JP5519933B2 - 組織化粒状組成物 - Google Patents
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Description
油脂の多くの重要な機能的性質の1つは、組み込まれた最終食品の構造、組織に影響を与えることである。製品の構造、組織は、その処方、すなわち、油脂および他の成分の量および性質と、製品の製法の両方に依存する。例えば、乳化、加熱、テンパリングなどの加工工程は、得られた製品の構造、組織に顕著な影響を与える。
組み込まれた油脂の性質が構造に大きな効果を与える食品の例は、硬質油脂であるココアバターが組み込まれているため、硬質構造を有するチョコレート;中程度硬質油脂を含有する中程度硬質サンドウィッチクリームのような製菓用クリーム;典型的な軟質製品およびスプレッド可能な最終製品を得るための液体油を多量に含有するスプレッド、例えばチョコレートスプレッドである。これらの例では、油脂は、少なくとも1つの粉末成分(例えば、糖、ミルク粉末、ココア粉末など)と混合される。
しかし、SAFAおよび/またはTFAを多く含む油脂を使用することは機能性の観点から所望の構造を得るために望ましいが、栄養の観点からはこの脂肪酸の量を減らすことが非常に好ましい。SAFAおよびTFAの摂取量が増えると心疾患の発生リスクが増大することが示されている。そのため、公的機関(例えばWHO)は、SAFAおよびTFAの1日の推奨最大摂取量を定めている。食品中の油脂の消費パターンに関する研究は、多くの欧州国で行なわれた、いわゆるTransfair試験と同様、多くの国でSAFAおよびTFA両方の1日摂取量が多すぎることを示している。かくして、最終用途に必要な所望の硬質または半硬質構造が示されているにもかかわらず、SAFAおよび/またはTFAの量を制限したグリセリドを含有する食品系および食品の必要性が存在する。SAFAおよびTFAの量を制限しつつ、最終食品の望ましい組織化特性を有することが可能なグリセリドを含有する成分の必要性は特に高い。
EP-A 294974は、100μmを超えない平均粒子径を有する油脂の安定な結晶粉末を含むテンパリング促進剤に関する。油脂の主成分は、脂肪酸の合計炭素数が50〜56である1,3−飽和−2−不飽和トリグリセリドである。チョコレート製造に関して、テンパリングは、不安定な結晶を溶融させ、安定な結晶型に再結晶化させるための多くの冷却工程および再加熱工程を含む。テンパリング促進剤をチョコレート生地に添加すると、特定のテンパリング装置を必要とする通常のチョコレートテンパリング・プロセスを単純にするか、またはテンパリング製法が不必要になることもある。冷却工程中にテンパリング促進剤を油性組成物に添加する。チョコレートに添加される量は、全油脂含量を基準として0.005〜10wt%の範囲である。しかし、実施例からすると、0.1wt%の促進剤を加えれば所望の効果を得るのに十分であると考えられ、チョコレートは安定な結晶型となり、ブルームが発生しにくくなる。表1からわかるように、1,3−飽和−2−不飽和トリグリセリドに富む油脂はSAFA含量が60wt%を超えており、驚くべきことにこれはトリグリセリドの組成とは関係しない。ほとんど実施例では、この粉末は、凍結型を粉砕することによって得られる油脂粉末である。別の実施例では、油脂を粉糖と1:1で混合し、液体窒素で凍結させ、粉砕する。
本発明のさらなる目的は、飽和脂肪酸およびトランス脂肪酸の含量が低く、良好な構造、組織を有する食品製造用のベースとして適した製品を提供することである。
本発明のさらなる目的は、固体食品成分の製法、および良好な構造、組織を示し、固体食品成分を含有する食品の製法を提供することである。
本発明の食用粒状組織化組成物は、飽和脂肪酸およびトランス脂肪酸の含量が低い組織化食品を製造するのに適しており、粒状組成物は、組織化組成物の合計重量を基準にして5〜100wt%のグリセリド組成物と、95〜0wt%の少なくとも1つの非グリセリド食用固体物質とを含んでなり、以下の特徴を有する:
グリセリド組成物は、硬質または半硬質油脂の量を基準として5wt%未満のTFA含量の5〜85wt%非ラウリン酸硬質または半硬質油脂と、95〜15wt%の液体部分とのブレンドを含有し、該液体部分は、少なくとも1つの液体油または少なくとも1つの液体ジグリセリド組成物またはこれらの2つ以上のブレンドから選択され、ここに、TFAはトランス脂肪酸を意味し、
