JP2004211560A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ECU51で、運転状態と、燃焼の廃熱のエネルギーとの対応関係をマップ化し、該マップにしたがって前記エネルギーを求め、エネルギーに相当する分の、シリンダ21に流入するガスの温度からの、シリンダ21から流出するガスの温度の上昇度を演算し、かかる温度上昇度に基づいてシリンダ21から流出するガスの温度を推定する。前記エネルギーを考慮することで、ガス温度の推定を高精度化することができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の制御装置における、制御に供するガス温度の推定技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関は、熱サイクルを行わせる作動物質として空気をシリンダ内に導入し、導入された空気と噴射燃料とよりなる混合気を燃焼させ、燃焼ガスを排ガスとして排出する。排ガス再循環(EGR)方式の内燃機関では、排ガスの一部をシリンダに流入するガスの一部としている。
【0003】
今日、内燃機関をより適正な状態で作動させるべく、内燃機関の運転状態の検出値や、これより演算される演算量に基づいて制御が行われている。
【0004】
かかる制御に供される量として、吸排気系を流通するガスの温度、例えば、シリンダに流入するガスの温度、シリンダから流出するガスの温度、EGRガスの温度がある。シリンダに流入するガスの温度を利用するものとして、シリンダ流入ガスの温度を推定して、その結果を目標EGR量に反映し、EGRガス温度を調整している(特許文献1)。また、シリンダ流出ガスの温度を利用するものとして、シリンダ流出ガスの温度を検出または推定して、その結果を、NOx 触媒におけるNOx の浄化に適した燃料噴射量や噴射時期に反映させるものがある(特許文献2)。また、EGRガスの温度を制御に利用するものとして、EGRガスの温度を検出し、その検出温度に基づいて、排ガスを冷却するEGRクーラを通す排ガスとEGRクーラをバイパスする排ガスとの割合を調整することで、EGRガス温度を調整するものがある(特許文献3)。
【0005】
ところで、ガスの温度をセンサにより検出するのでは、センサの応答遅延によって運転状態の変化に追随できないおそれがあり、ガス温を内燃機関の運転状態に基づいて推定するものが種々、提案されている。例えば、排気温度を噴射量(機関負荷)と機関回転数とに基づいて推定するものがある(特許文献4)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−166452号公報
【特許文献2】
特開2002−038939号公報
【特許文献3】
特開2001−41110号公報
【特許文献4】
特開平8−189407号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、噴射量と機関回転数とから一義的に排気温度を推定するのでは、ポスト噴射や遅角(リタード)等の高度な制御を行う今日の内燃機関においては、運転状態によって温度の推定誤差が大きくなるおそれがある。
【0008】
本発明は前記実情に鑑みなされたもので、吸排気系を流通するガスの温度を高精度に推定することのできる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、内燃機関の吸排気系を流通するガスの温度を推定するガス温度推定手段を有する内燃機関の制御装置において、
前記ガス温度推定手段に、内燃機関の運転状態と、燃料の燃焼に基因して発生する廃熱のエネルギーに応じたエネルギー変数との予め記憶した対応関係にしたがって、内燃機関の運転状態に基づいて前記エネルギー変数を演算するエネルギー変数演算手段と、前記エネルギー変数と、シリンダに流入するガスの流量に応じた流入ガス流量変数とに基づいて、シリンダから流出するガスの、流入するガスの温度からの温度上昇度を演算する温度上昇度演算手段と、前記温度上昇度に基づいてシリンダ流出ガス温度を演算する流出ガス温度演算手段とを具備せしめる。
【0010】
燃料の燃焼に基因して発生する熱のうち、トルクとして取り出されない廃熱のエネルギーはシリンダから流出するガスの温度を上昇させる方向に作用する。そして、温度上昇度は、シリンダに流入するガスの流量に応じたものとなる。廃熱のエネルギーは燃料噴射量だけではなく、噴射条件によっても変わるから、シリンダ流出ガスの温度の推定において、前記エネルギーによる温度上昇寄与分を考慮することで、より高精度なガス温度の推定が可能となる。
【0011】
請求項2記載の発明では、請求項1の発明の構成において、シリンダ流入ガスの熱容量を演算する流入ガス熱容量演算手段と、
シリンダ流出ガスの熱容量を演算する流出ガス熱容量演算手段とを具備せしめ、
前記温度上昇度演算手段は、前記流入ガス流量変数および前記エネルギー変数に加え、前記流入ガス熱容量および前記流出ガス熱容量に基づいて前記温度上昇度を演算するように設定する。
