JP5519864B2 - 熱収縮性フィルム及び熱収縮性ラベル - Google Patents

熱収縮性フィルム及び熱収縮性ラベル Download PDF

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Description

本発明は、容器の熱収縮性ラベルとして用いた場合、輸送時の表面の耐磨耗性に優れた熱収縮性フィルム及び該フィルムを用いた熱収縮性ラベルに関する。
近年、緑茶等の清涼飲料水がPETボトル飲料として、コンビニエンスストアーなどで多量に販売されている。PETボトル飲料などに用いられている熱収縮性フィルムは、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等を用いた、様々なフィルム基材からなるもので構成されている。
これら、熱収縮性フィルムは、PETボトル飲料の輸送時に、ボトル同士が擦れあったり、ダンボール箱の壁面と擦れあったりして、表面に傷がついたり、磨耗により表面が磨り減ったりし問題になることがある。
このような問題に対して、表面の耐磨耗性改善した提案がなされている(例えば、特
許文献1)。
しかし、溶剤系コーティング材を用いる環境負荷と、塗布する後工程が必要な事が問題として挙げられる。
特開2002−132159号公報
本発明は、上記現状に鑑み、環境負荷の少ない水性コーティング材を用いて、優れた耐磨耗性を有する熱収縮性フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、水溶性ポリエステル又は水分散性ポリエステルを保護コロイドとするエチレン性不飽和単量体の重合体からなるエマルジョン(A)及びワックス系滑剤(B)からなる水性コーティング材を、ポリエステル系樹脂又はポリスチレン系樹脂からなるフィルム基材に塗布してなることを特徴とする熱収縮性フィルムが、耐磨耗性に優れることを見出した。即ち、本発明は下記の熱収縮性フィルムを提供する。
本発明は、水溶性ポリエステル又は水分散性ポリエステルを保護コロイドとするエチレン性不飽和単量体の重合体からなるエマルジョン(A)及びワックス系滑剤(B)からなる水性コーティング材を、ポリエステル系樹脂又はポリスチレン系樹脂からなるフィルム基材に塗布してなることを特徴とする熱収縮性フィルムであることを特徴とする。
ワックス系滑剤(B)は、ポリエチレン系ワックス又はポリプロピレン系ワックスであり、融点が90〜160℃であることが好ましい。
ワックス系滑剤(B)の含有量は、エマルジョン(A)の樹脂固形分に対して1〜30質量%であることが好ましい。
水溶性ポリエステル又は水分散性ポリエステルの固形分は、エマルジョン(A)の固形分に対して10〜90質量%であることが好ましい。
前記重合体のガラス転移温度は、0〜60℃であることが好ましい。
水溶性ポリエステル又は水分散性ポリエステルのガラス転移温度は30〜80℃であることが好ましい。
また、本発明は、これらの熱収縮性フィルムを用いてなることを特徴とする熱収縮性ラベルに関する。
本発明のフィルムは、耐磨耗性に優れ、容器にラベルとして装着して輸送した場合であっても、ラベルの傷や磨耗が極めて少なく商品価値を損なうことがない。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の熱収縮性フィルムは、水性コーティング材からなる耐磨耗性を有するコーティング材層(以下、耐磨耗層)を有する。
前記、熱収縮性フィルムに用いる水性コーティング材は、水溶性ポリエステル又は水分散性ポリエステルを保護コロイドとするエチレン性不飽和単量体を乳化重合して得られるエマルジョン(A)を含有するものである。水溶性ポリエステル又は水分散性ポリエステルの固形分での含有量としては、エチレン性不飽和単量体を乳化重合して得られるエマルジョン(A)の固形分中に10〜90質量%であることが好ましく、20〜80質量%であることがより好ましく、30〜70質量%であることがさらに好ましい。水溶性ポリエステル又は水分散性ポリエステルの含有量が10質量%未満の場合、フィルム基材、特にポリエステル系樹脂に対する接着性向上の効果が小さくなる傾向があり、水溶性ポリエステル又は水分散性ポリエステルの含有量が90質量%を超えると、水が付着した際や水で煮沸した際に、白化したり、熱収縮性フィルムとの密着性が損なわれるなどの耐水性が低下する傾向がある。
本発明において使用するエチレン性不飽和単量体としては、少なくとも1個の重合可能なビニル基を有するものであればよく、例えば、直鎖状、分岐状または環状のアルキル鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、ビニルピロリドン等の複素環式ビニル化合物、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アルキルアミノ(メタ)アクリレート、酢酸ビニルやアルカン酸ビニルに代表されるビニルエステル類、モノオレフィン類(エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等)、共役ジオレフィン類(ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等)、α,β−不飽和モノあるいはジカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等)、アクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、アクロレインやダイアセトンアクリルアミド等のカルボニル基含有エチレン性不飽和単量体、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸基含有エチレン性不飽和単量体が挙げられる。これらの中でも、乳化重合の反応性や耐水性を考慮すると、スチレン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルが好ましい。これらのエチレン性不飽和単量体は、1種単独もしくは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
エチレン性不飽和単量体を重合して得られる重合体の含有量としては、エマルジョン(A)の固形分中に10〜90質量%であることが好ましく、20〜80質量%であることがより好ましく、30〜70質量%であることがさらに好ましい。重合体の含有量が10質量%未満の場合、水が付着した際や水で煮沸した際に、白化したり、熱収縮性フィルムとの密着性が損なわれるなどの耐水性が低下し、重合体の含有量が90質量%を超えると、フィルム基材、特にポリエステル系樹脂に対する接着性向上の効果が小さくなる傾向がある。
また、必要に応じて、ラジカル共重合体の架橋性モノマーとして、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有α,β−エチレン性不飽和化合物、多官能ビニル化合物(エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート等)を導入し、それ自身同士の架橋をさせるか、活性水素基を持つエチレン性不飽和化合物成分と組み合わせて架橋させる、もしくは、カルボニル基含有α,β−エチレン性不飽和化合物(特にケト基含有のものに限る)を導入し、ポリヒドラジン化合物(特に2つ以上のヒドラジド基を有する化合物;シュウ酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ポリアクリル酸ヒドラジド等)との組み合わせで架橋させることも可能である。
