JP5517454B2 - C型肝炎感染の治療及び予防のための方法及び医薬組成物 - Google Patents

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Description

本出願は、David Houckの2005年9月30日に出願された米国特許仮出願第60/722,679号「C型肝炎感染の治療及び予防のための方法及び医薬組成物(METHODS AND PHARMACEUTICAL COMPOSIYIONS FOR THE TREATMENT AND PREVENTION OF HEPATITIS C INFECTION)」、及びDavid Houckの2006年3月29日に出願された米国特許仮出願第60/787,549号「C型肝炎感染の治療及び予防のための方法及び医薬組成物(METHODS AND PHARMACEUTICAL COMPOSIYIONS FOR THE TREATMENT AND PREVENTION OF HEPATITIS C INFECTION)」の優先権を主張するものである。先に引用された出願の開示は、それらの内容全体が参照により本明細書に組み込まれている。
(1. 発明の分野)
本発明は、治療又は予防を必要とする対象においてC型肝炎ウイルス感染の治療又は予防に使用するための方法及び医薬組成物を提供する。いくつかの態様では、本発明は、感染を治療又は予防するのに有効な量の本発明の3-エーテル又は3-チオエーテルシクロスポリンを第二の作用剤と組合せて、それを必要とする対象に投与することによってC型肝炎感染を治療する方法を提供する。
(2. 背景)
1989年、非A非B型輸血後肝炎の主な原因ウイルスが判明し、C型肝炎ウイルス(HCV)と命名された。それ以降、A型、B型及びC型に加えて、複数のタイプの肝炎ウイルスが判明し、HCVによって引き起こされる肝炎はC型肝炎と呼ばれている。HCVに感染している対象は、世界人口の数%を含むと見なされ、HCV感染は、特徴として慢性になる。
HCVは、ゲノムが一本鎖プラス鎖RNAであるエンベロープRNAウイルスであり、フラビウイルス(Flavivirus)のヘパシウイルス属(Hepacivirus)に属する(国際ウイルス分類委員会、国際微生物学会連合)。同じ肝炎ウイルスのうち、例えばDNAウイルスであるB型肝炎ウイルス(HBV)は免疫系によって排除され、まだ未成熟な免疫能を有する新生児及び乳児を除いて、このウイルス感染は急性感染になる。一方、HCVは、未知の機構により宿主の免疫系を幾分回避する。このウイルスに一旦感染すると、成熟した免疫系を有する成人にさえ、持続的感染が頻繁に現れる。
慢性肝炎が持続的HCV感染を伴う場合、高率で肝硬変又は肝癌に進行する。手術による腫瘍の摘出はあまり役に立たず、その理由は、非癌部における続発炎症により、対象に再発性肝癌が現れることが多いからである。
したがって、C型肝炎感染を治療する有効な治療方法が望まれている。炎症を抗炎症剤で抑制するための対症療法は別として、HCVを炎症のない低レベルに低減し、HCVを根絶する治療剤の開発が強く求められている。最適な治療剤であれば、C型肝炎療法を終了して6か月以上後の血中ウイルスが検出不可能なレベルであると定義される、「持続性ウイルス学的著効」に分類されるウイルス学的著効を提供するはずである。
現在では、インターフェロン単剤又はリバビリンとの組合せによる処置は、HCVの根絶で知られている唯一の有効な方法である。しかし、インターフェロンは、対象集団の約33〜46%においてしか、ウイルスを根絶することができない。残りの対象の場合には、効果がなく、或いは一時的効果しかもたらさない。したがって、インターフェロンの代わりに又はそれと同時に使用する抗HCV薬が大いに期待して待たれている。
シクロスポリンAは、その免疫抑制活性;抗真菌性、抗寄生体性、及び抗炎症性を含めて、ある範囲の治療的用途;並びに抗HIV活性でよく知られている。シクロスポリンA及びある種の誘導体は、抗HCV活性を有していると報告されている。Watashiらの論文、2003, Hepatology 38:1282-1288、Nakagawaらの論文、2004, Biochem. Biophys. Res. Commun. 313:42-7、並びに、Shimotohno及びWatashiの論文、2004, American Transplant Congress, Abstract No. 648(American Journal of Transplantation、2004, 4(s8):1-653)を参照のこと。
しかし、周知のシクロスポリンの問題はその腎毒性である。例えば、シクロスポリンA(シクロスポリン)は、腎毒性及び肝毒性を引き起こす恐れがある。シクロスポリン療法の重篤な合併症である腎毒性は、強い腎臓血管収縮を特徴とし、腎臓の構造的な不可逆的障害を伴う慢性傷害に進行することが多い(Busauschinaらの論文、2004, Transplant Proc., 36:229S-233S、;Myers BD及びNewton L.の論文、1991, J. Am. Soc. Nephrol., (2 Suppl. 1), S45-52)。移植対象の25〜38%において、シクロスポリンと関連がある腎毒性が認められている。腎機能障害はいつでも生じる恐れがあり、早期可逆的障害から不可逆的慢性腎不全への遅延進行に及ぶ。乏尿、糸球体濾過量及び腎血漿流量の急性減少を伴う急性腎毒性は、移植の直後、又は何週間か若しくは何か月後に現れる恐れがある(Kahanの論文, 1989)。
シクロスポリンの長期間投与では、慢性腎毒性は、進行性でほとんど不可逆的な腎機能障害を特徴とし、縞状線維化から房の虚血性虚脱、糸球体硬化、及び尿細管萎縮に及ぶ組織学的病変によって支持される。
世界中のウイルスに対処するために、C型肝炎感染の治療又は予防のための有効な方法及び組成物が求められている。
(3. 発明の要旨)
ある種の3-置換シクロスポリン誘導体は、HCVに対する活性を有することが判明した。また、前記3-置換シクロスポリン誘導体のいくつかは、単独で又は第二の作用剤と組合せてのいずれかで、予想外に良好な毒性プロファイルを有することが判明した。したがって、本発明は、HCV感染を治療又は予防するのに有効な第二の作用剤と一緒の、本発明の3-置換シクロスポリン誘導体により、HCV感染を治療又は予防する方法を提供する。本発明は、この方法に使用するための医薬組成物も提供する。
ひとつの態様において、本発明は、HCV感染の治療又は予防に有用な第二の治療薬と一緒の本発明の3-エーテル又は3-チオエーテルシクロスポリン誘導体の使用を提供する。治療的物質の例は、以下のセクションに詳細に説明されている。
別の態様において、本発明は、治療上の又は予防上の有効量の3-エーテル又は3-チオエーテルシクロスポリン誘導体及び治療上の又は予防上の有効量のHCV感染の治療又は予防に有用な第二の治療薬を含有する、HCV感染の治療又は予防における使用に適した、医薬組成物、単回の単位剤形、及びキットを提供する。
いくつかの実施態様において、本発明の3-置換シクロスポリン誘導体は、3-エーテルシクロスポリン;3-エーテル, 4-γ-ヒドロキシメチルロイシンシクロスポリン;3-チオエーテルシクロスポリン;及び、3-チオエーテル, 4-γ-ヒドロキシメチルロイシンシクロスポリンからなる群より選択される。特定の実施態様において、3-置換シクロスポリン誘導体は、一般式(I)又は医薬として許容し得るその塩である:
Figure 0005517454
(式中、Aは、式(IIa)又は(IIb)の残基であり:
Figure 0005517454
Bは、エチル、1-ヒドロキシエチル、イソプロピル、又はn-プロピルであり;
R1は、同じでも異なってもよい1以上のR3基によって任意に置換されていてもよい、炭素原子1〜6個を含む直鎖又は分枝鎖アルキル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、及びジアルキルアミノからなる群から選択された同じでも異なってもよい1以上の基によって任意に置換されていてもよい、炭素原子2〜6個を含む直鎖又は分枝鎖のアルケニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、及びジアルキルアミノからなる群から選択された同じでも異なってもよい1以上の基によって任意に置換されていてもよい、の炭素原子2〜6個を含む直鎖又は分枝鎖アルキニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、及びジアルキルアミノからなる群から選択された同じでも異なってもよい1以上の基によって任意に置換されていてもよい、炭素原子3〜6個を含むシクロアルキル;
炭素原子1〜6個を含む直鎖又は分枝鎖アルコキシカルボニルであり;
R2は、イソブチル又は2-ヒドロキシイソブチルであり;
Xは、-S(O)n-又は酸素であり;
R3は、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、-NR4R5、及び-NR6(CH2)mNR4R5からなる群から選択され;
R4及びR5はそれぞれ、同じでも異なってもよく、独立に:
水素;
同じでも異なってもよい1以上のR7基によって任意に置換されていてもよい、炭素原子1〜6個を含む直鎖又は分枝鎖のアルキル;
炭素原子2〜4個を含む直鎖又は分枝鎖アルケニル又はアルキニル;
炭素原子1〜6個を含む直鎖又は分枝鎖のアルキルによって任意に置換されていてもよい、炭素原子3〜6個を含むシクロアルキル;
ハロゲン、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、モノアルキルアミノ、及びジアルキルアミノからなる群から選択された同じでも異なってもよい1〜5個の基によって任意に置換されていてもよいフェニル;
5又は6個の環原子、並びに窒素、硫黄、及び酸素から選択された同じでも異なってもよい1〜3個のヘテロ原子を含む飽和でも不飽和でもよい複素環であり;
或いはR4とR5は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4〜6個の環原子を含む飽和又は不飽和の複素環を形成し、この環は、窒素、酸素、及び硫黄からなる群から選択された別のヘテロ原子を任意に含んでもよく、アルキル、フェニル、及びベンジルからなる群から選択された同じでも異なってもよい1〜4個の基によって任意に置換されていてもよく;
R6は、水素、又は1〜6個の炭素原子を含む直鎖若しくは分枝鎖のアルキルであり、
R7は、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、及び-NR8R9からなる群から選択され;
R8及びR9は、同じでも異なってもよく、それぞれ、水素、又は炭素原子1〜6個を含む直鎖若しくは分枝鎖のアルキルを表し;
nは0、1、又は2であり;
mは2〜4の整数であり;
ハロゲンは、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードを意味する。)。
いくつかの場合には、置換基A、B、R1及びR2は、光学及び/又は立体異性に寄与することができる。このような形はすべて、本発明によって包含される。
(5. 例示的実施態様の説明)
本発明は、治療又は予防を必要とする対象においてC型肝炎感染を治療又は予防する方法、並びにこのような方法に有用な医薬組成物及び剤形を提供する。該方法及び組成物を下記のセクションで詳述する。
(5.1 定義)
本発明の化合物及び複合体を述べる場合、下記の用語は、別段の指示のない限り下記の意味を有する。
「シクロスポリン」は、当業者に公知の任意のシクロスポリン化合物、又はその誘導体を指す。例えば、Rueggerらの論文、1976, Helv. Chim. Acta. 59:1075-92;Borelらの論文、1977, Immunology 32:1017-25を参照することとし、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本発明の例示的化合物は、シクロスポリン誘導体である。別段の注記のない限り、本明細書に記載するシクロスポリンはシクロスポリンAであり、本明細書に記載するシクロスポリン誘導体はシクロスポリンAの誘導体である。
「アルキル」は、具体的には約11個までの炭素原子、より具体的には低級アルキルとして1〜8個の炭素原子、さらにより具体的には1〜6個の炭素原子を有する一価の飽和脂肪族ヒドロカルビル基を指す。炭化水素鎖は、直鎖状でも分枝状でもよい。この用語は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ヘキシル、n-オクチル、tert-オクチルなどの基によって例示される。用語「低級アルキル」は、炭素原子1〜6個を有するアルキル基を指す。
「アルキレン」は、具体的には約11個までの炭素原子、より具体的には炭素原子1〜6個を有する、二価飽和脂肪族ヒドロカルビル基を指し、これらは直鎖状でも分枝状でもよい。この用語は、メチレン(-CH2-)、エチレン(-CH2CH2-)、プロピレン異性体(例えば、-CH2CH2CH2-及び-CH(CH3)CH2-)などの基によって例示される。
「アルケニル」は、好ましくは約11個までの炭素原子、具体的には炭素原子2〜8個、さらにより具体的には炭素原子2〜6個を有する一価オレフィン性不飽和ヒドロカルビル基を指し、これらは直鎖状でも分枝状でもよく、少なくとも1個、具体的には1〜2個のオレフィン性不飽和部位を有する。特定のアルケニル基には、エテニル(-CH=CH2)、n-プロペニル(-CH2CH=CH2)、イソプロペニル(-C(CH3)=CH2)、ビニル、及び置換ビニルなどが含まれる。
「アルケニレン」は、具体的には約11個までの炭素原子、より具体的には2〜6個の炭素原子を有する二価のオレフィン性不飽和ヒドロカルビル基を指し、これらは直鎖状でも分枝状でもよく、少なくとも1個、具体的には1〜2個のオレフィン性不飽和部位を有する。この用語は、エテニレン(-CH=CH-)、プロペニレン異性体(例えば、-CH=CHCH2-及び-C(CH3)=CH-及び-CH=C(CH3)-)などの基によって例示される。
「アルキニル」は、具体的には約11個までの炭素原子、より具体的には炭素原子2〜6個を有するアセチレン性不飽和ヒドロカルビル基を指し、これらは直鎖状でも分枝状でもよく、少なくとも1個、具体的には1〜2個のアルキニル不飽和部位を有する。アルキニル基の特定の非限定的な例としては、アセチレニック、エチニル(-C≡CH)、プロパルギル(-CH2C=CH)などが挙げられる。
「アルコキシ」は、-OR基(式中、Rは、アルキルである)を指す。特定のアルコキシ基には、例としてメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、tert-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペントキシ、n-ヘキソキシ、1,2-ジメチルブトキシなどが含まれる。
「アルコキシカルボニル」は、-C(O)-アルコキシ基(式中、アルコキシは本明細書に定義する通りである)を指す。
「アミノ」は、-NH2基を指す。
「カルボキシ」は、-C(O)OH基を指す。
「ジアルキルアミノ」は、-NRR'基(式中、R及びR'は独立に、本明細書に定義するアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、又は置換ヘテロアリール基を表す)を意味する。
「ハロゲン」又は「ハロ」は、クロロ、ブロモ、フルオロ、又はヨードを指す。
「ヒドロキシ」は、-OH基を指す。
「モノアルキルアミノ」は、アルキル-NR'-基(式中、R'は、水素及びアルキルから選択される)を意味する。
「ニトロ」は、-NO2基を指す。
「チオアルコキシ」は、-SR基(式中、Rはアルキルである)を指す。
「医薬として許容し得る塩」は、その生物学的特性を保持し、毒性ではない、又はそうでなければ薬剤用途に望ましくない本発明の化合物の任意の塩を指す。このような塩は、当技術分野で周知の様々な有機及び無機の対イオンに由来し得るものであり、かつ含まれるのは、このような塩として、(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、スルファミン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンチルプロピオン酸、グリコール酸、グルタル酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、ソルビン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ピクリン酸、ケイ皮酸、マンデル酸、フタル酸、ラウリン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタン−二スルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、ショウノウ酸、カンファースルホン酸、4-メチルビシクロ[2.2.2]-オクト-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、tert-ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、安息香酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、シクロヘキシルスルファミン酸、キナ酸、ムコン酸、及び同様な酸など、有機酸又は無機酸で形成された酸付加塩;或いは(2)親化合物に存在する酸性プロトンが、(a)金属イオン、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、若しくはアルミニウムイオン、又は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化リチウム、水酸化亜鉛、及び水酸化バリウムなどアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物、アンモニアで置換され、又は(b)アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、リシン、アルギニン、オルニチン、コリン、N,N'-ジベンジルエチレン−ジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、プロカイン、N-ベンジルフェネチルアミン、N-メチルグルカミンピペラジン、トリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、水酸化テトラメチルアンモニウムなど、脂肪族、脂環式、若しくは芳香族の有機アミンなどの有機塩基と配位結合する場合に形成された塩が含まれる。
塩には、例にすぎないが、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなどがさらに含まれ、化合物が塩基性官能基を含む場合は、ヒドロハリド塩、例えば塩酸塩及び臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、スルファミン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、トリクロロ酢酸塩、プロピオン酸塩、ヘキサン酸塩、シクロペンチルプロピオン酸塩、グリコール酸塩、グルタル酸塩、ピルビン酸塩、乳酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、ソルビン酸塩、アスコルビン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸塩、ピクリン酸塩、ケイ皮酸塩、マンデル酸塩、フタル酸塩、ラウリン酸塩、メタンスルホン酸塩(メシル酸塩)、エタンスルホン酸塩、1,2-エタン-二スルホン酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸)、4-クロロベンゼンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、4-トルエンスルホン酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、4-メチルビシクロ[2.2.2]-オクト-2-エン-1-カルボン酸塩、グルコヘプトン酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、トリメチル酢酸塩、tert-ブチル酢酸塩、ラウリル硫酸塩、グルコン酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、シクロヘキシルスルファミン酸塩、キナ酸塩、ムコン酸塩など、非毒性の有機酸又は無機酸の塩が含まれる。
用語「生理的に許容し得るカチオン」は、酸性官能基の非毒性の生理的に許容し得るカチオン性対イオンを指す。このようなカチオンを例示すると、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、及びテトラアルキルアンモニウムカチオンなどがある。
「溶媒和物」は、非共有結合性分子間力で結合した化学量論量又は非化学量論量の溶媒をさらに含む本発明の化合物又はその塩を指す。溶媒が水である場合、溶媒和物は水和物である。
同じ分子式を有するが、その原子の結合の性質若しくは配列、又はその原子の空間的な配置が異なる化合物は、「異性体」と名付けられていることを理解されたい。その原子の空間的な配置が異なる異性体は、「立体異性体」と名付けられている。
互いの鏡像でない立体異性体は、「ジアステレオマー」と名付けられ、互いの重ねることができない鏡像であるものは、「エナンチオマー」と名付けられている。化合物が不斉中心を有する場合、例えば4個の異なる基に結合している場合、一対のエナンチオマーがあり得る。エナンチオマーは、その不斉中心の絶対配置を特徴とすることができ、Cahn及びPrelogの規則にしたがって(R)又は(S)が指定され(Cahnらの論文、1966, Angew. Chem. 78:413-447, Angew. Chem., Int. Ed. Engl. 5:385-414(訂正: Angew. Chem., Int. Ed. Engl. 5:511);Prelog及びHelmchenの論文, 1982, Angew. Chem. 94:614-631, Angew. Chem. Internat. Ed. Eng. 21:567-583;Mata及びLoboの論文, 1993, Tetrahedron: Asymmetry 4:657-668)、或いは分子が偏光面を回転させる方式を特徴とすることができ、右旋性又は左旋性(すなわち、それぞれ(+)-又は(-)-異性体)が指定される。キラル化合物は、個々のエナンチオマー又はその混合物として存在することができる。等しい比率のエナンチオマーを含む混合物は、「ラセミ混合物」と呼ばれる。
いくつかの実施態様では、本発明の化合物は、1つ又は複数の不斉中心を有することができ;このような化合物は、したがって個々の(R)-若しくは(S)-エナンチオマー、又はその混合物として生成され得る。例えば式の任意の位置における立体化学の表示によって別段の指示のない限り、明細書及び特許請求の範囲の特定の化合物の説明又は呼称は、個々のエナンチオマーと、そのラセミ又はその他の混合物とを包含するものである。立体化学の決定方法及び立体異性体の分離方法は、当技術分野で周知である。特定の実施態様では、本発明は、塩基での処置時に本明細書に示す化合物の立体異性体を提供する。
いくつかの実施態様では、本発明の化合物は、「立体化学的に純度が高い」。立体化学的に純度が高い化合物は、当業者によって「純度が高い」と認識されるはずの立体化学的純度レベルを有する。言うまでもなく、この純度レベルは、100%未満である。いくつかの実施態様では、「立体化学的に純度が高い」とは、代替となる異性体を実質的に含まない化合物を表す。特定の実施態様では、化合物は、他の異性体を85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、又は99.9%含まない。
「サルコシン」又は「Sar」は、-N(Me)CH2C(O)-の構造を有する当業者に周知のアミノ酸残基を指す。当業者なら、サルコシンをN-メチルグリシンと認識することができる。
本明細書では、用語「対象」及び「患者」を本明細書では同義に使用する。用語「対象」及び「複数の対象」は、動物、好ましくは非霊長類(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ラット、及びマウス)及び霊長類(例えば、カニクイザル、チンパンジー、及びヒトなどのサル)を含めて、哺乳類を指し、例としてヒトを指す。一実施態様では、対象は、C型肝炎感染の現治療方法に対して難治性又は不応性である。別の実施態様では、対象は、家畜(例えば、ウマ、ウシ、ブタな)又はペット(例えば、イヌ又はネコ)である。ひとつの実施態様では、対象はヒトである。
本明細書では、用語「治療剤」及び「複数の治療剤」は、障害又は1つ若しくは複数のその症状の治療又は予防で使用することができる任意の作用剤を指す。いくつかの実施態様では、用語「治療剤」は本発明の化合物を指す。いくつかの他の実施態様では、用語「治療剤」は本発明の化合物を意味しない。一実施態様において、治療剤は、障害又は1つ若しくは複数のその症状の治療又は予防に有用であることが知られており、或いはそのために使用されたことがあり、又は現在使用されている作用剤である。
「治療有効量」は、対象に疾患を治療するために投与する場合、疾患に対してこのような治療をもたらすのに十分な量の化合物又は複合物又は組成物を意味する。「治療有効量」は、とりわけ化合物、疾患及びその重症度、並びに治療される対象の年齢、体重などに応じて異なり得る。
任意の疾患又は障害の「治療している」又は「治療」は、一実施態様では、対象に存在する疾患又は障害を改善することを指す。別の実施態様では、「治療する」又は「治療」は、対象によっては識別不可能である可能性がある少なくとも1つの物理的パラメータを改善することを指す。さらに別の実施態様では、「治療する」又は「治療」は、疾患又は障害を身体的に(例えば、識別可能な症状の安定化)又は生理的に(例えば、物理的パラメータの安定化)又は両方で調節することを指す。さらに別の実施態様では、「治療する」又は「治療」は、疾患又は障害の発症を遅延させることを指す。
本明細書では、使用されている用語「予防剤」及び「複数の予防剤」は、障害又は1つ若しくは複数のその症状の予防で使用することができる任意の作用剤を指す。いくつかの実施態様では、用語「予防剤」は本発明の化合物を指す。いくつかの他の実施態様では、用語「予防剤」は本発明の化合物を意味しない。例えば、予防剤は、障害の発症、発現、進行、及び/又は重症度の予防若しくは妨害に有用であることが知られており、或いはその予防若しくは妨害のために使用されたことがあり、又は現在使用されている作用剤である。
本明細書では、用語「予防する」、「予防している」、及び「予防」は、対象における障害の1つ又は複数の症状の再発、発症、又は発現の、療法(例えば、予防剤又は治療剤)の投与、又は療法の組合せ(例えば、予防剤又は治療剤の組合せ)の投与に起因する予防を指す。
本明細書では、語句「予防有効量」は、障害を伴う1つ又は複数の症状の発現、再発、又は発症の予防をもたらす(或いは、別の療法(例えば、別の予防剤)の予防効果を向上又は改善する))のに十分である療法(例えば、予防剤)の量を指す。
本明細書では、用語「組合せ」は、1種よりも多い療法(例えば、1つ又は複数の予防剤及び/又は治療剤)の使用を意味する。用語「組合せ」の使用は、療法(例えば、予防剤及び/又は治療剤)が、障害を伴う対象へ投与される順番を制限するものではない。第一の療法(例えば、本発明の化合物のような予防剤又は治療剤)は、第二の療法(例えば、予防剤又は治療剤)を障害を持つ対象へ投与する前(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間前)、投与時、又は投与に引き続き(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間後)に投与することができる。
本明細書では、用語「相乗的」は、本発明の化合物、及び障害の予防、管理又は治療に使用された若しくは現在使用される別の療法(例えば、予防剤又は治療剤)の組合せで、それらの療法の相加作用よりもより効果があるものを意味する。療法の組合せ(例えば、予防剤又は治療剤の組合せ)の相乗作用は、1つ又は複数の療法のより低い用量の使用及び/又は該療法の障害のある対象への投与頻度の減少を可能にする。低用量の療法(例えば、予防剤又は治療剤)を利用する能力及び/又はより少ない頻度で該療法を投与する能力は、障害の予防又は治療における該療法の有効性を低下することなく、該療法の投与に関連した毒性を低下する。加えて、相乗作用は、障害の予防又は治療における作用剤の改善された有効性を生じることができる。最後に、療法の組合せ(例えば、予防剤及び治療剤の組合せ)の相乗作用は、いずれかの療法の単独の使用に関連した有害な又は望ましくない副作用を無くす又は軽減することができる。
用語「ラベル」は、物品の直接容器上の記載物、印刷物、又は図示物の表示物、例えば活性薬剤を含有するバイアルに表示された記載物を指す。
用語「ラベリング」は、任意の物品、又は任意のその容器若しくは包装物上の、或いはこのような物品に添付されたすべてのラベル及び他の記載物、印刷物、若しくは図示物、例えば活性薬剤の容器に添付された又は付随した添付文書又は指示ビデオテープ若しくはDVDを指す。
(5.2 発明の実施態様)
本発明は、治療及び予防を必要とする対象におけるC型肝炎感染の治療及び予防に、本発明の化合物が有効であるという発見に一部基づいている。したがって、本発明は、それを必要とする対象におけるC型肝炎感染の治療方法を提供する。本発明は、それを必要とする対象におけるC型肝炎感染の予防方法をさらに提供する。一般に、本発明の方法は、治療及び予防を必要とする対象にC型肝炎感染の治療又は予防に有効な量の本発明の化合物を感染の治療又は予防に有効な第二の作用剤と組合せて投与するステップを含む。該治療方法を下記のセクションで詳述する。該化合物は、下記のセクションで詳述するような本発明の任意の化合物とすることができ、第二の作用剤は下記セクションで詳述する任意の第二の作用剤であることができる。特定の実施態様では、該化合物は、下記のセクションで詳述するような医薬組成物の形又は剤形である。
任意の特定の作動理論に拘泥するものではないが、本発明の化合物は、現在のHCV療法の機構とは異なる機構によってC型肝炎ウイルス(HCV)複製を阻害すると考えられる。HCVの現療法は、前述のように、インターフェロンとリバビリンの同時投与である。現療法は、対象の免疫系を調節して、HCVによる感染を治療又は予防することによって作用すると考えられる。本発明の化合物は、宿主におけるHCV複製でクリティカルな細胞過程を調節又は阻害することによって作用すると考えられる。このような機構を下記の実施例で述べる。本発明の化合物、組成物、及び方法は、新規機構で作用して、HCV感染の治療又は予防のための新規療法をもたらす。したがって、これらは、HCVに感染しているか、又はHCV感染のリスクがある任意の対象、具体的には、現療法に応答したことのない対象に有利である。
本発明の実施態様では、対象は、HCVに感染しているか、又はHCV感染のリスクがある任意の対象とすることができる。感染、又は感染のリスクは、当業者によって適切であると思われる任意の技法にしたがって決定することができる。一実施態様において、対象はHCVに感染しているヒトである。
HCVは、当業者に公知の任意のHCVとすることができる。現在、HCVは、少なくとも6個のゲノタイプ、及び少なくとも50個のサブタイプが当業者に公知である。HCVは、当業者に周知の任意のゲノタイプ又はサブタイプとすることができる。いくつかの実施態様では、HCVは、まだ特性付けられていないゲノタイプ又はサブタイプを有するものである。いくつかの実施態様では、対象は単一ゲノタイプのHCVに感染している。いくつかの実施態様では、対象は、複数のサブタイプ、準種(quasispecies)又は複数のゲノタイプのHCVに感染している。
特定の実施態様では、HCVはゲノタイプ1であり、任意のサブタイプを有するものとすることができる。例えば、いくつかの実施態様では、HCVは、サブタイプ1a、1b、又は1cである。ゲノタイプ1のHCV感染は、現在のインターフェロン療法にほとんど応答しないと考えられる。本発明の方法は、ゲノタイプ1のHCV感染の療法に有利であり得る。
特定の実施態様では、HCVはゲノタイプ1以外のものである。特定の実施態様では、HCVはゲノタイプ2であり、任意のサブタイプを有するものとすることができる。例えば、いくつかの実施態様では、HCVはサブタイプ2a、2b、又は2cである。いくつかの実施態様では、HCVはゲノタイプ3であり、任意のサブタイプを有するものとすることができる。例えば、いくつかの実施態様では、HCVは、サブタイプ3a、3b、又は10aである。いくつかの実施態様では、HCVはゲノタイプ4であり、任意のサブタイプを有するものとすることができる。例えば、いくつかの実施態様では、HCVはサブタイプ4aである。いくつかの実施態様では、HCVはゲノタイプ5であり、任意のサブタイプを有するものとすることができる。例えば、いくつかの実施態様では、HCVは、サブタイプ5aである。いくつかの実施態様では、HCVはゲノタイプ6であり、任意のサブタイプを有するものとすることができる。例えば、いくつかの実施態様では、HCVは、サブタイプ6a、6b、7b、8b、9a、又は11aである。例えば、Simmondsの論文、2004, J.Gen Virol. 85:3173-88;Simmondsの論文、2001, J.Gen. Virol, 82, 693-712を参照することとし、その内容は全体が参照により組み込まれる。
本発明のいくつかの実施態様では、対象は、HCV感染の療法又は予防を受けたことがない。本発明の別の実施態様では、対象は、HCV感染の療法又は予防を以前に受けたことがある。例えば、いくつかの実施態様では、対象は、HCV療法に応答していなかった。実際に、現在のインターフェロン療法では、最高50%又はそれ以上のHCV対象は療法に応答しない。いくつかの実施態様では、対象は、療法を受けたが、ウイルス感染又は1つ若しくは複数のその症状を患い続けた対象とすることができる。いくつかの実施態様では、対象は、療法を受けたが、持続性ウイルス学的著効を実現することができなかった対象とすることができる。いくつかの実施態様では、対象は、HCV感染の療法を受けたことがあるが、12週間の療法の後、HCV RNAレベルの2 log10の低下を示すことができなかった。12週間の療法の後、血清HCV RNAの2 log10超の低下を示さなかった対象は、応答しない確率が97〜100%であると考えられる。本発明の化合物は、現在のHCV療法以外の機構によって働くので、本発明の化合物は、このような非応答者を治療する上で有効であるはずであると考えられる。
いくつかの実施態様では、対象は、療法に付随した1つ又は複数の有害事象のためHCV療法を中断した対象である。いくつかの実施態様では、対象は、現療法の適応とならない対象である。例えば、いくつかのHCV療法は、神経精神事象を伴う。インターフェロン(IFN)-αにリバビリンを加えたものは、高率のうつ病を伴う。うつ症状は、いくつかの医学的障害におけるより悪い結果に関連している。自殺、自殺及び他殺念慮、うつ病、薬物嗜癖/過量の再発、並びに攻撃行動を含めて、生命にかかわる又は致命的な神経精神事象は、HCV療法中に、精神障害を以前にもつ対象及びもたない対象に起こる。インターフェロン誘導性うつ病は、C型慢性肝炎の治療、特に精神障害をもつ対象の場合に制約となる。精神医学的副作用は、インターフェロン療法には共通であり、HCV感染の現療法の中断の約10%〜20%の原因となる。
したがって、本発明は、うつ病などの神経精神事象のリスクが現在のHCV療法での処置に禁忌を示す対象におけるHCV感染の治療又は予防方法を提供する。本発明は、うつ病などの神経精神事象又はこのようなリスクが、現在のHCV療法での治療の中断を指示するような対象におけるHCV感染の治療又は予防方法も提供する。本発明は、うつ病などの神経精神事象又はこのようなリスクが、現在のHCV療法の用量低減を指示するような対象におけるHCV感染の治療又は予防方法をさらに提供する。
現療法は、インターフェロン若しくはリバビリン、又はその両方、或いはインターフェロン若しくはリバビリンの投与用の薬剤製品の他の何らかの成分に過敏性である対象にも禁忌である。血色素障害(例えば、重症型サラセミア、鎌状赤血球貧血)の対象、及び現療法の血液学的副作用のリスクにある他の対象の場合には、現療法の適応とならない。一般的な血液学的副作用には、骨髄抑制、好中球減少、及び血小板減少が含まれる。さらに、リバビリンは、赤血球への毒性があり、溶血を伴う。したがって、本発明は、インターフェロン若しくはリバビリン、又は両方に過敏性である対象、血色素障害の対象、例えば重症型サラセミア対象及び鎌状赤血球貧血対象、並びに現療法の血液学的副作用のリスクがある他の対象において、HCV感染を治療又は予防する方法も提供する。
いくつかの実施態様では、対象は、HCV療法を受け、本発明の方法を投与する前にその療法を中断している。さらなる実施態様では、対象は療法を受け、本発明の方法の投与と共にその療法を受けることを継続している。当業者の判断にしたがい、本発明の方法を他のHCV療法と同時投与することができる。いくつかの実施態様において、他のHCV療法の用量を低減させて、本発明の方法又は組成物を同時投与することができる。
いくつかの実施態様では、本発明は、インターフェロンでの処置に対して難治性である対象の治療方法を提供する。例えば、一部の実施態様では、対象は、インターフェロン、インターフェロンα、ペグ化インターフェロンα、インターフェロンにリバビリンを加えたもの、インターフェロンαにリバビリンを加えたもの、及びペグ化インターフェロンαにリバビリンを加えたものからなる群から選択された1つ又は複数の作用剤での処置に応答しなかった対象とすることができる。一部の実施態様では、対象は、インターフェロン、インターフェロンα、ペグ化インターフェロンα、インターフェロンにリバビリンを加えたもの、インターフェロンαにリバビリンを加えたもの、及びペグ化インターフェロンαにリバビリンを加えたものからなる群から選択された1つ又は複数の作用剤での処置にほとんど応答しない対象とすることができる。リバビリン由来のプロドラッグ、例えばタリバビリンも使用することができる。
さらなる実施態様では、現療法が妊婦にも禁忌であるので、本発明は、妊娠しているか、又は妊娠するかもしれない対象におけるHCV感染の治療方法を提供する。
いくつかの実施態様では、対象は、HCVとHIVに同時感染しているか、又はそのリスクがある。例えば、米国では、HIV対象の30%は、HCVに同時感染しており、証拠が示すところによると、HIVに感染している人は、そのC型肝炎感染がはるかに急速な経過をたどる。Maier及びWuの論文、2002, World J Gastroenterol 8:577-57。本発明の方法を使用して、このような対象においてHCV感染を治療又は予防することができる。これらの対象のHCVをなくすと、末期肝疾患による死亡率を低下させると考えられる。実際には、進行性肝疾患のリスクが、重度エイズ指標免疫不全の対象の場合、そうでない対象の場合より高い。例えば、Lesensらの論文、1999, J Infect Dis 179:1254-1258を参照のこと。一実施態様において、本発明の化合物がHIV対象のHIVを抑制することを示した。例えば、米国特許第5,977,067号;第5,994,299号、第5,948,884号、及び第6,583,265号、並びにPCTの国際公開第99/32512号、国際公開第99/67280号を参照することとし、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。したがって、いくつかの実施態様では、本発明は、それを必要とする対象におけるHIV感染及びHCV感染の治療又は予防方法を提供する。
いくつかの実施態様では、肝移植の後に、本発明の方法又は組成物を対象に投与する。C型肝炎は、米国では肝移植の主要原因であり、肝移植を受ける多数の対象は、移植した後もHCV陽性のままである。本発明は、このような再発性HCV対象を本発明の化合物又は組成物で処置する方法を提供する。いくつかの実施態様では、本発明は、再発性HCV感染を予防するのに肝移植の前、その最中、又はその後に対象を治療する方法を提供する。
(5.2.1 本発明において使用される化合物)
いくつかの実施態様では、本発明の化合物は、治療又は予防を必要とする対象におけるC型肝炎感染の治療又は予防に有効なシクロスポリン誘導体である。別段の注記のない限り、本明細書では、用語「シクロスポリン」は、当業者に公知の化合物シクロスポリンAを指す。例えば、Rueggerらの論文、1976, Helv. Chim. Acta. 59:1075-92;Borelらの論文、1977, Immunology 32:1017-25を参照することとし、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。用語「シクロスポリン誘導体」は、天然、合成、又は半合成であろうと、C型肝炎感染に対抗する活性を有する任意のシクロスポリン誘導体を指す。
特定の実施態様では、シクロスポリン誘導体は、当業者に公知の通り、シクロスポリンAと3位、すなわち、N-メチルグリシン位において異なる。いくつかの実施態様では、シクロスポリン誘導体は3-エーテルシクロスポリンである。別の実施態様では、シクロスポリン誘導体は3-チオエーテルシクロスポリンである。該シクロスポリン誘導体は、当業者に公知の他のシクロスポリン改変物をさらに含むことができる。さらなる実施態様では、シクロスポリンは、さらに4-γ-ヒドロキシメチルロイシン残基を含む。したがって、いくつかの実施態様では、シクロスポリン誘導体は、3-エーテル、4-γ-ヒドロキシメチルロイシンである。更なる実施態様では、シクロスポリン誘導体は、3-チオエーテル、4-γ-ヒドロキシメチルロイシンである。
いくつかの実施態様では、本発明は、対象においてC型肝炎感染を治療又は予防する方法であって、対象に治療上又は予防有効量の一般式(I)のシクロスポリン誘導体、又は医薬として許容し得るその塩若しくは溶媒和物を、HCV感染の治療又は予防に有効な第二の作用剤と共に投与することを含む方法を提供する。
Figure 0005517454
式(I)において、A、B、X、R1及びR2は、上記に定義する通りである。
いくつかの実施態様では、Aは式(IIa)によるものである。さらなる実施態様では、Aは式(IIb)によるものである。一実施態様では、Aは上記の式(IIa)の残基である。
いくつかの実施態様において、Bはエチルである。
いくつかの実施態様において、R1は、2-アミノエチル、2-アミノプロピル、2-モノアルキルアミノエチル、2-モノアルキルアミノプロピル、2-ジアルキルアミノエチル、2-ジアルキルアミノプロピル、2-モノシクロアルキルアミノエチル、2-モノシクロアルキルアミノプロピル、2-ジシクロアルキルアミノエチル、又は2-ジアルキルアミノプロピルであり、ただし、アルキルは、炭素原子1〜4個を含む直鎖又は分枝鎖であり、シクロアルキルは、炭素原子3〜6個を含む。
さらなる実施態様では、R1は、1つのR3基で任意に置換されていてもよい、炭素原子1〜4個、別の実施態様においては、炭素原子1又は2個を含む直鎖又は分枝鎖のアルキルである。
いくつかの実施態様では、R2はイソブチルである。他の実施態様では、R2は2-ヒドロキシイソブチルである。
ひとつの実施態様において、Xは酸素又は硫黄である。いくつかの実施態様では、Xは酸素である。更なる実施態様では、Xは硫黄である。
いくつかの実施態様において、R3は、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、-NR4R5、及び-NR6(CH2)mNR4R5からなる群より選択される。
R3は、ヒドロキシ又は-NR4R5(式中、R4及びR5は、同じでも異なってもよく、それぞれ、水素、又は炭素原子1〜6個、若しくは炭素原子1〜4個を含む直鎖若しくは分枝鎖のアルキルを表す)。さらなる好ましい実施態様では、R3は、-NR4R5である。
いくつかの実施態様では、Xが硫黄である場合、R1は、N,N-ジメチルアミノエチル、N,N-ジエチルアミノエチル、N-メチル-N-tert-ブチルアミノエチル、及びN-エチル-N-tert-ブチルアミノエチルからなる群から選択される。
いくつかの実施態様では、Xは硫黄であり、R2はイソブチルであり、R1は、N,N-ジメチルアミノエチル、N,N-ジエチルアミノエチル、N-メチル-N-tert-ブチルアミノエチル、及びN-エチル-N-tert-ブチルアミノエチルからなる群から選択される。
いくつかの実施態様では、Xは硫黄であり、R2は2-ヒドロキシイソブチルであり、R1は、N,N-ジメチルアミノエチル、N,N-ジエチルアミノエチル、N-メチル-N-tert-ブチルアミノエチル、及びN-エチル-N-tert-ブチルアミノエチルからなる群から選択される。
更なる式(I)の化合物は、R1が、R3基によって任意に置換されていてもよい、炭素原子2〜6個を含む直鎖又は分枝鎖のアルキル;又は炭素原子2〜4個を含む直鎖又は分枝鎖のアルケニルであり;R3がヒドロキシ、-NR4R5、又はメトキシであるものである。
さらに、式(I)の化合物は、R4及びR5がそれぞれ、同じでも異なってもよく、水素;炭素原子1〜4個を含む直鎖又は分枝鎖のアルキルであり、或いはR4及びR5が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、6個の環原子を含む飽和環を形成し;窒素原子以外の環原子が独立に、炭素及び酸素から選択されるものである。
更なる実施態様において、R3は、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、-NR4R5、及び-NR6(CH2)mNR4R5からなる群から選択される。変数mは、2〜4の整数であることができる。
いくつかの実施態様において、ハロゲンは、フルオロ、クロロ、又はブロモである。ひとつの実施態様において、ハロゲンは、フルオロ又はクロロである。
ひとつの実施態様において、式(I)の化合物(式中、Xは酸素であり、R1は2-メトキシエチルである)、又は医薬として許容し得るその塩は、本明細書において提供される方法及び組成物において使用される。
別の実施態様において、式(I)の化合物(式中、Xは酸素又は硫黄であり、R1は-NR4R5又はメトキシで置換されているプロピルである)、又は医薬として許容し得るその塩は、本明細書において提供される方法及び組成物において使用される。
本発明の方法及び組成物で使用される化合物には、下記に列挙するシクロスポリン誘導体、及び医薬として許容し得るその塩がある:
3-メトキシシクロスポリン;
3-エトキシシクロスポリン;
3-プロポキシシクロスポリン;
3-イソプロポキシシクロスポリン;
3-(2-アミノエトキシ)シクロスポリン;
3-(2-N-メチルアミノエトキシ)シクロスポリン;
3-(2-N-エチルアミノエトキシ)シクロスポリン;
3-(2-ジメチルアミノエトキシ)シクロスポリン;
3-(2-ジエチルアミノエトキシ)シクロスポリン;
3-(2-tert-ブチル-メチルアミノエトキシ)シクロスポリン;
3-(2-tert-ブチル-エチルアミノエトキシ)シクロスポリン;
3-[(R)-2-(N,N-ジメチルアミノ)エチルチオ-Sar]-4-[4'-ヒドロキシ-MeLeu]-シクロスポリン;
3-[(R)-2-(N,N-ジメチルアミノ)エチルチオ-Sar]-シクロスポリン;
3-[(R)-2-(ヒドロキシ)エチルチオ-Sar]-4-[4'-ヒドロキシ-MeLeu]-シクロスポリン;
3-[(R)-2-(ヒドロキシ)エチルチオ-Sar]-シクロスポリン;
3-[(R)-2-(N,N-ジエチルアミノ)エチルチオ-Sar]-4-[4'-ヒドロキシ-MeLeu]-シクロスポリン;
3-[(R)-2-(N,N-ジエチルアミノ)エチルチオ-Sar]-シクロスポリン;
3-(sec-ブトキシ)シクロスポリン;
3-[2-(1,4-ジヒドロピリジ-1-イル)エトキシ)シクロスポリン。
いくつかの実施態様において、本発明の方法及び組成物に有用な特に好ましい化合物には、下記のものがある。
化合物 名称
A 3-メトキシシクロスポリン
B 3-(2-アミノエトキシ)シクロスポリン
C 3-(2-N,N-ジメチルアミノエトキシ)シクロスポリン
D 3-(イソプロポキシ)シクロスポリン
E 3-(2-エチルブトキシ)シクロスポリン
F 3-(2,2-ジメチルプロポキシ)シクロスポリン
G 3-(2-ヒドロキシエトキシ)シクロスポリン
H 3-(3-ヒドロキシプロポキシ)シクロスポリン
I 3-[2-(N-メチルアミノ)エトキシ]シクロスポリン
J 3-[2-(N-メチル-N-イソプロピルアミノ)エトキシ]シクロスポリン
K 3-[2-(ピペリジン-1-イル)エトキシ]シクロスポリン
L 3-[2-(N-モルホリン)エトキシ)シクロスポリン
M 3-エトキシシクロスポリン
N 3-(2-メトキシエチルチオ)-4-(γ-ヒドロキシメチルロイシン)シクロスポリン
O 3-[(R)-2-(N,N-ジメチルアミノ)エチルチオ-Sar]-4-(γ-ヒドロキシメチルロイシン)シクロスポリン
P 3-エチルチオシクロスポリン
Q 3-プロペニルチオシクロスポリン
R 3-[(2-メトキシ)エチルチオ]シクロスポリン
S 3-(メチルチオ)-4-(γ-ヒドロキシメチルロイシン)シクロスポリン
T 3-(メトキシ)-4-(γ-ヒドロキシメチルロイシン)シクロスポリン
U 3-(プロポ-2-エン-1-オキシ)-4-(γ-ヒドロキシメチルロイシン)シクロスポリン
V 3-(イソプロポキシ)-4-(γ-ヒドロキシメチルロイシン)シクロスポリン
W 3-(エトキシ)-4-(γ-ヒドロキシメチルロイシン)シクロスポリン
X 3-[2-(メトキシ)エトキシ]-4-(γ-ヒドロキシメチルロイシン)シクロスポリン
Y 3-[3-(メトキシ)プロポキシ]-4-(γ-ヒドロキシメチルロイシン)シクロスポリン
特定の実施態様において、本発明は、治療又は予防を必要とする対象に、有効量の化合物A〜Yからなる群から選択された本発明の化合物、又は医薬として許容し得るその塩、及び有効量の以下に説明されたような第二の作用剤を投与することによって、対象においてC型肝炎ウイルス感染を治療又は予防する方法を提供する。
ひとつの実施態様において、該化合物は、下記の実施例で記載するように、その高いレベルの活性及びその毒性プロファイルゆえに、化合物O、又は医薬として許容し得るその塩である。
別の実施態様において、本明細書において提供される方法及び組成物は、化合物C及びT、又は医薬として許容し得るその塩を使用する。
いくつかの実施態様において、本発明によるシクロスポリン誘導体(式中、R1は、1以上のR3基で置換されているアルキルであり、R3は、-NR4R5又は-NR6(CH2)mNR4R5であり、R4、R5及びR6は上記に定義する通りである)を、公知の方法で酸付加塩に変換することができる。これらの塩も、本発明の範囲内に入ることが理解される。本発明の例示的な塩及びその調製方法を、下記のセクションに記載する。
医薬として許容し得る塩の例としては、アルカリ金属、例えばナトリウム、カリウム若しくはリチウム、又はアルカリ土類金属、例えばマグネシウム若しくはカルシウムとの塩、アンモニウム塩、或いは窒素塩基、例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、メチルアミン、プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、ベンジルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N-ベンジルフェネチルアミン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、ジフェニレンジアミン、ベンズヒドリルアミン、キニーネ、コリン、アルギニン、リシン、ロイシン、又はジベンジルアミンとの塩を挙げることができる。
医薬として許容し得る酸との付加塩の例としては、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、若しくはリン酸、又は有機酸、例えばコハク酸、フマル酸、酒石酸、酢酸、プロピオン酸、マレイン酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、イセチオン酸、若しくはエンボン酸或いはこれらの化合物の置換誘導体で形成される塩を挙げることができる。好ましい塩は、コハク酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、塩酸塩、メタンスルホン酸塩、及びプロピオン酸塩である。これらの塩のいくつかは新規であり、したがって、本発明の更なる特徴を構成する。
本発明の有用な実施態様では、化合物は純度の高い形である。純度は、絶対純度、立体化学的純度、又は両方など、当業者に公知の任意の純度とすることができる。いくつかの実施態様では、本発明の化合物の純度は、少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%である。いくつかの実施態様では、本発明の化合物の純度は、少なくとも90%である。本発明のさらなる実施態様では、化合物の純度は、少なくとも98%である。本発明の化合物の精製方法を下記に記載する。
(5.2.2 発明の化合物の調製)
本発明の化合物を、当業者に自明の任意の方法で調製、単離、又は得ることができる。例示的な調製方法を下記の実施例で詳述する。
さらに、米国特許第5,977,067号;第5,994,299号、第5,948,884号、及び第6,583,265号、並びに、PCT国際公開第99/32512号、国際公開第99/67280号に記載されている方法にしたがって、3位がチオエーテル又はエーテル基によって置換されているシクロスポリンを調製することができる。これらの参考文献の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
合成した後、シクロスポリン誘導体を精製するための当業者に自明の任意の技法によって、化合物を精製することができる。いくつかの実施態様では、本発明の化合物をクロマトグラフィーで精製する。例えば、本発明の化合物は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して精製することができる。HPLC精製の有用な例は以下の通りである:5-μmの逆相固定相(オクタデシル-シラン又はオクタ-シラン)を含む10mm(d)×50mm(l)の寸法のHPLCカラムを、0.1%のギ酸、50〜90%の水、及び50〜10%のアセトニトリルを含む移動相で平衡化する。重要なのは、カラムを、少なくとも65℃に、又は潜在的に85℃までに加熱することであある。移動相を10〜16mL/分で流し、60℃に加熱する。約5〜25mgのシクロスポリン誘導体を、0.1〜0.8mLの溶媒、好ましくはジメチルスルホキシドでカラムに充填する。移動相の流れを維持し、その組成物を、20〜60分間かけて最高90%又は100%のアセトニトリルの直線グラジエントで調整する。蒸発光散乱検出及び/又は可変紫外検出を使用して波長設定205〜215nmにおいて、化合物ピークを検出する。化合物ピークを移動相中に回収し、移動相を真空中で除去し;試料を真空中で十分に乾燥し、NMR、IR、及びHPLC-MSで分析して、アイデンティティー及び純度を決定する。
(5.2.3 本発明の化合物の薬剤塩)
上記に述べる通り、本発明のシクロスポリン誘導体は、中性の形又は塩の形とすることができる。塩の形は、当業者に公知の任意の塩の形とすることができる。特に有用な塩の形は、ホスファート、シトラート、アセタート、クロリド、メタンスルホナート、又はプロピオナートと配位結合するものである。
本発明の化合物、例えば本発明の化合物が塩基性部分で置換されている場合、酸付加塩を形成することができる。酸付加塩を調製するのに使用することができる酸には、好ましくは遊離塩基と組合せた場合、医薬として許容し得る塩、すなわち塩の薬剤用量においてそのアニオンが対象に非毒性である塩を生成するものが含まれる。本発明の範囲内の医薬として許容し得る塩は、下記の酸に由来するものである:塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、スルファミン酸、及び硝酸などの鉱酸;並びに酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンチルプロピオン酸、グリコール酸、グルタル酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、ソルビン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ピクリン酸、ケイ皮酸、マンデル酸、フタル酸、ラウリン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタン-二スルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、ショウノウ酸、カンファースルホン酸、4-メチルビシクロ[2.2.2]-オクト-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、tert-ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、安息香酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、シクロヘキシルスルファミン酸、キナ酸、ムコン酸、及び同様な酸などの有機酸である。
対応する酸付加塩には、ヒドロハリド塩、例えば塩酸塩及び臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、スルファミン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、トリクロロ酢酸塩、プロピオン酸塩、ヘキサン酸塩、シクロペンチルプロピオン酸塩、グリコール酸塩、グルタル酸塩、ピルビン酸塩、乳酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、ソルビン酸塩、アスコルビン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸塩、ピクリン酸塩、ケイ皮酸塩、マンデル酸塩、フタル酸塩、ラウリン酸塩、メタンスルホン酸塩(メシル酸塩)、エタンスルホン酸塩、1,2-エタン-二スルホン酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、4-クロロベンゼンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、4-トルエンスルホン酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、4-メチルビシクロ[2.2.2]-オクト-2-エン-1-カルボン酸塩、グルコヘプトン酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、トリメチル酢酸塩、tert-ブチル酢酸塩、ラウリル硫酸塩、グルコン酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、シクロヘキシルスルファミン酸塩、キナ酸塩、ムコン酸塩などが含まれる。
本発明のさらなる特徴によれば、本発明の化合物の酸付加塩は、公知の方法の適用又は適合により遊離塩基と適切な酸との反応によって調製することができる。例えば、本発明の化合物の酸付加塩は、水性若しくは水性アルコール溶液、又は適切な酸を含有する他の適切な溶媒に、遊離塩基を溶解し、溶液を蒸発させることによって塩を単離することによって、或いは遊離の塩基及び酸を有機溶媒中で反応させ、その場合に塩が直接分離し、又は溶液の濃縮によって得られることによって、調製することができる。
本発明の化合物の酸付加塩、例えば本発明の化合物は、公知の方法の適用又は適合により、塩から再生することができる。例えば、本発明の親化合物は、その酸付加塩からアルカリ、例えば重炭酸ナトリウム水溶液又はアンモニア水溶液での処置によって再生することができる。
本発明の化合物、例えば本発明の化合物が酸部分で置換されている場合、塩基付加塩を形成することができる。例えばアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩を含めて、本発明の範囲内の医薬として許容し得る塩は、下記の塩基に由来するものである:水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化リチウム、水酸化亜鉛、水酸化バリウム、及びアンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、リシン、アルギニン、オルニチン、コリン、N,N'-ジベンジルエチレン-ジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、プロカイン、N-ベンジルフェネチルアミン、N-メチルグルカミンピペラジン、トリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、水酸化テトラメチルアンモニウムなど、脂肪族、脂環式、又は芳香族の有機アミンなどの有機アミンである。
本発明の化合物の金属塩、例えば本発明の化合物は、選択された金属の水素化物、水酸化物、炭酸塩、又は同様な反応性化合物を、水性又は有機溶媒中で遊離酸の形の化合物と接触させることによって得ることができる。使用する水性溶媒は、水とすることができ、或いは水と有機溶媒、例えばメタノール又はエタノールなどのアルコール、アセトンなどのケトン、テトラヒドロフランなどの脂肪族エーテル、又は酢酸エチルなどのエステルとの混合物とすることができる。通常は、このような反応を周囲温度で実施するが、望むなら加熱して実施することができる。
本発明の化合物のアミン塩、例えば本発明の化合物は、アミンを、水性又は有機溶媒中で遊離酸の形の化合物と接触させることによって得ることができる。適切な水性溶媒には、水、及び水とメタノールやエタノールなどのアルコール、テトラヒドロフランなどのエーテル、アセトニトリルなどのニトリル、又はアセトンなどのケトンとの混合物が含まれる。アミノ酸塩を同様に調製することができる。
本発明の化合物の塩基付加塩、例えば本発明の化合物は、公知の方法の適用又は適合により塩から再生することができる。例えば、本発明の親化合物は、その塩基付加塩から酸、例えば塩酸での処置により再生することができる。
(5.3 本発明の方法において有用な第二の作用剤)
本発明は、それが必要な対象におけるHCV感染の治療又は予防に有効な第二の作用剤の投与を含む、治療又は予防の方法を提供する。第二の作用剤は、HCV感染を治療又は予防に有効であることが当業者に公知の任意の作用剤であることができる。第二の作用剤は、現在当業者に公知の第二の作用剤であることができるか、又は第二の作用剤は、HCVの治療又は予防のために今後開発される第二の作用剤であることができる。いくつかの実施態様において、第二の作用剤は、現在HCVの治療又は予防に関して承認されている。
いくつかの実施態様において、本発明の化合物は、1つの第二の作用剤と組合せて投与される。更なる実施態様において、第二の作用剤は、2つの第二の作用剤と組合せて投与される。より更なる実施態様において、第二の作用剤は、2又は複数の第二の作用剤と組合せて投与される。
好適な第二の作用剤は、小型分子、経口的に生体利用可能なHCV酵素の阻害剤、ウイルスRNAを攻撃する核酸ベースの物質、宿主の免疫応答を変更することができる物質を含む。第二の作用剤の例は以下を含む:(i)現在承認されている療法(ペグ-インターフェロン+リバビリン)、(ii)HCV-酵素に標的化された化合物、(iii)ウイルス-ゲノムに標的化された療法(例えば、RNA干渉又はRNAi)、及び(iv)リバビリン、インターフェロン(INF)及びToll-受容体アゴニストなどの、免疫調節薬である。
いくつかの実施態様において、第二の作用剤は、NS3-4Aプロテアーゼのモジュレーターである。NS3-4Aプロテアーゼは、NS3タンパク質のアミノ-末端ドメイン及び小型NS4A補因子を含む、ヘテロ二量体プロテアーゼである。その活性は、ウイルスRNA複製複合体の構成要素の形成に必須である。
ひとつの有用なNS3-4Aプロテアーゼ阻害剤は、ペプチド生成物阻害剤の大環状模倣薬である、BILN 2061(Ciluprevir;Boehringer Ingelheim)である。BILN 2061の臨床試験は中断されているが(前臨床試験での心毒性)、これは、ヒトにおいて試験された最初のNS3阻害剤であった。Lamarreらの論文、2003, Nature 426:186-189を参照することとし、その内容は全体が参照により本明細書に組み込まれている。
別の有用なNS3-4Aプロテアーゼ阻害剤は、NS3-4Aプロテアーゼのプロテアーゼの切断生成物由来のペプチド擬態阻害剤である、VX-950(Vertex/Mitsubishi)である。これは、ケトアミドを介し、その酵素の活性部位へ安定化されると考えられる。例えば、Linらの論文、2005, J Biol Chem., Vol. 280(44) pp. 36784-36791, 2005、原稿M506462200(電子出版);Summaの論文、2005, Curr Opin Investig Drugs. 6:831-7を参照することとし、それらの内容は全体が参照により本明細書に組み込まれている。ケトアミド阻害剤である更なる有用なNS3-4Aプロテアーゼ阻害剤は、米国特許公開第2004/0254117号として公開された、米国特許出願第09/908,955号に開示されたものであり、その出願内容全体は参照により本明細書に組み込まれている。この出願に開示された化合物の中でも、SCH503034として知られる、(1R,2S,5S)-3-アザビシクロ[3,1,0]ヘキサン-2-カルボキシアミド, N-[3-アミノ-1-シクロブチルメチル)-2,3-ジオキソプロピル]-3-[(2S)-2-[[[1,1-ジメチルエチル]アミノ]カルボニルアミノ]-3,3-ジメチル-1-オキソブチル]-6,6-ジメチルである。別のNS3-4Aプロテアーゼのケトアミド阻害剤は、SCH6として知られる(同じくSCH 446211としても知られる)、1,1-ジメチルエチル[1(S)-[[(1R,5S)-2(S)-[[[1-(シクロプロピルメチル)-3-[[2-[[2-(ジメチルアミノ)-2-オキソ-1(S)-フェニルエチル]-アミノ]-2-オキソエチル]アミノ]-2,3-ジオキソプロピル]アミノ]カルボニル]-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル]カルボニル]-2,2-ジメチルプロピル]カルバメートである。
いくつかの実施態様において、第二の作用剤は、HCV NS5B RNA-依存型RNAポリメラーゼ(RdRp)のモジュレーターである。NS5Bタンパク質に含まれる、RdRpは、RNA鋳型を用い、RNAを合成する。この生化学活性は、哺乳類細胞には存在しない。
ひとつの有用なRdRpのモジュレーターは、NM283(Valopicitabine;Idenix/Novartis)である。NM283は、HCV感染の治療又は予防に関する臨床試験第II相にあるNM107 (2'-C-メチル-シチジン)の経口プロドラッグ(バリンエステル)である。例えば米国特許出願公開第20040077587号を参照することとし、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれている。
他の有用なRdRpのモジュレーターは、7-デアザヌクレオシドアナログを含む。例えば、7-デアザ-2'-C-メチル-アデノシンは、優れた薬物動態特性を持つC型肝炎ウイルス複製の強力かつ選択的阻害剤である。Olsenらの論文、2004, Antimicrob. Agents Chemother. 48:3944-3953、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれている。
更なる実施態様において、第二の作用剤は、NS5Bの非-ヌクレオシドモジュレーターである。NS5B阻害剤の非-ヌクレオシド阻害剤(NNI)の少なくとも3種の異なるクラスが、臨床において評価されている。
有用なNS5Bの非-ヌクレオシドモジュレーターは、JTK-003及びJTK-009を含む。JTK-003は、第II相試験に進んでいる。有用なNS5Bの非-ヌクレオシドモジュレーターは、ベンズイミダゾール又はインドールコアをベースにした6,5-縮合複素環式化合物である。例えばHashimotoらの国際公開第00147883号を参照することとし、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれている。
さらに有用なポリメラーゼNNIは、R8O3(Rigel)、並びにHCV-371、HCV-086及びHCV-796 (ViroPharma/Wyeth)である。追加の有用なNNIは、NS5Bポリメラーゼの可逆的アロステリック阻害剤であり、かつベンズイミダゾール-ベースの阻害剤により占拠される部位に近いが異なる部位に結合する、チオフェン誘導体である。例えば、Biswalらの論文、2005, J Biol. Chem. 280:18202-18210 (2005)を参照のこと。
更なる本発明の方法に有用なNNIは、ベンゾ-1,2,4-チアジアジンのような、ベンゾチアジアジンである。ベンゾ-1,2,4-チアジアジンの誘導体は、HCV RNAポリメラーゼの高度に選択的阻害剤であることが示されている。Dhanakらの論文、2002, J Biol. Chem. 277:3832238327を参照することとし、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれている。
さらに本発明の方法に有用なNNI、及びそれらの機構は、LaPlanteらの論文、2004 Angew Chem. Int. Ed. Engl. 43:4306-4311;Tomeiらの論文、2003, J Virol. 77: 13225-13231;Di Marcoらの論文、2005, J Biol. Chem. 280:29765-70;Lu, H.の国際公開第2005/000308号;Chanらの論文、2004, Bioorg. Med. Chem. Lett. 14:797-800;Chanらの論文、2004, Bioorg. Med. Chem. Lett. 14:793-796;Wangらの論文、2003, J Biol. Chem. 278:9489-9495;Loveらの論文、2003, J Virol. 77:7575-7581;Guらの論文、2003, J Biol. Chem. 278:16602-16607;Tomeiらの論文、2004, J. Virol. 78:938-946;及び、Nguyenらの論文、2003, Antimicrob. Agents Chemother. 47:3525-3530;に説明されており、それらの内容全体は参照により本明細書に組み込まれている。
更なる実施態様において、第二の作用剤は、HCV RNAと干渉することが可能である作用剤、例えばHCV ポリヌクレオチドに指向された、抑制性低分子RNA(siRNA)又は短鎖ヘアピンRNA(shRNA)などである。組織培養において、siRNA及びベクター-コードされた短鎖ヘアピンゲノムは、HCVレプリコンの複製を効果的にブロックする。例えば、Randallらの論文、2003, Proc. Natl Acad. Sci USA 100:235-240を参照することとし、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれている。
更なる実施態様において、第二の作用剤は、対象の免疫応答を変更する作用剤である。例えば、いくつかの実施態様において、第二の作用剤は、現在承認されているHCV感染療法、例えば、インターフェロン(IFN)、ペグ化IFN、IFN+リバビリン、又はペグ化IFN+リバビリンであることができる。ひとつの実施態様において、インターフェロンは、IFNα、IFNα2a、及びIFNα2bであり、特にペグ化IFNα2a(PEGASYS(登録商標))又はペグ化IFNα2b (PEG-INTRON(登録商標))である。いくつかの実施態様において、第二の作用剤は、イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ(IMPDH)の可逆的阻害剤、例えばミコフェノール酸又はそれらの誘導体、例としてミコフェノール酸モフェチル(CELLCEPT(登録商標))などであることができる。別のIMPDH阻害剤の例は、メリメポジブ、[(3S)-オキソラン-3-イル]N-[[3-[[3-メトキシ-4-(1,3-オキサゾール-5-イル)フェニル]カルバモイルアミノ]フェニル]メチル]カルバメート(VX-497として公知)である。
更なる実施態様において、第二の作用剤は、Toll-様受容体(TLR)のモジュレーターである。TLRは、先天性抗ウイルス反応を刺激する標的であると考えられている。好適なTLRは、TLR3、TLR7、TLR8、及びTLR9を含むが、これらに限定されるものではない。Toll-様受容体は、侵入する微生物、例えば細菌、ウイルス及び寄生体の存在を感知すると考えられる。これらは、マクロファージ、単球、樹状細胞、及びB細胞を含む、免疫細胞により発現される。TLRの刺激又は活性化は、抗微生物遺伝子並びにプロ炎症性サイトカイン及びケモカインの誘導により、急性炎症反応を開始することができる。
いくつかの実施態様において、第二の作用剤は、CpGモチーフを含むポリヌクレオチドである。メチル化されないCpGモチーフを含む合成オリゴヌクレオチドは、TLR-9の強力なアゴニストである。これらのオリゴヌクレオチドによる樹状細胞の刺激は、腫瘍壊死因子-α、インターロイキン-12、及びIFN-αの産生を生じる。TLR-9リガンドは、B-細胞増殖及び抗体分泌の強力な刺激因子でもある。ひとつの有用なCpG-含有オリゴヌクレオチドは、臨床において評価中である、CPG-10101(Actilon;Coley Pharmaceutical Group)である。
別の有用なTLRのモジュレーターは、ANA975 (Anadys)である。ANA975は、TLR-7を介して作用すると考えられ、これはIFN-αのような、炎症性サイトカインの誘導及び放出を介し、強力な抗ウイルス反応を発揮することが知られている。
別の実施態様において、第二の作用剤はセルゴシビル(Celgosivir)である。セルゴシビルは、α-グルコシダーゼI阻害剤であり、宿主-指向されたグリコシル化を介して作用する。前臨床試験において、セルゴシビルの、IFNα+リバビリンとの強力な相乗作用が明らかにされている。例えば、Whitbyらの論文、2004, Antivir. Chem. Chemother., 15(3):141-51を参照のこと。セルゴシビルは現在、カナダにおいて慢性HCV患者の第II相単剤試験において評価中である。
更なる免疫調節薬、及びそれらの機構若しくは標的は、Schetter及びVollmerの論文、2004, Curr. Opin. Drug Discov. Dev. 7:204-210;Takedaらの論文、2003, Annu. Rev. Immunol. 21:335-376;Leeらの論文、2003, Proc. Natl Acad. Sci. USA 100:6646-6651;Hosmansらの論文、2004, Hepatology 40 (Suppl. 1), 282A;及び、米国特許第6,924,271号に開示されており;それらの内容全体は参照により本明細書に組み込まれている。
別の実施態様において、第二の作用剤はセルゴシビルである。セルゴシビルは、α-グルコシダーゼI阻害剤であり、宿主-指向されたグリコシル化を介して作用する。前臨床試験において、セルゴシビルの、IFNα+リバビリンとの強力な相乗作用が明らかにされている。例えば、Whitbyらの論文、2004, Antivir. Chem. Chemother., 15(3):141-51を参照のこと。セルゴシビルは現在、カナダにおいて慢性HCV患者の第II相単剤試験において評価中である。
別の実施態様において、第二の作用剤は、ウルソデオキシコール酸、又はそれらの誘導体(タウロウルソデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸のタウリン抱合体)である。ウルソデオキシコール酸は、有害反応を生じない、高度に有効なC型肝炎ウイルス増殖阻害剤であることがわかっており、例えば、米国特許第5,846,964号及び第5,863,550号を参照することとし、それらの内容全体は参照により本明細書に組み込まれている。
(5.4医薬組成物及び投与方法)
本発明の方法で使用するシクロスポリン誘導体は、少なくとも1つの一般式(I)の化合物を、適切な場合には塩の形で、単独、或いは希釈剤又はアジュバントなど、1つ若しくは複数の相溶性で医薬として許容し得る担体との、又は別の抗HCV剤との組合せの形態で含有する医薬組成物を使用して提供されることが好ましい。
いくつかの実施態様において、本発明の第二の作用剤は、本発明のシクロスポリン誘導体と共に製剤されるか又は包装され得る。当然、第二の作用剤は、当業者の判断に従い、そのような共製剤は、いずれの作用剤の活性又は投与法とも干渉しない場合にのみ、本発明のシクロスポリン誘導体と共に製剤されるであろう。いくつかの実施態様において、本発明のシクロスポリン誘導体及び第二の作用剤は、個別に製剤される。これらは、施術者に便利なように、一緒に包装されるか、又は個別に包装されてよい。
診療では、本発明の活性作用剤を、任意の通常の経路、具体的には経口、非経口、直腸、又は吸入(例えば、エアゾールの形)で投与することができる。いくつかの実施態様において、本発明のシクロスポリン誘導体は、経口投与することが好ましい。
経口投与用の固体組成物として、錠剤、丸剤、硬質ゼラチンカプセル剤、散剤、又は顆粒剤を使用することができる。これらの組成物では、本発明による活性製品を、ショ糖、乳糖、又はデンプンなど、1つ又は複数の不活性希釈剤又はアジュバントと混合する。
これらの組成物は、希釈剤以外の物質、例えばステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、又は制御放出のためのコーティングを含むことができる。
経口投与用の液体組成物として、水や流動パラフィンなどの不活性な希釈剤を含有する医薬として許容し得る液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、及びエリキシル剤を使用することができる。これらの組成物は、希釈剤以外の物質、例えば湿潤、甘味、又は矯味製品も含むことができる。
非経口投与用の組成物は、乳剤又は無菌溶液とすることができる。溶媒又はビヒクルとして、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、具体的にはオリーブ油、又は注射可能な有機エステル、例えばオレイン酸エチルを使用することができる。これらの組成物は、アジュバント、具体的には湿潤剤、等張化剤、乳化剤、分散剤、及び安定化剤も含有することができる。滅菌は、いくつかの方式、例えば細菌フィルターを使用して、放射線又は加熱によって実施することができる。これらは、無菌の固体組成物の形で調製することもでき、使用時に無菌水又は他の何らかの注射可能な無菌の媒体で溶解することができる。
直腸投与用の組成物は、活性成分に加えて、カカオ脂、半合成グリセリド、又はポリエチレングリコールなどの賦形剤を含有する坐剤又は直腸カプセル剤である。
組成物は、エアゾール剤とすることもできる。液体エアゾール剤の形で使用する場合、組成物は、安定な無菌溶液又は固体組成物とすることができ、使用時に非発熱性の無菌水、生理食塩水又は他の何らかの医薬として許容し得るビヒクルで溶解する。直接吸入することを意図したドライエアゾール剤の形で使用する場合、活性成分を微細化し、水溶性の固体希釈剤又はビヒクル、例えばデキストラン、マンニトール、若しくは乳糖と組合せる。
ひとつの実施態様において、本発明の組成物は、医薬組成物又は単回投与剤形である。本発明の医薬組成物及び単回投与剤形は、予防又は治療有効量の1つ又は複数の予防剤又は治療剤(例えば、本発明の化合物、又は他の予防剤若しくは治療剤)、及び通常は1つ又は複数の医薬として許容し得る担体又は賦形剤を含む。特定の実施態様及びこの文脈では、用語「医薬として許容し得る」は、動物、さらに具体的にはヒトにおいて使用するために、連邦又は州政府の規制官庁によって承認され、或いは米国薬局方又は他の一般に認められている薬局方に列挙されていることを意味している。用語「担体」は、治療薬と共に投与する希釈剤、アジュバント(例えば、フロイントのアジュバント(完全及び不完全))、賦形剤、又はビヒクルを指す。このような薬剤担体は、落花生油、大豆油、鉱物油、ゴマ油など、石油、動物、植物、又は合成由来のものを含めて、水及び油などの無菌の液体とすることができる。医薬組成物を静脈内投与する場合、水は好ましい担体である。生理食塩水溶液、並びにデキストロース及びグリセロール水溶液を、液体担体、具体的には注射可能な液剤として使用することもできる。適切な薬剤担体の例は、E. W. Martinの「レミントンの製薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」に記載されている。
典型的な医薬組成物及び剤形は、1つ又は複数の賦形剤を含む。適切な賦形剤は、調剤技術分野の技術者に周知であり、適切な賦形剤の非限定的な例としては、デンプン、ブドウ糖、乳糖、ショ糖、ゼラチン、麦芽、コメ、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、ドライスキムミルク、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどが挙げられる。特定の賦形剤が医薬組成物又は剤形への組込みに適しているかどうかは、当技術分野で周知の様々な要因に依存する。この要因には、剤形が対象に投与される方式、及び剤形の特異的活性成分が含まれるが、これらに限定されない。組成物又は単回投与剤形は、望むなら少量の湿潤剤若しくは乳化剤、又はpH緩衝剤を含有することもできる。
本発明の乳糖不含組成物は、当技術分野で周知であり、例えば米国薬局方(USP)SP(XXI)/NF(XVI)に列挙されている賦形剤を含むことができる。一般に、乳糖不含組成物は、薬剤として相溶でき、医薬として許容し得る量の活性成分、結合剤/充填剤、及び滑沢剤を含む。例示的な乳糖不含剤形は、活性成分、微結晶セルロース、プレアルファ化デンプン、及びステアリン酸マグネシウムを含む。
本発明は、水が一部の化合物の崩壊を促進する恐れがあるので、活性成分を含む無水医薬組成物及び剤形をさらに包含する。例えば、水の添加(例えば、5%)が、経時的な製剤の貯蔵寿命又は安定性などの諸特性を決定するために長期貯蔵をシミュレートする手段として、薬剤技術分野で広く受け入れられている。例えば、Jens T. Carstensen、「薬物安定性:原理&慣例(Drug Stability: Principles & Practice)」、第2版, Marcel Dekker, NY, NY, 1995, pp. 379 80を参照のこと。実際には、水と熱が一部の化合物の分解を促進する。したがって、一般的に製剤の製造、取扱い、包装、貯蔵、輸送、及び使用中に水分及び/又は湿気に遭遇するので、水が製剤に及ぼす影響は、極めて重大となる可能性がある。
本発明の無水医薬組成物及び剤形は、無水材料又は低水分含有材料、及び低水分又は低湿度の条件を用いて調製することができる。乳糖と、第一級又は第二級アミンを含む少なくとも1つの活性成分とを含む医薬組成物及び剤形は、製造、包装、及び/又は貯蔵中に、水分及び/又は湿気との実質的な接触が予想される場合、無水であることが好ましい。
無水医薬組成物を、その無水性が維持されるように調製し貯蔵すべきである。したがって、無水組成物は、適切な処方キットに含むことができるように水への曝露を防止することが知られている材料を使用して包装することが好ましい。適切な包装の例としては、密封箔、プラスチック、単位用量容器(例えば、バイアル)、ブリスター包装、及びストリップ包装が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明は、活性成分の分解速度を下げる1つ又は複数の化合物を含む医薬組成物及び剤形をさらに含む。本明細書では「安定剤」と呼ばれるこのような化合物には、アスコルビン酸などの酸化防止剤、pH緩衝剤、又は塩緩衝剤が含まれるが、これらに限定されない。
医薬組成物及び単回投与剤形は、液剤、懸濁剤、乳剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、徐放性製剤などの形をとることができる。経口製剤には、医薬等級のマンニトール、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどの標準的担体が含まれ得る。対象に適切に投与するための形を提供するために、このような組成物及び剤形は、予防上又は治療上の有効量の予防剤又は治療剤を好ましくは精製した形で、適切な量の担体と共に含有する。製剤は投与様式に適するべきである。いくつかの実施態様では、医薬組成物又は単回投与剤形は、無菌で、対象、例えば哺乳類の対象のような動物対象、例えばヒト対象に投与するための適切な形である。
本発明の医薬組成物は、その意図された投与経路に適合できるように調剤される。投与経路の例としては、非経口、例えば静脈内、皮内、皮下、筋肉内、皮下、経口、口腔内、舌下、吸入、鼻腔内、経皮、局所、経粘膜、腫瘍内、滑膜内、及び直腸投与が挙げられるが、これらに限定されない。特有の実施態様では、ルーチンの手順にしたがって、ヒトへの静脈内、皮下、筋肉内、経口、鼻腔内、又は局所投与に適合している医薬組成物として、組成物を調剤する。一実施態様では、ルーチンの手順にしたがって、ヒトへの皮下投与用に医薬組成物を調剤する。通常は、静脈内投与用の組成物は、無菌の等張緩衝水溶液である。必要な場合には、組成物は、可溶化剤、及びリグノカムネなど注射部位における痛みを軽減するための局所麻酔薬も含むことができる。
剤形の例としては、錠剤;カプレット剤;軟質弾性ゼラチンカプセル剤などのカプセル剤;カシェ剤;トローチ剤;ロゼンジ;分散剤;坐剤;軟膏;パップ剤(湿布剤);ペースト剤;散剤;包帯剤;クリーム;プラスター;液剤;貼付剤;エアゾール剤(例えば、スプレー式点鼻薬又は吸入剤);ゲル;懸濁剤(例えば、水性若しくは非水性液体懸濁剤、水中油型乳剤、又は油中水型液体乳剤)、液剤、及びエリキシル剤を含めて、対象への経口又は粘膜投与に適した液体剤形;対象への非経口投与に適した液体剤形;並びに対象への非経口投与に適した液体剤形をもたらすように再構成することができる無菌の固体(例えば、結晶質又は非晶質の固体)が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の剤形の組成、形状、及びタイプは、通常はその使用に応じて異なる。例えば、ウイルス感染の初期治療で使用する剤形では、含まれている活性成分のうちの1つ又は複数を、同じ感染の維持治療で使用される剤形より多量に含有することができる。同様に、非経口剤形では、含まれている活性成分の1つ又は複数を、同じ疾患又は障害を治療するために使用される経口剤形より少量含有することができる。本発明によって包含される特有の剤形が互いに異なる上記及びその他の方式は、当業者に容易に明らかであろう。例えば、「レミントンの製薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」、第20版、 Mack Publishing, ペンシルバニア州Easton(2000)を参照のこと。
一般に、本発明の組成物の構成成分を別々に供給し、或いは単位投与剤形で例えば活性剤の量を指示するアンプル又はサシェなどの密封容器中の凍結乾燥散剤又は水不含濃縮物として一緒に混合する。組成物を注入投与しなければならない場合、無菌の医薬等級の水又は生理食塩水が入っている注入ボトルを用いて分注することができる。組成物を注射投与する場合、投与する前に材料を混合することができるように、注射用の無菌水又は生理食塩水を含むアンプルを提供することができる。
本発明の典型的な剤形は、本発明の化合物、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、若しくは水和物を約0.1mg〜約1000mg/日の範囲内で含み、午前中に1日1回の単回投与として与えられるが、好ましくは1日を通して分割投与として与えられ、食物と共に服用される。本発明の特定の剤形は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1.0、2.0、2.5、5.0、10.0、15.0、20.0、25.0、50.0、100、200、250、500、又は1000mgの活性シクロスポリンを有する。
(5.4.1 経口剤形)
経口投与に適した本発明の医薬組成物は、錠剤(例えば、咀嚼錠)、カプレット剤、カプセル剤、及び液剤(例えば、フレーバー付きのシロップ剤)などであるがこれらに限定されない個別の剤形として与えることができる。このような剤形は、所定量の活性成分を含有し、当業者に周知の調剤方法で調製することができる。一般には、「レミントンの製薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」、第20版、 Mack Publishing, ペンシルバニア州Easton(2000)を参照のこと。
いくつかの実施態様において、経口剤形は固体であり、上記のセクションで詳述された、無水条件下で無水材料を用いて調製する。しかし、本発明の範囲は、無水の固体経口剤形を超えて拡大する。したがって、別の形を本明細書に記載する。
よく混和された混合物中の活性成分を、通常の薬剤コンパウンディング技法にしたがって少なくとも1つの賦形剤と組合せることによって、本発明の典型的な経口剤形を調製する。賦形剤は、投与に望まれた調製の形に応じて広範囲の形をとることができる。例えば、経口液体又はエアゾール剤形での使用に適した賦形剤には、水、グリコール、オイル、アルコール、矯味剤、防腐剤、及び着色剤が含まれるが、これらに限定されない。固体経口剤形(例えば、散剤、錠剤、カプセル剤、及びカプレット剤)での使用に適した賦形剤の例としては、デンプン、砂糖、微結晶性セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、及び崩壊剤が挙げられるが、これらに限定されない。
錠剤及びカプセル剤は、それらの投与が容易であるので、最も有利な経口投与単位形態を表し、この場合、固体賦形剤を使用する。望むなら、錠剤を標準的な水性又は非水性技法で被覆することができる。このような剤形は、調剤方法のいずれかによって調製することができる。一般に、活性成分を液体担体、微細化固体担体、又は両方と均一にかつ緊密に混和し、次いで必要なら、生成物を所望のプレゼンテーションに造形することによって、医薬組成物及び剤形を調製する。
例えば、圧縮又は成形によって、錠剤を調製することができる。圧縮錠は、粉末又は顆粒など、易流動性の形の活性成分を、賦形剤と場合によっては混合して適切な機械で圧縮することによって調製することができる。不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化化合物の混合物を適切な機械で成形することによって、成形錠剤を作製することができる。
本発明の経口剤形で使用することができる賦形剤の例としては、結合剤、充填剤、崩壊剤、及び滑沢剤が挙げられるが、これらに限定されない。医薬組成物及び剤形での使用に適した結合剤には、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、又は他のデンプン、ゼラチン;アカシアゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギナート、トラガカント粉末、グアーゴムなど、天然及び合成のゴム;セルロース及びその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、プレアルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、Nos. 2208、2906、2910)、微結晶セルロース、並びにその混合物が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で開示されている医薬組成物及び剤形での使用に適した充填剤の例としては、タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒又は粉末)、微結晶セルロース、粉末化セルロース、デクストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、プレアルファ化デンプン、及びその混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の医薬組成物中の結合剤又は充填剤は、通常は医薬組成物又は剤形の約50〜約99重量%で存在する。
適切な形の微結晶セルロースには、AVICEL PH 101、AVICEL PH 103、AVICEL RC 581、AVICEL PH 105(FMC Corporation, American Viscose Division, Avicel Sales, ペンシルバニア州Marcus Hookから入手可能)、及びその混合物として販売されている材料が含まれるが、これらに限定されない。特有の結合剤は、AVICEL RC 581として販売されている微結晶セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウムの混合物である。適切な無水又は低水分の賦形剤又は添加剤には、AVICEL PH 103(商標)及びStarch 1500LMが含まれる。
崩壊剤を本発明の組成物で使用して、水性環境に曝露されたとき崩壊する錠剤を提供する。多すぎる崩壊剤を含有する錠剤は、貯蔵中に崩壊する恐れがあり、少なすぎる場合は、所望の速度で又は所望の条件下で崩壊しない恐れがある。したがって、活性成分の放出を不利益に変更する程多すぎることも少なすぎることもない十分な量の崩壊剤を使用して、本発明の固体経口剤形を形成すべきである。崩壊剤の使用量は、製剤のタイプに基づいて変わり、当業者に容易に識別可能である。典型的な医薬組成物は、約0.5〜約15重量%の崩壊剤、具体的には約1〜約5重量%の崩壊剤を含む。
本発明の医薬組成物及び剤形で使用することができる崩壊剤には、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポピドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ジャガイモ又はタピオカのデンプン、プレアルファ化デンプン、他のデンプン、粘土、他のアルギン、他のセルロース、ゴム、及びその混合物が含まれるが、これらに限定されない。
本発明の医薬組成物及び剤形で使用できる滑沢剤には、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱物油、軽鉱物油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、水素化植物油(例えば、落花生油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及び大豆油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、寒天、及びその混合物が含まれるが、これらに限定されない。追加の滑沢剤には、例えばサイロイドシリカゲル(AEROSIL 200、米国メリーランド州BaltimoreのW.R.Grace Co.によって製造)、合成シリカの凝固エアロゾル(米国テキサス州PlanoのDegussa Co.によって市販)、CAB O SIL(米国マサチューセッツ州ボストンのCabot Co.によって販売されている発熱性二酸化ケイ素製品)、及びそれらの混合物が含まれる。滑沢剤を使用するにしても、通常は滑沢剤が組み込まれる医薬組成物又は剤形の約1重量%未満の量でしか使用しない。
(5.4.2 遅延放出剤形)
