JP5518663B2 - スキューロータとその製造方法 - Google Patents

スキューロータとその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5518663B2
JP5518663B2 JP2010225769A JP2010225769A JP5518663B2 JP 5518663 B2 JP5518663 B2 JP 5518663B2 JP 2010225769 A JP2010225769 A JP 2010225769A JP 2010225769 A JP2010225769 A JP 2010225769A JP 5518663 B2 JP5518663 B2 JP 5518663B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
circumferential direction
rotors
outer peripheral
skew
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010225769A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012080718A (ja
Inventor
洋史 鈴森
正幸 稲田
秀雄 和地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2010225769A priority Critical patent/JP5518663B2/ja
Publication of JP2012080718A publication Critical patent/JP2012080718A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5518663B2 publication Critical patent/JP5518663B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
  • Manufacture Of Motors, Generators (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)

Description

この発明は、スキューロータとその製造方法に関するものである。
モータ等の回転電機のロータにおいて、2つのロータを組み合わせることでスキューさせた一体のロータを構成することが知られている。このようなスキューロータを製造する際には、ロータスキュー角度を予め設定された許容規定値内に収めることが重要であり、そのために、従来は一体化する前の各ロータに、予め位置決めの基準となる指標を専用で設けておき、この指標を合わせることで2つのロータを設定されたスキュー角度に配置している。そして、完成検査において、高精度の検査が可能な三次元測定を行うことで精度保証をしている。そのため、生産効率が低くなったり、コストアップになるなど、大きな課題がある。
ところで、ロータには、ロータコアの外周側に設けられた永久磁石間に一対の溝を設け、その溝間を磁束通過部となる突極としたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
そこで、このようなロータを2つ組み合わせてスキューロータを構成する際に、前記溝に治具を挿入して、設定されたロータスキュー角度に一致するように2つのロータの位置決めを行うことが考えられる。このようにすると、ロータに予め専用の指標を設けておく必要がなくなる。
特開2005−117855号公報
しかしながら、前記ロータに設けられている従来の溝は、治具の挿入を考慮して決定された形状ではないため、治具をロータに対して正しい姿勢に精度良くセットすることが困難であり、治具が精確にセットされていない状態では、2つのロータを高精度のスキュー角度に配置することは不可能である。
また、前記溝の形状は、磁束の経路に影響を及ぼすため、安易な溝形状の変更は、モータトルクの減少、トルクリップルの増大、磁束飽和の原因となり、ロータの性能を低下しかねない。
そこで、この発明は、ロータ性能を低下させることがなく、予め設定されたスキュー角度にロータを精度良く配置することが可能なスキューロータと、その製造方法を提供するものである。
この発明に係るスキューロータでは、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
