JP5521914B2 - 電力変換装置、及び、これを用いた電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、昇圧回路を備える電力変換装置、及び、これを用いた電動パワーステアリング装置に関する。
従来、多相回転電機の駆動に係る電流をPWM(パルス幅変調)制御する技術が公知である。例えば、多相回転電機が3相モータである場合、3相の巻線のそれぞれに印加される電圧に係る電圧指令信号と三角波等であるPWM基準信号とを比較し、インバータを構成するスイッチング素子のオン/オフの切替を行うことにより、3相モータに流れる電流を制御する。一般に、インバータの電源側とグランド側との間には、電源電圧を平滑化するためのコンデンサが接続される。
また、バッテリの電圧を昇圧してインバータに直流電力を供給するための昇圧回路がインバータの電源側に設けられる場合がある。
ここで、コンデンサに流れる電流について、昇圧回路の降圧スイッチング素子がオンしているとき、昇圧回路からコンデンサに電流が流れ込み、コンデンサは充電される。一方、昇圧回路の昇圧スイッチング素子がオンしているときは、コンデンサは充電されない。また、インバータの電源側から巻線を経由してグランド側へ導通しているとき、コンデンサからインバータへ電流が流れ出し、コンデンサは放電する。一方、インバータの電源側からグランド側へ導通していないときは、コンデンサからインバータへ放電しない。
昇圧回路およびインバータがPWM制御される場合、PWM1周期の間にコンデンサへの充電とコンデンサからの放電が繰り返され、コンデンサ電流が脈動する。この脈動電流を「リップル電流」という。リップル電流は、ノイズの発生やコンデンサの発熱を招く。また、インバータの印加電圧の変動に伴い、インバータの電流制御性が悪化するという問題が生じる。
そこで、特許文献1のモータ駆動装置および特許文献2の電力変換装置では、昇圧回路の昇圧PWM基準信号(特許文献1では「DC/DCコンバータのキャリア信号」、特許文献2では「昇圧コンバータのキャリア信号」)の周波数をインバータのPWM基準信号(特許文献1、2では「インバータのキャリア信号」)の周波数の2倍とし、昇圧PWM基準信号の三角波の山または谷のタイミングをインバータのPWM基準信号の山および谷のタイミングと一致させる位相関係としている。
これにより、昇圧回路からコンデンサ(特許文献1、2では「DCリンクコンデンサ」)へ電流が流れ込みコンデンサが充電される昇圧(駆動)動作のタイミングと、コンデンサからインバータへ電流が流れ出しコンデンサが放電するタイミングとを一致させ、コンデンサに流れる電流の一部をキャンセルすることで、リップル電流を最小にしている。
特開2006−101675号公報 特開2007−74818号公報
しかしながら、特許文献1、2のいずれも、3相インバータ部において各相計6個のスイッチング素子がPWM1周期の間に2回ずつスイッチング動作する。スイッチング動作時には、電流がゼロから所定値に移行する立ち上がり時間、または所定値からゼロに移行する立ち下がり時間に対応するスイッチングロスが発生する。また、スイッチングによる発熱が生じる。
加えて、昇圧回路部では、昇圧PWM基準信号の周波数をインバータ部のPWM基準信号の周波数の2倍としているため、昇圧回路部のスイッチング素子は、インバータ部のPWM1周期の間に4回ずつスイッチング動作する。したがって、スイッチングロスおよびスイッチングによる発熱がさらに大きくなる。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、インバータ部および昇圧回路部において、スイッチング素子のスイッチング回数を減らすことでスイッチングロスを低減する電力変換装置を提供することにある。
請求項1〜3に記載の発明は、回転電機の各相に対応する巻線から構成される巻線組を有する多相回転電機の電力変換装置に係る発明である。この電力変換装置は、インバータ部、コンデンサ、インバータ制御部、昇圧回路部および昇圧回路制御部を備える。
インバータ部は、巻線組の各相に対応する複数のインバータ用スイッチング素子からなるブリッジ回路を含む。
コンデンサは、インバータ部の電源側およびグランド側の間に接続される。
インバータ制御部は、巻線組に印加される電圧に係る電圧指令信号と所定のPWM基準信号とを比較することによりインバータ用スイッチング素子のオン/オフ切替を制御する。
昇圧回路部は、直流電源に接続される誘起コイル、オンしたときに誘起コイルに通電させる昇圧スイッチング素子、及び、昇圧スイッチング素子がオフしたときにオンする降圧スイッチング素子を有する。
昇圧回路制御部は、昇圧回路部において、昇圧比に係る昇圧デューティ指令信号と所定の昇圧PWM基準信号とを比較することにより昇圧スイッチング素子および降圧スイッチング素子のオン/オフ切替を制御する。
昇圧回路制御部は、昇圧PWM基準信号の周波数をインバータ部のPWM基準信号の周波数と同一とする。
インバータ制御部は、昇圧回路部からコンデンサへ電流が流れ込記コンデンサが充電されるタイミングと、コンデンサからインバータ部へ電流が流れ出しコンデンサが放電するタイミングとを一致させるように、回転電機の各相に印加される電圧の平均値である中性点電圧を操作する。
さらに、請求項に記載の発明では、インバータ制御部は、多相の電圧指令信号のうち最も小さい電圧指令信号が所定の下限値となるように、最も小さい相の電圧指令信号から前記所定の下限値を差し引いた値を全ての相の電圧指令信号から減算することにより、コンデンサの充放電のタイミングを一致させる。この変調処理を「下べた二相変調処理」という。
請求項に記載の発明では、これに代えて、インバータ制御部は、多相の電圧指令信号のうち最も大きい電圧指令信号が所定の上限値となるように、最も大きい相の電圧指令信号から前記所定の上限値を差し引いた値を全ての相の電圧指令信号から減算することにより、コンデンサの充放電のタイミングを一致させる。この変調処理を「上べた二相変調処理」という。
ここで、インバータ用スイッチング素子の高電位側スイッチング素子および低電位側スイッチング素子の一方が全てオンとなり他方が全てオフとなる期間を「ゼロ電圧ベクトル発生期間」という。PWM基準信号の「谷側」のゼロ電圧ベクトル発生期間には、高電位側スイッチング素子の全てがオンとなり低電位側スイッチング素子の全てがオフとなる。また、PWM基準信号の「山側」のゼロ電圧ベクトル発生期間には、高電位側スイッチング素子の全てがオフとなり低電位側スイッチング素子の全てがオンとなる。ゼロ電圧ベクトル発生期間には、コンデンサからインバータ部へ放電しない。
一方、高電位側スイッチング素子および低電位側スイッチング素子の一方のうち1相または2相がオンとなり他方のうち2相または1相がオフとなる期間を「有効電圧ベクトル発生期間」という。有効電圧ベクトル発生期間には、コンデンサからインバータ部へ放電する。
請求項に記載の発明では、下べた二相変調処理にて「所定の下限値」を「出力可能なデューティ範囲の最小値」とすれば、PWM基準信号の谷側でゼロ電圧ベクトルが発生しない。そのため、「最も小さい電圧指令信号」の高電位側スイッチング素子はオンせず、低電位側スイッチング素子はオフしない。すなわち、インバータ部が3相の場合、3相のうち1相のスイッチング素子は、そのPWM1周期中にスイッチングしない。したがって、インバータ用スイッチング素子のスイッチング回数が2/3に減少する。
請求項に記載の発明では、上べた二相変調処理にて「所定の上限値」を「出力可能なデューティ範囲の最大値」とすれば、PWM基準信号の山側でゼロ電圧ベクトルが発生しない。そのため、「最も大きい電圧指令信号」の高電位側スイッチング素子はオフせず、低電位側スイッチング素子はオンしない。例えば3相インバータの場合、PWM1周期中に、3相のうち1相のスイッチング素子はスイッチングしない。したがって、インバータ用スイッチング素子のスイッチング回数が2/3に減少する。
また、昇圧回路部については、特許文献1、2に記載の従来技術では昇圧PWM基準信号の周波数をインバータ部のPWM基準信号の周波数と2倍としたのに対し、請求項1〜3に記載の発明では、昇圧PWM基準信号の周波数をインバータ部のPWM基準信号の周波数と同一とするため、スイッチング回数は従来技術の半分となる。
以上のように、請求項1〜3に記載の発明では、例えば3相インバータの場合、インバータ用スイッチング素子のスイッチング回数が2/3に減少する。また、昇圧回路部でのスイッチング回数が従来技術に対して半分となる。よって、スイッチングロスを低減することができ、エネルギー効率が向上する。また、スイッチングによる発熱を抑制することができる。
さらに、電圧指令信号の平均値である中性点電圧を操作し、かつ、PWM基準信号と昇圧PWM基準信号との位相関係を調整することで、コンデンサの放電期間である「インバータ部の有効電圧ベクトル発生期間」と、コンデンサの充電期間である「昇圧回路部の降圧スイッチング素子をオンする期間」とを一致させ。これにより、昇圧回路部でのスイッチング回数を従来技術の半分としながら、コンデンサに流れる電流の一部をキャンセルしリップル電流を抑制することができる。その結果、ノイズの発生やコンデンサの発熱を抑制し、インバータの電流制御性を良好に保つことができる。
請求項に記載の電動パワーステアリング装置は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電力変換装置を用いたものである。電動パワーステアリング装置は、車両のステアリング操作をアシストするための装置であり、駆動の安定性や安全性が特に要求される。よって、電力変換装置のスイッチングロスを低減し、スイッチングによる発熱を抑制することは、電動パワーステアリング装置において特に大きな効果を奏する。
本発明の第1実施形態による電力変換装置を示す概略構成図である。 本発明の第1実施形態のインバータ制御部の構成を示すブロック図である。 インバータ部のPWM制御を説明する説明図である。 インバータ部のPWM制御で作出される電圧ベクトルパターンを説明する説明図である。 コンデンサ電流を説明する図であって、(a)はコンデンサからインバータ部への放電時の電流を説明する図、(b)は昇圧回路部からコンデンサへの充電時の電流を説明する図である。 インバータ部にてPWM制御を行った場合のコンデンサ電流を説明する説明図である。 昇圧回路部における昇圧デューティ指令を説明する説明図である。 インバータ部にてデューティ指令信号をシフトしたときのコンデンサ電流を説明する説明図である。 本発明の第1実施形態による下べた変調処理を説明する説明図である。 本発明の第1実施形態によるデューティ指令信号を説明する説明図である。 本発明の第1実施形態によるPWM制御でのコンデンサ電流を説明する説明図である。 本発明の第2実施形態による上べた変調処理を説明する説明図である。 本発明の第2実施形態によるデューティ指令信号を説明する説明図である。 本発明の第2実施形態によるPWM制御でのコンデンサ電流を説明する説明図である。 比較例によるPWM制御でのコンデンサ電流を説明する説明図である。 本発明の他の実施形態による電流検出部の位置を示す模式図である。
以下、本発明による電力変換装置を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明の第1実施形態による電力変換装置1は、3相回転電機としてのモータ10を駆動制御するものである。電力変換装置1およびモータ10を含む駆動装置2は、例えば車両のステアリング操作をアシストするための電動パワーステアリング装置に適用される。
モータ10は、三相ブラシレスモータであり、いずれも図示しないロータおよびステータを有している。ロータは、円板状の部材であり、その表面に永久磁石が貼り付けられ、磁極を有している。ステータは、ロータを内部に収容するとともに、回転可能に支持している。ステータは、径内方向へ所定角度毎に突出する突出部を有し、この突出部に図1に示すU相コイル11、V相コイル12、およびW相コイル13が巻回されている。
U相コイル11、V相コイル12およびW相コイル13は、巻線組18を構成する。
また、モータ10には、回転角を検出する位置センサ69が設けられている。
電力変換装置1は、インバータ部20、電流検出部40、コンデンサ50、インバータ制御部60、昇圧回路部70、および、昇圧回路制御部75等を備えている。
インバータ部20は、3相インバータであり、巻線組18のU相コイル11、V相コイル12、W相コイル13のそれぞれへの通電を切り替えるべく、6つのインバータ用スイッチング素子21〜26がブリッジ接続されている。インバータ用スイッチング素子21〜26は、電界効果トランジスタの一種であるMOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)である。以下、インバータ用スイッチング素子21〜26をMOS21〜26という。
3つのMOS21〜23は、ドレインが電源側に接続されている。また、MOS21〜23のソースが、それぞれMOS24〜26のドレインに接続されている。MOS24〜26のソースは、グランド側に接続されている。
対になっているMOS21、22、23とMOS24、25、26との接続点は、それぞれU相コイル11、V相コイル12、W相コイル13の一端に接続している。
以下、「高電位側スイッチング素子」としてのMOS21〜23を「上MOS」といい、「低電位側スイッチング素子」としてのMOS24〜26を「下MOS」という。
電流検出部40は、U相電流検出部41、V相電流検出部42、W相電流検出部43から構成される。
U相電流検出部41は、MOS21およびMOS24の接続点とU相コイル11との間に設けられ、U相コイル11に流れる電流を検出する。V相電流検出部42は、MOS22およびMOS25の接続点とV相コイル12との間に設けられ、V相コイル12に流れる電流を検出する。W相電流検出部43は、MOS23およびMOS26の接続点とW相コイル13との間に設けられ、W相コイル13に流れる電流を検出する。
電流検出部41〜43は、いずれもホール素子により磁束を検出するものである。
電流検出部41〜43によって検出された電流検出値(以下、「AD値」という。)、及び、位置センサ69によって検出されたモータ10の回転角検出値は電気角に換算され、インバータ制御部60を構成するレジスタに記憶される。なお、図1において、電流検出部40および位置センサ69からインバータ制御部60への制御線は、煩雑になることを避けるため省略した。
コンデンサ50は、インバータ部20の電源側とグランド側との間に接続され、電荷を蓄えることで、MOS21〜26への電力供給を補助したり、サージ電流などのノイズ成分を抑制したりする。また、後述する昇圧回路部70による昇圧電圧を平滑化する。
インバータ制御部60は、マイコン67、インバータ駆動回路68等で構成される。図2に示すように、インバータ制御部60は、三相二相変換部62、制御器63、二相三相変換部64、デューティ算出部65、三角波比較部66等を有している。
三相二相変換部62は、電流検出部41〜43による電流検出値に基づいて各相コイル11〜13の電流値Iu、Iv、Iwを算出する。そして、算出された電流値Iu、Iv、Iw、および電気角θに基づき、d軸電流検出値Idおよびq軸電流検出値Iqを算出する。
制御器63では、d軸指令電流値Id*およびq軸指令電流値Iq*と、d軸電流検出値Idおよびq軸電流検出値Iqとから、電流フィードバック制御演算を行い、d軸指令電圧値Vd*およびq軸指令電圧値Vq*を算出する。より詳細には、d軸指令電流値Id*とd軸電流検出値Idとの電流偏差ΔId、および、q軸指令電流値Iq*とq軸電流検出値Iqとの電流偏差ΔIqを算出し、電流偏差ΔId、ΔIqを0に収束させるように指令電圧値Vd*およびVq*を算出する。
二相三相変換部64では、制御器63で算出された指令電圧Vd*、Vq*、および電気角θに基づき、三相指令電圧Vu*、Vv*、Vw*を算出する。
デューティ算出部65では、三相指令電圧Vu*、Vv*、Vw*、およびコンデンサ電圧Vcに基づき、変調前のU相デューティDu’、V相デューティDv’、W相デューティDw’を算出する。各相デューティDu’、Dv’、Dw’は、例えば振幅が略同一で位相が互いに120°ずれる正弦波信号として与えられる。
ここで、「振幅」とは、信号の最大値と最小値との差分の1/2の値をいう。
デューティ算出部65の変調処理部653では、変調前の各相デューティDu’、Dv’、Dw’を変調処理して、変調後のU相デューティDu、V相デューティDv、W相デューティDwを出力する。具体的な変調処理の内容については後述する。
U相デューティDuは、U相コイル11に印加される電圧に係り、V相デューティDvは、V相コイル12に印加される電圧に係り、W相デューティDwは、W相コイル13に印加される電圧に係る。各相デューティDu、Dv、Dwは、インバータ部20の駆動に係るデューティ指令信号Dを構成する。
デューティ指令信号D、及び、各相デューティDu、Dv、Dwは、特許請求の範囲に記載の「電圧指令信号」に相当する。
三角波比較部66では、変調後の各相デューティDu、Dv、Dwと三角波のキャリア信号であるPWM基準信号とを比較することにより、MOS21〜26のオン/オフ信号を算出する。なお、本実施形態では、三角波比較部66の処理はマイコン67内の電気回路で処理されている。この処理は、ソフトウェアによる処理であっても、ハードウェアによる処理であってもどちらでもよい。
昇圧回路部70は、「直流電源」としてのバッテリ71、誘起コイル72、降圧MOS73および昇圧MOS74から構成される。
誘起コイル72は、エネルギーの蓄積、放熱に伴って電圧を誘起する素子であり、入力端がバッテリ71の正極に接続される。
「降圧スイッチング素子」としての降圧MOS73、及び、「昇圧スイッチング素子」としての昇圧MOS74は、インバータ部20のMOS21〜26と同様、MOSFETである。
降圧MOS73は、ドレインがコンデンサ50の正極側に接続され、ソースが誘起コイル72の出力端に接続される。昇圧MOS74は、ドレインが誘起コイル72の出力端に接続され、ソースが接地される。降圧MOS73および昇圧MOS74のゲートは、昇圧駆動回路76に接続され、昇圧駆動回路76からの電気信号によってオン/オフする。
昇圧回路制御部75は、マイコン67、昇圧駆動回路76等で構成される。マイコン67はインバータ制御部60と共通で使用される。昇圧駆動回路76は、インバータ駆動回路68と相互に電気信号を伝送する。
降圧MOS73および昇圧MOS74は、一方がオンとなる時、他方がオフとなる。
降圧MOS73がオフ、昇圧MOS74がオンの時、バッテリ71から誘起コイル72に電流が流れ、誘起コイル72にエネルギーが蓄積される。その後、昇圧MOS74がオフとなり、降圧MOS73がオンとなると、誘起コイル72が蓄積されたエネルギーを放出することにより、バッテリ71の電圧に誘起電圧が重畳された昇圧電圧がコンデンサ50に充電される。
続いて、第1実施形態による特有のPWM制御の説明に先立って、一般的なPWM制御について図3〜図8を参照して説明する。この一般的な説明では、各信号を表す符号の末尾を「0」と表す。
まず、インバータ部20におけるPWM制御について図3〜図6を参照して説明する。
図3(a)に示すように、デューティ指令信号D0は、振幅が略同一で、最大値と最小値との平均値がデューティ約50%に相当し、位相が互いに120°ずれたU相デューティDu0、V相デューティDv0およびW相デューティDw0の3つの正弦波信号から構成される。
PWM基準信号P0は、三角波信号である。PWM基準信号P0の1周期は、デューティ指令信号D0の1周期に比べてきわめて短い。図3(a)において、デューティ指令信号D0の1周期におけるPWM基準信号P0の数は模式的な図示であり、実際にはPWM基準信号P0の周波数はもっと頻繁である。
図3(b)は、図3(a)の領域K0を拡大し、PWM基準信号P0とデューティ指令信号D0との大小関係を模式的に示した説明図である。
PWM制御では、各相デューティDu0、Dv0、Dw0とPWM基準信号P0とを比較し、MOS21〜26のオン/オフ信号を生成する。本実施形態で採用する方式では、PWM基準信号P0が各相デューティDu0、Dv0、Dw0を上回る区間において、上MOS21〜23がオフとなり、対応する下MOS24〜26がオンとなる。また、PWM基準信号P0が各相デューティDu0、Dv0、DW0を下回る区間において、上MOS21〜23がオンとなり、対応する下MOS24〜26がオフとなる。すなわち、上MOS21〜23と対になっている下MOS24〜26とは、そのオン/オフが逆となる。
具体的に、例えば区間K0V1では、PWM基準信号P0は、実線で示すU相デューティDu0よりも下に位置し、破線で示すV相デューティDv0および一点鎖線で示すW相デューティDw0よりも上に位置している。従って、U相については、上MOS21がオンとなり、下MOS24がオフとなる。V相およびW相については、上MOS22および上MOS23がオフとなり、下MOS25および下MOS26がオンとなる。
電圧ベクトルパターンは、6つのMOS21〜26のうちのいずれの3つがオンになっているかを示すパターンであり、図4に示すように、8とおりの電圧ベクトルパターンV0〜V7が存在する。電圧ベクトルV0では、下MOS24〜26が全てオンとなっている。また電圧ベクトルV7では、上MOS21〜23が全てオンとなっている。したがって、電圧ベクトルV0、V7は、巻線組18に電圧が印加されない「ゼロ電圧ベクトル」に該当する。一方、電圧ベクトルV1〜V6は、巻線組18に電圧が印加される「有効電圧ベクトル」に該当する。
次に、PWM制御が行われているときコンデンサ50に流れる電流について図5〜図7を参照して説明する。
図5(a)に示すように、インバータ部20において上MOS21〜23がオフとなり下MOS24〜26がオンとなっているゼロ電圧ベクトル発生期間には、インバータ部20の電源側からグランド側へ導通しないため、コンデンサ50からインバータ部20へ放電しない。なお、巻線組18には回生電流Irが流れる。
一方、図5(b)に示すように、上MOS21および下MOS25、26がオンとなっている有効電圧ベクトル発生期間には、インバータ部20の電源側から巻線18を経由してグランド側へ導通するため、コンデンサ50からインバータ部20側へ電流Ifが流れ出し、コンデンサ50は放電する。
したがって、図6に示すように、コンデンサ50は、PWM基準信号P0が最も小さいW相デューティDw0を上回り最も大きいU相デューティDu0を下回る有効電圧ベクトル発生期間に放電する。また、コンデンサ50は、全ての下MOS24〜26がオンとなるゼロ電圧ベクトル発生期間V0、および、全ての上MOS21〜23がオンとなるゼロ電圧ベクトル発生期間V7には放電しない。よって、放電時のコンデンサ電流がリップル電流となる。
次に、昇圧回路部70では、図7に示すように、昇圧PWM基準信号B1またはB2と昇圧デューティ指令信号DBとの大小関係により、降圧MOS73および昇圧MOS74のオン/オフ切替が制御される。
例えば、昇圧PWM基準信号B2が昇圧デューティ指令信号DBを上回る区間において降圧MOS73がオンとなり昇圧MOS74がオフとなる方式を採用することができる。あるいは、昇圧PWM基準信号B1が昇圧デューティ指令信号DBを下回る区間において降圧MOS73がオンとなり昇圧MOS74がオフとなる方式を採用することができる。
図5(a)に示すように、降圧MOS73がオンとなり昇圧MOS74がオフとなる期間には、バッテリ71および誘起コイル72から電流Icがコンデンサ50へ流れ込み、コンデンサ50は充電される。一方、図5(b)に示すように、降圧MOS73がオンとなり昇圧MOS74がオフとなる期間には、バッテリ71からの電流は昇圧MOS74を通ってグランドに流れ、誘起コイル72に誘起電圧が生成される。このとき、コンデンサ50は充電されない。
ここで、コンデンサ50が充電されるときの電流の向きとコンデンサ50が放電するときの電流の向きとは逆向きである。また、昇圧回路部70からは、降圧MOS73がオンの時コンデンサ50へ充電され、昇圧MOS74がオンの時はコンデンサへ50の充放電は無い。したがって、昇圧回路部70からコンデンサ50へ電流が流れ込みコンデンサ50が充電されるタイミングと、コンデンサ50からインバータ部20へ電流が流れ出しコンデンサ50が放電するタイミングとを一致させることにより、放電時のコンデンサ電流の一部が充電時のコンデンサ電流でキャンセルされる。よって、放電に伴うリップル電流を低減することができる。
本発明は、コンデンサの充放電期間を一致させるための方法として、変調処理によってデューティ指令信号をシフトさせることを特徴とする。そこで、次にシフト処理の効果について説明する。
図8(a)は、PWM基準信号P0に対し、デューティ指令信号D0を下方向、すなわち低デューティ側にシフトしたときの電圧ベクトルおよびコンデンサ電流を示す。また、図8(b)は、PWM基準信号P0に対し、デューティ指令信号D0を上方向、すなわち高デューティ側にシフトしたときの電圧ベクトルおよびコンデンサ電流を示す。
このようにデューティ指令信号D0を上下にシフトすることで、各相コイル11〜13に印加される電圧の平均値である中性点電圧を操作することができる。なお、デューティ指令信号D0を上下にシフトしても、各相間の線間電圧が変わならければ、巻線組18に印加される電圧は変わらない。
図8(a)に示すように、デューティ指令信号D0を下方向にシフトした場合、PWM基準信号P0の谷側のゼロ電圧ベクトルV7発生期間、すなわち、谷の前の有効電圧ベクトル発生期間と谷の後の有効電圧ベクトル発生期間との間隔が比較的短くなる。したがって、PWM基準信号P0の谷側で「コンデンサ放電が中断する期間」が比較的短くなる。
一方、図8(b)に示すようにデューティ指令信号D0を上方向にシフトした場合、PWM基準信号P0の山側のゼロ電圧ベクトルV0発生期間、すなわち、山の前の有効電圧ベクトル発生期間と山の後の有効電圧ベクトル発生期間との間隔が比較的短くなる。したがって、PWM基準信号P0の山側で「コンデンサ放電が中断する期間」が比較的短くなる。
このように、デューティ指令信号D0を上下方向にシフトして中性点電圧を操作することにより、有効電圧ベクトルおよびゼロ電圧ベクトルの発生タイミングを変化させることができる。
次に、本発明の第1実施形態によるPWM制御を図9〜図11に基づいて説明する。
第1実施形態では、変調処理部653は、下べた二相変調処理を行う。下べた二相変調処理とは、図9(a)に示す基準正弦波において、最も小さい相のデューティが基準最小値Sminとなるように、最も小さい相のデューティから基準最小値Sminを差し引いた値を全ての相から減算する処理である。図9(b)は、下べた二相変調処理後の波形を示す。
図10に示すように、デューティ指令信号DLは、最小値が出力可能なデューティ範囲の最小値Rminに一致し、最大値が出力可能なデューティ範囲内の任意の値となるように下べた二相変調処理される。出力可能なデューティ範囲の最小値Rminは、特許請求の範囲に記載の「所定の下限値」に相当する。
なお、第1実施形態の説明では、下べた二相変調処理されたデューティ指令信号および各相デューティを表す符号の末尾を「L」と表す。
ここで、本実施形態は、電流検出部41〜43が上述した位置に設定されているため、出力可能なデューティ範囲の最小値Rminを0%とし、最大値Rmaxを100%とすることができる。その場合、出力可能なデューティ範囲の中心値である出力中心値Rcは50%となる。
また、インバータ部20の駆動に係るPWM基準信号P11は、周波数が20kHz、すなわち1周期が50μsの三角波信号である。なお、上述の図3(a)に係る説明と同様、図10において、デューティ指令信号DLの1周期におけるPWM基準信号Pの数は模式的に図示してあり、実際にはPWM基準信号の周波数はもっと頻繁である。これは、第2実施形態の図13にて同様である。
図11(a)は、図10の領域K1を拡大し、模式的に示した説明図である。
図11(a)に示すように、デューティ指令信号DLのうち最も小さいW相デューティDwLは、出力可能なデューティ範囲の最小値Rminに一致し、PWM基準信号Pの谷点OLを含む。この状態は、図8(a)にて、最も小さいW相デューティDw0がPWM基準信号P0の谷点の値となるまでデューティ指令信号D0を下方向にシフトした状態に相当する。
この場合、U相の上下MOS21、24およびV相の上下MOS22、25は、PWM1周期中に2回ずつスイッチング(図中のX点)するのに対し、W相の上下MOS23、26は谷点OLでスイッチングしない。すなわち、W相の上MOS23はオフのままであり、W相の下MOS26はオンのままであるため、ゼロ電圧ベクトルV7が発生しない。したがって、PWM基準信号Pの谷側で、「コンデンサ放電が中断する期間」がない。
また、昇圧回路部70において、昇圧PWM基準信号B1の周波数をPWM基準信号Pの周波数と同一とし位相を同期させる。また、昇圧PWM基準信号B1が昇圧デューティ指令信号DBを下回る期間を、インバータ部20の有効電圧ベクトル発生期間と一致させる。ここで、昇圧PWM基準信号B1が昇圧デューティ指令信号DBを下回る期間に、降圧MOS73がオンとなり、昇圧MOS74がオフとなる(図7参照)。
これにより、昇圧回路部70からコンデンサ50へ電流が流れ込みコンデンサ50が充電されるタイミングと、コンデンサ50からインバータ部20へ電流が流れ出しコンデンサ50が放電するタイミングとを一致させることができる。
ここで、インバータ部20の有効電圧ベクトル発生期間を調整するために、例えば、デューティ指令信号DLの中性点電圧を操作することで、最も大きいU相デューティDuLを調整してもよい。
(比較例)
ここで、図15を参照して特許文献1、2に記載の従来技術を比較例として説明する。
比較例では、デューティ指令信号DCは、正弦波信号である。比較例の説明では、デューティ指令信号および各相デューティを表す符号の末尾を「C」と表す。
図15は、第1実施形態についての図11に対応する説明図である。
図15(a)に示すように、デューティ指令信号DCは、最も大きいU相デューティDuCが出力可能なデューティ範囲の最大値Rmaxより小さく、最も小さいW相デューティDwCが出力可能なデューティ範囲の最小値Rminより大きい。
この場合、インバータ部20は、全ての相の上下MOS21〜26がPWM1周期中に2回ずつスイッチング(図中のX点)する。したがって、図6の状態と同様、PWM基準信号Pの山側でゼロ電圧ベクトルV0が発生し、PWM基準信号Pの谷側でゼロ電圧ベクトルV7が発生する。そのため、PWM1周期中にコンデンサ放電期間が2回発生する。
また、昇圧回路部70において、昇圧PWM基準信号B2の周波数をPWM基準信号Pの周波数の2倍とし、昇圧PWM基準信号B2の谷のタイミングをインバータ部20のPWM基準信号Pの山および谷のタイミングと一致させる位相関係としている。また、昇圧PWM基準信号B2が昇圧デューティ指令信号DBを上回る期間を、インバータ部20の有効電圧ベクトル発生期間と一致させる。ここで、昇圧PWM基準信号B2が昇圧デューティ指令信号DBを上回る期間に、降圧MOS73がオンとなり、昇圧MOS74がオフとなる(図7参照)。
これにより、昇圧回路部70からコンデンサ50へ電流が流れ込みコンデンサ50が充電されるタイミングと、コンデンサ50からインバータ部20へ電流が流れ出しコンデンサ50が放電するタイミングとを一致させることが可能である。
すなわち、比較例は、「昇圧PWM基準信号B2の周波数をPWM基準信号Pの周波数の2倍とすることにより、コンデンサ50の充放電のタイミングを一致させる」ことを技術的特徴としている。
(第1実施形態の効果)
本発明の第1実施形態による電力変換装置の効果を説明する。
(1)3相のインバータ部20において、デューティ指令信号DLは、最小値が出力可能なデューティ範囲の最小値Rminに一致するように下べた二相変調処理されるため、PWM1周期中に、3相のうち1相の上下MOSはスイッチングしない。したがって、インバータ部20を構成するMOSのスイッチング回数が2/3に減少する。よって、スイッチングロスを低減することができ、エネルギー効率が向上する。また、スイッチングによる発熱を抑制することができる。
(2)デューティ指令信号DLは下べた二相変調処理を行っているので、電圧利用率を向上することができる。
(3)昇圧回路部70において、比較例では昇圧PWM基準信号B2の周波数をインバータ部20のPWM基準信号Pの周波数と2倍としたのに対し、第1実施形態では、昇圧PWM基準信号B2の周波数をインバータ部20のPWM基準信号Pの周波数と同一とするため、スイッチング回数は比較例の半分となる。よって、スイッチングロスを低減することができ、また、スイッチングによる発熱を抑制することができる。
(4)「コンデンサ50の放電期間」となるインバータ部20の「有効電圧ベクトル発生期間」と、「コンデンサ50の充電期間」となる昇圧回路部70の「降圧スイッチング素子をオンする期間」とを一致させることにより、コンデンサ50のリップル電流を抑制することができる。その結果、ノイズの発生やコンデンサの発熱を抑制し、インバータの電流制御性を良好に保つことができる。
(5)電流検出部41〜43を上MOS21〜23下MOS24〜26とのそれぞれの接点と、対応する巻線11〜13との間に設けており、出力中心値Rcを50%にすることができる。これにより、インバータ部20におけるMOS21〜26のオン/オフを切り替える切替タイミングが揃うので、インバータ制御部60における演算負荷を低減することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態によるPWM制御を図12〜図14に基づいて説明する。
以下の第2実施形態は、図1、図2に示す回路構成は第1実施形態と同様であり、インバータ制御部60および昇圧回路制御部75による処理の内容が異なる。なお、実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
第2実施形態では、変調処理部653は、上べた二相変調処理を行う。上べた二相変調処理とは、図12(a)に示す基準正弦波において、最も大きい相のデューティが基準最大値Smaxとなるように、最も大きい相のデューティから基準最大値Smaxを差し引いた値を全ての相から減算する処理である。図12(b)は、上べた二相変調処理後の波形を示す。
図13に示すように、デューティ指令信号DHは、最大値が出力可能なデューティ範囲の最大値Rmaxに一致し、最小値が出力可能なデューティ範囲内の任意の値となるように上べた二相変調処理される。出力可能なデューティ範囲の最大値Rmaxは、特許請求の範囲に記載の「所定の上限値」に相当する。
なお、第2実施形態の説明では、上べた二相変調処理されたデューティ指令信号および各相デューティを表す符号の末尾を「H」と表す。
図14(a)は、図13の領域K2を拡大し、模式的に示した説明図である。
図14(a)に示すように、デューティ指令信号DHのうち最も大きいU相デューティDuHは、出力可能なデューティ範囲の最大値Rmaxに一致し、PWM基準信号Pの山点OHを含む。この状態は、図8(b)にて、最も大きいU相デューティDu0がPWM基準信号P0の山点の値となるまでデューティ指令信号D0を上方向にシフトした状態に相当する。
この場合、V相の上下MOS22、25およびW相の上下MOS23、26は、PWM1周期中に2回ずつスイッチング(図中のX点)するのに対し、U相の上下MOS21、24は山点OLでスイッチングしない。すなわち、U相の上MOS21はオンのままであり、U相の下MOS24はオフのままであるため、ゼロ電圧ベクトルV0が発生しない。したがって、PWM基準信号Pの山側で、「コンデンサ放電が中断する期間」がない。
また、昇圧回路部70において、昇圧PWM基準信号B2の周波数をPWM基準信号Pの周波数と同一とし位相を同期させる。また、昇圧PWM基準信号B2が昇圧デューティ指令信号DBを上回る期間を、インバータ部20の有効電圧ベクトル発生期間と一致させる。ここで、昇圧PWM基準信号B2が昇圧デューティ指令信号DBを上回る期間に、降圧MOS73がオンとなり、昇圧MOS74がオフとなる(図7参照)。
これにより、昇圧回路部70からコンデンサ50へ電流が流れ込みコンデンサ50が充電されるタイミングと、コンデンサ50からインバータ部20へ電流が流れ出しコンデンサ50が放電するタイミングとを一致させることができる。
ここで、インバータ部20の有効電圧ベクトル発生期間を調整するために、例えば、デューティ指令信号DHの中性点電圧を操作することで、最も小さいW相デューティDwHを調整してもよい。
また、上記の実施形態では昇圧回路部による充電時間とインバータ部による放電時間が略一致する例を示したが、実施形態のデューティや昇圧比に限定されるものではなく、できる限り昇圧回路部からの充電期間とインバータ部による放電期間を一致させることでリップル電流を低減することができる。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態による電力変換装置は、第1実施形態の効果(1)、(2)に対応する以下の効果(1)、(2)を奏する。また、第1実施形態の効果(3)〜(5)を共有する。
(1)3相のインバータ部20において、デューティ指令信号DHは、最大値が出力可能なデューティ範囲の最大値Rmaxに一致するように上べた二相変調処理されるため、PWM1周期中に、3相のうち1相の上下MOSはスイッチングしない。したがって、インバータ部20を構成するMOSのスイッチング回数が2/3に減少する。よって、スイッチングロスを低減することができ、エネルギー効率が向上する。また、スイッチングによる発熱を抑制することができる。
(2)デューティ指令信号DHは上べた二相変調処理を行っているので、電圧利用率を向上することができる。
(その他の実施形態)
(ア)コンデンサの充放電期間
上記の実施形態では、コンデンサ50の放電期間となるインバータ部20の「有効電圧ベクトル発生期間」と、コンデンサ50の充電期間となる昇圧回路部70の「降圧MOS73をオンする期間」とを一致させることで、スイッチング回数の減少に加えて、コンデンサのリップル電流を低減するという作用効果を奏する。
しかし、他の実施形態では、コンデンサの放電期間と充電期間とを一致させなくてもよい。その場合でも、昇圧PWM信号の周波数をインバータ部のPWM信号の周波数と同一とすることで、降圧MOSおよび昇圧MOSのスイッチング回数は従来技術に対して半分となる。また、インバータ部のデューティ指令信号を下べた二相変調処理または上べた二相変調処理することで、上下MOSのスイッチング回数は2/3に減少する。よって、スイッチングロスを低減し、スイッチングによる発熱を抑制するという効果を奏する。
(イ)電流検出部の位置
電流検出部の設置に係る他の実施形態を図16に示す。
図16(a)は、第1実施形態の構成(図1参照)を示す。電流検出部41〜43は、上MOS21〜23と下MOS24〜26とのそれぞれの接続点と、対応する巻線との間に設けられる。
ここで、3相のうちいずれか1相の電流検出部を省いてもよい。例えば図16(b)に示すように、W相電流検出部43を省いた場合、U相電流検出部41およびV相電流検出部42によって検出された電流検出値を電源電流から差し引くことにより、W相の電流を検出することができる。
他の実施形態では、図16(c)に示すように、電流検出部41〜43を下MOS24〜26のグランド側に設けることができる。図16(b)の説明と同様の理由により、図16(d)に示すように、3相のうちいずれか1相の電流検出部を省いてもよい。
あるいは、図16(e)に示すように、電流検出部41〜43を上MOS21〜23の電源側に設けることができる。図16(b)の説明と同様の理由により、図16(f)に示すように、3相のうちいずれか1相の電流検出部を省いてもよい。
また他の実施形態では、図16(g)に示すように、コンデンサ50の正極と、第1インバータ部20の電源側のブリッジ回路分岐点との間に1つの電流検出部47を設けることができる。この場合、電流検出部47は、図16(e)の電流検出部41〜43による電流検出値の合計値を検出する。
あるいは、図16(h)に示すように、コンデンサ50の負極と、第1インバータ部20のグランド側のブリッジ回路合流点との間に1つの電流検出部48を設けることができる。この場合、電流検出部48は、図16(c)の電流検出部41〜43による電流検出値の合計値を検出する。
(ウ)電流検出部の種類
図16(a)、(b)に示す位置に電流検出部を設ける場合、ホール素子を用いることが好ましい。この場合、MOS21〜26のスイッチング動作に関係なく巻線電流を直接検出するため、第1実施形態の図10の説明のところでも述べたように、出力可能なデューティ範囲の最小値Rminを0%とし、最大値Rmaxを100%とすることができる。
一方、図16(c)〜(f)に示す位置に電流検出部を設ける場合、ホール素子に代えて、シャント抵抗を用いることができる。
図16(c)または(d)に示すように電流検出部としてのシャント抵抗を下MOSのグランド側に設ける場合、PWM基準信号の山側において、全ての下MOS24〜26がオンになったときに電流検出部41〜43に流れる山側電流は、巻線組18に流れる電流と一致するので、山側電流を巻線電流として検出する。
この場合、制御部が下MOS24〜26のゲートにオン信号を指令した後、シャント抵抗のリギングが収束する時間の経過を待って電流値の検出(サンプルホールド)を実施する必要がある。すなわち、下MOS24〜26が全てオンとなるゼロ電圧ベクトルV0期間がリギング収束時間以上でなければ、シャント抵抗によって山側電流を検出することができない。したがって、PWM基準信号が100%付近の領域では、デューティ指令信号を設定することができないため、電流検出に要する最小時間に基づいて、出力可能なデューティ範囲の最大値Rmaxを決めることが好ましい。例えば、リギング収束時間が4.5μ秒の場合、出力可能なデューティ範囲の最大値Rmaxは93%程度となる。
逆に、図16(e)または(f)に示すように電流検出部としてのシャント抵抗を上MOSの電源側に設ける場合、PWM基準信号の谷側において、全ての上MOS21〜23がオンになったときに電流検出部41〜43に流れる谷側電流は、巻線組18に流れる電流と一致するので、谷側電流を巻線電流として検出する。
この場合、同様に、上MOS21〜23が全てオンとなるゼロ電圧ベクトルV7期間がリギング収束時間以上でなければ、シャント抵抗によって谷側電流を検出することができない。したがって、PWM基準信号が0%付近の領域では、デューティ指令信号を設定することができないため、電流検出に要する最小時間に基づいて、出力可能なデューティ範囲の最小値Rminを決めることが好ましい。例えば、リギング収束時間が4.5μ秒の場合、出力可能なデューティ範囲の最小値Rminは7%程度となる。
なお、シャント抵抗やアンプ回路の温度変化による巻線電流の補正のため、シャント抵抗を下MOSのグランド側に設ける場合において全ての下MOS24〜26がオフになったときの谷側電流をさらに検出してもよい。または、シャント抵抗を上MOSの電源側に設ける場合において全ての上MOS21〜23がオフになったときの山側電流をさらに検出してもよい。これらの場合には、出力可能なデューティ範囲の最大値Rmaxと最小値Rminの両方を決めることが好ましい。
その他、ブートストラップ方式のゲート駆動回路では、所定周期毎に全ての下MOS24〜26をオンする必要がある。そのため、出力可能なデューティ範囲の上限値を100%にすることができない。そこで、ゲート駆動回路構成に基づいて出力可能なデューティ範囲の最大値Rmaxを決めることが好ましい。
(エ)上記の実施形態では、変調前のデューティ指令信号は正弦波信号であるが、信号波形はこれに限らない。
(オ)上記の実施形態では、多相回転電機は3相モータであるが3相に限らない。また、モータに限らず発電機であってもよい。さらに、多相回転電機は、電動パワーステアリング装置に適用されるだけでなく、例えばパワーウインド等の様々な用途に用いることができる。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
1 ・・・電力変換装置、
10 ・・・モータ(回転電機)、
11〜13・・・コイル(巻線)、
18 ・・・巻線組、
20 ・・・インバータ部、
21〜23・・・上MOS(インバータ用スイッチング素子)、
24〜26・・・下MOS(インバータ用スイッチング素子)、
40〜43・・・電流検出部、
50 ・・・コンデンサ、
60 ・・・インバータ制御部、
65 ・・・デューティ算出部、
653 ・・・変調処理部
68 ・・・インバータ駆動回路、
70 ・・・昇圧回路部、
71 ・・・バッテリ(直流電源)、
72 ・・・誘起コイル、
73 ・・・降圧MOS(降圧スイッチング素子)、
74 ・・・昇圧MOS(昇圧スイッチング素子)、
75 ・・・昇圧回路制御部、
76 ・・・昇圧駆動回路、
Smax ・・・基準最大値、
Smin ・・・基準最小値、
B ・・・昇圧PWM基準信号、
D ・・・デューティ指令信号(電圧指令信号)、
Du、Dv、Dw・・・U、V、W相デューティ(電圧指令信号)、
Db ・・・昇圧デューティ指令信号、
Dmax ・・・電圧指令信号の最大値、
Dmin ・・・電圧指令信号の最小値、
Dc ・・・デューティ中心値、
P ・・・PWM基準信号、
Rmax ・・・出力可能なデューティ範囲の最大値(所定の上限値)、
Rmin ・・・出力可能なデューティ範囲の最小値(所定の下限値)、
Rc ・・・出力中心値。

Claims (4)

  1. 回転電機の各相に対応する巻線から構成される巻線組を有する多相回転電機の電力変換装置であって、
    前記巻線組の各相に対応する複数のインバータ用スイッチング素子からなるブリッジ回路を含むインバータ部と、
    前記インバータ部の電源側およびグランド側の間に接続されるコンデンサと、
    前記巻線組に印加される電圧に係る電圧指令信号と所定のPWM基準信号とを比較することにより前記インバータ用スイッチング素子のオン/オフ切替を制御するインバータ制御部と、
    直流電源に接続される誘起コイル、オンしたときに前記誘起コイルに通電させる昇圧スイッチング素子、及び、該昇圧スイッチング素子がオフしたときにオンする降圧スイッチング素子を有する昇圧回路部と、
    前記昇圧回路部において、昇圧比に係る昇圧デューティ指令信号と所定の昇圧PWM基準信号とを比較することにより前記昇圧スイッチング素子および前記降圧スイッチング素子のオン/オフ切替を制御する昇圧回路制御部と、
    を備え、
    前記昇圧回路制御部は、
    前記昇圧PWM基準信号の周波数を前記インバータ部の前記PWM基準信号の周波数と同一とし、
    前記インバータ制御部は、
    前記昇圧回路部から前記コンデンサへ電流が流れ込み前記コンデンサが充電されるタイミングと、前記コンデンサから前記インバータ部へ電流が流れ出し前記コンデンサが放電するタイミングとを一致させるように、前記回転電機の各相に印加される電圧の平均値である中性点電圧を操作することを特徴とする電力変換装置。
  2. 記インバータ制御部は、
    多相の電圧指令信号のうち最も小さい電圧指令信号が所定の下限値となるように、最も小さい相の電圧指令信号から前記所定の下限値を差し引いた値を全ての相の電圧指令信号から減算することにより、前記コンデンサの充放電のタイミングを一致させることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 記インバータ制御部は、
    多相の電圧指令信号のうち最も大きい電圧指令信号が所定の上限値となるように、最も大きい相の電圧指令信号から前記所定の上限値を差し引いた値を全ての相の電圧指令信号から減算することにより、前記コンデンサの充放電のタイミングを一致させることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電力変換装置を用いた電動パワーステアリング装置。
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