【0012】
混合気の燃焼反応に基因した、シリンダ流入ガスとシリンダ流出ガスとの熱容量の相違が考慮されて、前記エネルギーに基因した温度上昇度が演算されるから、さらに高精度にシリンダ流出ガスの温度を推定することができる。
【0013】
請求項2の発明の構成において、流入ガス熱容量は、請求項3記載の発明のように、前記流入ガス熱容量演算手段において、新気の組成および成分ガスの熱容量、シリンダ流出ガスの組成および成分ガスの熱容量、およびEGR率に基づいて演算することができる。
【0014】
請求項2または3の発明の構成において、流出ガス熱容量は、請求項4記載の発明のように、シリンダ流入ガスの組成および成分ガスの熱容量、前記流入ガス流量変数および噴射燃料量に基づいて演算することができる。
【0015】
請求項5記載の発明では、請求項1の発明の構成において、前記温度上昇度演算手段は、前記エネルギー変数を前記流入ガス流量変数で除して、除数値を前記温度上昇度とするように設定する。
【0016】
シリンダ流出ガスの温度推定に要求される仕様によっては、シリンダ流入ガスとシリンダ流出ガスとで熱容量を同じとみなし、前記エネルギー変数を前記ガス流量変数で除す演算のみで、温度上昇度を得ることができる。
【0017】
請求項6記載の発明では、請求項1ないし5の発明の構成において、前記運転状態とエネルギー変数との対応関係は、燃料噴射量および機関回転数に対してエネルギー変数が対応するマップを、複数の互いに異なる噴射条件ごとに記憶し、前記エネルギー変数演算手段は、噴射条件に応じてマップを選択するように設定する。
【0018】
噴射条件によってマップを選択することで、適切に廃熱エネルギーを記述するエネルギー変数を簡易に得ることができる。
【0019】
請求項7記載の発明では、請求項1ないし6の発明の構成において、前記ガス温度推定手段に、内燃機関の運転状態に基づいて、EGRガスを冷却するEGRクーラの冷却効率に応じたEGR冷却効率変数を演算するEGR冷却効率変数演算手段と、EGRガスがEGRクーラを通過するのに要するEGR通過所要時間を演算するEGRクーラ通過所要時間演算手段と、前記EGR冷却効率変数、前記EGR通過所要時間、EGRクーラの水温若しくはそれとみなせる温度、およびシリンダ流出ガスの温度に基づいて、新気と混合するEGRガスの温度を演算するEGRガス温度演算手段とを具備せしめる。
【0020】
EGRクーラにおける冷却効率と、冷却時間となるEGR通過所要時間とにより、EGRクーラを通過するEGRガスの温度低下度を知ることができる。すなわち、新気と混合するEGRガスの温度が正確に知られることになる。これにより、シリンダ流入ガスの温度が正確に推定され、より高精度にシリンダ流出ガス温度の推定が可能となる。
【0021】
請求項8記載の発明では、内燃機関の吸排気系を流通するガスの温度を推定するガス温度推定手段を有する内燃機関の制御装置において、
前記ガス温度推定手段に、内燃機関の運転状態に基づいて、EGRガスを冷却するEGRクーラの冷却効率に応じたEGR冷却効率変数を演算するEGR冷却効率変数演算手段と、EGRガスがEGRクーラを通過するのに要するEGR通過所要時間を演算するEGRクーラ通過所要時間演算手段と、前記EGR冷却効率変数、前記EGR通過所要時間、EGRクーラの水温若しくはそれとみなせる温度、およびシリンダ流出ガスの温度に基づいて、新気と混合するEGRガスの温度を演算するEGRガス温度演算手段とを具備せしめる。
【0022】
EGRクーラにおける冷却効率と、冷却時間となるEGR通過所要時間とにより、EGRクーラを通過するEGRガスの温度低下度を知ることができる。これによりEGRガスの温度を、より高精度に推定することができる。
【0023】
請求項9記載の発明では、請求項7または8の発明の構成において、前記EGRガス温度演算手段は、前記EGR冷却効率変数として、熱伝達率αと、予め内燃機関の定常運転状態下で前記EGR通過所要時間を適合化した適合EGR通過所要時間t0 とを用いるとともに、前記EGRクーラ通過所要時間演算手段により演算されたEGR通過所要時間をtとし、シリンダ流出ガス温度をTexとし、前記EGRクーラの吸熱側の基準温度をThwとし、前記EGRガス温度をTegr として、算出式
Tegr =Thw+(Tex−Thw)・exp[(−α/t0 )・t]により算出するように設定する。
【0024】
EGRガスとEGRクーラとの間の熱伝導速度は、EGRガス温度とEGRクーラを代表する基準温度との差に比例すると考えられるので、かかる熱伝導モデルから得られる前記算出式によりEGRガス温度が推定されることになる。
【0025】
請求項10記載の発明では、請求項9の発明の構成において、前記EGR冷却効率変数演算手段は、予め記憶した内燃機関の運転状態と熱伝達率αとの対応関係にしたがって、内燃機関の運転状態に基づいて前記熱伝達率αを演算する熱伝達率演算手段と、予め記憶した内燃機関の運転状態と前記適合EGR通過所要時間t0 との関係に基づいて前記適合EGR通過所要時間t0 を演算する適合化所要時間演算手段とにより構成する。
