JP5517770B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関し、特に、エアフローメータを用いずに燃焼室に流入される吸気の酸素濃度を推定して、該推定値を用いて内燃機関を制御する制御装置に関する。
内燃機関の燃料噴射量や燃料噴射時期やEGR(排ガス再循環装置)量等の制御量の算出のために、吸気マニホールドの上流の吸気通路に設けられたエアフローメータからの信号、および排ガス中に含まれる酸素濃度を検出する酸素濃度センサ等からの信号が用いられている。
例えば、特許文献1(特許第3259536号公報)には、吸気通路側にエアフローメータを設け、排気通路側に酸素濃度センサを設け、酸素濃度センサによって排ガス中に含まれる酸素濃度を検出してEGRガス中に含まれる空気量を把握し、エアフローメータにより検出された吸入空気量と、EGRガス中の空気量との和から機関シリンダ内に供給される空気量を算出してこの空気量を基に燃料噴射量を算出することが開示されている。
また、特許文献2(特許4284906号公報)には、エアフローメータ、吸気マニホールド内温度、吸気マニホールド内圧力、さらに燃料噴射指令値をもとに排気O濃度を予測し、内燃機関の運転領域毎に排気O濃度の目標値を持ち、前記予測排気O濃度が目標値に一致するように、EGRバルブをフィードバッグ制御することが示されている。
特許第3259536号公報 特許第4284906号公報
しかしながら、これら特許文献1、2に開示されるように、内燃機関の燃料噴射量制御またはEGR量の制御に、排気路側に酸素濃度センサ、および吸気通路側にエアフローメータの両方のセンサを設置する必要がある。
エアフローメータは、動作原理によって熱線式、カルマン渦式等のタイプがあるが、設置部に所定の直線区間等のスペースを要し、大型化する。このため、エンジンルームのスペースが限られた産業用車両等においては、エアフローメータを省略して省スペース化することが望まれている。
そこで、本発明は、これら課題に鑑みてなされたもので、吸気通路にエアフローメータを設置せずに、シリンダ内へ流入する燃焼前の吸気の酸素濃度を、排気通路に設置された酸素濃度センサの検出信号から精度よく推定可能にするとともに、該推定値を用いて内燃機関を制御する内燃機関の制御装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、排ガス再循環装置(EGR)を備えた内燃機関の制御装置において、エンジン回転数センサと、吸気スロットルバルブより下流側の吸気圧力を検出する吸気圧力センサと、吸気スロットルバルブより下流側の吸気温度を検出する吸気温度センサと、排気マニホールドよりも下流側に設けられた酸素濃度センサとを備え、
これら、エンジン回転数、吸気圧力、吸気温度、および酸素濃度センサの信号を用いて、前記排気マニホールドよりも下流側に設置される酸素濃度センサによって検出される酸素濃度の応答遅れを表す伝達特性に基づいて前記排気マニホールド位置での酸素濃度を推定する状態推定器と、該状態推定器によって推定された排気マニホールド位置の酸素濃度を基にシリンダに流入する燃焼前の吸気の酸素濃度を算出する吸気酸素濃度算出手段と、吸気エアフローメータを設けずに前記吸気酸素濃度算出手段によって算出された吸気酸素濃度を用いて内燃機関の燃焼を制御する燃焼制御手段と、を備えたことを特徴とする。
かかる発明によれば、吸気通路にエアフローメータを設置する必要がないため吸気通路部分の小型化が可能になりエンジンルームを省スペース化できる。また、エンジンルームスペースを十分とれない産業用車両へのエンジン搭載性が向上する。
また、本発明によれば、状態推定器によって、排気マニホールド下流側の酸素濃度センサによって検出された酸素濃度から排気マニホールド位置の酸素濃度を推定し、さらに吸気酸素濃度算出手段によって、シリンダに流入する燃焼前の吸気の酸素濃度を算出するので、排気通路後流に設置されたことで生じる酸素濃度センサの計測遅れを補償することができ、排ガス中の有害物質の制御にとって重要な燃焼前の酸素濃度を精度よく推定できる。
このように、燃焼前のシリンダ内の酸素濃度を精度よく推定できることによって、燃焼前酸素濃度の制御性が向上し、排ガス中の有ガス物質(NO、PM)の低減が可能になる。
また、本発明において好ましくは、前記状態推定器は、前記排気マニホールド位置の酸素濃度と排気マニホールド下流側の酸素濃度センサでの酸素濃度との応答遅れを制御対象とする状態方程式を有して構成され、該状態方程式はシリンダ流入ガス量と燃料噴射量との変化率を入力項とするとよい。
このように、シリンダ流入ガス量の時間微分値および燃料噴射量つまり燃料噴射量指令値の時間微分値を状態方程式の入力項として用いることで、酸素濃度センサが排気通路下流側に設置されていることによる排気酸素濃度の検出遅れと、酸素濃度センサの応答遅れとを補償することができるようになる。
また、本発明において好ましくは、前記状態方程式には、酸素濃度センサの設置位置での酸素濃度推定値と該酸素濃度センサの検出値との偏差を用いた補正項を有し、該補正項の補正ゲインが内燃機関の運転状態に応じて、過渡運転時には補正ゲインを小さくして酸素濃度センサの検出値の影響度を小さくし、定常運転時には補正ゲインを大きくして酸素濃度センサの検出値の影響度を大きくするとよい。
このように、定常運転時には、排気マニホールド位置と排気通路後流に設置される酸素濃度センサ位置との間で酸素濃度の大きな変化はないため、酸素濃度センサの検出値の影響を大きくするように補正ゲインを大きくとり、また、過渡運転時には、排ガス流の変動が大きくなるため、酸素濃度センサの検出値の影響を小さくするように補正ゲインを小さくする。これによって、定常運転状態における燃焼前のシリンダ内酸素濃度推定精度と、過渡運転状態における燃焼前のシリンダ内酸素濃度推定精度のバランスをとることができる。
また、本発明において好ましくは、前記吸気酸素濃度算出手段は、エンジンのシリンダ内に吸入した酸素量から燃焼に寄与して消費した酸素量を差し引いた酸素が排出される関係を基に、前記状態推定器によって推定された排気マニホールド位置の酸素濃度からシリンダに吸入する燃焼前の吸気の酸素濃度を算出するとよい。
前記状態推定器によって推定された排気マニホールド位置の酸素濃度からシリンダに吸入する燃焼前の吸気の酸素濃度を算出するので、すなわち、シリンダに吸入される酸素質量流量は、排ガス中の酸素質量流量に、燃焼に寄与して消費した酸素質量流量を加えたものである関係を基に、シリンダ内に吸入する酸素質量流量を算出し、さらに酸素濃度を算出できる。
また、本発明において好ましくは、前記燃焼制御手段は、前記吸気酸素濃度算出手段によって算出された吸気酸素濃度が設定された目標酸素濃度になるように、EGRバルブもしくは吸気スロットルバルブの少なくとも何れか一方を制御する酸素濃度制御手段を備えるとよい。
このように、酸素濃度制御手段はEGRバルブまたは吸気スロットルバルブの少なくとも何れか一方によって、燃焼前のシリンダ内酸素濃度を精度よく目標酸素濃度に制御するので、燃焼前のシリンダ内酸素濃度の制御性が向上し、排ガス有害物質(NO、PM)の低減が可能となる。
また、本発明において好ましくは、前記燃焼制御手段は、前記吸気酸素濃度算出手段によって算出された燃焼前のシリンダ内酸素濃度が設定された目標酸素濃度より高いか低いかに応じて、燃料噴射時期を調整する燃料噴射時期調整手段を備えるとよい。
このように、燃料噴射時期調整手段によって、シリンダ内酸素濃度が設定された目標酸素濃度より高いか低いかに応じて、燃料噴射時期を調整するため、排ガス有害物質(NO、PM)の低減が可能となる。
また、本発明において好ましくは、EGRバルブが全閉でかつ内燃機関の運転が安定時において、前記吸気酸素濃度算出手段によって算出された燃焼前のシリンダ内酸素濃度が大気中の酸素濃度である21%となるように補正値を算出し、該補正値をEGRバルブが全閉でかつ安定時以外の運転時における調整値として加算する吸気酸素濃度補正手段を備えるとよい。
このように、吸気酸素濃度補正手段によって、EGRバルブが全閉でかつ内燃機関の運転が安定時において、前記吸気酸素濃度算出手段によって算出された燃焼前のシリンダ内酸素濃度が大気中の酸素濃度である21%となるように補正値を算出するので、すなわち、酸素濃度センサの劣化状態や、さらに燃料性状違いによる理論空燃比の変化を補正値に反映して算出するため、つまりキャリブレーションされるので、EGRバルブが全閉でかつ内燃機関の運転が安定でない他の運転状態の場合における算出時に、該補正値を加算することによって吸気酸素濃度算出手段によって算出された燃焼前のシリンダ内酸素濃度の算出精度を高めることができる。
また、本発明において好ましくは、EGRガス流量を検出するEGR流量センサをEGR配管に設置し、前記状態推定器への入力信号としてEGRガス質量流量、EGRガス中の酸素濃度をさらに用いるとよい。
具体的には、EGRガス流量の時間微分値およびEGRガス中の酸素濃度の時間微分値の情報をさらに用いて、状態推定器の状態方程式に基づいて排気マニホールド位置での酸素濃度を推定することによって、燃焼前のシリンダ内酸素濃度の推定精度がさらに向上できる。
本発明によれば、排ガス再循環装置(EGR)を備えた内燃機関の制御装置において、エンジン回転数センサと、吸気スロットルバルブより下流側の吸気圧力を検出する吸気圧力センサと、吸気スロットルバルブより下流側の吸気温度を検出する吸気温度センサと、排気マニホールドよりも下流側に設けられた酸素濃度センサとを備えて、これらセンサからの信号を用い、吸気通路にエアフローメータを設けないため、吸気通路部分の小型化が可能になりエンジンルームを省スペース化できる。また、エンジンルームスペースを十分とれない車両へのエンジン搭載性が向上する。