本発明の化合物などの活性成分は、当業者に周知の制御放出手段又は送達装置によって投与することができる。例としては、参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる米国特許第3,845,770号;第3,916,899号;第3,536,809号;第3,598,123号;及び、第4,008,719号;第5,674,533号;第5,059,595号;第5,591,767号;第5,120,548号;第5,073,543号;第5,639,476号;第5,354,556号;第5,639,480号;第5,733,566号;第5,739,108号;第5,891,474号;第5,922,356号;第5,972,891号;第5,980,945号;第5,993,855号;第6,045,830号;第6,087,324号;第6,113,943号;第6,197,350号;第6,248,363号;第6,264,970号;第6,267,981号;第6,376,461号;第6,419,961号;第6,589,548号;第6,613,358号;第6,699,500号に開示されているものが挙げられるが、これらに限定されない。このような剤形を使用して、例えばヒドロプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、ゲル、透析膜、浸透圧系、多層コーティング、微粒子、リポソーム、マイクロスフェア、又はその組合せを使用する1つ又は複数の活性成分の緩徐放出又は制御放出をもたらし、様々な比率の所望の放出プロファイルをもたらすことができる。本明細書に記載するものを含めて、当業者に公知の適切な制御放出製剤を、本発明の活性成分と共に使用するために容易に選択することができる。したがって、本発明は、制御放出に適合された錠剤、カプセル剤、ゲルキャップ、及びカプレット剤などであるが、これらに限定されない、経口投与に適した単回投与剤形を包含する。
制御放出薬剤製品はすべて、その制御されない対応物によって実現されるものより薬物療法を改善させるという共通の目的を有している。理想的には、最適に設計された制御放出製剤の医療における使用は、最低限の薬物物質を使用して最小量の時間で病態を治癒又は制御することを特徴とする。制御放出製剤の利点には、薬物活性の拡張、投与頻度の低減、及び対象の服薬遵守の向上が含まれる。さらに、制御放出製剤を使用して、作用の発現時間、又は薬物血中レベルなど他の特性に影響を及ぼすことができ、したがって副(例えば、有害)作用の出現に影響を及ぼすことができる。
制御放出製剤の多くは、最初に所望の治療効果を即座に生じるある一定量の薬物(活性成分)を放出し、別の量の薬物を徐々にかつ連続的に放出して、このレベルの治療又は予防効果を長期にわたって維持するように設計されている。身体における薬物のレベルをこの一定レベルに維持するためには、薬物を、代謝され身体から排出される量の薬物に置換する速度で剤形から放出しなければならない。活性成分の制御放出を、pH、温度、酵素、水、又は他の生理的状態、又は化合物に限定されないがこれらを含めて様々な条件によって刺激することができる。
いくつかの実施態様において、薬物は、静脈内注入、埋込可能な浸透圧ポンプ、経真皮貼付剤、リポソーム、又は他の投与様式を用い、投与することができる。一実施態様において、ポンプが使用される(Seftonの論文、CRC Crit. Ref. Biomed. Eng. 14:201 (1987);Buchwaldらの論文、Surgery 88:507 (1980);Saudekらの論文、N. Engl. J. Med. 321:51 A (1989)を参照のこと)。別の実施態様において、高分子材料を使用することができる。さらに別の実施態様において、放出制御システムは、熟練した医師により決定された好適な部位において対象に配置することができ、すなわちその結果、全身投与量の一部のみが必要である(例えば、Goodsonの著書、「放出制御の医学適用(Medical Applications of Controlled Release)」第2巻、115-138頁(1984)参照)。他の制御放出システムは、Langerの総説において考察されている(Science 249:1527-1533 (1990))。活性成分は、固形の内側マトリックス内、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、可塑化又は非可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネートコポリマー、アクリル酸及びメタクリル酸のエステルのヒドロゲルのような親水ポリマー、コラーゲン、架橋したポリビニルアルコール及び架橋した部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニル内に分散され、これは体液に不溶性である高分子メンブレン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/アクリル酸エチルコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニルとの塩化ビニルコポリマー、ビニリデンクロリド、、エチレン及びプロピレン、イオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、及びエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマーなどにより外側が覆われている。その後活性成分は、放出速度を制御する段階において、外側ポリマーメンブレンを通り拡散する。このような非経口組成物中の活性成分の割合は、対象の必要性に加え、それらの特異的性質に大きく左右される。
(5.4.3 非経口剤形)
固体の無水経口剤形が好ましいが、本発明は非経口剤形も提供する。非経口剤形は、皮下、静脈内(ボーラス注射を含めて)、筋肉内、及び動脈内が含まれるが、これらに限定されない様々な経路で対象に投与することができる。これらの投与は、通常は汚染物質に対する対象の自然の防御を迂回するので、非経口剤形は、無菌であるか、又は対象に投与する前に滅菌できることが好ましい。非経口剤形の例としては、注射用に準備された液剤、医薬として許容し得る注射用ビヒクルに溶解又は懸濁するように準備された乾燥製品、注射用に準備された懸濁剤、及び乳濁液が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の非経口剤形を提供するために使用することができる適切なビヒクルは、当業者に周知である。例としては、米国薬局方注射用水;塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、デキストロース注射液、デキストロースと塩化ナトリウム注射液、及び乳酸加リンゲル注射液などであるがこれらに限定されない水性ビヒクル;エチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールなどであるがこれらに限定されない水混和性ビヒクル;並びにトウモロコシ油、綿実油、落花生油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、及び安息香酸ベンジルなどであるがこれらに限定されない非水性ビヒクルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に開示する活性成分のうちの1つ又は複数の溶解性を高める化合物を、本発明の非経口剤形に組み込むこともできる。
(5.4.4 経皮、局所及び経粘膜剤形)
固体の無水経口剤形が好ましいが、本発明は経皮、局所、及び経粘膜剤形も提供する。本発明の経皮、局所、及び経粘膜剤形としては、眼液剤、スプレー、エアゾール剤、クリーム、ローション剤、軟膏、ゲル、液剤、乳剤、懸濁剤、又は当業者に公知の他の形が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、「レミントンの製薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」、第16版、第18版及び第20版, Mack Publishing, ペンシルバニア州Easton(1980, 1990 & 2000);及び「薬剤剤形へのイントロダクション(Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms)」、第4版, Lea & Febiger, Philadelphia(1985)を参照のこと。口腔内の粘膜組織の治療に適した剤形は、洗口剤又は口腔ゲルとして調剤することができる。さらに、経皮剤形には、「レザバータイプ」又は「マトリックスタイプ」の貼付剤が含まれ、これらは、皮膚に貼って、特定の期間着用して、所望量の活性成分の浸透を可能にすることができる。
本発明に包含される経皮、局所、及び経粘膜剤形を提供するために使用することができる適切な賦形剤(例えば、担体及び希釈剤)及び他の材料は、薬剤技術分野の技術者に周知であり、所与の医薬組成物又は剤形を適用する特定の組織に依存する。その点を考慮に入れると、典型的な賦形剤には、ローション剤、チンキ剤、クリーム、乳剤、ゲル、又は軟膏を形成するために水、アセトン、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン1,3ジオール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鉱物油、及びそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されず、これらは、非毒性であり、医薬として許容し得るものである。望むなら、保湿剤又は保水剤を、医薬組成物及び剤形に添加することもできる。このような追加の材料の例は、当技術分野で周知である。例えば、「レミントンの製薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」、第16版、第18版及び第20版, Mack Publishing, ペンシルバニア州Easton(1980, 1990 & 2000)を参照のこと。
処置対象の特有の組織に応じて、本発明の活性成分での処置の前、それと共に、又はその後に追加の成分を使用することができる。例えば、浸透増強剤を使用して、活性成分を組織に送達するのを助けることができる。適切な浸透増強剤には、アセトン;エタノール、オレイルアルコール、及びテトラヒドロフリルアルコールなどの様々なアルコール;ジメチルスルホキシドなどのアルキルスルホキシド;ジメチルアセトアミド;ジメチルホルムアミド;ポリエチレングリコール;ポリビニルピロリドンなどのピロリドン;コリドン(Kollidon)グレード(ポビドン、ポリビドン);尿素;並びにTween 80(ポリソルベート80)及びSpan 60(ソルビタンモノステアレート)などの様々な水溶性又は不溶性糖エステルが含まれるが、これらに限定されない。
医薬組成物若しくは剤形のpH、又は医薬組成物若しくは剤形が適用される組織のpHを、1つ又は複数の活性成分の送達が改善されるように調整することもできる。同様に、溶媒担体の極性、そのイオン強度、又は張度を、送達が改善されるように調整することができる。ステアラートなどの化合物を医薬組成物又は剤形に添加して、1つ又は複数の活性成分の親水性又は親油性を、送達が改善するように有利に変更することもできる。この点に関しては、ステアラートは、製剤用の脂質ビヒクル、乳化剤、又は界面活性剤、及び送達改善剤又は浸透増強剤として働くことができる。活性成分の様々な塩、水和物、又は溶媒和物を使用して、得られた組成物の特性をさらに調整することができる。
(5.4.5 用量及び単位投与剤形)
ヒトの治療では、予防的又は治療的処置にしたがって、かつ治療対象に特異的な年齢、体重、感染の段階、及び他の要因にしたがって、医師が最も適切であると考えられる薬量を決定する。一般に、用量は、約1〜約1000mg/日/成人、又は約5〜約250mg/日、又は約10〜50mg/日/成人である。いくつかの実施態様では、用量は、約5〜約400mg/日、より好ましくは25〜200mg/日/成人である。約50〜約500mg/日の用量範囲も好ましい。
さらなる実施態様では、本発明は、それを必要とする対象に、C型肝炎ウイルスに対して治療係数が高い本発明の化合物、又は医薬として許容し得るその塩の有効量を投与することによって、対象においてC型肝炎ウイルス感染を治療又は予防する方法を提供する。治療係数は、下記の実施例で記載する方法など、当業者に公知の任意の方法にしたがって測定することができる。いくつかの実施態様では、治療係数は、化合物が毒性となる濃度とC型肝炎ウイルスに対して有効である濃度の比である。細胞毒性(例えば、IC50又はIC90)及び致死用量(例えば、LD50又はLD90)を含めて、毒性は当業者に公知の任意の技法で測定することができる。同様に、有効濃度(例えば、EC5O又はEC90)及び有効用量(例えば、EC5O又はEC90)を含めて、有効濃度は、当業者に公知の任意の技法で測定することができる。好ましくは、同様な測定値を比(例えば、IC5O/EC50、IC90/EC9O、LD50/ED50、又はLD90/ED90)で比較する。いくつかの実施態様では、治療係数は、2.0、5.0、10.0、15.0、20.0、25.0、50.0、75.0、100.0、125.0、150.0以上の高いものとすることができる。
障害、又は1つ若しくは複数のその症状の予防又は治療に有効となる本発明の化合物又は組成物の量は、疾患又は病態の性質及び重症度、並びに活性成分を投与する経路によって異なる。投与頻度及び投与量も、投与される特定の療法(例えば、治療剤又は予防剤)、障害、疾患、又は病態の重症度、投与経路、並びに対象の年齢、体重、応答、及び既往歴に応じて、各対象に特異的な要因にしたがって、異なる。有効用量は、インビトロ又は動物モデル試験系に由来する用量反応曲線から推定することができる。
組成物の例示的な用量には、対象又は検体の重量の1キログラム当たり活性化合物の量(ミリグラム又はマイクログラム)(例えば、約10マイクログラム/キログラム〜約50ミリグラム/キログラム、約100マイクログラム/キログラム〜約25ミリグラム/キログラム、又は約100マイクログラム/キログラム〜約10ミリグラム/キログラム)が含まれる。本発明の組成物の場合、対象に投与される用量は、通常は対象の体重1kg当たり、活性化合物の重量に基づいて0.140mg/kg〜3mg/kgである。いくつかの態様において、対象に投与される用量は、対象の体重1kg当たり0.20mg/kg〜2.00mg/kg、又は0.30mg/kg〜1.50mg/kgである。
一般に、本明細書に記載する病態用の本発明の組成物の推奨1日用量範囲は、約0.1mg〜約1000mg/日の範囲内であり、1日1回の単回投与又は1日を通して分割投与で投与される。一実施態様では、1日用量を均等分割した投与量で1日2回投与する。1日用量は、具体的には約10mg〜約200mg/日、より具体的には約10mg〜約150mg/日、さらにより具体的には約25〜約100mg/日であるべきである。当業者に自明であるように、場合によっては、本明細書に開示する範囲外の投与量の活性成分を使用することが必要な場合がある。さらに、臨床医又は治療医は、対象の応答に関連して、療法の中断、調整、又は終結の方法と時期を見分けられることに留意されたい。
当業者に容易に理解されるように、様々な治療有効量が、様々な疾患及び病態に適用可能であり得る。同様に、このような障害を予防、管理、治療、又は改善するのに十分であるが、本発明の組成物に付随する有害作用を引き起こすには不十分であり、又はそれを低減するには十分な量も、上記の投与量及び投与回数スケジュールに包含される。さらに、対象に反復投与量の本発明の組成物を多回投与する場合、投与量はすべて同じである必要はない。例えば、対象に投与する投与量は、組成物の予防又は治療の効果を改善するために増やすことができ、或いは特定の対象が経験している1つ又は複数の副作用を低減させるために減らすことができる。
特定の実施態様では、対象において障害、又は1つ若しくは複数のその症状を予防、治療、管理、又は改善するために投与される本発明の組成物又は本発明の組成物の、活性化合物の重量に基づく投与量は、対象の体重の0.1mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、10mg/kg、又は15mg/kg以上である。別の実施態様では、対象において障害、又は1つ若しくは複数のその症状を予防、治療、管理、又は改善するために投与される本発明の組成物又は本発明の組成物の投与量は、単位用量が0.1mg〜200mg、0.1mg〜100mg、0.1mg〜50mg、0.1mg〜25mg、0.1mg〜20mg、0.1mg〜15mg、0.1mg〜10mg、0.1mg〜7.5mg、0.1mg〜5mg、0.1〜2.5mg、0.25mg〜20mg、0.25〜15mg、0.25〜12mg、0.25〜10mg、0.25mg〜7.5mg、0.25mg〜5mg、0.5mg〜2.5mg、1mg〜20mg、1mg〜15mg、1mg〜12mg、1mg〜10mg、1mg〜7.5mg、1mg〜5mg、又は1mg〜2.5mgである。
いくつかの実施態様では、本発明の化合物又は組成物の1つ又は複数の負荷用量、続いて1つ又は複数の維持用量を用いて、治療又は予防を開始することができる。このような実施態様では、負荷用量は、例えば1日〜5週間にわたり、約60〜約400mg/日、又は約100〜約200mg/日とすることができる。負荷用量の後に、1つ又は複数の維持用量が続き得る。維持用量はそれぞれ独立に、約10mg〜約200mg/日、より具体的には約25mg〜約150mg/日、さらにより具体的には約25〜約80mg/日とすることができる。維持用量を、好ましくは日毎に投与し、単回投与、又は分割投与として投与することができる。
いくつかの実施態様では、本発明の化合物又は組成物の用量を投与して、対象の血液又は血清中で活性成分の定常状態濃度を実現することができる。定常状態濃度を、当業者が利用可能な技法に従った測定により決定することができ、或いは身長、体重、及び年齢など、対象の物理的諸特性に基づくことができる。いくつかの実施態様では、対象の血液又は血清中で約300〜約4000ng/mL、約400〜約1600ng/mL、又は約600〜約1200ng/mLの定常状態濃度が実現されるのに十分な量の本発明の化合物又は組成物を投与する。血液又は血清中の定常状態濃度の約1200〜約8000ng/mL、又は約2000〜約4000ng/mLが1日〜5日間実現されるように、負荷用量を投与することができる。対象の血液又は血清中で約300〜約4000ng/mL、約400〜約1600ng/mL、又は約600〜約1200ng/mLの定常状態濃度が実現されるように、維持用量を投与することができる。
いくつかの実施態様では、本発明の同じ組成物の投与を反復することができ、投与間隔は少なくとも1日、2日、3日、5日、10日、15日、30日、45日、2か月、75日、3か月、又は6か月とすることができる。他の実施態様では、同じ予防剤又は治療剤の投与を反復することができ、投与間隔は少なくとも少なくとも1日、2日、3日、5日、10日、15日、30日、45日、2ヶ月、75日、3ヶ月、又は6ヶ月とすることができる。
いくつかの実施態様では、本発明は、本発明の化合物、又は医薬として許容し得るその塩を投与に適した形で含む単位投与量を提供する。このような形を先に詳述する。いくつかの実施態様では、単位投与量は、1〜1000mg、5〜250mg、又は10〜50mgの活性成分を含む。特定の実施態様では、単位投与量は、約1、5、10、25、50、100、125、250、500、又は1000mgの活性成分を含む。このような単位投与量は、当業者に知られている技法にしたがって調製することができる。
