JP5513649B2 - 垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、垂直磁気記録方式によって記録媒体に情報を記録するために用いられる垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法に関する。
磁気記録再生装置における記録方式には、信号磁化の向きを記録媒体の面内方向(長手方向)とする長手磁気記録方式と、信号磁化の向きを記録媒体の面に対して垂直な方向とする垂直磁気記録方式とがある。垂直磁気記録方式は、長手磁気記録方式に比べて、記録媒体の熱揺らぎの影響を受けにくく、高い線記録密度を実現することが可能であると言われている。
一般的に、垂直磁気記録用の磁気ヘッドとしては、長手磁気記録用の磁気ヘッドと同様に、読み出し用の磁気抵抗効果素子(以下、MR(Magnetoresistive)素子とも記す。)を有する再生ヘッドと、書き込み用の誘導型電磁変換素子を有する記録ヘッドとを、基板上に積層した構造のものが用いられる。記録ヘッドは、記録媒体の面に対して垂直な方向の磁界を発生する磁極層を備えている。磁極層は、例えば、一端部が記録媒体に対向する媒体対向面に配置されたトラック幅規定部と、このトラック幅規定部の他端部に連結され、トラック幅規定部よりも大きな幅を有する幅広部とを有している。トラック幅規定部は、ほぼ一定の幅を有している。
垂直磁気記録方式において、記録密度の向上に寄与するのは、主に、記録媒体の改良と記録ヘッドの改良である。高記録密度化のために記録ヘッドに要求されることは、特に、トラック幅の縮小と、記録特性の向上である。一方、トラック幅が小さくなると、記録特性、例えば重ね書きの性能を表わすオーバーライト特性は低下する。従って、トラック幅が小さくなるほど、記録特性の一層の向上が必要となる。ここで、媒体対向面に垂直な方向についてのトラック幅規定部の長さをネックハイトと呼ぶ。このネックハイトが小さいほど、オーバーライト特性が向上する。
しかしながら、ネックハイトが小さくなってくると、トラック幅を精度よく規定することが難しくなる。その理由は、以下の通りである。磁極層の側面のうちトラック幅規定部と幅広部との境界近傍の部分を精度よく形成することは難しい。そのため、磁極層のうちトラック幅規定部と幅広部との境界近傍の部分は、媒体対向面から離れるに従って幅が徐々に大きくなる形状になりやすい。そのため、ネックハイトが小さくなってくると、媒体対向面に配置されたトラック幅規定部の端部の幅すなわちトラック幅を精度よく規定することが難しくなる。
ところで、ハードディスク装置等の磁気ディスク装置に用いられる磁気ヘッドは、一般的に、スライダに設けられる。スライダは、上記媒体対向面を有している。この媒体対向面は、空気流入側の端部と空気流出側の端部とを有している。そして、空気流入側の端部から媒体対向面と記録媒体との間に流入する空気流によって、スライダは記録媒体の表面からわずかに浮上するようになっている。このスライダにおいて、一般的に、磁気ヘッドは媒体対向面における空気流出側の端部近傍に配置される。磁気ディスク装置において、磁気ヘッドの位置決めは、例えばロータリーアクチュエータによって行なわれる。この場合、磁気ヘッドは、ロータリーアクチュエータの回転中心を中心とした円軌道に沿って記録媒体上を移動する。このような磁気ディスク装置では、磁気ヘッドのトラック横断方向の位置に応じて、スキューと呼ばれる、円形のトラックの接線に対する磁気ヘッドの傾きが生じる。
特に、長手磁気記録方式に比べて記録媒体への書き込み能力が高い垂直磁気記録方式の磁気ディスク装置では、上述のスキューが生じると、あるトラックへの情報の書き込み時に隣接トラックの情報が消去される現象(以下、隣接トラック消去と言う。)が生じたり、隣り合う2つのトラックの間において不要な書き込みが行なわれたりするという問題が生じる。高記録密度化のためには、隣接トラック消去を抑制する必要がある。また、隣り合う2つのトラックの間における不要な書き込みは、磁気ヘッドの位置決め用のサーボ信号の検出や再生信号の信号対雑音比に悪影響を及ぼす。
上述のようなスキューに起因した問題の発生を防止する技術としては、例えば特許文献1、2に記載されているように、媒体対向面におけるトラック幅規定部の端面の形状を、記録媒体の進行方向の後側(スライダにおける空気流入端側)に配置される辺が反対側の辺よりも短い形状とする技術が知られている。磁気ヘッドでは、通常、媒体対向面において、基板から遠い端部が記録媒体の進行方向の前側(スライダにおける空気流出端側)に配置される。従って、上述の媒体対向面におけるトラック幅規定部の端面の形状は、基板に近い辺が基板から遠い辺よりも短い形状となる。
また、垂直磁気記録用の磁気ヘッドとしては、例えば、特許文献3に記載されているように、媒体対向面において、磁極層の端面に対して、所定の間隔を開けて記録媒体の進行方向の前側に配置された端面を有するシールドを備えた磁気ヘッドが知られている。磁極層とシールドとの間には、非磁性材料よりなるギャップ層が設けられる。シールドは、磁極層の端面より発生されて記録媒体の面に垂直な方向以外の方向に広がる磁束が記録媒体に達することを阻止する機能を有している。このようなシールドを備えた磁気ヘッドによれば、記録密度のより一層の向上が可能になる。
また、特許文献4には、媒体対向面の近傍における磁極層(主磁極)の厚みを、媒体対向面に近づくに従って小さくする技術が記載されている。
特開2003−242607号公報 米国特許第6,504,675B1号明細書 特開2005−293822号公報 特開2002−133610号公報
ところで、スキューに起因した問題の発生を防止するためには、媒体対向面におけるトラック幅規定部の厚みを小さくすることも効果的である。しかしながら、磁極層全体を薄くすると、磁束の流れる方向に対して垂直な磁極層の断面積が小さくなる。その結果、磁極層は、多くの磁束を媒体対向面まで導くことができなくなり、オーバーライト特性が低下してしまう。
そこで、特許文献4に記載されているように、磁極層のうちの媒体対向面の近傍における一部の厚みを、磁極層の他の部分の厚みよりも小さくすることにより、媒体対向面におけるトラック幅規定部の厚みを小さくし、且つ磁極層によって多くの磁束を媒体対向面まで導くことが可能になる。しかしながら、この場合、以下のような問題が発生する。すなわち、上記の技術では、媒体対向面に垂直な方向に見たときに、磁極層において、必ず、厚みが急に変化する部分が存在する。この厚みが急に変化する部分では、磁極層からの磁束の漏れが発生しやすい。そのため、この厚みが急に変化する部分が媒体対向面に近い場合には、この部分から漏れた磁束が媒体対向面に達し、更に媒体対向面から外部に漏れる。その結果、実効的なトラック幅が大きくなったり、前述のスキューに起因した問題が発生したりする。
また、特許文献3に記載された磁気ヘッドでは、磁極層におけるシールド側の面がテーパー面部分を有している。この磁気ヘッドにおいて、媒体対向面から見たテーパー面部分の開始点は、媒体対向面から離れた位置に配置されている。磁極層におけるシールド側の面のうち、媒体対向面からテーパー面部分の開始点までの部分は、媒体対向面に対して垂直になっている。そのため、磁極層は、媒体対向面に垂直な方向に見て、媒体対向面からテーパー面部分の開始点までの領域では一定の厚みを有し、テーパー面部分の開始点から終了点までの領域では媒体対向面から離れるに従って大きくなる厚みを有している。
ここで、磁極層が、媒体対向面に配置された第1の端部と媒体対向面から離れた位置に配置された第2の端部とを含み一定の厚みを有する第1の部分と、この第1の部分よりも大きな厚みを有し、第1の部分の第2の端部に連結された第2の部分とを有している磁気ヘッドについて考える。このような磁気ヘッドとしては、例えば上記特許文献3に記載された磁気ヘッドがある。
磁極層が上記の第1の部分と第2の部分を有する場合、第1の部分の全体において、磁束の流れる方向に対して垂直な磁極層の断面積が小さくなる。そのため、媒体対向面から第1の部分と第2の部分との境界までの距離が大きい場合には、磁極層によって多くの磁束を媒体対向面まで導くことができなくなる。一方、媒体対向面から第1の部分と第2の部分との境界までの距離が小さい場合には、以下のような問題が生じる。まず、磁極層の形成時に第1の部分と第2の部分との境界の位置が変動したり、研磨によって媒体対向面を形成する際に媒体対向面の位置が変動したりすることにより、媒体対向面から第1の部分と第2の部分との境界までの距離は変動し得る。ここで、媒体対向面から第1の部分と第2の部分との境界までの距離は、記録特性に影響を与える。媒体対向面から第1の部分と第2の部分との境界までの距離が小さい場合には、この距離のわずかな変動により、記録特性が大きく変動してしまう。
これらのことから、従来は、スキューに起因した問題の発生を防止し、且つ記録特性を向上させることが難しかった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、スキューに起因した問題の発生を防止し、且つ記録特性を向上させることができるようにした垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法を提供することにある。
本発明の製造方法によって製造される垂直磁気記録用磁気ヘッドは、
記録媒体に対向する媒体対向面と、
記録媒体に記録する情報に応じた磁界を発生するコイルと、
媒体対向面に配置された端面を有し、コイルによって発生された磁界に対応する磁束を通過させると共に、垂直磁気記録方式によって情報を記録媒体に記録するための記録磁界を発生する磁極層と、
磁性材料よりなり、媒体対向面において磁極層の端面に対して記録媒体の進行方向の前側に配置された端面を有するシールドと、
非磁性材料よりなり、媒体対向面に配置された端面を有し、磁極層とシールドとの間に配置されたギャップ層と、
コイル、磁極層、ギャップ層およびシールドが積層される基板とを備えている。
本発明の製造方法によって製造される磁気ヘッドでは、磁極層とシールドのうち、磁極層の方が基板に近い位置に配置されている。媒体対向面に配置された磁極層の端面は、基板により近い第1の辺と、第1の辺とは反対側の第2の辺とを有し、第2の辺はトラック幅を規定している。磁極層は、基板からより遠い上面を有している。磁極層の上面は、媒体対向面に配置された第1の端縁とその反対側の第2の端縁とを有する第1の部分と、第1の部分よりも媒体対向面から遠い位置に配置され、第2の端縁において第1の部分に接続された第2の部分とを有している。第1の端縁は第2の辺と一致している。第1の部分は、媒体対向面から離れるに従って基板からの距離が大きくなるように、媒体対向面に垂直な方向に対して12°〜45°の角度をなして傾いている。第2の部分は、実質的に媒体対向面に垂直な方向に延在している。磁気ヘッドは、更に、非磁性材料よりなり、第2の部分の上に配置された非磁性層を備えている。非磁性層は、第2の部分に接する下面と、媒体対向面に最も近い端部とを有している。非磁性層の下面は、非磁性層の端部と交わる端縁を有し、この端縁は、第2の端縁に位置している。非磁性層の端部は、媒体対向面に対して実質的に平行な平面である。シールドは、第1の部分との間でギャップ層を挟む第1の面と、第2の部分との間で非磁性層を挟む第2の面とを有している。ギャップ層は、シールドの第2の面と前記非磁性層との間に配置された部分を含んでいる。第2の面と第2の部分との間隔は、第1の面と第1の部分との間隔よりも大きい。
本発明の垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法は、
後に一部がエッチングされ、更に媒体対向面が形成されたときに磁極層となる磁性層を形成する工程と、
磁性層の上に非磁性層を形成する工程と、
磁性層の上面に、後に媒体対向面が形成されたときにそれぞれ第1の部分と第2の部分となる2つの部分が形成されるように、非磁性層をマスクとして磁性層の一部をエッチングする工程と、
磁性層および非磁性層の上にギャップ層を形成する工程と、
ギャップ層の上にシールドを形成する工程と、
コイルを形成する工程と、
磁性層が磁極層となるように、媒体対向面を形成する工程とを備えている。
本発明の磁気ヘッドの製造方法において、磁性層の一部をエッチングする工程は、イオンビームの進行方向が基板の上面に垂直な方向に対してなす角度が40°〜75°の範囲内となり、且つイオンビームの進行方向のうちの基板の上面に平行な成分の方向が回転するように、イオンビームエッチングを用いて磁性層の一部をエッチングしてもよい。
また、本発明の磁気ヘッドの製造方法において、ギャップ層は、1原子層毎の成膜を繰り返す化学的気相成長法を用いて形成されてもよい。
また、本発明の磁気ヘッドの製造方法において、磁性層の一部をエッチングする工程の後における非磁性層は、上面と、前記端部と上面とを連結し、媒体対向面から離れるに従って基板からの距離が大きくなるように媒体対向面に垂直な方向に対して傾いた傾斜面を有していてもよい。傾斜面は、前記磁性層の一部をエッチングする工程の前に形成されてもよいし、磁性層の一部をエッチングする工程において形成されてもよい。
また、本発明の磁気ヘッドの製造方法において、媒体対向面に配置された磁極層の端面の幅は、第1の辺に近づくに従って小さくなっていてもよい。
また、本発明の磁気ヘッドの製造方法において、非磁性層は、無機絶縁材料よりなる層を含んでいてもよいし、金属材料よりなる層を含んでいてもよい。
また、本発明の磁気ヘッドの製造方法において、非磁性層は、金属材料よりなり第2の部分の上に配置された第1層と、無機絶縁材料よりなり第1層の上に配置された第2層とを含んでいてもよい。この場合、非磁性層を形成する工程は、磁性層の上に、後に一部がエッチングされることによって第1層となる第1の膜を形成する工程と、第1の膜の上に、後に一部がエッチングされることによって第2層となる第2の膜を形成する工程と、第2の膜が第2層になるように、反応性イオンエッチングを用いて第2の膜の一部をエッチングする工程と、第1の膜が第1層になるように、第2層をマスクとして、イオンビームエッチングを用いて第1の膜の一部をエッチングする工程とを含んでいてもよい。
また、本発明の磁気ヘッドの製造方法において、シールドは、媒体対向面から離れた位置において磁極層に接続され、コイルは、磁極層とシールドとによって囲まれた空間を通過する部分を含んでいてもよい。
また、本発明の磁気ヘッドの製造方法において、非磁性層は、金属材料よりなり第2の部分の上に配置された第1層と、絶縁材料よりなり第1層の上に配置された第2層とを含み、ギャップ層は、磁極層および非磁性層の上に配置され、シールドは、ギャップ層に接する下面を有し、シールドの下面は、ギャップ層を介して磁極層および非磁性層に対向するように屈曲していてもよい。この場合、媒体対向面から見て最初にシールドの下面が屈曲する位置から媒体対向面までの距離がスロートハイトとなっていてもよい。
また、本発明の磁気ヘッドの製造方法において、磁性層を形成する工程において、後に非磁性層の下面における端縁の位置を決める際に基準として用いられる指標が形成され、非磁性層を形成する工程は、指標を基準にして、非磁性層の下面における端縁の位置を決めてもよい。
本発明の垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法では、磁極層の上面が第1の部分と第2の部分とを有し、第1の部分は、媒体対向面から離れるに従って基板からの距離が大きくなるように、媒体対向面に垂直な方向に対して12°〜45°の角度をなして傾いている。これにより、本発明によれば、スキューに起因した問題の発生を防止でき、且つ磁極層によって多くの磁束を媒体対向面まで導くことにより記録特性を向上させることができるという効果を奏する。また、本発明では、第1の部分が、上記のように媒体対向面に垂直な方向に対して傾いていることから、媒体対向面の位置が変動したときの記録特性の変動は緩やかになる。
本発明の第1の実施の形態に係る磁気ヘッドにおける磁極層および非磁性層の媒体対向面の近傍の部分を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気ヘッドにおける磁極層、非磁性層、ギャップ層およびシールドの媒体対向面の近傍の部分を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気ヘッドの媒体対向面を示す正面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気ヘッドの構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気ヘッドにおける磁極層を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気ヘッドの製造方法における一工程を示す説明図である。 図6に示した工程に続く工程を示す説明図である。 図7に示した工程に続く工程を示す説明図である。 図8に示した工程に続く工程を示す説明図である。 図9に示した工程に続く工程を示す説明図である。 図10に示した工程に続く工程を示す説明図である。 図11に示した工程に続く工程を示す説明図である。 図12に示した工程に続く工程を示す説明図である。 図13に示した工程に続く工程を示す説明図である。 図14に示した工程に続く工程を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態における指標を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気ヘッドの製造方法における一工程を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気ヘッドの製造方法における一工程を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る磁気ヘッドにおける磁極層および非磁性層の媒体対向面の近傍の部分を示す斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係る磁気ヘッドにおける磁極層、非磁性層、ギャップ層およびシールドの媒体対向面の近傍の部分を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る磁気ヘッドの製造方法における一工程を示す斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係る磁気ヘッドの製造方法における一工程を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る磁気ヘッドの製造方法に関する実験の結果を示す特性図である。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図3および図4を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る垂直磁気記録用磁気ヘッドの構成について説明する。図3は、本実施の形態に係る垂直磁気記録用磁気ヘッドの媒体対向面を示す正面図である。図4は、本実施の形態に係る垂直磁気記録用磁気ヘッドの構成を示す断面図である。なお、図4は媒体対向面および基板の上面に垂直な断面を示している。また、図4において記号Tで示す矢印は、記録媒体の進行方向を表している。
図3および図4に示したように、本実施の形態に係る垂直磁気記録用磁気ヘッド(以下、単に磁気ヘッドと記す。)は、アルミニウムオキサイド・チタニウムカーバイド(Al23・TiC)等のセラミック材料よりなる基板1と、この基板1の上に配置されたアルミナ(Al23)等の絶縁材料よりなる絶縁層2と、この絶縁層2の上に配置された磁性材料よりなる下部シールド層3と、この下部シールド層3の上に配置された絶縁膜である下部シールドギャップ膜4と、この下部シールドギャップ膜4の上に配置された再生素子としてのMR(磁気抵抗効果)素子5と、このMR素子5の上に配置された絶縁膜である上部シールドギャップ膜6と、この上部シールドギャップ膜6の上に配置された磁性材料よりなる第1の上部シールド層7とを備えている。
MR素子5の一端部は、記録媒体に対向する媒体対向面30に配置されている。MR素子5には、AMR(異方性磁気抵抗効果)素子、GMR(巨大磁気抵抗効果)素子あるいはTMR(トンネル磁気抵抗効果)素子等の磁気抵抗効果を示す感磁膜を用いた素子を用いることができる。GMR素子としては、磁気的信号検出用の電流を、GMR素子を構成する各層の面に対してほぼ平行な方向に流すCIP(Current In Plane)タイプでもよいし、磁気的信号検出用の電流を、GMR素子を構成する各層の面に対してほぼ垂直な方向に流すCPP(Current Perpendicular to Plane)タイプでもよい。
磁気ヘッドは、更に、第1の上部シールド層7の上に順に配置された非磁性層81および第2の上部シールド層82を備えている。非磁性層81は、アルミナ等の非磁性材料によって形成されている。第2の上部シールド層82は、磁性材料によって形成されている。下部シールド層3から第2の上部シールド層82までの部分は、再生ヘッドを構成する。
磁気ヘッドは、更に、第2の上部シールド層82の上に配置された絶縁材料よりなる絶縁層83と、この絶縁層83の上に配置されたコイル9と、コイル9の巻線間および周囲に配置された絶縁材料よりなる絶縁層10と、絶縁層10の周囲に配置された絶縁材料よりなる絶縁層11とを備えている。コイル9は、平面渦巻き形状をなしている。コイル9および絶縁層10,11の上面は平坦化されている。絶縁層83,11は、例えばアルミナによって形成されている。絶縁層10は、例えばフォトレジストによって形成されている。コイル9は、銅等の導電材料によって形成されている。
磁気ヘッドは、更に、平坦化されたコイル9および絶縁層10,11の上面の上に配置された非磁性材料よりなる収容層12を備えている。収容層12は、上面で開口し、後述する磁極層の少なくとも一部を収容する溝部12aを有している。収容層12の材料としては、例えば、アルミナ、シリコン酸化物(SiO)、シリコン酸窒化物(SiON)等の絶縁材料でもよいし、Ru、Ta、Mo、Ti、W、NiCu、NiB、NiP等の非磁性金属材料でもよい。
磁気ヘッドは、更に、非磁性金属材料よりなり、収容層12の上面の上に配置された非磁性金属層13を備えている。非磁性金属層13は、貫通する開口部13aを有し、この開口部13aの縁は、収容層12の上面における溝部12aの縁の真上に配置されている。非磁性金属層13の材料としては、例えば、Ta、Mo、W、Ti、Ru、Rh、Re、Pt、Pd、Ir、NiCr、NiP、NiB、WSi、TaSi、TiSi、TiN、TiWのいずれかを用いることができる。
磁気ヘッドは、更に、収容層12の溝部12a内および非磁性金属層13の開口部13a内に配置された非磁性膜14、研磨停止層15および磁極層16を備えている。非磁性膜14は、溝部12aの表面に接するように配置されている。磁極層16は、溝部12aの表面から離れるように配置されている。研磨停止層15は、非磁性膜14と磁極層16の間に配置されている。研磨停止層15は、磁極層16をめっき法で形成する際に用いられるシード層を兼ねている。磁極層16は、溝部12aの表面により近い位置に配置された第1層161と、溝部12aの表面からより遠い位置に配置された第2層162とを有している。なお、第1層161は省略してもよい。
非磁性膜14は、非磁性材料によって形成されている。非磁性膜14の材料としては、例えば絶縁材料または半導体材料を用いることができる。非磁性膜14の材料としての絶縁材料としては、例えばアルミナ、シリコン酸化物(SiO)、シリコン酸窒化物(SiON)のいずれかを用いることができる。非磁性膜14の材料としての半導体材料としては、例えば多結晶シリコンまたはアモルファスシリコンを用いることができる。
研磨停止層15は、非磁性導電材料によって形成されている。研磨停止層15の材料としては、例えば、非磁性金属層13と同じものを用いることができる。
第1層161と第2層162は、いずれも金属磁性材料によって形成されている。第1層161の材料としては、例えば、CoFeN、CoNiFe、NiFe、CoFeのいずれかを用いることができる。第2層162の材料としては、例えば、NiFe、CoNiFe、CoFeのいずれかを用いることができる。磁極層16の形状については、後で詳しく説明する。
磁気ヘッドは、更に、非磁性材料よりなり、磁極層16の上面の一部の上に配置された非磁性層17を備えている。非磁性層17は、無機絶縁材料よりなる層を含んでいてもよいし、金属材料よりなる層を含んでいてもよい。図4に示した例では、非磁性層17は、金属材料よりなり磁極層16の上面の一部の上に配置された第1層171と、無機絶縁材料よりなり第1層171の上に配置された第2層172とを含んでいる。第1層171を構成する金属材料としては、例えばRu、NiCrまたはNiCuが用いられる。第2層172を構成する無機絶縁材料としては、例えばAl23またはシリコン酸化物が用いられる。非磁性層17の形状については、後で詳しく説明する。
磁気ヘッドは、更に、非磁性金属層13、非磁性膜14、研磨停止層15、磁極層16および非磁性層17の上に配置されたギャップ層18を備えている。非磁性層17およびギャップ層18は、磁極層16の上面のうち媒体対向面30から離れた一部分は覆っていない。ギャップ層18の材料は、アルミナ等の絶縁材料でもよいし、Ru、NiCu、Ta、W、NiB、NiP等の非磁性金属材料でもよい。
磁気ヘッドは、更に、シールド20を備えている。シールド20は、ギャップ層18の上に配置された第1層20Aと、磁極層16の上面のうち媒体対向面30から離れた一部分の上に配置されたヨーク層20Bと、第1層20Aとヨーク層20Bとを連結する第2層20Cとを有している。第1層20Aと第2層20Cは、いずれも、媒体対向面30に配置された端面を有している。第1層20A、ヨーク層20Bおよび第2層20Cは、いずれも磁性材料によって形成されている。これらの層20A〜20Cの材料としては、例えばCoFeN、CoNiFe、NiFe、CoFeのいずれかを用いることができる。
磁気ヘッドは、更に、非磁性材料よりなり、第1層20Aおよびヨーク層20Bの周囲に配置された非磁性層21を備えている。非磁性層21は、例えば、アルミナや塗布ガラス等の無機絶縁材料によって形成されている。あるいは、非磁性層21は、非磁性金属材料よりなる層とその上に配置された絶縁材料よりなる層とで構成されていてもよい。この場合、非磁性金属材料としては、例えば、Ta、Mo、Nb、W、Cr、Ru、NiCu、Pd、Hf等の高融点金属が用いられる。
磁気ヘッドは、更に、ヨーク層20Bおよび非磁性層21の上面のうち、後述するコイル23が配置される領域の上に配置された絶縁層22と、この絶縁層22の上に配置されたコイル23と、このコイル23を覆うように絶縁層24とを備えている。絶縁層22は、例えばアルミナによって形成されている。コイル23は、平面渦巻き形状をなしている。コイル23の一部は、第2層20Cとヨーク層20Bの間を通過している。コイル23は、銅等の導電材料によって形成されている。絶縁層24は、例えばフォトレジストによって形成されている。磁気ヘッドは、更に、第2層20Cを覆うように配置されたアルミナ等の絶縁材料よりなる保護層25を備えている。コイル9からシールド20の第2層20Cまでの部分は、記録ヘッドを構成する。
