JP5514278B2 - ガスケット - Google Patents

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Description

本発明はガスケットに関し、より詳しくは、フッ素樹脂からなる外皮部材と該外皮部材により被覆された中芯部材からなるガスケットに関するものである。
従来、ガスケットの素材としては石綿が多く使用されていたが、石綿が人体に多大な危険を及ぼす可能性があることが指摘されたことから、近年では石綿以外の素材からなるガスケットの需要が高まっている。
石綿以外の素材からなるガスケットとしては、例えば、膨張黒鉛製ガスケットやフッ素樹脂製ガスケット(例えば、下記特許文献1参照)が存在している。
しかしながら、膨張黒鉛製ガスケットは、フランジへの焼き付きや粉落ちによるコンタミネーション等の問題があり、高温流体の配管や半導体等の製造工場などの汚染をきらう現場では使用できず、フッ素樹脂製ガスケットは、クリープや応力緩和が大きいため、応力負荷が大きい場所では使用できない。
他方、フッ素樹脂製の外皮部材によりジョイントシート等からなる中芯部材を被覆した構造を有するフッ素樹脂包みガスケットは、上述したような欠点の多くを解消できるものである。
しかしながら、フッ素樹脂包みガスケットは、外皮部材の外周端部が開放された構造を有しているのが一般的であり、中芯部材の素材によっては粉落ちによるコンタミネーションが生じるおそれがあった。
また、フッ素樹脂の摩擦係数が小さいために、大きい荷重が加わると外皮部材と中芯部材との間で滑りが生じ、中芯部材が破損するおそれがあった。
また、外周端部から外皮部材内部に流体が浸入することにより、中芯部材の強度が低下して高い応力下では使用できなくなるおそれがあった。
また、ガスケットの形状が複雑になると、中芯部材を外皮部材で被覆することが困難となるため、複雑な形状のものを製作することは困難であった。
更に、ガスケットはその表面に高い面圧が加わる環境下で使用される場合があるが、このような高圧力環境下(例えば200kg/cm以上)において、表面がフッ素樹脂(PTFE)で形成されたガスケットを使用すると、PTFEにクリープが生じて潰れてしまう(いわゆるフローが生じる)という問題が生じる。
このような問題点を解消する方法として、PTFEにガラス粒子を混合する方法が提案されている。
この方法によれば、PTFEのクリープを防止することは可能となるが、ガラス粒子は粒径が比較的大きく(小さくするのが困難)、他の材料とのなじみ性も悪いため、ガラス粒子を含んだガスケットとすることにより、柔軟性、なじみ性、シール性が低下してしまうという大きな問題がある。
特開2001−99324号公報
本発明は、上記したような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、フランジへの焼き付きや粉落ちによるコンタミネーション等の問題が生じず、高温流体の配管や半導体等の製造工場などの汚染をきらう現場でも使用可能であるとともに、クリープや応力緩和が小さく応力負荷が大きい場所でも使用可能であり、更には複雑な形状のものを容易に製作することができ、柔軟性、なじみ性、シール性にも優れているガスケットを提供せんとするものである。
請求項1に係る発明は、フッ素樹脂を含む素材からなる外皮部材と、該外皮部材とは異なる素材からなる中芯部材とからなり、前記中芯部材の外面全体が前記外皮部材により被膜されてなり、前記外皮部材がPTFEと粘土の複合材からなり、前記外皮部材は、PTFEシートと粘土シートを積層したものであり、前記PTFEは多孔質であり、前記粘土シートは、ガスバリア性能が厚さ30μmで酸素透過度が0.1cc/m ・24hr・atm未満、水素透過度が0.1cc/m ・24hr・atm未満であることを特徴とするガスケットに関する。
請求項に係る発明は、前記中芯部材が膨張黒鉛からなることを特徴とする請求項1に記載のガスケットに関する。
請求項に係る発明は、前記中芯部材が膨張黒鉛と他の素材との複合材からなることを特徴とする請求項1に記載のガスケットに関する。
請求項に係る発明は、前記中芯部材が膨張黒鉛と粘土の複合材からなることを特徴とする請求項記載のガスケット。
請求項に係る発明は、前記中芯部材が金属からなることを特徴とする請求項に記載のガスケット。
請求項に係る発明は、前記中芯部材がジョイントシートからなることを特徴とする請求項に記載のガスケット。