請求項1に係る発明は、円柱状のロータコア(例えば、後述する実施例におけるロータコア2)の外周部に周方向略等間隔に形成された開口部(例えば、後述する実施例における開口部11,11A,11B)内に永久磁石(例えば、後述する実施例における永久磁石3,3A,3B)が保持されたロータ(例えば、後述する実施例におけるロータ1)を複数備え、複数の前記ロータが中心軸を一致させて軸方向に並んで配置されるとともに、隣接する二つのロータ同士が互いに周方向に所定角度ずらして配置されて一体に構成されたスキューロータ(例えば、後述する実施例におけるスキューロータ100)であって、
前記各ロータは、前記ロータコアの外周部における隣り合う前記開口部間に、前記ロータコアの外周面から径方向内側に延びる一対の溝部(例えば、後述する実施例における溝部20)が周方向に離間して形成され、この一対の溝部に挟まれて磁束通過部となる突極(例えば、後述する実施例における突極10)が形成され、
前記突極は、該突極の周方向の厚みが径方向内側よりも外周縁部の方が厚くなるように、該突極の頂部(例えば、後述する実施例における頂部10b)を周方向に延設して形成された突出部(例えば、後述する実施例における突出部23)を有し、
前記溝部の壁面であって前記突出部と周方向に対向する壁面(例えば、後述する実施例における壁面24)が、ロータの径方向と平行となるように形成されていることを特徴とするスキューロータである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記突出部を含む前記突極の外周面(例えば、後述する実施例における外周面10a)は、前記ロータコアの最大半径と同径となっていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記各ロータは、前記ロータコアの前記永久磁石が配置された磁極部の外周面(例えば、後述する実施例における外周面9a)における周方向端部(例えば、後述する実施例における周方向端部Q3)とロータ中心(例えば、後述する実施例における中心P)との距離が、前記突出部の外周面(例えば、後述する実施例における外周面10a)における周方向端部(例えば、後述する実施例における周方向端部Q2)とロータ中心との距離よりも短いことを特徴とする。
請求項に係る発明は、複数のロータ(例えば、後述する実施例におけるロータ1)が中心軸を一致させて軸方向に並んで配置されるとともに、隣接する二つのロータ同士が互いに周方向に所定角度ずらして配置されて一体に構成されたスキューロータ(例えば、後述する実施例におけるスキューロータ100)の製造方法であって、
前記各ロータには、円柱状のロータコア(例えば、後述する実施例におけるロータコア2)の外周部に周方向略等間隔に形成された開口部(例えば、後述する実施例における開口部11,11A,11B)内に永久磁石(例えば、後述する実施例における永久磁石3,3A,3B)が保持され、前記ロータコアの外周部における隣り合う前記開口部間に、前記ロータコアの外周面から径方向内側に延びる一対の溝部(例えば、後述する実施例における溝部20)が周方向に離間して形成され、この一対の溝部に挟まれて磁束通過部となる突極(例えば、後述する実施例における突極10)が形成され、前記突極は、該突極の周方向の厚みさが径方向内側よりも外周縁部の方が厚くなるように、該突極の頂部(例えば、後述する実施例における頂部10b)から周方向に延設して形成された突出部(例えば、後述する実施例における突出部23)を有し、前記溝部の壁面であって前記突出部と周方向に対向する壁面(例えば、後述する実施例における壁面24)が、ロータの径方向と平行となるように形成され、前記ロータコアの前記永久磁石が配置された磁極部の外周面(例えば、後述する実施例における外周面9a)における周方向端部(例えば、後述する実施例における周方向端部Q3)とロータ中心(例えば、後述する実施例における中心P)との距離が、前記突出部の外周面(例えば、後述する実施例における外周面10a)における周方向端部(例えば、後述する実施例におけるQ2)とロータ中心との距離よりも短いロータを用い、
各ロータの前記溝部に挿入可能で、挿入する際に、該溝部に隣接する前記突出部に点接触し、前記突出部と周方向に対向する前記溝部の壁面に面接触する治具(例えば、後述する実施例における位置決め治具303A,303B)を複数用意し、
前記複数のロータを中心軸を一致させて軸方向に並んで配置し、
前記各ロータの外側にそれぞれ前記治具を、隣り合うロータの治具同士が周方向に予め設定されたスキュー角度だけずらした位置となるように位置決めして配置し、
前記各治具を対応するロータの前記溝部に挿入することで、隣り合うロータを周方向に前記スキュー角度だけずれるように位置決めし、
位置決めされた前記複数のロータを互いに相対回転不能に固定することを特徴とするスキューロータの製造方法である。
請求項1に係る発明によれば、突極が突出部を有しているので、磁極部と突極とを離隔する溝部の幅を確保しつつ、突極の面積をできる限り大きく確保することができ、その結果、突極に磁束を通過させ易くすることができ、q軸インダクタンスが増加してトルクを増大することができる。
