JP2013120294A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

定着装置および画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013120294A
JP2013120294A JP2011268384A JP2011268384A JP2013120294A JP 2013120294 A JP2013120294 A JP 2013120294A JP 2011268384 A JP2011268384 A JP 2011268384A JP 2011268384 A JP2011268384 A JP 2011268384A JP 2013120294 A JP2013120294 A JP 2013120294A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
unit
paper
toner
recording material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011268384A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiro Maeda
智弘 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2011268384A priority Critical patent/JP2013120294A/ja
Publication of JP2013120294A publication Critical patent/JP2013120294A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Cleaning In Electrography (AREA)

Abstract

【課題】記録材上に定着されることなく残存するトナーを低減する。
【解決手段】未定着トナー像に光を照射することにより上記未定着トナー像を用紙Pに定着させるレーザ照射部L1と、レーザ照射部L1によって光が照射された後に用紙P上に残存している未定着トナーを用紙Pから除去するクリーニング部110とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、記録材上に形成された未定着トナー像に光を照射することにより上記未定着トナー像を上記記録材に定着させる光定着方式の定着装置、およびそれを備えた画像形成装置(例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ、複合機等)に関するものである。
従来より、電子写真方式の画像形成装置に備えられる定着装置として、用紙等の記録材上に形成された未定着トナー像に光を照射することにより上記未定着トナー像を上記記録材に定着させる光定着方式の定着装置が知られている。
光定着方式の定着装置では、記録材に対する未定着トナー像の現像過程において記録材における非画像領域に本来不必要な少量のトナー(かぶりトナー)が付着した場合に、このかぶりトナーが定着されずに記録材上に残存しやすいという問題がある。
すなわち、従来のローラ定着方式やベルト定着方式等の記録材全体を加熱および加圧して定着させる接触定着方式の定着装置では、記録材全体を加熱加圧するので、記録材上のトナーをほぼ均一に定着させることができる。
これに対して、光定着方式の定着装置では、未定着トナーに光が照射されることにより、トナー自身が光を吸収して発熱する発熱源となって溶融するようになっており、記録材上における未定着トナーの密度によってトナーの定着レベルが大きく変化する。
例えば、記録材における画像データに応じた画像が形成される領域である画像領域のトナー(未定着トナー像を構成するトナー)である画像領域トナーは、非画像領域(記録材における余白部分等)に付着したかぶりトナーに比べてトナーがある程度密集している。このため、トナー1粒当たりの記録材や雰囲気中への熱損失が少ない。
一方、かぶりトナーは画像領域トナーに比べて密集していないので、画像領域トナーに比べてトナー1粒あたりの熱損失の割合が大きくなる。このため、トナーを溶融させるために当該トナーを含む所定の照射範囲に照射する光に要求される光エネルギーは、画像領域トナーに比べてかぶりトナーの方が大きくなる。
また、一般に、記録材に対して照射する光の光エネルギーは画像領域トナーを適切に溶融させることができる程度に設定されているので、非画像領域に付着したかぶりトナーを十分に溶融させることができない場合があり、かぶりトナーは定着されないまま記録材上に残存しやすい。
このような問題を解決するための技術として、特許文献1には、光定着方式の定着装置において、記録材上の非画像領域に対して照射する光の光エネルギーを、画像領域に照射する光ビームの光エネルギーよりも大きくすることが記載されている。これにより、特許文献1の技術では、画像データに応じて画像領域に付着させられた画像領域トナーのみならず、非画像領域に付着したかぶりトナーについても記録材に定着させ、記録材に定着されることなく付着したままになるトナーを低減させている。
特開2010―181746号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、画像領域だけでなく非画像領域に対しても光ビームを照射しており、しかも、非通紙領域に対して画像領域に照射する光ビームよりも大きな光エネルギーを有する光ビームを照射しているので、消費電力が増大してしまうという問題がある。
また、特許文献1の技術では、非画像領域に付着したかぶりトナーが記録材に定着されるので、画像品位が低下してしまうという問題がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、光定着方式の定着装置において、記録材上に定着されることなく残存するトナーを、記録材に照射する光の照射光量を増大させることなく、かつ画像品位を低下させることなく低減することにある。
本発明の定着装置は、上記の課題を解決するために、記録材上に形成された未定着トナー像に光を照射することにより上記未定着トナー像を上記記録材に定着させる定着装置であって、上記未定着トナー像に光を照射することにより上記未定着トナー像を上記記録材に定着させる光照射部と、上記光照射部によって光が照射された後に上記記録材上に残存している未定着トナーを上記記録材から除去するクリーニング部とを備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、上記光照射部によって光が照射された後に上記記録材上に残存している未定着トナーをクリーニング部によって除去することができる。したがって、記録材上に定着されることなく残存するトナーを、記録材に照射する光の照射光量を増大させることなく、かつ画像品位を低下させることなく低減することができる。
