JP5526471B2 - 浄水カートリッジおよび浄水器 - Google Patents

浄水カートリッジおよび浄水器 Download PDF

Info

Publication number
JP5526471B2
JP5526471B2 JP2007228777A JP2007228777A JP5526471B2 JP 5526471 B2 JP5526471 B2 JP 5526471B2 JP 2007228777 A JP2007228777 A JP 2007228777A JP 2007228777 A JP2007228777 A JP 2007228777A JP 5526471 B2 JP5526471 B2 JP 5526471B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
activated carbon
water
water purification
case
purification cartridge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007228777A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009061352A5 (ja
JP2009061352A (ja
Inventor
正則 伊藤
昌彦 種池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2007228777A priority Critical patent/JP5526471B2/ja
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp, Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to PCT/JP2008/061334 priority patent/WO2008156168A1/ja
Priority to CN201310321277.XA priority patent/CN103395848B/zh
Priority to CN2012100432059A priority patent/CN102616877B/zh
Priority to CN2013103212820A priority patent/CN103408078A/zh
Priority to CN2008800207033A priority patent/CN101687669B/zh
Publication of JP2009061352A publication Critical patent/JP2009061352A/ja
Publication of JP2009061352A5 publication Critical patent/JP2009061352A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5526471B2 publication Critical patent/JP5526471B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Water Treatment By Sorption (AREA)

Description

この発明は、浄水カートリッジおよび浄水器に関するものであり、特に家庭用の水道水栓に取り付けるタイプの浄水器およびこれに用いる浄水カートリッジに係るものである。
従来から、水道水栓に直接取り付けるいわゆる蛇口直結タイプの浄水器が知られている。この蛇口直結タイプの浄水器では、一般に、吐出させる水の種類すなわち原水・浄水を切換える切換機構を備えた本体と、濾材を収容し交換可能に構成された浄水カートリッジとで構成されている。そして、浄水カートリッジの内部には、水道水中の塩素やトリハロメタンなどを除去するための吸着材として活性炭が収容されている場合がある。
この活性炭においては、通常、粉末状や繊維状のものを使用することが多いが、これら粉末状活性炭および繊維状活性炭などを用いた場合、取り扱いが容易ではないため組み立て作業者の負担が増加していた。そこで近年、この粉末状の活性炭をバインダーと混合して成形して取り扱い性を向上させた成型活性炭が提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
特許第3537149号公報
しかしながら、上述の成型活性炭では、バインダーが含まれている分だけ吸着性能が低下傾向にあり、吸着性能を維持しようとすると成型活性炭の体積が増加して浄水カートリッジが大型化してしまうという課題がある。
また、吸着性能の低下を防止すべく成型活性炭内のバインダーの量を減少させると、成型活性炭の形状変化などが発生する可能性があり、取り扱い容易性が低下してしまう。また、とりわけバインダーの量を減少させた場合、ウェット時に成型活性炭が膨潤する可能性があり、この場合成型活性炭によってケースおよびケース開口部を閉塞する蓋体が押圧されてケースおよび蓋体に負担がかかる虞がある。
そこで、この発明は、成型活性炭の吸着性能や取り扱い容易性の低下を防止しつつ小型化を図ることができる浄水カートリッジおよび浄水器を提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した浄水カートリッジは、開口部を有するケース本体と、前記開口部の内側に固定される蓋体とからなるケースと、活性炭とバインダーとからなり両端に開口部を有する筒状に成形され、前記ケース内に収容され、前記開口部を有する一方の開口端が、前記蓋体と対向配置される成型活性炭とを備え、前記成型活性炭と前記ケース本体の内壁との間に水通路が形成された浄水カートリッジであって、前記成型活性炭の前記水通路側への変形を防止するシート状物前記成型活性炭の前記蓋体側への変形分を吸収する弾性体と、を備え、前記シート状物は、繊維で構成され、前記成型活性炭の側面のうち少なくとも前記水通路と接する面を覆うとともに、前記側面から前記開口端側に折り曲げられる余剰分を備え、前記成型活性炭は、前記蓋体側の前記開口端に前記シート状物で覆われていない部分を備え、前記弾性体は、前記蓋体と対向配置された前記成型活性炭の前記開口端と、前記蓋体の内壁の両方に接するように設けられ、前記蓋体と前記成型活性炭の前記一方の開口端とにより挟持されている。
請求項に記載した浄水カートリッジは、請求項1に記載の浄水カートリッジにおいて、前記成型活性炭の下流側には、筒状体(例えば、実施の形態におけるケース44)内に収容された中空糸膜(例えば、実施の形態における中空糸膜52)が設けられている。
請求項に記載した浄水カートリッジは、請求項に記載の浄水カートリッジにおいて、前記筒状体が、その一端に支持部(例えば、実施の形態における支持部81)を備え、該支持部と前記成型活性炭とによって前記弾性体が挟持されている。
請求項に記載した浄水カートリッジは、請求項1から3何れか一項に記載の浄水カートリッジにおいて、前記活性炭が平均粒子径50〜150μmの粉末状活性炭であり、前記成型活性炭中のバインダーの含有量が前記粉末状活性炭に対して0.1〜2質量%である。
請求項に記載した浄水カートリッジは、請求項1から4何れか一項に記載の浄水カートリッジにおいて、前記ケースの内面に、前記成型活性炭の側面に当接するリブ(例えば、実施の形態におけるリブ62)が設けられている。
請求項に記載した浄水器は、請求項1から5何れか一項に記載の浄水カートリッジ(例えば、実施の形態におけるカートリッジ4)を、水の通路を切換える切換機構(例えば、実施の形態における切換弁23)を有した浄水器本体(例えば、実施の形態における本体3)に着脱自在に設けた。
請求項に記載した浄水器は、請求項6に記載の浄水器において、前記ケースの外壁および浄水器本体それぞれに対し、いずれか一方に雄コネクタ部(例えば、実施の形態における雄コネクタ14a,14b,14c)を設け、他方にこれに差し込み嵌合される雌コネクタ部(例えば、実施の形態における雌コネクタ12a,12b,12c)を設け、前記雄コネクタ部と前記雌コネクタ部との嵌合により、前記浄水器本体と前記浄水カートリッジとの間の水通路(例えば、実施の形態における浄水通路26、原水導入通路27)が形成されるとともに前記浄水カートリッジが前記浄水器本体に支持される。
請求項1に記載した発明によれば、活性炭とバインダーとからなる成型活性炭の水通路に面した側面をシート状物で覆うことで、成型活性炭の形状が崩れるのを防止することができるため、バインダーの含有量を低下させることができる。したがって、成型活性炭の吸着性能を確保しつつ組み立て時の取り扱い容易性を確保することができる
また、通水時に成型活性炭の原水通路方向への膨潤などによる変形をシート状物によって防止するとともに、シート状物が設けられていない方向への成型活性炭の膨潤等による変形を許容しつつ、この変形分を弾性体によって吸収することができるため、成型活性炭の変形によりシート状物に過度の負担がかかるのを防止するとともに、ケースの負担を軽減することができる効果がある。
さらに、活性炭と蓋体とによって弾性体を挟持することで、成型活性炭の膨潤等による変形を許容しつつ、この変形分を弾性体によって吸収することができるため、蓋体の負担を軽減することができる。
請求項に記載した発明によれば、請求項1の効果に加え、活性炭による吸着を行った後に中空糸膜にてろ過を行うことができるため、中空糸膜への負担を軽減すると共に浄化性能の向上を図ることができる。
請求項に記載した発明によれば、請求項の効果に加え、活性炭の開口端に弾性体が接することになるため、成型活性炭の膨潤等による変形を許容しつつ、ケースや蓋体の負担を軽減することができる。
請求項に記載した発明によれば、請求項1から3の何れか一つの効果に加え、活性炭の平均粒子径を50μmよりも小さい粉末状活性炭にした場合、活性炭の充填密度が高くなりすぎてろ過流量が低下し、150μmよりも大きく設定すると吸着性能が低下するが、50μm〜150μmに設定することで、ろ過流量を十分に確保しつつ吸着性能を十分に確保することができる効果がある。
請求項に記載した発明によれば、請求項1から4の何れか一つの効果に加え、リブにより成型活性炭の変位を規制することができるため、さらに成型活性炭の形状を安定的に保持することができる効果がある。
請求項に記載した発明によれば、請求項1から5の何れか一つの効果に加え、浄化性能を低下させることなしに浄水器の小型化を図ることができる効果がある。
請求項に記載した発明によれば、請求項6の効果に加え、浄水器本体とカートリッジとを結合するために設けられた雄コネクタ部と雌コネクタ部とが、それぞれ水通路を構成していることで、従来の浄水器のように結合手段と通路とを個別に設けている場合よりも、結合手段を配置するスペースを省略できる分だけ浄水器の本体とカートリッジとを接近配置させることができ、したがって、浄水器の寸法を短縮して浄水器の小型化を図ることができる効果がある。
次に、図面を参照しながらこの発明の第1の実施の形態を説明する。
図1,2において、符号1は浄水器を示している。この浄水器1は水道水栓2のアーム2aに取り付けられる本体3と、この本体3の後面に着脱自在に設けられた略円柱状のカートリッジ4とで構成されている。なお、この実施の形態では、水道水栓2のアーム2aに対して図1に示すように浄水器1が取り付けられている状態で、水道水栓2の正面つまりアーム2aの延長線上に立った使用者から見た前後方向を浄水器の前後方向と称し、上記状態で使用者から見た左右方向を浄水器の左右方向と称する。
本体3は、上部に原水受入口5を備え、この原水受入口5の周縁に設けられたリング状の取付け治具6を介して水道水栓2のアーム2aに接続されている。本体3の下部には、原水を吐出するシャワー出口7(図5参照)と浄水を吐出する浄水出口8(図4参照)とが配置されている。
本体3の前面には、本体3の左右幅方向に長尺な操作レバー9が取り付けられている。操作レバー9は、浄水器1から吐出する水の種類すなわち原水または浄水を選択するものであり、左右幅方向の中心部分が本体3に軸支され、左端部9aと右端部9bとがそれぞれ前後方向に揺動可能になっている。
操作レバー9の中央部9cは、原水受入口5の周縁の形状に沿って後方に向かって湾曲した形状になっている。一方、中央部9cの左右に設けられた左・右端部9a,9bは、中央部9cよりも上下方向に幅広に形成され、浄水器1の左右方向に沿って延びている。右端部9bには、前面にシャワーマーク10が形成され、左端部9aには、前面に浄水マーク11が形成されている。このように、操作レバー9の中央部9cが後方に向かってやや湾曲して形成されていることで、操作レバー9の前方への張り出しと幅方向の寸法とが大きくなるのを抑制している。
図3に示すように、本体3の背面には、後方に向かって開口する略筒状の雌コネクタ12a,12b,12cが形成されている。これら雌コネクタ12a,12b,12cは、本体3の左右幅方向にほぼ沿って配列されている。より具体的には、本体3の左側(図3中右側)に雌コネクタ12aが配置され、本体3の左右中央には雌コネクタ12bが配置され、さらに、本体3の右側(図3中左側)には、雌コネクタ12cが配置されている。雌コネクタ12bを基準として雌コネクタ12aと雌コネクタ12cとがそれぞれ左右対称位置に配置され、雌コネクタ12bは、雌コネクタ12a,12cよりも若干上方に配置されている。
一方、カートリッジ4は、略円筒状のケース13を備えている。このケース13の外周壁には、上述した雌コネクタ12a,12b,12cに対応した位置に、略円筒状の雄コネクタ14a,14b,14cが形成されている。雄コネクタ14bは、略円筒状に形成されたカートリッジ4の軸方向の中央位置に配置されており、この雄コネクタ14bを基準に、雄コネクタ14aと雄コネクタ14cとがそれぞれ左右対称位置に配置されている。
ここで、雄コネクタ14aは上述した雌コネクタ12aと対をなすものであり、雄コネクタ14bは雌コネクタ12bと対をなすものである。また、雄コネクタ14cは雌コネクタ12cと対をなすものである。上述した雌コネクタ12aと雄コネクタ14aとでカートリッジ4と本体3との間の浄水用の通路である浄水通路26を構成し、雌コネクタ12bと雄コネクタ14bとでカートリッジ4と本体3との間の原水用の通路である原水導入通路27を構成している。
雄コネクタ14aの周囲にはOリング15が2重に装着され、雄コネクタ14bの周囲にはOリング15が一つだけ装着されている。雄コネクタ14cの周囲にはOリング15が装着されていない。なお、雄コネクタ14aの周囲には、Oリング15を一つだけ設けるようにしてもよく、雄コネクタ14cの周囲にOリング15を設けるようにしてもよい。
このように構成することで、雄コネクタ14aを雌コネクタ12aに挿入し、雄コネクタ14bを雌コネクタ12bに挿入し、さらに、雄コネクタ14cを雌コネクタ12cに挿入して押し込むと、雌コネクタ12a,12b,12cにそれぞれ雄コネクタ14a,14b,14cが嵌合し、Oリング15が装着されている雄コネクタ14a,14bについては、Oリング15によってシールがなされ、雄コネクタ14a,14bが挿抜方向へ変位するのが規制され、これら雄コネクタ14a,14b,14cおよび雌コネクタ12a,12b,12cを介してカートリッジ4が本体3に支持されることとなる。
カートリッジ4の、雄コネクタ14aと雄コネクタ14bとの間、および、雄コネクタ14bと雄コネクタ14cとの間には、それぞれ本体3側に向かって突出する係止片16が形成されている。これら係止片16には、それぞれネジ孔17が形成されている。一方、本体3の雌コネクタ12aと雌コネクタ12bとの間、および雌コネクタ12bと雌コネクタ12cとの間には、本体3の底壁18の上記係止片16のネジ孔17に対応する位置に、遊挿孔19が形成されている。
図4に示すように、本体3にカートリッジ4を装着した状態で、遊挿孔19を介して下方からビス20を挿入して係止片16のネジ孔17に螺入することで、本体3の底壁18と係止片16が固定され、カートリッジ4の本体3から離脱する方向への移動が規制される。なお、ビス20で本体3の底壁18とカートリッジ4の係止片16とを固定する場合について説明したが、ビス20による固定ではなく、例えば、爪などを用いて係止片を底壁18に係合させるようにしてもよい。なお、上述した係止片16は、カートリッジ4が本体3から離脱する方向への変位を規制するだけのために設けられたものであって、カートリッジ4を支持するためのものではない。
図3,5に示すように、本体3に装着されたカートリッジ4は、その中心軸sが本体3の底壁18と略同一の高さに配置されている。また、上述した雄コネクタ14a,14b,14cは、本体3に装着された状態で、カートリッジ4の中心軸sよりも上部で浄水器1の後方から前方に向かって伸びている。
一方、本体3の背面には、カートリッジ4の周面に対応した形状、すなわち本体3の前面側に向かって凹形となる側面視略弧状に形成された凹部38を備えている。これにより、カートリッジ4が本体3に装着されたときに、カートリッジ4の外周壁が凹部38に当接して、カートリッジ4の前部が本体3側に若干入り込むこととなる。
また、本体3の背面上縁部分は、カートリッジ4の周面に沿って当接しつつ後方に伸びてつば部21を形成している。このつば部21は、本体3の左右幅方向の中心ほど後方に向かって延びる凸状に形成されている(図2参照)。このつば部21を設けていることで、本体3にカートリッジ4を装着する際に、カートリッジ4を正しい姿勢で本体3の凹部38に導くことができるとともに、装着されたカートリッジ4の両端部が上下方向に変位するのを規制することができる。なお、雌コネクタ12a,12b,12cの上縁部分22は有段成形され、この有段成形された上縁部分22だけが上述のつば部21と同様に、カートリッジ4の周面に当接するように上縁部分22の上方に向かうほど後方に向かって延びている(図3参照)。
図5に示すように、本体3の原水受入口5には、水道水栓2に接続された状態で、原水受入口5と水道水栓2との間をシールするゴムパッキン24が設けられている。さらに、ゴムパッキン24の下方には中心部分に開口部(図示せず)が形成された樹脂製の仕切り板25が配置されている。この仕切り板25は、本体3の内壁に上下方向に沿って形成された複数のリブ(図示せず)上に載置されている。
仕切り板25の下方には、上述した操作レバー9に連係した切換弁23が左右方向(図3の紙面表裏方向)に揺動自在に収容されている。この切換弁23は、原水受入口5と前述した原水導入通路27との連通状態、および、原水受入口5と原水をシャワー出口7に導く原水通路28との連通状態を切換えるものである。
より具体的には、本体3内部には、操作レバー9側に切換弁ホルダー29が配置され、切換弁23は、この切換弁ホルダー29に回転軸30が回動自在に支持されている。この回転軸30は、前述した操作レバー9の回動軸に、軸線を共有した状態で固定されている。また、切換弁ホルダー29に収容されている回転軸30の周囲にはシール材としてOリング33が装着されている。
切換弁23は、その回転軸30の上部から後方に向かって伸びるアーム31を備えており、このアーム31の端部には、下方に向かって開口する略有底円筒状の弁体ホルダー32が形成されている。この弁体ホルダー32は、弁体35を上下方向に摺動自在に支持するものであり、その内部にはコイルスプリング34が収容され、このコイルスプリング34によって弁体35が下方に付勢されている。
弁体35の下方には、原水導入通路27と原水通路28の開口部(図示せず)が配置されており、この開口部と弁体35との間にアーム31の揺動する方向に沿って長尺に形成されたゴム製の弁座パッキン36が設けられている。この弁座パッキン36には、原水導入通路27および原水通路28の開口部の形状に対応した孔(図示せず)が、本体3の左右幅方向に沿って並んで配置されている。
つまり、ユーザによってシャワーマーク10が設けられた操作レバー9の右端部9bが後方に向かって押された場合、操作レバー9の回転軸が反時計周りに回動し、この回動に伴い切換弁23の回転軸30が回動してアーム31が左方向に揺動する。そして、弁体35によって原水導入通路27の開口部周縁の弁座パッキン36が上方から押圧され、原水導入通路27の開口部が閉塞される。これにより、原水通路28の開口部が開放状態となり、原水受入口5から受け入れた原水は、原水通路28を通じてシャワー出口7から下方に向かって放出されることとなる。
一方、ユーザによって浄水マーク11が設けられた操作レバー9の左端部9aが後方に向かって押された場合、操作レバー9の回転軸が時計周りに回動し、この回動に伴い切換弁23の回転軸30が回動してアーム31が右方向揺動する。そして、弁体35によって原水通路28の開口部周縁の弁座パッキン36が上方から押圧され、原水通路28の開口部が閉塞される。これにより、原水受入口5から受け入れた原水は、原水導入通路27すなわち雌コネクタ12b、雄コネクタ14bを介してカートリッジ4に導入され、その後、カートリッジ4でろ過された浄水が浄水通路26(図3参照)すなわち雄コネクタ14a、雌コネクタ12aを介して本体3に戻り、浄水出口8(図4参照)から下方に向かって放出されることとなる。
次に、図6、図7を参照しながらカートリッジ4について説明する。
カートリッジ4は、上述した雄コネクタ14a,14b,14cを備えた略有底円筒状のケース本体13aと、ケース本体13aの開口部40の内側に装着されて超音波溶着などによってケース本体13aに固定される蓋体13bとで構成されたケース13を備えている。ケース本体13aの内壁41には、前述した雄コネクタ14aと雄コネクタ14cとの間の範囲にケース本体13aの底壁13cに向かって内径が徐々に縮径する縮径部42が形成されている。そして、このケース13内にはろ過ユニット43が収容されている。
ろ過ユニット43は、膜モジュール部43aと吸着部43bとで構成されている。膜モジュール部43aは、略円筒状の筒状体44を備え、この筒状体44の外周面の前述した原水導入通路27の延長上の位置に、段差部45が形成されている。ここで、雄コネクタ14bの原水導入通路27の延長上に段差部45を配置することで、原水導入通路27を介してカートリッジ4のケース13内に流入する原水が段差部45に当たって、吸着部43b側(図6中、矢印で示す方向)に向かう。
筒状体44は、段差部45よりも出口46側に、筒状体44の入口47側よりも大径に形成された大径部48を備えている。この大径部48の出口46側の周縁にはリング状の溝49が形成され、この溝49にOリング50が装着されている。また、筒状体44には、Oリング50が装着される位置よりも出口46側に、出口46側に向かって徐々に縮径する縮径部51が形成されている。
一方、筒状体44の内部には、中空糸膜52が収容されている。この中空糸膜52は、上述した縮径部51に対応した位置で、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂などのポッティング材53によって膜の原水側と浄水側とが遮断されている。
筒状体44の入口47には、吸着部43bを構成するベース部材54が装着されている。このベース部材54は、略円盤状に形成された基部55と、この基部55の中心部分から蓋体13b側に突出する軸部56とで構成されている。基部55は、その外径が入口47の内径と一致するように形成され、筒状体44の入口47の内側に装着されている。一方、軸部56は、端部が閉塞された略中空円筒状に形成されており、その周壁には軸部56の外部と内部空間とを連通する複数の孔57が形成されている。軸部56の内部空間は基部55側で膜モジュール部43aの内部空間に連通している。
上述したベース部材54には、成型活性炭である活性炭58が装着されている。活性炭58は、粉末状活性炭と熱融着樹脂からなるバインダーとで構成され、いわゆる湿式吸引成型法等の成型法によって一体的に形成されたものである。活性炭58に含まれる粉末活性炭の平均粒子径は50〜150μmに設定するのが好ましく、また、バインダーの含有量は、0.1〜2質量%に設定するのが好ましい。なお、活性炭58の成型法は、上述した湿式吸引成型法に限られず、乾式成型方等で得られる成型活性炭であってもよい。
活性炭58は、軸部56の外径と略同一内径に設定された貫通孔59をその中心軸上に備えた略円筒状に形成されている。そして、活性炭58の貫通孔59にベース部材54の軸部56が挿入されることで、活性炭58がベース部材54に装着されている。
なお、活性炭58の形状は、必ずしも円筒である必要はなく、筒状であれば本発明の効果を奏し、例えば底面が正六角形や正八角形等の正多角形である筒であってもよい。
活性炭58の外周面には、所定の厚さ(例えば0.5〜2.0mm程度)の不織布60が巻回され、その巻回方向の端末部が融着等により固定されている。この不織布60は、活性炭58の軸方向の長さ寸法よりも若干幅広に形成されており、この不織布60を活性炭58に巻回する際に生じる上縁の余剰分は活性炭58の一端面側に折り曲げられ、下縁の余剰分は活性炭58の他端面側に折り曲げられている。
ここで、不織布60に上述の余剰分が設定されていることで、例えば、ウェット時に活性炭58が膨潤して軸方向の寸法が伸びた場合に活性炭58が通路T1(後述する)に直接露出するのを防止している。不織布60を構成する繊維は、ポリオレフィン、ポリエステル、ガラス、ナイロン、ビニロン、アクリル、レーヨン、キュプラ、綿、羊毛等の獣毛、アセテートなどを用いることができ、これらの繊維のうち、とりわけ不織布60の膨潤を抑制できる比較的吸水率(公定水分率)の低いポリオレフィン、ポリエステル、ガラスを用いるのが好ましい。また、シート状物は、不織布60に限られず、通水性を有し適度な目空きを有したシート状物で、成型活性炭の形状を保持するのに十分な強度を備えたものであればよく、例えば、フェルトや織編物を用いることができる。中でも不織布やフェルトは、厚み方向の目空きがランダムのため、仮に活性炭が剥離したとしても、目詰まりにより流量低下が発生しづらい点において、織編物よりも好適に用いることができる。また、不織布60、フェルト、織編物には、適宜形状保持のためのバインダー、補助糸、その他樹脂組成物を添加してもよい。
上述した活性炭58の端面とケース13の蓋体13bの内面63との間には円盤状のクッション材61(弾性体)が介装されている。このクッション材61は、弾性を備えたいわゆるポリエチレンフォームやウレタンフォームなどの発泡体で構成されている。このクッション材61により活性炭58が膜モジュール部43a側に付勢され、さらに、活性炭58の蓋体13b側へ膨潤による変形分が吸収される。なお、クッション材61は、発泡体に限られるものではなく、弾性体であれば、例えば、イソプレン、アクリルなどからなる合成ゴムの成形体、などを用いてもよく、また、円盤状に限られるものではない。
次に、上述したろ過ユニット43をケース13に収容する手順を説明する。
まず、円筒状の活性炭58に不織布60を巻回したものを、予めベース部材54に装着する。その後、ろ過ユニット43の膜モジュール部43a側から先にケース本体13aに挿入する。すると、筒状体44に装着されたOリング50がケース本体13a内面の縮径部42に突き当り、この状態から、さらにろ過ユニット43を挿入方向に押し込むと、Oリング50が徐々につぶれてOリング50が縮径部42の雄コネクタ14a近傍に至ると、ろ過ユニット43が挿入方向へ移動しなくなる。
ろ過ユニット43がケース本体13aに挿入された後、活性炭58の端面にクッション材61を載置して、開口部40に蓋体13bを装着する。つまり、対向配置される活性炭58の端面と蓋体13bの内面63との間にクッション材61が挟持されることとなる。すると、蓋体13bの内面63によってクッション材61が押圧されて、このクッション材61によって活性炭58が蓋体13b側から押圧されることとなる。
ケース13の内部では、上述したOリング50によって内部空間が仕切られ、Oリング50よりも入口47側には、活性炭58の外周面とケース本体13aの内周面との間、および、筒状体44の外周面とケース本体13aの内壁41との間に原水が入口47側に流過する通路T1が形成される。同様に、Oリング50よりも出口46側には、ろ過ユニット43の出口側端面と、筒状体44の縮径部51の外周面と、ケース本体13aの内周面と、ケース底壁13cとによって、浄水が流過する通路T2が画成される。
ここで、上述した雄コネクタ14bは、筒状体44に装着されたOリング50よりも活性炭58側のケース本体13aの外周壁に配置され、上述した雄コネクタ14aは、Oリング50よりも出口46側のケース本体13aの外周壁に配置されることとなる。
すなわち、上述した水道水栓2から浄水器1に流入する原水は、原水受入口5から浄水器1の内部に流入した後、操作レバー9の操作状態に応じて切換弁23によって閉塞されていない原水導入通路27または原水通路28に流入する。原水通路28に原水が流入した場合は、そのままシャワー出口7に導かれてシャワー出口7から浄水器1の外へシャワー状の原水として流出される。
一方、原水導入通路27に原水が流入した場合、原水は、原水導入通路27を構成する雌コネクタ12bと雄コネクタ14bとを介してカートリッジ4のケース13内に流入する。そして、図6に示すように、原水は、通路T1を活性炭58側に向かって流過する。
この原水は、活性炭58の外周面全体に回り込み、不織布60を介して活性炭58内に浸入する。そして、活性炭58の内部に浸入した原水は、活性炭58の貫通孔59に向かって流過して吸着済水としてベース部材54の軸部56の孔57を介して膜モジュール部43aに流入する。膜モジュール部43aに流入した吸着済水は、中空糸膜52によってろ過された後、浄水としてろ過ユニット43の出口46側から流出する。このろ過ユニット43から流出した浄水は、通路T2および、浄水通路26を介して本体3に流入し、浄水出口8から流下することとなる。
次に、活性炭58の実施例を具体的に説明する。
活性炭58の第1実施例、第2実施例、第3実施例および第4実施例における各条件を以下の表に示す。
Figure 0005526471
第1実施例は、粉末状活性炭:バインダーのそれぞれの配合比(質量%)を99:1、活性炭の平均粒子径を100μmとした場合であり、通水開始から通常交換の目安となるトリハロメタン(THM)の除去率(換言すれば吸着率)が80%に低下するまでの通水量は800(L)となった。これは、一般家庭で使用する場合、2.5ヶ月程度の使用が可能となる通水量に相当する。
次に、第2実施例は、粉末状活性炭:バインダーのそれぞれの配合比(質量%)を98:2、活性炭の平均粒子径を60μmとした場合であり、通水開始から通常交換の目安となるトリハロメタンの除去率が80%に低下するまでの通水量は850(L)となった。これは、一般家庭で使用する場合、2.5ヶ月程度の使用が可能となる通水量に相当する。
第3実施例は、粉末状活性炭:バインダーのそれぞれの配合比(質量%)を第1実施例と同じ99:1とし、活性炭の平均粒子径だけを180μmと大きくした場合であり、通水開始から通常交換の目安となるトリハロメタンの除去率が80%に低下するまでの通水量は300L程度となった。これは一般家庭で使用する場合、1ヶ月弱程度の使用が可能となる通水量に相当する。
第4実施例は、粉末状活性炭:バインダーのそれぞれの配合比(質量%)を92:8とし、活性炭の平均粒子径を第1実施例と同じ100μmとした場合であり、通水開始から通常交換の目安となるトリハロメタンの除去率が80%に低下するまでの通水量は500L程度となった。これは一般家庭で使用する場合、1ヶ月半程度の使用が可能となる通水量に相当する。
また、上述した第1実施例の粉末状活性炭の配合比を99質量%以下とした場合、配合比98質量%まではトリハロメタンの除去率が80%に低下する通水量を800L程度に維持できるが、粉末状活性炭の配合比が98質量%未満の場合、すなわちバインダーの含有量が2質量%を超える場合、バインダーの配合比が多くなるほどトリハロメタンの除去率が80%に低下するまでの通水量の減少が顕著になることが判明した。また、粉末状活性炭の配合比が99質量%以上では、粉末状活性炭の配合比が99.9質量%を超える場合、すなわちバインダーの含有量が0.1質量%を下回る場合、成型活性炭としての形状を保つのが困難になることが判明した。
さらに、粉末状活性炭の配合比を98〜99.9質量%の間に設定して、活性炭の平均粒子径を100μm以上に設定した場合、活性炭の平均粒子径が150μmまではトリハロメタンの除去率が80%に低下するまでの通水量を800L程度に維持できるが、150μmを超える場合、トリハロメタンの除去率が80%に低下するまでの通水量の減少が顕著になることが判明した。また、活性炭の平均粒子径が100μm未満の場合、50μmを下回ると、著しく通水抵抗が上昇するために局所的な偏流が発生して、トリハロメタンの除去率が80%に低下するまでの通水量の減少が顕著になることが判明した。
つまり、第1実施例、第2実施例のように、粉末状活性炭の配合比が98〜99.9質量%でかつ活性炭の平均粒子径が50〜150μmの場合には、一般家庭での使用で、優れたトリハロメタンの除去(吸着)性能を得ることができる。
一方、第3実施例のように活性炭配合比が99質量%であっても活性炭の平均粒子径が150μmを上回る場合や、第4実施例のように粉末状活性炭の配合比が98質量%すなわちバインダーの含有量が2質量%を上回る場合、第1実施例および第2実施例よりも除去性能が劣るものの一般家庭での使用で、1〜1.5ヶ月程度良好なトリハロメタンの除去(吸着)性能が得られる。なお、表1においては、第1実施例、第2実施例、第3実施例、第4実施例のみを示した。
したがって、上述した第1の実施の形態によれば、粉末状活性炭とバインダーとからなる活性炭58のバインダーの含有量を0.1〜2質量%とすることで、従来の成型活性炭と比較してバインダーの含有量を低減することができるため、成型活性炭のトリハロメタン吸着性能を十分に確保しつつ小型化をはかることができる。
また、通路T1に面した活性炭58の側面を不織布60で覆うことで、バインダーの含有量が低くなり脆弱になった活性炭58の形状が崩れるのを防止し、組み立て時の取り扱い容易性を確保することができる。
さらに、通水時に活性炭58の通路T1方向への膨潤などによる変形を不織布60によって防止しつつ、活性炭58の蓋体13b側に不織布60で覆われていない部分が設けられていることで蓋体13b方向への膨潤等による変形を許容しつつ、クッション材61によって変形分を吸収することができるため、活性炭58の変形により不織布60に過度の負担がかかるのを防止することができるとともに、蓋体13bやケース本体13aにかかる負担も軽減することができる。
そして、クッション材61を設けることで、蓋体13b側から活性炭58が押圧されてケース13内での挿抜方向への変位を防止することができるため、活性炭58がケースに接触するなどして形状が崩れるのを防止することができ、この結果、活性炭58の形状が崩れることによって活性炭58の特定部位に通水が集中するのを抑制することができる。
また、粉末状活性炭の平均粒子径を50μmよりも小さく設定すると、活性炭58の充填密度が高くなりすぎ、150μmよりも大きく設定すると吸着性能が低下するが、50μm〜150μmに設定することで、ろ過流量を十分に確保しつつ良好な吸着性能を確保することができる。
さらに、トリハロメタンの除去(吸着)性能を低下させることなし活性炭58を小型化することができるため、浄水器1の小型化を図ることができる。
そして、本体3とカートリッジ4とを結合するために設けられた雄コネクタ14a,14b,14cと雌コネクタ12a,12b,12cとが、それぞれ原水導入通路27と浄水通路26を構成していることで、従来の浄水器のように結合手段と通路とを個別に設けている場合よりも、結合手段を配置するスペースを省略できる分だけ浄水器1の本体3とカートリッジ4とを接近配置させることができ、この結果、浄水器1の寸法を短縮して浄水器のさらなる小型化を図ることができる。
なお、この実施の形態の変形例として、図8に示すように、ケース本体13aの内周面に複数のリブ62を設けてもよい。このリブ62は、ケース本体13aの内周面にケース本体13aの軸方向に沿って突出形成されるとともに、ケース本体13aの周方向に沿って所定間隔で配置されている。そして、これらリブ62のそれぞれの内側部分が活性炭58の外周面に当接する。このようなリブ62を設けることで、活性炭58の径方向の変位を規制することができるとともに、ケース本体13aの強度を向上することができ、この結果、活性炭58の形状を安定的に保持することができる。
次に、図9を参照しながらこの発明の第2の実施の形態を説明する。なお、この第2の実施の形態は、上述した第1の実施の形態の浄水カートリッジ4内に設けられたろ過ユニット43の筒状体44と吸着部43bとの接合部分の構成だけが相違するため、第1の実施の形態と同一部分に同一符号を付して説明する。
図9に示すように、カートリッジ4は、第1の実施の形態と同様に、ケース本体13aと蓋体13bとで構成され内部にろ過ユニット43が収容されるケース13を備えている。ろ過ユニット43は、膜モジュール部43aと吸着部43bとで構成されている。
膜モジュール部43aは、筒状の筒状体80を備え、この筒状体80の原水導入通路27の延長上の位置には、段差部45が形成されている。筒状体80は、段差部45よりも出口46側に大径部48を備え、この大径部48の出口46側の周縁にOリング50が装着されるリング状の溝49が形成されている。筒状体80の内部には、中空糸膜52が収容され、この中空糸膜52が縮径部51に対応した位置で、ポッティング材53によって膜の原水側と浄水側とが遮断されている。
筒状体80には、入口47側に支持部81が形成されている。この支持部81は、筒状体80の内部に径方向に沿って形成され中央部分に入口孔82が形成された壁部84と、筒状体80の入口側の周壁と連なる周壁部85とを備えている。
このように構成された支持部81は、壁部84と周壁部85とで画成された凹状の空間部分によって、吸着部43bを構成するベース部材54の基部55を摺動自在に支持するようになっている。そして、基部55と壁部84との間には、クッション材86が挟持される。クッション材86は、中心に入口孔82と略同径の孔87を有しており、第1の実施の形態のクッション材61と同様に、弾性を備えたいわゆるポリエチレンフォームやウレタンフォームなどの発泡体で構成されている。ここで、上述した壁部84の軸方向の長さは、クッション材86の厚さよりも長く、且つ、クッション材86の厚さと基部55の厚さとを加算した厚さよりも短い所定の長さに設定されている。
吸着部43bは、第1の実施の形態と同様の構成であり、主にベース部材54と活性炭58とで構成されている。ベース部材54は、基部55と軸部56とで構成され、基部55は、その外径が周壁部85の内径よりも若干小さく形成されている。一方、軸部56は、端部が閉塞された略中空円筒状に形成されており、その周壁には軸部56の外部と内部空間とを連通する複数の孔57が形成されている。軸部56の内部空間は孔87および入口孔82を介して膜モジュール部43aの内部空間に連通している。
活性炭58は、その中心軸上に形成された貫通孔59が軸部56の外径と略同一内径に設定された略円筒状に形成され、この貫通孔59にベース部材54の軸部56が挿入されてベース部材54に固定される。活性炭58は、粉末状活性炭と熱融着樹脂からなるバインダーとで構成されている。ここで、活性炭58は、粉末活性炭の平均粒子径を50〜150μm、バインダーの含有量を0.1〜2質量%に設定するのが好ましい。
活性炭58の外周面には、所定の厚さ(例えば0.5〜2.0mm程度)の不織布60が巻回され、その巻回方向の端末部が融着等により固定されている。この不織布60は、活性炭58の軸方向の長さ寸法よりも若干幅広に形成されており、この不織布60を活性炭58に巻回する際に生じる上縁の余剰分は活性炭58の一端面側に折り曲げられ、下縁の余剰分は活性炭58の他端面側に折り曲げられている。
不織布60を構成する繊維は、上述した第1の実施の形態と同様に、ポリオレフィン、ポリエステル、ガラス、ナイロン、ビニロン、アクリル、ポリエチレン、レーヨン、キュプラ、綿、羊毛等の獣毛、アセテートなどを用いることができ、これらの繊維のうち、とりわけ不織布60の膨潤を抑制できる比較的給水率(公定水分率)の低いポリオレフィン、ポリエステル、ガラスを用いるのが好ましい。また、シート状物は不織布60に限られず、通水性を有し適度な目空きを有したシート状物で、成型活性炭の形状を保持するのに十分な強度を備えたものであればよく、例えば、フェルトや織編物も用いることができる。中でも不織布やフェルトは、厚み方向の目空きがランダムのため、仮に活性炭が剥離したとしても、目詰まりにより流量低下が発生しづらい点において、織編物よりも好適に用いることができる。また、また、不織布60、フェルト、織編物には、適宜形状保持のためのバインダー、補助糸、その他樹脂組成物等を添加してもよい。
活性炭58とケース13の蓋体13bとの間には、第1の実施の形態と同様にクッション材61が介装されている。つまり、吸着部43bは、クッション材61とクッション材86とによって挟まれることとなり、活性炭58が軸方向両側から付勢される。したがって、活性炭58の軸方向へ膨潤による変形分がクッション材61とクッション材86との両方で吸収される。クッション材61,86は、弾性体であれば、例えばイソプレン、アクリルなどからなる合成ゴムの成形体などを用いてもよく、また、円盤状に限られるものではない。なお、上述した支持部54は、弾性体を介して吸着部43bを支持できる形状であればよく、例えば、壁部84を周壁部85の外側に配置してもよい。なお、カートリッジの小型化を優先する場合は、クッション材86を設ける際に、図10に示すように、クッション材61を省略しても本発明の効果は得られるが、先に示した第2の実施の形態のように、クッション材61とクッション材86とで吸着部43bが上下から略均等に付勢されているほうが、成型活性炭の形状安定の面からは好ましい。
したがって、上述した第2の実施の形態によれば、通水時に活性炭58の通路T1方向への膨潤などによる変形を不織布60によって防止しつつ、活性炭58の蓋体13b側に不織布60で覆われていない部分が設けられていることで蓋体13b方向への膨潤等による変形を許容しつつ、活性炭58の軸方向両端のクッション材61,86によって変形分を吸収することができるため、活性炭58の変形により不織布60に過度の負担がかかったりケース13に負担がかかるのを防止することができ、とりわけ活性炭58の膨潤によって膜モジュール43aの筒状体80やOリング50にかかる負担を軽減でき有利である。
なお、上述した第1、第2の実施の形態では蓋体13bを超音波溶着などによってケース本体13aに固定する場合について説明したが、蓋体13bをケース本体13aに装着固定する方法としては様々な方法を採用することができ、例えば、蓋体13bの突出部の外周に雄ネジを形成するとともに、ケース本体13aの開口部40近傍の内周に雌ネジを形成して、蓋体13bをケース本体13aの開口部40に螺合して開口部40に蓋体13bを固定してもよい。
また、上述した各実施の形態では、不織布60を活性炭58の外周面に巻回する場合について説明したが、活性炭58の外周面が覆われていればよく、例えば、チューブ状に形成された不織布の内部に活性炭58を挿入するようにしてもよい。
さらに、上述した各実施の形態では活性炭58を円筒状に形成した場合について説明したが、これに限られるものではない。また、中空糸膜52を有した膜モジュール部43aをケース13内に収容する場合について説明したが、中空糸膜52を有さない浄水器に適用することもできる。
そして、上述した第1、第2の実施の形態では、活性炭58として粉末状の活性炭を用いた場合について説明したが、繊維状活性炭を用いてもよい。
本発明の第1の実施の形態における浄水器の斜視図である。 図1のA方向から見た矢視図である。 本発明の第1の実施の形態における本体からカートリッジを外した状態の浄水器の斜視図である。 本発明の第1の実施の形態におけるカートリッジの係止片周辺の部分断面図である。 図2のB−B線に沿う断面図である。 図3のC−C線に沿う断面図である。 本発明の第1の実施の形態におけるろ過ユニットの斜視図である。 本発明の第1の実施の形態の変形例におけるケース本体13a内面のリブの斜視図である。 本発明の第2の実施の形態における図6に相当する断面図である。 本発明の第2の実施の形態の変形例における図9に相当する断面図である。
符号の説明
3 本体(浄水器本体)
4 カートリッジ(浄水カートリッジ)
12a,12b,12c 雌コネクタ(雌コネクタ部)
13 ケース
13b 蓋体
14a,14b,14c 雄コネクタ(雄コネクタ部)
23 切換弁(切換機構)
26 浄水通路(水通路)
27 原水導入通路(水通路)
41 内壁(ケース内壁、ケース本体内壁)
58 活性炭(成型活性炭)
60 不織布
61 クッション材(弾性体)
63 内面(ケース内壁)
81 支持部
T1 通路(水通路)

Claims (7)

  1. 開口部を有するケース本体と、前記開口部の内側に固定される蓋体とからなるケースと、
    活性炭とバインダーとからなり両端に開口部を有する筒状に成形され、前記ケース内に収容され、前記開口部を有する一方の開口端が前記蓋体と対向配置される成型活性炭とを備え、前記成型活性炭と前記ケース本体の内壁との間に水通路が形成された浄水カートリッジであって、
    前記成形活性炭の前記水通路側への変形を防止するシート状物
    前記成型活性炭の前記蓋体側への変形分を吸収する弾性体と、を備え、
    前記シート状物は、
    繊維で構成され、前記成型活性炭の側面のうち少なくとも前記水通路と接する面を覆うとともに、前記側面から前記開口端側に折り曲げられる余剰分を備え、
    前記成型活性炭は、
    前記蓋体側の前記開口端に前記シート状物で覆われていない部分を備え、
    前記弾性体は、
    前記蓋体と対向配置された前記成型活性炭の前記開口端と、前記蓋体の内壁の両方に接するように設けられ、前記蓋体と前記成型活性炭の前記一方の開口端とにより挟持されている浄水カートリッジ。
  2. 前記成型活性炭の下流側には、筒状体内に収容された中空糸膜が設けられている請求項に記載の浄水カートリッジ。
  3. 前記筒状体は、その一端に弾性体を支持する支持部を備え、該支持部と前記成型活性炭とによって前記弾性体が挟持されている請求項に記載の浄水カートリッジ。
  4. 前記活性炭が平均粒子径50〜150μmの粉末状活性炭であり、前記成型活性炭中のバインダーの含有量が前記粉末状活性炭に対して0.1〜2質量%である請求項1から3の何れか一項に記載の浄水カートリッジ。
  5. 前記ケースの内面に、前記成型活性炭の側面に当接するリブが設けられていることを特徴とする請求項1から4何れか一項に記載の浄水カートリッジ。
  6. 請求項1から5の何れか一項に記載の浄水カートリッジを、水の通路を切換える切換機構を有した浄水器本体に着脱自在に設けた浄水器。
  7. 前記ケースの外壁および浄水器本体それぞれに対し、いずれか一方に雄コネクタ部を設け、他方にこれに差し込み嵌合される雌コネクタ部を設け、前記雄コネクタ部と前記雌コネクタ部との嵌合により、前記浄水器本体と前記浄水カートリッジとの間の水通路が形成されるとともに前記浄水カートリッジが前記浄水器本体に支持される請求項に記載の浄水器。
JP2007228777A 2007-06-20 2007-09-04 浄水カートリッジおよび浄水器 Expired - Fee Related JP5526471B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007228777A JP5526471B2 (ja) 2007-09-04 2007-09-04 浄水カートリッジおよび浄水器
CN201310321277.XA CN103395848B (zh) 2007-06-20 2008-06-20 净水盒及净水器
CN2012100432059A CN102616877B (zh) 2007-06-20 2008-06-20 净水盒及净水器
CN2013103212820A CN103408078A (zh) 2007-06-20 2008-06-20 净水盒及净水器
PCT/JP2008/061334 WO2008156168A1 (ja) 2007-06-20 2008-06-20 浄水カートリッジおよび浄水器
CN2008800207033A CN101687669B (zh) 2007-06-20 2008-06-20 净水盒及净水器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007228777A JP5526471B2 (ja) 2007-09-04 2007-09-04 浄水カートリッジおよび浄水器

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2009061352A JP2009061352A (ja) 2009-03-26
JP2009061352A5 JP2009061352A5 (ja) 2010-10-07
JP5526471B2 true JP5526471B2 (ja) 2014-06-18

Family

ID=40556457

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007228777A Expired - Fee Related JP5526471B2 (ja) 2007-06-20 2007-09-04 浄水カートリッジおよび浄水器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5526471B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011013985A2 (ko) * 2009-07-27 2011-02-03 Yoon Ho Sung 정수용 활성탄 블록
KR101770549B1 (ko) 2009-08-06 2017-08-23 주식회사 쿠라레 활성탄 성형체 및 이를 사용한 정수기
JP2019018154A (ja) * 2017-07-18 2019-02-07 フタムラ化学株式会社 浄水用フィルター体及び浄水器
KR102157928B1 (ko) 2017-10-20 2020-09-18 주식회사 엘지화학 3층 구조의 공급 스페이서 및 이를 포함하는 역삼투막 필터 모듈

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04225890A (ja) * 1990-12-27 1992-08-14 Suntory Ltd 浄水器と、それにおける成形繊維活性炭の内装方法
JPH09248557A (ja) * 1996-03-13 1997-09-22 Toshiba Corp 浄水器
JP3674906B2 (ja) * 2000-03-10 2005-07-27 テクノエクセル株式会社 寿命表示器付き浄水器
JP5090593B2 (ja) * 2001-05-23 2012-12-05 三菱レイヨン株式会社 浄水カートリッジ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009061352A (ja) 2009-03-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5807258B2 (ja) 浄水器
JP5526471B2 (ja) 浄水カートリッジおよび浄水器
JP4799899B2 (ja) 浄水器とこれを設置したキッチン
JP2002542026A (ja) 改良された複合フィルター要素
JP7140239B2 (ja) 浄水器用フィルタカートリッジ
TW201026614A (en) Water purification cartridge and water purifier including same
CN103395848B (zh) 净水盒及净水器
CN109982974B (zh) 净水器、净水器用支架及净水器用滤筒
CN211394057U (zh) 复合滤芯
JP5581645B2 (ja) 浄水カートリッジおよび浄水器
JP5484659B2 (ja) 浄水カートリッジおよび浄水器
JP5728801B2 (ja) 浄水カートリッジおよび浄水器
JP4423065B2 (ja) 流し台並びに流し台用アンダーシンク型浄水器
JP3748396B2 (ja) 浄水器
JP4116027B2 (ja) 浄水器
JP2005000768A (ja) 浄水カートリッジ
CN102712504A (zh) 净水器
JP3838112B2 (ja) 浄水カートリッジ
JP5430058B2 (ja) 浄水カートリッジおよび浄水器
JP2009279560A (ja) 浄水カートリッジ、浄水カートリッジの製造方法、および浄水器
JP5500767B2 (ja) 浄水器
JP5640347B2 (ja) 浄水器
JP4075711B2 (ja) 浄水カートリッジ
JP6343061B1 (ja) 携帯用浄水器
CN216946472U (zh) 一种前置滤芯和净水系统

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100824

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130226

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20130828

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130910

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20130913

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131010

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20131126

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140219

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20140227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140318

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140331

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5526471

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees