JP5526817B2 - カラーフィルタ基板の製造方法および液晶表示装置 - Google Patents

カラーフィルタ基板の製造方法および液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法に係り、特に、透明保護膜に適用可能なカラーフィルタ用樹脂組成物を用いたカラーフィルタ基板の製造方法および液晶表示装置に関する。
アクティブマトリックス方式の液晶表示装置では、一般に、ガラス基板上に各画素ごとにアクティブ素子(薄膜トランジスタ、TFT)素子を形成した基板と、ガラス基板上にカラーフィルタと一様な透明電極を形成したカラーフィルタ基板とが、間に液晶を挟んで対向して配置されている。なお、TFT基板(以下、アクティブ素子を形成した基板をTFT基板と略称する)の各TFT素子のスイッチング作用によって各画素の液晶のシャッター作用を制御している。
近時、液晶表示装置の大型化、高精細化、広い視野角や高コントラスト化などの高画質化にあわせて、垂直配向と呼称されるVA液晶や、画素の横方向に液晶駆動用の電界が印加されるIPS(In Plane Swiching)方式の液晶表示装置が採用されるようになってきている。
これらの方式には、一般に波長分散と呼ばれる現象があり、表示品質を悪化させている。この波長分散とは、パネルに入射した偏光が液晶の捩じれに沿って偏光方向を90゜回転する状態において、その回転の角度が各色によって僅かに異なる現象である。この波長分散を解決する方法としてマルチギャップ方式の液晶表示装置が開示されている。(特許文献1〜3参照)
この種のマルチギャップ方式のカラー液晶表示装置は、カラーフィルタの赤色(R)画素、緑色(G)画素、青色(B)画素毎に画素の膜厚を変えることで、色毎に液晶層のギャップ(液晶層の層厚)を変えている。この液晶層のギャップの制御は、液晶の透過率を色毎に制御するために行われている。
一方、ガラス等の透光性基板上に形成された着色層上に透明保護膜(オーバーコート膜)を形成する技術が特許文献3〜7に開示されている。透明保護膜は機械的外力や熱などから着色層を保護し、着色層に含まれる顔料や染料起因の不純物が液晶層に溶出することを防ぐために用いられるものである。この透明保護膜に要求される特性としては平坦性、耐熱性、消偏性(コントラスト)、透明性(可視光波長領域の透過性)、密着性、機械的強度(硬さ)などがある。
しかし、従来の透明保護膜用材料ではカラーフィルタの段差を平坦化する機能を有しており、マルチギャップ方式のカラーフィルタに適用した場合カラーフィルタの赤色画素、緑色画素、青色画素間の段差を埋めてしまう。すなわち着色層の厚さが薄い画素上の透明保護膜の厚さは厚くなり、着色層の厚さが厚い画素上の透明保護膜の厚さは薄くなるため、あらかじめ保護膜による平坦化を考慮に入れてR、G、B画素間により大きな膜厚差をつけておく必要があった。各色での膜厚差を大きくすると着色層の“ツノ”と呼ばれる重なり部分の膜厚が大きくなり、合わせて画素内の着色層の平坦性が低下するため、好ましくない。高い“ツノ”の形成や画素内平坦性の低下は、液晶配向の乱れを生じるため画質低下につながる。
特許第2594955号公報 特許第3211853号公報 特許第4198942号公報 特許第3831947号公報 特許第3909349号公報 特開2001-91732号公報 特開2001-194797号公報
従来の方法では保護膜形成後のRGB画素間の段差を透明保護膜形成の工程で調整する事は不可能であった。着色画素毎の膜厚が異なるカラーフィルタに対して透明保護膜を塗布し形成する際に、そのポストベーク中に、透明保護膜用樹脂組成物と着色画素毎の濡れ性の違いから、透明保護膜用樹脂組成物が特定の画素上に熱フローしてしまい、着色画素上の透明保護膜層の膜厚が異なってしまう問題があった。そのために当初想定した画素部の膜厚差が崩れ、液晶層のマルチギャップを維持することが非常に困難であった。
そこで、本発明は、ガラス等の透光性基板上に形成された着色画素毎の膜厚が異なるカラーフィルタに対して透明保護膜を塗布し形成する場合に、着色画素上の透明保護膜層の膜厚差が少ない透明保護膜用樹脂組成物の適用により、液晶層のマルチギャップを維持できるカラーフィルタ基板及び液晶表示装置を提供することを課題としている。
本発明の請求項1に係る発明は、樹脂組成物を用いて透明保護膜を形成するカラーフィルタ基板の製造方法において、
前記樹脂組成物が、水酸基を有するアクリルモノマーと他のアクリルモノマーである(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートから選ばれるアクリルモノマーとの共重合体であるアクリル樹脂とエポキシ樹脂からなる樹脂組成物であり、前記樹脂組成物の硬化開始温度が100〜130℃の範囲にあり、
かつ前記樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度が50〜100℃の範囲にあり、
前記樹脂組成物を、透明基板上にブラックマトリックスと複数色の着色画素が形成されたカラーフィルタ基板上に塗布し、90℃でプレベークを行い、さらに230℃で硬膜することを特徴とするカラーフィルタ基板の製造方法である。
次に、本発明の請求項に係る発明は、請求項に記載したカラーフィルタ基板の製造方法で製造されたカラーフィルタ基板を具備することを特徴とする液晶表示装置である。