グリセリド組成物は、安定な結晶型で結晶化した油脂を含み、
グリセリド組成物は、グリセリド組成物全量を基準として少なくとも5wt%の対称形SUS-トリグリセリドを含有し、ここに、Sは16〜18個の炭素原子を有する飽和脂肪酸であり、Uは、18個以上の炭素原子を有する不飽和脂肪酸であり、
グリセリド組成物は、55wt%未満のSTFAを含有し、ここに、STFAは、グリセリド組成物中に存在する飽和脂肪酸およびトランス脂肪酸の合計量である。
驚くべきことに、液体グリセリドおよび硬質油脂と非グリセリド固体物質とを単純に混合すると、組織化特性を有し、トリグリセリド組成物から予想されるものよりも顕著に硬い硬度を有する組織化食品の製造に適した粒状組成物が得られる。特別な冷却装置またはテンパリング装置を用いることなく、混合中にさらに加熱することなく、グリセリド成分と非グリセリド固体物質とを単純に混合して得られ、これはエネルギーの節約になる。グリセリド組成物のトリグリセリド組成物を注意深く選択することによって、いわゆる長鎖脂肪酸、すなわち20個より多い炭素原子を有する脂肪酸を含有するトリグリセリドの存在を必要とすることなく、硬度を顕著に増加させることができる。本発明では、この長鎖脂肪酸の存在は、好ましくは、本発明の食用組成物の硬度に悪影響を与えることがわかっているため、最少量に制限される。そのため、本発明の食用粒状組成物に含まれるグリセリド組成物が、グリセリド組成物の全量を基準として1wt%未満、好ましくは0.5wt%未満のC22脂肪酸濃度によって特徴付けられることが好ましい。
最適な硬度および構造特性は、硬質油脂または半硬質油脂が、硬質または半硬質油脂全体を基準として少なくとも25wt%、好ましくは少なくとも40wt%、もっとも好ましくは少なくとも55wt%のSUS−トリグリセリドを含有する場合に達成される。さらなる最適化は、StUStおよびPUStからなる本発明の粒状組成物にSUSトリグリセリドが少なくとも50wt%、好ましくは少なくとも70wt%、さらに好ましくは少なくとも80wt%含まれる場合に達成される。ここで、Stはステアリン酸であり、Pはパルミチン酸である。Uがオレイン酸であることが好ましい。本願発明者らは、StUStトリグリセリドおよびPUStトリグリセリドを含有する粒状組成物を用いると最適な構造特性が得られることを観察した。この結果は、最適な硬度が20個より多い炭素原子を有する脂肪酸を含有するトリグリセリドで得られるという従来技術の教示とは反対である。
同様に、本発明の骨格内で、広範囲の硬質油脂を使用してもよい。適切な例としては、ココアバター、シアバター、イリッペバター、コクム(kokum)脂、サル脂、アランブラキア脂、マンゴー脂、酵素により調製したSUSトリグリセリドを少なくとも40wt%含有する油脂、またはその画分、または上記の油脂またはその画分の2つ以上のブレンドが挙げられる。
ブレンドのグリセリド部分が、35%以下、好ましくは25%以下、さらに好ましくは20%以下のN20と、10%以下、好ましくは5%以下のN35とで構成され、N20およびN35が上記グリセリド部分の固体脂肪含量であるブレンドを用いると、口内で最適な感覚があり、ワキシー感を最小限にすることができる。ここで、SFCは、IUPAC 2.150a法で測定される。
すなわち、本願発明者らは、高温にすると冷却後の最終的なブレンドの硬度に悪影響を与えることを見出した。必要なテンパリング・プロセスなしに混合し、冷却することができる。「テンパリング・プロセス」とは、V型またはVI型のβ型脂肪を安定化させるために使用されるプロセスを意味し、このプロセスは、不安定な結晶を溶融するために冷却工程の後に再加熱工程を含み、最後に冷却工程を含む。本願発明者らは、本発明の食用粒状組成物で製造された食品の硬度が、グリセリドを混合した際に観察される初期濃度から比較的短い時間で最終的な硬度まで比較的短い時間で増加することをさらに見出した。ここで、組成物の硬度は時間内に実質的に一定になり、油脂の再結晶化による製品の粒状感(graininess)が進行しないと考えられる。
