JP5515240B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ゲート絶縁膜に分子層を設け、イオンセンシティブ(IS)なMOSトランジスタのセンサから構成され、電位を印加した溶液中に浸し、この溶液中の化学物質の検出を行う半導体装置に関する。
従来より、DNAチップやDNAマイクロアレイを用いた塩基配列の検出として、蛍光検出方式が多く用いられている。
近年、塩基配列や生体物質などのハイブリダイゼーション及び溶液中の化学物質の検出に、MOSトランジスタを利用した電流検出方式が用いられるようになってきている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載されている半導体センシング用電界効果型トランジスタは、ゲート絶縁膜上に、検出部としての有機単分子膜を形成し、この有機単分子膜に対して検出する化学物質に反応する化学材料を固定させる。そして、溶液中の化学物質が吸着や生化学反応で、上記有機単分子膜に固定された化学材料に対して付着することにより、この有機単分子膜の電位が変化し、この変化した電位によりMOSトランジスタに流れる電流量の変化を測定することにより、溶液中の化学物質の濃度や、溶液中の有機単分子膜に固定した化学材料に反応する化学物質の有無の検出等を行う。
特開2006−98333号公報
しかしながら、上述した特許文献1においては、複数の化学物質の検出に対応させるため、それぞれの化学物質の検出用のMOSトランジスタが隣接して設けられている。
隣接したMOSトランジスタの絶縁分離のため、図10に示すような隣接するトランジスタ間に厚いシリコン酸化膜などを形成し、その直下に反転しにくいように高濃度の不純物層を形成する。図10(a)は、Nチャネル型のMOSトランジスタの断面構造を示し、図10(b)は、Pチャネル型のMOSトランジスタの断面構造を示している。
例えば、図10(a)のNチャネル型のトランジスタの場合、P型の不純物が添加された半導体基板P−SUBの表面において、P型の不純物(半導体基板より高い濃度)を添加したウェルPWを作成し、半導体基板P−SUB表面のMOSトランジスタを形成する領域以外に厚い絶縁膜、例えばLOCOS( Local Oxidation of Silicon)100を形成する。
そして、このLOCOS100の直下には、LOCOS100直下に反転層の形成を抑制するため、P型の不純物(ウェルPWより高い濃度)が添加されたチャネルストッパーの不純物層NFが形成されている。これにより、隣接するNチャネル型のMOSトランジスタN1及びN2間の絶縁分離を行っている。
図10(a)において、Nチャネル型のMOSトランジスタN1はウェルPWに対するP型の不純物(不純物層NFより高い濃度)が添加されたウェルコンタクト(拡散層)200Cと、Nチャネル型MOSトランジスタN1のソース及びドレインとして、N型の不純物(ウェルコンタクト200Cと同程度の濃度)の拡散層200S、200Dが形成されている。同様に、MOSトランジスタN2はウェルPWに対するP型の不純物(不純物層NFより高い濃度)が添加されたウェルコンタクト(拡散層)201Cと、Nチャネル型MOSトランジスタN1のソース及びドレインとして、N型の不純物(ウェルコンタクト201Cと同程度の濃度)の拡散層201S、201Dが形成されている。
一方、図10(b)において、Pチャネル型のMOSトランジスタP1はウェルNWに対するN型の不純物(不純物層PWより高い濃度)が添加されたウェルコンタクト(拡散層)400Cと、Pチャネル型MOSトランジスタP1のソース及びドレインとして、P型の不純物(ウェルコンタクト400Cと同程度の濃度)の拡散層400S、400Dが形成されている。また、図示しないが、Nチャネル型のMOSトランジスタの場合と同様に、LOCOS100の直下には、LOCOS100直下に反転層の形成を抑制するため、N型の不純物(ウェルNWより高い濃度)が添加されたチャネルストッパーの不純物層PFが形成されている。これにより、隣接するPチャネル型のMOSトランジスタP1及びP2間の絶縁分離を行っても良い。
同様に、MOSトランジスタP2はウェルNWに対するN型の不純物(ウェルNWより高い不純物濃度、あるいは不純物層PFより高い不純物濃度)が添加されたウェルコンタクト(拡散層)401Cと、Pチャネル型MOSトランジスタP1のソース及びドレインとして、P型の不純物(ウェルコンタクト401Cと同程度の濃度)の拡散層401S、401Dが形成されている。
図11は図10(a)の素子分離構造を有するMOSトランジスタを有する半導体装置の上面から見た表面図である。図示していないがMOSトランジスタのゲート絶縁膜200及び201のチャネル形成領域と、配線202D、202S、203D及び203Sの接続された外部端子との部分以外には直接にそれぞれが溶液と接しないように、酸化膜あるいは窒化膜などによりパッシベーション膜(後述するパッシベーション膜として用いる酸化膜504)が形成されている。図10(a)は、図11のA−Bの線における線視断面である。この図11において、配線202Dは拡散層200Dとコンタクトが取られており、配線202Sは拡散層200S及びウェルコンタクト200Cとコンタクトが取られている。同様に、配線203Dは拡散層201Dとコンタクトが取られており、配線203Sは拡散層201S及びウェルコンタクト201Cとコンタクトが取られている。また、ゲート絶縁膜200及び201の上面、すなわち溶液と接する面には、溶液中の検出対象の化学物質と反応する化学材料が固定される有機単分子膜が形成されている。
例えば、図12において、上記パッシベーション膜の上記配線202D上部の位置にて酸化膜205に穴Hが空き、配線202Dが溶液に直接に接した場合、溶液に対して一定の電位が印加され、かつドレイン(拡散層200D)及びソース(拡散層200S)間に電圧が印加され、有機分子膜の電荷によりチャネルがゲート絶縁膜200直下に形成されているため、図12に示すように、パッシベーション膜である酸化膜205に穴Hが空いたため、配線202D→拡散層200D→ゲート絶縁膜200直下に形成されたチャネル→拡散層200→配線202S→ウェルコンタクト200C→ウェルNF及び半導体基板N−SUB→拡散層201S及び201Dの経路にてリーク電流が流れ、損傷したMOSトランジスタN1のみでなく、隣接するMOSトランジスタにもリーク電流が流れてしまい、MOSトランジスタN2の測定する電流値に誤差が生じるという欠点がある。
すなわち、図13の概念図に示すように、MOSトランジスタN1の配線202Dからのリーク電流が、MOSトランジスタN2の配線203Sから流れだし、実質的な測定が行えなくなる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、半導体装置における配線等を溶液と接触しないように設けたパッシベーション膜及び絶縁膜に穴やクラック等が存在し、MOSトランジスタの配線などと、電位が印加された溶液が接触したとしても、このリークの生じている他のMOSトランジスタに対してリーク電流が流れ込まない素子分離構造を有する半導体装置を提供することを目的とする。
本発明の半導体装置は、第1の導電型の不純物が添加された半導体基板と、該半導体基板上に形成されており、前記第1の導電型と異なる導電型である第2の導電型のウェル層(ウェル)と、該半導体基板上に、前記ウェル層の周りに形成された前記第1の導電型の分離ウェル層と、前記分離ウェル層(分離ウェル)と、トランジスタ形成領域を除いた前記ウェル層との表面に形成された素子分離膜とを有し、前記半導体基板と前記分離ウェル層とにより、前記ウェル層の前記半導体基板内の外周面が覆われていることを特徴とする。
本発明の半導体装置は、前記素子分離膜及び前記ウェル層の界面に、前記ウェル層より高い不純物濃度の第2の導電型のチャネルストッパーの層が設けられていることを特徴とする。
本発明の半導体装置は、前記トランジスタ形成領域において、MOSトランジスタが形成され、ソース側の拡散層に隣接して、前記ウェル層に対するウェルコンタクトを取るための、前記第2の導電型の拡散層が形成されていることを特徴とする。
本発明の半導体装置は、前記MOSトランジスタのゲート絶縁膜上に有機単分子膜が形成されていることを特徴とする。
本発明の半導体装置は、前記ゲート絶縁膜領域に開口部を有するパッシベーション膜を有することを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、トランジスタ形成領域のあるウェル層を、このウェルと導電型の異なる不純物を添加した半導体基板及び分離ウェル層により、他のMOSトランジスタが形成されるウェル層と分離したため、リーク電流が半導体基板あるいは分離ウェル層から半導体基板を介して電源に対して流れる経路が形成されており、リークが発生したMOSトランジスタに隣接する他のMOSトランジスタが形成されているウェルに対して、リーク電流が流れることが無くなり、上記他のMOSトランジスタに対して影響を与えることを防止することができる。
本願発明は、MOSトランジスタにより構成されたセンサであり、溶液中に浸された状態にて、この溶液と半導体基板(N−SUBあるいはP−SUB)との間に電位を与え、露出したゲート絶縁膜(例えば、ゲート酸化膜)上に有機単分子膜を形成し、この有機単分子膜上に固定した化学材料(抗原に対しては抗体、一本鎖DNAに対しては対応する塩基対の一方を有する一本鎖DNAなど、すなわち溶液中にて検出する化学物質に反応する化学物質が固定されている)に対して塩基配列や生体物質または化学物質が吸着することにより、ゲート絶縁膜に印加される電位の変化により、MOSトランジスタに流れる電流の変化により、塩基配列や生体物質または化学物質の特定を行う。ここで、複数のMOSトランジスタを同一半導体基板に隣接するように(隣接と言っても素子分離膜によって、各MOSトランジスタは分離されている)形成した構成となっており、複数の化学物質の検出を同時に行える構成となっている。
すなわち、本発明のMOSトランジスタは、ゲート絶縁膜上に、検出部としての有機単分子膜を形成し、この有機単分子膜に対して検出対象の化学物質と反応する化学材料を固定し、溶液中の化学物質が吸着や生化学反応により、上記有機単分子膜に固定された化学材料に対して付着することによる、この有機単分子膜の電位変化で、MOSトランジスタに流れる電流を測定することにより、溶液中の化学物質の濃度や、溶液中の有機単分子膜に固定された化学材料に反応する化学物質の有無の検出等を行う。ここで、溶液とソースとの間に電圧が印加されているため、MOSトランジスタには常に一定の電流が流れており、有機単分子膜の化学材料に化学物質が結合することによる、ゲート絶縁膜の電位が変化し、この変化により電流が変化し、電流の変化量により化学物質を検出する。
以下、本発明の一実施形態による半導体装置を図面を参照して説明する。図1は同実施形態の構成例の断面構造を示すブロック図である。図1(a)はNチャネル型MOSトランジスタの断面を示し、図1(b)はPチャネル型トランジスタの断面を示している。また、図2は図1(a)または図1(b)の半導体装置の上面図であり、線分A−Bにおける線視断面図が図1(a)または図1(b)に対応している。
Nチャネル型のMOSトランジスタN1・N2が形成されるウェルPW1、PW2は、添加されたP型の不純物と異なる導電型、すなわちN型の不純物が添加された分離ウェルSNWと半導体基板N−SUBにて外周面(半導体基板N−SUB内における)の全面が完全に覆われて囲まれた構造となっている。分離ウェルSNWと半導体基板N−SUBとは同一のN型の不純物が添加されている。そして、ウェルPW1及びPW2にリーク電流により印加される電圧に対し、ウェルPW1、PW2と分離ウェルSNW及び半導体基板N−SUBとによる寄生ダイオードが順方向となるように形成されている。
同様に、Pチャネル型のMOSトランジスタP1・P2が形成されるウェルNW1、NW2は、添加されたN型の不純物と異なる導電型、すなわちP型の不純物が添加された異なる導電型の分離ウェルSPWと半導体基板P−SUBにて外周面(半導体基板P−SUB内における)の全面が完全に覆われて囲まれた構造となっている。分離ウェルSPWと半導体基板P−SUBとは同一のP型の不純物が添加されている。そして、ウェルNW1及びNW2にリーク電流により印加される電圧に対し、ウェルNW1、NW2と分離ウェルSPW及び半導体基板P−SUBとによる寄生ダイオードが順方向となるように形成されている。
