以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、所定の遊技をすることが可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
[第1実施形態]
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、大当りおよび小当りを含む当り種別の制御の特徴を表形式で説明する図である。図3は、パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板等を示す構成図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7における下部の左側には、各々を識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字、および、A,C,E,Fのような文字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9のような数字およびA,C,E,Fのような文字(または、記号)等の識別情報を変動表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、各々を識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字およびA,C,E,Fのような文字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9のような数字、および、A,C,E,Fのような文字(または、記号)等の識別情報を変動表示するように構成されている。
小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が後述する第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口およびゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期して、各々を識別可能な演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の変動表示を行なう変動表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行なう場合を示しているが、演出表示装置9で行なわれる演出は、この実施の形態で示したものに限らず、たとえば、所定のストーリー性を持つ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果に基づいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。たとえば、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行なうとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行ない、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行なうようにしてもよい。また、たとえば、勝敗等の結果を表示するのではなく、物語等の所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行される(演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンド(変動パターン指定コマンド)に基づいて認識した変動時間を計測することによって行なわれる。)。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞しやすくなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行なう可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行なう可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第1特別図柄表示器8aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部(表示領域)18cが設けられている。この実施の形態では、合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられていることによって、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、この実施の形態では、合算保留記憶表示部18cにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とが第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順に並べて表示されるとともに、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示される(たとえば、第1保留記憶は赤色で表示され、第2保留記憶は青色で表示される。)。
なお、合算保留記憶表示部18cが設けられているので、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、設けられていなくてもよい。また、合算保留記憶表示部18cは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを区別することなく同じ色で表示してもよい。また、合算保留記憶表示部18cは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを区別することなく同じ色で表示する場合に、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを左右で区別することなく左端または右端から順番に表示してもよい。また、合算保留記憶表示部18cは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを色で区別する場合に、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを左右で区別することなく左端または右端から変動表示の優先順位に応じて順番に表示してもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、それに対応した演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期して行なわれる。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、それに対応した演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期して行なわれる。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときとには、演出表示装置9において大当りを想起させるような特定表示結果としての演出図柄の組合せが停止表示される。
この実施の形態では、後述するように、特別図柄の変動表示を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ560が変動時間を特定可能な変動パターンコマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100によって、受信した変動パターンコマンドで特定される変動時間にしたがって演出図柄の変動表示が制御される。そのため、変動パターンコマンドに基づいて変動時間が特定されることから、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とは、原則として同期して実行されるはずである。ただし、万一変動パターンコマンドのデータ化け等が生じた場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識している変動時間と、演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識している変動時間との間にズレが生じる可能性がある。そのため、コマンドのデータ化け等の不測の事態が生じた場合には、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とが完全には同期しない事態が生じる可能性がある。
演出表示装置9の周囲の飾り部において、左側には、モータ86の回転軸に取付けられ、モータ86が回転すると移動する可動部材78が設けられている。この実施の形態では、可動部材78は、擬似連の演出および予告演出(可動物予告演出)等の所定の演出が実行されるときに動作する。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10での変動表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する遊技者にとって有利な有利状態である特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
図2においては、大当りおよび小当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。図2に示すように、ラウンド数が異なる大当り遊技状態としては、15ラウンドの大当り遊技状態と2ラウンドの大当り遊技状態との複数種類の大当り遊技状態が設けられている。小当りにおいては、2ラウンドの大当り遊技状態と同様の開放回数および開放時間の小当り遊技状態となる。
具体的に、15ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20を、各ラウンドについて予め定められた開放態様で開放状態とする制御が行なわれる。15ラウンドの大当り遊技状態においては、各ラウンドについて、特別可変入賞球装置20(大入賞口)に実質的に遊技球の入賞が可能なラウンド(遊技球が入賞可能な長い開放時間が設定されているラウンドであり、実質的に賞球(入賞に対して払出される景品球)、すなわち、出玉が得られる開放時間が設定されているラウンドでもある)と、特別可変入賞球装置20(大入賞口)に実質的に遊技球の入賞が不可能なラウンド(遊技球が入賞不可能な短い開放時間が設定されているラウンドであり、実質的に賞球(入賞に対して払出される景品球)、すなわち、出玉が得られない開放時間が設定されているラウンドでもある)とのいずれかに制御される。そして、各ラウンドは次のような終了条件が成立したときに終了する。
実質的に大入賞口に遊技球の入賞が可能なラウンドについては、ラウンド開始時から、遊技球が入賞可能な第1の所定期間(たとえば30秒間)または所定個数(たとえば9個)の入賞球が発生するまでの期間、特別可変入賞球装置20が開放状態とされる。また、実質的に大入賞口に遊技球の入賞が不可能なラウンドにおいては、ラウンド開始から遊技球が不可能な第2の所定期間所定期間(たとえば0.5秒間)または所定個数(たとえば9個)の入賞球が発生するまでの期間に亘り、特別可変入賞球装置20が開放状態とされる。そして、各ラウンドの終了条件が成立すると、継続権が発生し、所定のインターバル(大入賞口が一旦閉状態となる)期間の経過後、次のラウンドに移行して、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。このような継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
また、2ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、15ラウンドの大当り遊技状態よりも遊技者にとって不利な開放態様で開放状態とする制御が行なわれる。2ラウンドの大当り遊技状態においては、各ラウンドにおいて1回だけ開放状態とされる。各ラウンドは、ラウンド開始から所定期間(たとえば0.5秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば9個)の入賞球が発生したというラウンドの終了条件が成立したことに応じて終了される。そして、第1ラウンドの終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれた後、第2ラウンドの終了条件が成立すると大当り遊技状態が終了する。
このように、2ラウンドの大当りは、大入賞口の開放回数が15ラウンドよりも少ない回数(この実施の形態では2回)まで許容されるが、大入賞口の開放時間が短い(たとえば、0.5秒間)大当り種類(種別)である。本実施の形態の場合、2ラウンドの大当りとしては、大入賞口の開放時間が極めて短く(0.5秒間)、実質的に大入賞口に遊技球の入賞が不可能なラウンド(実質的に賞球(入賞に対して払出される景品球)、すなわち、入賞(出玉)が得られない開放時間が設定されているラウンドでもある)が設けられた当りが設けられている。
なお、2ラウンドの大当りとしては、実質的に大入賞口に入賞(賞球)が得られない当りのみを設けてもよく、実質的に大入賞口に入賞(賞球)を得ることができる当りのみを設けてもよく、実質的に大入賞口に入賞(賞球)が得られない当りと入賞(賞球)を得ることができる当りとの両方を設けてもよい。
また、本実施の形態では、15ラウンドの大当りとして、大当り遊技状態が同じく15ラウンド継続するが、特別可変入賞球装置20の開放態様に関して、遊技者にとって有利度合いが異なる複数種類の大当りが設けられている。複数種類の15ラウンドの大当りの開放態様については、図5を用いて後述する。
「大当り」のうち、15ラウンドまたは2ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、または、独立して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が通常状態(非時短状態)よりも短縮される時短状態に制御される場合もある。このように時短状態に移行したときには、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
また、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、または、独立して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化する電チューサポート制御状態に制御される場合もある。また、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、または、独立して、時短状態および電チューサポート制御状態に制御される場合もある。また、特別遊技状態としては、確変状態に加えて、時短状態に付随して電チューサポート制御状態に制御される場合もあり、時短状態に独立して電チューサポート制御状態に制御される場合もある。
この実施の形態の場合は、大当り遊技状態の終了後において、特別遊技状態として、確変状態に制御されたときに、時短状態に付随して電チューサポート制御状態に制御される場合と、時短状態に制御されず電チューサポート制御状態にも制御されない場合とがある。また、大当りの遊技状態の終了後において、確変状態に制御されず通常状態となるときは、電チューサポート制御状態に制御されない。この実施の形態では、時短状態に付随して電チューサポート制御状態に制御され、時短状態に制御されないときには電チューサポート制御状態に制御されないので、時短状態でありかつ電チューサポート時短状態であるときを時短状態と呼び、時短状態でなくかつ電チューサポート時短状態でないときを非時短状態と呼ぶ場合がある。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
さらに、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうちのいずれか複数を組合せた状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。また、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうちのいずれか1つの状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。このように、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうち、いずれか1つの状態、いずれか複数(すべての組合せを除く)を組合せた状態、または、すべてを組合せた状態に制御するものであれば、どのような制御を行なうようにしてもよい。
また、「大当り」のうち、15ラウンドまたは2ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、15R(Rはラウンドを示す記号)通常大当りと、15R確変大当りA〜Kとを含む複数種類の大当りが設けられている。また、2ラウンドの大当りとしては、2R確変大当りという1種類の大当りが設けられている。なお、2ラウンドの大当りとしては、大当り遊技状態後の制御状態が異なる複数種類の大当りを設けてもよい。
15R通常大当りは、大当り遊技状態の終了後に、確変状態に移行する制御が行なわれず、時短状態および電チューサポート制御状態に移行する制御が行なわれない。
15R確変大当りA〜Kは、大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態に移行する制御が行なわれ、これらの制御状態が、次回の大当りが発生するまでの期間継続する大当りである。15R確変大当りA〜Kのそれぞれは、大当り遊技状態における特別可変入賞球装置20の開放態様が異なる。
2R確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に、確変状態に移行する制御が行なわれるが、時短状態、および、電チューサポート制御状態に移行する制御が行なわれず、確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続する大当りである。
2R確変大当りは、ラウンド数が少なく(2回)、大入賞口の開放時間が極めて短い態様(0.5秒間開放)で大入賞口が開放されることにより、大当り遊技状態の終了後に確変状態となったことを報知する場合には、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せることが可能なものであり、「突然確変大当り」とも呼ばれる。「突然確変大当り」は、「突確大当り」または「突確」という略称で呼ばれる場合もある。2R確変大当りは、大当り遊技状態において、0.5秒間の開放が2回しか行なわれないため、実質的に賞球が得られない当りである。
以上に示したように、15R確変大当りまたは2R確変大当りにより、確変状態となるときには、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態となる遊技者にとって有利な第1の有利状態と、時短状態、および、電チューサポート制御状態とならないが、確変状態となる遊技者にとって有利な第2の有利状とがある。第1の有利状態は、第2の有利状態と比べて遊技者にとって有利な状態態である。
なお、実質的に賞球が得られない当りとしては、15ラウンドの大当りであるが、1ラウンドあたりの開放時間がたとえば0.1秒間のように極めて短いことにより、実質的に賞球が得られないものであってもよい。また、実質的に賞球が得られない当りとしては、ラウンド数が少ないこと、または、1ラウンドあたりの開放時間が短いことのうち少なくとも一方が実行されることにより実質的に賞球が得られないものであればよい。具体的に、実質的に賞球が得られない大当り(小当りも同様)については、開放回数が2回で開放時間が0.5秒、または、開放回数が15回で開放時間が0.1秒のように設定すればよい。
また、15R確変大当りA〜K、および、2R確変大当りにおける特別遊技状態としての確変状態および時短状態は、特別図柄の変動表示が予め定められた回数(たとえば、100回)実行されるまで継続可能としてもよい。ただし、その場合は、変動表示回数が予め定められた回数に達する前に次回の大当りが発生したときには確変状態および時短状態が終了する。つまり、その場合は、変動表示が所定回数実行されるまでという条件、または、次回の大当りが発生するまでという条件のうちいずれか早い方の条件が成立するまでの期間に亘り確変状態および時短状態が継続する。そのような場合においては、時短状態が継続する回数(特別図柄および演出図柄の変動表示回数)は、固定的に定められているものであってもよく、または、大当りが発生するごとに複数種類の回数から選択(ランダムに選択、予め定められた順序で選択)されるものであってもよい。また、確変状態と時短状態とは、終了タイミングが異なるようにしてもよい。たとえば、確変状態を次回の大当り発生まで継続させ、時短状態を回数切りとなるようにしてもよく、その逆となるようにしてもよい。
また、大当りとしては、ラウンド数が同じであるが、1回の開放時間が長い開放パターンの大当りと、1回の開放時間が短い開放パターンの大当りとを設ける等、ラウンド数が同じであるが開放パターンが異なるものを複数設け、第1特別図柄の変動表示で大当りとなったときと、第2特別図柄の変動表示で大当りとなったときとで異なる選択割合で選択して実行されるようにしてもよい。
小当りは、小当りとなったときの遊技状態(小当り遊技状態)において、2R確変大当りと同様の開放回数および開放時間で特別可変入賞球装置20を開放する当りである。小当りとなったときには、小当り遊技状態終了後に、大当り確率とベース状態とがともに、小当り遊技状態の開始前に対して変更されない。
2R確変大当りと、小当りとは、特別可変入賞球装置20の開放回数および開放時間が同じであるので、大当り遊技状態および小当り遊技状態中に、2R確変大当りであるか小当りであるかを遊技者が認識しにくい。これにより、2R確変大当りの大当り遊技状態の終了後および小当り遊技状態の終了後において、確変状態となっていることを報知しない共通の演出が行なわれるときには、確変状態となっているか否かを遊技者が認識しにくい。このような制御状態は、確変状態が潜伏しているような状態であるので潜伏演出状態と呼ばれ、このような潜伏状態にする制御が潜伏演出制御と呼ばれる。なお、2R確変大当りとしては、大当り遊技状態の終了後に、時短状態に制御されず、電チューサポート制御に制御されるものを設けてもよい。
この実施形態によるパチンコ遊技機1においては、演出制御用マイクロコンピュータ100において、2R確変大当りの大当り遊技状態の終了後および小当り遊技状態の終了後において、確変状態となっていることを報知しない共通の演出を行なう潜伏制御が行なわれる。このような潜伏制御が行なわれることにより、遊技者に対して確変状態であるか否かについての期待感を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、この実施形態では、小当りを設けた例を示したが、これに限らず、小当りは設けなくてもよい。
遊技領域6には、遊技球の入賞に基づいて予め決められている所定数の景品遊技球の払出を行なうための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられている。遊技盤6の遊技領域7の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26が設けられている。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
打球供給皿3を構成する部材においては、遊技者により操作可能な操作手段としての操作ボタン120が設けられている。操作ボタン120には、遊技者が押圧操作をすることが可能な押しボタンスイッチが設けられている。操作ボタン120は、遊技者による押圧操作が可能な押しボタンスイッチが設けられているだけでなく、遊技者による回転操作が可能なダイヤルも設けられている。遊技者は、ダイヤルを回転操作することによって、所定の選択(たとえば演出の選択)を行なうことができる。
なお、操作ボタン120は、押下操作が可能なものに限定されず、たとえば回転型セレクタのような回転操作が可能なものであってもよいし、タッチパネルのように接触操作や押圧操作が可能なものであってもよいし、レバー型スイッチのような傾動操作が可能なものであってもよい。また、操作ボタン120に代えて、たとえば赤外線センサやCCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者による所定の操作行為を検出できるセンサを用いてもよい。すなわち、操作ボタン120は、遊技者による所定の操作行為を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるものであればよい。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行なうことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、後述するような、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(図4参照)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9の表示制御を行なう。また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段は、操作ボタン120からの操作検出信号が入力され、その信号に応じて、各種演出を行なう。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってCGROM(図示せず)から必要なデータを読出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータを予め格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読出す。そして、VDP109は、読出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材78を動作させるためにモータ86を駆動する。
また、操作ボタン120からの操作信号が、入力ポート107を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に入力される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述するように、操作ボタン120からの操作信号に基づいて、各種の遊技演出を行なう。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDやランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDやランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLED/ランプドライバ352に入力される。LED/ランプドライバ352は、LEDやランプを駆動する信号に基づいて枠LED28等の枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25等に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、図5および図6を用いて、大当り遊技状態における開放態様を説明する。図5は、大当りおよび小当りを含む当り種別と、特別可変入賞球装置20の開放パターンである開放態様(各ラウンドの開放回数および開放時間)との関係を表形式で示す図である。図5では、当り種別ごとに実質的に出玉が得られるラウンドの合計回数が付記されている。また、図6は、各当り種別の大当り遊技状態での開放態様を示すタイミングチャートである。
図5に示すように、「2R確変大当り」(突然確変大当り)に基づく大当り遊技状態では、ラウンド数が2であり、各ラウンドにおける大入賞口の開放時間が0.5秒である。大当り遊技状態において、開放状態となった大入賞口に遊技球が入賞することで所定個数の賞球が払出されることとなるが、2R確変大当りは、大入賞口の1回の開放時間が0.5秒であり極めて短いため、実質的には賞球(出玉)が得られない大当りである。「小当り」に基づく小当り遊技状態は、開放態様が「2R確変大当り」と同様である。
「15R通常大当り」および「15R確変大当りK」のそれぞれに基づく大当り遊技状態は、ラウンド数が15であり、各ラウンドにおける大入賞口の開放時間が30秒である(図6(D))。これら大当りに基づく大当り遊技状態は、極めて短い開放時間(0.5秒)が設定されていないので、実質的に賞球が得られるラウンドの合計回数が15回である。
「15R確変大当りA」に基づく大当り遊技状態は、ラウンド数が15であり、第1〜5ラウンドにおける開放時間が30秒であり、第6〜15ラウンドにおける開放時間が0.5秒である(図6(A))。「15R確変大当りA」に基づく大当り遊技状態は、極めて短い開放時間(0.5秒)が10ラウンド分設定されているので、実質的に賞球が得られるラウンドの合計回数が5回である。これにより、「15R確変大当りA」では、図6(A)のように、遊技者からの見た目で、大当り遊技状態において実質的に大入賞口に遊技球が入賞可能な開放状態が5ラウンド実行される大当り遊技状態となる。
「15R確変大当りB」に基づく大当り遊技状態は、ラウンド数が15であり、第1〜6ラウンドにおける開放時間が30秒であり、第7〜15ラウンドにおける開放時間が0.5秒である(図6(B))。「15R確変大当りB」に基づく大当り遊技状態は、極めて短い開放時間(0.5秒)が9ラウンド分設定されているので、実質的に賞球が得られるラウンドの合計回数が6回である。これにより、「15R確変大当りB」では、図6(B)のように、遊技者からの見た目で、大当り遊技状態において実質的に大入賞口に遊技球が入賞可能な開放状態が6ラウンド実行される大当り遊技状態となる。
「15R確変大当りC」に基づく大当り遊技状態は、ラウンド数が15であり、第1〜7ラウンドにおける開放時間が30秒であり、第8〜15ラウンドにおける開放時間が0.5秒である。「15R確変大当りC」に基づく大当り遊技状態は、極めて短い開放時間(0.5秒)が8ラウンド分設定されているので、実質的に賞球が得られるラウンドの合計回数が7回である。これにより、「15R確変大当りC」では、遊技者からの見た目で、大当り遊技状態において実質的に大入賞口に遊技球が入賞可能な開放状態が7ラウンド実行される大当り遊技状態となる。
「15R確変大当りD」に基づく大当り遊技状態は、ラウンド数が15であり、第1〜8ラウンドにおける開放時間が30秒であり、第9〜15ラウンドにおける開放時間が0.5秒である。「15R確変大当りD」に基づく大当り遊技状態は、極めて短い開放時間(0.5秒)が7ラウンド分設定されているので、実質的に賞球が得られるラウンドの合計回数が8回である。これにより、「15R確変大当りD」では、遊技者からの見た目で、大当り遊技状態において実質的に大入賞口に遊技球が入賞可能な開放状態が8ラウンド実行される大当り遊技状態となる。
「15R確変大当りE」に基づく大当り遊技状態は、ラウンド数が15であり、第1〜9ラウンドにおける開放時間が30秒であり、第10〜15ラウンドにおける開放時間が0.5秒である。「15R確変大当りE」に基づく大当り遊技状態は、極めて短い開放時間(0.5秒)が6ラウンド分設定されているので、実質的に賞球が得られるラウンドの合計回数が9回である。これにより、「15R確変大当りE」では、遊技者からの見た目で、大当り遊技状態において実質的に大入賞口に遊技球が入賞可能な開放状態が9ラウンド実行される大当り遊技状態となる。
「15R確変大当りF」に基づく大当り遊技状態は、ラウンド数が15であり、第1〜10ラウンドにおける開放時間が30秒であり、第11〜15ラウンドにおける開放時間が0.5秒である。「15R確変大当りF」に基づく大当り遊技状態は、極めて短い開放時間(0.5秒)が5ラウンド分設定されているので、実質的に賞球が得られるラウンドの合計回数が10回である。これにより、「15R確変大当りF」では、遊技者からの見た目で、大当り遊技状態において実質的に大入賞口に遊技球が入賞可能な開放状態が10ラウンド実行される大当り遊技状態となる。
「15R確変大当りG」に基づく大当り遊技状態は、ラウンド数が15であり、第1〜11ラウンドにおける開放時間が30秒であり、第12〜15ラウンドにおける開放時間が0.5秒である。「15R確変大当りG」に基づく大当り遊技状態は、極めて短い開放時間(0.5秒)が4ラウンド分設定されているので、実質的に賞球が得られるラウンドの合計回数が11回である。これにより、「15R確変大当りG」では、遊技者からの見た目で、大当り遊技状態において実質的に大入賞口に遊技球が入賞可能な開放状態が11ラウンド実行される大当り遊技状態となる。
「15R確変大当りH」に基づく大当り遊技状態は、ラウンド数が15であり、第1〜12ラウンドにおける開放時間が30秒であり、第13〜15ラウンドにおける開放時間が0.5秒である。「15R確変大当りH」に基づく大当り遊技状態は、極めて短い開放時間(0.5秒)が3ラウンド分設定されているので、実質的に賞球が得られるラウンドの合計回数が12回である。これにより、「15R確変大当りH」では、遊技者からの見た目で、大当り遊技状態において実質的に大入賞口に遊技球が入賞可能な開放状態が12ラウンド実行される大当り遊技状態となる。
「15R確変大当りI」に基づく大当り遊技状態は、ラウンド数が15であり、第1〜13ラウンドにおける開放時間が30秒であり、第14〜15ラウンドにおける開放時間が0.5秒である。「15R確変大当りI」に基づく大当り遊技状態は、極めて短い開放時間(0.5秒)が3ラウンド分設定されているので、実質的に賞球が得られるラウンドの合計回数が13回である。これにより、「15R確変大当りI」では、遊技者からの見た目で、大当り遊技状態において実質的に大入賞口に遊技球が入賞可能な開放状態が13ラウンド実行される大当り遊技状態となる。
「15R確変大当りJ」に基づく大当り遊技状態は、ラウンド数が15であり、第1〜14ラウンドにおける開放時間が30秒であり、第15ラウンドにおける開放時間が0.5秒である。「15R確変大当りJ」に基づく大当り遊技状態は、極めて短い開放時間(0.5秒)が3ラウンド分設定されているので、実質的に賞球が得られるラウンドの合計回数が14回である。これにより、「15R確変大当りJ」では、遊技者からの見た目で、大当り遊技状態において実質的に大入賞口に遊技球が入賞可能な開放状態が14ラウンド実行される大当り遊技状態となる。
図6(C)に示すように、「15R確変大当りK」および「15R通常大当り」のそれぞれについては、第1〜15ラウンドのすべてのラウンドにおいて、実質的に大入賞口に遊技球が入賞可能な開放状態となる。一方、「15R確変大当りA」〜「15R確変大当りJ」のそれぞれについては、第1〜15ラウンドのうち一部のラウンドにおいて、実質的に大入賞口に遊技球が入賞可能な開放状態となる。具体的には、「15R確変大当りA」〜「15R確変大当りJ」のそれぞれについては、5〜14ラウンド分の期間において、実質的に大入賞口に遊技球が入賞可能な開放状態となった後、残りのラウンドにおいて実質的に大入賞口に遊技球が入賞可能な開放状態となる。
このように、本実施の形態では、同じ15Rの大当りではあるが、実質的に遊技球が大入賞口に入賞可能な開放状態となるラウンド数が5R,6R,7R,8R,9R,10R,11R,12R,13R,14R,15Rとなるような複数種類の大当りが設けられている。
なお、前述したような複数種類の15Rの大当りを用いる代わりに、すべてのラウンドの開放時間を実質的に大入賞口に遊技球が入賞可能な時間とし、ラウンド数の上限値が、5R,6R,7R,8R,9R,10R,11R,12R,13R,14R,15Rとなるようなラウンド数が異なる複数種類の大当りを設けてもよい。
図5,6に示すような「15R確変大当りA」〜「15R確変大当りK」を設けたことにより、各大当りに設定された実質的に大入賞口に遊技球が入賞可能な状態は、途中のラウンドまで共通する(たとえば、15R確変大当りAと15R確変大当りBとでは5Rまで開放態様が共通する)。また、15R確変大当りとなるときには、大当り遊技状態の開始時において当該大当りについて、実質的に大入賞口に遊技球が入賞可能な開放状態となるラウンド数が5R〜15Rのどれに確定するかに関する情報が報知されない。これにより、遊技者は、実質的に大入賞口に遊技球が入賞不可能な開放状態(0.5秒間の開放状態)が現れるときまで、または、15ラウンド目のラウンドが実行されるときまで、特別可変入賞球装置20の動作を見ただけでは当該大当りで実質的に大入賞口に遊技球が入賞可能な開放状態がどのラウンドまで継続する(どの種類の確変大当りであるか)を把握することが困難である。
本実施の形態では、このように、特別可変入賞球装置20の動作を見ただけでは大当りで実質的に大入賞口に入賞可能な開放状態がどのラウンドまで継続するかを遊技者が把握することが困難であるので、遊技の興趣を向上させるために、後述するように、実質的に大入賞口に入賞可能な開放状態がどのラウンドまで継続するかを大当り遊技状態中に報知するランクアップ演出としての継続報知演出が実行される。このような継続報知演出が実行されることにより、大当り遊技状態における実質的大入賞口に入賞可能なラウンドの継続に期待する遊技者の期待感を向上させ、遊技の興趣を向上させることができる。
図5および図6を用いて説明したような各種大当りの大当り遊技状態における開放態様、および、小当りの遊技状態における開放態様での開放制御を実行するための制御データとして、開放パターンデータテーブルがROM54に記憶されている。開放パターンデータテーブルのデータ(開放パターンデータ)は、各種別の大当りおよび小当りのそれぞれについて、開放回数(ラウンド上限数)、開放時間(各ラウンド中の開放時間)、ラウンド開放態様(各ラウンド中の開放態様)および、インターバル時間(各ラウンド間時間)を含む特別可変入賞球装置20の開放パターンを示すテータであり、大当りおよび小当りの種別ごとに、図5のような開放態様を実行するためのデータとして用いられる。
なお、図5および図6において、実質的に大入賞口に入賞可能なラウンド数が5R〜14Rの確変大当りとしては、実質的に大入賞口に入賞不可能なラウンドを含む例を示したが、実質的に大入賞口に入賞可能なラウンド数が5R〜14Rの確変大当りとしては、実質的に大入賞口に入賞不可能なラウンドを含まないものを用いてもよい。
また、実質的に大入賞口に入賞不可能なラウンドを含まないものについては、次のようなものを用いてもよい。たとえば、同じ15R確変大当りとして、1ラウンド中に大入賞口が開放する開放期間(たとえば、1回の開放時間が同じである期間)の回数が異なるものを複数種類設けることで、実質的に大入賞口に入賞可能な期間(開放期間数)が異なるようにしてもよい。1ラウンド中の開放回数が1回の大当りであれば、1〜15Rのうちの各ラウンドにおいて1回の開放時間が設けられることで合計15回の開放期間が実行され、1ラウンド中の開放回数が2回の大当りであれば、1〜15Rのうちの各ラウンドにおいて2回の開放時間が設けられることで合計30回の開放期間が実行され、1ラウンド中の開放回数が3回の大当りであれば、1〜15Rのうちの各ラウンドにおいて3回の開放時間が設けられることで合計45回の開放期間が実行される。このような大当り遊技状態においては、各ラウンドに開放期間が設けられたことにより、実質的に大入賞口に入賞可能なラウンドが終了した後、実質的に大入賞口に入賞不可能なラウンドを経ることなく大当り遊技状態が終了することとなる。そして、このような大当り遊技状態においては、各ラウンドの開放回数が異なることにより、大当りの種類により開放期間の総継続数が異なるので、ランクアップ演出として、実質的に大入賞口に入賞可能な開放状態が何回まで継続するかを報知する継続報知演出を実行することが可能である。
図7は、遊技制御基板31側で用いられる各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)MR1:大当りにするか否か、および、小当りにするか否かを判定するランダムカウンタである(大当り判定用)。
(2)MR2:大当りの種類(15R通常大当り、15R確変大当りA〜K、2R確変大当り)を決定するランダムカウンタである(大当り種別決定用)。
(3)MR3:変動パターンの種類(種別)を決定するランダムカウンタである(変動パターン種別決定用)。
(4)MR4:変動パターン(変動時間)を決定するランダムカウンタである(変動パターン決定用)。
(5)MR5:普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定するランダムカウンタである(普通図柄当り判定用)。
(6)MR6:MR5の初期値を決定するランダムカウンタである(MR5初期値決定用)。
この実施の形態では、前述したように、特定遊技状態である大当りとして、15R通常大当り、15R確変大当りA〜K、2R確変大当りというような複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(MR1)の値に基づいて大当りとする決定がされたときには、大当り種別決定用乱数(MR2)の値に基づいて、大当りの種別が、これらのうちいずれかの大当り種別に選択決定される。さらに、大当りの種別が選択決定されるときに、同時に大当り種別決定用乱数(MR2)の値に基づいて、大当り図柄も選択決定される。したがって、MR2は、大当り図柄決定用乱数でもある。また、当りとしては、小当りも含まれており、大当り判定用乱数(MR1)が小当り判定用乱数として兼用されている。そして、大当り判定用乱数(MR1)の値に基づいて小当りとする決定がされたときには、小当り図柄が、予め定められた図柄に決定される。
