JP5526724B2 - 放電ランプ - Google Patents

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Description

この発明は、発光ガスとしてヨウ素を含む放電容器と、放電容器の外表面に形成された一対の電極を備え、励起ヨウ素分子を形成することによって放射される紫外線を放射する放電ランプに関する。
液晶ディスプレイの製造工程においては、液晶の画素を構成する際に液晶にモノマーを混入させ、液晶分子を傾斜させた状態でモノマーを重合させることによって液晶分子の傾斜方向を固定させる技術(PSA:Polymer Sustained Alignment)が用いられている。PSAについて開示する特許文献1によれば、モノマーを重合させるための光源として、液晶に与えるダメージが少ないこと、モノマーの感度、液晶用ガラスの透過率等を考慮して、モノマーに対して例えば波長300−380nmの紫外線を照射することが好ましいとされている(特許文献1の段落0237)。
モノマーを重合させるために必要とされる波長300−380nmの紫外線を放射する紫外線光源としては種々のものが知られているが、現状ではPSA用途に最適な光源については検討が重ねられている段階である。例えば、水銀を放電媒体として波長365nmの紫外線を主として放射する水銀ランプ、金属ハロゲン化物を放電媒体とするメタルハライドランプ等がPSA用途の光源の候補とされている。しかしながら、水銀ランプは、複数の水銀ランプを搭載して紫外線照射装置を構成しようとした場合に紫外線照射装置が大型化するといった問題があり、また、水銀を放電媒体とするために環境への負荷が大きいといったデメリットがある。メタルハライドランプは投入電力に比して放射される紫外線の出力が低いというエネルギー効率の面で問題があり、また、ハロゲン化金属を放電媒体とするために環境への悪影響を無視できない。
一方、互いに対向して配置される誘電体材料よりなる一対の壁部と一対の壁部の端部に接続された封止用壁部とで構成される放電容器を備え、放電容器の内部に形成された放電空間内に、希ガス、ハロゲンガス、またはこれらの混合ガスを充填して、前記壁部を介して交流電圧またはパルス電圧を印加することにより紫外線を放電容器外部に放射する放電ランプが知られている。この種の放電ランプは、複数の放電ランプを搭載して紫外線照射装置を構成しようとした場合に紫外線照射装置を比較的小型化することができると共に、投入電力に比して放射される紫外線の出力が高いためにエネルギー効率に優れ、しかも、キセノンガス、クリプトンガス等の希ガスを放電媒体として使用するので環境への負荷が小さい、という実用的な面でメリットが大きいため、PSA用の光源として有望視されている。
このような放電ランプは、従来から主として液晶基板等の被処理物の表面に対して真空紫外線を照射することによって被処理物の表面改質をするための光源として使用されているが、PSA用途においてモノマーを重合させるために必要とされる波長300−380nmの波長域の紫外線の出力が不十分であった。
特開2003−149647号
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、PSA用途に最適な光源を提供するために、モノマーを重合させるために必要となる波長300−380nmの波長域の紫外線を効率良く放射する放電ランプを提供することを目的とする。
本願第1の発明は、発光ガスとしてヨウ素を含む放電容器と、放電容器の外表面に形成された一対の電極を備え、励起ヨウ素分子を形成することでピーク波長342nmの紫外線を放射する放電ランプであって、前記放電容器の内表面に、シリカ粒子を含有する微小粒子よりなる紫外線反射層が形成され、この紫外線反射層の表面であって、一対の電極の放電経路に衝突する位置に、アルミナまたはイットリアまたはこれらの混合物よりなる薄膜が形成されていることを特徴とする放電ランプ。
また、本願第2の発明は、本願第1の発明において、前記放電容器において、一方の電極に対応する内表面に紫外線反射層が形成され、他方の電極に対応する内表面には紫外線反射層が形成されておらず、前記一方の電極に対応する位置に形成された紫外線反射層の放電空間に面する表面に薄膜が形成されていることを特徴とする。
また、本願第3の発明は、本願第1または2の発明において、前記薄膜の厚みは3μm以上、10μm以下であることを特徴とする。

