JP5525218B2 - 残土処分構造および中和層の層厚設定方法 - Google Patents

残土処分構造および中和層の層厚設定方法 Download PDF

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Description

本発明は、残土処分構造および中和層の層厚設定方法に関する。
黄鉄鉱等を含有する掘削ずり等の残土処分では、酸化溶解により生成された酸性水が周辺地盤に滲出することを防止するための対策工を講じる必要がある。
従来、黄鉄鉱等を含有する掘削ずりを処分する場合には、消石灰などの中和材を添加混合して処分場に埋設処分するのが一般的である。
ところが消石灰を多量に添加すると、アルカリ汚染を引き起こすおそれがあるため、掘削ずりの汚染濃度と混合量との関係を十分に検討したうえで実施する必要があり、その作業に手間を要していた。
一方、特許文献1には、傾斜地盤上に積み上げられた盛土において、傾斜上端および傾斜下端に傾斜方向に交差するようにアルカリ性材料を含む地中壁を形成した残土処分構造が開示されている。
特開平9−220579号公報
ところが、アルカリ性材料の過剰施用はアルカリ汚染の引き起こすおそれがあり、また、過少施用では中和しきれずに酸性水が外部に滲出するおそれがある。そのため、従来の残土処分構造では、アルカリ性材料の種類や形状に応じて適宜モニタリング等によって調整する必要があり、その作業に手間を要していた。
そのため、本発明は、簡易に構築することができ、かつ、掘削ずりから滲出する酸性水を効果的に中和することを可能とした残土処分構造および中和層の層厚設定方法を提案することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、掘削残土層の側面及び底面のみを覆い前記掘削残土層から滲出する酸性水の中和を行う中和層を備える残土処分構造であって、前記酸性水は、降雨による浸透水が前記掘削残土層に浸透することで汚染物質を含有したものであり、前記中和層は、炭酸カルシウムを主成分とする中和材から構成され、前記酸性水を中和するために必要な滞留時間(反応時間)を確保して前記酸性水が外部に滲出することがない層厚とされていることを特徴としている。
前記中和層の層厚は、前記中和層中の浸透水の流速と前記中和するために必要な滞留時間との積を前記中和の空隙率で除した値以上となるように設定されている。
かかる残土処分構造によれば、中和層の層厚が酸性水を中和するために必要な層厚に設定されているため、掘削残土層において生成された酸性水を効果的に中和することを可能としている。
ここで、炭酸カルシウムを主成分とする中和材には、例えば、石灰岩やドロマイトを使用する。
また、前記残土処分構造を長期的に使用する場合は、前記中和層が、前記層厚に後述する補足層厚を加えた厚さで構成してもよい。
かかる残土処分構造によれば、長期間にわたって十分な中和性能を維持することが可能となる。
また、本発明の中和層の層厚設定方法は、前記中和層を構成する中和材について透水試験を実施して、前記中和層の透水係数を推定し、前記中和層の透水係数に動水勾配を乗ずることで算出された前記中和層中の浸透水の流速と前記酸性水の中和に必要な滞留時間との積を前記中和の空隙率で除することで算定層厚を算出し、前記中和層を構成する中和材の粒径に応じて設定された最低層厚と前記算定層厚とを比較して、いずれか大きい方の値を前記中和層の設定層厚とし、前記中和層を前記設定層厚以上の層厚で形成することを特徴としている。
前記最低層厚は、前記中和層を構成する中和材の粒径が4.75以上9.5mm未満の場合は4.5cm、前記中和材の粒径が0.25以上4.75mm未満の場合は2cmに設定することが望ましい。
