以下、図面を参照して、本発明の浴室換気装置である換気装置の実施の形態について説明する。
<本実施の形態の換気装置の構成例>
図1は、本実施の形態の換気装置の一例を示す構成図、図2は、本実施の形態の換気装置の設置例を示す構成図で、本実施の形態の換気装置の一例として、浴室換気乾燥暖房装置について説明する。
換気装置1Aは、本例では浴室100に設置される浴室換気乾燥暖房装置であり、空気を吸い込んで循環させる循環ファン11と、空気を吸い込んで排気する換気ファン12を備える。循環ファン11は送風手段の一例で、回転軸の向きを鉛直方向として循環ファンモータ11Mに取り付けられ、循環ファン11の接線方向に沿った風路を形成する循環ファンケース11a内に配置される。
本体部10の下面には、循環ファン11の軸方向に沿った循環ファンケース11aの下面に循環ファン吸込口11bが形成され、循環ファン11の接線方向に沿った風路とつながる循環ファン吹出口11cが形成される。
循環ファンモータ11Mにより循環ファン11が回転駆動されると、循環ファン吸込口11bから空気が吸い込まれ、循環ファン吸込口11bから吸い込まれた空気が、循環ファン吹出口11cから吹き出される。
換気装置1Aは、ヒータ10Hを備える。ヒータ10Hは加熱手段の一例で、例えばPTCヒータが用いられ、循環ファン吹出口11cの近傍に取り付けられる。これにより、循環ファン11を回転駆動すると共にヒータ10Hに通電すると、循環ファン吹出口11cから温風が吹き出す。
換気ファン12は送風手段の一例で、回転軸の向きを鉛直方向として換気ファンモータ12Mに取り付けられ、換気ファン12の接線方向に沿った風路を形成する換気ファンケース12a内に配置される。
換気ファンケース12aの上面には、換気ファン12の軸方向に沿った上側に換気ファン吸込口12bが形成され、換気ファンケース12aの側面には、換気ファン12の接線方向に沿った風路とつながる換気ファン吹出口12cが形成される。
換気ファンモータ12Mにより換気ファン12が回転駆動されると、換気ファン吸込口12bから空気が吸い込まれ、換気ファン吸込口12bから吸い込まれた空気が、換気ファン吹出口12cから吹き出される。
換気装置1Aの本体部10は、循環ファンケース11aと換気ファンケース12aが収容される本体ケース13を備える。本体ケース13は、例えば鉄等の金属で構成され、循環ファンケース11aの上側に換気ファンケース12aが重なる形態で取り付けられる。
換気装置1Aは、本体ケース13の一の側面に、換気ファン吹出口12cとつながる排気口13EAが形成され、排気口13EAに排気ダクトジョイント14EAが取り付けられる。
また、換気装置1Aは、本体ケース13の他の側面に、本体ケース13の内側で循環ファンケース11a及び換気ファンケース12aの上側に形成される風路により換気ファン吸込口12bと繋がる1個または2個の副吸込口13BAが形成され、副吸込口13BAに副吸込ダクトジョイント14BAが取り付けられる。
換気装置1Aは、換気ファンケース12aの側部に形成された風路により、換気ファン吸込口12bとつながる換気吸込口15EAが、本体部10の下面に形成され、換気吸込口15EAを開閉する風量調整装置16Aを備える。
風量調整装置16Aは、換気吸込口15EAを開閉する第1の吸込口開閉ダンパ16EA1と、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1と並列して配置され、換気吸込口15EAを開閉する第2の吸込口開閉ダンパ16EA2と、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2を駆動するダンパモータ16Mを有したダンパ駆動部20Aを備える。
風量調整装置16Aは、ダンパモータ16Mに駆動される第1の吸込口開閉ダンパ16EA1と第2の吸込口開閉ダンパ16EA2で換気吸込口15EAを閉じると、図2に示す浴室100からの空気の吸い込みが停止される。
また、風量調整装置16Aは、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1と第2の吸込口開閉ダンパ16EA2で換気吸込口15EAを開くと、浴室100から空気が吸い込まれ、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1と第2の吸込口開閉ダンパ16EA2の開度を調整することで、浴室100から吸い込まれる空気の量が調整される。
換気装置1Aは、本体部10の下面にフロントパネル17が着脱可能に取り付けられる。フロントパネル17は、循環ファン吸込口11b及び換気吸込口15EAと対向して吸込口グリル17aが形成され、循環ファン吹出口11cと対向して吹出口グリル17bが形成される。
換気装置1Aは、図2に示すように、本体部10に取り付けられたフロントパネル17が、浴室100の天井パネル101に露出する形態で、本体部10が天井パネル101に設置される。
