以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、第1始動領域を遊技媒体が通過したことにより変動表示の第1実行条件が成立した後、変動表示の開始を許容する第1開始条件の成立に基づいて、各々を識別可能な第1識別情報の変動表示を実行し、表示結果を導出表示する第1変動表示部と、第2始動領域を遊技媒体が通過したことにより変動表示の第2実行条件が成立した後、変動表示の開始を許容する第2開始条件の成立に基づいて、各々を識別可能な第2識別情報の変動表示を実行し、表示結果を導出表示する第2変動表示部とを備え、前記第1変動表示部または前記第2変動表示部の表示結果が特定表示結果となったときに、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、大当り種別の制御の特徴を表形式で説明する図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。遊技領域7には、遊技球を誘導するための多数の釘が植設されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示(可変表示、更新表示、または、巡回表示ともいう)が行なわれる。よって、演出表示装置9は、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示を行う変動表示装置に相当する。演出表示装置9では、表示画面上で演出図柄を表示する演出図柄表示領域が設けられており、当該演出図柄表示領域に、たとえば「左」,「中」,「右」の3つ(複数)の演出図柄を変動表示する表示領域としての図柄表示エリアがある。これら3つの演出図柄のそれぞれは、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄である。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。第1特別図柄は、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されていないことを条件に変動表示が実行される。第2特別図柄は、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されていないことを条件に変動表示が実行される。つまり、第1特別図柄と第2特別図柄とは、同時に変動表示されることなく、どちらか一方が変動表示される。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1実行条件または第2実行条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口等の予め入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。以下の説明においては、第1始動入賞口13に入賞したことを第1始動入賞と呼ぶ場合があり、第2始動入賞口14に入賞したことを第2始動入賞と呼ぶ場合がある。実行条件は成立しているが開始条件が成立していない変動表示に関するデータは、開始条件が成立するまで特別図柄の変動表示を行う権利である保留記憶データとして保留して記憶される。具体的に、保留記憶データは、後述する遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55の所定領域に記憶される。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、変動表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14(第2始動口)を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bで
の変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている(それぞれの表示領域が設けられている)。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
演出表示装置9における演出図柄の変動表示中には、リーチ状態が生じる場合がある。ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り図柄の組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り図柄の組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定され、大当りとなる信頼度が高いものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
図2においては、大当り種別ごとに、大当り遊技状態終了後の大当り確率、大当り遊技状態後のベース、および、大当りにおける開放回数(ラウンド数)が示されている。図2に示すように、ラウンド数が異なる大当り遊技状態としては、15ラウンドの大当り遊技状態と2ラウンドの大当り遊技状態との複数種類の大当りが設けられている。
具体的に、15ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
また、2ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば0.5秒間、または、6秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる2ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
このように、2ラウンドの大当りは、大入賞口の開放回数が15ラウンドよりも少ない回数(この実施の形態では0.5秒間または6秒間の開放を2回)まで許容されるが、大入賞口の開放時間が短い(たとえば、0.5秒間、または、6秒間)大当り種類(種別)である。また、本実施の形態の場合は、2ラウンドの大当りとして、大入賞口の開放時間が極めて短く(0.5秒間)、実質的に賞球(入賞に対して払出される景品球)が得られない当りと、大入賞口の開放時間が短い(6秒間)が、賞球を得ることが可能となる当りとの両方が設けられている。
なお、2ラウンドの大当りとしては、実質的に賞球が得られない当りのみを設けてもよく、賞球を得ることができる当りのみを設けてもよい。
「大当り」のうち、15ラウンドまたは2ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、または、独立して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が通常状態(非時短状態)よりも短縮される時短状態に制御される場合もある。
この実施の形態においては、時短状態として、標準時短状態と、当該標準時短状態よりもさらに変動時間が短縮される超時短状態との複数種類の時短状態が含まれている。したがって、以下の説明において、単に「時短状態」と示す場合は、「標準時短状態」と「超時短状態」との両方を包含した時短状態の総称としての意味を持つこととする。
また、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、または、独立して、可変入賞球装置15への入賞を容易化する電チューサポート制御状態に制御される場合もある。また、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、または、独立して、時短状態および電チューサポート制御状態に制御される場合もある。また、特別遊技状態としては、確変状態に加えて、時短状態に付随して電チューサポート制御状態に制御される場合もあり、時短状態に独立して電チューサポート制御状態に制御される場合もある。
この実施の形態の場合は、特別遊技状態として、確変状態に制御されたときに、時短状態に制御されるともに、電チューサポート制御状態に制御される。
また、「大当り」のうち、15ラウンドまたは2ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、15R通常大当りと、15R確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。また、2ラウンドの大当りとしては、2R第1確変大当りと、2R第2確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。
15R通常大当りは、大当り遊技状態の終了後に、確変状態に移行する制御が行なわれず、時短状態(電チューサポート制御状態を含む)に移行する制御が行なわれ、時短状態が、変動表示が所定回数(100回)実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。15R通常大当りの大当り遊技状態の終了後には、時短状態として、標準時短状態に制御される。なお、15R通常大当りは、大当り遊技状態の終了後に、時短状態(電チューサポート制御状態を含む)に移行する制御が行なわれないものであってもよい。
15R確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に、確変状態に移行する制御および時短状態(電チューサポート制御状態を含む)に移行する制御が行なわれ、当該確変状態および時短状態が、次回の大当りが発生するまでの期間継続する大当りである。15R確変大当りの大当り遊技状態の終了後には、時短状態として、標準時短状態に制御される。
2R第1確変大当りおよび2R第2確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に、確変状態に移行する制御および時短状態(電チューサポート制御状態を含む)に移行する制御が行なわれ、当該確変状態および時短状態が、次回の大当りが発生するまでの期間継続する大当りである。
2R第1確変大当りは、ラウンド数が少なく(2回)、大入賞口の開放時間が極めて短い態様(0.5秒間開放)で大入賞口が開放されることにより、大当り遊技状態の終了後に確変状態となったことを報知する場合には、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せることが可能なものであり、「突然確変大当り」とも呼ばれる。「突然確変大当り」は、「突確大当り」または「突確」という略称で呼ばれる場合もある。2R第1確変大当りは、大当り遊技状態において、0.5秒間の開放が2回しか行なわれないため、実質的に賞球が得られない当りである。2R第1確変大当りの大当り遊技状態の終了後には、時短状態として、標準時短状態に制御される。
2R第2確変大当りは、2R第1確変大当りとラウンドが同じであるが、大入賞口の開放時間が2R第1確変大当りよりも長い態様(6秒間開放)で大入賞口が開放される。2R第2確変大当りは、大当り遊技状態において、6秒間の開放が2回行なわれるため、2R第1確変大当りよりも多くの賞球を得ることができるが、15Rの大当りと比べて、得られる賞球が少ない当りである。2R第2確変大当りの大当り遊技状態の終了後には、時短状態として、超時短状態に制御される。
なお、15R確変大当り、2R第1確変大当り、および、2R第2確変大当りにおける特別遊技状態としての確変状態および時短状態は、特別図柄の変動表示が予め定められた回数(たとえば、100回)実行されるまで継続可能とする、所謂回数切りとなるようにしてもよい。ただし、その場合は、変動表示回数が予め定められた回数に達する前に次回の大当りが発生したときには確変状態および時短状態が終了する。つまり、その場合は、変動表示が所定回数実行されるまでという条件、または、次回の大当りが発生するまでという条件のうちいずれか早い方の条件が成立するまでの期間に亘り確変状態および時短状態が継続する。そのような場合においては、時短状態が継続する回数(特別図柄および演出図柄の変動表示回数)は、固定的に定められているものであってもよく、または、大当りが発生することに複数種類の回数から選択(ランダムに選択、予め定められた順序で選択)されるものであってもよい。また、確変状態と時短状態とは、終了タイミングが異なるようにしてもよい。たとえば、確変状態を次回の大当り発生まで継続させ、時短状態を回数切りとなるようにしてもよく、その逆となるようにしてもよい。
また、大当りとしては、ラウンド数が同じであるが、1回の開放時間が長い開放パターンの大当りと、1回の開放時間が短い開放パターンの大当りとを設ける等、ラウンド数が同じであるが開放パターンが異なるものを複数設け、第1特別図柄の変動領域で大当りとなったときと、第2特別図柄の変動表示で大当りとなったときとで異なる選択割合で選択して実行されるようにしてもよい。
また、2R第1確変大当りについては、低ベース状態で大当り種別として選択された場合に、高確率状態であるが低ベース状態(電チューサポート制御が行なわれない状態)となるように制御状態を移行させてもよい。
また、2R第1確変大当り、および、2R第2確変大当りのラウンド数は、15ラウンドとしてもよい。その場合には、前述した15R通常大当り、および、15R確変大当りと比べて、ラウンド開放時間が短い(前述したような0.5秒間、6秒間)ことで大当り遊技状態における入賞球個数(賞球個数)が少なくなるようにすればよい。
また、2R第1確変大当りと、2R第2確変大当りとは、大当り遊技状態における開放時間が同じものとなるようにしてもよい。
また、「大当り」の他に、所定の割合で小当りが発生する制御を行うようにしてもよい。小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(たとえば、0.5秒間または6秒間の開放を2回)まで許容される当りである。小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。2R確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.5秒間または6秒間の開放が2回行なわれると、2R確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。
普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過があるごとに、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出されるごとに、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器を1減らす。普図保留記憶数の上限値は4つであり、普通図柄保留記憶表示器41においては、この4つを上限値として表示器を点灯する。
前述した15R通常大当り、15R確変大当り、2R第1確変大当り、または、2R第2確変大当りによる大当り遊技状態に制御された後、前述の時短状態に制御されているときには、電チューサポート制御として、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2実行条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
さらに、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。また、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうちのいずれか1つの状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。
本実施の形態の場合は、大当り遊技状態の終了後に時短制御が行なわれる期間に対応する期間(同時期)において、電チューサポート制御が実行される。したがって、図2に示すように、15R大当りおよび2R大当りのすべての種別の大当りについて、大当りとなったときには、大当り遊技状態終了後に、電チューサポート制御が実行されることにより高ベース状態に制御される。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
パチンコ遊技機1には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切替え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。たとえば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや各保留記憶数カウンタの値等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示せず)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(たとえば、DC30VやDC5V等)の電圧値を監視して、電圧値が予め定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
図4は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)を予め格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図4には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号ごとに設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図3に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c等の枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。図5は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単にSという)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化等)を行なった後(S4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(S10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行なわれたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(S8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、標準時短フラグ、超時短フラグ等)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分等である。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(S43)。そして、S14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(S10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(たとえば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値または予め決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、たとえば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ等制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(S13)。たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。CPU56は、たとえば、乱数回路設定プログラムにしたがって処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、S15において、CPU56は、所定時間(たとえば2ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において変動表示される演出図柄(飾り図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図6に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。図6は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。
タイマ割込処理においては、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、たとえば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:S28)。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行う(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行う賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(S32)。CPU56は、たとえば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過するごとに、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(S33)。CPU56は、たとえば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過するごとに、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2msごとに起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の変動表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果を、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに、演出図柄が揃って停止表示される。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、15R通常大当り、15R確変大当り、2R第1確変大当り、および、2R第2確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
