうして設定された指令電圧Vjrによれば、指令電圧vjrが正となる場合、指令電圧Vjrが三角波の値を上回る期間が拡大され、指令電圧vjrが負となる場合には、指令電圧Vjrが三角波を下回る期間が拡大されることで、PWM信号の論理値が継続して「H」又は「L」とされる期間が長くなる。これにより、操作信号gjkとしてオン操作信号が継続して出力される期間が長くなり、モータジェネレータ10への実際の印加電圧の不足分を補償することが可能となる。
なお、過変調制御によっても上記印加電圧が不足する場合には、矩形波制御が行われる。詳しくは、矩形波制御は、電気角θの1周期に高電位側のスイッチング素子Sjp及び低電位側のスイッチング素子Sjnを各1回オン状態とするような操作信号gjkを生成するものである。このような操作信号gjkは、先の図2の電圧振幅設定部B7によってインバータIVの出力電圧の振幅Vnを過変調制御が行われる場合よりも増大させること等により、指令電圧Vjrを増大させることで生成することができる。
先の図2に戻り、正負対称信号生成部B11は、指令電圧Vjrと三角波との大小比較によらず過変調制御及び矩形波制御を行うべく、電気角θと関連付けられたタイミングでスイッチング素子Sjkをオン状態又はオフ状態とするための操作信号gjkを生成する。本実施形態では、電気角θの1周期のうち、前半におけるPWM信号の論理値の推移と、後半におけるPWM信号の論理値の推移とが、電気角θの1周期(360°)の中央値(180°)及びPWM信号の基準となる値(「0」)に対して点対称となるように操作信号gjkを生成する。この生成手法は、過変調制御や矩形波制御を行う場合に、電気角θの1周期のうち前半及び後半のそれぞれにおいてモータジェネレータ10に印加される平均電圧が等しくならないことに起因して、モータジェネレータ10の生成トルクが適切なものにならない等の不都合を回避するためのものである。つまり、指令電圧Vjrと三角波との大小比較によって操作信号gjkを生成する場合、モータジェネレータ10の電気角θの1周期と、三角波の規定数の周期とが同期しないこと等に起因して、電気角θの1周期のうち前半及び後半のそれぞれにおいてモータジェネレータ10に印加される平均電圧を等しくすることが困難となり、上記不都合が発生するおそれがある。そしてこの不都合の影響は、正弦波PWM制御が行われる場合と比較して、過変調制御や矩形波制御が行われる場合に大きくなり得る。このため、過変調制御又は矩形波制御を行う場合、電気角θと関連付けられたタイミングで上記態様にて操作信号gjkを生成することで、電気角θの1周期のうち前半及び後半のそれぞれにおいてモータジェネレータ10に印加される平均電圧を極力等しくすることで、上記不都合の回避を図る。
なお、上記操作信号gjkは、電気角θ及び位相δの加算値と、インバータIVの出力電圧ベクトルの振幅Vnとに基づき設定すればよい。具体的には、操作信号gjkと、電気角θ及び上記振幅Vn等とが関連付けられたマップを用いて設定すればよい。これは、予め数値計算等によって操作信号gjkの設定パターンを上記振幅Vn等と関連付けることが可能であることに鑑みたものである。
第2セレクタSL2は、三角波比較信号生成部B4又は正負対称信号生成部B11から出力される操作信号gjkをインターフェース24に出力する。
ちなみに本実施形態では、変調率に応じて正弦波PWM制御、過変調制御及び矩形波制御のうちいずれかが選択されて実行される。詳しくは例えば、変調率が1以下となる場合、正弦波PWM制御が選択され、変調率が1よりも大きくなる場合、過変調制御が選択され、更に、変調率が1よりも大きい規定値となる場合には、矩形波制御が選択される。ここでこれら制御のうちいずれを選択するかは、具体的には、変調率に応じて第1セレクタSL1及び第2セレクタSL2を適宜操作することで実現すればよい。また、変調率は、指令電圧vjrのピーク値を電圧センサ22によって検出される電源電圧VDCで除算した値として算出すればよい。
次に、本実施形態にかかるインターフェース24からスイッチング素子Sjkまでの信号伝達経路の異常の有無を診断する手法について説明する。これは、各相のスイッチング素子Sjkをオフ状態とすることができなくなる異常(短絡異常)が生じているか否かを診断するためのものである。つまり、上記短絡異常が生じると、同相の高電位側のスイッチング素子Sjp及び低電位側のスイッチング素子Sjnの双方がオン状態とされる事態が発生し、これらスイッチング素子に短絡電流が流れることによってスイッチング素子等の信頼性が低下するおそれがある。
