以下に添付図面を参照して、この発明にかかる、ぱちんこ遊技機の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態)
(ぱちんこ遊技機の基本構成)
まず、実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の基本構成について説明する。図1は、ぱちんこ遊技機の一例を示す正面図である。図1に示すように、ぱちんこ遊技機100は、遊技盤101を備えている。遊技盤101の下部位置には、発射部が配置されている。発射部の駆動によって発射された遊技球は、レール102a,102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下する。
遊技領域103には、複数の釘が設けられており、この釘によって遊技球は不特定な方向に向けて落下する。遊技盤101の略中央部分には、LCD(Liquid Crystal Display)からなる画像表示部104が配置されている。画像表示部104の下方には、第1始動口105が配設されており、画像表示部104の右側には第2始動口106が配設されている。第1始動口105および第2始動口106は、始動入賞させるための入賞口である。
第2始動口106の近傍には、電動チューリップ107が設けられている。電動チューリップ107は、遊技球を第2始動口106へ入賞しにくくさせる閉状態(閉口された状態)と、閉状態よりも入賞しやすくさせる開状態(開口された状態)とをとる。これらの状態の制御は、電動チューリップ107が備えるソレノイドによっておこなわれる。
電動チューリップ107は、第2始動口106の上方に配設されたゲート108を遊技球が通過したことによりおこなわれる普通図柄抽選の抽選結果に基づいて開口する。電動チューリップ107は、電チューサポート機能が付加される遊技状態において、開放時間が長くなり、第2始動口106に遊技球をより導きやすくする。電チューサポート機能が付加される遊技状態は、確変長当たりなど特定の特別遊技(大当たり遊技)の終了後に設定される遊技状態である。
本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機100は、通常の遊技状態において遊技者は左打ちをして第1始動口105を狙って遊技する一方、電チューサポート機能が付加される遊技状態や大当たり遊技状態において遊技者は右打ちをして第2始動口106を狙って遊技するタイプの遊技機である。
具体的には、遊技者が左打ちをすると、打ち出された遊技球は、矢印130に示すように遊技領域103の左側を流下する。一方、遊技者が右打ちをすると、打ち出された遊技球は、矢印140に示すように遊技領域103の右側を流下する。なお、右打ちにより第2始動口106に入賞しなかった遊技球は、第2始動口106の下方の固定役物141などが干渉することにより、第1始動口105へはほとんど入賞しないようになっている。
第2始動口106の下方には、大入賞口109が設けられている。大入賞口109は、大当たり遊技状態となったときに開放され、遊技球の入賞により所定個数(例えば15個)の賞球を払い出すための入賞口である。
画像表示部104の側部や下方などには普通入賞口110が配設されている。普通入賞口110は、遊技球の入賞により所定個数(例えば10個)の賞球を払い出すための入賞口である。遊技領域103の最下部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する回収口111が設けられている。
遊技盤101の右下部分には、特別図柄が表示される特別図柄表示部112が配置されている。特別図柄表示部112は、第1特別図柄(以下「特図1」という)が表示される特図1表示部と、第2特別図柄(以下「特図2」という)が表示される特図2表示部とを有する。
遊技球が第1始動口105へ入賞すると、特別遊技の判定(以下「当たり判定」という)がおこなわれる。特図1表示部には、特図1が変動表示されるとともに、当たり判定の判定結果を表す図柄にて停止表示される。遊技球が第2始動口106へ入賞すると当たり判定がおこなわれる。特図2表示部には、特図2が変動表示されるとともに、当たり判定の判定結果を表す図柄にて停止表示される。
また、遊技盤101の右下部分には、普通図柄が表示される普通図柄表示部113が配置されている。普通図柄は、普通図柄抽選の抽選結果を表す図柄である。普通図柄抽選は、上述したように電動チューリップ107を開状態とするか否かの抽選である。例えば、特別図柄表示部112および普通図柄表示部113としては7セグメントディスプレイが用いられる。
特別図柄表示部112および普通図柄表示部113の左側には、特別図柄または普通図柄に対する保留球数を表示する保留球表示部114が配置されている。保留球は、特別図柄または普通図柄の変動中に入賞した遊技球が保留状態として記憶されたものである。以下の説明において、第1始動口105への入賞による保留球を特1保留球といい、第2始動口106への入賞による保留球を特2保留球という。保留球表示部114としては、例えばLEDが用いられる。この保留球表示部114としてのLEDは複数配置され、点灯または消灯によって保留球数を表す。
遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材115が設けられている。枠部材115における遊技領域103の上側および下側となる2辺には、演出ライト部116が設けられている。演出ライト部116は、それぞれ複数のランプを有する。演出ライト部116は、不図示のモータによって、光の照射方向を上下方向に変更するように駆動され、ぱちんこ遊技機100の正面にいる遊技者を照射する。
枠部材115の下部位置には、操作ハンドル117が配置されている。操作ハンドル117は、発射部を駆動させて遊技球を発射させる発射指示部材118を備えている。発射指示部材118は、操作ハンドル117の外周部において、遊技者から見て右回りに回転可能に設けられている。発射部は、発射指示部材118が遊技者によって直接操作されている場合に、遊技球を発射させる。
枠部材115において、遊技領域103の下側となる辺には、遊技者による操作を受け付ける演出ボタン119が設けられている。また、枠部材115において、演出ボタン119の隣には、十字キー120が設けられている。さらに、枠部材115には、音声を出力するスピーカが組み込まれている。
(ぱちんこ遊技機の制御部の内部構成)
次に、図2を用いて、ぱちんこ遊技機100の制御部の内部構成について説明する。図2は、ぱちんこ遊技機100の制御部の内部構成を示すブロック図である。図2に示すように、ぱちんこ遊技機100の制御部200は、遊技の進行を制御する主制御部201と、演出内容を制御する演出制御部202と、賞球の払い出しを制御する賞球制御部203とを備えている。以下にそれぞれの制御部の構成について詳細に説明する。
(1.主制御部)
主制御部201は、CPU(Central Processing Unit)211と、ROM(Read Only Memory)212と、RAM(Random Access Memory)213と、不図示の入出力インタフェース(I/F)などを備えて構成される。
主制御部201は、CPU211がRAM213をワークエリアとして使用しながら、ROM212に記憶された各種プログラムを実行することによって、ぱちんこ遊技機100の遊技の進行を制御するように機能する。具体的には、主制御部201は、当たり判定、普通図柄判定、遊技状態の設定などをおこない、遊技の進行を制御する。主制御部201は、主制御基板によって実現される。
CPU211は、予めROM212に記憶された各種プログラムに基づき、遊技内容の進行に伴う基本処理を実行する。ROM212には、当たり判定プログラム、特図変動プログラム、大入賞口制御プログラム、遊技状態設定プログラム、などが記憶されている。
当たり判定プログラムは、始動口SW221,222によって検出された遊技球に対して、特別遊技の判定である当たり判定をおこなうプログラムである。特図変動プログラムは、当たり判定結果に応じて、特別図柄の変動開始から変動停止までの変動態様を示した所定の変動パターンを用いて特別図柄を変動停止させるプログラムである。
大入賞口制御プログラムは、当たり時に、所定の開放時間を1ラウンドとして、例えば15ラウンド、大入賞口109を開放させるプログラムである。遊技状態設定プログラムは、当たりの種類に応じて、当たり終了後の遊技状態を、低確率遊技状態または高確率遊技状態に設定するとともに、電チューサポート機能が付加される遊技状態、または電チューサポート機能が付加されない遊技状態を設定するプログラムである。高確率遊技状態は、低確率遊技状態に比べて、10倍程度大当たりが発生しやすい遊技状態である。電チューサポート機能は、普通図柄の変動時間を短くするとともに、電動チューリップ107の開放時間を長くする機能である。
また、主制御部201には、遊技球を検出する各種スイッチ(SW)、大入賞口109などの電動役物を開閉動作させるためのソレノイド、上記の特図1表示部112a、特図2表示部112b、普通図柄表示部113、保留球表示部114などが接続される。
具体的に、上記の各種SWとしては、第1始動口105へ入賞した遊技球を検出する第1始動口SW221と、第2始動口106へ入賞した遊技球を検出する第2始動口SW222と、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートSW223と、大入賞口109へ入賞した遊技球を検出する大入賞口SW224と、普通入賞口110へ入賞した遊技球を検出する普通入賞口SW225とが主制御部201に接続される。それぞれのSW(221〜225)による検出結果は主制御部201へ入力される。これらのSWには、近接スイッチなどが用いられる。
また、上記のソレノイドとしては、電動チューリップ107を開閉動作させる電動チューリップソレノイド231と、大入賞口109を開閉動作させる大入賞口ソレノイド232とが主制御部201に接続される。主制御部201は、それぞれのソレノイド(231,232)に対する駆動を制御する。
さらに、主制御部201は、演出制御部202および賞球制御部203にも接続され、それぞれの制御部に対して各種コマンドを出力する。例えば、主制御部201は、演出制御部202に対しては変動開始コマンド、変動停止コマンドなどのコマンドを出力する。また、主制御部201は、賞球制御部203に対しては賞球コマンドを出力する。
(2.演出制御部)
演出制御部202は、システム制御部202aと、画像制御部202bと、ランプ制御部202cとによって構成され、ぱちんこ遊技機100の演出内容を制御する機能を有する。システム制御部202aは、主制御部201から受信した各種コマンドに基づいて演出制御部202全体を統括する機能を有している。画像制御部202bは、システム制御部202aからの指示内容に基づいて画像および音声の制御をおこなう機能を有している。ランプ制御部202cは、遊技盤101および枠部材115などに設けられたランプの点灯を制御する機能を有している。
本実施の形態において、システム制御部202aと、ランプ制御部202cとは同一のプリント基板(システム制御基板)上に設けられており、画像制御部202bは独立したプリント基板(画像制御基板)上に設けられている。
(2−1.システム制御部)
まず、システム制御部202aの構成について説明する。システム制御部202aは、システムCPU241と、ROM242と、RAM243と、リアルタイムクロック(以下「RTC」という)244と、不図示の入出力インタフェース(I/F)などを備えて構成される。
システムCPU241は、予めROM242に記憶された各種プログラムに基づき、演出内容を決定する処理を実行する。ROM242には、システムCPU241が各種処理を実行するために必要となるプログラムが記憶されている。RAM243は、システムCPU241のワークエリアとして機能する。システムCPU241が各種プログラムを実行することによりRAM243にセットされたデータは、所定のタイミングにて画像制御部202bおよびランプ制御部202cに対して出力される。
システム制御部202aは、システムCPU241がRAM243をワークエリアとして使用しながら、ROM242に記憶された、演出統括プログラム、A/D変換プログラムなどのプログラムを実行することによって、演出制御部202全体を統括するように機能する。
演出統括プログラムは、特別図柄の変動に対応させて、演出図柄を用いたリーチ演出などの変動演出や、客待ち状態中の客待ち演出を統括するプログラムである。A/D変換プログラムは、画像表示部104のLEDバックライトを発光させるために、駆動回路によって生成されたアナログ信号をデジタル信号に変換するプログラムである。
RTC244は、実時間を計時出力する。RTC244は、ぱちんこ遊技機100の電源が遮断されているときもバックアップ電源(不図示)により計時動作を継続する。また、システム制御部202aには、演出ボタン119が接続されており、遊技者から演出ボタン119が操作(押下)された旨を示すデータが入力される。また、システム制御部202aには、十字キー120が接続されており、遊技者によって選択されたキーに対応するデータが入力される。
(2−2.画像制御部)
次に、画像制御部202bの構成について説明する。画像制御部202bは、画像CPU251と、ROM252と、RAM253と、不図示の入出力インタフェース(I/F)などを備えて構成される。
画像CPU251は、画像や音声の生成および出力処理を実行する。ROM252には、画像や音声の生成および出力処理のためのプログラムや、背景画像・図柄画像・キャラクタ画像・予告画像など各種画像データや各種音声データなどが記憶されている。RAM253は、画像CPU251のワークエリアとして機能し、画像表示部104に表示させる画像データやスピーカ254から出力させる音声データが一時的に格納される。
すなわち、画像制御部202bは、画像CPU251がRAM253をワークエリアとして使用しながら、ROM252に記憶された画像制御プログラムや音声制御プログラムなどの各種プログラムを実行することによって、システム制御部202aからの指示に基づいて画像および音声の制御をおこなうように機能する。
例えば、画像CPU251は、システム制御部202aから指示された指示内容に基づいて、背景画像表示処理、演出図柄変動/停止表示処理、キャラクタ画像表示処理など各種画像処理と、音声を出力させる音声処理を実行する。このときには、画像CPU251は、処理に必要な画像データおよび音声データをROM252から読み出してRAM253に書き込む。
RAM253に書き込まれた背景画像や演出図柄画像などの画像データは、画像制御部202bに接続された画像表示部104に対して出力され、画像表示部104の表示画面上において重畳表示される。また、RAM253に書き込まれた音声データは、システム制御部202aを介してスピーカ254に対して出力され、音声データに基づく音声がスピーカ254から出力される。
(2−3.ランプ制御部)
次に、ランプ制御部202cの構成について説明する。ランプ制御部202cは、ランプ制御CPU261と、ROM262と、RAM263と、不図示の入出力インタフェース(I/F)などを備えて構成される。ランプ制御CPU261は、ランプを点灯させる処理などを実行する。ROM262には、各種プログラム、当該処理に必要となるランプ点灯に用いる制御データなどが記憶されている。RAM263は、ランプ制御CPU261のワークエリアとして機能する。
ランプ制御部202cは、演出ライト部116と、盤ランプ264と、演出役物265と、枠ランプ266とに接続され、点灯制御するデータや動作制御するデータを出力する。これにより、ランプ制御部202cは、遊技盤101および枠部材115などに設けられたランプの点灯、演出役物265の動作を制御するように機能する。
(3.賞球制御部)
次に、賞球制御部203の構成について説明する。賞球制御部203は、CPU281と、ROM282と、RAM283と、不図示の入出力インタフェース(I/F)などを備えて構成される。CPU281は、払い出す賞球を制御する賞球制御処理を実行する。ROM282には、当該処理に必要となるプログラムなどが記憶されている。RAM283は、CPU281のワークエリアとして機能する。
また、賞球制御部203は、払出部(払出駆動モータ)291と、発射部292と、定位置検出SW293と、払出球検出SW294と、球有り検出SW295と、満タン検出SW296と接続される。賞球制御部203は、払出部291に対して入賞時の賞球数を払い出す制御をおこなう。払出部291は、遊技球の貯留部から所定数を払い出すためのモータからなる。具体的には、賞球制御部203は、払出部291に対して各入賞口に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御をおこなう。
また、賞球制御部203は、発射部292に対する遊技球の発射の操作を検出して遊技球の発射を制御する。発射部292は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイド等を備える。賞球制御部203は、発射部292のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を送り出す。
また、この賞球制御部203には、払い出す遊技球の状態を検出する各所の検出部が接続され、賞球のための払い出し状態を検出する。これらの検出部としては、定位置検出SW293、払出球検出SW294、球有り検出SW295、満タン検出SW296等がある。例えば、賞球制御部203は、賞球制御基板によってその機能を実現する。
また、主制御部201には、盤用外部情報端子基板297が接続されており、主制御部201が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。賞球制御部203についても、枠用外部情報端子基板298が接続されており、賞球制御部203が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。
(演出制御部の詳細な構成)
次に、図3を用いて、演出制御部202の詳細な構成について説明する。図3は、演出制御部202の詳細な構成を示す説明図である。図3において、演出制御部202は、システム制御基板300aと、画像制御基板300bとからなる。システム制御基板300aと、画像制御基板300bとは、インタフェース(以下「I/F」と記載する)310a,310bを介して、それぞれ接続されている。
まず、システム制御基板300aから説明する。システムCPU241は、主基板I/F301に接続され、ROM242に記憶されている各種プログラムを用いて、主制御部201のCPU211から送信されるコマンドに応じた演出内容を選択して、演出制御部202全体を統括する。
また、システムCPU241は、クロック周波数(例えば6MHz)を生成する水晶振動子からなる発振器311に接続され、クロック周波数を動作基準として動作する。システムCPU241は、アンプ基板I/F302に接続され、アンプ基板I/F302を介して、不図示の枠ランプ駆動基板へ、クロック信号やデータのほか制御信号などを出力する。
本実施の形態において、ぱちんこ遊技機100には、LEDバックライトを備えた画像表示部104、または冷陰極管バックライトを備えた画像表示部104を用いることが可能になっている。具体的には、システムCPU241は、バックライトI/F303を介してLEDバックライトドライブ基板350、または冷陰極管バックライト用のインバータ基板351に接続可能になっている。
システムCPU241は、画像表示部104のバックライトの輝度を制御する。LEDバックライトドライブ基板350が接続されている場合、システムCPU241は、駆動回路によって生成されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、このデジタル信号をLEDバックライトドライブ基板350へ出力する。一方、冷陰極管バックライト用のインバータ基板351が接続されている場合には、システムCPU241は、駆動回路によって生成されたアナログ信号を、インバータ基板351へ出力する。各信号を出力するための回路の詳細については、図5および図6を用いて後述する。
システムCPU241は、画像制御基板300bの音源DSP(Digital Signal Processor)320に接続され、音源DSP320の音声処理を制御することが可能になっている。システムCPU241による音声処理の制御は、例えば、画像制御部202bの処理負担が大きい演出をおこなう場合や、当たり確定時におこなわれるプレミア音などの発生を一定の割合で管理する場合におこなわれる。
また、システムCPU241は、システムCPU241が決定した演出内容を、ランプ制御CPU261および画像制御基板300bの画像CPU251へ送信するように接続されている。なお、システムCPU241は、画像制御基板300bのVDP(Video Display Processor)312に接続され、画像表示部104に表示される画像の表示タイミングに同期させて、音声およびランプを制御するようにしている。
ランプ制御CPU261は、水晶振動子からなる発振器304にて生成されたクロック周波数(例えば6MHz)を動作基準にして、ROM262に記憶されている各種プログラムを実行する。また、ランプ制御CPU261は、盤面I/F305に接続され、遊技盤101上の盤ランプ264の発光を制御する。ランプ制御CPU261は、アンプ基板I/F302に接続され、アンプ基板I/F302を介して、不図示の枠ランプ駆動基板へ、クロック信号やデータのほか制御信号などを出力する。また、システム制御基板300aには、電源基板I/F306が接続され、電源基板I/F306からシステム制御基板300aおよび画像制御基板300bに必要な所定の電源が供給されるようになっている。
次に、画像制御基板300bについて説明する。画像制御基板300bの画像CPU251は、ROM252に記憶されている各種プログラムを用いて、システムCPU241から入力されるコマンドに応じた画像を選択し、選択した画像を画像表示部104に表示させる。画像CPU251は、クロック周波数(例えば16.67MHz)を生成する水晶振動子からなる発振器311に接続され、クロック周波数を動作基準にして動作する。さらに、画像CPU251は、VDP312を介して、画質調整LSI(Large Scale Integration)313および液晶I/F314に接続され、画像表示部104から画像を出力させる。
また、画像CPU251には、音量SW315が接続されている。この音量SW315は、スライドスイッチであり、スイッチの位置によって、例えば4段階のうちいずれか一つを検出し、検出した位置をシステムCPU241および画像CPU251へ送信する。さらに、画像CPU251は、音源DSP320に接続され、音源DSP320の音声処理を制御することが可能になっている。画像CPU251による音声処理の制御は、画像に対して高精度に同期させた音声を出力させる場合におこなわれ、具体的には、例えばムービー演出のように、表示させる人物の口の動きと、出力させる音声とを高精度に合致させる場合におこなわれる。
音源DSP320は、音ROM321およびSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)322に接続されている。音ROM321には、音声の生成および出力処理のためのプログラムや音声データなどが記憶されている。SDRAM322は、スピーカ254から出力させる音声データを一時的に格納する。音源DSP320は、画像CPU251およびシステムCPU241に対応した不図示のI/Fが具備され、画像CPU251またはシステムCPU241の制御によって、アンプ基板I/F302を介して、スピーカ254から音声を出力させる。
マルチクロックジェネレータ(図中「クロックジェネレータ」と記載)316は、基準周波数(例えば22.5792MHz)を生成する水晶振動子からなる発振器317に接続され、この基準周波数を基に、VDP312用のクロック周波数および音源DSP320用のクロック周波数を生成する。具体的には、マルチクロックジェネレータ316は、VDP312に用いる、画像表示タイミングの基準となるドットクロック周波数(図中「DOTCLK」と記載)と、画像処理の基準となる画像用基準クロック周波数(図中「VDPCLK」と記載)とを生成するとともに、音源DSP320における音声処理の基準となる音声用基準クロック周波数(図中「DSPCLK」と記載)を生成する。
ドットクロック周波数は、使用する液晶表示器の解像度に応じた値とすることができ、例えば、15インチXGA(eXtended Graphics Array)や12.1インチWXGA(Wide XGA)に応じた値(例えば62.496MHz)、または12.1インチSVGA(Super Video Graphics Array)に応じた値(例えば41.664MHz)のいずれか一方をとり得るようにしている。ドットクロック周波数の切り替えは、画像CPU251から送信されるコマンドに基づいておこなわれる。また、画像用基準クロック周波数としては、位相同期回路を用いて、基準クロック周波数22.5792MHzよりも1割程度高い24.9984MHzが生成される。
VDP312は、マルチクロックジェネレータ316によって生成されたドットクロック周波数および画像用基準クロック周波数を用いて、画像信号を生成する。VDP312は、具体的には、位相同期回路を用いて、画像用基準クロック周波数(24.9984MHz)を8逓倍し、VDP312の最大動作周波数である200MHzに近い199.9872MHzにて動作できるようにしている。
音声用基準クロック周波数は、発振器317によって生成された基準周波数と同一の周波数である22.5792MHzとしている。この音声用基準クロック周波数22.5792MHzと、画像用基準クロック周波数24.9984MHzとの関係は、28:31という整数比で表すことができる値となっている。これは、マルチクロックジェネレータ316が基準クロック周波数を、N倍または1/M倍して必要な基準クロック周波数を生成するためである。NおよびMはそれぞれ整数である。
音源DSP320は、マルチクロックジェネレータ316によって生成された音声用基準クロック周波数を用いて、音声信号を生成する。音源DSP320は、具体的には、位相同期回路を用いて、音声用基準クロック周波数を13逓倍し、音源DSP320の最大動作周波数である300MHzに近い293.5296MHzにて動作できるようにしている。
このように、マルチクロックジェネレータ316によって生成された画像用基準クロック周波数24.9984MHzは、8逓倍にすることでVDP312の最大動作周波数である200MHzに近い199.9872MHzが得られるとともに、音声用基準クロック周波数22.5792MHzは、13逓倍にすることで音源DSP320の最大動作周波数である300MHzに近い293.5296MHzが得られる。すなわち、VDP312および音源DSP320毎にそれぞれ発振器を設けることなく、単一の発振器317を適用することができるようになっている。
(システム制御部の機能的構成)
次に、図4を用いて、システム制御部202aの機能的構成について説明する。図4は、システム制御部202aの機能的構成を示すブロック図である。図4において、システム制御部202aは、画像表示部104に接続されている。画像表示部104は、遊技盤101上に交換可能に取り付けられ、光源となるバックライトを有する。画像表示部104としては、本発明の第1画像表示部に相当する冷陰極管液晶表示器410、または本発明の第2画像表示部に相当するLED液晶表示器420のいずれか一方が取り付けられる。
冷陰極管液晶表示器410は、アナログ信号によって発光する冷陰極管バックライト411を有している。冷陰極管バックライト411は、本発明の第1のバックライトに相当する。LED液晶表示器420は、デジタル信号によって発光するLEDバックライト421を有している。LEDバックライト421は、本発明の第2のバックライトに相当する。
システム制御部202aは、生成部401と、第1供給部402と、変換部403と、第2供給部404と、制御部405とを備えている。生成部401は、駆動回路を用いて、アナログ信号としての供給電圧を生成する。駆動回路の詳細については、図5および図6を用いて後述する。第1供給部402は、生成部401によって生成されたアナログ信号を冷陰極管バックライト411へ供給する。
変換部403は、生成部401によって生成されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。変換部403は、アナログ信号のレベルとデジタル信号であるパルスとを対応付けた所定の設定テーブルを用いて、アナログ信号を、そのレベルに対応したパルスに変換する。アナログ信号をデジタル信号に変換するに際しては、パルス幅変調(Pulse Width Modulation)が用いられ、パルス波のデューティー比を変化させて変調がおこなわれる。変換部403は、システム制御部202aのシステムCPU241によって実現される。すなわち、システム制御部202aのシステムCPU241がA/D変換プログラムを実行することにより、変換部403の機能を実現する。
第2供給部404は、変換部403によって変換されたデジタル信号(PWM信号)をLEDバックライト421へ供給する。制御部405は、第1供給部402にアナログ信号を供給させて、冷陰極管バックライト411を駆動可能に設定する一方、第2供給部404にデジタル信号を供給させて、LEDバックライト421を駆動可能に設定する。
制御部405は、所定の回路によって構成される第1供給部402および第2供給部404へ接続する入出力ポートの入出力の切替設定に応じて、冷陰極管バックライト411またはLEDバックライト421を駆動可能に設定する。所定の回路の詳細については、図5および図6を用いて後述する。
(回路の詳細)
次に、図5および図6を用いて、回路の詳細について説明する。図5は、デジタル信号を出力する際の回路を示す説明図である。図5において、システムCPU241には、第1ポート511〜第3ポート513が設けられている。第1ポート511〜第3ポート513の入出力の設定は、ぱちんこ遊技機100の製造段階において製造者によっておこなわれる。
第1ポート511は、「入力」に設定されており、バックライト411,421の輝度を決定するための、ボリューム抵抗501からのアナログ信号が入力されるように接続されている。ボリューム抵抗501は所定の電圧が印加されることによってアナログ信号を生成する。ボリューム抵抗501によってアナログ信号が生成される回路は、本発明の駆動回路に相当する。入力されたアナログ信号は、システムCPU241の制御によりデジタル信号に変換される。
システムCPU241は、アナログ信号のレベルとデジタル信号であるパルスとを対応付けた設定テーブルを用いることにより、アナログ信号を、そのレベルに対応したパルスに変換する。第3ポート513は、「出力」に設定されており、システムCPU241の制御によって変換されたデジタル信号を、LEDバックライトドライブ基板350を介して、LEDバックライト421へ出力する。なお、ボリューム抵抗501に印加する設定電圧値は、所定の入力部を操作者が操作することにより変更可能になっている。すなわち、操作者によって輝度の調整が可能になっている。
また、第2ポート512は、「入力」に設定され、グランド接続された抵抗502に接続されているため、グランドレベルの電位「0」となっているボリューム抵抗501からCMOSスイッチ503を介してLEDバックライトドライブ基板350に連通する回路は、CMOSスイッチ503に電圧が印加されることがないため、アナログ信号が流れないようになっている。このようにして、LEDバックライト421を用いた場合には、LEDバックライト421へデジタル信号を出力することができるようになっている。
なお、アナログ信号からデジタル信号への変換に際しては、システムCPU241によるソフトウェア上の処理をおこなうため、演出の状態に応じてアナログ信号の値によらずにパルスを変えることも可能であり、具体的には、客待ち中の演出では、アナログ信号のレベルに対応しないパルスを出力することにより、輝度を落とすことも可能になっている。
図6は、アナログ信号を出力する際の回路を示す説明図である。図6において、第1ポート511および第3ポート513は、「入力」に設定されており、第2ポート512は、「出力」に設定されている。第2ポート512が「出力」に設定されることにより、CMOSスイッチ503に電圧が印加されて、ボリューム抵抗501からCMOSスイッチ503を介してLEDバックライトドライブ基板350に連通する回路にアナログ信号が流れる。
また、第3ポート513は、入力設定されており、インバータ基板351よりも高い抵抗(不図示)が具備されているため、システムCPU241へアナログ信号が流れないようになっている。このような接続とすることにより、ボリューム抵抗501からのアナログ信号は、システムCPU241を介さず、CMOSスイッチ503を介して、直接、インバータ基板351に出力される。
インバータ基板351に出力されたアナログ信号は、冷陰極管バックライト411へ出力される。このようにして、冷陰極管バックライト411を用いた場合には、冷陰極管バックライト411へアナログ信号が出力されるようになっている。
図5および図6に示したように、本実施の形態では、同一の回路を用いながら、第1ポート511〜第3ポート513の入出力を切り替えるだけで、すなわち、同一のシステム制御基板300aを用いて、アナログ信号またはデジタル信号を出力することができるようになっている。
以上説明したように、本実施の形態では、アナログ信号またはデジタル信号の出力を切り替え可能にし、冷陰極管バックライト411へはアナログ信号を出力することができる一方、LEDバックライト421へはデジタル信号を出力することができる。したがって、冷陰極管バックライト411およびLEDバックライト421を相互に変更する場合であっても、システム制御基板300aを再利用することができる。これにより、本実施の形態によれば、製造コストを抑えることができるとともに、不要な廃棄を抑え環境保全に貢献することができる。
また、所定の回路に接続する入出力ポート(図5および図6の符号502,503参照)の入出力の切替設定に応じて、冷陰極管バックライト411またはLEDバックライト421を駆動可能に設定するようにした。したがって、アナログ信号またはデジタル信号を出力の切り替えを極めて簡単に設定することができ、制御面における作業者の手間を軽減することができる。