JP5516870B2 - センターベアリングサポート - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等においてプロペラシャフトを回転自在にかつ弾性的に支持するセンターベアリングサポートに関するものである。
従来から図7に示すように、ベロー部51aを備えるゴム状弾性体51の内周側にベアリング保持環52を設け、このベアリング保持環52の内周側に、ダストや泥水等の外部異物がベアリング53のほうへ侵入するのを抑制するダストシール54を設けたセンターベアリングサポートが知られている(特許文献1参照)。
しかしながらこの従来技術では、ダストシール54が接触式シールであることから、その緊迫力が回転時の抵抗となってしまい、駆動のロスすなわち燃費の低下を招くことになる。
また図8に示すように、ダストシール54を省略して非接触式シールであるラビリンスシール55のみを設定したものがあるが(特許文献2参照)、この従来技術では上記緊迫力の低減は実現できるものの、停車時やあるいは例えばパートタイム4WD等の2駆走行時でシャフトが回転していないときにシール性を期待することができない。
特開平10−100695号公報(図7) 特開2001−280342号公報(図5)
本発明は以上の点に鑑みて、ダストシールが接触式シールであっても回転時に緊迫力を低減させることができ、もって駆動のロスすなわち燃費の低下を抑制することができるとともに、回転停止時のシール性を確保することができるセンターベアリングサポートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1によるセンターベアリングサポートは、ベロー部を備えるゴム状弾性体の内周側にベアリング保持環が設けられ、前記ベアリング保持環の内周側に、外部異物がベアリングのほうへ侵入するのを抑制するダストシールが設けられているセンターベアリングサポートにおいて、前記ダストシールの内周側に、前記ダストシールが摺動自在に密接する摺動部材が設けられ、前記摺動部材は、シャフトに外挿され、前記シャフトに対し駆動手段によって軸方向変位可能とされ、前記軸方向変位に伴って当該摺動部材に対する前記ダストシールの緊迫力が変化するように設定され、すなわち回転停止時には、当該摺動部材に対する前記ダストシールの緊迫力が比較的大きく設定され、回転時、前記駆動手段によって当該摺動部材が軸方向変位したときには、当該摺動部材に対する前記ダストシールの緊迫力が比較的小さくまたは零に設定されることを特徴とする。
また、本発明の請求項2によるセンターベアリングサポートは、上記した請求項1記載のセンターベアリングサポートにおいて、前記摺動部材の軸方向変位に伴って前記摺動部材に対する前記ダストシールの緊迫力が変化するように前記摺動部材はその軸方向一端側と他端側とで外径寸法が異なる形状とされていることを特徴とする。
また、本発明の請求項3によるセンターベアリングサポートは、上記した請求項1または2記載のセンターベアリングサポートにおいて、前記駆動手段は、回転時マスに作用する遠心力を利用するものとされ、すなわち円周方向に分割された複数のマスと、互いに隣り合う前記マス同士を連結した弾性体と、前記マスが径方向変位しようとしたときにこれを軸方向変位に変換する傾斜面を備えたガイド部材と、前記マスおよび摺動部材を連結した連結部材とを有し、前記傾斜面に沿って軸方向変位する前記マスが前記摺動部材を軸方向に牽引しまたは押し戻す構造とされていることを特徴とする。
更にまた、本発明の請求項4によるセンターベアリングサポートは、上記した請求項3記載のセンターベアリングサポートにおいて、前記マスおよび摺動部材を連結した連結部材は弾性体よりなり、前記マスは前記ガイド部材の傾斜面に対し軸方向のみでなく円周方向にも摺動可能とされ、前記弾性体よりなる連結部材と前記円周方向にも摺動可能なマスとによって、シャフトに生じる捩り振動を吸収低減するダイナミックダンパーが構成されていることを特徴とする。
上記構成を備える本発明のセンターベアリングサポートにおいては、ダストシールの内周側に摺動部材が設けられ、この摺動部材は、シャフトに外挿され、シャフトに対し軸方向変位可能とされ、軸方向変位に伴って当該摺動部材に対するダストシールの緊迫力が変化するように設定され、すなわち具体的には、回転停止時には、当該摺動部材に対するダストシールの緊迫力が比較的大きく設定され、回転時、当該摺動部材が軸方向変位したときには、当該摺動部材に対するダストシールの緊迫力が比較的小さくまたは零になるように設定されている。したがって、前者の比較的大きな緊迫力によって回転停止時におけるシール性を確保することができ、その一方で、後者によって回転時における緊迫力の低減を実現することができる。
摺動部材の軸方向変位に伴って摺動部材に対するダストシールの緊迫力が変化する点については、摺動部材が軸方向変位したときに摺動部材がダストシールの内周から一旦離脱する構成でも良いが、この場合には、作動が繰り返されるたびすなわち摺動部材が復帰動するたびにダストシールが摺動部材に乗り上げることになるため、衝撃や変形等によってダストシールが早期に疲労することが懸念される。
これに対し、摺動部材の形状を、摺動部材の軸方向変位に伴って摺動部材に対するダストシールの緊迫力が変化するように摺動部材の軸方向一端側と他端側とで外径寸法が異なる形状とすると、摺動部材は軸方向変位の前後を問わず常にダストシールの内周に位置するため、上記乗り上げ等に伴う不具合の発生を未然に防止することが可能となる。摺動部材の軸方向一端側と他端側とで外径寸法が異なる形状としては例えば、以下の態様がある。
(1)摺動部材の外周面の軸方向中ほどに段差部が設けられ、この段差部を境として、軸方向一端側に比較的大径の円筒面が設けられ、軸方向他端側に比較的小径の円筒面が設けられている。
(2)摺動部材の外周面の軸方向全長ないし略全長に亙って、軸方向一端側から軸方向他端側へかけて外径寸法が徐々に縮小する傾斜面が設けられている。
(3)摺動部材の外周面の軸方向一端側に円筒面が設けられ、この円筒面の軸方向他端側に外径寸法が徐々に縮小する傾斜面が連続して設けられている。
(4)摺動部材の外周面の軸方向一端側に外径寸法が徐々に縮小する傾斜面が設けられ、この傾斜面の軸方向他端側に円筒面が連続して設けられている。
そして、上記いずれの場合も、駆動手段の初期状態においては、ダストシールの内周側に大径の部位が位置してこれにダストシールが密接することによりダストシールの緊迫力が大きめに設定され、この状態から摺動部材が軸方向変位すると、ダストシールの内周側に小径の部位が位置することによりダストシールの緊迫力が小さめにあるいは零に切り換えられる。
また、本発明において、摺動部材は駆動手段によって軸方向変位するものとされている。駆動手段としては、電動モーター等でも良いが、シャフトが回転作動するので、シャフトの回転に伴って発生する遠心力を有効利用することが考えられる。そこで、この場合、駆動手段としては、円周方向に分割された複数のマスと、互いに隣り合うマス同士を連結した弾性体と、マスが径方向変位しようとしたときにこれを軸方向変位に変換する傾斜面を備えたガイド部材と、マスおよび摺動部材を連結した連結部材とを有し、傾斜面に沿って軸方向変位するマスが摺動部材を軸方向に牽引しまたは押し戻す構造とし、このような構造の駆動手段によれば、新たに動力源を設置することなく摺動部材を軸方向変位させることが可能となる。この場合の作動としては、シャフトが回転するとマスが遠心力によって径方向外方へ変位しようとするが、ガイド部材の傾斜面に案内されて斜め外方へ変位し、発生する軸方向ベクトルによって軸方向一方へ変位するため、同方向へ向けて摺動部材を牽引し、摺動部材を軸方向変位させる。またシャフトの回転が停止すると、弾性体の復元力によってマスが復帰動し、これに伴って摺動部材も軸方向に復帰動する。
また、上記駆動手段におけるマスおよび摺動部材を連結した連結部材を弾性体によって構成するとともに、マスをガイド部材の傾斜面に対し軸方向のみでなく円周方向にも摺動可能とすると、連結部材をばね、マスを慣性質量体として、シャフトに生じる捩り振動を吸収低減するダイナミックダンパーが構成される。したがって、このようにダイナミックダンパーが設定されることにより、シャフトに生じる捩り振動を有効に低減することが可能となる。
本発明は、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明においては上記したように、回転停止時、摺動部材に対するダストシールの緊迫力が比較的大きく設定されるとともに、回転時、摺動部材に対するダストシールの緊迫力が比較的小さく設定されまたは零になるように設定されるため、前者により回転停止時におけるシール性を確保することが可能とされ、後者により回転時における緊迫力の低減を実現することが可能とされている。したがって本発明所期の目的どおり、ダストシールが接触式シールであっても回転時に緊迫力を低減させることができ、もって駆動のロスすなわち燃費の低下を抑制することができるとともに、回転停止時のシール性を確保することができるセンターベアリングサポートを提供することができる。
またこれに加えて、連結部材およびマスによってダイナミックダンパーが構成される場合には、シャフトに生じる捩り振動を有効に低減することができる。
本発明の実施例に係るセンターベアリングサポートの半裁断面図 図1の要部拡大図 同センターベアリングサポートの構成要素である駆動手段リング体の一部切り欠きした斜視図 同センターベアリングサポートの作動状態を示す要部断面図 (A)(B)(C)(D)ともそれぞれ、摺動部材の形状例を示す説明図 連結部材の他の例としてのS型マウントの斜視図 従来例に係るセンターベアリングサポートの半裁断面図 他の従来例に係るセンターベアリングサポートの半裁断面図
本発明には、以下の実施形態が含まれる。
(1)本発明は、自動車用(プロペラシャフト用)センターベアリングサポートに関する。
(2)従来、自動車用センターベアリングサポートにおいて、軸受を外部ダストや泥水等より保護するためにシールを設定しているものがあるが、接触式シールにつき、その緊迫力により回転時の抵抗となってしまい、駆動のロスすなわち燃費の低下を招く。また、ダストカバーを用いた非接触のラビリンスシールとしているものもあるが、停車時や例えばパートタイム4WD等の2駆走行時でシャフトが回転していない場合のシール性が期待できない。
(3)そこで、本発明では、ベロー部を備える弾性体(ゴム状弾性体)を介して内環と外環を接続し、内環の内周側に軸受(ベアリング)を嵌着するとともに、ベロー部および内環の内周、軸受の後方に設置された軸受固定部材(ベアリング押え環)の内周側にダストカバーを配置し、内環の内周、軸受固定部材の内周側にシール(ダストシール)を配置したセンターベアリングサポートにおいて、分割マスを弾性体等のばね部材(請求項3における「互いに隣り合うマス同士を連結した弾性体」)で円状に連結し、シール摺動部(請求項3における「摺動部材」)をばね部材(請求項3における「マスおよび摺動部材を連結した連結部材」)によって接合した構造体のマス部を樹脂等のケース(請求項3における「ガイド部材」)に挿入する構造とする。また、マスとケースの接触面には傾斜(外周側傾斜および内周側傾斜)を設ける。また、シール摺動部には、軸方向で径が変化するように段差(または傾斜)を設ける。
(4)以上の構成より、シャフト回転停止時にはシール性を確保し、シャフト回転時には遠心力によるマスの径方向拡大をシール摺動部の軸方向移動に変換してシールの摺動抵抗を減じる、または非接触となることを特徴とするもの。
(5)尚、部品点数を抑えるため、ダストカバーはシール摺動部と一体が望ましい。また、マスとシール摺動部の連結は、S型マウント等の別部品で行なっても良い。
(6)上記構成によると、シャフト回転停止時には、接触したシールおよびシール摺動部により外部ダストや泥水等の侵入を防止することが可能とされ、シャフト回転時には、マスが径方向に拡大しようとするが、傾斜によりマスが軸方向に移動し、マスに連結されたシール摺動部も軸方向に移動する。したがってシール摺動部に設けられた段差(または傾斜)によりシールの締め代を減じること(または非接触化)が可能となり、回転時の抵抗を抑えることができる。また、回転停止時には、ばね部材の復元力での径縮小を傾斜により摺動部を初期位置に復帰させることが可能。
(7)ケース内でマスは回転方向にも摺動可能であり、ダイナミックダンパー効果にて回転変動等によるねじり振動の低減も狙うことができる。
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
図1は、本発明の実施例に係るセンターベアリングサポート1を示している。当該実施例に係るセンターベアリングサポート1は自動車等車両においてプロペラシャフト10を回転自在にかつ弾性的に支持するものであって、以下のように構成されている。
すなわち先ず、当該センターベアリングサポート1を車体(図示せず)側に連結するための外環2が設けられており、この外環2の内周側にベロー部3aを備えるゴム状弾性体3を介して内環4が連結され、内環4の内周側にベアリンク5が嵌合されるとともにベアリング5の後方(図では右方)に位置してベアリング押え環6が嵌合されている。内環4およびベアリング押え環6はこの両者によってベアリング5を保持するベアリング保持環7を形成しており、また両者の内周側にそれぞれ、ダストや泥水等の外部異物がベアリング5のほうへ侵入するのを抑制するダストシール8,9が嵌合されている。ダストシール8,9は、相手部材に対し摺動自在に密接するシールリップを備える接触式のシールである。
軸方向一対のダストシール8,9にあって、内環4に嵌合されたベアリング前方(図では左方)のダストシール8について、以下に詳細を述べる本発明の特徴的構成が適用されている。一方、ベアリング押え環6に嵌合されたベアリング後方のダストシール9は、シャフト10に固定したスリーブ11の外周面に摺動自在に密接する構造とされ、よって以下に述べる本発明の特徴的構成は適用されていない。但し、以下に述べる本発明の特徴的構成は、後者のベアリング押え環6に嵌合されたベアリング後方のダストシール9について適用することが可能であり、また軸方向一対のダストシール8,9の双方に同時に適用することも可能である。以下は、前者の内環4に嵌合されたベアリング前方のダストシール8について、本発明の特徴的構成を適用した例を説明する。
すなわち図2に拡大して示すように、内環4に嵌合されたベアリング前方のダストシール8の内周側に、当該ダストシール8がそのシールリップをもって摺動自在に密接する摺動部材12が設けられており、この摺動部材12は、金属材料によって環状ないし円筒状に成形され、その内径寸法をシャフト10の外径寸法と略同じに設定され、シャフト10に外挿され、シャフト10に対し摺動して軸方向に変位可能とされている。
また、この摺動部材12は、当該摺動部材12が軸方向に変位したときに当該摺動部材12に対するダストシール8の緊迫力が変化するように設定されており、すなわち具体的には、シャフト停止時には、当該摺動部材12に対するダストシール8の緊迫力が比較的大きく設定され、シャフト回転時、当該摺動部材12が軸方向変位したときには、当該摺動部材12に対するダストシール8の緊迫力が比較的小さくまたは零になるように設定されている。
このため、摺動部材12はその軸方向一端側(前方側、図では左側)と軸方向他端側(後方側、図では右側)とで外径寸法が異なる形状とされており、すなわち具体的には、摺動部材12の外周面の軸方向中ほどに環状の段差部12aが設けられ、この段差部12aを境として、軸方向一端側に比較的大径の円筒面(大径側円筒面)12bが設けられ、軸方向他端側に比較的小径の円筒面(小径側円筒面)12cが設けられている。段差部12aとしては、摺動部材12が軸方向変位したときにダストシール8がこの段差部12aを通過しやすいように軸方向一端側から軸方向他端側へかけて径寸法が徐々に縮小する環状の傾斜面とされている。
また、この摺動部材12は、その軸方向一端部に径方向外方へ向けてフランジ部12dを一体に有するとともに、フランジ部12dの外周端部から軸方向他端側へ向けて外周筒部12eを一体に有し、これらにより内環4の軸方向一端部を囲むことによって非接触のラビリンスシール13を形成している。したがって摺動部材12は、ダストカバーとしての機能を兼備するものとされている。
また、この摺動部材12は、当該摺動部材12を軸方向に変位させる駆動手段15によって軸方向に変位するものとされている。