また、換気装置1Aは、排気ダクトジョイント14EAに排気ダクト18EAが接続される。更に、換気装置5は、副吸込ダクトジョイント14BAに副吸込ダクト18BAが接続される。
換気装置1Aは、図示しない建物の外壁に、排気ダクト18EAに接続される屋外グリル19EAが設置される。また、換気装置1Aは、浴室100に隣接した洗面脱衣室110に、副吸込ダクト18BAに接続される副吸込グリル19BAが設置される。なお、トイレ等の図示しない他室に、副吸込ダクトに接続される副吸込グリルが設置されていても良い。
<本実施の形態の風量調整装置の構成例>
図3は、本実施の形態の風量調整装置の一例を示す側面図、図4は、本実施の形態の風量調整装置の一例を示す平面図であり、次に、換気装置1Aに取り付けられる風量調整装置の詳細について説明する。
本実施の形態の風量調整装置16Aは、上述したように、換気吸込口15EAを開閉する第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2と、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2を駆動するダンパ駆動部20Aを備える。
換気吸込口15EAは風路開口部の一例で、ダンパフレーム30Aに所定の形状の開口を形成して構成される。ダンパフレーム30Aは、換気吸込口15EAが形成される風路形成枠部31Aと、ダンパ駆動部20Aが実装される実装部32Aを備える。ダンパフレーム30Aは、所定の樹脂材料で一体に成型された部品、または、所定の樹脂材料で成型された部品の組み合わせで構成される。
風路形成枠部31Aは、空気が通る方向に沿って所定の高さを有し、風路形成枠部31Aに囲まれた空間で換気吸込口15EAが形成される。実装部32Aは、風路形成枠部31Aの対向する側面部33の一方の外側に、換気吸込口15EAと独立した空間を設けて構成される。
第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2は風路調整部材の一例で、2枚のダンパで換気吸込口15EAの形状に合わせた平板状の部品で構成される。第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2は、所定の樹脂材料で一体に成型された部品、または、所定の樹脂材料で成型された部品の組み合わせで構成される。
第1の吸込口開閉ダンパ16EA1は、換気吸込口15EAを開閉する回転動作の支点となる軸16aを備える。第1の吸込口開閉ダンパ16EA1は、ダンパフレーム30Aの対向する側面部33に形成された軸受部34aに軸16aが支持され、軸16aを支点とした回転動作で換気吸込口15EAを開閉する。
第2の吸込口開閉ダンパ16EA2は、換気吸込口15EAを開閉する回転動作の支点となる軸16bを備える。第2の吸込口開閉ダンパ16EA2は、ダンパフレーム30Aの側面部33に形成された軸受部34bに軸16bが支持され、軸16bを支点とした回転動作で換気吸込口15EAを開閉する。
ダンパ駆動部20Aは、ダンパモータ16Mと、ダンパモータ16Mの駆動軸に取り付けられた駆動ギア21と、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1の軸16aに取り付けられた第1のダンパギア22Aと、第2の吸込口開閉ダンパ16EA2の軸16bに取り付けられた第2のダンパギア22Bを備える。
ダンパモータ16Mは、本例ではステッピングモータであり、ダンパフレーム30Aの実装部32Aに取り付けられる。なお、ダンパフレーム30Aにおいて、ダンパモータ16Mが取り付けられる部位の実装部32Aは、風路形成枠部31A側の突出する構成とすることで、ダンパフレーム30Aの外側方向にダンパモータ16Mが突出しない構成としてあり、風量調整装置の小型化が図られる。
第1のダンパギア22Aは、実装部32Aに突出した第1の吸込口開閉ダンパ16EA1の一方の軸16aに取り付けられ、駆動ギア21とかみ合う。第1のダンパギア22Aは、駆動ギア21に対して大径で歯数の多いギアで、駆動ギア21と第1のダンパギア22Aの組み合わせで所定の減速比を得る構成である。そして、第1のダンパギア22Aは、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1の回転動作角度に応じた半円形状等の円弧の一部で構成され、占有面積の小型化が図られる。
第2のダンパギア22Bは、実装部32Aに突出した第2の吸込口開閉ダンパ16EA2の一方の軸16bに取り付けられ、第1のダンパギア22Aとかみ合う。第2のダンパギア22Bは、第1のダンパギア22Aと同径で同じ歯数のギアで、第1のダンパギア22Aと第2のダンパギア22Bの組み合わせで回転方向を逆転させる構成である。第2のダンパギア22Bは、第2の吸込口開閉ダンパ16EA2の回転動作角度に応じた半円形状等の円弧の一部で構成され、占有面積の小型化が図られる。
ダンパモータ16Mが回転すると、ダンパモータ16Mの駆動力が第1のダンパギア22Aに伝達され、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1が軸16aを支点に回転する。また、第1のダンパギア22Aが回転することで、ダンパモータ16Mの駆動力が第1のダンパギア22Aを介して第2のダンパギア22Bに伝達され、第2の吸込口開閉ダンパ16EA2が軸16bを支点に回転する。
これにより、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2で換気吸込口15EAを閉じる閉位置から、換気吸込口15EAを開く開位置まで、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2の連動した逆方向への回転動作で、換気吸込口15EAが開閉される。
風量調整装置16Aは、第1のダンパギア22Aに形成された突き当て部23が突き当てられる突き当て突部25を実装部32Aに備える。突き当て突部25は、換気吸込口15EAを閉じる閉位置まで第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2を回転させると、第1のダンパギア22Aの突き当て部23が突き当てられる位置に形成される。これにより、閉位置まで回転させた第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2の位置が規制される。
<本実施の形態の換気装置の動作例>
次に、各図を参照して、本実施の形態の換気装置及び風量調整装置の動作例について説明する。換気装置1Aは、フロントパネル17から本体部10に空気を吸い込み、吸い込んだ空気をフロントパネル17から吹き出す機能、フロントパネル17から吹き出す空気を加熱する機能、及び、フロントパネル17及び副吸込グリル19BAから副吸込ダクト18BAを通して本体部10に吸い込んだ空気を、排気ダクト18EAへ吹き出す機能を有する。
これにより、換気装置1Aは、浴室100の空気をフロントパネル17から本体部10に吸い込み、ヒータ10Hに通電して加熱した空気をフロントパネル17から浴室100に吹き出すことで、浴室100に温風を吹き出す暖房モードが実行される。
また、換気装置1Aは、フロントパネル17から本体部10に吸い込んだ浴室100の空気、及び、副吸込グリル19BAから副吸込ダクト18BAを通して本体部10に吸い込んだ他室の空気を、排気ダクト18EAを通して屋外グリル19EAから屋外に排気することで、浴室100等の空気を排気する換気モードが実行される。
更に、換気装置1Aは、浴室100内の空気を循環させながら、ヒータ10Hに通電して温風を吹き出す動作と、浴室100内の空気を排気する動作を行うことで、衣類や浴室100等を乾燥させる乾燥モードが実行される。また、ヒータ10Hに通電せずに浴室100内の空気を循環させながら浴室100内の空気を排気する動作を行うことで、夏場の入浴時等を涼しくする涼風モードが実行される。
暖房モードでは、ヒータ10Hに通電すると共に、循環ファンモータ11Mを駆動する。また、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2を回転動作で閉位置に移動させて換気吸込口15EAを閉じ、換気ファンモータ12Mを駆動する。
風量調整装置16Aの第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2を閉じる動作では、ダンパモータ16Mが矢印a1方向に回転すると、駆動ギア21とかみ合う第1のダンパギア22Aが、駆動ギア21の回転方向と逆向きの矢印b1方向に回転する。
第1のダンパギア22Aが矢印b1方向に回転すると、第1のダンパギア22Aとかみ合う第2のダンパギア22Bが、第1のダンパギア22Aの回転方向と逆向きの矢印c1方向に回転する。よって、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1と第2の吸込口開閉ダンパ16E2は、逆向きに回転しながら、換気吸込口51EAを閉じる。
これにより、フロントパネル17の吸込口グリル17aから、浴室100の空気が循環ファン11で吸い込まれ、循環ファン11で吸い込まれた空気がヒータ10Hで加熱されて、フロントパネル17の吹出口グリル17bから、浴室100に温風が吹き出される。
また、洗面脱衣室110に設置した副吸込グリル19BAから、副吸込ダクト18BAを通して他室の空気が換気ファン12で吸い込まれ、排気ダクト18EAを通して屋外グリル19EAから屋外に排気される。
暖房モードでは、換気吸込口15EAを第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2で閉じていることで、フロントパネル17の吸込口グリル17aから、換気ファン12で浴室100の空気は吸い込まれず、暖められた浴室100内の空気が排気されないようにしている。
換気モードでは、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2を回転動作で開位置に移動させて換気吸込口15EAを開き、換気ファンモータ12Mを駆動する。循環ファンモータ11Mは駆動しない。
風量調整装置16Aの第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2を開く動作では、ダンパモータ16Mが矢印a2方向に回転すると、駆動ギア21とかみ合う第1のダンパギア22Aが、駆動ギア21の回転方向と逆向きの矢印b2方向に回転する。
第1のダンパギア22Aが矢印b2方向に回転すると、第1のダンパギア22Aとかみ合う第2のダンパギア22Bが、第1のダンパギア22Aの回転方向と逆向きの矢印c2方向に回転する。よって、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1と第2の吸込口開閉ダンパ16E2は、逆向きに回転しながら、換気吸込口51EAを開く。
これにより、フロントパネル17の吸込口グリル17aから、浴室100の空気が換気ファン12で吸い込まれ、排気ダクト18EAを通して屋外グリル19EAから屋外に排気される。また、副吸込グリル19BAから、副吸込ダクト18BAを通して他室の空気が換気ファン12で吸い込まれ、排気ダクト18EAを通して屋外グリル19EAから屋外に排気される。
乾燥モードでは、ヒータ10Hに通電すると共に、循環ファンモータ11Mを駆動する。また、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2を開位置に移動させて換気吸込口15EAを開き、換気ファンモータ12Mを駆動する。
これにより、フロントパネル17の吸込口グリル17aから、浴室100の空気が循環ファン11で吸い込まれ、循環ファン11で吸い込まれた空気がヒータ10Hで加熱されて、フロントパネル17の吹出口グリル17bから、浴室100に温風が吹き出される。
また、フロントパネル17の吸込口グリル17aから、浴室100の空気が換気ファン12で吸い込まれ、排気ダクト18EAを通して屋外グリル19EAから屋外に排気される。更に、洗面脱衣室110に設置した副吸込グリル19BAから、副吸込ダクト18BAを通して他室の空気が換気ファン12で吸い込まれ、排気ダクト18EAを通して屋外グリル19EAから屋外に排気される。
涼風モードでは、ヒータ10Hに通電せずに、循環ファンモータ11Mを駆動する。また、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2を開位置に移動させて換気吸込口15EAを開き、換気ファンモータ12Mを駆動する。
これにより、フロントパネル17の吸込口グリル17aから浴室100の空気が循環ファン11で吸い込まれ、循環ファン11で吸い込まれた空気が、フロントパネル17の吹出口グリル17bから浴室100に吹き出される。
また、フロントパネル17の吸込口グリル17aから、浴室100の空気が換気ファン12で吸い込まれ、排気ダクト18EAを通して屋外グリル19EAから屋外に排気される。更に、洗面脱衣室110に設置した副吸込グリル19BAから、副吸込ダクト18BAを通して他室の空気が換気ファン12で吸い込まれ、排気ダクト18EAを通して屋外グリル19EAから屋外に排気される。
さて、上述した換気モード、乾燥モード及び涼風モードでは、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2を開位置に移動させて換気吸込口15EAを開くことで、浴室100内の空気が換気吸込口15EAから吸い込まれる。
これにより、水分を含んだ空気が換気吸込口15EAから吸い込まれる。また、浴室100や洗面脱衣室110で、入浴剤やヘアスプレー等が使用された場合、その成分を含む空気が換気吸込口15EAから吸い込まれる。
水分等を含む空気が換気吸込口15EAから吸い込まれると、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2と、換気吸込口15EAの内面等に、カルキ等の粘着性のある成分が付着する。
閉位置に移動した第1の吸込口開閉ダンパ16EA1と第2の吸込口開閉ダンパ16E2は、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1の一方の端部がダンパフレーム30Aの風路形成枠部31Aと対向し、第2の吸込口開閉ダンパ16EA2の一方の端部がダンパフレーム30Aの風路形成枠部31Aと対向する。また、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1と第2の吸込口開閉ダンパ16E2の他方の端部同士が対向する。