かかる中和層の層厚設定方法は、中和層を中和材の粒径に応じた層厚を算出することにより設定するため、モニタリング等の手間を要することなく、簡易に高品質な残土処分構造を構築することができる。
本発明の残土処分構造および中和層の層厚設定方法によれば、簡易に構築することができ、かつ、掘削ずりから滲出する酸性水を効果的に中和することが可能となる。
本発明の好適な実施の形態に係る残土処分構造の概要を示す断面図である。 室内試験で使用したカラムを示す模式図である。 (a)は石灰岩による硫酸の中和に必要な滞留時間の検討結果を示すグラフ、(b)は算定層厚と浸透水の流速の関係を示すグラフである。 (a)は石灰岩層の最低層厚の検討結果を示すグラフ、(b)は石灰岩層の補足層厚と耐用年数の関係を示すグラフである。
以下に本発明の好適な実施形態について説明する。
本実施形態にかかる残土処分構造1は、平坦な地盤5上に掘削ずりを盛土処分するための構造であって、図1に示すように、掘削残土層2と、掘削残土層2の側面および底面を覆う石灰岩層(中和層)3と、掘削残土層2と石灰岩層3の表面を覆う覆土層4とを備えて構成されている。
掘削残土層2は、地盤5上に盛土された掘削ずりにより形成されている。本実施形態では、黄鉄鉱含有の掘削ずりを処分する。
なお、本実施形態では、掘削ずりを平坦な地盤に盛土処分する場合について説明するが、掘削ずりの処分方法は限定されるものではなく、例えば、地盤5内に埋設してもよいし、谷などの傾斜部に盛土してもよい。
掘削残土層2は、所定の厚みで敷設された石灰岩層3の上面に、安定勾配を確保した状態で、断面台形に盛土されている。
石灰岩層3は、掘削残土層2の側面および底面を覆うように形成された中和層である。
石灰岩層3は、降雨などにより掘削残土層2内に浸透した浸透水が、汚染物質を含有した状態で周辺地盤に滲出することを防止するために設けられた層である。
掘削残土層2に水が浸透すると、掘削ずり内の黄鉄鉱の酸化溶解により硫酸酸性水が生成される。石灰岩層3は、石灰岩の炭酸カルシウムにより掘削残土層2から滲出した硫酸酸性水を中和する。
なお、本実施形態では、中和材として石灰岩を使用するが、中和材は炭酸カルシウムを主成分とする材料であれば石灰岩に限定されるものではなく、例えば、ドロマイトを使用してもよい。
石灰岩層3の層厚は、硫酸酸性水を中和するために必要な反応時間(滞留時間)を確保できる厚さに設定する。また、本実施形態では、残土処分構造1を長期間に亘って使用するものとし、石灰岩層3の層厚については、耐用年数が経過するまでに硫酸酸性水の中和によって消費される石灰岩を補足することが可能な厚さを確保するものとする。すなわち、耐用年数が経過した時点でも石灰岩層3が残るように石灰岩層3の層厚を設定する。
石灰岩層3は、掘削残土層2の底部を覆うように、所定の厚みを確保した状態で掘削ずりの盛土を行う前に地盤5の表面に敷設する。そして、掘削残土層2の敷設に伴い、掘削残土層2の側面を覆うように盛土を行う。
なお、掘削ずりを埋設処分する場合等には、掘削ずりを埋設する前に、地盤に形成された凹部の表面に石灰岩層3を形成しておく。
覆土層4は、掘削残土層2が風雨等により流出することを防止するために、掘削残土層2の表面を覆うように形成された層である。
覆土層4を構成する材料は、有害物質を含んでおらず、酸性化しない材料であれば限定されるものではなく、適宜材料を選定して形成すればよい。また、覆土層4の層厚も限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。
本実施形態では、掘削残土層2の上面と石灰岩層3の上面および側面を覆うように、覆土層4を形成する。なお、覆土層4は、少なくとも掘削残土層2の表面(上面)を覆うように形成されていればよく、必ずしも石灰岩層3の表面を覆う必要はない。
次に、本実施形態に係る石灰岩層3(中和層)の層厚設定方法について説明する。