一般に、結晶化した油脂の全量を基準として安定な型で結晶化した油脂の割合は、新しいサンプルまたは室温で10日間保存した後の時間の経過したサンプルをDSC分析で決定することができる。10日間保存すれば、完全に安定化していると考えられる。結晶化した油脂ピークについて対応する温度間隔を安定な間隔とすることにより、安定な結晶の割合を他のサンプルで決定することができる。DSCで使用した温度プログラムを以下に示す:ほぼ20mgのサンプルをアルミニウムパンに入れ、20℃で3分間維持し、−40℃まですばやく冷却し、この温度で3分間維持し、加熱して温度を5℃/分の速度で上げた。
高オレイン酸ヒマワリ油と硬質油脂とを混合して6個の異なる油脂組成物を調製した。全ブレンドのSTFA含量(STFA=SAFA+TFA)が等しくなるように液体油脂/硬質油脂の重量比を選択した。
種々の組成物に用いた硬質油脂を以下に示す。
1.酵素によるエステル交換および分画で調製したStOSt−油脂
2.POP脂である硬質PMF IV34
3.PPP脂であるパームステアリンIV
4.POSt脂であるココアバター
5.TFAを含有する油脂であり、融点32℃の水素化菜種油
6.酵素によるエステル交換および分画で調製したBOB脂
この油脂ブレンドを以下の数字によって特性決定した。全ての数字は、油脂ブレンドの合計重量を基準としてwt%で表している。
粉末成分を以下の配合表にしたがって調製した。
ブラックチョコレートを45℃で完全に溶かし、攪拌しながら冷却した。混合物の温度が29℃になったら、チョコレート全量を基準としてシード剤(seeding agent)0.7wt%をこのチョコレートに添加した。テンパリングシードとして実施例2で調製した粉末成分を使用し、1週間エージングさせた。成分2を26℃で添加した。
テンパリング操作、すなわち、冷却中にリヒートしなかった。チョコレートを型に入れ、換気冷却装置で5℃で30秒、次いで15℃でさらに30秒放置した。その後、タブレットを型から抜いた。成分1、2、4、6を用いて調製したタブレットは良好な離型性、優れた光沢を有しており、ブルームは発生しておらず、十分にテンパリングされていた。成分3、5を用いて調製したタブレットまたはシード剤を含まないタブレットは、まったく逆の性質を示し、テンパリングされていなかった。
結果を以下に示す。
本実施例の記載から、上記の調製手順が、粉末テンパリングシードを製造するのに低温加工製法が必要なEP-A 294974およびEP-A 276548に開示された製法と比較して非常に単純であることも明らかである。上記の調製手順は、ショートニングを調製するのに特別な混練装置および冷却装置を使用するEP-A 321227に開示された製法と比較しても非常に単純である。
以下の配合表にしたがって製菓用クリームを調製した。
このようにして得られた混合物を、均一な混合物が得られるまで標準的なフラットミキサー(flat mixer)を用いて1分間中速でKitchenaid K5SSと混合した。ブレンドの温度を測定し、その値を表5に示す。工程Bでブレンド3を使用する場合、油脂ブレンドを溶融するのに他の油脂(40〜45℃)よりも高い温度(約57℃)が必要だったため、このブレンドの温度は少し高かった。
このようにして得られた塊を製品層の厚みが3.5cmになるまで直径8cmのプラスチック製カップに移した。クリームを強制的な冷却によらずに室温まで冷却した。このサンプルを室温で保存した。保存2時間後および1日後に各サンプルの室温での硬度を測定した。
直径3mmの金属プローブを取り付けたSMS−テクスチャーメーター(texture meter)を用いて硬度を測定した。プローブ速度は0.5mm/秒であり、深さ10mmで測定した。結果はgで表わしている。
クリームを1週間後のザラツキおよび口溶けで評価した。
結果を表5にまとめ、比較試験はCであらわしている。
試験16では、工程Bで41℃で均一化したという点で異なる手順を用いた。このことは、均一化中にさらなる加熱工程が含まれていることを意味する。
工程Aで調製した粉末成分が、ブレンド1またはブレンド4(StOSt油脂種およびPOSt油脂種を含有する)から製造され、工程Bで、ブレンド1またはブレンド4から選択された量の脂肪が添加された場合に、テクスチャーの観点からもっともよい結果が得られる。ブレンド2は、ブレンド1と組み合わせて使用するといくらか可能性がある。
StOStを豊富に含むブレンド1は、POStを豊富に含むブレンド4よりも組織化が速いという利点もある。