さらに、本発明によれば、状態推定器によって、排気マニホールドよりも下流側の酸素濃度センサによって検出された酸素濃度から排気マニホールド位置の酸素濃度を推定し、さらに吸気酸素濃度算出手段によって、シリンダに吸入する燃焼前の吸気の酸素濃度を算出するので、排気通路後流に設置されることで生じる酸素濃度センサの計測遅れを補償することができ、排ガス中の有ガス物質の制御にとって重要な燃焼前の酸素濃度を精度よく推定できる。
本発明の実施形態を示す全体構成図である。 制御装置の全体フローを示すフローチャートである。 状態推定器による推定演算の第1実施形態を示すフローチャートである。 酸素濃度F/B制御演算の演算フローチャートである。 主噴射タイミング補正の制御フローチャートである。 状態推定器による推定演算の第2実施形態を示すフローチャートである。 第2実施形態の説明図である。 状態推定器による推定演算の第3実施形態を示すフローチャートである。 第3実施形態の詳細説明のフローチャートである。 第4実施形態を示す全体構成図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
図1は、本発明の実施形態を示す全体構成である。図1において、エンジン1は4つの気筒を有する4サイクルディーゼルエンジンである。
エンジン1には、吸気マニホールド3を介して吸気通路5を通って流入した新気が各気筒に供給されるようになっている。また、排気マニホールド7を介して排気通路9が接続されている。
吸気通路5には、排気過給機11のコンプレッサ11aが設けられている。コンプレッサ11aは後述する排気タービン11bに同軸駆動されるものである。吸気通路5のコンプレッサ11aよりも下流側には、コンプレッサ11aで加圧された給気を冷却するインタークーラ13が設けられている。
また、吸気通路5のインタークーラ13よりも下流側には、吸気通路5内を流通する吸気流量を調節する吸気スロットルバルブ15が設けられている。また、吸気スロットルバルブ15の下流側には、吸気マニホールド3内の温度および圧力を検出する吸気温度センサ17及び吸気圧力センサ19が設けられている。また、排気タービン11bの下流側には排ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサ21が設けられている。
吸気温度センサ17、吸気圧力センサ19、酸素濃度センサ21の検知信号は、それぞれA/D変換器23a、23b、23cを介して制御装置25に入力される。
排気通路9には、排気過給機11の排気タービン11bが設けられている。排気タービン11bは、エンジン1からの排気ガスにより駆動される。また、排気マニホールド7には、排気の一部を吸気通路5へ再循環させる排ガス再循環装置(EGR)のEGR通路27が接続されている。このEGR通路27には、EGRクーラー29及びEGRバルブ31が設けられている。
EGRクーラー29は、EGRバルブ31よりも排気マニホールド7側に設けられ、EGRクーラー29を通過するEGRガスは冷却水とで熱交換によって温度低下される。また、EGRバルブ31によって、EGR通路27を流れるEGRガスの流量が制御されるようになっている。EGRバルブ31はEGRバルブ駆動回路32を介して制御装置25と接続され、吸気スロットルバルブ15は、スロットルバルブ駆動回路34を介して制御装置25と接続されている。
また、エンジン1にはエンジン回転数センサ33が設けられており、エンジン回転数センサ33の検知値はパルスカウント回路35を介して制御装置25に入力される。制御装置25には、燃料の噴射時期、噴射量、噴射圧力を制御して燃焼室内に燃料を噴射するように各気筒の燃料噴射弁37に対してインジェクタ駆動回路39を介してエンジン1への燃料噴射が制御される。
また、制御装置25には、状態推定器41が備えられている。
酸素濃度センサ21の位置が排気マニホールド7下流側で、さらに排気タービン11bの下流側に設けられているため設置位置の差による遅れ、および酸素濃度センサ21自体が有している応答遅れのため、酸素濃度センサ21によって検出された酸素濃度はエンジン1の燃焼状態を精度よく表しているとは言えない。
そこで、状態推定器41によって、排気マニホールド7下流側の酸素濃度センサ21によって検出された酸素濃度から応答遅れ表す伝達特性を基に排気マニホールド7内の酸素濃度を推定する。
状態推定器41について説明する。状態推定器41は、排気マニホールド7内の酸素濃度と排気マニホールド7下流側の酸素濃度センサ21での酸素濃度との応答遅れを制御対象とする状態方程式を有して構成されている。
排ガス中の酸素量に関する式として式(1)、式(2)が成り立つ。
OEX=OAir・MAir+OEGR・MEGR−OAir・Lth・MFuel (1)
OEX=OMEX・MEX (2)
燃焼前の酸素量に関する式として式(3)が成り立つ。
OCYL=OCLY・MCLY=MOEX+OAir・Lth・MFuel (3)