本実施の形態では、前述したように、大当りとして、15R通常大当り、15R確変大当り、2R第1確変大当り、および、2R第2確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターンを決定するときには、まず、変動パターン変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定する。そして、決定した変動パターン種別に属する変動パターンから、1つの変動パターンを変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて決定する。
この実施の形態では、15R通常大当り、および、15R確変大当りである場合には、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別であるノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別とに種別分けされている。また、2R第1確変大当り、および、2R第2確変大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチ特殊変動パターン種別と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるリーチ特殊変動パターン種別とに種別分けされている。このような変動パターン種別は、予め定められた割合で選択される。
また、はずれである場合には、リーチを伴わない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別であるノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーリーチ変動パターン種別と、極めて短い時間で変動表示を行う変動パターン種別である超時短変動パターン種別とに種別分けされている。これら変動パターン種別の変動パターンについての平均的な変動時間の関係は、超時短変動パターン種別<通常変動パターン種別<ノーマルリーチ変動パターン種別<スーパーリーチ変動パターン種別である。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なる(時短状態では、時短状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高く設定されている)ように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。また、このような変動パターン種別は、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定個数以上であるときと、所定個数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されていることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定個数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定個数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される。このように変動表示時間を短縮する制御は、保留数短縮制御と呼ばれる。
また、時短状態のうち、超時短状態であるときには、標準時短状態であるときと比べて、短い変動パターンが選択される割合が高くなる。
変動パターン種別の設定としては、たとえば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、たとえば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回未満の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動4回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、たとえば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出等の特定演出の有無でグループ化してもよい。
ここで、擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなる。擬似連の変動パターンにおいては、
演出表示装置9において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連チャンス目という)のうちからいずれかの擬似連チャンスに決定される。また、擬似連変動を実行した場合には、必ず最終的にリーチ状態として何らかのリーチ演出を実行するようにしてもよい。
図5に示された遊技制御処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算更新)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図8は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図8(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(第1大当り判定値ともいう)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
以下の説明において、通常時大当り判定テーブルおよび確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値のうち、通常時大当り判定テーブルに設定された通常時(非確変時)用の大当り判定値は、確変時大当り判定テーブルにおいても共通の大当り判定値として用いられるものであり、通常時大当り判定値(第1大当り判定値ともいう)という。また、確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値のうち、通常時大当り判定値以外の確変時固有の大当り判定値(第2大当り判定値ともいう)は、確変時において前述の通常時大当り判定値に加えて固有の大当り判定値として用いられるものであり、確変時大当り判定値という。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する15R通常大当り、15R確変大当り、2R第1確変大当りまたは、2R第2確変大当り)にすることに決定する。なお、図8(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図8(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。このうち、図8(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。また、図8(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)である。
第1特別図柄大当り種別判定テーブルおよび第2特別図柄大当り種別判定テーブルは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「15R通常大当り」、「15R確変大当り」、「2R第1確変大当り」、「2R第2確変大当り」のうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照されるテーブルである。
第1特別図柄大当り種別判定テーブルおよび第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「15R通常大当り」、「15R確変大当り」、「2R第1確変大当り」、「2R第2確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。同様に、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「15R通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「5」に対応した判定としても設定されている。「15R確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定としても設定されている。「2R第1確変大当り」に対応した判定値は、大当り図柄の第1特別図柄および第2特別図柄の「1」に対応した判定としても設定されている。「2R第2確変大当り」に対応した判定値は、大当り図柄の第1特別図柄および第2特別図柄の「3」に対応した判定としても設定されている。
このように、第1特別図柄大当り種別判定テーブルおよび第2特別図柄大当り種別判定テーブルにおいては、1つの大当り図柄に複数の判定値が対応付けられられている。しかし、これに限らず、1つの大当り図柄に1つの判定値が対応付けられるようにしてもよい。たとえば、大当り図柄が「00」〜「99」までの100図柄ある場合に、たとえば、大当り図柄「00」に対して大当り種別判定値「00」が対応し、大当り図柄「99」に対して大当り種別判定値「99」が対応するというように、「00」〜「99」という100個の大当り種別判定値が、「00」〜「99」という100図柄の大当り図柄に1対1で対応するようにしてもよい。
このような大当り種別大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
第1特別図柄大当り種別判定テーブルおよび第2特別図柄大当り種別判定テーブにおいては、次のような関係でデータが設定されている。第1特別図柄大当り種別判定テーブルと、第2特別図柄大当り種別判定テーブルとを比較した場合、第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、15R大当り(15R通常大当りおよび15R確変大当り)に決定される割合が高い。これにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、賞球を多く獲得しやすいという点で遊技者にとって有利となる変動表示を行うことが可能である。その理由は、15R大当りは、大当り遊技状態において、2R大当りと比べて、特別可変入賞球装置20の開放パターンが多くの入賞球が得られるように設定されているため、より多くの賞球が得られ
る大当りであるからである。つまり、2R大当りは、2R第1確変大当りのように実質的に賞球が得られない当りと、2R第2確変大当りのように開放時間および開放回数が15R大当りよりも少ない大当りにより構成されるため、15R大当りでは、2R大当りと比べて、多くの賞球が得られる。
また、第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、15R大当りのうちの15R確変大当りに決定される割合が高い。これにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、15R確変大当りとなる割合が高くなる。なお、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、15R確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、2R第1確変大当りに決定される割合が高い。これにより、第1特別図柄の変動表示の方が、第2特別図柄の変動表示よりも、2R大当りとなるときに2R第1確変大当りとなる割合が高くなる。なお、第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、2R大当りとなるときに2R第1確変大当りとなる割合が高くなるようにしてもよい。
また、第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第1特別図柄大当り種判定テーブルよりも、2R第2確変大当りに決定される割合が高い。これにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、2R大当りとなるときに2R第2確変大当りとなる割合が高くなる。具体的に、第2特別図柄大当り種別判定テーブルでは、2R大当りとなるときに2R第1確変大当りに決定されることはなく、2R第2確変大当りにのみ決定される。なお、第2特別図柄大当り種別判定テーブルでは、2R第1確変大当りに決定されることがあるようにしてもよく、その場合には、2R第2確変大当りの選択割合の方が2R第1確変大当りの選択割合よりも高くなるように設定すればよい。
なお、この実施の形態においては、第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第1特別図柄大当り種判定テーブルよりも、2R第2確変大当りに決定される割合を高くする例として、第2特別図柄について2R確変大当りとして100%の割合で2R第2確変大当りを選択する例を示した。しかし、これに限らず、第2特別図柄について2R確変大当りとして、2R第1確変大当りも選択可能とし、たとえば80%程度の割合のような100%未満の割合で2R第2確変大当りを選択するようにしてもよい。その場合には、第2特別図柄について2R確変大当りとして2R第2確変大当りを選択する割合を、第1特別図柄について2R確変大当りとして2R第2確変大当りを選択する割合よりも高くする。また、第1特別図柄について2R確変大当りとして、2R第2確変大当りを選択する割合が0%となるようにすることで、第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第1特別図柄大当り種判定テーブルよりも、2R第2確変大当りに決定される割合を高くするようにしてもよい。具体的に、このような2R第2確変大当りの選択は、たとえば、図20のS73により行なわれるが、2R確変大当りとして2R第2確変大当りを選択する割合の設定は、図8(B),(C)の大当り種別判定テーブルにそのような割合となるようにデータを設定することにより実現される。
また、この実施の形態では、図8(B),(C)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態として2ラウンドの大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態として15ラウンドの大当りとを決定する場合を説明している。しかし、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。たとえば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、たとえば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、たとえば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、たとえば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態のいずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1特定遊技状態の場合には15ラウンドすべてを終了し、第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出(いわゆるランクアップボーナスの演出)を実行するようにしてもよい。そして、第1特定遊技状態の場合には内部的に15ラウンドすべてを終了していることから大当り遊技を終了し、第2特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(あたかも15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
また、図8(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルにおいて、図8(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも低い割合で2R第1確変大当りが選択されるように、ランダム2の値を割振ることにより、第1特別図柄と第2特別図柄との両方について2R第1確変大当りに制御できるようにしてもよい。その場合に、高ベース状態において2R第1確変大当りとすることが決定されたときは、大当り遊技状態後に超時短状態に制御するようにしてもよい。また、そのような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで共通の大当り種別判定テーブルを設けてもよい。
図9は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図9に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、および、大当り種別を示す演出制御コマンドである。コマンド8C01(H)は、はずれに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C02(H)は、15R通常大当りに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C03(H)は、15R確変大当りに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C04(H)は、2R第1確変大当りに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C05(H)は、2R第2確変大当りに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の変動表示を開始するのか第2特別図柄の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動
パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A004(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち、大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンド、大当り開始3指定コマンド、および、大当り開始4指定コマンドというような複数のコマンドが含まれる。大当り開始1指定コマンドは、15R通常大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される。大当り開始2指定コマンドは、15R確変大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される。大当り開始3指定コマンドは、2R第1確変大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される。大当り開始4指定コマンドは、2R第2確変大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、15R通常大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、15R確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、2R第1確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了3指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。コマンドA304(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、2R第2確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了4指定コマンド:エンディング4指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(確変状態以外の状態)であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が標準時短状態であることを指定する演出制御コマンド(標準時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が超時短状態であることを指定する演出制御コマンド(超時短状態指定コマンド)である。コマンドB003(H)は、遊技状態が確変状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)であ
る。
