JP5521761B2 - 転がり軸受用保持器、樹脂部品及び保持器製造方法 - Google Patents
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(1)転がり軸受の転動体を回動自在に保持する転がり軸受用保持器であって、転がり軸受用保持器は、繊維状充填材を含有する樹脂組成物により成形され、繊維状充填材は、その長手方向が転動体と摺接する転がり軸受用保持器のポケット部の摺動面に対して角度を持って配向され、繊維状充填材は、その長手方向の端面が摺動面に露出した状態で配置され、摺動面に対する角度は、接線と直交する角度を90°とした場合、30°〜120°の範囲に設定されることを特徴とする転がり軸受用保持器。
(2)転がり軸受用保持器は、冠形保持器であることを特徴とする(1)に記載の転がり軸受用保持器。
(3)樹脂組成物の樹脂材料は、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリフェニレンサルファイド、ポリ4弗化エチレン、及びポリエーテルエーテルケトンから選ばれる少なくとも1つであり、繊維状充填材は、ガラス繊維又は炭素繊維であり、樹脂材料中に10〜40重量%含有されることを特徴とする(1)又は(2)に記載の転がり軸受用保持器。
(4)繊維状充填材を含有する樹脂組成物により成形され、相手部材と接触摺動する摺動面を有する樹脂部品であって、繊維状充填材は、その長手方向が摺動面に対して角度を持って配向され、繊維状充填材は、その長手方向の端面が摺動面に露出した状態で配置され、摺動面に対する角度は、接線と直交する角度を90°とした場合、30°〜120°の範囲に設定されることを特徴とする樹脂部品。
(5)繊維状充填材を含有する樹脂組成物により、ポケット部で転がり軸受の転動体を回転自在に保持する転がり軸受用保持器を射出成形する保持器製造方法であって、ポケット部となる部分の略中心にゲートを配置して樹脂組成物を射出成形する射出工程と、射出工程後で樹脂成型物に対し機械加工を施してポケット部を形成する加工工程と、を含むことを特徴とする保持器製造方法。
また、本発明の転がり軸受用保持器によれば、繊維状充填材の端面が摺動面に露出した状態で配置されるため、摺動面の耐摩耗性を大幅に向上することができる。
また、本発明の樹脂部品によれば、繊維状充填材の端面が摺動面に露出した状態で配置されるため、摺動面の耐摩耗性を大幅に向上することができる。
本発明の保持器製造方法によれば、ポケット部となる部分の略中心にゲートを配置して樹脂組成物を射出成形する射出工程と、射出工程後で樹脂成型物に対し機械加工を施してポケット部を形成する加工工程と、を含む。このため、ゲートから注入された樹脂組成物は、ゲートから放射状に流れるので、ポケット部の摺動面となる部分においては、繊維状充填材が樹脂組成物の流線に沿って配向されて、繊維状充填材の長手方向がゲートを中心として放射状に配置される。即ち、ポケット部の摺動面となる部分において、繊維状充填材は、その長手方向が摺動面に対して角度を持って配向される。そして、射出成形された保持器素材は、機械加工されてポケット部が形成される。これにより、ゲートを中心として放射状に配置されている繊維状充填材は、その端面がポケット部の摺動面に露出した状態となるので、転動体との摺動面の耐摩耗性が大幅に向上し、転がり軸受の長寿命化を図ることができる。
まず、図1〜図6を参照して、本発明に係る転がり軸受用保持器の第1実施形態について説明する。なお、本実施形態では、転がり軸受用保持器として、冠形保持器を例にして説明する。
本実施形態の変形例として、冠形保持器10は、図7に示す冠形保持器40であってもよい。この冠形保持器40では、機械加工によりポケット部13の全面を形成する代わりに、射出成形により内周面13aの径方向内側縁且つ周方向両端部にリップ部41を有するポケット部13を形成して、このリップ部41のみを機械加工している。そして、本変形例によれば、リップ部41のみが玉25と摺動するので、リップ部41以外の部分の摩耗を防止することができる。また、機械加工範囲を大幅に少なくすることができるので、加工時間や加工コストを削減することができる。
次に、図8及び図9を参照して、本発明に係る転がり軸受用保持器の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態では、転がり軸受用保持器として、梯子型保持器を例にして説明する。また、第1実施形態と同一又は同等部分については、図面に同一符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
その他の構成及び作用効果については、上記第1実施形態と同様である。
例えば、上記した各実施形態では、転がり軸受用保持器に本発明を適用した場合を例示したが、これに限定されず、例えば、樹脂製プーリの転がり軸受の外輪に射出成形される樹脂部品に本発明を適用してもよい。なお、樹脂製プーリの場合、摺動面は樹脂部品の外周面であり、樹脂部品の外周面と摺動する相手部品はタイミングベルトなどである。
また、上記した各実施形態では、冠形保持器及び梯子型保持器に本発明を適用した場合を例示したが、樹脂製の保持器であればよく、他のタイプの保持器に本発明を適用してもよい。
13 ポケット部
13a 内周面(摺動面)
30 樹脂組成物
31 樹脂材料
32 繊維状充填材
40 冠形保持器(転がり軸受用保持器)
50 梯子型保持器(転がり軸受用保持器)
52 ポケット部
52a 内周面(摺動面)
Claims (5)
- 転がり軸受の転動体を回動自在に保持する転がり軸受用保持器であって、
前記転がり軸受用保持器は、繊維状充填材を含有する樹脂組成物により成形され、
前記繊維状充填材は、その長手方向が前記転動体と摺接する前記転がり軸受用保持器のポケット部の摺動面に対して角度を持って配向され、
前記繊維状充填材は、その長手方向の端面が前記摺動面に露出した状態で配置され、
前記摺動面に対する前記角度は、接線と直交する角度を90°とした場合、30°〜120°の範囲に設定されることを特徴とする転がり軸受用保持器。 - 前記転がり軸受用保持器は、冠形保持器であることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受用保持器。
- 前記樹脂組成物の樹脂材料は、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリフェニレンサルファイド、ポリ4弗化エチレン、及びポリエーテルエーテルケトンから選ばれる少なくとも1つであり、
前記繊維状充填材は、ガラス繊維又は炭素繊維であり、前記樹脂材料中に10〜40重量%含有されることを特徴とする請求項1又は2に記載の転がり軸受用保持器。 - 繊維状充填材を含有する樹脂組成物により成形され、相手部材と接触摺動する摺動面を有する樹脂部品であって、
前記繊維状充填材は、その長手方向が前記摺動面に対して角度を持って配向され、
前記繊維状充填材は、その長手方向の端面が前記摺動面に露出した状態で配置され、
前記摺動面に対する前記角度は、接線と直交する角度を90°とした場合、30°〜120°の範囲に設定されることを特徴とする樹脂部品。 - 繊維状充填材を含有する樹脂組成物により、ポケット部で転がり軸受の転動体を回転自在に保持する転がり軸受用保持器を射出成形する保持器製造方法であって、
前記ポケット部となる部分の略中心にゲートを配置して前記樹脂組成物を射出成形する射出工程と、
前記射出工程後で前記樹脂成型物に対し機械加工を施して前記ポケット部を形成する加工工程と、を含むことを特徴とする保持器製造方法。
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JP2010113335A JP5521761B2 (ja) | 2010-05-17 | 2010-05-17 | 転がり軸受用保持器、樹脂部品及び保持器製造方法 |
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JP2011241877A JP2011241877A (ja) | 2011-12-01 |
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Cited By (1)
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JP2010053971A (ja) * | 2008-08-28 | 2010-03-11 | Nsk Ltd | 転がり軸受用保持器及びその製造方法、転がり軸受 |
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2010
- 2010-05-17 JP JP2010113335A patent/JP5521761B2/ja active Active
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