ここで、MAir:新気(大気)の質量流量、
CLY:吸気質量流量
EGR:EGRガスの質量流量、
EX :排ガス質量流量、
Fuel:燃料質量流量、
OEX:排ガス中の酸素質量流量、
OMEX:酸素濃度センサ位置での排ガス中の酸素質量流量
OCYL:吸気中の酸素質量流量、
Air:新気(大気)の酸素濃度、
CLY:吸気の酸素濃度、
EGR:EGRガスの酸素濃度、
EX:排ガスの酸素濃度 (燃焼後のシリンダ内酸素濃度)
MEX:酸素濃度位置における排ガス中の酸素濃度(センサ値)、
th:理論空燃比、
式(1)で、EGRガスの影響が少ないとして式(4)で代用する。なお、EGRガスの影響を考慮した場合については第4実施形態で説明する。
OEX=OAir・MCLY−OAir・Lth・MFuel (4)
式(4)の両辺を微分して式(5)を得る。
d(MOEX)/dt=OAir・d(MCLY)/dt−OAir・Lth・d(MFuel)/dt (5)
酸素濃度センサ21は、排気通路9の後流に設置され、さらに酸素濃度センサ21の応答性から、OMEXは、OEXに対して応答遅れを有する。この酸素濃度センサ21の応答遅れを次の式(6)の1次遅れで仮定する。
d(OMEX)/dt=−(1/Tsens)・OMEX+(1/T)・OEX (6)
排ガス流量の時間変化が小さいと仮定すると、次式(7)となる。
d(MOMEX)/dt=−(1/Tsens)・MOMEX+(1/T)・MOEX (7)
ここで、Tsensとは、酸素濃度センサ21の時定数(センサ取り付け位置による計測遅れ、センサ自体の応答遅れの両方を含む。)である。
式(5)と式(7)から、状態推定器41の状態方程式(8)、出力方程式(9)を構成する。
dX/dt=A・X+B・U+L(y−y) (8)
y=C・X (9)
ここで、X=[MOEX OMEX]
U=[d(MCLY)/dt d(MFuel)/dt]
y=MOMEX
=OMEX・MEX
Figure 0005517770
式(8)、式(9)を用いて、排気マニホールド7位置での排ガス中の酸素質量流量(MOEX)と、酸素濃度センサ21位置での排ガス中の酸素質量流量(MOMEX)とをそれぞれ算出してXとして出力する。
また、制御装置25には、吸気酸素濃度算出手段43、吸気酸素濃度補正手段45、燃焼制御手段47、酸素濃度制御手段49、燃料噴射時期調整手段51が設けられている。
吸気酸素濃度算出手段43は、状態推定器41によって推定された排気マニホールド7位置の酸素濃度、つまり排気直後の排気マニホールド7内の酸素濃度を基に吸気マニホールド3内の燃焼前の酸素濃度を算出する。
吸気酸素濃度補正手段45は、EGRバルブ31が全閉でかつ内燃機関の運転が安定時(エンジン回転変動が所定以下の状態)において、吸気酸素濃度算出手段43によって算出された燃焼前のシリンダ内酸素濃度が大気中の酸素濃度である21%となるように補正値を算出し、該補正値をEGRバルブ31が全閉でかつ安定時以外の運転時における調整値として吸気酸素濃度算出手段43によって算出された酸素濃度に加算して補正する。
燃焼制御手段47は、吸気酸素濃度補正手段45によって算出された吸気マニホールド3内の燃焼前の酸素濃度、つまり燃焼前のシリンダ内酸素濃度に基づいてエンジン1の燃焼制御を行う。
具体的には、酸素濃度制御手段49によって、吸気酸素濃度算出手段によって算出された吸気酸素濃度が目標酸素濃度になるように、EGRバルブ31もしくは吸気スロットルバルブ15の少なくとも何れか一方を制御する。また、燃料噴射時期調整手段51によって、吸気酸素濃度算出手段43によって算出された燃焼前のシリンダ内酸素濃度が設定された目標酸素濃度より高いか低いかに応じて、燃料噴射時期を調整する。
(第1実施形態)
以上の構成を有する制御装置25における制御フローについて以下に説明する。図2を参照して全体のフローをまず説明する。
ステップS1で制御を開始すると、ステップS2で初期化を行い、次に、ステップS3でセンサ値の取り込みを行う。センサ値は酸素濃度センサ21、エンジン回転数センサ33、吸気温度センサ17、吸気圧力センサ19のそれぞれのセンサ値を読み込む。次に、ステップS4で状態推定器41による推定演算を行う。状態推定器41は、排気マニホールド7内の酸素濃度と排気マニホールド7より下流側の酸素濃度センサ21での酸素濃度との応答遅れを制御対象とする状態方程式を有して構成されている。この状態方程式を用いて排気マニホールド7内の酸素濃度を推定する(詳細については、図3のフローチャート参照)。
ステップS5では、ステップS4の状態推定器41によって推定された排気マニホールド7位置の酸素濃度を基に吸気マニホールド3内のシリンダに吸入する燃焼前の吸気の酸素濃度を算出する。この算出は吸気酸素濃度算出手段43によって行われる。具体的には、吸気酸素濃度算出手段43においては、エンジン1のシリンダ内に吸入した酸素質量流量から燃焼に寄与して消費した酸素質量流量を差し引いた分が排出される酸素質量流量になる関係を基に算出する。
すなわち、式(3)によって、シリンダに吸入される酸素質量流量(MOCYL)は、排ガス中の酸素質量流量(MOEX)+燃焼に寄与して消費した酸素質量流量(OAir・Lth・MFuel)の関係を基に、シリンダ内に吸入する酸素質量流量を算出しさらに酸素濃度を算出できる。
ステップS6では、酸素濃度フィードバック制御演算を行う。ここでは、吸気酸素濃度算出手段43によって算出されたシリンダ内に吸入される吸気酸素濃度が目標酸素濃度になるように、EGRバルブ31もしくは吸気スロットルバルブ15の少なくとも何れか一方を制御する。この制御は酸素濃度制御手段49によって行われる。
ステップS7では、主噴射タイミングの補正を行う。すなわち、吸気酸素濃度算出手段43によって算出された燃焼前のシリンダ内酸素濃度が設定された目標酸素濃度より高いか低いかに応じて、燃料噴射時期を調整する。制御は燃料噴射時期調整手段51によって行われる。
そして、以上のステップS3〜S7の手順が繰り返される。
次に、ステップS3の状態推定器41による推定演算について、図3のフローチャートを参照して説明する。
ステップS11で制御が開始すると、ステップS12では、シリンダ流入ガス量すなわち吸気質量流量(MCLY)の変化率および燃料噴射量(MFuel)の変化率、つまり時間微分d(MCLY)/dt、d(MFuel)/dtを算出する。
燃料噴射量(MFuel)の変化率は、燃料噴射量指令値を基に算出する。また、吸気質量流量(MCLY)については、次の式(10)によって算出する。
CLY=P/(T・R)・(N/60)・NCYL/ICYC・2・E (10)
ここで、P:吸気圧力
:吸気温度
R: 気体定数
:エンジン回転数
CYL:シリンダ数(4気筒エンジンであれば4)
CYC:サイクル数(4サイクルであれば4)
: 体積効率
ステップS13では、y=MOMEX(酸素濃度センサ位置での排ガス中の酸素質量流量)の演算を行う。この演算は、前回演算周期で算出された状態量XのMOMEX値が用いられて酸素濃度センサ位置での排ガス中の酸素質量流量を算出する。
ステップS14で、排ガス質量流量(MEX)を演算する。この演算は、排ガス質量流量(MEX)=吸気質量流量(MCLY)+燃料質量流量(MFuel)の関係より算出する。
ステップS15で、実際の観測値として酸素濃度センサ21による排ガス酸素濃度(OMEX)に、排ガス質量流量(MEX)を乗算して酸素濃度センサ21位置における排ガス中の酸素質量流量(y=OMEX・MEX)を算出する。
ステップS16で、状態方程式の演算を行う。ステップS12〜S15によって演算したそれぞれの値を用いて今回演算周期における推定結果として状態量Xを算出する。そして、次のステップS17で、今回演算周期で算出した状態量Xを次の演算周期で用いるために更新する。
ステップS18では、推定した排ガス中の酸素質量流量(MOEX)、すなわち、排気マニホールド7位置で排ガス中の酸素質量流量を基に、式(3)を用いて、吸気中の酸素質量流量(MOCYL)を算出し、さらに、ステップS19では、ステップS18で算出した吸気中の酸素質量流量(MOCYL)と吸気質量流量(MCLY)とから、吸気の酸素濃度(OCLY)を算出する。そして、ステップS20でステップS11にリターンする。
次に、図2のフローチャートのステップS6の酸素濃度フィードバック制御演算について、図4のフローチャートを参照して説明する。
図4のステップS21で制御がスタートすると、ステップS22で基本EGRバルブの操作量を計算する。この基本量の計算は、予めエンジン回転数と燃料噴射量とをパラメータとするEGRバルブ基本開度が設定されたマップに基づいて、基本開度量が算出される。
ステップS23で、シリンダ内酸素濃度フィードバック補正量計算を行う。すなわち、図2のステップS6で既に説明したように、吸気酸素濃度算出手段43によって算出された吸気酸素濃度が目標酸素濃度に一致するように、EGRバルブ31もしくは吸気スロットルバルブ15の少なくとも何れか一方を制御して、ステップS24で、最終EGRバルブ31または/および吸気スロットルバルブ15の操作量を設定する。そして、ステップS25でステップと22にリターンする。
このように、酸素濃度制御手段49によってはEGRバルブ31または吸気スロットルバルブ15の少なくとも何れか一方によって、燃焼前のシリンダ内酸素濃度を精度よく目標酸素濃度に制御するので、燃焼前のシリンダ内酸素濃度の制御性が向上し、排ガス有害物質(NO、PM)の低減が可能となる。
次に、図2のフローチャートのステップS7の主噴射タイミング補正について、図5を参照して説明する。
図5のステップS31で制御がスタートすると、ステップS32で基本主噴射タイミング計算を行う。この基本タイミングの計算は、予めエンジン回転数と燃料噴射量とをパラメータとする基本燃料噴射タイミングが設定されたマップに基づいて、基本燃料噴射タイミングが算出される。
ステップS33では、主噴射タイミングの補正量計算が行われる。この補正量計算は既に図2のステップS7で説明したように、吸気酸素濃度算出手段43によって算出されたシリンダに吸入する燃焼前の吸気の酸素濃度が、設定された目標酸素濃度より高いか低いかに応じて、燃料噴射時期を調整する。
目標酸素濃度より高い場合には、NO排出が増大傾向になるため、NO排出量を低減させるために燃料噴射タイミングを遅らせるように制御する。また、目標酸素濃度より低い場合には、着火し難く着火が遅くなるため、着火性を改善するために燃料噴射タイミングを早めるように制御する。
このように制御して、ステップS35で最終主噴射タイミングを設定する。そしステップS35で、リターンする。
このように、燃料噴射時期調整手段51よって、算出されたシリンダ内酸素濃度が、設定された目標酸素濃度より高いか低いかに応じて、燃料噴射時期を調整するため、排ガス有害物質(NO、PM)の低減が可能となる。
以上の第1実施形態によると、吸気通路5にエアフローメータを設置する必要がないため吸気通路5の小型化が可能になりエンジンルームを省スペース化できる。また、エンジンルームスペースを十分とれない産業用車両へのエンジン搭載性が向上する。
また、第1実施形態によれば、状態推定器41によって、排気マニホールド7よりも下流側の酸素濃度センサ21によって検出された酸素濃度を基に、排気マニホールド位置、すなわち排気マニホールド内の酸素濃度を推定し、さらに吸気酸素濃度算出手段43によって、シリンダに吸入する燃焼前の吸気の酸素濃度を算出することができるので、排気通路9の後流側に設置されたことで生じる酸素濃度センサ21の計測遅れを補償することができ、排ガス中の有ガス物質の制御にとって重要な燃焼前の酸素濃度を精度よく推定できる。
また、本発明によれば、状態推定器41は、排気マニホールド7の位置の酸素濃度と排気マニホールド7より下流側の酸素濃度センサ21での酸素濃度との応答遅れを制御対象とする状態方程式を有して構成され、該状態方程式はシリンダ流入ガス量の時間微分値および燃料噴射量つまり燃料噴射量指令値の時間微分値を入力項とすることによって、酸素濃度センサ21が排気通路9の下流側に設置されることによる排気酸素濃度の検出遅れと、酸素濃度センサ21の応答遅れを補償することができる。
また、排ガス中の酸素濃度の変動に大きな要因となるシリンダ流入ガス量および燃料噴射量の変化率によって推定するので的確な推定が可能となる。
(第2実施形態)
次に図6、7を参照して第2実施形態について説明する。第2実施形態は、図6に示すように、ステップS46において、補正ゲインLの選択をすることが第1実施形態と相違し、その他のステップS41〜S45まで、およびS47〜S51までについては第1実施形態の図3に示すフローチャートと同様である。
図6のステップS46の補正ゲインLの選択は、式(8)の状態方程式において、酸素濃度センサ21の設置位置での排ガス中の酸素質量流量y(y=MOMEX)と、酸素濃度センサ21位置における酸素濃度センサ21の検出値(OMEX)を基に算出した排ガス中の酸素質量流量(y=OMEX・MEX)との偏差を用いた補正項(y−y)に対する重み付けとしてゲインである。
補正項(y−y)の補正ゲインLが内燃機関の運転状態に応じて、過渡運転時には補正ゲインLを小さくして酸素濃度センサ21の検出値の影響度を小さくして、式(8)でA・X+B・Uのモデル化した項の影響を強める。定常運転時には補正ゲインLを大きくして、式(8)での補正項の(y−y)の影響を強めて酸素濃度センサ21の検出値の影響度を大きくする。
このように、定常運転時には、排気マニホールド7と排気通路9の後流に設置される酸素濃度センサ21の位置との間で酸素濃度の大きな変化はなく、酸素濃度センサ21の検出値の影響を大きくするように補正ゲインを大きくとり、また、過渡運転時には、排ガス流の変動が大きくなるため、酸素濃度センサ21の検出値の影響を小さくするように補正ゲインを小さくする。従って、定常運転状態における燃焼前のシリンダ内酸素濃度推定精度と、過渡運転状態におけるシリンダに吸入する燃焼前の吸気の酸素濃度推定精度のバランスをとることができる
補正ゲインLの特性を図7に示す。図7(a)は、補正ゲインLをエンジン回転数Neの変化率に応じて変化させる特性を示している。エンジン回転数NeがNe1を境にL1とL2との間を変化する。ただし補正ゲインLの変化は瞬時に変化するものではなく、図7(c)のようにある一定の傾きをもって変化する。図7(b)は、エンジン回転数Neの時間経過に伴う変化状態を示している。
図7で示すように、補正ゲインLをエンジン回転数Neの変化率で変化させることによって、燃焼前のシリンダ内酸素濃度の推定精度のバランスをとることができる。
(第3実施形態)
次に、図8、9を参照して第3実施形態について説明する。第3実施形態は、図8に示すように、ステップS70において、酸素濃度補正処理をすることが第1実施形態と相違し、その他のステップS61〜S69までについては第1形態の図3に示すフローチャートと同様である。
図8のステップS70の酸素濃度補正処理は、図9のフローチャートに示すように、まずステップS81でスタートすると、ステップS82で、エンジン1が定常運転状態かどうかを判定する。定常運転状態であれば、ステップS83でさらにEGRバルブ31が全閉かどうかを判定する。全閉の場合には、ステップS84に進んで、補正処理を行う。吸気酸素濃度補正手段45によって補正処理が行われる。補正処理後にはステップS85でリターンする。補正処理は、式(4)を変形して次の式(11)を用いて行う。
OEX=OAir・MCLY−OAir・Lth・MFuel (4)
CLY=MOEX/MCLY+OAir・Lth・MFuel /MCLY+O(N、MFuel ) (11)
式(11)内のO(N、MFuel)が補正値である。補正値はエンジン回転数と燃料噴射量とに応じて決まる値として算出される。すなわち、定常運転状態で且つEGRバルブが全閉の条件時には、吸気酸素濃度算出手段43によって算出されたシリンダに吸入する燃焼前の吸気の酸素濃度は、大気中の酸素濃度は21%となるため、式(11)で、OCLYが21%となるように補正値Oを算出し、その時のエンジン回転数(Ne)と燃料噴射量指令値(MFuel)とが、補正値Oとともに記憶される。
そして、定常運転状態で且つEGRバルブが全閉の条件時以外のときには、前記求めた補正値に対して、ステップS84に示す次の式(12)のように、α(OAir−OCLY)を加算して補正値として用いる。α<1.0の定数である。
(N、MFuel )=O(N、MFuel )+α(OAir−OCLY) (12)
このように、αを加算すことによって、酸素濃度センサ21の劣化状態や、さらに燃料性状違いによる理論空燃比の変化を補正値に反映して算出できる。つまり、劣化や、その他変化状態を含めてキャリブレーションがなされるので、EGRバルブ31が全閉でかつ定常運転状態以外の運転状態の場合における吸気酸素濃度の算出時に、該補正値を加算することによって吸気酸素濃度算出手段43によって算出された燃焼前のシリンダ内酸素濃度の算出精度を高めることができる。
(第4実施形態)
次に、図10を参照して第4実施形態について説明する。第4実施形態は、図10に示すように、EGRガス流量(MEGR)を検出するEGR流量センサ55をEGR通路27に設置し、式(8)の状態方程式の入力項にEGR量の変化率およびEGRの酸素濃度変化率をさらに追加するものである。
具体的には、式(1)〜式(3)は変更せずに、式(5)に対応した式として次の式(13)が成立する。そして、式(13)を利用して、状態方程式の入力条件U、Bを変更して、第1実施形態に対して、EGRガス中の酸素濃度の変化率およびEGRガスの質量流量の変化率を入力条件に追加する。
式(1)の両辺を微分して式(13)を得る。
d(MOEX)/dt=OAir・d(MAir)/dt+d(OEGR)/dt・MEGR0+OEGR0・d(MEGR)/dt−OAir・Lth・d(MFuel)/dt (13)
新気質量流量(MAir)=吸気質量流量(MCLY)−EGRガスの質量流量(MEGR)の関係から、新気の質量流量(MAir)を算出する。このとき、吸気管内の吸気圧力P、吸気温度Tの変化に伴う密度変化も考慮すると、つぎのようになる。
Air=MCLY−MEGR+Vdρ/dt
ρ=P/(RT
また、EGRガス中の酸素濃度(OEGR)は、OEGR=OEX=MOEX/MEXによって算出する。また、MEGR0、OEGR0はそれぞれ定数である。
式(13)と式(7)から状態推定器41を構成し、状態方程式の入力項のU、Bは次のように変更される。
U=[d(MAir)/dt d(MFuel)/dt d(MEGR)/dt d(OEGR)/dt]
Figure 0005517770
このように第4実施形態によると、EGRガス流量を検出するEGR流量センサ55をEGR通路27に設置し、状態方程式の入力項のU、Bを第1実施形態とは異なる設定として、EGRガス流量の時間微分値およびEGRガス中の酸素濃度の時間微分値の情報をさらに用いて、状態推定器41による状態方程式に基づいて排気マニホールド7位置での酸素濃度を推定することによって、シリンダに吸入する燃焼前の吸気の酸素濃度の推定精度がさらに向上できる。
なお、以上の第1実施形態から第4実施形態については適宜組み合わせてよいことは勿論である。
本発明によれば、エンジン回転数センサと、吸気スロットルバルブより下流側の吸気圧力を検出する吸気圧力センサと、吸気スロットルバルブより下流側の吸気温度を検出する吸気温度センサと、排気マニホールドよりも下流側に設けられた酸素濃度センサとを備えて、これらセンサからの信号を用い、吸気通路にエアフローメータを設けないため、吸気通路部分の小型化が可能になりエンジンルームを省スペース化でき、さらに、状態推定器によって、排気通路後流に設置されることで生じる酸素濃度センサの計測遅れを補償することができ、排ガス中の有ガス物質の制御にとって重要な燃焼前の酸素濃度を精度よく推定できるので、内燃機関の制御装置に適している。
1 エンジン(内燃機関)
3 吸気マニホールド
5 吸気通路
7 排気マニホールド
9 排気通路
13 インタークーラ
15 吸気スロットルバルブ
17 吸気温度センサ
19 吸気圧力センサ
21 酸素濃度センサ
29 EGRクーラー
31 EGRバルブ
33 エンジン回転数センサ
41 状態方程式
43 吸気酸素濃度算出手段
45 吸気酸素濃度補正手段
47 燃焼制御手段
49 酸素濃度制御手段
51 燃料噴射時期調整手段
55 EGR流量センサ
L 補正ゲイン

Claims (8)

  1. 排ガス再循環装置(EGR)を備えた内燃機関の制御装置において、
    エンジン回転数センサと、吸気スロットルバルブより下流側の吸気圧力を検出する吸気圧力センサと、吸気スロットルバルブより下流側の吸気温度を検出する吸気温度センサと、排気マニホールドよりも下流側に設けられた酸素濃度センサとを備え、
    これら、エンジン回転数、吸気圧力、吸気温度、および酸素濃度センサの信号を用いて、前記排気マニホールドよりも下流側に設置される酸素濃度センサによって検出される酸素濃度の応答遅れを表す伝達特性に基づいて前記排気マニホールド位置での酸素濃度を推定する状態推定器と、
    該状態推定器によって推定された排気マニホールド位置の酸素濃度を基にシリンダに流入する燃焼前の吸気の酸素濃度を算出する吸気酸素濃度算出手段と、
    吸気エアフローメータを設けずに前記吸気酸素濃度算出手段によって算出された吸気酸素濃度を用いて内燃機関の燃焼を制御する燃焼制御手段と、を備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記状態推定器は、前記排気マニホールド位置の酸素濃度と排気マニホールド下流側の酸素濃度センサでの酸素濃度との応答遅れを制御対象とする状態方程式を有して構成され、該状態方程式はシリンダ流入ガス量と燃料噴射量との変化率を入力項とすることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記状態方程式には、酸素濃度センサの設置位置での酸素濃度推定値と該酸素濃度センサの検出値との偏差を用いた補正項を有し、該補正項の補正ゲインが内燃機関の運転状態に応じて、過渡運転時には補正ゲインを小さくして酸素濃度センサの検出値の影響度を小さくし、定常運転時には補正ゲインを大きくして酸素濃度センサの検出値の影響度を大きくすることを特徴とする請求項2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記吸気酸素濃度算出手段は、エンジンのシリンダ内に吸入した酸素量から燃焼に寄与して消費した酸素量を差し引いた酸素量が排出される関係を基に、前記状態推定器によって推定された排気マニホールド位置の酸素濃度からシリンダに吸入する燃焼前の吸気の酸素濃度を算出することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記燃焼制御手段は、前記吸気酸素濃度算出手段によって算出された吸気酸素濃度が設定された目標酸素濃度になるように、EGRバルブもしくは吸気スロットルバルブの少なくとも何れか一方を制御する酸素濃度制御手段を備えることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記燃焼制御手段は、前記吸気酸素濃度算出手段によって算出された燃焼前のシリンダ内酸素濃度が設定された目標酸素濃度より高いか低いかに応じて、燃料噴射時期を調整する燃料噴射時期調整手段を備えることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  7. EGRバルブが全閉でかつ内燃機関の運転が安定時において、前記吸気酸素濃度算出手段によって算出された燃焼前のシリンダ内酸素濃度が大気中の酸素濃度である21%となるように補正値を算出し、該補正値をEGRバルブが全閉でかつ安定時以外の運転時における調整値として加算する吸気酸素濃度補正手段を備えることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  8. EGRガス流量を検出するEGR流量センサをEGR配管に設置し、前記状態推定器への入力信号としてEGRガス質量流量、EGRガス中の酸素濃度をさらに用いることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
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