試験16から、油脂および粉末のブレンドを加熱するとほとんどの油脂が溶融し、粉末成分中の脂肪の安定な結晶構造が失われていることが明らかである。クリームが固まっても、試験1では実際に同じ組成を有するだけではなく、本発明の調製法を使用したが、試験1と比較すると非常にやわらかく、粒子の粗いクリームが得られた。
本実施例のクリームの調製は簡単であった。特別な冷却装置またはテンパリング装置は必要なく、均一化するのにさらなる加熱も必要なく、エネルギーが節約された。この発見は、組成物のStUSt含量は制限されるべきであるというEP-A 731645の教示に反しているが、本発明によれば、StOStグリセリドを豊富に含む油脂を用いてもっともよい結果が得られている。
EP-A 731645は、0.1〜10wt%のトリ不飽和トリグリセリド、特に、パーム油ステアリンを含む油脂ブレンドで良好な組織化特性が得られることも主張している。本発明を用いると、組成物にパームステアリンを添加するとワキシー感および硬度の観点から悪い結果が得られることがわかっている(参照 試験1と3および8とを比較)。
油脂組成の差とは別に、クリームの加工にも顕著な差がある。EP-A 731645によれば、成分をロールリファイニングし、コンチングしている(試験番号16と類似)。最後に、フィリングを強冷却に付し、長期間低温で安定化させている。
別の意外な結果は、BOB脂を硬質油脂成分として用いたブレンド6では良好な構造が得られなかったことである。ブレンド6はブレンド1(StOSt脂)よりも明らかに性質が劣っている。この結果は、ベヘン酸のような長鎖飽和脂肪酸を使用すると良好な構造が得られることを教示している当該技術分野の技術常識と反している。
以下のブレンドを調製した。
4.1.:ブレンド1:StOSt+高オレイン酸ヒマワリ油
4.2.:ブレンド7:StOSt+菜種油
4.3.:ブレンド8:StOSt+エコナ。エコナは、トリグリセリド油の代わりとして特定の用途に使用可能な液体ジグリセリドである。
このようにして得られたブレンドの性質をブレンド1と比較した。結果を表6にまとめている。
クリームの調製で、実施例4の試験1で最終的に得られたクリームと同じ組成を有する油脂組成物を使用することに注意した。換言すると、StOSt−油脂および高オレイン酸ヒマワリ油の組み合わせを以下のブレンドに使用した。以下のブレンドを試験した。
5.1.:ブレンド9=工程Aでブレンド9A+工程Bでブレンド9B
5.2.:ブレンド10=工程Aでブレンド10A+工程Bでブレンド10B
ブレンド1(実施例1)と比較して、2倍のブレンド1を用いるのと同じクリーム組成になるように、最終組成物に存在するStOSt成分の量の3分の1をブレンド9Aに添加し、残りの量をブレンド9Bに添加した(試験1の実施例4を参照)。
ブレンド10Aは、StOSt−成分を全て含有しており、ブレンド10Bは純粋な高オレイン酸ヒマワリ油を含有していた。
ブレンド9:988g
ブレンド10:725g
この結果は、片方の工程ではなく、両方の工程で硬質SUS−成分を添加することが好ましいことを示している。
Claims (31)
- 飽和脂肪酸およびトランス脂肪酸の含量が低い組織化食品を製造するのに適した食用粒状組織化組成物であって、該粒状組成物は、組織化組成物の合計重量を基準にして10〜40wt%のグリセリド組成物と、60〜90wt%の少なくとも1つの非グリセリド食用固体物質とを含んでなり、
グリセリド組成物は、硬質または半硬質油脂の量を基準として5wt%未満のTFA含量の5〜85wt%非ラウリン酸硬質または半硬質油脂と、95〜15wt%の液体部分とのブレンドを含有し、該液体部分は、少なくとも1つの液体油または少なくとも1つの液体ジグリセリド組成物またはこれらの2つ以上のブレンドから選択され、ここに、TFAはトランス脂肪酸を意味し、
グリセリド組成物は、安定な結晶型で結晶化した油脂を含み、
グリセリド組成物は、グリセリド組成物全量を基準として少なくとも5wt%の対称形SUS-トリグリセリドを含有し、ここに、Sは16〜18個の炭素原子を有する飽和脂肪酸であり、Uは、18個以上の炭素原子を有する不飽和脂肪酸であり、
グリセリド組成物は、45wt%未満のSTFAを含有し、ここに、STFAは、グリセリド組成物中に存在する飽和脂肪酸およびトランス脂肪酸の合計量であることを特徴とする食用粒状組織化組成物。 - グリセリド組成物が、グリセリド組成物の全量を基準として少なくとも3wt%の結晶化した油脂を含み、結晶化した油脂の少なくとも30wt%が安定な結晶型で結晶化していることを特徴とする、請求項1に記載の食用粒状組成物。
- 安定な結晶型が、少なくともV型またはそれより安定な型であるか、またはこれらの異なる安定な結晶型の2つ以上の混合物であることを特徴とする、請求項2に記載の食用粒状組成物。
- グリセリド組成物のSTFA含量が、35wt%未満であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の食用粒状組成物。
- グリセリド組成物が、グリセリド組成物全量を基準として結晶化した油脂を少なくとも5wt%含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の食用粒状組成物。
- 結晶化した油脂の合計量を基準として、結晶化した油脂の少なくとも50wt%が安定な結晶型で結晶化していることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の食用粒状組成物。
- 該食用組成物が少なくとも1つの非グリセリド食用物質を70〜80wt%含み、上記食用組成物がグリセリド組成物を20〜30wt%含有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の食用粒状組成物。
- 該SUSトリグリセリドの少なくとも50wt%がStUStおよびPUStからなり、ここに、Stがステアリン酸であり、Pがパルミチン酸であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の食用粒状組成物。
- Uがオレイン酸であることを特徴とする、請求項8に記載の食用粒状組成物。
- 該SUSトリグリセリドの少なくとも50wt%がStOStからなり、ここに、Stがステアリン酸であり、Oがオレイン酸であることを特徴とする、請求項8または9に記載の食用粒状組成物。
- グリセリド組成物の全量を基準として、グリセリド組成物中のSU2トリグリセリド濃度が35wt%未満であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の食用粒状組成物。
- グリセリド組成物の全量を基準として、グリセリド組成物中のS3トリグリセリド濃度が10wt%未満であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の食用粒状組成物。
- グリセリド組成物の全量を基準として、グリセリド組成物中のC22脂肪酸の濃度が1wt%未満であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の食用粒状組成物。
- 少なくとも1つの硬質または半硬質油脂が室温で固体または半固体の油脂であり、少なくとも1つの液体油または液体ジグリセリド組成物が室温で液体であり、グリセリド組成物の全量を基準として少なくとも1つの硬質または半硬質油脂の合計量が、グリセリド組成物の全量を基準として10〜60wt%の範囲にあり、少なくとも1つの液体油または液体ジグリセリド組成物の合計量が、グリセリド組成物の全量を基準として40〜90wt%であることを特徴とする、請求項13に記載の食用粒状組成物。
- 少なくとも1つの液体油が、菜種油、コーンオイル(corn oil)、大豆油、ヒマワリ油、綿実油、トウモロコシ油(maize oil)、オリーブ油、ベニバナ油、ヘーゼルナッツ油、ラッカセイ油、パーム油またはシアバターの液体画分、1つ以上の組成を豊富化してもよいこれらの油の1つ以上の変種、およびこれらの油およびその画分の2つ以上のブレンドからなる群から選択される少なくとも1つの植物油を含むことを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の食用粒状組成物。
- 上記硬質または半硬質油脂が、硬質または半硬質油脂の全量を基準としてSUS-トリグリセリドを少なくとも25wt%含むことを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項に記載の食用粒状組成物。