請求項1に係る発明によれば、フッ素樹脂を含む外皮部材により中芯部材の外面全体が被覆されていることから、フランジへの焼き付きや粉落ちによるコンタミネーションの問題が生じず、高温流体の配管や半導体等の製造工場などの汚染をきらう現場でも使用可能なガスケットとなる。また、外皮部材と中芯部材との間で滑りが生じたり、外皮部材内部に流体が浸入したりすることがないので、中芯部材が破損したり強度が低下したりするおそれがない。
更に、フッ素樹脂を含む外皮部材を中芯部材により補強することができるので、クリープや応力緩和を低減することができ、応力負荷が大きい場所でも使用可能なガスケットとなる。
外皮部材がPTFEと粘土の複合材からなることにより、ガスケットに高い面圧が加わった場合にPTFEがクリープすることが防止されるとともに、PTFEの優れた柔軟性、なじみ性、シール性を維持しつつ、耐熱性を向上させることができる。
外皮部材がPTFEシートと粘土シートを積層したものであることにより、PTFEシートをガスケット表裏面に配置することで、その優れた柔軟性、なじみ性、シール性を確実に発揮することができる。また、ガスケットの使用条件に応じて、積層の層数や各層の厚み、表面に位置する材料等を変更することにより、様々な使用条件に柔軟に対応することが可能である。
請求項に係る発明によれば、中芯部材が、圧縮復元性及び耐熱性に優れるとともに、応力緩和が小さい膨張黒鉛からなることにより、シール性、耐熱性、耐久性に優れた高性
能のガスケットとなる。
請求項に係る発明によれば、中芯部材が膨張黒鉛と他の素材との複合材からなることにより、中芯部材を構成する膨張黒鉛の欠点を他の素材により補うことができ、ガスケットを高機能化することが可能となる。
請求項に係る発明によれば、中芯部材が膨張黒鉛と粘土の複合材からなることにより、中芯部材に対して、膨張黒鉛が有する可撓性、耐アルカリ性、耐水性等の優れた特性を活かしつつ、粘土により機械的強度、耐熱性、耐食性、ガスバリア性、耐酸性等を向上させることができる。
請求項に係る発明によれば、中芯部材が金属からなることにより、機械的強度や耐熱性において優れた中芯部材となり、これらの特性によりガスケットの高機能化を図ることができる。
請求項に係る発明によれば、中芯部材がジョイントシートからなることにより、耐熱性や可撓性において優れた中芯部材となり、これらの特性によりガスケットの高機能化を図ることができる。
本発明に係るガスケットの第一実施形態を示す図であり、(a)は外観図、(b)は縦断面図、(c)は一部拡大断面図である。 外皮部材をフッ素樹脂と粘土の複合材から構成した例を示す図であり、(a)はPTFEシートの内部に粘土粒子が含まれた構造の複合材の縦断面図、(b)はPTFEシートと粘土シートを積層した構造の複合材の縦断面図である。 第一実施形態のガスケットの製造方法を示す図である。 本発明に係るガスケットの第二実施形態を示す図であり、(a)は外観図、(b)は縦断面図、(c)は一部拡大断面図である。 第二実施形態のガスケットの製造方法を示す図である。 本発明に係るガスケットの第三実施形態を示す図であり、(a)は外観図、(b)は縦断面図、(c)は一部拡大断面図である。 第三実施形態のガスケットの製造方法を示す図である。 第三実施形態のガスケットの異なる形状の例を示す平面図である。 第一及び第二実施形態において使用される外皮部材の製造方法の一例を示す図である。 第一及び第二実施形態において使用される外皮部材の製造方法の他の例を示す図である。
以下、本発明に係るガスケットの好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明に係るガスケットの第一実施形態を示す図であり、(a)は外観図、(b)は縦断面図、(c)は一部拡大断面図である。
本発明に係るガスケット(1)は、フッ素樹脂を含む外皮部材(2)と、該外皮部材(2)とは異なる素材からなる中芯部材(3)とからなり、中芯部材(3)の外面全体が外皮部材(2)により被覆された構造を有している。
ガスケット(1)の全体形状は特に限定されないが、図示例では円環状のものが示されている。
外皮部材(2)を構成するフッ素樹脂としては、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(PFA)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(EPE)、四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂(ETEE)、フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)等を例示することができるが、本発明においてはPTFEが好適に使用される。