また、溝部の壁面であって前記突出部と周方向に対向する壁面が、ロータの径方向と平行となるように形成されているので、突出部に点接触し前記壁面に面接触する治具を用いてロータの周方向位置を容易且つ精確に位置決めをすることが可能となる。
請求項に係る発明によれば、磁極部の端部において磁極部の外周面とステータとのギャップを大きくすることができ、コギングトルクおよびトルクリップルを低減することができる。その結果、モータ駆動時に騒音や振動が生じるのを抑制することができる。
請求項に係る発明によれば、複数のロータを互いに周方向に所定角度だけずらして位置決めし一体とすることが、容易且つ精確に行うことができる。
この発明の実施例におけるスキューロータの平面図である。 前記実施例のスキューロータに用いられるロータの正面図である。 前記実施例のロータの要部を拡大して示す正面図である。 前記実施例のロータの溝部に治具を挿入した状態を示す要部拡大図である。 ロータの突極の突出部とロータの位置決め精度との関係を説明するための図である。 スキューロータの製造方法に用いる製造装置の斜視図である。 治具の取り付け位置を示す平面図である。
以下、この発明に係るスキューロータとその製造方法の実施例を図1から図7の図面を参照して説明する。なお、この実施例におけるスキューロータは、車両用モータユニットのモータに組み込まれるスキューロータとしての態様である。
図1はこの実施例におけるスキューロータの平面図である。
スキューロータ100は、1本のロータシャフト101に2つの同一構成のロータ1,1が軸方向に並んで固定されてなり、2つのロータ1,1は互いにその周方向に所定角度ずらして配置されている。換言すると、スキューロータ100は、2つのロータ1,1が中心軸を一致させて軸方向に並んで配置されるとともに、2つのロータ1,1同士が互いに周方向に所定角度ずらして配置されて一体に構成されている。ここで、前記所定角度は、予め設定されたスキュー角度(以下、設計スキュー角度と言う)である。
図2,図3を参照してロータ1を詳しく説明する。
図2は、ロータ1を軸方向から見た正面図であり、図3はその一部を拡大した図である。
このロータ1は、複数積層された正面視略円形の磁性鋼板をかしめて一体化されたロータコア2と、ロータコア2の外周近傍に保持された複数の永久磁石3とを備えて構成されている。なお、以下の説明において、径方向とは特に断らない限りロータコア2の径方向(すなわちロータ1の径方向)を言い、周方向とはロータコア2の周方向(すなわちロータ1の周方向)を言い、軸方向とはロータコア2の軸方向(すなわちロータ1の軸方向でありロータシャフト101の軸方向)を言うものとする。
ロータコア2は、その中央にロータシャフト固定用の丸孔4を有し、この丸孔4にロータシャフト101が圧入固定される。
ロータコア2の外周部には、8つの磁極部9が周方向等間隔(即ち、45度間隔)に設けられ、隣接する磁極部9,9間に突極10が設けられている。磁極部9の外周面9aとロータコア2の中心Pとの距離は、周方向における中央Q1において最大となっていて、中央Q1から周方向の端部Q3に接近するにしたがって徐々に距離が小さくなり、周方向の端部Q3において距離が最小となっている。つまり、磁極部9の外周面9aは湾曲している。
磁極部9の外周面9aをこのように湾曲して形成する結果、図3に示すように、磁極部9の外周面9aとステータ200との隙間(ギャップ)は、磁極部9の周方向中央Q1よりも磁極部9の周方向端部Q3において大きくなる。
磁極部9には永久磁石3を保持するための開口部11が形成されている。開口部11は、磁極部9の周方向中央において径方向に沿って形成されたリブ12によって、開口部11Aと開口部11Bに二分割されている。永久磁石3も同一磁性の2つの永久磁石3A,3Bに分割されていて、開口部11Aに永久磁石3Aが、開口部11Bに永久磁石3Bが装着されている。永久磁石3A,3Bは正面視長方形の直方体形状をなし、同一形状、同一寸法に形成されている。
開口部11A,11Bはリブ12を挟んで左右対称形をなしている。ここでは、開口部11Aについて説明し、開口部11Bについては説明を省略する。
開口部11Aは、永久磁石3Aの各側面を保持する4つの壁部13,14,15,16を備え、リブ12の外面に対応する第1壁部13と第1壁部13に対向して配置された第2壁部14は、磁極部9の外周面9aにおける周方向中央Q1とロータコア2の中心Pとを結ぶ直線と平行な直線状に形成され、径方向内側と外側にて互いに平行に配置された第3壁部15と第4壁部16は、第1壁部13および第2壁部14に対して直交する方向に直線状に形成されている。第2壁部14と第4壁部16との間には、隣接する突極10に接近する方向に膨出するフラックスバリア17が形成されている。永久磁石3Aはこの開口部11Aに収容され、壁部13,14,15,16により保持される。