また、上記光照射部は、上記記録材における未定着トナー像が形成されている領域を含む所定範囲の領域である画像領域または上記未定着トナー像にのみ光を照射し、上記記録材における上記所定範囲外の領域である非画像領域には光を照射しない構成としてもよい。
上記の構成によれば、記録材に照射する光の光エネルギーの総量を画像領域のトナーを適切に定着させるために必要な必要最小限のエネルギーに抑制することができる。また、非画像領域については光が照射されないので、非画像領域に付着したかぶりトナーについては光の照射によって記録材に対する接着力が付与されることがないため、クリーニング部によるクリーニングを容易に行うことができる。
また、上記クリーニング部は、空気を吸い込む吸引部を備えており、上記吸引部によって上記記録材上の空気を吸引することにより上記記録材上に残存している未定着トナーを除去する構成としてもよい。
上記の構成によれば、記録材上の未定着トナーを容易に除去することができる。また、記録材に当接する当接部材(例えばクリーニングローラ、クリーニングウェブ等)を備えた構成のクリーニング部を用いる場合に比べて、当接部材に付着したトナーを除去する手段を設ける必要がないので、定着装置の構成を簡略化することができる。また、吸引部によって吸引されたトナーを容易に回収することができる。
また、上記クリーニング部は、上記記録材に当接する当接部材を備え、上記当接部材によって上記記録材における未定着トナー像が形成されている領域を含む所定範囲の領域である画像領域および上記所定範囲外の領域である非画像領域を押圧することにより上記記録材上に残存している未定着トナーを当該当接部材に付着させて上記記録材上に残存している未定着トナーを除去する構成としてもよい。
上記の構成によれば、上記当接部材によって上記記録材の表面を押圧することにより上記記録材上に残存している未定着トナーを除去することができる。また、画像領域に定着された画像を押圧することで記録材の表面を平滑化するとともに、光沢のある画像を得ることができる。
本発明の画像形成装置は、上記したいずれかの定着装置を備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、記録材上に定着されることなく残存するトナーを、記録材に照射する光の照射光量を増大させることなくかつ画像品位を低下させることなく低減することができる。
以上のように、本発明の定着装置によれば、記録材上に定着されることなく残存するトナーを、記録材に照射する光の照射光量を増大させることなく、かつ画像品位を低下させることなく低減することができる。
本発明の一実施形態にかかる画像形成装置に備えられる定着装置の構成を示す説明図である。 本発明の一実施形態にかかる画像形成装置の構成を示す説明図である。 図2の画像形成装置に備えられる画像形成部および定着装置の構成を示す説明図である。 図1に示した定着装置に備えられるレーザアレイの構成を示す説明図である。 (a)は図1に示した定着装置に備えられるクリーニング部の構成を示す説明図である。(b)は(a)に示したクリーニング部に供えられる吸引ヘッドの構成を示す説明図である。 図2の画像形成装置に備えられる定着装置の変形例を示す説明図である。 本実施形態にかかる定着装置を用いて行った実験の実験結果を示す説明図である。
本発明の一実施形態について説明する。
(1−1.複合機の全体構成)
図2は、本実施形態にかかる複合機(画像形成装置)700の概略構成を示す説明図である。なお、複合機700は、スキャナ機能、コピー機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能、画像ファイリング機能等を備える画像形成装置である。
複合機700は、図2に示すように、スキャナ701と周辺機器702とプリンタ703とを備えている。
スキャナ701は、原稿を読み取って画像信号(アナログ信号)を生成する読取部605を有している。
プリンタ703は、ネットワーク上の各端末装置から送信される画像データ、または、読取部605にて読み取られた原稿の画像データに基づいて、用紙(記録材)に対して多色画像(カラー画像)または単色画像を形成する。なお、プリンタ703は、画像処理部606、画像形成部607、定着装置40、記憶部609、入力部603、表示部604、および本体制御部601を備えている。
画像処理部606は、読取部605によって生成された画像データまたは端末装置から送信される画像データに各種画像処理を施す。
画像形成部607は、画像処理部606から出力される画像データに応じたトナー像を用紙上に形成する。なお、本実施形態では、画像処理部606として、乾式電子写真方式かつ4連タンデム式のカラー画像形成装置を用いている。画像処理部606の詳細については後述する。
定着装置40は、画像形成部607によって用紙上に形成されたトナー像を用紙に対して定着させる定着処理を行う。なお、定着装置40は、当該定着装置40の各部の動作を制御する定着制御部602を備えている。定着制御部602は本体制御部601に組み込まれていてもよく、本体制御部601とは別に設けられ、本体制御部601からの指示に応じて定着装置40の動作を制御する構成であってもよい。
表示部604は、利用者に対して複合機700に関する各種情報や印刷画像のプレビュー画像などを表示する。また、入力部603は、利用者からの複合機700に対する各種コマンドや各種情報の入力を受け付ける。なお、入力部603および表示部604は、プリンタ703の筐体に備えられていてもよく、スキャナ701の筐体に備えられていてもよい。
記憶部609は、本体制御部601において用いられる各種データを記憶している。
本体制御部601は、入力部603を介して入力されるユーザからの指示、記憶部609に記憶している各種データ、複合機700に備えられる各種センサ(図示せず)の検出結果などに応じて複合機700に備えられる各部の動作を統括的に制御する。
例えば、記憶部609には、用紙(記録材)Pの搬送を開始してから用紙Pが定着装置40におけるレーザ光の照射位置に到達するまでの時間、各種パラメータに基づいてレーザ光の出力値を決定するためのテーブルなどが記憶されている。
本体制御部601は、画像処理部606から入力される画像データに基づいて印字位置情報(各ページについてどの位置に印字するかを示す信号)を生成し、生成した印字位置情報と記憶部609に記憶している上記各情報とに基づいてレーザ光の出力タイミング、およびレーザ光の出力値を決定して定着制御部602に伝達する。
定着制御部602は、本体制御部601から伝達されたレーザ光の出力タイミング、およびレーザ光の出力値に基づいて定着装置40の動作を制御する。
また、本体制御部601は、複合機700に備えられる用紙検知センサ(図示せず)の検出結果に応じて複合機700に備えられる用紙搬送手段(画像形成部607に備えられる用紙搬送装置30、定着装置40に備えられる用紙搬送部L2など)の動作を制御する。なお、用紙搬送部L2については、本体制御部601が定着制御部602に複合機700に備えられる用紙検知センサ(図示せず)の検出結果等に応じた駆動タイミング信号を送り、定着制御部602がこの駆動タイミング信号に応じて用紙搬送部L2の動作を制御するようになっている。
周辺機器702は、フィニッシャーやソーターなどの後処理装置を有しており、周辺機器702に備えられる周辺機器制御部608が本体制御部601から伝達される各種信号に応じてこれらの後処理装置の動作を制御する。
(1−2.画像形成部の構成)
次に、画像形成部607の構成について具体的に説明する。図3は、複合機700に含まれる画像形成部607および定着装置40を示す模式図である。画像形成部607は、図3に示すように、可視像形成ユニット50(50Y・50M・50C・50B)、および用紙搬送装置30を備えている。
画像形成部607には、イエローのトナーを用いて画像形成を行う可視像形成ユニット50Yと、マゼンダのトナーを用いて画像形成を行う可視像形成ユニット50Mと、シアンのトナーを用いて画像形成を行う可視像形成ユニット50Cと、ブラックのトナーを用いて画像形成を行う可視像形成ユニット50Bとが並設されている。また、図3に示すように、可視像形成ユニット50Y・50M・50C・50Bは、用紙Pが搬送される用紙搬送路に沿って並んで配置されている。
次に、可視像形成ユニット50Yの構成について説明する。なお、可視像形成ユニット50Y・50M・50C・50Bは、取り扱うトナーの色が各々異なる以外は実質的に同一の構成を有するため、以下では可視像形成ユニット50Yの構成についてのみ説明し、可視像形成ユニット50M・50C・50Bの構成の説明については省略する。
可視像形成ユニット50Yは、図3に示すように、感光体ドラム51、帯電器52、光照射装置53、現像器54、転写ローラ55、およびクリーナユニット56を有している。
感光体ドラム51は、感光性材料にて表面が形成されており、図3に示すF方向に回転するドラム形状のローラであり、表面にトナー画像が形成されるようになっている。帯電器52は感光体ドラム51の表面を所定の電位に均一に帯電させるものである。光照射装置53は、帯電器52によって帯電した感光体ドラム51の表面に画像形成部607に入力された画像データに応じたレーザ光を照射することにより、感光体ドラム51の表面に静電潜像を形成するものである。現像器54は、感光体ドラム51の表面に形成された静電潜像をイエローのトナーによって顕像化する。転写ローラ55は、トナーとは逆極性のバイアス電圧が印加されており、搬送されている用紙Pに対して、感光体ドラム51に形成されたトナー像を転写するためのものである。クリーナユニット56は、現像器54による現像処理および感光体ドラム51に形成された画像の転写処理後に感光体ドラム51の表面に残留したトナーを除去・回収するためのものである。
なお、本実施形態では、静電潜像を現像する方法として、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤を用いる2成分現像方式を用いている。2成分現像方式は、キャリアと呼ばれる磁性粒子とトナーとを撹拌して互いに摩擦帯電させることによってキャリアの表面にトナーを担持させ、トナーを担持するキャリア(現像剤)で磁石部材を内包する現像ローラの表面に穂を形成し、穂中のトナーを現像ローラから感光体ドラム(電子写真感光体)の静電潜像へ移行させて現像する。2成分現像方式は、1成分現像方式に比べて装置が若干複雑になるが、トナーの電位設定が比較的容易であり、高速対応性および安定性に優れていることから、この分野において多用されている。ただし、静電潜像の現像方法はこれに限るものではなく、磁性1成分現像剤または非磁性1成分現像剤を用いる1成分現像方式を用いてもよい。
以上のような転写処理は、可視像形成ユニット50M・50C・50Bにおいても行われる。ただし、可視像形成ユニット50Mではマゼンタのトナーによって現像処理が行われ、可視像形成ユニット50Cではシアンのトナーによって現像処理が行われ、可視像形成ユニット50Bではブラックのトナーによって現像処理が行われる。
これにより、イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの各画像(未定着トナー像)が用紙P上に重ね合わされて転写され、フルカラー画像(未定着トナー像)が形成されるようになっている。
次に、用紙搬送装置30について説明する。用紙搬送装置30は、図3に示すように、駆動ローラ31、アイドリングローラ32、搬送ベルト33を有し、可視像形成ユニット50において用紙Pにトナー像が形成されるように用紙Pを搬送するためのものである。搬送ベルト33は、無端状ベルトであり、駆動ローラ31およびアイドリングローラ32に架けられている。そして、図示しない制御部が駆動ローラ31を所定の周速度で回転させることにより、搬送ベルト33が回転するようになっている。また、搬送ベルト33の外側表面には静電気が付加されている。これにより、搬送ベルト33は、用紙Pを静電吸着しながら搬送するようになっている。用紙Pは、トナー像の転写後、駆動ローラ31の曲率によって搬送ベルト33から剥離され、定着装置40に搬送される。
定着装置40は、用紙(記録材)Pに形成されているトナー像(未定着トナー像)に対してレーザ光を照射することによって当該トナー像を用紙Pに定着する装置である。具体的には、レーザ光によって用紙P上の未定着トナー層に適度な光エネルギーを与えることによりトナー層がレーザ光の一部を吸収して発熱することで溶解し、溶解後のトナー層が冷却されて用紙Pに定着(固定)される。これにより、用紙P上に堅牢な画像が形成される。
(1−3.定着装置の構成)
次に、定着装置(レーザ定着装置)40の構成について具体的に説明する。図1は本実施形態にかかる定着装置40の構成を示す説明図であり、図4は図1に示した定着装置に備えられるレーザ照射部(光照射部)L1の構成を示す説明図である。
定着装置40は、図1に示すように、レーザ照射部L1、用紙搬送部(記録材搬送部)L2、およびクリーニング部110を備えている。また、定着装置40は、図2に示したように、定着制御部602を有している。定着制御部602は、定着装置40に備えられる各ハードウェアを制御するものである。
定着装置40においては、図1に示すように、用紙搬送部L2が用紙Pを所定の定着搬送速度でレーザ照射部L1によってレーザ光が照射されるエリア(レーザ照射エリアA)を通過させるように搬送し、レーザ照射部L1が搬送されている用紙Pに向けてレーザ光を照射するようになっている。これにより、図1に示すように、レーザ照射エリアAにおいて用紙Pの表面のトナーにレーザ光が照射されることで当該トナーが熱溶融し、これによりトナーが用紙Pに定着される。その後、クリーニング部110により、用紙P上の未定着トナー(用紙Pに定着されなかったかぶりトナー)が用紙Pから除去される。なお、図1において、符号T1は用紙P上に転写された未定着トナーを示しており、符号T2は用紙Pに定着したトナーを示している。
用紙搬送部L2は、定着駆動ローラ102、定着従動ローラ107、電源104、分離チャージャ105、除電チャージャ106、および定着搬送ベルト103を備えている。
定着搬送ベルト103は、無端状のベルトであり、ポリカーボネート、フッ化ビニリデン、またはポリイミド等の樹脂にカーボン等の導電性部材を分散させた素材から構成される。また、定着搬送ベルト103は、定着駆動ローラ102と定着従動ローラ107とに張架されており、定着駆動ローラ102が定着部モータ(図示せず)によって回転駆動されることにより、この定着駆動ローラ102に従動回転するようになっている。
定着部モータ(図示せず)は、定着制御部602からの信号に応じて、所定の用紙搬送速度(本実施形態では200mm/s)で用紙Pを搬送するように定着駆動ローラ102を回転駆動する。なお、用紙搬送速度は、特に限定されるものではなく、例えば定着制御部602が各種条件に応じて任意に調節するようにしてもよい。
このように構成された用紙搬送部L2において、各可視像形成ユニット50(50Y・50M・50C・50B)によって未定着トナー像が形成された用紙Pは、用紙搬送装置30から用紙搬送部L2に引き渡され、定着搬送ベルト103の表面に静電吸着される。
そして、定着駆動ローラ102が回転駆動されることによって定着搬送ベルト103は矢印G方向に回転する。これにより、定着搬送ベルト103の表面に吸着された用紙Pはレーザ照射部L1によってレーザ光が照射されるエリア(レーザ照射エリア)Aに搬送される。
レーザ照射部L1は、定着搬送ベルト103上によって搬送されている用紙P上の未定着トナー像に対してレーザ照射エリアAにおいてレーザ光を照射し、用紙Pに定着させる。すなわち、レーザ照射エリアAにおいて未定着トナー像にレーザ光を照射することにより、未定着トナー像を構成するトナーがこのレーザ光の一部を吸収することによって発熱し、溶融する。そして、溶融した未定着トナー像はレーザ照射エリアAを通過すると周囲の空気および用紙Pの温度によって冷却され、用紙Pに定着する。
具体的には、本体制御部601は、画像処理部606から入力される画像データ、ユーザからの指示入力、および記憶部609に記憶している各種データなどに応じて、用紙Pにおける画像データに応じた画像が形成される領域である画像領域と画像データに応じた画像が形成されない領域である非画像領域(余白領域)とを検出し、さらに、画像領域のうち実際に印字が行われる位置(印字位置)とを検出する。そして、本体制御部601は、検出した印字位置情報と記憶部609に記憶している上記各情報とに基づいてレーザ光の出力タイミング、およびレーザ光の出力値を決定して定着制御部602に伝達する。これにより、定着制御部602は、本体制御部601から伝達されたレーザ光の出力タイミング、およびレーザ光の出力値に基づいて定着装置40の各部の動作を制御し、用紙P上の印字位置(あるいは印字位置を含む所定範囲の領域)、すなわち未定着トナー像が形成されている位置(あるいは当該位置を含む所定範囲の領域)に選択的にレーザ光を照射する。したがって、レーザ光は、画像領域にのみ照射され、非画像領域には照射されない。
レーザ照射部L1は、図1および図4に示すように、セラミック基板207と、セラミック基板207上に配置された複数のシリコン基板204と、放熱板(ヒートシンク)208と、複数の凸レンズ201が配設されたレンズホルダー202とによって構成されている。
セラミック基板207には表面電極206が形成されている。また、シリコン基板204には、フォトダイオード203およびドライバ回路(図示せず)がモノリシックに形成されている。そして、表面電極206とシリコン基板204とはボンディングワイヤ205によって電気的に接続されている。また、シリコン基板204には、光源である半導体レーザ素子(レーザ照射素子、半導体レーザチップ)200がマウントされており、半導体レーザ素子200とシリコン基板204との間が電気的に接続されている。
また、レーザ照射部L1は、シリコン基板204を複数個(1000個)有している。したがって、図4に示すように、レーザ照射部L1は、1000個の半導体レーザ素子200を有していることになる。
また、半導体レーザ素子200は、所定方向(用紙Pの搬送方向に直交する方向、かつ用紙Pの画像形成面に対して平行な方向。定着搬送ベルト103の幅方向)に沿って一列に配置されている。具体的には、各半導体レーザ素子200は、上記所定方向の幅W1の範囲内において配列ピッチp1(本実施形態では1.0mm)で上記所定方向に沿った直線上に配置されている。なお、本実施形態では、各半導体レーザ素子200として、波長780nm、定格出力は2.0Wのものを用いた。ただし、半導体レーザ素子200の出射光の波長はこれに限るものではなく、半導体素子の配合や材料等を替えることで400nm〜1000nmの範囲で選択できる。
また、上記の複数の凸レンズ201は、各半導体レーザ素子200に対応して配置されている。これにより、各半導体レーザ素子200から出射光は凸レンズ201によって拡散され、レーザ照射エリアAを通過する用紙Pに対してレーザスポット径0.3mmで照射される。なお、本実施形態では、各凸レンズ201を樹脂で構成されるレンズホルダー202に組み込んでいるが、これに限るものではない。例えば、樹脂によるレンズ−レンズホルダー一体成形品を用いてもよく、平板ガラスをレンズ状にイオン交換して製造される平板マイクロレンズ等を用いてもよい。また、凸レンズ201を省略し、半導体レーザ素子200から略平行な光束で出射されるレーザ光を未定着トナー像に対してそのまま照射するようにしてもよい。
また、図1および図4に示すように、セラミック基板207はヒートシンク208に取り付けられている。なお、本実施形態では、アルミニウム合金製のヒートシンク208を用いている。
また、図1および図4に示すように、各シリコン基板204には、半導体レーザ素子200の温度を測定するための温度センサ(サーミスタ)209と、半導体レーザ素子200の発光量を検出するためのフォトダイオード(受光素子)203とが備えられている。
温度センサ209およびフォトダイオード203の検出結果は、上記ドライバ回路に出力される。上記ドライバ回路は、半導体レーザ素子200を駆動するための回路であり、図1に示した定着制御部602が画像データに基づいてこのドライバ回路を制御することにより、半導体レーザ素子200を駆動する。また、上記ドライバ回路は、フォトダイオード203から送られてくる信号に基づいて半導体レーザ素子200への印加電圧を補正し、さらに、温度センサ209の出力に応じて半導体レーザ素子200に印加する電圧を補正する。これにより、用紙P上の未定着トナー像に対して半導体レーザ素子200からのレーザ光が照射される。
レーザ照射エリアAにおいてトナー像の定着が行われた用紙Pは、用紙搬送部L2によってクリーニング部110との対向部に搬送され、クリーニング部110によって用紙P上の定着されなかったトナーが除去される。
図5(a)は、クリーニング部110の概略構成を示す模式図である。この図に示すように、クリーニング部110は、吸引ヘッド部112と、トナー分離部114と、トナー回収ボックス115と、真空ポンプ116とを備えている。また、これら各部材は、中空構造のホース113によって接続されている。
図5(b)は、吸引ヘッド部112の概略構成を示す斜視模式図である。図5(b)に示すように、吸引ヘッド部112は、用紙Pの搬送方向に直交する方向、かつ用紙Pの画像形成面に対して平行な方向(定着搬送ベルト103の幅方向)に沿って延伸する形状を有している。なお、吸引ヘッド部112における上記の延伸方向の長さwは、定着装置40において定着処理を行うことのできる最大サイズの用紙における当該方向の幅に応じた長さ(上記の最大サイズの用紙の全域から未定着トナーを吸引できる長さ)になっている。また、図1、図5(a)、および図5(b)に示すように、吸引ヘッド部112における用紙Pとの対向面には、用紙Pとは反対側に窪んだ吸引部111が設けられている。
上記構成のクリーニング部110において、定着制御部602の制御により真空ポンプ116が駆動されると、真空ポンプ116の吸引力により、吸引ヘッド部112の吸引部111から用紙P上の空気が吸引される。これにより、用紙P上の未定着トナーが吸引部111に吸引される。吸引部111から吸引された空気(未定着トナーを含む空気)は、ホース113を介してトナー分離部114に導かれ、このトナー分離部114によって未定着トナーと空気とが分離される。トナー分離部114によって分離されたトナーはトナー回収ボックス115に回収される。トナー分離部114は、空気と空気中のトナーと分離できるものであればよく、例えば従来から公知のトナーフィルターなどを用いることができる。なお、トナー分離部114とトナー回収ボックス115とは、ホース113にとって接続されている構成に限るものではなく、一体的に備えられていてもよい。トナー分離部114によってトナーが除去された空気は真空ポンプ116によって外部に放出される。
なお、真空ポンプ116の吸引力は、用紙P上の未定着トナーを適切に吸引することができ、かつ、吸引によって用紙Pが定着搬送ベルト103から剥離しない程度の吸引力に設定されている。すなわち、真空ポンプ116の吸引力は、用紙Pに作用する吸引力が、用紙Pと定着搬送ベルト103との間に作用している静電吸着力よりも小さくなり、かつ、用紙P上の未定着トナーを適切に吸引することができる程度の大きさに設定されている。これにより、未定着トナーの吸引によって用紙Pの搬送エラーや紙詰まりが生じることを防止できる。
クリーニング部110の吸引ヘッド部112との対向部を通過した用紙Pは、定着搬送ベルト103に静電吸着された状態で分離チャージャ105と定着駆動ローラ102との間に搬送される。定着駆動ローラ102は、導電性材料で構成され、かつ接地されている。分離チャージャ105は、用紙Pの除電を行って定着搬送ベルト103と用紙Pとの間の静電吸着力を弱める。定着搬送ベルト103は定着駆動ローラ102に従動回転しており、用紙Pは分離チャージャ105によって定着搬送ベルト103に対する静電吸着力が弱められた状態で搬送される。定着搬送ベルト103は、定着駆動ローラ102との当接位置において定着駆動ローラ102の外径に応じた大きな曲率を有するため、静電吸着力が弱められた用紙Pの先端部は上記当接部において定着搬送ベルト103から浮く。さらに、上記当接部に対して用紙Pの搬送方向下流側の位置には、分離爪(図示せず)が配置されており、この分離爪によって用紙Pは完全に定着搬送ベルト103から分離させられ、定着装置40から排出される。用紙Pが剥離された後の搬送ベルト15b1は、除電チャージャー106により表面および裏面が除電された後、再び用紙Pの吸着位置へ移動する。
なお、本実施形態では、クリーニング部110を用紙搬送部L2の上方に配置しているが、クリーニング部110の配置位置はこれに限るものではなく、レーザ照射部L1によるレーザ照射エリアAよりも用紙搬送方向の下流側の位置であればよい。例えば、分離チャージャ105よりも用紙搬送方向の下流側に設けてもよい。ただし、クリーニング部110による吸引によって用紙Pの搬送エラーや紙詰まりが生じないように、用紙Pがベルト等に静電吸着されている位置、あるいはクリーニング部110による吸引領域に対して用紙搬送方向の前後の位置で用紙Pが搬送ローラ等によって保持されている位置にクリーニング部110(吸引ヘッド部112)を配置することが好ましい。
(1−4.定着装置の変形例)
上述したように、本実施形態では、用紙P上の空気を吸引することにより用紙P上の未定着トナーを除去する構成のクリーニング部110を用いているが、クリーニング部の構成はこれに限るものではない。例えば、ローラ部材(クリーニングローラ)やウェブ部材(クリーニングウェブ)などの当接部材を用紙Pに当接させることにより、用紙P上の未定着トナーをこの当接部材に付着させて用紙Pから除去する構成のクリーニング部を用いてもよい。
図6は、上述した定着装置40におけるクリーニング部110に代えて、ローラ部材を用紙Pに当接させて用紙P上の未定着トナーを除去する構成のクリーニング部110bを備えた定着装置40bの構成例を示す説明図である。この定着装置40bは、定着装置40に代えて複合機700に備えられる。なお、定着装置40bの構成は、クリーニング部110に代えてクリーニング部110bを備えている以外は定着装置40と同様なので、クリーニング部110b以外の構成については説明を省略する。
図6に示すように、クリーニング部110bは、用紙搬送部L2に対して用紙搬送方向の下流側に配置されており、定着処理後に分離チャージャ105との対向部を通過して定着搬送ベルト103から分離した用紙Pはこのクリーニング部110bに導かれるようになっている。
クリーニング部110bは、図6に示すように、加圧ローラ121、クリーニングローラ(当接部材)122、クリーニングウェブ123、送り出しローラ124、バックアップローラ125、および巻き取りローラ126を備えている。
加圧ローラ121とクリーニングローラ122とは、バネ等の付勢手段(図示せず)により所定の荷重で圧接しており、定着制御部602の制御によって回転駆動される。そして、これら両ローラの当接部(ニップ部)に用紙Pを通紙することにより、用紙P上の未定着トナーがクリーニングローラ122に付着して用紙P上から除去されるようになっている。また、加圧ローラ121とクリーニングローラ122とによって用紙P上に定着されたトナー像を用紙Pに押し付ける方向に加圧することにより、このトナー像の表面を平滑にして適度な光沢を有する画像を得ることができるようになっている。なお、本実施形態では、加圧ローラ121とクリーニングローラ122との圧接荷重を150Nとしているが、これに限らず、用紙P上の未定着トナーをクリーニングローラ122に付着(転写)させて除去することができ、かつ用紙P上に定着されたトナー像の表面を平滑化して光沢を付与できるように設定すればよい。
加圧ローラ121およびクリーニングローラ122としては、アルミニウムからなる外径30mmの中空円筒状の芯金の外周面に弾性層を備えた構成のものを用いている。加圧ローラ121の弾性層としては、厚さ2mmのシリコンゴムを用いている。また、クリーニングローラ122の弾性層としては、厚さ2mmのウレタンゴムを用いている。
なお、芯金の素材はアルミニウムに限るものではなく、例えば鉄等の他の金属部材を用いてもよい。また、芯金のサイズについても上記のサイズに限るものではない。
また、本実施形態では、クリーニングローラ122の表面にウレタンゴムからなる弾性層を形成しているが、これに限らず、クリーニングローラ122の表面は、用紙P上の未定着トナーをクリーニングローラ122に付着させて除去することができ、かつ用紙P上に定着されたトナー像の表面を平滑化して光沢を付与できる構成であればよい。例えば、弾性層を設けず、芯金の表面を用紙Pに直接当接させる構成としてもよい。
また、クリーニングローラ122に用紙P上の未定着トナーと逆極性の電圧を印加し、未定着トナーを静電気的にクリーニングローラ122に転写させる構成としてもよい。なお、クリーニングローラ122に用紙P上の未定着トナーと逆極性の電圧を印加する場合には、静電気力によってトナーだけでなく用紙Pに対してもクリーニングローラ122に引き寄せる方向の力が作用し、用紙Pがクリーニングローラ122に巻き付く可能性がある。このため、クリーニングローラ122に引き寄せられた用紙Pをクリーニングローラ122から分離させて適切に搬送するための分離爪(図示せず)を設けてもよい。
クリーニングウェブ123は、クリーニングローラ122の表面に付着したトナーを除去・回収するためのものである。クリーニングウェブ123の一端は送り出しローラに取り付けられており、他端は巻き取りローラ126に取り付けられている。また、クリーニングウェブ123における送り出しローラ124から巻き取りローラ126に至るまでの位置にはバックアップローラ125が配置されており、クリーニングウェブ123はバックアップローラ125によってクリーニングローラ122に所定の荷重で押圧されている。
巻き取りローラ126は、定着制御部602がモータやギア等の駆動源(いずれも図示せず)を制御することにより回転駆動される。これにより、送り出しローラ124に巻き付けられたクリーニングウェブ123はバックアップローラ125とクリーニングローラ122との対向部(クリーニングローラ122との当接部)を通過して巻き取りローラ126に巻き取られる。クリーニングローラ122の表面に付着しているトナーは、クリーニングウェブ123と当接することによってクリーニングウェブ123に付着し、クリーニングローラ122の表面から除去される。
定着制御部602は、加圧ローラ121とクリーニングローラ122との対向部(ニップ部)を所定枚数の用紙が通過する毎にクリーニングウェブ123を所定量だけ巻き取るように巻き取りローラ126を図6に示した矢印の方向に回転させる。例えば、用紙が6枚通過する毎にクリーニングウェブ123を0.5mm巻き取るように巻き取りローラ126を回転させる。なお、巻き取りローラ126を駆動するためのモータを複合機700の本体に設け、このモータによる駆動力をギア等により巻き取りローラ126に伝達するようにしてもよい。また、本実施形態では、巻き取りローラ126を所定枚数の用紙が通過する毎に間欠的に回転駆動させているが、これに限らず、用紙通過タイミングに合わせて連続的に回転させるようにしてもよい。
クリーニングウェブ123としては、例えば、芳香族ポリアミド繊維に高温で柔らかいポリエステル繊維を混入させた、適度な柔らかさと強さをもったノーメックス、ヒメロン等の耐熱不繊布よりなるクリーニングウェブを用いることができる。クリーニングウェブ123の厚さは、特に限定されるものではないが、30μm〜100μmであることが好ましい。本実施形態では、厚さ40μmのものを用いている。
また、本実施形態では、クリーニングウェブ123に、0.01m/s(10000センチストークス)程度の粘度を有するシリコーンオイルを高温で含浸させている。シリコーンオイルとしては、この分野で常用されているものを使用でき、例えば、ジメチルシリコーンオイルを用いることができる。なお、アミノ変性オイル、メルカプト変性オイル、フッ素変性オイル等の変性シリコーンオイルを用いてもよい。
バックアップローラ125は、金属芯金の表面に弾性層を被覆した構成である。弾性層には、十分な柔らかさを得るためにゴム中に発泡剤を入れ、スポンジ状態とすることが好ましい。バックアップローラ125は、両端を回転自在に図示しない軸受によって軸支されている。さらにこの軸受は、図示しないバネによってクリーニングローラ122に押圧されている。本実施形態では、バックアップローラ125として直径20mmのローラ部材を用いた。
(1−5.実験結果)
次に、上述した定着装置40および定着装置40bを用いることによるかぶりの抑制効果を調べるために行った実験の結果について説明する。この実験では、上述した定着装置40を備えた(実施例1)、定着装置40b(実施例2)、およびクリーニング部を備えない以外は定着装置40,40bと同様の構成の定着装置(比較例)をそれぞれ複合機700に搭載して画像形成処理を行い、非画像領域に対するかぶりトナーの評価、および画像領域の光沢度の評価を行った。
なお、実施例1、実施例2、および比較例のいずれの場合についても、クリーニング処理以外の画像形成条件は同条件とした。具体的には、共通の素材およびサイズからなる用紙Pに対して共通の未定着トナー像(トナー付着量0.6mg/cm)を形成し、プロセス速度220mm/secとし、レーザ照射部L1に投入する電力を600Wとした。
評価方法としては、実施例1、実施例2、および比較例のそれぞれについて、3枚の用紙に画像形成を行い、非画像領域に存在するかぶりトナーの評価、および画像領域の光沢度の評価を行った。かぶりトナーの評価については、測色色差計(商品名:ZE6000、日本電色社製)を用いて画像形成の前後における非画像領域の白色度の差を測定することにより評価した。また、光沢度の評価については、光沢度計(商品名:VG2000、日本電色工業株式会社製)を用いて画像領域の光沢度を測定した。
図7は、実施例1、実施例2、および比較例のそれぞれについてのかぶりトナーの評価、および光沢度の評価を示している。
図7の結果から明らかなように、実施例1,2における画像形成前後の非画像領域の白色度の差は比較例よりも大幅に小さくなっている。これにより、クリーニング部を備えることで、定着処理後に用紙上に残るかぶりトナーを大幅に削減し、高品質の画像を形成できることがわかる。
また、実施例2では、実施例1および比較例に比べて画像領域の光沢度を大幅に向上させることができた。このことから、クリーニングローラ122によって定着処理されたトナー像を用紙に押し付ける方向に加圧することにより、画像領域の光沢度を向上させることができ、さらに高品質の画像を形成できることがわかる。
以上のように、本実施形態にかかる複合機700に備えられる定着装置40は、用紙P上に形成された未定着トナー像に光を照射することにより上記未定着トナー像を用紙Pに定着させる定着処理を行うレーザ照射部L1と、レーザ照射部L1によって定着処理が行われた後に用紙P上に残存している未定着トナーを用紙Pから除去するクリーニング部110とを備えている。
これにより、レーザ照射部L1によって定着処理が行われた後に用紙P上に残存している未定着トナーをクリーニング部110によって除去することができる。したがって、用紙P上に定着されることなく残存するトナーを、用紙Pに照射する光の照射光量を増大させることなく、かつ用紙Pに形成される画像の画像品位を低下させることなく低減することができる。
また、本実施形態では、用紙Pにおける画像データに応じた画像が形成される領域である画像領域(実際に未定着トナー像が形成されている領域を含む所定範囲の領域)にのみ光を照射し、用紙Pにおける上記所定範囲外の領域である非画像領域(余白領域)には光を照射しない。
これにより、用紙Pに照射する光の光エネルギーの総量を、用紙Pの全体に光を照射する場合に比べて抑制できる。また、非画像領域については光が照射されないので、非画像領域に付着したかぶりトナーについては光の照射によって記録材に対する接着力が付与されることがない。したがって、クリーニング部110による未定着トナーのクリーニングを容易に行うことができる。
また、本実施形態では、上記画像領域のうち、未定着トナー像が印字されている印字位置にのみ光を照射し、非印字領域には光を照射しない。
これにより、用紙Pに照射する光の光エネルギーの総量を、未定着トナー像を適切に定着させるために必要な必要最小限のエネルギーに抑制することができる。また、非画像形成領域および非印字位置については光が照射されないので、非画像領域および非印字位置に付着したかぶりトナーについては光の照射によって記録材に対する接着力が付与されることがない。したがって、クリーニング部110による未定着トナーのクリーニングを容易に行うことができる。
また、本実施形態では、レーザ照射素子を用いて記録材に定着処理のための光を照射している。これにより、フラッシュランプやLED(Light Emitting Diode)などの光照射手段を用いる場合に比べて光の拡散が少ないため、被照射領域に対して容易かつ効果的に光を集光することができる。したがって、被照射領域に照射される光の光強度(単位面積当たりの光出力:W/mm)を大きくすることができるので、光の利用効率を高めて未定着トナー像を効率的に定着させることができる。また、未定着トナー像を構成するトナーが存在する箇所のみを選択的に加熱することができるので、トナーを効率的に加熱できる。
また、本実施形態では、複数の半導体レーザ素子(レーザ光源)200を搬送される用紙Pの幅方向(用紙Pの搬送方向に垂直、かつ用紙Pの印字面に平行な方向)に列状に配置し、これら各半導体レーザ素子200からのレーザ光の照射方向は一定とし、用紙Pを用紙Pに対して相対的に移動させることによって用紙P上の未定着トナー像の各印字位置にレーザ光を照射しているが、これに限るものではない。例えば、レーザ光源からのレーザ光の照射方向を変化させて用紙P上の未定着トナー像の各印字位置をスキャン(走査)する構成(レーザ光スキャン方式)にしてもよい。
ただし、レーザ光の照射方向は一定とし、用紙Pを用紙Pに対して相対的に移動させる構成の場合、レーザ光スキャン方式の場合に比べて、定着装置40の構成を簡略化することができ、定着プロセスに要する時間を短縮することができるという利点がある。
すなわち、レーザ光スキャン方式の場合、用紙Pの幅方向(用紙Pの搬送方向に垂直、かつ用紙Pの印字面に平行な方向)にレーザ光を走査する必要があるので、定着プロセスに要する時間が長くなる。また、レーザ光を走査するための構成を追加する必要があるので、定着装置40の構成が複雑になる。
また、単一のレーザ光源を用いてレーザ光の走査を行う構成よりも、複数の半導体レーザ素子200を備える構成にした方が、各レーザ素子と放熱部であるヒートシンク218との伝熱面積を大きくすることができるので、ヒートシンク218への熱移動効率を向上することができる。
また、本実施形態において、複合機700および定着装置40,40bに備えられる制御部(本体制御部601および定着制御部602)を、CPU等のプロセッサを用いてソフトウェアによって実現してもよい。この場合、複合機700および定着装置40,40bは、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである複合機700および定着装置40,40bの制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、複合機700および定着装置40,40bに供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによって達成される。
また、複合機700および定着装置40,40bに備えられる制御部(本体制御部601および定着制御部602)は、ソフトウェアを用いて実現されるものに限るものではない。例えば、ハードウェアロジックによって構成されるものであってもよく、処理の一部を行うハードウェアと当該ハードウェアの制御や残余の処理を行うソフトウェアを実行する演算手段とを組み合わせたものであってもよい。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、記録材上に形成された未定着トナー像に光を照射することにより上記未定着トナー像を上記記録材に定着させる光定着方式の定着装置、およびそれを備えた画像形成装置(例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ、複合機等)に適用できる。
30 用紙搬送装置
40,40b 定着装置
50Y・50M・50C・50B 可視像形成ユニット
102 定着駆動ローラ
103 定着搬送ベルト
104 電源
105 分離チャージャ
106 除電チャージャ
107 定着従動ローラ
110,100b クリーニング部
111 吸引部
112 吸引ヘッド部
113 ホース
114 トナー分離部
115 トナー回収ボックス
116 真空ポンプ
121 加圧ローラ
122 クリーニングローラ(当接部材)
123 クリーニングウェブ
124 送り出しローラ
125 バックアップローラ
126 巻き取りローラ
200 半導体レーザ素子(レーザ照射素子)
601 本体制御部
602 定着制御部
606 画像処理部
607 画像形成部
609 記憶部
700 複合機(画像形成装置)
A レーザ照射エリア
L1 レーザ照射部(光照射部)
L2 用紙搬送部(記録材搬送部)
P 用紙(記録材)

Claims (5)

  1. 記録材上に形成された未定着トナー像に光を照射することにより上記未定着トナー像を上記記録材に定着させる定着装置であって、
    上記未定着トナー像に光を照射することにより上記未定着トナー像を上記記録材に定着させる光照射部と、
    上記光照射部によって光が照射された後に上記記録材上に残存している未定着トナーを上記記録材から除去するクリーニング部とを備えていることを特徴とする定着装置。
  2. 上記光照射部は、上記記録材における未定着トナー像が形成されている領域を含む所定範囲の領域である画像領域または上記未定着トナー像にのみ光を照射し、上記記録材における上記所定範囲外の領域である非画像領域には光を照射しないことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 上記クリーニング部は、空気を吸い込む吸引部を備えており、上記吸引部によって上記記録材上の空気を吸引することにより上記記録材上に残存している未定着トナーを除去することを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 上記クリーニング部は、上記記録材に当接する当接部材を備え、上記当接部材によって上記記録材における未定着トナー像が形成されている領域を含む所定範囲の領域である画像領域および上記所定範囲外の領域である非画像領域を押圧することにより上記記録材上に残存している未定着トナーを当該当接部材に付着させて上記記録材上に残存している未定着トナーを除去することを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の定着装置を備えた画像形成装置。
JP2011268384A 2011-12-07 2011-12-07 定着装置および画像形成装置 Pending JP2013120294A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011268384A JP2013120294A (ja) 2011-12-07 2011-12-07 定着装置および画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011268384A JP2013120294A (ja) 2011-12-07 2011-12-07 定着装置および画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013120294A true JP2013120294A (ja) 2013-06-17

Family

ID=48772947

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011268384A Pending JP2013120294A (ja) 2011-12-07 2011-12-07 定着装置および画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013120294A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014170217A (ja) * 2013-02-07 2014-09-18 Ricoh Co Ltd 定着装置及び画像形成装置
JP2015022140A (ja) * 2013-07-19 2015-02-02 株式会社リコー クリーニング装置、定着装置及び画像形成装置
JP2015028506A (ja) * 2013-07-30 2015-02-12 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置
JP2015036770A (ja) * 2013-08-14 2015-02-23 株式会社リコー 画像形成装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014170217A (ja) * 2013-02-07 2014-09-18 Ricoh Co Ltd 定着装置及び画像形成装置
JP2015022140A (ja) * 2013-07-19 2015-02-02 株式会社リコー クリーニング装置、定着装置及び画像形成装置
JP2015028506A (ja) * 2013-07-30 2015-02-12 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置
JP2015036770A (ja) * 2013-08-14 2015-02-23 株式会社リコー 画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5233369B2 (ja) 画像形成装置
JP2006234882A (ja) 画像形成装置及び除電方法
JP2013120294A (ja) 定着装置および画像形成装置
US9360808B2 (en) Fixing device with antistatic agent and image forming apparatus
JP5074992B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2011081136A (ja) 定着装置
JP5517863B2 (ja) 画像形成装置
US5983050A (en) Image forming apparatus with variable capacity cleaning means
CN1924730B (zh) 清洁元件及使用该清洁元件的成像设备
JP2007187805A (ja) 画像形成装置
US8953968B2 (en) Air-bearing photoreceptor backer bar for eliminating transfer streaks
US6219521B1 (en) Belt fuser wiper to remove moisture
JP5433530B2 (ja) 画像形成装置及び中間転写ベルトの転写面処理方法
JP3521685B2 (ja) 画像形成装置
JP2010091754A (ja) 転写装置
JP2005234358A (ja) 画像形成装置
JP2015045739A (ja) 画像形成装置
JP5572654B2 (ja) 現像装置及び画像形成装置
JP2006293161A (ja) 画像形成装置及びその制御プログラム
US7489890B2 (en) Color image forming apparatus with differing toner time constants
JP2007292958A (ja) 定着装置及びこれを用いた画像形成装置
JP2008164669A (ja) 光走査装置及びこれを用いた画像形成装置
JP5657725B2 (ja) 清掃棒、レンズユニット、画像形成装置
US9557693B2 (en) Fixing device and image forming apparatus
JP2003167496A (ja) 画像形成装置