本実施形態に係る石灰岩層の層厚設定方法は、透水係数推定ステップと、短期層厚設定ステップと、補足層厚算出ステップと、層厚設定ステップと、を備えている。
透水係数推定ステップでは、石灰岩層3の透水係数kを推定する。石灰岩層3の透水係数kは、石灰岩層3に使用される石灰岩について、透水試験を実施して推定する。なお、透水試験方法は限定されるものではないが、例えば、土の透水試験法JISA−1218により行えばよい。
短期層厚設定ステップでは、硫酸酸性水を中和するために必要な石灰岩層3の層厚(短期層厚)を算出する。
短期層厚Hは、まず、算定層厚HSAを算出し、これを最低層厚HSBと比較していずれか大きい方の値を選定することにより設定する。なお、最低層厚HSBは、石灰岩層3を構成する石灰岩の粒径が4.75以上9.5mm未満の場合は4.5cm以上、石灰岩の粒径が0.25以上4.75mm未満の場合は2cm以上とする。ここで、石灰岩の粒径は、ふるい試験(JISA−1204)の結果に基いて決定すればよい。
算定層厚HSAの算出は、透水係数推定ステップにおいて推定された石灰岩層3の透水係数kにより算出された石灰岩層3中の浸透水の流速Sと、硫酸酸性水の中和に必要な滞留時間Tとの積を、石灰岩層3の空隙率pで除することにより算出する(式1参照)。
SA=S×T/(p/100) ・・・式1
ここで、HSA:算定層厚(cm)
S:浸透水の流速(cm/sec)=k×i
T:中和に必要な滞留時間(sec)
p:石灰岩層の空隙率(%)
k:透水係数(cm/sec)
i:動水勾配
補足層厚算出ステップでは、残土処分構造1を長期間使用する場合に、硫酸酸性水の中和によって消費する石灰岩層の厚さ(補足層厚H)を推定する。
補足層厚Hは、式2により算出する。
={Y×(Q/10)×M/1000}/{D/W×(1−p/100)}
・・・式2
:中和層の補足層厚(cm)
Y:耐用年数(年)
Q:年間降水量(mm)
M:硫酸の濃度(mol/L)
W:炭酸カルシウムのmol重量(g/mol)
D:中和材の見掛け密度(g/cm
p:中和材の空隙率(%)
層厚設定ステップでは、石灰岩層3の層厚Hを決定する。本実施形態では、短期層厚H(算定層厚HSAまたは最低層厚HSB)に補足層厚Hを加えた設定層厚以上となるように層厚Hを決定する。
以上、本実施形態の残土処分構造および中和層の層厚設定方法によれば、掘削ずりの周囲に石灰岩層3を形成するのみの簡易な構成のため、中和プラント等の設備や当該設備を設置するための用地を確保する必要がなく、簡易かつ安価に構成することが可能である。
また、石灰岩層3の層厚Hを中和に必要な厚さや耐用年数等に基づいて適切に設定しているため、周辺地盤への汚染物質の滲出を防止することができるとともに、材料費の低減化が可能である。
また、中和材として石灰岩を使用しているため、過剰施用による影響を周辺環境に及ぼすおそれが少ない。
石灰岩層3の層厚Hを耐用年数に応じた厚さに設定しているため、メンテナンスに要する手間や費用を削減することが可能となる。
以上、本発明について、好適な実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の各実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能であることはいうまでもない。
前記実施形態では、残土処分構造1を長期間使用するものとし、短期層厚Hに補足層厚Hを加えた設定層厚に基づいて石灰岩層3の層厚Hを設定する場合について説明したが、残土処分構造1が、掘削ずりを一時的に仮置きする場合等、短期間しか使用しない場合には、補足層厚Hを加えることなく、短期層厚Hを設定層厚としてもよい。