ロータコア2の磁極部9と突極10との間には、ロータコア2の外周面から径方向内側に延びる溝部20が形成されている。つまり、突極10は、隣り合う開口部11,11間において周方向に離間して形成された一対の溝部20,20に挟まれて形成されている。この突極10は磁束が通過する磁束通過部となる。溝部20と開口部11のフラックスバリア17との間にはリブ21が形成されている。
突極10は、その外周縁の周方向両側に、隣接する磁極部9に接近する方向に突出する突出部23を有している。突出部23を含む突極10の外周面10aは、その周方向全域においてロータコア2の中心Pからの半径が同一となっていて、磁極部9における最大半径(すなわち、磁極部9の周方向中央Q1における半径)と同径とされている。したがって、突極10の外周面10aとステータ200との隙間(ギャップ)は、周方向全長に亘って同一となる。
突出部23は正面視略矩形をなし、突極10の周方向の厚みが径方向内側よりも外周縁部の方が厚くなるように、突極10の頂部10bを周方向に延設して形成されている。突出部23を略矩形状にすることにより、溝部20の幅を確保しつつ、突出部23の面積をできる限り大きく確保することができ、すなわち突極10の面積をできる限り大きく確保することができる。
また、前述したように、磁極部9の外周面9aが湾曲していて、磁極部9の外周面9aとロータコア2の中心Pとの距離が、周方向中央Q1から周方向端部Q3に接近するにしたがって小さくなっているので、磁極部9の周方向端部Q3とロータコア2の中心Pとの距離Y1は、突極10の外周面10aにおける周方向端部(すなわち、突出部23の外周面における周方向端部)Q2とロータコア2の中心Pとの距離Y2よりも短くなっている(Y1<Y2)。その結果、図3に示すように、磁極部9の周方向端部Q3とこれに対向して位置する突部10の周方向端部(以下、突出部23の周方向端部と言う場合もある)Q2との間には段差があり、突出部23の周方向端部Q2が磁極部9の周方向端部Q3よりも径方向外側に位置している。
また、溝部20の壁面において磁極部9の周方向端部Q3に連なる壁面24は、磁極部9の周方向端部Q3とロータコア2の中心Pとを結ぶ直線と平行な平坦面に形成されている。換言すると、溝部20の壁面であって突出部23と周方向に対向する壁面24は、ロータ1の径方向と平行となるように形成されている
そして、この壁面24に連なり溝部20の最深部を形成する底壁25は、径方向内側に進むにしたがってリブ21から遠ざかり突極10の付け根に接近する凹曲面に形成されている。
このように構成されたスキューロータ100では、各ロータ1において磁極部9の外周面9aとロータコア2の中心Pとの距離が、周方向中央Q1から周方向端部Q3に接近するにしたがって徐々に距離が小さくされているので、磁極部9の外周面9aとステータ200との隙間(ギャップ)が、磁極部9の周方向中央Q1よりも磁極部9の端部側においてギャップが大きくなる。これにより、高調波成分が低下し、コギングトルクおよびトルクリップルを低減することができる。その結果、モータ駆動時に騒音や振動が生じるのを抑制することができる。
また、各ロータ1において、突極10が突出部23を有しているので、磁極部9と突極10とを離隔する溝部20の幅を確保しつつ、突極10の面積をできる限り大きく確保することができ、その結果、突極10に磁束を通過させ易くすることができ、q軸インダクタンスが増加してトルクを増大することができる。
次に、このスキューロータ100の製造方法を図4から図7の図面を参照して説明する。
スキューロータ100は次の手順で製造することができる。
(1)ロータ2の溝部20に挿入可能な位置決め治具を複数用意する。
(2)2つのロータ1,1を中心軸を一致させて軸方向に並んで配置する。
(3)各ロータ1,1の外側にそれぞれ前記位置決め治具を、治具同士が周方向に設計スキュー角度だけずらした位置となるように位置決めして配置する。
(4)前記各治具を対応するロータ1の溝部20に挿入することで、ロータ1,1を周方向に相対移動させ、2つのロータ1,1が周方向に設計スキュー角度だけずれるように位置決めする。
(5)位置決めされた複数のロータ1,1を互いに相対回転不能に固定し、一体とする。
さらに具体的にスキューロータ100の製造方法を説明する。
図6はスキューロータ製造装置300である。スキューロータ製造装置300は、ベース301と、ベース301の上に固定されたロータ収納筒302と、ロータ収納筒302に取り付けられた2つの位置決め治具303A,303Bとを備えている。
ベース301は円筒状をなし、その上面にロータ1を載置できるように形成されており、ベース301の中央にはロータシャフト101を挿通可能な貫通孔(図示略)が上下方向に貫通している。
ロータ収納筒302は円環状をなし、その内径はロータ1の外径より僅かに大きくされていて、ロータ収納筒302にロータ1がほぼ隙間なく収納されるようになっている。ロータ収納筒302の高さはロータ1の軸方向寸法の約2倍に設定されていて、ロータ収納筒302にロータ1を軸方向に2つ重ねて収容することができるようになっている。したがって、ロータ収納筒302に2つのロータ1,1を収納することにより、2つのロータ1,1を中心軸を一致させて軸方向に並んで配置させることができる。
ロータ収納筒302の高さ方向略中央部には、重ねて収納された2つのロータ1,1の外周面の一部を覗くことができるように、覗き窓304が開口している。
ロータ収納筒302には、重ねて収納された2つのロータ1,1の各々に対応する高さ位置に治具取付孔305A,305Bが設けられている。図7に示すように、治具取付孔305A,305Bは、ロータ収納筒302の中心Cに向かってロータ収納筒302の外周面から内周面に貫通しており、治具取付孔305Aの周方向中央とロータ収納筒302の中心Cと治具取付孔305Bの周方向中央とを結んでできる挟角θは、設計スキュー角度に設定されている。
この治具取付孔305A,305Bに位置決め治具303A,303Bが、ロータ収納筒302の径方向にスライド可能に取り付けられている。したがって、ロータ収納筒302に取り付けられた状態において、位置決め治具305A,305Bは設計スキュー角度と一致するように位置決めして配置されることになる。位置決め治具303A,303Bは全く同じものであるので、位置決め治具303Aについて説明し、位置決め治具303Bについては説明を省略する。
位置決め治具303Aは板状をなし、治具取付孔305Aに挿入される側の先端が図4に示すように細くなっている。詳述すると、位置決め治具303Aの先部306の一方の側面307は、先端に至るまで平坦面に形成されており、ロータ収納筒302に取り付けられたときにロータ収納筒302の中心Cに向かう平面に形成されている。一方、先部306の他方の側面308は、その途中に、先端に進むにしたがって側面307に接近していく斜面309を有し、斜面309よりも基部側に位置する基部側側面310および斜面309よりも先部側に位置する先部側側面311は、側面307と平行をなす平坦面に形成されている。
先部306において、側面307と基部側側面310との間の幅寸法は、ロータ1における溝部20の壁面24と突出部23との離間寸法よりも大きく、側面307と先部側側面311との間の幅寸法は、ロータ1における溝部20の壁面24と突出部23との離間寸法よりも小さい。したがって、位置決め治具303Aにおいて先端側側面311が設けられている狭幅部312はロータ1の溝部20内に挿入可能であるが、基部側側面310が設けられている拡幅部313は溝部20内に挿入不可能である。また、位置決め治具303Aの側面307とロータ1の溝部20の壁面24とが相対向するようにして位置決め治具303Aの先部306をロータ1の溝部20内に進入していくと、位置決め治具303Aの斜面309がロータ1の突出部23の周方向端部Q2に必ず突き当たる。
そして、位置決め治具303A,303Bは、位置決め治具303A,303Bの先部306における側面307,308の周方向の向きを同一にして、ロータ収納筒302に取り付けられている。この実施例では、位置決め治具303A,303Bはいずれも、図6において図中右側に側面307が位置し、図中左側に側面308が位置するように配置されている。
このスキューロータ製造装置300を用いてスキューロータ100を製造するには、ロータ収納筒302内に2つのロータ1,1を軸方向に重ねて挿入するとともに、ロータ収納筒302に位置決め治具303A,303Bをその先部306がロータ収納筒302の内周面から内側に突出しないようにして取り付けておく。
これにより、2つのロータ1,1を中心軸を一致させて軸方向に並んで配置することができ、各ロータ1,1の外側にそれぞれ位置決め治具303A,303Bを、治具303A,303B同士が周方向に設計スキュー角度と一致するように位置決めして配置することができる。
なお、ロータ収納筒302へのロータ1,1の挿入と、ロータ収納筒302への位置決め治具303A,303Bの取り付けは、どちらを先に行ってもよく、実質的に変わるものではない。
次に、2つのロータ1,1において突極10に対して周方向同一方向の溝部20(この実施例では図2において突極10に対して反時計回り方向に位置する溝部20)に位置決め治具303A,303Bが挿入可能となるように、2つのロータ1,1に対して大ざっぱな仮位置出しを行う。仮位置出しは、ロータ1,1をロータ収納筒302に挿入する際に行ってもよい。
仮位置出しはどのような方法で行ってもよい。例えば、ロータ収納筒302の覗き窓304の壁面に各ロータ1,1に対する仮位置出し用の指標を設けておき、各指標が対応するロータ1の溝部20の周方向幅内に位置するようにロータ1を回転するなどを例示することができる。
次に、位置決め治具303A,303Bを径方向内側に押し込んでいく。
位置決め治具303Aを押し込んでいくと、位置決め治具303Aの先部306の狭幅部312が上側のロータ1の溝部20内に進入し、さらに先部306の傾斜面309が、ロータ1の突出部23における周方向端部Q2に点接触する。さらに、位置決め治具303Aを押し込んでいくと、傾斜面309に対して突出部23の周方向端部Q2が滑ることにより、ロータ1が図4において矢印A方向に回転せしめられる。そして、先部306の狭幅部312が溝部20の壁面24に突き当たったところで、ロータ1の回転は停止する。ここで、位置決め治具303Aの先部306の側面307がロータ収納筒302の中心Cに向かう平面に形成されており、ロータ1の溝部20の壁面24が、磁極部9の周方向端部Q3とロータコア2の中心Pとを結ぶ直線と平行な平坦面に形成されているので、先部306の狭幅部312が溝部20の壁面24に突き当たったときに、先部306の側面307は溝部20の壁面24に面接触することとなる。位置決め治具303Bについても同様であり、位置決め治具303Bを押し込んでいくことによって、先部306の狭幅部312が溝部20の壁面24に突き当たるまで、下側のロータ1を回転することができる。
このように位置決め治具303A,303Bを押し込んで2つのロータ1,1を相対回転することによって、結果的に、2つのロータ1,1を周方向に精確に設計スキュー角度だけずらして位置決めすることができる。
この後、ロータシャフト101の先端に、ロータシャフト101よりも小径のガイドシャフトを装着し、ベース301の下側からガイドシャフトを先行させながら、ロータシャフト101をロータ1,1に圧入し、ロータ1,1を互いに相対回転不能に固定して、一体とする。
このように位置決め治具303A,303Bは、先部306の傾斜面309が、ロータ1の突出部23における周方向端部Q2に点接触し、先部306の側面307は溝部20の壁面24に面接触するようになっているので、ロータ1,1を位置決めする際にロータ1の単品精度の影響を受けにくくなり、ロータ1の製造公差を吸収して、ロータ1,1のスキュー角度を規定値である設計スキュー角度に一致させることができる。
また、位置決め治具303A,303Bの傾斜面309と点接触する突出部23の周方向端部Q2が、磁極部9の周方向端部Q3よりも径方向外側に位置しているので、位置決め治具303A,303Bを溝部20に挿入した際にロータ1に回転力を発生させる点接触位置を、磁極部9の周方向端部Q3よりも径方向外側にすることができ、前記回転力を大きくすることができる。もし仮に、ロータコア2の中心Pから突出部23の周方向端部Q2までの距離を、ロータコア2の中心Pから磁極部9の周方向端部Q3までの距離と同じにすると、前記回転力を発生させる前記点接触位置が実施例の場合よりも径方向内側に位置することになるので、前記回転力が小さくなる。したがって、突出部23の周方向端部Q2が、磁極部9の周方向端部Q3よりも径方向外側に位置している方が、ロータ1,1を位置決めする際にロータ1,1を回転させ易く、作業性がよい。
また、位置決め治具303Aによるロータ1,1の位置決めにおいては、位置決め治具303Aの挿入方向に対して傾斜面309の傾斜が緩やかで、ロータ1の溝部20の壁面24と面接触する部分の面積が大きい方が、位置決め精度の向上に貢献する。そのため、図5に示すように、位置決め治具303Aをロータ1の溝部20に挿入し、先部306の傾斜面309が突出部23に点接触し、先部306の側面307が溝部20の壁面24に面接触したときに、点接触部Q4から壁面24までの距離X1よりも、壁面24に面接触している部分の径方向長さX2が大きい方が望ましい(X2>X1)。ロータ1は突極10に突出部23を有しているので距離X1を縮めることができ、その結果、距離X1に対する距離X2の比率を大きくすることで斜面309を滑らかな傾斜とすることができるので、突出部23がスムーズに斜面309を移動することによりロータ1を確実に回転させることで位置決め精度の向上に大きく貢献することができる。
以上説明するように、この実施例によれば、トルクリップルやトルクやトルク等、スキューロータ100の性能を向上させながら、容易且つ精確に、スキュー角度を設計スキュー角度に一致させてスキューロータ100を完成することができる。
〔他の実施例〕
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、ロータは2つに限るものではなく、3つ以上であってもよい。
1 ロータ
2 ロータコア
3,3A,3B 永久磁石
9 磁極部
9a 外周面
10 突極
10a 外周面
10b 頂部
11,11A,11B 開口部
20 溝部
23 突出部
24 壁面
100 スキューロータ
303A,303B 位置決め治具(治具)

Claims (4)

  1. 円柱状のロータコアの外周部に周方向略等間隔に形成された開口部内に永久磁石が保持されたロータを複数備え、複数の前記ロータが中心軸を一致させて軸方向に並んで配置されるとともに、隣接する二つのロータ同士が互いに周方向に所定角度ずらして配置されて一体に構成されたスキューロータであって、
    前記各ロータは、前記ロータコアの外周部における隣り合う前記開口部間に、前記ロータコアの外周面から径方向内側に延びる一対の溝部が周方向に離間して形成され、この一対の溝部に挟まれて磁束通過部となる突極が形成され、
    前記突極は、該突極の周方向の厚みが径方向内側よりも外周縁部の方が厚くなるように、該突極の頂部を周方向に延設して形成された突出部を有し、
    前記溝部の壁面であって前記突出部と周方向に対向する壁面が、ロータの径方向と平行となるように形成されていることを特徴とするスキューロータ。
  2. 前記突出部を含む前記突極の外周面は、前記ロータコアの最大半径と同径となっていることを特徴とする請求項1に記載のスキューロータ。
  3. 前記各ロータは、前記ロータコアの前記永久磁石が配置された磁極部の外周面における周方向端部とロータ中心との距離が、前記突出部の外周面における周方向端部とロータ中心との距離よりも短いことを特徴とする請求項1または2に記載のスキューロータ。
  4. 複数のロータが中心軸を一致させて軸方向に並んで配置されるとともに、隣接する二つのロータ同士が互いに周方向に所定角度ずらして配置されて一体に構成されたスキューロータの製造方法であって、
    前記各ロータには、円柱状のロータコアの外周部に周方向略等間隔に形成された開口部内に永久磁石が保持され、前記ロータコアの外周部における隣り合う前記開口部間に、前記ロータコアの外周面から径方向内側に延びる一対の溝部が周方向に離間して形成され、この一対の溝部に挟まれて磁束通過部となる突極が形成され、前記突極は、該突極の周方向の厚みさが径方向内側よりも外周縁部の方が厚くなるように、該突極の頂部から周方向に延設して形成された突出部を有し、前記溝部の壁面であって前記突出部と周方向に対向する壁面が、ロータの径方向と平行となるように形成され、前記ロータコアの前記永久磁石が配置された磁極部の外周面における周方向端部とロータ中心との距離が、前記突出部の外周面における周方向端部とロータ中心との距離よりも短いロータを用い、
    各ロータの前記溝部に挿入可能で、挿入する際に、該溝部に隣接する前記突出部に点接触し、前記突出部と周方向に対向する前記溝部の壁面に面接触する治具を複数用意し、
    前記複数のロータを中心軸を一致させて軸方向に並んで配置し、
    前記各ロータの外側にそれぞれ前記治具を、隣り合うロータの治具同士が周方向に予め設定されたスキュー角度だけずらした位置となるように位置決めして配置し、
    前記各治具を対応するロータの前記溝部に挿入することで、隣り合うロータを周方向に前記スキュー角度だけずれるように位置決めし、
    位置決めされた前記複数のロータを互いに相対回転不能に固定することを特徴とするスキューロータの製造方法。
JP2010225769A 2010-10-05 2010-10-05 スキューロータとその製造方法 Expired - Fee Related JP5518663B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010225769A JP5518663B2 (ja) 2010-10-05 2010-10-05 スキューロータとその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010225769A JP5518663B2 (ja) 2010-10-05 2010-10-05 スキューロータとその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012080718A JP2012080718A (ja) 2012-04-19
JP5518663B2 true JP5518663B2 (ja) 2014-06-11

Family

ID=46240302

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010225769A Expired - Fee Related JP5518663B2 (ja) 2010-10-05 2010-10-05 スキューロータとその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5518663B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014122947A1 (ja) * 2013-02-08 2014-08-14 富士電機株式会社 永久磁石埋め込み式回転電機
CN104143869B (zh) * 2013-05-09 2016-12-28 上海电气集团上海电机厂有限公司 一种大功率高速永磁电机转子
CN105186739A (zh) * 2014-06-06 2015-12-23 舍弗勒技术股份两合公司 电机、其电磁设计结构及其磁钢的加工方法
CN106030989B (zh) * 2014-08-11 2018-09-11 富士电机株式会社 旋转电机
JP7000109B2 (ja) * 2017-10-18 2022-01-19 株式会社日立インダストリアルプロダクツ 回転電機及びこれを備えた電動機車両
CN110086300B (zh) * 2019-06-04 2024-03-26 丽水津正电机科技有限公司 用于电机的斜槽转子成型装置
JP2023548323A (ja) * 2020-10-28 2023-11-16 エルジー イノテック カンパニー リミテッド モータ
JP2022072214A (ja) * 2020-10-29 2022-05-17 本田技研工業株式会社 回転電機のロータ及び回転電機

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3602392B2 (ja) * 1999-12-21 2004-12-15 アイチエレック株式会社 永久磁石埋め込みモータ
JP4818540B2 (ja) * 2001-07-19 2011-11-16 三菱電機株式会社 同期電動機の製造方法
JP4898201B2 (ja) * 2005-12-01 2012-03-14 アイチエレック株式会社 永久磁石回転機
JP5248048B2 (ja) * 2007-06-13 2013-07-31 東芝産業機器製造株式会社 回転電機の回転子及び回転電機
JP5433198B2 (ja) * 2008-10-16 2014-03-05 日立オートモティブシステムズ株式会社 回転電機及び電気自動車

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012080718A (ja) 2012-04-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5518663B2 (ja) スキューロータとその製造方法
JP5801621B2 (ja) ステータの製造方法、ステータ及びモータ
JP5565365B2 (ja) 回転電機のロータおよびその製造方法
JP6512060B2 (ja) 回転電機のロータ
US20120200185A1 (en) Rotor for rotary electric machine and manufacturing method thereof
JP2008187804A (ja) 回転子およびこの回転子を備えた回転電機
JP6385588B2 (ja) 回転子および回転電機
EP2763285A2 (en) Permanent magnet embedded type rotor for rotating electrical machine and rotating electrical machine having permanent magnet embedded type rotor
US20190214889A1 (en) Rotor core, rotor, motor, manufacturing method of rotor core, and manufacturing method of rotor
JP4252073B2 (ja) インダクタ型モータ、及びインダクタ型モータの製造方法
JP2021164174A (ja) Ipmモータ用ロータ
JP6053023B2 (ja) ロータ、モータ、及び、ロータの製造方法
JP2019092298A (ja) ステータ、ステータのブロックおよび回転電機
JP2016046879A (ja) 回転電機
JP6013269B2 (ja) 永久磁石式回転電機
JP6481252B2 (ja) ロータ及びモータ
JP5947230B2 (ja) モータ
JP2019080381A (ja) ロータ及び電動機
JP6582432B2 (ja) マルチランデル型モータ
JP6176379B2 (ja) 永久磁石式回転電機
JP2016039691A (ja) レゾルバ
JP2016208730A (ja) 回転電機のステータ
JP6805712B2 (ja) ロータの製造方法
JP6054839B2 (ja) ランデル型ロータ及びランデル型モータ
JP6027902B2 (ja) モータ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131211

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131217

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140304

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140402

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5518663

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees