JP5515859B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
開口部がタイヤ周方向に沿って直線状であり、かつ、タイヤ周方向に沿って溝壁が凹凸状であるショルダー側周方向溝と、前記ショルダー側周方向溝と、前記ショルダー側周方向溝よりもタイヤ幅方向外方のリブとの間に、タイヤ周方向に沿って形成される直線状の細溝と、を備え、前記ショルダー側周方向溝の溝壁は、前記細溝の開口部のエッジから前記ショルダー側周方向溝の溝底に向かって傾斜した傾斜溝の溝壁である、ことを特徴とする。
以下、本実施形態の空気入りタイヤについて、詳細に説明する。
以下に説明する実施形態の空気入りタイヤは、JATMA YEAR BOOK 2008(日本自動車タイヤ協会規格)のC章に規定されているトラック及びバス用の重荷重用タイヤに適用することができる。
また、図1に示されるように、本実施形態の空気入りタイヤは、ショルダー側周方向溝12とショルダーリブ32との間に、タイヤ周方向に沿う直線状の細溝20を備える。また、本実施形態の空気入りタイヤは、ショルダー側周方向溝12と、ショルダー側周方向溝12よりもタイヤ幅方向内方のリブ30との間にも、タイヤ周方向に沿う直線状の細溝20を備える。
図2及び図3に示されるように、ショルダー側周方向溝12の開口部は、タイヤ周方向に沿って直線状である。ショルダー側周方向溝12の開口部の幅は、例えば、15mmである。また、図2に示されるように、ショルダー側周方向溝12の溝底14は、タイヤ周方向に沿って蛇行した形状である。また、図2及び図3に示されるように、ショルダー側周方向溝12の溝壁16は、タイヤ周方向に沿って凹凸状である。また、図3に示されるように、ショルダー側周方向溝12の溝壁16は、対向する溝壁16の方向へ傾斜している。そのため、ショルダー側周方向溝12の溝幅は、開口部から溝底14に向かうに従って狭くなる。また、図3に示されるように、溝壁16が傾斜する角度はタイヤ周方向に沿って異なる。そのため、ショルダー側周方向溝12の溝壁16は、タイヤ周方向に沿った凹凸状となる。溝底14の幅は、例えば、2mmである。
細溝20の幅Wは、0.5mm以上2.0mm以下であることが好ましい。細溝20の幅Wを、0.5mm以上2.0mm以下とすることにより、ショルダー摩耗の発生をより抑制することができる。
また、細溝20の深さdは、ショルダー側周方向溝12の深さDの0.5倍以上1.0倍以下であることが好ましい。細溝20の深さdを、ショルダー側周方向溝12の深さDの0.5倍以上1.0倍以下とすることにより、ショルダー摩耗の発生をより抑制することができる。
なお、本実施形態では、複数の周方向溝10のうち、ショルダー側周方向溝12のみを図2及び図3を参照して説明した形状としたが、更に、ショルダー側周方向溝12以外の周方向溝10の形状を図2及び図3を参照して説明した形状としてもよい。
次に、変形例1の空気入りタイヤについて説明する。本変形例の空気入りタイヤは、ショルダー側周方向溝12の溝壁16の傾斜角度が上述した実施形態とは異なる。その他の構成は、上述した実施形態と同様である。以下、上述した実施形態と同様である部分の説明は省略し、上述した実施形態と異なるショルダー側周方向溝12の形状について、図4を参照して詳細に説明する。
上述した実施形態において、ショルダー側周方向溝12の溝底14は、タイヤ周方向に沿って蛇行した形状である。本変形例のショルダー側周方向溝12は、溝底14の形状が上述した実施形態と異なる。空気入りタイヤのその他の構成は、上述した実施形態と同様であるため、説明を省略する。以下、図5を参照して、本変形例の空気入りタイヤのショルダー側周方向溝12の形状について説明する。
上述した実施形態において、タイヤ周方向からショルダー側周方向溝12を投影したとき、細溝20と溝底14との間のトレッド部の形状は三角形である。本変形例の空気入りタイヤは、タイヤ周方向からショルダー側周方向溝12を投影したとき、細溝20と溝底14との間のトレッド部の形状が上述した実施形態と異なる。空気入りタイヤのその他の構成は、上述した実施形態と同様であるため、説明を省略する。以下、図6を参照して、本変形例の空気入りタイヤのショルダー側周方向溝12の形状について説明する。
なお、以上説明した実施形態や変形例は、適宜組み合わせることができる。
各テストタイヤが装着された試験車両でテストコースを10万km走行し、センター部のリブとショルダーリブの摩耗量を測定した。センター部のリブとショルダーリブの摩耗量の差を、従来例を100とする指数値で評価した。この値が大きい程ショルダー摩耗の発生が少なく、耐ショルダー摩耗性に優れている。
各テストタイヤが装着された試験車両で高さ200mmの縁石を旋回しながら20回乗り上げた。その後、各テストタイヤのショルダーリブに発生したリブティアを測定した。
従来例、実施例1〜5の空気入りタイヤを用いて、ショルダー側周方向溝12の深さDに対する、溝底14から投影交点18までの高さhの比h/Dを変えることの効果を調べた。
まず、図7を参照して、従来例の空気入りタイヤについて説明する。図7は、従来例の空気入りタイヤのトレッドパターンを示す図である。
従来例の空気入りタイヤは、ショルダー側周方向溝12とショルダーリブ32の間に細溝が形成されていない点が変形例1と異なる。また、従来例の空気入りタイヤは、ショルダー側周方向溝12と、ショルダー側周方向溝12よりもタイヤ幅方向内方のリブ30との間に細溝が形成されていない点が変形例1と異なる。その他の構成については、変形例1と同様である。従来例の空気入りタイヤは、h/Dが0.60である。
実施例1の空気入りタイヤのh/Dは、0.40である。
実施例2の空気入りタイヤのh/Dは、0.45である。
実施例3の空気入りタイヤのh/Dは、0.60である。
実施例4の空気入りタイヤのh/Dは、0.70である。
実施例5の空気入りタイヤのh/Dは、0.75である。
表1の結果から、実施例1〜5において、従来例の空気入りタイヤに比べて耐ショルダー摩耗性が向上することが分かる。これは、実施例1〜5の空気入りタイヤが細溝20を備えることにより、ショルダー摩耗の発生を抑制できることを示す。
また、表1の結果から、0.45≦h/D≦0.70を満たす実施例2〜4において、耐ショルダー摩耗性がより向上することが分かる。
なお、いずれの実施例においても、耐リブティア性が従来例よりも劣ることはなかった。
従来例、実施例3,6〜9の空気入りタイヤを用いて、細溝20の幅Wを変えることの効果を調べた。
実施例3,6〜9の空気入りタイヤのh/Dは、いずれも0.60である。また、実施例3,6〜9の空気入りタイヤのd/Dは、いずれも1.0である。
実施例6の空気入りタイヤのWは、0.4mmである。
実施例7の空気入りタイヤのWは、0.5mmである。
実施例3の空気入りタイヤのWは、1.0mmである。
実施例8の空気入りタイヤのWは、2.0mmである。
実施例9の空気入りタイヤのWは、2.5mmである。
表2の結果から、実施例3,6〜9において、従来例の空気入りタイヤに比べて耐ショルダー摩耗性が向上することが分かる。これは、実施例3,6〜9の空気入りタイヤが細溝20を備えることにより、ショルダー摩耗の発生を抑制できることを示す。
また、表2の結果から、0.5≦W≦2.0を満たす実施例3,7,8において、耐ショルダー摩耗性がより向上することが分かる。
なお、いずれの実施例においても、耐リブティア性が従来例よりも劣ることはなかった。
従来例、実施例3,10,11の空気入りタイヤを用いて、ショルダー側周方向溝12の深さDに対する細溝20の深さdの比d/Dを変えることの効果を調べた。
実施例3,10,11の空気入りタイヤのh/Dは、いずれも0.60である。また、実施例3,10,11の空気入りタイヤのWは、いずれも1.0mmである。
実施例10の空気入りタイヤのd/Dは、0.4である。
実施例11の空気入りタイヤのd/Dは、0.5である。
実施例3の空気入りタイヤのd/Dは、1.0である。
表3の結果から、実施例3,10,11において、従来例の空気入りタイヤに比べて耐ショルダー摩耗性が向上することが分かる。これは、実施例3,10,11の空気入りタイヤが細溝20を備えることにより、ショルダー摩耗の発生を抑制できることを示す。
また、表3の結果から、0.5≦d/D≦1.0を満たす実施例3,11において、耐ショルダー摩耗性がより向上することが分かる。
なお、いずれの実施例においても、耐リブティア性が従来例よりも劣ることはなかった。
12 ショルダー側周方向溝
14 溝底
16 溝壁
18 投影交点
20 細溝
30 リブ
32 ショルダーリブ
Claims (7)
- タイヤ周方向に延びる複数の周方向溝を備える空気入りタイヤであって、
開口部がタイヤ周方向に沿って直線状であり、かつ、タイヤ周方向に沿って溝壁が凹凸状であるショルダー側周方向溝と、
前記ショルダー側周方向溝と、前記ショルダー側周方向溝よりもタイヤ幅方向外方のリブとの間に、タイヤ周方向に沿って形成される直線状の細溝と、を備え、
前記ショルダー側周方向溝の溝壁は、前記細溝の開口部のエッジから前記ショルダー側周方向溝の溝底に向かって傾斜した傾斜溝の溝壁である、ことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記ショルダー側周方向溝と、前記ショルダー側周方向溝よりもタイヤ幅方向内方のリブとの間に、タイヤ周方向に沿って形成される直線状の細溝を更に備える、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ショルダー側周方向溝は、前記ショルダー側周方向溝をタイヤ周方向に見た場合において対向する前記溝壁が交差する部分である投影交点の、前記ショルダー側周方向溝の溝底からの高さが、前記ショルダー側周方向溝の深さの0.45倍以上0.70倍以下である、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記細溝の幅は、0.5mm以上2.0mm以下である、請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記細溝の深さは、前記ショルダー側周方向溝の深さの0.5倍以上1.0倍以下である、請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- タイヤ径方向外側から前記ショルダー側周方向溝の溝壁を投影した形状は、三角形、台形、又は、半円形である、請求項1乃至5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- タイヤ周方向から前記ショルダー側周方向溝を投影したとき、前記細溝と前記ショルダー側周方向溝の溝底との間のトレッド部の形状は、三角形又は扇形である、請求項1乃至6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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