JP2010205635A - 希ガス蛍光ランプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発光管の外部に設けられた一対の電極と、発光管の内部に設けられた蛍光体層とを備え、発光管の内部に希ガスが封入された希ガス蛍光ランプにおいて、
前記発光管は、ホウケイ酸ガラス、及び/又は、アルミノケイ酸ガラスを主成分とし、遷移金属酸化物の含有量が1〜5wt%であり、アルカリ酸化物の含有量が1〜5wt%であるガラスよりなることを特徴とする希ガス蛍光ランプ。
【選択図】図1
Description
低圧水銀ランプ9の発光管90は合成石英ガラスや溶融石英ガラス、ホウケイ酸ガラスなどよりなり、内部にフィラメントマウントからなる電極93、94を備えている。発光管90内部には例えばアルゴン等の希ガスと水銀が封入され、両端が箔シールによって封止されている。
このような低圧水銀ランプ9は、放電により発光管90内の水銀原子が電離および励起され、185nm、254nm、313nm、365nm等の波長帯の紫外線が得られる。
液晶は有機物であり、紫外線によって分子結合が分解される可能性がある。紫外線は波長が短くなるほど光子エネルギーが大きくなり、分子結合を分解する能力が高くなる。また、液晶材料は波長が短くなるにつれて吸収しやすくなる光吸収特性を持っている。したがって、300nm程度より短い波長の紫外線は液晶を分解しやすいため、液晶材料に照射することは好ましくないと考えられる。
また、この方法においては、一般的に2枚のガラス基板は紫外線で硬化する封着剤で接着される。この硬化に用いる紫外線は365nm付近にピーク波長を持つ紫外線であるため、モノマーはこの紫外線によって重合しないよう、365nm付近の紫外線より短波長で感光するように設計されている。したがって、300〜350nmの波長領域の紫外線が必要となる。
すなわち、液晶とともに充填されたモノマーを重合させるための紫外線としては300nm〜350nmの波長領域において、相対強度が大きすぎる発光ピークがなく、比較的ブロードなピークをもつ波長を持つ光であることが好ましい。
図1において、希ガス蛍光ランプ1は、後述する所定のガラスよりなる、内部に放電空間Sを有する発光管10を備え、発光管10の外表面上に、発光管10を挟んで一対の帯状の外部電極13、14が発光管10の管軸方向に沿って配設されている。発光管10の内面には主に紫外光を発光する蛍光体が全域にわたって塗布された蛍光体層12が形成されている。
なお、発光管10の形状については、断面が円形であるものに限られず、矩形、その他であってもよい。
発光管10の内部に封入される希ガスは、例えばキセノン、クリプトン、アルゴン、ネオンまたはそれらの混合ガスなどであり、10〜300Torr程度封入される。
まず、発光管10を構成する硬質ガラスの原材料となるSiO2、B2O3、Al2O3、Na2O、K2O、TiO2などの酸化物粉末を混合する。これらの原材料から製造される硬質ガラスにおいて、例えば紫外線の透過という点で良好なものとしては、ホウケイ酸ガラス(Si−B−O系ガラス、軟化点:約800℃)、アルミノケイ酸ガラス(Si−Al−O系ガラス、軟化点:約900℃)などがあり、このような硬質ガラスは単独で用いたり、適宜の割合で混合したりして用いることができる。
一旦溶融したガラスを管引きして、所定の肉厚、内径のガラス管を形成することが出来る。
図2に本発明の希ガス蛍光ランプと従来の低圧水銀ランプの分光測定結果である発光スペクトルを示す。図2の測定結果において、希ガス蛍光ランプは実線で、低圧水銀ランプは点線で示した。相対強度は、それぞれの発光ピークを100%とした値である。なお、希ガス蛍光ランプの蛍光体には前述のLAMを用いた。
この図において、Bは低圧水銀ランプの水銀による313nmの発光ピークであり、Aは希ガス蛍光ランプの蛍光体によって励起された340nm近傍のブロードな発光ピークである。
前述のように、紫外線は波長が短くなるほど、分子結合を分解する能力が高くなるため、313nmにBのような強いピークが存在すると、液晶が劣化するおそれがあり好ましくない。また、モノマーを重合するための340nm近傍の相対強度は非常に低い。
一方、Aは波長340nm近傍が中心波長であるブロードなピークであり、モノマーの重合を促進するのに適している。また、300nm以下の短波長にむかうにしたがって相対強度が低下しているので、液晶の劣化を防ぐことができる。
図3(b)に示すように、発光管10の内表面には、周方向に略半周にわたって反射層15が設けられている。蛍光体層12はさらにこの反射層15の内表面に設けられている。反射層15は、例えば発光管10と同じガラス材料の粉末による粒子堆積層であり、以下のようにして作製される。
このガラス粉末を、ニトロセルロースと酢酸ブチルの混合液(重量比1:4の割合)と混合する。この混合液をアルミナボールとともにボールミルにかけて十分にミリングすることで、ガラス粉末が分散されたスラリー(以下、単にガラススラリーとも呼ぶ)となる。
焼成条件は、大気中において約500〜700℃、最高温度での保持時間が0.2〜1時間程度である。例えばホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス粉末を用いた場合には、600〜700℃で行うことが好ましい。この焼成過程によってガラス粉末は表面が軟化して、粒子同士の付着を起こすとともに、発光管10にも付着することで反射層15となる。
反射層15は粒子全体が溶融する溶融温度まで昇温させず、表面だけで結合することにより結着するため、粒子形状を維持している。したがってこの反射層15は、多数のガラス粒子が堆積した粒子堆積層である。このような反射層15によれば、入射された紫外線は、その一部がガラス粒子の表面で反射され、また一部は屈折して粒子の内部を透過して再び別の表面で反射または屈折するなどして、紫外線を効率よく散乱反射する。
図3(b)に示すように、発光管10の周方向に略半周にわたって反射層15が設けられている場合には、散乱反射によって矢印で図示した方向に光が出射される。これにより、被照射面でのランプからの紫外線強度が向上する。
ガラス管の内面に蛍光体を塗布した後は、ガラス管内に乾燥窒素ガス等を流すことで蛍光体スラリーに含まれる酢酸ブチルを蒸発させる。
以上により発光管材料用ガラス管80の内面に、反射層15と蛍光体層12とを形成することが出来る。
10 発光管
11 ガラス層
12 蛍光体層
13 電極
14 電極
15 反射層
9 低圧水銀ランプ
90 発光管
93 電極
94 電極
S 放電空間
Claims (2)
- 発光管の外部に設けられた一対の電極と、発光管の内部に設けられた蛍光体層とを備え、発光管の内部に希ガスが封入された希ガス蛍光ランプにおいて、
前記発光管は、ホウケイ酸ガラス、及び/又は、アルミノケイ酸ガラスを主成分とし、遷移金属酸化物の含有量が1〜5wt%であり、アルカリ酸化物の含有量が1〜5wt%であるガラスよりなることを特徴とする希ガス蛍光ランプ。 - 前記発光管の内面には、該発光管と同じガラス材料の粉末が堆積した反射層が、周方向の略半周にわたって設けられていることを特徴とする請求項1に記載の希ガス蛍光ランプ。
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