図4に、上記信号伝達経路の異常診断処理を行うための構成について説明する。なお、図4では、異常診断処理を行うための各駆動回路DUの構成が同様なものであるため、これら駆動回路DUのうち1つについて示している。また、第2セレクタSL2からインターフェース24に出力される操作信号をgjkAとして表し、インターフェース24から駆動回路DUに出力される操作信号をgjkBとして表すこととする。
駆動回路DUは、入力された操作信号gjkBに基づき、スイッチング素子Sjkに駆動信号djkを出力する。詳しくは、駆動回路DUにオン操作信号が入力された場合、駆動回路DUから駆動信号djkとして論理「H」の電圧(オン駆動信号)が出力され、駆動回路DUにオフ操作信号が入力された場合、駆動回路DUから駆動信号djkとして論理「L」の電圧(オフ駆動信号)が出力される。
MGECU11には、スイッチング信号監視部B12が設けられている。スイッチング信号監視部B12は、第2セレクタSL2から出力される操作信号gjkA、駆動回路DUに入力される操作信号gjkB及び駆動回路DUから出力される駆動信号djkを入力として、インターフェース24からスイッチング素子Sjkまでの信号伝達経路の異常の有無を診断する。本実施形態では、操作信号gjkAがオン操作信号からオフ操作信号に切り替えられる(立ち下がる)場合における上記操作信号gjkBの変化や駆動信号djkの変化に基づき、上記信号伝達経路の異常の有無を診断する。詳しくは、上記操作信号gjkAの立ち下がりに伴い、駆動信号djkがオン駆動信号からオフ駆動信号に立ち下がると判断された場合、第2セレクタSL2からスイッチング素子Sjkまでの信号伝達経路に異常が生じていない旨診断し、駆動信号djkが立ち下がらないと判断された場合には、上記信号伝達経路に異常が生じている旨診断する。
なお、上記操作信号gjkAの立ち下がりに伴い、上記操作信号gjkBが立ち下がると判断された場合、第2セレクタSL2から駆動回路DUまでの信号伝達経路に異常が生じていない旨診断し、上記操作信号gjkBが立ち下がらないと判断された場合、第2セレクタSL2から駆動回路DUまでの信号伝達経路に異常が生じている旨診断する。
ところで、過変調制御が行われる場合、正弦波PWM制御が行われる場合と比較して、先の図3に示すようにオン操作信号及びオフ操作信号が継続して出力される期間が長くなり、スイッチング頻度が低下する傾向にある。この場合、第2セレクタSL2から出力される操作信号gjkAの立ち下がり頻度が低下することで、操作信号gjkAの立ち下がりを入力とした異常診断処理の実行頻度が低下するおそれがある。特に矩形波制御が行われる場合には、スイッチング頻度の低下が顕著となることで、異常診断処理の実行頻度の低下が顕著となるおそれがある。
こうした問題を解決すべく、本実施形態では、強制変更部B13を設け、過変調制御又は矩形波制御が行われる状況下、第2セレクタSL2から出力される操作信号gjkAとしてオン操作信号が出力される期間に、上記出力されるオン操作信号をオフ操作信号に強制的に変更する強制変更処理を行う。これにより、スイッチング回数が低下する過変調制御や矩形波制御が行われる場合であっても、スイッチング頻度の低下に起因する信号伝達経路の異常の有無についての診断頻度の低下の回避を図る。
ここで強制変更処理について詳述すると、オフ操作信号に強制的に変更する時間(パルス幅ΔT)は、スイッチング素子Sjkが実際にオフ状態とならないような時間(例えば1μsec)に設定される。これにより、オン操作信号からオフ操作信号への強制的な変更によってスイッチング素子Sjkが実際にオフ状態とされることを回避することができ、スイッチング素子Sjkの操作状態が実際に切り替えられることに起因して、電力損失(スイッチング損失)が増大したり、モータジェネレータ10の制御性が低下したりすることを回避することが可能となる。
更に本実施形態では、駆動回路DUに信号伝達経路の異常の有無についての自己診断機能を持たせる。これは、MGECU11による異常診断機能とは別に、信号伝達経路の異常診断機能を備えることで、異常診断の信頼性を向上させるためである。以下、駆動回路DUの自己診断機能について説明する。
駆動回路DUは、ウォッチドッグ監視部(以下、W/D監視部B14)及びシャットダウン部(以下、SD部B15)を備えて構成されている。詳しくは、W/D監視部B14は、ウォッチドッグ信号が規定時間内に駆動回路DUに入力されないと判断された場合、インターフェース24からスイッチング素子Sjkまでの信号伝達経路に異常が生じている旨診断し、インターフェース24を介してフェール信号FLをMGECU11に出力する機能を有する。一方、規定時間内にウォッチドッグ信号が入力されたと判断された場合、上記信号伝達経路に異常が生じていない旨診断し、ウォッチドッグタイマの値を初期化する(「0」にする)。本実施形態では、ウォッチドッグ信号として、駆動回路DUに入力される操作信号gjkB又は駆動信号djkを用いる。詳しくは、操作信号gjk又は駆動信号djkの立ち下がりエッジをウォッチドッグ信号として用いる。なお、ウォッチドッグ信号が規定時間内に入力されたか否かは、時間経過とともにカウントアップされるウォッチドッグカウンタが規定値に到達したか否かで判断すればよい。
