JP5526124B2 - 近赤外蛍光化合物 - Google Patents

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Description

本発明は新規な近赤外蛍光化合物に関する。
蛍光イメージング技術において650 nm〜900 nmの波長領域は「生体の窓」と呼ばれ、生体組織の透過性が高い波長領域である。この近赤外領域(Near Infrared Region: NIR)に蛍光を有するプローブは、細胞傷害性の低さや散乱光の小ささなどのバイオイメージングおける利点から非常に有用であると考えられている。現在、近赤外領域に蛍光を有する化合物のうちイン・ビボでのイメージングに使用されているのは主としてシアニン系化合物である。しかしながら、シアニン系色素には光褪色や塩基に対する不安定性など構造に起因する安定性の低さが問題となることがある。また、シアニン系色素はその構造の不安定性から化学修飾が難しいという問題もある。このような観点から、近赤外領域に蛍光を有する新規化合物の提供が望まれている。
一方、ローダミンは高い蛍光量子収率や光褪色耐性等の優れた蛍光特性からケミカルバイオロジー分野においても広く使われている蛍光色素であり、様々な化学修飾が施されているが、近赤外領域に蛍光を有するローダミン化合物はあまり知られていない。最近、ローダミン骨格におけるキサンテン環10位の環構成酸素原子をケイ素原子に置き換えた化合物が報告された(中国特許出願第200610045944.6号、2006年8月2日公開)。この化合物は従来のローダミンと比較して蛍光波長が約90 nm程度長波長側にシフトしており、近赤外領域の蛍光を利用することができるという特徴を有している。しかしながら、この化合物といえども十分に長波長の蛍光を有しているとは言えず、約680 nm〜750 nmの近赤外領域に吸収・蛍光の極大点を持つ新規な蛍光化合物の提供が望まれている。
中国特許出願第200610045944.6号
本発明の課題は、ローダミン骨格を化学修飾することにより約680 nm〜750 nmの近赤外領域に吸収・蛍光の極大点を持つ新規な蛍光化合物を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、ローダミン骨格のローダミン骨格におけるキサンテン環10位の環構成酸素原子をケイ素原子に置き換えるとともにローダミン骨格のアミノ基を利用してキサンテン環に2個の環構造を導入した化合物がローダミンの高い蛍光量子収率や光褪色耐性を保持しつつ、約680 nm〜750 nmの近赤外領域に吸収・蛍光の極大点を持つ理想的な蛍光特性を有していることを見出した。本発明は上記の知見を基にして完成されたものである。
すなわち、本発明により、下記の一般式(I):
〔式中、R1は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示し;R2、R3、R4、及びR5はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、水酸基、又はハロゲン原子を示し;R6及びR7はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基を示し;ZはSi(R8)(R9)、Ge(R8)(R9)、又はSn(R8)(R9)(式中、R8及びR9はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、R8及びR9は互いに結合して環構造を形成していてもよい)を示し;X及びYはそれぞれ独立に-C(R10)(R11)-、-C(R12)(R13)-C(R14)(R15)-、又は-C(R16)=C(R17)-(式中、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、水酸基、又はハロゲン原子を示す)を示し、M-は対イオンが存在する場合にはアニオン種を示す〕で表される化合物又はその塩が提供される。
上記発明の好ましい態様によれば、R1が置換基を有していてもよいフェニル基であり、R2、R3、R4、及びR5が水素原子であり、R6及びR7がアルキル基であり、ZがSi(R8)(R9)(式中、R8及びR9はそれぞれ独立にアルキル基を示す)であり、X及びYがそれぞれ独立に-C(R10)(R11)-、-C(R12)(R13)-C(R14)(R15)-、又は-C(R16)=C(R17)-(式中、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示す)である上記一般式(I)で表される化合物又はその塩;及び、R1がアルキル基及び/又はカルボキシル基を有していてもよいフェニル基であり、R2、R3、R4、及びR5が水素原子であり、R6及びR7がアルキル基であり、ZがSi(R8)(R9)(式中、R8及びR9はそれぞれ独立にアルキル基を示す)であり、X及びYがともに-C(R10)(R11)-、-C(R12)(R13)-C(R14)(R15)-、又は-C(R16)=C(R17)-(式中、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示す)である上記一般式(I)で表される化合物又はその塩が提供される。
別の観点からは、プロトン、金属イオン、活性酸素種、又は酵素などを検出可能な蛍光プローブの製造に用いるための上記一般式(I)で表される化合物若しくは該化合物の残基、又はそれらの塩;及び蛍光標識試薬の製造に用いるための上記一般式(I)で表される化合物若しくは該化合物の残基、又はそれらの塩が提供される。
また、プロトン、金属イオン、活性酸素種、又は酵素などを検出可能な蛍光プローブであって、上記一般式(I)で表される化合物の残基を含む蛍光プローブ;プロトン、金属イオン、活性酸素種、又は酵素などを検出可能な蛍光プローブであって、上記の一般式(I)で表される化合物の残基と、プロトン、金属イオン、活性酸素種、又は酵素などを捕捉するための置換基とが結合した化学構造を含む蛍光プローブ;蛍光標識試薬であって、上記一般式(I)で表される化合物の残基を含む蛍光標識試薬;及び蛍光標識試薬であって、上記の一般式(I)で表される化合物の残基と、生体物質と結合可能な置換基とが結合した化学構造を含む蛍光標識試薬も本発明により提供される。
本発明により提供される上記一般式(I)で表される化合物又はその塩はローダミンの高い蛍光量子収率や光褪色耐性を保持しつつ、約680 nm〜750 nmの近赤外領域に吸収・蛍光の極大点を持つ理想的な蛍光特性を有していることから、例えばプロトン、金属イオン、又は活性酸素種を検出可能な蛍光プローブを製造するための母核化合物として極めて有用である。
SiR650(比較例)、及び本発明化合物(SiR680、SiR700、及びSiR720)の吸収スペクトル及び蛍光スペクトルを測定した結果を示した図である。 SiR680、SiR700、及びCy5.5の光褪色耐性の結果を示した図である。