【0026】
熱伝達率α、適合EGR通過所要時間t0 を、予め記憶した対応関係から運転状態に応じた適切な数値に容易に設定することができる。
【0027】
請求項11記載の発明では、請求項1ないし10の発明の構成において、前記ガス温度推定手段に、新気の温度とEGRガスの温度との、新気量とEGRガス量とに基づく重み付き平均値を演算し、これをシリンダに流入するガスの温度とするシリンダ流入ガス温度演算手段を具備せしめる。
【0028】
シリンダ流入ガスについても簡易に推定することができる。
【0029】
請求項12記載の発明では、請求項1ないし11の発明の構成において、前記ガス温度推定手段により推定されるガス温度を検出する温度センサを設け、
前記前記ガス温度推定手段を、内燃機関の運転状態が定常状態のときにおける、ガス温度の推定値と前記温度センサによる検出値との差分に基づいて、その後の推定値を補正するように設定した内燃機関の制御装置。
【0030】
温度センサによる検出値を用いて推定値の誤差を管理することができるので、より高精度なガス温度の推定が可能となる。
【0031】
【発明の実施の形態】
図1に本発明を適用した内燃機関の構成を示す。本実施形態は例えば自動車の内燃機関に適用したものである。エンジン本体11のシリンダブロックに形成されたシリンダ21内には図中上下方向に往復動するピストン33が配設されており、ピストン33は図示しないコンロッドを介してクランク軸に連結されている。ピストン33の上方には燃焼室22が形成される。燃焼室22には、シリンダヘッドを貫通してインジェクタ41の先端部が突出し、燃焼室22内に燃料を噴射する。
【0032】
燃焼室22は吸気バルブ31の開時に吸気ポート23と連通し、排気バルブ32の開時に排気ポート24と連通する。吸気ポート23は、吸気通路25の下流部を構成するインテークマニホールド251と、排気ポート24は、排気通路26の上流部を構成するイグゾーストマニホールド261と、それぞれ連通している。インテークマニホールド251よりも上流には、運転条件により電気制御される電動スロットルバルブ34が設けられており、吸気量を調整している。また、排ガスはイグゾーストマニホールド261および触媒42を介して大気中に排出される。
【0033】
本エンジンはEGR方式のもので、インテークマニホールド251とイグゾーストマニホールド261とが、吸気通路25および排気通路26とともに吸排気系を構成するEGR通路27により接続されており、排ガスの一部がEGRガスとしてインテークマニホールド251に還流するようになっている。EGR通路27には、流通量を調整するEGRバルブ37とともに、EGR通路27を流通する排ガスを冷却するEGRクーラ43が設けられている。また、EGRクーラ43に吸熱用の作動流体としての冷却水を供給する冷却水通路44には、冷却水量制御バルブ45が設けられて、冷却水の流量を調整する。
【0034】
また、本エンジンはターボ付きのもので、排気通路26に設けられたタービン35の動力で、吸気通路25に設けられたコンプレッサ36を回転し、吸入量を増大する。
【0035】
前記スロットルバルブ34、EGRバルブ37、インジェクタ41等は、それぞれ、エンジン本体11の各部を制御する制御装置12の電子制御ユニット(ECU)51により制御される。ECU51は、基本的な構成は一般的なエンジン用のもので、アクセルペダルの踏み込み量等に応じて所定の噴射時期、燃料噴射量等が与えられるようにする。
【0036】
ECU51における制御に供する運転条件は種々のセンサ類により与えられるが、ECU51に検出信号が入力するセンサ類として、エアフローメータ等の新気の流量を測定する新気量センサ52、スロットルバルブ34の下流で吸気圧を検出する吸気圧センサ53、吸気温を検出する吸気温センサ54、エンジン冷却水の温度を検出する水温センサ55がある。水温センサ55による検出温度は、EGRクーラ43に供給される冷却水の温度をも代表する。また、クランク角センサにより構成されるエンジン回転数検出センサ56がある。ECU51には、プログラム上で実現される、センサ類からの出力信号を受けて検出値を処理するセンサ検出値処理演算部、指令燃料噴射量を演算する指令噴射量演算部、シリンダ21に流出入するガスである、インテークマニホールド251からシリンダ21に流入するガス(以下、適宜、インテークマニホールドガスまたはインマニガスという)、シリンダ21からイグゾーストマニホールド261に排出される排ガス(以下、適宜、イグゾーストマニホールドガスまたはエキマニガスという)、EGR通路27からインテークマニホールド251に還流するEGRガスのそれぞれの温度を推定する温度推定演算部等が設けられている。
【0037】
次にガス温度推定手段としてのECU51の温度推定演算部における処理を、図2、図3、図4、図5、図6のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0038】