外皮部材(2)の厚みは、全体として0.2〜10mm程度とされる。
本発明においては、外皮部材(2)は、フッ素樹脂と粘土の複合材から構成され、特にPTFEと粘土の複合材から構成することが好ましい。
この場合において、外皮部材(2)は、PTFEシート(5)の内部に粘土粒子(6)が含まれたもの(図2(a)参照)であってもよいし、PTFEシート(5)と粘土シート(7)を積層したもの(図2(b)参照)であってもよい。
粘土としては、天然粘土、合成粘土、変性粘土のうちの一種以上を用いることができる。
より具体的には、雲母、バーミキュライト、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、マガディアイト、アイラライト、カネマイト、イライト、セリサイト、ノントロナイトのうちの一種以上が好適に用いられる。
変性粘土に用いられる粘土としては、天然或いは合成物、好適には、例えば、雲母、バーミキュライト、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、マガディアイト、アイラライト、カネマイト、イライト、セリサイトのうちの一種以上、更に好適には、それらの天然或いは合成物のいずれか或いはそれらの混合物が例示される。
変性粘土に用いられる有機カチオンとしては、第四級アンモニウムカチオン或いは第四級ホスホニウムカチオンを含むものが例示される。その際、変性粘土における有機カチオン組成を30重量%未満とする構成を採用することができる。
また、本発明では、変性粘土にシリル化剤を反応させたものを使用することもできる。この場合、粘土とシリル化剤の総重量に対するシリル化剤組成を30%重量未満とする構成を採用することができる。
変性粘土に含まれる有機物としては、第四級アンモニウムカチオン、第四級ホスホニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、ピリジウムカチオンが挙げられる。第四級アンモニウムカチオンとしては、特に限定されるものではないが、ジメチルオクタデシルタイプ、ジメチルステアリルベンジルタイプ、トリメチルステアリルタイプが例示される。また、類似の有機物として、第四級ホスホニウムカチオンが例示される。これらの有機物は、原料粘土のイオン交換によって粘土に導入される。
変性粘土に含まれるシリル化剤としては、特に限定されるものではないが、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシランを例示することができる。
外皮部材(2)を、PTFEシート(5)の内部に粘土粒子(6)が含まれたものとする場合、粘土粒子の配合量は、外皮部材(2)の全重量に対して3〜25重量%、好ましくは18重量%とされる。
これは、粘土粒子の配合量が3重量%未満であると、ガスケットに高い面圧が加わった場合にPTFEのクリープを充分に防止できず、25重量%を超えると柔軟性が損なわれるためである。
外皮部材(2)を、PTFEシート(5)と粘土シート(7)とを積層したものとする場合、図2(b)に示すように、その表裏面にPTFEシート(5)が配置された構造とすることが好ましい。
尚、外皮部材(2)を、一方の面にPTFEシート(5)を配置し、他方の面に粘土シート(7)を配置した構造としてもよいが、この場合、PTFEシート(5)がガスケットの表裏面を構成するようにする。つまり、粘土シート(7)が露出しないようにする必要がある。
PTFEシート(5)と粘土シート(7)とを積層する場合における積層の層数は特に限定されず、ガスケットに要求される特性に応じて、2層以上の任意の層数に設定することができる。つまり、PTFEシート(5)と粘土シート(7)とを交互に任意の枚数だけ積層することができる。
また、PTFEシート(5)及び粘土シート(7)の厚みについても特に限定されないが、例えばそれぞれ0.01〜0.03mm程度とすることができる。
以下、粘土シート(7)の製法の一例を説明する。
先ず、天然もしくは合成スメクタイト、又はこれらの混合物からなる粘土を、水又は水を主要成分とする液体に加え、希薄で均一な粘土分散液を調製する。
粘土中に含まれる固形分の割合は3〜15重量%であることが好ましい。また、粘土分散液の濃度は、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは1〜3重量%とされる。更に、必要に応じて上記した添加物の1種以上を粘土分散液に添加して、液中に均一分散又は溶解させる。
次いで、粘土分散液を水平に静置して、粘土粒子をゆっくりと沈積させるとともに、分散媒である液体と粘土粒子を固液分離手段によって分離することにより、粘土薄膜を成形する。
最後に、粘土薄膜を110〜300℃の温度条件下で乾燥することにより、本発明において用いられる粘土シート(7)が得られる。
上記製法における固液分離手段としては、遠心分離、濾過、真空乾燥、凍結真空乾燥、加熱蒸発のいずれか、もしくはこれらの手段の組み合わせが採用される。
これらの方法のうち、例えば、加熱蒸発法を用いる場合、真空引きにより予め脱気した粘土分散液を平坦なトレイに注ぎ、水平を保った状態で、強制送風式オーブン中で30〜70℃、好ましくは40〜50℃の温度条件下で、3時間から半日程度、好ましくは3〜5時間乾燥させることにより、粘土シート(7)を得る。
このようにして製造された粘土シート(7)は、自立膜として利用可能な強度を有し、粘土粒子の積層が高度に配向されたものとなる。
粘土粒子の積層が高度に配向されるとは、粘土粒子の単位構造層(厚さ約1nm)を、層面の向きを同一にして重ね、層面に垂直な方向に高い周期性をもたせることを意味している。このような粘土粒子の配向を得るためには、希薄で均一な粘土分散液を水平に静置し、粘土粒子をゆっくりと沈積させるとともに、例えば、分散媒である液体をゆっくりと蒸発させて膜状に形成する必要がある。
このように得られた粘土シート(7)は、膜厚が3〜100μm、好適には3〜30μmであり、ガスバリア性能は、厚さ30μmで酸素透過度0.1cc/m・24hr・atm未満、水素透過度0.1cc/m・24hr・atm未満である。ヘリウム、水素、酸素、窒素、空気の室温におけるガス透過係数は3.2×10−11cm−1cmHg−1未満であって、1000℃で24時間加熱処理後もガスバリア性の低下はみられない。
また、遮水性は、遮水係数が2×10−11cm/s以下であり、光透過性は、可視光(500nm)の透過性が75%以上であり、面積は100×40cm以上に大面積化することが可能であり、高耐熱性を有している。
本発明で用いられる粘土シート(7)は、粘土粒子の積層が高度に配向し、ピンホールが存在しない。また、可撓性に優れ、250℃以上600℃までの高温においても構造変化しないものである。更には、自立膜として用いることが可能であり、250℃を超える高温条件下で使用が可能であり、かつピンホールの存在しない緻密な材料であり、かつ気体・液体のバリアー性に優れたものである。
中芯部材(3)は、フッ素樹脂を含む外皮部材(2)の欠点を補うための部材であり、応力緩和が小さく耐熱性に優れている有機材料又は無機材料から形成される。
具体的には、膨張黒鉛及びその複合材、ジョイントシート、金属板などを好適な例として挙げることができる。
膨張黒鉛の複合材としては、膨張黒鉛と粘土の複合材、膨張黒鉛と金属の複合材、膨張黒鉛と樹脂の複合材等を例示することができる。
中でも、膨張黒鉛と粘土の複合材は、膨張黒鉛が有する優れた特性(可撓性、耐アルカリ性、耐水性等)と、粘土が有する優れた特性(機械的強度、耐熱性、耐食性、ガスバリア性、耐酸性等)を併せ持つものとなるため好ましい。
膨張黒鉛と粘土の複合材としては、膨張黒鉛層に粘土層が積層された構造のもの、膨張黒鉛層の全面が粘土層により被覆された構造のもの、膨張黒鉛層の内部に粘土粒子が侵入した構造のもの等を使用することができる。
膨張黒鉛と粘土の複合材に用いられる粘土の種類は特に限定されず、上述した外皮部材(2)において使用可能な粘土を使用することができる。また、粘土層については、上述した粘土シート(7)を使用することができる。
膨張黒鉛と粘土の複合材は、例えば、膨張黒鉛シートと粘土シートとを、冷間プレス又は熱間プレス、圧延ロール、接着剤等の方法を用いて積層一体化する方法により製造することができる。
また、膨張黒鉛シートに粘土粒子を分散させた粘土分散液を塗布する方法や、膨張黒鉛シートを粘土粒子を分散させた粘土分散液に浸漬させる方法により製造することもできる。
更に、粘土シートを巻回ローラから順次巻き出して移送し、このシートの表面に膨張黒鉛粉末を連続的に供給し、圧延ローラにより膨張黒鉛粉末を粘土シートの表面上でシート状に成形することにより、膨張黒鉛層と粘土層を一体化する方法により製造することもできる。
また、膨張黒鉛粉末と粘土粒子とを混合した後、この混合物を多段の圧延ローラを通過させて圧延することにより、シート状とする方法により製造することもできる。
