JP5514392B2 - 手摺りの取付方法 - Google Patents
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Description
(1)子柱の製造
工場において無垢または集成材の丸棒または角材を加工して製造するが、丸棒や角材そのままではデザインに変化が少なく単調であるため、通常は「ロクロ」と称される加工装置で、それらを回転させながら様々な模様を形成する。また、角材の場合にも、丸棒と同様に横溝を数条加工する場合がある。更に、上下両端部を角材のような形状とし、中央部分を丸棒形状としたいわゆる折衷型も多く製造されている。
手摺りの取付けは、図15(a),(b)に示すように、施工現場で実際の住宅に合わせて1本ずつ鑿と金槌で子柱30にホゾTを形成した後、図16に示すように、踏み板4(またはボーダー)に立設し、そのホゾTを手摺り1の下面に形成したホゾ穴Hに嵌入して固定している。これは住宅によって階段の傾斜が微妙に異なるために、予め工場などで一定のホゾTやホゾ穴Hを加工することが困難であるという理由による。
a.親柱20を取付ける。
b.子柱30の上下両端部にホゾTを形成する。
c.子柱30下端部のホゾTを、踏み板4上に予め形成したホゾ穴Hに嵌合する。
d.子柱30を全て取付けた後、手摺り1の下部に開けられたホゾ穴Hに、子柱30上端部のホゾTが嵌合するように合わせる。
e.手摺り1を上から軽く叩いて、嵌合が十分となるようにする。
f.手摺り1の左右両端部を、親柱20や壁に固定する。
(1)子柱の後付けができない。
手摺りを、親柱と子柱を施工した後に取付ける必要があり、かつ、全ての子柱(通常の階段では12〜24本)の上端部をほぼ同時に手摺りの裏面に開けたホゾ孔に嵌合しなければならない。この作業は手摺りを浮かせた状態で、子柱の上端部を一つずつ確実に嵌合していかなければならないので、極めて面倒であり、多くの時間を要する。
従って、子柱を、簡単な構造とし後付けすることができれば、手摺りの取付けを外観を損なうことなく容易かつ短時間で行うことができることになる。
木製の手摺りは、工業的に生産された集成材であっても、水分の変動等で多少の伸縮や反り等の寸法変化を生じ易い。子柱の長さを設計通りに正確に切断加工した場合でも、これらの寸法変化に対応できない場合があり、その場合は隙間が形成され外観性を損なう。例えば、従来の子柱は、特許文献2乃至4に記載の伸縮式や、特許文献6および7などのように手摺りの裏面に溝を設置した場合以外は殆ど、隙間の変化に対応できなかった。この点も、手摺りの取付けに大きく影響を及ぼす。
階段の傾斜に合わせて、手摺りと子柱のホゾを斜めに加工しなければならないので、現場で多大の手間を必要とする。また、加工精度が悪いと隙間が目立ち外観性を損なう。
前述したように木材は「生物」なので、全長1m程度の中でも、割れ、節、変色、ピンホールその他の欠点が存在することがある。こういった場合、欠点の場所や程度によってはそれが1箇所だけでも不良品となる。補修や塗装で目立たなくすることも可能であるが、万全ではない。通常、5〜10%程度は不良品となっている。こうした点も、手摺りの取付けに大きく影響する。
一つの形状で一つの型にしか対応できないので、おのずと多数の形状を準備しておかなければならず、在庫数も多く必要となる。例えば、1枚の踏み板上に2本ずつ子柱を立設する場合は、傾斜している手摺りに対応させるために長さの異なる2本の子柱を必要とする。これも、手摺りの取付けに悪影響を及ぼす。
例えば、上下両端部が角断面、中央部分が円断面の場合は、加工時に削り落とされる部分が多く、分留りが悪くなる。しかも、一旦、角断面に加工後、あらためて円断面に加工しなければならないので、極めて面倒な加工を必要とする。
階上と階下のそれぞれに親柱(3)を立設して、該二本の親柱(3)の間に、下面の所定箇所に複数のホゾ穴(H)を形成した手摺り(1)を掛け渡して取付けた後、
前記子柱本体(11)の上端部(11a)を、前記手摺り(1)のホゾ穴(H)に嵌入した後、前記子柱本体(11)の下端部(11b)を前記踏み板(4)またはボーダー(5)のホゾ穴(H)に嵌入して、前記子柱(10)を前記手摺り(1)と踏み板(4)またはボーダー(5)との間に取付け、
前記上部装飾部材(12)を上側に持ち上げるように移動するとともに回転してその上部装飾部材(12)の上端面を手摺り(1)の下面の傾斜角度に対応した位置決め調整を行って、前記手摺り(1)の下面に固定すると共に、前記下部装飾部材(13)を下側に下げるように移動してその下部装飾部材(13)の下端面を踏み板(4)またはボーダー(5)の上面に固定してなることを特徴とする。
階下に親柱(3)を立設するとともに、階上の壁(50)に台座(51)を取付け、前記親柱(3)と台座(51)の間に、下面の所定箇所に複数のホゾ穴(H)を形成した手摺り(1)を掛け渡して取付けた後、
前記子柱本体(11)の上端部(11a)を、前記手摺り(1)のホゾ穴(H)に嵌入した後、前記子柱本体(11)の下端部(11b)を前記踏み板(4)またはボーダー(5)のホゾ穴(H)に嵌入して、前記子柱(10)を前記手摺り(1)と踏み板(4)またはボーダー(5)との間に取付け、
前記上部装飾部材(12)を上側に持ち上げるように移動するとともに回転してその上部装飾部材(12)の上端面を手摺り(1)の下面の傾斜角度に対応した位置決め調整を行って、前記手摺り(1)の下面に固定すると共に、前記下部装飾部材(13)を下側に下げるように移動してその下部装飾部材(13)の下端面を踏み板(4)またはボーダー(5)の上面に固定してなることを特徴とする。
すなわち、従来のように、すべての子柱を立設した後、それらの上端部に形成した複数のホゾを、手摺りの下面に形成した複数のホゾ穴に合わせて取付けるといった面倒な工程を必要としないので、短時間で容易に取付けることができる。なお、子柱を取付ける前に手摺りを取付けるので、手摺りとしての機能を早期に発揮させることができ、安全性の点からも好ましい。
(1)子柱と手摺りおよび踏み板(あるいはボーダー)との間に隙間が生じない。
子柱本体を手摺りおよび踏み板(あるいはボーダー)の間に取付けた後、上部装飾部材の上端面を手摺りの下面に固定し、下部装飾部材の下端面を踏み板(あるいはボーダー)の上面に固定するので、手摺りおよび踏み板(あるいはボーダー)に形成したホゾ穴を完全に覆い隠すことができる。従って、ホゾ穴と手摺りとの間の隙間が視覚されない。
子柱本体は、その上端部と下端部をホゾ穴に嵌入するので、ホゾを形成する必要がない。また、手摺りおよび踏み板(またはボーダー)に形成するホゾ穴は、子柱本体が円柱形状の場合は、それに対応して単純形状の丸穴で良い。従って、ホゾ穴の形成もきわめて容易である。
また、少なくとも上部装飾部材は、通常、手摺りの傾斜に合わせて斜めに切断する必要があるが、例えば、図10に示すように、子柱本体から抜き出して切断することができるので、施工現場での加工が容易である。
外観に現れる子柱本体と上部装飾部材および下部装飾部材は、それぞれ別体成形するので小型であり、欠陥を除いた端材からでも成形することができる。従って、完全無欠点の木材でなくても使用可能であり、不良率が低くなる。例えば、上部装飾部材および下部装飾部材は、多少の割れや変色程度ならば何ら支障なく使用できる。
同一の踏み板上に2本ずつ子柱を立設する場合、2本の長さが異なっても、一方の子柱本体の長さを短く切断して、上部装飾部材および下部装飾部材の位置を移動すれば容易に対応できる。
また、従来のように単一材料から製造された子柱では1種類しか対応できないが、本発明では、子柱本体と上部装飾部材および下部装飾部材をそれぞれ異なった樹種、材質、色別の材料から製造することもできる。例えば、従来は同一材質の同一色を用いていたが、子柱本体と上部装飾部材および下部装飾部材の色や樹種を意図的に変更したり、金属やプラスチック材料を木目仕上げにして用いることもできる。従って、組合わせによって、あらゆる種類の子柱を成形することができる。
例えば、子柱本体を円柱形状とし、上部装飾部材および下部装飾部材を角筒形状とする場合、両者は別工程で製造するので、それぞれを最良の分留りでの木取りが可能である。従って、木材の無駄が減少する。また、それぞれを別の装置で製造するので、同一材を複数の加工装置にて加工する必要がなく、加工作業が容易となる。
従って、当該上部装飾部材を固定する際の位置決め調整を容易に行うことができ、手摺りの取付けをさらに容易かつ短時間で行うことができる。
すなわち、従来のように、複数の子柱を取付けた後に、それらの上端部に形成したホゾを、手摺りの下面に形成した複数のホゾ穴に合わせて嵌め込むといったきわめて厄介な作業を必要としないので、取付けが容易であり、かつ短時間で行うことができる。また、親柱を取付けた直後に手摺りを取付けるので、手摺りとしての機能を早期に確保することができ、安全性にも優れる。
すなわち、まず、図5に示すように、階上(2階)と階下(1階)のそれぞれに親柱3を立設した後、当該二本の親柱3の間に、下面の所定箇所に複数のホゾ穴Hを形成した手摺り1を掛け渡して取付ける。
続いて、図6に示すように子柱本体11の上端部11aを手摺り1のホゾ穴Hに嵌入した後、下端部11bを踏み板4のホゾ穴Hに嵌入し、当該子柱10を手摺り1と踏み板4の間に取付ける。
そして、図7に示すように、上部装飾部材12を持ち上げてその上端面を手摺り1の下面に釘や接着剤によって固定すると共に、下部装飾部材13を下げてその下端面を踏み板4の上面に同じく釘や接着剤によって固定する。これによって、図1に示す手摺り1とすることができる。なお、子柱10をボーダー5に取付ける場合にも、図8および図9に示すように同様の手順で行う。
(1)子柱10と手摺り1および踏み板4(あるいはボーダー5)との間に隙間が生じない。
子柱本体11を手摺り1および踏み板4の間に取付けた後に、上部装飾部材12の上端面を手摺り1の下面に固定し、下部装飾部材13の下端面を踏み板4等の上面に固定するので、手摺り1および踏み板4等に形成したホゾ穴Hを完全に隠すことができる。従って、ホゾ穴Hと手摺り1との間の隙間が外から見えない。
子柱本体11は、その上端部11aと下端部11bをホゾ穴Hに嵌入するので、ホゾTを形成する必要がない。また、手摺り1および踏み板4に形成するホゾ穴Hは、子柱本体11が円柱形状の場合は、それに対応して単純形状の丸穴で良い。従って、ホゾ穴Hの形成もきわめて容易である。
また、少なくとも上部装飾部材12は、通常、手摺り1の傾斜に合わせて斜めに切断する必要があるが、図10に示すように、子柱本体11から抜き出して切断することができるので、施工現場での加工を容易に行うことができる。
外観に現れる子柱本体11と上部装飾部材12および下部装飾部材13は、それぞれ別体成形するので小型であり、欠陥を除いた端材からでも成形することができる。従って、完全無欠点の木材でなくても使用可能であり、不良率が低下する。
同一の踏み板4上に2本ずつ子柱10を立設する場合、2本の長さが異なっても、一方の子柱本体11の長さを短く切断して、上部装飾部材12および下部装飾部材13の位置を移動すれば容易に対応できる。
また、子柱本体11と上部装飾部材12および下部装飾部材13をそれぞれ異なった樹種、材質、色別の材料から製造することもできる。例えば、子柱本体11と上部装飾部材12および下部装飾部材13の色や樹種を意図的に変更したり、金属やプラスチック材料を木目仕上げにして用いることもできる。従って、組合わせによって、あらゆる種類の子柱10を成形することができる。
例えば、子柱本体11を円柱形状とし、上部装飾部材12および下部装飾部材13を角筒形状とする場合、両者は別工程で製造するので、それぞれを最良の分留りでの木取りが可能である。従って、木材の無駄が減少する。また、それぞれを別の装置で製造するので、同一材を複数の加工装置にて加工する必要がなく、加工作業が容易となる。
すなわち、この場合の手摺り用子柱10は、バルコニーや吹き抜け部分で設置される手摺り1と、その手摺り1下部の床面70に設置された基台71との間に取付けることのできる子柱であって、上端部11aが、前記手摺り1の下面に形成したホゾ穴Hに嵌入すると共に、下端部11bが、前記基台71の上面に形成したホゾ穴Hに嵌入する子柱本体11と、前記子柱本体11の略上半部に昇降自在に嵌装され、上側への移動によりその上端面を、前記手摺り1の下面に固定可能な筒状の上部装飾部材12と、さらに、前記子柱本体11の略下半部に昇降自在に嵌装され、下側への移動によりその下端面を、前記基台71の上面に固定可能な筒状の下部装飾部材13を備えるものである。
図12に示したように、立設された二本の親柱3の間,あるいは、図13に示したように、立設された一本親柱3と壁50に取付けられた台座51の間,あるいは、隣接する壁50にそれぞれ取付けられた台座51の間に、下面の所定箇所に複数のホゾ穴Hを形成した手摺り1を掛け渡して取付けた後、前記子柱本体11の上端部11aを、前記手摺り1のホゾ穴Hに嵌入した後、前記子柱本体11の下端部11bを前記基台71のホゾ穴Hに嵌入して、前記子柱10を前記手摺り1と基台71との間に取付け、前記上部装飾部材12を上側に持ち上げるように移動してその上端面を手摺り1の下面に固定すると共に、前記下部装飾部材13を下側に下げるように移動してその下端面を基台71の上面に固定するものである。
3 親柱
4 踏み板
5 ボーダー
10 子柱
11 子柱本体
11a 上端部
11b 下端部
12 上部装飾部材
13 下部装飾部材
20 親柱
30 子柱
50 壁
51 台座
70 床面
71 基台
T ホゾ
H ホゾ穴
Claims (2)
- 上端部が、階段用の傾斜した手摺りの下面に形成したホゾ穴に嵌入すると共に、下端部が、踏み板または踏み板に隣接して設けられたボーダーの上面に形成したホゾ穴に嵌入する子柱本体と、該子柱本体の円柱形状の略上半部に昇降自在及び回転自在に嵌装された筒状で、しかも上端面を前記手摺りの傾斜角度に対応した傾斜面とした上部装飾部材と、円柱形状の略下半部に昇降自在及び回転自在に嵌装された筒状の下部装飾部材を備え、さらに、前記上部装飾部材を、前記子柱本体から上方に抜き出し可能にし、前記上部装飾部材を前記子柱本体から抜き出して前記上部装飾部材の上端面を前記手摺りの傾斜角度に対応した傾斜面に切断した後、前記上部装飾部材を前記子柱本体に嵌装させてなる子柱を使用して階段の手摺りを取付ける方法であって、
階上と階下のそれぞれに親柱を立設して、該二本の親柱の間に、下面の所定箇所に複数のホゾ穴を形成した手摺りを掛け渡して取付けた後、
前記子柱本体の上端部を、前記手摺りのホゾ穴に嵌入した後、前記子柱本体の下端部を前記踏み板またはボーダーのホゾ穴に嵌入して、前記子柱を前記手摺りと踏み板またはボーダーとの間に取付け、
前記上部装飾部材を上側に持ち上げるように移動するとともに回転してその上部装飾部材の上端面を手摺りの下面の傾斜角度に対応した位置決め調整を行って、前記手摺りの下面に固定すると共に、前記下部装飾部材を下側に下げるように移動してその下部装飾部材の下端面を踏み板またはボーダーの上面に固定してなることを特徴とする手摺りの取付方法。 - 上端部が、階段用の傾斜した手摺りの下面に形成したホゾ穴に嵌入すると共に、下端部が、踏み板または踏み板に隣接して設けられたボーダーの上面に形成したホゾ穴に嵌入する子柱本体と、該子柱本体の円柱形状の略上半部に昇降自在及び回転自在に嵌装された筒状で、しかも上端面を前記手摺りの傾斜角度に対応した傾斜面とした上部装飾部材と、円柱形状の略下半部に昇降自在及び回転自在に嵌装された筒状の下部装飾部材を備え、さらに、前記上部装飾部材を、前記子柱本体から上方に抜き出し可能にし、前記上部装飾部材を前記子柱本体から抜き出して前記上部装飾部材の上端面を前記手摺りの傾斜角度に対応した傾斜面に切断した後、前記上部装飾部材を前記子柱本体に嵌装させてなる子柱を使用して階段の手摺りを取付ける方法であって、
階下に親柱を立設するとともに、階上の壁に台座を取付け、前記親柱と台座の間に、下面の所定箇所に複数のホゾ穴を形成した手摺りを掛け渡して取付けた後、
前記子柱本体の上端部を、前記手摺りのホゾ穴に嵌入した後、前記子柱本体の下端部を前記踏み板またはボーダーのホゾ穴に嵌入して、前記子柱を前記手摺りと踏み板またはボーダーとの間に取付け、
前記上部装飾部材を上側に持ち上げるように移動するとともに回転してその上部装飾部材の上端面を手摺りの下面の傾斜角度に対応した位置決め調整を行って、前記手摺りの下面に固定すると共に、前記下部装飾部材を下側に下げるように移動してその下部装飾部材の下端面を踏み板またはボーダーの上面に固定してなることを特徴とする手摺りの取付方法。
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