ステップS101では、運転条件を更新する。すなわち、センサ類による検出値やこれらに基づく演算量として、エンジン回転数NE、新気量Gn 、新気温Tha、吸気圧Pin、エンジン水温Thw、指令燃料噴射量Qを最新のものに更新する。
【0039】
ステップS102では、吸気圧およびインマニガスの温度(以下、適宜、インマニガス温という)と、運転条件、例えばエンジン回転数NEと指令燃料噴射量Qの関数や、吸気圧とインマニガス温の関数等で決定される吸気効率とに基づいて、予め記憶したマップにしたがって流入ガス流量変数であるシリンダ流入ガス量Gcyl を算出する。
【0040】
ステップS103では、前記シリンダ流入ガス量Gcyl および新気量Gn に基づいてEGRガス流量Gegr を算出する。新気量Gn は、新気量センサ52位置からシリンダ21入口の時間遅れが考慮される。
【0041】
ステップS104では、エキマニガスの温度(以下、適宜、エキマニガス温という)を推定する。図3はエキマニガス温Texの推定処理の内容である。ステップS201は流入ガス熱容量演算手段および流出ガス熱容量演算手段としての処理で、インマニガスの平均熱容量Cp−in、エキマニガスの平均熱容量Cp−exを算出する。算出手順は以下のように行う。先ず、インマニガスの成分ガスの組成を、式(1)、(2)、(3)、(4)にしたがって算出する。式では、新気すなわち大気の組成を、O2 :XO2(%)、N2 :XN2(%)としている。組成は予め記憶される。エキマニガスの組成(シリンダ21の出口における組成)を、O2 :YO2(%)、N2 :YN2(%)、CO2 :YCO2 (%)、H2 O:YH2O (%)としている。エキマニガスの組成については後述する。また、EGR率をε(%)とする。εはECU51における制御のパラメータとして演算されたものが用いられる。インマニガスの組成は、O2 :ZO2(%)、N2 :ZN2(%)、CO2 :ZCO2 (%)、H2 O:ZH2O (%)としている。なお、インマニガス、エキマニガスの組成は、初期値を例えば大気の組成とし、所定周期で立ち上がる本温度推定演算処理が実行されるごとに、更新されていくことになる。
【0042】
前記エキマニガスの組成は、燃料噴射量および燃料の組成(Cl Hm On )に基づいて、燃焼反応により生成されるCO2 、H2 Oの量および燃焼反応により消費されるO2 を算出し、その算出値と、シリンダ流入ガス量Gcyl 、前記インマニガスの組成に基づいて推定することができる。
【0043】
さらに、算出されたインマニガスの組成を使って、式(5)によりインマニガスガスの平均熱容量Cp−inを算出する。成分ガスの熱容量を、O2 :Cp−O2、N2 :Cp−N2、CO2 :Cp−CO2 、H2 O:Cp−H2O としている。式(5)はこれら各成分ガスの熱容量をインマニガスの組成に応じた重み付き平均をとったものである。
Cp−in=Cp−O2×ZO2/100 +Cp−N2×ZN2/100 +Cp−CO2 ×ZCO2 /100 +Cp−H2O ×ZH2O /100 ・・・(5)
【0044】
また、エキマニガスの平均熱容量Cp−exも前記エキマニガスの組成に基づいて式(6)により算出する。
Cp−ex=Cp−O2×YO2/100 +Cp−N2×YN2/100 +Cp−CO2 ×YCO2 /100 +Cp−H2O ×YH2O /100 ・・・(6)
【0045】
ステップS202はエネルギー変数演算手段としての処理で、シリンダ流入ガスの温度上昇に寄与するエネルギー変数であるエネルギーEを算出する。図4はエネルギーEの算出処理の内容である。ステップS301,S302で燃料噴射方法および燃料噴射時期の組み合わせを判定し、その結果に応じてステップS303〜S305のいずれかでエネルギーEを求める。
【0046】
先ず、ステップS301では、燃料噴射方法に変更があるか否かを判定する。これは、略TDCにおいて1回だけ、所定の期間、インジェクタ41を開弁する通常の噴射とは異なる燃料噴射方法、例えば、メイン噴射の後でポスト噴射等が行われたか否かに基づいてなされる。
【0047】
ステップS301が肯定判断されると、ステップS303に進む。ステップS301が否定判断されると、ステップS302で燃料噴射時期に変更があるか否かを判定する。これは、例えば、遅角(リタード)等が行われるか否かに基づいてなされる。ステップS302が肯定判断されると、ステップS304に進み、ステップS302が否定判断されると、ステップS305に進む。
【0048】
ステップS303〜S305ではそれぞれ前記のごとくエネルギーEを求める。これは、燃料噴射量Qとエンジン回転数NEに基づいて、燃料噴射量Qおよびエンジン回転数NEに対してエネルギーEが対応するマップにしたがって行う。エネルギーEは燃焼により発生する廃熱のエネルギーであり、マップは、図7に示すように、エネルギーE(J(ジュール))として、燃料噴射量Qが高いほど大きな値を与え、エンジン回転数NEが高いほど大きな値を与える。
【0049】
また、前記ステップS301が肯定判断されたときに選択されるステップS303のマップの例として、ポスト噴射を実行する場合について説明すると、ポスト噴射による燃料の一部がシリンダ21内で燃焼し、シリンダ流出ガスの温度が上昇する方向に作用する。したがって、マップは、ステップS302が否定判断されたときにステップS305で用いられるマップに比してエネルギーが高側にシフトする。
【0050】
また、前記ステップS302が肯定判断されたときに選択されるステップS304のマップの例として、リタードされた場合について説明すると、リタードはその量が大きいほど出力効率を低下せしめ、トルクとして取り出されない廃熱が増大するので、シリンダ流出ガスの温度が上昇する方向に作用する。したがって、マップは、ステップS302が否定判断されたときにステップS305で用いられるマップに比してエネルギーが高側にシフトする。
【0051】
なお、マップは図例では3つのマップの中からいずれかが選択されることになるが、運転条件によってさらに選択されるマップの数を増やしたり、少ないマップ数であっても複数のマップ間で補間によりエネルギーEを求めたり、噴射条件によって補正をするのもよい。また、マップの引数も、図例ではエンジン回転数NEと指令噴射量Qとなっているが、エンジン回転数NEとトルク差でもよい。
【0052】
ステップS303〜S305のいずれかでエネルギーEが求められると、本フローを終了する。
【0053】
ステップS203(図3)は温度上昇度演算手段としての処理で、温度上昇度ΔT(=Tex−Tin)を式(7)により算出する。
ΔT=[(Cp−ex−Cp−in)/Cp−ex]・Tin+E/(Cp−ex・Gcyl )・・・(7)
【0054】
これはエネルギー保存則により式(8)が成立することから導かれたものである。
Cp−in・Gcyl ・Tin+E=Cp−ex・Gcyl ・Tex・・・(8)
【0055】
ステップS204では、エンジン水温に基づく補正値ΔTw を算出する。補正値ΔTw は、水温センサにより得られた現在の水温と予め設定した基準水温との差を算出する。燃焼室22壁の熱伝導によるエネルギーの授受を考慮したもので、熱伝導は燃焼室22壁内外の温度差に応じたものとなるから、現在の水温が高いほど燃焼室22内からの熱の逃げが少なく、エキマニガス温度Texを上昇させる方向に作用する。したがって、補正値ΔTw は現在の水温が高いほど大きな値が与えられる。
【0056】
ステップS205は流出ガス温度演算手段としての処理で、エキマニガス温Texを、ステップS203,S204により得られたΔT,ΔTw に基づいて、式(9)により算出する。これにより本エキマニガス温推定処理を終了する。この式中のTinはインマニガス温の過去の演算値である。
Tex=Tin+ΔT+ΔTw ・・・(9)
【0057】
ステップS105では、EGRガスの温度(以下、適宜、EGRガス温Tegr という)を推定する。図5はEGRガス温Tegr の推定処理の内容である。ステップS401,S402はEGR冷却効率変数演算手段としての処理である。ステップS401では、指令燃料噴射量Qおよびエンジン回転数NEに基づいて、マップにしたがって熱伝達率α値を取得し、ステップS402では、指令燃料噴射量Qおよびエンジン回転数NEに基づいて、マップにしたがって適合EGR通過所要時間であるEGR系通過所要時間t0 を取得する。熱伝達率αは、予め、定常運転での各運転状態(Q,NE)下でEGRクーラ43にEGRガスを流通させる試験を行い、このときに、EGRクーラ43に流入時のEGRガスの温度とみなせるエキマニガス温Tex、EGRクーラ43通過後のEGRガスの温度Tegr を計測し、式(10)により算出したものである。また、EGR系通過所要時間t0 は、前記試験のときにEGR量Gegr を計測し、式(11)により算出したものである。
【0058】
α=ln[(Tex0 −Thw0 )/(Tegr0−Thw0 )]・・・(10)
t0 =Vegr /Gegr0・・・(11)
【0059】
式中、Tex0 はこの試験で計測されたエキマニガス温であり、Tegr0はEGRガス温である。また、Thw0 はEGRクーラ43の管壁の温度とみなせるエンジン水温である。また、Gegr0はEGRガス量である。すなわち、添え字に「0」がついているものは、前記試験すなわち定常運転状態に適合化したものであることを示す。以下、同じ。Vegr は、EGRクーラ43を含めたEGR通路27の通路容積である。
【0060】
なお、式(10)は、温度Thw0 のEGR通路27の管壁と、管内を流通するEGRガスとの間の熱の伝達速度がEGRガスと管壁との温度差に比例するという熱伝達のモデルにしたがうものである(式(12)参照)。そして、t0 =Vegr /Gegr0 は排ガスがEGRクーラ43を含めたEGR通路27の入口から出口に到るまでの所要時間であり、前記管壁と、管内流通EGRガスとの間の熱の伝達により、排ガス温度がTex0 からTegr0まで下降する時間ということができる。
dT/dt=−k(T−Thw)・・・(12)
【0061】
ステップS403では、ステップS103で算出されたEGRガス量Gegr に基づいて、EGR系通過所要時間tを式(13)にしたがって算出する。
t=Vegr /Gegr ・・・(13)
【0062】
続くステップS404では、このEGR系通過所要時間tに基づいて、EGRガス温度Tegr を式(14)にしたがって算出し、これをEGRガス温度Tegr の推定値とする。式(14)も前記モデルにしたがう式である。
Tegr =Thw+exp{−(α/t0 )t}・(Tex−Thw)・・・(14)
【0063】
式中、ThwはステップS101で更新されたエンジン水温であり、α,t0 はステップS401,S402で取得された熱伝達率、EGR系通過所要時間であり、TexはステップS104で推定されたエキマニガス温である。
【0064】
これにより、本EGRガス温推定処理フローは終了となる。
【0065】
ステップS106は流入ガス温度演算手段としての処理で、インマニガスの温度(以下、適宜、インマニガス温という)Tinを推定する。図6はインマニガス温Tinの推定処理の内容である。ステップS501では、新気とEGRガスとが混合されたガスの温度Tbbを式(15)にしたがって算出する。
Tbb=(Gn ・Tha+Gegr ・Tegr )/(Gn +Gegr )・・・(15)
【0066】
ステップS502では、エンジン水温Thwに基づいて、インマニガス温Tinの補正値ΔTw を算出する。
【0067】
ステップS503では、前記ガス温度Tbbと補正値ΔTw とに基づいて、式(16)によりインマニガス温Tinを算出する。補正値ΔTw は、インテークマニホールド251におけるインマニガスと管壁との間の熱伝達による温度変化を補正するものであり、エンジン水温Thwが高いほど、インテークマニホールド251管壁からのインマニガスの吸熱が多くなるから、補正値ΔTw は大きな値が与えられる。
Tin=Tbb+ΔTw ・・・(16)
【0068】
なお、本実施形態では、エキマニガス温Tex、インマニガス温Tinについてきわめて高精度な推定が可能であるが、要求される推定精度やエンジンの実使用状態によっては、簡易な方法をとるのもよい。
【0069】
エキマニガス温Texについての簡易な推定方法について説明する。前記エキマニガス温推定フロー(図3)のステップS201では、インマニガス平均熱容量Cp−in、エキマニガス平均熱容量Cp−exをそれぞれ算出しているが、燃料噴射やEGR等の条件によってはインマニガスとエキマニガスとで平均熱容量を同じとみなしてよい。この場合は、Cp−in=Cp−ex=Cp として、式(7)を式(17)と書ける。そして、前記エキマニガス温推定フロー(図3)のステップS203で、この式(17)によりΔTを算出する。
ΔT=E/(Cp ・Gcyl )・・・(17)
【0070】
なお、熱容量Cp は、インマニガス平均熱容量Cp−inの推定値、若しくはエキマニガス平均熱容量Cp−exの推定値のいずれかを用いてもよいし、さらに簡易には大気の熱容量とすることもできる。
【0071】
また、適合時と推定時とで熱容量に差がないとみなせる場合には、エネルギーEに熱容量Cp を組み込み、エネルギーEのマップに代えて燃料噴射量Qおよびエンジン回転数NEに対してエネルギー変数であるE/Cp (=E* )が対応するE/Cp のマップを予め記憶し、式(18)によりΔTを算出するのもよい。適合時にはE* =Gcyl0・ΔT0 によりE* を求め、マップを作成する。
ΔT=E* /Gcyl ・・・(18)
【0072】
あるいは、シリンダ流入ガス量Gcyl はインテークマニホールド251内の圧力(以下、適宜、インマニガス圧という)Pinと略比例関係にあるので、インマニガス圧Pinを、シリンダ流入ガス量に応じた流入ガス流量変数として、さらに式(19)によりΔTを算出するのもよい。適合時にはE**=Pin0 ・ΔT0 によりエネルギー変数であるE**を求め、マップを作成する。
ΔT=E**/Pin・・・(19)
【0073】
また、インマニガス温Tinは、新気温Thaで代替するのもよい。インマニガス温Tinと新気温Thaとで温度差を生じさせる大きな要因は、EGRガスであるが、EGRクーラ43により十分に冷却されているとみなせる場合や、EGR率が適合化された運転条件から実質的に変化しない場合等には、Tin=Thaとみなすことができる。
【0074】
このように本発明によれば、エキマニガス温Tex、EGRガス温Tegr 、インマニガス温Tinを、単にエンジン回転数、燃料噴射量やエンジン負荷により推定するものに比しても、またセンサによる場合に比しても遜色なく高精度に推定することができる。特に、応答性が必ずしも十分ではないセンサでは追随できないような運転状態の過渡期においても高精度に推定することができるので、高精度を達成しつつコスト低減を図ることができる。そして、推定値は種々の制御に供給される。例えば、エキマニガス温Texは触媒の温度制御に、EGRガス温Tegr はEGRクーラ43の冷却効率の制御に、インマニガス温Tinは吸気O2 、排気O2 濃度の算出やEGR率の算出に用いられる。このうち、図8により、EGRクーラ43の冷却効率の制御の内容について説明する。なお、EGRクーラ43の冷却効率の制御には、冷却水量制御バルブ45の開度調整の他、図9に示す構成のエンジンのように、EGR通路27に、EGRクーラ43をバイパスするEGRバイパス通路27aが設けられ、EGRバイパスバルブ37aによりEGRクーラ43で冷却される排ガスの割合を調整可能なものに適用される場合には、EGRバイパスバルブ37aの開度調整によっても行い得る。
【0075】
ステップS601では、運転条件を検出する。ステップS602では、EGRガス温Tegr を推定する。これは、前記ステップS105と同様に行い得る。
【0076】
ステップS603では、前記運転条件に基づいてEGRガス温Tegr の目標値を算出し、ステップS604では、前記EGRガス温の目標値に基づいてEGRクーラ43の冷却効率の目標値を設定する。ここでは、EGRクーラ43の冷却効率の目標値の設定は、前記ステップS602で推定されたEGRガス温Tegr が前記目標値となるように行う。これには種々の方式のフィードバック制御によりなし得る。
【0077】
ステップS605では、EGRクーラ43の冷却効率の目標値に基づいて、冷却水量制御バルブ45またはEGRバイパスバルブ37aの開度を演算し、ステップS606で、冷却水量制御バルブ45またはEGRバイパスバルブ37aの開度が演算開度となるように冷却水量制御バルブ45またはEGRバイパスバルブ37aの駆動信号を出力する。
【0078】
なお、本実施形態では、エキマニガス温Tex、インマニガス温Tin、EGR温Tegr のいずれをも推定しているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、いずれかは推定値ではなく温度センサにより検出した検出値を制御に供するようにしてもよい。
【0079】
また、センサを温度推定誤差の管理用として用いるのもよい。すなわち、定常状態における推定値とセンサの検出値との偏差を演算し、偏差を推定誤差として、かかる推定誤差が相殺されるように、その後の温度推定にフィードバックする。これにより、センサによる校正で推定精度を高精度に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した内燃機関の制御装置を付設した内燃機関の構成図である。
【図2】前記内燃機関の各部を制御するECUで実行される制御内容を示す第1のフローチャートである。
【図3】前記内燃機関の各部を制御するECUで実行される制御内容を示す第2のフローチャートである。
【図4】前記内燃機関の各部を制御するECUで実行される制御内容を示す第3のフローチャートである。
【図5】前記内燃機関の各部を制御するECUで実行される制御内容を示す第4のフローチャートである。
【図6】前記内燃機関の各部を制御するECUで実行される制御内容を示す第5のフローチャートである。
【図7】前記内燃機関の各部を制御するECUで実行される制御内容を示すグラフである。
【図8】前記内燃機関の各部を制御するECUで実行される制御内容を示す第6のフローチャートである。
【図9】前記内燃機関の制御装置の変形例を付設した内燃機関の構成図である。
【符号の説明】
11 エンジン本体
12 制御装置
21 シリンダ
22 燃焼室
23 吸気ポート
24 排気ポート
25 吸気通路
251 インテークマニホールド
26 排気通路
261 イグゾーストマニホールド
27 EGR通路
27a EGRバイパス通路
31 吸気バルブ
32 排気バルブ
33 ピストン
34 スロットルバルブ
35 タービン
36 コンプレッサ
37 EGRバルブ
37a EGRバイパスバルブ
41 インジェクタ
42 触媒
43 EGRクーラ
44 冷却水通路
45 冷却水量制御バルブ
51 ECU(ガス温度推定手段、エネルギー変数演算手段、温度上昇度演算手段、流出ガス温度演算手段、流入ガス熱容量演算手段、流出ガス熱容量演算手段、EGR冷却効率変数演算手段、EGRクーラ通過所要時間演算手段、熱伝達率演算手段、適合所要時間演算手段、EGRガス温度演算手段、流入ガス温度演算手段)
52 新気量センサ
53 吸気圧センサ
54 新気温センサ
55 エンジン水温センサ
Claims (12)
- 内燃機関の吸排気系を流通するガスの温度を推定するガス温度推定手段を有する内燃機関の制御装置において、
前記ガス温度推定手段に、内燃機関の運転状態と、燃料の燃焼に基因して発生する廃熱のエネルギーに応じたエネルギー変数との予め記憶した対応関係にしたがって、内燃機関の運転状態に基づいて前記エネルギー変数を演算するエネルギー変数演算手段と、前記エネルギー変数と、シリンダに流入するガスの流量に応じた流入ガス流量変数とに基づいて、シリンダから流出するガスの、流入するガスの温度からの温度上昇度を演算する温度上昇度演算手段と、前記温度上昇度に基づいてシリンダ流出ガス温度を演算する流出ガス温度演算手段とを具備せしめたことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 請求項1記載の内燃機関の制御装置において、シリンダ流入ガスの熱容量を演算する流入ガス熱容量演算手段と、