また、前記実施形態では、中和層として石灰岩により形成された石灰岩層3を採用する場合について説明したが、中和層を構成する材料は限定されるものではなく、適宜炭酸カルシウムを主成分とする材料から選定して採用することが可能である。また、中和層を石灰岩以外の材料(例えばドロマイト)により構成する場合には、当該中和層の中和能力に応じて最低層厚等を適宜設定する。
次に、石灰岩層の層厚の設定方法に係る実施例を示す。
本実施例では、カラム10を利用した室内試験を行った。
カラム10による室内試験は、図2に示すように、石灰岩11が投入されたカラム10に、下部から0.01mol/Lの硫酸水溶液12を流入させて、カラム10内の石灰岩11を通過させた後、上部から排出された水溶液13のpHを測定することで、石灰岩層による中和特性を測定した。
本室内試験では、石灰岩の粒径が4.75以上9.5mm未満(ケース1)と、粒径が2.0以上4.75mm未満(ケース2)と、粒径が0.25以上2.0mm未満(ケース3)と、の3ケースについて実験を行った(表1参照)。
Figure 0005525218
(1)滞留時間T
まず、石灰岩11中における硫酸の中和に必要な滞留時間Tを検討した。
カラム10内の石灰岩層での硫酸水溶液12の滞留時間を変化させて、排出された水溶液13のpHを測定し、硫酸水溶液12(pH≒1.7)の中和に必要な滞留時間の測定を行った。
図3(a)に検討結果を示す。なお、図3(a)において、横軸は滞留時間T、縦軸は滞留時間T経過後の水溶液13のpH値である。
なお、カラム10内の石灰岩11の量は、直径90mmのカラム10に高さが7.5cmとなるように投入した。また、硫酸水溶液12の流量の制御は、チューブポンプ14により行った。
図3(a)に示すように、ケース1の場合は、滞留時間Tを約500分にするとpHが中性域に中和される結果となった。また、ケース2の場合は滞留時間Tが約40分で、pHが中性域に中和される結果となった。さらに、ケース3の場合は滞留時間Tが約30分でpHが中性域に中和される結果となった。
したがって、石灰岩の粒径が4.75以上9.5mm未満の場合の中和に必要な滞留時間は500分、石灰岩の粒径が2.0以上4.75mm未満の場合に中和に必要な滞留時間Tは40分、石灰岩の粒径が0.25以上2.0mm未満の場合に中和に必要な滞留時間Tは30分である。
なお、上記した中和に必要な滞留時間は、pH1.7の硫酸水溶液を中和する事例であるが、実際の中和に必要な滞留時間は、中和材の組成及び粒径によって決定付けられる中和能力と、掘削残土からの滲出水の酸性度によって異なっている。
(2)算定層厚HSA
図3(b)に、算定層厚HSAと浸透水の流速Sの関係を示す。算定層厚HSAは、室内実験により測定された硫酸水溶液の中和に必要な滞留時間Tを式3に代入することにより算出する。このとき、石灰岩11の空隙率pは30%とする。ここで、図面において符号C1,C2,C3は、それぞれケース1、ケース2、ケース3を示している。
SA=S×T/(p/100) ・・・式3
ここで、HSA:算定層厚(cm)
S:浸透水の流速(cm/sec)=k×i
T:中和に必要な滞留時間(sec)
p:石灰岩の空隙率(%)
(3)最低層厚HSB
次に、カラム10を利用した室内試験により、石灰岩層の最低層厚HSBの検討を行った。
中和能力は、水質汚濁防止法排水基準を満たすように、酸性水を少なくともpH5.8まで中和する能力を最低基準とした。
石灰岩は中和反応が進むにしたがって消費されるから、カラム内の石灰岩高さは中和反応の進行にともなって減少する。
本試験では、カラム10内に石灰岩を補充することなく、石灰岩11の高さを低くなる方向に変化させて、流量一定にて硫酸水溶液12をカラム10(石灰岩11)内に流入させて、pHの中和効果を測定した。本試験によれば、石灰岩高さが所定値を越えると必要な中和反応をしなくなるポイントが明らかになる。
本試験の結果を図4(a)に示す。
