JP5515240B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description
近年、塩基配列や生体物質などのハイブリダイゼーション及び溶液中の化学物質の検出に、MOSトランジスタを利用した電流検出方式が用いられるようになってきている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載されている半導体センシング用電界効果型トランジスタは、ゲート絶縁膜上に、検出部としての有機単分子膜を形成し、この有機単分子膜に対して検出する化学物質に反応する化学材料を固定させる。そして、溶液中の化学物質が吸着や生化学反応で、上記有機単分子膜に固定された化学材料に対して付着することにより、この有機単分子膜の電位が変化し、この変化した電位によりMOSトランジスタに流れる電流量の変化を測定することにより、溶液中の化学物質の濃度や、溶液中の有機単分子膜に固定した化学材料に反応する化学物質の有無の検出等を行う。
隣接したMOSトランジスタの絶縁分離のため、図10に示すような隣接するトランジスタ間に厚いシリコン酸化膜などを形成し、その直下に反転しにくいように高濃度の不純物層を形成する。図10(a)は、Nチャネル型のMOSトランジスタの断面構造を示し、図10(b)は、Pチャネル型のMOSトランジスタの断面構造を示している。
例えば、図10(a)のNチャネル型のトランジスタの場合、P型の不純物が添加された半導体基板P−SUBの表面において、P型の不純物(半導体基板より高い濃度)を添加したウェルPWを作成し、半導体基板P−SUB表面のMOSトランジスタを形成する領域以外に厚い絶縁膜、例えばLOCOS( Local Oxidation of Silicon)100を形成する。
図10(a)において、Nチャネル型のMOSトランジスタN1はウェルPWに対するP型の不純物(不純物層NFより高い濃度)が添加されたウェルコンタクト(拡散層)200Cと、Nチャネル型MOSトランジスタN1のソース及びドレインとして、N型の不純物(ウェルコンタクト200Cと同程度の濃度)の拡散層200S、200Dが形成されている。同様に、MOSトランジスタN2はウェルPWに対するP型の不純物(不純物層NFより高い濃度)が添加されたウェルコンタクト(拡散層)201Cと、Nチャネル型MOSトランジスタN1のソース及びドレインとして、N型の不純物(ウェルコンタクト201Cと同程度の濃度)の拡散層201S、201Dが形成されている。
同様に、MOSトランジスタP2はウェルNWに対するN型の不純物(ウェルNWより高い不純物濃度、あるいは不純物層PFより高い不純物濃度)が添加されたウェルコンタクト(拡散層)401Cと、Pチャネル型MOSトランジスタP1のソース及びドレインとして、P型の不純物(ウェルコンタクト401Cと同程度の濃度)の拡散層401S、401Dが形成されている。
すなわち、図13の概念図に示すように、MOSトランジスタN1の配線202Dからのリーク電流が、MOSトランジスタN2の配線203Sから流れだし、実質的な測定が行えなくなる。
すなわち、本発明のMOSトランジスタは、ゲート絶縁膜上に、検出部としての有機単分子膜を形成し、この有機単分子膜に対して検出対象の化学物質と反応する化学材料を固定し、溶液中の化学物質が吸着や生化学反応により、上記有機単分子膜に固定された化学材料に対して付着することによる、この有機単分子膜の電位変化で、MOSトランジスタに流れる電流を測定することにより、溶液中の化学物質の濃度や、溶液中の有機単分子膜に固定された化学材料に反応する化学物質の有無の検出等を行う。ここで、溶液とソースとの間に電圧が印加されているため、MOSトランジスタには常に一定の電流が流れており、有機単分子膜の化学材料に化学物質が結合することによる、ゲート絶縁膜の電位が変化し、この変化により電流が変化し、電流の変化量により化学物質を検出する。
Nチャネル型のMOSトランジスタN1・N2が形成されるウェルPW1、PW2は、添加されたP型の不純物と異なる導電型、すなわちN型の不純物が添加された分離ウェルSNWと半導体基板N−SUBにて外周面(半導体基板N−SUB内における)の全面が完全に覆われて囲まれた構造となっている。分離ウェルSNWと半導体基板N−SUBとは同一のN型の不純物が添加されている。そして、ウェルPW1及びPW2にリーク電流により印加される電圧に対し、ウェルPW1、PW2と分離ウェルSNW及び半導体基板N−SUBとによる寄生ダイオードが順方向となるように形成されている。
図1(a)において、Nチャネル型のMOSトランジスタN1は、N型の不純物が添加された半導体基板N−SUB上において、P型の不純物が添加されたウェルPW1(210)に形成されている。また、上記MOSトランジスタN1が形成されているウェルPWの周囲にN型の不純物が添加された分離ウェルSNWが形成されている。したがって、ウェルPW1は異なる導電体の不純物が添加された分離ウェルSNWと半導体基板N−SUBにより囲まれた状態となっている。上記MOSトランジスタN1が形成されたウェルPW1には、P型の不純物(ウェルPW1より高い濃度)が添加されたウェルコンタクト(拡散層)200Cと、Nチャネル型のMOSトランジスタN1のソース及びドレインとして、N型の不純物(ウェルコンタクト200Cと同程度の濃度)の拡散層200S、200Dが形成されている。配線202Dは拡散層200Dとコンタクトにより接続され、配線202Sは拡散層200S及びウェルコンタクト200Cとコンタクトにより接続されている。また、MOSトランジスタN1のチャネル領域におけるゲート絶縁膜200上面には有機単分子膜が形成されている。
図1(b)において、Pチャネル型のMOSトランジスタP1は、P型の不純物が添加された半導体基板P−SUB上において、N型の不純物が添加されたウェルNW1(410)に形成されている。また、上記MOSトランジスタP1が形成されているウェルNWの周囲にP型の不純物が添加された分離ウェルSPWが形成されている。したがって、ウェルNW1は異なる導電体の不純物が添加された分離ウェルSPWと半導体基板P−SUBにより囲まれた状態となっている。上記MOSトランジスタP1が形成されたウェルNW1には、N型の不純物(ウェルNW1より高い濃度)が添加されたウェルコンタクト(拡散層)400Cと、Pチャネル型のMOSトランジスタP1のソース及びドレインとして、P型の不純物(ウェルコンタクト400Cと同程度の濃度)の拡散層400S、400Dが形成されている。配線402Dは拡散層400Dとコンタクトにより接続され、配線402Sは拡散層400S及びウェルコンタクト400Cとコンタクトにより接続されている。また、ゲート絶縁膜400上面には有機単分子膜が形成されている。
上述したMOSトランジスタの製造プロセスを、Nチャネル型のMOSトランジスタN1(あるいはN2)の製造過程を例とし、図3から図9の図を用いて説明する。図3から図9は、図1(a)のMOSトランジスタN1(あるいはN2)の製造過程の断面構造を示す概念図である。図1(b)のPチャネル型のMOSトランジスタP1(あるいはP2)に付いても、不純物の導電型が逆となるのみで、Nチャネル型及びPチャネル型のMOSトランジスタの製造過程は同様である。
図3に示すように、P型の不純物が添加された半導体基板N−SUBに対し、酸化膜500を熱酸化などにより形成した後、設定された深さにて全面にP型の導電型の不純物、例えばBF2+イオンをイオン注入し、ウェルPW1を形成するためのP型の不純物層を形成する。
そして、ウェルPW1を分離する分離ウェルSNWを形成するため、ウェルPW1(PW2及び他のNチャネル型のMOSトランジスタNを形成するP型不純物が添加されたウェルを含め)を形成する以外の領域が開口されたレジストパターンをフォトリソグラフィにより形成し、このレジストパターンをイオン注入のマスクとし、N型の導電型の不純物、例えば、N型の不純物としてP+(燐イオン)をウェルPW1と同様の深さにイオン注入する。上記レジストパターンを除去する。
これにより、ウェルPW1の外周面における側面が分離ウェルSNWと接合され、外周面の底面が半導体基板N−SUBと接合され、他のウェルPW(例えば、PW2)と電気的に分離されることになる。
そして、ソースの拡散層200S側面において、MOSトランジスタN1のチャネル形成領域(ソース及びドレインが対向した間のチャネルが形成される領域)と逆の位置にて隣接する領域にウェルPW1に電位を与える拡散層で形成されたウェルコンタクト200Cを、フォトリソグラフィによりウェルコンタクトとなる領域が開口されたレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして、P型の不純物としてBF2+をプロセス設計上の深さに設定された濃度によりイオン注入して形成する。上記レジストパターンを除去し、上記酸化膜500を除去する。
また、素子分離膜100が形成されていないウェルPW1の表面に対し、熱酸化によりゲート絶縁膜200を形成する。
次に、後に形成する導電体の配線とコンタクトを形成するため、拡散層202S、202D、202Cの表面を設定された面積にて露出させる工程として、フォトリソグラフィによりコンタクトホール503を形成する部分のみ開口されたレジストパターンの形成を行う。このレジストパターンをマスクとしてドライエッチングを行い、コンタクトホール形成部分の層間絶縁膜502及びゲート絶縁膜200を除去し、コンタクトホール503を形成する。上記レジストパターンを除去する。
配線パターンとして、配線202S及び202Dを形成するため、フォトリソグラフィにより配線202S及び202Dを形成する部分以外が開口されたレジストパターンを形成する。そして、このレジストパターンをマスクとしてエッチングを行い、配線202S及び202Dを形成する。上記レジストパターンを除去する。
次に、センサにおける検出部となるMOSトランジスタN1のチャネル形成部のゲート絶縁膜を露出するための開口部(SE開口)505を形成する。すなわち、フォトリソグラフィにより、この開口部505の部分のみ開口したレジストパターンを形成し、形成したレジストパターンをマスクとし、かつ多結晶シリコン膜マスク501をエッチングのストッパーとし、酸化膜に対する選択的なエッチングを行い、開口部505の形成を行い、上記レジストパターンを除去する。
そして、再度、TEOSを全面に塗布して酸化膜を形成し、全面に対してTEOSにより形成した酸化膜のエッチングを行うことにより、酸化膜スペーサ506を形成する。
最後に、このゲート絶縁膜200表面に対して単分子層膜を形成することにより、MOSトランジスタN1(またはN2)からなる、溶液中における化学物質を電流検出方式により検出するセンサが形成される。また、上記単分子層には、APTES(aminopropyl-triethoxysilane;アミノプロピルトリエトキシシラン)が用いられ、溶液中の化学物質を検出する化学材料が固定される。
200,201,400,401…ゲート絶縁膜
200C,201C,400C,401C…ウェルコンタクト
200D,200S,201D,201S,400D,400S,401D,401S…拡散層
202D,202S,203D,203S,402D,402S,403D,403S…配線
501…多結晶シリコン膜マスク
502…層間絶縁膜
503…コンタクトホール
504…酸化膜
505…開口部
506…酸化膜スペーサ
N1,N2,P1,P2…MOSトランジスタ
SNW,SPW…分離ウェル
PW1(210),PW2(211),NW1(410),NW2(411)…ウェル
Claims (2)
- 化学物質の検出を行う半導体装置であって、
第1の導電型の不純物が添加された半導体基板と、
該半導体基板上に形成されており、前記第1の導電型と異なる導電型である第2の導電型のウェル層と、
該半導体基板上に、前記ウェル層の周りに形成された前記第1の導電型の分離ウェル層と、
前記分離ウェル層と、トランジスタ形成領域を除いた前記ウェル層との表面に形成された素子分離膜と、
前記トランジスタ形成領域に形成されたMOSトランジスタと、
前記MOSトランジスタのソース側の拡散層に隣接して、前記ウェル層に対するウェルコンタクトを取るために形成された、前記第2の導電型の拡散層と、
前記各々の拡散層とコンタクトにより接続された複数の配線と、
前記MOSトランジスタのゲート絶縁膜上に形成された有機単分子膜と、
前記ゲート絶縁膜領域に開口部を有するパッシべーション膜と、
を有し、
前記半導体基板と前記分離ウェル層とにより、前記ウェル層の前記半導体基板内の外周面が覆われており、前記パッシベーション膜に穴が空いてリークが発生した場合、リーク電流は前記半導体基板あるいは前記分離ウェル層から前記半導体基板を介して電源に対して流れる経路が形成されていることを特徴とする半導体装置。 - 前記素子分離膜及び前記ウェル層の界面に、前記ウェル層より高い不純物濃度の第2の導電型のチャネルストッパーの層が設けられていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
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