シリンダ流出ガスの熱容量を演算する流出ガス熱容量演算手段とを具備せしめ、
前記温度上昇度演算手段は、前記流入ガス流量変数および前記エネルギー変数に加え、前記流入ガス熱容量および前記流出ガス熱容量に基づいて前記温度上昇度を演算するように設定した内燃機関の制御装置。 - 請求項2記載の内燃機関の制御装置において、前記流入ガス熱容量演算手段は、新気の組成および成分ガスの熱容量、シリンダ流出ガスの組成および成分ガスの熱容量、およびEGR率に基づいて流入ガス熱容量を演算するように設定した内燃機関の制御装置。
- 請求項2または3いずれか記載の内燃機関の制御装置において、前記流出ガス熱容量演算手段は、シリンダ流入ガスの組成および成分ガスの熱容量、前記流入ガス流量変数および噴射燃料量に基づいて流出ガス熱容量を演算するように設定した内燃機関の制御装置。
- 請求項1記載の内燃機関の制御装置において、前記温度上昇度演算手段は、前記エネルギー変数を前記流入ガス流量変数で除して、除数値を前記温度上昇度とするように設定した内燃機関の制御装置。
- 請求項1ないし5いずれか記載の内燃機関の制御装置において、前記運転状態とエネルギー変数との対応関係は、燃料噴射量および機関回転数に対してエネルギー変数が対応するマップを、複数の互いに異なる噴射条件ごとに記憶し、
前記エネルギー変数演算手段は、噴射条件に応じてマップを選択するように設定した内燃機関の制御装置。 - 請求項1ないし6いずれか記載の内燃機関の制御装置において、前記ガス温度推定手段に、内燃機関の運転状態に基づいて、EGRガスを冷却するEGRクーラの冷却効率に応じたEGR冷却効率変数を演算するEGR冷却効率変数演算手段と、EGRガスがEGRクーラを通過するのに要するEGR通過所要時間を演算するEGRクーラ通過所要時間演算手段と、前記EGR冷却効率変数、前記EGR通過所要時間、EGRクーラの水温若しくはそれとみなせる温度、およびシリンダ流出ガスの温度に基づいて、新気と混合するEGRガスの温度を演算するEGRガス温度演算手段とを具備せしめたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
- 内燃機関の吸排気系を流通するガスの温度を推定するガス温度推定手段を有する内燃機関の制御装置において、
前記ガス温度推定手段に、内燃機関の運転状態に基づいて、EGRガスを冷却するEGRクーラの冷却効率に応じたEGR冷却効率変数を演算するEGR冷却効率変数演算手段と、EGRガスがEGRクーラを通過するのに要するEGR通過所要時間を演算するEGRクーラ通過所要時間演算手段と、前記EGR冷却効率変数、前記EGR通過所要時間、EGRクーラの水温若しくはそれとみなせる温度、およびシリンダ流出ガスの温度に基づいて、新気と混合するEGRガスの温度を演算するEGRガス温度演算手段とを具備せしめたことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 請求項7または8いずれか記載の内燃機関の制御装置において、前記EGRガス温度演算手段は、前記EGR冷却効率変数として、熱伝達率αと、予め内燃機関の定常運転状態下で前記EGR通過所要時間を適合化した適合EGR通過所要時間t0 とを用いるとともに、前記EGRクーラ通過所要時間演算手段により演算されたEGR通過所要時間をtとし、シリンダ流出ガス温度をTexとし、前記EGRクーラの吸熱側の基準温度をThwとし、前記EGRガス温度をTegr として、算出式
Tegr =Thw+(Tex−Thw)・exp[(−α/t0 )・t]により算出するように設定した内燃機関の制御装置。 - 請求項9記載の内燃機関の制御装置において、前記EGR冷却効率変数演算手段は、予め記憶した内燃機関の運転状態と熱伝達率αとの対応関係にしたがって、内燃機関の運転状態に基づいて前記熱伝達率αを演算する熱伝達率演算手段と、予め記憶した内燃機関の運転状態と前記適合EGR通過所要時間t0 との関係に基づいて前記適合EGR通過所要時間t0 を演算する適合化所要時間演算手段とにより構成した内燃機関の制御装置。
- 請求項1ないし10いずれか記載の内燃機関の制御装置において、前記ガス温度推定手段に、新気の温度とEGRガスの温度との、新気量とEGRガス量とに基づく重み付き平均値を演算し、これをシリンダに流入するガスの温度とするシリンダ流入ガス温度演算手段を具備せしめた内燃機関の制御装置。
- 請求項1ないし11いずれか記載の内燃機関の制御装置において、前記ガス温度推定手段により推定されるガス温度を検出する温度センサを設け、
前記ガス温度推定手段を、内燃機関の運転状態が定常状態のときにおける、ガス温度の推定値と前記温度センサによる検出値との差分に基づいて、その後の推定値を補正するように設定した内燃機関の制御装置。
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