第二の作用剤の用量が、本発明の組合せ療法において使用される。いくつかの実施態様において、HCV感染の治療又は予防に過去又は現在使用される用量よりも低い用量が、本発明の組合せ療法において使用される。第二の作用剤の推奨用量は、当業者の知識から得ることができる。これらの臨床使用が承認された第二の作用剤に関して、推奨用量は、例えば、Hardmanらの編集した「グッドマン・ギルマン薬理書(Goodman & Gilman's The Pharmacological Basis Of Basis Of Therapeutics)」1996年、第9版、Mc-Graw-Hill、ニューヨーク;米医師用医薬品便覧(PDR)第57版、2003年、Medical Economics Co., Inc.、モントベール、NJに説明されており、それらの内容全体は参照により本明細書に組み込まれている。
様々な実施態様において、本療法(例えば、本発明のシクロスポリン誘導体と第二の作用剤)は、5分未満隔てて、30分未満隔てて、1時間隔てて、約1時間隔てて、約1〜約2時間隔てて、約2時間〜約3時間隔てて、約3時間〜約4時間隔てて、約4時間〜約5時間隔てて、約5時間〜約6時間隔てて、約6時間〜約7時間隔てて、約7時間〜約8時間隔てて、約8時間〜約9時間隔てて、約9時間〜約10時間隔てて、約10時間〜約11時間隔てて、約11時間〜約12時間隔てて、約12時間〜18時間隔てて、18時間〜24時間隔てて、24時間〜36時間隔てて、36時間〜48時間隔てて、48時間〜52時間隔てて、52時間〜60時間隔てて、60時間〜72時間隔てて、72時間〜84時間隔てて、84時間〜96時間隔てて、又は96時間〜120時間隔てて投与される。いくつかの実施態様において、2種以上の療法が、同じ来院時(patent visit)に投与される。
いくつかの実施態様において、本発明のシクロスポリン誘導体及び第二の作用剤は、循環的に投与される。サイクリング療法は、ある期間の第一の療法(例えば、第一の予防剤又は治療剤)の投与、それに続くある期間の第二の療法(例えば、第二の予防剤又は治療剤)の投与、それに続くある期間の第三の療法(例えば、第三の予防剤又は治療剤)の投与など、並びにこの順次投与の繰り返し、すなわちこれらの作用剤のひとつに対する耐性の出現を低下するため、これらの作用剤の1種の副作用を回避若しくは軽減するため、及び/又は治療の有効性を改善するためのサイクルが関係する。
いくつかの実施態様において、同じ作用剤の投与が繰り返され、及びこれらの投与は、少なくとも1日、2日、3日、5日、10日、15日、30日、45日、2ヶ月、75日、3ヶ月、又は6ヶ月隔てられてよい。別の実施態様において、同じ作用剤の投与が繰り返され、及びこの投与は、少なくとも少なくとも1日、2日、3日、5日、10日、15日、30日、45日、2ヶ月、75日、3ヶ月、又は6ヶ月隔てられてよい。
いくつかの実施態様において、本発明のシクロスポリン誘導体及び第二の作用剤は、患者、好ましくは哺乳類、より好ましくはヒトへ、シクロスポリン誘導体が、他方の作用剤と共に作用し、それらがそうでないように投与された場合よりも増大した恩恵を提供することができるような順番及び時間間隔内で投与される。例えば、第二の活性作用剤は、同時に、又は任意の順番で異なる時点で順次投与され得るが;しかし、同時に投与されない場合は、これらは、所望の治療作用又は予防作用を提供するように、十分に近接して投与されなければならない。ひとつの実施態様において、シクロスポリン誘導体及び第二の活性作用剤は、それらの作用を重複した時点で発揮する。第二の活性作用剤の各々は、好適な形及び適当な経路により、個別に投与することができる。別の実施態様において、シクロスポリン誘導体は、第二の活性作用剤の投与の前、同時又は後に投与される。
様々な実施態様において、シクロスポリン誘導体及び第二の作用剤は、約1時間未満隔てて、約1時間隔てて、約1時間〜約2時間隔てて、約2時間〜約3時間隔てて、約3時間〜約4時間隔てて、約4時間〜約5時間隔てて、約5時間〜約6時間隔てて、約6時間〜約7時間隔てて、約7時間〜約8時間隔てて、約8時間〜約9時間隔てて、約9時間〜約10時間隔てて、約10時間〜約11時間隔てて、約11時間〜約12時間隔てて、24時間を超えずに隔てて、又は48時間を超えずに隔てて投与される。別の実施態様において、シクロスポリン誘導体及び第二の作用剤は、同時に投与される。
別の実施態様において、シクロスポリン誘導体及び第二の作用剤は、約2〜4日隔てて、約4〜6日隔てて、約1週間隔てて、約1〜2週間隔てて、又は2週間以上隔てて投与される。
いくつかの実施態様において、シクロスポリン誘導体及び第二の作用剤は、患者へ循環して投与される。サイクリング療法は、ある期間の第一の作用剤の投与、それに続くある期間の第二の作用剤及び/又は第三の作用剤の投与、及びこの順次投与の繰り返しが関連している。サイクリング療法は、1つ又は複数の療法に対する耐性の出現を低下するか、療法の1種の副作用を回避若しくは軽減するか、及び/又は治療の有効性を改善することができる。
いくつかの実施態様において、シクロスポリン誘導体及び第二の活性作用剤は、約3週間未満の、約2週間に1回の、約10日に1回の、又は約週1回のサイクルで投与される。1サイクルは、サイクル毎約90分、サイクル毎約1時間、サイクル毎約45分間にわたる注入による、シクロスポリン誘導体及び第二の作用剤の投与を含むことができる。各サイクルは、少なくとも1週間の休薬、少なくとも2週間の休薬、少なくとも3週間の休薬を含むことができる。投与されるサイクルの数は、約1〜約12サイクル、より典型的には約2〜約10サイクル、さらに典型的には約2〜約8サイクルである。
別の実施態様において、治療経過は、患者へ同時に投与され、すなわち第二の作用剤の個別の用量で、依然シクロスポリン誘導体が、第二の活性作用剤と一緒に作用することができるような時間間隔内で、個別に投与される。例えば、1つの成分は、2週間に1回又は3週間に1回で投与することができる他方の成分と組合せて、1週間に1回投与することができる。別の言い方をすると、この薬物投与計画は、例え治療薬が同一時点又は同日内に投与されないとしても、同時に実行される。
この第二の作用剤は、シクロスポリン誘導体と相加的又は相乗的に作用することができる。ひとつの実施態様において、シクロスポリン誘導体は、同じ医薬組成物内で1つ又は複数の第二の作用剤と同時に投与される。別の実施態様において、シクロスポリン誘導体は、個別の医薬組成物内で1つ又は複数の第二の作用剤と同時に投与される。さらに別の実施態様において、シクロスポリン誘導体は、第二の作用剤の投与の前、又は投与に続けて投与される。本発明は、例えば経口及び非経口のような、同一又は異なる投与経路による、シクロスポリン誘導体及び第二の作用剤の投与を意図している。いくつかの実施態様において、シクロスポリン誘導体は、毒性を含むが、これらに限定されるものではない、有害な副作用を生じる可能性がある第二の作用剤と同時に投与される場合、有利なことに第二の活性作用剤は、有害な副作用が誘起される閾値を下回る投与量で投与される。
(5.5 キット)
本発明は、HCV感染の治療又は予防方法に使用するためのキットも提供する。キットは、本発明のシクロスポリン誘導体化合物又は組成物、第二の作用剤又は組成物、及び細菌感染を治療又は予防するための使用に関する情報を医療提供者に提供する説明書を含むことができる。説明書は、印刷された形、又はフロッピーディスク、CD、若しくはDVDなどの電子媒体の形、又はこのような説明書が得られるウェブサイトアドレスの形で提供され得る。単位用量の本発明のシクロスポリン誘導体若しくは組成物、又は第二の作用剤若しくは組成物は、対象に投与された場合に治療上又は予防上有効な血漿中レベルの化合物又は組成物を対象において少なくとも1日維持することができるような投与量を含むことができる。一部の実施態様では、化合物又は組成物は、無菌の水性医薬組成物又は乾燥粉末(例えば、凍結乾燥)組成物として含まれ得る。一実施態様では、化合物が式(I)によるものである。
一部の実施態様では、適切なパッケージングが提供される。本明細書では、「パッケージング」は慣例的に系で使用され、対象への投与に適した本発明のシクロスポリン誘導体及び/又は第二の作用剤を固定された限度内に保持することができる固体マトリックス又は材料を指す。このような材料には、ガラス及びプラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリカーボネート)ビン、バイアル、紙、プラスチック、並びにプラスチック箔積層エンベロープなどが含まれる。電子線滅菌技法を使用する場合、パッケージングは、内容物の滅菌が可能になるように十分に低密度であるべきである。
下記の実施例は、本発明で使用される代表的シクロスポリン誘導体の合成を例示する。これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものでもなく、そのように解釈されるべきものでもない。具体的に本明細書に記載されている以外の別の方法で本発明を実施できることは明白であろう。本発明の多数の修正及び変形が本明細書の教示を考えると可能であり、したがって本発明の範囲内に入る。
(6. 実施例)
(6.1 実施例1:3-メトキシ-4-(γ-ヒドロキシメチルロイシン)-シクロスポリン)
3-メトキシ-4-(γ-ヒドロキシメチルロイシン)-シクロスポリン:
メタノール(15mL)中の1,4-ジ-アセチル-3-メトキシ-4-(γ-ヒドロキシメチルロイシン)-シクロスポリン(275mg)の溶液へ、メタノール中の25wt%ナトリウムメトキシド(0.12mL)を添加し、得られた混合物を、室温で24時間窒素下で攪拌した。メタノールを、減圧下で除去し、残渣を酢酸エチル(50mL)で希釈し、飽和塩化アンモニウム(30mL)、ブライン(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を除去した後、残渣を、分取液体クロマトグラフィーを用いて精製し、標題化合物(化合物T)の33mgを得た。
重クロロホルム中でのこの化合物のNMRシグナル(ppm)は、5.80ppm (1重線, サルコシンH)、4個の2重線NHシグナルは、7.14、7.39、7.69、及び7.96であった。LCMS (ESI):C63H113N11O14の計算値:1247、実測値:1248.5(M+H)+
3-[(R)-2-(N,N-ジメチルアミノ)エチルチオ-Sar]-4-(γ-ヒドロキシメチル-ロイシン)シクロスポリン:
3-[(R)-2-(N,N-ジメチルアミノ)エチルチオ-Sar]-4-(γ-ヒドロキシメチル-ロイシン)シクロスポリン(化合物O)を、例えば米国特許第5,977,067号に開示されたように調製した。
(6.2 実施例2:HCV活性)
この実施例は、本発明の化合物がHCV感染に対して有効であることを実証する。さらに、この実施例は、本発明の化合物が、シクロスポリンAに比べて、有利な有効性若しくは細胞毒性、又は両方を示すことを実証する。
HCVに対する活性について、Krigerら(2001, Journal of Virology, 75:4614-4624)、Pietschmannら(2002, Journal of Virology 76:4008-4021)によって記述されているものから適合された方法、及び米国特許第6,630,343号に開示されているようなHCV RNA構築体を使用し、本発明の化合物を試験した。これらの参考文献の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
安定なルシフェラーゼ(LUC)レポーターを含むHCV RNAレプリコンであるヒト肝癌細胞系ET (lub ubi neo/ET)で、化合物を試験した。HCV RNAレプリコンETは、ホタルルシフェラーゼ(LUC)、ユビキチン、及びネオマイシンリン酸転移酵素(NeoR)融合タンパク質の生成を駆動するHCVの5'末端(HCV配列内リボソーム進入部位(IRES)、及びHCVコアタンパク質の最初の数個のアミノ酸を含む)を含む。ユビキチンの開裂によって、LUC及びNeoRタンパク質が放出される。EMCV IRESエレメントは、HCV構造タンパク質NS3-NS5の翻訳を制御する。NS3タンパク質によって、HCVポリタンパク質が開裂して、HCV複製に必要とされる成熟したNS3、NS4A、NS4B、NS5A及びNS5B タンパク質が放出される。レプリコンの3'末端に、HCVの標準の3' NTRがある。LUCレポーターの活性は、HCV複製レベルと正比例し、正の対照の抗ウイルス化合物は、LUCの端点を使用して再現性のある抗ウイルス応答をもたらす。
化合物を、0.02〜2.0μM、0.03〜3μM、2.0〜20μM、又は1〜100μMにわたってそれぞれ5つの半対数濃度でDMSOに溶解した。ET株のサブコンフルエントな培養物を、細胞数(細胞毒性)又は抗ウイルス活性の分析に供する96ウェルプレートに播き、翌日、化合物を適切なウェルに添加した。細胞が依然としてサブコンフルエントであった72時間後、細胞を処理した。抗ウイルス活性を、ウイルス複製をそれぞれ50%及び90%低減させた化合物の有効濃度である、EC50及びEC90として表した。化合物のEC50及びEC90値は、HCV RNAレプリコン由来のLUC活性として評価されたHCV RNAレベルに由来した。細胞毒性を、細胞生存率をそれぞれ50%及び90%抑制した化合物の濃度である、IC50及びIC90として表した。比色試験を用いて、化合物のIC50及びIC90値を細胞数及び細胞毒性の指標として算出した。LUCレポーターの活性は、ヒト細胞系におけるHCV RNAレベルに正比例する。インターフェロン-α-2bを正の対照として使用した平行実験で、HCV-レプリコンアッセイを確証した。シクロスポリンも比較によって試験した。本発明の化合物は、ヒト肝臓細胞におけるHCV複製をシクロスポリンより大いに強力に阻害する。さらに、細胞毒性のレベルを考慮すると、本発明の化合物の多くは、シクロスポリンより広い安全域(例えば、細胞毒性IC50、対、抗ウイルスEC50)を発現する。
結果は以下の通りであった(別段の記述のない限り、値はすべて、nMで表す)。「N/D」は、データが検出されなかったことを意味する。
Figure 0005517454
(6.3 実施例3:シクロフィリン結合及びHCV活性)
この実施例は、それを必要とする対象におけるHCV感染を治療又は予防するための本発明の化合物の有効性を評価するための方法をさらに提供する。
いくつかのシクロスポリンは、シクロフィリンB(CyPB)に結合にすることにより、HCV感染を治療又は予防する際に有効であることが実証されている。Watashiらの論文、2005, Molecular Cell 19:111-122;Nakagawaらの論文、2005 Gastroenterology 129(3):1031-41を参照することとし、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。任意の特定の作動理論に拘泥するものではないが、シクロフィリンBは、HCVゲノムの効率的な複製にクリティカルであると考えられる。標準的アッセイにおいて、シクロフィリンBを阻害するシクロスポリンA及びシクロスポリンの誘導体は、HCVの複製を劇的に低減することができる。
したがって、シクロフィリン、例えばシクロフィリンBとの結合又はその調節を評価することによって、本発明の化合物は、HCV感染の治療又は予防に有効であることがわかる。本発明の化合物によるシクロフィリンの調節は、標準的技法、例えばWatashiらの論文、2005に記載されているもの、Nakagawaらの論文、2005に記載されているもの、又はBillichらの論文、J. Virol. 69:2451-2461に記載されているものにしたがって測定する。その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
(6.4 実施例4:経口剤形)
本発明の化合物の1つ又は複数は、カプセル剤として調製することができる。このようなカプセル剤は、化合物10〜200mg、並びに微結晶セルロース、プレアルファ化デンプン、乳糖、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポピドン、ポビドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、及び二酸化ケイ素からなる群から選択された1つ又は複数の賦形剤を含むことができる。得られた組成物を、ゼラチン又は可塑剤など、1つ又は複数の標準的カプセル化組成物でカプセル化することができる。
本発明の化合物の1つ又は複数を、塩としてシロップ剤又はエリキシル剤で調剤することができる。化合物又は複数の化合物は、全濃度が5〜50mg/mLであり得る。シロップ剤又はエリキシル剤は、さらにポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールの混合物、PEG 400、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマー(例えば、ポロキサマー407)、ポリソルベート20、エタノール、砂糖、クエン酸、及び/又は矯味剤を含むことができる。
(6.5 実施例5:本発明の化合物のインターフェロンとの組合せにおける相加的及び相乗的抗-HCV活性)
化合物及び組合せは、以下に指摘した点を変更した、実施例2において説明したHCVレプリコンアッセイにおいて評価した。
単独の化合物アッセイに関して、これらの化合物は、0.02〜2μM又は0.2〜20μMの範囲で、それぞれ5つの半対数濃度でDMSOに溶解した。化合物EC50及びEC90値に加え、IC50及びIC90値は、実施例2に従い決定した。HCV-レプリコンアッセイを、陽性対照としてインターフェロン-α-2bを使用する並行実験においてバリデーションした。シクロスポリンAも試験した。
HCV RNAレプリコン抗ウイルス評価アッセイを利用し、5つ、対、9つの半対数濃度の組合せで、2つの化合物(例えば、薬物1及び薬物2)の有効性及び細胞毒性を試験した。このアッセイを、培地、薬物、細胞、及びウイルスの割当てに関するマイクロタイタープレートフォーマットを用いて行った。ET株のサブコンフルエントな培養物を、細胞数(細胞毒性)又は抗ウイルス活性の分析に供する96ウェルプレートに移し;約24時間後、薬物1及び2を適当なウェルに添加した。細胞が依然としてサブコンフルエントであった72時間後、細胞を処理した。HCV RNAレプリコンレベルを、実施例2に説明されたようにHCV RNAレプリコン由来のLUC活性として評価した。細胞毒性を、実施例2に説明されたように細胞数を減少する薬物の濃度として評価した。
本発明の化合物を、0.0078〜2.0μMの間の9つの濃度で「薬物2」として試験した。インターフェロン-α(Sigma)を、0.005〜0.5国際単位/mL(IU/mL)で薬物1として試験した。これらのチェッカーボードアッセイから得られたデータは、MacSynergy II (v2.01) (Prichard & Shipmanの論文, 1990, Antiviral Res. 14:181-205)及びDelta Graph (vl.5d)プログラムで解析した。三次元プロット(図1A-1C)を作成するために使用した各データ点は、3つ組試料の結果に由来した。このデータの統計的妥当性を解析し、かつ3種の信頼性レベル(68%、95%又は99%)のひとつでプロットし、相加的、相乗的又は拮抗的としてコンビナトリアルな結果を示した。
薬物組合せの作用は、単独で試験した場合の各化合物の活性を基に計算した。予想された相加的抗ウイルス防御を、各組合せ濃度での実験により決定された抗ウイルス活性から減算し、正値(相乗的)、負値(拮抗的)又はゼロ(相加的)を得た。各組合せ濃度で三次元的に表された結果は、「相加面」を上回る(相乗的)又は下回る(拮抗的)ように広がる活性の表面を生じる。相乗的は、50を超える相乗容積(synergy volume)を生じる薬物組合せと定義される。わずかに相乗的な活性及び高度に相乗的な活性は各々、50〜100及び>100の相乗容積を生じるとして操作上規定されている。相加的薬物相互作用は、-50〜50の範囲の相乗容積を有する。拮抗的薬物相互作用は、-50〜-100の範囲の相乗容積を有し、<-100の相乗容積は、高度に拮抗的である。
化合物O、化合物T、及びシクロスポリンAに関して、表面の容積は、95%信頼区間での、相乗容積として計算し表した(濃度単位×濃度×割合;例えば、μM2%、nM2%、nMμM%、及びIFN(IU/ml)についてμM%など)(図1A-1C)。
図1Aに示されたように、化合物O及びIFNαの組合せは、高度に相乗的である。化合物O単独のEC5Oは100nMであり、化合物O単独のIC50は>2000nMであった。95%信頼区間で、抗ウイルス相乗容積は122IU/mLμM%、又は高度の相乗的であった。
図1Bに示されたように、化合物T及びIFNαの組合せは、相加的である。化合物T単独のEC5Oは200nMであり、化合物T単独のIC50は>2000nMであった。95%信頼区間で、抗ウイルス相乗容積は6IU/mLμM%、又は相加的であった。
図1Cに示されたように、シクロスポリンA及びIFNαの組合せは、相加的である。シクロスポリンA単独のEC5Oは750nMであり、シクロスポリンA単独のIC50は>2000nMであった。95%信頼区間で、抗ウイルス相乗容積は43IU/mLμM%、又は相加的であった。
(6.6 実施例6:本発明の化合物の逆転写酵素阻害剤との組合せにおけるHCVに対する活性)
化合物及び組合せは、以下に指摘した点を変更した、実施例5において説明したHCVレプリコンアッセイにおいて評価した。
本発明の化合物Oは、0.0078〜2.0μMの間の9つの濃度で「薬物2」として試験した。2'-C-メチル-シチジン(プロドラッグバロピシタビンの活性型、強力なNS5B阻害剤)は、薬物1として添加し;薬物1は、62.5、125、250、及び500nMで添加した。
化合物Oに関して、表面の容積は、95%信頼区間での、相乗容積として計算し表した(濃度単位×濃度×割合;例えば、μM2%)(図2)。
図2に示されたように、化合物O及び2'-C-メチル-シチジンの組合せは、高度に相乗的である。この実験において、化合物O及び2'-C-メチル-シチジンの単独のEC5Oは、各々、250nM及び750nMであった。化合物O単独のIC50は>2000nMであった。95%信頼区間で、抗ウイルス相乗容積は228μM2%、又は高度に相乗的であった。
(6.7 実施例7:本発明の化合物のプロテアーゼ阻害剤との組合せにおけるHCVに対する活性及び毒性)
化合物及び組合せは、以下に指摘した点を変更した、実施例5において説明したHCVレプリコンアッセイにおいて評価した。(1R,2S,5S)-3-アザビシクロ[3,1,0]ヘキサン-2-カルボキシアミド,N-[3-アミノ-1-シクロブチルメチル)-2,3-ジオキソプロピル]-3-[(2S)-2-[[[1,1-ジメチルエチル]アミノ]カルボニルアミノ]-3,3-ジメチル-1-オキソブチル]-6,6-ジメチルである、プロテアーゼ阻害剤(HCV NS3-4Aプロテアーゼ阻害剤)で以後化合物3と称するものは、それらの内容は参照により本明細書に組み込まれ、信頼されている、米国特許出願公開第2005/0249702号及びPCT国際公開第2004/113294号に開示された方法に従い調製した(この化合物は、シクロブチルメチル部分:すなわち、3-アミノ-1-シクロブチルメチル)-2,3-ジオキソプロピル残基の炭素原子1に結合した不斉中心で、1:1ジアステレオマー混合物として試験した。)。
この薬物組合せの作用は、単独で試験した場合の各化合物の活性を基に計算した。予想された相加的抗ウイルス防御は、各組合せ濃度での実験により決定された抗ウイルス活性から減算し、正値(相乗的)、負値(拮抗的)又はゼロ(相加的)を得た。組合せアッセイの結果は、各組合せ濃度で三次元的に表し、「相加面」を上回る(相乗的)又は下回る(拮抗的)ように広がる活性の表面を生じる。表面の容積は、95%信頼区間で計算した、相乗容積として計算し表した(濃度単位×濃度×割合;例えば、μM2%、nM2%、nMμM%など)。これらの試験に関して、相乗的は、50を超える相乗容積を生じる薬物組合せと定義される。相加的薬物相互作用は、-50〜50の範囲の相乗容積を有するのに対し、-50〜-100の範囲の相乗容積は、わずかに拮抗的であり、及び<-100の相乗容積は、高度に拮抗的であるとみなされる。
図3Aに示されたように、化合物O及び化合物3の組合せは、相加的、又はわずかに相乗的であった。
図3Bに示されたように、化合物O及び化合物3の組合せは、拮抗的細胞毒性、すなわち毒性の低下を示した。
(6.8 実施例8:インターフェロン及びリバビリンとの組合せ試験におけるウシウイルス性下痢症ウイルスに対するシクロスポリン誘導体の活性)
化合物は、単独で、及びリバビリン又はαインターフェロン(IFN-α)と組合せて、HCVサロゲートのNADL(国立動物疾患研究所)株であるウシウイルス性下痢症ウイルス(BVDV)に対し、Madin-Darbyウシ腎細胞において、評価した。BVDVは、フラビウイルス科の一員のウイルスでもあり、これはHCVと重要な特徴を多く共有し、かつHCVに対する使用に関する抗ウイルス化合物の評価のためのバリデートされた代理として認められている(Buckwald VE、Wei J、Wenzel-Mathers M、Russell J.の論文、「C型肝炎ウイルス複製の代理モデルとしてのウシウイルス性下痢症ウイルス及び黄熱ウイルスに対するインターフェロンα及びリバビリンの相乗的インビトロ相互作用(Synergistic in vitro interactions between alpha interferon and ribavirin against bovine viral diarrhea virus and yellow fever virus as surrogate models of hepatitis C virus replication)」、Antimicrob Agents Chemother. 2003, 47: 2293)。BVDV及びHCVは、類似したゲノムRNA構造を有し、両方とも、翻訳開始に配列内リボソーム侵入部位(IRES)を利用する。Madin-Darbyウシ腎(MDBK)細胞として知られている良く確立された宿主-細胞株を使用し、化合物を、単独で並びにインターフェロン及びリバビリンと組合せて、BVDVに対して試験した。
MDBK細胞におけるBVDV細胞変成作用に対し単独の作用剤として又は薬物組合せにおいて化合物を試験するためにここで使用した方法論は、先に説明されている:(Buckwald VEらの論文、Antimicrob Agents Chemother. 2003, 47: 2293)。これらの方法の概要を示す。本発明の化合物を、DMSO中に溶解し、アッセイへ希釈するためのストック液を調製した。化合物は、10又は20μMの高濃度から出発し、インビトロ抗ウイルスアッセイにおける評価のための半対数増分で、連続希釈した。単独の作用剤として、リバビリン(Sigma, セントルイス, MO)及びαインターフェロン-α(IFN-α, Sigma)を、各々、最高試験濃度100μM及び10U/mlで評価し、かつインビトロ抗ウイルスアッセイにおける評価のための半対数増分で、連続希釈した。MDBK細胞は、組織培養培地内に5×104個細胞/mlで懸濁し、容量100μLの平底マイクロタイタープレートに加えた。総細胞数及び細胞生存度の定量は、血球計及びトリパンブルー色素排除法を用いて行った。プレートは、37℃/5%CO2で一晩インキュベーションし、細胞接着させた。
BVDVは、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)から入手し、ストックウイルスプールを作成するために、MDBK細胞内で増殖した。ウイルスは組織培養培地へ懸濁し、希釈し、容量100μLの各ウェルに添加されるウイルス量は、感染後6日目に85〜95%細胞殺滅を生じるように決定された量であった。
各マイクロタイタープレートは、細胞対照ウェル(細胞のみ)、ウイルス対照ウェル(細胞+ウイルス)、薬物毒性ウェル(細胞+化合物のみ)、薬物比色対照ウェル(薬物のみ)、及び実験ウェル(化合物+細胞+ウイルス)を含んだ。試料は、有効性について3つ組で、細胞毒性について2つ組で試験した。5%CO2のインキュベーター内37℃でのインキュベーション後、被験プレートを、テトラゾリウム色素XTT(2,3-ビス(2-メトキシ-4-ニトロ-5-スルホフェニル)-5-[(フェニルアミノ)カルボニル]-2H-水酸化テトラゾリウム)で染色した。XTT-テトラゾリウムは、代謝活性のある細胞のミトコンドリアの酵素により、可溶性ホルマザン生成物へ代謝され、抗-BVDV被験物質によるBVDV誘導した細胞殺滅の阻害の迅速な定量的分析を可能にした。XTT溶液は、培地(RPMI1640)内で1mg/mLストック液として毎日調製した。フェナジンメトサルフェート(PMS)溶液を、PBS中0.15mg/mLで調製し、暗所で-20℃で貯蔵した。XTT/PMSストック液は、XTT溶液1mlにつきPMS 40μLを添加することにより、使用直前に調製した。XTT/PMS 50μLを、プレートの各ウェルに添加し、プレートを37℃で4時間再インキュベーションした。プレートを、接着剤プレートシーラーで密封し、穏やかに振盪するか、又は数回倒置し、可溶性ホルマザン生成物を混合し、このプレートを、Molecular Devices Vmaxプレートリーダーを用い、450/650nmで分光光度法により読みとった。
データ解析−生データを、Softmax Pro 4.6 ソフトウェアから収集し、線形曲線フィット計算により解析するために、Microsoft Excel 2003スプレッドシートにインポートした。抗ウイルス活性は、各々ウイルス複製を50%及び90%低下する化合物の有効濃度である、EC50及びEC9Oとして表し;細胞毒性は、各々細胞生存度を50%及び90%阻害する化合物の濃度である、IC5O及びIC90として表した。データは、有効性ウェル、毒性ウェル及び比色ウェルにおける、各化合物濃度での平均光学密度、ウイルス細胞変性作用(CPE)及び細胞生存度に関する低下値の計算された割合と共に表にまとめ;データを使用し、各被験濃度での細胞生存度の割合及び低下したウイルスCPEの割合を図に示した。
(薬物-薬物組合せ実験)
BVDV抗ウイルス評価アッセイを利用し、5、対、9の片対数濃度の組合せで2種の化合物(例えば、薬物1及び薬物2)の有効性及び細胞毒性を試験した。アッセイは、培地、薬物、細胞、及びウイルスの割当に関するマイクロタイタープレートフォーマットを用いて行った。統計的評価は、Prichard及びShipmanの方法(Antiviral Research 1990, 14:181-206)に従い行った。各被験化合物(薬物1)の5つの濃度を、リバビリン又はIFN-αのいずれか(薬物2)の9つの濃度と、全ての可能性のある組合せで試験した。エンドポイント定量は、XTT-テトラゾリウム染色で行い、細胞生存度を定量した。この薬物組合せの作用は、単独で試験した場合の2つの化合物の活性を基に計算した。予想された相加的抗ウイルス防御は、各組合せ濃度での実験により決定された抗ウイルス活性から減算し、正値(相乗的)、負値(拮抗的)又はゼロ(相加的)を得た。組合せアッセイの結果は、95%信頼区間で計算した、相乗容積として表した(μM2%)。
BVDV試験に関して、相乗的は、50μM2%よりも大きい相乗容積を生じる薬物組合せとして定義した。わずかに相乗的な活性及び高度に相乗的な活性は、各々、50〜100μM2%及び>100μM2%の相乗容積を生じると定義した。-50〜50μM2%の間の相乗容積は、相加的とみなし、-50μM2%未満の相乗容積は、拮抗的とみなした。
(BVDVアッセイにおけるリバビリンとの薬物組合せの結果)
本発明の化合物及びリバビリンは、ヒトHCVの代理ウイルスであるBVDVに対する抗ウイルス活性に関して相乗的であった。本発明の化合物をリバビリンと組合せて試験した場合には、有意な拮抗活性は認められなかった。化合物C及びOは、シクロスポリンAよりもより相乗的であり、シクロスポリンAの相乗容積よりも25%より大きい相乗容積を有した。
(BVDVアッセイにおけるIFN-αとの薬物組合せの結果)
抗-BVDVの相加的相互作用が、化合物C又はCsAのIFN-αとの組合せにおいて明らかであった。化合物Oは、IFN-αと相乗的相互作用を示した。拮抗的細胞毒性は、化合物O+IFN-α、又は化合物C+IFN-αの組合せから生じ、したがってこのことは、これらの化合物を併用した場合の標的細胞への毒性は、各化合物単独での毒性と比べ低下したことを示した。相乗的毒性、すなわち各化合物単独と比べ、組合せた場合の毒性の増加は、CsA+IFN-αで認められた。
本明細書に引用された全ての刊行物及び特許出願は、それぞれ個々の刊行物又は特許出願が具体的かつ個別に参照により組み込まれるように示されたかのように、参照により本明細書に組み込まれる。本発明を様々な好ましい実施態様によって記述したが、その趣旨から逸脱することなく、様々な修正、置換、省略、及び変更を実施できることを当業者なら理解するであろう。したがって、本発明の範囲は、その等価物を含めて、特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。
(4. 図面の簡単な説明)
図1Aは、化合物O及びIFNαの組合せに関する抗ウイルス相乗容積を提供し; 図1Bは、化合物T及びIFNαの組合せに関する抗ウイルス相乗容積を提供し;及び 図1Cは、シクロスポリンA及びIFNαの組合せに関する抗ウイルス相乗容積を提供する。 図2は、化合物O及び2'-C-メチル-シチジンの組合せに関する抗ウイルス相乗容積を提供する。 図3Aは、化合物O及び化合物3の組合せに関する抗ウイルス相乗容積を提供し; 図3Bは、化合物O及び化合物3の組合せに関する細胞毒性容積を提供する。

Claims (12)

  1. 治療又は予防を必要とする対象のC型肝炎ウイルス感染を治療又は予防するための医薬組成物であって、3-[(R)-2-(N,N-ジメチルアミノ)エチルチオ-Sar]-4-(γ-ヒドロキシメチルロイシン)シクロスポリン、又は医薬として許容し得るその塩若しくは溶媒和物を、第二の作用剤、又は医薬として許容し得るその塩若しくは溶媒和物と共に含み、
    該第二の作用剤が、
    (a) (1R,2S,5S)-3-アザビシクロ[3,1,0]ヘキサン-2-カルボキサミド,N-[3-アミノ-1-シクロブチルメチル)-2,3-ジオキソプロピル]-3-[(2S)-2-[[[1,1-ジメチルエチル]アミノ]カルボニルアミノ]-3,3-ジメチル-1-オキソブチル]-6,6-ジメチルである、NS3-4Aプロテアーゼのモジュレーター;
    (b) 2'-C-メチル-シチジンである、NS5B RNA-依存型RNAポリメラーゼのヌクレオシドモジュレーター;
    (c) リバビリン;及び
    (d) インターフェロンIFNαである、免疫調節薬
    からなる群から選択される、前記医薬組成物。
  2. 前記第二の作用剤が、(1R,2S,5S)-3-アザビシクロ[3,1,0]ヘキサン-2-カルボキサミド, N-[3-アミノ-1-シクロブチルメチル)-2,3-ジオキソプロピル]-3-[(2S)-2-[[[1,1-ジメチルエチル]アミノ]カルボニルアミノ]-3,3-ジメチル-1-オキソブチル]-6,6-ジメチルである、請求項1記載の医薬組成物。
  3. 前記第二の作用剤が、IFNαである、請求項1記載の医薬組成物。
  4. リバビリンをさらに組み合わせた、請求項3記載の医薬組成物。
  5. 前記3-[(R)-2-(N,N-ジメチルアミノ)エチルチオ-Sar]-4-(γ-ヒドロキシメチルロイシン)シクロスポリン、又は医薬として許容し得るその塩若しくは溶媒和物、及び第二の作用剤、又は医薬として許容し得るその塩若しくは溶媒和物が、逐次的投与用に製剤されている、請求項1〜4のいずれか1項記載の医薬組成物。
  6. 前記3-[(R)-2-(N,N-ジメチルアミノ)エチルチオ-Sar]-4-(γ-ヒドロキシメチルロイシン)シクロスポリン、又は医薬として許容し得るその塩若しくは溶媒和物、及び第二の作用剤、又は医薬として許容し得るその塩若しくは溶媒和物が、同時投与用に製剤されている、請求項1〜4のいずれか1項記載の医薬組成物。
  7. 前記3-[(R)-2-(N,N-ジメチルアミノ)エチルチオ-Sar]-4-(γ-ヒドロキシメチルロイシン)シクロスポリンが経口投与されるように製剤されている、請求項1〜6のいずれか1項記載の医薬組成物。
  8. 前記3-[(R)-2-(N,N-ジメチルアミノ)エチルチオ-Sar]-4-(γ-ヒドロキシメチルロイシン)シクロスポリンの投与量が約1〜約1000mg/日になるように製剤されている、請求項1〜7のいずれか1項記載の医薬組成物。
  9. 前記3-[(R)-2-(N,N-ジメチルアミノ)エチルチオ-Sar]-4-(γ-ヒドロキシメチルロイシン)シクロスポリンの投与量が約25〜約150mg/日になるように製剤されている、請求項1〜8のいずれか1項記載の医薬組成物。
  10. C型肝炎ウイルス感染を治療又は予防するための、3-[(R)-2-(N,N-ジメチルアミノ)エチルチオ-Sar]-4-(γ-ヒドロキシメチルロイシン)シクロスポリン、又は医薬として許容し得るその塩若しくは溶媒和物、及び第二の作用剤、又は医薬として許容し得るその塩若しくは溶媒和物と共に含むキットであって、
    該第二の作用剤が、
    (a) (1R,2S,5S)-3-アザビシクロ[3,1,0]ヘキサン-2-カルボキサミド,N-[3-アミノ-1-シクロブチルメチル)-2,3-ジオキソプロピル]-3-[(2S)-2-[[[1,1-ジメチルエチル]アミノ]カルボニルアミノ]-3,3-ジメチル-1-オキソブチル]-6,6-ジメチルである、NS3-4Aプロテアーゼのモジュレーター;
    (b) 2'-C-メチル-シチジンである、NS5B RNA-依存型RNAポリメラーゼのヌクレオシドモジュレーター;
    (c) リバビリン;及び
    (d) インターフェロンIFNαである、免疫調節薬
    からなる群から選択される、前記キット。
  11. 前記3-[(R)-2-(N,N-ジメチルアミノ)エチルチオ-Sar]-4-(γ-ヒドロキシメチルロイシン)シクロスポリン、又は医薬として許容し得るその塩若しくは溶媒和物、及び第二の作用剤、又は医薬として許容し得るその塩若しくは溶媒和物が、逐次的投与用に調製されている、請求項10記載のキット。
  12. 前記3-[(R)-2-(N,N-ジメチルアミノ)エチルチオ-Sar]-4-(γ-ヒドロキシメチルロイシン)シクロスポリン、又は医薬として許容し得るその塩若しくは溶媒和物、及び第二の作用剤、又は医薬として許容し得るその塩若しくは溶媒和物が、同時投与用に調製されている、請求項10記載のキット。
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