- 上記硬質または半硬質油脂が、ココアバター、シアバター、イリッペバター、コクム(kokum)脂、サル脂、アランブラキア脂、マンゴー脂、酵素により調製したSUSトリグリセリドを少なくとも40wt%含有する油脂、またはその画分、またはこれらの油脂またはその画分の2つ以上のブレンドを含むことを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項に記載の食用粒状組成物。
- 上記少なくとも1つの非グリセリド食用物質が、糖、小麦粉、デンプン、スキムミルク粉末、WMP、ホエイ粉末、塩または食用無機固体粉末またはこれらの2つ以上のブレンドを含むことを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に記載の食用粒状組成物。
- 上記粒状組成物が500μm未満の平均粒子径を有することを特徴とする、請求項1〜18のいずれか1項に記載の食用粒状組成物。
- 第2のグリセリドを含み、第2のグリセリド組成物が硬質油脂または半硬質油脂0〜85wt%と液体部分100〜15wt%とのブレンドを含み、液体部分が、少なくとも1つの液体油または少なくとも1つの液体ジグリセリド組成物、またはこの2つ以上のブレンドから選択され、第2のグリセリド組成物が少なくとも部分的に溶融した状態で粒状組成物と混合され、ブレンド合計量のグリセリド部分のSTFA含量は、グリセリド部分を基準として50wt%未満であることを特徴とする、請求項1〜19のいずれか1項に記載の食用粒状組成物と第2のグリセリド組成物とのブレンド。
- 上記ブレンドのグリセリド部分は、ブレンド全量のグリセリド部分を基準として45wt%未満のSTFA含量を有することを特徴とする、請求項20に記載のブレンド。
- 上記ブレンドのグリセリド部分が、35%以下のN20と、10%以下のN35とで構成され、N20およびN35が上記グリセリド部分の固体脂含量であることを特徴とする、請求項20または21に記載のブレンド。
- グリセリド組成物が少なくとも部分的に溶融した状態で少なくとも1つの非グリセリド食用固体物質と混合されることを特徴とする、請求項1〜19のいずれか1項に記載の食用粒状組成物の製法。
- 上記食用粒状組成物と第2のグリセリド組成物との混合は、35℃以下の温度で行なわれることを特徴とする、請求項20〜22のいずれか1項に記載の食用ブレンドの製法。
- 上記食用粒状組成物と第2のグリセリド組成物との混合は、8時間未満の食用粒状組成物のエージング後に行なわれることを特徴とする、請求項20〜22のいずれか1項に記載の食用ブレンドの製法。
- 上記食用組成物が第2のグリセリド組成物と混合され、第2のグリセリド組成物が請求項1〜16のいずれか1項に記載の食用粒状組成物と混合している間に少なくとも部分的に結晶化して固体構造物になることを特徴とする、請求項23〜25のいずれか1項に記載の製法。
- 請求項1〜19のいずれか1項に記載の食用粒状組成物、請求項20〜22のいずれか1項に記載のブレンドおよび/または請求項23〜26のいずれか1項に記載の製法で得られた製品を含有する食品。
- 上記食品が、クリーム、フィリング、フィルトチョコレート製品、クリーム層でコーティングされ、このクリーム層がさらにコーティングされていてもコーティングされていなくてもよいビスケット、2つ以上のビスケットで挟まれたクリーム層を有するビスケット、スプレッド、料理用製品、ソフトチーズ、内部に組織化フィリングを有する押出製品、組織化フィリングを有する焼成製品であることを特徴とする、請求項27に記載の食品。
- 請求項1〜19のいずれか1項に記載の食用粒状組成物、請求項20〜22のいずれか1項に記載の上記ブレンドおよび/または請求項23〜26のいずれか1項に記載の製法で得られた製品を含有する組織化製品。
- 上記組織化製品が、局所適用するための化粧品または医薬品、特に軟膏、クリーム、ジェルまたはローションであることを特徴とする、請求項29に記載の組織化製品。
- 請求項1〜19のいずれか1項に記載の食用粒状組成物、請求項20〜22のいずれか1項に記載の上記ブレンドおよび/または請求項23〜26のいずれか1項に記載の製法で得られた製品を含有するテンパリング添加剤。
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