駆動手段15としては、シャフト10が回転作動するので、このシャフト10の回転に伴って発生する遠心力を有効利用するものとされ、このため図3の斜視図に示すように、円周方向に分割された複数のマス16と、互いに隣り合うマス16同士を連結した弾性体17と、マス16が径方向変位しようとしたときにこれを軸方向変位に変換する傾斜面18b,18cを備えたガイド部材18と、マス16および摺動部材12を連結した連結部材19とを有し、傾斜面18b,18cに沿って軸方向変位するマス16が摺動部材12を牽引しまたは押し戻す構造とされている。マス16は金属等所定の質量体によって成形されており、弾性体17はコイルばねでも良いが、当該実施例では所定のゴム状弾性体によって成形されている。
マス16は、複数が等配状に配置され(図では8等配)、互いに隣り合うマス16同士が弾性体17によって連結され、これら複数のマス16および弾性体17の組み合わせによって1つのリング体20が形成されている。弾性体17は円周方向に弾性変形するので、マス16は径方向に変位可能とされ、このようにマス16が径方向に変位することによりリング体20はその径寸法が変化する。また、マス16が径方向外方へ変位してリング体20の径寸法が拡大したとき、弾性体17は円周方向に伸ばされて弾性復元力が発生するので、この弾性復元力が、摺動部材12の軸方向変位を復帰動させるときの動力源として作用する。
連結部材19は、複数が等配状に配置され(図では4等配)、マス16の端面と摺動部材12のフランジ部12dの端面とを接続している。その材質としては、マス16が径方向変位するので、これを許容する必要があり、その一方で、マス16が摺動部材12を牽引し押し戻すので、あまり軸方向に伸縮するものは好ましくなく、よって折衷策として、ばね定数の高いコイルばねでも良いが、当該実施例では、ばね定数の高い所定のゴム状弾性体によって成形されている。
ガイド部材18は、金属材料によって環状に成形されてシャフト10の段差部外周面に嵌合されており、摺動部材12と向き合う端面に開口する環状の凹部18aを備え、この環状凹部18aに、上記マス16および弾性体17の組み合わせよりなるリング体20が摺動可能に内挿されている。
環状凹部18aの内面のうち、外周側の面は、マス16が回転時、遠心力によって径方向外方へ向けて変位しようとしたときにこれを軸方向一方へ向けての変位に変換する傾斜面(外周側の傾斜面)18bとされ、このため、ガイド部材18の軸方向一端側から軸方向他端側へかけて径寸法が徐々に縮小する環状の傾斜面とされている。マス16は回転時、その外周面をもってこの傾斜面18bを滑動し、よって軸方向一方すなわちベアリング5から離れる方向へ向けて変位して、摺動部材12を牽引する。
また、環状凹部18aの内面のうち、内周側の面は、マス16が回転停止時、上記弾性体17の弾性復元力によって径方向内方へ向けて変位しようとしたときにこれを軸方向他方へ向けての変位に変換する傾斜面(内周側の傾斜面)18cとされ、このため上記外周側の傾斜面18bと同様に、ガイド部材18の軸方向一端側から軸方向他端側へかけて径寸法が徐々に縮小する環状の傾斜面とされている。マス16は回転停止時、その内周面をもってこの傾斜面18cを滑動し、よって軸方向他方すなわちベアリング5に近付く方向へ向けて変位して、摺動部材12を押し戻す。
また、上記凹部18aは環状とされ、この環状の凹部18aにリング体20が摺動可能に内挿されているので、マス16はガイド部材18の傾斜面18b,18cに対し軸方向のみでなく円周方向にも摺動可能とされている。また上記したように連結部材19はゴム状弾性体によって成形されている。したがって、ここに連結部材19をばね系とするとともにマス16を慣性質量体として、シャフト10に生じる捩り振動を吸収低減可能なダイナミックダンパー21が構成されている。
上記構成のセンターベアリングサポート1において、シャフト10の回転停止時には、図2に示すように、ダストシール8がそのシールリップをもって摺動部材12の大径側円筒面12bに摺動自在に密接しており、よって摺動部材12に対するダストシール8の緊迫力が比較的大きく設定されている。したがって、優れたシール性が発揮される。