本願第1の発明に係る放電ランプによれば、紫外線反射層の表面であって、一対の電極の放電経路に衝突する位置に薄膜を形成することによって、紫外線反射層を構成するシリカ粒子がプラズマに曝されず、プラズマに含まれるヨウ素原子、ヨウ素分子やヨウ素イオンと反応しない。そのため、紫外線反射層を構成するシリカ粒子の表面に酸素欠陥させず、紫外線反射層の反射率低下を抑制することができる。したがって、波長300−380nmの波長域の紫外線を長時間にわたって効率良く放射する放電ランプを提供することができる。
本願第2の発明に係る放電ランプによれば、アルミナまたはイットリアまたはこれらの混合物は、ヨウ素のような腐食物に対して耐食性に優れ、かつ、紫外線を透過する材料であるため、薄膜によって紫外線反射層を構成するシリカ粒子がプラズマ中で活性となった励起ヨウ素原子、励起ヨウ素分子やヨウ素イオンに曝されることを防止することができる。
本願第3の発明に係る放電ランプによれば、紫外線反射層が形成されていない部分を紫外線出射部とすることで、プラズマから紫外線出射部に直接放射される紫外線と共に、プラズマから紫外線出射部以外に放射される紫外線を紫外線反射層において反射させて紫外線出射部より放射させることで、高い効率で紫外線を放射することができる。
本願第4の発明に係る放電ランプによれば、薄膜の厚みを3μm以上にすることによって、紫外線反射膜が薄膜に覆われない部分が生じてムラができることを防止する。また、薄膜の厚みを10μm以下にすることによって、薄膜が剥がれないようにすることができる。
本発明の放電ランプの説明用断面図 本発明の放電ランプの紫外線反射層を説明するための拡大断面図 放電ランプの比較例を示す説明用断面図 実施例の測定装置を示す断面図
図1は本発明の放電ランプ10の一例における構成の概略を示す説明用断面図である。(a)は放電容器20の長手方向に沿った断面を示す断面図、(b)は(a)におけるA−A'線の断面図である。
この放電ランプ10は、両端が気密に封止されて内部に放電空間Sが形成された、断面矩形状の中空長尺状の放電容器20を備えている。この放電容器20は、上壁板21および上壁板21に対向する下壁板22と、上壁板21および下壁板22に連結する一対の側壁板23と、これら上壁板21、下壁板22、および一対の側壁板23よりなる四角筒状体の両端を封止するよう設けられた一対の端壁板24とからなる。放電容器20は、紫外線を良好に透過するシリカガラス、例えば、合成石英ガラスにより形成される。
放電容器20における上壁板21の外表面に高電圧供給電極11、下壁板22の外表面に接地電極12が備えられ、これらの電極11、12は互いが対向するように配置される。このような電極11、12は、網状構造となっており、網目の隙間から光が透過するように形成されている。材質として、例えば、アルミニウム、ニッケル、金等が用いられ、例えば、スクリーン印刷、または、真空蒸着の手段によって形成される。また、それぞれの電極11、12は適宜の高周波電源(図示せず)に接続されている。
放電容器20の内部には放電用ガスが、例えば、10〜160kPaの圧力で封入されている。放電用ガスとしては、クリプトン、アルゴンの何れか1種類以上の希ガスとヨウ素ガスとを主として含む放電ガスが封入されている。このような構成の放電ランプに、高電圧供給電極11と接地電極12との間に例えば1〜120kHzの交流電圧またはパルス電圧を供給することにより、放電空間Sに面する内壁面において、放電空間の全体にわたって放電が発生しているような状態の拡散放電と、前記拡散放電に比べて空間的に収縮した帯状の形状を有するフィラメント放電との双方が混在して発生する。
このような放電により、放電容器に封入されたヨウ素Iの正イオンIおよび陰イオンIは、ヨウ素以外のアルゴン、クリプトンのうちから選択される1種類以上の原子又は分子と次式のようにして反応することによって、励起ヨウ素分子I を形成する。以下の化学式に示すMは、ヨウ素、クリプトンおよびアルゴンの原子または分子である。
〔化学式1〕
I+ + I + M → I + M
励起ヨウ素分子I は、放電ガスに含まれるヨウ素イオンIおよびIが放電ガスに含まれるヨウ素、クリプトンおよびアルゴンの原子または分子と衝突を繰り返すことによって放電空間に形成され、ピーク波長が342nmのヨウ素分子発光を放射する。
励起ヨウ素分子を形成する基となるヨウ素イオンは、準安定励起原子のエネルギーによりヨウ素が電離されるぺニング効果と呼ばれる反応が主な要因となって生成する。このぺニング効果は、クリプトンおよびアルゴンの準安定励起原子のエネルギーがヨウ素原子の電離エネルギーよりもわずかに高いことによって発生する。参考までに、準安定励起原子のエネルギーは、クリプトンが10.5eV、アルゴンが11.5、11.7eVであり、ヨウ素原子の電離エネルギーは10.4eVである。したがって、クリプトン、アルゴンから選択される一種類以上の希ガスとヨウ素ガスとを含む放電ガスを放電容器に封入すれば、放電空間においてヨウ素イオンがより多く生成され、多数の励起ヨウ素分子が形成されることになるので、ピーク波長342nmのヨウ素分子発光の出力が向上するものと期待される。
放電ガスは、クリプトン、アルゴン以外のその他の希ガスを含んでいても良いが、クリプトンやアルゴンといった希ガスの分圧に比してこれら以外の希ガスの分圧が高くなると、上記したぺニング効果を弱めることになるため、その他の希ガスの分圧の割合が高くなり過ぎないように注意することが必要である。例えば、クリプトン、アルゴン以外のその他の希ガスの分圧は、クリプトン、アルゴンの分圧の10%以下とすることが好ましい。
励起ヨウ素分子から放射されるピーク波長342nmのヨウ素分子発光の出力は、PSA用途においてモノマーを重合させるために必要とされる強度には不十分であるため、エキシマ放電によって発生する紫外線を効率良く利用するために、放電容器20の放電空間Sに対面する内表面に、粒子堆積体よりなる紫外線反射層30を設けている。具体的には、上壁板21の内表面の高電圧供給電極11に対応する領域と、電極11、12の対応する領域から外れた上壁板21及び下壁板22の内表面、並びに、側壁板23及び端壁板24の内表面の領域とに、紫外線反射層30が形成される。
一方、放電容器20における下壁板22の、接地電極12に対応する内表面において紫外線反射層30が形成されていないことによって紫外線出射部が構成されている。
紫外線反射層30は、厚みが例えば20〜100μmであり、シリカ粒子と、シリカより融点が高く、紫外線を透過する微小粒子とから構成されている。シリカより融点が高く、紫外線を透過する微小粒子とは、例えば、アルミナ、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウムなどである。また、紫外線を吸収する材質、例えば、チタンやジルコニウム、これら化合物を微小粒子としては採用しない。ただし、紫外線反射層30の不純物として、チタンやジルコニウムが混入する場合がある。
図2は、本発明の放電ランプ10の紫外線反射層30を説明するための拡大断面図である。
図2を用いて、紫外線反射層30を構成する微小粒子によって紫外線が反射される仕組みを説明する。このような紫外線を透過する微小粒子から構成される紫外線反射層30に紫外線が入射すると、一部は微小粒子の表面で反射し、また一部は屈折して粒子の内部に透過し、再び別の表面で反射または屈折する。複数の微小粒子においてこのような反射、屈折が繰り返し起こることにより、紫外線は向きを変えて、紫外線反射層30の外部に向かって進むようになる。紫外線反射層30に入射した紫外線は、微小粒子への入射角度により様々な方向に反射または屈折するため、全体としてみると紫外線は拡散反射される。
ただし、紫外線反射膜30が剥がれて紫外線出射部の内表面に堆積すると、放電ランプから放射される光が遮蔽されてしまう。そこで、紫外線反射膜30は、放電容器20を構成するシリカガラスと線膨張係数の値が等しいシリカ粒子が半数以上、例えばシリカ粒子が60〜95%含まれるように形成されている。線膨張係数の値が等しいまたは近似するものは、接着しやすいという性質があるため、放電容器20と同質のシリカ粒子が一定以上含まれるようにして、放電容器20との接着力を高めている。
また、シリカ粒子は放電ランプ10において発生するプラズマの熱によって溶融して粒界が消失されて、紫外線を拡散反射させることができなくなって反射率が低下することがある。一方、シリカより融点が高い微小粒子は、プラズマによる熱にさらされた場合であっても溶融しない。そこで、紫外線反射層30にシリカより融点が高い微小粒子を混入させることによって、互いに隣接する微小粒子同士で結合されて粒界が消失することを防止し、紫外線反射層30の反射率の低下を抑制している。
紫外線反射層30に含まれる微小粒子は、以下のように定義される粒子径が、例えば0.01〜20μmの範囲内にあるものであって、中心粒径(個数基準の粒度分布の最大値)が、紫外線反射層30において、例えば0.1〜10μmであるものが好ましく、より好ましくは0.1〜3μmであるものが好ましい。
ここでいう「粒子径」とは、紫外線反射層30の表面に対して垂直方向に破断したときの破断面における、厚み方向のおよその中間位置を観察範囲として、走査型電子顕微鏡(SEM)によって拡大投影像を取得し、この拡大投影像における任意の粒子を一定方向の2本の平行線で挟んだときの当該平行線の間隔であるフェレー(Feret)径をいう。
また、「中心粒径」とは、上記のようにして得られる各粒子の粒子径についての最大値と最小値との粒子径の範囲を、例えば、0.1μmの範囲で、複数の区分、例えば15区分程度に分け、それぞれの区分に属する粒子の個数(度数)が最大となる区分の中心値をいう。
ところが、図3のように紫外線反射層30を1層だけ設けた放電ランプを長時間使用すると、シリカ粒子が溶融した影響と考えられる以上の減少幅で紫外線強度が落ちてしまうことを発明者は発見した。発明者はこの原因を検討して次のように考えている。
シリカに酸素欠陥が生じると、短波長領域において幅広く光を吸収することが知られている。図2に示すような複数の微小粒子の表面で屈折して粒子の内部に透過することが繰り返し起こることにより拡散反射される紫外線反射光は、酸素欠陥が生じたシリカ粒子を透過する度にその一部が吸収され、結果として紫外線反射層30の反射率が減少していると推測される。酸素欠陥は、シリカ粒子が放電プラズマに曝されると、プラズマ中で活性となった励起ヨウ素原子、励起ヨウ素分子やヨウ素イオンなどが、シリカの結合(≡Si−O−Si≡)と反応し、酸素が脱離するか、結合が切断されることによりシリカ粒子の表面に酸素欠陥(≡Si、≡Si−O)が生じていると考えられる。
また、紫外線反射層30を1層だけ設けた放電ランプを長時間使用した後、放電容器の内部から五酸化二ヨウ素(I)が検出された。これは、シリカの表面で励起ヨウ素原子、励起ヨウ素分子やヨウ素イオンなどが反応し、酸素が脱離することで五酸化二ヨウ素(I)が生じたものと考えられる。
なお、シリカガラスで構成される放電容器20の表面も放電に曝されてヨウ素と反応することにより、放電容器の透過率も減少する。しかし、ヨウ素との反応は放電容器20の内表面の極薄い層に限られ、さらに、紫外線は放電容器20を一度透過すれば放射され、紫外線反射層30のように何度も透過するものではないため、紫外線の照度維持に対する影響は小さい。
そこで、図1に示すように、紫外線反射層30を構成するシリカ粒子がプラズマに含まれるヨウ素原子、ヨウ素分子やヨウ素イオンと反応しないように、紫外線反射層30においてプラズマに曝される表面にアルミナ(Al)またはイットリア(Y)よりなる薄膜40を積層している。紫外線反射層30においてプラズマに曝される表面とは、具体的には、放電容器20の高電圧供給電極11に対応する内表面に形成されている紫外線反射層30の放電空間に面する表面である。
薄膜40は、放電空間のプラズマ中で活性となった励起ヨウ素原子、励起ヨウ素分子やヨウ素イオンに紫外線反射層30を構成するシリカ粒子が曝されることを防止するための被膜として機能するものであり、ヨウ素のような腐食物に対して耐食性に優れ、かつ、紫外線反射層30で紫外線を反射させるために紫外線を透過する材料により構成しなければならない。このような性質を兼ね備えた材料としては、アルミナ(Al)またはイットリア(Y)が適当であることを発明者は見出し、この材料により薄膜40を構成している。特に、アルミナ(Al)は紫外線の透過率が高いという点で優れている。
薄膜40に用いられるアルミナ(Al)またはイットリア(Y)は、紫外線反射層30の表面への付着のさせやすさや、材料の入手のしやすさから、粒子径が例えば0.1〜10μmの範囲内にある微小粒子が使用される。薄膜40を構成する微小粒子も紫外線を透過するので、複数の微小粒子においてこのような反射、屈折が繰り返し起こることにより、紫外線を拡散反射することもできる。しかしながら、薄膜40には、紫外線反射層30がプラズマに曝されることを防止する被膜としての機能を期待しているため、薄膜40を構成する微小粒子が溶融して粒界が消滅して反射機能が低減したものでも良い。したがって、アルミナ(Al)またはイットリア(Y)は粒子形状のものに限られず、例えば、ゾル・ゲル法によって形成される緻密な薄膜により薄膜40を構成しでもよい。
なお、もう一方の電極である接地電極12に対応する放電容器20の内表面は紫外線出射部となっており、紫外線反射層30が形成されていないため、薄膜40を形成する必要がない。
また、紫外線反射層30の表面に薄膜40が形成されている部分で封止すると放電容器20が割れやすくなるので、放電容器20の側壁板23及び端壁板24の内表面に形成されている紫外線反射層30の表面には、薄膜40は形成されていない。
続いて、本発明の放電ランプに関する実施例を示す。
実施例に使用した放電ランプは、肉厚2mmの石英ガラスよりなり、全長200mm、幅42mm、高さ14mm、放電ギャップ10mmとなるように放電容器が構成され、この放電容器の外表面に全長150mm、幅32mmの格子状の金属よりなる電極を備える。放電容器には、ヨウ素が1%含まれたクリプトンガスとの混合ガスが120kPa封入されている。放電容器の一方の電極に対応する内表面を除いた位置に紫外線反射層が形成され、高電圧供給電極11に対応する内表面に形成されている紫外線反射層の放電空間に面する表面に薄膜が形成されている。紫外線反射層と薄膜の構成を表1に示す。
Figure 0005526724
(実施例1)
上記の仕様を有する放電ランプについて、紫外線反射層の厚みを30μmとし、薄膜の厚みを3μm、5μm、10μm、15μm、20μmと変更したものを用意した。それぞれの薄膜の厚みについて10個製作し、薄膜の剥がれの有無を確認した。製作後のランプを目視で確認し、数mm程度の薄膜の小片が剥離してランプ内部に散乱している状態を剥がれ有りとした。測定結果を表2に示す。
Figure 0005526724
表2に示す結果より、薄膜の厚みは、10μm以下であれば剥がれが生じないことがわかる。また、実験の過程で、3μmより小さな厚みでは、紫外線反射膜が薄膜に覆われない部分が生じてムラができやすくなることがわかった。これより、薄膜の厚みは3μm以上、10μm以下であることが好ましいことがわかった。
(実施例2)
実施例1に用いた放電ランプについて、紫外線反射層の厚みを30μmとし、薄膜の厚みを3μmとしたものを本発明の放電ランプとして用意した。また、薄膜が形成されておらず、放電容器の内表面に紫外線反射層のみが厚み30μmで形成されている点のみが異なるものを比較用の放電ランプとして用意した。
本発明の放電ランプと比較用の放電ランプとを、それぞれ1000時間点灯させた後の紫外線強度の維持率を測定した。各々の放電ランプについて、点灯直後の状態と1000時間点灯後の状態とにおいて、図4に示す装置を使用して紫外線強度を測定した。点灯直後の紫外線強度と1000時間点灯後の紫外線強度を比較することによって、紫外線強度の維持率(%)を算出した。
紫外線強度測定装置は、アルミ製容器(40)の内部のセラミクス製支持台(41)の上に測定対象の放電ランプ(10)が固定される。放電ランプ(10)の紫外線出射部に対向する位置で、放電ランプの表面から5mm離れたところに分光器の受光部(42)が固定され、アルミ製容器内部雰囲気が窒素で置換される。分光器受光器は図示しないファイバーにより分光器本体に接続されている。電極(11、12)間に、入力100W・周波数70Hzの交流高電圧を印加することで、放電容器(20)の内部に放電を発生させ、格子状電極を通して放射される紫外線を測定する分光器の測定スペクトルから320〜350nmの照度を積算した値を用いて、紫外線強度を比較する。
測定結果を表3に示す。
Figure 0005526724
表3に示す結果より、紫外線反射層の一対の電極の放電経路に衝突する位置の表面に薄膜を形成することによって、紫外線反射層の反射率低下を抑制することができる。そして、放電ランプを1000時間点灯しても点灯初期の紫外線強度をほぼ維持できることが確認された。
10 放電ランプ
11 高電圧供給電極
12 接地電極
20 放電容器
30 紫外線反射層
40 薄膜

Claims (3)

  1. 発光ガスとしてヨウ素を含む放電容器と、放電容器の外表面に形成された一対の電極を備え、励起ヨウ素分子を形成することでピーク波長342nmの紫外線を放射する放電ランプであって、
    前記放電容器の内表面に、シリカ粒子を含有する微小粒子よりなる紫外線反射層が形成され、
    この紫外線反射層の表面であって、一対の電極の放電経路に衝突する位置に、アルミナまたはイットリアまたはこれらの混合物よりなる薄膜が形成されていることを特徴とする放電ランプ。
  2. 前記放電容器において、一方の電極に対応する内表面に紫外線反射層が形成され、他方の電極に対応する内表面には紫外線反射層が形成されておらず、
    前記一方の電極に対応する位置に形成された紫外線反射層の放電空間に面する表面に薄膜が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の放電ランプ。
  3. 前記薄膜の厚みは3μm以上、10μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の放電ランプ。
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