SD部B15は、W/D監視部B14から出力されるフェール信号FLを入力として、全てのスイッチング素子Sjkを強制的にオフ状態とさせるシャットダウン機能を有する。詳しくは、フェール信号FLが出力されることで、フェール信号FLが出力された駆動回路DU以外の駆動回路DU(他の駆動回路DU)に対応するSD部B15によって、他の駆動回路DUに対応するスイッチング素子Sjkがオフ状態とされる。
なお、MGECU11にフェール信号FLが入力されると、MGECU11からHVECU28に異常が生じた旨が通知される。これにより、HVECU28は、例えば、モータジェネレータ10の制御に関する演算の中止指令をMGECU11に出力したり、図示しない内燃機関を利用した退避走行を行わせたり、MILを点灯させたりする等の処理を行わせる。
次に、図5及び図6に、本実施形態にかかる信号伝達経路の異常診断処理の一例を示す。
まず、図5に、三角波比較による矩形波制御が行われる場合におけるMGECU11の行う上記異常診断処理の一例を示す。詳しくは、図5(a)に、モータジェネレータ10の所定の相への印加電圧Vの推移を示し、図5(b)に、キャリア(三角波)の推移を示し、図5(c)に、所定の相の上側アームに対応する操作信号gjpAの推移を示し、図5(d)に、上記上側アームに対応する操作信号gjpB(又は駆動信号djp)の推移を示す。また、図5(e)に、上記所定の相の下側アームに対応する操作信号gjnAの推移を示し、図5(f)に、上記下側アームに対応する操作信号gjnB(又は駆動信号djn)の推移を示す。
図示されるように、上側アームについて、矩形波制御に従った操作信号gjpAとしてオン操作信号が出力される時刻t1〜t2までの期間において、三角波の周期TA毎のタイミング(図中、三角波の値が最大となるタイミングを例示)でオン操作信号をオフ操作信号に強制的に変更している。また、下側アームについても、矩形波制御に従った操作信号gjnAとしてオン操作信号が出力される時刻t2〜t3までの期間において、三角波の周期TA毎のタイミングでオフ操作信号に強制的に変更している。ここで時刻t1〜t2において、操作信号gjpAの立ち下がりに応じて操作信号gjpB(又は駆動信号djp)が立ち下がるため、操作信号gjpAの立ち下がりタイミング毎に行われる異常診断処理によって信号伝達経路に異常が生じている旨診断されない。なお、時刻t2〜t3においても、操作信号gjnAの立ち下がりに応じて操作信号gjnB(又は駆動信号djn)が立ち下がるため、操作信号gjnAの立ち下がりタイミング毎に行われる異常診断処理によって信号伝達経路に異常が生じている旨診断されない。
しかしながら、その後時刻t4において、操作信号gjpAがオン操作信号からオフ操作信号に強制的に変更されたにもかかわらず、操作信号gjpB(駆動信号djp)が立ち下がらないと判断されるため、信号伝達経路に異常が生じている旨診断される。
次に、図6に、三角波比較による矩形波制御が行われる場合における駆動回路DUの行う上記異常診断処理の一例を示す。詳しくは、図6(a)に、操作信号gjkAの推移を示し、図6(b)に、操作信号gjkB(又は駆動信号djk)の推移を示し、図6(c)に、ウォッチドッグカウンタの推移を示し、図6(d)に、W/D監視部B14から出力されるフェール信号FLの推移を示す。なお、図中、ウォッチドッグ信号として、上述した操作信号gjk(駆動信号djk)の立ち下がりエッジに加えて、矩形波制御に従った操作信号gjk等の立ち上がりエッジが用いられている。
図示されるように、矩形波制御に従ってオン操作信号が出力される期間である時刻t1〜t2において、操作信号gjkAが強制的にオフ操作信号に変更される毎に、操作信号gjkBの立ち下がりによってウォッチドッグカウンタが初期化され、その後時刻t3において矩形波制御に従った立ち上がりエッジによってもウォッチドッグカウンタが初期化される。
しかしながら、時刻t3以降において、操作信号gjkAが強制的にオフ操作信号に変更されるものの、操作信号gjkB(駆動信号djk)が立ち下がらないため、ウォッチドッグカウンタが初期化されない。このため、その後時刻t4においてウォッチドッグカウンタが規定値Nαに到達することで、信号伝達経路に異常が生じている旨診断され、フェール信号FLが出力される。なお、上記規定値Nαは、電気角θの1周期に相当する時間に応じて可変設定すればよい。具体的には、上記1周期に相当する時間が長いほど、上記規定値Nαを大きい値として設定すればよい。
このように、本実施形態では、強制変更処理を行ったり、駆動回路DUに信号伝達経路の自己診断機能を持たせたりすることで、信号伝達経路の異常診断処理の実行頻度の低下を回避したり、信号伝達経路の異常診断の信頼性を向上させたりすることができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)過変調制御又は矩形波制御が行われる場合であって且つインターフェース24から駆動回路DUにオン操作信号が出力される期間にオン操作信号をオフ操作信号に強制的に変更する強制変更処理を行った。そして、オン操作信号からオフ操作信号に立ち下がる場合において駆動信号djkの立ち下がりがあるか否かに基づき、第2セレクタSL2からスイッチング素子Sjkまでの信号伝達経路の異常の有無を診断した。これにより、矩形波制御等に従ったスイッチング回数に見合った信号伝達経路の異常診断頻度と比較して、異常診断頻度を増大させることができ、ひいては信号伝達経路の異常の有無についての診断頻度が低下したり、異常が生じているか否かの把握時期が遅延したりすることを適切に回避することができる。更に、オン操作信号からオフ操作信号へと強制的に変更されたタイミングで信号伝達経路の異常の有無を診断できるため、例えば異常診断処理周期がスイッチング周期(三角波の周期)よりも長い周期に設定される場合と比較して、迅速に異常の有無を診断することもできる。
(2)三角波の周期毎のタイミングでオン操作信号からオフ操作信号に強制的に変更した。これにより、オフ操作信号に強制的に変更するタイミングを簡易に設定することができる。
(3)駆動回路DUに信号伝達経路の自己診断機能を持たせた。これにより、信号伝達経路の異常診断を二重に行うことができ、ひいては異常診断の信頼性を向上させることができる。
(4)駆動回路DUの自己診断機能によって信号伝達経路に異常が生じている旨診断された場合、スイッチング素子Sjkを強制的にオフ状態とさせるシャットダウン機能及び異常が生じている旨をMGECU11に通知する通知機能を駆動回路DUに持たせた。これにより、上記信号伝達経路に異常が生じた状態でパワーコントロールユニットが継続して使用される事態を極力回避することができる。
(5)強制変更処理によって強制的に変更されたオフ操作信号のパルス幅ΔTを、スイッチング素子Sjkが実際にオフ状態とならないような時間とした。これにより、診断のためにスイッチング素子Sjkが実際にオフ状態とされることを回避することができ、ひいてはスイッチング損失の増大及びモータジェネレータ10の制御性の低下を回避することができる。
(その他の実施形態)
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・過変調制御又は矩形波制御が行われる状況下、オン操作信号が出力される期間に、出力されるオン操作信号をオフ操作信号に強制的に変更する手法としては、上記実施形態に例示したものに限らない。例えば、三角波の周期によらず、オフ操作信号の出力期間における任意のタイミングで強制的に変更してもよい。また例えば、正負対称信号生成部B11によって操作信号gjkが生成されて駆動回路DUへと出力される場合、オン操作信号が出力される期間に、電気角θと関連付けたタイミングでオフ操作信号に強制的に変更してもよい。
・オフ操作信号に強制的に変更するパルス幅ΔT等の設定手法としては、上記実施形態に例示したものに限らない。例えば、第2セレクタSL2から出力される操作信号gjkAと、インターフェース24から出力される操作信号gjkBとを用いたMGECU11による異常診断を行う場合、上記パルス幅ΔTを駆動回路DUが反応しない程度の時間として設定してもよい。また例えば、上記パルス幅ΔTを、スイッチング素子Sjkを実際にオフ状態とするような時間として設定してもよい。ただしこの場合、オフ操作信号への強制的な変更がモータジェネレータ10の制御性に及ぼす影響を極力小さくすることのできるタイミングやパルス幅ΔTでオフ操作信号に変更することが望ましい。具体的には例えば、正負対称信号生成部B11によって操作信号gjkが生成されて駆動回路DUへと出力される状況下、電気角θと関連付けたタイミングでオフ操作信号に強制的に変更する場合、電気角θの1周期のうち前半及び後半のそれぞれにおいてモータジェネレータ10に印加される平均電圧が等しくならないことでモータジェネレータ10の各相を流れる電流に歪が生じる事態を回避すべく、予め数値計算等によって上記タイミングやパルス幅ΔTを設定すればよい。
・信号伝達経路の異常診断手法としては、上記実施形態に例示したものに限らない。例えば、第2セレクタSL2から出力される操作信号gjkAの電気角θの1周期当たりの立ち下がりエッジの数を算出し、算出された立ち下がりエッジの数と、インターフェース24から駆動回路DUに出力される操作信号gjkB又は駆動信号djkの電気角θの1周期当たりの立ち下がりエッジの数の検出値とに基づき、信号伝達経路の異常の有無を診断してもよい。具体的には、スイッチング信号監視部B12によって、算出された立ち下がりエッジの数と駆動信号djk等の立ち下がりエッジの数の検出値との差が0(又は所定以下)であると判断された場合、異常が生じていない旨診断し、否定判断された場合には異常が生じている旨診断すればよい。ここで異常診断処理の入力となる操作信号gjkAの立ち下がりエッジの数は、例えば三角波比較による矩形波制御が行われる場合、電気角θの1周期に相当する時間と、三角波の周期とに基づき算出すればよい。なお、操作信号gjkAについて、立ち下がりエッジの数に限らず、立ち上がりエッジの数や、立ち下がり及び立ち上がりの双方のエッジの数であってもよい。
・上記実施形態では、MGECU11(スイッチング信号監視部B12)及び駆動回路DU(W/D監視部B14)の双方で信号伝達経路の異常診断処理を行ったがこれに限らない。例えば、MGECU11及び駆動回路DUのうちいずれかによって異常診断処理を行ってもよい。ここでMGECU11のみによって異常診断処理を行う場合、信号伝達経路に異常が生じた旨診断されたとき、MGECU11側の処理によってシャットダウン等を行えばよい。また、駆動回路DUのみによって異常診断処理を行う場合、MGECU11の異常診断処理のための演算負荷を低減させることができる。
・スイッチング素子Sjkの操作信号gjkの生成手法としては上記実施形態に例示したものに限らない。例えば、正負対称信号生成部B11を除いてもよい。また例えば、三角波比較信号生成部B4では正弦波PWM制御用の操作信号のみを生成し、過変調制御及び矩形波制御用の操作信号を正負対称信号生成部B11によって生成してもよい。
・上記実施形態では、第2セレクタSL2に操作信号gjkが入力された後、オン操作信号をオフ操作信号に強制的に変更したがこれに限らない。例えば、先の図2の三角波比較信号生成部B4や正負対称信号生成部B11においてオフ操作信号に強制的に変更してもよい。
・本願発明にかかる制御装置が適用される車両としては、ハイブリッド車両に限らず、例えば電気自動車であってもよい。
10…モータジェネレータ、11…MGECU、12…高電圧バッテリ、14…回転角度センサ、DU…駆動回路、IV…インバータ、CV…昇圧コンバータ。

Claims (11)

  1. 回転機を直流電源の正極側に接続する高電位側スイッチング素子及び該回転機を前記直流電源の負極側に接続する低電位側スイッチング素子の直列接続体と、前記スイッチング素子の操作信号を生成する処理を行う制御手段と、前記生成された操作信号を入力として前記スイッチング素子をオン状態又はオフ状態とするための駆動信号を出力する駆動回路とを備えて構成される電力変換装置において、
    前記制御手段は、前記回転機への指令電圧のピーク値が前記直流電源の電圧の1/2を上回る場合に、前記指令電圧に対する前記回転機への実際の印加電圧の不足分を補償するための前記操作信号を生成する過変調処理を行うものであり、
    前記制御手段によって前記過変調処理が行われることで該制御手段から前記駆動回路にオン操作信号が出力される期間に、該出力されるオン操作信号を一時的にオフ操作信号に強制的に変更する強制変更手段を備えることを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記オン操作信号から前記オフ操作信号に切り替えられた場合における前記駆動回路に入力される前記操作信号の変化又は該駆動回路から出力される駆動信号の変化に基づき、前記制御手段から前記スイッチング素子までの信号伝達経路の異常の有無を診断する診断手段を備えることを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  3. 前記制御手段は、前記過変調処理として、前記指令電圧と三角波との大小比較に基づき前記操作信号を生成する処理を行うものであり、
    前記強制変更手段は、前記出力されるオン操作信号を、前記三角波の周期毎のタイミングで前記オフ操作信号に強制的に変更することを特徴とする請求項1又は2記載の電力変換装置。
  4. 前記制御手段は、前記過変調処理として、前記回転機の電気角と関連付けられたタイミングで前記スイッチング素子をオン状態又はオフ状態とするための前記操作信号を生成する処理を行うものであり、
    前記強制変更手段は、前記出力されるオン操作信号を、前記電気角と関連付けられたタイミングで前記オフ操作信号に強制的に変更することを特徴とする請求項1又は2記載の電力変換装置。
  5. 前記制御手段及び前記強制変更手段は、前記駆動回路に対して前記操作信号を出力する制御装置に備えられ、
    前記オン操作信号から前記オフ操作信号に切り替えられた場合における前記駆動回路に入力される前記操作信号の変化又は該駆動回路から出力される駆動信号の変化に基づき、前記制御手段から前記スイッチング素子までの信号伝達経路の異常の有無を診断する診断手段を更に備え、
    該診断手段は、前記制御装置及び前記駆動回路のそれぞれに備えられる複数の手段であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  6. 前記駆動回路は、該駆動回路の備える前記診断手段によって前記信号伝達経路に異常が生じている旨診断された場合、前記スイッチング素子を強制的にオフ状態とさせるシャットダウン機能及び前記異常が生じている旨を外部に通知する通知機能のうち少なくとも1つを有することを特徴とする請求項5記載の電力変換装置。
  7. 前記強制変更手段は、前記オフ操作信号に前記強制的に変更する時間を、前記スイッチング素子が実際にオフ状態とならないような時間とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  8. 前記強制変更手段は、前記オフ操作信号に前記強制的に変更する時間を、前記駆動回路が反応しない時間とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  9. 前記制御手段は、前記過変調処理として、前記回転機の電気角と関連付けられて、かつ基準となる値に対する論理「H」及び論理「L」からなるPWM信号の論理値に応じて、前記スイッチング素子をオン状態又はオフ状態とするための前記操作信号を生成する処理を行うものであり、
    前記制御手段は、さらに、前記電気角の1周期のうち、前半における前記PWM信号の論理値の推移と、後半における前記PWM信号の論理値の推移とが、前記電気角の1周期の中央値かつ前記基準となる値から定まる点に対して点対称となるように前記操作信号を生成する処理を行うものであり、
    前記強制変更手段は、前記出力されるオン操作信号を、前記電気角と関連付けられたタイミングで前記オフ操作信号に強制的に変更するものであり、
    前記強制変更手段は、さらに、前記オフ操作信号に前記強制的に変更する時間を、前記電気角の1周期のうち前半及び後半のそれぞれにおいて前記回転機に印加される平均電圧が等しくならないことを回避できる時間とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  10. 前記制御手段は、前記過変調処理として、前記回転機の電気角の一周期に前記高電位側スイッチング素子及び前記低電位側スイッチング素子を各1回オン状態とするような前記操作信号を生成する矩形波処理を行うことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  11. 前記オン操作信号から前記オフ操作信号に切り替えられた場合における前記駆動回路に入力される前記操作信号の変化又は該駆動回路から出力される駆動信号の変化に基づき、前記制御手段から前記スイッチング素子までの信号伝達経路の異常の有無を診断する診断手段を更に備え、
    該診断手段は、前記オン操作信号から前記オフ操作信号に切り替えられるタイミングにおいて前記異常の有無を診断することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の電力変換装置。
JP2010225353A 2010-10-05 2010-10-05 電力変換装置 Expired - Fee Related JP5527150B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010225353A JP5527150B2 (ja) 2010-10-05 2010-10-05 電力変換装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010225353A JP5527150B2 (ja) 2010-10-05 2010-10-05 電力変換装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012080703A JP2012080703A (ja) 2012-04-19
JP5527150B2 true JP5527150B2 (ja) 2014-06-18

Family

ID=46240290

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010225353A Expired - Fee Related JP5527150B2 (ja) 2010-10-05 2010-10-05 電力変換装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5527150B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11356035A (ja) * 1998-06-04 1999-12-24 Hitachi Ltd 電圧駆動型自己消弧素子用のゲート駆動装置
JP4426129B2 (ja) * 2001-04-17 2010-03-03 三菱電機株式会社 パワーモジュール
JP4114474B2 (ja) * 2002-12-18 2008-07-09 株式会社デンソー 誘導性負荷駆動装置及びその異常検出方法
JP5233685B2 (ja) * 2009-01-13 2013-07-10 株式会社デンソー 回転機の制御装置及び制御システム
JP2010220306A (ja) * 2009-03-13 2010-09-30 Toyota Motor Corp モータの制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012080703A (ja) 2012-04-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5201245B2 (ja) 回転機の制御装置
JP5928438B2 (ja) 交流電動機の制御装置
JP5929873B2 (ja) 交流電動機の制御装置
JP6704293B2 (ja) インバータ制御装置および電力変換装置
JP5760778B2 (ja) モータ駆動制御システム
JP5929874B2 (ja) 交流電動機の制御装置
JP6777008B2 (ja) 駆動装置
JP7086505B1 (ja) 交流回転電機の制御装置
JP2011091962A (ja) 電流センサの異常判定装置および異常判定方法
JP2010119268A (ja) インバータの異常検出装置および異常検出方法
JP2010246327A (ja) インバータの故障診断装置
JP2010246328A (ja) インバータの故障診断装置
JP2015109777A (ja) モータ制御装置
JP2015109770A (ja) 電動機駆動装置
JP2017093150A (ja) 電圧センサ異常診断装置
JP2011019302A (ja) モータ駆動システムの制御装置
JP5263067B2 (ja) インバータの故障検出装置
JP5923955B2 (ja) 多相回転機の制御装置
JP6015346B2 (ja) 3相交流モータの制御装置及び制御方法
JP5527150B2 (ja) 電力変換装置
JP7463989B2 (ja) モータ制御装置
JP5515787B2 (ja) 回転電機制御システム
JP6627633B2 (ja) 電力変換器の制御装置
JP5290048B2 (ja) 車両のモータ制御システム
JP2014068417A (ja) インバータ制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121108

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140303

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140318

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140331

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5527150

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees