以下、本発明の人工木デッキ1の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の人工木デッキ1の全体構成を示す斜視図である。図2は、人工木デッキのデッキ本体の構造を示す斜視図である。図3は、人工木デッキ1のステップ部30を示す斜視図である。図4は、側板41の断面を示す図3のA−A線断面図である。図5は、人工木デッキ1を後側の斜め上方側から見た斜視図である。図6は、デッキ本体20とステップ部30との接続構造を示す斜視図である。図7は、側板41と踏板511との固定構造を示す断面図である。図8は、側板41と踏板511との固定構造を示す斜視図である。図9は、踏板511及びステップ幕板部52を後側から見た斜視図である。図10は、踏板511及びステップ幕板部52を示す図3のB−B線断面図である。
図1に示すように、本実施形態の人工木デッキ1は、例えば、建物10のテラス窓11の外側の庭などに設置されている。本実施形態の人工木デッキ1は、主に、外観表面において、人工木が外部に露出した人工木のデッキである。本実施形態においては、人工木とは、天然木材ではなく、例えば、木粉を混ぜた樹脂材料を押出成形した人工木材を使用することにより、天然木の質感を持たせたものである。具体的には、本実施形態の人工木デッキ1のデッキ本体20の上面を構成する複数の床板材22は、例えば、木粉を混ぜた樹脂材料の押出成形により形成され、表面に微細な木目状の溝状の凹凸を有している。
人工木デッキ1は、図1に示すように、デッキ本体20と、デッキ本体20を支持する複数の束柱21と、デッキ本体20に接続されるステップ部30と、を備える。デッキ本体20は、建物10の外部に張り出して設けられた床として構成される。デッキ本体20は、図2に示すように、複数の床板材22と、デッキ幕板23と、複数の大引24と、を備える。複数の束柱21は、基礎石211から立設して配置され、建物10のテラス窓11(図1参照)に沿って並んで配置されると共に、建物10から離れる方向に複数並んで配置される。複数の大引24は、複数の束柱21の上端部の上面に配置され、建物10のテラス窓11に沿って延びる。
なお、以下の説明においては、人工木デッキ1におけるステップ部30の方向について、ステップ部30を正面から見た場合(ステップ部30に対面した場合)における左右の向きを左右方向Xともいい、ステップ部30を正面から見た場合(ステップ部30に対面した場合)における前後の向きを前後方向Yともいう。また、ステップ部30の手前側を前側Y1ともいい、ステップ部30の奥側を後側Y2ともいう。
複数の床板材22は、所定の厚さを有して長尺状に形成され、所定方向に並んで配置される。複数の床板材22は、複数の大引24の上面に配置され、複数の大引24の長手方向に直交する方向に沿って延びる。複数の床板材22は、隣接する床板材22の下端部が横止め部品26と大引24との間に挟み込まれた状態で、横止め部品26を大引24に固定することで、複数の大引24に固定される。複数の床板材22は、それぞれ、外観表面が天然木の質感が表現された木目調の人工木により形成される。
複数の床板材22は、それぞれ、例えば、木粉を混ぜた樹脂材料の押出成形により形成される。床板材22は、図3に示すように、上面及び下面が平面状であって、断面が矩形状に形成される。床板材22は、床板材22の幅方向に並んで配置される複数の中空部221を有するホロー構造の形材により形成され、上面及び下面の幅方向の端部から面方向の外方に延出する延出端部222を有する。
デッキ幕板23は、図1〜図3に示すように、上下方向に延びる板状に形成される。デッキ幕板23は、床板材22の端面及び側面を覆うように、床板材22の端面及び側面に沿って配置される。デッキ幕板23は、床板材22の端面及び側面から下方に延びる。なお、本実施形態に限定されず、デッキ幕板23を設けなくてもよい。デッキ幕板23を設けない場合には、床板材22の端面及び側面は、カバー部材(図示せず)で覆われることが好ましい。また、この場合に、後述するように、床板材22、側板41及び踏板511は、同一の断面形状で形成されるため、床板材22の長手方向に沿う側面を覆うカバー部材として、側板41の長手方向の側面を覆う側板カバー部材42(後述)と共通のカバー部材を使用することができる。
ステップ部30は、デッキ本体20の縁部の任意の位置に設置される。ステップ部30は、地面とデッキ本体20との間に配置され、デッキ本体20に人が昇り降りするために、階段状に形成される。本実施形態においては、ステップ部30は、例えば、踏板511(後述)が2段の階段状に形成される。
ステップ部30は、図3及び図4に示すように、一対の側板構成部40と、2組のステップ段構成部50と、を備える。
一対の側板構成部40は、それぞれ、一対の側板41と、側板カバー部材42と、一対の側板取付金具43と、2つの側板補強部材44(中空部補強部材)と、を有する。
一対の側板41は、地面から立ち上がる板状に形成される。一対の側板41は、左右方向Xに離間して配置され、互いが対向して配置される。一対の側板41は、所定の厚さを有して長尺状に形成され、傾斜方向に延びる。
一対の側板41は、それぞれ、床板材22と同一材料からなる人工木により形成され、外観表面が、天然木の質感が表現された木目調に形成される。複数の側板41は、それぞれ、床板材22と同様に、例えば、木粉を混ぜた樹脂材料の押出成形により形成され、表面に微細な木目状の溝状の凹凸を有している。
側板41は、図4に示すように、床板材22と同様に、左面及び右面が平面状であって、断面が矩形状に形成される。側板41は、側板41の幅方向に並んで配置される複数の中空部411を有するホロー構造の形材により形成され、左面及び右面の幅方向の端部から面方向の外方に延出する延出端部412を有する。また、本実施形態においては、側板41は、床板材22と同一材料及び同一の断面形状で形成される。
側板カバー部材42は、図3及び図4に示すように、側板41の上端部の開口を覆うように側板41の上端部に取り付けられる。側板カバー部材42は、側板41の上端部に沿って傾斜して延びる。側板カバー部材42は、長尺状の板材で形成され、幅方向の両端部に一対の係合部421を有し、側板41の上端部に係合する。側板カバー部材42は、人工木により形成され、外観表面が、天然木の質感が表現された木目調に形成される。側板カバー部材42の表面には、微細な木目状の溝状の凹凸が形成される。
側板取付金具43は、図5及び図6に示すように、ステップ部30をデッキ本体20に接続する。側板取付金具43は、図6に示すように、側板41の上部側の側辺に取り付けられる。側板取付金具43は、傾斜支持板431と、垂直板432と、逆U字状引っ掛け片433と、固定片434と、を有する。傾斜支持板431、垂直板432、逆U字状引っ掛け片433及び固定片434は、下方側から上方側に向けて、この順に接続される。
傾斜支持板431は、側板41の後側Y2の下部の傾斜面に沿って配置され、側板41の上部側の下部の斜面にネジ部材431aにより固定される。
垂直板432は、側板41の後側Y2の垂直端面に沿って配置され、側板41の後側Y2の垂直端面にネジ部材432aにより固定される。
逆U字状引っ掛け片433は、逆U字形状に形成され、デッキ幕板23の上端面に係止される。
固定片434は、ネジ部材434aにより、デッキ本体20の床板材22の上面に固定される。
側板41に固定された側板取付金具43は、逆U字状引っ掛け片433がデッキ幕板23の上端面に係止されて、固定片434とL字金具435との間に側板41を挟み込んだ状態で、固定片434において、ネジ部材434aによりネジ止めされる。このように、ステップ部30は、デッキ本体20に固定される。
2つの側板補強部材44は、図4及び図6に示すように、それぞれ、側板41の内部において、側板41の傾斜方向に延びて形成される。側板補強部材44は、図4に示すように、側板41の5つの中空部411のうち、上方から2つ目の中空部411a及び最も下方の中空部411bに配置される。側板補強部材44は、外周面が中空部411の内面に沿って配置される略方形筒状に形成され、側面において上下方向の中央部分が窪んでいる。本実施形態では、例えば、側板補強部材44は、アルミ材料で形成される。
側板補強部材44は、側板41の強度を保持する強度部材を構成する。また、側板補強部材44は、図7及び図8に示すように、踏板受け金具61(後述)が、ネジ部材601により側板41の内側の側面に固定される際に、図4に示すように、ネジ部材601の先端を受けるネジ受け部を構成する。
一対の側板41の内側の側面には、図7及び図8に示すように、それぞれ、踏板受け金具61が固定される。一対の踏板受け金具61は、それぞれ、側板41の内側の側面に固定される。側板41に固定された踏板受け金具61には、踏板511(後述)に固定された踏板側金具62が取り付けられる。
踏板受け金具61は、図7及び図8に示すように、側面板611と、底面板612と、2つの突出片613と、を有する。
側面板611は、板状に形成され、側板41の内側の側面に配置される。側面板611は、ステップ部30の前後方向Yに延びる。側面板611は、ネジ部材601により、側板41の内側の側面に固定される。
底面板612は、板状に形成され、側面板611の下端部から、側板41の内側に略水平に突出して、ステップ部30の前後方向Yに延びる。
2つの突出片613は、ステップ部30の前後方向Yに離間して配置される。2つの突出片613は、それぞれ、底面板612の一部をU字状に切り欠いて下方に折り返したように形成され、底面板612から下方に突出して延びる。底面板612における突出片613が折り返された部分には、開口614が形成されている。
2組のステップ段構成部50は、図3に示すように、一対の側板41の間に配置される。2組のステップ段構成部50は、一対の側板41の傾斜方向に離間して配置される。2組のステップ段構成部50は、図9及び図10に示すように、それぞれ、踏板構成部51と、ステップ幕板部52と、3つの幕板補強ブラケット57(幕板補強部)と、照明ユニット58と、を有する。踏板構成部51は、踏板511と、中空部補強部材としての2つの踏板補強部材514と、一対の踏板側金具62(図7及び図8参照)と、を有する。
踏板511は、床板材22と同一材料からなる人工木により形成され、外観表面が、天然木の質感が表現された木目調に形成される。踏板511は、床板材22及び側板41と同様に、例えば、木粉を混ぜた樹脂材料の押出成形により形成され、表面に微細な木目状の溝状の凹凸を有している。
踏板511は、図9及び図10に示すように、床板材22及び側板41と同様に、上面及び下面が平面状であって、断面が矩形状に形成される。踏板511は、踏板511の幅方向(前後方向Y)に並んで配置される複数の中空部512を有するホロー構造の形材により形成され、上面及び下面の幅方向の端部から面方向の外方に延出する延出端部513(上面延出端部513a,下面延出端部513b)を有する。本実施形態においては、踏板511は、側板41及び床板材22と同一材料及び同一の断面形状で形成される。
本実施形態においては、踏板511、側板41及び床板材22は、同一材料及び同一の断面形状を有する共通の部材を、例えば、押出成形により形成して、使用される長さや配置される角度に応じて、所定の長さ及び所定の角度に切断又は製作することで製造される。
2つの踏板補強部材514は、図9及び図10に示すように、それぞれ、踏板511の内部において、踏板511の左右方向Xに延びて形成される。2つの踏板補強部材514は、踏板511の5つの中空部512のうち、前後方向Yの両端の中空部512a,512bに配置される。踏板補強部材514は、外周面が中空部512の内面に沿って配置される略方形筒状に形成され、上面及び下面において前後方向Yの中央部分が窪んでいる。本実施形態では、例えば、踏板補強部材514は、アルミ材料で形成される。
踏板補強部材514は、踏板511の強度を保持する強度部材を構成する。また、踏板511の5つの中空部512のうち、前側Y1の中空部512aに配置される踏板補強部材514は、ステップ幕板部52を踏板511にネジ部材501で取り付ける際に、ネジ部材501の先端側を受けるネジ受け部を構成する。
踏板511の左右方向Xの端部の下面には、図7及び図8に示すように、一対の踏板側金具62が固定される。踏板511は、踏板511に固定された踏板側金具62を、側板41に固定された踏板受け金具61に取り付けることで、側板41に取り付けられる。
踏板側金具62は、側面板621と、底面板622と、2つの突出片623と、を有する。
側面板621は、板状に形成され、踏板511の左右方向Xの端部の端面に沿って配置される。側面板621は、踏板511の前後方向Yに延びる。
底面板622は、板状に形成され、側面板621の下端部から、踏板511の内側に略水平に所定幅で延び、踏板511の前後方向Yに延びる。底面板622は、踏板511の左右方向Xの端部の底面に固定される。
2つの突出片623は、踏板511の前後方向Yに離間して配置される。2つの突出片623は、それぞれ、底面板622の一部をU字状に切り欠いて下方に折り返したように形成され、底面板622から下方に突出して延びる。
踏板511を側板41に取り付ける場合には、図7及び図8に示すように、踏板511に固定された踏板側金具62の突出片623を、側板41に固定された踏板受け金具61の開口614に挿入することで、踏板側金具62の突出片623及び踏板受け金具61の突出片613を重ね合わせる。そして、ネジ部材502により、突出片623及び突出片613を共締めする。これにより、踏板511に固定された踏板側金具62を、側板41に固定された踏板受け金具61に固定することで、踏板511を、側板41に取り付ける。
ステップ幕板部52は、図10に示すように、ネジ部材501により、踏板511に固定される。ステップ幕板部52は、段鼻部53と、蹴込み部56と、を有する。段鼻部53は、段鼻本体部54と、段鼻カバー部材55(幕板カバー部材)と、を有する。段鼻本体部54と蹴込み部56とは、一体的に形成される。蹴込み部56は、上下方向に延びる板状に形成される。段鼻本体部54は、蹴込み部56の上端に配置され、蹴込み部56よりも前側Y1に突出する。
ステップ幕板部52(段鼻本体部54、蹴込み部5)は、人工木により形成され、外観表面が、天然木の質感が表現された木目調に形成される。ステップ幕板部52は、床板材22と同様に、例えば、木粉を混ぜた樹脂材料の押出成形により形成され、前側Y1の表面には、微細な木目状の溝状の凹凸が形成される。
段鼻本体部54は、踏板511の前側Y1に配置される。段鼻本体部54は、蹴込み部56の前側Y1の表面よりも前側Y1に突出して形成される。段鼻本体部54は、上面滑止溝部541と、側面凹部542(ネジ部材配置部及び配線配置部)と、下面凹部543(照明取付凹部)と、を有する。段鼻本体部54及び踏板511は、上下方向の位置が略同じ位置に位置し、水平方向に並んで配置されている。
上面滑止溝部541は、踏板511の前側Y1に配置され、踏板511の上面よりも僅かに高い上面を有する。上面滑止溝部541は、上面に溝状の凹凸が形成され、滑り止め機能を有する。
側面凹部542は、段鼻本体部54における前側Y1に開口して形成され、ステップ幕板部52を踏板511に固定するためのネジ部材501が配置される。側面凹部542の内部の奥側において上下に延びる面には、前側Y1に開放するV字状のV溝542aが形成されている。V溝542aは、段鼻本体部54の左右方向Xの全域に亘って形成される。ネジ部材501は、側面凹部542の前側Y1から後側Y2に向けて前後方向Yに移動されて、V溝542aに先端が当てられて、段鼻本体部54、幕板補強ブラケット57(後述)の延在基板部571の上部側の部分及び踏板511の内部に挿入される。ここで、ネジ部材501でステップ幕板部52を踏板511に固定する場合に、V溝542aにネジ部材501の先端を当てることで、ネジ部材501の上下方向のネジ止め位置を容易に決めることができる。また、段鼻本体部54及び踏板511が水平方向に並んで配置され、踏板511は、前後方向Yに延びている。そのため、ネジ部材501が前後方向Yに移動されても、ネジ部材501の先端は、踏板511の内部に位置して、外部に飛び出ることはない。ネジ部材501の頭部は、側面凹部542に配置される。
段鼻カバー部材55は、側面凹部542に配置されたネジ部材501を覆うように、段鼻本体部54の前側Y1に取り付けられる。段鼻カバー部材55は、上下方向に幅を有し、水平方向に延びる長尺状の板材で形成される。段鼻カバー部材55は、幅方向の両端部に一対の係合部551を有し、段鼻本体部54の前側Y1に係合する。
段鼻カバー部材55は、人工木により形成され、外観表面が、天然木の質感が表現された木目調に形成される。段鼻カバー部材55の表面には、微細な木目状の溝状の凹凸が形成される。段鼻カバー部材55の段面形状は、側板カバー部材42の断面形状と同一である。本実施形態では、段鼻カバー部材55及び側板カバー部材42は、同一材料及び同一の断面形状を有する共通の部材を、使用される長さに応じて、所定の長さに切断又は製作することで製造される。これにより、段鼻カバー部材55及び側板カバー部材42を共通の部材とすることができるため、意匠性を向上させつつ、製造コストを低減できる。側面凹部542に段鼻カバー部材55が取り付けられた状態においては、段鼻カバー部材55の表面と段鼻本体部54の表面とは、同一平面状に配置される。
下面凹部543は、ステップ幕板部52の上部側に配置される段鼻本体部54の下端部に配置され、下方に開放して形成される。下面凹部543には、照明ユニット58が取り付けられる。照明ユニット58は、ステップ幕板部52の左右方向Xに延びる長尺状に形成される。照明ユニット58の配線59は、下面凹部533から、貫通孔543aを介して、側面凹部532及び側板41の内部を通されて、ステップ部30の外部に導出される。側面凹部532及び側板41の内部は、照明ユニット58の配線59が配置される配線配置部でもある。
蹴込み部56は、図10に示すように、段鼻本体部54の前後方向Yの後側Y2の下端部から下方に延びる板状に形成される。蹴込み部56は、人工木により形成され、前側Y1を向く外観表面が、天然木の質感が表現された木目調に形成される。
蹴込み部56及び段鼻本体部54の後側Y2の背面であるステップ幕板部52の背面には、ステップ幕板部52の背面から突出すると共に左右方向Xに延びる複数の突条521が形成されている。複数の突条521は、上下方向に並んで配置される。
図10に示すように、複数の突条521のうち、上端部の突条522には、下方に突出する上部側嵌合凸部522a(嵌合部)と、上端部から後方側に突出する上端凸部522bと、が形成される。
複数の突条521のうち、下端部の突条523には、上方に突出する下部側第1嵌合凸部523a(嵌合部)と、下方から2番目の突条524には、下方に突出する下部側第2嵌合凸部524a(嵌合部)が形成される。
3つの幕板補強ブラケット57は、ステップ幕板部52を後側Y2から補強する。3つの幕板補強ブラケット57は、図9に示すように、左右方向Xに離間して並んで配置される。本実施形態においては、幕板補強ブラケット57は、樹脂材料で形成される。
幕板補強ブラケット57は、図9及び図10に示すように、上下方向に延びる延在基板部571と、延在基板部571の後側Y2の面において左右方向Xに並んで配置される2つの突出部分572と、延在基板部571の後側Y2の面の上部から後側Y2に突出する踏板側嵌合部573(第2嵌合部)と、延在基板部571の前側Y1の面の上端部において前側Y1に突出する上部嵌合部575(第1嵌合部)と、延在基板部571の前側Y1の面の下方において上下方向に離間して配置され前側Y1に突出する2つの下部嵌合部576,577(第1嵌合部)と、を有する。
延在基板部571は、ステップ幕板部52の背面に沿って上下方向に延びるように配置される。延在基板部571の上部は、ステップ幕板部52と踏板511との間に配置される。延在基板部571の上下方向の途中から下部までの間には、後側Y2に突出する突出部分572が形成される。
突出部分572は、ステップ幕板部52が踏板511に取り付けられた場合に、踏板511の前側Y1の下方側に配置される。
上部嵌合部575は、ステップ幕板部52が踏板511に取り付けられた場合に、ステップ幕板部52の背面に配置される上端部の突条522の上部側嵌合凸部522aに嵌合する。
下部嵌合部576,577は、ステップ幕板部52に幕板補強ブラケット57に取り付ける際に、ステップ幕板部52の背面の下部に配置される下部側第1嵌合凸部523a及び下部側第2嵌合凸部524aに嵌合する。
このように、幕板補強ブラケット57に上部嵌合部575及び下部嵌合部576,577が形成されることで、幕板補強ブラケット57は、上部嵌合部575及び下部嵌合部576,577において、蹴込み部56の後側Y2の背面に嵌合される。
踏板側嵌合部573は、図10に示すように、幕板補強ブラケット57が取り付けられたステップ幕板部52を踏板511に取り付ける場合に、踏板511の上面延出端部513aの下面の凸部513dに嵌合される。これにより、幕板補強ブラケット57は、上部の踏板側嵌合部573において、踏板511の前側Y1の上面延出端部513aに嵌合される。
次に、人工木デッキ1のデッキ本体20にステップ部30を取り付ける手順について説明する。図11は、人工木デッキ1の施工方法を説明する図であって、内面側穴あけ治具71を用いて踏板受け金具61及び下端取付金具121を取り付ける場合を示す斜視図である。図12は、人工木デッキ1の施工方法を説明する図であって、側板41を設置する状態を示す斜視図である。図13は、人工木デッキ1の施工方法を説明する図であって、踏板511を取り付ける状態を示す斜視図である。図14は、踏板511を側板41に取り付ける状態を示す斜視図である。図15は、ステップ幕板部52を踏板511に取り付ける状態を示す斜視図である。図16は、ステップ幕板部52に幕板補強ブラケット57を嵌合させた状態を示す斜視図である。図17は、照明ユニット58を取り付ける状態を示す斜視図である。図18は、人工木デッキ1の施工方法を説明する図であって、ステップ幕板部52を踏板511にネジ固定により取り付けて段鼻カバー部材55を取り付ける状態を示す断面図である。図19は、外面側穴あけ治具72を用いて手摺り柱などを取り付けるための穴加工を行う場合を示す斜視図である。
まず、図11に示すように、一対の側板41に、踏板側金具62を取り付ける。この場合には、内面側穴あけ治具71を用いて、踏板側金具62を取り付けるための穴加工を行うと共に、後述する照明ユニット58の配線59を通すための穴加工を行う。
内面側穴あけ治具71は、図11に示すように、板状に形成される。内面側穴あけ治具71は、使用時に、一端部側が、折り目701,702に沿ってU字状に折り曲げて使用され、側板41の内側面、傾斜面、外側面に跨るように配置される。内面側穴あけ治具71は、内側面位置合わせ水平片711と、傾斜面対応片712と、外側面折り返し片713と、を有する。
一対の側板41に、踏板側金具62を取り付ける場合には、内面側穴あけ治具71を折り曲げて、内側面位置合わせ水平片711の上辺711aを、踏板天端位置511aに一致するように配置する。これにより、ステップ段構成部50の踏板511の天端の位置決めを行うことができる。この状態で、側板41の内側面において、複数の踏板用穴あけ開口711b及び照明用穴あけ開口711cにマーキングペンなどの先端を挿入して、複数の踏板側金具ネジ穴401及び照明配線穴402の穴あけ位置にマーキングを行う。内面側穴あけ治具71を側板41から外した後に、マーキング位置において、複数の踏板側金具ネジ穴401及び照明配線穴402の穴加工を行う。
そして、複数の踏板側金具ネジ穴401において、ネジ部材601により、踏板側金具62の側面板621を、側板41の内側面の踏板511の取付位置に固定する。また、照明配線穴402には、後述する照明ユニット58を取り付ける際に、照明ユニット58の配線59を通す。
次に、図12に示すように、一対の側板41を、デッキ本体20に取り付ける。具体的には、側板41の下端部において、側板41の下端部の内側面に取り付けられた下端取付金具121を、ネジ部材122を途中まで締め込むことにより基礎石12に仮固定する。また、側板41の上端部において、逆U字状引っ掛け片433を、デッキ幕板23の上端面に係止させて、固定片434とL字金具435との間に側板41を挟み込んだ状態において、側板取付金具43の固定片434を、ネジ部材434aを途中まで締め込むことにより仮固定する。これにより、一対の側板41を、デッキ本体20に仮固定する。
ここで、側板41の内側面の上下方向の途中において、踏板511を取り付ける位置に、踏板受け金具61を取り付ける。側板41の内部の中空部411a,411bには、側板補強部材44が配置されている(図4及び図5参照)。そのため、踏板受け金具61が、ネジ部材601により、側板41の内側の側面に固定される際に、側板補強部材44により、ネジ部材601の先端が受けられて、踏板受け金具61は強固に固定される。これにより、踏板511は、側板補強部材44に補強された状態で、一対の側板41の内側の側面に固定される。よって、踏板511の側板41への取り付け強度を向上できる。
続けて、図13に示すように、踏板511を、一対の側板41に取り付ける。具体的には、図14に示すように、踏板511の左右方向Xの端部の下面に固定された踏板側金具62の突出片623を、側板41に固定された踏板受け金具61の開口614に挿入することで、踏板側金具62の突出片623及び踏板受け金具61の突出片613を重ね合わせる。そして、ネジ部材502により、突出片623及び突出片613を共締めする。これにより、踏板511に固定された踏板側金具62を、側板41に固定された踏板受け金具61に固定することで、踏板511を、一対の側板41に取り付ける。
次に、図15に示すように、ステップ幕板部52を、踏板511に取り付ける。
ここで、図16に示すように、ステップ幕板部52を踏板511に取り付ける前に、工場や人工木デッキ1を施工する現場などで、予め、ステップ幕板部52の後側Y2の背面に、幕板補強ブラケット57を、ステップ幕板部52に嵌合させて、ステップ幕板部52の背面に配置する(第1配置工程)。
ステップ幕板部52の後側Y2の背面に幕板補強ブラケット57を嵌合させる場合には、幕板補強ブラケット57の上部において、ステップ幕板部52の背面の上部側嵌合凸部522aに、幕板補強ブラケット57の上部嵌合部575を嵌合させると共に、幕板補強ブラケット57の下部において、ステップ幕板部52の背面の下部側第1嵌合凸部523a及び下部側第2嵌合凸部524aに、幕板補強ブラケット57の下部嵌合部576,577を嵌合させる。これにより、ステップ幕板部52に幕板補強ブラケット57を嵌合させるだけで、ステップ幕板部52の後側Y2の背面に幕板補強ブラケット57を取り付ける作業を容易に行うことができる。
また、図17に示すように、ステップ幕板部52を踏板511に取り付ける前に、工場や人工木デッキ1を施工する現場などで、予め、ステップ幕板部52の段鼻部53の下面凹部543に、照明ユニット58を取り付ける。そして、照明ユニット58の配線59を、段鼻部53の下面凹部543から、貫通孔543aを介して、側面凹部542に通して配置し、側面凹部542に通された配線59は、側板41の内部を通される配線にコネクタ等を介して接続する。なお、照明ユニット58を、ステップ部30を設置した後に、後付けで、ステップ幕板部52の段鼻部53の下面凹部543に取り付けてもよい。
次に、図18に示すように、幕板補強ブラケット57が嵌合されたステップ幕板部52を、踏板511の前側Y1に嵌合させて、踏板511に配置する(第2配置工程)。この場合、幕板補強ブラケット57の踏板側嵌合部573が、踏板511の上面延出端部513aの下面の凸部513dに嵌合することで、踏板511をステップ幕板部52に仮固定することができる。
続けて、踏板511をステップ幕板部52に仮固定した状態で、ステップ幕板部52、幕板補強ブラケット57、踏板511及び踏板補強部材514を、ネジ部材501により、共締めする(ネジ固定工程)。ここで、側面凹部542の内部の奥側の面にはV溝542aが形成されるため、ネジ部材501でステップ幕板部52を踏板511に固定する場合に、V溝542aにネジ部材501の先端を当てることで、ネジ部材501の上下方向のネジ止め位置を容易に決めることができる。これにより、踏板511をステップ幕板部52に仮固定した状態で、ステップ幕板部52を踏板511に簡単に固定することができる。
そして、側板41の下端部において仮固定していた下端取付金具121(図15参照)を、ネジ部材122を締め付けることにより、本固定する。また、側板41の上端部において仮固定していた側板取付金具43の固定片434(図15参照)を、ネジ部材434aを締め付けることにより、本固定する。
また、図18に示すように、段鼻カバー部材55を、ステップ幕板部52の段鼻部53の側面凹部542に係合させる。これにより、段鼻カバー部材55を、側面凹部542に配置されたネジ部材501及び照明ユニット58の配線59を覆うように、段鼻部53に取り付ける。
また、一対の側板41に、図19に示すように、手摺り柱(図示せず)などを取り付ける場合には、側板41の外側面に、手摺り柱などをネジ部材により固定するためのネジ穴の穴加工を行うこともできる。この場合には、外面側穴あけ治具72を用いて、手摺り柱などをネジ部材で取り付けるためのネジ穴の穴加工を行う。
外面側穴あけ治具72は、図19に示すように、板状に形成される。外面側穴あけ治具71は、使用時に、折り目703に沿ってL字状に折り曲げて使用され、側板41の外側面及び傾斜面に跨るように配置される。外面側穴あけ治具72は、外側面位置合わせ水平片721と、傾斜面対応片722と、を有する。
一対の側板41に、手摺り柱(図示せず)などを取り付ける場合に、外面側穴あけ治具72を折り曲げて、外側面位置合わせ水平片721の上辺721aを、柱高さ設定位置73に一致するように配置する。これにより、手摺り柱(図示せず)の取り付け高さの位置決めを行うことができる。この状態で、側板41の外側面において、複数の柱用穴あけ開口721bにマーキングペンなどの先端を挿入して、複数の柱固定用ネジ穴404の穴あけ位置にマーキングを行う。外面側穴あけ治具72を側板41から外した後に、マーキング位置において、複数の柱固定用ネジ穴404の穴加工を行う。そして、複数の柱固定用ネジ穴404において、ネジ部材により、手摺り柱などを、側板41の外側面の取付位置に固定する。
以上のように構成される人工木デッキ1は、人工木デッキ1のステップ部30において、踏板511の下方に、人工木で形成された蹴込み部56が配置されるため、床板材22との統一感が得られ、意匠性を向上できる。また、蹴込み部56を設けたため、安全性を向上できる。
また、ステップ幕板部52は、踏板511の前側Y1に配置されると共に蹴込み部56の上端に配置される段鼻本体部54を有し、蹴込み部56及び段鼻本体部54は、一体的に形成される。そのため、蹴込み部56及び段鼻本体部54を一体的に形成することで、部品点数を削減できる。これにより、別々で構成するよりも製造コストを低減できる。また、蹴込み部56及び段鼻本体部54を別々で構成するよりも、組み付け性を向上できる。また、蹴込み部56及び段鼻本体部54を一体的に形成することで、シンプルな構成となり、意匠性を向上できる。
また、幕板補強ブラケット57は、ステップ幕板部52の背面に嵌合可能な上部嵌合部575及び下部嵌合部576,577を有する。そのため、ステップ幕板部52の背面に上部嵌合部575及び下部嵌合部576,577を嵌合させるだけで、幕板補強ブラケット57をステップ幕板部52の背面に容易に仮固定することができる。これにより、ステップ幕板部52を踏板511に固定する作業性を向上できる。
また、幕板補強ブラケット57は、踏板511に嵌合可能な踏板側嵌合部573を有する。そのため、踏板511に踏板側嵌合部573を嵌合させるだけで、幕板補強ブラケット57に踏板511を容易に仮固定することができる。これにより、ステップ幕板部52を踏板511に固定する作業性を向上できる。
また、ステップ幕板部52は、ステップ幕板部52、幕板補強ブラケット57及び踏板511がネジ部材501で共締めされることで、踏板511に固定される。そのため、ステップ幕板部52を踏板511に固定する際に、1本のネジ部材501のみで固定できるため、ステップ幕板部52を踏板511に固定する作業性を向上できる。また、ステップ幕板部52、幕板補強ブラケット57及び踏板511が並んだ箇所において、ステップ幕板部52、幕板補強ブラケット57及び踏板511が並ぶ方向に沿って、ネジ部材501を移動させて固定できる。これにより、また、ネジ部材501の先端が踏板511の内部に位置して外部に露出しないため、安全性を確保できる。
また、ステップ幕板部52は、上部側に配置され下方が開放すると共に照明ユニット58が取り付けられる下面凹部543と、照明ユニット58の配線59が配置される側面凹部542と、を有する。これにより、照明ユニット58を配置するスペースを確保できる。
また、ステップ幕板部は、上部側に配置され前方側の側方が開放すると共にネジ部材501が配置される側面凹部542と、側面凹部542に配置されたネジ部材501を覆うようにステップ幕板部52に取り付けられる段鼻カバー部材55と、を有する。これにより、側面凹部542に配置されたネジ部材501を隠すことができるため、意匠性を向上できる。
以上説明した本実施形態の人工木デッキ1によれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態の人工木デッキ1は、人工木で形成された複数の床板材22を有するデッキ本体20と、デッキ本体20に接続されるステップ部30と、を備える人工木デッキ1であって、ステップ部30は、人工木で形成された一対の側板41と、一対の側板41の間に配置され人工木で形成された踏板511と、を有し、床板材22、側板41及び踏板511は、断面形状が同一である。そのため、床板材22、側板41及び踏板511が人工木で形成され、人工木の統一感を得られるため、意匠性を向上できる。また、床板材22、側板41及び踏板511を共通の部材とできるため、意匠性を向上させつつ、製造コストを低減できる。
また、本実施形態においては、側板41は、中空部411を有するホロー構造の形材により形成され、中空部411の内部に配置される側板補強部材44を備え、踏板511は、側板補強部材44に補強された状態で、一対の側板41の内側の側面に固定される。そのため、踏板受け金具61が、ネジ部材601により、側板41の内側の側面に固定される際に、側板補強部材44により、ネジ部材601の先端が受けられて、踏板受け金具61を強固に固定できる。これにより、踏板511の側板41への取り付け強度を向上できる。
また、本実施形態においては、ステップ部30は、上下方向に延びると共に人工木で形成された蹴込み部56を有しネジ部材501により踏板511に固定されるステップ幕板部52と、ネジ部材501を覆うようにステップ幕板部52に取り付けられる段鼻カバー部材55と、側板41の端部の開口を覆うように側板41に取り付けられる側板カバー部材42と、を有し、段鼻カバー部材55及び側板カバー部材42は、断面形状が同一である。そのため、段鼻カバー部材55及び側板カバー部材42を共通の部材とすることができるため、意匠性を向上させつつ、製造コストを低減できる。
以上、本発明の人工木デッキ1の好ましい一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態においては、踏板511の前側Y1にステップ幕板部52を配置したが、これに限定されず、ステップ幕板部を備えていなくてもよい。
また、前記実施形態においては、ステップ幕板部52を、段鼻部53及び蹴込み部56で構成したが、これに限定されない。例えば、ステップ幕板部52は、段鼻部53を有していなくてもよい。
また、前記実施形態においては、ステップ部30の踏板511を2段で構成したが、これに限定されない。ステップ部の踏板を、例えば、1段又は3段以上で構成してもよい。
また、前記実施形態においては、段鼻本体部54の下面凹部543に照明ユニット58を配置するように構成したが、これに限定されない。段鼻本体部54の下面凹部543に、例えば、他の電子機器等を配置するように構成してもよい。
また、前記実施形態においては、床板材22、側板41及び踏板511を、同一材料で形成したが、これに限定されない。例えば、床板材22、側板41及び踏板511のいずれか1つを、他の2つとは異なる樹脂材料に木粉を混ぜて形成してもよいし、床板材22、側板41及び踏板511それぞれを、異なる樹脂材料に木粉を混ぜて形成してもよい。