エマルジョン(A)中のエチレン性不飽和単量体からなる重合体のガラス転移温度は、0〜60℃であることが好ましく、10〜50℃であることがより好ましく、20〜40℃であることがさらに好ましい。エチレン性不飽和単量体からなる重合体のガラス転移温度が0℃未満の場合は、耐摩耗性や耐水性の低下が懸念され、ガラス転移温度が60℃より高い場合は、成膜性が低下し、基材に対する密着性、透過率やヘイズが低下する場合がある。ここでいうガラス転移温度はFoxの式から算出される値を示す。
水溶性ポリエステル又は水分散性ポリエステルは、多塩基酸とポリオールから製造されたものが使用され、その製造方法は何ら限定されない。ここで、水溶性ポリエステルとは、23℃で水に完全に溶けるものをいう。また、水分散性ポリエステルとは、ポリエステルの分子内に疎水性の部分(疎水性部分)と親水性の部分(親水性部分)を持つもので、水中において疎水性部分の周りを親水性部分が取り囲む形で粒子となり、安定に分散するものをいう。
多塩基酸成分とは、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタリンジカルボン酸、アジピン酸、コハク酸、セバチン酸、ドデカン二酸などであり、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ポリオール成分として代表的なものを挙げれば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールなどであり、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
なかでも、多塩基酸成分がテレフタル酸もしくはイソフタル酸であり、ポリオール成分がエチレングリコール、プロピレングリコールあるいは1,6−ヘキサンジオールである水分散性ポリエステルが水分散安定性の点で好ましい。
また、ポリエステルの水溶性又は水分散性をさらに向上させるために、カルボキシル基やスルホン酸基等の親水性基を有する成分を共重合させてもよい。
これらの具体例として、カルボキシル基をポリエステル分子内に導入するためには、例えば(無水)トリメリット酸、(無水)ピロメリット酸、トリメシン酸などが用いられ、得られた重合体をアミノ化合物、アンモニアまたはアルカリ金属等で中和すればよい。なかでも、水溶性又は水分散性の点で、(無水)トリメリット酸が好ましい。重合体を中和することで、ポリエステル樹脂に水分散性を付与することができる。中和によりカルボキシル基がカルボキシラートアニオンに解離され、水と樹脂界面での溶解性付与およびイオン的な反発によって、水中での分散安定化に寄与する。
また、有機スルホン酸塩をポリエステル分子内に導入するためには、例えば5−スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸などのアルカリ金属塩やアンモニウム塩が用いられる。なかでも、水溶性又は水分散性の点で、5−スルホイソフタル酸1,3−ジメチルが好ましい。
本発明で用いる水溶性ポリエステル又は水分散性ポリエステルとしては、市販のものをそのまま使用してもよく、例えば、プラスコート(登録商標)Z−221、Z−446、Z−561、Z−687、Z−565、Z−690、RZ−105、RZ−570、Z−730、Z−732、およびZ−735(互応化学工業株式会社製)、ペスレジン(登録商標)A−110、A−210、およびA−620(高松油脂株式会社製)、バイロナール(登録商標)MD−1200、MD−1220、MD−1250、MD−1335、MD−1400、MD−1480およびMD−1500(東洋紡績株式会社製)などが挙げられる。
本発明で用いる水溶性ポリエステル又は水分散性ポリエステルのガラス転移温度は、耐水性、耐久性、成膜性を考慮すると、30〜80℃であることが好ましく、35〜75℃であることがより好ましく、40〜70℃であることがさらに好ましい。水溶性ポリエステル又は水分散性ポリエステルのガラス転移温度が、30℃より低いと、耐磨耗性や耐水性が低下する場合があり、80℃より高いと、成膜性が低下し、基材に対する密着性、透過率やヘイズが低下する場合がある。水溶性ポリエステル又は水分散性ポリエステルのガラス転移温度は、例えば、示差走査熱量測定(DSC)により測定することができる。
エチレン性不飽和単量体の重合反応は、常圧反応器もしくは耐圧反応器を用い、バッチ式、半連続式、連続式のいずれかの方法で行われる。反応温度は通常10℃から100℃で行われるが、30℃から90℃が一般的である。反応時間は、特に制限されることはなく、各成分の配合量及び反応温度などに応じて適宜調整すればよい。
水溶性ポリエステル又は水分散性ポリエステルを保護コロイドとしてエチレン性不飽和単量体をラジカル重合する際、重合安定性の向上や粒子径をコントロールする目的で、フィルム基材に対する密着性や耐水性等の性能を損なわない範囲で乳化剤を使用してもよい。乳化剤の種類や使用量は、水溶性ポリエステル又は水分散性ポリエステルの使用量や重合する単量体組成等の条件によって適宜調整すればよい。
このようなラジカル重合に使用する乳化剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルなどのノニオン性界面活性剤、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
乳化重合に際して使用される重合開始剤としては公知慣用のものであればよく、例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどが挙げられる。また、必要に応じてこれらの重合開始剤をナトリウムスルホキシレートホルムアルデヒド、アスコルビン酸類、亜硫酸塩類、酒石酸又はその塩類などと組み合わせてレドックス重合としてもよい。また、必要に応じてアルコール類、メルカプタン類を連鎖移動剤として用いてもよい。
本発明において使用するワックス系滑剤(B)とは、水性コーティング材を基材に塗布した際に、耐磨耗層の耐摩耗性を向上させる性質を有するものである。フィルム基材に塗布した際の耐摩耗性を向上させるには、塗布するポリマーの硬さだけでは十分でなく、ワックス系滑剤(B)の添加による滑り性の付与が必要である。
ワックス系滑剤(B)の具体的な例としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、これらの酸化物、これらのカルボキシル基を付与した誘導体等の変性物、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワックス等を水に分散したタイプ、あるいは自己乳化、乳化剤によって強制乳化したエマルジョンタイプのワックスが挙げられる。中でも、耐磨耗層の耐摩耗性を向上させる効果が優れている点で、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のポリオレフィンワックス等が挙げられ、更に好ましくはポリエチレンワックスである。また、ポリエチレンワックス又はポリプロピレンワックスの融点は90〜160℃が好ましく、100〜150℃がより好ましく、110〜140℃がさらに好ましい。ポリエチレンワックス又はポリプロピレンワックスの融点が90℃未満の場合、耐水性、特に耐温水性が低下する傾向があり、融点が160℃を超えると滑り性の付与が低下し、耐磨耗性が得られにくくなる傾向がある。
ワックス系滑剤(B)の含有量としては、エマルジョンの樹脂分(すなわち、水溶性ポリエステル又は水分散性ポリエステルと、エチレン性不飽和単量体が重合することで得られる重合体から構成される樹脂分)に対して固形分換算で1〜30質量%であることが好ましい。5〜25質量%であることがより好ましく、10〜20質量%であることがさらに好ましい。ワックス系滑剤(B)が1質量%未満の場合、耐摩耗性の付与が弱く、30質量%を超えると、フィルム密着性及び透明性、ヘイズの低下が発生する場合がある。
上記ワックス系滑剤(B)は公知のものを使用することができ、特に限定されないが、市販品としては、例えば、ハイテック(登録商標)E−6400、E−1000、E−2213、E−9015、E−6000S(東邦化学工業株式会社製)、ポリロン(登録商標)P−502、L−618(中京油脂株式会社製)、AQUACER(登録商標)498、515、531、537、539、および593(ビックケミー・ジャパン株式会社製)、EMUSTAR(登録商標)0443、0436、1155、0135、0136(日本精鑞株式会社製)等が挙げられる。
このようにして得られるコーティング材は、本発明の効果を損なわない範囲で、アクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、ウレタン系樹脂などの樹脂成分、イソシアネート系及びエポキシ系架橋剤、粘性改良剤、ブロッキング防止剤、消泡剤、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、成膜助剤、難燃剤などを添加することができ、更には体質顔料、着色顔料を用いて塗料化し、コーティング材として用いることも可能である。
本発明のコーティング材は、グラビアコート法、ロッドコート法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、ロールコート法等の従来公知の塗工方法により、基材に塗布することができ、特に限定されない。
フィルム基材に塗布するコーティング材の塗布量は固形分換算で、0.01〜10g/m程度、好ましくは0.05〜5g/m程度、より好ましくは0.1〜3g/m程度である。コーティング材の塗布量が10g/mを超えると、フィルム収縮時の耐摩耗層の密着性が悪化する。コーティング材の塗布量が0.01g/m未満の場合は、耐磨耗性が得られない。
本発明の熱収縮性フィルムは、フィルム基材にコーティング材を塗布した後に少なくとも一軸方向に延伸することが出来る。一軸方向に延伸することで、フィルム基材を構成する合成樹脂の分子が変形方向に並び、高強度化や透明性向上が図れる。
上記延伸方法としては特に限定されず、チューブラー延伸法やテンター延伸法、ロール延伸法など公知の延伸法を使用することができ、これらの方法の何れにおいても、逐次2軸延伸法や同時2軸延伸法、1軸延伸法やこれらの組合せによって延伸することができる。
熱収縮性フィルムとしては、コーティング材をフィルム基材に塗布する側の面が、ポリエステル系樹脂又はポリスチレン系樹脂であれば良い。フィルム基材は、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン樹脂又はナイロン系樹脂等との積層フィルムや多層フィルムであっても良い。
上記積層フィルムや多層フィルムとしては、例えば、ポリエステル系樹脂/ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂/ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂/ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂/ナイロン系樹脂、ポリスチレン系樹脂/ナイロン系樹脂、ポリエステル系樹脂/ポリスチレン系樹脂/ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂/ポリエステル系樹脂/ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂/ポリオレフィン系樹脂/ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂/ポリオレフィン系樹脂/ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂/ナイロン系樹脂/ポリエステル系樹脂や、ポリスチレン系樹脂/ナイロン系樹脂/ポリスチレン系樹脂などが挙げられる。
更に上記積層フィルムや多層フィルムは各層の間に接着層を有することができる。上記接着層としては、特に限定されず一般に市販されている接着樹脂や上記樹脂の混合物を使用することができる。
フィルム基材に用いられるポリエステル系樹脂としては、例えば、ジカルボン酸とジオールとを重縮合させることにより得られる樹脂を使用することができる。
前記ポリエステル系樹脂を得るために用いられるジカルボン酸としては、例えば、o−フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、オクチルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、デカメチレンカルボン酸、これらの無水物及び低級アルキルエステル等が挙げられる。
前記ポリエステル系樹脂を得るために用いられるジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール)、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2、4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール類;2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロへキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロへキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール類等が挙げられる。
フィルム基材に用いられるポリスチレン系樹脂としては、例えば、芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体、又は、芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体と芳香族ビニル炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体との混合樹脂、ゴム変性耐衝撃性ポリスチレン等が挙げられる。上記芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体は、低温収縮性に優れることから、得られる熱収縮性多層ラベルは、シワ等が発生することなく、容器に容易に装着することができる。また、収縮仕上り性にも優れる。また、芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体と芳香族ビニル炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体との混合樹脂を用いた場合も、収縮仕上り性に優れるものとなる。また、ゴム変性耐衝撃性ポリスチレンを用いた場合も、収縮仕上り性に優れるものとなる。
上記芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体としては特に限定されず、例えば、芳香族ビニル炭化水素としてはスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン等が、共役ジエンとしては1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いられてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、特に低温収縮性やミシン目におけるカット性に優れることから、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS樹脂)が好適である。また、よりフィッシュアイの少ないフィルムを作製するためには、共役ジエンとして2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)を用いたスチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS樹脂)や、スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SIBS樹脂)等を用いることが好ましい。
上記芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体として、SBS樹脂、SIS樹脂又はSIBS樹脂を用いる場合には、1種の樹脂を単独で用いてもよく、複数の樹脂を組み合わせて用いてもよい。複数で用いる場合にはドライブレンドしてもよく、ある特定の組成にて押出機を用いて練り上げペレタイズしたコンパウンド樹脂を用いてもよい。このような樹脂を単独又は複数で用いて、スチレン含有量が65〜90質量%、共役ジエン含有量が10〜35質量%の組成とすることが好ましい。このような組成の樹脂は、特に低温収縮性やミシン目におけるカット性に優れる。一方、共役ジエン含有量が10質量%未満であると、フィルムにテンションをかけたときに切れ易くなり、印刷等のコンバーティングやラベルとして使用するときにフィルムが思いもよらず破断することがある。共役ジエン含有量が35質量%を超えると、成形加工時にゲル等の異物が発生しやすくなることがある。
上記芳香族ビニル炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体としては特に限定されず、例えば、芳香族ビニル炭化水素としてはスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン等が、不飽和カルボン酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いられてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記芳香族ビニル炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体として、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体を用いる場合、スチレン含有量が60〜90質量%、アクリル酸ブチル含有量が10〜40質量%であるものを用いることが好ましい。このような組成の芳香族ビニル炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体を用いることで、収縮仕上り性やミシン目カット性に優れる熱収縮性多層ラベルを得ることができる。
上記芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体と上記芳香族ビニル炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体との配合比率は、芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体20〜99質量%、芳香族ビニル炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体1〜80質量%である。この範囲であると、自然収縮率を効果的に抑えることができ、また充分な熱収縮率が得られ好ましい。
上記ゴム変性耐衝撃性ポリスチレンとは、スチレン、メタクリル酸アルキル、アクリル酸アルキルの3元共重合体からなる連続相と、共役ジエンを主体とするゴム成分からなる分散相とで構成されるものを基本とするものである。連続相を形成するメタクリル酸アルキルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等が、アクリル酸アルキルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル等が挙げられる。
連続相を形成する共重合体中のスチレンの割合は20〜80質量%が好ましく、30〜70質量%がより好ましい。メタクリル酸アルキルの割合は10〜50質量%が好ましく、15〜40質量%がより好ましい。アクリル酸アルキルの割合は1〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。また、分散相を形成する共役ジエンを主体とするゴム成分はポリブタジエン、或いはスチレン含有量が5〜30質量%のスチレン−ブタジエン共重合体が好ましい。
上記分散相における共役ジエンを主体とするゴム成分の粒子径は0.1〜1.2μmであることが好ましく、更に好ましくは0.3〜0.8μmである。分散相の粒子径が0.1μmを下回ると耐衝撃性が不充分となることがあり、1.2μmを上回ると中間層の透明性が低下することがある。
スチレン、メタクリル酸アルキル、アクリル酸アルキルの3元共重合体からなる連続相の割合は70〜95質量%、共役ジエンを主体とするゴム成分からなる分散相の割合は5〜20質量%が好ましい。分散相の割合が5質量%を下回ると耐衝撃性が不充分となることがあり、20質量%を上回ると中間層の透明性が低下することがある。
本発明の耐磨耗性を有する熱収縮性フィルムの総厚み(基材と耐磨耗層含めて)としては、10〜100μm程度、好ましくは20〜80μm程度、より好ましくは25〜70μm程度である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(工程1)コーティング材の調製
攪拌装置、温度計および還流冷却器を備えた四つ口フラスコ反応器に、水分散性ポリエステルとしてプラスコートZ−561(不揮発分25質量%、スルホン酸基含有タイプ、ガラス転移温度64℃)840質量部、イオン交換水29質量部を仕込み、80℃に昇温した。エチレン性不飽和単量体組成物としてメタクリル酸メチル58.5質量部、アクリル酸ブチル31.5質量部を予め攪拌混合し、調整した。反応器に過硫酸カリウム0.5質量部を投入し、同時にエチレン性不飽和単量体組成物も滴下を開始した。あわせて過硫酸カリウム0.75質量部をイオン交換水43.8質量部で溶解したものについて滴下を開始した。エチレン性不飽和単量体組成物及び重合開始剤は2時間かけて滴下した。なお、滴下中の反応器内の温度は80℃に保った。単量体組成物および重合開始剤の滴下終了後、80℃で1時間保持し、その後室温に冷却した。成膜助剤として、プロピレングリコールn−ブチルエーテル60質量部を添加し、エチレン性不飽和単量体の共重合エマルジョン(A−1)を得た。性状は、不揮発分30.7質量%、粘度40mPa・s、pH4.3だった。また、Foxの式で計算した、エチレン性不飽和単量体を重合して得られる重合体のガラス転移温度は、約30℃であった。なお、ポリエステル量は固形分換算で共重合エマルジョン中の70質量%であった。共重合エマルジョン(A−1)の100質量部に、ワックス系滑剤(B)としてポリエチレンワックスエマルジョン(東邦化学工業株式会社製ハイテックE−6400、不揮発分35%、融点120℃)10質量部を添加した。なお、ワックス系滑剤(B)の量はエマルジョンの樹脂分に対して固形分換算で11.7質量%であった。
(工程2)フィルム基材の成形
ポリエステル系樹脂を用いた熱収縮性フィルムとして、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールに由来する成分を67モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する成分を33モル%含有するポリエステル系樹脂を用いた。この樹脂をバレル温度が200〜250℃の押出機に投入し、250℃の多層ダイスからシート状に押出し、25℃の引き取りロールにて冷却固化した。
(工程3)熱収縮性フィルムの作製
次いで得られたフィルム基材をロール延伸機内で、80℃の低速ロールと85℃の高速ロール間でフィルムの流れ方向(以下、MD方向)に1.05倍に延伸した後に、グラビア方式により、前記(工程1)にて調整済みの水系コーティング材を塗布し、60℃の乾燥炉を通して乾燥した。次いで、水系コーティング材を塗布したフィルム基材を、予熱ゾーン100℃、延伸ゾーン90℃、固定ゾーン80℃のテンター延伸機内でフィルムの流れ方向と直行する方向(以下、TD方向)へ5.0倍に延伸した。その後、ワインダーで巻き取り、耐磨耗層を持つ熱収縮性フィルムを得た。得られた熱収縮性フィルムは、総厚みが約45μm、コーティング材の塗布量は固形分で0.3g/mであった。各特性の評価結果は表1に示した。なお、(工程2)フィルム基材の成形、(工程3)熱収縮性フィルムの作製は一連の工程として行った。
(実施例2)
(工程2)及び(工程3)を以下に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、熱収縮性フィルムを得た。
(工程2)フィルム基材の成形
ポリスチレン系樹脂を用いた熱収縮性フィルムとして、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(スチレン78質量%、ブタジエン22質量%:ビカット軟化点72℃、MFR5.6g/10分)を用いた。この樹脂をバレル温度が150〜200℃の押出機に投入し、200℃の多層ダイスからシート状に押出し、25℃の引き取りロールにて冷却固化した。
(工程3)熱収縮性フィルムの作製
次いで得られたフィルム基材を、ロール延伸機内で、80℃の低速ロールと85℃の高速ロール間でフィルムをMD方向に1.3倍に延伸した後に、グラビア方式により、前記(工程1)にて調整済みの水系コーティング材を塗布し、60℃の乾燥炉を通して乾燥した。次いで、水系コーティング材を塗布したフィルム基材を、予熱ゾーン110℃、延伸ゾーン90℃、固定ゾーン80℃のテンター延伸機内でフィルムをTD方向へ5.0倍に延伸した。その後、ワインダーで巻き取り、耐磨耗層を持つ熱収縮性フィルムを得た。得られた熱収縮性フィルムは、総厚みが約45μm、コーティング材の塗布量が固形分で1.0g/mであった。得られた熱収縮性フィルムの各特性の評価結果は表1に示す。なお、(工程2)フィルム基材の成形、(工程3)熱収縮性フィルムの作製は一連の工程として行った。
(実施例3)
(工程1)を以下に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、熱収縮性フィルムを得た。得られた熱収縮性フィルムの各特性の評価結果は表1に示す。
(工程1)コーティング材の調製
攪拌装置、温度計および還流冷却器を備えた四つ口フラスコ反応器に、水分散性ポリエステルとしてプラスコートZ−561(不揮発分25質量%、スルホン酸基含有タイプ、ガラス転移温度64℃)120質量部、イオン交換水580質量部を仕込み、80℃に昇温した。エチレン性不飽和単量体組成物としてメタクリル酸メチル175.5質量部、アクリル酸ブチル94.5質量部を予め攪拌混合し、調整した。反応器に過硫酸カリウム0.5質量部を投入し、同時にエチレン性不飽和単量体組成物も滴下を開始した。あわせて過硫酸カリウム0.75質量部をイオン交換水43.8質量部で溶解したものについて滴下を開始した。エチレン性不飽和単量体組成物及び重合開始剤は2時間かけて滴下した。なお、滴下中の反応器内の温度は80℃に保った。単量体組成物および重合開始剤の滴下終了後、80℃で1時間保持し、その後室温に冷却した。成膜助剤として、プロピレングリコールn−ブチルエーテル60質量部を添加し、エチレン性不飽和単量体の共重合エマルジョン(A−2)を得た。性状は、不揮発分30.1質量%、粘度25mPa・s、pH3.9だった。また、Foxの式で計算した、エチレン性不飽和単量体を重合して得られる重合体のガラス転移温度は、約30℃であった。なお、ポリエステル量は固形分換算で共重合エマルジョン中の10質量%であった。共重合エマルジョン(A−2)の100質量部に、ワックス系滑剤(B)としてポリエチレンワックスエマルジョン(東邦化学工業株式会社製ハイテックE−6400、不揮発分35%、融点120℃)10質量部を添加した。なお、ワックス系滑剤(B)の量はエマルジョンの樹脂分に対して固形分換算で11.7質量%であった。
(実施例4)
(工程1)を以下に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、熱収縮性フィルムを得た。得られた熱収縮性フィルムの各特性の評価結果は表1に示す。
(工程1)コーティング材の調製
攪拌装置、温度計および還流冷却器を備えた四つ口フラスコ反応器に、水分散性ポリエステルとしてプラスコートZ−561(不揮発分25質量%、スルホン酸基含有タイプ、ガラス転移温度64℃)480質量部、イオン交換水300質量部を仕込み、80℃に昇温した。エチレン性不飽和単量体組成物としてメタクリル酸メチル117.0質量部、アクリル酸ブチル63.0質量部を予め攪拌混合し、調整した。反応器に過硫酸カリウム0.5質量部を投入し、同時にエチレン性不飽和単量体組成物も滴下を開始した。あわせて過硫酸カリウム0.75質量部をイオン交換水43.8質量部で溶解したものについて滴下を開始した。エチレン性不飽和単量体組成物及び重合開始剤は2時間かけて滴下した。なお、滴下中の反応器内の温度は80℃に保った。単量体組成物および重合開始剤の滴下終了後、80℃で1時間保持し、その後室温に冷却した。成膜助剤として、プロピレングリコールn−ブチルエーテル60質量部を添加し、エチレン性不飽和単量体の共重合エマルジョン(A−3)を得た。性状は、不揮発分30.7質量%、粘度30mPa・s、pH3.5だった。また、Foxの式で計算した、エチレン性不飽和単量体を重合して得られる重合体のガラス転移温度は、約30℃であった。なお、ポリエステル量は固形分換算で共重合エマルジョン中の40質量%であった。共重合エマルジョン(A−3)の100質量部に、ワックス系滑剤(B)としてポリエチレンワックスエマルジョン(東邦化学工業株式会社製ハイテックE−6400、不揮発分35%、融点120℃)10質量部を添加した。なお、ワックス系滑剤(B)の量はエマルジョンの樹脂分に対して固形分換算で11.7質量%であった。
(実施例5)
(工程1)を以下に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、熱収縮性フィルムを得た。得られた熱収縮性フィルムの各特性の評価結果は表1に示す。
(工程1)コーティング材の調製
攪拌装置、温度計および還流冷却器を備えた四つ口フラスコ反応器に、水分散性ポリエステルとしてプラスコートZ−561(不揮発分25質量%、スルホン酸基含有タイプ、ガラス転移温度64℃)1080質量部を仕込み、80℃に昇温した。エチレン性不飽和単量体組成物としてメタクリル酸メチル19.5質量部、アクリル酸ブチル10.5質量部を予め攪拌混合し、調整した。反応器に過硫酸カリウム0.2質量部を投入し、同時にエチレン性不飽和単量体組成物も滴下を開始した。あわせて過硫酸カリウム0.25質量部をイオン交換水10.0質量部で溶解したものについて滴下を開始した。エチレン性不飽和単量体組成物及び重合開始剤は2時間かけて滴下した。なお、滴下中の反応器内の温度は80℃に保った。単量体組成物および重合開始剤の滴下終了後、80℃で1時間保持し、その後室温に冷却した。成膜助剤として、プロピレングリコールn−ブチルエーテル60質量部を添加し、エチレン性不飽和単量体の共重合エマルジョン(A−4)を得た。性状は、不揮発分27.4質量%、粘度10mPa・s、pH3.1だった。また、Foxの式で計算した、エチレン性不飽和単量体を重合して得られる重合体のガラス転移温度は、約30℃であった。なお、ポリエステル量は固形分換算で共重合エマルジョン中の90質量%であった。共重合エマルジョン(A−4)の100質量部に、ワックス系滑剤(B)としてポリエチレンワックスエマルジョン(東邦化学工業株式会社製ハイテックE−6400、不揮発分35%、融点120℃)10質量部を添加した。なお、ワックス系滑剤(B)の量はエマルジョンの樹脂分に対して固形分換算で12.8質量%であった。
(実施例6)
(工程1)を以下に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、熱収縮性フィルムを得た。得られた熱収縮性フィルムの各特性の評価結果は表2に示す。
(工程1)コーティング材の調製
攪拌装置、温度計および還流冷却器を備えた四つ口フラスコ反応器に、水分散性ポリエステルとしてペスレジンA−515GE(不揮発分30質量%、スルホン酸基含有タイプ、ガラス転移温度35℃)840質量部、イオン交換水169質量部を仕込み、80℃に昇温した。エチレン性不飽和単量体組成物としてメタクリル酸メチル58.5質量部、アクリル酸ブチル31.5質量部を予め攪拌混合し、調整した。反応器に過硫酸カリウム0.5質量部を投入し、同時にエチレン性不飽和単量体組成物も滴下を開始した。あわせて過硫酸カリウム0.75質量部をイオン交換水43.8質量部で溶解したものについて滴下を開始した。エチレン性不飽和単量体組成物及び重合開始剤は2時間かけて滴下した。なお、滴下中の反応器内の温度は80℃に保った。単量体組成物および重合開始剤の滴下終了後、80℃で1時間保持し、その後室温に冷却した。成膜助剤として、プロピレングリコールn−ブチルエーテル60質量部を添加し、エチレン性不飽和単量体の共重合エマルジョン(A−5)を得た。性状は、不揮発分30.5質量%、粘度30mPa・s、pH4.5だった。また、Foxの式で計算した、エチレン性不飽和単量体を重合して得られる重合体のガラス転移温度は、約30℃であった。なお、ポリエステル量は固形分換算で共重合エマルジョン中の70質量%であった。共重合エマルジョン(A−5)の100質量部に、ワックス系滑剤(B)としてポリエチレンワックスエマルジョン(東邦化学工業株式会社製ハイテックE−6400、不揮発分35%、融点120℃)10質量部を添加した。なお、ワックス系滑剤(B)の量はエマルジョンの樹脂分に対して固形分換算で11.7質量%であった。
(実施例7)
(工程1)を以下に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、熱収縮性フィルムを得た。得られた熱収縮性フィルムの各特性の評価結果は表2に示す。
(工程1)コーティング材の調製
攪拌装置、温度計および還流冷却器を備えた四つ口フラスコ反応器に、水分散性ポリエステルとしてプラスコートZ−561(不揮発分25質量%、スルホン酸基含有タイプ、ガラス転移温度64℃)529質量部、プラスコートZ−690(不揮発分25質量%、カルボン酸基含有タイプ、ガラス転移温度110℃)311質量部、イオン交換水29質量部を仕込み、80℃に昇温した。エチレン性不飽和単量体組成物としてメタクリル酸メチル58.5質量部、アクリル酸ブチル31.5質量部を予め攪拌混合し、調整した。反応器に過硫酸カリウム0.5質量部を投入し、同時にエチレン性不飽和単量体組成物も滴下を開始した。あわせて過硫酸カリウム0.75質量部をイオン交換水43.8質量部で溶解したものについて滴下を開始した。エチレン性不飽和単量体組成物及び重合開始剤は2時間かけて滴下した。なお、滴下中の反応器内の温度は80℃に保った。単量体組成物および重合開始剤の滴下終了後、80℃で1時間保持し、その後室温に冷却した。成膜助剤として、プロピレングリコールn−ブチルエーテル100質量部を添加し、エチレン性不飽和単量体の共重合エマルジョン(A−6)を得た。性状は、不揮発分31.0質量%、粘度30mPa・s、pH4.1だった。また、Foxの式で計算した、エチレン性不飽和単量体を重合して得られる重合体のガラス転移温度は、約30℃であった。なお、ポリエステル量は固形分換算で共重合エマルジョン中の70質量%であった。共重合エマルジョン(A−6)の100質量部に、ワックス系滑剤(B)としてポリエチレンワックスエマルジョン(東邦化学工業株式会社製ハイテックE−6400、不揮発分35%、融点120℃)10質量部を添加した。なお、ワックス系滑剤(B)の量はエマルジョンの樹脂分に対して固形分換算で11.7質量%であった。
(実施例8)
(工程1)を以下に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、熱収縮性フィルムを得た。得られた熱収縮性フィルムの各特性の評価結果は表2に示す。
(工程1)コーティング材の調製
攪拌装置、温度計および還流冷却器を備えた四つ口フラスコ反応器に、水分散性ポリエステルとしてプラスコートZ−561(不揮発分25質量%、スルホン酸基含有タイプ、ガラス転移温度64℃)840質量部、イオン交換水29質量部を仕込み、80℃に昇温した。エチレン性不飽和単量体組成物としてメタクリル酸メチル41.5質量部、アクリル酸ブチル48.5質量部を予め攪拌混合し、調整した。反応器に過硫酸カリウム0.5質量部を投入し、同時にエチレン性不飽和単量体組成物も滴下を開始した。あわせて過硫酸カリウム0.75質量部をイオン交換水43.8質量部で溶解したものについて滴下を開始した。エチレン性不飽和単量体組成物及び重合開始剤は2時間かけて滴下した。なお、滴下中の反応器内の温度は80℃に保った。単量体組成物および重合開始剤の滴下終了後、80℃で1時間保持し、その後室温に冷却した。成膜助剤として、プロピレングリコールn−ブチルエーテル30質量部を添加し、エチレン性不飽和単量体の共重合エマルジョン(A−7)を得た。性状は、不揮発分30.0質量%、粘度35mPa・s、pH4.3だった。また、Foxの式で計算した、エチレン性不飽和単量体を重合して得られる重合体のガラス転移温度は、約0℃であった。なお、ポリエステル量は固形分換算で共重合エマルジョン中の70質量%であった。共重合エマルジョン(A−7)の100質量部に、ワックス系滑剤(B)としてポリエチレンワックスエマルジョン(東邦化学工業株式会社製ハイテックE−6400、不揮発分35%、融点120℃)10質量部を添加した。なお、ワックス系滑剤(B)の量はエマルジョンの樹脂分に対して固形分換算で11.7質量%であった。
(実施例9)
(工程1)を以下に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、熱収縮性フィルムを得た。得られた熱収縮性フィルムの各特性の評価結果は表2に示す。
(工程1)コーティング材の調製
攪拌装置、温度計および還流冷却器を備えた四つ口フラスコ反応器に、水分散性ポリエステルとしてプラスコートZ−561(不揮発分25質量%、スルホン酸基含有タイプ、ガラス転移温度64℃)840質量部、イオン交換水29質量部を仕込み、80℃に昇温した。エチレン性不飽和単量体組成物としてメタクリル酸メチル73.0質量部、アクリル酸ブチル17.0質量部を予め攪拌混合し、調整した。反応器に過硫酸カリウム0.5質量部を投入し、同時にエチレン性不飽和単量体組成物も滴下を開始した。あわせて過硫酸カリウム0.75質量部をイオン交換水43.8質量部で溶解したものについて滴下を開始した。エチレン性不飽和単量体組成物及び重合開始剤は2時間かけて滴下した。なお、滴下中の反応器内の温度は80℃に保った。単量体組成物および重合開始剤の滴下終了後、80℃で1時間保持し、その後室温に冷却した。成膜助剤として、プロピレングリコールn−ブチルエーテル80質量部を添加し、エチレン性不飽和単量体の共重合エマルジョン(A−8)を得た。性状は、不揮発分30.3質量%、粘度45mPa・s、pH4.0だった。また、Foxの式で計算した、エチレン性不飽和単量体を重合して得られる重合体のガラス転移温度は、約60℃であった。なお、ポリエステル量は固形分換算で共重合エマルジョン中の70質量%であった。共重合エマルジョン(A−8)の100質量部に、ワックス系滑剤(B)としてポリエチレンワックスエマルジョン(東邦化学工業株式会社製ハイテックE−6400、不揮発分35%、融点120℃)10質量部を添加した。なお、ワックス系滑剤(B)の量はエマルジョンの樹脂分に対して固形分換算で11.7質量%であった。
(実施例10)
(工程1)及び(工程3)を以下に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、熱収縮性フィルムを得た。
(工程1)に用いたワックス系滑剤(B)として、パラフィンワックスエマルジョン(ビックケミー・ジャパン株式会社製AQUACER−539、不揮発分35%、融点90℃)10質量部を添加した以外は実施例1と同様の操作を行い、熱収縮性フィルムを得た。なお、ワックス系滑剤(B)の量はエマルジョンの樹脂分に対して固形分換算で11.7質量%であった。
(工程3)にて得られたフィルム基材を、グラビア方式により、前記(工程1)にて調整済みの水系コーティング材を塗布し、60℃の乾燥炉を通して乾燥した。次いで、水系コーティング材を塗布したフィルム基材を、ロール延伸機内で、80℃の低速ロールと85℃の高速ロール間でフィルムをMD方向に1.05倍に延伸した後に、テンター延伸機内で予熱ゾーン100℃、延伸ゾーン90℃、固定ゾーン80℃でフィルムをTD方向へ5.0倍に延伸した。その後、ワインダーで巻き取り、耐磨耗層を持つ熱収縮性フィルムを得た。得られた熱収縮性フィルムは、総厚みが約45μm、コーティング材の塗布量が0.7g/mであった。得られた熱収縮性フィルムの各特性の評価結果は表2に示す。
(実施例11)
(工程1)を以下に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、熱収縮性フィルムを得た。(工程1)に用いるワックス系滑剤(B)としてポリプロピレンワックスエマルジョン(ビックケミー・ジャパン株式会社製AQUACER−593、不揮発分30%、融点160℃)10質量部を添加した以外は実施例1と同様の操作を行い、熱収縮性フィルムを得た。なお、ワックス系滑剤(B)の量はエマルジョンの樹脂分に対して固形分換算で13.7質量%であった。得られた熱収縮性フィルムの各特性の評価結果は表3に示す。
(実施例12)
(工程1)に用いるワックス系滑剤(B)として、ポリエチレンワックスエマルジョン(東邦化学工業株式会社製ハイテックE−6400、不揮発分35%、融点120℃)25質量部を添加した以外は実施例1と同様の操作を行い、熱収縮性フィルムを得た。なお、ワックス系滑剤(B)の量はエマルジョンの樹脂分に対して固形分換算で29.1質量%であった。得られた熱収縮性フィルムの各特性の評価結果は表3に示す。
(実施例13)
(工程1)に用いるワックス系滑剤(B)としてポリエチレンワックスエマルジョン(東邦化学工業株式会社製ハイテックE−6400、不揮発分35%、融点120℃)1質量部を添加した以外は実施例1と同様の操作を行い、熱収縮性フィルムを得た。なお、ワックス系滑剤(B)の量はエマルジョンの樹脂分に対して固形分換算で1.2質量%であった。得られた熱収縮性フィルムの各特性の評価結果は表3に示す。
(比較例1)
(工程1)を以下に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、熱収縮性フィルムを得た。得られた熱収縮性フィルムの各特性の評価結果は表3に示す。
(工程1)コーティング材の調製
(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョン(昭和電工株式会社製ポリゾールAP−4690、不揮発分35%、粘度50mPa・s、ガラス転移温度15℃)100質量部に、ポリエチレンワックスエマルジョン(東邦化学工業株式会社製ハイテックE−6400、不揮発分35%、融点120℃)10質量部を添加した。
(比較例2)
(工程1)を以下に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、熱収縮性フィルムを得た。得られた熱収縮性フィルムの各特性の評価結果は表3に示す。
(工程1)コーティング材の調製
水分散性ポリエステルエマルジョン(互応化学工業株式会社製プラスコートZ−561、不揮発分25質量%、スルホン酸基含有タイプ、ガラス転移温度64℃、酸価2.5)100質量部に、ポリエチレンワックスエマルジョン(東邦化学工業株式会社製ハイテックE−6000S、不揮発分35%、融点140℃)10質量部を添加した。
(比較例3)
(工程1)に用いたワックス系滑剤(B)を0質量部に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、熱収縮性フィルムを得た。得られた熱収縮性フィルムの各特性の評価結果は表3に示す。
(評価)
得られた熱収縮性フィルムの各特性については、下記の方法により評価した。
[ヘイズ]
日本電色工業株式会社製NDH5000を用いJIS−K−6782に基づいて試験した。評価基準は、ヘイズ値10%以下をヘイズ良好とした。
[光沢度]
日本電色工業株式会社製VG2000を用いJIS−Z−8741に基づいて入射角45°にて試験した。評価基準は、光沢度135%以上を光沢良好とした。
[密着性]
耐磨耗層(熱収縮性フィルムの水性コーティング材を塗布した面)にセロファンテープ(JIS5600−5−6に準拠の透明感圧付着テープ)を貼り付け、指で強く押さえて密着させた後、一気に剥がし、密着性を評価した。耐磨耗層がセロファンテープに剥ぎ取られているかどうかを目視にて判断し、全く剥離しないものを密着性良好とした。
[フィルム収縮時の耐磨耗層の密着性]
熱収縮性フィルムを10cm×10cmの大きさにカットし、これを100℃の湯に10秒浸漬し、フィルムを収縮させた。次に、収縮したフィルムを湯槽から引き上げ、5秒以内にフィルムが濡れている状態で、耐磨耗層を指で強く擦り、耐磨耗層の剥がれの有無を確認し、耐磨耗層の剥がれが無い物を密着性良好とした。
[耐磨耗性]
形が錐状のポリアセタール製の治具に、テープ等を用いて耐磨耗層を外面にして熱収縮性フィルムを装着し、錐状の治具の頂点を、該フィルムを介してボール紙(コクヨCampus板目美濃判用430g/m)に接触させた。この際に、該フィルムの耐磨耗層がボール紙と接触するようにした。頂点のRは摺動方向R=0.1〜1.0mm、摺動方向と直角の方向R=0.1〜1.0mmとした。次に、治具に200gの荷重を乗せた。湿度65%の条件下で、治具を3000mm/秒の速度で、かつ移動距離45mmの範囲でボール紙に対して平行に摺動させ、ピンホールができるまでの摺動回数を数えた。ピンホールの発生は、熱収縮性フィルムに治具の頂点が当たっていたところに浸透液を滴下して、白色紙の上で浸透するか否かにより判定した。8枚のサンプルについてピンホールができるまでの摺動回数を測定し、その平均値を算出した。摺動回数が350回以上を耐磨耗性良好とした。
[耐ブロッキング性]
熱収縮性フィルムを3cm×10cmの大きさにカットし、試料として10枚採取した。このとき該フィルムのいずれの面が耐磨耗層面と印刷面(非耐磨耗層)であるかが分かるように明確にしておいた。3cm×16cmのわら半紙の上に、2枚の熱収縮フィルムの耐磨耗層面(コート面)と反対面(印刷面)が向き合うように、且つ、わら半紙の長手方向の中央幅4cmの位置で2枚の熱収縮性フィルムが重なるようにセットし、さらにその上にわら半紙を、2つのわら半紙の四辺の位置がずれないように重ねた。つまり、わら半紙の一方の短辺と熱収縮性フィルムの一方の短辺を同じ位置で重ね、わら半紙の他方の短辺と別の熱収縮性フィルムの一方の短辺を同じ位置で重ねることで、わら半紙の両短辺から長手方向に沿って6cmよりも中央側の位置で、熱収縮性フィルムは3cm×4cmの面積で重なり合うことになり、さらにこの上にわら半紙が重ねられる。この操作を繰り返し、2枚の熱収縮性フィルムとわら半紙からなる層を5層重ね、上面と下面がわら半紙となるようにして、ブロッキング測定試料とした。これを3cm×16cmの厚紙2枚で挟んでサンドイッチにし、その両端を目玉クリップで止め、600gの重りを厚紙の上にセットした。これを40℃の恒温槽に24時間静置し、その後、恒温槽から試料を取り出して、目玉クリップ、重りをブロッキング測定面が剥離しないように外し、約20分室温下で静置した。次に、1組ずつブロッキング測定面が剥離しないように剥離試験機にセットし、剥離強度を測定した。結果を、表1〜3のブロッキング 耐摩耗面vs印刷面の欄に示す。
熱収縮性フィルムの耐磨耗層面と印刷面を向き合うようにして耐ブロッキング性を測定したのと、同様に、耐磨耗層面と耐磨耗層面が向き合うようにして、2枚の熱収縮性フィルムとわら半紙からなる層を5層重ね、上面と下面がわら半紙となるようにして、ブロッキング測定試料とした。これを3cm×16cmの厚紙2枚で挟んでサンドイッチにし、その両端を目玉クリップで止め、600gの重りを厚紙の上にセットした。これを40℃の恒温槽に24時間静置し、その後、恒温槽から試料を取り出して、目玉クリップ、重りをブロッキング測定面が剥離しないように外し、約20分室温下で静置した。次に、1組ずつブロッキング測定面が剥離しないように剥離試験機にセットし、剥離強度を測定した。結果を、表1〜3のブロッキング 耐摩耗層面vs耐摩耗層面の欄に示す。
剥離強度の値は「g」で読み取り、0.25kg/3cm×4cm以下をブロッキング性良好とした。
[延伸性]
延伸性は、横延伸の時((工程3)においてTD方向へ延伸した時)、基材が破れないとともに、目視でフィルムが白化しないことが確認された場合に、均一延伸されたと判断した。均一延伸されたフィルムは、表中、「○」で表される。これは、フィルムは延伸できても、コーティング膜に白化などの不具合が生じることがないことを確認したものである。
[塗布性]
コーティング材の塗布性については、フィルム基材にコーティングした直後にフィルム上にハジキがないか目視によって評価した。これは、コーティング液が均一にレベリングしていることを確認したものである。なお、ハジキが生じた場合には、フィルム上にコーティング液が玉状に凝集することから容易に確認することが可能である。
[輸送試験]
得られたフィルムを筒状に加工してラベルを作製し、日本コカ・コーラ株式会社製「香りと深みの爽健美茶(登録商標)350ml」の角型PETボトルの容器に被せて、蒸気トンネルに通し、ボトルに装着させた。24本のPETボトルを該PETボトルが入っていたダンボールに入れて、トラックにて輸送を実施した(滋賀県守山市〜福島県本宮市の間を、運送会社を利用して往復輸送を実施した、輸送距離 約682km、輸送時間 約10時間)。各ダンボール内のボトル24本中のラベルの穴あき個数を、目視で計測した。穴あきは、1mm程度の穴があいている場合を穴あき1個とした。評価はn=3で行い、24本中で穴あきが発生したボトルが平均5本以下、又は24本中について1本中の穴あき個数が平均0.5個以下を合格とした。
以上の試験結果を、下記表1〜3に示す。
Figure 0005519864
Figure 0005519864
Figure 0005519864
実施例1〜13と比較例1〜3との比較の結果から、本発明の熱収縮性フィルムを容器の熱収縮性ラベルとして用いた場合、輸送時の表面の耐磨耗性に優れた熱収縮性フィルムが得られる事がわかる。

Claims (7)

  1. 水溶性ポリエステル又は水分散性ポリエステルを保護コロイドとするエチレン性不飽和単量体の重合体からなるエマルジョン(A)及びワックス系滑剤(B)からなる水性コーティング材を、ポリエステル系樹脂又はポリスチレン系樹脂からなるフィルム基材に塗布してなることを特徴とする熱収縮性フィルム。
  2. ワックス系滑剤(B)がポリエチレン系ワックス又はポリプロピレン系ワックスであり、融点が90〜160℃である請求項1に記載の熱収縮性フィルム。
  3. ワックス系滑剤(B)の含有量が、エマルジョン(A)の樹脂固形分100質量部に対して1〜30質量である請求項1又は2に記載の熱収縮性フィルム。
  4. 水溶性ポリエステル又は水分散性ポリエステルの固形分が、エマルジョン(A)の固形分に対して10〜90質量%である請求項1、2又は3に記載の熱収縮性フィルム。
  5. 前記重合体のガラス転移温度が0〜60℃である請求項1〜4のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
  6. 水溶性ポリエステル又は水分散性ポリエステルのガラス転移温度が、30〜80℃である請求項1〜5のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の熱収縮性フィルムを用いてなることを特徴とする熱収縮性ラベル。
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