このような演出制御コマンドにより、遊技状態が、通常状態、標準時短状態、超時短状態、および、確変状態のうちのどの状態またはどの状態の組合せになっているかを演出制御用マイクロコンピュータ100に知らせることができるので、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、通常状態、標準時短状態、超時短状態、および、確変状態のそれぞれの状態に応じた画像表示等の各種演出を行うことが可能となる。なお、時短状態であることを指定する演出制御コマンドとしては、標準時短状態と超時短状態とを演出制御コマンドで個別に示さず、標準時短状態および超時短状態を含む時短状態にあることを示す包括的な時短コマンドを送信するようにしてもよい。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第2保留記憶数を示す。
コマンドD001(H)〜D005(H)は、大当りとするか否か、および、大当り種別を、変動表示の実行条件である第1実行条件または第2実行条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)したときに判定し、その判定結果(入賞時判定結果)を指定(通知)するための演出制御コマンドである。コマンドD001(H)は、入賞時判定結果がはずれであることを指定する演出制御コマンド(入賞時判定結果1指定コマンド)である。コマンドD002(H)は、入賞時判定結果が15R通常大当りであることを指定する演出制御コマンド(入賞時判定結果2指定コマンド)である。コマンドD003(H)は、入賞時判定結果が15R確変大当りであることを指定する演出制御コマンド(入賞時判定結果3指定コマンド)である。コマンドD004(H)は、入賞時判定結果が2R第1確変大当りであることを指定する演出制御コマンド(入賞時判定結果4指定コマンド)である。コマンドD005(H)は、入賞時判定結果が2R第2確変大当りであることを指定する演出制御コマンド(入賞時判定結果5指定コマンド)である。このように、入賞時判定結果を演出制御基板80の側に通知することで、演出制御基板80の側で、入賞時判定結果に基づいた演出(大当り中予告演出)を実行することができるようになる。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図9に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の変動表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取込み処理を開始する。
図9に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に伴って演出を行う演出表示装置9等の演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにす
ることができる。
図10は、ROM54に記憶されている開放パターンデータテーブルの内容を表形式で示す図である。開放パターンデータテーブルのデータは、各種別の大当りの開放回数(ラウンド上限数)、開放時間(各ラウンド中の開放時間)、および、インターバル時間(各ラウンド間時間)を含む大当り遊技状態の開放パターンを示すテータである。
図10を参照して、15R通常大当りおよび15R確変大当りのそれぞれは、開放回数が15回、開放時間が29秒、インターバル時間が5秒である。2R第1確変大当りおよび2R第2確変大当りは、開放回数は2回であり、インターバル時間が0.5秒であることで共通するが、開放時間が異なる。2R第1確変大当りの開放回数は0.5秒であり、2R第2確変大当りの開放回数は6秒である。したがって、2R第1確変大当りが、実質的に、入賞が期待できず、賞球が得られないことに対し、2R第2確変大当りは、ある程度の個数の入賞が期待でき、ある程度の個数の賞球が得られる点で相違する。
なお、インターバル時間は、15R通常大当りおよび15R確変大当りと、2R第1確変大当りおよび2R第2確変大当りとの間で同じ時間となるように設定してもよい。また、インターバル時間は、同じ2R大当りであっても、2R第1確変大当りと2R第2確変大当りとのように、大当り種別によって異なる時間となるように設定してもよい。
図11は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。
上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンして第1始動入賞口13への始動入賞(第1始動入賞)が発生していたとき、または、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンして第2始動入賞口14への始動入賞(第2始動入賞)が発生していたときには(S311)、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、始動口スイッチ通過処理を実行せずに、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、変動表示を開始する特別図柄に対応する保留記憶バッファ(図13の第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)に記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンドごとに実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(たとえば、確変フラグ、標準時短フラグ、超時短フラグ等)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図12は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、オンしたのが第1始動口スイッチ13aであるか否かを確認する(S211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S213)。
図13は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図13に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
次に、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S214)。具体的に、S214の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が保存(格納)される。以下の保留記憶に関する説明に関しては、このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
続いて、S215において抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別判定用乱数(ランダム1)に基づいて、表示結果を判定する(S215)。この処理のことを入賞時判定ともいう。入賞時判定では、先ず、図8(A)に示す大当り判定テーブルを参照して、大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致するか否かを判定する。大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致しなければ、「はずれ」となることを判定する。また、大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致すれば、図8(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定テーブルを参照して、大当り種別判定用乱数(ランダム1)が「15R通常大当り」、「15R確変大当り」、「2R第1確変大当り」、「2R第2確変大当り」のうちいずれの判定値と一致するかを判定することによって、大当り種別を判定する。
そして、S215における入賞時判定の結果に応じて、入賞時判定結果指定コマンドを送信する制御を行う(S216)。S216では、S215にて「はずれ」と判定された場合には、入賞時判定結果1指定コマンドD001(H)が送信され、「15R通常大当り」と判定された場合には、入賞時判定結果2指定コマンドD002(H)が送信され、「15R確変大当り」と判定された場合には、入賞時判定結果3指定コマンドD003(H)が送信され、「2R第1確変大当り」と判定された場合には、入賞時判定結果4指定コマンドD004(H)が送信され、「2R第2確変大当り」と判定された場合には、入賞時判定結果5指定コマンドD005(H)が送信される。
次いで、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行う(S217)。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S29)において演出制御コマンドを送信する。
S211で第1始動口スイッチがオン状態でないと判定された場合、または、S212で第1保留記憶数が上限値に達していると判定された場合に、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(S221)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S222)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。なお、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、再度第1始動口スイッチ13aがオンしているか否かを確認する(S211参照)処理を行うようにしてもよい。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S223)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S224)。
続いて、S224において抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別判定用乱数(ランダム1)に基づいて、表示結果を判定する(S225)。この処理のことを入賞時判定ともいう。入賞時判定では、先ず、図8(A)に示す大当り判定テーブルを参照して、大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致するか否かを判定する。大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致しなければ、「はずれ」となることを判定する。また、大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致すれば、図8(C)に示す第2特別図柄大当り種別判定テーブルを参照して、大当り種別判定用乱数(ランダム1)が「15R通常大当り」、「15R確変大当り」、「2R第2確変大当り」のうちいずれの判定値と一致するかを判定することによって、大当り種別を判定する。
そして、S225における入賞時判定の結果に応じて、入賞時判定結果指定コマンドを送信する制御を行う(S226)。S226では、S225にて「はずれ」と判定された場合には、入賞時判定結果1指定コマンドD001(H)が送信され、「15R通常大当り」と判定された場合には、入賞時判定結果2指定コマンドD002(H)が送信され、「15R確変大当り」と判定された場合には、入賞時判定結果3指定コマンドD003(H)が送信され、「2R第2確変大当り」と判定された場合には、入賞時判定結果5指定コマンドD005(H)が送信される。
次いで、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを送信する制御を行ない(S227)処理を終了する。
なお、S213〜S217の処理とS223〜S227の処理とを、1つの共通ルーチンで実現してもよい。その場合、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態になったことを検出した場合に「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態になったことを検出した場合に「第2」を示すデータをセットし、共通ルーチンで、セットされているデータに応じて、保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)を選択したり始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)を選択する。
次に、図14〜図18を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図14〜図18は、変動パターンを決定するために用いるデータテーブルを表形式で示す図である。
変動パターンテーブルとしては、ROM54に、通常状態はずれ時第1判定テーブル、通常状態はずれ時第2判定テーブル、標準時短状態はずれ時第1判定テーブル、標準時短状態はずれ時第2判定テーブル、標準時短状態はずれ時第3判定テーブル、超時短状態はずれ時第1判定テーブル、超時短状態はずれ時第2判定テーブル、超時短状態はずれ時第3判定テーブル、通常状態15R大当り時判定テーブル、標準時短状態15R大当り時判定テーブル、超時短状態15R大当り時判定テーブル、通常状態2R大当り時判定テーブル、標準時短状態2R大当り時判定テーブル、および、超時短状態2R大当り時判定テーブルが記憶されており、遊技状態に応じて選択的に用いられる。
図14は、通常状態はずれ時第1判定テーブルおよび通常状態はずれ時第2判定テーブルを示す説明図である。図15は、標準時短状態はずれ時第1判定テーブル、標準時短状態はずれ時第2判定テーブル、および、標準時短状態はずれ時第3判定テーブルを示す説明図である。図16は、超時短状態はずれ時第1判定テーブル、超時短状態はずれ時第2判定テーブル、および、超時短状態はずれ時第3判定テーブルを示す説明図である。図17は、通常状態15R大当り時判定テーブル、標準時短状態15R大当り時判定テーブル、および、超時短状態15R大当り時判定テーブルを示す説明図である。図18は、通常状態2R大当り時判定テーブル、標準時短状態2R大当り時判定テーブル、および、超時短状態2R大当り時判定テーブルを示す説明図である。
図14〜図18の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを選択決定(判定)するために用いられる。
図14〜図18に示す判定テーブルのそれぞれは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図14〜図18の各テーブルでの変動パターンの欄において、変動パターンの欄には、各変動パターンの変動表示が行なわれるときの変動時間が括弧書きで示されている。
「通常変動」は、リーチとならない非リーチの変動パターン(10秒)を示している。
「ノーマルリーチ」は、ノーマルリーチの変動パターンを示している。「第1ノーマルリーチ」(20秒)と「第2ノーマルリーチ」(20秒)とは、変動表示時の背景が異なる。
「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な背景画像を表示するリーチ演出を行う変動パターンを示している。「第1スーパーリーチ」(30秒)は、第1の特別な背景画像を用いたリーチ演出を行うスーパーリーチの変動パターンである。「第2スーパーリーチ」(30秒)は、第2の特別な背景画像を用いたリーチ演出を行うスーパーリーチの変動パターンである。「第3スーパーリーチ」(30秒)は、第3の特別な背景画像を用いたリーチ演出を行うスーパーリーチの変動パターンである。
「通常変動」は、「第1ノーマルリーチ」および「第2ノーマルリーチ」のようなノーマルリーチの変動パターン種別、ならびに、「第1スーパーリーチ」〜「第3スーパーリーチ」のようなスーパーリーチの変動パターン種別と比べて、変動時間が短い。また、「第1ノーマルリーチ」および「第2ノーマルリーチ」は、「第1スーパーリーチ」〜「第3スーパーリーチ」と比べて、変動時間が短い。
「第1非リーチ特殊」(10秒)および「第2非リーチ特殊」(10秒)は、2ラウンド大当り用の非リーチ特殊変動パターン種別に含まれる変動パターンであり、「第1ノーマルリーチ」および「第2ノーマルリーチ」と比べて変動時間が短い。また、「第1リーチ特殊」(15秒)、「第2リーチ特殊」(15秒)、および、「第3リーチ特殊」(15秒)は、2R確変大当り用のリーチ変動パターン種別に含まれる変動パターンであり、たとえば、「第1スーパーリーチ」〜「第3スーパーリーチ」と比べて変動時間が短い。「第1非リーチ特殊」、および、「第2非リーチ特殊」のそれぞれは、変動表示中にリーチ図柄の組合せを表示せずに2R大当り図柄の組合せとしてのチャンス目を表示する特殊な変動パターンである。「第1リーチ特殊」、「第2リーチ特殊」、および、「第3リーチ特殊」のそれぞれは、変動表示中に一旦リーチ図柄の組合せを表示した後、図柄が差替えられることにより最終的に2R大当り図柄の組合せとしてのチャンス目を表示する特殊な変動パターンである。
また、「第1非リーチ特殊」および「第2非リーチ特殊」は、「第1リーチ特殊」、「第2リーチ特殊」、および、「第3リーチ特殊」と比べて、変動時間が短い。
なお、2ラウンド大当り用の変動パターンは、2ラウンド大当り以外の大当り種別の変動パターンと共通の変動パターンを用いるようにしてもよい。なお、「第1ノーマルリーチ」と「第2ノーマルリーチ」との演出の相違点、「第1スーパーリーチ」と「第2スーパーリーチ」と「第3スーパーリーチ」との演出の相違点、「第1非リーチ特殊」と「第2非リーチ特殊」との演出の相違点、および、「第1リーチ特殊」と「第2リーチ特殊」と「第3リーチ特殊」との演出の相違点は、それぞれ変動表示時の背景が異なるものであってもよいが、変動表示時の背景が異なるものではなく、たとえば、変動表示時に表示されるキャラクタが異なるもの、または、変動表示時における図柄の変動態様(たとえば、変動方向)が異なるもの等、遊技者が何らかの形で異なる変動表示であることを認識できるものであればよい。また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。
「はずれ」は、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。「15R大当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「15R大当り」の表示結果となる変動パターンである。「2R大当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「2R大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、「第1スーパーリーチ はずれ」という変動パターンは、変動パターンコマンドにより、「はずれ表示結果となる第1スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図14〜図18のテーブルにおいて、「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブルを示す欄である。たとえば、図14(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が230〜251の数値範囲のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「スーパーリーチ」とすることが決定される。
また、図14〜図18のそれぞれのテーブルにおいて、「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブルを示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図14(a)を例にとれば、「ノーマルリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1ノーマルリーチ はずれ」、「第2ノーマルリーチ はずれ」である。各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(0〜99)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3の値に応じて、「第1スーパーリーチ はずれ」、「第2スーパーリーチ はずれ」、および、「第3スーパーリーチ はずれ」のうちから変動パターンが選択決定される。
標準時短状態および超時短状態を含む時短状態に該当しない通常状態においては、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果がはずれとなるときには、変動表示を開始する特別図柄について、変動パターン決定時の保留記憶数が0または1であれば図14(a)の通常状態はずれ時第1判定テーブルを選択し、変動パターン決定時の保留記憶数が2または3であれば保留数短縮制御を行うために図14(b)の通常状態はずれ時第2判定テーブルを選択する。
図14(a),(b)に示すように、通常状態ではずれとする決定がされたときに、変動表示を開始する特別図柄に対応する変動パターン決定時の保留記憶数が2または3のときは、当該変動パターン決定時の保留記憶数が0または1のときと比べて、通常変動(非リーチはずれ変動)に決定される割合が高く、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)に決定される割合が低いように、図14の通常状態はずれ時第1判定テーブルおよび通常状態はずれ時第2判定テーブルにデータが設定されている。これにより、通常状態のときには、保留記憶数の増加に基づいて、変動表示が短い変動パターンが選択される割合が高くなるので、保留記憶数に応じて変動時間が短縮される保留数
短縮制御が行なわれる。
15R通常大当り、15R確変大当り、および、2R第1確変大当りの大当り遊技状態の終了後における時短状態である標準時短状態においては、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。
標準時短状態において、第1特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターン決定時の第1保留記憶数に関係なく、図15(a)の標準時短状態はずれ時第1判定テーブルを選択する。
図15(a)の標準時短状態はずれ時第1判定テーブルでは、図14(a)の通常状態はずれ時第1判定テーブルのときと比べて、通常変動(非リーチはずれ変動)に決定される割合が低く、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)に決定される割合が高くなるように、データが設定されている。これにより、標準時短状態において、第1特別図柄の変動表示がはずれとなるときには、通常状態で変動パターン決定時の第1保留記憶数が0または1のときよりも変動時間が長い変動パターンが選択される割合が高いので、通常状態で変動パターン決定時の第1保留記憶数が0または1のときと比べて平均的に長い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。また、標準時短状態において第1特別図柄の変動表示がはずれとなるときには、保留記憶数の増加に基づいて、変動表示が短い変動パターンが選択される割合が高くなることがないように設定されている。
このように、標準時短状態において、第1特別図柄の変動表示がはずれとなるときには、通常状態で変動パターン決定時の第1保留記憶数が0または1のときよりも変動時間が長い変動パターンが選択される割合を高くした理由は、次の通りである。第1特別図柄の変動表示については、標準時短状態において、保留記憶された第2特別図柄による変動表示は、短い変動時間が選択される割合が高いので、早期に消化され過ぎてしまい、第1特別図柄の変動表示が行なわれてしまうときがある。そのようなときでも、当該第1特別図柄の変動表示の変動時間が極めて長くなるので、その間に普通図柄の変動表示(電チューサポート状態では普通図柄の変動時間は図28のように1秒間)が行なわれて表示結果が当りとなることで可変入賞球装置15の開放により第2保留記憶が発生しやすくなるため、稀に生じる第1保留記憶情報に基づく第1特別図柄の変動表示が実行されても、当該変動表示が頻繁に実行されるのを防ぐことが可能となる。そして、このように、標準時短状態において、第1特別図柄の変動表示がはずれとなるときに、通常状態で変動パターン決定時の第1保留記憶数が0または1のときよりも変動時間が長い変動パターンが選択される割合を高くしても、標準時短状態においては、短い変動時間が選択される割合が高い第2特別図柄が主として変動表示されるので、第1特別図柄および第2特別図柄を合せた特別図柄全体の平均的な変動時間は、通常状態における平均的な変動時間よりも短縮されることとなる。
標準時短状態において、第2特別図柄について、変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターン決定時の第2保留記憶数が0であれば図15(b)の標準時短状態はずれ時第2判定テーブルを選択し、変動パターン決定時の第2保留記憶数が1〜3のいずれかであれば保留数短縮制御を行うために図15(c)の標準時短状態はずれ時第3判定テーブルを選択する。
図15(b)の標準時短状態はずれ時第2判定テーブルでは、通常状態において変動パターン決定時の第2保留記憶数が0または1であるときに選択される図14(a)の通常状態はずれ時第1判定テーブルのときと比べて、通常変動(非リーチはずれ変動)に決定される割合が高く、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。さらに、図15(b)の標準時短状態はずれ時第2判定テーブルでは、図14(a)の通常状態はずれ時第1判定テーブルのときと比べて、通常変動の変動時間が短い。これにより、第2特別図柄の変動表示がはずれとなるときに保留数短縮制御が行なわれないときには、標準時短状態において行なわれる変動表示の方が、通常状態において行なわれる変動表示よりも変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、通常状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。
図15(b),(c)に示すように、標準時短状態で第2特別図柄についてはずれとする決定がされたときに、変動パターン決定時の第2保留記憶数が1〜3のいずれかのときは、変動パターン決定時の第2保留記憶数が0のときと比べて、通常変動(非リーチはずれ変動)に決定される割合が高く、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)に決定される割合が低いように、図15(b),(c)の標準時短状態はずれ時第2判定テーブルおよび標準時短状態はずれ時第3判定テーブルにデータが設定されている。これにより、第2特別図柄について、標準時短状態のときには、第2保留記憶数の増加に基づいて、変動表示が短い変動パターンが選択される割合が高くなるので、第2保留記憶数に応じて変動時間が短縮される保留数短縮制御が行なわれる。
図15(c)の標準時短状態はずれ時第3判定テーブルでは、通常状態において変動パターン決定時の第2保留記憶数が2または3であるときに選択される図14(b)の通常状態はずれ時第2判定テーブルのときと比べて、通常変動(非リーチはずれ変動)に決定される割合が高く、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。さらに、図15(c)の標準時短状態はずれ時第3判定テーブルでは、図14(b)の通常状態はずれ時第2判定テーブルのときと比べて、通常変動の変動時間が短い。これにより、第2特別図柄の変動表示がはずれとなるときに保留数短縮制御が行なれるときには、標準時短状態において行なわれる変動表示の方が、通常状態において行なわれる変動表示よりも変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、比較的短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。
図14と図15とを比較すると、標準時短状態のときは、通常状態のときと比べて、通常変動(非リーチはずれ変動)に決定される割合が高く、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)に決定される割合が低いようにデータが設定されている。さらに、標準時短状態のときは、通常状態のときと比べて、標準時短状態において主として変動表示が行なわれる第2特別図柄の通常変動の変動時間が短い時間に設定されている。これにより、標準時短状態のときには、通常状態のときよりも変動表示が短い変動パターンが選択される割合が高いので、通常状態のときよりも変動時間が短縮される時短状態となる。
2R第2確変大当りの大当り遊技状態の終了後における時短状態である超時短状態においては、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。
超時短状態において、第1特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターン決定時の第1保留記憶数に関係なく、図16(a)の超時短状態はずれ時第1判定テーブルを選択する。
図16(a)の超時短状態はずれ時第1判定テーブルでは、通常変動(非リーチはずれ変動)に常に決定されるようにデータが設定されている。これにより、超時短状態においては、通常状態や標準時短状態における平均的な変動時間よりも短縮されることとなる。
なお、図16(a)の超時短状態はずれ時第1判定テーブルでは、標準時短状態である場合と同様に、図14(a)の通常状態はずれ時第1判定テーブルのときと比べて、通常変動(非リーチはずれ変動)に決定される割合が低く、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)に決定される割合が高くなるように、データが設定されていてもよい。これにより、超時短状態において、第1特別図柄の変動表示がはずれとなるときには、通常状態で変動パターン決定時の第1保留記憶数が0または1のときよりも変動表示が長い変動パターンが選択される割合が高いので、通常状態で変動パターン決定時の第1保留記憶数が0または1のときと比べて平均的に長い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように、超時短状態において、第1特別図柄の変動表示がはずれとなるときに、通常状態で変動パターン決定時の第1保留記憶数が0または1のときよりも変動時間が長い変動パターンが選択される割合を高くしても、超時短状態においては、短い変動時間が選択される割合が高い第2特別図柄が主として変動表示されるので、第1特別図柄および第2特別図柄を合せた特別図柄全体の平均的な変動時間は、通常状態における平均的な変動時間よりも短縮されることとなる。
超時短状態において、第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターン決定時の第2保留記憶数が0であれば図16(b)の超時短状態はずれ時第2判定テーブルを選択し、変動パターン決定時の第2保留記憶数が1〜3のいずれかであれば保留数短縮制御を行うために図16(c)の超時短状態はずれ時第3判定テーブルを選択する。
図16(b)の超時短状態はずれ時第2判定テーブルでは、通常変動(非リーチはずれ変動)に常に決定されるようにデータが設定されている。これにより、超時短状態においては、通常状態や標準時短状態における平均的な変動時間よりも短縮されることとなる。
なお、図16(b)の超時短状態はずれ時第2判定テーブルでは、同じく変動パターン決定時の第2保留記憶数が0であるときに選択される図15(b)の標準時短状態はずれ時第2判定テーブルと比べて、通常変動(非リーチはずれ変動)に決定される割合が低く、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)に決定される割合が高くなるように、データが設定されていてもよい。これにより、第2特別図柄の変動パターン決定時の第2保留記憶数が0であるときに、第2特別図柄の変動表示がはずれとなるときには、超時短状態において行なわれる変動表示の方が、標準時短状態において行なわれる変動表示よりも変動時間が長い変動パターンが選択される割合が高いので、標準時短状態のときと比べて平均的に長い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように、超時短状態において、第2特別図柄の変動表示がはずれとなるときに、第2保留記憶数が0のときにおいて、標準時短状態のときよりも変動時間が長い変動パターンが選択される割合を高くしても、超時短状態においては、第2保留記憶数が1〜3のいずれかのときにおいて極めて短い変動時間が選択されるので、平均的な変動時間は、標準時短状態における平均的な変動時間よりも短縮されることとなる。
なお、図15(b)の標準時短状態はずれ時第2判定テーブルと、図16(b)の超時短状態はずれ時第2判定テーブルとについては、標準時短状態はずれ時第2判定テーブルにおける通常変動パターンの変動時間を、超時短状態はずれ時第2判定テーブルにおける通常変動パターンの変動時間よりも短くなるように設定してもよい。たとえば、標準時短状態はずれ時第2判定テーブルにおける通常変動パターンの変動時間を5秒よりも短くすることによりこのような関係を実現してもよく、標準時短状態はずれ時第2判定テーブルにおける通常変動パターンの変動時間を5秒よりも長くすることによりこのような関係を実現してもよい。
また、図16(b)の超時短状態はずれ時第2判定テーブルについては、「通常変動」の変動パターンの代わりに、超時短変動(1秒)の変動パターンが常に選択されるようにしてもよい。
図16(c)の超時短状態はずれ時第3判定テーブルでは、超時短状態で第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなる決定がされたときに、変動パターン決定時の第2保留記憶数が1〜3のいずれかのときは、変動パターン決定時の第2保留記憶数が0のときと比べて、極めて短い変動時間で変動表示を行う超時短変動パターン(1秒間)が決定されるように、図16(c)の超時短状態はずれ時第3判定テーブルにデータが設定されている。図16(b),(c)に示すように、変動パターン決定時の第2保留記憶数が1〜3のいずれかのときは、変動パターン決定時の第2保留記憶数が0のときに選択される変動パターンよりも変動時間が短い超時短変動パターンのみが決定されるため、超時短状態には、第2保留記憶数の増加に基づいて、変動表示が短い変動パターンが選択される割合が高くなるので、第2保留記憶数に応じて変動時間が極めて短い時間に短縮される。
図16(c)の超時短状態はずれ時第3判定テーブルでは、通常状態において変動パターン決定時の第2保留記憶数が2または3であるときに選択される図14(b)の通常状態はずれ時第2判定テーブル、および、標準時短状態において変動パターン決定時の第2保留記憶数が1〜3のいずれかであるときに選択される図15(c)の標準時短状態はずれ時第3判定テーブルのときと比べて、極めて短い変動時間で変動表示を行う超時短変動パターン(1秒間)のみが決定されるように、図16(c)の超時短状態はずれ時第3判定テーブルにデータが設定されている。これにより、これにより、第2特別図柄の変動表示がはずれとなるときに保留数短縮制御が行なわれるときには、超時短状態において行なわれる変動表示の方が、通常状態および標準時短状態において行なわれる変動表示よりも変動時間が極めて短い変動パターンが選択される割合が高いので、通常状態および標準時短状態のときと比べて極めて短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。
また、標準時短状態、および、超時短状態のような時短状態では、電チューサポート制御が行なわれることにより、第1始動入賞口13に対して第2始動入賞口14に入賞する頻度が極めて高くなることに基づいて、第1特別図柄に対して第2特別図柄の変動表示が実行される頻度が極めて高くなる。これにより、時短状態では、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち、第2特別図柄の変動時間の長短が、第1特別図柄および第2特別図柄全体の変動表示の平均的な変動時間の長短に大きく影響する。さらに、このような時短状態では、第1始動入賞口13よりも第2始動入賞口14の方へ遊技球が入る割合が極めて高くなるので、変動パターンを決定するときが、変動パターン決定時の第2保留記憶数が1以上のときとなるケースが特に多くなる。また、超時短状態では、第2保留記憶数が1以上のときに決定される変動パターンは、すべて1秒間の「超時短変動」が選択されるので、第1特別図柄および第2特別図柄の全体の変動表示の平均的な変動時間が、通常状態、および、標準時短状態のそれぞれと比べて極めて短くなる。
以上に示すような変動パターンテーブルを用いて、はずれとなるときの変動パターンが選択されると、次のような状態となる。たとえば、2R第1確変大当りおよび2R第2確変大当りのような2R確変大当りの大当り遊技状態終了後に確変状態となったときには、15R確変大当りの大当り遊技状態終了の後に確変状態となったときと比べて、同じ確変状態であっても、図10の開放パターンに示すように、大当り遊技状態において特別可変入賞球装置20を開状態とする態様(開放時間および開放回数)の有利さが低く、大当り遊技状態において獲得できる遊技球の個数が少ないという点で、遊技者が失望しやすい。
しかし、図16のテーブルに示されるように、2R確変大当りの大当り遊技状態終了後に確変状態となったときの超時短状態においては、15R確変大当りの大当り遊技状態終了の後に確変状態となったときの標準時短状態と比べて、高い割合で短い変動時間に決定されることにより変動時間が短縮されるので、次回の大当りを早期に生じさせることが可能となるため、遊技者が感じる失望感を低減することができる。
なお、15R確変大当りの大当り遊技状態終了後の確変状態と、2R第1確変大当りの大当り遊技状態終了後の確変状態とで、2R第1確変大当りの大当り遊技状態終了後の確変状態の方が変動時間の短い変動パターンを選択する割合を高くするというように、変動時間(変動パターン)を選択する割合が異なるように設定してもよい。そのような場合には、2R第2確変大当りの大当り遊技状態終了後における確変状態での超時短状態に加えて、2R第1確変大当りの大当り遊技状態終了後における確変状態でも、15R確変大当りの大当り遊技状態終了の後に確変状態となったときの時短状態と比べて変動時間が短縮されるので、次回の大当りをより一層早期に生じさせることが可能となるため、遊技者が感じる失望感をより一層低減することができる。
また、図8(B),(C)に示したように、第2特別図柄は、第1特別図柄と比べて、大当りとなるときに15R大当りが選択される割合が多い。さらに、確変状態においては、電チューサポート制御が行なわれるので、第2特別図柄は第1特別図柄と比べて変動表示が行なわれやすい。このため、確変状態は、遊技者が第2特別図柄に対して15R大当りの発生を狙いやすい絶好の機会である。したがって、確変状態において第2特別図柄の変動表示の結果、2ラウンドの大当りとなったときには、確変状態となるが、大当り遊技状態において獲得できる遊技球の個数の点で失望し、さらに、第1特別図柄よりも15R大当りの発生割合が多い第2特別図柄の変動表示で2R大当りとなってしまったことで、余計に遊技者の失望感が増す。
しかし、図8(C)に示したように、確変状態において第2特別図柄の変動表示の結果、2ラウンドの大当りとなったときには、2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に図16(c)に示すような変動時間が極めて短い変動パターンが選択される超時短状態となるので、第2特別図柄の変動表示の結果に基づく2ラウンドの大当り遊技状態の終了後における確変状態のときの方が、第1特別図柄の変動表示の結果に基づく2ラウンドの大当り遊技状態の終了後における確変状態と比べて高い割合で変動時間が短い変動パターンが選択される。このため、確変状態において、第2特別図柄の変動表示の結果に応じて2ラウンドの大当り遊技状態となったときには、第1特別図柄の変動表示の結果に応じて2ラウンドの大当り遊技状態となったときと比べて、当該2ラウンドの大当り遊技状態の終了後の確変状態において、次回の大当りを早期に生じさせることが可能となるため、遊技者が感じる失望感をさらに低減することができる。さらに、図2に示すように、2R第2確変大当りの大当り遊技状態においては、2R第1確変大当りとは異なり遊技者が賞球を獲得することができる開放パターンで特別可変入賞球装置20を開放する制御が行なわれるので、遊技者の失望感をさらに低減することができる。
また、図15(a)に示したように、標準時短状態では、第1特別図柄は、第1保留記憶数に応じて変動時間が短縮されず、かつ、標準時短状態に制御されているときの方が、通常状態のときよりも高い割合で変動時間が長い変動パターンが選択される。これにより、第1特別図柄の変動表示については、標準時短状態において、保留記憶された第2特別図柄による変動表示が余りに早期に消化され過ぎてしまい、第1特別図柄の変動表示が行なわれてしまうときでも、当該第1特別図柄の変動表示の変動時間が極めて長くなるので、その間に普通図柄の変動表示(電チューサポート状態では普通図柄の変動時間は図28のように1秒間)が行なわれて表示結果が当りとなることで可変入賞球装置15の開放により第2保留記憶が発生しやすくなるため、稀に生じる第1保留記憶情報に基づく第1特別図柄の変動表示が実行されても、当該変動表示が頻繁に実行されるのを防ぐことができる。したがって、標準時短状態において、15R大当りが発生する割合が高い第2特別図柄の変動表示が頻繁に実行されることによる恩恵を遊技者が享受できなくなる状態の発生により遊技者の興趣が低下してしまうのを防ぐことができる。
また、時短状態(標準時短状態および超時短状態)に該当しない通常状態、または、標準時短状態において、15R大当り(15R通常大当り、15R確変大当り)とする決定がされたときについては、必ずリーチ変動となるが、はずれとする決定がされたときと比べて、「ノーマルリーチ変動」に決定される割合よりも「スーパーリーチ変動」に決定される割合の方が高くなるように、図17の通常状態15R大当り時判定テーブル、および標準時短状態15R大当り時判定テーブルにデータが設定されている。
また、超時短状態においては、「スーパーリーチ変動」に決定されず、必ず「ノーマルリーチ変動」に決定されるように、図17の超時短状態15R大当り時判定テーブルが設定されている。「ノーマルリーチ変動」の変動時間は、「スーパーリーチ変動」よりも短いため、このような設定により、超時短状態における変動時間をさらに短縮することができる。
なお、この実施の形態においては、2R第1確変大当りおよび2R第2確変大当りのような2R確変大当りが、15R確変大当りに対して、短い変動時間となる割合が100%であるである例を示した。しかし、これに限らず、2R第1確変大当りおよび2R第2確変大当りのような2R確変大当りが、15R確変大当りに対して、短い変動時間となる割合が100%未満の高い割合であるようにしてもよい。具体的に、このような変動パターンの選択は、たとえば、図22のS105,S106,S108,S109により行なわれるが、変動パターンの選択割合の設定は、図14〜図16に示す判定テーブルにそのような割合となるようにデータを設定することにより実現される。
なお、この実施の形態においては、図14(a),(b)、図15(a)に示すように、第1特別図柄の変動表示について、標準時短状態に制御されているときの方が、通常状態であるときと比べて高い割合で長い変動時間を決定する例として、標準時短状態に制御されているときにおいて、通常状態であるときよりも長い変動時間を選択する割合が100%未満であるが、通常状態であるときにおいて長い変動時間を選択する割合よりも、その割合が高い例を示した。しかし、これに限らず、標準時短状態に制御されているときの方が、通常状態のときと比べて、長い変動時間を選択する割合が100%であるようにしてもよい。このような変動パターンの選択は、たとえば、図22のS97,S103,S108,S109により行なわれるが、変動パターンの選択割合の設定は、図14〜図16に示す判定テーブルにそのような割合となるようにデータを設定することにより実現される。
図17(a)の通常状態15R大当り時判定テーブルは、通常状態において15R通常大当りまたは15R確変大当りとすることが決定されたときに用いられる。図17(b)の標準時短状態15R大当り時判定テーブルは、標準時短状態において15R通常大当りまたは15R確変大当りとすることが決定されたときに用いられる。図17(c)の超時短状態15R大当り時判定テーブルは、超時短状態において15R通常大当りまたは15R確変大当りとすることが決定されたときに用いられる。
図18(a)の通常状態2R大当り時判定テーブルは、通常状態において2R第1確変大当りまたは2R第2確変大当りとすることが決定されたときに用いられる。図18(b)の標準時短状態2R大当り時判定テーブルは、標準時短状態において2R第1確変大当りまたは2R第2確変大当りとすることが決定されたときに用いられる。図18(c)の超時短状態2R大当り時判定テーブルは、超時短状態において2R第1確変大当りまたは2R第2確変大当りとすることが決定されたときに用いられる。
図17(a),(b)に示すように、15R通常大当りまたは15R確変大当りとすることが決定されたときには、標準時短状態であるときの方が、通常状態であるときよりも、「ノーマルリーチ」の変動パターン種別が選択される割合が高くなるように、通常状態15R大当り時判定テーブルおよび標準時短状態15R大当り時判定テーブルにデータが設定されている。これにより、標準時短状態であるときの方が、通常状態であるときよりも、平均的に短い変動時間の変動パターンが決定される。
また、図17(c)に示すように、15R通常大当りまたは15R確変大当りとすることが決定されたときには、超時短状態であるときには「ノーマルリーチ」の変動パターン種別のみが選択されるように、超時短状態15R大当り時判定テーブルにデータが設定されている。これにより、超時短状態であるときの方が、標準時短状態であるときよりも、平均的に短い変動時間の変動パターンが決定される。
図18(a),(b)に示すように、2R第1確変大当りまたは2R第2確変大当りとすることが決定されたときには、標準時短状態であるときの方が、通常状態であるときよりも、「非リーチ特殊」の変動パターン種別が選択される割合が高くなるように、通常状態2R大当り時判定テーブルおよび標準時短状態2R大当り時判定テーブルにデータが設定されている。これにより、標準時短状態であるときの方が、通常状態であるときよりも、平均的に短い変動時間の変動パターンが決定される。
また、図18(c)に示すように、2R第1確変大当りまたは2R第2確変大当りとすることが決定されたときには、超時短状態であるときには、「非リーチ特殊」の変動パターン種別のみが選択されるように、超時短状態2R大当り時判定テーブルにデータが設定されている。これにより、超時短状態であるときの方が、標準時短状態であるときよりも、平均的に短い変動時間の変動パターンが決定される。
なお、15R大当りとする決定がされたときには、はずれとする決定がされたときとは異なり、「ノーマルリーチ変動」に決定される割合と「スーパーリーチ変動」に決定される割合との関係が、通常状態、標準時短状態、超時短状態、および、変動表示を行う特別図柄の保留記憶数に関係なく同じ割合となるように、図17(a)の通常状態15R大当り時判定テーブル、図17(b)の標準時短状態15R大当り時判定テーブル、および、図17(c)の超時短状態15R大当り時判定テーブルのそれぞれにデータを設定してもよい。また、2R大当りとする決定がされたときには、「非リーチ特殊変動」に決定される割合と「リーチ特殊変動」に決定される割合との関係が、通常状態、標準時短状態、超時短状態、および、変動表示を行う特別図柄の保留記憶数に関係なく同じ割合となるように、図18(a)の通常状態2R大当り時判定テーブル、図18(b)の標準時短状態2R大当り時判定テーブル、および、図18(c)の超時短状態2R大当り時判定テーブルとのそれぞれにデータを設定してもよい。
また、通常状態、標準時短状態、および、超時短状態のそれぞれにおいて、2R第1確変大当りまたは2R第2確変大当りとなるときには、15R通常大当りまたは15R確変大当りとなるときと同じ割合で変動パターンの種別を決定するようにデータを設定してもよい。
図19および図20は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるか動かを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、第2保留記憶バッファの方に(図13参照)に保留記憶データがあるか否か確認する(S52)。第2保留記憶バッファに保留記憶データがあれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶データがなければ、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。なお、ここでいう「共通の処理ルーチン」とは、ある特定の一連の処理を実現するためのプログラムであり、この実施の形態では、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示を行う一連の処理を実現するためのプログラムを指している。この実施の形態において、「共通の処理ルーチン」には、後述する特別図柄通常処理におけるS55〜S76の処理、S301の変動パターン設定処理、S302の表示結果特定コマンド送信処理、S303の特別図柄変動中処理およびS304の特別図柄停止処理が含まれる。
S52〜S54の制御により、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行される。
このように、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。これにより、次のような効果を得ることができる。大当り遊技状態の終了後の所定期間中においては、時短制御が行なわれることにより、可変入賞球装置15において、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすくなる。したがって、大当り遊技状態の終了後の所定期間中には、それ以外のときに比べて、第2保留記憶のデータが発生しやすくなる。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファの両方に保留記憶データが記憶されている場合は、第1保留記憶データに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示よりも第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が優先して実行されるので、大当り遊技状態の終了後の時短状態において発生しやすい保留記憶データを効率的に処理することができるから、第2保留記憶数の上限値による制限により第2保留記憶として記憶できず無効となる始動入賞(実行条件)の発生を低減することができる。これにより、大当り遊技状態の終了後の時短状態における第2特別図柄表示器8bの変動表示の実行効率を向上させることができる。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S60)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS214や始動口スイッチ通過処理のS224で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S60)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、15R確変大当り、2R第1確変大当り、または、2R第2確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、後述するS75に進む。すなわち、はずれである場合には、そのままS75に移行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれか大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図8(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図8(C)に示す第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS214や始動口スイッチ通過処理のS224で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。また、この場合に、図8(B),(C)に示すように、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、15R大当り(15R通常大当りおよび15R確変大当り)が選択される割合が高い。
図8(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。さらに、2R大当りについては、2R第1確変大当りと2R第2確変大当りとで大当り図柄が異なるので、遊技制御の複雑化を招くことなく、第2特別図柄の変動表示の結果に応じた2ラウンドの大当り遊技状態に対して、前述したような遊技者が感じる失望感を低減することができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「15R通常大当り」の場合には、大当り種別を示すデータとして「01」が設定される。大当り種別が「15R確変大当り」の場合には、大当り種別を示すデータとして「02」が設定される。大当り種別が「2R第1確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。大当り種別が「2R第2確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「04」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「15R通常大当り」に決定されたときには「5」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「15R確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別が「2R第1確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別が「2R第2確変大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図21および図22は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。
変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、S74で記憶された大当り種別情報と、通常状態(非時短状態)、標準時短状態、および、超時短状態のうちどの状態にあるかを示す時短情報とに応じて、変動パターン種別を決定するために使用するテーブルとして、通常状態15R大当り時判定テーブル、標準時短状態15R大当り時判定テーブル、超時短状態15R大当り時判定テーブル、通常状態2R大当り時判定テーブル、標準時短状態2R大当り時判定テーブル、および、超時短状態2R大当り時判定テーブルのうちいずれかを選択する(S92)。そして、S112に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合、CPU56は、標準時短状態であることを示す標準時短フラグがセットされているか否かを確認する(S95)。なお、標準時短フラグは、遊技状態を標準時短状態に移行するときにセットされ、標準時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、標準時短フラグは、15R通常大当り、15R確変大当り、または、2R第1確変大当りとすることに決定されたときに、大当り遊技状態を終了する処理においてセットされる。15R通常大当りに関して、標準時短フラグは、所定回数の変動表示が実行されたタイミング、または、次に大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングのうちいずれか早いタイミングでリセットされる。また、15R確変大当り、および、2R第1確変大当りに関して、標準時短フラグは、次に大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
標準時短フラグがセットされていないとき(S95のN)、CPU56は、後述するS101に進む。一方、標準時短フラグがセットされているとき(S95のY)、CPU56は、特別図柄ポインタのデータに基づいて、第1特別図柄の変動表示時であるか否かを確認する(S96)。第1特別図柄の変動表示時であるとき(S96のN)、CPU56は、変動パターン種別を決定するために使用するテーブルとして、図15(a)の標準時短状態はずれ時第1判定テーブルに含まれる変動パターン種別判定テーブルを選択し(S97)、S112に進む。一方、第2特別図柄の変動表示時であるとき(S96のN)、CPU56は、後述するS98に進む。
S98では、第2保留記憶数が1以上であるか否かを確認する(S98)。第2保留記憶数が1未満(すなわち0)であるとき(S98のN)、CPU56は、変動パターン種別を決定するために使用するテーブルとして、図15(b)の標準時短状態はずれ時第2判定テーブルに含まれる変動パターン種別判定テーブルを選択し(S99)、S112に進む。一方、第2保留記憶数が1以上であるとき(S98のY)、CPU56は、変動パターン種別を決定するために使用するテーブルとして、図15(c)の標準時短状態はずれ時第3判定テーブルに含まれる変動パターン種別判定テーブルを選択し(S100)、S112に進む。
S101では、超時短状態であることを示す超時短フラグがセットされているか否かを確認する(S101)。なお、超時短フラグは、遊技状態を超時短状態に移行するときにセットされ、超時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、超時短フラグは、2R第2確変大当りとすることに決定されたときに、大当り遊技状態を終了する処理においてセットされ、次に大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
超時短フラグがセットされていないとき(S101のN)、後述するS107に進む。一方、超時短フラグがセットされているとき(S101のY)、CPU56は、特別図柄ポインタのデータに基づいて、第1特別図柄の変動表示時であるか否かを確認する(S102)。第1特別図柄の変動表示時であるとき(S102のN)、CPU56は、変動パターン種別を決定するために使用するテーブルとして、図16(a)の超時短状態はずれ時第1判定テーブルに含まれる変動パターン種別判定テーブルを選択し(S103)、S112に進む。一方、第2特別図柄の変動表示時であるとき(S102のN)、CPU56は、後述するS104に進む。
S104では、第2保留記憶数が1以上であるか否かを確認する(S104)。第2保留記憶数が1未満(すなわち0)であるとき(S104のN)、CPU56は、変動パターン種別を決定するために使用するテーブルとして、図16(b)の超時短状態はずれ時第2判定テーブルに含まれる変動パターン種別判定テーブルを選択し(S105)、S112に進む。一方、第2保留記憶数が1以上であるとき(S104のY)、CPU56は、変動パターン種別を決定するために使用するテーブルとして、図16(c)の超時短状態はずれ時第3判定テーブルに含まれる変動パターン種別判定テーブルを選択し(S106)、S112に進む。
S107では、変動表示をする特別図柄に対応する保留記憶数(第1特別図柄の変動表示時には第1保留記憶数、第2特別図柄の変動表示時には第2保留記憶数)が2以上であるか否かを確認する(S107)。S107において、変動表示をする特別図柄がどちらかの確認は、特別図柄ポインタのデータに基づいておこなう。変動表示をする特別図柄に対応する保留記憶数2未満(すなわち0または1)であるとき(S107のN)、CPU56は、変動パターン種別を決定するために使用するテーブルとして、図14(a)の通常状態はずれ時第1判定テーブルに含まれる変動パターン種別判定テーブルを選択し(S108)、S112に進む。一方、変動表示をする特別図柄に対応する保留記憶数2以上(すなわち2または3)であるとき(S107のY)、CPU56は、変動パターン種別を決定するために使用するテーブルとして、図14(b)の通常状態はずれ時第2判定テーブルに含まれる変動パターン種別判定テーブルを選択し(S109)、S112に進む。
次いで、S112において、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読出し、S92,S97,S99,S100,S103,S105,S106,S108またはS109の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(S112)。
次いで、CPU56は、S112での変動パターン種別の決定結果に基づいて、前述のように変動パターン種別に対応して設けられた変動パターン判定テーブルを選択する(S113)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読出し、S113の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S115)。
なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値に基づいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S116)。
また、特別図柄の変動を開始する(S117)。たとえば、S32の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットすることにより、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて、前述のように変動表示を開始させる。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示を開始させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示を開始させる。なお、S32の特別図柄表示制御処理においては、開始フラグを参照して特別図柄の変動表示を開始するのではなく、特別図柄プロセス処理のプロセスの状態を参照して特別図柄の変動表示を開始するようにしてもよい。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S118)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S119)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果に基づいて、S93〜S109の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、予め非リーチ用の変動パターン種別判定テーブルと、リーチ用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき、リーチ判定結果に基づいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
前述した表示結果指定コマンド送信処理(S302)においては、CPU56が、決定されている大当りの種類、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定コマンドのいずれかの演出制御コマンド(図9参照)を送信する制御を行う。
図23は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(S303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(S125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(S126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新する(S127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図24は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(S131)。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。なお、S32の特別図柄表示制御処理においては、終了フラグを参照して特別図柄の変動表示を終了するのではなく、特別図柄プロセス処理のプロセスの状態を参照して特別図柄の変動表示を終了するようにしてもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(S132)。そして、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S133)。大当りフラグがセットされていない場合には、後述するS140に移行する。
大当りフラグがセットされている場合に、CPU56は、確変フラグ、標準時短フラグ、および、超時短フラグのうちセットされているフラグをリセットし(S134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(S135)。具体的には、大当りの種別が15R通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が15R確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が2R第1確変大当りである場合には大当り開始3指定コマンドを送信する。大当りの種別が2R第2確変大当りである場合には大当り開始4指定コマンドを送信する。S135において、大当りの種別がいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に通常状態指定コマンドを送信する制御を行う(S136)。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S137)。また、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、ROM54に記憶されている開放パターンデータ(図10)を参照し、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(たとえば、15R確変大当りおよび15R確変大当りの場合には15回。2R第1確変大当りおよび2R第2確変大当りの場合には2回。)をセットする(S138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新し(S139)、処理を終了する。
次いで、S133で大当りフラグがセットされていないときに、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否か確認する(S140)。S140で確変フラグがセットされていない場合には、標準時短状態であることを示す標準時短フラグがセットされているか否か確認する(S141)。S141で標準時短フラグがセットされている場合、すなわち、確変フラグがセットされておらず、かつ、標準時短フラグがセットされている場合は、15R通常大当りの大当り遊技状態の終了後に、確変状態に制御されていないが、時短状態(電チューサポート制御を含む)に制御されている状態であり、この場合の時短状態は、変動表示100回の実行時に終了させる必要がある。したがって、その場合には、S142〜S145により標準時短状態が継続する特別図柄の変動表示回数を管理する。
一方、S140で確変フラグがセットされている場合、すなわち、15R確変大当り、2R第1確変大当り、または、2R第2確変大当りの大当り遊技状態終了後には、時短状態(標準時短状態、超時短状態)を変動表示100回の実行時に終了させる制御を行う必要がないので、後述するS146に進む。具体的に、15R確変大当り、2R第1確変大当り、および、2R第2確変大当りの場合は、次回の大当り発生時まで時短状態(標準時短状態、超時短状態)を継続させる必要があるからである。
CPU56は、S141で標準時短フラグがセットされている場合、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(S142)。このような時短回数カウンタは、15R通常大当りが終了するときに、大当り終了処理(S307)において、所定値(100回)にセットされ、S142により変動表示が実行されるごとに、変動表示の終了時点で減算される。
なお、2R大当りとして、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない2R通常大当りが選択可能となるようにしてもよい。2R通常大当りにおいては、大当り遊技状態の終了後に、2R第1確変大当りおよび2R第2確変大当りの場合と同様に、超時短状態に移行させる制御を行うようにしてもよい(所定割合で移行先を超時短状態と標準時短状態とに振分けてもよい)。このような2R通常大当りを設ける場合に、2R通常大当りの大当り遊技状態の終了後においては、15R通常大当りのように変動表示回数(たとえば100回)で時短状態の継続期間を制限してもよく、2R第1確変大当りおよび2R第2確変大当りのように変動表示回数で時短状態の継続期間を制限しないようにしてもよい。2R通常大当りの大当り遊技状態の終了後において、変動表示回数(たとえば100回)で時短状態の継続期間を制限するときには、2R第1確変大当りおよび2R第2確変大当りについても、2R通常大当りと同様に変動表示回数(たとえば100回)で時短状態の継続期間を制限することにより、2R通常大当りであるか、2R確変大当り(2R第1確変大当り,2R第2確変大当り)であるかを判別しにくいようにしてもよい。このようにすれば、2R通常大当りを設けた場合に、2R大当りとなったときに、確変状態であるか否かを遊技者が認識しにくくなるので、遊技の興趣を向上させることができる。また、2R通常大当りに加えて、前述したような小当りを設けてもよい。その場合において、小当りは、大当り確率状態およびベース状態が当り発生の前後で変化しないので、その場合に用いる2R大当りとしては、小当りのときと識別しにくいようにするために、2R大当りとする決定がされたときが低ベース状態であるときには低ベース状態を継続させ、その決定されたときが高ベース状態であるときにはそのときの高ベース状態を継続させる制御を行うようにしてもよい。このようにすれば、小当りを設けた場合に、特別可変入賞球装置20が2回開閉されたときに、その後、確変状態となっているか否かを遊技者が認識しにくくなるので、遊技の興趣を向上させることができる。
次いで、CPU56は、時短回数カウンタの値が0になったか否か確認する(S143)。時短回数カウンタの値が0になっていないときには、後述するS146に進む。一方、時短回数カウンタの値が0になっているときには、標準時短フラグをリセットする(S144)。そして、時短フラグがリセットされたことにより、遊技状態が、確変状態ではなく、かつ、標準時短状態ではない状態となってことに応じて、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して通常状態指定コマンドを送信する制御を行ない(S145)、S146に進む。
S146では、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S146)、処理を終了する。
図25は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(S305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(S401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(S402)、大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ、処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっている場合には、CPU56は、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S403)。CPU56は、ラウンド数を、大当り遊技中のラウンド数をカウントするための開放回数カウンタの値を確認することにより認識する。そして、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(特別可変入賞球装置20)を開放する制御を行うとともに(S404)、開放回数カウンタの値を−1する(S405)。
また、大入賞口制御タイマに、各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間に応じた値として、大当りの種別に応じた開放パターンデータに基づく、当該ラウンドの開放時間に相当する値を設定する(S406)。ラウンドの開放時間は、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、ROM54に記憶されている開放パターンデータ(図10)を参照して設定する。たとえば、15R通常大当りおよび15R確変大当りの場合には開放時間が29秒に設定され、2R第1確変大当りの場合には開放時間が0.5秒に設定され、2R第2確変大当りの場合には開放時間が6秒に設定される。そして、特別図柄プロセスフラグの値をステップ大入賞口開放中処理(S306)に応じた値に更新する(S407)。
図26は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(S306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(S420)。
そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になったか否か確認する(S421)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは、カウントスイッチ23がオンしたか否か確認し(S432)、カウントスイッチ23がオンしていなければ、処理を終了する。カウントスイッチ23がオンした場合には、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントするための入賞個数カウンタの値を+1する(S433)。そして、CPU56は、入賞個数カウンタの値が所定数(たとえば10)になっているか否か確認する(S434)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ、処理を終了する。なお、S421とS432との判定順は逆でもよい。
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているときには、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を閉鎖する制御を行う(S435)。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(S436)。
次いで、CPU56は、開放回数カウンタの値を確認する(S438)。開放回数カウンタの値が0でない場合には、CPU56は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S439)。そして、大入賞口制御タイマに、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでのインターバル時間に相当する値を設定する(S440)。具体的に、具体的に、大当り種別は、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて確認する。また、インターバル時間は、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、ROM54に記憶されている開放パターンデータ(図10)を参照して設定する。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に応じた値に更新する(S441)。
また、開放回数カウンタの値が0である場合に、CPU56は、大当り種別に応じた大当り終了コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御を行う(S442)。具体的に、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて、大当り種別を確認する。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマに大当り終了時間(大当り遊技が終了したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定し(S443)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(S307)に応じた値に更新し(S444)、処理を終了する。
図27は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(S150)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、S154に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、終了する大当りの種別に応じた大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(S152)。具体的に、大当り種別は、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて確認する。そして、大当り種別が15R通常大当りであった場合には、大当り終了1指定コマンドを送信する。大当り種別が15R確変大当りであった場合には、大当り終了2指定コマンドを送信する。大当り種別が2R第1確変大当りであった場合には、大当り終了3指定コマンドを送信する。大当り種別が2R第2確変大当りであった場合には、大当り終了4指定コマンドを送信する。
そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行なわれている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S153)、処理を終了する。
S154では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S155)。経過していなければ処理を終了する。一方、経過していれば、大当りフラグをリセットし(S156)する。そして、終了する大当りの大当り種別が、15R確変大当り、2R第1確変大当り、または、2R第2確変大当りであるか否かを判定する(S161)。
S161で、前述のような種別の大当りでないときには、大当り遊技状態の終了後に、確変状態に制御せず、時短状態(電チューサポート制御を含む)に制御する大当り(15R通常大当り)であるので、変動表示回数で制限された標準時短状態に制御するために、CPU56は、所定の時短回数として、100回を示す値を時短回数カウンタにセットし(S165)、S166に進む。
一方、S161で、判定される種別の大当りは、確変大当りであるので、これら種別の大当りであるときには、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させ(S162)、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して確変状態指定コマンドを送信する制御を行う(S163)。
次に、これら種別の大当りのうち、終了する大当りの種別が、15R確変大当り、または、2R第1確変大当りであるか否か確認する(S164)。このような種別の大当りは、確変状態に制御することに加えて、変動表示回数に制限されない標準時短状態(電チューサポート制御を含む)に制御する大当りであるので、このような種別の大当りであるときには、S165には進まずに、S166に進む。一方、このような種別の大当りでないときには、後述するS168に進む。
S166では、時短フラグとして標準時短フラグをセットして遊技状態を標準時短状態に移行させる(S166)。これにより、15R通常大当り、15R確変大当り、または、2R第1確変大当りの大当り種別であるときには、標準時短状態に制御される。
15R通常大当りであるときには、S165で時短回数カウンタがセットされてS166により標準時短フラグがセットされることにより、大当り遊技状態の終了後、変動表示が100回実行されるまで次回の大当りが発生しないときには、時短回数カウンタにより管理される変動表示が100回となったときに、前述のS144により時短状態が終了させられる。また、15R確変大当り、または、2R第1確変大当りであるときには、S165で時短回数カウンタがセットされず、S166により標準時短フラグがセットされることにより、大当り遊技状態の終了後、変動表示回数に関係なく、次回の大当りが発生するまで、時短状態が継続させられる。
なお、時短回数は、時短回数を決定するための乱数値(時短回数決定用乱数値)を抽出し、抽出した乱数値に基づいて、たとえば20回または100回のような複数種類の時短回数のうちのいずれかに決定するようにしてもよい。また、たとえば、大当り図柄が「5」のときに20回の時短回数を設定し、大当り図柄が「9」のときに100回の時短回数を設定する等、時短回数が、特別図柄の大当り図柄に対応付けて決定されるようにしてもよい。
そして、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して標準時短状態指定コマンドを送信する制御を行ない(S167)、S170に進む。
S164で前述のような種別の大当りではないとき、すなわち、2R第2確変大当りであるときには、時短フラグとして超時短フラグをセットして遊技状態を超時短状態に移行
させる(S168)。これにより、2R第2第1確変大当りの大当り種別であるときには、超時短状態に制御される。そして、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して超時短状態指定コマンドを送信する制御を行ない(S169)、S170に進む。
S170において、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S170)、処理を終了する。
前述したS161、S164において、大当り種別は、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて確認される。なお、終了する大当りの大当り種別が15R確変大当りおよび2R第1確変大当りではないとS166で判定されたときは、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて、大当りの大当り種別が2R第2確変大当りであるか否かを判定し、2R第2確変大当りであると判定されたときに、S168で超時短フラグをセットするようにしてもよい。
前述したように、時短状態となるときに、時短状態の種類を特定可能に標準時短状態指定コマンドと超時短状態指定コマンドとのいずれかを送信することにより、演出制御用マイクロコンピュータ100において、時短状態が、標準時短状態、および、超時短状態のうちどの種別の時短状態であるかを認識することができるので、たとえば、時短状態の種別に応じて異なる演出を行うことができる。具体的に、時短状態の種別に応じて異なるキャラクタを表示する演出を行うようにしてもよく、また、超時短状態のときに演出図柄を画面端部に移動させて変動表示させ、キャラクタを用いた演出等の所定の演出を複数回の変動表示にまたがる態様で実行し、大当りとなるときに、このような所定演出の結果として、大当りを連想させるような特定の演出を行うようにしてもよい。また、標準時短状態と超時短状態とを含む時短状態となるときに、時短状態の種類を特定せずに、時短状態であることを示す状態指定コマンドを送信してもよい。その場合であっても、演出制御用マイクロコンピュータ100において、時短状態であるかを認識することができるので、たとえば、時短状態に応じて、通常状態と異なる演出を行うことができる。
次に、普通図柄の表示結果を決定するために用いる普通図柄表示結果決定テーブルについて説明する。図28は、普通図柄表示結果決定テーブルを示す説明図である。普通図柄表示結果決定テーブルは、ROM54に記憶されている。
普通図柄表示結果決定テーブルにおいては、普通図柄当り判定用のランダム4(1〜201)の値(決定値)と、普通図柄の表示結果と、普通図柄の変動時間と、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間および開放回数との関係が、通常遊技状態(電チューサポート制御がされていない遊技状態)と、電チューサポート制御状態とに分けて示されている。
通常遊技状態のときにおいて、決定値が1〜20のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果を当りとし、変動時間が10秒間に設定されるとともに、開放時間が0.3秒間で1回開放することに設定される。一方、通常遊技状態のときにおいて、決定値が21〜201のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果をはずれとし、変動時間が10秒間に設定される。
また、電チューサポート制御状態のときにおいて、決定値が1〜180のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果を当りとし、変動時間が1秒間に設定されるとともに、開放時間が1.5秒間で3回開放することに設定される。一方、電チューサポート制御状態のときにおいて、決定値が181〜201のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果をはずれとし、変動時間が1秒間に設定される。
このように、普通図柄の制御に関し、電チューサポート制御状態のときには、通常遊技状態と比べて、決定値が当りとなる割合が高くなるように設定され、変動時間が短くなるように設定され、さらに、開放時間および開放回数が増加するように設定される。
図29は、図6のS27において実行される普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄プロセス処理において、CPU56は、まず、ゲート32に設けられたゲートスイッチ32aからの検出信号がオン状態であるか否かをチェックすることにより、ゲート32を通過した遊技球が検出されたか否かの判定を行う(S301)。S301では、遊技球がゲート32を通過してゲートスイッチ32aからの検出信号が所定期間オン状態となった場合に、遊技球のゲート通過(通過球)の検出があったものと判断して、ゲート通過時処理を実行する(S302)。
S302において実行されるゲート通過時処理の一例として、以下のような処理が実行される。まず、RAM55の所定領域に設けられた普図保留記憶部に記憶されている普図保留記憶データの個数である普図保留記憶数が、所定の上限値(たとえば「4」)となっているか否かを判定する。普図保留記憶部は、ゲートスイッチ32aにより遊技球のゲート通過が検出されたときに抽出した普通図柄の表示結果決定用のランダム4の数値データを普図保留記憶データとして、最大限4つ保留記憶するデータ記憶領域を有する。この普図保留記憶部は、前述した第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファと同様に、普図保留記憶データを格納された順番を特定可能な状態で保存していき、順番にしたがって変動表示に使用された普図保留記憶データを消去し、残りの普図保留記憶データについてデータ記憶領域を1つずつシフトしていく構成となっている。
S302において、普図保留記憶数が上限値未満であるときには、CPU56が、ランダム4を示す数値データを抽出する。そして、抽出したランダム4の数値データを普図保留記憶データとして、普図保留記憶部でデータが記憶されずに空いているデータ記憶領域のうち先頭順番の領域にセットする。一方、普図保留記憶部において、普図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の遊技球の検出は無効として、ランダム4の数値データの新たな抽出および記憶は行なわない。
ゲート通過時処理を実行した後、および、S301でゲートスイッチ32aからの検出信号がオフ状態であると判定された後には、普通図柄プロセスフラグの値に応じて、以下のようなS310〜S314の各処理を実行する。
S310の普通図柄通常処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部に格納された普図保留記憶データの有無等に基づいて、普通図柄表示器10による普通図柄の変動表示を開始するか否かの判定が行なわれる。このとき、たとえば普図保留記憶部に格納された普図保留記憶データがある場合には、普通図柄プロセスフラグの値を「1」に更新する。
S311の普通図柄判定処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「1」のときに実行される。この普通図柄判定処理では、標準時短フラグまたは超時短フラグがセットされているか否かに基づいて、電チューサポート制御状態であるか否かを認識し、普図保留記憶部の先頭順番に格納された普図保留記憶データ(普通図柄の表示結果決定用のランダム4を示す数値データ)に基づき、図28に示す普通図柄表示結果決定テーブルを参照して、普通図柄の変動表示における表示結果を、「当り」とするか「はずれ」とするかの決定等が行なわれる。
前述したように、普通図柄表示結果決定テーブルでは、標準時短状態および超時短状態を含む時短状態に対応した電チューサポート制御状態である場合に、非電チューサポート制御状態である通常遊技状態である場合よりも普通図柄の表示結果を「当り」とする決定がなされる割合が高くなるように、ランダム4と比較される決定値が割振られている。これにより、電チューサポート制御状態では、S311の普通図柄判定処理において、通常遊技状態と比べて普通図柄の表示結果が「当り」と判定されやすくなることで、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口14が開放状態となりやすく、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。
また、普通図柄判定処理では、普通図柄表示結果決定テーブルを用いて、普通図柄の変動時間も決定される。前述したように、普通図柄表示結果決定テーブルでは、標準時短状態および超時短状態を含む時短状態に対応した電チューサポート制御状態である場合に、非電チューサポート制御状態である通常遊技状態である場合よりも普通図柄の変動時間が短くなるように設定されている。これにより、電チューサポート制御状態では、S311の普通図柄判定処理において、通常遊技状態と比べて普通図柄の変動時間が短くなるように変動時間が決定される。電チューサポート制御状態では、普通図柄の変動表示結果が導出表示される間隔が短くなることで、「当り」の変動表示結果が導出表示される間隔も短くなり、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口14が開放状態となりやすく、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。
なお、この実施の形態では、時短状態として、標準時短状態と超時短状態とで同じ変動時間で普通図柄を変動表示させる制御を行う例を示した。しかし、これに限らず、標準時短状態と超時短状態とで同じ変動時間で普通図柄を変動表示させる制御を行うようにしてもよい。たとえば、超時短状態のときの方が、標準時短状態のときよりも、短い変動時間で普通図柄を変動表示させる制御を行うようにしてもよい。
さらに、普通図柄判定処理では、普通図柄表示結果決定テーブルを用いて、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間および開放回数も決定される。前述したように、普通図柄表示結果決定テーブルでは、標準時短状態および超時短状態を含む時短状態に対応した電チューサポート制御状態である場合に、非電チューサポート制御状態である通常遊技状態である場合よりも、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が多くなるように設定されている。これにより、電チューサポート制御状態では、開放時間が長くなり、かつ、開放回数が多くなることで、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)が開放状態となる時間および回数が増加し、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。
なお、この実施の形態では、時短状態として、標準時短状態と超時短状態とで同じ開放時間および開放回数で可変入賞球装置15を開放する制御を行う例を示した。しかし、これに限らず、標準時短状態と超時短状態とで異なる開放時間および異なる開放回数で可変入賞球装置15を開放する制御を行うようにしてもよい。たとえば、超時短状態のときの方が、標準時短状態のときよりも、開放時間および開放回数の少なくとも一方で遊技者にとって有利となる動作をする制御を行うようにしてもよい。
普通図柄判定処理では、このような各種判定がされた後、普通図柄プロセスフラグの値を「2」に更新する。
S312の普通図柄変動処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示器10による普通図柄の変動表示において普通図柄を変動させるための設定が行なわれる。こうした設定に基づいて変動表示する普通図柄は、S313の普通図柄停止処理が実行されることにより、その変動表示が停止して普通図柄の表示結果となる普通図柄の表示結果が表示される。普通図柄変動処理では、普通図柄が変動表示を開始してからの経過時間が計測される。このときには、計測された経過時間が、普通図柄判定処理で決定された変動時間に達したか否かの判定が行なわれる。そして、決定された変動時間に達したときには、普通図柄プロセスフラグの値を「3」に更新する。
S313の普通図柄停止処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示を停止して表示結果を導出表示させるための設定が行なわれる。なお、普通図柄の表示結果を導出表示させるための設定は、S312の普通図柄変動処理において、計測された経過時間が決定された変動時間に達したときに、普通図柄プロセスフラグの値を「3」に更新する以前に行なわれるようにしてもよい。また、普通図柄停止処理では、普通図柄判定処理で決定された普通図柄の表示結果が「当り」である場合に、普通図柄判定処理で決定された開放時間および開放回数で可変入賞球装置15を開閉するようにソレノイド16を駆動する作動パターンの設定を行なってから、普通図柄プロセスフラグの値が「4」に更新される。一方、普通図柄判定処理で決定された普通図柄の表示結果が「はずれ」である場合には、普通図柄プロセスフラグをクリアして、その値を「0」に更新する。
S314の普通電動役物作動処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普通図柄の変動表示における表示結果が「当り」となったことに対応して、可変入賞球装置15において可動片を開放状態に動作させることにより、第2始動入賞口14を閉状態から開状態に変化させる制御が行なわれる。たとえば、普通電動役物作動処理では、S313の普通図柄停止処理においてセットされた作動パターンの設定に応じて、ソレノイド16を駆動するための駆動制御信号を生成することにより、可変入賞球装置15を、普通図柄判定処理で決定された開放時間および開放回数で開状態とする制御を行う。これにより、図28に示すような遊技状態および表示結果に応じた動作パターンで可変入賞球装置15が開閉動作させられることとなる。そして、作動パターンの設定に応じたソレノイド16の駆動が終了すると、普通図柄プロセスフラグをクリアして、その値を「0」に更新する。
次に、演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図30は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行うために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出図柄の大当り図柄決定用乱数および各種演出内容の選択決定用乱数等の各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。また、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させる。変動表示は、各変動パターンコマンドに対応する変動時間で実行されるように制御される。また、演出図柄の停止図柄は、表示結果指定コマンドに基づいて、はずれとなるか大当りとなるかの判別、および、大当りとなるときの大当り種別の判別を行うことに基づいて決定する。
15R大当りとなるときには、左,中,右の演出図柄がそろったぞろ目の大当り図柄の組合せを大当り表示結果として決定する。大当り図柄の組合せは、たとえば、15R通常大当りとなるときには、たとえば、「5」のぞろ目を大当り図柄の組合せとして決定する。また、15R確変大当りとなるときには、たとえば、「7」のぞろ目を大当り図柄の組合せとして決定する。また、2R第1確変大当りとなるときには、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる2種類のチャンス目のうちの一方を、大当り図柄の組合せとして決定する。また、2R第2確変大当りとなるときには、2種類のチャンス目のうちの他方を、大当り図柄の組合せとして決定する。なお、15R通常大当りとなるときには奇数図柄の組合せを大当り表示結果として決定し、15R確変大当りとなるときには偶数図柄の組合せを大当り表示結果として決定することにより、確変大当りかどうかを区別しやすいようにしてもよい。
一方、はずれとなるときには、ぞろ目とならない左,中,右の演出図柄の組合せをはずれ表示結果としてランダムに決定する。ただし、はずれとなるときにおいて、変動パターンコマンドがリーチとなることを指定するコマンドであるときには、変動表示中において左,右の図柄が揃ったリーチ図柄を形成することが可動なはずれ表示結果を決定し、変動パターンコマンドがリーチとならない(通常変動となる)ことを指定するコマンドであるときには、変動表示中において左,右の図柄が揃ったリーチ図柄を形成しないようなはずれ表示結果を決定する。
また、変動パターンコマンドにおいてノーマルリーチが指定されたときには、各ノーマルリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。さらに、変動パターンコマンドにおいてスーパーリーチが指定されたときには、各スーパーリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、時短状態の種類を特定可能な演出制御コマンド(標準時短状態指定コマンド、超時短状態指定コマンド)に基づいて、時短状態が、標準時短状態、および、超時短状態のうちどの種別の時短状態であるかを認識することができるので、演出表示装置9等の演出装置により、時短状態の種別に応じて異なる演出が行なわれる。
たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる通常状態指定コマンド、標準時短状態指定コマンド、超時短状態指定コマンド、確変状態指定コマンド等に基づいて、遊技状態がどのような状態にあるかを特定するデータを記憶し、その記憶データに基づいて、遊技状態を常に認識する。そして、このように認識している遊技状態と、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる変動パターンコマンドとに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、現在の遊技状態に応じた演出態様で演出図柄の変動表示を実行させる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信される演出コマンドについては、前述したような通常状態指定コマンド、標準時短状態指定コマンド、超時短状態指定コマンド、確変状態指定コマンドを用いる代わりに、現在の遊技状態も特定可能な変動パターンコマンドを送信するようにしてもよい。そのようにする場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、当該変動パターンコマンドに基づいて、現在の遊技状態を認識するとともに、変動パターンを認識することができる。
図30に示すS704のコマンド解析処理内では、例えば図31(A)に示すような始動入賞時コマンド処理が実行されればよい。図31(A)に示す始動入賞時コマンド処理において、演出制御用CPU101は、まず、入賞時判定結果指定コマンド(入賞時判定結果1指定コマンド〜入賞時判定結果5指定コマンドのいずれか)を受信したか否かを判定する(S501)。受信した演出制御コマンドは演出制御コマンド受信用バッファに格納されており、演出制御用CPU101は、この演出制御コマンド受信用バッファに格納されているコマンドを読み出して内容を確認することにより、受信した演出制御コマンドを特定することができる。このとき、入賞時判定結果指定コマンドを受信していなければ(S501;No)、そのまま始動入賞時コマンド処理を終了する。
S501にて入賞時判定結果指定コマンドを受信したと判定されたときには(S501;Yes)、例えば入賞時判定結果指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、入賞時判定結果を特定する(S502)。そして、演出制御用CPU101は、特定した入賞時判定結果を、図31(B)に示す演出制御保留記憶部における空きエントリの先頭に記憶して(S503)、始動入賞時コマンド処理を終了する。演出制御保留記憶部は、図31(B)に示すように、保留記憶データが消化される順番である保留番号と関連付けて、いずれの始動口(「第1」または「第2」)に対応する保留記憶データであるかを示すデータと、その保留記憶データに対応する入賞時判定結果と、を記憶する。いずれの始動口(「第1」または「第2」)に対応する保留記憶データであるかは、第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンドのいずれを受信しているかによって判定すればよい。演出制御保留記憶部における保留記憶データは、変動表示の開始を許容する開始条件が成立したときに、1つずつ消去され、保留番号が1つずつ繰り下がる。演出制御基板80では、この演出制御保留記憶部における入賞時判定結果を参照すうことにより、「15R大当り」(「15R通常大当り」または「15R確変大当り」)となる保留記憶データがあるか否かを特定し、大当り中予告演出を実行することができる。
この実施の形態では、大当り遊技状態において、表示結果が「大当り」となる保留記憶データがある場合に、その旨を予告する大当り中予告演出が実行される場合がある。特に、この実施の形態では、大当り中予告演出は、大当り種別が「15R大当り」(「15R通常大当り」または「15R確変大当り」)となる保留データがある場合に実行され、大当り種別が「2R確変大当り」(「2R第1確変大当り」または「2R第2確変大当り」)となる保留記憶データがある場合には実行されない。
2R第1確変大当りおよび2R第2確変大当りのような「2R確変大当り」の大当り遊技状態終了後に確変状態となったときには、「15R大当り」の大当り遊技状態終了の後に確変状態となったときと比べて、図10の開放パターンに示すように、大当り遊技状態において特別可変入賞球装置20を開状態とする態様(開放時間および開放回数)の有利さが低く、大当り遊技状態において獲得できる遊技球の個数が少ないという点で、遊技者が失望しやすい。そこで、この実施の形態では、大当り種別が「2R確変大当り」であることに対しては大当り中予告演出を実行しないようにして、大当り中予告演出が実行されたにもかかわらず、有利さの低い「2R確変大当り」となって、遊技者を失望させ、遊技の興趣が低下してしまうことを防止している。
図32(A)は、大当り遊技状態における所定のタイミング(例えば最終ラウンド(15ラウンド)の開始時など)に実行される、大当り中予告演出を実行するか否かを決定するための大当り中予告演出設定処理の一例を示すフローチャートである。大当り中予告演出設定処理は、図30の演出制御プロセス処理(S705)内で実行されればよい。この大当り中予告演出設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、図31(B)に示す演出制御保留記憶部に保留記憶データが記憶されているか否かを判定する(S511)。演出制御保留記憶部に保留記憶データが記憶されていなければ(S511;No)、大当り中予告演出設定処理を終了する。このとき、演出制御保留記憶部に保留記憶データが記憶されていれば(S511;Yes)、演出制御保留記憶部に記憶されている保留記憶データの入賞時判定結果を読み出す(S512)。
そして、S512にて読み出された入賞時判定結果に、「15R大当り」(「15R通常大当り」または「15R確変大当り」)となるものが含まれているか否かを判定する(S513)。「15R大当り」となる入賞時判定結果が含まれていない場合(S513;No)、大当り中予告演出設定処理を終了する。「15R大当り」となる入賞時判定結果が含まれている場合(S513;Yes)、大当り中予告演出を実行するか否かを決定するためのテーブルとして、図32(B)に示す大当り中予告演出決定テーブルをセットする(S514)。
図32(B)に示す大当り中予告演出決定テーブルは、大当り種別が「15R通常大当り」であるか「15R確変大当り」であるかに応じて、大当り中予告演出を実行しない旨(「実行なし」)、予告パターンAの大当り中予告演出を実行する旨(「予告パターンA」)、予告パターンBの大当り中予告演出を実行する旨(「予告パターンB」)のいずれかが決定されるように、それぞれの決定結果に対して決定値が割り当てられている。