図4(a)に示すように、ケース1(C1)の場合は、石灰岩の高さ(層厚)が4.5cm以下になると、pHが低下し、中和効果が上記最低基準を満たさなくなった。また、ケース2(C2)およびケース3(C3)の場合は、石灰岩の高さ(層厚)が2cm以下になると、pHの値が上下して、中和効果が不安定となった。したがって、石灰岩層の最低層厚HSBとしては、石灰岩11の粒径が4.75以上9.5mm未満の場合は4.5cm、石灰岩11の粒径が0.25以上4.75mm未満の場合は2cmに設定すればよいことが実証された。
なお、上記した最低層厚は、pH1.7の硫酸水溶液を石灰岩で中和する事例であるが、実際の最低層厚は、中和材の組成及び粒径によって決定付けられる中和能力と、掘削残土からの滲出水の酸性度によって異なっている。
(4)補足層厚H
図4(b)に、年間降水量1500mm、石灰岩11の空隙率30%とした場合における補足層厚Hと耐用年数Yとの関係について、式4を利用して算出した結果を例示する。
={Y×(Q/10)×M/1000}/{D/W×(1−p/100)}
・・・式4
:中和層の補足層厚(cm)
Y:耐用年数(年)
Q:年間降水量(mm)
M:硫酸の濃度(mol/L)
W:炭酸カルシウムのmol重量(g/mol)
D:中和材の見掛け密度(g/cm
p:中和材の空隙率(%)
図4(b)の結果から、例えば残土処分構造の耐用年数Yが20年に予定した場合は、補足層厚Hとして2cm以上加えればよいことがわかる。
1 残土処分構造
2 掘削残土層
3 石灰岩層(中和層)

Claims (4)

  1. 掘削残土層の側面及び底面のみを覆い前記掘削残土層から滲出する酸性水の中和を行う中和層を備える残土処分構造であって、
    前記酸性水は、降雨による浸透水が前記掘削残土層に浸透することで汚染物質を含有したものであり、
    前記中和層は、炭酸カルシウムを主成分とする中和材から構成され、前記酸性水を中和するために必要な滞留時間を確保して前記酸性水が外部に滲出することがないように、前記中和層中の浸透水の流速と前記中和するために必要な滞留時間との積を前記中和の空隙率で除した値以上となるように層厚が設定されていることを特徴とする残土処分構造。
  2. 前記中和層が、前記層厚に次式により算出される補足層厚を加えた厚さであることを特徴とする、請求項1に記載の残土処分構造。
    ={Y×(Q/10)×M/1000}/{D/W×(1−p/100)}
    :中和層の補足層厚(cm)
    Y:耐用年数(年)
    Q:年間降水量(mm)
    M:硫酸の濃度(mol/L)
    W:炭酸カルシウムのmol重量(g/mol)
    D:中和材の見掛け密度(g/cm
    p:中和材の空隙率(%)
  3. 掘削残土層の側面及び底面のみを覆い前記掘削残土層から滲出する酸性水の中和を行う中和層を備える残土処分構造における、中和層の層厚設定方法であって、
    前記中和層を構成する中和材について透水試験を実施して、前記中和層の透水係数を推定し、
    前記中和層の透水係数に動水勾配を乗ずることで算出された前記中和層中の浸透水の流速と前記酸性水の中和に必要な滞留時間との積を前記中和の空隙率で除することで算定層厚を算出し、
    前記中和層を構成する中和材の粒径に応じて設定された最低層厚と前記算定層厚とを比較して、いずれか大きい方の値を前記中和層の設定層厚とし、
    前記中和層を前記設定層厚以上の層厚で形成することを特徴とする、中和層の層厚設定方法。
  4. 前記最低層厚が、前記中和層を構成する中和材の粒径が4.75以上9.5mm未満の場合は4.5cm、前記中和材の粒径が0.25以上4.75mm未満の場合は2cmに設定することを特徴とする、請求項3に記載の中和層の層厚設定方法。
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