また、シャフト10が回転すると、遠心力によってマス16が径方向外方へ変位しようとするが、図4に示すように、ガイド部材18の外周側傾斜面18bに案内されて斜め外方へ変位し、発生する軸方向ベクトルによって軸方向一方へ変位するため、同方向へ向けて摺動部材12を牽引し、摺動部材12を軸方向変位させる。そして、このように摺動部材12が軸方向変位すると、ダストシール8がそのシールリップをもって摺動部材12の小径側円筒面12cに摺動自在に密接し、これにより摺動部材12に対するダストシール8の緊迫力が低減される。したがって回転中、発生する摺動抵抗が低減されるため、駆動のロスすなわち燃費の低下を抑制することができる。尚、このとき上記したように、リング体20はその径寸法が拡大され、弾性体17に弾性復元力が生じる。
また、シャフト10の回転が停止すると、上記リング体20における弾性体17の弾性復元力によってマス16が径方向内方へ変位しようとするが、ガイド部材18の内周側傾斜面18cに案内されて斜め内方へ変位し、発生する軸方向ベクトルによって軸方向他方へ変位するため、同方向へ向けて摺動部材12を押し戻し、摺動部材12を軸方向に復帰動させる。そして、このように摺動部材12が軸方向に復帰動すると、ダストシール8がそのシールリップをもって再び摺動部材12の大径側円筒面12bに摺動自在に密接し、上記回転停止時おける初動位置に復帰する。
また、回転中、連結部材19およびマス16の組み合わせよりなるダイナミックダンパー21が作動するため、シャフト10に生じる捩り振動を有効に吸収低減させることができる。
尚、上記実施例の説明に対しては、以下の事項を付言することかできる。
(1)上記実施例では説明を簡略にした面もあるが、遠心力によってマス16が変位するには、それなりの回転速度が必要とされる。したがって、回転速度が所定値に達したときにマス16が変位し、回転速度が所定値を下回ったときにマス16が復帰動する。
(2)上記実施例では言及しなかったが、ガイド部材18の傾斜面18b,18cに対するマス16の滑動を円滑化するため、ガイド部材18およびマス16間に潤滑剤(グリス)を塗布または供給する。また、ガイド部材18および/またはマス16の表層にPTFE等の低摺動層を設けたり(コーティングしたり)、あるいはガイド部材18の材質を摺動特性に優れた樹脂等とすることも考えられる。
(3)同じく、シャフト10に対する摺動部材12の摺動(軸方向変位および復帰動)を円滑化するため、ならびに/またはシャフト10および摺動部材12間のシール性を確保するため、シャフト10および摺動部材12間に潤滑剤(グリス)を塗布または供給する。また、シャフト10および/または摺動部材12の表層にPTFE等の低摺動層を設けたり(コーティングしたり)、あるいは摺動部材12の材質を摺動特性に優れた樹脂等とすることも考えられる。
(4)上記実施例では、摺動部材12の軸方向変位(ベアリング5から離れる方向への変位)のストローク限が、摺動部材12がガイド部材18またはシャフト10の段部に当接することによって規定され、反対向きの、摺動部材12の復帰動(ベアリング5に近付く方向への変位)のストローク限が、摺動部材12がベアリング5に当接することによって規定される。しかしながらこれらの規定手段はなんら限定されるものではなく、別途のストッパ手段などを設けても良い。また、シャフト10に対する摺動部材12の相対回転(円周方向変位)を抑制する手段を設けることも考えられる。
(5)上記実施例では、摺動部材12の軸方向一端側と他端側とで外径寸法が異なる形状として、図5(A)に示すように、摺動部材12の外周面の軸方向中ほどに段差部12aが設けられ、段差部12aを境として、軸方向一端側に大径側円筒面12bが設けられ、軸方向他端側に小径側円筒面12cが設けられる構成としたが、このほか、以下のようなものが考えられる。
すなわち図5(B)に示すように、摺動部材12の外周面の軸方向全長ないし略全長に亙って、軸方向一端側から軸方向他端側へかけて径寸法が徐々に縮小する傾斜面12fが設けられる構成。
また、図5(C)に示すように、摺動部材12の外周面の軸方向一端側に円筒面12bが設けられ、この円筒面12bの軸方向他端側に径寸法が徐々に縮小する傾斜面12fが連続して設けられる構成。
また、図5(D)に示すように、摺動部材12の外周面の軸方向一端側に径寸法が徐々に縮小する傾斜面12fが設けられ、この傾斜面12fの軸方向他端側に円筒面12cが連続して設けられる構成。
上記態様はいずれの場合も、駆動手段15の初期状態において、ダストシール8の内周側に大径の部位が位置してこれにダストシール8が密接することによりダストシール8の緊迫力が大きめに設定され、この状態から摺動部材12が軸方向変位すると、ダストシール8の内周側に小径の部位が位置することによりダストシール8の緊迫力が小さめにあるいは零に切り換えられる。但し、これらは単なる例示群であって、これらに限定されるものではない。
(6)また、マス16および摺動部材12を連結する連結部材19として、図6に示すようなS型マウント23を使用することも考えられる。このS型マウント23は一対のボルト付プレート24間にゴム状弾性体25を挟着したものであって、市販品を利用することができ、またボルト付であることから連結作業性に優れている。
1 センターベアリングサポート
2 外環
3,25 ゴム状弾性体
4 内環
5 ベアリング
6 ベアリング押え環
7 ベアリング保持環
8,9 ダストシール
10 シャフト
11 スリーブ
12 摺動部材
12a 段差部
12b 大径側円筒面
12c 小径側円筒面
12d フランジ部
12e 外周筒部
12f,18b,18c 傾斜面
13 ラビリンスシール
15 駆動手段
16 マス
17 弾性体
18 ガイド部材
18a 環状凹部
19 連結部材
20 リング体
21 ダイナミックダンパー
23 S型マウント
24 ボルト付プレート

Claims (4)

  1. ベロー部を備えるゴム状弾性体の内周側にベアリング保持環が設けられ、前記ベアリング保持環の内周側に、外部異物がベアリングのほうへ侵入するのを抑制するダストシールが設けられているセンターベアリングサポートにおいて、
    前記ダストシールの内周側に、前記ダストシールが摺動自在に密接する摺動部材が設けられ、
    前記摺動部材は、シャフトに外挿され、前記シャフトに対し駆動手段によって軸方向変位可能とされ、前記軸方向変位に伴って当該摺動部材に対する前記ダストシールの緊迫力が変化するように設定され、すなわち回転停止時には、当該摺動部材に対する前記ダストシールの緊迫力が比較的大きく設定され、回転時、前記駆動手段によって当該摺動部材が軸方向変位したときには、当該摺動部材に対する前記ダストシールの緊迫力が比較的小さくまたは零に設定されることを特徴とするセンターベアリングサポート。
  2. 請求項1記載のセンターベアリングサポートにおいて、
    前記摺動部材の軸方向変位に伴って前記摺動部材に対する前記ダストシールの緊迫力が変化するように前記摺動部材はその軸方向一端側と他端側とで外径寸法が異なる形状とされていることを特徴とするセンターベアリングサポート。
  3. 請求項1または2記載のセンターベアリングサポートにおいて、
    前記駆動手段は、回転時マスに作用する遠心力を利用するものとされ、すなわち円周方向に分割された複数のマスと、互いに隣り合う前記マス同士を連結した弾性体と、前記マスが径方向変位しようとしたときにこれを軸方向変位に変換する傾斜面を備えたガイド部材と、前記マスおよび摺動部材を連結した連結部材とを有し、前記傾斜面に沿って軸方向変位する前記マスが前記摺動部材を軸方向に牽引しまたは押し戻す構造とされていることを特徴とするセンターベアリングサポート。
  4. 請求項3記載のセンターベアリングサポートにおいて、
    前記マスおよび摺動部材を連結した連結部材は弾性体よりなり、前記マスは前記ガイド部材の傾斜面に対し軸方向のみでなく円周方向にも摺動可能とされ、前記弾性体よりなる連結部材と前記円周方向にも摺動可能なマスとによって、シャフトに生じる捩り振動を吸収低減するダイナミックダンパーが構成されていることを特徴とするセンターベアリングサポート。
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