JP5517863B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式や静電記録方式によって画像形成を行う複写機、プリンタなどの画像形成装置に関する。詳しくは、画像転写後に感光体の表面に残留した現像剤を除去するために、感光体に当接して現像剤を掻き落とす弾性ブレード部材を備えた画像形成装置に関する。
従来、電子写真感光体を用いる画像形成方法において、感光体の表面を一様に帯電させて像露光により静電潜像を形成し、該潜像をトナーを含む現像剤で現像してトナー像を形成し、これを転写材上に転写、定着して画像形成が行われる。
また、感光体は、画像転写後に感光体の表面に残留したトナーのクリーニング及び除電が行われて繰り返し使用される。従って、感光体としては、帯電特性、感度及び暗減衰特性等の電子写真性能に加えて、繰り返し使用時の耐刷性、耐摩耗性、耐湿性等の物性や、帯電装置からの放電時に発生するオゾン、像露光時の紫外線等への耐性において良好であることが要請される。
近年、電子写真感光体としては、低コストで加工性に優れ、目的に応じて選択の自由度が大きい有機光導電性物質を感光層の主成分とする有機感光体が用いられる傾向にある。また、感光体上の残留トナーのクリーニングには、構成が簡単でしかもクリーニング効果が優れていることから、ゴムなどの弾性部材からなるクリーニングブレードが主として用いられている。クリーニングブレードの感光体への当接方法としては、一般的にはトレイ方式に比べカウンター方式の方がクリーニング性が優れている。
特開平6−130711号公報 特開平8−83028号公報
しかしながら、クリーニングブレードをカウンター方式とした場合、感光体の表面の摩擦抵抗により、ブレードめくれが生じ、クリーニング不良を発生する場合がある。このブレードめくれは、図8に示す如く感光体211にカウンター方向で当接するクリーニングブレード215の先端215aが、感光体の回転方向にめくれて反転し、クリーニング不能となり、且つ感光体の表面を損傷せしめる現象である。この現象は感光体の回転の立ち上がり時に感光体とクリーニングブレードとの間に急激な摩擦力が作用する時に起こり易い。
従来、前述の急激な摩擦力を防止し、優れたクリーニング効果を得るためには、感光体の表面層の改良(特許文献1)、又はクリーニングブレードブレードの改良(特許文献2)という限定された構成で対応するしかなかった。
そこで、本発明の目的は、感光体やクリーニングブレードの構成を限定することなく、感光体の回転の立ち上がり時の急激な摩擦力によるブレードめくれの発生を防止し、優れたクリーニング効果が得られる画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明は、画像を形成するための感光体と、前記感光体の表面に当接して電源から直流電圧に交流電圧を重畳した電圧が印加されて前記感光体の表面を均一に帯電する帯電装置と、前記感光体に当接して転写後の前記感光体の表面に残留した現像剤を掻き落す弾性ブレード部材と、を有する画像形成装置において、前記帯電装置は、前記感光体の駆動開始前に、前記感光体に交流電圧のみの印加を開始することを特徴とする。
本発明によれば、感光体の駆動開始前に、帯電装置により感光体に交流電圧のみの印加を開始することによって、駆動開始前に感光体を振動させるようにしている。これにより、駆動開始時の感光体と弾性ブレード部材の滑り性が上がり、感光体の駆動開始時の弾性ブレード部材の引き込まれを抑制し、弾性ブレード部材のめくれ等を防止することができ、優れたクリーニング効果が得られる。また、感光体や弾性ブレード部材の構成を限定することがなく、感光体や弾性ブレード部材の構成を幅広く満足できる。
画像形成装置の概略構成を示す模式断面図 画像形成装置における感光体ドラムと接触帯電装置の概略構成図 画像形成装置を制御する制御回路のブロック図 (a)は比較例の画像形成動作のタイミングチャート、(b)は実施例1の画像形成動作のタイミングチャート 実施例1と従来例のブレードの磨耗を比較した表図 実施例2の画像形成動作のタイミングチャート 実施例2の感光体ドラムの固有振動数を示す表図 ブレードめくれを説明する断面図
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。従って、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
〔実施例1〕
図1は画像形成装置の一例の概略構成を示す縦断面図である。図1に示す画像形成装置は、中間転写体の移動方向に沿って4個の画像形成ユニットをタンデム配設した4色フルカラーの画像形成装置である。
画像形成装置は、記録材に画像を形成する画像出力部1Pと、原稿等の画像を読み取る画像読取部1Rを有している。
画像出力部1Pは大別して、画像形成部10(4つの画像形成ユニットPa,Pb,Pc,Pdが並設されており、その構成は同一である。)、給送ユニット20、中間転写ユニット30、定着ユニット40及び制御ユニット(不図示)から構成される。
さらに、個々のユニットについて詳しく説明する。
各画像形成ユニットPは、感光体(像担持体)としての感光体ドラム11a,11b,11c,11dが手前側と奥側の装置側板(不図示)間に、ドラム軸線を手前奥方向に向けて軸受を中心にしてほぼ水平に回転可能に軸支され、矢印方向に回転駆動される。感光体ドラム11a〜11dの外周面に対向してその回転方向に一次帯電装置12a,12b,12c,12d、レーザスキャナユニット13a,13b,13c,13d、現像装置14a,14b,14c,14dが配置されている。一次帯電装置12a〜12dにおいて感光体ドラム11a〜11dの表面に均一な帯電量の電荷を与える。次いでレーザスキャナユニット13a〜13dにより、記録画像信号に応じて変調したレーザービームなどの光線を感光体ドラム11a〜11d上に露光させることによって、ドラム上に静電潜像を形成する。さらに、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックといった4色の現像剤(以下、これをトナーと呼ぶ)をそれぞれ収納した現像装置14a〜14dによって前記静電潜像を顕像化する。顕像化された可視画像は、一次転写領域Ta,Tb,Tc,Tdにて中間転写ベルトに転写される。その下流側では、クリーニング装置15a,15b,15c,15dにより、記録材に転写されずに感光体ドラム11a〜11d上に残されたトナーを掻き落としてドラム表面の清掃を行う。以上に示したプロセスにより、各トナーによる画像形成が順次行われる。
給送ユニット20は、記録材Sを収納するためのカセット21a,21bおよび手差しトレイ27、カセット内もしくは手差しトレイより記録材Sを一枚ずつ送り出すためのピックアップローラ22a,22bおよび26を有している。さらに、各ピックアップローラから送り出された記録材Sをレジストローラまで搬送するための給送ローラ対23及び給送ガイド24を有している。そして画像形成部の画像形成タイミングに合わせて記録材Sを二次転写領域Teへ送り出すためのレジストローラ25a,25bを有している。
中間転写ユニット30について詳細に説明する。中間転写ベルト31は、その材料として例えば、PI[ポリイミド]やPET[ポリエチレンテレフタレート]やPVdF[ポリフッ化ビニリデン]などが用いられる。中間転写ベルト31は、中間転写ベルト31に駆動を伝達する駆動ローラ32、バネ(不図示)の付勢によって中間転写ベルト31に適度な張力を与えるテンションローラ33、ベルトを挟んで二次転写領域Teに対向する従動ローラ34に巻回させる。これらのうち駆動ローラ32とテンションローラ33の間に一次転写平面Aが形成される。駆動ローラ32は金属ローラの表面に数mm厚のゴム(ウレタンまたはクロロプレン)をコーティングしてベルトとのスリップを防いでいる。駆動ローラ32はパルスモータ(不図示)によって回転駆動される。各感光体ドラム11a〜11dと中間転写ベルト31が対向する一次転写領域Ta〜Tdには、中間転写ベルト31の裏に一次転写用帯電器35a〜35dが配置されている。従動ローラ34に対向して二次転写ローラ36が配置され、中間転写ベルト31とのニップによって二次転写領域Teを形成する。二次転写ローラ36は中間転写ベルト31を介して従動ローラ34に対して適度な圧力で加圧されている。また、中間転写ベルト31上の二次転写領域Teの下流には中間転写ベルト31の画像形成面をクリーニングするためのブラシローラ(不図示)、および廃トナーを収納する廃トナーボックス(不図示)が設けられている。
定着ユニット40は、内部にハロゲンヒーターなどの熱源を備えた定着ローラ41aと、その定着ローラ41aに加圧される加圧ローラ41b(このローラにも熱源を備える場合もある)を有している。さらに、前記ローラ対41a,41bのニップ部へ記録材Sを導くためのガイド43、及び、前記ローラ対41a,41bから排出されてきた記録材Sをさらに装置外部に導き出すための内排出ローラ44、外排出ローラ45などを有している。
制御ユニットは、上記各ユニット内の機構の動作を制御するための制御基板やモータドライブ基板(不図示)などから成る。
また、環境センサ50は、装置内で熱源となる定着ユニット40などの影響を受けずに装置周囲の環境温度、湿度が正確に測定できるよう図1に示す位置に配置されており、この環境センサ出力に基づいて様々な制御が行われる。
カラー用トナーの特性としては、重量平均粒径が5〜8μmであることが、良好な画像を形成する上で好ましい。重量平均粒径が、この範囲内であれば、十分な解像性を有し、鮮明で高画質の画像を形成でき、静電力よりも付着力や凝集力が小さくなり、種々のトラブルが低減する。
さらに、各画像形成ユニットにおける感光体ドラム、クリーニング装置(クリーニングブレード)、一次帯電装置について詳しく説明する。
(感光体ドラム)
感光体ドラム11a〜11dとしては、有機感光体の表面に電子線を照射することによって硬化させた電子線硬化型感光体ドラムを用いている。ここでは有機感光体について説明したが、無機感光体であるアモルファスシリコン、セレン等を用いた感光体ドラムでも良い。
しかし、一般には有機感光体は感光層が主として有機化合物で構成されており、通常は表面層が電荷発生物質や電荷輸送物質を含有する樹脂層から構成されている。これに対して感光層上に可視像を形成するためのトナーは着色剤を樹脂中に分散含有する粒子とされる。そのため、トナーは前記樹脂系から構成される感光層との親和性が大であり互いに接着し易く、感光層上に付着したトナーのクリーニングが無機感光体に比べ難しいという問題がある。その上、通常、有機感光体は軟質であり、該感光体上の残留トナーのクリーニングを行う際、無機感光体に適用されているように、感光体表面にブレードを強く当接させクリーニングを行うと前記有機感光体の表面層が摩耗、損傷し、像形成の過程で疲労劣化し、電子写真性能を低下せしめる。
さらに、有機感光体では感光体表面にブレードが密接したときにブレードの摩擦係数が大きい場合、感光体上で所謂スティックスリップ現象をおこすため、感光体とブレードの接触点に応力が集中する。その結果、ミクロレベルで観察するとブレード先端は横方向に伸縮振動が発生し、そのため応力に対する緩和量が小さい材料であると、そこに容易に亀裂が入り、クラックの原因になる。クラックが入りはじめると、応力は一気にその部分に集中するようになり、そこからブレードは欠けはじめる。一度ブレードが欠けると、電子写真感光体上に残留したトナーはその部分から「すり抜け」、クリーニング不良が発生する。
電子線硬化型感光体ドラムにおいては、電子写真感光体の高耐久化および出力画像の高画質化の双方を満足させるために、感光層として電荷発生層と電荷輸送層とに機能分離したもの(積層型感光層)を採用している。また、電荷発生層よりも耐久性に優れた材料選択を行いやすい電荷輸送層を電子写真感光体の表面側の層としている。電荷輸送層は、主に結着樹脂および電荷輸送物質で構成されている。
電子写真感光体の高耐久化および出力画像の高画質化を高次元で両立させる技術の1つとして、電荷輸送層上に、電子写真感光体の表面の保護を目的とした保護層を設ける技術が知られている。保護層を電荷輸送層上に設け、これを電子写真感光体の表面層とすることにより、繰り返し使用による電子写真感光体の表面の摩耗や傷発生を抑制することができる。保護層としては、熱可塑性樹脂よりも機械的強度の高い硬化性樹脂を結着樹脂として用いたものが、電子写真感光体の耐久性向上の観点から優れている。
硬化性樹脂は、重合性官能基を有するモノマーやオリゴマーがエネルギーを受けることによって、該重合性官能基が重合反応および/または架橋反応を起こし、もって硬化するという材料である。
重合性官能基を有するモノマーやオリゴマーに与えるエネルギーとしては、光や熱や放射線のエネルギーが挙げられるが、これらの中でも放射線、その中でも特に電子線が好ましく用いられる。電子線の照射による硬化(以下「電子線硬化」ともいう)には、電子写真感光体の電位特性(感度や残留電位など)に対して悪影響を及ぼす可能性のある重合開始剤を使用しなくてもよい、短時間で効率的な重合反応を起こすことができるため生産性が高い、透過性が良いため微粒子や添加剤などの遮蔽物質が存在していても重合反応および/または架橋反応の阻害になりにくい、などの利点がある。
さらに、本実施例における感光体ドラムの形状について述べる。感光体ドラムは中空の管状をなしており、板厚2mmのアルミ素管に60μmの有機感光層を設けた形状で、直径が30.60mmの円筒状の形状をしている。長さは360mmのものを使用した。ドラムの重さとしては約300g程度であった。なお、感光体ドラムの仕様は例示であって、これに限定されるものではない。
本実施例で使用した感光体ドラムの固有振動数を求める為、帯電装置によって交流電圧の周波数を0Hzより徐々に上げて、感光体ドラムの振動をレーザー照射による振動測定を行って、一番大きく振動した周波数を固有周波数とした。今回使用した感光体ドラムの固有振動数は約5.2kHzであった。
(クリーニング装置)
次に、クリーニング装置15a,15b,15c,15dについて説明する。クリーニング装置としては、カウンターブレード方式を用い、感光体ドラムに対し長手方向の長さ338mmのものを使用した。クリーニング装置としては、小型、軽量、低コストでかつクリーニング特性に優れていることから、ゴムなどの弾性ブレード部材であるクリーニングブレードを採用している(以下、クリーニング装置をクリーニングブレードという)。特に有機感光体を用いた比較的高速(例えばA4サイズ30枚/分以上)の画像形成装置のクリーニングに適していることからウレタンゴム製クリーニングブレードを用いている。クリーニングブレード15は、感光体ドラムに当接して転写後の感光体ドラムの表面に残留した現像剤を掻き落す弾性ブレード部材である。ここでは、前記ブレードとして、2mm厚のSUS板金に、厚さ2mm、長さ10mmのゴム製ブレードを端部から2mm貼り付けたものを使用した。このクリーニングブレードは感光体ドラムに対して、線圧30g/cmの押圧で当接されている。なお、クリーニングブレードの仕様は例示であって、これに限定されるものではない。
(一次帯電装置)
帯電装置としては、電源の低圧化を図ることができ、更にはオゾンの発生が極々微量であること等の長所を有していることから、ローラ型やブレード型の導電部材を用いた接触帯電装置を用いている。
図2はローラ型の導電部材である所謂帯電ローラを用いた接触帯電装置の一例を示す概略構成図である。
図2において、11は被帯電体である感光体ドラムである。感光体ドラム11は、図示矢印B方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。本実施例では、感光体ドラム11を320mm/secの周速度(プロセススピード)で駆動回転させ、画像形成動作を行った。この感光体ドラム11は、アルミニウムから成る基体111と、この基体111の外周面に形成された有機感光層112とで構成されている。
また、図2において、12は感光体ドラム11の表面に当接されて従動回転する接触帯電装置としての帯電ローラであり、52は帯電ローラ12に電圧を印加するための高圧電源である。ここでは、帯電ローラ12は、鉄、SUS等から成る軸径8mmの導電性芯金121の外周面を、カーボン含有のウレタンゴム等の導電性弾性層122が長さは338mm、径が14mmになるよう被覆して構成されている。この帯電ローラ12は、導電性芯金121の長手方向両端部において不図示のバネ部材にて感光体ドラム11の表面に圧接されている。
そして、帯電ローラ12には、高圧電源52によって、直流電圧に交流電圧を重畳した帯電電圧(振動電圧)が印加され、この帯電ローラ12によって感光体ドラム11の表面が所定の電位に帯電される。ここで、直流電圧に重畳する交流電圧は、直流電圧のみ印加時における感光体ドラム11表面の帯電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧を有する交流電圧である。
ところで、上記接触帯電装置においては、感光体ドラム11の表面を均一に帯電するためには、感光体ドラム11の周速度が速くなるに従って帯電ローラ12に印加する交流電圧の周波数を上げなければならない。しかしながら、交流電圧の周波数が約200Hzを超えると、感光体ドラム11と帯電ローラ12の振動が発生する。この感光体ドラムが振動する現象は、以下のようなメカニズムによって生じる。
即ち、帯電ローラ12に交流電圧が印加されると、感光体ドラム11と帯電ローラ12との間に静電気力による引力が作用する。詳しくは、交流電圧の最大値の部分と最小値の部分では相互に引き合う力が大きくなり、帯電ローラ12は弾性変形しつつ感光体ドラム11に引き付けられる。また、交流電圧の中央値の部分では相互に引き合う力が小さくなり、帯電ローラ12の弾性変形の復元力によって感光体ドラム11と帯電ローラ12とが離れようとする。このため、感光体ドラム11と帯電ローラ12とは、印加された交流電圧の2倍の周波数で振動し合うことになる。
更に、感光体ドラム11と帯電ローラ12とは、相互に摩擦し合いつつ回転するため、前述の静電気力により引力が作用し、帯電ローラ12が弾性変形しつつ感光体ドラム11に引き付けられる際には、相互の回転にブレーキがかかる。また、帯電ローラ12の弾性変形の復元力によって感光体ドラム11と帯電ローラ12が離れようとする際には、相互の回転に対するブレーキが緩和される。このため、いわゆるスティックスリップ現象という摩擦力が周期的に大きく変動する現象による振動も発生する。そして、この振動も前述の振動と同様に、印加された交流電圧の2倍の周波数で生じる。
上記構成により本実施例の帯電装置による設定を以下に示す。
本実施例の画像形成時(像露光時)における帯電電圧の設定は、直流電圧を−800V、交流電圧をピーク間電圧2000V・周波数2.3kHzに設定してある。さらに、ここでは画像形成中(潜像露光時)以外の時間に交流電圧(ピーク間電圧)を可変できるようにした。これは、感光体ドラムの回転開始時における本実施例の効果を最適なものにする為である。画像形成中のピーク間電圧が低すぎると、感光体ドラム表面上を均一に帯電できなくなる帯電不良が起きてしまう。また、ピーク間電圧が高すぎると、感光体ドラム表層の磨耗・劣化などが促進されてしまう。
そこで、本実施例では感光体ドラム回転時により積極的に振動させるために、帯電ローラは、感光体ドラムの駆動開始前に帯電印加(交流電圧のみの印加)を開始するようにしている。具体的には、帯電ローラは、帯電印加開始から所定時間(ここでは80msecの間)だけ、交流電圧(ピーク間電圧)を2500V印加するようにしている。更に、この交流電圧の周波数を、感光体ドラムの持つ固有振動数の1/2である周波数2.6kHzとしている。この帯電周波数は、実験によって測定した結果(感光体ドラムの固有振動数が5.2kHz)から設定している。また、この時、直流電圧は現像による印加バイアスを印加するタイミングで印加し、それまでは0Vとした。すなわち、帯電ローラは、感光体ドラムの駆動開始後に現像による印加バイアス(直流電圧と交流電圧を重畳した振動電圧)を印加するまでは、直流電圧を印加せず、交流電圧のみを印加している(図4(b)参照)。このように、帯電ローラにより感光体ドラムに印加する交流電圧は、画像形成時とは異なる周波数の交流電圧を設定し、且つ、感光体ドラムの固有振動数の1/2である周波数を設定している。
ここで画像形成装置を制御する制御回路について図3を用いて説明する。
図3において、51は装置全体の制御を司る制御手段、52は電源、53は帯電ローラ12の帯電電流や帯電電位を直接制御する帯電制御回路、54はモータドライバである。55はモータドライバ54によって駆動されるモータであり、感光体ドラム11を駆動するようになっている。
また。制御手段としての制御回路は各部に図4のタイミングチャートに示すような電圧を印加するように制御する。
制御手段51によって画像形成動作開始の信号を検知すると、感光体ドラムを駆動する為に、モータドライバ54が検知し、モータ55を駆動させる。モータ駆動は所望の周速度で安定させる為にある程度時間を置いてから、帯電制御回路53に信号を与え、帯電ローラ12によって感光体ドラム11を均一に帯電する動作を始める。感光体ドラム表面上が均一帯電されると、露光装置によって画像形成を開始し、現像装置によって顕像化する。
比較例と比較して本実施例でのタイミングチャートについて図4を用いて説明する。図4(a)は比較例のタイミングチャートを示し、図4(b)は実施例のタイミングチャートを示している。
本実施例の画像形成動作では制御手段51によって画像形成動作信号を受けた後、感光体ドラムの駆動開始前(ここでは40msec前)に、帯電装置により前述した交流電圧のみの印加を開始している。一方、比較例の画像形成動作では、感光体ドラムの駆動開始前に、帯電装置による電圧の印加は行わず、駆動開始から所定時間後に直流電圧と交流電圧を重畳した電圧を印加している。このように、本実施例と比較例の交流電圧を印加するタイミングを変えた場合のクリーニングブレード摩耗の効果確認を行うために、以下の実験を行った。
上述した画像形成装置でA4サイズ・濃度各色(YMCK)5%の画像で1枚毎に画像形成動作を行う1枚間欠動作耐久を行った。耐久を行う際に、画像上にクリーニングブレードにおける欠け・磨耗による「すり抜け」と、「ブレードめくれ」が起きていないかを確認し、本実施例と比較例との比較を行った。すり抜けが起きた場合、クリーニングブレードによって回収されずに抜けた現像剤が感光体ドラム上に連れ回り、出力された画像を汚してしまう。そこで、耐久を行った時の出力画像上に汚れがある場合を×として判断した。また、ブレードめくれは、前述しためくれが起きた場合を×としている。
Figure 0005517863
表1の結果より、比較例では約100000枚通紙時にクリーニング不良が発生し始め、画像不良が現れた。また、約150000枚通紙するまでにブレードめくれが発生した。
一方、本実施例では、同様に1枚間欠動作耐久を行い、150000枚通紙しても、画像不良(すり抜け・めくれ)もなく、良好な画像形成を行うことができた。
また、クリーニングブレードと感光体ドラムとが接したブレード先端部分のブレード磨耗面積部の耐久推移を図5に示す。図5は横軸に耐久枚数を示し、縦軸にその耐久枚数におけるブレード先端エッジ部の欠け面積を示している。欠け面積とはブレード先端部を顕微鏡で観察し、ゴムが欠けている部分の幅・奥行きより算出した値である。
図5の結果より、比較例では感光体ドラム起動時におけるクリーニングブレードのスティックスリップにより、ブレード先端部が変形し、ストレスを受けることで破断・欠けが生じ易いことが分かる。一方、本実施例ではブレードが欠けることもなく、常に良好なクリーニングブレードを維持することが可能である。
これは、駆動開始前の交流電圧の印加による感光体ドラムの振動により、駆動開始時の感光体ドラムとクリーニングブレードの滑り性が上がり、摩擦力による引き込まれ量が小さくなっていることが考えられる。
さらに、比較例ではある耐久枚数から急激に磨耗が促進されていることが分かる。これは耐久が進むにつれ、帯電により感光体ドラム表層が劣化してブレードとの摩擦力が大きくなり、磨耗が促進されていることが考えられる。
上述したように、本実施例によれば、感光体ドラムの駆動開始前に帯電装置により交流電圧のみの印加を開始することによって、駆動開始前に感光体ドラムを振動させるようにしている。これにより、駆動開始時の感光体ドラムとクリーニングブレードの滑り性が上がり、感光体ドラムの駆動開始時のクリーニングブレードの引き込まれを抑制し、クリーニングブレードのめくれ等を防止することができ、優れたクリーニング効果が得られる。
〔実施例2〕
次に図6及び図7を用いて実施例2に係る画像形成装置について説明する。
実施例2では図6のように、感光体ドラムの駆動開始前(ここでは20msec前)に帯電装置により感光体ドラムに交流電圧のみの印加を開始し、駆動開始から所定時間後(ここでは20msec後)に交流電圧の印加を終了している。そして、その後、帯電ローラは感光体ドラムに直流電圧と交流電圧を重畳した電圧の印加を開始している。ここで、感光体ドラムの駆動開始前から行われる交流電圧のみの印加を第1帯電とし、画像形成時の帯電電圧(直流電圧と交流電圧を重畳した電圧)の印加を第2帯電と記す。ここでは、第1帯電の帯電設定は直流電圧=0V、交流電圧がピーク間電圧=2500V・周波数=2.6kHz、第2帯電の帯電設定は直流電圧=−800V、交流電圧がピーク間電圧=2000V・周波数=2.3kHzと設定した。なお、これらは例示であって、これに限定されるものではなく、必要に応じて適宜設定されるものである。
本実施例では、総帯電印加時間を少なくすることで、前述した実施例による効果に加えてさらに、感光体ドラムに対する放電劣化や、消費電力を少なくすることができる。
第2帯電の周波数を感光体ドラムの持つ固有振動数の1/2付近に設定すると、感光体ドラムが共鳴し振動が大きくなり、帯電音が発生してしまうおそれがある。そこで、従来は画像形成動作中の帯電周波数は感光体ドラムの持つ固有振動数を避けるように選択することが多い。
しかし、本実施例は感光体ドラムの駆動開始時のクリーニングブレードの引き込まれを抑制する為に、積極的に感光体ドラムを振動させることを目的としている。そのため、第1帯電時には感光体ドラムの持つ固有振動数の1/2に近づけることでさらに効果を得ることができる。
図7に本実施例で使用した感光体ドラムの固有振動数を測定した結果を示す。
今回、感光体ドラムの固有振動数を測定する為、感光体ドラムに外部から振動を与え(ここでは帯電装置による帯電印加)、感光体ドラムの振動測定を行った。振動測定はレーザー照射による振動測定機を使用し、感光体ドラムの微小な振動を検知し、周波数を算出する装置を用いた。図7の横軸は周波数を表し、縦軸に振動強度を示している。図7に示すグラフより約5.2kHz付近に振動のピークがあることが分かる。
本実施例の感光体ドラムの固有振動数は5.2kHzであることが分かった。そこで帯電装置の交流電圧印加の周波数として感光体ドラムの固有振動数の1/2である2.6kHzとした。これは、前述の通り帯電ローラと感光体ドラム間の振動は周波数の2倍で起きる為、感光体ドラムを共振させる為に、感光体ドラムの固有振動数の1/2の周波数の交流電圧を帯電ローラから感光体ドラムに印加することとした。
更に、第1帯電の周波数(感光体ドラムの駆動開始前に帯電ローラが感光体ドラムに印加する交流電圧の周波数)が、高周波(2.0kHz以上)の交流電圧を印加することで、帯電音の発生をより抑制することができる。
そこで、上記構成の実施例2で前述した実施例1との比較を行った。効果確認は実施例1と同じ方法で確認した。
Figure 0005517863
表2のように実施例1・2共に効果を発揮している。さらに実施例2では消費電力も低下していた。さらに、実施例1よりも帯電時間が短縮されている為に、感光体ドラム表層の膜厚の低下が抑制されている結果が得られた。さらに、本実施例では感光体ドラム駆動開始前後の所定時間(40msec)の間に感光体ドラムの固有振動数の1/2の周波数である交流電圧を印加していたが、実施例1に比べて非常に短い時間である為、帯電音は気にならない程度であった。
上述したように、本実施例によれば、前述した実施例1と同様の効果が得られる。さらに、画像形成時とは違う周波数の帯電交流電圧を設定し、且つ、感光体ドラム固有振動数の1/2である周波数を設定することで、感光体ドラムを帯電装置により共振させることができ、画像形成時における帯電音や画像不良も防止することができる。
〔他の実施形態〕
前述した実施形態では、画像形成部が4つの画像形成ユニットを備える構成を例示しているが、画像形成ユニットの数はこれ限定されるものではなく、必要に応じて適宜設定すれば良い。
また前述した実施形態では、画像形成装置として複写機を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えばプリンタ、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像形成装置であっても良い。あるいは、記録材担持体を使用し、該記録材担持体に担持された記録材に各色のトナー像を順次重ねて転写する画像形成装置であっても良い。これらの画像形成装置に本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。
11,11a,11b,11c,11d …感光体ドラム
12,12a,12b,12c,12d …一次帯電装置
15,15a,15b,15c,15d …クリーニングブレード
51 …制御手段
52 …電源

Claims (5)

  1. 画像を形成するための感光体と、前記感光体の表面に当接して電源から直流電圧に交流電圧を重畳した電圧が印加されて前記感光体の表面を均一に帯電する帯電装置と、前記感光体に当接して転写後の前記感光体の表面に残留した現像剤を掻き落す弾性ブレード部材と、を有する画像形成装置において、
    前記帯電装置は、前記感光体の駆動開始前に、前記感光体に交流電圧のみの印加を開始することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記感光体の駆動開始前に、前記帯電装置が前記感光体に印加する交流電圧の周波数が、画像形成時に感光体に印加する交流電圧の周波数とは異なることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記感光体の駆動開始前に、前記帯電装置が前記感光体に印加する交流電圧の周波数が、感光体の持つ固有振動数の1/2であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記感光体の駆動開始前に、前記帯電装置が前記感光体に印加する交流電圧の周波数が、2.0kHz以上の周波数であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  5. 前記帯電装置は、前記感光体の駆動開始前に開始した交流電圧のみの印加を、所定時間後に終了することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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