本発明のカラーフィルタ基板の製造方法は、透明保護膜用樹脂組成物の硬化開始温度を
制御(選択・設定)することにより、透明保護膜層の各着色画素上の膜厚差をなくすことが可能であり、液晶層のマルチギャップを保つことができるカラーフィルタ基板を提供することができる。
本発明のカラーフィルタ基板の製造方法は、透明保護膜用樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度が50〜100℃の範囲にあり、硬化開始温度を100〜130℃の範囲に制御して、ガラス転移温度と硬化開始温度を近づけることにより、ポストベークの間に起きる透明保護膜用樹脂組成物の熱フロー性を抑制することが可能となる。これにより、マルチギャップ方式のカラーフィルタにおいてそれぞれの着色画素上の透明保護膜層の膜厚を均一にすることが可能となる。
本発明のカラーフィルタ基板の製造方法は、このような透明保護膜用樹脂組成物を用いることで、マルチギャップ方式のカラーフィルタ基板が提供でき、マルチギャップを維持した液晶表示装置を提供することが可能となる。
本発明に係るカラーフィルタ基板の製造方法で製造される、マルチギャップ方式のカラーフィルタ基板の一例を断面で示す模式図。 透明保護膜用樹脂組成物の硬化開始温度を含む硬化温度測定のDSC曲線を示すグラフ。 透明保護膜用樹脂組成物の硬膜物のガラス転移温度測定のDSC曲線を示すグラフ。
以下、本発明に係わるカラーフィルタ基板の製造方法、これに用いる透明保護膜用樹脂組成物、および液晶表示装置について詳細に説明する。
本発明に係るカラーフィルタ基板の製造方法で製造される、マルチギャップ方式のカラーフィルタ基板は、図1に示すように、基板(2)上に、ブラックマトリックス(1)、複数色の膜厚の異なる着色画素として、例えば、赤色画素(3)、緑色画素(4)、一般に膜厚が最も厚い青色画素(5)と、その全面に透明保護膜(6)を有している。
(ブラックマトリクス及び着色画素)
透明基板上に着色画素やブラックマトリックスを形成する方法としては顔料分散法が主流となっている。顔料分散法は、有機顔料などの色材を分散した感光性着色組成物の塗布層を公知のフォトリソグラフィー法によってパターニングすることにより、カラーフィルタを複数の着色層(赤色、緑色、青色など)の画素に形成する方法である。複数の着色層の入色順を限定するものでないが、アライメントの都合からブラックマトリクス層のパターン形成後に着色層の塗布、露光、現像等により赤色画素、緑色画素、青色画素などを順次形成することが望ましい。
ブラックマトリックス層の厚さは0.5〜3μm、幅は3〜30μmの範囲である。また、赤色画素、緑色画素、青色画素のそれぞれの膜厚(厚さ)は0.5〜3μmである。この膜厚は、感光性着色組成物の組成や塗布方法で大きく左右されるが、着色層の積層でフォトスペーサを形成する場合、例えば、各画素の膜厚をおよそ1.8μmで形成した場合に、ブラックマトリックス上に形成する赤色層の厚さは0.95μm程度、青色層の厚さは0.88μm程度と薄く形成される傾向にあり、液晶表示装置としての液晶セルギャップは、およそ2μm〜6μmが適用できる範囲である。従来の透明保護膜で平坦化した場合には、この液晶セルギャップは狭くなることになる。
ブラックマトリックス層は、黒色樹脂を用いて形成された液晶表示装置のコントラストアップのために各画素間に形成する細い遮光パターンである。ブラックマトリックス層を形成する方法としては、黒色非感光性樹脂を用いフォトリソグラフィー法によって保護レジストを形成し、エッチングによってマトリックス状に形成する方法、或いは黒色感光性樹脂を用いフォトリソグラフィー法によってマトリックス状に形成する方法がある。黒色の色材としては、カーボンブラックや酸化チタン、あるいは複数の有機顔料を用いることができる。
ブラックマトリックス及び着色画素の形成に用いる黒色感光性樹脂及び感光性着色組成物は、例えば、樹脂バインダに顔料を、分散剤を用いて分散させ、この分散液にモノマー、開始剤、増感剤、溶剤などを添加して調製される。本発明の実施形態においては、ブラックマトリックス及び着色画素の形成に用いる黒色感光性樹脂及び感光性着色組成物は、樹脂バインダと開始剤を主成分として、樹脂バインダが光重合、又は熱重合、或いは光重合及び熱重合を経て、三次元架橋される。ブラックマトリックス及び着色画素の樹脂バインダを三次元架橋させることによって、パネル組み立て工程における荷重によりブラックマトリックス及び着色画素並びに積層PSの厚みが減じるのを抑制することができる。
光重合に適合する樹脂バインダとしては、例えば、アクリレート樹脂、熱重合に適合する樹脂バインダとしては、例えば、エポキシ樹脂、光重合及び熱重合に適合する樹脂バインダとしては、例えば、エポキシアクリレート樹脂があげられる。
本発明に係るカラーフィルタ基板に用いる感光性着色組成物に含有される着色顔料としては、一般に市販されている有機顔料を用いることができる。また、形成するフィルタセグメントの色相に応じて、染料、天然色素、無機顔料を併用することができる。有機顔料としては、発色性が高く、且つ耐熱性、特に耐熱分解性の高いものが好適に用いられる。有機顔料は、1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。また、有機顔料は、ソルトミリング、アシッドペースティング等により微細化したものであってもよい。