ジョイントシートとしては、例えばNBR等のゴムと、アスベスト以外の例えばアラミド繊維やガラス繊維等の補強繊維と、例えば硫酸バリウム等の充填材とを混合した原料を、ホットロールとコールドロールとの一対のロールを備えるカレンダーロールのホットロール上に供給して、それらのロールで混練しつつ加圧することでホットロール上に積層し、さらにそのホットロールの熱で加硫して硬化させた後ホットロール上から剥ぎ取ることにより作製されたものを使用することができる。
金属板としては、鉄、銅、銅合金、ステンレス、アルミニウム等からなる板を使用することができる。また、金属と他の材料(有機材料又は無機材料)との複合材を使用することもできる。
中芯部材(3)の厚みは、膨張黒鉛及びその複合材を使用する場合には例えば0.2〜10mm、ジョイントシートを使用する場合には例えば0.3〜5mm、金属板を使用する場合には例えば0.05〜5mmとされる。
第一実施形態のガスケットは、図3に示す方法により製造することができる。尚、図3では理解を容易にするため、ガスケットを半分に切断して示している。
先ず、後述する所定の方法により外皮部材(2)を製作する(図3(a)参照)。
次いで、該外皮部材(2)の厚みの約半分の位置に表裏面と平行方向に切り込み(4)を全周に亘って形成する(図3(b)参照)。この切り込み(4)は外周側から内周側に向けて形成することが好ましいが、内周側から外周側に向けて形成してもよい。
続いて、切り込み(4)に中芯部材(3)を挿入する(図3(c)参照)。
最後に、厚み方向に加圧力を加えて圧縮することにより、外皮部材(2)と中芯部材(3)とを一体化させる(図3(d)参照)。
中芯部材(3)の外形寸法は、外皮部材(2)の外形寸法よりも一回り小さく設定されている。これによって、図示の如く、中芯部材(3)の外面全体が外皮部材(2)により被覆された状態となる。
図4は本発明に係るガスケットの第二実施形態を示す図であり、(a)は外観図、(b)は縦断面図、(c)は一部拡大断面図である。
この第二実施形態が上記した第一実施形態と異なっている点は、第一実施形態では外皮部材(2)が切り込み(4)を入れた1枚の部材から形成されていたのに対して、第二実施形態では外皮部材(2)が2枚の同形状の部材から形成されている点である。
第二実施形態のガスケットは、図5に示す方法により製造することができる。尚、図5(b)(c)では、理解を容易にするため、ガスケットを半分に切断して示している。
先ず、後述する所定の方法により2枚の同形状の外皮部材(2)を製作し、この2枚の外皮部材(2)の間に中芯部材(3)を配置して(図5(a)参照)、2枚の外皮部材(2)により中芯部材(3)をサンドイッチ状に挟み込む(図5(b)参照)。
次いで、厚み方向に加圧力を加えて圧縮することにより、外皮部材(2)と中芯部材(3)とを一体化させる(図5(c)参照)。
中芯部材(3)の外形寸法は、外皮部材(2)の外形寸法よりも一回り小さく設定されている。これによって、図示の如く、中芯部材(3)の外面全体が外皮部材(2)により被覆された状態となる。
上述した第一及び第二実施形態のガスケットの製造方法において、外皮部材(2)と中芯部材(3)とを一体化する際に、両部材を接着剤により接着してもよく、PFAにより融着接合してもよい。
図6は本発明に係るガスケットの第三実施形態を示す図であり、(a)は外観図、(b)は縦断面図、(c)は一部拡大断面図である。
この第三実施形態が上記した第一及び第二実施形態と異なっている点は、第一及び第二実施形態では外皮部材(2)が円環状に形成されているのに対して、第三実施形態では外皮部材(2)が帯状のテープから形成されている点である。
第三実施形態のガスケットは、図7に示すように、帯状テープからなる外皮部材(2)を、中芯部材(3)の外面全体を被覆するように巻回することにより製造することができる。
このように外皮部材(2)が帯状テープからなることにより、熱交換器に使用されるような大きいガスケットや複雑な形状のガスケットであっても、中芯部材(3)を外皮部材(2)により容易に且つ確実に被覆して製造することが可能となる(図8参照)。
外皮部材(2)として帯状テープを使用する場合、少なくとも巻き始めと巻き終わりにおいて外皮部材(2)と中芯部材(3)とを接着剤により接着するか若しくは裏面に粘着剤が付着された帯状テープを使用するとよい。
第三実施形態において使用される外皮部材(2)は、上述したように帯状テープからなるが、この帯状テープは焼成していない生のPTFEのテープから構成される。
これによって、外皮部材(2)を形成する帯状テープが延伸性に優れたものとなるため、中芯部材(3)を密着性よく被覆することが可能となり、複雑な形状の中芯部材(3)に対しても容易に巻回することが可能となる。
図9及び図10は、第一及び第二実施形態において使用される外皮部材(2)の製造方法を示す図である。
図9に示す方法では、先ずPTFEからなる円筒を成形してこれを約350℃で焼成し(図9(a)参照)、次いでこの円筒を所定厚みに切削(スライス)することにより(図9(b)参照)、外皮部材(2)を得ることができる。
図10に示す方法では、先ずPTFEからなるシートを成形してこれを二軸方向に延伸した後(図10(a)参照)、約200℃で焼成し、得られた所定厚みの延伸シート(図10(b)参照)を、打ち抜き型を用いて所定形状に打ち抜くことにより(図10(c)参照)、外皮部材(2)を得ることができる。
尚、焼成温度の違いによって、図9のものではPTFEは無孔質となり、図10のものではPTFEは多孔質となる。
上記した外皮部材の相違により、第一及び第二実施形態のガスケットは小口径(φ300mm以下)のものに好適に使用することができ、第三実施形態のガスケットは大口径(φ300mm以上)のものに好適に使用することができる。
外皮部材(2)がPTFEと粘土の複合材からなる場合には、外皮部材(2)は例えば次のような方法により製造することができる。
外皮部材(2)が、PTFEシートの内部に粘土粒子が含まれたものである場合(図2(a)参照)、PTFE粉末と粘土粒子とを混合した材料をシート状に成形し、これを二軸方向に延伸した後、焼成する方法により製造することができる。
尚、第一及び第二実施形態のガスケットに対して使用される外皮部材(2)については焼成したものを用いることが好ましいが、第三実施形態のガスケットに対して使用される外皮部材(2)については最後の焼成工程を省略する。
外皮部材(2)が、PTFEシートと粘土シートを積層したものである場合(図2(b)参照)、公知の方法により製造された二軸延伸PTFEシートと、上述した方法により製造された粘土シートとを、冷間プレス又は熱間プレス、圧延ロール、接着剤等の方法を用いて積層一体化する方法により製造することができる。
第一及び第二実施形態のガスケットに対して使用される外皮部材(2)については、積層一体化する前の二軸延伸PTFEシート又は積層一体化した後の複合シートを焼成することが好ましいが、第三実施形態のガスケットに対して使用される外皮部材(2)については焼成工程を省略する。
このようにして製造されたPTFEと粘土の複合材からなる外皮部材(2)を使用することにより、PTFEの優れた柔軟性、なじみ性、シール性を維持しつつ、PTFEの耐圧クリープ性及び耐熱性を向上させることができるため、PTFEのみからなる外皮部材を使用したものに比べて高性能且つ高汎用性のガスケットを得ることができる。
本発明に係るガスケットは、負荷応力が高く且つ耐薬品性が要求されるような従来のガスケットでは適用が困難な箇所において好適に使用可能である。
1 ガスケット
2 外皮部材
3 中芯部材
4 切り込み
5 PTFEシート
6 粘土粒子
7 粘土シート

Claims (6)

  1. フッ素樹脂を含む素材からなる外皮部材と、該外皮部材とは異なる素材からなる中芯部材とからなり、
    前記中芯部材の外面全体が前記外皮部材により被膜されてなり、
    前記外皮部材がPTFEと粘土の複合材からなり、
    前記外皮部材は、PTFEシートと粘土シートを積層したものであり、
    前記PTFEは多孔質であり、
    前記粘土シートは、ガスバリア性能が厚さ30μmで酸素透過度が0.1cc/m ・24hr・atm未満、水素透過度が0.1cc/m ・24hr・atm未満であることを特徴とするガスケット。
  2. 前記中芯部材が膨張黒鉛からなることを特徴とする請求項に記載のガスケット。
  3. 前記中芯部材が膨張黒鉛と他の素材との複合材からなることを特徴とする請求項に記載のガスケット。
  4. 前記中芯部材が膨張黒鉛と粘土の複合材からなることを特徴とする請求項記載のガスケット。
  5. 前記中芯部材が金属からなることを特徴とする請求項に記載のガスケット。
  6. 前記中芯部材がジョイントシートからなることを特徴とする請求項に記載のガスケット。
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