<Nチャネル型MOSトランジスタの場合>
図1(a)において、Nチャネル型のMOSトランジスタN1は、N型の不純物が添加された半導体基板N−SUB上において、P型の不純物が添加されたウェルPW1(210)に形成されている。また、上記MOSトランジスタN1が形成されているウェルPWの周囲にN型の不純物が添加された分離ウェルSNWが形成されている。したがって、ウェルPW1は異なる導電体の不純物が添加された分離ウェルSNWと半導体基板N−SUBにより囲まれた状態となっている。上記MOSトランジスタN1が形成されたウェルPW1には、P型の不純物(ウェルPW1より高い濃度)が添加されたウェルコンタクト(拡散層)200Cと、Nチャネル型のMOSトランジスタN1のソース及びドレインとして、N型の不純物(ウェルコンタクト200Cと同程度の濃度)の拡散層200S、200Dが形成されている。配線202Dは拡散層200Dとコンタクトにより接続され、配線202Sは拡散層200S及びウェルコンタクト200Cとコンタクトにより接続されている。また、MOSトランジスタN1のチャネル領域におけるゲート絶縁膜200上面には有機単分子膜が形成されている。
同様に、Nチャネル型のMOSトランジスタN2は、N型の不純物が添加された半導体基板N−SUB上において、P型の不純物が添加されたウェルPW2(211)に形成されている。また、上記MOSトランジスタN2が形成されているウェルPW2の周囲にN型の不純物が添加された分離ウェルSNWが形成されている。したがって、ウェルPW1は異なる導電体の不純物が添加された分離ウェルSNWと半導体基板N−SUBにより囲まれた状態となっている。上記MOSトランジスタN2が形成されたウェルPW2には、P型の不純物(ウェルPW2より高い濃度)が添加されたウェルコンタクト(拡散層)201Cと、Nチャネル型のMOSトランジスタN2のソース及びドレインとして、N型の不純物(ウェルコンタクト201Cと同程度の濃度)の拡散層201S、201Dが形成されている。配線203Dは拡散層201Dとコンタクトにより接続され、配線203Sは拡散層201S及びウェルコンタクト201Cとコンタクトにより接続されている。また、ゲート絶縁膜201上面には有機単分子膜が形成されている。
上述した構成により、MOSトランジスタN1の形成されているウェルPW1と、MOSトランジスタN2の形成されているウェルPW2とは、上記分離ウェルSNWにて分離されている。また、図示されていないが、センシング領域となるゲート絶縁膜200(あるいは400)の有機単分子膜の形成された部分のみ開口されたパッシベーション膜が、酸化膜あるいは窒化膜などの絶縁材料にて、半導体装置(上記配線202D、202S、203D、203S及び素子分離膜100)の上面に形成されている。また、上記素子分離膜100とウェルPW1及びPW2との界面には、チャネルストッパーとして、ウェルPW1及びPW2に比較して不純物濃度の高いP型の不純物層NFが形成されている。
したがって、例えば、図2に示す上記配線202D上部の図示しない上記パッシベーション膜に穴が空き、配線202Dが浸されている溶液に直接に接した場合、溶液に対して半導体基板N−SUBとの間に一定の電位が印加(溶液の電位>半導体基板N−SUBの電位)され、かつドレイン(拡散層200D)及びソース(拡散層200S)間に電圧が印加され、有機分子膜の電荷によりチャネルがゲート絶縁膜200直下に形成されているが、配線202D→拡散層200D→ゲート絶縁膜200直下に形成されたチャネル→拡散層200S→配線202S→ウェルコンタクト200C→半導体基板N−SUBあるいは分離ウェルSNW(最終的には半導体基板N−SUB)の経路にてリーク電流が流れ、損傷したMOSトランジスタN1のみにリーク電流が流れ、隣接するMOSトランジスタN2に対して、リーク電流が流れず、ウェルPW2の電位が上昇することなく、正常なMOSトランジスタN2の測定する電流値に誤差が生じることが無くなる。ここで、ウェルPW1から分離ウェルPWあるいは半導体基板N−SUBに対しては、リーク電流が寄生ダイオードの順方向電流として流れ、半導体基板N−SUB側の電源、例えば、溶液が+(プラス)電位、すなわち溶液に対して半導体基板N−SUBより高い電位が印加された場合、溶液から上記経路により、半導体基板N−SUBに接続された接地電位に流れ込むことになる。
<Pチャネル型MOSトランジスタの場合>
図1(b)において、Pチャネル型のMOSトランジスタP1は、P型の不純物が添加された半導体基板P−SUB上において、N型の不純物が添加されたウェルNW1(410)に形成されている。また、上記MOSトランジスタP1が形成されているウェルNWの周囲にP型の不純物が添加された分離ウェルSPWが形成されている。したがって、ウェルNW1は異なる導電体の不純物が添加された分離ウェルSPWと半導体基板P−SUBにより囲まれた状態となっている。上記MOSトランジスタP1が形成されたウェルNW1には、N型の不純物(ウェルNW1より高い濃度)が添加されたウェルコンタクト(拡散層)400Cと、Pチャネル型のMOSトランジスタP1のソース及びドレインとして、P型の不純物(ウェルコンタクト400Cと同程度の濃度)の拡散層400S、400Dが形成されている。配線402Dは拡散層400Dとコンタクトにより接続され、配線402Sは拡散層400S及びウェルコンタクト400Cとコンタクトにより接続されている。また、ゲート絶縁膜400上面には有機単分子膜が形成されている。
同様に、Pチャネル型のMOSトランジスタP2は、P型の不純物が添加された半導体基板P−SUB上において、N型の不純物が添加されたウェルPN2(411)に形成されている。また、上記MOSトランジスタP2が形成されているウェルNW2の周囲にP型の不純物が添加された分離ウェルSPWが形成されている。したがって、ウェルNW1は異なる導電体の不純物が添加された分離ウェルSPWと半導体基板P−SUBにより囲まれた状態となっている。上記MOSトランジスタP2が形成されたウェルNW2には、N型の不純物(ウェルNW2より高い濃度)が添加されたウェルコンタクト(拡散層)401Cと、Pチャネル型のMOSトランジスタP2のソース及びドレインとして、P型の不純物(ウェルコンタクト401Cと同程度の濃度)の拡散層401S、401Dが形成されている。配線403Dは拡散層401Dとコンタクトにより接続され、配線403Sは拡散層401S及びウェルコンタクト401Cとコンタクトにより接続されている。また、ゲート絶縁膜401上面には有機単分子膜が形成されている。
上述した構成により、MOSトランジスタP1の形成されているウェルNW1と、MOSトランジスタP2の形成されているウェルNW2とが、上記分離ウェルSPWにて分離されている。また、図示されていないが、有機単分子膜の形成された部分のみ開口されたパッシベーション膜が、酸化膜あるいは窒化膜などの絶縁材料にて、半導体装置(上記配線402D、402S、403D、403S及び素子分離膜100)の上面に形成されている。また、上記素子分離膜100とウェルNW1及びNW2との界面に、チャネルストッパーとして、ウェルNW1及びNW2に比較して不純物濃度の高いN型の不純物層PFを形成しても良い。
したがって、例えば、図2に示す上記配線402D上部の図示しない上記パッシベーション膜に穴が空き、配線402Dが浸されている溶液に直接に接した場合、溶液に対して半導体基板P−SUBとの間に一定の電位が印加(半導体基板P−SUBの電位>溶液の電位)され、かつドレイン(拡散層400D)及びソース(拡散層400S)間に電圧が印加され、有機分子膜の電荷によりチャネルがゲート絶縁膜400直下に形成されているため、半導体基板N−SUBあるいは分離ウェルSNW(すなわち、半導体基板N−SUB)→ウェルコンタクト400C→配線402S→拡散層400S→ゲート絶縁膜400直下に形成されたチャネル→拡散層400D→配線402D→溶液の経路にてリーク電流が流れ、損傷したMOSトランジスタP1のみにリーク電流が流れ、隣接するMOSトランジスタP2に対して、リーク電流が流れず、ウェルNW2の電位が低下することなく、正常なMOSトランジスタP2の測定する電流値に誤差が生じることが無くなる。ここで、分離ウェルPWあるいは半導体基板P−SUBからウェルNW1に対しては、リーク電流が寄生ダイオードの順方向電流として流れ、例えば、溶液が−(マイナス)電位、すなわち溶液に対して半導体基板P−SUBより低い電位が印加された場合、上記経路により半導体基板P−SUBに接続された接地電位から溶液側の電源に流れ込むことになる。
<Nチャネル型MOSトランジスタの製造プロセス>
上述したMOSトランジスタの製造プロセスを、Nチャネル型のMOSトランジスタN1(あるいはN2)の製造過程を例とし、図3から図9の図を用いて説明する。図3から図9は、図1(a)のMOSトランジスタN1(あるいはN2)の製造過程の断面構造を示す概念図である。図1(b)のPチャネル型のMOSトランジスタP1(あるいはP2)に付いても、不純物の導電型が逆となるのみで、Nチャネル型及びPチャネル型のMOSトランジスタの製造過程は同様である。
図3に示すように、P型の不純物が添加された半導体基板N−SUBに対し、酸化膜500を熱酸化などにより形成した後、設定された深さにて全面にP型の導電型の不純物、例えばBF2+イオンをイオン注入し、ウェルPW1を形成するためのP型の不純物層を形成する。
また、後の工程において素子分離膜100を形成する領域にチャネルストッパーのP型不純物層NFを形成するため、フォトリソグラフィにより、素子分離膜100を形成する部分のみ開口されたレジストパターンを形成し、このレジストパターンをイオン注入のマスクとし、ウェルPW1を形成する際の不純物濃度より高い濃度のBF2+イオンをイオン注入する。上記レジストパターンを除去する。
そして、ウェルPW1を分離する分離ウェルSNWを形成するため、ウェルPW1(PW2及び他のNチャネル型のMOSトランジスタNを形成するP型不純物が添加されたウェルを含め)を形成する以外の領域が開口されたレジストパターンをフォトリソグラフィにより形成し、このレジストパターンをイオン注入のマスクとし、N型の導電型の不純物、例えば、N型の不純物としてP+(燐イオン)をウェルPW1と同様の深さにイオン注入する。上記レジストパターンを除去する。
これにより、ウェルPW1の外周面における側面が分離ウェルSNWと接合され、外周面の底面が半導体基板N−SUBと接合され、他のウェルPW(例えば、PW2)と電気的に分離されることになる。
次に、図4において示すように、P型不純物層NF及び分離ウェルSNWの直上に、MOSトランジスタ間を電気的に分離する素子分離膜100を熱酸化、あるいは溝を形成して溝内に絶縁材料(絶縁体)を堆積させるなどして形成する。
そして、図5において、素子分離膜100が形成されていないウェルPW1の領域(トランジスタ形成領域)において、MOSトランジスタN1を形成するため、フォトリソグラフィによりソース及びドレインとなる領域が開口されたレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして、N型の不純物としてP+(燐イオン)をプロセス設計上の深さに設定された濃度によりイオン注入し、拡散層200S及び200Dを形成する。上記レジストパターンを除去する。
そして、ソースの拡散層200S側面において、MOSトランジスタN1のチャネル形成領域(ソース及びドレインが対向した間のチャネルが形成される領域)と逆の位置にて隣接する領域にウェルPW1に電位を与える拡散層で形成されたウェルコンタクト200Cを、フォトリソグラフィによりウェルコンタクトとなる領域が開口されたレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして、P型の不純物としてBF2+をプロセス設計上の深さに設定された濃度によりイオン注入して形成する。上記レジストパターンを除去し、上記酸化膜500を除去する。
また、素子分離膜100が形成されていないウェルPW1の表面に対し、熱酸化によりゲート絶縁膜200を形成する。
次に、図6に示すように、全面に多結晶シリコン膜を堆積させ、後の工程にてセンス領域として露出する部分を平面視にて覆うマスク部分のみ残すため、このマスク部分以外が開口されたレジストパターンをフォトリソグラフィにより形成し、このレジストパターンをマスクとし、多結晶シリコン膜をエッチング(ドライエッチング、必要であれば異方性エッチング)を行い、多結晶シリコン膜マスク501を形成する。上記レジストパターンを除去する。
そして、図7に示すように、CVD(Chemical Vapor Deposition)等により、全面に対して酸化膜を層間絶縁膜502として堆積させる。
次に、後に形成する導電体の配線とコンタクトを形成するため、拡散層202S、202D、202Cの表面を設定された面積にて露出させる工程として、フォトリソグラフィによりコンタクトホール503を形成する部分のみ開口されたレジストパターンの形成を行う。このレジストパターンをマスクとしてドライエッチングを行い、コンタクトホール形成部分の層間絶縁膜502及びゲート絶縁膜200を除去し、コンタクトホール503を形成する。上記レジストパターンを除去する。
そして、導電体膜(例えば、Al−Cu−Siの多層膜)をスパッタにより設定された厚さに堆積させる。このとき、コンタクトホール503内にも堆積されて、導電体膜と各拡散層との間が電気的に接触してコンタクトが形成される。ここで、拡散層200S及びウェルコンタクト200Cは、上記導電体膜の配線パターン(配線202S)のコンタクト部分により電気的に接続されている。
配線パターンとして、配線202S及び202Dを形成するため、フォトリソグラフィにより配線202S及び202Dを形成する部分以外が開口されたレジストパターンを形成する。そして、このレジストパターンをマスクとしてエッチングを行い、配線202S及び202Dを形成する。上記レジストパターンを除去する。
そして、図8に示すように、全面にTEOS(正珪酸四エチル:Si(OC2H5)4)を塗布し、パッシベーション膜となる酸化膜504を成膜する。
次に、センサにおける検出部となるMOSトランジスタN1のチャネル形成部のゲート絶縁膜を露出するための開口部(SE開口)505を形成する。すなわち、フォトリソグラフィにより、この開口部505の部分のみ開口したレジストパターンを形成し、形成したレジストパターンをマスクとし、かつ多結晶シリコン膜マスク501をエッチングのストッパーとし、酸化膜に対する選択的なエッチングを行い、開口部505の形成を行い、上記レジストパターンを除去する。
次に、図9に示すように、上記レジストパターンを用いて、多結晶シリコンに対する選択的なエッチングを行い、開口した開口部505から露出した多結晶シリコン膜マスク501を除去し、MOSトランジスタN1のチャネル領域を含むゲート絶縁膜200表面を開口部505により露出させ、上記レジストパターンを除去する。
そして、再度、TEOSを全面に塗布して酸化膜を形成し、全面に対してTEOSにより形成した酸化膜のエッチングを行うことにより、酸化膜スペーサ506を形成する。
最後に、このゲート絶縁膜200表面に対して単分子層膜を形成することにより、MOSトランジスタN1(またはN2)からなる、溶液中における化学物質を電流検出方式により検出するセンサが形成される。また、上記単分子層には、APTES(aminopropyl-triethoxysilane;アミノプロピルトリエトキシシラン)が用いられ、溶液中の化学物質を検出する化学材料が固定される。
すなわち、本実施形態のMOSトランジスタのセンサは、ゲート絶縁膜200上に、検出部としての有機単分子膜を形成することで、MOSトランジスタ(露出されている有機単分子膜が形成されたゲート絶縁膜200)が浸された溶液中の化学物質が吸着や生化学反応によって、上記有機単分子膜に対して化学物質が付着することにより、ゲート絶縁膜200上の有機単分子膜の電位変化が起こり、この電位変化によるMOSトランジスタに流れる電流の変化を測定することにより、溶液中の化学物質の濃度や、溶液中の有機単分子膜に反応する化学物質の有無の検出等を行うことができる。
そして、本実施形態のMOSトランジスタのセンサは、複数のMOSトランジスタを並列に形成し、それぞれのゲート絶縁膜に異なる化学物質に反応する有機単分子膜を付着させて、一度に複数の化学物質の検出を行うような構成において、ある一つのMOSトランジスタの配線上部のパッシベーション膜(例えば、上記TEOSにより形成したパッシベーション膜)に穴やクラックが生じて、溶液(半導体基板N−SUBと異なる電位が印加されている)が配線に接触することによりリークが生じても、隣接する他のMOSトランジスタに対して影響を与えない構造を実現することができる。
本発明の一実施形態によるMOSトランジスタの構造例を示す線示断面図である。 上記図1のMOSトランジスタの上面に対して垂直方向から見た上面における平面図である。 図1に示す本実施形態のMOSトランジスタを形成する工程毎の断面構造を示す概念図である。 図1に示す本実施形態のMOSトランジスタを形成する工程毎の断面構造を示す概念図である。 図1に示す本実施形態のMOSトランジスタを形成する工程毎の断面構造を示す概念図である。 図1に示す本実施形態のMOSトランジスタを形成する工程毎の断面構造を示す概念図である。 図1に示す本実施形態のMOSトランジスタを形成する工程毎の断面構造を示す概念図である。 図1に示す本実施形態のMOSトランジスタを形成する工程毎の断面構造を示す概念図である。 図1に示す本実施形態のMOSトランジスタを形成する工程毎の断面構造を示す概念図である。 従来のMOSトランジスタの構造を示す線示断面図である。 上記図10のMOSトランジスタの上面に対して垂直方向から見た上面における平面図である。 配線上部のパッシベーション膜に穴やクラックが生じた場合の、リーク電流が流れる路を説明するための、MOSトランジスタの断面構造を示す概念図である。 配線上部のパッシベーション膜に穴やクラックが生じた場合の、リーク電流が流れる経路を説明する概念図である。
符号の説明
100…素子分離膜
200,201,400,401…ゲート絶縁膜
200C,201C,400C,401C…ウェルコンタクト
200D,200S,201D,201S,400D,400S,401D,401S…拡散層
202D,202S,203D,203S,402D,402S,403D,403S…配線
501…多結晶シリコン膜マスク
502…層間絶縁膜
503…コンタクトホール
504…酸化膜
505…開口部
506…酸化膜スペーサ
N1,N2,P1,P2…MOSトランジスタ
SNW,SPW…分離ウェル
PW1(210),PW2(211),NW1(410),NW2(411)…ウェル

Claims (2)

  1. 化学物質の検出を行う半導体装置であって、
    第1の導電型の不純物が添加された半導体基板と、
    該半導体基板上に形成されており、前記第1の導電型と異なる導電型である第2の導電型のウェル層と、
    該半導体基板上に、前記ウェル層の周りに形成された前記第1の導電型の分離ウェル層と、
    前記分離ウェル層と、トランジスタ形成領域を除いた前記ウェル層との表面に形成された素子分離膜と
    前記トランジスタ形成領域に形成されたMOSトランジスタと、
    前記MOSトランジスタのソース側の拡散層に隣接して、前記ウェル層に対するウェルコンタクトを取るために形成された、前記第2の導電型の拡散層と、
    前記各々の拡散層とコンタクトにより接続された複数の配線と、
    前記MOSトランジスタのゲート絶縁膜上に形成された有機単分子膜と、
    前記ゲート絶縁膜領域に開口部を有するパッシべーション膜と、
    を有し、
    前記半導体基板と前記分離ウェル層とにより、前記ウェル層の前記半導体基板内の外周面が覆われており、前記パッシベーション膜に穴が空いてリークが発生した場合、リーク電流は前記半導体基板あるいは前記分離ウェル層から前記半導体基板を介して電源に対して流れる経路が形成されていることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記素子分離膜及び前記ウェル層の界面に、前記ウェル層より高い不純物濃度の第2の導電型のチャネルストッパーの層が設けられていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
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