具体的には、大当り種別が「15R通常大当り」である場合には、「0」〜「99」の決定値のうち、「実行なし」に「0」〜「30」の決定値が割り当てられ、「予告パターンA」に「31」〜「90」の決定値が割り当てられ、「予告パターンB」に「91」〜「99」の決定値が割り当てられている。また、大当り種別が「15R確変大当り」である場合には、「0」〜「99」の決定値のうち、「実行なし」に「0」〜「10」の決定値が割り当てられ、「予告パターンA」に「11」〜「30」の決定値が割り当てられ、「予告パターンB」に「31」〜「99」の決定値が割り当てられている。
図32(B)に示す大当り中予告演出決定テーブルでは、大当り種別が「15R通常大当り」である場合よりも、大当り種別が「15R確変大当り」である場合に、大当り中予告演出が実行されやすくなっている。また、大当り種別が「15R通常大当り」である場合には、「予告パターンA」の大当り中予告演出が実行されやすくなっている一方、大当り種別が「15R確変大当り」である場合には、「予告パターンB」の大当り中予告演出が実行されやすくなっている。このような設定により、大当り中予告演出により、「15R大当り」となる保留記憶データがあることを報知するとともに、予告パターンにより「15R確変大当り」となるか「15R通常大当り」となるかを示唆することができる。
なお、大当り中予告演出は、画像や映像の表示、音声の出力、または、ランプの点灯、あるいはこれらの組合せにより行われる演出であればよい。この実施の形態では、演出表示装置9にキャラクタ画像を表示する大当り中予告演出が実行される。「予告パターンA」と「予告パターンB」とは、その演出態様が区別可能に異なっていればよい。例えば、画像や映像による大当り中予告演出では、表示される画像が異なっていればよい。音声による大当り中予告演出では、出力される音声が異なっていればよい。また、ランプによる大当り中予告演出では、出力される音声が異なっていればよい。この実施の形態では、「予告パターンA」と「予告パターンB」とでは、演出表示装置9に異なるキャラクタ画像が表示される。他の大当り中予告演出の具体例としては、演出表示装置9の、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとにおいて、「15R大当り」となることに対応した保留記憶表示の表示態様(表示色や形)を変化させるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、大当り中予告演出の演出態様は2種類であったが、大当り中予告演出の演出態様は2種類に限定されず、3種類以上あってもよく、1種類であってもよい。
S514にて大当り中予告演出決定テーブルをセットした後には、大当り中予告演出決定用の乱数値を示す数値データ(0〜99のいずれか)を演出制御用マイクロコンピュータ100が内蔵する乱数回路から抽出し、S514でセットしたテーブルを参照することにより、大当り中予告演出の実行の有無、及び、実行する場合の演出のパターン(予告パターン)を決定する(ステップS515)。その後、大当り中予告演出設定処理を終了する。
次に、パチンコ遊技機1において実行される演出動作の具体例について説明する。演出制御用CPU101は、図30の演出制御プロセス処理(S705)内で演出表示装置9における表示制御を行う。特に図32(A)の大当り中予告演出設定処理において決定された大当り中予告演出を大当り遊技状態において実行する。えば、図33(A)に示すように、演出表示装置9の表示画面に設けられた「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアにて「7」の数字が揃って可変表示結果が「大当り」となると、大当り遊技状態に移行する。
大当り遊技状態では、例えば、図33(B)、(C)、(D)、(F)に示すように、ラウンド数の表示や、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアにて揃った数字を示す表示(ここでは「7」)とともに、ラウンド遊技における、大入賞口への遊技球の入賞数が表示される。
大当り遊技状態において、最終ラウンド(15ラウンド)の開始タイミングになると、図32(A)に示す大当り中予告演出設定処理が実行される。大当り中予告演出設定処理のS515において、「予告パターンB」に決定された場合には、例えば、図33(E)に示すように、15ラウンドが終了するタイミングで2人のキャラクタの演出画像が表示される大当り中予告演出が実行される。
また、大当り中予告演出設定処理のS515において、「予告パターンA」に決定された場合には、例えば、図33(G)に示すように、15ラウンドが終了するタイミングで1人のキャラクタの演出画像が表示される大当り中予告演出が実行される。
なお、大当り中予告演出は、15ラウンドが終了するタイミング(エンディング時)に実行されるものとして説明したが、その実行タイミングは、大当り中予告演出設定処理の実行後、大当り遊技状態中であれば任意である。例えば、特定のラウンド遊技の開始時に実行するようにしてもよいし、特定のラウンド間のインターバルで実行するようにしてもよいし、大当り遊技状態が開始してから所定時間が経過したときに実行するようにしてもよい。
また、大当り中予告演出は、複数のラウンドに亘って(例えば、13ラウンドから15ラウンドに亘って)実行されるようにしてもよい。この場合は、例えば、複数のラウンドにおいて、ストーリーなど関連性のある演出を行うことにより、「15R大当り」(「15R通常大当り」または「15R確変大当り」)となる保留記憶データがあることを予告する。さらに、このような演出は、「15R確変大当り」となる保留データがある場合にのみ、あるいは、「15R確変大当り」となる保留データがある場合に「15R通常大当り」となる保留データがる場合よりも高い割合で、実行されるようにしてもよい。このようにすることで、大当り中予告演出をより注目させることができるようになる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
上記実施の形態では、大当り種別が「15R大当り」(「15R通常大当り」または「15R確変大当り」)となる保留データがある場合に実行され、大当り種別が「2R確変大当り」(「2R第1確変大当り」または「2R第2確変大当り」)となる保留記憶データがある場合には実行されない。これにより、大当り中予告演出が実行されたにもかかわらず、有利さの低い「2R確変大当り」となって、遊技者を失望させ、遊技の興趣が低下してしまうことを防止できる。
図10の開放パターンに示すように、2R第1確変大当りおよび2R第2確変大当りのような2R確変大当りの大当り遊技状態終了後に確変状態となったときには、15R確変大当りの大当り遊技状態終了の後に確変状態となったときと比べて、同じ確変状態であっても、大当り遊技状態において特別可変入賞球装置20を開状態とする態様(開放時間および開放回数)の有利さが低く、大当り遊技状態において獲得できる遊技球の個数が少ないという点で、遊技者が失望しやすい。
しかし、図16のテーブルに示されるように、2R第2確変大当りのような2R確変大当りの大当り遊技状態終了後に確変状態となったときの超時短状態においては、15R確変大当りの大当り遊技状態終了の後に確変状態となったときの標準時短状態と比べて、高い割合で短い変動時間に決定されることにより変動時間が短縮されるので、次回の大当りを早期に生じさせることが可能となるため、遊技者が感じる失望感を低減することができる。
また、図8(B),(C)に示したように、第2特別図柄は、第1特別図柄と比べて、大当りとなるときに15R大当りが選択される割合が多い。さらに、確変状態においては、電チューサポート制御が行なわれるので、第2特別図柄は第1特別図柄と比べて変動表示が行なわれやすい。このため、確変状態は、遊技者が第2特別図柄に対して15R大当りの発生を狙いやすい絶好の機会である。したがって、確変状態において第2特別図柄の変動表示の結果、2ラウンドの大当りとなったときには、確変状態となるが、大当り遊技状態において獲得できる遊技球の個数の点で失望し、さらに、第1特別図柄よりも15R大当りの発生割合が多い第2特別図柄の変動表示で2R大当りとなってしまったことで、余計に遊技者の失望感が増す。
しかし、図8(C)に示したように、確変状態において第2特別図柄の変動表示の結果、2ラウンドの大当りとなったときには、2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に図16(c)に示すような変動時間が極めて短い変動パターンが選択される超時短状態となるので、第2特別図柄の変動表示の結果に基づく2ラウンドの大当り遊技状態の終了後における確変状態のときの方が、第1特別図柄の変動表示の結果に基づく2ラウンドの大当り遊技状態の終了後における確変状態と比べて高い割合で変動時間が短い変動パターンが選択される。このため、確変状態において、第2特別図柄の変動表示の結果に応じて2ラウンドの大当り遊技状態となったときには、第1特別図柄の変動表示の結果に応じて2ラウンドの大当り遊技状態となったときと比べて、当該2ラウンドの大当り遊技状態の終了後の確変状態において、次回の大当りを早期に生じさせることが可能となるため、遊技者が感じる失望感をさらに低減することができる。さらに、2R第2確変大当りの大当り遊技状態においては、2R第1確変大当りとは異なり遊技者が賞球を獲得することができる開放パターンで特別可変入賞球装置20を開放する制御が行なわれるので、遊技者の失望感をさらに低減することができる。したがって、遊技者が不利と感じる大当り遊技状態が発生したときでも、遊技の興趣の低下を防ぐことができる。
図8(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。さらに、2R大当りについては、2R第1確変大当りと2R第2確変大当りとで大当り図柄が異なるので、遊技制御の複雑化を招くことなく、第2特別図柄の変動表示の結果に応じた2ラウンドの大当り遊技状態に対して、前述したような遊技者が感じる失望感を低減することができる。
図16に示したように、超時短状態においてはずれとなる場合には、通常変動(非リーチはずれ変動)のみに決定され、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)に決定されないようになっている。これにより、これにより、超時短状態においては、通常状態や標準時短状態における平均的な変動時間よりも短縮され、変動表示の実行効率を向上させることができる。
図17(c)に示したように、超時短状態において大当りとなる場合には、変動時間の短いノーマルリーチ変動のみに決定されるようになっている。これにより、これにより、超時短状態においては、通常状態や標準時短状態における平均的な変動時間よりも短縮され、変動表示の実行効率を向上させることができる。
上述のように、超時短状態においては、はずれとなる場合も、大当りとなる場合も、ともに平均的な変動時間よりも短縮される。これにより、超時短状態に移行してから、大当りとなるまでの期間を短くすることができ、超時短状態における遊技の興趣を向上させることができる。
図2に示すように、2R第2確変大当りの大当り遊技状態においては、2R第1確変大当りとは異なり遊技者が賞球を獲得することができる開放パターンで特別可変入賞球装置20を開放する制御が行なわれるので、前述したような状態で遊技者が持つ失望感をさらに低減することができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(2) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
(3) 前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(4) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(5) 前述の実施形態では、時短状態に制御されたときに、変動パターンのうち、通常状態と比べて、変動時間が比較的短い変動パターンの選択割合を増加させることにより、時短状態を実現する例を示した。しかし、これに限らず、通常状態専用の複数種類の変動パターンと、当該変動パターンよりも平均的な変動時間が短い時短状態専用の複数種類の変動パターンとを設け、通常状態においては通常状態専用の複数種類の変動パターンから変動パターンを選択し、時短状態においては時短状態専用の複数種類の変動パターンから変動パターンを選択することにより、時短状態を実現するようにしてもよい。
(6) 前述の実施形態では、大当り種別として、15Rの大当りと2Rの大当りとを設けた例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、15Rの大当り、10Rの大当り、5Rの大当り、および、2Rの大当りを設ける場合のように、3種類以上のラウンド数の大当り種別を設けてもよい。その場合には、たとえば、大当りの種別を、賞球が得られやすい大当り種別グループ(たとえば、15Rの大当り、10Rの大当り)と、賞球が得られにくい大当り種別グループ(たとえば、5Rの大当り、2Rの大当り)とに分類し、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、賞球が得られやすい大当り種別グループの大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。そのときには、前述した実施形態に示したような時短状態に関する制御を、賞球が得られやすい大当り種別グループの大当り種別については、前述した実施形態での15R大当りと同様の制御を行ない、賞球が得られにくい大当り種別グループの大当り種別については、前述した実施形態での2R大当りと同様の制御を行うことにより、グループ単位で、前述のような変動時間の制御を行うようにしてもよい。なお、賞球が得られやすい大当り種別の大当りの方が、賞球が得られにくい大当り種別の大当りよりも時短状態に移行しやすくなるように制御してもよい。前述した実施形態では、少なくとも、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とで、同じ価値の大当り(たとえば、開放パターンが同じ、大当り遊技状態後の遊技状態が同じ等)とすることが決定されたときに、超時短状態に移行させる制御を行う割合が第2特別図柄の変動表示の方が高くなるようにすればよい。
(7) 前述した実施形態では、2R第2確変大当りの大当り遊技状態での開放パターンが、2R第1確変大当りの大当り遊技状態での開放パターンよりも遊技者にとって有利となるように開放回数および開放時間を制御する例を示した。しかし、これに限らず、2R第2確変大当りの大当り遊技状態での開放パターンは、2R第1確変大当りの大当り遊技状態での開放パターンと同じ開放パターンとなるように制御してもよい。
(8) 前述した実施形態では、保留記憶数に応じて変動パターンの選択割合を異ならせる制御を行う例を示した。しかし、これに限らず、保留記憶数に応じて変動パターンの選択割合を異ならせる制御は行なわないようにしてもよい。
(9) 前述した実施形態では、第1特別図柄については、高ベース状態において、保留記憶数に応じて変動パターンの選択割合を異ならせる制御を行なわない例を示した。しかし、これに限らず、第1特別図柄については、高ベース状態において、保留記憶数に応じて変動パターンの選択割合を異ならせる制御を行うようにしてもよい。
(10) 前述した実施形態では、15R通常大当りについては、高ベース状態となる例を示した。しかし、これに限らず、15R通常大当りについては、低ベース状態となるように制御を行うようにしてもよい。
(11) 前述した実施形態では、15R確変大当り、2R第1確変大当り、および、2R第2確変大当りについては、確変状態および時短状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続する例を示した。しかし、これに限らず、確変状態および時短状態が所定回数(たとえば、100回等)の変動表示(特別図柄の変動表示)が実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのうち、いずれか早い方の条件が成立するまで期間継続する制御を行うようにしてもよい。また、確変状態は、次回の大当りが発生するまでの期間継続させるが、時短状態は、所定回数(たとえば、100回等)の変動表示(特別図柄の変動表示)が実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのうち、いずれか早い方の条件が成立するまで期間継続する制御を行うようにしてもよい。
(12) 前述した実施形態では、15R確変大当り、2R第1確変大当り、および、2R第2確変大当りのそれぞれの大当り遊技状態終了後の時短状態について、すべて同じ期間(次の大当りが発生するまで)継続する例を示した。しかし、複数種類の時短状態のそれぞれの継続期間が異なるようにしてもよい。たとえば、15R確変大当りまたは2R第1確変大当りの大当り遊技状態終了後の標準時短状態については第1回数(100回等)の変動表示が実行されるまで継続し、2R第2確変大当りの大当り遊技状態終了後の超時短状態については第2回数(150回等)の変動表示が実行されるまで継続するような制御を行うようにしてもよい。
(13) 前述した実施形態では、大当り種別と大当り図柄とを1対1で対応させておき、同じ乱数値(ランダム1)を用いて同時に選択する例を示した。しかし、これに限らず、各大当り種別につき、複数の大当り図柄のそれぞれを、大当り種別決定用の乱数値とは別に設けた大当り図柄決定用の乱数値により対応付けておき、大当り種別を決定した後に、大当り図柄決定用の乱数値を用いて、決定された大当り種別に含まれる複数の大当り図柄のうちから1つの大当り図柄を選択決定する処理を行うようにしてもよい。
(14) 前述した実施形態では、15R通常大当りまたは15R確変大当りの大当り遊技状態終了後の確変状態での時短状態と、2R第1確変大当りの大当り遊技状態終了後の確変状態での時短状態とで、同じ標準時短状態となる例を示した。しかし、これに限らず、2R第1確変大当り後の大当り遊技状態終了後の方が15R通常大当りまたは15R確変大当りの大当り遊技状態終了後よりも短い変動時間の変動パターンを選択する割合を高くするようにしてもよい。
(15) 前述した実施形態では、賞球が得られやすい大当り(15R大当り)と、賞球が得られにくい大当り(2R大当り)とについて、大当り遊技状態における特別可変入賞球装置20の開放回数及び開放時間で大当りの種別を分ける例を示した。しかし、これに限らず、賞球が得られやすい大当りと、賞球が得られにくい大当りとについて、開放回数を同じとし、賞球が得られやすい大当りについては賞球が得られやすい長い開放時間とし、賞球が得られにくい大当りについては賞球が得られにくい極めて短い開放時間とするようにしてもよい。このような場合には、前述したような小当りを設けるときにも、賞球が得られにくい大当りと同様の開放回数および開放時間とする。このようにすれば、大当り時の開放回数を区別するために表示するランプ(ラウンドランプ)を設ける必要がなくなるので、パチンコ遊技機1の外部から確変状態であるか否かを全く判別できなくすることができる。また、賞球が得られやすい大当りと、賞球が得られにくい大当りとについて、開放時間を同じとし、賞球が得られやすい大当りについては賞球が得られやすい多い回数(例えば15回)とし、賞球が得られにくい大当りについては賞球が得られにくい少ない回数(例えば2回)とするようにしてもよい。
(16) 前述した実施形態では、2R確変大当りのときにのみ、超時短状態に制御可能である例を示した。しかし、これに限らず、15R確変大当りのときにも、所定の割合(たとえば、極めて少ない割合)で超時短状態に制御可能であるようにしてもよい。そのようにすれば、賞球が得られやすい大当りが発生した後、次に賞球が得られやすい大当りが発生するまでの期間を短くすることができるので、遊技の進行を高速化することができる。
(17) 上記実施形態では、第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行されるパチンコ遊技機1について説明したが、始動入賞(実行条件)の発生した順に変動表示を行うパチンコ遊技機1にも本発明を適用することができる。
(18) 上記実施形態では、第1特別図柄表示器8a及び第2特別図柄表示器8bを備えたパチンコ遊技機1について説明したが、1つの特別図柄表示器が設けられたパチンコ遊技機1にも本発明を適用することができる。
(19) 図16に示したように、超時短状態においてはずれとなる場合には、通常変動(非リーチはずれ変動)のみに決定され、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)に決定されることなかったが、超時短状態においても、所定の割合でリーチ変動に決定されるようにしてもよい。この場合、超時短状態においては、標準時短状態や通常状態よりも、リーチ変動に決定される割合が低いことが望ましい。また、超時短状態においては、リーチ変動に決定される場合でも、変動時間の短いノーマルリーチ変動にのみ決定されるようにしてもよい。
(20) 図17(c)に示したように、超時短状態において大当りとなる場合には、変動時間の短いノーマルリーチ変動のみに決定されるものとして説明したが、超時短状態においても、所定の割合でスーパーリーチ変動に決定されるようにしてもよい。この場合、超時短状態においては、標準時短状態や通常状態よりも、スーパーリーチ変動に決定される割合が低いことが望ましい。
(21) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。