また、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別決定用乱数(MR3)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン決定用乱数(MR4)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。たとえば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、たとえば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。ここで、擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動表示であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動表示が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。また、たとえば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出等の特定演出の有無でグループ化してもよい。
なお、この実施の形態では、後述するように、15R通常大当り、および、15R確変大当りA〜Kのそれぞれである場合には、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、2R確変大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2と、リーチも特定演出も伴わなわず前述の時短状態時の変動表示および短縮変動時の変動表示よりも変動時間が短い超時短変動パターンの変動パターン種別である超時短CA6とに種別分けされている。また、小当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1に種別分けされている。また、はずれである場合には、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが特定演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、ノーマルリーチおよび再変動1回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7と、リーチも特定演出も伴わなわず前述の時短状態時の変動表示および短縮変動時の変動表示よりも変動時間が短い超時短変動パターンの変動パターン種別である超時短CA5とに種別分けされている。なお、超時短CA5,CA6の変動パターン種別における超時短変動パターンとしては、リーチを伴うものであってもよく、リーチを伴うか否かに変わらず、時短状態時の変動表示および短縮変動時の変動表示よりも変動時間が短いものであればよい。
なお、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数が用いられるが、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図8は、大当り判定テーブル、小当り判定テーブル、および、大当り種別判定テーブルを示す説明図である。これらテーブルは、ROM54に記憶されている。
図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、MR1と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図8(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図8(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
この実施の形態では、15R確変大当りA〜Kとなると、大当り遊技終了後に高確率状態に移行されるとともに高ベース状態に移行される。そして、大当り終了後、次回の大当りが発生するまで、確変状態および高ベース状態が継続する。また、2R確変大当りとなると、大当り遊技終了後に高確率状態に移行されるが高ベース状態に移行されない。そして、大当り終了後、次回の大当りが発生するまで、確変状態が継続する。
図8(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、MR1と比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行なうときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行なうときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図8(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図8(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図8(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、第1特別図柄の変動表示を行なう場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行なう場合には小当りを設けないようにしてもよい。この場合、図8(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されているときには主として第2特別図柄の変動表示が実行される。遊技状態が確変状態に移行されているときにも小当りが発生するようにし、確変となるか否かを煽る演出を行なうように構成すると、現在の遊技状態が確変状態であるにもかかわらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。そこで、第2特別図柄の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が確変状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変に対する煽り演出を行なわないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(MR1)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(15R通常大当り、15R確変大当りA〜K、2R確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図8(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図8(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図8(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。したがって、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図8(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図8(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶のデータ(保留記憶情報)を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図8(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶のデータ(保留記憶情報)を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別決定用の乱数(MR2)に基づいて、大当りの種別を「15R確変大当りA〜K」、「15R通常大当り」、「2R確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
また、実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aと比べて、大当り種別判定テーブル131bには、「15R確変大当りA〜K」および「15R通常大当り」のような15ラウンドの大当りの方が「2R確変大当り」のような2Rラウンドの大当りよりも選択される割合が高く設定されている。したがって、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、大当りとなったときに、大入賞口への入賞に関して遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御される。
また、図8(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aと比べて、大当り種別判定テーブル131bには、15ラウンドの大当りのうち、「15R確変大当りA〜K」のような確変大当りの大当りの方が「15R通常大当り」のような通常大当りよりも選択される割合が高く設定されている。したがって、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、大当りとなったときに、大当り遊技状態終了後の確変状態に関して遊技者にとって有利となる。
また、図8(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aと比べて、大当り種別判定テーブル131bには、「15R確変大当りA〜K」のような確変大当りのうち、たとえば、15R確変大当りKのような実質的に遊技球が大入賞口に入賞可能なラウンドが多い大当りが選択される割合が高く設定されている。したがって、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、大当りとなったときに、大入賞口への入賞に関して遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御される。
なお、図8(D),(E)の大当り種別判定テーブルにおいては、第2特別図柄の方が第1特別図柄と比べて遊技者にとって有利な大当りが選択される割合が高く設定されている例を示した。しかし、これに限らず、また、第1特別図柄の方が第2特別図柄と比べて遊技者にとって有利な大当りが選択される割合が高く設定されるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とが遊技者にとって有利な大当りが選択される割合が同じ割合に設定されるようにしてもよい。
また、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「2R確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「2R確変大当り」の振り分けを行なわない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行なう場合にのみ、「2R確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1の大当りとしての2R確変大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2の大当りとしての15R確変大当りおよび15R通常大当りとに決定する場合があるとともに、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1の大当りとすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。たとえば、第1の大当りと比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2の大当りを決定するようにしてもよい。また、たとえば、第1の大当りと比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2の大当りを決定するようにしてもよい。また、たとえば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1の大当りと、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2の大当りとを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2の大当りの遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、たとえば、第1の大当りまたは第2の大当りのいずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1の大当りの場合には15ラウンドすべてを終了し、第2の大当りの場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第1の大当りの場合には内部的に15ラウンドすべてを終了していることから大当り遊技を終了し、第2の大当りの場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(あたかも15回開放の大当りを終了した後にさらにで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
また、「2R確変大当り」は、「15R確変大当りA〜K」および「15R通常大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.5秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「2R確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「15R確変大当りA〜K」および「15R通常大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が30秒という長い場合があるのに対して、「2R確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.5秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することはほとんど期待できない。
なお、前述したように、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.5秒間ずつ2回行なわれ、「2R確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行なわれる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、「2R確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、MR2の値と比較される数値であって、「15R確変大当りA〜K」、「15R通常大当り」、「2R確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、MR2の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図9は、大当り用変動パターン種別判定テーブルおよび小当り大当り用変動パターン種別判定テーブルを示す説明図である。
図9(A)〜(D)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Dを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Dは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数(MR3)に基づいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。後述する超時短での変動表示を実行する条件が成立したときには、「15R確変大当りA〜K」、「15R通常大当り」、および、「2R確変大当り」の各大当りの変動パターン種別を判定するためのテーブルは、変動パターン種別判定テーブル132Dが、変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cに対して優先使用される。超時短での変動表示を実行する条件が成立していないときには、「15R確変大当りA〜K」、「15R通常大当り」、および、「2R確変大当り」のそれぞれの大当りの変動パターン種別を判定するためのテーブルは、変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cが、変動パターン種別判定テーブル132Dに対して優先使用される。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Dには、変動パターン種別決定用の乱数(MR3)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、特殊CA4−1、特殊CA4−2、および、超時短CA6の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
たとえば、大当り種別が「15R通常大当り」である場合に用いられる図9(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、大当り種別が「15R確変大当りA〜K」である場合に用いられる図9(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bとで、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別に対する判定値の割当てが異なっている。
このように、大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Dを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割当てられている。よって、大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
なお、図9(A),(B)に示すように、この実施の形態では、「15R通常大当り」または「15R確変大当りA〜K」である場合には、変動パターン種別決定用の乱数(MR3)の値が150〜251であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、スーパーリーチ大当りについて、擬似連を伴う変動パターン種別(スーパーPA3−3、スーパーPA3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)と、擬似連を伴わない変動パターン種別(スーパーPB3−3、スーパーPB3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)とに分けてもよい。この場合、15R通常大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aおよび15R確変大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bの両方において、スーパーリーチかつ擬似連を伴う変動パターン種別と、スーパーリーチかつ擬似連を伴わない変動パターン種別とが割当てられることになる。
また、大当り種別が「2R確変大当り」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cでは、たとえば、特殊CA4−1、特殊CA4−2といった大当り種別が「2R確変大当り」以外である場合には判定値が割当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割当てられている。よって、変動表示結果が「大当り」となり大当り種別が「2R確変大当り」となることに応じて2R確変大当り状態に制御する場合には、15R確変大当りおよび15R通常大当りによる大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
また、図9(D)の超時短用の変動パターン種別判定テーブル132Dに設定された超時短の変動パターン種別は、リーチも特定演出も伴なわず前述の時短状態時の変動表示および短縮変動時の変動表示よりも変動時間が短い(たとえば、変動時間が0.6秒間)変動表示を行なう超時短変動パターンの変動パターン種別である。このような超時短変動パターンによる変動表示は、15R確変大当り(15R確変大当りA〜Kのいずれか)の大当り遊技状態において保留記憶中に15R確変大当り(15R確変大当りA〜Kのいずれか)となる保留記憶情報が含まれているときに、超時短での変動表示を実行する条件が成立し、大当り遊技状態終了後に、当該保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるまで、極めて短い変動時間で保留記憶に基づく変動表示が行なわれる。このような超時短の変動表示により、大当り遊技状態において保留記憶中に存在した15R確変大当りが早期に開始されるようにすることができ、遊技の興趣をより一層向上させることができる。また、15R確変大当りというような大当りの種類に応じて、超時短の変動表示が実行されるため、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
このような超時短の変動表示は、15R確変大当り(15R確変大当りA〜Kのいずれか)の大当り遊技状態において保留記憶中に15R確変大当り(15R確変大当りA〜Kのいずれか)となる保留記憶情報が含まれているときに行なわれる演出として、後述する超過R報知演出と対応関係を持って実行されるものである。
また、図9(E)は、小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dを示す説明図である。小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dは、変動表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数(MR3)に基づいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。この実施の形態では、図9(E)に示すように、小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として特殊CA4−1が決定される場合が示されている。
図10は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Eを示す説明図である。このうち、図10(A)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aを示している。また、図10(B)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bを示している。また、図10(C)は、遊技状態が確変状態のうちの高確率/高ベース状態(15R確変大当り終了後の状態)である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを示している。また、図10(D)は、遊技状態が確変状態のうちの高確率/低ベース状態(2R確変大当り終了後の状態)である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Dを示している。また、図10(E)は、15R確変大当りA〜Kのうちいずれかの15R確変大当りの大当り遊技状態中において保留記憶内に、15R確変大当りA〜Kのいずれかとなる保留記憶情報が含まれているときに、当該大当り遊技状態後に当該保留記憶のすべてが消化されるまでの期間に亘り、他のテーブルに対して優先的に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Eを示している。はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Eは、変動表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数(ランダム2)に基づいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
なお、図10に示す例では、遊技状態が高ベース状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで別々のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135B〜135Dを用いる場合を示しているが、高ベース状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるように構成してもよい。また、図10(C)に示す例では、合算保留記憶数にかかわらず共通の高ベース用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを用いる場合を示しているが、高ベース用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3未満である場合に用いるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aと、合算保留記憶数が3以上である場合に用いるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bとの2種類のテーブルを用いる場合を示しているが、はずれ用変動パターン種別判定テーブルの分け方は、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、合算保留記憶数の値ごとに別々のはずれ用変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、合算保留記憶数0個用、合算保留記憶数1個用、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用、合算保留記憶数4個用・・・のはずれ用変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、たとえば、合算保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。たとえば、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、合算保留記憶数に応じてはずれ用変動パターン種別判定テーブルを複数備える場合を示しているが、第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じてはずれ用変動パターン種別判定テーブルを複数備えるようにしてもよい。たとえば、第1特図の変動表示を行なう場合には、第1保留記憶数の値ごとに別々に用意されたはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい(すなわち、第1保留記憶数0個用、第1保留記憶数1個用、第1保留記憶数2個用、第1保留記憶数3個用、第1保留記憶数4個用・・・のはずれ用変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、たとえば、第1保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。たとえば、第1保留記憶数0〜2用、第1保留記憶数3用、第1保留記憶数4用・・・のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合であっても、第1保留記憶数や第2保留記憶数が多い場合(たとえば3以上)には、変動時間が短い変動パターンを含む変動パターン種別が選択されやすいように構成すればよい。また、このような場合であっても、特定の変動表示パターンとしてのスーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別に対して共通の判定値を割当てるように構成すればよい。
なお、「特定の演出態様」とは、スーパーリーチを伴う変動パターン等、少なくとも大当りに対する期待度が高く設定され、遊技者に大当りに対する期待感を抱かせることができる変動パターン種別、変動パターンのことである。また、「大当りに対する期待度(信頼度)」とは、その特定の演出態様による変動表示(たとえば、スーパーリーチを伴う変動表示)が実行された場合に大当りが出現する出現率(確率)を示している。たとえば、スーパーリーチを伴う変動表示が実行される場合の大当り期待度は、(大当りと決定されている場合にスーパーリーチが実行される割合)/(大当りと決定されている場合およびはずれと決定されている場合の両方にスーパーリーチが実行される割合)を計算することによって求められる。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Eには、変動パターン種別決定用の乱数(MR3)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7、超時短CA5の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図10(A),(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別決定用の乱数(MR3)の値が230〜251であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、図10(A)、(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別決定用の乱数(MR3)の値が1〜79であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともリーチを伴わない(擬似連や滑り演出等の特定演出も伴わない)通常変動の変動表示が実行されることがわかる。そのようなテーブル構成により、この実施の形態では、判定テーブル(はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A,135B)は、リーチ用変動表示パターン(リーチを伴う変動パターン)以外の変動表示パターンのうちの少なくとも一部に対して、保留記憶手段(第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファ)が記憶する権利の数(第1保留記憶数、第2保留記憶数、合算保留記憶数)にかかわらず、共通の判定値(図10(A),(B)に示す例では1〜79)が割当てられるように構成されている。なお、「リーチ用変動表示パターン以外の変動表示パターン」とは、この実施の形態で示したように、たとえば、リーチを伴わず、擬似連や滑り演出等の特定演出も伴わず、変動表示結果が大当りとならない場合に用いられる変動表示パターン(変動パターン)のことである。
なお、この実施の形態では、図9に示すように、現在の遊技状態にかかわらず、共通の大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いる場合を示したが、現在の遊技状態が確変状態であるか通常状態であるかに応じて、それぞれ別々に用意された大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、合算保留記憶数が3以上である場合に、図10(B)に示す短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるように構成する場合を示しているが、現在の遊技状態に応じて短縮変動の変動パターンが選択され得る場合の合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)の閾値を異ならせてもよい。たとえば、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3である場合に(または、たとえば、第1保留記憶数や第2保留記憶数が2である場合に)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにし、遊技状態が高ベース状態である場合には、合算保留記憶数がより少ない1または2の場合でも(または、たとえば、第1保留記憶数や第2保留記憶数がより少ない0または1の場合でも)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにしてもよい。
また、図10(E)および前述した図9(D)に示すように、この実施の形態では、15R確変大当りA〜Kのうちいずれかの15R確変大当りの大当り遊技状態中において保留記憶内に、15R確変大当りA〜Kのいずれかとなる保留記憶情報が含まれているときに、当該大当り遊技状態後に当該保留記憶のすべてが消化されるまでの期間に亘り、リーチも特定演出も伴わなわず時短状態時の変動表示および短縮変動時の変動表示よりも変動時間が短い(たとえば、変動時間が0.6秒間)超時短変動パターンの変動パターン種別である超時短CA5他のテーブルに対して優先的に用いられることにより、大当り遊技状態において後述するような超過R継続報知演出が実行された後において、極めて短い変動時間での変動表示が行なわれて、当該保留記憶が極めて短時間で消化されることとなる。
図11は、ROM101に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bを示す説明図である。
当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果等に応じて、変動パターン決定用の乱数(MR4)に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、超時短CA6のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Aが使用テーブルとして選択される。たとえば、超時短CA6の変動パターン種別が選択決定されたときには、変動時間が極めて短い(たとえば、0.6秒間)超時短変動パターンPC2が選択決定される。一方、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数(MR4)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の変動表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図11(A)に示す例では、変動パターン種別として、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う(スーパーリーチとともに擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3と、変動時間が極めて短い(たとえば、0.6秒間)超時短変動パターンPC1とに種別分けされている場合が示されている。また、図11(B)に示す例では、変動パターン種別として、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている場合が示されている。なお、図11(B)において、リーチの有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、擬似連や滑り演出等の特定演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、たとえば、特殊CA4−1は、特定演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1と特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2は、特定演出を伴う特殊PG1−2、特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成してもよい。
図12は、ROM55に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン決定用の乱数(MR4)に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。たとえば、超時短CA5の変動パターン種別が選択決定されたときには、変動時間が極めて短い(たとえば、0.6秒間)超時短変動パターンPC1が選択決定される。
図13および図14は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図13に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C08(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用CPU101は、コマンド8C01(H)〜8C0F(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C0F(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の変動表示を開始するのか第2特別図柄の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A00D(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始指定コマンドが用いられる。具体的には、「15R通常大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(A001(H))が用いられる。
「15R確変大当りA」である場合には大当り開始指定コマンド(A002(H))が用いられる。「15R確変大当りB」である場合には大当り開始指定コマンド(A003(H))が用いられる。「15R確変大当りC」である場合には大当り開始指定コマンド(A004(H))が用いられる。「15R確変大当りD」である場合には大当り開始指定コマンド(A005(H))が用いられる。「15R確変大当りE」である場合には大当り開始指定コマンド(A006(H))が用いられる。「15R確変大当りF」である場合には大当り開始指定コマンド(A007(H))が用いられる。「15R確変大当りG」である場合には大当り開始指定コマンド(A008(H))が用いられる。「15R確変大当りH」である場合には大当り開始指定コマンド(A009(H))が用いられる。「15R確変大当りI」である場合には大当り開始指定コマンド(A00A(H))が用いられる。「15R確変大当りJ」である場合には大当り開始指定コマンド(A00B(H))が用いられる。「15R確変大当りK」である場合には大当り開始指定コマンド(A00C(H))が用いられる。「2R確変大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(A00D(H))が用いられる。
コマンドA00E(H)は、2R確変大当りと共通のファンファーレ画面を表示すること、すなわち小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、2R確変大当りである場合に2R確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。たとえば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。たとえば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A30A(H))が送信される。
コマンドA301(H)〜A30D(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド)である。大当り終了指定コマンド(A301(H))は、「15R通常大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA302(H)は、「15R確変大当りA」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA303(H)は、「15R確変大当りB」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA304(H)は、「15R確変大当りC」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA305(H)は、「15R確変大当りD」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA306(H)は、「15R確変大当りE」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA307(H)は、「15R確変大当りF」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA308(H)は、「15R確変大当りG」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA309(H)は、「15R確変大当りH」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA30A(H)は、「15R確変大当りI」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA30B(H)は、「15R確変大当りJ」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA30C(H)は、「15R確変大当りK」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA30D(H)は、「2R確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。
コマンドA30E(H)は、2R確変大当りと共通の大当り終了画面を表示すること、すなわち小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンドである。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、2R確変大当りである場合に2R確変大当り終了指定用の指定コマンドを送信するものの、小当りである場合には小当り終了指定用の指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
図14に示す例において、コマンドB000(H)は、遊技状態が低確率/低ベース状態(通常状態)であることを指定する演出制御コマンド(低確率/低ベース状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が高確率/高ベース状態であることを指定する演出制御コマンド(高確率/高ベース状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が高確率/低ベース状態であることを指定する演出制御コマンド(高確率/低ベース状態指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、以下、第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、保留記憶数を指定するコマンドとして、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、第1保留記憶と第2保留記憶とのうち増加した方の保留記憶数を指定するコマンドを送信するように構成してもよい。具体的には、第1保留記憶が増加した場合に第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドを送信し、第2保留記憶が増加した場合に第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したかを指定する始動入賞指定コマンドを送信するとともに、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、保留記憶情報として送信する演出制御コマンドは、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、保留記憶数が増加したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
コマンドC4XX(H)およびコマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、小当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。また、コマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別決定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果(変動カテゴリ))を示す演出制御コマンド(変動カテゴリコマンド)である。また、後述するような大入賞口への入賞に応じたランクアップ演出が行なわれる構成においては、カウントスイッチ23により入賞が検出されるごとに、当該入賞が検出されたことを指定する大入賞口入賞指定コマンドを送信する。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図24参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時に、大当りとなるか否か、小当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別決定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りまたは小当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用CPU101に対して送信する制御を行なう。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用CPU101に対して送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用CPU101は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、表示結果が大当りまたは小当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドに基づいて、変動パターン種別決定用乱数の値が所定の判定値となる場合には変動パターン種別を認識できる。
図15は、図柄指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図15に示すように、この実施の形態では、大当りまたは小当りとなるか否かと、大当りの種別とに応じて、EXTデータが設定され、図柄指定コマンドが送信される。
たとえば、後述する入賞時演出処理において、「はずれ」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄1指定コマンド)を送信する。「15R通常大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「01(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄2指定コマンド)を送信する。「15R確変大当りA」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「02(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄3指定コマンド)を送信する。「15R確変大当りB」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「03(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄4指定コマンド)を送信する。「15R確変大当りC」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「04(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄5指定コマンド)を送信する。「15R確変大当りD」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「05(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄6指定コマンド)を送信する。「15R確変大当りE」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「06(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄4指定コマンド)を送信する。「15R確変大当りF」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「07(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄5指定コマンド)を送信する。「15R確変大当りG」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「08(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄9指定コマンド)を送信する。「15R確変大当りH」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「09(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄10指定コマンド)を送信する。「15R確変大当りI」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「0A(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄11指定コマンド)を送信する。「15R確変大当りJ」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「0B(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄12指定コマンド)を送信する。「15R確変大当りK」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「0C(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄13指定コマンド)を送信する。
「2R確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「0D(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄14指定コマンド)を送信する。「小当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「0E(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄15指定コマンド)を送信する。
なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、表示結果指定コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。そのように構成すれば、図柄指定コマンドを設定する際と表示結果指定コマンドを設定する際とで、読出すデータを共通化することができる。
図16および図17は、変動カテゴリコマンドの内容の一例を示す説明図である。図16および図17に示すように、この実施の形態では、いずれの遊技状態であるかと、特別図柄や演出図柄の表示結果がいずれの表示結果となるかと、始動入賞時に変動パターン種別決定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になると判定したとかとに応じて、EXTデータに値が設定され、変動カテゴリコマンドが送信される。
たとえば、始動入賞時に、遊技状態が通常状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別決定用乱数の値が1〜79となるか否かを判定する。変動パターン種別決定用乱数の値が1〜79となる場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した変動カテゴリ1コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値1〜79の範囲には非リーチCA2−1の変動パターン種別が共通に割当てられているのであるから、演出制御用CPU101は、変動カテゴリ1コマンドを受信したことに基づいて、少なくとも変動パターン種別が非リーチCA2−1となることを認識することができる。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が80〜89となる場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した変動カテゴリ2コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が90〜99となる場合には、EXTデータに「02(H)」を設定した変動カテゴリ3コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が100〜169となる場合には、EXTデータに「03(H)」を設定した変動カテゴリ4コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が170〜199となる場合には、EXTデータに「04(H)」を設定した変動カテゴリ5コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が200〜214となる場合には、EXTデータに「05(H)」を設定した変動カテゴリ6コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が215〜229となる場合には、EXTデータに「06(H)」を設定した変動カテゴリ7コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が230〜251となる場合には、EXTデータに「07(H)」を設定した変動カテゴリ8コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値230〜251の範囲にはスーパーCA2−7の変動パターン種別が共通に割当てられているのであるから、演出制御用CPU101は、変動カテゴリ8コマンドを受信したことに基づいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーCA2−7となることを認識することができる。
なお、上記のいずれの変動カテゴリに属するかを判定するために用いられる閾値79、89、99、169、199、214および229は、具体的には、図10(A),(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割当てられた判定値の範囲の境界となり得る値をピックアップして導き出されたものである。このことは、以降の変動カテゴリ9〜12,21〜29についても同様であり、図9(A)〜(D)や図10(C),(D)に示す変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割当てられた判定値の範囲の境界となり得る値をピックアップしてカテゴリ判定のために用いられる閾値が導き出される。
また、たとえば、始動入賞時に、遊技状態が高確率/高ベース状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別決定用乱数の値が1〜219となるか否かを判定する。変動パターン種別決定用乱数の値が1〜219となる場合(すなわち、非リーチCA2−3の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「08(H)」を設定した変動カテゴリ9コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が220〜251となる場合(すなわち、スーパーCA2−7の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「09(H)」を設定した変動カテゴリ10コマンドを送信する。
また、たとえば、始動入賞時に、遊技状態が高確率/低ベース状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別決定用乱数の値が1〜79となるか否かを判定する。変動パターン種別決定用乱数の値が1〜79となる場合(すなわち、非リーチCA2−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「0A(H)」を設定した変動カテゴリ11コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が80〜251となる場合(すなわち、スーパーCA2−7の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「0B(H)」を設定した変動カテゴリ12コマンドを送信する。
また、たとえば、始動入賞時に、遊技状態が超時短状態(15R確変大当り終了時の保留記憶に15R確変大当りとなる保留記憶情報が含まれている状態)且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS232において、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値によらず、EXTデータに「0C(H)」を設定した変動カテゴリ13コマンドを送信する。
なお、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態や高確率/低ベース状態)である場合にも、判定値230〜251の範囲にスーパーCA2−7の変動パターン種別を割当てるようにしてもよい。そのようにすれば、遊技状態にかかわらず、スーパーCA2−7の変動パターン種別に対して共通の判定値が割当てられるようにすることができる。そのため、後述する入賞時演出の処理のS232の処理を実行する際に、はずれであれば、遊技状態にかかわらず共通の判定処理を行なえばよくなり、プログラム容量をより低減することができる。また、この場合、S226の遊技状態の判定処理も不要とすることができる。
また、たとえば、始動入賞時に、「15R通常大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別決定用乱数の値が1〜74となるか否かを判定する。変動パターン種別決定用乱数の値が1〜74となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「10(H)」を設定した変動カテゴリ21コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が75〜149となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「11(H)」を設定した変動カテゴリ22コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が150〜251となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「12(H)」を設定した変動カテゴリ23コマンドを送信する。
また、たとえば、始動入賞時に、「15R確変大当りA〜K」のいずれかとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別決定用乱数の値が1〜38となるか否かを判定する。変動パターン種別決定用乱数の値が1〜38となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「13(H)」を設定した変動カテゴリ24コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が39〜79となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「14(H)」を設定した変動カテゴリ25コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が80〜251となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「15(H)」を設定した変動カテゴリ26コマンドを送信する。
また、たとえば、始動入賞時に、2R確変大当りとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別決定用乱数の値が1〜100となるか否かを判定する。変動パターン種別決定用乱数の値が1〜100となる場合(すなわち、特殊CA4−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「16(H)」を設定した変動カテゴリ27コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が101〜251場合(すなわち、特殊CA4−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「17(H)」を設定した変動カテゴリ28コマンドを送信する。
また、たとえば、始動入賞時に、遊技状態が超時短状態(15R確変大当り終了時の保留記憶に15R確変大当りとなる保留記憶情報が含まれている状態)且つ各大当り(15R通常大当り、15R確変大当りA〜K、2R確変大当り)となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS232において、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値によらず、EXTデータに「18(H)」を設定した変動カテゴリ13コマンドを送信する。また、たとえば、始動入賞時に、小当りとなると判定した場合、CPU56は、EXTデータに「19(H)」を設定した変動カテゴリ29コマンドを送信する。
なお、始動入賞時に入賞時判定を行なったときと実際に変動表示を開始するときとでは必ずしも合算保留記憶数が同じであるとは限らないのであるから、入賞時判定結果指定コマンドで示される変動パターン種別が実際に変動表示で用いられる変動パターン種別と一致しない場合も生じ得る。しかし、この実施の形態では、少なくとも非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3の変動パターン種別については、合算保留記憶数にかかわらず共通の判定値が割当てられているのであるから(図9、図10参照)、入賞時判定結果と実際に実行される変動表示の変動パターン種別とで不整合が生じない。そのため、この実施の形態では、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7またはスーパーCA3−3の変動パターン種別になると入賞時判定された変動表示に対して後述する先読み予告演出が実行される。なお、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3の変動パターン種別となると判定した場合にのみ、図16および図17に示す変動カテゴリコマンド(具体的には、変動カテゴリ1コマンド、変動カテゴリ8コマンド、変動カテゴリ23コマンド、変動カテゴリ26コマンドのみ)を送信し、それ以外の変動パターン種別の入賞時判定結果の場合には変動カテゴリコマンドを送信しないようにしてもよい。また、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3以外となると入賞時判定された場合には、変動パターン種別を特定不能であることを示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。
「先読み予告演出」とは、予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行される予告演出のことである。この実施の形態では、先読み予告演出として、予告対象となる変動表示に対する始動入賞(保留記憶)が発生した後に開始される変動表示から演出を開始し、その予告演出の対象となる始動入賞(保留記憶)に対応する変動表示が開始されるよりも前の複数回の変動表示に亘って連続して実行されるものが実行される。
なお、先読み予告演出は、複数回の変動表示に亘って予告演出を実行する必要はなく、たとえば、その予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前の1回のみの変動表示において予告演出を行なうものであってもよい。また、先読み予告演出は、たとえば、その予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前の変動表示から予告演出を開始して、その予告演出の対象となる変動表示の直前の変動表示までで予告演出を終了するものであってもよいし、その予告演出の対象となる変動表示にも亘って予告演出を行なうものであってもよい。また、複数回の変動表示に亘って必ずしも連続して実行する必要はなく、たとえば、1回おきまたは2回おきに間欠的に複数回の変動表示において予告演出を実行してもよい。
なお、先読み予告演出としては、予告対象となる変動表示に対する始動入賞が発生したタイミングで直ちに実行されるものとして、「保留記憶表示」の表示態様が特定の表示態様となることにより先読み予告を行なう演出が含まれてもよい。また、先読み予告演出としては、予告対象となる変動表示に対する始動入賞が発生したタイミングで直ちに実行されるものの他に、予告対象となる変動表示に対する始動入賞が発生した後に開始される変動表示から演出を開始するものが含まれてもよい。
この実施の形態では、遊技状態にかかわらず(たとえば、高確率状態または高ベース状態であるか否か、および、大当り遊技中であるか否かにかかわらず)、始動入賞が発生するごとに入賞時判定の処理が実行され、必ず図15に示す図柄指定コマンドが送信されるとともに図16および図17に示す変動カテゴリコマンドが送信される。そして、演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドに基づいて、予告対象の変動表示が開始される以前に、先読み予告が実行される。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100における演出制御用CPU101は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御コマンドを受信すると、図13に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の変動表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取込み処理を開始する。
図13に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示と、第2特別図柄表示装置8bでの第2特別図柄の変動表示に対応した演出図柄の変動表示とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に伴って演出を行なう演出表示装置9等の演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図18は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。
図18(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。保留特定領域は、RAM55に形成されている。「RAM55に形成されている」とは、RAM55内の領域であることを意味する。図18(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。図18(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図18(A)に示すように、保留特定領域には、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留特定領域には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。
図18(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する保存領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図18(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(MR1)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(MR2)、変動パターン種別決定用乱数(MR3)、および、変動パターン決定用乱数(MR4)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存され、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン決定用乱数(MR4)を始動入賞判定処理(始動入賞時)において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン決定用乱数(MR4)を生成するための変動パターン決定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
このように保留特定領域および保存領域に記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
図2に示す演出制御基板80に搭載されたROMには、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。たとえば、演出制御基板80に搭載されたROMには、演出制御用CPU101が各種の判定や決定、設定を行なうために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、演出制御基板80に搭載されたROMには、演出制御用CPU101が各種の演出装置(たとえば演出制御装置9、スピーカ27、各種LED25,28、可動部材78等)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、たとえば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとを含む複数種類の演出制御パターンが格納されている。
この実施の形態において、特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、変動表示において特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、たとえばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図19(A)は、演出制御パターンの構成例を示す説明図である。
特図変動時演出制御パターンおよび各種演出制御パターンというような、それぞれの演出制御パターンは、たとえば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードというような、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、たとえば遊技領域7の内部または外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データ等が、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用CPU101に内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、たとえば主基板31から所定の演出制御コマンドを受信したこと、および、演出制御用CPU101において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことというような、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、たとえば特別図柄の変動表示中における演出図柄の変動態様を示すデータというような、演出表示装置9の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、演出表示装置9の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、たとえば特別図柄の変動表示中における演出図柄の変動表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータというような、スピーカ27からの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ27からの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、たとえば遊技効果ランプ9や装飾用LEDというような、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。操作検出制御データには、たとえば操作ボタン30というような操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。すなわち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、すべての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図19(B)は、演出制御パターンの内容にしたがって実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU101は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データにしたがって、演出動作の制御内容を決定する。たとえば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で演出図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像というような演出画像を演出表示装置9の画面上に表示させる制御を行なう。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ27から音声を出力させる制御を行なうとともに、ランプ制御データにより指定される態様で装飾用LED等の発光体を点滅させる制御を行ない、操作検出制御データにより指定される操作有効期間において操作ボタン120に対する操作を受付けて演出内容を決定する制御を行なう。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図19(B)に示す演出動作は、演出図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、演出図柄の変動表示中における一部の期間(たとえば予告演出を実行する期間等)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、演出図柄の変動表示中以外の所定期間(たとえば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間等)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU101は、たとえば演出図柄の変動表示を開始するとき等に、変動パターン指定コマンドに示された変動パターン等に基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。また、演出制御用CPU101は、たとえば予告演出というような所定演出の実行を開始するとき等に、対応する演出制御パターン(予告演出制御パターン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROMから読出してRAMの所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROMにおける記憶アドレスを、RAMの所定領域に一時記憶させて、ROMにおける記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行ない、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行なう。このように、演出制御用CPU101は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容にしたがって、演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、各種LED等の発光体、可動部材78のような可動部材等)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU101からVDP109、音声出力基板70、および、ランプドライバ基板35等に対して出力される。演出制御用CPU101からの指令を受けたVDP109は、その指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読出してVRAMに一時記憶させること等により展開させる。また、演出制御用CPU101からの指令を受けた音声出力基板70では、たとえば音声合成用IC703がその指令に示される音声データを音声データROM704から読出して音声RAM等に一時記憶させること等により展開させる。
次に、遊技機の動作について説明する。図20は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下単にSという)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化等)を行なった後(S4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(S10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行なわれたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行なう(S8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行なう。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S43の処理)を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、高確率フラグ、時短フラグ等)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分等である。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(S43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果(15R確変大当り、10R確変大当り、2R確変大当り、突然確変大当り、小当り、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(S44)。そして、S14に移行する。なお、S44において、CPU56は、たとえば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンド(図13参照)も送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。したがって、停電復旧した場合には、S44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。したがって、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(たとえば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値または予め決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、たとえば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ等制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(S13)。たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行なう。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。CPU56は、たとえば、乱数回路設定プログラムにしたがって処理を実行することによって、乱数回路503に大当り判定用のランダムMR1の値を更新させるための設定を行なう。
そして、S15において、CPU56は、所定時間(たとえば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値としてたとえば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、たとえば、変動パターンの種別決定、および、変動パターン決定をするための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において変動表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(たとえば「135」)が停止表示される場合もある)。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行なうことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
図21は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図21に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、たとえば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。CPU56は、たとえば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図22は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。
前述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、始動入賞判定処理を実行する(S311)。始動入賞判定処理においては、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図23に示すような始動入賞時の各種判定処理が行なわれる。そして、パチンコ遊技機1の内部制御状態を示す特別図柄プロセスフラグに応じて、S300〜S310のうちいずれかの処理が行なわれる。
S300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行ない、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行ない、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことに基づいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、S22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なうとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。たとえば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なうとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグ(たとえば、高確率フラグ、時短フラグ)をセットする処理を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(S308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(S309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS310に対応した値(この例では10)に更新する。
小当り終了処理(S310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図23は、S101の始動入賞判定処理を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU56は、図18で説明した第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。たとえば、CPU56は、図18に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図18(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順番が記憶される。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図18(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。なお、S1216の処理では、大当り判定用乱数(MR1)、大当り種別決定用乱数(MR2)、変動パターン種別決定用乱数(MR3)、および、変動パターン決定用乱数(MR4)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン決定用乱数(MR4)を始動入賞判定処理(始動入賞時)において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、第1特図の変動開始時に抽出するようにしてもよい。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン決定用乱数(MR4)を生成するための変動パターン決定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1217)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する制御を行なう(S1218)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用CPU101に送信する制御を行なう(S1219)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する制御を行なう(S1220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する制御を行なう(S1221)。
なお、S1218,S1219の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU56は、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用CPU101に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1218〜S1221の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図18(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。なお、S1227の処理では、大当り判定用乱数(MR1)、大当り種別決定用乱数(MR2)、変動パターン種別決定用乱数(MR3)、および、変動パターン決定用乱数(MR4)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン決定用乱数(MR4)を始動入賞判定処理(始動入賞時)において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、第2特図の変動開始時に抽出するようにしてもよい。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン決定用乱数(MR4)を生成するための変動パターン決定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(S1228)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する制御を行なう(S1229)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用CPU101に送信する制御を行なう(S1230)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する制御を行なう(S1231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する制御を行なう(S1232)。
なお、S1229,S1230の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU56は、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用CPU101に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1229〜S1232の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図24は、始動入賞判定処理におけるS1217,S1228の入賞時演出処理を示すフローチャートである。
入賞時演出処理では、CPU56は、まず、始動入賞判定処理におけるS1216またはS1227で抽出した大当り判定用乱数(MR1)と図5(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞に基づく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、予め大当りや小当りとなるか否か、および、大当りの種別、変動パターン種別決定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前に予め変動表示結果や変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果に基づいて、演出制御用CPU101によって演出図柄の変動表示中に大当りとなることを予告する先読み予告演出を実行する。
大当り判定用乱数(MR1)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S220のN)、CPU56は、遊技状態が確変状態である高確率状態(確変状態、高確率/高ベース状態と高確率/低ベース状態とを含む。)であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認する(S221)。高確率フラグがセットされていれば、CPU56は、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(MR1)と図8(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S222)。なお、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(たとえば、変動開始前に15R確変大当りA〜K、または、2R確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態に基づいて始動入賞時の判定を行なうようにしてもよい。
大当り判定用乱数(MR1)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S222のN)、CPU56は、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(MR1)と図8(B),(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S223)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(S1217の入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第1始動入賞口62への始動入賞があった場合(S1228の入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(MR1)が小当り判定値とも一致しなければ(S223のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータ「00(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行なう(S224)。
次いで、CPU56は、現在の遊技状態を判定する処理を行なう(S225)。この実施の形態では、CPU56は、S225において、遊技状態が高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否か(具体的には、高確率フラグおよび時短フラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にS225で高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS225で高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(たとえば、変動開始前に15R確変大当りA〜Kまたは2R確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS225で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態に基づいて始動入賞時の判定を行なうようにしてもよい。
そして、CPU56は、S225の判定結果に応じて、はずれ用の各閾値を設定する(S226)。この実施の形態では、予め閾値判定を行なう閾値判定プログラムが組み込まれており、閾値より大きいか否かを判定することにより、変動パターン種別決定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかが判定され、図15および図16に示す変動カテゴリコマンドに設定するEXTデータの値が決定される。
たとえば、CPU56は、遊技状態が高確率/高ベース状態であると判定した場合には閾値219を設定する。この場合、CPU56は、後述するS232において、変動パターン種別決定用乱数の値が閾値219以下であるか否かを判定し、閾値219以下である場合(すなわち、1〜219である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「08(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値219以下でない場合(すなわち、220〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「09(H)」を設定すると判定する(図16参照)。
また、たとえば、CPU56は、遊技状態が高確率/低ベース状態であると判定した場合には閾値79を設定する。この場合、CPU56は、後述するS232において、変動パターン種別決定用乱数の値が閾値79以下であるか否かを判定し、閾値79以下である場合(すなわち、1〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「0A(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値79以下でない場合(すなわち、80〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「0B(H)」を設定すると判定する(図16参照)。
また、たとえば、CPU56は、遊技状態が通常状態であると判定した場合には、合算保留記憶数にかかわらず、閾値79、89、99、169、199、214および229を設定する。この場合、CPU56は、後述するS232において、変動パターン種別決定用乱数の値が閾値79以下であるか否かを判定し、閾値79以下である場合(すなわち、1〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「00(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値89以下である場合(すなわち、80〜89である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「01(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値99以下である場合(すなわち、90〜99である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「02(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値169以下である場合(すなわち、100〜169である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「03(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値199以下である場合(すなわち、170〜199である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「04(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値214以下である場合(すなわち、200〜214である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「05(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値229以下である場合(すなわち、215〜229である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「06(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値229以下でない場合(すなわち、230〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「07(H)」を設定すると判定する(図16参照)。
なお、上記に示す閾値判定の例では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していくので、後の順番の閾値で判定されたものが前の順番の閾値以下の範囲内となることはない。すなわち、閾値79以下であるか否かを判定した後に、閾値89以下であるか否かを判定するときには、前の順番の閾値以下の1〜79の範囲内となることはなく、80〜89の範囲であるか否かを判定することになる。また、この実施の形態では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していく場合を示したが、逆に大きい方から順に229、214、199、169、99、89および79と判定していってもよい。このことは、以下に示す他の閾値を用いた判定を行なう場合も同様である。
なお、S225の遊技状態の判定を行なうことなく、常に通常状態(低確率/低ベース状態)における閾値を設定するようにしてもよい。そのように構成しても、少なくとも「非リーチはずれ」となる変動パターン種別と「スーパーリーチはずれ」となる変動パターン種別とに関しては判定値の範囲が共通化されているのであるから、「非リーチはずれ」や「スーパーリーチはずれ」となるか否かについては判定することができる。
大当り判定用乱数(MR1)が小当り判定値と一致した場合には(S223のY)、CPU56は、「小当り」となることを示すEXTデータ「05(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行なう(S227)。
次いで、CPU56は、小当り用の閾値を設定する(S228)。なお、この実施の形態では、CPU56は、閾値251を設定するものとし、後述するS232において、変動パターン種別決定用乱数の値が閾値251以下である(1〜251である)と判定して、変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「18(H)」を設定すると判定するものとする(図17参照)。なお、小当りである場合には、閾値判定を行なうことなく、そのままEXTデータ「18(H)」を設定すると判定するようにしてもよい。
S220またはS222で大当り判定用乱数(MR1)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、S1216,S1227で抽出した大当り種別決定用乱数(MR2)に基づいて大当りの種別を判定する(S229)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(S1217の入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(D)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて大当り種別が「15R確変大当りA〜K」、「15R通常大当り」、または、「2R確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(S1228の入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(E)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを用いて大当り種別が「15R確変大当りA〜K」、「15R通常大当り」、または、「2R確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次いで、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう(S230)。この場合、「15R通常大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「15R通常大当り」となることを示すEXTデータ「01(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行なう。また、「15R確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「15R確変大当りA〜K」となることを示すEXTデータ「02(H)」〜「0C(H)」のいずれかを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう。また、「2R確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「2R確変大当り」となることを示すEXTデータ「0D(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行なう。
そして、CPU56は、S229で判定した大当り種別に応じて、大当り用の各閾値を設定する(S231)。
たとえば、CPU56は、「15R通常大当り」と判定した場合には、閾値74および149を設定する。この場合、CPU56は、後述するS232において、変動パターン種別決定用乱数の値が閾値74以下であるか否かを判定し、閾値74以下である場合(すなわち、1〜74である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「10(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値149以下である場合(すなわち、75〜149である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「11(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値149以下でない場合(すなわち、150〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「12(H)」を設定すると判定する(図17参照)。
また、たとえば、CPU56は、「15R確変大当りA〜K」のいずれかと判定した場合には、閾値38および79を設定する。この場合、CPU56は、後述するS232において、変動パターン種別決定用乱数の値が閾値38以下であるか否かを判定し、閾値38以下である場合(すなわち、1〜38である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「13(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値79以下である場合(すなわち、39〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「14(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値79以下でない場合(すなわち、80〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「15(H)」を設定すると判定する(図17参照)。
また、たとえば、CPU56は、「2R確変大当り」と判定した場合には、閾値100を設定する。この場合、CPU56は、後述するS232において、変動パターン種別決定用乱数の値が閾値100以下であるか否かを判定し、閾値100以下である場合(すなわち、1〜100である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「16(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値100以下でない場合(すなわち、101〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「17(H)」を設定すると判定する(図17参照)。
次いで、CPU56は、S226,S228,S231で設定した閾値と、S1216,S1227で抽出した変動パターン種別決定用乱数(MR3)とを用いて、変動パターン種別決定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する(S232)。
なお、S226,S228,S231において、予め定められた閾値を設定するのではなく、変動パターン種別判定テーブル(図9、図10参照)を設定するようにし、S232において、設定した変動パターン種別判定テーブルを用いて、変動パターン種別決定用乱数の値の範囲やいずれの変動パターン種別となるかを判定するようにしてもよい。
そして、CPU56は、判定結果に応じたEXTデータを変動カテゴリコマンドに設定する処理を行なう(S233)。具体的には、CPU56は、S232でいずれの変動パターン種別になると判定したかに応じて、図16および図17に示すような「00(H)」〜「0C(H)」、「10(H)」〜「19(H)」のいずれかの値を変動カテゴリコマンドのEXTデータに設定する処理を行なう。
なお、この実施の形態では、入賞時判定において大当りや小当りとなると判定した場合であっても一律に変動パターン種別決定用乱数の値がいずれの範囲となるかを判定する場合を示したが、大当りや小当りとなると判定した場合には、変動パターン種別決定用乱数の値の範囲の判定を行なわないようにしてもよい。そして、大当りまたは小当りとなると入賞時判定したことを示す図柄指定コマンドを送信するとともに、大当りまたは小当りの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。そして、たとえば、演出制御用CPU101は、具体的にいずれの変動パターン種別となるかまでは示されていないものの、包括的にいずれかの大当りの変動パターン種別となることが示された変動カテゴリコマンドを受信したことに基づいて、後述する先読み予告演出を実行するようにしてもよい。
図25は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。
特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用CPU101に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行ない(S51A)、処理を終了する。
なお、たとえば、CPU56は、S51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることに基づいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
また、S51において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認するのではなく、保留特定領域の1番目の領域にデータが設定されているか否かを確認し、設定されていれば保留記憶があると判定してS52に移行し、設定されていなければ保留記憶がないと判定してS51Aに移行してもよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図17(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S52のY)、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S54)。
S52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順にしたがって、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。
なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順にしたがって、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。この場合、たとえば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置15が設けられた第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。
また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合、図23に示した入賞時演出処理において、大当り判定用乱数(MR1)の値を、低確率状態における大当り判定値と比較する処理のみを実行するようにし、高確率状態における大当り判定値とは比較しないようにしてもよい(具体的には、S220の処理のみを実行し、S221,S222の処理は行なわないようにしてもよい)。そのように構成すれば、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合に、入賞時判定における大当りの判定結果と実際の変動開始時における大当りの決定結果との間にズレが生じることを防止することができる。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、低確率/低ベース状態指定コマンド、高確率/高ベース状態指定コマンド、および、高確率/低ベース状態指定コマンドのような遊技状態指定コマンドのうち、現在の遊技状態に応じた遊技状態指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する制御を行なう(S60)。この場合、高確率状態であることを示す高確率フラグがセットされているとともに、高ベース状態である(本実施の形態では、時短状態に付随して電チューサポート制御状態となるので、時短フラグがセットされているときは高ベース状態である)ことを示す時短フラグがセットされている場合には、高確率/高ベース状態指定コマンドを送信する制御を行なう。また、高確率フラグがセットされており、時短フラグがセットされていないときには、高確率/低ベース状態指定コマンドを送信する制御を行なう。また、高確率フラグも時短フラグもセットされていないときには、低確率/低ベース状態指定コマンドを送信する制御を行なう。
具体的には、CPU56は、演出制御用CPU101に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S28)において演出制御コマンドを送信する。この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、遊技状態指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドの順に、演出制御コマンドが演出制御用CPU101に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、遊技状態指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に合算保留記憶数減算指定コマンドが送信される。特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用CPU101に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S320の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からMR1(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、始動入賞判定処理のS1216やS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値や小当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態、高確率/低ベース状態)の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(MR1)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61)、S71に移行する。大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、高確率フラグがセットされているか否かにより行われる。高確率フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「15R確変大当りA〜K」、「15R通常大当り」、または、「2R確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、大当り遊技終了後、次回の大当りが発生したときにリセットされる。
大当り判定用乱数(MR1)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図8(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(MR1)の値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図8(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図8(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(S62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(S63)、S75に移行する。
なお、MR1の値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(S62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままS75に移行する。
S71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(S72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図8(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図8(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別決定用の乱数(MR2)の値と一致する値に対応した種別(「15R確変大当りA〜K」、「15R通常大当り」、または、「2R確変大当り」)を大当りの種別に決定する(S73)。この場合、CPU56は、始動入賞判定処理のS1216やS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別決定用乱数(MR2)を読出し、大当り種別の決定を行なう。また、この場合に、図8(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、2R確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55に設けられた大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「15R通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」(16進数、以下同様)が設定される。大当り種別が「15R確変大当りA」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定される。大当り種別が「15R確変大当りB」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。大当り種別が「15R確変大当りC」の場合には大当り種別を示すデータとして「04」が設定される。大当り種別が「15R確変大当りD」の場合には大当り種別を示すデータとして「05」が設定される。大当り種別が「15R確変大当りE」の場合には大当り種別を示すデータとして「06」が設定される。大当り種別が「15R確変大当りF」の場合には大当り種別を示すデータとして「07」が設定される。大当り種別が「15R確変大当りG」の場合には大当り種別を示すデータとして「08」が設定される。大当り種別が「15R確変大当りH」の場合には大当り種別を示すデータとして「09」が設定される。大当り種別が「15R確変大当りI」の場合には大当り種別を示すデータとして「0A」が設定される。大当り種別が「15R確変大当りJ」の場合には大当り種別を示すデータとして「0B」が設定される。大当り種別が「15R確変大当りK」の場合には大当り種別を示すデータとして「0C」が設定される。大当り種別が「2R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「0D」が設定される。大当り種別が「2R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「0E」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(S75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「0」、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」、「8」、「9」、「A」、「C」、「E」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「15R通常大当り」に決定した場合には「0」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別を「2R通常大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定する。「15R確変大当りA」に決定した場合には「2」を特別図柄の停止図柄に決定する。「15R確変大当りB」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。「15R確変大当りC」に決定した場合には「4」を特別図柄の停止図柄に決定する。「15R確変大当りD」に決定した場合には「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。「15R確変大当りE」に決定した場合には「6」を特別図柄の停止図柄に決定する。「15R確変大当りF」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。「15R確変大当りG」に決定した場合には「8」を特別図柄の停止図柄に決定する。「15R確変大当りH」に決定した場合には「9」を特別図柄の停止図柄に決定する。「15R確変大当りI」に決定した場合には「A」を特別図柄の停止図柄に決定する。「15R確変大当りJ」に決定した場合には「C」を特別図柄の停止図柄に決定する。「15R確変大当りK」に決定した場合には「E」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「F」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、予め特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数に基づいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果に基づいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図26は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。
変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、後述する特別大当り保留記憶フラグがセットされているか否かを確認する(S91A)。特別大当り保留記憶フラグは、15R確変大当り(15R確変大当りA〜Kのいずれか)の大当り遊技状態において保留記憶中に15R確変大当り(15R確変大当りA〜Kのいずれか)となる保留記憶情報が含まれているときに、大当り終了処理(S307)のS158Bにおいてセットされるフラグである。このような特別大当り保留記憶フラグは、たとえば、15R確変大当り(15R確変大当りA〜Kのいずれか)の大当り遊技状態終了後に超時短変動パターンでの変動表示を行なう条件が成立しているか否かを示すために用いられる。
S91Aで特別大当り保留記憶フラグがセットされていると判断したときは、図9(D)の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Dを選択し(S91B)、特別大当り保留記憶フラグをリセットして(S91C)、後述するS102に進む。これにより、特別大当り保留記憶フラグがセットされているときには、超時短変動パターンでの変動表示が選択されて実行されることとなる。
また、前述したS91Aで特別大当り保留記憶フラグがセットされていないと判断したときは、CPU56は、大当り種別に応じて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132C(図9(A)〜(C)参照)のいずれかを選択する(S92)。そして、S102に移行する。このように、特別大当り保留記憶フラグがセットされているときには、超時短の変動表示をするための大当り用変動パターン種別判定テーブル132Dが、超時短の変動表示以外の変動表示をするための大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cよりも優先して選択されることとなる。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、後述する特別大当り保留記憶フラグがセットされているか否かを判定する(S101A)。S101Aで特別大当り保留記憶フラグがセットされているときは、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135E(図10(E)参照)を選択し(S101B)、後述するS102に進む。はずれ用変動パターン種別判定テーブル135Eは、超時短の変動表示が行なわれる変動パターンが選択されるときに用いられる変動パターン種別判定テーブルであるので、15R確変大当り(15R確変大当りA〜Kのいずれか)の大当り遊技状態において保留記憶中に15R確変大当り(15R確変大当りA〜Kのいずれか)となる保留記憶情報が含まれているときには、大当り遊技状態終了後に当該保留記憶情報に基づく変動表示が実行される前に、はずれとなる変動表示において超時短の変動パターンで変動表示が実行される。
S101Aで特別大当り保留記憶フラグがセットされていないときは、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブル132D(図9(D)参照)を選択する(S94)。そして、S102に移行する。
小当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、高ベース状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(S95)。なお、時短フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、高ベース状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「15R確変大当りA〜K」、または、「15R通常大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。また、大当り遊技終了後、次回の大当りが発生したときにリセットされる。
高ベース状態であることを示す時短フラグがセットされていなければ(S95のN)、CPU56は、高確率状態(確変状態)であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認する(S96)。高確率フラグもセットされていなければ(S96のN)、すなわち、遊技状態が通常状態(低確率/低ベース状態)であれば、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(S97)。合算保留記憶数が3未満であれば(S97のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図10(A)参照)を選択する(S98)。そして、S102に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(S97のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(図10(B)参照)を選択する(S99)。そして、S102に移行する。
高確率フラグがセットされている場合(S96のY)には、すなわち、遊技状態が高確率/低ベース状態であれば、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135D(図10(D)参照)を選択する(S100)。そして、S102に移行する。
高ベース状態であることを示す時短フラグがセットされている場合(S95のY)には、すなわち、遊技状態が高確率/高ベース状態であれば(この実施の形態では、低確率/高ベース状態に制御されることはないので、時短フラグがセットされていれば高確率/高ベース状態である)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(図10(C)参照)を選択する(S101)。そして、S102に移行する。
このように、この実施の形態では、S101A〜S101Bの処理が実行されることによって、15R確変大当り(15R確変大当りA〜Kのいずれか)の大当り遊技状態において保留記憶中に15R確変大当り(15R確変大当りA〜Kのいずれか)となる保留記憶情報が含まれているときには、大当り遊技状態終了後に当該保留記憶情報に基づく大当りとなる変動表示が実行されるまで、変動表示において超時短の変動パターンで変動表示が実行されることとなる。
また、この実施の形態では、15R確変大当りの大当り遊技状態において保留記憶中に15R確変大当りとなる保留記憶情報が含まれていることを条件として、大当り遊技状態終了後に、超時短の変動パターンで変動表示が実行されることとなる例を説明した。しかし、これに限らず、15R確変大当りとなるときには、保留記憶中に15R確変大当りとなる保留記憶情報が含まれているか否かにかかわらず、大当り遊技状態終了後に、保留記憶数の上限値の範囲内において、超時短の変動パターンで変動表示が実行されるようにしてもよい。
また、15R確変大当りA〜Kのうちの特定種類の大当りとなったときにのみ、保留記憶中に15R確変大当りとなる保留記憶情報が含まれているか否かにかかわらず、大当り遊技状態終了後に、保留記憶数の上限値の範囲内において、超時短の変動パターンで変動表示が実行されるようにしてもよい。たとえば、15R確変大当りA〜Kは、このような大当り遊技状態終了後に、保留記憶数の上限値の範囲内において超時短の変動パターンで変動表示をする特定種類の15R確変大当りと、それ以外の15R確変大当りとを含み、特定種類の15R確変大当り(たとえば、15R確変大当りK)となったときには、保留記憶中に15R確変大当りとなる保留記憶情報が含まれているか否かにかかわらず、大当り遊技状態終了後に、保留記憶数の上限値の範囲内(たとえば、保留記憶数の上限値に対応する回数等の上限値の範囲内の回数)において、超時短の変動パターンで変動表示が実行されるようにし、特定種類以外の種類の15R確変大当りとなったときには、このような超時短の変動パターンでの変動表示が実行されず、通常の変動パターンでの変動表示が実行されるようにしてもよい。これにより、大当りとなるときの大当り表示結果(大当り図柄)により特定可能な大当りの種類に基づいて、超時短の変動パターンでの変動表示を実行するか否かが決まることとなる。このような15R確変大当りA〜Kのうちの特定種類の確変大当りの大当り遊技状態となったときにのみ、保留記憶中に15R確変大当りとなる保留記憶情報が含まれているか否かにかかわらず、大当り遊技状態終了後に、保留記憶数の上限値の範囲内において、超時短の変動パターンで変動表示が実行される構成を用いる場合においては、後述するように、特定種類の15R確変大当りの大当り遊技状態となったことを条件に、継続報知演出に含まれる後述の第1〜第3継続報知演出のうち、保留記憶中に15R確変大当りとなる保留記憶情報が含まれていることを特定可能な第3継続報知演出を実行するようにしてもよい。
このように大当り遊技状態終了後に、保留記憶数の上限値の範囲内において、超時短の変動パターンで変動表示を実行するときの変動表示回数は、保留記憶数の上限値の範囲内であれば、予め定められた回数(たとえば、保留記憶数の上限値に対応する回数等の固定された回数)でもよく、大当り有利状態が発生するごとに複数種類の回数のうちから選択された回数(たとえば、15R確変大当りとなる保留記憶による変動表示が実行されるまでの回数、または、15R確変大当りとなる保留記憶による変動表示が実行される前まで(15R確変大当りとなる保留記憶による変動表示回を含まない)の回数等の変化可能な回数)であってもよい。
また、この実施の形態では、S101A〜S101B、S91A〜S91Cの処理が実行されることによって、15R確変大当りの大当り遊技状態において保留記憶中に15R確変大当りとなる保留記憶情報が含まれているときには、大当り遊技状態終了後に、必ず超時短の変動パターンで変動表示が実行されることとなる例を説明した。しかし、これに限らず、このような場合に、大当り遊技状態終了後に、超時短の変動パターンで変動表示が実行されないようにしてもよい。また、このような場合に、大当り遊技状態終了後に、所定割合で超時短の変動パターンで変動表示を実行するか否かを判定する処理を行ない、実行することが判定されたときに、超時短の変動パターンで変動表示を実行するようにしてもよい。このような判定は、各保留記憶を対象として保留記憶ごとに行なってもよく、すべての保留記憶を対象として一括的に行なってもよい。
また、このような超時短の変動パターンで実行する変動表示は、このような保留記憶のうち、表示結果がはずれとなる変動表示のみを対象として行なうようにしてもよい。
また、この実施の形態では、S95〜S101の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3以上である場合には、図10(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが選択される。また、遊技状態が高確率/高ベース状態である場合には、図10(C)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが選択される。この場合、後述するS102の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、S105の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(図12参照)。したがって、この実施の形態では、遊技状態が高確率/高ベース状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。なお、この実施の形態では、高確率/高ベース状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図10(C)参照)と、保留記憶数に基づく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図10(B)参照)とが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が高ベース状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(たとえば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行なわないようにしてもよい。この場合、たとえば、CPU56は、S95でYと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図10(A)参照)を選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からMR3(変動パターン種別決定用乱数)を読出し、S92、S94、S98、S99、S100、S101またはS101Eの処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(S102)。
次いで、CPU56は、S102の変動パターン種別の決定結果に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A、137B(図11参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(図12参照)のうちのいずれかを選択する(S103)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からMR4(変動パターン決定用乱数)を読出し、S103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S105)。なお、始動入賞のタイミングでMR4(変動パターン決定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン決定用乱数(MR4)を生成するための変動パターン決定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値に基づいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用CPU101に送信する制御を行なう(S106)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行なう。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行なう。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用CPU101に送信する制御を行なう(S107)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S109)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果に基づいて、S95〜S102の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、予め非リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図10に示す非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3の変動パターン種別を含むもの)と、リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図10に示すノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別を含むもの)とを用意しておき、リーチ判定結果に基づいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるにしたがってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU56は、たとえば、入賞時演出処理における「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かの判定において、リーチ判定テーブルの共通の範囲に割当てられた判定値に合致するか否かを判定することによって、リーチとなるか否かを予め判定するようにしてもよい。なお、予告演出の実行割合が低下してしまうことを考慮すると、この実施の形態で示したように、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理を行なうことなく、変動パターン種別によって「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かを事前判定して先読み予告演出を行なうように構成することが好ましい。
図27は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S131)。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。なお、S32の特別図柄表示制御処理においては、終了フラグを参照して特別図柄の変動表示を終了するのではなく、特別図柄プロセス処理のプロセスの状態を参照して特別図柄の変動表示を終了するようにしてもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう(S132)。そして、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S133)。大当りフラグがセットされていない場合には、後述するS146に移行する。
大当りフラグがセットされている場合に、CPU56は、高確率フラグ、および、時短フラグのうちセットされているフラグをリセットし(S134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行なう(S135)。具体的には、大当りの種別が15R通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が15R確変大当りAである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が15R確変大当りBである場合には大当り開始3指定コマンドを送信する。大当りの種別が15R確変大当りCである場合には大当り開始4指定コマンドを送信する。大当りの種別が15R確変大当りDである場合には大当り開始5指定コマンドを送信する。大当りの種別が15R確変大当りEである場合には大当り開始6指定コマンドを送信する。大当りの種別が15R確変大当りFである場合には大当り開始7指定コマンドを送信する。大当りの種別が15R確変大当りGである場合には大当り開始8指定コマンドを送信する。大当りの種別が15R確変大当りHである場合には大当り開始9指定コマンドを送信する。大当りの種別が15R確変大当りIである場合には大当り開始10指定コマンドを送信する。大当りの種別が15R確変大当りJである場合には大当り開始11指定コマンドを送信する。大当りの種別が15R確変大当りKである場合には大当り開始12指定コマンドを送信する。大当りの種別が2R確変大当りである場合には大当り開始13指定コマンドを送信する。
S135において、大当りの種別がいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に通常状態(低確率/低ベース状態)指定コマンドを送信する制御を行なう(S136)。
また、大当り遊技状態における制御時間を管理するための大入賞口制御タイマに、大当りの発生時において演出表示装置9で大当りが発生したことを報知する大当り表示時間に相当する値を設定する(S137)。また、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、ROM54に記憶されている開放パターンデータ(図5参照)を参照し、大当りのラウンド数を計数するためのラウンド数計数用カウンタにラウンド数(たとえば、15R通常大当りおよび15R確変大当りA〜Kの場合には15回。2R確変大当りの場合には2回。)をセットする(S138A)。そして、1ラウンド中における開放回数を計数するためのカウンタとしてのラウンド中開放数カウンタを初期値(0回)にセットする(S138B)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新し(S139)、処理を終了する。
また、前述のS133で大当りフラグがセットされていないときに、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S146)。小当りフラグがセットされていない場合には、表示結果がはずれのときであり、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S147)、処理を終了する。
小当りフラグがセットされている場合に、CPU56は、小当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S148A)。
また、大入賞口制御タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことをたとえば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S148B)。また、ROM54に記憶されている小当りの開放パターンデータを参照し、小当り開放前処理(S308)および小当り開放中処理(S309)で大入賞口の開放回数を計数管理するために用いる開放回数カウンタに開放回数(2回)をセットする(S148C)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(S308)に対応した値に更新し(S148D)、処理を終了する。これにより、その後、小当り開放前処理(S308)および小当り開放中処理(S309)が実行されることにより、小当り遊技状態において2R確変大当りの大当り遊技状態と同じ態様で大入賞口が2回開放されることとなる。
図28は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(S305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(S401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(S402)、大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ、S411に進む。
大入賞口制御タイマの値が0になっている場合には、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(特別可変入賞球装置20)を開放する制御を行なう(S403)。そして、ラウンド数計数用カウンタの値を−1する(S404)。また、CPU56は、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行ない(S405)、S406に進む。なお、CPU56は、現在のラウンド数を、大当り遊技中のラウンド数をカウントするためのラウンド数計数用カウンタの値を確認することにより認識する。
次いで、S406において、CPU56は、大当りの種別に応じた開放パターンデータに基づいて、大入賞口制御タイマに、大入賞口が開放可能な最大時間(大入賞口開放時間)に応じた大入賞口開放時間を設定する(S406)。大入賞口開放時間は、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、ROM54に記憶されている開放パターンデータを参照して設定する。S406において、大入賞口開放時間としては、大当り種別やラウンド数(ラウンド数計数用カウンタの値)、ラウンド中開放数カウンタの値に応じて0.5秒または30秒がセットされる。
具体的には、15R通常大当りのすべてのラウンド、15R確変大当りAにおける第1〜5ラウンド、15R確変大当りBにおける第1〜6ラウンド、15R確変大当りCにおける第1〜7ラウンド、15R確変大当りDにおける第1〜8ラウンド、15R確変大当りEにおける第1〜9ラウンド、15R確変大当りFにおける第1〜10ラウンド、15R確変大当りGにおける第1〜11ラウンド、15R確変大当りHにおける第1〜12ラウンド、15R確変大当りIにおける第1〜13ラウンド、15R確変大当りJにおける第1〜14ラウンド、および、15R確変大当りKにおける第1〜15ラウンドにおいては、大入賞口開放時間に30秒がセットされる。
また、2R確変大当りのすべてのラウンド、15R確変大当りAにおける第6〜15ラウンド、15R確変大当りBにおける第7〜15ラウンド、15R確変大当りCにおける第8〜15ラウンド、15R確変大当りDにおける第9〜15ラウンド、15R確変大当りEにおける第10〜15ラウンド、15R確変大当りFにおける第11〜15ラウンド、15R確変大当りGにおける第12〜15ラウンド、15R確変大当りHにおける第13〜15ラウンド、15R確変大当りIにおける第14〜15ラウンド、および、15R確変大当りJにおける第15ラウンドラウンドにおいては、大入賞口開放時間に0.5秒がセットされる。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(S306)に応じた値に更新する(S407)。
また、S411の処理では、CPU56は、ラウンド中開放数カウンタの値が0であるか否かによって、ラウンド中の閉鎖であるか否か判定できるが、大入賞口開放中処理において、ラウンド中開放数カウンタの値を−1したときにラウンド中開放数カウンタの値が0でないときにラウンド中の閉鎖を示すフラグをセットし、S411の処理で、そのフラグに基づいてラウンド中の閉鎖であるか否か判定してもよい。その場合には、大入賞口開放中処理に移行するときに、そのフラグをリセットする。
図29は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(S306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(S420)。
そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になったか否か確認する(S421)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは、カウントスイッチ23がオンしたか否か確認し(S432)、カウントスイッチ23がオンしていなければ、処理を終了する。カウントスイッチ23がオンした場合には、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントするための入賞個数カウンタの値を+1する(S433)。そして、CPU56は、入賞個数カウンタの値が所定数(たとえば9)になっているか否か確認する(S434)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ、処理を終了する。なお、S421とS422との判定順は逆でもよい。
入賞個数カウンタの値が所定数になっているときには、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を閉鎖する制御を行なう(S435)。そして、S436に進む。
一方、S421で大入賞口制御タイマの値が0になっている場合には(S421)、ソレノイド21を駆動して大入賞口を閉鎖する制御を行ない(S422)、S436に進む。
S436に進んだ場合、CPU56は、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)。次いで、CPU56は、ラウンド数計数用カウンタの値を確認する(S438)。ラウンド数計数用カウンタの値が0でない場合には、CPU56は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S439)。
そして、大入賞口制御タイマに、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでのインターバル時間に相当する値を設定する(S440)。具体的に、大当り種別は、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて確認する。また、インターバル時間は、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、ROM54に記憶されている開放パターンデータを参照して設定する。具体的に、インターバル期間は、基本的に5秒である。一方、2R確変大当りの場合は、これより短い期間(たとえば0.5秒)である。これにより、大当り遊技状態中のラウンド間においては、大入賞口制御タイマの値が0になるまで、インターバル時間となり、インターバル時間について予め定められた演出をする制御が行なわれる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に応じた値に更新する(S441)。
また、開放回数カウンタの値が0である場合に、CPU56は、大当り種別に応じた大当り終了コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御を行なう(S442)。具体的に、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて、大当り種別を確認する。そして、大当り種別が15R通常大当りであった場合には、大当り終了1指定コマンドを送信する。大当り種別が15R確変大当りAであった場合には、大当り終了2指定コマンドを送信する。大当り種別が15R確変大当りBであった場合には、大当り終了3指定コマンドを送信する。大当り種別が15R確変大当りCであった場合には、大当り終了4指定コマンドを送信する。大当り種別が15R確変大当りDであった場合には、大当り終了5指定コマンドを送信する。大当り種別が15R確変大当りEであった場合には、大当り終了6指定コマンドを送信する。大当り種別が15R確変大当りFであった場合には、大当り終了7指定コマンドを送信する。大当り種別が15R確変大当りGであった場合には、大当り終了8指定コマンドを送信する。大当り種別が15R確変大当りHであった場合には、大当り終了9指定コマンドを送信する。大当り種別が15R確変大当りIであった場合には、大当り終了10指定コマンドを送信する。大当り種別が15R確変大当りJであった場合には、大当り終了11指定コマンドを送信する。大当り種別が15R確変大当りKであった場合には、大当り終了12指定コマンドを送信する。大当り種別が2R確変大当りであった場合には、大当り終了13終了指定コマンドを送信する。
次に、CPU56は、大入賞口制御タイマに大当り終了時間(大当り遊技が終了したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定し(S443)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(S307)に応じた値に更新し(S444)、処理を終了する。
図30は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を1減算する(S151)。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了時間が経過したか否か確認する(S152)。経過していなければ処理を終了する。一方、経過していれば、大当りフラグをリセットする(S153)。そして、終了する大当りの大当り種別が、15R確変大当りA〜K、および、2R確変大当りのうちのいずれかに該当するか否かを判定する(S154)。
S154で、前述のような種別の大当りでないときには、大当り遊技状態の終了後に、確変状態に制御せず、時短状態および電チューサポート制御状態に制御しない大当り(15R通常大当り)であるので、高確率フラグおよび時短フラグをセットせずにS160に進む。
一方、S154で、判定される種別の大当りは、すべて確変大当りであるので、これら種別の大当りであるときには、高確率フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(S155)。
次に、これら種別の大当りのうち、終了する大当りの種別が、15R確変大当りA〜Kのいずれかに該当するか否か確認する(S156)。15R確変大当りA〜Kは、確変状態に制御するとともに、時短状態および電チューサポート制御状態に制御する大当りであるので、15R確変大当りA〜Kのいずれかに該当するときには、時短フラグをセットし(S157)する。そして、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して高確率/高ベース状態指定コマンドを送信する制御を行ない(S158)、S158Aに進む。
S158Aでは、保留記憶中に15R確変大当り(15R確変大当りA〜Kのいずれか)となる保留記憶情報が含まれているかどうかを判定する(158A)。158Aで、そのような保留記憶情報が含まれていないときはS160に進み、一方、そのような保留記憶情報が含まれている含まれているときは、特別大当り保留記憶フラグをセットし(S158B)、S160に進む。
前述したように、特別大当り保留記憶フラグは、15R確変大当りA〜Kのいずれかの大当り遊技状態において記憶されている保留記憶情報中に15R確変大当りA〜Kのいずれかとなる保留記憶情報が含まれているときにセットされるフラグであり、大当り遊技状態終了後に、当該保留記憶情報に基づく変動表示を、前述したような超時短の変動時間での変動パターンで実行させるために用いられる。これにより、15R確変大当りの大当り遊技状態の終了後、大当り遊技状態において存在した保留記憶情報のうち15R確変大当りとなる変動表示が実行されるまで超時短の変動パターンの変動表示が実行されることで、保留記憶が極めて短時間で消化されることとなる。
また、前述したS156で15R確変大当りA〜Kのいずれにも該当しないときは、消去法的に2R確変大当りであり、2R確変大当りでは、確変状態に制御するが時短状態および電チューサポート制御状態に制御しない大当りであるので、大当り終了処理においては、時短フラグをセットしない。そして、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して高確率/低ベース状態指定コマンドを送信する制御を行ない(S159)、S160に進む。
S160において、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S170)、処理を終了する。
前述したS154,S156において、大当り種別は、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて確認される。
前述したように、高確率/高ベース状態となるとき、および、高確率/低ベース状態となるときには、これらの状態を指定する遊技状態指定コマンドが送信されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100において、遊技状態が、高確率/低ベース状態、高確率/低ベース状態、および、高確率/高ベース状態のいずれにあるかを認識することができるので、遊技状態の種別に応じて異なる演出を行なうことができる。
また、取り扱うタイマやフラグは異なるものの、S308の小当り開放前処理はS305の大当り開放前処理において2R確変大当りのときに実行される処理と同様の処理であり、S309の小当り開放中処理はS306の大当り開放中処理において2R確変大当りのときに実行される処理と同様の処理であり、S310の小当り終了処理はS307の大当り終了処理において2R確変大当りのときに実行される処理と同様の処理であり、これらの処理が実行されることにより、小当り遊技状態では、2R確変大当りのときの大当り遊技状態と同様の開放パターンで特別可変入賞球装置20の大入賞口が開放動作させられる。小当り終了処理においては、高確率フラグおよび時短フラグはセットされない。
次に、演出制御基板80における動作を説明する。図31は、演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
演出制御基板80では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU101が起動して、図31のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図31に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU101は、まず、所定の初期化処理を実行して(S501)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板80に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行なう。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行なう(S502)。タイマ割込みフラグは、たとえばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(たとえば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(S502;No)、S502の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板80の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板31から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、たとえば主基板31からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU101は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU101は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、たとえば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/Oに含まれる入力ポートのうちで、中継基板77を介して主基板31から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取込む。このとき取込まれた演出制御コマンドは、たとえば演出制御基板80に搭載されたRAMにおける演出制御バッファ設定部に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU101は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
S502でタイマ割込みフラグがオンである場合には(S502;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(S503)、コマンド解析処理を実行する(S504)。S504で実行されるコマンド解析処理では、たとえば主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読出した後に、その読出された演出制御コマンドに対応した設定や制御等が行なわれる。
S504でコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(S505)。S505の演出制御プロセス処理では、たとえば演出表示装置9の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ27からの音声出力動作、枠LED28および装飾LED25というような装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作というような、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板31から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定等が行なわれる。
S505の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(S506)、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAMに設けられた演出制御カウンタ設定部のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。演出制御用CPU101では、演出用乱数として、演出図柄の表示結果を決定するために用いるSR1−1(左演出図柄決定用),SR1−2(中演出図柄決定用),SR1−3(右演出図柄決定用)が用いられる。さらに、演出制御用CPU101では、演出用乱数として、先読み予告を実行するか否かの判定および先読み予告を実行するときの演出態様(ステージ(演出場面))の選択を行なう先読み予告判定用乱数SR2等の各種の演出用乱数が用いられる。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用CPU101では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種LED25,28等の各種ランプ、および、スピーカ27等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させる。変動表示は、各変動パターンコマンドに対応する変動時間で実行されるように制御される。また、演出図柄の停止図柄は、表示結果指定コマンドに基づいて、はずれとなるか大当りとなるかの判別、および、大当りとなるときの大当り種別の判別を行ない、前述したような演出図柄の表示結果決定用の演出用乱数(SR1−1,SR1−2,SR1−3)を用いて決定される。
たとえば、「15R確変大当りA〜K」、および、「15R通常大当り」のような大当りとなるときには、大当り種別に対応して予め定められた大当り表示結果(ゾロ目の表示結果)が決定される。また、「2R確変大当り」または「小当りと」なるときには、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなるチャンス目が表示結果として決定される。また、はずれとなるときには、ぞろ目とならない左,中,右の演出図柄の組合せをはずれ表示結果としてランダムに決定する。ただし、はずれとなるときにおいて、変動パターンコマンドがリーチとなることを指定するコマンドであるときには、変動表示中において左,右の図柄が揃ったリーチ図柄を形成することが可動なはずれ表示結果を決定し、変動パターンコマンドがリーチとならない(通常変動となる)ことを指定するコマンドであるときには、変動表示中において左,右の図柄が揃ったリーチ図柄を形成しないようなはずれ表示結果を決定する。
また、変動パターンコマンドにおいてノーマルリーチが指定されたときには、各ノーマルリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。さらに、変動パターンコマンドにおいてスーパーリーチが指定されたときには、各スーパーリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。
図32は、図31に示された演出制御メイン処理におけるコマンド解析処理(S504)を示すフローチャートである。
図32に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認すること等により、中継基板15を介して伝送された主基板31からの受信コマンドがあるか否かを判定する(S511)。このとき、受信コマンドがなければ(S511;No)、コマンド解析処理を終了する。
S511で受信コマンドがある場合には(S511;Yes)、たとえば受信コマンドのMODEデータを確認すること等により、以下のように、その受信コマンドがどのようなコマンドであるかを判定する。たとえば、その受信コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであるか否かを判定する(S512)。S511で受信コマンドが図柄指定コマンドではない場合には(S512;No)、その受信コマンドがいずれかの変動カテゴリコマンドであるか否かを判定する(S513)。S513で受信コマンドが変動カテゴリコマンドではない場合には(S513;No)、受信コマンドが第1始動入賞指定コマンドであるか否かを判定する(S514)。S514で受信コマンドが第1始動入賞指定コマンドではない場合には(S514;No)、受信コマンドが第2始動入賞指定コマンドであるか否かを判定する(S515)。S515で受信コマンドが第2始動入賞指定コマンドではない場合には(S515;No)、受信コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであるか否かを判定する(S516)。S516で受信コマンドが合算保留記憶数指定コマンドでない場合には、その他の受信コマンドに応じた設定を行ない(S518)、S511の処理に戻る。
S512〜S516のそれぞれで、該当するコマンドであると判定されたときには、次のように、受信コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファにおける空き領域の先頭に格納し(S517)、S511の処理に戻る。
S512で受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであれば受信した図柄指定コマンドを、演出制御基板80に搭載されたRAMに設けられた始動入賞時受信コマンドバッファの空いている最初の格納領域における図柄指定コマンド用の領域に格納する(S517)。また、S513で受信した演出制御コマンドがいずれかの変動カテゴリコマンドであれば、受信した変動カテゴリコマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファの各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域における変動カテゴリコマンド用の領域に格納する(S517)。ただし、最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に既に変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンド、または、合算保留記憶数指定コマンドが格納されていた場合には、今回のタイマ割込内で変動カテゴリコマンドよりも先に受信すべき図柄指定コマンドを取りこぼしてしまったことを意味する。その場合には、受信した変動カテゴリコマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファの空いている最初の格納領域における変動カテゴリコマンド用の領域に格納する(S517)。
また、S514で受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した第1始動入賞指定コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファに設けられた複数の格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域における始動入賞指定コマンド用の領域に格納する(S517)。
また、S515で受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した第2始動入賞指定コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファに設けられた複数の格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域における始動入賞指定コマンド用の領域に格納する(S517)。
S516で受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば、受信した合算保留記憶数指定コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファに設けられた複数の格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域における合算保留記憶数指定コマンド用の領域に格納する(S517)。
また、この実施の形態では、始動入賞の発生時に受信する図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを、包括的に表現する場合に、始動入賞時のコマンドともいう。また、これら始動入賞時のコマンドのうち、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを認識可能な情報を指定するコマンドである始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを、包括的に表現する場合に、保留記憶情報ともいう。また、始動入賞時の入賞時演出処理(図24参照)で判定される大当りまたは小当りとなるか否か、大当り種別の判定結果、変動パターン種別の判定結果を示すコマンドである図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを、包括的に表現する場合に、入賞時判定結果指定コマンドともいい、判定結果情報ともいう。
また、始動入賞が発生したときに、乱数値MR1〜MR3等を示す数値データに基づいて、変動表示結果が「大当り」または「小当り」に決定されるか否かの判定結果、大当り種別の判定結果、変動カテゴリの判定結果を指定する演出制御コマンドである図柄指定コマンド、および、変動カテゴリコマンドは、判定結果情報ともいう。
なお、始動入賞時受信コマンドバッファにおける空き領域の先頭から順次に受信コマンドを格納するときには、受信コマンドが、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドのうちいずれであるかを区別せずに格納してもよいし、各受信コマンドを区別して、対応する格納領域における空き領域の先頭に格納してもよい。各受信コマンドを区別して受信する場合には、取りこぼした受信コマンドの格納領域が空欄となり、1セットとして受信すべき一部の演出制御コマンドのみが過剰に格納されることになる。
このようなコマンド解析処理においては、コマンドを受信したときに、必要に応じて、後述するような演出制御に用いるために、受信したコマンドを特定可能なコマンド受信フラグをセットする。このようにセットされたコマンド受信フラグは、演出制御において不要になった段階で適宜リセットされる。
図33は、図31に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S505)を示すフローチャートである。
図33に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU101は、たとえばRAMの演出制御フラグ設定部等に設けられた演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、1つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドを受信したときにコマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄の変動表示が開始されるように制御する。また、演出図柄の停止図柄(表示結果)を停止図柄決定用の乱数値に基づいて決定する。変動表示の開始時に、受信した変動パターンコマンドに対応して実行する変動表示の変動時間を計時する変動表示時間タイマの計時をスタートさせる。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミング等を制御するとともに、変動表示時間タイマにより計時される変動時間が終了したか否かを監視する。そして、変動時間が終了したか、または、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、変動表示を終了させるために、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、大当り表示結果となるときには、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に対応した値に更新し、はずれ表示結果となるときには、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
演出制御用マイクロコンピュータ100においては、変動パターンコマンド受信待ち処理において変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄変動開始処理により演出図柄の変動表示を開始させ、演出図柄変動中処理において図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄変動開始処理により演出図柄の変動表示を停止させる。変動表示は、各変動パターンコマンドに対応する変動時間で実行されるように制御される。また、演出図柄の停止図柄は、演出図柄変動開始処理において、表示結果指定コマンドに基づいて、はずれとなるか、大当りとなるか、小当りとなるかの判別、および、大当りとなるときの大当り種別の判別を行なうことに基づいて決定する。
演出図柄変動開始処理においては、演出図柄の変動表示の表示結果を次のように決定する。15R通常大当りおよび15R確変大当りA〜Kとなるときには、左,中,右の演出図柄が揃ったぞろ目の大当り図柄の組合せを演出図柄の大当り表示結果として決定する。大当り図柄の組合せは、たとえば、15R通常大当りとなるときには、たとえば、「4」等の偶数のぞろ目を大当り図柄の組合せとして決定する。また、15R確変大当りA〜Kとなるときには、たとえば、「7」等の奇数のぞろ目を大当り図柄の組合せとして決定する。
このように、偶数のぞろ目と、奇数のぞろ目との表示結果で15R通常大当りと、15R確変大当りA〜Kとを区別することにより、確変大当りであるかどうかを区別しやすいようにすることができる。また、15R通常大当りとなるときには奇数図柄の組合せを大当り表示結果として選択決定し、15R確変大当りA〜Kとなるときには偶数図柄の組合せを大当り表示結果として決定してもよい。あるいは、15R通常大当りとなるときには偶数図柄の組合せを大当り表示結果として選択決定し、15R確変大当りA〜Kとなるときには偶数図柄または奇数図柄の組合せを大当り表示結果として決定してもよい。
また、2R確変大当りとなるときには、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなるチャンス目を、大当り図柄の組合せとして決定する。なお、2R確変大当りとなるときに表示するチャンス目は、複数種類のチャンス目のうちから選択決定するようにしてもよい。また、小当りとなるときには、2R確変大当りとなるときと同様にチャンス目を、小当り図柄の組合せとして決定する。
一方、はずれとなるときには、ぞろ目とならない左,中,右の演出図柄の組合せをはずれ表示結果としてランダムに決定する。ただし、はずれとなるときにおいて、変動パターンコマンドがリーチとなることを指定するコマンドであるときには、変動表示中において左,右の図柄が揃ったリーチ図柄を形成することが可動なはずれ表示結果を決定し、変動パターンコマンドがリーチとならない(通常変動となる)ことを指定するコマンドであるときには、変動表示中において左,右の図柄が揃ったリーチ図柄を形成しないようなはずれ表示結果を決定する。
なお、変動パターンコマンドにより、変動パターンに加えて、大当りとするか否か、および、大当りの種別を特定可能とする場合には、変動パターンコマンドにより特定される大当りとするか否かの情報、および、大当りの種別の情報に基づいて、演出図柄の停止図柄の組合せを決定するようにしてもよい。
また、変動パターンコマンドにおいてノーマルリーチが指定されたときには、演出図柄変動中処理において、各ノーマルリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。さらに、変動パターンコマンドにおいてスーパーリーチが指定されたときには、演出図柄変動中処理において、各スーパーリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、コマンド解析処理により、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる遊技状態指定コマンドとしての低確率/低ベース状態指定コマンド、高確率/高ベース状態指定コマンド、高確率/低ベース状態指定コマンド等に基づいて、遊技状態がどのような状態にあるかを特定するデータを記憶し、その記憶データに基づいて、遊技状態を常に認識する。そして、このように認識している遊技状態と、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる変動パターンコマンドとに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセス処理により、現在の遊技状態に応じた演出態様で演出図柄の変動表示を実行させることが可能である。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、演出制御プロセス処理において、前述した潜伏演出制御を次のように行なう。2R確変大当りの終了を示す大当り終了13指定コマンドを受信したときと、小当りの終了を示す小当り指定コマンドを受信したときには、演出制御プロセス処理において、大当り遊技状態の終了時および小当り遊技状態の終了時のそれぞれにおいて、次に大当りが終了するまでの間に亘り潜伏演出フラグをセットする。そして、潜伏演出フラグがセットされている間において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変状態であるか否かを報知せず、共通の背景画像を表示する等、確変状態となっているか否かを遊技者が認識しにくい潜伏演出を行なう。なお、このような潜伏演出は、次回の大当りが発生するまでの期間継続させる例の他に、所定回数(たとえば、100回等)の変動表示(特別図柄および演出図柄の変動表示)が実行されるまでの期間継続させるようにしてもよい。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100により実行される大当り遊技状態の継続報知演出について説明する。継続報知演出は、15R確変大当りの大当り遊技状態において、実質的に大入賞口に入賞可能なラウンドの継続期間を特定可能な情報を複数回に分けて、ランクアップ(たとえば、最初5Rと報知していた期間を次に10Rと報知することで継続期間がランクアップするようなもの)可能に報知することにより、遊技の興趣を高めるための演出である。継続報知演出は、前述したようにランクアップ演出とも呼ばれる。この実施の形態においては、大当り遊技状態において報知する、実質的に大入賞口に入賞可能なラウンドの継続期間を特定可能な情報として、ラウンド数を示すことによりラウンドの継続期間を特定可能とした情報を一例として示す。しかし、これに限らず、実質的に大入賞口に入賞可能なラウンドの継続期間を特定可能な情報は、ラウンド数に対応した入賞個数または賞球個数を示すことによりラウンドの継続期間を特定可能とした情報(たとえば、1Rの継続期間を1R分の入賞個数(入賞9個)で特定し、2Rの継続期間を2R分の入賞個数(入賞18個)で特定する等)でもよい。また、実質的に大入賞口に入賞可能なラウンドの継続期間を特定可能な情報は、ラウンド数に対応した時間(たとえば、30秒というような開放時間)を示すことによりラウンドの継続期間を特定可能とした情報(たとえば、1Rの継続期間を1R分の大入賞口の開放時間(30秒)で特定し、2Rの継続期間を2R分の大入賞口の開放時間(60秒)で特定する等)でもよい。
継続報知演出としては、大当り遊技状態において、まず、15R確変大当りA〜Kで実質的に大入賞口に入賞可能なラウンドの最大総継続期間(たとえば、15R、以下最大総R数と呼ぶ)未満となる第1期間(たとえば、5R、以下第1期間と呼ぶ)を特定可能に報知する第1継続報知演出が、大当り遊技状態の開始時に実行させられる。
そして、第1継続報知演出が行なわれた後に、実行が開始される大当り遊技状態、すなわち、複数種類の15R確変大当りA〜Kのうちから選択決定された種別の大当り遊技状態において実質的に大入賞口に入賞可能なラウンドの総継続期間(たとえば、15R確変大当りFでは10R、15R確変大当りKでは15R、以下、決定総R数と呼ぶ)と、前述の第1期間との差分期間(たとえば、15R確変大当りFでは10R−5R=5Rの期間)以下である第2期間(たとえば、現報知R数+1R、現報知R数+2R、現報知R数+3Rの期間であり、以下第2期間と呼ぶ)を特定可能に報知する(たとえば、現報知R数が5Rであり、3Rを追加報知するときには、加算分だけ+3Rと報知してもよく、合計8Rと報知してもよい)第2継続報知演出が、各ラウンドで実行され得る。
また、第1継続報知演出が行なわれた後に、当該報知演出が行なわれた大当り遊技状態の終了後に、次の新たな15R確変大当りA〜Kの大当り遊技状態が実行されることが判定されたときに(当該報知演出が行なわれた大当り遊技状態が終了するまでに保留記憶中に特定の大当り(たとえば、15R確変大当りA〜K)となる保留記憶情報が含まれているとき)は、前述の最大総R数(15R)と前述の第1継続報知演出または第2継続報知演出により特定される期間との差分期間(たとえば、第1継続報知演出(5R)+第2継続報知演出(たとえば、+3R)により合計8Rまで報知されているときは、15R−8R=7Rの期間)を超える超過R数としての第3期間(たとえば、差分期間が7Rのときは+8R(合計16R)の期間であり、以下、超過R数と呼ぶ場合がある)を特定可能に報知する第3継続報知演出が各ラウンドで実行され得る。
本実施の形態において、このような第1〜第3継続報知演出は、大当り遊技状態のうちの15R確変大当りA〜Kのいずれかの大当り遊技状態となったときに実行される。また、前述したような、15R確変大当りA〜Kのうちの特定種類の確変大当りの大当り遊技状態となったときにのみ、保留記憶中に15R確変大当りとなる保留記憶情報が含まれているか否かにかかわらず、大当り遊技状態終了後に、保留記憶数の上限値の範囲内において、超時短の変動パターンで変動表示が実行される構成を用いる場合においては、超時短の変動パターンで変動表示が実行される特定種類の15R確変大当りの大当り遊技状態となったときにのみ、保留記憶中に15R確変大当りとなる保留記憶情報が含まれていることを特定可能な第3継続報知演出を実行するようにしてもよい。このように、超時短の変動パターンで変動表示が実行される特定種類の15R確変大当りの大当り遊技状態となったときにのみ第3継続報知演出を実行する理由は、次のとおりである。特定種類の確変大当りの大当り遊技状態となったときにのみ超時短の変動パターンで変動表示が実行される場合には、第3継続報知演出を実行すると、大当り遊技状態の終了後の超時短の変動表示により短時間で保留記憶が消化されるので、第3継続報知演出により存在することが特定された保留記憶中の15R確変大当りが大当り遊技状態の終了後において15R確変大当りが連続的に実行されるかのように早期に出現することとなる。遊技者としては、このように第3継続報知演出が実行されれば、次の15R確変大当りが、連続的に実行されるかのように早期に出現するので、第3継続報知演出に対する遊技者の期待感を向上させることができる。また、特定種類以外の15R確変大当りの大当り遊技状態となったときはこのような超時短の変動表示と第3継続報知演出とを組合わせた制御が行なわれないので、次の15R確変大当りが早期に出現し得ないこととなる。これにより、15R確変大当りの種類に応じて、次の15R確変大当りが早期に出現する制御と、次の15R確変大当りが早期に出現しない制御とが実行されるので、演出制御のバリエーションを豊富にして演出の面白みを向上させることができる。
また、図6の開放パターンの変形例として前述したような、1ラウンド中に大入賞口が開放する回数が異なる15R確変大当りを複数種類設けることで、実質的に大入賞口に入賞可能な期間(開放期間数)が異なるようにした構成では、各ラウンドに開放期間が設けられたことにより、実質的に大入賞口に入賞可能なラウンドが終了した後、実質的に大入賞口に入賞不可能なラウンドを経ることなく大当り遊技状態が終了するので、大当り遊技状態の終了後に超時短の変動表示をして保留記憶内の15R確変大当りを早期に出現させる制御を行なうときには、実質的に大入賞口に入賞可能な期間が終了してから次の15R確変大当りをより一層早期に出現させることができる。
次に、大当り遊技状態におけるランクアップ演出としての継続報知演出の具体例を図を用いて説明する。図34は、継続報知演出の一例を示す演出表示装置9の表示画面図である。図35は、継続報知演出において報知する第1期間〜第3期間の表示例を示す画像図である。
図34においては、15R確変大当りK(実質的に大入賞口に入賞可能なラウンド数が15R)の大当り遊技状態において、前述した第1期間の報知後に第2期間が報知され、その後、最大総R数を超える第3期間が報知される例と、決定総R数以内で第2期間が報知される例とが示されている。
演出表示装置9においては、次のように各種画像が表示される。大当り遊技状態の開始時(第1R開始前の大当り表示時、または第1R開始直後)には、図34(A)に示す「5Rまで続くよ」という第1期間(5R)を特定可能な第1期間特定画像が、継続報知ラウンド画像91として表示される。これにより、大当り遊技状態が5Rまで継続することが保証されていることを演出により確認することが可能となる。図34(A)は、第3R目の表示例であるが、演出表示装置9においては、各ラウンドにおいて、現在のラウンド数を報知する現ラウンド報知画像92が表示される。これにより、大当り遊技状態における現ラウンド数を演出により確認することが可能となる。
そして、図34(A)〜(E)に示すように、各ラウンドにおいては、第2期間を特定可能な第2期間特定画像C1,C3が表示される場合(図34(B),(E))と、第3期間を特定可能な第3期間特定画像C30が表示される場合(図34(D))と、このような第2期間または第3期間が表示されない場合(図34(A))とが生じる。
図35(A)〜(C)に示すように、第2期間特定画像C1〜C3としては、追加報知するラウンド数(+1R、+2R,+3R)と、当該追加報知ラウンド数に対応したキャラクタとが組合された画像が表示される。+1Rを特定する第2期間特定画像C1と、+2Rを特定する第2期間特定画像C2と、+3Rを特定する第2期間特定画像C3とでは、対応して表示するキャラクタの種類が異ならされている。
図34(E)に示すように、第2期間特定画像C1〜C3を表示するときには、追加報知するラウンド数(+1R、+2R,+3R)が、決定総R数(たとえば、15R確変大当りKでは15R)以下となるように決定されたラウンド数が表示されることとなる。たとえば、図34(E)の場合には、14Rまでラウンドが継続することが報知されている状態では、+2Rまたは+3Rを特定する第2期間特定画像が表示されることを制限し、+1Rを特定する第2期間特定画像C1が表示されるようにすることにより、決定総R数以下となる第2期間特定画像が表示される。また、たとえば、決定総R数の最終ラウンド(たとえば、15R)までラウンドが継続することが報知されている状態の最終ラウンドでは、第2継続報知演出により報知するラウンド数が決定総R数を超えないようにするために、第2継続報知演出が実行されないように演出の実行が制限される。
また、図34(D)に示すように、第3期間特定画像C30としては、追加報知するラウンド数(+1R〜+15Rのいずれか)と、当該追加報知ラウンド数に対応したキャラクタとが組合された画像が表示される。図34(C),(D)に示すように、この実施の形態では、第3期間特定画像C30として、第2期間特定画像C3と共通のキャラクタを用いた画像が表示される。このように、第3期間特定画像として、第2期間特定画像と共通の画像を用いれば、第3継続報知演出と第2継続報知演出との間に演出上の関連性を持たせることができるとともに、画像表示用のデータを削減できる。
なお、第3期間特定画像としては、第2期間特定画像とキャラクタを異ならせる等、第2期間特定画像と異なる画像を用いてもよい。第3期間特定画像としては、第2期間特定画像とすべての画像を異ならせてもよく(たとえば、ラウンド数の数字のフォント、および、キャラクタの種類のすべてが異なる)、一部の画像を異ならせてもよい(たとえば、ラウンド数のフォントは同じで、キャラクタの種類のみが異なる)。
また、第2期間特定画像および第3期間特定画像としては、先にキャラクタを表示した後にラウンド数を表示するようにしてもよい。このようにすれば、たとえば、+3Rを特定する第2期間特定画像C3のように、超過R数を特定する第3期間特定画像C30と共通の画像を用いるときには、当該共通の画像が表示されることにより、ラウンド数が表示されるまでの間に、超過R数を特定するラウンド数が表示されるかどうかについて遊技者の期待感を向上させることができる。
継続報知ラウンド画像91としては、第1期間特定画像(5R)が初期値として表示された後、第2期間特定画像C1〜C3が表示されるごとに、たとえば、図34(B),(C)に示すように、当該表示後の値(5R)に追加報知するラウンド数分の値(たとえば、+3R)が加算更新されて表示される(図中の「8Rまで続くよ」)。また、図34(D)に示すような第3期間特定画像C30が表示された後にも、追加報知するラウンド数が加算更新されて表示される(図示省略、たとえば、図34(D)の場合には、「16Rまで続くよ」)。このようにすれば、第3期間特定画像C30が表示された後も継続報知ラウンド画像91が加算更新されて合計値が示されれば、第3継続報知演出により最大総R数(15R)を超える超過R数が表示されたことを、より明確に示すことができる。
なお、共通のキャラクタを用いて、第2期間特定画像C1〜C3を表示するようにしてもよい。また、たとえば、キャラクタの種類と追加報知するラウンド数(+1R、+2R,+3R)との対応関係が予め明確化されている場合のように、キャラクタの種類に基づいて、追加報知するラウンド数が特定可能である場合には、ラウンド数を表示せずにキャラクタを表示することで第2期間特定画像を表示するようにしてもよい。
このように、第2継続報知演出においては、第2期間を特定可能に報知する演出であれば、どのような演出を用いてもよく、また、第3継続報知演出においては、第3期間を特定可能に報知する演出であれば、どのような演出を用いてもよい。
図36は、第2継続報知演出および第3継続報知演出を実行するときに継続報知演出をするか否か、および、継続報知演出で報知する第2期間および第3期間としてのラウンド数を決定するときに用いられるデータテーブルである報知選択テーブルを表形式で示す図である。
報知選択テーブルとしては、図36(A)〜(E)に示すように、第1〜第5報知選択テーブルという複数のテーブルが設けられており、遊技状態に応じていずれかのテーブルが選択されて用いられる。第1〜第5報知選択テーブルは、継続報知選択用の乱数SR2(0〜99の100個の値を取り得る)の抽出値(ここでは抽出値の個数で示す)と、継続報知演出の有無および継続報知演出をするときのラウンド数との関係が設定されたデータテーブルであり、演出制御基板80に搭載されたROMに記憶されている。
図36(A),(B)の第1,第2報知選択テーブルは、15R確変大当りA〜Kのいずれかの大当り遊技状態において保留記憶内に特別大当りとしての15R確変大当りA〜Kのいずれかとなる保留記憶情報が含まれていないときに用いられるテーブルである。「決定総R数−報知合計R数=2」であるときに、第1報知選択テーブルが用いられ、「決定総R数−報知合計R数≧3」であるときに、第2報知選択テーブルが用いられる。報知合計R数は、第1〜第3継続報知演出で報知されたラウンド数の合計の現在値である。
第1報知選択テーブルにおいては、「報知なし」、「+1R」、「+2R」のうち、いずれかが選択される。第2報知選択テーブルにおいては、「報知なし」、「+1R」、「+2R」、「+3R」のうち、いずれかが選択される。ここで、「報知なし」とは、継続報知演出で「+1R」、「+2R」、「+3R」のような追加するラウンド数の報知を実行しないことを意味している。「+1R」、「+2R」、「+3R」のような追加するラウンド数が、第2継続報知演出における第2期間に該当する。
図36(C)〜(E)の第3〜第5報知選択テーブルは、15R確変大当りA〜Kのいずれかの大当り遊技状態において保留記憶内に特別大当りとしての15R確変大当りA〜Kのいずれかとなる保留記憶情報が含まれているときに用いられるテーブルである。「決定総R数−報知合計R数=1」であるときに、第3報知選択テーブルが用いられ、「決定総R数−報知合計R数=2」であるときに、第4報知選択テーブルが用いられ、「決定総R数−報知合計R数≧3」であるときに、第5報知選択テーブルが用いられる。
第3報知選択テーブルにおいては、「報知なし」、「+1R」、「超過R数」のうち、いずれかが選択される。第4報知選択テーブルにおいては、「報知なし」、「+1R」、「+2R」、「超過R数」のうち、いずれかが選択される。第5報知選択テーブルにおいては、「報知なし」、「+1R」、「+2R」、「+3R」、「超過R数」のうち、いずれかが選択される。「超過R数」は、最大総R数(15R)と第1継続報知演出または第2継続報知演出により特定される期間との差分期間を超える第3期間に該当する。
ここで、「超過R数」の具体的な数値データは、これらテーブルに記憶されておらず、当該テーブルにより「超過R数」とすることが選択されたときに、「超過R数=最大総R数−報知合計R数+α(本実施の形態では1)」という、超過R数を算出するための計算式を用いた演算をする処理が実行されることにより、算出される。
なお、報知合計R数ごとに、報知する「超過R数」の値をテーブルに記憶しておき、現在の報知合計R数に応じて、テーブルから「超過R数」を選択するようにしてもよい。
また、「超過R数」における+αの値(たとえば、1,2,3・・・)をランダムに選択するためのデータテーブルをさらに設け、「超過R数」が選択されるときに、当該+αの値をランダムに選択可能となるようにしてもよい。このようにすれば、「超過R数」について、最大総R数からの超過数のバリエーションが豊富になり、演出の面白みを向上させることができる。
第1報知選択テーブルでは、「決定総R数−報知合計R数=2」であるときに、「+3R」というような超過R数に相当するラウンド数が表示されてしまわないようにするために、「+2R」を超える報知ラウンド数のデータは設定されていない。また、第2報知選択テーブルでは、「決定総R数−報知合計R数≧3」であるときに、「+4R」というような超過R数に相当するラウンド数が表示されてしまわないようにするために、「+3R」を超える報知ラウンド数のデータは設定されていない。
第3〜第5報知選択テーブルでは、保留記憶内に特別大当りとしての15R確変大当りA〜Kのいずれかとなる保留記憶情報が含まれていないときと同様の態様で報知ラウンド数(+1R、+2R,+3R)を報知可能とするために、「報知なし」、「+1R」、「+2R」、「+3R」のデータが選択可能とされている。
また、第3報知選択テーブルでは、「超過R数」を選択するデータが設けられているので、これとは別に「決定総R数−報知合計R数=1」であるときに、「+2R」、「+3R」というような超過R数に相当するラウンド数が選択されないようにするために、「+1R」を超える報知ラウンド数のデータは設定されていない。また、第4報知選択テーブルでは、「超過R数」を選択するデータが設けられているので、これとは別に「決定総R数−報知合計R数=1」であるときに、「+3R」というような超過R数に相当するラウンド数が選択されないようにするために、「+2R」を超える報知ラウンド数のデータは設定されていない。
このような第1〜第5報知選択テーブルを用いて、継続報知演出で報知するラウンド数が決定されることにより、ラウンドごとに選択される継続報知演出の報知ラウンド数に変化幅を持たせてバラエティに富んだものにすることができる。
また、たとえば、「決定総R数−報知合計R数≧3」のときに、(E)のような超過R数の報知を実行するときは、(B)のような超過R数の報知を実行しないときと比べて、1Rのような比較的少ないラウンド数を報知する割合が低く、+3Rのような比較的多いラウンド数を報知する割合が高くなるように設定されている。これにより、たとえば、第2報知演出として、「+3R」→「+3R」→「+3R」というように、比較的多い第2期間が報知されたときは、「+1R」→「+1R」→「+1R」というように、比較的少ない第2期間が報知されたときと比べて超過R数の報知を実行する割合が高い。言い換えると、第2継続報知演出の実行履歴に基づいて、第3継続報知演出を実行する割合が異なる。なお、比較的少ない第2期間が報知されたときに、比較的多い第2期間が報知されたときと比べて超過R数の報知を実行する割合が高くなるようにしてもよい。
これにより、第2継続報知演出が実行されること(実行されること自体、および、実行される報知演出内容)に対して、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
なお、前述した第1期間の例としては、15R確変大当りが発生するごとに、たとえば、「5R」というような1つのラウンド数を固定的に用いる例を示した。しかし、これに限らず、1期間としては、15R確変大当りが発生するごとに、複数種類のラウンド期間から1つのラウンド期間を選択して、選択したラウンド期間を用いるようにしてもよい。
また、前述した第2期間の例としては、各ラウンドにおいて、複数種類のラウンド数から1つのラウンド数を選択可能とする例を示した。しかし、これに限らず、第2期間の例としては、たとえば、「+3R」という報知内容を各ラウンドにおいて固定的に繰返し用いることが可能となるようにしてもよい。また、第2期間を固定的に繰返し用いる例としては、15R確変大当りが発生するごとに、常に、たとえば「+3R」というような1つのラウンド期間を各ラウンドにおいて固定的に繰返し用いてもよく、15R確変大当りが発生するごとに、複数種類のラウンド期間(「+2R」または「+3R」)から1つのラウンド期間を選択し各ラウンドにおいて固定的に繰返し用いてもよい。
また、前述した第3期間としての「超過R数」を選択する割合を、保留記憶内に存在する15R確変大当りの種類に応じて異ならせるようにしてもよい。たとえば、保留記憶内に存在する15R確変大当りにおける実質的に大入賞口に入賞可能なラウンド数が多い程、「超過R数」を選択する割合が高くなるように設定してもよい。
図37は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。
演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果特定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。なお、はずれとすることに決定されているか否かは、大当りとするか否かを特定可能な変動パターンコマンドに基づいて、確認するようにしてもよい。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、演出制御用CPU101は、予め定められたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、演出図柄のリーチにならないはずれの停止図柄を決定し(S604)、S617へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。S604の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されたはずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)に、演出制御用CPU101は、リーチの組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S605)、S617へ進む。S605の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
はずれとすることに決定されていない場合に(S601)、演出制御用CPU101は、大当りの種別に応じて、当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S603)、S617へ進む。
S603では、以下のように、当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。
演出制御用CPU101は、表示結果2指定コマンド〜表示結果7指定コマンドのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、15R通常大当り、15R確変大当りA〜K、2R確変大当り、小当りのうちから、当りの種別を判定する。
15R確変大当りA〜Kにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。また、15R通常大当りにすることに決定されていないと判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、演出制御用CPU101は、2R確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、チャンス目図柄決定用テーブルを用いて、チャンス目図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「1,2,3」というような特定のはずれ図柄の組合せ)を選択決定する。チャンス目図柄決定用テーブルは、複数種類のチャンス目図柄の組合せのそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。チャンス目図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、チャンス目図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、チャンス目図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。
次に、S617では、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに決定する(S617)。S617において、演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、S617の処理で決定した予告演出パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
演出制御基板80に搭載されたROMに記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連または滑りの演出による演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。なお、図柄変動制御パターンテーブルとしては、演出図柄の演出動作を制御するための制御データよりなる図柄制御パターンテーブルと、演出図柄の演出動作とは別の予告演出の演出動作を制御するための制御データよりなる予告制御パターンテーブルとを設け、これら演出図柄の演出動作を制御するための制御データと、予告演出の演出動作を制御するための制御データとを組合せて用いることにより、1つの図柄変動制御パターンテーブルにより図柄の演出動作と予告の演出動作とを実行する場合と同様の演出動作を実行するように構成してもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、S617で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S618)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S619)。
演出制御用CPU101は、S619の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S620)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種LED等の発光体を点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S621)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にし、演出図柄変動開始処理を実行する(S622)。そして、演出図柄変動開始処理が終了する。
図38は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、変動表示時間タイマを用いて監視する変動時間が終了したという条件、または、図柄確定指定コマンドを受信したという条件が成立したときに、この演出図柄変動停止処理が実行される。なお、変動表示時間タイマを用いて監視する変動時間が終了したという条件が成立したときにのみ、演出図柄変動中処理に進むようにしてもよい。また、図柄確定指定コマンドを受信したという条件が成立したときにのみ、演出図柄変動中処理に進むようにしてもよい。
演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(S731)。なお、変動表示時間タイマを用いて監視する変動時間が終了したという条件が成立したときに演出制御プロセス処理に進んだ場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560と演出制御用マイクロコンピュータ100との間で変動表示の終了タイミングについての認識がずれないようにするために、図柄確定指定コマンドを受信したこという条件が成立したときにS731の処理を実行するのが望ましい。停止図柄表示フラグがセットされていれば、732に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄の組合せまたは小当り図柄の組合せを表示した場合には、後述するS734で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。したがって、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、S735に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、決定されている停止図柄を停止表示させる制御を行なう(S732)。そして、停止図柄として、通常大当り、15R確変大当りA〜K、2R確変大当り、または、小当りに対応する図柄の組合せを表示したか否か(すなわち、大当りまたは小当りとなるか否か)を確認する(S733)。大当りまたは小当りとならないときには、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新し(S743)、処理を終了する。
一方、大当りまたは小当りとなるときには、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(S734)、いずれかの大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグ〜大当り開始13指定コマンド受信フラグのいずれか)または小当り開始指定コマンドを受信したことを示す小当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S735)。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットする(S736)。そして、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(S737)。S737では、確変大当りA〜Kのいずれかの大当り遊技状態を実行するときに、前述のような第1期間として5Rを報知する第1継続報知演出を実行するためのデータがセットされる。これにより、大当り遊技状態の開始時において、第1継続報知演出が実行されることとなる。
なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り開始指定コマンド受信フラグのうち、セットされているフラグをリセットする。また、S737の処理では、演出制御用CPU101は、当り種別に対応するファンファーレ演出等のプロセステーブルを選択する。そして、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(S738)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27等)の制御を実行する(S739)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S740)に応じた値に更新する(S890)。
次に、大当り遊技状態における演出制御プロセス処理の処理内容を説明する。図39は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(S804)を示すフローチャートである。
大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、まず、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(S901)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(S902)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、各種LED25,28等)の制御を実行する(S903)。たとえば、演出表示装置9において大当り表示結果となる演出図柄の組合せを表示するとともに、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(S906)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替えを行なう(S907)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(S908)。
S901で大入賞口開放中フラグがセットされているときは、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをリセットする(S909)。そして、実行する大当り遊技状態が15R確変大当りA〜Kのいずれかの大当り遊技状態であるかを確認する(S909A)。S909Aでは、たとえば、大当り遊技状態の開始時に受信した大当り開始指定コマンドに基づいて、15R確変大当りA〜Kの大当り遊技状態であるかを判断する。15R確変大当りA〜Kの大当り遊技状態であるときには、各ラウンドの開始時において、継続報知演出(第2継続報知演出または第3継続報知演出)に関する各種判定を行なうためのラウンド開始時判定処理を実行する(S909B)。そして、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(S910)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(S911)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に設定する(S912)。
また、小当りまたは2R確変大当りである場合に、小当り開始コマンドまたは大当り開始13指定コマンドの受信に基づいて、小当りまたは2R確変大当りであることを示唆するような予め定められた共通の演出を実行する。なお、小当りまたは2R確変大当りである場合には、小当り開始コマンドまたは大当り開始13指定コマンドの受信に基づいて演出を実行するのではなく、たとえば、小当りまたは2R確変大当り用の変動パターンコマンドを受信したことに基づいて、小当りまたは2R確変大当りであることを示唆するような演出を所定期間実行するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU101は、小当りまたは2R確変大当りであることを示唆するような演出を行なうためのプロセスデータをプロセス時間ごとに切替え、切替えたプロセスデータに従って演出を行なう。
図40は、ラウンド開始時判定処理を示すフローチャートである。ラウンド開始時判定処理は、15R確変大当りA〜Kのそれぞれにおける実質的に大入賞口に入賞可能なラウンドの各ラウンドの開始時(たとえば、大当り表示処理のS909Bおよびラウンド後処理のS1980C)に実行される。
図40のラウンド開始時判定処理において、演出制御用CPU101は、まず、第3継続報知制限フラグがセットされているか否かを判定する(S971)。第3継続報知制限フラグは、超過R数が報知された後に、追加的にラウンド数をさらに報知することを制限するためのフラグであり、後述するS990Aによりセットされ、大当り遊技状態の終了時に実行される大当り演出終了処理(S807)においてリセットされる。
S971で第3継続報知制限フラグがセットされていないときは、「決定総R数−報知合計R数」を演算し、その演算値が「0」であるか否かを判定する(S973)。
決定総R数は、大当り遊技状態の開始時に受信した大当り遊技状態開始指定コマンドに基づいて、実行する大当り遊技状態が、15R確変大当りA〜Kのいずれであるかを判定し、図5に示したような15R確変大当りA〜Kと実質的に入賞可能なラウンド数との関係を示したデータテーブル(演出制御基板80に設けられたROMに記憶されている)を用いて、15R確変大当りの種類に応じて特定され、その特定結果を示すデータが演出制御基板80のRAMに記憶される。このような決定総R数を特定して特定結果を示すデータを記憶する処理は、たとえば、コマンド解析処理において実行される。S973では、このように記憶された決定総R数を用いて前述の演算が行なわれる。
また、報知合計R数は、大当り遊技状態の開始時において初期値が「5」(第1継続報知演出で報知されるラウンド数)に設定されており、その後、第2継続報知演出と第2継続報知演出とが実行されるごとに、報知されたラウンド数分ずつ、後述するS990Bにより加算更新される合計ラウンド数の現在値である。報知合計R数は、データが演出制御基板80のRAMに更新可能に記憶され、ラウンド開始処理が実行されるごとに、ラウンド開始処理において新たに決定された報知するラウンド数を用いて更新する演算がされて、その演算結果が記憶される。S973では、このように記憶された報知合計R数を用いて前述の演算が行なわれる。
S973により、前述の演算値が「0」であると判定されたときは、保留記憶内に特別大当りとしての15R確変大当りA〜Kのいずれかとなる保留記憶情報が含まれているか否かを判断する(S974)。S974では、たとえば、前述した始動入賞時受信コマンドバッファに記憶された図柄指定コマンド等の現在の保留記憶情報を示す情報に基づいて、15R確変大当りA〜Kのいずれかとなる保留記憶情報が含まれているか否かを判断する。
S974で、15R確変大当りA〜Kのいずれかとなる保留記憶情報が含まれていないと判断されたときは、「報知なし」を決定する(S975)。これにより、この場合は、+1R〜+3Rのような第2期間、および、超過R数のような第3期間を報知する演出が行なわれない。この場合は、決定総R数のうちの最終ラウンドであり、15R確変大当りA〜Kのいずれかとなる保留記憶情報が含まれておらず、超過R数を報知する場合ではないので、ラウンド数の報知により報知合計R数が決定総R数を超えてしまわないようにするために、「報知なし」が決定される。これにより、この場合は、継続報知演出のラウンド数の報知が行なわれない。その後、S989に進む。
一方、S974で、15R確変大当りA〜Kのいずれかとなる保留記憶情報が含まれていると判断されたときは、第3期間としての「超過R数」を報知することを決定する。これにより、この場合は、図35(D)のような超過R数の報知が行なわれる。その後、S989に進む。
また、前述のS973により、前述の演算値が「0」ではないと判定されたときは、その演算値が「1」であるか否かを判定する(S977)。
S977により、前述の演算値が「1」であると判定されたときは、前述のS974と同様に、保留記憶内に特別大当りとしての15R確変大当りA〜Kのいずれかとなる保留記憶情報が含まれているか否かを判断する(S978)。
S978で、15R確変大当りA〜Kのいずれかとなる保留記憶情報が含まれていないと判断されたときは、第2期間としての「+1R」を報知することを決定する(S979)。この場合は、決定総R数のうちの最終ラウンドの1ラウンド前であり、15R確変大当りA〜Kのいずれかとなる保留記憶情報が含まれておらず、超過R数を報知する場合ではないので、ラウンド数の報知により報知合計R数が決定総R数を超えてしまわないようにするために、第2期間としての「+1R」が決定される。これにより、この場合は、図35(A)のような+1Rの報知が行なわれる。その後、S989に進む。その後、S989に進む。
一方、S978で、15R確変大当りA〜Kのいずれかとなる保留記憶情報が含まれていると判断されたときは、図36(C)の第3報知選択テーブルを選択し(S980)、SR2を抽出して、選択したテーブルとSR2とを用いて、継続報知演出で報知するラウンド数(「報知なし」の場合も含む)を決定する(S988)。これにより、この場合には、「報知なし」か、図35(A)のような+1Rの報知か、図35(D)のような超過R数の報知が行なわれる。その後、S989に進む。
また、前述のS977により、前述の演算値が「1」ではないと判定されたときは、その演算値が「2」であるか否かを判定する(S981)。
S981により、前述の演算値が「2」であると判定されたときは、前述のS974と同様に、保留記憶内に特別大当りとしての15R確変大当りA〜Kのいずれかとなる保留記憶情報が含まれているか否かを判断する(S982)。
S982で、15R確変大当りA〜Kのいずれかとなる保留記憶情報が含まれていないと判断されたときは、図36(A)の第1報知選択テーブルを選択し(S983)、SR2を抽出して、選択したテーブルとSR2とを用いて、継続報知演出で報知するラウンド数(「報知なし」の場合も含む)を決定する(S988)。この場合は、決定総R数のうちの最終ラウンドの2ラウンド前であり、15R確変大当りA〜Kのいずれかとなる保留記憶情報が含まれておらず、超過R数を報知する場合ではないので、ラウンド数の報知により報知合計R数が決定総R数を超えてしまわないようにするために、「報知なし」、「+1R」、または、「+2R」が決定される。これにより、この場合には、「報知なし」か、図35(A)のような+1Rの報知か、図35(B)のような+2Rの報知が行なわれる。その後、S989に進む。
一方、S982で、15R確変大当りA〜Kのいずれかとなる保留記憶情報が含まれていると判断されたときは、図36(D)の第4報知選択テーブルを選択し(S984)、SR2を抽出して、選択したテーブルとSR2とを用いて、継続報知演出で報知するラウンド数(「報知なし」の場合も含む)を決定する(S988)。これにより、この場合には、「報知なし」か、図35(A)のような+1Rの報知か、図35(B)のような+2Rの報知か、図35(D)のような超過R数の報知が行なわれる。その後、S989に進む。
また、前述のS981により、前述の演算値が「2」ではないと判定されたときは、消去法的に、その演算値が「3」以上のときである。この場合には、前述のS974と同様に、保留記憶内に特別大当りとしての15R確変大当りA〜Kのいずれかとなる保留記憶情報が含まれているか否かを判断する(S985)。
S985で、15R確変大当りA〜Kのいずれかとなる保留記憶情報が含まれていないと判断されたときは、図36(B)の第2報知選択テーブルを選択し(S986)、SR2を抽出して、選択したテーブルとSR2とを用いて、継続報知演出で報知するラウンド数(「報知なし」の場合も含む)を決定する(S988)。この場合は、決定総R数のうちの最終ラウンドの3ラウンド以上前であり、15R確変大当りA〜Kのいずれかとなる保留記憶情報が含まれておらず、「+1R」〜「+3R」のいずれの報知をしても、ラウンド数の報知により報知合計R数が決定総R数を超えてしまわないので、「報知なし」、「+1R」、「+2R」、または、「+3R」が決定される。これにより、この場合には、「報知なし」か、図35(A)のような+1Rの報知か、図35(B)のような+2Rの報知か、図35(C)のような+3Rの報知かが行なわれる。その後、S989に進む。
一方、S985で、15R確変大当りA〜Kのいずれかとなる保留記憶情報が含まれていると判断されたときは、図36(E)の第5報知選択テーブルを選択し(S984)、SR2を抽出して、選択したテーブルとSR2とを用いて、継続報知演出で報知するラウンド数(「報知なし」の場合も含む)を決定する(S988)。これにより、この場合には、「報知なし」か、図35(A)のような+1Rの報知か、図35(B)のような+2Rの報知か、図35(C)のような+3Rの報知か、図35(D)のような超過R数の報知が行なわれる。その後、S989に進む。
S989では、前述のような継続報知演出で報知するラウンド数の選択により超過R数の報知が選択されたか否かを判定する(S989)。超過R数の報知が選択されていないときは、後述するS990Bに進む。一方、超過R数の報知が選択されたときは、超過R数として報知するラウンド数を具体的に決定するために、前述したような「超過R数=最大総R数−報知合計R数+α(本実施の形態では1)」という計算式を用いた演算をする処理が実行されることにより、超過R数の具体的な数値が算出される(S990)。
なお、超過R数を決定するときの+αのラウンド数としては、本実施形態のような「1」に限らず、「1」を超えるその他の数値(次に実行される15R確変大当りの総決定R数以下の範囲内の数値)を用いてもよい。また、超過R数を決定するときの+αのラウンド数としては、本実施形態のように予め定められた数値を固定的に用いてもよく、複数種類の数値から選択した数値を選択してもよい。たとえば、当該数値は、ランダムに選択してもよく、処理の順序で選択してもよく、次に実行される15R確変大当りの総決定R数に応じて選択してもよい。当該数値を、次に実行される15R確変大当りの総決定R数に応じて選択するときには、たとえば、次に実行される15R確変大当りの総決定R数が多い程、多い数値が選択されるように設定してもよい。このように当該数値を、次に実行される15R確変大当りの総決定R数に応じて選択するようにすれば、当該数値の多少により、遊技者の期待感を高めることができる。
また、超過R数を決定するときの+αのラウンド数としては、本実施形態のように予め定められた数値を固定的に用いてもよく、複数種類の数値から選択した数値(ランダムに選択してもよく、処理の順序で選択してもよい)を用いてもよい。
そして、第3継続報知制御フラグをセットし(A990A)、S990Bに進む。このように、第3継続報知制御フラグがセットされると、前述したS971により第3継続報知制御フラグがセットされていると判断されて、「報知なし」とすることが決定され、S989に進む。したがって、一度超過R数が報知された後には、追加的にラウンド数をさらに報知することが制限(禁止)される。これにより、超過R数が報知された後に、必要以上に追加的にラウンド数が報知されて報知合計R数が過剰に増加することを制限(禁止)することができる。
なお、一度超過R数が報知された後には、追加的にラウンド数をさらに報知することを制限せずに、たとえば、次に実行される15R通常大当りの総決定R数以下の範囲内(たとえば、全ラウンド数でもよく、一部のラウンド数でもよい)であれば、追加的にラウンド数をさらに報知するようにしてもよい。
S990Bでは、前述したような継続報知演出で報知するラウンド数の決定結果を含めた報知合計R数を演算し、その演算結果をRAMに記憶する処理が行なわれる(S990B)。そして、前述したように選択決定された継続報知演出で報知するラウンド数の決定結果(「報知なし」も含む)を示すデータを演出制御基板80のRAMに記憶し(S990C)、処理が終了する。
このように、継続報知演出を実行するときに、ラウンド開始時処理において、「報知なし」、「+1R」、「+2R」、または、「+3R」が決定されると、その決定結果に基づいて、前述の大当り表示処理のS910、および、後述するラウンド後処理のS1981において、このように決定された報知態様で第2継続報知演出または第3継続報知演出を実行するための演出データが選択され、その後、ラウンド中処理において、たとえば、ラウンドの後半(前半であってもよい)の所定タイミングに設定された演出実行タイミングにおいて、第2継続報知演出での第2期間の報知または第3継続報知演出での第3期間の報知が実行される。また、このような第2期間の報知または第3期間の報知を実行するタイミングは、各ラウンドの全期間に亘るものであってもよく、各ラウンドの一部期間に亘るものであってもよい。
また、前述した演出図柄変動停止処理のS737では、確変大当りA〜Kのいずれかの大当り遊技状態を実行するときに、前述のような第1継続報知演出を実行するためのデータがセットされる。これにより、大当り遊技状態の第1ラウンドにおいて、第1継続報知演出が実行されることとなる。
このようなラウンド開始時判定処理によれば、図36(A)〜(E)およびS973〜S988に示すように、最大総R数未満となる第1期間を報知する第1継続報知演出が行なわれた後、決定総R数と第1期間との差分期間以下となる第期間を報知する第2継続報知演出が実行され、大当り遊技状態の継続期間が増加してランクアップしていくような演出が行なわれることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
そして、このようなラウンド開始時判定処理によれば、図36(C)〜(E)およびS973〜S988,S990に示すように、15R確変大当りA〜Kのうちいずれかの15R確変大当りの大当り遊技状態中において保留記憶内に、15R確変大当りA〜Kのいずれかとなる保留記憶情報が含まれているときに、最大総R数と第1継続報知演出、第2継続報知演出により特定される期間(第1期間、第2期間)との差分期間を超える第3期間を特定可能な超過R数が報知されるので、大当り遊技状態で第1期間、第2期間が報知された後でも、大当り遊技状態が終了するまでの期間において、大当り遊技状態の継続期間についての演出を行なうときの遊技の興趣を向上させる演出を実行することができる。つまり、このような超過R数の報知演出は、たとえば、第1期間および第2期間の報知により決定総R数の最終ラウンドまでを継続報知演出として報知してしまった後でも、決定総R数の大当り遊技状態が終了するまでの間において報知することが可能であるので、遊技の興趣を向上させることができる。
このように、超過R数を報知する第3継続報知演出は、大当り遊技状態におけるラウンドの継続期間を特定する報知をする演出であって、間接的に、保留記憶内に大当りとなる記憶情報が含まれていることを把握することが可能となる演出であり、保留記憶内に大当りとなる記憶情報が含まれていることを直接的に報知する演出と比べると、基本的な技術思想が異なる演出である。
また、本実施の形態では、ラウンド開始時判定処理により15R確変大当りA〜Kのそれぞれにおける実質的に大入賞口に入賞可能なラウンドの各ラウンドの開始時に、保留記憶内に15R確変大当りとなる保留記憶があるか否かを判定するので、極力超過R数が報知されるようにすることができる。たとえば、各ラウンドの開始時に、保留記憶内に15R確変大当りとなる保留記憶があるか否かを判定するので、大当り遊技状態の開始後に保留記憶情報が増加したときでも、超過R数が報知されるようにすることができる。なお、15R確変大当りA〜Kの大当り遊技状態において保留記憶内に15R確変大当りとなる保留記憶があるか否かの判定は、大当り遊技状態の開始時に1回だけ行なうようにしてもよく、また、大当り遊技状態の開始後の特定ラウンドにおいて行なうようにしてもよい。大当り遊技状態の開始後の特定ラウンドにおいて判定を行なう例としては、複数ラウンド(たとえば、特定の連続したラウンド、特定の不連続のラウンド(偶数ラウンド、奇数ラウンド等)、または、単数ラウンド(たとえば、第10ラウンド1回のみ等)において判定をする例が含まれる。
なお、図36および図40に示すように、本実施の形態では、15R確変大当りA〜Kにおける第1R〜第15Rのうち、各ラウンドにおいて超過R数を報知することが可能であるが、超過R数は、決定総R数のうちの一部のラウンドにおいてのみ報知可能となるようにしてもよい。つまり、超過R数は、どのラウンドで実行するようにしてもよい。
また、決定総R数のうちの一部のラウンドにおいてのみ超過R数を報知可能とする場合としては、決定総R数の最終ラウンド(たとえば、15Rが最終ラウンドのときの15R)においてのみ報知可能となるようにしてもよく、決定総R数の最終ラウンドを含む連続した複数ラウンド(たとえば、15Rが最終ラウンドのときの13R,14R,15R)においてのみ報知可能となるようにしてもよく、決定総R数の最終ラウンドを含む不連続の複数ラウンド(たとえば、15Rが最終ラウンドのときの11R,13R,15R)においてのみ報知可能となるようにしてもよい。
また、決定総R数のうちの一部のラウンドにおいてのみ超過R数を報知可能とする場合としては、決定総R数の後半のラウンド期間(たとえば、15Rが最終ラウンドのときの10R〜15R)においてのみ報知可能となるようにしてもよい。
また、決定総R数のうちの一部のラウンドにおいてのみ超過R数を報知可能とする場合としては、最終ラウンドを含む奇数ラウンド(たとえば、1R,3R,・・・15R)においてのみ報知可能となるようにしてもよく、最終ラウンドを含む偶数ラウンド(たとえば、2R,4R,・・・14)においてのみ報知可能となるようにしてもよい。
また、大当り遊技状態の開始時に第1継続報知演出が実行されるので、第1Rを除く2R以降のラウンドにおいて、第2継続報知演出および第3継続報知演出が実行されるようにしてもよい。
また、大当り遊技状態の開始時に第1継続報知演出が実行されるので、第1Rを除く2R以降のラウンドにおいて、第2継続報知演出の第2期間の報知または第3報知演出の第3期間の報知が実行されるようにしてもよい。
また、第2継続報知演出の第2期間の報知または第3報知演出の第3期間の報知が大当り遊技状態の開始時に第1継続報知演出が実行されるので、第1Rを除く2R以降のラウンドにおいて、第2継続報知演出での第2期間の報知または第3報知演出での第3期間の報知が実行されるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、保留記憶内に15R確変大当りとなる保留記憶情報が含まれているときに「超過R数」を報知可能とした例を示した。しかし、これに限らず、保留記憶内に15R通常大当りとなる保留記憶情報が含まれているときに「超過R数」を報知可能とするようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第2期間および第3期間として、+1R〜+15Rというような追加ラウンド数を報知する例を示した。しかし、これに限らず、第2期間および第3期間として、「8Rまで続くよ」というように、何ラウンドまで継続するかを報知するようにしてもよい。
図41は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(S805)を示すフローチャートである。
図41のラウンド中処理において、演出制御用CPU101は、まず、当り終了指定コマンドとしての大当り終了指定コマンドまたは小当り終了指定コマンドを受信したか否かを確認する(S1901)このような受信フラグがセットされていないときは、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを確認する(S1902)。
S1902で大入賞口開放後フラグがットされていないときは、大当り表示処理のS909Bおよびラウンド後処理のS1980Cで実行される前述のラウンド開始時判定処理で報知内容が決定された継続報知演出の実行タイミング(実行開始タイミング)であるか否かを判定する(S1903A)。このような実行タイミングであるか否かは、現在のラウンド中演出のプロセスがどの段階のプロセスにあるかを確認し、当該プロセスが、大当り表示処理のS910およびラウンド後処理のS1981で設定される継続報知演出実行用のデータに含まれる実行開始タイミングを特定可能なデータ(たとえば、どの段階のプロセスの実行時に継続報知演出を実行開始させるかを特定するデータ)に基づいて特定される実行開始タイミングに該当するときに、実行タイミングであると判断する。
S1903Aで継続報知演出の実行タイミングでないときは、後述するS1904に進む。一方、S1903Aで継続報知演出の実行タイミングであるときは、前述のように決定された継続報知演出を実行するための設定を行なうラウンド中継続報知演出処理を実行し(S1903B)、S1904に進む。ラウンド中継続報知演出処理の処理内容については、図42を用いて後述する。
S1904では、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(S1903)。次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)にしたがって、演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、各種LED25,28等)の制御を実行する(S1904)。たとえば、S1904においては、S1930Bのラウンド中継続報知演出処理により設定された継続報知演出(図34に示されるような演出)を行なうための制御が実行される。たとえば、演出表示装置9においてラウンド中演出に応じた画像を表示させるために、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)にしたがってキャラクタROMから画像データを読出し、読出した画像データをVDP109に出力するとともに制御信号を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(S1906)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替えを行なう(S1907)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(S1908)。
このように、プロセスタイマを用いて時間管理を行なって、プロセスデータを順次切替えていくことにより、たとえば、図34に示す継続報知演出を含む各種演出制御が行なわれる。
S1902において大入賞口開放後フラグがセットされているときは、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンドの内容に基づいてインターバル演出(ラウンド数に応じたインターバル表示を行なう演出)を選択する(S1908)。そして、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをリセットし(S1909)、選択したインターバル演出に応じたプロセスデータを選択する(S1910)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(S1911)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に設定する(S1912)。
S1901において当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているときは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から大当り終了指定コマンドまたは小当り終了指定コマンドを受信したときである。この場合、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグまたは小当り終了指定コマンド受信フラグのうちセットされているフラグをリセットする(S1913)。次いで、受信した当り終了指定コマンドに応じてエンディング演出(大当り終了演出または小当り終了処理)に応じたプロセスデータを選択する(S1914)。そして、演出制御用CPU101は、演出時間計測タイマをスタートさせるとともに、プロセスタイマをスタートさせる(S1915)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S807)に対応した値に設定し(S1916)、ラウンド中処理を終了する。
図42は、ラウンド中継続報知演出処理(S1903B)を示すフローチャートである。ラウンド中継続報知演出処理において、演出制御用CPU101は、まず、S990Cにより記憶された継続報知演出で報知するラウンド数の決定結果を示すデータが、継続報知演出を実行することを特定しているか否かを判定する(S991)。
S991で継続報知演出を実行することを特定しているときは、S990Cにより記憶された継続報知演出で報知するラウンド数の決定結果を示すデータに基づいて、前述したラウンド開始時判定処理において決定された、ラウンド数を報知する継続報知演出(第2継続報知演出または第3継続報知演出)を実行させるための設定を行ない(S992)、S994に進む。これにより、各ラウンドにおいて、ラウンドの後半(前半であってもよい)の所定タイミングに設定された演出実行タイミングにおいて、ラウンド数を報知する継続報知演出(第2継続報知演出または第3継続報知演出)が実行される。
一方、S991で継続報知演出を実行することを特定していないときは、S990Cにより記憶された継続報知演出で報知する「報知なし」の決定結果を示すデータに基づいて、前述したラウンド開始時判定処理において決定された、ラウンド数を報知しない演出を実行させるための設定を行ない(S993)、S994に進む。これにより、各ラウンドにおいて、ラウンドの後半(前半であってもよい)の所定タイミングに設定された演出実行タイミングにおいて、継続報知演出が「報知なし」の状態に制御される。
図43は、演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(S806)を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(S1971)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算する(S1972)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)にしたがって、演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、各種LED25,28等)の制御を実行する(S1973)。たとえば、演出表示装置9においてインターバル演出に応じた画像を表示させるために、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)にしたがってキャラクタROMから画像データを読出し、読出した画像データをVDP109に出力するとともに制御信号を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(S1976)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替えを行なう(S1977)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(S1978)。
このように、プロセスタイマを用いて時間管理を行なって、プロセスデータを順次切替えていくことにより、15R通常大当り、15R確変大当りA〜K、2R確変大当り、および、小当りにおいては、予め定められたインターバル演出が実行される。
S1971で大入賞口開放中フラグがセットされているときは、大入賞口開放中フラグをリセットする(S1980)。そして、前述したS909Aと同様に、実行する大当り遊技状態が15R確変大当りA〜Kのいずれかの大当り遊技状態であるかを確認する(S1980A)。15R確変大当りA〜Kのいずれかの大当り遊技状態であるときには、次のラウンドは、実質的に大入賞口に入賞可能なラウンド(30秒間開放ラウンド)であるか否かを判定する(S1980B)。S1980Bでは、S1980Aでの判定に用いたデータに基づいて、予め定められた大当り遊技状態と、実質的に大入賞口に入賞可能なラウンドの期間との関係を示すデータを用いて、実行する大当り遊技状態が何ラウンド目までが実質的に大入賞口に入賞可能なラウンドであるかを確認し、S1971で確認した大入賞口開放中指定コマンドにより特定される次回のラウンドが、実質的に大入賞口に入賞可能なラウンドであるか否かを判断する。
S1980Bで次回のラウンドが実質的に大入賞口に入賞可能なラウンドではないときは、後述するS1981に進む。一方、S1980Bで次回のラウンドが実質的に大入賞口に入賞可能なラウンドではあるときは、各ラウンドの開始時において、継続報知演出(第2継続報知演出または第3継続報知演出)に関する各種判定を行なうための前述したラウンド開始時判定処理(図40)を実行し(S1980C)、S1981に進む。このように、ラウンド開始時判定処理は、大当り表示処理と、ラウンド後処理とで共通の処理として設けられている。
S1981では、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(S1981)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(S1982)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に設定する(S1983)。
ラウンド開始時処理において、「報知なし」、「+1R」、「+2R」、または、「+3R」が決定されると、その決定結果に基づいて、S1981において、このように決定された報知態様で第2継続報知演出または第3継続報知演出を実行するための演出データが選択され、その後、ラウンド中処理において、たとえば、ラウンドの後半(前半であってもよい)の所定タイミングに設定された演出実行タイミングにおいて、第2継続報知演出または第3継続報知演出が実行される。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態では、15R確変大当りの大当り遊技状態において保留記憶中に15R確変大当り(15R確変大当りA〜Kのいずれか)となる保留記憶情報が含まれているときに、第3継続報知演出が実行されたときと、第3継続報知演出が実行されなかったときとで、大当り遊技状態終了後に、当該15R確変大当りとなる保留記憶情報に基づく大当りに対して実行する演出の演出態様が異なるようにする例を説明する。
このようなケースでの大当り遊技状態終了後に、第1実施形態のように超時短での変動表示を行なう場合には、大当り遊技状態中に第3継続報知演出が実行されたときは、第3継続報知演出が実行されなかったときには表示されない特別なキャラクタを表示することにより、変動表示の演出の演出態様を異ならせる制御を、演出制御マイクロコンピュータ100が実行する。
また、このようなケースでの大当り遊技状態終了後に、第1実施形態のような超時短での変動表示を行なわない場合には、前述のような特別なキャラクタを用いた演出態様を相違させることの他に、大当り遊技状態中に第3継続報知演出が実行されたときは、第3継続報知演出が実行されなかったときには表示される割合が少ない(表示されないものでもよい)特別なスーパーリーチの演出を実行する等、リーチ演出の演出態様を異ならせることで、変動表示の演出の演出態様を異ならせる制御を、演出制御マイクロコンピュータ100が実行する。
また、このようなケースでの大当り遊技状態終了後に、第1実施形態のような超時短での変動表示を行なうか否かにかかわらず、大当り遊技状態中に第3継続報知演出が実行されたときは、第3継続報知演出が実行されなかったときには表示される割合が少ない(表示されないものでもよい)特別な演出(たとえば、第1ラウンドから総決定R数を報知する等、遊技者にとって有利となるような特別な演出)が行なわれる大当り遊技状態の演出を実行する等、大当り遊技状態の演出の演出態様を異ならせる制御を、演出制御マイクロコンピュータ100が実行する。
このように、第2実施形態では、15R確変大当りの大当り遊技状態において保留記憶中に15R確変大当り(15R確変大当りA〜Kのいずれか)となる保留記憶情報が含まれているときに、第3継続報知演出が実行されたときと、第3継続報知演出が実行されなかったときとで、大当り遊技状態終了後に、当該15R確変大当りとなる保留記憶情報に基づく大当りに対して実行する演出の演出態様が異なることにより、第3継続報知演出が実行されることに対して、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態を説明する。第1,2実施形態に示すパチンコ遊技機1について適用される特徴的な制御をスロットマシンにおいて適用する例を説明する。
まず、スロットマシンの基本的な構成および制御内容を説明する。図44は、第3実施形態によるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。スロットマシン200の前面扉は、施錠装置19にキーを差し込み、時計回り方向に回動操作することにより開放状態とすることができる。このスロットマシン200の上部前面側には、変動表示装置2aが設けられている。変動表示装置2aは、リールユニット3a(図45参照)を備える。リールユニット3a内には、後述するリール3L、3C、3Rと、当該リール3L、3C、3R各々に対して、リールを回転/停止させるためのリールモータ3ML、3MC、3MR(図45参照)と、その基準位置を検出するリールセンサ3SL、3SC、3SR(図45参照)と、背面から光を照射するリールランプ3LP(図45参照)とが設けられている。
リール3L、3C、3Rの外周部には、それぞれ「1」、「2」、「3」、「4」、「赤7」、「青7」、「BAR」、「リプレイ1」、「リプレイ2」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。「赤7」、「青7」および「BAR」は、「1」、「2」、「3」、「4」、「リプレイ1」、「リプレイ2」よりも大きい、特に横幅が広い図柄であり、リール3L、3C、3Rが回転しているときにも、比較的容易に遊技者が図柄を認識できる。「1」、「2」、「3」、「4」、「リプレイ1」、「リプレイ2」は、リール3L、3C、3Rが回転しているときに、これを遊技者が認識するのは困難なものとなっている。変動表示装置2aは、リールモータ3ML、3MC、3MRにより回転/停止されるリール3L、3C、3R各々の外周部に描かれた図柄を、前面扉の上部に形成された透視窓から遊技者が視認可能となるように構成されている。変動表示装置2aは、リール3L、3C、3Rのうち停止しているリールの外周部に描かれた3つの図柄を上中下三段に導出させることができる。
変動表示装置2aには、リール3L、3C、3R各々の上段から構成される第1ライン、リール3L、3C、3R各々の下段から構成される第2ライン、リール3L、3C各々の上段とリール3Rの下段から構成される第3ライン、リール3L、3C各々の下段とリール3Rの上段から構成される第4ライン、リール3Lの上段とリール3C、3R各々の下段から構成される第5ライン、リール3Lの下段とリール3C、3R各々の上段から構成される第6ライン、リール3L、3R各々の上段とリール3Cの下段から構成される第7ライン、およびリール3L、3R各々の下段とリール3Cの上段から構成される第8ラインの合計8本の入賞ラインが設定される。すなわち、入賞ラインには、リール3L、3C、3R各々の上段または下段の組合せから構成されるすべてのラインが含まれる。このように入賞ラインが設けられているため、後述する各役を構成する図柄を、リール3L、3C、3R各々の上段または下段に停止させることにより入賞させることができる。リール3L、3C、3Rに描かれた図柄と、リール3L、3C、3Rの停止制御については、さらに詳しく後述するものとする。
変動表示装置2aの下側であって、スロットマシン200の前面側ほぼ中央位置には、演出手段としての液晶表示器4aが設けられている。液晶表示器4aは、大きさ的にも変動表示装置2aよりも大きく、しかも遊技者(平均的な身長のものを想定)がスロットマシン200の前に座ったときに遊技者の目線の高さになる位置に設けられているので、変動表示装置2aによりも視認容易になっている。
液晶表示器4aは、遊技状態や当選フラグの設定状況等、ゲームの進行に応じて様々な演出用の画像を表示する。液晶表示器4aには、たとえば、遊技状態に対応した背景画像が表示される。また、液晶表示器4aには、当選フラグの設定状況および入賞状況を報知するための画像が表示される。液晶表示器4aにおいては、これらの画像が変動表示装置2aのリール3L、3C、3Rの回転/停止に合わせて表示された後、変動表示装置2aのリール3L、3C、3Rの表示結果に対応した演出結果画像が表示される。また、液晶表示器4aにおいては、変動表示装置2aの表示結果により連続して小役に入賞すると、後述する小役連続入賞演出等の所定の演出が行なわれる。さらに、液晶表示器4aには、遊技に直接的または間接的に関わる様々な情報を表示することが可能である。
液晶表示器4aの左側には、上からペイアウト表示部21aと、クレジット表示部22と、告知部36と、リプレイ表示部32bと、スタート表示部30aと、投入指示表示部29aと、ヒット表示部34とが設けられている。ペイアウト表示部21aは、7セグメント表示器によるペイアウト表示器53(図45参照)によって構成され、後述する小役に入賞した場合に払出されるメダルの枚数を表示する。クレジット表示部22は、7セグメント表示器によるクレジット表示器52(図45参照)によって構成され、後述するようにメダルの投入枚数および払出し枚数に応じてデータとして蓄積されたクレジットの数を表示する。
告知部36は、告知ランプ66(図45参照)が点灯状態となることで、後述する遊技者にとって有利な有利状態としてのビッグ(1)、ビッグ(2)、チャレンジ(1)、およびチャレンジ(2)のうちいずれかの入賞が可能となっていることを遊技者に告知する。本実施の形態において、このような告知は、に当選しているゲームが開始されるときに後述する制御部120aにより所定の割合(極めて低い割合、たとえば5%以下の割合)で行なわれる。これにより、に当選していることを遊技者に気付かせにくくすることができる。投入指示表示部29aは、投入指示ランプ59a(図45参照)が点灯状態となることで、メダルが投入可能なことを示す。スタート表示部30aは、スタートランプ60(図45参照)が点灯状態となることで、スタート可能、すなわちスタートレバー11の操作受付可能であることを示す。リプレイ表示部32bは、リプレイランプ62(図45参照)が点灯状態となることで、後述するリプレイ入賞をしたことを示す。ヒット表示部34は、HITランプ54(図45参照)が点灯状態となることで、遊技状態が後述するチャレンジ(2)を除き、ビッグ(1)、ビッグ(2)、またはチャレンジ(1)のうちいずれかに入賞し中である旨を報知する。本実施の形態において、このような報知は、に入賞してから所定ゲーム数(たとえば2ゲーム)分遊技された後に行なわれる。これにより、に入賞してから所定ゲーム数分遊技されるまで、に入賞していることを遊技者に気付かせにくくすることができる。
液晶表示器4aの右側には、入賞表示部25a〜25dが設けられている。入賞表示部25a〜25dは、入賞表示ランプ45a〜45d(図45参照)が点滅状態となることで、変動表示装置2aに対応する入賞の表示結果が導出されたことを示す。
また、液晶表示器4aの下方に設けられた台状部分の水平面には、メダル投入口13bと、1枚BETボタン14bと、MAXBETボタン15bと、精算ボタン16bとが設けられている。1枚BETボタン14bおよびMAXBETボタン15bには、データとして蓄積されたクレジット(最大50)から賭数の設定を可能としているときに点灯するBETボタンランプ70a、70b(図45参照)が内部に配されている。
メダル投入口13bは、遊技者がここからメダルを投入するものであり、投入指示表示部29aが点灯しているときにメダルの投入が投入メダルセンサ44(図45参照)によって検出されると、賭数が設定され、あるいはクレジットがデータとして蓄積される。1枚BETボタン14bおよびMAXBETボタン15bは、データとして蓄積されているクレジットから賭数(それぞれ1、3)を設定する際に遊技者が操作するボタンであり、遊技者によって操作されたことが1枚BETスイッチ45(図45参照)またはMAXBETスイッチ46(図45参照)によって検出されると、クレジットからの賭数の設定が行なわれる。
メダル投入口13bからのメダルの投入、1枚BETボタン14bまたはMAXBETボタン15bの操作により各ゲームで設定できる賭数は、何れの遊技状態においても3である。賭数が設定されると、スタートレバー11が操作受付可能となり、ゲームを開始させることができる。精算ボタン16bは、クレジットの払出しを指示するためのボタンであり、精算スイッチ47(図45参照)によって操作が検出されると、データとして蓄積されたクレジットに応じたメダルが払出される。
その台状部分の垂直面には、スタートレバー11と、停止ボタン12L、12C、12Rと、メダルが詰まったときなどにおいてスロットマシン200に機械的に振動を与えるメダル詰まり解消ボタン18とが設けられている。スタートレバー11は、ゲームを開始する際に遊技者が操作するもので、その操作がスタートスイッチ41a(図45参照)によって検出されると、リール駆動モータ3ML、3MC、3MRが駆動開始され、リール3L、3C、3Rが回転開始する。リール3L、3C、3Rが回転開始した後所定の条件が成立することにより停止ボタン12L、12C、12Rの操作が可能となると、その内部に備えられた操作有効ランプ63L、63C、63R(図45参照)が点灯状態となって、その旨が遊技者に示される。
停止ボタン12L、12C、12Rは、それぞれ遊技者が所望のタイミングでリール3L、3C、3Rの回転を停止させるべく操作するボタンであり、その操作がストップスイッチ42L、42C、42R(図45参照)で検出されると、リール3L、3C、3Rの回転が停止される。停止ボタン12L、12C、12Rの操作から対応するリール3L、3C、3Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ミリ秒である。リール3L、3C、3Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190ミリ秒の間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、停止ボタン12L、12C、12Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、停止ボタン12L、12C、12Rのいずれかが操作されたときに当該停止ボタンに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、その結果として当該図柄から6コマ先までの図柄を上段に表示させることができる。すなわち、リール3L、3C、3R各々において、停止ボタン12L、12C、12Rのうちいずれかが操作されたときに当該停止ボタンに対応するリールの下段に表示されている図柄を含めて7コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。また、前述したように、入賞ラインとして、リール3L、3C、3R各々の上段または下段の組合せから構成されるすべてのラインが設定されており、各役を構成する図柄がリール3L、3C、3R各々の上段または下段に停止させることにより入賞可能に構成されている。このため、リール3L、3C、3R各々において7コマ以内に配置されている図柄から構成される役は、停止ボタンが操作されたタイミングに関わらず入賞させることができるため、取りこぼしの発生を防止することができる。
また、後述するチャレンジ中に提供されるチャレンジタイム(CT)に制御されているときには、停止ボタン12Cの操作から対応するリール3Cの回転を停止するまでの最大停止遅延時間が75ミリ秒に短縮される。75ミリ秒の間では最大で1コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、停止ボタン12Cが操作されたときに表示されている図柄と、1コマ先にある図柄との合計2コマ分の図柄である。
スロットマシン200の下部前面側には、メダル払出し口71と、メダル貯留皿72とが設けられている。メダル払出し口71は、ホッパー80a(図45参照)によって払出しが行なわれたメダルを外部に排出するものである。メダル貯留皿72は、払出されたメダルを貯めておくためのものである。メダル貯留皿72の上の前面パネルには、内部に設置された蛍光灯6(図45参照)が発した光が照射される。
変動表示装置2aの左右には、それぞれ演出手段としてのスピーカ7L、7Rが設けられている。スピーカ7L、7Rは、所定の役(たとえば、小役、再遊技役等)が入賞したときにおける効果音の出力や、異常時における警報音の出力を行なうと共に、遊技状態に応じた様々な演出用の音声の出力を行なう。
さらに、スロットマシン200の前面側には、変動表示装置2aおよび液晶表示器4aの周囲を取り囲むように、演出手段としての遊技効果ランプ75A〜75E(図45参照)の発光により光による演出を行なう遊技効果表示部5A〜5Eが設けられている。遊技効果表示部5A〜5Eは、遊技の進行状況に応じた様々なパターンで光による演出を行なうものである。なお、遊技効果表示部5A〜5Eの発光色は、単色からなるものであっても、複数色からなるものであっても構わない。遊技効果表示部5A〜5Eは、入賞した役の種類に応じて発光することがある。
図45は、スロットマシン200の制御回路の構成を示す図である。図示するように、このスロットマシン200の制御回路は、電源基板100a、遊技制御基板101a、演出制御基板102a、リール中継基板103a、リールランプ中継基板104a、外部出力基板105a、および演出中継基板106aに大きく分けて構成される。
電源基板100aは、AC100Vの外部電源電圧を変圧し、遊技制御基板101aその他のスロットマシン200の各部に動作電力を供給する。図45では、遊技制御基板101a、ホッパー80a、各スイッチ91〜94にのみ接続されているように示しているが、電源基板100aは、他の各部への電力の供給も行なっている。電源基板100aは、スロットマシン200の内部に設けられ、メダルの払出し動作を行なうホッパーモータ82と、メダルの払出しを検知する払出しセンサ81とから構成されるホッパー80aに接続されている。
電源基板100aは、後述する内部抽選への当選確率を設定し、これに基づいて算出されるメダルの払出率の設定値(設定1〜設定4)を変更するための設定スイッチ91a、設定スイッチ91aを操作有効とする設定キースイッチ92a、内部状態(RAM112)をリセットする第2リセットスイッチ93a、および電源のON/OFF切替えを行なうメインスイッチ94aにもそれぞれ接続されており、これらのスイッチの検出信号を遊技制御基板101aへと送る。これらのスイッチ91〜94は、スロットマシン200の内部に設けられている。なお、第2リセットスイッチ93aは、後述するように、ゲームの進行を停止させる打ち止め制御が行なわれ打止状態に制御されている場合、該打止状態を解除するための解除操作を受付ける手段でもある。
遊技制御基板101aは、スロットマシン200における遊技の進行全体の流れを制御するメイン側の制御基板であり、CPU111、RAM112、ROM113およびI/Oポート114を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部110を搭載している。また、乱数発生回路115、サンプリング回路116、電源監視回路117、リセット回路118等の回路を搭載している。
CPU111は、計時機能、タイマ割り込みなどの割り込み機能(割り込み禁止機能を含む)を備え、ROM113に記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行なうと共に、スロットマシン200内の制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。CPU111が取り扱うデータの1ワードは、8ビット(1バイト)であり、RAM112、ROM113のアドレスも、8ビット単位で割り付けられている。
RAM112は、CPU111がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。ROM113は、CPU111が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。RAM112とROM113のアドレスの割り当ては、メーカにおける開発用機種とホールに納入される量産機種とで異なる。I/Oポート114は、遊技制御基板101aに接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
乱数発生回路115は、後述するように所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路116は、乱数発生回路115がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路115は、遊技の進行に使用される乱数の種類毎に設けられていて、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められている。CPU111は、その処理に応じてサンプリング回路116に指示を送ることで、乱数発生回路115が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数には、ハードウェア乱数機能により抽出した数値をソフトウェアにより加工した数値が使用される。
電源監視回路117は、スロットマシン200に供給される電源電圧を監視し、電圧の低下を検出(たとえば、所定電圧以下になったか否か判定)したときに、電圧低下信号を制御部110に対して出力する回路である。制御部110は、特に図示はしないが、割込入力端子を備えており、この割込入力端子に電圧低下信号が入力されることで外部割込が発生し、制御部110のCPU111は外部割込に応じて電断割込処理を実行する。
電断割込処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAMに退避させる処理が行なわれる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。
次いで、全出力ポートを初期化した後、RAMに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算してパリティ格納領域112−7にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行なわないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実に制御部110は動作停止する。
このように電断割込処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域112−7に格納されるようになっており、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAMに格納されているデータが正常か否かを確認できるようになっている。
次に、リセット回路118は、電源投入時において制御部110が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときに制御部110に対してリセット信号を出力し、制御部110を起動させるとともに、制御部110から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわち制御部110が一定時間動作を行なわなかった場合に制御部110に対してリセット信号を出力し、制御部110を再起動させる回路である。
CPU111は、また、タイマ割り込み処理により、RAM112の特定アドレスの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。CPU111は、I/Oポート114を介して演出制御基板102aに、各種のコマンドを送信する。これらのコマンドは、それぞれ8ビットで構成される。なお、遊技制御基板101aから演出制御基板102aへ情報(コマンド)は一方向のみで送られ、演出制御基板102aから遊技制御基板101aへ向けて情報(コマンド)が送られることはない。
遊技制御基板101aには、1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46、スタートスイッチ41a、ストップスイッチ42L、42C、42R、精算スイッチ47、第1リセットスイッチ48、投入メダルセンサ44が接続されており、これらのスイッチ/センサ類の検出信号が入力される。また、リール中継基板103aを介して、リールセンサ3SL、3SC、3SRの検出信号が入力される。I/Oポート114を介して入力されるこれらスイッチ/センサ類の検出信号、あるいは前述したように電源基板100aを介して入力される各種スイッチの検出信号に従って、遊技制御基板101a上のCPU111は、処理を行なっている。
遊技制御基板101aには、また、流路切替ソレノイド49、ペイアウト表示器53、クレジット表示器52、投入指示ランプ59a、スタートランプ60、リプレイランプ62、HITランプ54、BETボタンランプ70a、70b、操作有効ランプ63L、63C、63R、入賞表示ランプ45a〜45dが接続されており、CPU111は、遊技の進行状況に従ってこれらの動作を制御している。
また、遊技制御基板101aには、リール中継基板103aを介してリールモータ3ML、3MC、3MRが接続されている。CPU111は、RAM112に設定された当選フラグを参照して、リール中継基板103aを介してリールモータ3ML、3MC、3MRを制御して、リール3L、3C、3Rを停止させる。遊技制御基板101aには、さらに演出中継基板106aを介して演出制御基板102aが接続されている。
演出中継基板106aは、遊技制御基板101aから演出制御基板102aへ送信される情報の一方向性を担保するために設けられた基板である。演出中継基板106aは、この状態を調べることによって遊技制御基板101aや演出制御基板102aを調べなくても、遊技制御基板101aの制御部110に不正な信号(特に演出制御基板102aに外部から入力されるようになっている信号)が入力されるような改造がなされていないかどうかをチェックすることができるようにするものである。
演出制御基板102aは、スロットマシン200における演出の実行を制御するサブ側の制御基板であり、CPU121、RAM122、ROM123およびI/Oポート124を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部120aを搭載している。また、乱数発生回路125およびサンプリング回路126を搭載しており、CPU121は、サンプリング回路126により乱数発生回路125がカウントしている値を取得することにより、遊技制御基板101aと同様のハードウェア乱数機能を形成している。また、割り込み処理によるソフトウェア乱数機能も有している。
CPU121は、ROM123に記憶されたプログラム(後述)を実行して、演出の実行に関する処理を行なうと共に、演出制御基板102a内の各回路およびこれに接続された各回路を制御する。演出の実行は、I/Oポート124を介して遊技制御基板101aから受信したコマンドに基づいて行なわれる。RAM122は、CPU121がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。ROM123は、CPU121が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート124は、演出制御基板102aに接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
演出制御基板102aには、遊技効果ランプ75A〜75E、液晶表示器4a、スピーカ7L、7R、蛍光灯6、告知ランプ66が接続されている。また、リールランプ中継基板104aを介してリールランプ3LPが接続されている。演出制御基板102aの制御部120aは、これら各部をそれぞれ制御して、演出を行なっている。
リール中継基板103aは、遊技制御基板101aと外部出力基板105aおよびリールユニット3aとの間を中継している。リール中継基板103aには、また、満タンセンサ90が接続されており、その検出信号が入力される。満タンセンサ90は、スロットマシン200の内部に設けられ、ホッパー80aからオーバーフローしたメダルを貯留するオーバーフロータンク内のメダルが満タンになったことを検知するものである。
リールランプ中継基板104aは、演出制御基板102aとリールユニット3aとの間を中継している。外部出力基板105aは、ホールの管理コンピュータなどの外部装置に接続されており、遊技制御基板101aからリール中継基板103aを介して入力されたビッグ(1)中信号、ビッグ(2)中信号、チャレンジ(1)中信号、チャレンジ(2)中信号、レギュラー中信号、チャレンジタイム中信号、メダルIN信号、およびメダルOUT信号を、当該外部装置に出力する。これに加えて、当選状況信号、リール制御信号、ストップスイッチ信号を外部装置に出力するものであってもよい。
上記スロットマシン200においては、変動表示装置2aのいずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグ(1)、ビッグ(2)、チャレンジ(1)、チャレンジ(2)のいずれかへの移行を伴う特別役と、メダルの払出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。なお、ビッグ(1)およびビッグ(2)を単にビッグといい、チャレンジ(1)およびチャレンジ(2)を単にチャレンジという場合もある。また、ビッグをBBと示す場合があり、チャレンジをCBと示す場合がある。ビッグおよびチャレンジを単にという場合もある。
ビッグ(1)は、通常の遊技状態またはRT(リプレイタイム)において入賞ラインのいずれかに「赤7−1−4」の組合せが揃ったときに入賞となる。ビッグ(2)は、通常の遊技状態またはRTにおいて入賞ラインのいずれかに「青7−4−1」の組合せが揃ったときに入賞となる。ビッグ(1)またはビッグ(2)が入賞すると、遊技状態がそれぞれビッグ(1)またはビッグ(2)に移行する。ビッグ(1)とビッグ(2)とでは、払出メダル枚数の上限と、その終了後に制御されるRTの種類とに違いがある。
ビッグ(1)またはビッグ(2)においては、当該ビッグ(1)または当該ビッグ(2)が終了するまで、12ゲームを消化したことまたは8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したことにより終了条件が成立するレギュラー(RBと示す場合もある)に、繰り返し制御される。遊技状態がビッグ(1)またはビッグ(2)にある間は、それぞれビッグ(1)中フラグまたはビッグ(2)中フラグがRAM112に設定される。また、遊技状態がレギュラーにある間は、レギュラー中フラグがRAM112に設定される。
ビッグ(1)およびビッグ(2)は、各々、遊技者に払出したメダルの枚数が345枚を越えたときに終了条件が成立し終了する。ビッグ(1)およびビッグ(2)に内部当選してから、該当選したビッグが入賞するまでの間、RT2に遊技状態が制御される。また、ビッグ(1)の終了後は、予め規定されている100ゲームの間だけRT1に遊技状態が制御される。ただし、RT1に遊技状態が制御されているときに、ビッグやチャレンジの特別役に入賞すると、規定のゲーム数が残っていても、その時点でRT1が終了する。本実施の形態においては、ビッグ(1)の払出枚数の上限を、ビッグ(2)の払出枚数の上限と同じに設定されている例について説明するが、しかし、これに限らず、ビッグ(1)の払出枚数の上限と、ビッグ(2)の払出枚数の上限とが異なるものであってもよい。たとえば、ビッグ(1)の払出枚数の上限を、ビッグ(2)の払出枚数の上限よりも大きくなるように設定してもよい。
また、ビッグ(1)に制御された後、有利状態として、当選している小役の種類(または、これに入賞させるための停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順)を報知するAT(Assist Time)に所定期間(たとえば、100ゲームの間)制御される場合もある。その場合において、ATに制御するか否かの判定は、ビッグ(1)に当選したとき、または、ビッグ(1)に制御された後に行なわれる。また、ATは、ビッグ等の入賞とは別に、単独の有利状態として実行されるようにしてもよい。このような場合には、ATに制御するか否かの判定は、ビッグ等の入賞とは別に行われ、ATに制御する場合には、当該判定がなされたときから所定回数のゲームが実行されたときにATに制御される。
このようにATに制御されるときは、ATに制御する判定がされてから予め定められた期間(ゲーム回数)が経過したときにATに制御されるので、ATに制御する判定(ATに制御しない判定も含む)がされてからATに制御される(ATに制御されない場合も含む)までの所定期間には、演出制御基板102aのCPU121により、複数回のゲームに亘り、ATに制御されることを示唆する演出等の所定の演出が実行される。
また、ビッグ(1)が終了した後、およびビッグ(2)が終了した後には、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となるフリーズ状態に一定期間制御される。また、打止機能が有効に設定されている場合にビッグ(1)が終了したとき、およびビッグ(2)が終了したときには、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となる打止状態に第2リセットスイッチ93aが操作されるまで制御される。
チャレンジ(1)は、通常の遊技状態またはRTにおいて入賞ラインのいずれかに「BAR−4−リプレイ1」の組合せが揃ったときに入賞となる。チャレンジ(2)は、通常の遊技状態またはRTにおいて入賞ラインのいずれかに「1−2−1」の組合せが揃ったときに入賞となる。
ビッグ(1)、ビッグ(2)、チャレンジ(1)、およびチャレンジ(2)の組合せについて説明したように、各々を構成する図柄が各リールで異なっているため、に入賞したかどうかが遊技者にとって識別しづらくなり、入賞をより一層遊技者に気付かせにくくすることができる。
チャレンジ(1)またはチャレンジ(2)が入賞すると、遊技状態がそれぞれチャレンジ(1)またはチャレンジ(2)に移行する。チャレンジ(1)とチャレンジ(2)とは、払出メダル枚数の上限に違いがある。
チャレンジ(1)、チャレンジ(2)においては、当該チャレンジ(1)、チャレンジ(2)が終了するまで、1ゲームを消化したことにより終了条件が成立するチャレンジタイム(CTと示す場合もある)に、ゲーム毎に繰り返し制御される。遊技状態がチャレンジ(1)、チャレンジ(2)にある間は、それぞれチャレンジ(1)中フラグ、チャレンジ(2)中フラグがRAM112に設定される。また、遊技状態がチャレンジタイムにある間は、チャレンジタイム中フラグがRAM112に設定される。
チャレンジ(1)は、遊技者に払出したメダルの枚数が105枚を越えたときに終了条件が成立し終了する。チャレンジ(1)に内部当選してから、該当選したチャレンジ(1)が入賞するまでの間、RT2に遊技状態が制御される。
また、チャレンジ(1)が終了した後には、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となるフリーズ状態に一定期間制御される。また、打止機能が有効に設定されている場合にチャレンジ(1)が終了したときには、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となる打止状態に第2リセットスイッチ93aが操作されるまで制御される。
一方、チャレンジ(2)は、遊技者に払出したメダルの枚数が15枚を越えたときに終了条件が成立し終了する。よって、チャレンジ(2)は、スイカ、ベルが入賞したときの払出枚数が15枚であることから、チャレンジに継続して制御されるゲーム数の期待値が2ゲームとなるように設定されている。なお、チャレンジに継続して制御されるゲーム数の期待値が2ゲームであるものに限らず、期待値が複数ゲームであればどのようなものであってもよい。
後述する内部抽選においてビッグ(1)、ビッグ(2)、チャレンジ(1)に当選していても、停止ボタン12L、12C、12Rをこれらの役に入賞可能とする適正な操作手順で操作しなければ、これらの役に入賞することはない。ビッグ(1)、ビッグ(2)、チャレンジ(1)を構成するリール3Lの図柄が、リール3Lにおいて7コマ以内に配置されていないためである。
一方、ビッグ(1)、ビッグ(2)、およびチャレンジ(1)以外の、チャレンジ(2)、チェリー、ベル、スイカ、リプレイが後述する内部抽選において当選したときには、これらの役を構成する図柄が、リール3L、3C、3R各々において7コマ以内に配置されているため、停止ボタン12L、12C、12Rを操作したタイミングに関わらず入賞可能なものとなっている。
チェリーは、いずれの遊技状態においても左のリール3Lについていずれかの入賞ラインに「4」の図柄が導出されたときに入賞となり、1入賞ラインにつき2枚のメダルが払出される。左のリール3Lの上段または下段に「4」が停止したときには、4つの入賞ラインでの導出となるので合計8枚のメダルが払出される。
ベルは、いずれの遊技状態においてもいずれかの入賞ラインに「リプレイ1−1−リプレイ1」の組合せが揃ったときに入賞となり、15枚のメダルが払出される。
スイカは、いずれの遊技状態においてもいずれかの入賞ラインに「リプレイ1−4−4」の組合せが揃ったときに入賞となり、15枚のメダルが払出される。
リプレイは、通常の遊技状態またはRTにおいて入賞ラインのいずれかに「リプレイ1−2−4」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイに入賞したときには、メダルの払出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数3に対応した3枚のメダルが払出されるのと実質的には同じこととなる。
次に、内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞(入賞表示結果の導出)を許容するかどうかを、変動表示装置2aの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートレバー11の操作時)、決定するものである。内部抽選では、乱数発生回路115から内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態と、設定スイッチ91aにより設定された設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行なわれる。内部抽選における当選は、排他的なものである。
次に、第1,第2実施形態に示した継続報知演出をスロットマシン200においてどのように適用するかについて説明する。
スロットマシン200においては、液晶表示器4aがパチンコ遊技機1の演出表示装置9と対応関係にあり、変動表示装置2aがパチンコ遊技機1の第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bと対応関係にある。また、パチンコ遊技機1においては、変動表示の始動条件が始動入賞であることに対して、スロットマシン200においては、変動表示の始動条件がスタートレバー11の操作検出である。また、パチンコ遊技機1においては、変動表示の終了条件が、変動パターンにおける変動表示時間の経過であることに対して、スロットマシン200においては、変動表示の終了条件が、停止ボタン12L、12C、12Rの操作検出である。
パチンコ遊技機1においては、始動入賞に応じて変動表示が行なわれることに対して、スロットマシン200においては、メダル投入に基づくスタートレバー11の操作に応じて変動表示をするゲームが行なわれる。そして、パチンコ遊技機1においては、各種入賞口への入賞に応じて景品としての賞球が払出されることに対して、スロットマシン200においては、ゲームの結果にしたがい、賭数に応じた景品としてのメダルが払出される。
また、パチンコ遊技機1においては、変動表示結果が大当り表示結果となると有利者にとって有利な有利状態となることに対して、スロットマシン200においては、いずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、遊技者にとって有利状態である特別役、小役、再遊技役等の役の種類がある入賞となり遊技者にとって有利な有利状態となる。なお、スロットマシン200においては、遊技者にとって有利状態として、前述したATが含まれている。
パチンコ遊技機1においては、大当り遊技状態、高確率状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態等が遊技者にとって有利な有利状態に含まれるのに対して、スロットマシン200においては、およびAT等が遊技者にとって有利な有利状態に含まれる。
パチンコ遊技機1においては、演出制御基板80に搭載され、演出表示装置9等の各種演出手段を制御する演出制御マイクロコンピュータ100が、前述した継続報知演出を実行するのに対して、スロットマシン200においては、演出制御基板102aに搭載され、液晶表示器4a等の各種演出手段を制御する制御部120aが、前述した継続報知演出に対応する演出を実行可能である。
前述したパチンコ遊技機1においては、演出対象(予告対象)となる遊技が実行されるよりも複数回分の変動表示が実行される前のタイミング(始動入賞判定時)から複数回の変動表示が実行される期間に亘り演出を行なう先読み予告演出として、ステージ演出を実行する例を示した。これに対して、スロットマシン200においては、前述のような継続報知演出は、次のような対応関係で行なわれ得る。たとえば、制御部110が、ATの総継続期間(決定総ゲーム数)を、最大総継続期間(最大総ゲーム数)が予め定められた複数種類の総継続期間(たとえば、20ゲーム、50ゲーム、100ゲーム)のうちから選択決定する。そして、ATのゲーム実行期間前に制御部110がATを実行するか否かの抽選を複数回行なって実行予定のATをストックして後にATの実行を開始させる場合があり、また、ATのゲーム実行期間中に制御部110がさらに次のATを実行するか否かの抽選をして後にATを実行する場合がある。このような場合には、実行中のATの継続期間中に、次に実行されるAT(パチンコ遊技機1の保留記憶内の15R確変大当りに相当)が存在する場合が生じ、制御部110および制御部120aが、実行中のATの継続期間中に、次に実行されるATが存在するか否かを判定する。
また、制御部120aが、このようなATの継続期間中において、ATの最大総ゲーム数未満となる第1期間(たとえば、10ゲーム)を特定可能に報知する第1継続報知演出と、該第1継続報知演出が行なわれた後に決定総ゲーム数と第1期間との差分期間以下である第2期間(たとえば、+5ゲーム、+10ゲーム、+15ゲーム等)を特定可能に報知する第2継続報知演出とを含む継続報知演出を実行する。
また、制御部120aが、次に新たに実行されるATが存在することが判定されたことに基づいて、最大総ゲーム数と前述の継続報知演出(第1,第2継続報知演出)により特定される期間(報知合計ゲーム数)との差分期間(最大総ゲーム数−報知合計ゲーム数)を超える第3期間(最大総ゲーム数−報知合計ゲーム数+α=超過ゲーム数)を特定可能に報知する第3継続報知演出を実行するための制御を行なう。
また、スロットマシン200においてこのような継続報知演出を実行する制御は、ATの他に、たとえば、RTおよびボーナスのような遊技者にとって有利なその他の有利状態に適用してもよい。そして、スロットマシン200においてこのような継続報知演出を実行するときに第1〜第3期間として報知する期間は、前述のようなゲーム数の他に、有利状態でのメダル払出数および有利状態の継続時間のようなその他の期間を用いてもよい。
スロットマシン200においてこのような継続報知演出を実行する制御を行なえば、パチンコ遊技機1において前述したような継続報知演出を実行するときに得られる効果と同様の効果を得ることができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図36(C)〜(E)およびS973〜S988,S990に示すように、15R確変大当りA〜Kのうちいずれかの15R確変大当りの大当り遊技状態中において保留記憶内に、15R確変大当りA〜Kのいずれかとなる保留記憶情報が含まれているときに、最大総R数と第1継続報知演出、第2継続報知演出により特定される期間(第1期間、第2期間)との差分期間を超える第3期間を特定可能な超過R数が報知されるので、大当り遊技状態で第1期間、第2期間が報知された後でも、大当り遊技状態が終了するまでの期間において、遊技の興趣を向上させる演出を実行することができる。つまり、このような超過R数の報知演出は、たとえば、第1期間および第2期間の報知により決定総R数の最終ラウンドまでを継続報知演出として報知してしまった後でも、決定総R数の大当り遊技状態が終了するまでの間において報知することが可能であるので、遊技の興趣を向上させることができる。また、第3実施形態のスロットマシン200においても、同様の第1〜第3継続報知演出を実行することにより、第1,第2実施形態のパチンコ遊技機1と同様の効果を得ることができる。
(2) 図26のS101A,S101Bに示すように、15R確変大当り(15R確変大当りA〜Kのいずれか)の大当り遊技状態において保留記憶中に15R確変大当り(15R確変大当りA〜Kのいずれか)となる保留記憶情報が含まれているときに、超時短での変動表示を実行する条件が成立し、大当り遊技状態終了後に、当該保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるまで、すなわち、保留記憶情報の上限数の範囲内で行なわれる変動表示について、当該変動表示以降に行なわれる変動表示よりも、極めて短い変動時間で保留記憶に基づく変動表示が行なわれる。このような超時短の変動表示により、大当り遊技状態において保留記憶中に存在した15R確変大当りのような次回の大当りが早期に開始されるようにすることができ、遊技の興趣をより一層向上させることができる。また、15R確変大当りというような大当りの種類に応じて、超時短の変動表示が実行されるため、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
(3) 図26のS101A,S101Bに示すように、15R確変大当りというような大当りの種類、または、15R確変大当りA〜Kというような15R確変大当りのうちの大当りの種類に応じて、超時短の変動表示が実行されるため、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
(4) 第2実施形態において説明したように、第3継続報知演出が実行されたときと、実行されなかったときとで、15R確変大当りの終了時の状態で記憶されている、15R確変大当りとなることが特定された保留記憶情報を対象として実行される演出の演出態様が異なるので、第3の報知演出が実行されることに対して、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
(5) 図36の(A)〜(E)に示すように、たとえば、「決定総R数−報知合計R数≧3」のときに、(E)のような超過R数の報知を実行するときは、(B)のような超過R数の報知を実行しないときと比べて、1Rのような比較的少ないラウンド数を報知する割合が低く、+3Rのような比較的多いラウンド数を報知する割合が高い。このように、第2継続報知演出の実行履歴に基づいて、第3継続報知演出を実行する割合が異なるので、第2継続報知演出が実行されること(実行されること自体、および、実行される報知演出内容)に対して、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、2つの特別図柄表示器である第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bを設け、2つの特別図柄を変動表示する例を示した。しかし、これに限らず、2つの特別図柄表示器の代わりに、1つの特別図柄表示器を設け、1つの特別図柄を変動表示させる構成を採用してもよい。このような構成を採用する場合には、特別図柄表示器における特別図柄の変動表示が、第1始動入賞口13の入賞、および、第2始動入賞口14への入賞のそれぞれに応じて実行されるようにすればよい。つまり、第1始動入賞口13の入賞に基づいて第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄を実行させるための各種制御と、第2始動入賞口14の入賞に基づいて第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄を実行させるための各種制御とをそれぞれ、1つの特別図柄表示器における特別図柄の変動表示について適用すればよい。
(2) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(3) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。
(4) 前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点等を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(5) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(6) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。