JP5514350B1 - 脱輪防止構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スプロケットホイールの歯が、スプロケットホイールの回転方向の前後のいずれか一方に、チェーンのリンクの高さを超えて他の部分より高く突出した突出部を有しており、チェーンを構成するリンクに取り付けられる汚泥掻寄板の位置を、前記歯の突出部の位置とは逆のチェーン進行方向の前後のいずれか他方に偏らせて配置してなり、スプロケットホイールの回転時に前記歯の突出部が該歯に掛け止められたリンクの汚泥掻寄板と干渉せずにチェーンを進行させうることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
そして、チェーンは、左右一対のリンクをその前後の同様の左右一対のリンクと枢動可能に連結するために左右のリンク間をその前後で枢軸により連結した連結部が設けられており、該連結部間の空間にスプロケットホイールの歯が入り連結部が歯と歯の間の凹部に掛止められるようになっている。
また、ノッチチェーンを兼用するチェーンにあっては、リンクに形成されたノッチ部にスプロケットホイールに設けられたピンが係合しうるようになっている。
そこで、地震等により汚水処理槽内の水が揺れて大きな波が発生し、その波の力がチェーンや汚泥掻寄板に加えられた場合には、チェーンとスプロケットホイールとの掛止が外れてしまい、チェーンがスプロケットホイールから脱輪する不具合があった。
特に、チェーンやスプロケットホイールの素材がプラスチックの場合には、金属の場合よりも軽量であり、浮力による影響を受けやすく、上記波の力により一層チェーンがスプロケットホイールから外れやすいという欠点があった。
そこで、従来は、例えば、特開2013−651号の汚泥かき寄せ装置のように、脱輪防止のために、無端チェーンの、水面軌道に位置する部分の近傍に配置されたガイド部材を備え、無端チェーンは、上から見たときにガイド部材に重なる位置まで池幅方向に突出した突出部を周回軌道に沿って複数配置したものであり、ガイド部材は、スプロケットの中心軸の間で、無端チェーンの突出部の上方に間隔をあけて配置され、突出部が配置された間隔以上の長さを有する構成となっている。
そのため、チェーン構造の他にガイド部材が必要となり、設置に手間が掛かり、また、チェーンとスプロケットとが掛止められる全域では無く局部的にしか脱輪防止の効果が及ばないという不具合がある。
そこで、例えば、特開2013−64439号のチェーン構造では、ガイド部材を設けずに、スプロケットホイールの軸線方向の一端部又は両端部に側板を備えてチェーンがスプロケットホイールからその半径外方に離隔して外れるのを防止する構成が提案されている。
しかし、上記構成では、側板がチェーンの左右一方又は双方の動きを拘束することができるだけであり、チェーンが上下に動いて歯から抜け出た場合には、元に戻すことができない。
また、側板で覆われるので、チェーンとスプロケットホイールの掛止状態を外から見ることもできない。
更に、構成部材が増えるため、構造が複雑化し、設置のための手間もかかる。
しかし、チェーンには一定のピッチでリンクプレートの所定位置に汚泥掻寄板(フライト板)が取り付けられているため、歯を高くすると歯が汚泥掻寄板と干渉してチェーンの駆動が停止するおそれがある。
そこで、本発明では、スプロケットホイールの歯の一部の高さを脱輪しにくいように従来よりも高く設定すると共に、チェーンに取り付ける汚泥掻寄板の位置を、前記歯の高くした部分と干渉しない位置に設定することで、簡単な構成で効果点な脱輪防止機能を有するチェーン構造の提供を目的とする。
請求項1の発明では、
スプロケットホイールの外周に巻き掛けられ、該スプロケットホイールに掛止められる掛止部を有すると共に汚泥掻寄せ板を備えたチェーンを設けた汚泥掻寄せ装置の脱輪防止構造において、
前記スプロケットホイールの歯が、正転方向の前方側歯部と後方側歯部とからなり、
前記前方側歯部が、チェーンを構成するリンクの掛止時にリンクより外方へ突出しない高さに設定され、
後方側歯部は、前記チェーンのリンクが所定の高さ浮き上がった際にもチェーンと衝合可能となるよう掛止時にチェーンのリンクの高さより高く外方へ突出する突出部からなっており、
チェーンを構成するリンクに取り付けられる汚泥掻寄板の位置を、チェーンの正転方向の前方に偏らせて配置してなり、
スプロケットホイールの回転時に前記後方側歯部が該歯に掛け止められたリンクの汚泥掻寄板と干渉せずにチェーンを進行させうることを特徴とする。
請求項2の発明では、
前記チェーンのリンクがノッチを有しており、
スプロケットホイールにノッチ掛止用のピンが設けられていることを特徴とする。
また、後方側歯部を正転方向の後方に偏らせ、チェーンのリンクに形成される汚泥掻寄板の位置を後方側歯部と逆の正転方向の前方に配置することで、後方側歯部と汚泥掻寄板の干渉を防ぐことができる。
以下に、この発明のチェーン構造の好適実施例について、図面を参照しながら説明する。
このスプロケットホイール1を図3で示す。
スプロケットホイール1の歯2は、一定ピッチで設けられた歯2と歯2の間に円弧状の凹部5が形成されており、該凹部5にチェーン10の前後のリンク11を枢着する連結部12を掛け止めて係止する。
前方側歯部3の形状は、従来のスプロケットホイール1の歯と同様の形状と高さに設定されており、図示例では、リンク11の掛止時にリンク11より外方へ突出しない高さに設定されている。
この後方側歯部4は、スプロケットホイール1の正転方向の前方側の辺4aは、前記前方側歯部3の後端と円弧状の中継部を介して連接されると共に、スプロケットホイール1の略径方向に沿って略直線状に延びており、上部4bは円弧状に湾曲し、後方側の辺4cはやや後方寄りに傾いて湾曲しながら凹部5の前方側の辺5aと連接される図示例形状からなっている。
図4に、前記汚泥掻寄板15を取り付けたリンク11、図5にチェーン10の一部を図示する。
ここで汚泥掻寄板15の構造は特に限定されず、公知の形状のものを用いることができる。
そして、前記支持部材13は、リンク11を構成する左右一対のリンクプレート11a間の上部を跨いで直交するように固着される板であり、13aはリンクプレート11a上でリンクプレートに沿って延びて支持部材13を支える三角板状の補強板である。
そこで、前記スプロケットホイール1の後方歯部4は、上記汚泥掻寄板15と干渉しないリンクプレート11a間の空間に嵌挿する必要がある。
上記支持部材13の位置と後方側歯部4の位置は、スプロケットホイール1の歯2がリンク11に掛けられてから抜け出る間に相互に干渉しない位置となるように設定される。
本実施例では汚泥掻寄板15を支持部材13と掻寄板本体15Aの構成としたが、その他の構成でもよく、要するにリンク11に交差して取り付けられる汚泥掻寄板15が、リンク11の前方側に偏って配置され、後方側が空いていればよい。
この場合は、スプロケットホイール1の回転方向と、チェーン10の進行方向が前記実施例1の正転の場合と逆になるが、同様にスプロケットホイール1の歯2の後方側歯部4とチェーン10の汚泥掻寄板15とが干渉することなく、スムーズにチェーン10を循環駆動することができる。
ここで、スプロケットホイール1は,図8に示すように、前記実施例1の歯2と、ピン20の両方を有しており、歯2とピン20とは同じピッチ数に設定されている。
図示例では、中央に歯2を有するホイールが配置され、歯2より内側で左右に突出するピン20が形成されている(図8(b)参照)が、スプロケットホイール1の形状は図示例に限定されず、歯2とピン20とを有するものであればよい。
このチェーン10は実施例1のスプロケットホイール1でも使用できるが、このリンク11は、その底部に前記ピン20と係合する凹状のノッチ17を有している。
本実施例2においても、汚泥掻寄板15の構造は、前記実施例1と同様であるので、その説明を省略する。
この場合は、スプロケットホイール1の回転方向と、チェーン10の進行方向が前記実施例2の正転の場合と逆になるが、同様にスプロケットホイール1の歯2の後方側歯部4とチェーン10の汚泥掻寄板15とが干渉することなく、スムーズにチェーン10を循環駆動することができる。
その場合は、チェーンのリンクに取り付けられる汚泥掻寄板は、進行方向の後方側に偏らせて配置してもよい。
また、歯の突出部の形状は本実施例に限定されず、要するに汚泥掻寄板を有するリンクが歯に徐々に掛止められ、次いで脱するまで汚泥掻寄板と干渉しない形状であればよい。
その他、要するにこの発明の要旨を変更しない範囲で種々設計変更しうること勿論である。
2 歯
3 前方側歯部
4 後方側歯部
5 凹部
10 チェーン
11 リンク
11a リンクプレート
12 連結部
13 支持部材
15 汚泥掻寄板
15A 掻寄板本体
17 ノッチ
20 ピン
Claims (2)
- スプロケットホイールの外周に巻き掛けられ、該スプロケットホイールに掛止められる掛止部を有すると共に汚泥掻寄せ板を備えたチェーンを設けた汚泥掻寄せ装置の脱輪防止構造において、
前記スプロケットホイールの歯が、正転方向の前方側歯部と後方側歯部とからなり、
前記前方側歯部が、チェーンを構成するリンクの掛止時にリンクより外方へ突出しない高さに設定され、
後方側歯部は、前記チェーンのリンクが所定の高さ浮き上がった際にもチェーンと衝合可能となるよう掛止時にチェーンのリンクの高さより高く外方へ突出する突出部からなっており、
チェーンを構成するリンクに取り付けられる汚泥掻寄板の位置を、チェーンの正転方向の前方に偏らせて配置してなり、
スプロケットホイールの回転時に前記後方側歯部が該歯に掛け止められたリンクの汚泥掻寄板と干渉せずにチェーンを進行させうることを特徴とする脱輪防止構造。 - チェーンのリンクがノッチを有しており、
スプロケットホイールにノッチ掛止用のピンが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の脱輪防止構造。
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