以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、*コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、遊技媒体を遊技領域に打込んで遊技を行なうことが可能であり、各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行ない表示結果を導出表示する変動表示装置を備え、該変動表示装置に特定表示結果が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御し、予め定められた特別状態発生条件が成立したときに特別遊技状態に制御する遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、大当りおよび小当りを含む当り種別の制御の特徴を表形式で説明する図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技媒体としての遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球(遊技球)を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。遊技領域7には、遊技球を誘導するための多数の釘が植設されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示(可変表示、更新表示、または、巡回表示ともいう)が行なわれる。演出図柄の変動表示は、スクロール表示およびその場切替え表示等の各種の変動態様で実行される。演出表示装置9は、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示を行なう変動表示装置に相当する。演出表示装置9では、表示画面上で演出図柄を表示する演出図柄表示領域が設けられており、当該演出図柄表示領域に、たとえば「左」,「中」,「右」の3つ(複数)の演出図柄を変動表示する表示領域としての図柄表示エリアがある。これら3つの演出図柄のそれぞれは、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄である。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。第1特別図柄は、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されていないことを条件に変動表示が実行される。第2特別図柄は、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されていないことを条件に変動表示が実行される。つまり、第1特別図柄と第2特別図柄とは、同時に変動表示されることなく、どちらか一方が変動表示される。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したこと(遊技球が入ったこと)である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
以下の説明においては、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことを第1始動入賞と呼ぶ場合があり、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことを第2始動入賞と呼ぶ場合がある。始動条件は成立しているが開始条件が成立していない変動表示に関するデータは、開始条件が成立するまで特別図柄の変動表示を行なう権利である保留記憶データとして保留して記憶される。具体的に、保留記憶データは、後述する遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55の所定領域に記憶される。第1始動入賞の保留記憶データは所定数(たとえば、4個)を上限として第1保留記憶データとして第1保留記憶バッファに記憶され、第2始動入賞の保留記憶データは所定数(たとえば、4個)を上限として第2保留記憶データとして第2保留記憶バッファに記憶される。
パチンコ遊技機1には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、変動表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。前述した第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、および、演出表示装置9は、識別情報の変動表示を行ない表示結果を導出表示する変動表示装置であり、変動表示部として用いられる。
演出表示装置9では、変動表示を開始するときに、たとえば、左,中,右の演出図柄のすべてが変動表示を開始する。そして、変動表示している左,中,右の演出図柄が基本的に所定の順番(たとえば、左演出図柄、右演出図柄、中演出図柄の順番のような予め定められた順番)で停止し、変動表示の開始から予め定められた変動時間が経過したときに、左,中,右の全演出図柄が停止して表示結果が確定する。なお、左,中,右の演出図柄が停止する順番は、左,右,中の図柄の順番以外の順番であってもよい。また、左,中,右の演出図柄は、同時に停止してもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14(第2始動口)を有する可変入賞球装置(電動チューリップ)15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。このように、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞しにくいまたは入賞しない状態であればよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている(それぞれの表示領域が設けられている)。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行なう可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行なう可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
演出表示装置9における演出図柄の変動表示中には、リーチ状態が生じる場合がある。ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り図柄の組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り図柄の組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定され、大当りとなる信頼度が高いものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板を備え、遊技球が入賞可能な開状態(第1の状態)と、遊技球が入賞しない閉状態(第2の状態)とに変化可能である可変入賞装置である。なお、特別可変入賞球装置20は、閉状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。このように、特別可変入賞球装置20が閉状態になっている状態は、遊技球が特別可変入賞球装置20に入賞しにくいまたは入賞しない状態であればよい。
特別可変入賞球装置20は、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。なお、本実施の形態では、1ラウンドで1回だけ特別可変入賞球装置20を開放状態とする制御例を示したが、これに限らず、1ラウンドで2回等の複数回、特別可変入賞球装
置20を開放状態とする制御を行なうようにしてもよい。
演出表示装置9の下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄「○」)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。
普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過があるごとに、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出されるごとに、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器を1減らす。普図保留記憶数の上限値は4つであり、普通図柄保留記憶表示器41においては、この4つを上限値として表示器を点灯する。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。たとえば、天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cは、繰返し変動パターンとしての擬似連の演出(1回の変動期間中におけるそれぞれの再変動期間(初回変動の期間も含む。)において関連する表示演出が実行されるような演出)が実行されるときには、点滅する制御が行なわれる。
繰返し変動パターンとは、特別図柄および演出図柄の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに特定の演出表示を所定回数繰返し実行した後リーチ演出を実行するような変動パターンをいう。ここで、特定の演出表示は、たとえば、再変動をする演出表示等の演出表示であり、所定回数繰返し実行可能な演出表示であれば、予告表示等の再変動表示以外の演出表示であってもよい。この実施形態では、繰返し変動パターンの一例として、再変動を特定の演出表示として所定回数繰返し実行可能である擬似連の変動パターンを用いる例を説明する。
ここで、擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(擬似連再変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなる。擬似連の変動パターンにおいては、演出表示装置9において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連チャンス目という)のうちからいずれかの擬似連チャンス目に決定される。また、擬似連変動を実行した場合には、必ず最終的にリーチ状態として何らかのリーチ演出を実行するようにしてもよい。
また、擬似連が実行される場合、初回変動及び擬似連の再変動のいずれか一の変動において、通常演出態様(桜柄演出が実行されないときの演出態様)とは異なる特定のデザイン(この実施の形態では桜柄)を使用した特殊演出態様とする桜柄演出が特定演出として実行される。なお、特殊演出態様は、桜柄に限定されず、通常使用されるデザインとは色彩、模様、柄などが異なる特定のデザインとするものであればよい。また、桜柄演出は、一回の変動において実行されるものに限定されず、複数回の変動において実行されるものであってもよい。さらに、桜柄演出は、通常時(擬似連が実行されていない時)にも行われるものであってもよい。ここで、桜柄演出が通常時、可変表示状態がリーチ状態となることが確定したことを報知する演出である場合、擬似連の再変動時に桜柄演出が行われたても、可変表示状態をリーチ状態とせずに、再変動をさらに行うようにしてもよい。また、特定演出は、桜柄演出に限定されず、ミッション演出におけるミッション発生演出やミッション達成演出、再変動毎にステップアップ予告を繰り返し行うステップアップ演出における特定ステップの演出、さらには群予告、柄物予告といった予告演出など演出の種別を適用可能である。
なお、この実施の形態では、擬似連の変動パターンを用いる例を説明したが、この発明はこれに限定されるものではなく、予告連やすべり擬似連の変動パターンを用いてもよい。
予告連では、予告演出(例えばステップアップ動作やキャラクタ表示など)を開始させた後に、演出表示装置9をブラックアウト(暗転)させるなどして、予告演出を一旦中断させる。そして、その後、演出表示装置9のブラックアウトを終えて、再度予告演出を最初から実行させる。このような演出動作を所定回数繰り返す。このように予告連では、演出表示装置9をブラックアウト(暗転)させることが特定演出となる。なお、予告連が行われている間は、全部の図柄列(左,中,右)の図柄の変動は継続して行われる。予告連では、予告演出を1回〜3回最初から開始し直されることで、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、あたかも予告演出が2回〜4回開始されたかのように見せることができる。
すべり擬似連では、全部の図柄列(左,中,右)にて図柄を変動させてから、左,右の図柄表示エリアで図柄を仮停止させた後、その仮停止した図柄表示エリアのうち1つの図柄表示エリア(例えば右の図柄表示エリア)にて図柄を再び変動させる演出動作を所定回数繰り返す演出表示が行われる。即ち、右の図柄表示エリアが、「仮停止→滑り→再変動」という演出動作を所定回数繰り返す。このようにすべり擬似連では、右の図柄表示エリアの図柄が滑って再変動することが特別演出となる。右の図柄表示エリアに仮停止させる図柄は、通常使用される「1」〜「8」の数字を示す飾り図柄ではなく、「A」、「B」、「C」などの英文字を示す特殊な図柄としてもよい。そして、「すべり擬似連」を繰り返すごとに、「A」→「B」→「C」となるようにして、繰り返しの回数を図柄により把握できるようにしてもよい。すべり擬似連において、仮停止→滑り→再変動という演出動作が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、図柄の変動があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。
また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2においては、(A)に大当りおよび小当りを含む当り種別の制御の特徴を示す当り種別表が示され、(B)に突確大当りの大当り遊技状態の終了後におけるベースおよび変動時間状態を決定するために用いられる突確大当り後ベース・変動時間状態選択テーブルが示されている。
図2の当り種別表においては、大当りおよび小当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。図2に示すように、ラウンド数が異なる大当り遊技状態としては、15ラウンドの大当り遊技状態と2ラウンドの大当り遊技状態との複数種類の大当り遊技状態が設けられている。小当りにおいては、2ラウンドの大当り遊技状態と同様の開放回数および開放時間の小当り遊技状態となる。
具体的に、15ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
また、2ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば0.5秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる2ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
このように、2ラウンドの大当りは、大入賞口の開放回数が15ラウンドよりも少ない回数(この実施の形態では2回)まで許容されるが、大入賞口の開放時間が短い(たとえば、0.5秒間)大当り種類(種別)である。また、本実施の形態の場合は、2ラウンドの大当りとして、大入賞口の開放時間が極めて短く(0.5秒間)、実質的に賞球(入賞に対して払出される景品球)が得られない当りが設けられている。
なお、2ラウンドの大当りとしては、実質的に賞球が得られない当りのみを設けてもよく、賞球を得ることができる当りのみを設けてもよく、実質的に賞球が得られない当りと賞球を得ることができる当りとの両方を設けてもよい。
「大当り」のうち、15ラウンドまたは2ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
なお、「大当り」のうち、15ラウンドまたは2ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。本実施の形態では、15ラウンドの大当りについて通常大当りが設けられている例を示す。また、15ラウンドの大当り、および、2ラウンドの大当りのいずれか一方、または、両方について「通常大当り」を設けてもよい。また、15ラウンドの大当り、および、2ラウンドの大当りの両方について通常大当りが設けられていなくてもよい。
また、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して電チューサポート制御状態に制御される場合があるようにしてもよい。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
さらに、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうちのいずれか複数を組合せた状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。また、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうちのいずれか1つの状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。このように、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうち、いずれか1つの状態、いずれか複数(すべての組合せを除く)を組合せた状態、または、すべてを組合せた状態に制御するものであれば、どのような制御を行なうようにしてもよい。
本実施の形態では、特別遊技状態として、確変状態に付随して、時短状態および電チューサポート制御状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態として、確変状態とは独立して時短状態および電チューサポート制御状態に制御される場合があるようにしてもよい。その他、特別遊技状態における時短状態と電チューサポート制御状態との関係としては、時短状態に付随して電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよく、時短状態に独立して電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよい。
この実施の形態の場合は、大当り遊技状態の終了後において、特別遊技状態として、確変状態に制御されたときに電チューサポート制御状態に制御される場合と、確変状態に制御されたときに電チューサポート制御状態に制御されない場合とがある。なお、大当りの遊技状態の終了後において、確変状態に制御されず通常状態となるときは、変動表示回数により期間が制限された電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよい。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「高確低ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。高確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。なお、前述の通常大当りのように、大当り遊技状態終了後に大当り確率の状態が低確率状態となるものについて、たとえば電チューサポート制御を行なう場合には、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である「低確高ベース状態」となる。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと、確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。また、2ラウンドの大当りとしては、突確大当りが設けられている。
通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態が、次回の大当りが発生するまでという条件が成立するまでの期間継続する。
また、通常大当りにおいては、時短状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。このように時短状態が継続する変動表示の回数は、時短回数とも呼ばれる。
突確大当りは、2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(高確低ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。突確大当りにおいては、確変状態が、次回の大当りが発生するまでという条件が成立するまでの期間継続する。
突確大当りは、ラウンド数が少なく(2回)、大入賞口の開放時間が極めて短い態様(0.5秒間開放)で大入賞口が開放されることにより、大当り遊技状態の終了後に確変状態となったことを報知する場合には、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せることが可能なものであり、「突然確変大当り」と呼ばれる。「突然確変大当り」は、「突確大当り」または「突確」という略称で呼ばれる場合もある。この実施形態では、2ラウンドの確変大当りを、「突確大当り」と呼ぶ。このような突確大当りは、大当り遊技状態において、0.5秒間の開放が2回しか行なわれないため、実質的に賞球が得られない当りである。
小当りは、小当りとなったときの遊技状態(小当り遊技状態)において、突確大当りと同様の開放回数および開放時間で特別可変入賞球装置20を開放する当り(有利状態)である。小当りとなったときには、小当り遊技状態終了後に、大当り確率とベース状態とがともに、小当り遊技状態の開始前に対して変更されない。このように、小当りは、小当り遊技状態終了後に、小当り遊技状態の開始前における大当り確率およびベース状態のような遊技状態が維持される当りである。なお、この実施の形態において、小当りは、小当り遊技状態において、突確大当りと同一の開放回数および同一の開放時間で特別可変入賞球装置20を開放する当りである例を示すが、これに限らず、小当りとしては、特別可変入賞球装置20を開放態様が、突確大当りのときの開放態様と完全に一致するものでないが、突確大当りのときの開放態様と区別しにくいように見えるものであってもよい。つまり、小当りとしては、特別可変入賞球装置20を開放態様が、突確大当りと略同一の開放回数および略同一の開放時間で特別可変入賞球装置20を開放する当りであればよい。
低確低ベース状態において突確大当りとすることが決定されると、当該突確大当りの大当り遊技状態の終了後においては、高確低ベース状態となるので、ベース状態が、低確低ベース状態において小当りとすることが決定されたときの小当り遊技状態終了後の状態と同じ低ベース状態となる。これにより、低確低ベース状態において、大入賞口が2回開放される当りが生じたときに、突確大当りであるのか、小当りであるのかを遊技者が識別しにくいようにすることが可能となり、遊技の面白味が向上する。
なお、通常大当りとしては、非確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(低確低ベース状態)とする制御が行なわれる大当りであってもよい。また、確変大当りとしては、確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(高確低ベース状態)とする制御が行なわれる大当りであってもよい。また、突確大当りとしては、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(高確高ベース状態)とする制御が行なわれる大当りであってもよい。
また、突確大当りとしては、大当り遊技状態の終了後において、ベース状態を低ベース状態として変動時間状態を非時短状態とする第1の突確大当りと、大当り遊技状態の終了後において、ベース状態を高ベース状態として変動時間状態を時短状態とする第2の突確大当りとを別個に設け、所定の割合でこれら突確大当りが選択されるようにしてもよい。
このように第1の突確大当りと第2の突確大当りとを設ける場合には、たとえば、第2特別図柄の方が、第1特別図柄と比べて、時短状態とする第2の突確大当りが選択される割合を高く設定すればよい。このようにすれば、電チューサポート制御状態においては、可変入賞球装置15が開状態に変化する頻度が高いので、第2特別図柄表示器8bで変動表示が実行される頻度が高くなる。2ラウンドの突確大当りは、特別可変入賞球装置20の開放態様に起因して、15ラウンドの通常大当りおよび確変大当りと比べて、得られる賞球数の点で遊技者にとって不利な当りであり、遊技者が落胆しやすい。そこで、確変状態および電チューサポート制御状態において、15ラウンドの通常大当りおよび確変大当りよりも得られる賞球数の点で遊技者にとって不利な2ラウンドの突確大当りが第2特別図柄表示器8bの変動表示結果により発生した場合でも、時短状態に制御される割合が高くなるようにすれば、非時短状態に制御されるときのように単に遊技者を落胆させるだけでなく、時短状態に制御される場合があることにより保留記憶データが早期に消化されることで遊技者に満足感を与えることができる。
また、突確大当りのような実質的に賞球が得られない当りとしては、15ラウンドの大当りであるが、1ラウンドあたりの開放時間がたとえば0.1秒間のように極めて短いことにより、実質的に賞球が得られないものであってもよい。また、実質的に賞球が得られない当りとしては、ラウンド数が少ないこと、または、1ラウンドあたりの開放時間が短いことのうち少なくとも一方が実行されることにより実質的に賞球が得られないものであればよい。具体的に、実質的に賞球が得られない大当り(小当りも同様)については、開放回数が2回で開放時間が0.5秒、または、開放回数が15回で開放時間が0.1秒のように設定すればよい。また、実質的に賞球が得られない大当り(小当りも同様)の代わりに、たとえば、開放回数が2回で開放時間が29秒という大当りのように、15ラウンドの大当りよりも大当り遊技状態における開放時間の合計値が短いことにより、15ラウンドの大当りよりも得られる賞球が少ない大当りを設けてもよい。
また、大当りとしては、ラウンド数が同じであるが、1回の開放時間が長い開放パターンの大当りと、1回の開放時間が短い開放パターンの大当りとを設ける等、ラウンド数が同じであるが開放パターンが異なるものを複数設け、第1特別図柄の変動表示で大当りとなったときと、第2特別図柄の変動表示で大当りとなったときとで異なる選択割合で選択して実行されるようにしてもよい。
突確大当りと、小当りとは、特別可変入賞球装置20開放回数および開放時間が同じであるので、突確大当りであるか小当りであるかを遊技者が認識しにくい。さらに、突確大当りは、大当り遊技状態の終了後に、時短状態に制御されず、電チューサポート制御が行なわれないので、小当り遊技状態の終了後に大当り確率とベースが変化しない小当りと比べると、低確低ベース状態において、突確大当りの大当り遊技状態の終了後と、小当り遊技状態の終了後とで遊技者が動作状況を区別しにくい。これにより、これら突確大当りの大当り遊技状態の終了後、および、小当り遊技状態の終了後において、確変状態となっていることを報知しない共通の演出が行なわれるときには、確変状態となっているか否かを遊技者が認識しにくい。このような制御状態は、確変状態が潜伏しているような状態であるので潜伏演出状態と呼ばれ、このような潜伏演出状態にする制御が潜伏演出制御と呼ばれる。突確大当りまたは小当りの終了後に、共通の演出を実行することで確変状態と非確変状態とのどちらであるかが特定不可能な潜伏演出制御が行なわれるので、実際の遊技状態が確変状態であるか否かを煽れるため、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
なお、突確大当りについては、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれるようにしてもよい。このような制御を行なう場合には、小当りを設けなくてもよく、さらに、前述の潜伏演出を実行せずに高確高ベース状態であることを示す演出状態に移行させる制御を行なうようにしてもよい。
この実施形態によるパチンコ遊技機1においては、演出制御用マイクロコンピュータ100において、突確大当りの大当り遊技状態の終了後および小当り遊技状態の終了後のそれぞれにおいて、確変状態となっていることを報知しない共通の演出を行なう潜伏演出制御が行なわれる。このような潜伏演出制御が行なわれることにより、遊技者に対して確変状態であるか否かについての期待感を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、15ラウンドの大当りについて本実施の形態のような「通常大当り」を設ける場合には、ラウンド数が同じ確変大当りと同様の時短状態に制御されるので、突確大当りであるか小当りであるかを遊技者が認識しにくい。そこで、確変大当りと通常大当りとで、確変状態となっていることを報知しない共通の演出を行なうことにより、前述のような潜伏演出状態に制御するようにしてもよい。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切替え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。たとえば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行なうことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや各保留記憶数カウンタの値等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示せず)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(たとえば、DC30VやDC5V等)の電圧
値を監視して、電圧値が予め定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9との表示制御を行なう。
図4は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)を予め格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図4には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号ごとに設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図3に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c等の枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。図5は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単にSという)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化等)を行なった後(S4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込
モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(S10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行なわれたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行なう(S8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行なう。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S43の処理)を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ等)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分等である。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(S43)。そして、S14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(たとえば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値または予め決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、たとえば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ等制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(S13)。たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行なう。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。CPU56は、たとえば、乱数回路設定プログラムにしたがって処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行なう。
そして、S15において、CPU56は、所定時間(たとえば2ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において変動表示される演出図柄(飾り図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図6に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。図6は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。
タイマ割込処理においては、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、たとえば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。CPU56は、たとえば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過するごとに、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。CPU56は、たとえば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過するごとに、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2msごとに起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の変動表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果を、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに、演出図柄が揃って停止表示される。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1) ランダムR:大当りにするか否か、および、小当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。
(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、確変大当り、および、突確大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)
(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、前述したように、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、確変大当り、および、突確大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターンを決定するときには、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定する。そして、決定した変動パターン種別に属する変動パターンから、1つの変動パターンを変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて決定する。
この実施の形態では、通常大当り、および、確変大当りである場合には、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別であるノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別とに種別分けされている。また、突確大当りである場合には、15ラウンドの大当りと同様に、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別であるノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別とに種別分けされている。なお、突確大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチ特殊変動パターン種別と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるリーチ特殊変動パターン種別とに種別分けしてもよい。このような変動パターン種別は、予め定められた割合で選択される。
また、はずれである場合には、リーチを伴わない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別であるノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なる(時短状態では、時短状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高く設定されている)ように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。また、このような変動パターン種別は、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されていることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される。このように変動表示時間を短縮する制御は、保留数短縮制御と呼ばれる。
この実施の形態では、後述する図16〜図21に示されるように、変動パターン種別の設定としては、たとえば、スーパーリーチに関し、擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連なしの変動パターンが属する第1スーパーリーチの変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンが属する第2スーパーリーチの変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンが属する第3スーパーリーチの変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンが属する第4スーパーリーチの変動パターン種別と、再変動4回の変動パターンが属する第5スーパーリーチの変動パターン種別変動パターン種別とに分けられている。なお、スーパーリーチとしては、擬似連を伴なわないリーチ演出をするものを用いなくてもよい。
なお、変動パターン種別の設定としては、たとえば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、第1のスーパーリーチ(スーパーリーチA)を伴う変動パターンが属する変動パターン種別と、第2のスーパーリーチ(スーパーリーチB)が属する変動パターンを含む変動パターン種別と、第3のスーパーリーチ(スーパーリーチC)が属する変動パターンを含む変動パターン種別とに分けるというようにしてもよい。また、ノーマルリーチであるかスーパーリーチであるかを問わず、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、たとえば、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回未満の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動4回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、たとえば、複数の変動パターンを擬似連等の繰返し変動パターンの演出の有無でグループ化してもよい。
図5に示された遊技制御処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、および、普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算更新)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる例を示すが、大当り判定用乱数としては、ランダム1〜5のようなソフトウェアにより生成される乱数を用いてもよい。
図8は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図8(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(第1大当り判定値ともいう)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
以下の説明において、通常時大当り判定テーブルおよび確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値のうち、通常時大当り判定テーブルに設定された通常時(非確変時)用の大当り判定値は、確変時大当り判定テーブルにおいても共通の大当り判定値として用いられるものであり、通常時大当り判定値(第1大当り判定値ともいう)という。また、確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値のうち、通常時大当り判定値以外の確変時固有の大当り判定値(第2大当り判定値ともいう)は、確変時において前述の通常時大当り判定値に加えて固有の大当り判定値として用いられるものであり、確変時大当り判定値という。
図8(B)は、ROM54に記憶されている小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルには、通常状態での小当り判定に用いられる通常時(非確変時)小当り判定テーブルと、確変状態での小当り判定に用いられる確変時小当り判定テーブルとがある。通常時小当り判定テーブルには、図8(B)の左欄に記載されている各数値が小当り判定値に設定され、確変時小当り判定テーブルには、図8(B)の右欄に記載されている各数値が小当り判定値に設定されている。小当り判定は、ランダムRから抽出した値が、遊技状態に応じて設定されている小当り判定値と合致するか否かを判定することにより行なわれる。合致すると判定したときには、小当り遊技状態に制御される。図8(B)に示されるように、確変時用の方が、通常時用よりも、小当り判定値が多く設定されている。
図8(A),(B)に記載されている数値が大当り判定値または小当り判定値である。なお、以下、ランダムRの値に対応する大当り判定値と小当り判定値とを、「当り判定値」とまとめて表現することがある。また、ランダムRの値に対応する大当り判定と小当り判定とを、「当り判定」とまとめて表現することがある。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、確変大当り、または、突確大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致しないときは、大当り判定用乱数値が図8(B)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図8(A),(B)に示す「確率」は、大当りまたは小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別
図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図8(C),(D)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。このうち、図8(C)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。
また、図8(D)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図8(C)の第1特別図柄大当り種別判定テーブル、および、図8(D)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」のうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照されるテーブルである。
図8(C)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
図8(D)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。第2特別図柄大当り種別判定テーブルにおいては、第1特別図柄大当り種別判定テーブルと異なり、「突確大当り」に対応した判定値が設定されていない。したがって、第2特別図柄の変動表示結果に基づいて大当りとなるときには、「突確大当り」の大当り種別が選択されず、「突確大当り」に制御される場合がない。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、変動表示結果に応じて制御される大当りの種別が一部異なる。このように第2特別図柄の変動表示において「突確大当り」が生じないようにすることにより、時短状態である場合には、可変入賞球装置15が設けられている第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される頻度が高くなるのであるから、15ラウンドの大当りとなる確率を高めることができ、出球率が向上し、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、第2特別図柄大当り種別判定テーブルとしては、第1特別図柄大当り種別判定テーブルと同様に、「突確大当り」も選択可能なものを用いてもよい。その場合には、第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも「突確大当り」の選択割合が低くなるようにすれば、第2特別図柄大当り種別判定テーブルにおいて「突確大当り」を選択不可能とする場合と同様の効果を得ることができる。
また、図8(C),(D)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。「突確大当り」に対応した判定値は、大当り図柄の第1特別図柄および第2特別図柄の「5」に対応した判定値としても設定されている。
このように、図8(C)の第1特別図柄大当り種別判定テーブル、および、図8(D)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれにおいては、1つの大当り図柄に複数の判定値が対応付けられている。しかし、これに限らず、1つの大当り図柄に1つの判定値が対応付けられるようにしてもよい。たとえば、大当り図柄が「00」〜「99」までの100図柄ある場合に、たとえば、大当り図柄「00」に対して大当り種別判定値「00」が対応し、大当り図柄「99」に対して大当り種別判定値「99」が対応するというように、「00」〜「99」という100個の大当り種別判定値が、「00」〜「99」という100図柄の大当り図柄に1対1で対応するようにしてもよい。
このような大当り種別大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図8(C)の第1特別図柄大当り種別判定テーブル、および、図8(D)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルにおいては、次のような関係でデータが設定されている。
図8(C)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと、図8(D)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれとを比較した場合、図8(D)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図8(C)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、15ラウンドの大当り(通常大当りおよび確変大当り)に決定される割合が高い。これにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、賞球を多く獲得しやすいという点で遊技者にとって有利となる変動表示を行なうことが可能である。その理由は、15ラウンドの大当りは、大当り遊技状態において、2ラウンドの大当りと比べて、特別可変入賞球装置20の開放パターンが多くの入賞球が得られるように設定されているため、より多くの賞球が得られる大当りであるからである。つまり、2ラウンドの大当りが実質的に賞球が得られない当りにより構成されるため、15ラウンドの大当りでは、2ラウンドの大当りと比べて、多くの賞球が得られる。
また、図8(D)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図8(C)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、15ラウンドの大当りのうちの確変大当りに決定される割合が高い。これにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、15ラウンドの確変大当りとなる割合が高くなる。なお、第1特別図柄大当り種別判定テーブルと第2特別図柄大当り種別判定テーブルとで、15ラウンドの確変大当りに決定される割合が同じであってもよい。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、15ラウンドの確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
また、図8(D)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルでは突確が選択されないので、図8(C)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、突確大当りを選択する割合が高い。このため、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、15ラウンドの大当りが決定される割合が高くなる。これにより、第2始動入賞口14への始動入賞については15ラウンドの大当りが発生しやすくなり、遊技の興趣を向上させることができる。なお、可変入賞球装置15が設けられていない第1始動入賞口13に対応する第1特別図柄については、大当り種別のうち、「突確大当り」を割振らないようにしてもよい。その場合には、第1特別図柄について「確変大当り」(「突確大当り」は選択されない)の大当り種別が選択される割合と、第2特別図柄について「確変大当り」および「突確大当り」を合せた大当り種別が選択される割合とが等しくなるような設定を行なう。このようにすれば、第1始動入賞口13への始動入賞について、15ラウンドの大当りが発生しやすくなり、遊技の興趣を向上
させることができる。
また、この実施の形態では、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な状態に制御する特定遊技状態である大当りとして、所定量の遊技価値(たとえば、ラウンド数)を付与する第1遊技状態(通常大当り、確変大当り)としての15ラウンドの大当りと、該遊技価値よりも少ない量の遊技価値を付与することで第1遊技状態よりも不利な第2遊技状態としての2ラウンドの大当り(突確大当り)とを決定する場合を説明している。しかし、特定遊技状態に対して付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。たとえば、第2遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第1遊技状態を決定するようにしてもよい。また、たとえば、第2遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第1遊技状態を決定するようにしてもよい。また、たとえば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第2遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第1遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第1遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、たとえば、第2遊技状態または第1遊技状態のいずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第2遊技状態の場合には15ラウンドすべてを終了し、第1遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第2遊技状態の場合には内部的に15ラウンドすべてを終了していることから大当り遊技を終了し、第1遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(あたかも15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。このように、第1遊技状態と第2遊技状態との関係は、特定遊技状態に付与される前述のような遊技価値等により、第1遊技状態に対して第2遊技状態の方が不利なものであればよい。
次に、擬似連の変動表示の変動パターンについて説明する。図9は、擬似連の変動表示の変動パターンの一例を示すタイミングチャートである。図9においては、一例として、再変動が3回行なわれる擬似連の変動パターンが示されている。
擬似連の変動パターンにおいては、変動表示の開始時が初回変動の開始時である。そして、1回の仮停止が行なわれた後、1回目の再変動が行なわれる。仮停止時には、演出表示装置9において、前述の擬似連チャンス目を形成する仮停止図柄の組合せが仮停止される。そして、擬似連の変動パターンにおいては、たとえば、変動パターンにおいて設定された回数分の仮停止および再変動が行なわれ、最後の再変動の終了時には、演出表示装置9において、前述の大当り判定または小当り判定の判定結果に応じ、最終停止図柄(確定停止図柄)として、大当り図柄の組合せ、または、はずれ図柄の組合せが停止表示される。また、リーチとなる変動パターンのときには、最後の再変動時において、演出表示装置9で、リーチ図柄が表示されてリーチ状態となり、リーチ演出が行なわれる。なお、リーチ演出は、最後の再変動時以外の再変動時に行なうようにしてもよい。
次に、パチンコ遊技機1で実行される変動表示の表示例を説明する。図10は、演出表示装置9において擬似連を経てスーパーリーチが発生するときの代表的な表示例を示す表示画面図である。図10においては、再変動が4回行なわれる擬似連の変動表示が実行された後、スーパーリーチとなり、変動表示の表示結果が大当り表示結果となる例が示されている。
図10(A)に示すように、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示が開示されるときに、その変動開始に対応して、演出表示装置9において、「左」,「中」,「右」の図柄表示エリア9L,9C,9Rで演出図柄の変動が開始されることにより、左,中,右の演出図柄の変動表示が通常演出態様で開始される。
そして、図10(B)に示すように左,中,右の演出図柄が仮停止された後、図10(C)のように演出図柄が再び変動表示を通常演出態様で開始し、擬似連の1回目の再変動による変動表示が実行される。ここで、演出図柄が仮停止した状態は、図10(C)のように演出図柄がその場で揺動して完全に停止していない状態として表示される。
その後、図10(D)のような左,中,右の演出図柄の仮停止、図10(E)のような擬似連の2回目の再変動による通常演出態様での変動表示、図10(F)のような左,中,右の演出図柄の仮停止、図10(G)のような擬似連の3回目の再変動による特殊演出態様での変動表示、図10(H)のような左,中,右の演出図柄の仮停止、および、図10(I)のような擬似連の4回目の再変動による通常演出態様での変動表示が実行される。
そして、図10(J)のように左,右の演出図柄が同じ図柄で停止してリーチ状態となった後、図10(K)のようにスーパーリーチのリーチ演出が実行され、大当りとすることが決定されているときには、図10(K)のように最終的な表示結果として大当り表示結果が導出表示され、表示結果が確定する。
次に、擬似連の演出を行なうときにおいて、擬似連チャンス目を表示する前において擬似連となるか否かの演出として行なわれる煽り演出について説明する。図11は、演出表示装置9において擬似連チャンス目を表示する前に行なわれる煽り演出を説明する表示画面図である。
図11(A)に示すように、第1特別図柄または第2特別図柄の変動開始に対応して、演出表示装置9において、「左」,「中」,「右」の図柄表示エリア9L,9C,9Rで左,中,右の演出図柄の変動表示が開始され、左演出図柄が仮停止した後、右演出図柄を仮停止させるタイミングで、図11(B)のようにリーチ状態を構成する右演出図柄を仮停止した後、図11(B)〜(G)のように、仮停止した右演出図柄により、擬似連の演出表示が行なわれるか否かを煽る演出として、煽り演出が実行される。
煽り演出としては、図11(B)〜(G)のように、右演出図柄を、仮停止している左演出図柄との関係で、擬似連チャンス目(この例では、「667」)に該当する図柄(この例では「7」)と、擬似連チャンス目に該当しない図柄(この例では、「6」)とに交互に変更する。そして、擬似連とする変動パターンが選択されているときには、図11(H)のように擬似連チャンス目を表示して、図11(I)のように、1回目の再変動をする表示を行なう。
このように、擬似連チャンス目が表示される前のタイミングにおいて、リーチ状態を構成する演出図柄を仮停止した後、仮停止した演出図柄により、擬似連の演出表示が行なわれるか否かを煽る煽り演出が行なわれることにより、遊技者の擬似連への期待感を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
このような煽り演出を行なう場合には、たとえば、図10(B)のように擬似連チャンス目が表示される前のタイミングにおいて行なう必要がある。
また、このような煽り演出は、後述する変動パターン設定処理(S301)において、擬似連となる変動パターンが選択されたときに必ず選択されるようにしてもよく、擬似連となる変動パターンが選択されたときに所定の選択処理(抽選処理)を行なって所定の割合(たとえば、大当りとなるか否かに基づいて設定された割合)で選択されるようにしてもよい。
また、このような煽り演出は、後述する変動パターン設定処理(S301)において、リーチとなる変動パターンが選択されたときに必ず選択されるようにしてもよく、リーチとなる変動パターンが選択されたときに所定の選択処理(抽選処理)を行なって所定の割合(たとえば、大当りとなるか否かに基づいて設定された割合)で選択されるようにしてもよい。
また、このような煽り演出は、擬似連の再変動が複数回となる場合には、変動表示の開始時において、各再変動について当該煽り演出を行なうか否かの決定をし、煽り演出を行なうことが決定された再変動の実行時に当該煽り演出を行なうようにしてもよい。また、このような煽り演出は、擬似連の再変動が複数回となる場合には、各再変動の開始前において、各再変動前について当該煽り演出を行なうか否かの決定をそれぞれ行ない、各決定に基づいて、煽り演出を行なうことが決定された再変動の実行時に当該煽り演出を行なうようにしてもよい。
また、このような煽り演出は、擬似連とならない変動パターンと、擬似連となる変動パターンとの両方の変動パターンを設け、擬似連となる変動パターンが選択されたときに、擬似連とならない変動パターンが選択されたときよりも、選択される割合を高く設定すればよい。
また、前述した煽り演出は、図11(B)のようなリーチ状態を構成する演出図柄の組合せの仮停止を伴なわずに行なうようにしてもよい。また、擬似連の演出を行なうときに擬似連チャンス目を表示する前において行なう擬似連となるか否かの演出としては、図11に示す煽り演出の他に、次のような演出を行なうようにしてもよい。たとえば、リーチ状態を構成する左,右演出図柄の組合せを仮停止した後、右演出図柄を滑らせる滑り表示をすることで、擬似連のチャンス目を構成する図柄の組合せと、リーチ状態を構成する図柄の組合せとのどちらになるかを示唆するような演出を行なうようにしてもよい。また、リーチ状態を構成しない左,右演出図柄の組合せを仮停止した後、左,右演出図柄の一部または全部を差替える表示をして、擬似連チャンス目を構成する図柄の組合せと、擬似連チャンス目以外の図柄の組合せ(リーチ状態を構成する図柄の組合せでもよい)とを交互に表示することにより、擬似連のチャンス目を構成する図柄の組合せが表示されることを示唆するような演出を行なうようにしてもよい。また、擬似連チャンス目を構成する図柄の組合せを仮停止した後、一部の図柄を再変動させて擬似連チャンス目を構成する図柄の組合せと、擬似連チャンス目以外の図柄の組合せ(リーチ状態を構成する図柄の組合せでもよい)とを所定周期で表示することにより、擬似連のチャンス目を構成する図柄の組合せが表示されることを示唆するような演出を行なうようにしてもよい。このように、擬似連の演出を行なうときに擬似連チャンス目を表示する前において行なう擬似連となるか否かの演出としては、擬似連となるか否かを示すような演出であれば、どのような演出が行なわれてもよい。
図12は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図12に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、および、大当り種別を示す演出制御コマンドである。コマンド8C01(H)は、はずれに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C02(H)は、通常大当りに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C03(H)は、確変大当りに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C04(H)は、突確大当りに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C05(H)は、小当りに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の変動表示を開始するのか第2特別図柄の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンド、および、小当り/突確開始指定コマンドというような複数のコマンドが含まれる。大当り開始1指定コマンドは、通常大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される。大当り開始2指定コマンドは、確変大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される。小当り/突確開始指定コマンドは、小当りまたは突確大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、通常大当りの大当り遊技状態の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、確変大当りの大当り遊技状態の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、突確大当りの大当り遊技状態の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了3指定コマンド)である。コマンドA304(H)は、小当りの小当り遊技状態の終了を指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド)である。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞口13について第1特別図柄の変動表示が行なわれる始動入賞、すなわち、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、第2始動入賞口14について第2特別図柄の変動表示が行なわれる始動入賞、すなわち、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確低ベース状態)であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。
このような演出制御コマンドにより、遊技状態が、通常状態、時短状態、および、確変状態のうちのどの状態またはどの状態の組合せになっているかを演出制御用マイクロコンピュータ100に知らせることができる。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、遊技状態が、通常状態、時短状態、および、確変状態のうちのどの状態またはどの状態の組合せになっているかを認識することができるので、通常状態、時短状態、および、確変状態のそれぞれの状態に応じた画像表示等の各種演出を行なうことが可能となる。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第2保留記憶数を示す。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図12に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の変動表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取込み処理を開始する。
図12に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示(変動)と、第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に伴って演出を行なう演出表示装置9等の演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
次に、ROM54に記憶されている開放パターンデータテーブルについて説明する。開放パターンデータテーブルにおいては、各種別の大当りおよび小当りのそれぞれについて、開放回数(ラウンド上限数)、開放時間(各ラウンド中の開放時間)、および、インターバル時間(各ラウンド間時間)を含む特別可変入賞球装置20の開放パターンを示すテータが設定されている。
たとえば、通常大当りおよび確変大当りのそれぞれは、開放回数が15回、開放時間が29秒、インターバル時間が5秒というデータが開放パターンデータテーブルに設定されている。突確大当り、および、小当りのそれぞれは、開放回数は2回であり、インターバル時間が0.5秒というデータが開放パターンデータテーブルに設定されている。
なお、インターバル時間は、通常大当り、および、確変大当りと、突確大当りとで同じ時間となるように設定してもよい。また、賞球が得られやすい大当り(たとえば15ラウンドの通常大当り、15ラウンドの確変大当り)と、賞球が得られにくい大当り(たとえば突確大当り)とについて、大当りのラウンド数を一定のラウンド数(たとえば15ラウンド)に設定し、賞球が得られやすい大当りについては賞球が得られやすい長い開放時間とし、賞球が得られにくい大当りについては賞球が得られにくい極めて短い開放時間とするようにしてもよい。
図13は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。
上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンして第1始動入賞口13への始動入賞(第1始動入賞)が発生していたとき、または、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンして第2始動入賞口14への始動入賞(第2始動入賞)が発生していたときには(S311)、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行なう。第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、始動口スイッチ通過処理を実行せずに、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行なう。
S300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、変動表示を開始する特別図柄に対応する保留記憶バッファ(図15の第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)に記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には、大当り種別を決定する。また、大当りとしない場合には、小当りとするか否か(はずれとするか)を決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。小当りとする場合には小当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグと小当りフラグとのどちらもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄および飾り図柄が停止されるように制御する。また、大当り遊技状態となったときの状態が確変状態であり、確変フラグがセットされていたときには、確変フラグがリセットされる(当該大当りが確変となる大当りであるか否かに関わらずリセットされる)。また、大当り遊技状態となる場合において時短フラグがセットされていたとき、または、変動表示回数により時短状態の終了条件が成立したときには、時短フラグがリセットされる。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大当りの種別に応じて、前述のような開放パターンにしたがって、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンドごとに実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技状態を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグ(たとえば、確変フラグ、時短フラグ等)をセットする処理を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(S308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、前述のような小当りの開放パターンにしたがって大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口を開放する時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では9)に更新する。
小当り開放中処理(S309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。小当り遊技状態中の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残り開放回数がある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、すべての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(S310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図14は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、オンしたのが第1始動口スイッチ13aであるか否かを確認する(S211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S213)。
図15は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図15に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
次に、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S214)。具体的に、S214の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が保存(格納)される。以下の保留記憶に関する説明に関しては、このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。また、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S215)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S29)において演出制御コマンドを送信する。
S211で第1始動口スイッチがオン状態でないと判定された場合、S212で第1保留記憶数が上限値に達していると判定された場合、または、S215で第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なった後に、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(S221)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S222)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。なお、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、再度第1始動口スイッチ13aがオンしているか否かを確認する(S211参照)処理を行なうようにしてもよい。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S223)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S224)。
次いで、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを送信する制御を行ない(S225)処理を終了する。
なお、S213〜S215の処理とS223〜S225の処理とを、1つの共通ルーチンで実現してもよい。その場合、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態になったことを検出した場合に「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態になったことを検出した場合に「第2」を示すデータをセットし、共通ルーチンで、セットされているデータに応じて、保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)を選択したり始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)を選択する。
次に、図16〜図21を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。変動パターンテーブルとしては、ROM54に、通常状態はずれ時第1判定テーブル、通常状態はずれ時第2判定テーブル、時短状態はずれ時第1判定テーブル、時短状態はずれ時第2判定テーブル、通常状態確変大当り時判定テーブル、時短状態確変大当り時判定テーブル、通常状態通常大当り時判定テーブル、時短状態通常大当り時判定テーブル、通常状態突確大当り時判定テーブル、時短状態突確大当り時判定テーブル、通常状態小当り時判定テーブル、および、時短状態小当り時判定テーブルという複数種類のデータテーブルが記憶されており、予め定められた選択条件の成立に用いて、選択的に用いられる。
図16は、通常状態はずれ時第1判定テーブルおよび通常状態はずれ時第2判定テーブルを示す図である。図16(a)に示される通常状態はずれ時第1判定テーブルは、時短状態以外の通常状態において、大当り判定によりはずれとすることが決定され、かつ、変動パターン決定時の保留記憶数(合算保留記憶数)が1〜4であるときに判定テーブルの選択条件が成立して用いられる変動パターンテーブルである。図16(b)に示される通常状態はずれ時第2判定テーブルは、時短状態以外の通常状態において、大当り判定によりはずれとすることが決定され、かつ、保留記憶数(合算保留記憶数)が5〜8であるときに判定テーブルの選択条件が成立して用いられる変動パターンテーブルである。
図17は、時短状態はずれ時第1判定テーブルおよび時短状態はずれ時第2判定テーブルを示す図である。図17(a)に示される時短状態はずれ時第1判定テーブルは、時短状態において、大当り判定によりはずれとすることが決定され、かつ、変動パターン決定時の保留記憶数(合算保留記憶数)が1〜4であるときに判定テーブルの選択条件が成立して用いられる変動パターンテーブルである。図17(b)に示される時短状態はずれ時第2判定テーブルは、時短状態において、大当り判定によりはずれとすることが決定され、かつ、変動パターン決定時の保留記憶数(合算保留記憶数)が5〜8であるときに判定テーブルの選択条件が成立して用いられる変動パターンテーブルである。
図18は、通常状態確変大当り時判定テーブルおよび時短状態確変大当り時判定テーブルを示す図である。図18(a)に示される通常状態確変大当り時判定テーブルは、時短状態以外の通常状態において、大当り判定および大当り種別判定により確変大当りとすることが決定されたときに判定テーブルの選択条件が成立して用いられる変動パターンテーブルである。図18(b)に示される時短状態確変大当り時判定テーブルは、時短状態において、大当り判定および大当り種別判定により確変大当りとすることが決定されたときに判定テーブルの選択条件が成立して用いられる変動パターンテーブルである。
図19は、通常状態通常大当り時判定テーブルおよび時短状態通常大当り時判定テーブルを示す図である。図19(a)に示される通常状態通常大当り時判定テーブルは、時短状態以外の通常状態において、大当り判定および大当り種別判定により通常大当りとすることが決定されたときに判定テーブルの選択条件が成立して用いられる変動パターンテーブルである。図19(b)に示される時短状態通常大当り時判定テーブルは、時短状態において、大当り判定および大当り種別判定により通常大当りとすることが決定されたときに判定テーブルの選択条件が成立して用いられる変動パターンテーブルである。
図20は、通常状態突確大当り時判定テーブルおよび時短状態突確大当り時判定テーブルを示す図である。図20(a)に示される通常状態突確大当り時判定テーブルは、時短状態以外の通常状態において、大当り判定および大当り種別判定により突確大当りとすることが決定されたときに判定テーブルの選択条件が成立して用いられる変動パターンテーブルである。図20(b)に示される時短状態突確大当り時判定テーブルは、時短状態において、大当り判定および大当り種別判定により突確大当りとすることが決定されたときに判定テーブルの選択条件が成立して用いられる変動パターンテーブルである。
図21は、通常状態小当り時判定テーブルおよび時短状態小当り時判定テーブルを示す図である。図21(a)に示される通常状態小当り時判定テーブルは、時短状態以外の通常状態において、小当り判定により小当りとすることが決定されたときに用いられる変動パターンテーブルである。図21(b)に示される時短状態小当り時判定テーブルは、時短状態において、小当り判定により小当りとすることが決定されたときに判定テーブルの選択条件が成立して用いられる変動パターンテーブルである。
図16〜図21に示すテーブルのそれぞれは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルとしての機能と、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとしての機能とを有する判定テーブルである。
図16〜図21の各テーブルでの変動パターンの欄において、「擬似連なし」は、擬似連が行なわれない変動パターンである。「通常変動」はリーチとならずはずれとなる変動表示を示している。
また、「ノーマルリーチ」は、前述したノーマルリーチを実行する変動パターンを示している。「スーパーリーチA」は、前述したスーパーリーチAの演出を実行する変動パターンを示している。「スーパーリーチB」は、前述したスーパーリーチBの演出を実行する変動パターンを示している。「スーパーリーチC」は、前述したスーパーリーチCの演出を実行する変動パターンを示している。
「擬似連1回」は、擬似連で再変動が1回行なわれる変動パターンである。「擬似連2回」は、擬似連で再変動が2回行なわれる変動パターンである。「擬似連3回」は、擬似連で再変動が3回行なわれる変動パターンである。「擬似連4回」は、擬似連で再変動が4回行なわれる変動パターンである。「擬似連なし」は、擬似連の変動表示が行なわれない変動パターンである。「はずれ」は、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。「確変大当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。「通常大当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。「突確大当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「突確大当り」の表示結果となる変動パターンである。「小当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「小当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、「擬似連1回 スーパーリーチA はずれ」という変動パターンは、「再変動が1回実行される擬似連の変動表示をし、スーパーリーAの演出が行なわれた後、はずれ表示結果となるスーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
次に、変動パターン種別について説明する。変動パターンは、「通常」、「ノーマル」、「第1スーパー」、「第2スーパー」、「第3スーパー」、「第4スーパー」、および、「第5スーパー」の変動パターン種別に分けられている。「通常」の変動パターン種別は、通常変動の変動表示を実行する変動パターンが属する。「ノーマル」の変動パターン種別は、ノーマルリーチの変動表示を実行する変動パターンが属する。
「第1スーパー」の変動パターン種別は、擬似連の変動表示を実行しないスーパーリーチの変動表示を実行する変動パターンが属する。「第2スーパー」の変動パターン種別は、擬似連1回の再変動を実行し、かつ、スーパーリーチの変動表示を実行する変動パターンが属する。「第3スーパー」の変動パターン種別は、擬似連2回の再変動を実行し、かつ、スーパーリーチの変動表示を実行する変動パターンが属する。「第4スーパー」の変動パターン種別は、擬似連3回の再変動を実行し、かつ、スーパーリーチの変動表示を実行する変動パターンが属する。「第5スーパー」の変動パターン種別は、擬似連4回の再変動を実行し、かつ、スーパーリーチの変動表示を実行する変動パターンが属する。
次に、複数の変動パターンにおける変動時間の長さの関係について説明する。擬似連で再変動が行なわれる変動パターンは、擬似連で変動表示が行なわれない変動パターンよりも変動時間が短い。擬似連で再変動が行なわれる変動パターンの変動時間の長さは、擬似連1回<擬似連2回<擬似連3回<擬似連4回というように、再変動回数が増える程長くなるように設定されている。また、「通常」の変動パターン種別に属する通常変動は、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチA」〜「スーパーリーチC」のような「リーチ」(図中「ノーマル」、「第1スーパー」〜「第5スーパー」)の変動パターン種別に属する変動パターンよりも全般的に変動時間が短くなるように設定されている。また、「スーパーリーチA」〜「スーパーリーチC」のような「スーパーリーチ」の変動パターン種別である「第1スーパー」〜「第5スーパー」に属する変動パターンは、「ノーマルリーチ」のような「ノーマル」の変動パターン種別に属する変動パターンよりも全般的に変動時間が長くなるように設定されている。
図16〜図21のテーブルにおいて、「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図16(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマル」、「第1スーパー」、「第2スーパー」、「第3スーパー」、「第4スーパー」、「第5スーパー」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜400)のすべての値が、「225〜325」で示される数値範囲、「326〜350」で示される数値範囲、「351〜370」で示される数値範囲、「371〜385」で示される数値範囲、「386〜395」で示される数値範囲、および、「396〜400」で示される数値範囲に分けて割振られている。たとえば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が「326〜350」で示される数値範囲のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「第1スーパー」とすることが決定される。
図16(a)の通常状態はずれ時第1判定テーブルにおいては、図16(a)に示す割合で、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。図16(b)の通常状態はずれ時第2判定テーブルにおいては、図16(b)に示す割合で、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。図17(a)の時短状態はずれ時第1判定テーブルにおいては、図17(a)に示す割合で、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。図17(b)の時短状態はずれ時第2判定テーブルにおいては、図17(b)に示す割合で、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。
図18(a)の通常状態確変大当り判定テーブルにおいては、図18(a)に示す割合で、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。図18(b)の時短状態確変大当り判定テーブルにおいては、図18(b)に示す割合で、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。図19(a)の通常状態通常大当り判定テーブルにおいては、図19(a)に示す割合で、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。図19(b)の時短状態通常大当り判定テーブルにおいては、図19(b)に示す割合で、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。
図20(a)の通常状態突確大当り判定テーブルにおいては、図20(a)に示す割合で、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。図20(b)の時短状態突確大当り判定テーブルにおいては、図20(b)に示す割合で、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。図21(a)の通常状態小当り判定テーブルにおいては、図21(a)に示す割合で、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。図21(b)の時短状態小当り大当り判定テーブルにおいては、図21(b)に示す割合で、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。
また、図16〜図21のそれぞれのテーブルにおいて、「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部を示す欄である。変動パターン種別判定テーブル部の各変動パターン種別に対応して示されている変動パターンが、各変動パターン種別に属する変動パターンである。たとえば、図16(a)を例にとれば、「ノーマル」の種別に属する変動パターンは、「擬似連なし ノーマルリーチ はずれ」、「擬似連1回 ノーマルリーチ はずれ」、「擬似連2回 ノーマルリーチ はずれ」、および、「擬似連3回 ノーマルリーチ はずれ」である。各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(0〜121)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、「第1スーパー」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3の値に応じて、「擬似連なし ノーマルリーチ はずれ」、「擬似連1回 ノーマルリーチ はずれ」、「擬似連2回 ノーマルリーチ はずれ」、または、「擬似連3回 ノーマルリーチ はずれ」の変動パターンが選択決定される。
なお、変動パターン種別としては、たとえば、演出が異なる複数種類の「ノーマルリーチ」の変動パターンを設け、擬似連の再変動回数により「ノーマルリーチ」を複数の変動パターン種別に分けてもよい。また、「スーパーリーチ」の変動パターンについては、擬似連の再変動回数ではなく、スーパーリーチA〜Cの演出の種類により複数の変動パターン種別に分けてもよい。
また、図16〜図21において、変動パターン種別は、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されている。たとえば、はずれとなるときには、時短状態では、時短状態でないときと比べて、通常変動のパターン種別のような変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高く設定されている。また、大当りとなるときには、時短状態では、時短状態でないときと比べて、ノーマルの変動パターン種別のような変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高く設定されている。これにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。
また、図16(a),(b)と、図17(a),(b)とのそれぞれに示すように、変動パターン種別は、特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されている。具体的に、図16(a),(b)と、図17(a),(b)とのそれぞれでは、図16(b)および図17(b)に示すような保留記憶数が所定数以上であるときには、図16(a)および図17(a)に示すよう保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、「通常」の変動パターン種別を選択する割合が高く設定されている。これにより、特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される。このように変動表示時間を短縮する制御は、保留数短縮制御と呼ばれる。
なお、図16および図17に示すような変動パターン決定時の保留記憶数に応じて変動パターン種別の決定をする割合を異ならせるときの保留記憶数の閾値(たとえば、保留記憶数が所定個以上でテーブルを異ならせるときの所定値、たとえば、図16および図17でテーブル選択をするための閾値である保留記憶数「5」のような値)を、遊技状態に応じて異ならせるようにしてもよい。たとえば、保留記憶数が所定数以上のときに変動時間が長い変動パターン種別とする決定をする割合を低くするテーブルについて、確変状態においては、非確変状態よりも少ない保留記憶数が当該閾値となるように設定してもよい。
また、図16および図17に示すような変動パターン決定時の保留記憶数に応じて変動パターン種別の決定をする割合を異ならせるときに用いるテーブルとしては、「1」,「2」,「3」・・・というような1つの保留記憶数別にテーブルを設け、これらテーブルを、保留記憶数に応じて変動パターン種別の決定をする割合が異なる(たとえば、保留記憶数が多い程変動時間が長い変動パターン種別とする決定をする割合が低くなる等)ようにデータが設定されたテーブルとしてもよい。具体的には、保留記憶数に応じて、変動パターン種別の決定をする判定値の数が異なるようにデータを設定すればよい。
また、図16〜図21のそれぞれのテーブルにおいて、はずれとなるときには、「擬似連なし」>「擬似連1回」>「擬似連2回」>「擬似連3回」>「擬似連4回」というような割合の大小関係が設定されている。一方、確変大当りおよび通常大当りとなるときには、「擬似連なし」<「擬似連1回」<「擬似連2回」<「擬似連3回」<「擬似連4回」というような割合の大小関係が設定されている。これにより、確変大当りおよび通常大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて擬似連となる変動表示が行なわれる割合
が高いので、擬似連となる変動表示が行なわれたときには、遊技者の大当りに対する期待感を高めることができる。さらに、確変大当りおよび通常大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて擬似連における再変動の回数が多い変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されているので、変動表示が行なわれたときに、擬似連において再変動の回数が多い程、遊技者の大当りに対する期待感を高めることができる。
また、図18および図19に示されるように、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて擬似連となる変動表示が行なわれる割合が高く設定されている。これにより、擬似連となる変動表示が行なわれたときには、遊技者の確変大当りに対する期待感を高めることができる。また、図18および図19に示されるように、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて擬似連における再変動の回数が多い変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されているので、変動表示が行なわれたときに、擬似連において再変動の回数が多い程、遊技者の確変大当りに対する期待感を高めることができる。
また、図16〜図21のそれぞれのテーブルにおいて、はずれとなるときには、「通常変動」>「ノーマルリーチ」>「スーパーリーチA」〜「スーパーリーチC」というような割合の大小関係が設定されている。一方、大当りとなるときには、「ノーマルリーチ」<「スーパーリーチA」〜「スーパーリーチC」というような割合の大小関係が設定されており、はずれとなるときと比べて、スーパーリーチA〜Cのいずれかを実行する変動表示が行なわれる割合が高い。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べてリーチ状態となる変動表示が行なわれる割合が高いので、リーチ状態となる変動表示が行なわれたときには、遊技者の大当りに対する期待感を高めることができる。さらに、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べてリーチ状態となる変動表示のうち、スーパーリーチA〜Cのいずれかが行なわれる割合が高いので、スーパーリーチとなる変動表示が行なわれたときには、遊技者の大当りに対する期待感をより一層高めることができる。
また、図16および図17と、図18〜図20とを比較して、スーパーリーチに関して、はずれとなるときには、全体的にスーパーリーチAが選択される割合が高く、そのスーパーリーチAは、擬似連の再変動の回数が少なくなる程、選択される割合が高くなるように設定されている。一方、スーパーリーチに関して、大当り(確変大当り、通常大当り、および、突確大当りを含む)となるときには、全体的にスーパーリーチCが選択される割合が高く、そのスーパーリーチCは、擬似連の再変動の回数が多くなる程、選択される割合が高くなるように設定されている。
これにより、スーパーリーチCとなる変動表示が実行されたときには、スーパーリーチAとなる変動表示が実行されたときよりも、大当りとなる割合が高いので、変動表示において、スーパーリーチのうち、スーパーリーチCとなったときに、遊技者の大当りに対する期待感をより一層高めることができる。
また、図16および図17と、図18〜図20とを比較して、スーパーリーチに関して、はずれとなるときには、全体的にスーパーリーチBよりもスーパーリーチAが選択される割合が高く、かつ、スーパーリーチCよりもスーパーリーチBが選択される割合が高い。そのスーパーリーチBは、擬似連の再変動の回数が多くなる程、選択される割合が高くなるように設定されている。一方、スーパーリーチに関して、大当り(確変大当り、通常大当り、および、突確大当りを含む)となるときには、全体的にスーパーリーチBよりもスーパーリーチCが選択される割合が高く、かつ、スーパーリーチAよりもスーパーリーチBが選択される割合が高い。そのスーパーリーチBは、擬似連の再変動の回数が多くなる程、選択される割合が少なくなるように設定されている。
これにより、スーパーリーチBとなる変動表示が実行されたときには、スーパーリーチAとなる変動表示が実行されたときよりも、大当りとなる割合が高いので、変動表示において、スーパーリーチのうち、スーパーリーチBとなったときに、スーパーリーチC程ではないが、遊技者の大当りに対する期待感を高めることができる。
また、図18および図19と、図20とを比較して、突確大当りとなるとき(小当りとなるときも同様)には、確変大当りまたは通常大当りとなるときと比べて、擬似連で変動表示が行なわれるときにおいて擬似連の再変動の回数が少ない変動パターンを選択する割合が高くなるように設定されている。これにより、擬似連で変動表示が行なわれるときに、擬似連の再変動の回数が少ないときには、擬似連の再変動の回数が多いときと比べて、突確大当りとなる割合が高いので、擬似連で変動表示が行なわれるときに、再変動の回数が少なくても、確変状態の発生に対する期待感を遊技者に持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図20と、図21とを比較して、スーパーリーチに関して、突確大当りとなるときと、小当りとなるときとで、擬似連の再変動回数により、選択される割合が高いスーパーリーチの種類が異なる。たとえば、擬似連の再変動回数が1回の場合には、突確大当りとなるときにはスーパーリーチBが選択される割合が高く、小当りとなるときにはスーパーリーチCが選択される割合が高い。このように、スーパーリーチBのように、擬似連の再変動が行なわれる変動パターンにおいて、同じスーパーリーチであっても、擬似連の再変動回数が少ない場合に、突確大当りとなりやすい制御(突確大当りとなる割合が高い制御)が行なわれるように構成されている。そして、擬似連の再変動回数が2回〜4回の場合には、突確大当りとなるときにはスーパーリーチCが選択される割合が高く、小当りとなるときにはスーパーリーチBが選択される割合が高い。これにより、擬似連の再変動回数と表示されるスーパーリーチの種類とに基づき、突確大当りと小当りとのどちらである可能性が高いかを遊技者が推測することが可能となる。このため、擬似連の再変動回数が少ない場合であっても、遊技者の注意をひくことができる。なお、擬似連の再変動回数と表示されるスーパーリーチの種類とに基づき、突確大当りと小当りとのどちらである可能性が高いかを遊技者が推測するためには、スーパーリーチCの代わりにスーパーリーチA等のその他にスーパーリーチを用いてもよい。たとえば、擬似連の再変動回数が1回の場合には、突確大当りとなるときにはスーパーリーチBが選択される割合を高くし、小当りとなるときにはスーパーリーチAが選択される割合を高くする。そして、擬似連の再変動回数が2回〜4回の場合には、突確大当りとなるときにはスーパーリーチAが選択される割合を高くし、小当りとなるときにはスーパーリーチBが選択される割合を高くする。
図22は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ(図15参照)に保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、第2保留記憶バッファの方に保留記憶データがあるか否か確認する(S52)。第2保留記憶バッファに保留記憶データがあれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶データがなければ、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
なお、ここでいう「共通の処理ルーチン」とは、ある特定の一連の処理を実現するためのプログラムであり、この実施の形態では、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示を行なう一連の処理を実現するためのプログラムを指している。この実施の形態において、「共通の処理ルーチン」には、後述する特別図柄通常処理におけるS55〜S76の処理、S301の変動パターン設定処理、S302の表示結果特定コマンド送信処理、S303の特別図柄変動中処理およびS304の特別図柄停止処理が含まれる。
S52〜S54の制御により、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行される。
このように、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。これにより、次のような効果を得ることができる。大当り遊技状態の終了後の所定期間中においては、時短制御が行なわれることにより、可変入賞球装置15において、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすくなる。したがって、大当り遊技状態の終了後の所定期間中には、それ以外のときに比べて、第2保留記憶のデータが発生しやすくなる。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファの両方に保留記憶データが記憶されている場合は、第1保留記憶データに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示よりも第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が優先して実行されるので、大当り遊技状態の終了後の時短状態において発生しやすい保留記憶データを効率的に処理することができるから、第2保留記憶数の上限値による制限により第2保留記憶として記憶できず無効となる始動入賞(始動条件)の発生を低減することができる。これにより、大当り遊技状態の終了後の時短状態における第2特別図柄表示器8bの変動表示の実行効率を向上させることができる。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100では、第1保留記憶数指定コマンドを受信したときに第1保留記憶数指定コマンドが指定する第1保留記憶数を記憶する第1保留記憶数記憶領域と、第2保留記憶数指定コマンドを受信したときに、第2保留記憶数指定コマンドが指定する第2保留記憶数を記憶する第2保留記憶数記憶領域とが設けられている。演出制御用マイクロコンピュータ100では、第1保留記憶数指定コマンドを受信するごとに第1保留記憶数記憶領域に記憶された第1保留記憶数のデータを更新することで、最新の第1保留記憶数を認識し、第2保留記憶数指定コマンドを受信するごとに第2保留記憶数記憶領域に記憶された第2保留記憶数のデータを更新することで、最新の第2保留記憶数を認識する。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S60)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS214や始動口スイッチ通過処理のS224で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S60)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、通常大当り、確変大当り、または、突確大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、その後、所定回数(100回)の変動表示が行なわれたという条件と、次回の大当りが決定されたという条件といずれか早い方の条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S60のN)、S60で抽出された大当り判定用乱数を用いて、小当り判定を行なう小当り判定モジュールを実行する(S61)。小当り判定モジュールは、予め決められている小当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、小当り判定の処理を実行するプログラムである。
小当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、小当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め小当り判定値の数が多く設定されている確変時小当り判定テーブル(ROM54における図8(B)の右側の数値が設定されているテーブル)と、小当り判定値の数が確変時小当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時小当り判定テーブル(ROM54における図8(B)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時小当り判定テーブルを使用して小当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常状態(非確変状態)であるときは、通常時小当り判定テーブルを使用して小当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(B)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。小当りとすることに決定した場合には(S61Y)、小当りフラグをセットし(S62)、S75に移行する。小当りとしないことに決定した場合には(S61N)、そのままS75に移行する。なお、小当りとするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を小当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、小当りに関しては、確変状態において小当りと判定する確率を通常状態よりも高くせず、常に一定の判定確率で小当りとする判定を行なうようにしてもよい。また、小当りに関しては、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とで、第2特別図柄の変動表示の方が第1特別図柄の変動表示よりも小当りと判定する確率が低くなるように、小当りとする判定を行なう確率を異ならせてもよい。
S60において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図8(C)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図8(D)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図8(C)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図8(D)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS214や始動口スイッチ通過処理のS224で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。また、この場合に、図8(D)に示すように、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、15ラウンドの大当り(通常大当りおよび確変大当り)が選択される割合が高い。
図8(D)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別を示すデータとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別を示すデータとして「02」が設定される。大当り種別が「突確大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのどちらもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「確変大当り」に決定されたときには「3」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別が「突確大当り」に決定した場合には「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。小当りフラグがセットされている場合には、「1」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図23は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。
変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合は、大当りとすることが決定されているときであり、CPU56は、S74で記憶された大当り種別情報と、非時短状態と時短状態とのうちどの状態にあるかを示す時短情報と、通常状態(非確変状態)と確変状態とのうちどの状態にあるかを示す確変情報に応じて、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、前述した判定テーブルの選択条件に基づいて、通常状態確変大当り時判定テーブル、時短状態確変大当り時判定テーブル、通常状態通常大当り時判定テーブル、時短状態通常大当り時判定テーブル、通常状態突確大当り時判定テーブル、および、時短状態突確大当り時判定テーブルのうちいずれかを選択する(S92)。そして、S114に移行する。
ここで、時短情報は、時短状態であるか否かを示す情報である。時短情報は、時短フラグがセットされているときには、時短状態であることを示し、時短フラグがセットされていないときには、非時短状態であることが示される。また、確変情報は、確変状態であるか否かを示す情報である。確変情報は、確変フラがセットされているときには確変状態であることを示し、確変フラグがセットされていないときには非確変状態であることが示される。なお、この実施の形態では、時短情報を示すデータと時短フラグのデータとが別個に設けられている場合を示したが、これに限らず、時短状態として時短フラグのデータをそのまま用いてもよい。また、この実施の形態では、確変情報を示すデータと確変フラグのデータとが別個に設けられている場合を示したが、これに限らず、確変状態として確変フラグのデータをそのまま用いてもよい。
S91で大当りフラグがセットされていない場合、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否か確認する(S93)。小当りフラグがセットされている場合は、小当りとすることが決定されているときであり、CPU56は、前述の時短情報に応じて、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、前述したテーブルの選択条件に基づいて、通常状態小当り時判定テーブル、および、時短状態小当り時判定テーブルのうちいずれかを選択する(S92)。そして、S114に移行する。
S93で小当りフラグがセットされていない場合は、消去的判断により、はずれとすることが決定されているときであり、CPU56は、前述の時短情報と、合算保留記憶数情報(前述の第1保留記憶数記憶領域に記憶された第1保留記憶数と第2保留記憶数記憶領域に記憶された第2保留記憶数とを合算することにより得られる情報)とに応じて、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、前述したテーブルの選択条件に基づいて、通常状態はずれ時第1判定テーブル、通常状態はずれ時第2判定テーブル、時短状態はずれ時第1判定テーブル、および、時短状態はずれ時第2判定テーブルのうちいずれかを選択する(S95)。S114に進む。
次いで、S114において、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読出し、S92,S94またはS95の処理で選択した判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブル部のデータを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(S114)。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読出し、S92,S94またはS95の処理で選択した判定テーブルにおいて、変動パターン判定テーブル部におけるS114で決定した変動パターン種別に関するデータを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S115)。
なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値に基づいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
また、始動入賞のタイミングでランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を抽出せず、S114で変動パターン種別を決定するときに、ランダム2を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値に基づいて変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S116)。
また、特別図柄の変動を開始する(S117)。たとえば、S32の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットすることにより、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて、前述のように変動表示を開始させる。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示を開始させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示を開始させる。なお、S32の特別図柄表示制御処理においては、開始フラグを参照して特別図柄の変動表示を開始するのではなく、特別図柄プロセス処理のプロセスの状態を参照して特別図柄の変動表示を開始するようにしてもよい。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S118)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S119)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果に基づいて、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、予め非リーチ用の変動パターン種別判定テーブルと、リーチ用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき、リーチ判定結果に基づいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
前述した表示結果指定コマンド送信処理(S302)においては、CPU56が、決定されている大当りの種類、または、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定コマンドのいずれかの演出制御コマンド(図12参照)を送信する制御を行なう。
図24は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(S303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(S125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(S126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新する(S127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図25は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動表示を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドをセットする(S132)。これにより、図柄確定指定コマンドが図6のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、S139に移行する(S133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグをリセットし(S134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に、決定された当りの種別に応じて、大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンド、または、小当り/突確開始指定コマンドのいずれかのコマンド(大当り開始指定コマンド)をセットする(S135)。
これにより、セットされた大当り開始指定コマンドが図6のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。具体的には、大当りの種別が通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突確大当りである場合には小当り/突確開始指定コマンドを送信する。大当りの種別が通常大当り、確変大当り、突確大当りのいずれに該当するかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
また、大入賞口制御タイマに、大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S136)。以降、大入賞口開放前処理において、大入賞口制御タイマが1減算されて、0になると大入賞口が開放されてラウンドが開始される。
また、また、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、前述したROM54に記憶されている開放パターンデータを参照し、開放回数(たとえば、通常大当りおよび確変大当りの場合には15回。突確大当りの場合には2回。)、開放時間(たとえば、通常大当りおよび確変大当りの場合には29秒。突確大当りの場合には0.5秒)、ラウンド間のインターバル時間(たとえば、通常大当りおよび確変大当りの場合には5秒。突確大当りの場合には0.5秒。)等の開放態様を示すデータを所定の記憶領域にセットする(S137)。このようなデータのうち、開放回数のデータは、開放回数を計数するための開放回数カウンタにセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新する(S138)。
なお、通常大当りおよび確変大当りと、突確大当りとで、ラウンド数を同じラウンド数とする場合には、S137においてセットする開放回数のデータとして固定値(たとえば15回)を用いればよいので、大当り遊技状態の開放回数を設定するための処理を簡素化することができる。
S139では、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(S139)。時短フラグがセットされている場合には、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否か確認する(S139A)。確変フラグがセットされていない場合には、非確変状態かつ時短状態のとき、すなわち、通常大当りの大当り遊技状態終了後の時短状態である。
通常大当りの大当り遊技状態終了後の時短状態は、変動表示が100回実行されるまでと、次の大当りが発生するまでとのいずれかの条件が成立するまで継続させる必要がある。このような変動表示100回という継続期間は、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタを、変動表示が実行されるごとに特別図柄停止処理で更新することにより管理される。このような管理を行なうため、S139Aで確変フラグがセットされていないと判断されたときは、時短回数カウンタの値を−1する(S140)。時短回数カウンタは、後述するように、通常大当りの大当り遊技状態の終了時において、大当り終了処理(S307)において、所定回数(100回)に対応する値(100)にセットされる。
そして、時短回数カウンタの値が0になったか否かを確認し(S141)、時短回数カウンタの値が0になった場合は、通常大当り後の時短状態の継続期間が終了したと判断して、時短フラグをリセットする(S142)。これにより、遊技状態が時短状態から通常状態(非時短状態)に移行する。そして、CPU56は、遊技状態が時短状態から通常状態(非時短状態)に移行したことに応じて、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する通常状態指定コマンドをセットし(S143)、S144に進む。これにより、通常状態指定コマンドが図6のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、S139で時短フラグがセットされていないとき、または、S139Aで確変フラグがセットされているときは、通常大当り終了後の時短状態に該当しないので、そのままS144に進む。また、S141で時短回数カウンタの値が0になっていないときには、時短状態の継続中なので、そのままS144に進む。
S144において、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否か確認する(S144)。小当りフラグがセットされている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する小当り/突確開始指定コマンドをセットする(S145)。これにより、小当り/突確開始指定コマンドが図6のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。また、大入賞口制御タイマに、小当り表示時間(小当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S146)。以降、小当り開始前処理において、大入賞口制御タイマが1減算されて、0になると大入賞口が開放開始される。
また、前述したROM54に記憶されている開放パターンデータを参照し、小当りに応じた開放回数(たとえば、2回)、開放時間(たとえば、0.5秒)、ラウンド間のインターバル時間(たとえば、0.5秒)等の開放態様を示すデータを所定の記憶領域にセットする(S147)。このようなデータのうち、開放回数のデータは、開放回数を計数するための開放回数カウンタにセットされる。そして、そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(S308)に対応した値に更新する(S148)。S144で小当りフラグがセットされていない場合には、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S149)。
図26は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(S305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(S401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(S402)、大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ、処理を終了する。これにより、大当り遊技状態の開始時においては、大入賞口制御タイマの値が0になるまで、前述したように設定された大当り表示時間となるので、大当りが発生したことを報知する制御が行なわれる。また、大当り遊技状態中のラウンド間においては、大入賞口制御タイマの値が0になるまで、後述するS440により設定されたインターバル時間となるので、インターバル時間について予め定められた演出をする制御が行なわれる。
大入賞口制御タイマの値が0になっている場合には、CPU56は、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S403)。CPU56は、ラウンド数を、大当り遊技中のラウンド数をカウントするための開放回数カウンタの値を確認することにより認識する。そして、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(特別可変入賞球装置20)を開放する制御を行なうとともに(S404)、開放回数カウンタの値を−1する(S405)。
また、大入賞口制御タイマに、各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間に応じた値として、大当りの種別に応じた開放パターンデータに基づく、当該ラウンドの開放時間に相当する値を設定する(S406)。ラウンドの開放時間としては、S137によりセットされた開放時間のデータが設定される。たとえば、通常大当りおよび確変大当りの場合には開放時間が29秒に設定され、突確大当りの場合には開放時間が0.5秒に設定される。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(S306)に応じた値に更新する(S407)。
図27は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(S306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(S420)。
そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になったか否か確認する(S421)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは、カウントスイッチ23がオンしたか否か確認し(S432)、カウントスイッチ23がオンしていなければ、処理を終了する。カウントスイッチ23がオンした場合には、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントするための入賞個数カウンタの値を+1する(S433)。そして、CPU56は、入賞個数カウンタの値が所定数(たとえば10)になっているか否か確認する(S434)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ、処理を終了する。なお、S421とS432との判定順は逆でもよい。
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているときには、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を閉鎖する制御を行なう(S435)。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(S436)。
次いで、CPU56は、開放回数カウンタの値を確認する(S438)。開放回数カウンタの値が0でない場合には、CPU56は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S439)。そして、大入賞口制御タイマに、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでのインターバル時間に相当する値を設定する(S440)。具体的に、具体的に、インターバル時間としては、S137によりセットされたインターバル時間のデータが設定される。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に応じた値に更新する(S441)。
また、開放回数カウンタの値が0である場合に、CPU56は、大当り種別に応じた大当り終了コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御を行なう(S442)。具体的に、S442では、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて、大当り種別を確認する。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマに大当り終了時間(大当り遊技が終了したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定し(S443)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(S307)に応じた値に更新し(S444)、処理を終
了する。
図28は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了時間が設定された大入賞口制御タイマの値を1減算する(S154)。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になっているか否(大当り終了時間が経過したか否か)確認する(S155)。大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば、大当りの種別が確変大当りまたは突確大当りであったか否か確認する(S158)。
大当りの種別が確変大当りまたは突確大当りであった場合には、確変フラグをセットし(S159)、遊技状態を確変状態に移行させる。そして、大当りの種別が突確大当りであるか否か確認する(S160)。大当りの種別が突確大当りであるときには、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S164)、処理を終了する。一方、大当りの種別が突確大当りでないとき(確変大当りであるとき)には、S161に移行する。また、S158において大当りの種別が確変大当りまたは突確大当りでなかった場合(通常大当りである場合)には、S161に移行する。これにより、S161に移行するのは、大当りの種別が通常大当りまたは確変大当りのときである。
S161では、時短フラグをセットする(S161)。そして、確変フラグがセットされているか否かを確認する(S161A)。確変フラグがセットされていないときは、消去法的に通常大当りの大当り遊技状態の終了時であり、時短回数カウンタにたとえば100をセットし(S162)、S163に進む。これにより、通常大当りの大当り遊技状態の終了後には、変動表示が100回実行されるまでの期間継続して時短状態に制御されることとなる。一方、確変フラグがセットされているときは、消去法的に確変大当りの大当り遊技状態の終了時であり、そのままS163に進む。これにより、確変大当りのときには、変動表示の実行回数に制限されず、次回の大当りまで継続して時短状態に制御されることとなる。S163では、CPU56は、時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を行なう(S163)。これにより、時短状態指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。次いで、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S164)、処理を終了する。
なお、取り扱うタイマやフラグは異なるものの、S308の小当り開放前処理はS305の大当り開放前処理と同様の処理であり、S309の小当り開放中処理はS306のラウンド中処理と同様の処理であり、S310の小当り終了処理はS307の大当り終了処理と同様の処理である。ただし、小当り終了処理においては、大当り終了処理の場合と異なり、確変フラグおよび時短フラグのセットは行なわれない。したがって、小当りのときには、確変フラグおよび時短フラグのセット/リセットは行なわれない。
前述したように、時短状態となるときに、時短状態指定コマンドを送信することにより、演出制御用マイクロコンピュータ100において、時短状態であることを認識することができる。
次に、普通図柄の表示結果を決定するために用いる普通図柄表示結果決定テーブルについて説明する。図29は、普通図柄表示結果決定テーブルを示す説明図である。普通図柄表示結果決定テーブルは、ROM54に記憶されている。
普通図柄表示結果決定テーブルにおいては、普通図柄当り判定用のランダム4(1〜201)の値(決定値)と、普通図柄の表示結果と、普通図柄の変動時間と、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間および開放回数との関係が、通常遊技状態(電チューサポート制御がされていない遊技状態)と、電チューサポート制御状態とに分けて示されている。
通常遊技状態のときにおいて、決定値が1〜20のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果を当りとし、変動時間が10秒間に設定されるとともに、開放時間が0.3秒間で1回開放することに設定される。一方、通常遊技状態のときにおいて、決定値が21〜201のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果をはずれとし、変動時間が10秒間に設定される。
また、電チューサポート制御状態のときにおいて、決定値が1〜180のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果を当りとし、変動時間が1秒間に設定されるとともに、開放時間が1.5秒間で3回開放することに設定される。一方、電チューサポート制御状態のときにおいて、決定値が181〜201のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果をはずれとし、変動時間が1秒間に設定される。
このように、普通図柄の制御に関し、電チューサポート制御状態のときには、通常遊技状態と比べて、決定値が当りとなる割合が高くなるように設定され、変動時間が短くなるように設定され、さらに、開放時間および開放回数が増加するように設定される。
図30は、図6のS27において実行される普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄プロセス処理において、CPU56は、まず、ゲート32に設けられたゲートスイッチ32aからの検出信号がオン状態であるか否かをチェックすることにより、ゲート32を通過した遊技球が検出されたか否かの判定を行なう(S501)。S501では、遊技球がゲート32を通過してゲートスイッチ32aからの検出信号が所定期間オン状態となった場合に、遊技球のゲート通過(通過球)の検出があったものと判断して、ゲート通過時処理を実行する(S502)。
S502において実行されるゲート通過時処理の一例として、以下のような処理が実行される。まず、RAM55の所定領域に設けられた普図保留記憶部に記憶されている普図保留記憶データの個数である普図保留記憶数が、所定の上限値(たとえば「4」)となっているか否かを判定する。普図保留記憶部は、ゲートスイッチ32aにより遊技球のゲート通過が検出されたときに抽出した普通図柄の表示結果決定用のランダム4の数値データを普図保留記憶データとして、最大限4つ保留記憶するデータ記憶領域を有する。この普図保留記憶部は、前述した第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファと同様に、普図保留記憶データを格納された順番を特定可能な状態で保存していき、順番にしたがって変動表示に使用された普図保留記憶データを消去し、残りの普図保留記憶データについてデータ記憶領域を1つずつシフトしていく構成となっている。
S502において、普図保留記憶数が上限値未満であるときには、CPU56が、ランダム4を示す数値データを抽出する。そして、抽出したランダム4の数値データを普図保留記憶データとして、普図保留記憶部でデータが記憶されずに空いているデータ記憶領域のうち先頭順番の領域にセットする。一方、普図保留記憶部において、普図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の遊技球の検出は無効として、ランダム4の数値データの新たな抽出および記憶は行なわない。
ゲート通過時処理を実行した後、および、S501でゲートスイッチ32aからの検出信号がオフ状態であると判定された後には、普通図柄プロセスフラグの値に応じて、以下のようなS510〜S514の各処理を実行する。
S510の普通図柄通常処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部に格納された普図保留記憶データの有無等に基づいて、普通図柄表示器10による普通図柄の変動表示を開始するか否かの判定が行なわれる。このとき、たとえば普図保留記憶部に格納された普図保留記憶データがある場合には、普通図柄プロセスフラグの値を「1」に更新する。
S511の普通図柄判定処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「1」のときに実行される。この普通図柄判定処理では、時短フラグがセットされているか否かに基づいて、電チューサポート制御状態であるか否かを認識し、普図保留記憶部の先頭順番に格納された普図保留記憶データ(普通図柄の表示結果決定用のランダム4を示す数値データ)に基づき、図29に示す普通図柄表示結果決定テーブルを参照して、普通図柄の変動表示における表示結果を、「当り」とするか「はずれ」とするかの決定等が行なわれる。
前述したように、普通図柄表示結果決定テーブルでは、時短状態に対応した電チューサポート制御状態である場合に、非電チューサポート制御状態である通常遊技状態である場合よりも普通図柄の表示結果を「当り」とする決定がなされる割合が高くなるように、ランダム4と比較される決定値が割振られている。これにより、電チューサポート制御状態では、S511の普通図柄判定処理において、通常遊技状態と比べて普通図柄の表示結果が「当り」と判定されやすくなることで、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口14が開放状態となりやすく、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。
また、普通図柄判定処理では、普通図柄表示結果決定テーブルを用いて、普通図柄の変動時間も決定される。前述したように、普通図柄表示結果決定テーブルでは、時短状態に対応した電チューサポート制御状態である場合に、非電チューサポート制御状態である通常遊技状態である場合よりも普通図柄の変動時間が短くなるように設定されている。これにより、電チューサポート制御状態では、S511の普通図柄判定処理において、時短フラグがセットされているときに電チューサポート制御状態であると認識し、通常遊技状態と比べて普通図柄の変動時間が短くなるように変動時間が決定される。電チューサポート制御状態では、普通図柄の変動表示結果が導出表示される間隔が短くなることで、「当り」の変動表示結果が導出表示される間隔も短くなり、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口14が開放状態となりやすく、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。
さらに、普通図柄判定処理では、普通図柄表示結果決定テーブルを用いて、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間および開放回数も決定される。前述したように、普通図柄表示結果決定テーブルでは、時短フラグがセットされているときに電チューサポート制御状態であると認識し、電チューサポート制御状態である場合に、非電チューサポート制御状態である通常遊技状態である場合よりも、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が多くなるように設定されている。したがって、電チューサポート制御状態である場合に、非電チューサポート制御状態である通常遊技状態である場合よりも、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が多くなるような制御が行なわれる。これにより、電チューサポート制御状態では、開放時間が長くなり、かつ、開放回数が多くなることで、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)が開放状態となる時間および回数が増加し、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。
普通図柄判定処理では、このような各種判定がされた後、普通図柄プロセスフラグの値を「2」に更新する。
S512の普通図柄変動処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示器10による普通図柄の変動表示において普通図柄を変動させるための設定が行なわれる。こうした設定に基づいて変動表示する普通図柄は、S513の普通図柄停止処理が実行されることにより、その変動表示が停止して普通図柄の表示結果となる普通図柄の表示結果が表示される。普通図柄変動処理では、普通図柄が変動表示を開始してからの経過時間が計測される。このときには、計測された経過時間が、普通図柄判定処理で決定された変動時間に達したか否かの判定が行なわれる。そして、決定された変動時間に達したときには、普通図柄プロセスフラグの値を「3」に更新する。
S513の普通図柄停止処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示を停止して表示結果を導出表示させるための設定が行なわれる。なお、普通図柄の表示結果を導出表示させるための設定は、S512の普通図柄変動処理において、計測された経過時間が決定された変動時間に達したときに、普通図柄プロセスフラグの値を「3」に更新する以前に行なわれるようにしてもよい。また、普通図柄停止処理では、普通図柄判定処理で決定された普通図柄の表示結果が「当り」である場合に、普通図柄判定処理で決定された開放時間および開放回数で可変入賞球装置15を開閉するようにソレノイド16を駆動する作動パターンの設定を行なってから、普通図柄プロセスフラグの値が「4」に更新される。一方、普通図柄判定処理で決定された普通図柄の表示結果が「はずれ」である場合には、普通図柄プロセスフラグをクリアして、その値を「0」に更新する。
S514の普通電動役物作動処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普通図柄の変動表示における表示結果が「当り」となったことに対応して、可変入賞球装置15において可動片を開放状態に動作させることにより、第2始動入賞口14を閉状態から開状態に変化させる制御が行なわれる。たとえば、普通電動役物作動処理では、S513の普通図柄停止処理においてセットされた作動パターンの設定に応じて、ソレノイド16を駆動するための駆動制御信号を生成することにより、可変入賞球装置15を、普通図柄判定処理で決定された開放時間および開放回数で開状態とする制御を行なう。これにより、図29に示すような遊技状態および表示結果に応じた動作パターンで可変入賞球装置15が開閉動作させられることとなる。そして、作動パターンの設定に応じたソレノイド16の駆動が終了すると、普通図柄プロセスフラグをクリアして、その値を「0」に更新する。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100で実行される制御を説明する。図31は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。
図31には、一例として、演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、各種の演出決定用のSR2、擬似連時第1仮停止図柄決定用のSR4−1、擬似連時第2仮停止図柄決定用のSR4−2、擬似連時第3仮停止図柄決定用のSR4−3、擬似連時第4仮停止図柄決定用のSR4−4、潜伏演出選択用のSR5、スーパーリーチの演出態様選択用のSR6、および、スーパーリーチ発展前仮停止図柄選択用のSR7が示されている。
SR1−1,SR1−2,SR1−3は、演出図柄の左,中,右の停止図柄(仮停止図柄を除く最終的な停止図柄)をランダムに決定するために用いられる。SR2は、演出表示装置9で表示される画像による演出内容等の各種の演出内容をランダムに決定するために用いられる。擬似連時第1仮停止図柄決定用のSR4−1〜擬似連時第4仮停止図柄決定用のSR4−4のそれぞれは、前述したような擬似連の演出が行なわれるときの第1回目の再変動後の仮停止時の仮停止図柄〜第4回目の再変動後の仮停止時の仮停止図柄を決定するために用いられる。乱数SR5は、特定演出の有無と実行タイミングとをランダムに決定するための用いられる。
このような乱数SR1−1〜SR5のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、図31において対応付けられた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
図32は、演出表示装置9における演出図柄(飾り図柄)の停止図柄の一例を示す説明図である。
図32に示す例では、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンドが、通常大当りを示している場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)には、停止図柄として左,中,右の3図柄が偶数図柄で揃った演出図柄の組合せ(通常大当り図柄の組合せ)を決定する。
演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンドが、確変大当りを示している場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)には、停止図柄として左,中,右の3図柄が奇数で揃った演出図柄の組合せ(確変大当り図柄の組合せ)を決定する。そして、はずれの場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)には、上記以外の演出図柄の組合せ(左右不一致、左右のみ一致等のはずれ図柄の組合せ)を決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左,右の2図柄が揃った演出図柄の組合せを決定する。
演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンドが、突確大当りまたは小当りを示している場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンド、または、表示結果5指定コマンドである場合)に、停止図柄として「1,2,3」、「4,5,6」、または、「7,8,9」等の所定の演出図柄の組合せ(確変大当りが潜伏している状態を想起させるような特殊図柄(チャンス目図柄)の組合せ)を決定する。
図33は、演出制御用マイクロコンピュータ100が特定演出の有無と実行タイミングとを決定するときに用いる特定演出決定テーブルを示す説明図である。特定演出決定テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されており、RAMに読出されて使用される。
図33においては、擬似連回数(擬似連なし、擬似連の再変動回数1回〜4回)ごとに特定演出決定用のSR5の値と、特定演出の実行タイミングとの関係が示されている。特定演出決定テーブルにおいては、擬似連なし、および、擬似連1回(再変動回数が1回の擬似連)〜擬似連4回(再変動回数が4回の擬似連)のそれぞれについて、特定演出なし、初回変動時、擬似連1回目、擬似連2回目、擬似連3回目、および、擬似連4回目のうち、いずれか選択されるように、データが設定されている。
特定演出決定テーブルとしては、(A)に示すようなはずれ時特定演出決定テーブルと、(B)に示すような大当り時特定演出決定テーブルとが設けられている。受信した表示結果指定コマンドが、はずれを示している場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)には、(A)のはずれ時特定演出決定テーブルが用いられ、受信した表示結果指定コマンドが、通常大当りまたは確変大当りを示している場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンド、または、表示結果3指定コマンドである場合)には、(B)の大当り時特定演出決定テーブルが用いられる。
はずれ時特定演出決定テーブルでは、大当り時特定演出決定テーブルと比べて、特定演出なしに決定する割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、特定演出が実行された場合には、特定演出が実行されない場合よりも通常大当りまたは確変大当りとなる可能性(大当り信頼度)を高くすることができる。
はずれ時特定演出決定テーブルと大当り時特定演出決定テーブルとでは、擬似連1回の場合、特定演出が初回変動時に実行される割合、擬似連1回目に実行される割合がそれぞれ異なるようにデータが設定されている。また、擬似連2回の場合にも、特定演出が初回変動時に実行される割合、擬似連1回目に実行される割合、擬似連2回目に実行される割合がそれぞれ異なるようにデータが設定されている。さらに、擬似連3回の場合にも、特定演出が初回変動時に実行される割合、擬似連1回目に実行される割合、擬似連2回目に実行される割合、擬似連3回目に実行される割合がそれぞれ異なるようにデータが設定されている。そして、擬似連4回の場合にも、特定演出が初回変動時に実行される割合、擬似連1回目に実行される割合、擬似連2回目に実行される割合、擬似連3回目に実行される割合、擬似連4回目が実行される割合がそれぞれ異なるようにデータが設定されている。
このような構成によれば、擬似連の再変動回数が同一である場合に、初回変動及び擬似連の再変動のうちのいずれか一の変動において特定演出が実行されるか、換言すれば特定演出の実行タイミングが異なってくるため、特定演出の実行タイミングに対して遊技者の注目を集め、遊技興趣を向上させることができる。
はずれ時特定演出決定テーブルと大当り時特定演出決定テーブルとでは、擬似連1回の場合、初回変動時に特定演出が実行されたときの方が、擬似連1回目に実行されたときよりも、大当り信頼度が高くなるようにデータが設定されている。また、擬似連2回の場合、初回変動時、擬似連1回目、擬似連2回目のうち、擬似連1回目に特定演出が実行されたときが最も大当り信頼度が高くなるようにデータが設定されている。さらに、擬似連3回の場合、初回変動時、擬似連1回目、擬似連2回目、擬似連3回目のうち、擬似連2回目に特定演出が実行されたときが最も大当り信頼度が高くなるようにデータが設定されている。そして、擬似連4回の場合、初回変動時、擬似連1回目、擬似連2回目、擬似連3回目、擬似連4回目のうち、擬似連4回目に特定演出が実行されたときが最も大当り信頼度が高くなるようにデータが設定されている。
このような構成によれば、擬似連の再変動回数によって、大当り信頼度が最も高くなる特定演出の実行タイミングが異なってくる。このため、擬似連の再変動回数と特定演出の実行タイミングとの関係に対する遊技者の興味を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
はずれ時特定演出決定テーブルと大当り時特定演出決定テーブルとでは、擬似連2回の場合、擬似連1回目に特定演出が実行されたときの方が、擬似連2回目に実行されるときよりも、大当り信頼度が高くなるようにデータが設定されている一方で、擬似連3回の場合、擬似連2回目に特定演出が実行されたときの方が、擬似連1回目に実行されるときよりも、大当り信頼度が高くなるようにデータが設定されている。
このような構成によれば、擬似連の再変動回数によって、大当り信頼度が高くなる特定演出の実行タイミングが異ならせることができる。このため、擬似連の再変動回数と特定演出の実行タイミングとの関係に対する遊技者の興味を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
なお、特定演出は、擬似連の再変動回数に関わらず、共通の演出態様(桜柄演出による特殊演出態様)で実行されるため、特定演出の実行タイミングに対してのみ、遊技者の注目を集めることができる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図34は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、図9に示すようなSR1−1,SR1−2,SR1−3、および、SR2〜SR5を含む各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。また、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。具体的に、前述の第1保留記憶数記憶領域に記憶された第1保留記憶数のデータ対応して第1保留記憶表示部18cにおいて第1保留記憶数を表示する制御を行なう。また、前述の第2保留記憶数記憶領域に記憶された第2保留記憶数のデータ対応して第2保留記憶表示部18dにおいて第2保留記憶数を表示する制御を行なう。その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図35は、図34に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御する。また、演出図柄の停止図柄(表示結果)をSR1−1〜SR1−3等に基づいて決定する。変動表示の開始時に、受信した変動パターンコマンドに対応して実行する変動表示の変動時間を計時する変動表示時間タイマの計時をスタートさせる。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミング等を制御するとともに、変動表示時間タイマにより計時される変動時間が終了したか否かを監視する。そして、変動時間が終了したか、または、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、変動表示を終了させるために、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
演出制御用CPU101は、たとえば、次のように演出図柄の停止図柄を決定する。たとえば、演出図柄変動開始処理において、演出図柄の停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3を抽出し、これらと、演出図柄を示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルとを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。そして、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示を停止するときに、このように決定された停止図柄で演出図柄を停止させる。演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
具体的に、演出図柄の停止図柄は、たとえば、次のように決定する。非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合においては、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されたはずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せまたは特殊図柄(チャンス目)の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合においては、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が最終停止図柄の停止図柄として決定される。
大当りの図柄の組合せを決定する場合においては、大当りの種別に応じて大当り図柄の組合せを決定する。
確変大当りにすることに決定されているときには、奇数大当り図柄決定用テーブルを用いて、たとえば、左,中,右が「7,7,7」というようないずれかの奇数図柄の組合せを選択決定する。奇数大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の奇数図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。奇数図柄の大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、奇数大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、奇数図柄の大当り図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、通常大当りにすることに決定されているときには、偶数大当り図柄決定用テーブルを用いて、たとえば、左,中,右が「2,2,2」というようないずれかの偶数図柄の組合せを選択決定する。偶数大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の偶数図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。偶数大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、偶数大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、偶数大当り図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。
また、確変大当りまたは小当りにすることに決定されているときには、特殊図柄決定用テーブルを用いて、たとえば、左,中,右が「1,2,3」、「4,5,6」、または、「7,8,9」の演出図柄の組合せとして選択決定する。
図36は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態の開始時から大当り遊技状態の終了時までの予め定められた演出制御期間中において、プロセステーブルに設定されているプロセスデータにしたがって演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセ
ステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。
図36に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示を行なうときに、S801〜S803において、変動パターンに応じて選択したプロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27R,27L)の制御を実行する。たとえば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27R,27Lからの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行なわれるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
図37は、図35に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。
演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S501)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、コマンド解析処理により当該変動表示について表示結果1指定コマンドを受信したことを示すデータがRAMに設けられた変動パターンコマンド格納領域に格納されているか否かによって判定される。なお、はずれとすることに決定されているか否かは、当り(大当り、小当り)とするか否かを特定可能な変動パターンコマンドの種類に基づいて、確認するようにしてもよい。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、リーチとならない非リーチ変動パターン(通常変動の変動パターン)に対応したコマンド(通常変動の変動パターンを示す変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する(S502)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、演出制御用CPU101は、予め定められたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、演出図柄のリーチにならないはずれの停止図柄を決定し(S504)、S506へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。S504の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されたはずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然、大当り図柄の組合せ(確変大当り図柄の組合せ、通常大当り図柄の組合せ、突確大当り図柄の組合せ(この実施形態では小当り図柄の組合せと同じ))、または、小当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然、リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S502の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)に、演出制御用CPU101は、リーチの組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S505)、S516へ進む。S505の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然、大当り図柄の組合せ、突確大当り図柄の組合せ(小当り図柄の組合せも同様)、または、小当り図柄の組合せとなってしまうときには、チャンス目以外のはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、はずれとすることに決定されていない場合に(S501)、演出制御用CPU101は、大当りおよび小当りを含む当りの種別に応じて、当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S503)、S506へ進む。
S503では、以下のように、当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。
演出制御用CPU101は、表示結果2指定コマンド〜表示結果5指定コマンドのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、大当りの種別を判定するとともに、小当りであることを判定する。
確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、確変大当り図柄決定用テーブルを用いて、確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」というようないずれかの奇数図柄の組合せ)を選択決定する。確変大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の確変大当り図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。確変大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、確変大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、確変大当り図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、演出制御用CPU101は、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、通常大当り図柄決定用テーブルを用いて、通常大当り図柄の組合(たとえば、左,中,右が「2,2,2」というようないずれかの偶数図柄のゾロ目の組合せ)を選択決定する。通常大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の通常大当り図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。通常大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、通常大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、通常大当り図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する
。
また、演出制御用CPU101は、突確大当りにすることに決定されていると判定したときには、突確図柄決定用テーブルを用いて、突確大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「1,2,3」、「4,5,6」、または、「7,8,9」等のチャンス目の組合せ)を選択決定する。突確図柄決定用テーブルは、複数種類の突確大当り図柄の組合せのそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。突確大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、突確図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、突確図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。
また、演出制御用CPU101は、小当りにすることに決定されていると判定したときには、小当り図柄決定用テーブルを用いて、小当り大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「1,2,3」、「4,5,6」、または、「7,8,9」等のチャンス目の組合せ)を選択決定する。小当り図柄決定用テーブルは、複数種類の小当り図柄の組合せのそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。小当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、小当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、小当り図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。なお、小当り図柄決定テーブルにおける複数種類のチャンス目は、すべてが突確図柄決定用テーブルにおけるチャンス目と同じものであってもよく、一部が突確図柄決定用テーブルにおけるチャンス目と同じものであってもよい。また、小当り図柄決定テーブルにおける複数種類のチャンス目は、すべてが突確図柄決定用テーブルにおけるチャンス目と異なるが類似していて見分けがつきにくものであってもよい。
次に、演出制御用CPU101は、「擬似連」のような仮停止図柄を決定する必要がある演出としての仮停止演出が行なわれるか否かを判定する(S506)。仮停止演出が行なわれるか否かは、変動パターンコマンドにより「擬似連」であることが示されているか否かに応じて判断する。仮停止演出が行なわれないときには、演出設定処理を終了し、仮停止演出が行なわれるときには、次のように仮停止図柄を決定する。
演出制御用CPU101は、「擬似連」のような仮停止演出が行なわれるときには、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶された擬似連時仮停止図柄決定用テーブルを用いて、複数種類の仮停止図柄の組合せの中から使用する仮停止図柄の組合せを決定し(S507)、S508に進む。擬似連時仮停止図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の擬似連チャンス目よりなる仮停止図柄の組合せのそれぞれに、SR4−1〜SR4−4のそれぞれの数値データが対応付けられている。SR4−1から抽出された数値データに基づいて決定された仮停止図柄が擬似連時第1仮停止図柄として決定される。SR4−2から抽出された数値データに基づいて決定された仮停止図柄が擬似連時第2仮停止図柄として決定される。SR4−3から抽出された数値データに基づいて決定された仮停止図柄が擬似連時第3仮停止図柄として決定される。SR4−4から抽出された数値データに基づいて決定された仮停止図柄が擬似連時第4仮停止図柄として決定される。
具体的に、「擬似連」の演出である場合には、擬似連のたとえば、擬似連3回の変動パターンのときには、擬似連時第1仮停止図柄決定用乱数SR4−1〜擬似連時第3仮停止図柄決定用乱数SR4−3を選択し、それぞれの乱数を抽出して、第1回目仮停止時の仮停止図柄〜第3回目仮停止時の仮停止図柄のそれぞれを決定する。
一方、「擬似連」のような仮停止演出が行なわれないときには、仮停止図柄の組合せを決定せず、S520に進む。
S508では、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S508)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、コマンド解析処理により当該変動表示について表示結果1指定コマンドを受信したことを示すデータがRAMに設けられた変動パターンコマンド格納領域に格納されているか否かによって判定される。なお、はずれとすることに決定されているか否かは、当り(大当り、小当り)とするか否かを特定可能な変動パターンコマンドの種類に基づいて、確認するようにしてもよい。はずれとすることに決定されている場合には、特定演出用のSR5を抽出し、図33(A)のはずれ時特定演出決定テーブルを用いて、擬似連の再変動回数に応じ、特定演出なし、初回変動時、擬似連1回目、擬似連2回目、擬似連3回目、擬似連4回目のうち、いずれかに決定することにより、特定演出の有無及び実行タイミングを決定し(S511)、S520に進む。
また、はずれとすることに決定されていない場合に(S508)、演出制御用CPU101は、表示結果2指定コマンド〜表示結果5指定コマンドのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、通常大当りまたは確変大当りであることを判定する(S509)。
通常大当りまたは確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、特定演出用のSR5を抽出し、図33(B)の大当り時特定演出決定テーブルを用いて、擬似連の再変動回数に応じ、特定演出なし、初回変動時、擬似連1回目、擬似連2回目、擬似連3回目、擬似連4回目のうち、いずれかに決定することにより、特定演出の有無及び実行タイミングを決定し(S510)、S520に進む。
一方、通常大当りまたは確変大当りにすることに決定されていると判定したとき、すなわち、突確大当りまたは小当りに決定されていると判定したときには、特定演出の有無及び実行タイミングを決定せず、S520に進む。
S520において、演出制御用CPU101は、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンうちのいずれかに決定する(S520)。S520において、演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンにより指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを変動表示の演出として使用する演出制御パターンとして選択決定する。このようなS520における演出制御パターンの選択に際しては、さらに、変動パターン指定コマンドによって擬似連のような仮停止演出を実行することが指定されたときには、S507の処理で決定した仮停止図柄で仮停止が行なわれるとともに、S510及びS511のいずれかで決定したタイミングで特定演出を実行するようなものにする。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連の演出による演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
次いで、演出制御用CPU101は、S520で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S521)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S522)。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S524)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。また、可動部材制御データにしたがって、可動部材78を動作させるための駆動信号を出力する。
そして、変動表示時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S525)。変動表示時間タイマは、演出図柄の変動を開始してから最終停止図柄を停止表示するまでの変動時間を計測するためのタイマである。その後、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にし(S526)、処理を終了する。
図38は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。
演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S841)、変動表示時間タイマの値を1減算する(S842)。そしてプロセスタイマがタイムアウトしているか否かを判断する(S843)。
プロセスタイマがタイムアウトするまで(S843N)は、S846に進む。S843においてプロセスタイマがタイムアウトしたと判断したときは(S843Y)、プロセスデータの切替えを行なう(S844)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S844)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、および、音番号データ等のプロセスデータに基づいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する等、次のプロセスデータの内容にしたがって、演出装置を制御する(S845)。
このように、プロセスタイマを用いて時間管理を行なって、プロセスデータを順次切替えていくことにより、たとえば、図9〜図11に示すような変動表示制御を含む各種演出制御が行なわれる。
次に、演出制御用CPU101は、変動表示時間タイマの値に基づいて、変動表示時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(S847)。変動表示時間タイマがタイムアウトしていれば(S847でY)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S849)。一方、変動表示時間タイマがタイムアウトしていないときは(S847でN)、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(S848)。確定コマンド受信フラグがセットされていないときは(S848でN)、演出図柄変動中処理が終了する。一方、確定コマンド受信フラグがセットされているときは(S848でY)、S849に移行する。変動表示時間タイマがタイムアウトしていなくても(S848でN)、図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、たとえば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
なお、「擬似連」の演出を含む変動パターンに基づいてS841〜S845の処理を実行する部分は、再変動演出を実行する再変動演出制御処理に相当する。
たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させる。変動表示は、各変動パターンコマンドに対応する変動時間で実行されるように制御される。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる通常状態指定コマンド、時短状態指定コマンド、および、確変終了指定コマンド等に基づいて、遊技状態がどのような状態にあるかを特定するデータを記憶し、その記憶データに基づいて、遊技状態を常に認識する。そして、このように認識している遊技状態と、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる変動パターンコマンドとに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、現在の遊技状態に応じた演出態様で演出図柄の変動表示を実行させる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図33(A)に示すはずれ時特定演出決定テーブルでは、図33(B)に示す大当り時特定演出決定テーブルと比べて、特定演出なしに決定する割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、特定演出が実行された場合には、特定演出が実行されない場合よりも通常大当りまたは確変大当りとなる可能性(大当り信頼度)を高くすることができる。
はずれ時特定演出決定テーブルと大当り時特定演出決定テーブルとでは、擬似連1回の場合、特定演出が初回変動時に実行される割合、擬似連1回目に実行される割合がそれぞれ異なるようにデータが設定されている。また、擬似連2回の場合にも、特定演出が初回変動時に実行される割合、擬似連1回目に実行される割合、擬似連2回目に実行される割合がそれぞれ異なるようにデータが設定されている。さらに、擬似連3回の場合にも、特定演出が初回変動時に実行される割合、擬似連1回目に実行される割合、擬似連2回目に実行される割合、擬似連3回目に実行される割合がそれぞれ異なるようにデータが設定されている。そして、擬似連4回の場合にも、特定演出が初回変動時に実行される割合、擬似連1回目に実行される割合、擬似連2回目に実行される割合、擬似連3回目に実行される割合、擬似連4回目が実行される割合がそれぞれ異なるようにデータが設定されている。
このような構成によれば、擬似連の再変動回数が同一である場合に、初回変動及び擬似連の再変動のうちのいずれか一の変動において特定演出が実行されるか、換言すれば特定演出の実行タイミングが異なってくるため、特定演出の実行タイミングに対して遊技者の注目を集め、遊技興趣を向上させることができる。
なお、特定演出は、初回変動及び擬似連の再変動のうち、いずれか一回の変動において実行されるものに限定されるものではなく、初回変動及び擬似連の再変動のうち、複数回の変動において継続的あるいは断続的に行われるものであってもよい。
(2) また、特定演出は、擬似連の再変動回数に関わらず、共通の演出態様(桜柄演出による特殊演出態様)で実行されるため、特定演出の実行タイミングに対してのみ、遊技者の注目を集めることができる。なお、特定演出は、擬似連の再変動回数に応じて、異なる演出態様で行われるものであってもよい。例えば、擬似連の再変動回数が「2回」である場合には、特定演出として桜柄演出を実行する一方で、擬似連の再変動回数が「3回」である場合には、特定演出として桜柄演出とは演出態様の異なる唐草模様演出を実行するようにしてもよい。
(3) はずれ時特定演出決定テーブルと大当り時特定演出決定テーブルとでは、擬似連2回の場合、擬似連1回目に特定演出が実行されたときの方が、擬似連2回目に実行されるときよりも、大当り信頼度が高くなるようにデータが設定されている一方で、擬似連3回の場合、擬似連2回目に特定演出が実行されたときの方が、擬似連1回目に実行されるときよりも、大当り信頼度が高くなるようにデータが設定されている。
このような構成によれば、擬似連の再変動回数によって、大当り信頼度が高くなる特定演出の実行タイミングが異ならせることができる。このため、擬似連の再変動回数と特定演出の実行タイミングとの関係に対する遊技者の興味を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
(4) はずれ時特定演出決定テーブルと大当り時特定演出決定テーブルとでは、擬似連1回の場合、初回変動時に特定演出が実行されたときの方が、擬似連1回目に実行されたときよりも、大当り信頼度が高くなるようにデータが設定されている。また、擬似連2回の場合、初回変動時、擬似連1回目、擬似連2回目のうち、擬似連1回目に特定演出が実行されたときが最も大当り信頼度が高くなるようにデータが設定されている。さらに、擬似連3回の場合、初回変動時、擬似連1回目、擬似連2回目、擬似連3回目のうち、擬似連2回目に特定演出が実行されたときが最も大当り信頼度が高くなるようにデータが設定されている。そして、擬似連4回の場合、初回変動時、擬似連1回目、擬似連2回目、擬似連3回目、擬似連4回目のうち、擬似連4回目に特定演出が実行されたときが最も大当り信頼度が高くなるようにデータが設定されている。
このような構成によれば、擬似連の再変動回数によって、大当り信頼度が最も高くなる特定演出の実行タイミングが異なってくる。このため、擬似連の再変動回数と特定演出の実行タイミングとの関係に対する遊技者の興味を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
(5) 図18および図19と、図20とを比較して、突確大当りとなるときには、確変大当りまたは通常大当りとなるときと比べて、擬似連で変動表示が行なわれるときにおいて擬似連の再変動の回数が少ない変動パターンを選択する割合が高くなるように設定されている。これにより、擬似連で変動表示が行なわれるときに、擬似連の再変動の回数が少ないときには、擬似連の再変動の回数が多いときと比べて、突確大当りとなる割合が高いので、擬似連で変動表示が行なわれるときに、再変動の回数が少なくても、確変状態の発生に対する期待感を遊技者に持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(6) 図11に示すように、擬似連チャンス目が表示される前のタイミングにおいて、擬似連の演出表示(再変動)が繰返し行なわれるか否かの演出が行なわれることにより、遊技者の期待感を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
(7) 図20と、図21とを比較して、スーパーリーチに関して、突確大当りとなるときと、小当りとなるときとで、擬似連の再変動回数により、選択される割合が高いスーパーリーチの種類が異なる。たとえば、擬似連の再変動回数が1回の場合には、突確大当りとなるときにはスーパーリーチBが選択される割合が高く、小当りとなるときにはスーパーリーチCが選択される割合が高い。そして、擬似連の再変動回数が2回〜4回の場合には、突確大当りとなるときにはスーパーリーチCが選択される割合が高く、小当りとなるときにはスーパーリーチBが選択される割合が高い。このように、突確大当りとすることが決定されたときのリーチ演出の態様と、小当りとすることが決定されたときのリーチ演出の態様とが異なる割合となるように、擬似連の変動パターンのいずれかが選択されるこれにより、擬似連の再変動回数と表示されるスーパーリーチの種類とに基づき、突確大当りと小当りとのどちらである可能性が高いかを遊技者が推測することが可能となる。このため、いずれのリーチ演出が実行されるかにも、遊技者の注意をひくことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(2) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
(3) 前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(4) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(5) 時短状態を実現するための制御としては、時短状態に制御されたときに、変動パターンのうち、非時短状態と比べて、変動時間が比較的短い変動パターンの選択割合を増加させることにより時短状態となるようにしてもよい。また、時短状態を実現するための制御としては、非時短状態専用の複数種類の変動パターンと、当該変動パターンよりも平均的な変動時間が短い時短状態専用の複数種類の変動パターンとを設け、非時短状態においては非時短状態専用の複数種類の変動パターンから変動パターンを選択し、時短状態においては時短状態専用の複数種類の変動パターンから変動パターンを選択することにより、時短状態を実現するようにしてもよい。
(6) 前述の実施形態では、大当り種別として、15ラウンドの大当りと2ラウンドの大当りとを設けた例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り、5ラウンドの大当り、および、2ラウンドの大当りを設ける場合のように、3種類以上のラウンド数の大当り種別を設けてもよい。その場合には、たとえば、大当りの種別を、賞球が得られやすい大当り種別グループ(たとえば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り)と、賞球が得られにくい大当り種別グループ(たとえば、5ラウンドの大当り、2ラウンドの大当り)とに分類し、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、賞球が得られやすい大当り種別グループの大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。そのときには、前述した実施形態に示したような時短状態に関する制御を、賞球が得られやすい大当り種別グループの大当り種別については、前述した実施形態での15ラウンドの大当りと同様の制御を行ない、賞球が得られにくい大当り種別グループの大当り種別については、前述した実施形態での2ラウンドの大当りと同様の制御を行なうことにより、グループ単位で、前述のような変動時間の制御を行なうようにしてもよい。
(7) 前述した実施形態では、保留記憶数に応じて変動パターンの選択割合を異ならせる制御を行なう例を示した。しかし、これに限らず、保留記憶数に応じて変動パターンの選択割合を異ならせる制御は行なわないようにしてもよい。
(8) 前述した実施形態では、大当り種別と大当り図柄とを1対1で対応させておき、同じ乱数値(ランダム1)を用いて同時に選択する例を示した。しかし、これに限らず、各大当り種別につき、複数の大当り図柄のそれぞれを、大当り種別決定用の乱数値とは別に設けた大当り図柄決定用の乱数値により対応付けておき、大当り種別を決定した後に、大当り図柄決定用の乱数値を用いて、決定された大当り種別に含まれる複数の大当り図柄のうちから1つの大当り図柄を選択決定する処理を行なうようにしてもよい。
(9) 前述した実施形態では、賞球が得られやすい大当り(15ラウンドの大当り)と、賞球が得られにくい大当り(突確大当り)とについて、大当り遊技状態における特別可変入賞球装置20の開放回数で大当りの種別を分ける例を示した。しかし、これに限らず、賞球が得られやすい大当りと、賞球が得られにくい大当りとについて、開放回数を同じとし、賞球が得られやすい大当りについては賞球が得られやすい長い開放時間とし、賞球が得られにくい大当りについては賞球が得られにくい極めて短い開放時間とするようにしてもよい。このような場合には、前述したような小当りを設けるときにも、賞球が得られにくい大当りと同様の開放回数および開放時間とする。このようにすれば、大当り時の開放回数を区別するために表示するランプ(ラウンドランプ)を設ける必要がなくなるので、パチンコ遊技機1の外部から確変状態であるか否かを全く判別できなくすることができる。
(10) 前述した実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、スーパーリーチを含むリーチ演出の種類、擬似連の有無、および、擬似連の再変動回数を決定し、演出制御用マイクロコンピュータ100において特定演出の有無および実行タイミングを決定する例を示した。しかし、これに限らず、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、スーパーリーチを含むリーチ演出の種類、擬似連の有無、擬似連の再変動回数、ならびに、特定演出の有無および実行タイミングを決定し、これら決定結果を演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドにより指示するようにしてもよい。
(11) 前述した実施の形態では、たとえば、スーパーリーチBのように、擬似連の再変動が行なわれる変動パターンにおいて、同じスーパーリーチであっても、擬似連の再変動回数が少ない場合に、突確大当りとなりやすい制御が行なわれるように構成した例を示した。しかし、これに限らず、スーパーリーチDを設け、当該スーパーリーチDで、擬似連の再変動が行なわれる場合において、同じスーパーリーチでも擬似連の再変動回数が少ない場合に、確変大当りまたは通常大当りとなりやすい制御が行なわれるようにする構成を加えてもよい。このようにすれば、擬似連の再変動回数が同じ少ないときであっても、スーパーリーチBで擬似連の再変動が行なわれるときには突確大当りとなりやすく、スーパーリーチDで擬似連の再変動が行なわれるときには確変大当りまたは通常大当りとなりやすいようにすることができる。このようにすれば、擬似連の再変動回数とリーチ演出との関係に基づいて、発生しやすい大当りの種類が異なるようになるので、遊技の興趣を向上させることができる。
(12) 前述した実施の形態においては、演出図柄の変動表示が開始されてから演出図柄の表示結果が導出表示されるまでに特定の演出表示を所定回数繰返し実行した後リーチ演出を実行する繰返し変動パターンとして、再変動を繰返し実行する変動パターンを一例として示した。しかし、これに限らず、このような繰返し変動パターンとしては、以下に示す変動パターンの他、各種の変動パターンを用いるようにしてもよい。演出図柄の全図柄を仮停止した後に一部の図柄を滑るような態様で更新する演出表示を所定回数繰返し実行した後リーチ演出を実行するような演出を行なうようにしてもよい。また、このような繰返し変動パターンとしては、演出図柄の全図柄を仮停止した後に一部または全部の図柄を再変動して所定の予告を実行する演出表示を所定回数繰返し実行した後リーチ演出を実行するような演出を行なうようにしてもよい。また、このような繰返し変動パターンとしては、左演出図柄、右演出図柄が順次停止した後、特定の演出表示として中演出図柄の停止前に右演出図柄の再変動と仮停止とを繰返し、その繰返し回数が多い程大当りとなる期待度が高くなる変動パターンを実行するようにしてもよい。また、このような繰返し変動パターンとしては、左演出図柄のような第1番目の停止図柄が停止する前、または、右演出図柄のような第2番目の停止図柄が停止するまでの間に、当該変動表示においてそれまでに実行された演出を特定の演出表示として最初から実行し直すことを繰返し、その繰返し回数が多い程、大当りの期待度が高くなる変動パターンを実行するようにしてもよい。
(13) 前述した実施の形態では、擬似連の再変動回数が少ない(たとえば、擬似連1回のような変動パターン)ときには、所定の変動表示(たとえば、擬似連4回のような変動パターン)が実行されるときよりも、突確大当りとなりやすくする制御(突確大当りに決定されたときには、確変大当りに決定されたときと比べて、擬似連1回の変動パターンを選択する割合が高い制御)を行なう例を示した。しかし、これに限らず、擬似連の再変動回数が少ないときには、次のような制御を行なうようにしてもよい。たとえば、擬似連の再変動回数が少ないときに、所定の変動表示として確変大当りまたは通常大当りが実行されるときよりも突確大当りとなりやすくする制御(突確大当りに決定されたときには、確変大当りまたは通常大当りに決定されたときと比べて、擬似連1回の変動パターンを選択する割合が高い制御)を行なうようにしてもよい。また、擬似連の再変動回数が少ないときに、所定の変動表示として小当りが実行されるときよりも突確大当りとなりやすくする制御(突確大当りに決定されたときには、小当りに決定されたときと比べて、擬似連1回の変動パターンを選択する割合が高い制御)を行なうようにしてもよい。また、擬似連の再変動回数が少ないときに、所定の変動表示としてはずれとなる変動表示が実行されるときよりも突確大当りとなりやすくする制御(突確大当りに決定されたときには、はずれに決定されたときと比べて、擬似連1回の変動パターンを選択する割合が高い制御)を行なうようにしてもよい。また、開放回数が異なる突確大当りが複数あり、選択される場合において、擬似連の再変動回数が少ないときに、所定の変動表示として開放回数が多い突確大当りのときよりも、開放回数が少ない突確大当りとなりやすくする制御(開放回数が少ない突確大当りに決定されたときには、開放回数が多い突確大当りに決定されたときと比べて、擬似連1回の変動パターンを選択する割合が高い制御)を行なうようにしてもよい。また、賞球が得られる開放回数が異なる大当りが複数あり、選択される場合において、擬似連の再変動回数が少ないときに、所定の変動表示として開放回数が多い大当りのときよりも、開放回数が少ない大当りとなりやすくする制御(開放回数が少ない大当りに決定されたときには、開放回数が多い大当りに決定されたときと比べて、擬似連1回の変動パターンを選択する割合が高い制御)を行なうようにしてもよい。また、確変状態の継続期間が異なる大当りが複数あり、選択される場合において、擬似連の再変動回数が少ないときに、所定の変動表示として確変状態の継続期間が長い大当りのときよりも、確変状態の継続期間が短い大当りとなりやすくする制御(確変状態の継続期間が短い大当りに決定されたときには、確変状態の継続期間が長い大当りに決定されたときと比べて、擬似連1回の変動パターンを選択する割合が高い制御)を行なうようにしてもよい。また、確率変動後の大当りとなる確率が異なる確変大当りが複数あり、選択される場合において、擬似連の再変動回数が少ないときに、所定の変動表示として当りとなる確率が高い確変大当りよりも当りとなる確率が低い確変大当りとなりやすくする制御(当りとなる確率が低い確変大当りに決定されたときには、当りとなる確率が高い確変大当りに決定されたときと比べて、擬似連1回の変動パターンを選択する割合が高い制御)を行なうようにしてもよい。また、時短状態の継続期間が異なる大当りが複数あり、選択される場合において、擬似連の再変動回数が少ないときに、所定の変動表示として時短状態の継続期間が長い大当りのときよりも、時短状態の継続期間が短い大当りとなりやすくする制御(時短状態の継続期間が短い大当りに決定されたときには、時短状態の継続期間が長い大当りに決定されたときと比べて、擬似連1回の変動パターンを選択する割合が高い制御)を行なうようにしてもよい。また、大当り後に時短状態の変動時間短縮割合が異なる大当りが複数あり、選択される場合において、擬似連の再変動回数が少ないときに、所定の変動表示として時短状態の変動時間短縮割合が大きい大当りのときよりも、時短状態の変動時間短縮割合が小さい大当りのときとなりやすくする制御(時短状態の変動時間短縮割合が小さい大当りに決定されたときには、時短状態の変動時間短縮割合が大きい大当りに決定されたときと比べて、擬似連1回の変動パターンを選択する割合が高い制御)を行なうようにしてもよい。
(14) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。