本明細書において「アルキル基」の用語は直鎖状、分枝鎖状、環状、又はそれらの組み合わせからなるアルキル基を包含する。アルキル基としては、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数1〜8、さらに好ましくは炭素数1〜6程度のアルキル基を用いることができる。アルキル部分を含む他の官能基(例えばアルコキシ基)のアルキル部分についても同様である。「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を挙げることができる。
本明細書において「アリール基」の用語は単環性又は多環性の芳香族基を意味するが、アリール基は環構成原子としてヘテロ原子(例えば酸素原子、窒素原子、又はイオウ原子など)を1個又は2個以上有していてもよい。2個以上のヘテロ原子を有する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。アリール基として、好ましくはフェニル基を用いることができる。
本明細書において、ある官能基について「置換基を有していてもよい」と定義されている場合には、置換基の種類、置換位置、及び置換基の個数は特に限定されず、2個以上の置換基を有する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子、スルホ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、オキソ基などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。これらの置換基にはさらに置換基が存在していてもよい。このような例として、例えば、ハロゲン化アルキル基、ジアルキルアミノ基などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。
R1は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。R1が示すアルキル基としては、例えば炭素数1〜6程度のアルキル基を用いることができ、R1が示すアリール基としては、例えばフェニル基などを用いることができる。R1が示すアルキル基又はアリール基が無置換であってもよいが、置換基を有していてもよい。R1が示すアルキル基又はアリール基が置換基を有する場合、置換基として、例えばアルキル基、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、アミノ基、スルホ基、又はカルボキシル基などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。
R1は置換基を有していてもよいアリール基であることが好ましく、R1が置換基を有していてもよいフェニル基であることがより好ましい。R1が置換基を有するフェニル基である場合には、アルキル基(例えば炭素数1〜6のアルキル基)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜6のアルコキシ基)、及びカルボキシル基からなる群から選ばれる置換基を1〜3個程度有するフェニル基であることがさらに好ましい。より具体的には、2-アルキルフェニル基、2-アルキル-4-カルボキシフェニル基、2-アルキル-4-アルコキシフェニル基、2-カルボキシフェニル基、又は4-アルキル-2-カルボキシフェニル基などが挙げられるが、これらに限定されることはない。上記フェニル基の置換基としてアルキル基がメチル基である場合が好ましく、例えば2-メチルフェニル基などが好ましい。
R2、R3、R4、及びR5はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、水酸基、又はハロゲン原子を示す。置換基を有していてもよいアルキル基はR1について説明したものと同様である。R2、R3、R4、及びR5は無置換であってもよく、あるいは置換基を有していてもよい。例えば、R2、R3、R4、及びR5がいずれも水素原子であることが好ましいが、R2、R3、R4、及びR5のうちのいずれか1個以上が水素原子であり、残りがアルキル基(例えば炭素数1〜6のアルキル基)、水酸基、又は塩素原子などのハロゲン原子であることも好ましい。
R6及びR7はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基を示す。置換基を有していてもよいアルキル基はR1について説明したものと同様である。R6及びR7は無置換アルキル基であってもよいく、あるいは置換基を有するアルキル基であってもよい。置換基を有するアルキル基の場合には、スルホ基、カルボキシル基、又は水酸基など親水性の置換基を有することが好ましい。R6及びR7は無置換アルキル基(例えば炭素数1〜6のアルキル基)であることが好ましく、R6及びR7がともにメチル基であることがより好ましい。
ZはSi(R8)(R9)、Ge(R8)(R9)、又はSn(R8)(R9)を示し、式中、R8及びR9はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。R8及びR9が示す置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基については、上記のR1について説明したものと同様である。好ましくは、R8及びR9はアルキル基(例えば炭素数1〜6のアルキル基)及びフェニル基からなる群から選択することができ、該アルキル基又はフェニル基は置換基として、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、スルホ基などを1個又は2個以上有していてもよい。R8及びR9がともにアルキル基(例えば炭素数1〜6のアルキル基)であることが好ましく、R8及びR9がともにメチル基であることがより好ましい。R8及びR9は互いに結合して環構造を形成していてもよい。例えば、R8及びR9がともにアルキル基である場合に、R8及びR9が互いに結合してスピロ炭素環を形成することができる。形成される環は、例えば5ないし8員環程度であることが好ましい。
X及びYはそれぞれ独立に-C(R10)(R11)-、-C(R12)(R13)-C(R14)(R15)-、又は-C(R16)=C(R17)-を示し、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、水酸基、又はハロゲン原子を示す。R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17が示す置換基を有していてもよいアルキル基については上記のR1について説明したものと同様である。R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17は水素原子であることが好ましいが、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17のうちいずれか1以上がアルキル基(例えば炭素数1〜6のアルキル基)であることも好ましい。R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17がアルキル基(例えば炭素数1〜6のアルキル基)である場合には、該アルキル基がスルホ基、水酸基、又はカルボキシル基などの親水性置換基を有していることも好ましい。X及びYがともに-C(R10)(R11)-であるか、-C(R12)(R13)-C(R14)(R15)-であるか、又は-C(R16)=C(R17)-であることも好ましい。
上記一般式(I)で表される化合物は4級アンモニウム塩を形成するように適宜の対イオンXを有していてもよい。対イオンとしては、例えばハロゲンイオン、シアンイオン、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオンなどを挙げることができるが、これらに限定されることはない。上記一般式(I)で表される化合物は4級窒素カチオンと分子内に存在する酸性基(例えばカルボキシル基やスルホ基)などと分子内対イオンを形成していてもよい。また、上記一般式(I)で表される本発明の化合物は塩の形態で存在することもできる。塩基付加塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などの金属塩、アンモニウム塩、又はトリエチルアミン塩などの有機アミン塩などを挙げることができ、酸付加塩としては塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの鉱酸塩や、p-トルエンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩などの有機酸塩を挙げることができる。これらのほか、グリシンなどのアミノ酸との塩を形成する場合もある。上記一般式(I)で表される本発明の化合物又はその塩は水和物又は溶媒和物として存在する場合もあるが、これらの物質はいずれも本発明の範囲に包含される。
上記一般式(I)で表される本発明の化合物は、置換基の種類により、1個又は2個以上の不斉炭素を有する場合があるが、1個又は2個以上の不斉炭素に基づく光学活性体や2個以上の不斉炭素に基づくジアステレオ異性体などの立体異性体のほか、立体異性体の任意の混合物、ラセミ体などは、いずれも本発明の範囲に包含される。
上記一般式(I)で表される本発明の化合物の代表的化合物の製造方法を本明細書の実施例に詳細かつ具体的に示した。当業者は、本実施例の説明を基にして反応原料、反応条件、及び反応試薬などを適宜選択し、必要に応じてこれらの方法に修飾や改変を加えることによって、上記一般式(I)で表される本発明の化合物をいずれも製造することができる。
上記一般式(I)で表される本発明の化合物又はその塩はプロトン、金属イオン、活性酸素種、酵素など(以下、これらを「測定対象物」と呼ぶ場合がある)を特異的に測定するための蛍光プローブの母核構造として極めて有用である。また、上記一般式(I)で表される本発明の化合物又はその塩は、生体成分の蛍光標識のための蛍光標識試薬の母核構造としても極めて有用である。
例えば、プロトン、金属イオン、活性酸素種、又は酵素などを検出可能な蛍光プローブを製造するにあたり、上記一般式(I)で表される化合物の残基を利用することが可能である。また、生体成分の蛍光標識のための蛍光標識試薬を製造するにあたり、上記一般式(I)で表される化合物の残基を利用することができる。本明細書において「残基」の用語は、上記一般式(I)で表される化合物から1個又は2個以上の水素原子を除いた残りの化学構造を意味している。
上記の目的のために、典型的には上記の一般式(I)で表される化合物の残基とプロトン、金属イオン、活性酸素種、又は酵素などを捕捉するための置換基とが結合した化学構造を含む蛍光プローブを製造することができる。金属イオンとしては、ナトリウムイオンやリチウムイオンなどのアルカリ金属イオン、カルシウムイオンなどのアルカリ土類金属イオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオンなどを挙げることができる。活性酸素種としては、一酸化窒素、ヒドロキシラジカル、一重項酸素、スーパーオキシド、パーオキシナイトライト、又は次亜塩素酸などを挙げることができる。もっとも、測定対象物はこれらに限定されることはない。
例えば、R1が示すアリール基、好ましくはフェニル基上に従来からプロトン、金属イオン、又は活性酸素種の測定用の蛍光プローブにおいて用いられている測定対象物捕捉用の置換基を導入することができる。該アリール基上に導入された2個の置換基が互いに結合して環構造を形成してプロトン、金属イオン、又は活性酸素種を捕捉するための置換基を形成してもよい。例えば、R1が示すアリール基、好ましくはフェニル基上に導入される置換基の組み合わせとしては、以下に示す基を用いることができるが、これらに限定されることはない(R1が示すフェニル基に導入された置換基又は該フェニル基に縮合した環構造を示し、式中のRは任意の置換基である)。
R1が示すアリール基、好ましくはフェニル基上に導入されるプロトン、金属イオン、又は活性酸素種を捕捉するための置換基の位置は特に限定されない。また、R1が示すアリール基、好ましくはフェニル基上には、これらの置換基以外に任意の置換基が存在していてもよい。測定対象物の捕捉のための置換基は種々提案されており、測定対象物の種類に応じて当業者は適宜選択可能である。例えば、特開平10-226688号公報、国際公開WO 99/51586、特開2000-239272号公報、国際公開WO 01/62755などを参照することができる。また、モレキュラープローブス社のカタログ(Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals, Sixth edition)の第22章(カルシウムイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、及び他の金属イオン)、第23章(pHインディケーター)、及び第24章(ナトリウムイオン、カリウムイオン、塩素イオン、及び他の無機イオン)に記載された測定対象物の捕捉のための置換基を用いることもできる。もっとも、測定対象物の捕捉のための置換基は上記刊行物に記載されたものに限定されることはない。
本明細書において「プロトン、金属イオン、又は活性酸素種を捕捉するための置換基」という用語は、該置換基が測定対象物との間で実質的に化学変化を起こさずに金属イオンをキレート化などにより捕捉する場合のほか、測定対象物との化学反応により該置換基の化学構造が変化する場合を含めて、最も広義に解釈しなければならず、いかなる意味においても限定的に解釈してはならない。
例えば、亜鉛イオン又は一酸化窒素の測定のための蛍光プローブでは、R1が示すアリール基、好ましくはフェニル基上に導入される2個の基のうちのいずれか又は両方が下記の式(A):
(式中、X1、X2、X3、及びX4はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、又は2-ピリジルメチル基を示し、m及びnはそれぞれ独立に0又は1を示す)で表される基であることが好ましい。
一酸化窒素測定用の蛍光プローブではR1が示すアリール基、好ましくはフェニル基上に導入される2個の基の両方が独立に上記式(A)で表される基を示し、m及びnが0であり、これらの2個の基は該アリール環上の隣接した位置に置換する。亜鉛イオン測定用の蛍光プローブではR1が示すアリール基、好ましくはフェニル基上に導入される2個の基のうちのいずれか一方が上記式(A)で表される基であり、他方が水素原子であることが好ましい。この場合、X1、X2、X3、及びX4が2-ピリジルメチル基であることが好ましく、X1及びX2が2-ピリジルメチル基であることがより好ましい。また、mが0であり、nが1であり、かつX4が水素原子であることが好ましく、この場合にX1及X2がともに2-ピリジルメチル基であることが好ましい。
また、一重項酸素測定用のプローブでは、R1が示すアリール基、好ましくはフェニル基上に導入される隣接する2個の基が互いに結合して下記の式(B)で表される環構造:
(式中、R18はアルキル基、アルコキシ基、又はカルボキシル基などを示し、R19及びR20はそれぞれ独立にアルキル基又はアリール基を示す)を形成することが好ましい。R19及びR20がそれぞれ独立に置換基を有することもあるフェニル基であることが好ましく、ともにフェニル基であることがさらに好ましい。
上記に説明したプロトン、金属イオン、又は活性酸素種を捕捉するための置換基は例示のためのものであり、プロトン、金属イオン、又は活性酸素種を捕捉するための置換基がこれらに限定されないことは当業者に容易に理解されよう。また、プロトン、金属イオン、又は活性酸素種を捕捉するための置換基の導入部位がR1が示すアリール基、好ましくはフェニル基のベンゼン環上に限定されないことも当業者は容易に理解することができ、一般式(I)で表される本発明の化合物の残基を用いて多様な蛍光プローブを設計することが可能である。
酵素を測定するための蛍光プローブを製造する場合には、その酵素により特異的に認識されて化学変化を受ける化学構造を含む側鎖と上記の一般式(I)で表される化合物の残基とを結合した蛍光プローブを設計することが一般的である。例えば、R6及び/又はR7が水素の場合、該水素を除去して得られる上記一般式(I)で表される化合物の残基に対して酵素基質として作用するアミノ酸やペプチドを導入することにより酵素を測定するための蛍光プローブを製造することができる。例えば、-CO-CH(NH2)-CH2-COOHで表される基を導入することによりカスパーゼ3に対して特異的な蛍光プローブを製造することができる。もっとも、酵素を測定するための蛍光プローブは上記の例に限定されることはない。例えば、モレキュラープローブス社のカタログ(Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals, ninth Edition)の第10章を参照することができる。
また、光分解性保護基を有する化合物がいわゆるケージド化合物としてダイナミックな生体シグナル伝達の解析に応用されている。典型的な光分解性保護基としてo-ニトロベンジル型の保護基が汎用されている(例えば、α-カルボキシ-2-ニトロベンジル基、1-(2-ニトロフェニル)エチル基、4,5-ジメトキシ-2-ニトロベンジル基、1-(4,5-ジメトキシ-2-ニトロフェニル)エチル基、及び5-カルボキシメトキシ-2-ニトロベンジル基など:モレキュラープローブス社のカタログ(Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals, ninth Edition)の第17章(ケージング基とそれらの光分解)、並びに特開2006-241133号公報に記載された光分解性保護基など)。このような光分解性保護基を上記一般式(I)で表される化合物の残基に対して導入することによりケージド化合物を製造することができる。例えば、R6及び/又はR7が水素の場合、該水素を除去して得られる上記一般式(I)で表される化合物の残基に対して光分解性保護基を導入することが好ましい。
上記の一般式(I)で表される化合物の残基と測定対象物を捕捉するための置換基とが結合した化学構造を含む蛍光プローブを製造する際には、例えば、測定対象物の捕捉前には蛍光プローブ化合物が実質的に無蛍光性になるようにR1が示すアリール基、好ましくはフェニル基のベンゼン環に実質的に高い電子密度を与え、かつ測定対象物の捕捉後の化合物が実質的に高い蛍光性になるようにR1が示すアリール基、好ましくはフェニル基のベンゼン環の電子密度を実質的に低下させるような置換基の組み合わせを選択することが望ましい。R1が示すアリール基、好ましくはフェニル基のベンゼン環の電子密度の情報は、例えば該アリール環の酸化電位を量子化学的手法に従って計算することにより容易に入手することができる。このような蛍光プローブの設計思想は、例えば国際公開WO2005/24049号に開示されており、例えば上記国際公開の図1を参照することにより、当業者は容易に蛍光プローブとして利用可能な母核構造を理解することが可能である。上記国際公開の開示の全てを参照により本明細書の開示に含める。
また、上記一般式(I)で表される化合物は4級塩の状態では蛍光を発するが4級塩を形成する窒素原子が3級の窒素になると実質的に無蛍光又は弱蛍光性の化合物となる。この原理を利用して、4級塩の状態を取れないように4級塩を形成している窒素をアミド化などの方法で修飾して3級の窒素原子とし、実質的に無蛍光又は弱蛍光の化合物に変換することにより、測定対象物質の捕捉前には実質的に無蛍光又は弱蛍光性の蛍光プローブを設計することができる。この手法はローダミン誘導体において汎用されている。
上記のようにして製造された蛍光プローブを用いてプロトン、金属イオン、活性酸素種、又は酵素などを高感度に測定することが可能である。本明細書において用いられる「測定」という用語は、定量、定性、又は診断などの目的で行われる測定、検査、検出などを含めて、最も広義に解釈しなければならない。蛍光プローブを用いた測定対象物の測定方法は、一般的には、(A)上記一般式(I)で表される本発明の化合物の残基とプロトン、金属イオン、活性酸素種、又は酵素などを捕捉するための置換基とを結合させた蛍光プローブに対して測定対象物を反応させる工程、及び(B)上記工程(A)で生成した補足後の化合物の蛍光を測定する工程を含んでいる。
蛍光プローブを用いた蛍光測定手段は特に限定されないが、イン・ビトロで蛍光スペクトルを測定する方法や、バイオイメージングの手法を用いてイン・ビボで蛍光スペクトルを測定する方法などを採用することができる。例えば、定量を行う場合には、常法に従って予め検量線を作成しておくことが望ましい。蛍光プローブをマイクロインジェクション法等により細胞内に取り込ませれば、個々の細胞内に局在する測定対象物をバイオイメージング手法により高感度にリアルタイムで測定することができる。
また、上記一般式(I)で表される本発明の化合物又はその塩の残基と生体成分に対して反応性を有する反応性官能基とを結合させることにより生体成分の蛍光標識のための蛍光標識試薬を製造することができる。生体成分としては、例えば、アミノ酸、オリゴペプチド、蛋白質、脂質、糖類、核酸類などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。蛍光標識試薬の製造のためには、生体成分に存在するアミノ基、カルボキシル基、チオール基、水酸基などに結合可能な反応性官能基を用いることができるが、例えば、マレイミド基、スクシンイミド基、1,3-チアゾリジン-2-チオン基など、修飾対象となるアミノ基、カルボキシル基、チオール基、又は水酸基などの種類に応じて多様な反応性官能基が提案されており、当業者は適宜選択することが可能である。
例えば、上記一般式(I)で表される本発明の化合物の残基と生体成分に対して反応性を有する反応性官能基とを結合させた蛍光標識試薬を用いて抗腫瘍抗体を標識し、標識された抗体を組織や臓器に接触させることによって、癌細胞又は癌組織の存在を証明することができる。診断には、組織切片などをパラフィン法などの適宜の方法で固定化して顕微鏡下に観察してもよいが、内視鏡を用いて生体組織を免疫化学的に染色して観察することもできる。また、近赤外線蛍光物質を用いた蛍光イメージング法が種々提案されており(例えば、特開平9-309845号公報;J. Neurosurg., 87, pp.738-745, 1997; 医用電子と生体工学, 34, pp.316-322, 1996など)、上記の蛍光標識試薬は蛍光イメージング手法を用いた診断薬として利用が可能である。
上記の蛍光プローブ又は蛍光標識試薬は、必要に応じて試薬の調製に通常用いられる添加剤を配合して組成物として用いてもよい。例えば、生理的環境で試薬を用いるための添加剤として、溶解補助剤、pH調節剤、緩衝剤、等張化剤などの添加剤を用いることができ、これらの配合量は当業者に適宜選択可能である。これらの組成物は、粉末形態の混合物、凍結乾燥物、顆粒剤、錠剤、液剤など適宜の形態の組成物として提供される。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。以下の実施例中、Meはメチル基を意味する。
例1
以下のスキームに従って本発明の化合物SiR680を製造した。
(a)7-ブロモ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-メチルキノリン
7-ブロモキノリン (416 mg, 2.00 mmol)、パラホルムアルデヒド (600 mg, 20.0 mmol)、NaBH3CN (314 mg, 10.0 mmol)、及び酢酸 (10 mL)の混合液を室温で4時間攪拌し、水酸化ナトリウムで反応を停止した。反応液をジクロルメタンで抽出して有機層を食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, 1:10 酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、7-ブロモ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-メチルキノリン (300 mg, 1.33 mmol, 収率66%)を得た。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 1.91 (dt, 2H, J = 6.6, 5.9 Hz), 2.66 (t, 2H, J = 6.6 Hz), 2.83 (s, 3H), 3.19 (t, 2H, J = 5.9 Hz), 6.63-6.68 (m, 2H), 6.75 (d, 2H, J = 7.3 Hz)
13C-NMR (75 MHz, CDCl3) δ: 22.0, 27.3, 38.8, 50.8, 113.1, 118.3, 121.4, 121.8, 129.7, 147.6
(b)ビス(7-ブロモ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-メチルキノリン-6-イル)(2-トルイル)メタン
7-ブロモ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-メチルキノリン (300 mg, 1.33 mmol)、o-トルイルアルデヒド (80.5 mg, 0.670 mmol)、及び2N HCl (10 mL)の混合液を一晩加熱還流し、室温に冷却後、反応液を飽和NaHCO3水溶液で中和した。この混合物をジクロルメタンで抽出し、食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー (シリカゲル, 1:10 酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、ビス(7-ブロモ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-メチルキノリン-6-イル)(o-トルイル)メタン (388 mg, 0.700 mmol, 収率53%)を得た。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 1.90 (dt, 4H, J = 6.6, 5.9 Hz), 2.19 (s, 3H), 2.56 (t, 4H, J = 6.6 Hz), 2.85 (s, 6H), 3.18 (t, 4H, J = 5.9 Hz), 5.88 (s, 1H), 6.33 (s, 2H), 6.41-6.52 (m, 1H), 6.75 (s, 2H), 7.02-7.15 (m, 3H)
13C-NMR (75 MHz, CDCl3) δ: 19.6, 22.2, 27.5, 38.9, 50.8, 51.3, 114.5, 121.6, 123.8, 125.4, 126.0, 128.8, 128.9, 130.1, 130.6, 137.0, 141.9, 145.9
HRMS (ESI-Tof) m/z Found 553.0860 (M+H)+, calculated 553.0854 for C28H31Br2N2 (+ 0.59 mmu).
(c)SiR680
乾燥してアルゴン置換したフラスコにビス(7-ブロモ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-メチルキノリン-6-イル)(o-トルイル)メタン (128 mg, 0.231 mmol)、無水テトラヒドロフラン(THF, 5 mL)を加えた。-78 ℃に冷却後、1M sec-ブチルリチウム (0.5 mmol)を加え、反応液を30分間攪拌した。そのままの温度でジメチルシリルジクロリド (38.7 mg, 0.300 mmol)を無水THF (5 mL)に溶解してゆっくり反応液に加えた。反応液を室温に戻した後、一晩攪拌した。反応液に2 N HClを加え、室温で10分間攪拌した後、飽和NaHCO3水溶液を加えてジクロルメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して溶媒を留去した。残渣をジクロルメタン (20 mL)に溶かし、十分量のクロラニルを加えた。混合液を2時間攪拌した後、再び溶媒を留去した。残渣をHPLCで精製して目的物(SiR680, 20.9 mg, 0.0370 mmol, 収率16%)を得た。
1H-NMR (300 MHz, CD3OD) δ: 0.55 (s, 3H), 0.57 (s, 3H), 1.91 (dt, 4H, J = 5.9, 5.1 Hz), 2.02 (s, 3H), 2.48 (t, 4H, J = 5.9 Hz), 3.33 (s, 6H), 3.60 (t, 4H, J = 5.1 Hz), 6.68 (s, 2H), 7.08 (d, 1H, J = 7.3 Hz), 7.22 (s, 2H), 7.32-7.49 (m, 3H)
HRMS (ESI-Tof) m/z Found 451.2557 M+, calculated 451.2570 for C30H35N2Si (- 1.26 mmu).
例2
以下のスキームに従って本発明の化合物SiX700、2-Me-4-COOH SiR700、及びSiR700を製造した。
(a)6-ブロモ-1-メチルインドリン
6-ブロモインドール (392 mg, 2.00 mmol)、パラホルムアルデヒド (600 mg, 20.0 mmol)、NaBH3CN (314 mg, 10.0 mmol)、及び酢酸 (10 mL)の混合液を室温で3時間攪拌し、水酸化ナトリウムを加えて反応を停止した。この混合物をジクロルメタンで抽出して食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, 1:10 酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、6-ブロモ-1-メチルインドリン (238 mg, 1.12 mmol, 収率56%)を得た。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 2.71 (s, 3H), 2.87 (t, 2H, J = 8.1 Hz), 3.31 (t, 2H, J = 8.1 Hz), 6.54 (d, 1H, J = 1.5 Hz), 6.73 (dd, 1H, J = 7.3, 1.5 Hz), 6.88 (d, 1H, J = 7.3 Hz)
13C-NMR (75 MHz, CDCl3) δ: 28.2, 35.6, 56.0, 109.9, 119.9, 121.0, 125.2, 129.2, 154.7
(b)ビス(6-ブロモ-1-メチルインドリン-5-イル)メタン
6-ブロモ-1-メチルインドリン (1.63 g, 7.69 mmol)を酢酸 (20 mL)に溶解し、ホルムアルデヒド (600 mg, 20.0 mmol)を加えて60℃で15分間攪拌した。反応液を室温に戻し、水酸化ナトリウムを加えて反応を停止した。この混合物をジクロルメタンで抽出し、食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, 1:10 酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、ビス(6-ブロモ-1-メチルインドリン-5-イル)メタン (827 mg, 1.90 mmol, 収率49%)を得た。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 2.73 (s, 6H), 2.82 (t, 4H, J = 8.1 Hz), 3.28 (t, 4H, J = 8.1 Hz), 3.97 (s, 2H), 6.65 (s, 2H), 6.71 (s, 2H)
13C-NMR (75 MHz, CDCl3) δ: 28.3, 36.0, 40.5, 56.3, 110.8, 123.0, 126.0, 128.2, 130.2, 153.0
HRMS (ESI-Tof) m/z Found 435.0037 (M+H)+, calculated 435.0072 for C21H25N2Si (- 3.40 mmu).
(c)SiX700
乾燥してアルゴン置換したフラスコにビス(6-ブロモ-1-メチルインドリン-5-イル)メタン (16.3 mg, 0.0374 mmol)及び無水THF (5 mL)を加えた。-78℃に冷却した後、1M sec-ブチルリチウム (0.1 mmol)を加えて1 時間攪拌した。そのままの温度でジメチルシリルジクロリド (61μL, 0.500 mmol)を無水THF (5 mL)に溶解してゆっくり反応液に加え、混合物を室温に戻して一晩攪拌した。反応液に2 N HClを加え、室温で10分間攪拌した。反応混合物に飽和NaHCO3水溶液を加えてジクロルメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して溶媒を留去した。残渣をジクロルメタン (20 mL)に溶解して十分量のクロラニルを加えた。反応液を2時間攪拌し、溶媒を再び留去した。残渣をHPCLにより精製し、SiX700 (15.0 mg, 0.0336 mmol, 収率90%)を得た。
HRMS (ESI-Tof) m/z Found 333.1740 M+, calculated 333.1787 for C21H25N2Si (- 4.69 mmu).
(d)2-Me-4-COOH SiR700
乾燥してアルゴン置換したフラスコにtert-ブチル 4-ブロモ-3-メチル安息香酸 (136 mg, 0.500 mmol)及び無水THF (5 mL)を加えた。-78℃に冷却した後、1M sec-ブチルリチウム (0.500 mmol)を加え、反応液を1時間攪拌した。そのままの温度で、SiX700 (12.4 mg, 0.0336 mmol)を無水THF (5 mL)に溶解してゆっくり加え、混合物を室温に戻して2時間攪拌した。反応液に2 N HClを加えて10分間攪拌した。反応混合物に飽和NaHCO3水溶液を加えてジクロルメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して十分量のクロラニルを加えた。反応液を1時間攪拌した後、溶媒を留去した。残渣をトリフルオロ酢酸(TFA, 3 mL)に溶かし、2時間攪拌した。水酸化ナトリウムで中和し、混合物をジクロルメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して溶媒を留去した。残渣をHPLCで精製し、2-Me-4-COOH SiR700 (7.7 mg, 0.0133 mmol, 収率40%)を得た。
HRMS (ESI-Tof) m/z Found 467.2181 M+, calculated 467.2155 for C29H31N2O2Si (+ 2.61 mmu).
(e)ビス(6-ブロモ-1-メチルインドリン-5-イル) (2-トルイル)メタン
6-ブロモ-1-メチルインドリン (212 mg, 1.00 mmol), o-トルイルアルデヒド (60.1 mg, 0.500 mmol), 2N HCl (10 mL)の混合液を一晩加熱還流し、室温に冷却後、飽和NaHCO3水溶液で中和した。この混合物をジクロルメタンで抽出し、食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, 1:10 酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、ビス(6-ブロモ-1-メチルインドリン-5-イル)(o-トルイル)メタン (46.2 mg, 0.0879 mmol, 収率18%)を得た。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 2.19 (s, 3H), 2.73 (s, 6H), 2.80 (t, 4H, J = 8.1 Hz), 3.29 (t, 4H, J = 8.1 Hz), 5.95 (s, 1H), 6.48 (s, 2H), 6.65 (s, 2H), 6.73 (d, 1H, J = 7.3 Hz), 7.02-7.17 (m, 3H)
13C-NMR (75 MHz, CDCl3) δ: 19.5, 28.4, 35.8, 52.1, 56.2, 111.1, 124.2, 125.5, 126.1, 126.2, 128.7, 129.5, 130.2, 130.6, 137.1, 141.9, 152.9
HRMS (ESI-Tof) m/z Found 525.0533 (M+H)+, calculated 525.0541 for C26H27Br2N2 (- 0.79 mmu).
(f)SiR700
乾燥してアルゴン置換したフラスコに、ビス(6-ブロモ-1-メチルインドリン-5-イル)(o-トルイル)メタン (46.2 mg, 0.0879 mmol)と無水THF (5 mL)を加えた。-78℃に冷却した後、1M sec-ブチルリチウム (0.2 mmol)を加え、反応液を1時間攪拌した。そのままの温度でジメチルシリルジクロリド (13μL, 0.100 mmol)を無水THF (5 mL)に溶解して反応液にゆっくり加え、混合物を室温に戻して一晩攪拌した。反応液に2 N HClを加え、室温で10分間攪拌した。飽和NaHCO3水溶液を加え、混合物をジクロルメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して溶媒を留去した。残渣をジクロルメタン (20 mL)に溶解して十分量のクロラニルを加えた。混合液を2時間攪拌した後、溶媒を再び留去した。残渣をHPLCで精製し、SiR700 (14.3 mg, 0.0266 mmol, 収率30%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CD3OD) δ: 0.45 (s, 3H), 0.48 (s, 3H), 1.93 (s, 3H), 2.83 (t, 4H, J = 8.3 Hz), 3.13 (s, 6H), 3.72 (t, 4H, J = 8.3 Hz), 6.59 (s, 2H), 6.96-7.00 (m, 1H), 7.04 (s, 2H), 7.23-7.38 (m, 3H)
HRMS (ESI-Tof) m/z Found 423.2247 M+, calculated 423.2257 for C28H31N2Si (- 0.95 mmu).
例3
以下のスキームに従って本発明の化合物SiX720及びSiR720を製造した。
(a)7-ブロモ-1,2-ジヒドロ-1,2,2,4-テトラメチルキノリン
3-ブロモアニリン (688 mg, 4.00 mmol)、4-メチルペンタ-3-エン-2-オン (785 mg, 8.00 mmol)、ヨウ素 (10 mg)、及びトルエン (2 mL)の混合液を一晩加熱還流し、室温に戻した後、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, 1:10 酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、7-ブロモ-1,2-ジヒドロ-2,2,4-トリメチルキノリン (696 mg, 2.76 mmol)を得た。この生成物とヨウ化メチル (470 mg, 3.31 mmol)、炭酸ナトリウム (763 mg, 5.52 mmol) をアセトニトリル (30 mL)に溶解して一晩加熱還流した。反応混合物を室温に冷却後、飽和塩化アンモニウムで中和した。この混合物をジクロルメタンで抽出し、食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, 1:10 酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、7-ブロモ-1,2-ジヒドロ-1,2,2,4-テトラメチルキノリン (257 mg, 0.966 mmol, 2工程での収率24%)を得た。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 1.29 (s, 6H), 1.94 (s, 3H), 2.76 (s, 3H), 5.28 (s, 1H), 6.60 (d, 1H, J = 1.5 Hz), 6.73 (dd, 1H, J = 8.1, 1.5 Hz), 6.86 (d, 1H, J = 8.1 Hz)
13C-NMR (75 MHz, CDCl3) δ: 18.4, 27.3, 30.7, 113.2, 118.7, 122.0, 122.5, 124.3, 127.5, 130.1, 146.3
(b)ビス(7-ブロモ-1,2-ジヒドロ-1,2,2,4-テトラメチルキノリン-6-イル)メタン
7-ブロモ-1,2-ジヒドロ-1,2,2,4-テトラメチルキノリン (257 mg, 0.966 mmol)を酢酸 (20 mL)に溶解してホルムアルデヒド (145 mg, 4.83 mmol)を加えて60 ℃で10分間攪拌した。反応混合物を室温に冷却した後、水酸化ナトリウムと飽和重曹水で中和した。この混合物をジクロルメタンで抽出し、食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, 1:10 酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、ビス(7-ブロモ-1,2-ジヒドロ-1,2,2,4-テトラメチルキノリン-6-イル)メタン (48.1 mg, 0.0884 mmol, 収率18%)を得た。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 1.27 (s, 12H), 1.83 (d, 6H, J = 1.5 Hz), 2.77 (s, 6H), 3.97 (s, 2H), 5.27 (d, 2H, J = 1.5 Hz), 6.70 (s, 2H), 6.76 (s, 2H)
13C-NMR (75 MHz, CDCl3) δ: 18.3, 27.0, 30.7, 39.9, 56.3, 114.3, 122.8, 124.5, 125.2, 126.7, 127.8, 130.4, 144.6
HRMS (ESI-Tof) m/z Found 543.1056 (M+H)+, calculated 543.1011 for C27H33Br2N2 (+ 4.59 mmu).
(c)SiX720
乾燥してアルゴン置換したフラスコにビス(7-ブロモ-1,2-ジヒドロ-1,2,2,4-テトラメチルキノリン-6-イル)メタン (48.1 mg, 0.0884 mmol)と無水THF (5 mL)を加えた。- 78℃に冷却した後、1M sec-ブチルリチウム (0.177 mmol)を加え、反応液を1時間攪拌した。そのままの温度でジメチルシリルジクロリド (5.7 mg, 0.0442 mmol)を無水THF (5 mL)に溶解してゆっくり反応液に加え、混合物を室温に戻して一晩攪拌した。反応液に2 N HClを加えて室温で10分間攪拌した。飽和重曹水を加え、混合物をジクロルメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して溶媒を留去した。残渣をジクロルメタン (20 mL)に溶解し、十分量のクロラニルを加えた。反応液を2時間攪拌した後、再び溶媒を留去した。残渣をHPLCで精製し、SiX720 (17.9 mg, 0.0323 mmol, 収率37%)を得た。
1H-NMR (300 MHz, CD3OD) δ: 0.53 (s, 6H), 1.52 (s, 12H), 2.05 (s, 6H), 3.28 (s, 6H), 5.59 (s, 2H), 7.17 (s, 2H), 7.41 (s, 2H), 7.82 (s, 1H)
HRMS (ESI-Tof) m/z Found 441.2683 M+, calculated 441.2726 for C29H37N2Si (- 4.35 mmu).
(d)SiR720
乾燥してアルゴン置換したフラスコに、1-ブロモ-2-メチルベンゼン (17.1 mg, 0.100 mmol)と無水THF (5 mL)を加えた。-78℃に冷却した後、1M sec-ブチルリチウム (0.100 mmol)を加え、反応液を30分間攪拌した。そのままの温度でSiX720 (17.9 mg, 0.0323 mmol)を無水THF (5 mL)に溶解してゆっくり反応液に加え、混合物を室温に戻して4時間攪拌した。反応液に2 N HClを加え、10分間攪拌した。飽和重曹水を加えて混合物をジクロルメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して十分量のクロラニルを加えた。1時間攪拌した後、再び溶媒を留去した。残渣をHPLCで精製し、SiR720 (10.5 mg, 0.0163 mmol, 収率50%)を得た。
1H-NMR (300 MHz, CD3OD) δ: 0.59 (s, 3H), 0.61 (s, 3H), 1.49 (s, 6H), 1.49 (s, 6H), 1.53 (s, 6H), 2.05 (s, 3H), 3.29 (s, 6H), 5.51 (s, 2H), 6.75 (s, 2H), 7.14 (d, 1H, J = 7.3 Hz), 7.21 (s, 2H), 7.37-7.52 (m, 3H)
HRMS (ESI-Tof) m/z Found 531.3171 M+, calculated 531.3196 for C36H43N2Si (- 2.42 mmu).
例4
本発明の化合物(SiR680、SiR700、及びSiR720)、中国特許出願第200610045944.6号に記載された化合物(SiR650)、及びシアニン系化合物(Cy5.5)について吸収スペクトル及び蛍光スペクトルを測定した。
吸収及び蛍光スペクトルはリン酸緩衝生理食塩水(PBS, pH7.4)中で測定した。蛍光スペクトルの測定ではSiR650、SiR680、SiR700、及びSiR720をそれぞれ620 nm、640 nm、660 nm、及び690 nmで励起した。結果を図1及び表1に示す。蛍光量子収率測定ではSiR650及びCy5.5についてはメタノール中でクレシルバイオレット(Φfl=0.54)を蛍光標準とし、他の化合物についてはPBS(pH7.4)中でCy5.5((Φfl=0.20)を蛍光標準としても用いた。本発明の化合物(SiR680、SiR700、及びSiR720)はいずれも比較化合物(SiR650)よりも蛍光スペクトルが長波長側にシフトしており、近赤外領域に蛍光極大波長を有していた。
5μMのSiR680、SiR700、及びCy5.5に対して10分、20分、及び30分間光照射(40 mW/cm2, Cy5フィルター)を行い光褪色耐性を調べた。蛍光スペクトルの測定ではSiR680、SiR700、及びCy5.5をそれぞれ650 nm、670 nm、及び650 nmで励起した。本発明の化合物は比較化合物であるCy5.5よりも光褪色耐性に優れていた。

Claims (5)

  1. 下記の一般式(I):
    〔式中、R 1 は置換基を有していてもよいアリール基を示し;R2、R3、R4、及びR5はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、水酸基、又はハロゲン原子を示し;R6及びR7はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基を示し;ZはSi(R8)(R9)、Ge(R8)(R9)、又はSn(R8)(R9)(式中、R8及びR9はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、R8及びR9は互いに結合して環構造を形成していてもよい)を示し;X及びYはそれぞれ独立に-C(R10)(R11)-、-C(R12)(R13)-C(R14)(R15)-、又は-C(R16)=C(R17)-(式中、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、水酸基、又はハロゲン原子を示す)を示し、M-は対イオンが存在する場合にはアニオン種を示す〕で表される化合物又はその塩。
  2. R 1 がアルキル基及び/又はカルボキシル基を有していてもよいフェニル基であり、R2、R3、R4、及びR5が水素原子であり、R6及びR7がアルキル基であり、ZがSi(R8)(R9)(式中、R8及びR9はそれぞれ独立にアルキル基を示す)であり、X及びYがそれぞれ独立に-C(R10)(R11)-、-C(R12)(R13)-C(R14)(R15)-、又は-C(R16)=C(R17)-(式中、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示す)である請求項1に記載の化合物又はその塩。
  3. R1アルキル基を有するフェニル基であり、R2、R3、R4、及びR5が水素原子であり、R6及びR7がアルキル基であり、ZがSi(R8)(R9)(式中、R8及びR9はそれぞれ独立にアルキル基を示す)であり、X及びYがともに-C(R10)(R11)-、-C(R12)(R13)-C(R14)(R15)-、又は-C(R16)=C(R17)-(式中、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示す)である請求項1に記載の化合物又はその塩。
  4. プロトン、金属イオン、活性酸素種、又は酵素を検出可能な蛍光プローブであって、請求項1に記載の一般式(I)で表される化合物の残基を含む蛍光プローブ。
  5. 蛍光標識試薬であって、請求項1に記載の一般式(I)で表される化合物の残基を含む蛍光標識試薬。
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