JP5581635B2 - 蛍光ランプ - Google Patents

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Description

この発明は、紫外領域の光を放射する蛍光ランプに関するものであり、特に、発光管内面に蛍光体が塗布されたなる蛍光ランプに係わるものである。
最近、光触媒や、広義の樹脂硬化、除菌、美容、医療などの用途に、波長300nm付近の紫外光が利用されている。このような光の光源としては、波長250〜380nm近傍に強度ピークを有する光を発光する蛍光体が、発光管内表面に塗布された紫外線を放射する蛍光ランプが使用される。
このような紫外光を放射する蛍光ランプにおいては、放電によって蛍光体を励起させるための比較的短波長(例えば200nm以下)の紫外光を得て、この紫外光を蛍光体に照射して蛍光体を励起させ、所定波長領域の光に変換することにより得られた紫外光(200〜380nm)を、蛍光体層および発光管を透過させて、放射するものであり、原理的には可視光を得るものと同様である。
蛍光ランプの発光管としては、一般に、ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ珪酸ガラス等のいわゆる硬質ガラスが好適に用いられている。
しかしながら、上記した、例えば波長200〜380nm付近の紫外光を放射させる蛍光ランプにおいては、上述の硬質ガラスを発光管に用いた場合、紫外線の吸収が生じるために紫外光の透過率が低く、効率が悪いランプとなってしまう。
従って、発光管を構成するガラスとしては、より紫外光の透過率が高いものが好ましい。
そこで、このような事情に鑑みて、発光管に石英ガラスを用いた蛍光ランプが、例えば特許文献1、2などに開示されている。
これら文献に記載の技術のように、発光管に石英ガラスを用いて構成すれば、紫外光の透過率が高く、効率よく光を取り出すことができる。
ところで、一般に蛍光ランプにおいては、その製造工程において、発光管の基材を構成するガラスの軟化点付近まで昇温して、蛍光体を焼成固着する工程を備えている。
ところが、上記従来技術に基づく発光管に石英ガラスを用いた場合には、石英ガラスの軟化点が1600℃近傍であるため、このような高温度域にまで加熱すると蛍光体の劣化が生じてしまい、所定の光が得られなくなるといった問題がある。
これに鑑み、蛍光体の焼成温度を発光特性に問題がない温度域、例えば900℃以下に低下させて焼成すると、石英ガラスの軟化が得られなくなり、蛍光体層が管壁から剥がれて落下し、所定の配光分布が得られなくなるという問題が生じる。
特表2008−503046号公報 特表2007−534128号公報
この発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて、紫外線を放射する蛍光ランプにおいて、発光管に石英ガラスを用いることで紫外光の透過率が高くて効率のよいものとするとともに、発光管内表面に塗布した蛍光体の剥離、落下などの問題がない、信頼性の高い蛍光ランプを提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、この発明に係る蛍光ランプは、発光管を構成する石英ガラスよりも軟化点が低いガラス粉末層を、前記発光管の内表面上に分散させて配置し、該発光管内表面上及び前記ガラス粉末層上に前記蛍光体層を形成したことを特徴とする。
また、前記ガラス粉末層が、ホウケイ酸ガラスおよびアルミノケイ酸ガラス、バリウムケイ酸ガラス、または、これらいずれかの組成を元にアルカリ土類酸化物やアルカリ酸化物、金属酸化物を添加したガラスのいずれかを含むことを特徴とする。
更に、前記ガラス粉末層の面積が、前記発光管の内表面に対して30〜90%の割合であることを特徴とする。
本発明に係る蛍光ランプによれば、石英ガラス製発光管と蛍光体層の間に、軟化点が石英ガラスの軟化点よりも低いガラスからなるガラス粉末層が、発光管における放電空間側の表面上に分散した状態で形成されているので、蛍光体の焼成工程で、該蛍光体を1000℃以上の温度に加熱することなく、ガラス粉末層の軟化点温度近傍において焼成することで、蛍光体層と発光管との結合を強固にすることができる。
これにより、蛍光体の劣化が少なくて紫外光への変換効率が良好な蛍光ランプとなるとともに、蛍光体層が剥離、脱落したりすることがなく、照度ムラが生じるようなことがない蛍光ランプとすることができる。
しかも、ガラス粉末層を構成する軟化点の低いガラスが、石英ガラスに対して熱膨張係数に差を有するものであっても、前記ガラス粉末層は、発光管内表面において分散した状態に、略島状に点在して配置されているため、石英ガラス粉末層とガラス粉末層との間に熱膨張係数に由来した歪が入り難く、ガラス粉末層が発光管から剥離するようなこともない。
その結果、蛍光体が剥れ難く、ガラス粉末層も剥れ難い、紫外光の放射効率が高い蛍光ランプを得ることができる。
更に、上記のように、ガラス粉末層が略島状に点在して配置されているため、蛍光体で発生した紫外線について、直接石英ガラスを透過して外部に取り出す割合が、ガラス層で発光管内容面を一様に被覆した場合に比べて増加する利点もある。
そして、前記ガラス粉末層が、ホウケイ酸ガラス(Si−B−O系ガラス)およびアルミノケイ酸ガラス(Si−Al−O系ガラス)、バリウムケイ酸ガラス、または、これらいずれかの組成を元にアルカリ土類酸化物やアルカリ酸化物、金属酸化物を添加したガラスのうち、少なくともいずれかのガラスを含むことにより、耐熱衝撃性が良好であるため、蛍光ランプとして使用する際の温度変化にも十分耐えることができ、当該ガラス粉末層が剥れたり、蛍光体層との結合が低下するといった問題が発生することなく、確実に蛍光体層を保持することができるという効果も奏する。
本発明に係る蛍光ランプの斜視図。 図1の横断面図。 図3のA部の拡大断面図。 本発明の蛍光ランプの製造工程を説明するフローチャート。 本発明の他の実施例の低圧蛍光ランプの断面図。 本発明の更に他の実施例の断面図および拡大図。
図1、図2に示すように、蛍光ランプ1は略矩形箱状の発光管2からなり、その内部には放電空間Sが形成されている。該発光管2は石英ガラスなどの紫外線透過性を有する誘電体よりなり、その上面と下面に一対の外部電極3、4を備えている。
前記発光管2の放電空間Sには、エキシマ放電用のガスが所定の封入量で封入され、例えば放電ガスとしてキセノンガスが10〜70kPa封入される。もちろん他の希ガスと混合してもよい。
また、発光管の断面形状は、上記の略矩形箱状に限らず、略円筒状の管や扁平状の管なども適宜使用することができる。
上記蛍光ランプ1における下面側の電極4はアルミニウム等の金属を、印刷、蒸着或いは箔状にして貼着して形成したものであり、放電空間S内で生成された紫外光が透過できるよう、例えば網目状に構成されている。
光を放射しない側、すなわち上面側の電極3は光透過性については不要であるが、製造上の観点から下面側の電極4と同様の形態で構成してもよく、該下面側電極4と同様にアルミニウム等により形成される。
図2、図3に示すように、発光管2の内面にはガラス粉末層5が部分的に、かつ、ほぼ全域に広がるように形成されており、このガラス粉末層5及び発光管2の内表面上に積層されるように蛍光体層6が形成されている。
すなわち、図3に示すように、低軟化点ガラス粉末5aが発光管2の内表面上に部分的に、島状に固着されてガラス粉末層5を形成されていて、発光管2の放電空間S側では、ガラス粉末層5が部分的に形成されるとともに、発光管2の内表面自体が露出する形態となっている。
蛍光体粉末6aは該ガラス粉末層5上に塗布されているので、該蛍光体粉末6aは一部がガラス粉末5a上に積層されるとともに、一部は発光管2の内表面に直接積層される形態となる。
ガラス粉末層5は、発光管2を構成する石英ガラス(軟化点:1600℃)よりも軟化点が低いガラスの粉末の単体または集合体により構成されている。ガラス粉末層5として好ましくは、軟化点が、蛍光体の焼成温度(400〜900℃)範囲にあるものであり、具体的に材質を述べると、更に好ましくは、耐熱衝撃性の良好な硬質ガラスである。
なかでも、ホウケイ酸ガラス(Si−B−O系ガラス、軟化点:約800℃)、アルミノケイ酸ガラス(Si−Al−O系ガラス、軟化点:約900℃)、バリウムケイ酸ガラス、または、これらいずれかの組成を元にアルカリ土類酸化物やアルカリ酸化物、金属酸化物を添加したガラスが好ましく、このような硬質ガラスは、単独で用いても良いし適宜の割合で混合して用いても良い。
このようなガラス粉末5aの単体若しくは集合体からなるガラス粉末層5が、発光管2内表面を部分的に露出させた状態で形成されていることにより、その上に積層形成される蛍光体層6が、発光管2に強固に保持され、蛍光体層6の剥離や脱落のない、信頼性の高い蛍光ランプを提供することができるようになる。
しかも、発光管2の素材として、紫外線透過率が高い石英ガラスを使用しているため、紫外光の透過率が良好で紫外光の放射効率が高い蛍光ランプとすることができる。
次いで、本発明の蛍光ランプの蛍光体層の形成方法を、図4に示すフローチャートに従って説明する。
1.ガラス粉末のスラリーを調製する。
ガラス粉末層5を構成するガラス粉末5aと、ニトロセルロース、酢酸ブチル液と所定の割合で混合する。十分に混合して懸濁液を作製し、ガラス粉末を分散させたガラス粉末スラリーを作製する。
このような濃度範囲に調製をすることで、発光管2内表面上に、ガラス粉末5aの単体若しくは集合体からなるガラス粉末層5を、発光管内表面を部分的に露出させた状態で形成することが可能になる。
なお、ガラス粉末層に用いるガラスは、ホウケイ酸ガラス(Si−B−O系ガラス)およびアルミノケイ酸ガラス(Si−Al−O系ガラス)、バリウムケイ酸ガラス、または、これらいずれかの組成を元にアルカリ土類酸化物やアルカリ酸化物、金属酸化物を添加したガラスから選択することができ、例えば、日本電気硝子株式会社製ガラス、型式BFKやBS、PS−94などを用いることができる。
2.発光管内部にガラス粉末スラリーを塗布する。
塗布方法としては、流し込みや吸引など、適宜の方法をとることができる。
3.ガラス粉末スラリーを乾燥する。
発光管構成用ガラス管の両端には開口が形成されており、一方の開口から乾燥窒素ガス(乾燥空気でも良い)を流すことで、ガラススラリーに含まれる酢酸ブチルを蒸発させる。この結果、ガラス管の内表面上に厚さが3〜10μm、ガラス粉末5aが部分的に堆積した状態で形成される。
乾燥後のガラス粉末層5の分布状態としては、30〜90%であることが好ましく、更に好ましくは、である。また、ガラス粉末の厚みは、好ましくは3〜10μmであり、更に好ましくは3〜6μmである。
ガラス粉末層5の形成割合として濃度が低い場合には、最終的に蛍光ランプを構成したときに、石英ガラスの露出面が広くなりすぎて蛍光体の保持が困難になる。一方、これが90%よりも大きい場合には、ガラス粉末層5を構成するガラス粉末5a同士が切れ目無く形成された状態となって、ランプ製造時の温度変化や、ランプ点灯/消灯が繰り返されるために起こる熱膨張によって、発光管2とガラス粉末層5との界面で空隙が発生してガラス粉末層5が剥離することがある。従って、ガラス粉末層5の分布状態として30〜90%に収めることが好ましい。
4.ガラス粉末の層を焼成する。
焼成条件は、大気中であって、約500〜1000℃、時間としては、最高温度での保持時間で表すと、0.2〜1時間である。上述したホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、バリウムケイ酸ガラスを用いた場合には、600〜900℃で行うのが好ましく、これらいずれかの組成を元にアルカリ土類酸化物やアルカリ酸化物、金属酸化物を添加したガラスを用いた場合には、500〜800℃で行うのが好ましい。この焼成工程によって粒子同士が部分的に結合するとともに、ガラス管2に融着し、ガラス粉末層5が基材に強力に結着することになる。
なお、ガラス粉末層5は、溶融温度まで昇温しないことから通常は粉末状の形態を維持している。
焼成後、ガラス管を常温まで冷却する。
5.蛍光体スラリーを調製する。
蛍光体は、例えば、ユ−ロピウム付活ホウ酸ストロンチウム(Sr−B−O:Eu(以下SBEと称する。)、中心波長368nm)蛍光体、
セリウム付活アルミン酸マグネシウムランタン(La−Mg−Al−O:Ce(以下、LAMと称する。)、中心波長338nm(ただしbroad))蛍光体、
ガドリニウム、プラセオジム付活リン酸ランタン(La−P−O:Gd,Pr(以下、LAP:Pr,Gdと称する、中心波長311nm)蛍光体などである。
これらの蛍光体は、いずれも波長250nm未満の領域の紫外光を吸収して、各々有する中心波長帯の紫外線に変換し、放射する。
6.発光管内部に蛍光体スラリーを塗布する。
蛍光体スラリーを発光管2内に塗布する。塗布方法は吸い上げ法、流し込み法など適宜である。
7.蛍光体を乾燥する。
ガラス管内部に乾燥窒素ガス(乾燥空気でも良い)を流して蛍光体スラリーに含まれる酢酸ブチルを蒸発させる。
8.蛍光体を焼成する。
発光管用のガラス管を炉に入れて、焼成する。焼成条件は、大気雰中で、約500〜800℃であり、最高温度での保持時間にして、0.2〜1時間加熱する。この焼成工程において、蛍光体層6とガラス粉末層5との境界面でガラスの軟化が生じて蛍光体6aがガラス粉末層5に結着し、結果的に、強固な結合状態が得られる。
なお、大気中での劣化が激しい蛍光体の場合は、大気中でニトロセルロースが焼失する温度まで昇温したのち、非酸化雰囲気ないし還元雰囲気にすることにより、約800度程度までの加熱を行うことが可能である。
焼成後、発光管を冷却する。
こうして蛍光体層6が形成された発光管2は、その内部を排気し、放電用ガスを封入して気密封止(チップオフ)する。
封入される放電用ガスは、希ガスであり、例えば、キセノン(Xe)、クリプトン(Kr)、アルゴン(Ar)、ネオン(Ne)であり、単独で用いても良いし適宜の組合わせで混合して用いてもよい。なお、これら希ガスの放電により得られる波長は、キセノン160−190nm、クリプトン124,140−160nm、アルゴン107−165nm、ネオン80−90nmである。
こうして構成された蛍光ランプ1では、図1において、一対の外側電極3、4に不図示の電源より高周波電圧が印加されると、電極3、4間に誘電体(発光管2の上下壁)を介在させた放電が形成され、放電ガスである例えばキセノン(Xe)ガスの発光により、波長172nmの紫外光が発生する。
ここで得られる紫外光は、蛍光体の励起用の発光であり、この波長172nmの紫外光が蛍光体層6を照射することにより、蛍光体が励起され、例えば蛍光体の種類を選択することにより波長200〜380nmの紫外光が放射される。こうして得られた波長200〜380nmの紫外光は、該蛍光体層6、ガラス粉末層5、発光管2を透過して、外部に放射される。
ガラス粉末層5においては、紫外光の透過率としては、石英ガラスよりも劣るが、この介在状態は部分的であると共にその厚みが、例えば30μm以下であるので、波長200〜380nmの紫外光の吸収が少なく、ほとんどが透過して外部に放射されるようになる。
この結果、発光管2の全体を低軟化点のガラスで形成したものに比較し、格段に高い効率で所望の波長帯の紫外光を放射することができるようになる。
以上、説明した蛍光ランプは、一対の電極がいずれも放電空間の外部に位置されたものであったが、このような例に限定されず、例えば、どちらか一方の電極が内部に配置されたものでも適用できる。
また、放電の形式が異なる水銀励起型の蛍光ランプにおいても適用できることは言うまでもない。放電空間内に電極を配置する場合は、蛍光体層が塗布された発光管の封止工程の前に電極を取り付ければよい。
図5は、本発明の他の実施例に係る内部電極型の低圧水銀蛍光ランプ10である。
発光管11を構成するガラス管は溶融石英ガラスより構成されている。
該発光管11の内部には、上述した方法と同様の方法によりガラススラリーが塗布、乾燥、焼成されることによって、ガラス粉末層12が発光管11の内表面上に分散した状態で形成されている。このガラススラリーに用いるガラス粉末は、石英ガラスよりも軟化点が低いガラスよりなり、最終的な蛍光ランプの状態においても、粉末の形態を維持している。
このガラス粉末層12、及び、石英ガラス管11の露出面部の上には、蛍光体層13が形成されている。
また、発光管11の内部には、一対の内部電極14、15として、フィラメントマウントが、発光管11の端部のシール部材17、18に支持されて配置されており、更に希ガスであるアルゴンを4kPa(30Torr)と、水銀を10mg/cmが封入されている。なお、同図において19、20はリード線である。
この実施例にかかる蛍光ランプ10では、水銀の輝線による波長185nmと254nmの光が蛍光体層13を照射すると、例えば波長300nm台の光に変換される。このような蛍光ランプ10によれば、通常の水銀の放電のみで得られる波長320−370nm近傍の光のみを利用するよりも、格段に効率がよく波長300nm台の光を放射することができる。
なお、以上の説明では、蛍光体の種類として代表的に、SBE、LAM、LAP:Pr,Gdを上げて説明したが、その他にも用途に応じて種々の蛍光体を使用することが可能であることは言うまでもない。
以下に、放射光の波長帯別に蛍光体を列挙する。放電物質と利用する紫外線の波長帯によってこのような蛍光体から適宜のものを用いればよい。

<300〜400nmの発光を示す蛍光体>
セリウム付活アルミン酸マグネシウムランタン(La−Mg−Al−O:Ce)
セリウム付活リン酸ランタン(La−P−O:Ce)
セリウム付活リン酸イットリウム(Y−P−O:Ce)
セリウム付活マグネシウムバリウムアルミネート(Ce−Mg−Ba−Al−O)
プラセオジウム&ガドリニウム付活リン酸ランタン(La−P−O:Gd、Pr)
ユーロピウム付活ホウ酸ストロンチウム(Sr−B−O:Eu)

<200〜300nmの発光を示す蛍光体>
プラセオジウム付活リン酸ランタン(La−P−O:Pr)
プラセオジウム付活リン酸イットリウム(Y−P−O:Pr)
プラセオジウム付活リン酸ルテチウム(Lu−P−O:Pr)
ビスマス付活リン酸イットリウム(Y−P−O:Bi)

<180〜200nmの発光を示す蛍光体>
ネオジウム付活リン酸ルテチウム(Lu−P−O:Nd)
ネオジウム付活リン酸ランタン(La−P−O:Nd)
ネオジウム付活リン酸イットリウム(Y−P−O:Nd)
図6(A)、(B)には、上記のような蛍光体とともに、紫外線に対して反射性を有する反射膜を形成した実施例が示されている。
図において、発光管2の内周面には、石英ガラスよりも軟化点が低いガラス粉末層5が分散配置されて、略島状に形成されており、該内周面の周方向での光出射側とは反対側の一部に、図示の例では、上面側に反射膜7が形成されている。そして、該反射膜7を含んで全周面に蛍光体層6が形成されている。
こうすることにより、光出射側における紫外線出力を上げることができ、実用に適した蛍光ランプとすることができる。このような反射膜7を構成するための反射材としては、具体的には、シリカ粉末(SiO)、アルミナ粉末(Al)、及びこれら混合粉末であり、更には、これらを主成分として他の反射材を混合したものを用いることができる。
前記反射材は高温で焼成することも可能であるが、本発明にかかるガラス粉末層7を形成することで、焼成温度を比較的低温としても反射材を確実に発光管2に定着させることができ、更には、反射材と蛍光体の焼成を同時に行うことができるようになるため、反射膜を備えた蛍光ランプを製造する上においても大変優位に機能する。
また、上記例においては、ガラス粉末層5を形成した後に、反射膜7を形成するとしたが、先に反射膜7を形成して、その後、該反射膜を除いた残りの部分にガラス粉末層5を形成するようにしてもよい。この場合も、反射膜7を含めて全内周面に蛍光体層6を形成することが実用的である。
[実験例]
バインダに混合する低軟化点を有するガラス粉末(以下「特定のガラス粉末」という)の量(重量)を様々に変更し、特定のガラス粉末の混合割合が異なるガラス粉末スラリー液を作製した。
各ガラス粉末スラリー液を用いてガラス粉末層を形成すると共に、その上に蛍光体層が積層されるように蛍光体を塗布、焼成して蛍光ランプの中間品を作製した。この蛍光体層の付着状態を評価するため、蛍光体層が形成された部分を切り出してサンプル1〜サンプル6を製作した。
また上記手順5.乃至9.により、特定のガラス粉末層を有さない、すなわち発光管内面に直接蛍光体層が形成された従来技術に係るサンプル7を作製した。
以上のサンプル1〜サンプル7について、下記の分析方法に従って特定のガラス粉末の付着面積割合を測定すると共に、各サンプル表面を綿棒でこすって蛍光体層及びガラス粉末層の剥がれの状態を評価した。このときの評価では、蛍光体が多少剥れることは不可避に生じるため、従来技術(サンプル7)と同様に蛍光体層が剥離したり、ガラス粉末層が剥離したりした場合には×とした。
この結果を、ガラス粉末スラリーにおけるバインダに含まれるガラス粉末の混合割合と共に表1に示す。
<ガラス粉末の付着面積の分析方法>
発光管の断面をEPMA(電子線マイクロアナライザ)に付属されているSEM(走査型電子顕微鏡)の試料台に取り付けて、真空引き、観察を開始する。
この際、蛍光体粒子を十分に分離できる程度倍率(約1万倍程度)に設定して拡大する。
SEMでの測定を行い粒子の形状を確認すると同時にEPMAを用いた面分析または部位によっては管径方向に線分析を行うことで元素の分布を測定することができる。
元素の分布状態を測定すると、蛍光体の主な構成元素とガラスの構成元素とは相違するため、蛍光体とガラスとを明確に分離することができる。
蛍光体がLAMの場合、La,Al,Mgが主要元素であり、YPCの場合、Y,Pが、主要元素である。これに対して、軟化点の低いガラス成分は、例えば、軟質ガラスの場合、K,Naなどのアルカリ元素、B,Ti,Alなどのいずれかを含有する。
このため、EPMA付属のSEMによる面分析や線分析で、粒子の元素分布を測定することにより、蛍光体粒子と軟質ガラス粒子を分離することができ、その形状も把握することができる。
<表1>
Figure 0005581635
サンプル1は、ガラス粉末の付着面積割合が100%であって低軟化点を有するガラス粉末層(以下「ガラス粉末層」という)が発光管内面の全面に形成されたものである。このサンプル1においては、発光管が高温になると、ガラス粉末層が浮き上がり、発光管の素地との間に空間ができ、剥れ落ちるという現象が生じた。この理由は、発光管を構成する石英ガラスとガラス粉末層とは熱膨張係数が異なるため、発光管が高温になると、伸縮する度合いによって接着が維持できなくなり、曲がりやすい方、すなわちガラス粉末層が剥がれて、空間ができたためと考えられる。
サンプル2〜サンプル4は、ガラス粉末層が剥離することなく安定的に蛍光体層を保持できた。この理由は、ガラス粉末層が面積比30〜90%であり、部分的に発光管(石英ガラス)の素地が露出するため、伸縮による状態が部分的に緩和されるためと考えられる。
サンプル5、6は、ガラス粉末層が面積比10〜20%であり、発光管(石英ガラス)の露出面積が大きかったため、蛍光体が剥れて安定して蛍光体層を保持することができなかった。
サンプル7は、従来技術にかかるものであり、蛍光体がすべて剥れてしまい、安定して蛍光体層を保持することができなかった。
以上の結果から明らかなように、蛍光ランプの発光管の内表面にガラス粉末層が30%〜90%の割合で形成されていることにより、蛍光体層の剥離が生じにくく安定的に蛍光体層及びガラス粉末層を維持することができる。
以上のように、本発明の蛍光ランプでは、石英ガラスからなる発光管の内表面に、石英ガラスよりも軟化点の低いガラス粉末層を分散配置し、前記発光管内表面と該ガラス粉末層上に蛍光体層を形成したことにより、蛍光体層が発光管に強固に保持され、該蛍光体層が剥離したり脱落したりすることのない、信頼性の高い蛍光ランプを提供することができるという優れた効果を奏するものである。
1 蛍光ランプ
2 発光管(石英ガラス)
3、4 外部電極
5 (低軟化点)ガラス粉末層
5a (低軟化点)ガラス粉末
6 蛍光体層
6a 蛍光体
7 反射膜
S 放電空間
10 低圧水銀蛍光ランプ
11 発光管
12 (低軟化点)ガラス粉末層
13 蛍光体層
14、15 電極


Claims (4)

  1. 石英ガラスからなる発光管と、該発光管内表面に塗布された紫外光を放射する蛍光体層とを備えた蛍光ランプにおいて、
    石英ガラスよりも軟化点が低いガラス粉末層を、前記発光管の内表面上に分散させて島状に点在して配置し、前記蛍光体層を前記ガラス粉末層上に積層するとともに、その一部を前記発光管の内表面上に直接積層させたことを特徴とする蛍光ランプ。
  2. 前記ガラス粉末層が、ホウケイ酸ガラスおよびアルミノケイ酸ガラス、バリウムケイ酸ガラスのいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ。
  3. 前記ガラス粉末層の面積が、前記発光管の内表面に対して30〜90%の割合であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ。
  4. 前記発光管の内周面の周方向の一部に、紫外線に対して反射性を有する反射膜を形成したことを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ。


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