以下に、感光性着色組成物に使用可能な有機顔料の具体例を、カラーインデックス(C.I.)番号で示す。赤色画素には、例えば、色材として、C.I.Pigment Red 7、14、41、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、81:4、146、168、177、178、179、184、185、187、200、202、208、210、246、254、255、264、270、272、279等の赤色顔料を用いることができ、黄色顔料や橙色顔料を併用することもできる。
黄色顔料としては、C.I. Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、187、188、193、194、199、198、213、214等が挙げられる。橙色顔料としては、C.I.Pigment Orange 36、43、51、55、59、61、71、73等が挙げられる。
赤色画素が、これら顔料のなかでジケトピロロピロール系赤色顔料、アントラキノン系赤色顔料のうち1種類以上を含む場合には、任意のRth(リタデーションの値)を得ることが容易になるため、好ましい。なぜなら、ジケトピロロピロール系赤色顔料は、その微細化処理を工夫することにより、Rthを正負のどちらにすることも可能であり、その絶対値もある程度制御可能であり、また、アントラキノン系赤色顔料は、微細化処理に関わらず0に近いRthを得やすいためである。その使用量は、顔料の合計重量を基準として、ジケトピロロピロール系赤色顔料を10〜90重量%、アントラキノン系赤色顔料を5〜70重量%とすることが、画素の色相や明度、膜厚、コントラスト等の点から好ましく、特に、コントラストに着目した場合、ジケトピロロピロール系赤色顔料を25〜75重量%、アントラキノン系赤色顔料を30〜60重量%とすることがより好ましい。
また、C.I.Pigment Red177またはC.I.PigmentRed254を用いた場合、透明保護膜形成時の焼成過程において軟化した透明保護膜材料をはじきやすい性質を赤色画素が持ち、焼成温度を上げるまたは焼成時間を長くすることで赤色画素上の透明保護膜の膜厚を薄くする事ができる。
緑色画素には、例えば、C.I.PigmentGreen 7、10、36、37、58等の緑色顔料を用いることができ、黄色顔料を併用することもできる。黄色顔料としては、赤色画素に用いる顔料として挙げたものと同様のものが使用可能である。特に緑色顔料は、C.I.PigmentGreen58に代表される臭素化亜鉛フタロシアニン顔料を主要な顔料として用いることが好ましい。さらに好ましくは、1分子中に臭素を平均13個含有する臭素化亜鉛フタロシアニン顔料が緑色の色調としてより好ましい。臭素化亜鉛フタロシアニン顔料は、旧来用いられているハロゲン化銅フタロシアニン顔料と異なり、緑色画素の状態で正(+)の厚み方向位相差を発現しやすい特徴があり、本発明のカラーフィルタ基板の製造方法にとくに好適に用いることができる。
青色画素には、例えば、C.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64等の青色顔料を用いることができ、紫色顔料を併用することもできる。紫色顔料としては、C.I.PigmentViolet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等が挙げられる。
青色画素が、これら顔料のなかで金属フタロシアニン系青色顔料と、ジオキサジン系紫色顔料のうち1種類以上を含む場合には、0に近い位相差を得ることが容易になる。その使用量は、顔料の合計重量を基準として、金属フタロシアニン系青色顔料を40〜100重量%、ジオキサジン系紫色顔料を1〜50重量%とすることが、画素の色相や明度、膜厚等の点から好ましく、さらに、金属フタロシアニン系青色顔料を50〜98重量%、ジオキサジン系紫色顔料を2〜25重量%とすることがより好ましい。上記において金属フタロシアニン系青色顔料としてはC.I.Pigment Blue 15:6、ジオキサジン系紫色顔料としてはC.I.Pigment Violet 23が、優れた耐光性、耐熱性、透明性、および着色力等の点から好適である。
前述したように、本発明の実施形態においては、着色画素の形成に用いる感光性着色組成物は、樹脂バインダと開始剤を主成分として、樹脂バインダが光重合、又は熱重合、或いは光重合及び熱重合を経て、三次元架橋される。感光性着色組成物は、少なくとも、上記した着色顔料、透明樹脂、光重合性モノマー、光重合開始剤、溶剤からなる。
透明樹脂は、前記着色顔料を分散させる樹脂であって、画素パターン露光後の現像において、未露光部がアルカリ現像液により溶解除去できる樹脂を言う。具体的には、アルキルアクリレート、環状アクリレート、環状メタクリレート、ヒドロキシエチルエチルアク
リレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等のアクリル系モノマートエチレン性の不飽和基を有するラジカル重合性のモノマーからなるアクリル系透明樹脂、フルオレン骨格を有するエポキシアクリレート透明樹脂、多官能エポキシ樹脂にエチレン性の不飽和基を有するラジカル重合性のモノマーを付加させたタイプの樹脂を使用することが出来る。ただし、上記樹脂に限定されるものではない。
光重合性モノマーとしては、例えば、以下に示すようなモノマーを混合して、又は単独で使用することができる。例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を含むモノマーや、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、あるいは、ペンタエリストールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレートのカプロラクトン付加物のヘキサ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレートなどがあげられる。前記重合性モノマーの一部が、カルボキシル基含有多官能性単量体を含む重合性モノマーであることは、好ましい。例えば、ペンタエリスリトール又はその誘導体であっても良い。
ラジカル重合性モノマーの重合反応を開始させる活性種を発生する光重合開始剤としては、tert−ブチルペルオキシ−iso−ブタレ−ト、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルジオキシ)ヘキサン、1,4−ビス[α−(tert−ブチルジオキシ)−iso−プロポキシ]ベンゼン、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルジオキシ)ヘキセンヒドロペルオキシド、α−(iso−プロピルフェニル)−iso−プロピルヒドロペルオキシド、2,5−ビス(ヒドロペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、tert−ブチルヒドロペルオキシド、1,1−ビス(tert−ブチルジオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ブチル−4,4−ビス(t−ブチルジオキシ)バレレ−ト、シクロヘキサノンペルオキシド、2,2',5,5'−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3',4,4'−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3',4,4'−テトラ(tert−アミルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3',4,4'−テトラ(tert−ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3'−ビス(tert−ブチルペルオキシカルボニル)−4,4'−ジカルボキシベンゾフェノン、tert−ブチルペルオキシベンゾエ-ト、t−ブチルジペルオキシイソフタレ-トなどの有機過酸化物や、9,10−アンスラキノン、1−クロロアンスラキノン、2−クロロアンスラキノン、オクタメチルアンスラキノン、1,2−ベンズアンスラキノンなどのキノン類や、ベンゾインメチル、ベンゾインエチルエーテル、α−メチルベンゾイン、α−フェニルベンゾインなどのベンゾイン誘導体などを挙げることができる。さらに、本発明で使用することのできる光重合開始剤としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のIrgacure651、184、1173、907、369、379、819、CGI 124やBASF社製のTPO、日本化薬(株)製のKayacure DTEX、あるいは4,4‘−ジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノンのようなベンゾフェノン類の他に、ビイミダゾール化合物、トリアジン化合物などを挙げることができる。
また、感光性着色組成物には、顔料を充分に組成物中に分散させ、基板上の塗布を容易にするために有機溶剤を含有させる。有機溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。
樹脂に顔料を分散する際には、適宜、界面活性剤、樹脂型顔料分散剤、色素誘導体等の分散剤が使用できる。また、塗布性向上、感度の向上、密着性の向上などを目的として、連鎖移動剤、界面活性剤、シランカップリング剤等の添加剤を添加しても良い。
感光性着色組成物は、各成分を混合し、シェーカー、デスパー、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散することにより製造することが出来る。感光性着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
透明基板としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板を用いる。アルカリ現像型着色レジスト材として調整した上記組成の黒色感光性樹脂及び感光性着色組成物を用いて、それぞれ1色ずつ、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.5〜3μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、炭酸ナトリウムや水酸化ナトリウム等の水性アルカリ現像液に浸漬するか、もしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去し所望のパターンを形成してブラックマトリックス、各色のフィルタセグメントおよび積層PSを形成する。さらに、感光性着色組成物の重合を促進して硬膜するため、それぞれ必要に応じて加熱(ポストベーキング)を施す。
(透明保護膜)
本発明に係るカラーフィルタ基板の製造方法では、着色画素の上に透明保護膜を形成する。本発明に係るカラーフィルタ基板の製造方法に用いる、熱硬化性の透明保護膜用樹脂組成物は、水酸基を有するアクリルモノマーと他のアクリルモノマーである(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートから選ばれるアクリルモノマーとの共重合体であるアクリル樹脂とエポキシ樹脂からなる樹脂組成物であり、例えば、エポキシ樹脂と硬化剤を使用した熱硬化樹脂を用いる事ができる。
使用する硬化剤としては、カルボン酸の無水物を用いる事ができる。カルボン酸としては、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸、シクロヘキサン−1,3,5−トリカルボン酸、シクロヘキサン−1,2,3−トリカルボン酸などが挙げられる。また、シクロヘキサントリカルボン酸無水物としては、シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物、シクロヘキサン−1,3,5−トリカルボン酸−3,5−無水物、シクロヘキサン−1,2,3−トリカルボン酸−2,3−無水物などが挙げられる。本発明においては、これらの中で、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸、シクロヘキサン−1,3,5−トリカルボン酸あるいはシクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸―3,4−無水物を好ましく用いることができる。これらの化合物は単独で使用することもできるが、適宜組み合わせて使用することもできる。また、これらの化合物は例えば、トリメリット酸等のベンゼントリカルボン酸の水素添加により合成することができる。また、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸等の脂環式酸無水物を使用することができる。
本発明に係るカラーフィルタ基板の製造方法に用いる、熱硬化性の透明保護膜用樹脂組成物においては、エポキシ基含有樹脂として、エポキシ樹脂、あるいはエポキシ基を有する重合体を単独であるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、DPP(ジ−n−ペンチルフタレート)型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートやビニルシクロヘキセンジエポキサイド等の脂環式エポキシ樹脂、TGPS(トリグリシドキシフェニルシラン)や3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等の含ケイ素エポキシ樹脂、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテル、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、脂肪族多価アルコールのポリグリシジルエーテル;ヘキサヒドロ無水フタル酸のジグリシジルエステル等の多塩基酸のポリグリシジルエステル、ブチルグリシジルエーテル、ラウリルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル等のエポキシ基を1個有するグリシジルエーテル等が挙げられる。また上記エポキシ樹脂の核水添化物も使用できる。これらの化合物は単独で又は二種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
本発明においては、硬化促進剤を使用しなくとも、良好な硬化特性が得られるが、硬化促進剤を適宜使用することもできる。添加しうる硬化促進剤としては、例えば、ベンジルジメチルアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ジメチルシクロヘキシルアミン等の3級アミン類;1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;トリフェニルホスフィン、亜リン酸トリフェニル等の有機リン系化合物;テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド等の4級ホスホニウム塩類;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等やその有機酸塩等のジアザビシクロアルケン類;オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、アルミニウムアセチルアセトン錯体等の有機金属化合物類;テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩類;三フッ化ホウ素、トリフェニルボレート等のホウ素化合物;塩化亜鉛、塩化第二錫等の金属ハロゲン化物が挙げられる。これらの硬化促進剤は単独又は二種以上を適宜組合わせて使用することができる。
次に、スペーサとして着色層を積層して使用する場合について説明する。積層部は、ブラックマトリクス層上に1色以上の着色層を積層するもので、この積層部上に突起を形成して液晶のセルギャップの制御に用いることもできる。重ねる色の数は、液晶表示装置として必要なセルギャップで規定されるものであるが、2色ないし3色が望ましい。2色の積層の場合、赤色と青色の着色層を積層すると黒色に近くなり、色ズレ発生時の画素部分への混色防止となる。あるいは、2色と3色の2種類の積層部とすることにより、低い方の積層部をサブスペーサとして用いることができる。サブスペーサは、表示装置として使用している時に、液晶パネルに大きな圧力が加わったときに、セルの破壊を防ぐスペーサとなる。スペーサとサブスペーサの形成比率は限定するものでないが、1:2程度(後者がサブスペーサ)が実用的である。あるいは、例えば、2色での積層部として形成し、当
該積層部上に別に形成する突起の有無にてスペーサ、サブスペーサとして用いても良い。本発明では着色層及び積層部の上に、上記した透明保護膜を形成する。
垂直配向の液晶やOCBと呼ばれる液晶、強誘電性液晶、ECBと呼ばれる液晶など透明電極による液晶セルギャップの厚み方向の電界駆動が必要な液晶では、着色層と積層部を形成する工程と透明保護層を形成する工程の後に、透明導電膜を形成する工程を入れる事もできる。この場合には積層上の透明電極の上か対向基板のスペーサが接触する部位にに絶縁層を形成する。この絶縁層は、視野角や応答性改善などの液晶配向規制(配向制御)が目的とした配向規制突起と同時に形成しても良い。絶縁層はカラーフィルタ基板として透明導電膜形成が不必要な、たとえばIPS(横電界)方式の液晶表示装置の場合はこれを省く事ができる。
透明導電膜を形成する方法は、蒸着、イオンプレーティング、スパッタリングと呼ばれる真空成膜の手法が一般的である。透明導電膜には、インジウム、スズ、ガリウム、亜鉛などの金属酸化物の複合酸化物を用いることができる。
また、スペーサを感光性透明樹脂組成物を用いて、フォトリソグラフィの手法で形成する方法もある。部分的なパターン露光、現像というフォトリソグラフィー法により、所望の位置、例えば、画素間に位置する格子パターン状のブラックマトリクス上に、柱状の樹脂製スペーサを形成する。フォトスペーサを形成する際の現像は、有機溶剤を用いても構わないが、環境的な配慮からアルカリ水溶液を用いることが好ましい。
アルカリ水溶液には、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩の水溶液、ヒドロキシテトラメチルアンモニウム、ヒドロキシテトラエチルアンモニウムなどの有機塩の水溶液を用いることができる。これらを単独または2種以上組み合わせて用いてもよい。また、このようなアルカリ現像可能な感光性材料は、一般にアルカリ可溶性樹脂、重合性モノマー、光重合開始剤を主成分とする組成に、必要に応じてレベリング剤、溶剤、連鎖移動剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤などの添加剤を加えて調整することができる。
以下に本発明の具体的実施例について説明する。なお、本発明は、下述する実施例に限定されるものではない。
[着色材料作製]
カラーフィルタ作製に用いる着色材料を着色する着色剤には以下のものを使用した。
・赤色用顔料:C.I. Pigment Red 254(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガーフォーレッド B−CF」)およびC.I. Pigment Red 177(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「クロモフタールレッド A2B」)
・緑色用顔料:C.I. Pigment Green 36(東洋インキ製造製「リオノールグリーン 6YK」)、およびC.I. Pigment Yellow 150(バイエル社製「ファンチョンファーストイエロー Y−5688」)
・青色用顔料:C.I. Pigment Blue 15(東洋インキ製造製「リオノールブルーES」)C.I. Pigment Violet 23(BASF社製「パリオゲンバイオレット 5890」)
上記した顔料を用いて、それぞれ赤色、緑色、青色の着色材料を作製した。
・赤色顔料分散体
下記組成の混合物を均一に攪拌混合した後、直径1mmのガラスビースを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過して赤色顔料分散体を作製した。
赤色顔料:C.I. Pigment Red 254 18質量部
赤色顔料:C.I. Pigment Red 177 2質量部
アクリルワニス(固形分20%) 108質量部
・赤色着色材料
その後、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルターで濾過して赤色着色材料を得た。
上記赤色顔料分散体 150質量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 13質量部
(大阪有機化学工業社製「TMP3A」)
光開始剤 3質量部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「Irgacure907」)
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 1質量部
シクロヘキサノン 253質量部
下記組成で,赤色着色材料と同様の方法で緑色着色材料を作製した。
・緑色顔料分散体
緑色顔料:C.I. Pigment Green 36 16質量部
黄色顔料:C.I. Pigment Yellow 150 8質量部
アクリルワニス(固形分20%) 102質量部
・緑色着色材料
上記緑色顔料分散体 150質量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 14質量部
(大阪有機化学工業社製「TMP3A」)
光開始剤 4質量部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「Irgacure907」)
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 2質量部
シクロヘキサノン 257質量部
下記組成で,赤色着色材料と同様の方法で青色着色材料を作製した。
・青色顔料分散体
青色顔料:C.I. Pigment Blue 15 50質量部
紫色顔料:C.I. Pigment Violet 23 2質量部
分散剤(ゼネカ社製「ソルスバーズ20000」) 6質量部
アクリルワニス(固形分20%) 200質量部
・青色着色材料
上記青色顔料分散体 150質量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 19質量部
(大阪有機化学工業社製「TMP3A」)
光開始剤 4質量部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「Irgacure907」)
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 2質量部
シクロヘキサノン 214質量部
[着色層形成]
得られた着色材料を用いて着色画素層を形成した。予めストライプ状の厚さ2μmの樹脂ブラックマトリックスが形成してあるガラス基板に、赤色着色材料をスピンコートにより仕上り膜厚が2.6μmとなるように塗布した。90℃5分間乾燥の後、着色層形成用のストライプ状フォトマスクを介して、高圧水銀灯の光を300mJ/cm照射し、アルカリ現像液にて60秒間現像して、ストライプ形状の赤色の着色層を得た。その後、230℃30分焼成した。
次に、緑色着色材料も同様にスピンコートにより仕上り膜厚が2.6μmとなるように塗布した。90℃5分間乾燥した後、前述の赤色着色層と隣接した位置にパターンが形成されるようにフォトマスクを通して露光し現像することで、緑色着色層を得た。その後、230℃30分焼成した。
さらに、赤色、緑色と全く同様にして、青色着色材料についても仕上り膜厚が2.85μmで赤色、緑色の着色層と隣接した青色着色層を得た。これで、透明基板上に赤、緑、青3色のストライプ状の着色画素層を持つカラーフィルタが得られた。その後、230℃30分焼成した。また、ブラックマトリクス上に赤色、緑色、青色層を積層したパターンを設けスペーサとした。これで、透明基板上に膜厚差を有した赤、緑、青3色のアイランド状の着色層を持つカラーフィルタが得られた。その後、230℃30分焼成した。
なお、アルカリ現像液は以下の組成からなる。
炭酸ナトリウム 1.5重量%
炭酸水素ナトリウム 0.5重量%
陰イオン系界面活性剤(花王・ペリレックスNBL) 8.0重量%
水 90重量%
[透明保護膜形成]
本発明の熱硬化性の透明保護膜用樹脂組成物を下記の内容で調整した。
(アクリル樹脂Aの合成)
1リットル容の5つ口フラスコに、n−ブチルメタクリレート75g、メタクリル酸30g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート25g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート300gを仕込み、窒素雰囲気下でアゾビスイソブチロニトリル2gを添加し、80〜85℃で8時間反応させた。さらに、この樹脂の不揮発分が20質量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで調製し、アクリル樹脂Aの溶液を得た。
(エポキシ樹脂Eの調整)
シクロヘキサノン32g、ジエチレングリコールジメチルエーテル38gをサンプル瓶に入れた。攪拌しながら、エポキシ樹脂;ESF−300(新日鐡化学社製)13g、脂環式多官能エポキシ樹脂;EHPE3150(ダイセル化学工業社製)7g、脂環式エポキシ樹脂;セロキサイド2021P(ダイセル化学工業社製)5gを加え、完全に溶解させた。引き続き、酸無水物;無水トリメリット酸を3.0g加え、十分に攪拌溶解した後に、シランカップリング剤(チッソ社製S−510)1.2g、界面活性剤(住友スリーエム社製;フロラードFC−430)0.11gを加えて十分に攪拌した。これをろ過して、エポキシ樹脂Eを得た。
(透明保護膜形成用樹脂組成物の調整)
表1に示す比率(樹脂固形分での質量比率)で、上記で調整したアクリル樹脂Aとエポキシ樹脂Eを配合して、熱硬化開始温度の異なる実施例の1〜3、及び比較例1〜2の透明保護膜形成用樹脂組成物を作成した。この材料について、それぞれの硬化開始温度とガラス転移温度とを測定した結果を表1に示す。
[硬化温度測定]
各透明保護膜形成用樹脂組成物の硬化温度測定は、DSC(Differential Scanning Calorimetry:示差走査熱量測定)(セイコー電子製、DSC6200システム)を用い、30〜300℃の温度範囲において昇温速度10/minの条件下で測定した。測定サンプルはガラス基板に直接塗布形成したプリベーク前の未加熱状態の透明保護膜形成用組成物10mgを剃刀で削り取ったものを用いた。図2に示すように、横軸を温度、縦軸は基準物質との温度差から計算した示差熱であり、DSC曲線の硬化開始温度をショルダー値で示した。
[ガラス転移温度測定]
各透明保護膜形成用樹脂組成物のガラス転移温度測定は、上記したDSC(セイコー電子製、DSC6200システム)を用い、30〜300℃の温度範囲において昇温速度10/minの条件下で測定した。測定サンプルはガラス基板に直接塗布形成して硬化させ、さらに230℃30分硬膜した透明保護膜形成用樹脂組成物の硬膜物10mgを剃刀で削り取ったものを用いた。図3に示すように、横軸を温度、縦軸は基準物質との温度差から計算した示差熱であり、DSC曲線のガラス転移点(Tg)をショルダー値で示した。なお、本発明の透明保護膜形成用樹脂組成物の樹脂硬化物の様に複数の樹脂を混合して硬化させた硬化物では、ガラス転移点および融点が厳密に定義できない場合があるが、本発明では図3に示す2つの変極点をそれぞれガラス転移点(Tg)、融点(Tm)としている。図3で融点より高い温度でDSC値が上昇しているのは、加温による熱分解を伴う発熱である。本発明の硬化物では熱分解が開始する温度より低い温度に融点が存在する事を特徴とする。
前記した膜厚2μmのブラックマトリクス及び、膜厚差をつけたR、G、B3色の着色画素を形成したカラーフィルタ基板に、実施例1〜3、及び比較例1〜2の透明保護膜形成用樹脂組成物をスピンコート方式で塗布し、90℃120秒間プレベークを行い、さらに230℃30分硬膜することで、透明保護膜を形成した。このカラーフィルタ基板の、透明保護膜形成前のRGB各画素の膜厚と、透明保護膜形成後のRGB各画素部分の膜厚とを接触式膜厚計で測定して、各画素上の透明保護膜の膜厚を算出した。その結果を、表2に示す。なお、当初R、G、Bでつけた膜厚差が保たれているもの、すなわち、透明保護膜の厚さが画素によらずほぼ一定値となっているものをマルチギャップ良好:○と判定し、それ以外は、やや不良:△、不良:×とした。
<比較結果>
比較例の透明保護層材料を使用した場合、R,G,B各画素上の透明保護層の膜厚は、画素により異なり、実施例の透明保護層材料では画素によらずほぼ一定となっていることが分かる。この結果より、透明樹脂組成物の硬化開始温度を制御して、ガラス転移温度に近づけることにより、マルチギャップを保つことが可能であることが分かった。すなわち、本発明によれば、上記のような透明保護膜組成物の熱流動特性を活かして、透明保護膜の膜厚を画素によらずほぼ一定とすることができ、マルチギャップを保つことができる。
[液晶表示装置の作製]
以上のようにして得た、実施例1〜3、及び比較例1〜2の透明保護膜形成用樹脂組成物を用いたカラーフィルタ基板に、ポリイミドよりなる配向膜を形成した後、それぞれエポキシ樹脂をシール材としてTFT基板とを張り合わせると共に液晶を封入して、液晶表示装置を得た。この液晶表示装置の表示品質は、表2で示したマルチギャップの判定と同様の表示品質を示した。
1・・・ブラックマトリックス 2・・・透明基板 3・・・赤色画素
4・・・緑色画素 5・・・青色画素 6・・・透明保護膜

Claims (2)

  1. 樹脂組成物を用いて透明保護膜を形成するカラーフィルタ基板の製造方法において、
    前記樹脂組成物が、水酸基を有するアクリルモノマーと他のアクリルモノマーである(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートから選ばれるアクリルモノマーとの共重合体であるアクリル樹脂とエポキシ樹脂からなる樹脂組成物であり、前記樹脂組成物の硬化開始温度が100〜130℃の範囲にあり、
    かつ前記樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度が50〜100℃の範囲にあり、
    前記樹脂組成物を、透明基板上にブラックマトリックスと複数色の着色画素が形成されたカラーフィルタ基板上に塗布し、90℃でプレベークを行い、さらに230℃で硬膜することを特徴とするカラーフィルタ基板の製造方法
  2. 請求項に記載したカラーフィルタ基板の製造方法で製造されたカラーフィルタ基板を具備することを特徴とする液晶表示装置。
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