このため、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1と第2の吸込口開閉ダンパ16E2を閉位置に移動させると、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2と換気吸込口15EAの隙間、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1と第2の吸込口開閉ダンパ16EA2の隙間等に、粘着成分が付着する場合がある。
第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2と換気吸込口15EAの隙間、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1と第2の吸込口開閉ダンパ16EA2の隙間等に粘着成分等が付着した状態で、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2を回転動作で開くと、固着を剥離するために力が必要となる。
そこで、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1と第2の吸込口開閉ダンパ16E2を、逆向きの回転動作で換気吸込口51EAを開く構成とすることで、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2と換気吸込口15EAの間で固着を剥離する動作での負荷のピークと、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1と第2の吸込口開閉ダンパ16EA2の間で固着を剥離する動作での負荷のピークをずらす。
図5は、吸込口開閉ダンパの変位を示す動作説明図である。第1の吸込口開閉ダンパ16EA1と第2の吸込口開閉ダンパ16E2の回転方向が異なると、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1と第2の吸込口開閉ダンパ16EA2の先端間距離Aは、図6にX方向で示す水平方向に開く。これに対し、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2と換気吸込口15EAの先端間距離Bは、図6にX方向で示す水平成分とY方向で示す垂直成分が合成した斜め方向に開く。
第1の吸込口開閉ダンパ16EA1と第2の吸込口開閉ダンパ16E2において、軸から先端までの距離をr、ダンパの開度をθとすると、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1と第2の吸込口開閉ダンパ16EA2の先端間距離Aは、以下の(1)式で表される。また、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2と換気吸込口15EAの先端間距離Bは、以下の(2)式で表される。
A=2r(1−cosθ)・・・(1)
B=2rsinθ/2・・・(2)
第1の吸込口開閉ダンパ16EA1と第2の吸込口開閉ダンパ16E2の回転方向が異なると、全閉位置から開位置に移動する動作で、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1と第2の吸込口開閉ダンパ16E2の先端間距離Aの移動量は、開度θが小さい開き始めでは少なく、開度θが大きくなってくると、先端間距離Aの移動量が大きくなる。
一方、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16E2と、換気吸込口15EAの先端間距離Bは、開き始めから一定の割合で変化し、先端間距離A<先端間距離Bの関係が成り立つ。
図6は、粘着物に掛かる応力と歪みの関係を示すグラフである。浴室内の空気中に含まれる粘着物では、引っ張りによる応力と歪みは略正比例の関係であり、図6の例では、2mm程度まで引き伸ばされると破断することが判る。
このため、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1と第2の吸込口開閉ダンパ16E2を開く動作では、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1と第2の吸込口開閉ダンパ16EA2の先端間距離Aと、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2と換気吸込口15EAの先端間距離Bが徐々に広がる過程で、ダンパ駆動部20Aに掛かる負荷が増大する。
図7は、本実施の形態におけるダンパ開度と距離及び応力の関係を示すグラフである。第1の吸込口開閉ダンパ16EA1と第2の吸込口開閉ダンパ16E2の回転方向が異なると、先端間距離A<先端間距離Bの関係が成り立つ。
これにより、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1と第2の吸込口開閉ダンパ16EA2が全閉位置から開く動作で、開度θが小さい開き始めの開度α1の領域では、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2と換気吸込口15EAの先端間距離Bの増加量に対し、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1と第2の吸込口開閉ダンパ16EA2の先端間距離Aの増加量が少ない。
従って、開度α1の領域では、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2と、換気吸込口15EAの間で発生する粘着応力は徐々に大きくなるが、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1と第2の吸込口開閉ダンパ16EA2の間で発生する粘着応力は小さく、増加量も少ない。
よって、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2と換気吸込口15EAの先端間距離Bが増加して固着が剥離する過程では、粘着応力の和は低く抑えられる。
第1の吸込口開閉ダンパ16EA1と第2の吸込口開閉ダンパ16EA2が開く動作で、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2と換気吸込口15EAの間の固着が剥離した後の開度α2の領域では、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1と第2の吸込口開閉ダンパ16EA2の先端間距離Aの移動量が増加する。
これにより、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1と第2の吸込口開閉ダンパ16EA2の間の固着が剥離する。
従って、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2と換気吸込口15EAの間で固着を剥離する動作での負荷のピークと、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1と第2の吸込口開閉ダンパ16EA2の間で固着を剥離する動作での負荷のピークをずらすことができ、固着が発生しているような場合に、これを確実に剥離できる。また、ダンパ駆動部20Aに掛かる負荷が軽減され、装置の長寿命化を図ることができる。
なお、図5に一点鎖線で示すように、2枚の吸込口開閉ダンパが同じ方向に回転する構成では、2枚の吸込口開閉ダンパの先端間距離Cが、開き始めから一定の割合で変化し、先端間距離B<先端間距離Cの関係が成り立つ。
図8は、比較例として、吸込口開閉ダンパが同じ方向に回転する構成におけるダンパ開度と距離及び応力の関係を示すグラフである。比較例では、2枚の吸込口開閉ダンパが全閉位置から開く動作で、開度θが小さい開き始めの開度β1の領域では、第1の吸込口開閉ダンパ及び第2の吸込口開閉ダンパと換気吸込口の先端間距離Bの増加量に対し、第1の吸込口開閉ダンパと第2の吸込口開閉ダンパの先端間距離Cの増加量が大きい。
これにより、開度β1の領域では、第1の吸込口開閉ダンパと第2の吸込口開閉ダンパの間で発生する粘着応力が大きく、また、第1の吸込口開閉ダンパ及び第2の吸込口開閉ダンパと、換気吸込口の間で発生する粘着応力も徐々に大きくなる。よって、固着応力の和が大きくなる。
従って、第1の吸込口開閉ダンパ及び第2の吸込口開閉ダンパ16と換気吸込口の間で固着を剥離する動作での負荷のピークと、第1の吸込口開閉ダンパと第2の吸込口開閉ダンパの間で固着を剥離する動作での負荷のピークが重なり、負荷が大きくなる。
以上のように、本実施の形態では、吸込口開閉ダンパが同じ方向に回転する構成と比較して、固着の剥離に必要な力を低く抑えられることで、ダンパ駆動部20Aで発生する力に対し、余力を持たせることができる。これにより、ダンパモータ16Mとして小型のものを使用することも可能で、装置の小型化が可能となる。
また、ダンパモータ16Mの駆動軸に直接吸込口開閉ダンパを取り付けるのではなく、ダンパモータ16Mの駆動ギア21と、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1の第1のダンパギア22Aの組み合わせで所定の減速比を得る構成である。
これにより、ダンパモータ16Mで発生するトルクを増幅でき、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2がより大きな作動トルクで回転できるので、固着が発生している場合に、これを確実に剥離できるようになる。