以上説明したように、本実施の形態に係る磁気ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面30と再生ヘッドと記録ヘッドとを備えている。再生ヘッドと記録ヘッドは、基板1の上に積層されている。再生ヘッドは記録媒体の進行方向Tの後側(スライダにおける空気流入端側)に配置され、記録ヘッドは記録媒体の進行方向Tの前側(スライダにおける空気流出端側)に配置されている。
再生ヘッドは、再生素子としてのMR素子5と、媒体対向面30側の一部がMR素子5を挟んで対向するように配置された、MR素子5をシールドするための下部シールド層3および上部シールド層7と、MR素子5と下部シールド層3との間に配置された下部シールドギャップ膜4と、MR素子5と上部シールド層7との間に配置された上部シールドギャップ膜6とを備えている。
記録ヘッドは、コイル9、収容層12、非磁性金属層13、非磁性膜14、研磨停止層15、磁極層16、非磁性層17、ギャップ層18、シールド20およびコイル23を備えている。コイル9,23は、記録媒体に記録する情報に応じた磁界を発生する。なお、コイル9は、記録ヘッドにおける必須の構成要素ではなく、設けられていなくてもよい。また、非磁性膜14は省略してもよい。
磁極層16は、媒体対向面30に配置された端面と、基板1からより遠い上面とを有し、コイル23によって発生された磁界に対応する磁束を通過させると共に、垂直磁気記録方式によって情報を記録媒体に記録するための記録磁界を発生する。
シールド20は、媒体対向面30に配置された端面を有し、媒体対向面30から離れた位置において磁極層16に連結されている。磁極層16とシールド20のうち、磁極層16の方が基板1に近い位置に配置されている。ギャップ層18は、非磁性材料よりなり、媒体対向面30に配置された端面を有し、磁極層16とシールド20との間に設けられている。
媒体対向面30において、シールド20の端面は、磁極層16の端面に対して、ギャップ層18の厚みによる所定の間隔を開けて記録媒体の進行方向Tの前側に配置されている。ギャップ層18の厚みは、例えば、20〜50nmの範囲内である。コイル23は、磁極層16とシールド20とによって囲まれた空間を通過する部分を含んでいる。
磁極層16は、収容層12の溝部12a内および非磁性金属層13の開口部13a内に、非磁性膜14および研磨停止層15を介して配置されている。非磁性膜14の厚みは、例えば20〜80nmの範囲内である。しかし、この範囲内に限らず、非磁性膜14の厚みは、トラック幅に応じて任意に設定することができる。研磨停止層15の厚みは、例えば20〜80nmの範囲内である。
磁極層16は、溝部12aの表面に近い位置に配置された第1層161と、溝部12aの表面から遠い位置に配置された第2層162とを有している。第1層161の厚みは、例えば0〜100nmの範囲内である。第1層161の厚みが0というのは、第1層161がない場合である。
シールド20は、ギャップ層18に隣接するように配置された第1層20Aと、磁極層16の上面のうち媒体対向面30から離れた一部分の上に配置されたヨーク層20Bと、第1層20Aとヨーク層20Bとを連結する第2層20Cとを有している。第2層20Cは、絶縁層24によって覆われたコイル23の一部における磁極層16とは反対側に配置された部分を含んでいる。
次に、図1および図2を参照して、磁極層16、非磁性層17、ギャップ18およびシールド20の第1層20Aの形状について詳しく説明する。図1は、磁極層16および非磁性層17の媒体対向面30の近傍の部分を示す斜視図である。図2は、磁極層16、非磁性層17、ギャップ層18およびシールド20の媒体対向面30の近傍の部分を示す断面図である。
図1に示したように、媒体対向面30に配置された磁極層16の端面は、基板1により近い第1の辺A1と、第1の辺A1とは反対側の第2の辺A2と、第1の辺A1の一端と第2の辺A2の一端とを結ぶ第3の辺A3と、第1の辺A1の他端と第2の辺A2の他端とを結ぶ第4の辺A4とを有している。第2の辺A2は、トラック幅を規定する。媒体対向面30に配置された磁極層16の端面の幅は、第1の辺A1に近づくに従って小さくなっている。また、第3の辺A3と第4の辺A4がそれぞれ基板1の上面に垂直な方向に対してなす角度は、例えば、5°〜15°の範囲内とする。第2の辺A2の長さ、すなわちトラック幅は、例えば0.05〜0.20μmの範囲内である。
また、図1および図2に示したように、磁極層16の上面16Tは、媒体対向面30に配置された第1の端縁E1とその反対側の第2の端縁E2とを有する第1の部分16T1と、第1の部分16T1よりも媒体対向面30から遠い位置に配置され、第2の端縁E2において第1の部分16T1に接続された第2の部分16T2とを有している。第1の端縁E1は、第2の辺A2と一致している。第1の部分16T1は、媒体対向面30から離れるに従って基板1からの距離が大きくなるように、媒体対向面30に垂直な方向に対してθ1の角度をなして傾いている。角度θ1は12°〜45°の範囲内である。角度θ1は18°〜30°の範囲内であることが好ましい。第2の部分16T2は、実質的に媒体対向面30に垂直な方向に延在している。磁極層16の下面は、平坦であり、実質的に媒体対向面30に垂直な方向に延在している。
非磁性層17は、第2の部分16T2の上に配置されている。非磁性層17は、第2の部分16T2に接する下面を有し、この下面は第2の端縁E2に位置する端縁E3を有している。図1および図2に示した例では、非磁性層17は、金属材料よりなり磁極層16の上面の一部の上に配置された第1層171と、無機絶縁材料よりなり第1層171の上に配置された第2層172とを含んでいる。なお、非磁性層17は、金属材料よりなる1つの層によって構成されていてもよいし、無機絶縁材料よりなる1つの層によって構成されていてもよい。また、非磁性層17は、媒体対向面30に最も近い端部17aと、上面17bと、これらを連結する傾斜面17cとを有している。端部17aは、例えば、媒体対向面30に対して実質的に平行な平面になっている。傾斜面17cは、媒体対向面30から離れるに従って基板1からの距離が大きくなるように媒体対向面30に垂直な方向に対して傾いている。なお、非磁性層17は、傾斜面17cを有していなくてもよい。この場合には、端部17aと上面17bとの間に稜線が形成される。
ギャップ層18は、磁極層16の上面16Tのうちの第1の部分16T1と、非磁性層17の端部17a、傾斜面17cおよび上面17bを覆うように配置されている。
シールド20の第1層20Aは、第1の部分16T1との間でギャップ層18を挟む第1の面20A1と、第2の部分16T2との間で非磁性層17を挟む第2の面20A2とを有している。第2の面20A2は、ギャップ層18を介して非磁性層17の傾斜面17cに対向し、傾斜面17cと同様に、媒体対向面30から離れるに従って基板1からの距離が大きくなるように媒体対向面30に垂直な方向に対して傾いている。第2の面20A2と第2の部分16T2との間隔は、第1の面20A1と第1の部分16T1との間隔よりも大きい。
ここで、図2に示したように、媒体対向面30における磁極層16の厚みをT1とし、磁極層16の上面16Tのうちの第2の部分16T2と磁極層16の下面との距離をT2とする。また、磁極層16の上面16Tのうちの第1の部分16T1における第1の端縁E1と第2の端縁E2との間の高低差すなわち両者における基板1の上面からの距離の差をD1とする。例えば、T2は0.23〜0.43μmの範囲内であり、T1は0.15μm以上0.43μm未満であり、D1は0より大きく0.18μm以下である。D1は、0.05〜0.18μmの範囲内であることが好ましい。
また、例えば、非磁性層17の第1層171の厚みは0.01〜0.1μmの範囲内であり、非磁性層17の第2層172の厚みは0.1〜0.5μmの範囲内であり、非磁性層17全体の厚みは0.11〜0.6μmの範囲内である。
シールド20の第1層20Aのうちの、磁極層16の上方に配置された部分において、媒体対向面に配置された端面とその反対側の端面との間の最短距離は、例えば0.2〜0.35μmの範囲内である。
第1層20Aは、ギャップ層18に接する下面を有している。第1層20Aの下面は、本発明におけるシールドの下面に対応する。この第1層20Aの下面は、ギャップ層18を介して磁極層16および非磁性層17に対向するように屈曲している。本実施の形態において、スロートハイトTHは、媒体対向面30から見て最初にギャップ層18が屈曲する位置、すなわち媒体対向面30から見て最初に第1層20Aの下面が屈曲する位置から媒体対向面30までの距離となる。スロートハイトTHは、例えば0.1〜0.15μmの範囲内である。
図5は、磁極層16を示す平面図である。図5に示したように、磁極層16は、媒体対向面30に配置された端面を有するトラック幅規定部16Aと、このトラック幅規定部16Aよりも媒体対向面30から遠い位置に配置され、トラック幅規定部16Aよりも大きな幅を有する幅広部16Bとを有している。トラック幅規定部16Aは、媒体対向面30からの距離に応じて変化しない幅を有している。幅広部16Bの幅は、例えば、トラック幅規定部16Aとの境界位置ではトラック幅規定部16Aの幅と等しく、媒体対向面30から離れるに従って、徐々に大きくなった後、一定の大きさになっている。本実施の形態では、磁極層16のうち、媒体対向面30に配置された端面から、磁極層16の幅が大きくなり始める位置までの部分を、トラック幅規定部16Aとする。ここで、媒体対向面30に垂直な方向についてのトラック幅規定部16Aの長さをネックハイトNHと呼ぶ。ネックハイトNHは、例えば0.1〜0.3μmの範囲内である。
なお、図1には、媒体対向面30から磁極層16の上面16Tのうちの第1の部分16T1における第2の端縁E2までの距離が、媒体対向面30からトラック幅規定部16Aと幅広部16Bとの境界までの距離すなわちネックハイトNHと等しい例を示している。しかし、媒体対向面30から端縁E2までの距離は、媒体対向面30からトラック幅規定部16Aと幅広部16Bとの境界までの距離すなわちネックハイトNHよりも小さくてもよいし、大きくてもよい。また、スロートハイトTHは、ネックハイトNHと等しくてもよいし、ネックハイトNHよりも小さくてもよいし、大きくてもよい。
次に、図6ないし図15を参照して、本実施の形態に係る磁気ヘッドの製造方法について説明する。図6ないし図15において、(a)は、磁気ヘッドの製造過程における積層体の、媒体対向面および基板の上面に垂直な断面を示し、(b)は、積層体の、媒体対向面の近傍における媒体対向面に平行な断面を示している。なお、図6ないし図15において、記号ABSは、媒体対向面30の目標位置に配置された仮想の面を示している。また、図6ないし図15では、収容層12よりも基板1側の部分を省略している。
本実施の形態に係る磁気ヘッドの製造方法では、まず、図4に示したように、基板1の上に、絶縁層2、下部シールド層3、下部シールドギャップ膜4を順に形成する。次に、下部シールドギャップ膜4の上にMR素子5と、このMR素子5に接続される図示しないリードとを形成する。次に、MR素子5およびリードを、上部シールドギャップ膜6で覆う。次に、上部シールドギャップ膜6の上に、上部シールド層7、非磁性層81、第2の上部シールド層82および絶縁層83を順に形成する。次に、絶縁層83の上に、コイル9および絶縁層10,11を形成する。次に、コイル9および絶縁層10,11の上面を、例えばCMPによって平坦化する。
図6は、次の工程を示す。この工程では、まず、平坦化されたコイル9および絶縁層10,11の上面の上に、後に溝部12aが形成されることにより収容層12となる非磁性層12Pを形成する。次に、例えばスパッタ法によって、非磁性層12Pの上に、非磁性金属材料よりなる非磁性金属層13を形成する。非磁性金属層13の厚みは、例えば20〜100nmの範囲内である。
次に、非磁性金属層13の上に、例えば1.0μmの厚みのフォトレジスト層を形成する。次に、このフォトレジスト層をパターニングして、収容層12に溝部12aを形成するためのマスク31を形成する。このマスク31は、溝部12aに対応した形状の開口部を有している。
次に、マスク31を用いて、非磁性金属層13を選択的にエッチングする。これにより、非磁性金属層13に、貫通した開口部13aが形成される。この開口部13aは、後に形成される磁極層16の平面形状に対応した形状をなしている。更に、非磁性層12Pのうち非磁性金属層13の開口部13aから露出する部分を選択的にエッチングすることによって、非磁性層12Pに溝部12aを形成する。次に、マスク31を除去する。溝部12aが形成されることにより、非磁性層12Pは収容層12となる。非磁性金属層13の開口部13aの縁は、収容層12の上面における溝部12aの縁の真上に配置されている。
非磁性金属層13と非磁性層12Pのエッチングは、例えば、反応性イオンエッチング(以下、RIEと記す。)またはイオンビームエッチング(以下、IBEと記す。)を用いて行われる。非磁性層12Pに溝部12aを形成するためのエッチングの際には、磁極層16のトラック幅規定部16Aの両側部に対応する溝部12aの壁面と基板1の上面に垂直な方向に対してなす角度が、例えば5°〜15°の範囲内になるようにする。
図7は、次の工程を示す。この工程では、まず、積層体の上面全体の上に、非磁性膜14を形成する。非磁性膜14は、収容層12の溝部12a内にも形成される。非磁性膜14は、例えば、スパッタ法または化学的気相成長法(以下、CVDと記す。)によって形成される。非磁性膜14の厚みは、精度よく制御することができる。CVDを用いて非磁性膜14を形成する場合には、特に、1原子層毎の成膜を繰り返すCVD、いわゆるアトミックレイヤーCVD(以下、ALCVDと記す。)を用いることが好ましい。この場合には、非磁性膜14の厚みの制御をより精度よく行うことができる。また、ALCVDを用いて非磁性膜14を形成する場合には、非磁性膜14の材料としては、特にアルミナが好ましい。半導体材料を用いて非磁性膜14を形成する場合には、特に、低温(200℃程度)でのALCVDまたは低温での低圧CVDを用いて非磁性膜14を形成することが好ましい。また、非磁性膜14の材料としての半導体材料は、不純物をドープしない多結晶シリコンまたはアモルファスシリコンであることが好ましい。
次に、例えばスパッタ法またはALCVDによって、積層体の上面全体の上に研磨停止層15を形成する。研磨停止層15は、収容層12の溝部12a内にも形成される。研磨停止層15は、後に行われる研磨工程における研磨の停止位置を示す。
次に、積層体の上面全体の上に、後に磁極層16の第1層161となる第1の磁性層161Pを形成する。この第1の磁性層161Pは、例えば、スパッタ法またはイオンビームデポジション法によって形成される。スパッタ法によって第1の磁性層161Pを形成する場合には、コリメーションスパッタやロングスロースパッタを用いることが好ましい。なお、前述のように第1層161は省略してもよいので、第1の磁性層161Pは形成しなくてもよい。
図8は、次の工程を示す。この工程では、まず、第1の磁性層161Pの上に、後に磁極層16の第2層162となる第2の磁性層162Pを形成する。第2の磁性層162Pは、その上面が非磁性金属層13、非磁性膜14および研磨停止層15の各上面よりも上方に配置されるように形成される。この第2の磁性層162Pは、例えばフレームめっき法によって形成される。その際、第1の磁性層161Pは、めっき用の電極として用いられる。研磨停止層15が導電性の材料によって形成されている場合には、研磨停止層15も、めっき用の電極として用いられる。なお、第2の磁性層162Pは、パターニングしていないめっき層を形成した後、このめっき層をエッチングによってパターニングして形成してもよい。磁性層161P,162Pは、本発明における磁性層に対応する。
次に、積層体の上面全体の上に、例えばアルミナよりなる、図示しない被覆層を、例えば0.5〜1.2μmの厚みに形成する。次に、例えばCMPによって、研磨停止層15が露出するまで被覆層、第2の磁性層162Pおよび第1の磁性層161Pを研磨して、研磨停止層15、第1の磁性層161Pおよび第2の磁性層162Pの上面を平坦化する。CMPによって被覆層、第2の磁性層162Pおよび第1の磁性層161Pを研磨する場合には、研磨停止層15が露出した時点で研磨が停止するようなスラリー、例えばアルミナ系のスラリーを用いる。
図9は、次の工程を示す。この工程では、まず、例えばスパッタ法によって、第1の磁性層161Pおよび第2の磁性層162Pの上面を含む積層体の上面全体の上に、後に一部がエッチングされることによって非磁性層17の第1層171となる第1の膜171Pを形成する。次に、例えばスパッタ法によって、第1の膜171Pの上に、後に一部がエッチングされることによって非磁性層17の第2層172となる第2の膜172Pを形成する。
図10は、次の工程を示す。この工程では、まず、第2の膜172Pの上に、例えば1.0μmの厚みのフォトレジスト層を形成する。次に、このフォトレジスト層をパターニングして、第2の膜172Pをパターニングするためのマスク32を形成する。
図11は、次の工程を示す。この工程では、マスク32を用い、また、例えばRIEを用いて、第2の膜172Pの一部をエッチングする。本実施の形態では、第2の膜172Pのエッチングは、エッチングによって形成された溝の底部が第1の膜171Pの上面に達し、その位置で停止するように行われる。従って、第1の膜171Pの材料としては、第2の膜172Pに比べて、第2の膜172Pの一部をエッチングする際におけるエッチングレートが小さいものが選択される。具体的には、例えば、第1の膜171Pの材料としてRu、NiCrまたはNiCuが用いられ、第2の膜172Pの材料としてAl23またはシリコン酸化物が用いられる。
上述のように、第2の膜172Pは、その一部がエッチングされることにより第2層172となる。この第2の膜172Pの一部をエッチングする工程において、第2層172における面ABSに最も近い端部の近傍に傾斜面が形成され、この傾斜面が、非磁性層17の傾斜面17cとなる。後で、第2の膜172Pのエッチング方法の具体例について詳しく説明する。
図12は、次の工程を示す。この工程では、まず、第2層172をマスクとして、例えばIBEを用いて第1の膜171Pの一部をエッチングする。これにより、第1の膜171Pは第1層171となる。この時点で、第1層171と第2層172を有する非磁性層17における面ABSに最も近い端部の近傍の形状が決定される。
次に、非磁性層17をマスクとして、例えばIBEを用いて磁性層161P,162Pの一部をエッチングする。以下、このエッチング後の磁性層161P,162Pを、それぞれ磁性層161Q,162Qとする。また、磁性層161Qと磁性層162Qを合わせたものを磁性層160とする。第1の膜171Pのエッチングと磁性層161P,162Pのエッチングは続けて行われる。後で、第1の膜171Pおよび磁性層161P,162Pをエッチングする方法の具体例について詳しく説明する。
図13は、次の工程を示す。この工程では、積層体の上面全体の上に、ギャップ層18を形成する。ギャップ層18は、例えば、スパッタ法またはCVDによって形成される。CVDを用いてギャップ層18を形成する場合には、特にALCVDを用いることが好ましい。また、ALCVDを用いてギャップ層18を形成する場合には、ギャップ層18の材料としては、特にアルミナが好ましい。ALCVDを用いて形成されるギャップ層18は、ステップカバレージがよい。従って、ALCVDを用いてギャップ層18を形成することにより、平坦ではない面の上に均質なギャップ層18を形成することができる。
図14は、次の工程を示す。この工程では、例えばIBEを用いて、非磁性層17およびギャップ層18のうち、媒体対向面30に近い一部分以外の部分を選択的にエッチングする。次に、ギャップ層18の上に第1層20Aを形成すると共に、面ABSから離れた位置において磁性層160の上にヨーク層20Bを形成する。第1層20Aとヨーク層20Bは、フレームめっき法によって形成してもよいし、スパッタ法によって磁性層を形成した後、この磁性層を選択的にエッチングすることによって形成してもよい。次に、積層体の上面全体の上に、非磁性層21を形成する。次に、例えばCMPによって、第1層20Aおよびヨーク層20Bが露出するまで非磁性層21を研磨して、第1層20A、ヨーク層20Bおよび非磁性層21の上面を平坦化する。
図15は、次の工程を示す。この工程では、まず、ヨーク層20Bおよび非磁性層21の上面のうち、コイル23が配置される領域の上に絶縁層22を形成する。次に、例えばフレームめっき法によって、コイル23の少なくとも一部が絶縁層22の上に配置されるように、コイル23を形成する。次に、コイル23を覆うように絶縁層24を形成する。次に、例えばフレームめっき法によって第2層20Cを形成して、シールド20を完成させる。
次に、図4に示したように、積層体の上面全体を覆うように保護層25を形成する。次に、保護層25の上に配線や端子等を形成し、面ABSの近傍で基板1を切断し、この切断によって形成された面を研磨して媒体対向面30を形成し、更に浮上用レールの作製等を行って、磁気ヘッドが完成する。媒体対向面30が形成されたときに、磁性層161Q,162Qはそれぞれ第1層161、第2層162となり、磁極層16が完成する。
ところで、本実施の形態において、磁極層16の上面16Tの第1の部分16T1における端縁E2の位置は、磁気ヘッドの記録特性に影響を与える。そのため、端縁E2の位置を精度よく制御することが重要である。端縁E2の位置は、非磁性層17の下面における端縁E3の位置によって決まる。従って、本実施の形態では、端縁E3の位置を精度よく制御することが重要である。
ここで、図16を参照して、非磁性層17の下面における端縁E3の位置を決める方法の一例について説明する。図16は、後に磁極層16となる磁性層160と非磁性層17とを示す平面図である。磁性層160は、磁極層対応部分160aと、指標部分160b,160cと、連結部分160dとを有している。磁極層対応部分160aは、後に磁極層16となる部分である。図16において、磁極層対応部分160aは、磁性層160のうち、面ABSより右側の部分である。指標部分160b,160cは、面ABSの位置と非磁性層17の下面における端縁E3の位置を示すための基準となる。指標部分160b,160cの上面の形状は矩形になっている。指標部分160b,160cは、本発明における指標に対応する。連結部分160dは、磁性層160のうち、磁極層対応部分160aおよび指標部分160b,160cを連結する部分である。
指標部分160bの上面は、面ABSにより近い辺とその反対側の辺とを有している。同様に、指標部分160cの上面は、面ABSにより近い辺とその反対側の辺とを有している。図16に示したように、指標部分160bの上面における上記の2つの辺の間の中央と、指標部分160cの上面における上記の2つの辺の間の中央とを通過する仮想の直線L0は面ABSに対して平行である。本実施の形態では、直線L0の位置を、面ABSの位置と非磁性層17の下面における端縁E3の位置を示すための基準とする。すなわち、本実施の形態では、直線L0と面ABSとの間の距離は所定の値L1と規定され、直線L0と端縁E3との間の距離は所定の値L2と規定される。
磁気ヘッドの製造過程において、磁性層160の形成後は、電子顕微鏡を用いて指標部分160b,160cを観察して直線L0の位置を認識することにより、面ABSの位置を認識することができると共に、非磁性層17の形成前に端縁E3を配置すべき位置を認識することができる。電子顕微鏡としては、測長(critical dimension measurement)走査型電子顕微鏡を用いることが好ましい。
本実施の形態では、上述のようにして、非磁性層17の形成前に端縁E3を配置すべき位置を認識し、この位置に端縁E3が配置されるように非磁性層17を形成する。このように指標(指標部分160b,160c)を基準にして、磁極層16の上面16Tの第1の部分16T1における端縁E2の位置を決めることにより、端縁E2の位置を精度よく決めることが可能になり、その結果、磁気ヘッドの記録特性を精度よく制御することが可能になる。
次に、図11に示した工程における第2の膜172Pのエッチング方法の具体例について詳しく説明する。この例では、第1の膜171Pの材料をRuとし、第2の膜172Pの材料をAl23とする。第2の膜172Pのエッチングは、BClおよびClを含むエッチングガスを用いたRIEによって行われる。第2層172に傾斜面17cとなる傾斜面を形成するために、エッチングガスは、更にCF、NまたはArを含んでいる。エッチングガスにおけるBClとClの比率は、4:1ないし6:1である。一例として、エッチングガスは、80sccmのBClと15sccmのClと18sccmのCFとを含んでいる。この例では、RIEにおいて、高周波バイアスパワーは40Wとし、圧力は0.2〜0.5Paとし、高密度プラズマを用いて第2の膜172Pをエッチングする。以上の条件で第2の膜172Pをエッチングすることにより、第2層172に、基板1の上面に対して40°〜60°の角度をなす傾斜面を形成することができる。上記のRIEによる第2の膜172Pのエッチングは、少なくとも第1の膜171Pが露出するまで行われる。なお、Ruよりなる第1の膜171Pは、上記の条件によるRIEではほとんどエッチングされない。第2層172に形成される傾斜面の下端部は、第2層172の下面における面ABSにより近い端部と一致してもよいし、この端部よりも上方に位置してもよい。
次に、図17および図18を参照して、図12に示した工程における第1の膜171Pおよび磁性層161P,162Pをエッチングする方法の具体例について詳しく説明する。図17は、第1の膜171Pおよび磁性層161P,162Pをエッチングする工程を示す斜視図である。図18は、図17に示した工程を示す断面図である。この例では、まず、第2層172をマスクとして、IBEを用いて第1の膜171Pの一部をエッチングする。これにより、第1の膜171Pは第1層171となる。この時点で、第1層171と第2層172を有する非磁性層17における面ABSに最も近い端部の近傍の形状が決定される。
次に、非磁性層17をマスクとして、IBEを用いて磁性層160の一部をエッチングする。図17および図18において、符号33を付した矢印は、IBEにおけるイオンビームを表わしている。ここで、図18に示したように、イオンビーム33の進行方向が基板1の上面に垂直な方向に対してなす角度をθ2とする。磁性層160の一部をエッチングする際には、角度θ2が40°〜75°の範囲内となり、且つイオンビーム33の進行方向における基板1の上面に平行な成分の方向が回転するようにする。このようなIBEを行うことにより、磁性層160の上面には、第1の部分160T1、第2の部分160T2および第3の部分160T3が形成される。第2の部分160T2は、非磁性層17によって覆われている部分であり、実質的に面ABSに垂直な方向に延在している。第1の部分160T1と第3の部分160T3は、非磁性層17によって覆われていない部分である。このうち、第1の部分160T1は、第2の部分160T2に隣接し、面ABSに垂直な方向に対してθ1の角度をなして傾いている。第3の部分160T3は、第2の部分160T2との間に第1の部分160T1を挟む位置に配置され、第1の部分160T1に隣接し、実質的に面ABSに垂直な方向に延在している。後に、媒体対向面30が形成されたときに、第1の部分160T1は、磁極層16の上面16Tにおける第1の部分16T1となり、第2の部分160T2は、上面16Tにおける第2の部分16T2となる。
ここで、図18に示したように、第3の部分160T3と磁性層160の下面との距離をT10とする。また、第1の部分160T1と第2の部分160T2との境界と、第1の部分160T1と第3の部分160T3との境界との間の高低差すなわち両者における基板1の上面からの距離の差をD10とする。T10は、例えば0.15〜0.25μmの範囲内である。D10は、例えば0.08〜0.18μmの範囲内である。なお、第2の部分160T2と磁性層160の下面との距離は、図2に示したT2と等しく、例えば0.23〜0.43μmの範囲内である。
面ABSは、第1の部分160T1と交差する。面ABSと一致するように媒体対向面30を形成することによって、第1の部分160T1は磁極層16の上面16Tにおける第1の部分16T1となり、第2の部分160T2は上面16Tにおける第2の部分16T2となる。
次に、本実施の形態に係る磁気ヘッドの作用および効果について説明する。この磁気ヘッドでは、記録ヘッドによって記録媒体に情報を記録し、再生ヘッドによって、記録媒体に記録されている情報を再生する。記録ヘッドにおいて、コイル23は、記録媒体に記録する情報に応じた磁界を発生する。磁極層16およびシールド20は、コイル23が発生する磁界に対応した磁束を通過させる磁路を形成する。磁極層16は、コイル23によって発生された磁界に対応する磁束を通過させると共に、垂直磁気記録方式によって情報を記録媒体に記録するための記録磁界を発生する。シールド20は、磁気ヘッドの外部から磁気ヘッドに印加された外乱磁界を取り込む。これにより、外乱磁界が磁極層16に集中して取り込まれることによって記録媒体に対して誤った記録が行なわれることを防止することができる。
また、本実施の形態では、媒体対向面30において、シールド20の端面は、磁極層16の端面に対して、ギャップ層18による所定の小さな間隔を開けて記録媒体の進行方向Tの前側(スライダにおける空気流出端側)に配置されている。記録媒体に記録されるビットパターンの端部の位置は、媒体対向面30における磁極層16のギャップ層18側の端部の位置によって決まる。シールド20は、磁極層16の媒体対向面30側の端面より発生されて記録媒体の面に垂直な方向以外の方向に広がる磁束を取り込むことにより、この磁束が記録媒体に達することを阻止する。これにより、記録媒体に既に記録されているビットパターンにおける磁化の方向が上記磁束の影響によって変化することを防止することができる。これにより、本実施の形態によれば、線記録密度を向上させることができる。
また、本実施の形態では、図1に示したように、媒体対向面30に配置された磁極層16の端面の幅は、第1の辺A1に近づくに従って小さくなっている。これにより、本実施の形態によれば、スキューに起因した問題の発生を防止することができる。
また、本実施の形態では、磁極層16の上面16Tは、媒体対向面30に配置された第1の端縁E1とその反対側の第2の端縁E2とを有する第1の部分16T1と、第1の部分16T1よりも媒体対向面30から遠い位置に配置され、第2の端縁E2において第1の部分16T1に接続された第2の部分16T2とを有している。第1の端縁E1は、磁極層16の端面における、トラック幅を規定する第2の辺A2と一致している。第1の部分16T1は、媒体対向面30から離れるに従って基板1からの距離が大きくなるように、媒体対向面30に垂直な方向に対してθ1の角度をなして傾いている。角度θ1は12°〜45°の範囲内である。第2の部分16T2は、実質的に媒体対向面30に垂直な方向に延在している。このような磁極層16の形状により、本実施の形態によれば、媒体対向面30における磁極層16の厚みを小さくすることによって、スキューに起因した問題の発生を防止でき、且つ磁極層16によって多くの磁束を媒体対向面30まで導くことが可能になることから、オーバーライト特性等の記録特性を向上させることができる。
本実施の形態によれば、媒体対向面30に垂直な方向に見て、媒体対向面30から所定の位置までの領域において磁極層の厚みが一定である場合に比べて、媒体対向面30の近傍において、磁束の流れる方向に対して垂直な磁極層16の断面積が大きくなる。そのため、本実施の形態によれば、媒体対向面30の近傍において、磁極層16に対して、より多くの磁束を通過させることができる。これにより、本実施の形態によれば、オーバーライト特性等の記録特性を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、上述のように、磁極層16に対して、より多くの磁束を通過させることができることから、ネックハイトNHをあまり小さくする必要がない。そのため、本実施の形態によれば、トラック幅を精度よく規定することが可能になる。
また、本実施の形態では、第1の部分16T1が、上記のように媒体対向面30に垂直な方向に対して12°〜45°の角度をなして傾いていることから、研磨によって媒体対向面30を形成する際に媒体対向面30の位置が変動しても、媒体対向面30における磁極層16の厚みの変動は緩やかであり、そのため、記録特性の変動も緩やかである。
なお、第1の部分16T1が媒体対向面30に垂直な方向に対してなす角度θ1が小さすぎると、媒体対向面30の近傍において、磁極層16に対して、より多くの磁束を通過させることができるという効果が小さくなる。また、角度θ1が大きすぎると、研磨によって媒体対向面30を形成する際に媒体対向面30の位置が変動したときの媒体対向面30における磁極層16の厚みの変動が大きくなる。これらのことから、角度θ1は、12°〜45°の範囲内であることが好ましく、18°〜30°の範囲内であることがより好ましい。また、前述のように、非磁性層17をマスクとして、IBEを用いて磁性層160の一部をエッチングすることにより、容易に、角度θ1が12°〜45°の範囲内となるように第1の部分16T1を形成することができる。
また、本実施の形態では、磁極層16の上面16Tにおける第2の部分16T2の上に非磁性層17が配置されている。非磁性層17は、第2の部分16T2に接する下面を有し、この下面は第2の端縁E2に位置する端縁E3を有している。第2の端縁E2の位置は、磁気ヘッドの記録特性に影響を与える。そのため、第2の端縁E2の位置を精度よく制御することが重要である。本実施の形態では、磁極層16の上面16Tにおける第2の部分16T2の上に残る非磁性層17をマスクとして磁性層160をエッチングすることによって、非磁性層17の下面における端縁E3によって、第2の端縁E2の位置が規定される。本実施の形態によれば、非磁性層17の代わりにフォトレジストよりなるマスクを用いて磁性層160をエッチングして第2の端縁E2の位置を規定する場合に比べて、第2の端縁E2の位置を精度よく制御することができる。
また、本実施の形態では、シールド20の第1層20Aは、第1の部分16T1との間でギャップ層18を挟む第1の面20A1と、第2の部分16T2との間で非磁性層17を挟む第2の面20A2とを有している。第2の面20A2と第2の部分16T2との間隔は、第1の面20A1と第1の部分16T1との間隔よりも大きい。本実施の形態では、スロートハイトTHは、第1層20Aの媒体対向面30から遠い端部ではなく、媒体対向面30から見て最初にギャップ層18が屈曲する位置、すなわち媒体対向面30から見て最初に第1層20Aの下面が屈曲する位置によって規定される。従って、第1層20Aの体積を十分に大きくしながら、スロートハイトTHを小さくすることができる。また、スロートハイトTHを規定する位置は、非磁性層17の端部17aの位置とギャップ層18の厚みとによって精度よく規定することができる。従って、本実施の形態によれば、小さい値のスロートハイトTHを精度よく制御することができる。これらのことから、本実施の形態によれば、オーバーライト特性を向上させることができると共に、コイル23に流す電流の値が小さくても電流の変化に対する記録磁界の応答速度を大きくすることができる。
ところで、磁極層16では、上面16Tにおける第2の端縁E2の近傍において、磁極層16からの磁束の漏れが発生しやすい。この漏れた磁束が媒体対向面30に達し、更に媒体対向面30から外部に漏れると、実効的なトラック幅が大きくなったり、スキューに起因した問題が発生したりする。本実施の形態では、シールド20は、第2の端縁E2と媒体対向面30との間に配置された部分を有している。従って、本実施の形態では、磁極層16において第2の端縁E2の近傍から漏れた磁束は、シールド20によって取り込まれる。従って、本実施の形態によれば、磁極層16の途中から漏れた磁束が媒体対向面30から外部に漏れることを防止することができる。
また、本実施の形態では、媒体対向面30の近傍において、磁極層16の上面が屈曲している。これにより、本実施の形態によれば、記録動作後において、磁極層16の媒体対向面30の近傍の部分において、媒体対向面30に垂直な方向の残留磁化が生成されることを抑制することが可能になる。その結果、本実施の形態によれば、記録動作後における磁極層16の残留磁化に起因して記録媒体に記録されている情報が消去される現象の発生を抑制することが可能になる。
また、本実施の形態では、非磁性材料よりなる収容層12の溝部12a内に、非磁性膜14および研磨停止層15を介して磁極層16が配置される。そのため、磁極層16の幅は溝部12aの幅よりも小さくなる。これにより、溝部12aを容易に形成することが可能になると共に、磁極層16の幅、特にトラック幅を規定するトラック幅規定部16Aの上面の幅を容易に小さくすることが可能になる。従って、本実施の形態によれば、フォトリソグラフィによって形成可能なトラック幅の下限値よりも小さなトラック幅を、容易に実現でき、且つ正確に制御することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態に係る磁気ヘッドおよびその製造方法について説明する。始めに、図19および図20を参照して、本実施の形態に係る磁気ヘッドの構成について説明する。図19は、本実施の形態における磁極層16および非磁性層17の媒体対向面30の近傍の部分を示す斜視図である。図20は、本実施の形態における磁極層16、非磁性層17、ギャップ層18およびシールド20の媒体対向面30の近傍の部分を示す断面図である。本実施の形態では、第1の実施の形態に比べて、非磁性層17の傾斜面17cの面積が小さい。なお、非磁性層17は、傾斜面17cを有していなくてもよい。この場合には、端部17aと上面17bとの間に稜線が形成される。
シールド20の第1層20Aは、磁極層16の上面16Tにおける第1の部分16T1との間でギャップ層18を挟む第1の面20A1と、磁極層16の上面16Tにおける第2の部分16T2との間で非磁性層17を挟む第2の面20A2とを有している。本実施の形態では、第2の面20A2は、ギャップ層18を介して非磁性層17の上面17bに対向し、実質的に媒体対向面30に垂直な方向に延在している。第2の面20A2と第2の部分16T2との間隔は、第1の面20A1と第1の部分16T1との間隔よりも大きい。本実施の形態に係る磁気ヘッドのその他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
次に、本実施の形態に係る磁気ヘッドの製造方法について説明する。本実施の形態に係る磁気ヘッドの製造方法では、図10に示した工程までは、第1の実施の形態と同様である。本実施の形態では、次に、図11に示した工程と同様に、マスク32を用い、また、例えばRIEを用いて、第2の膜172Pの一部をエッチングして、第2層172を形成する。ただし、本実施の形態では、この工程において、第2層172における面ABSに最も近い端部の近傍に傾斜面が形成されず、この端部が面ABSに実質的に平行な平面になるように第2層172を形成する。
ここで、第2の膜172Pのエッチング方法の具体例について詳しく説明する。この例では、第1の膜171Pの材料をRuとし、第2の膜172Pの材料をAl23とする。第2の膜172Pのエッチングは、BClおよびClを含むエッチングガスを用いたRIEによって行われる。エッチングガスにおけるBClとClの比率は、4:1ないし6:1である。一例として、エッチングガスは、80sccmのBClと15sccmのClとを含んでいる。この例では、RIEにおいて、高周波バイアスパワーは30〜60Wとし、圧力は0.2〜0.5Paとし、高密度プラズマを用いて第2の膜172Pをエッチングする。以上の条件で第2の膜172Pをエッチングすることにより、第2層172における面ABSに最も近い端部が、面ABSに実質的に平行な平面になるように、第2層172を形成することができる。上記のRIEによる第2の膜172Pのエッチングは、少なくとも第1の膜171Pが露出するまで行われる。
次に、第1の実施の形態における図12に示した工程と同様に、非磁性層17をマスクとして、第1の膜171Pおよび磁性層161P,162Pのそれぞれの一部をエッチングする。これにより、第1の膜171Pは第1層171となり、磁性層161P,162Pは、それぞれ磁性層161Q,162Qとなる。この磁性層161Qと磁性層162Qを合わせたものを磁性層160とする。
ここで、図21および図22を参照して、第1の膜171Pおよび磁性層161P,162Pをエッチングする方法の具体例について説明する。図21は、第1の膜171Pおよび磁性層161P,162Pをエッチングする工程を示す斜視図である。図22は、図21に示した工程を示す断面図である。この図21および図22に示した工程は、第1の膜171Pおよび磁性層161P,162Pをエッチングする前において非磁性層17が傾斜面17cを有していない点を除いて、図17および図18に示した第1の実施の形態における工程と同様である。本実施の形態では、非磁性層17をマスクとして、IBEを用いて磁性層160の一部をエッチングすることにより、非磁性層17における端部17aと上面17bとによって形成される角がわずかにエッチングされて、図19および図20に示したように、非磁性層17に、面積の小さい傾斜面17cが形成される。図22に示したθ1、θ2、T10、D10、T2の値の範囲は、第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態において、所望の形状の第1の部分16T1は、イオンビーム33の進行方向が基板1の上面に垂直な方向に対してなす角度θ2と非磁性層17の厚みとを制御することによって、IBEを用いて形成することができる。ここで、磁性層160に所定の形状の第1の部分160T1を形成するための角度θ2と非磁性層17の厚みとの関係を求めた実験の結果について説明する。この実験では、図22におけるD10が0.1μmとなり、θ1が25°となり、面ABSに垂直な方向についての第1の部分160T1の長さが0.214μmとなるような、角度θ2と非磁性層17の厚みの条件を求めた。図23は、この実験で求めた角度θ2と非磁性層17の厚みとの関係を示す。この実験の結果から分かるように、角度θ2と非磁性層17の厚みとを制御することによって、IBEを用いて所望の形状の第1の部分160T1を形成することが可能であり、これにより、磁極層16の上面16Tにおける第1の部分16T1を所望の形状に形成することが可能である。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、各実施の形態において、平面渦巻き形状のコイル9,23の代わりに、磁極層16を中心にして螺旋状に配置されたコイルを設けてもよい。
また、各実施の形態では、磁極層16の少なくとも一部を、収容層12の溝部12a内に形成している。しかし、本発明における磁極層は、このような方法で形成されたものに限らず、他の方法で形成されたものであってもよい。例えば、磁性層をエッチングによってパターニングして磁極層を形成してもよいし、フレームめっき法によって磁極層を形成してもよい。
また、実施の形態では、基体側に再生ヘッドを形成し、その上に、記録ヘッドを積層した構造の磁気ヘッドについて説明したが、この積層順序を逆にしてもよい。
12…収容層、12a…溝部、13…非磁性金属層、14…非磁性膜、15…研磨停止層、16…磁極層、16T…上面、16T1…第1の部分、16T2…第2の部分、17…非磁性層、18…ギャップ層、20…シールド層、23…コイル。

Claims (13)

  1. 記録媒体に対向する媒体対向面と、
    前記記録媒体に記録する情報に応じた磁界を発生するコイルと、
    前記媒体対向面に配置された端面を有し、前記コイルによって発生された磁界に対応する磁束を通過させると共に、垂直磁気記録方式によって前記情報を前記記録媒体に記録するための記録磁界を発生する磁極層と、
    磁性材料よりなり、前記媒体対向面において前記磁極層の前記端面に対して記録媒体の進行方向の前側に配置された端面を有するシールドと、
    非磁性材料よりなり、前記媒体対向面に配置された端面を有し、前記磁極層とシールドとの間に配置されたギャップ層と、
    前記コイル、磁極層、ギャップ層およびシールドが積層される基板とを備え、
    前記磁極層とシールドのうち、磁極層の方が前記基板に近い位置に配置され、
    前記媒体対向面に配置された前記磁極層の端面は、前記基板により近い第1の辺と、第1の辺とは反対側の第2の辺とを有し、前記第2の辺はトラック幅を規定し、
    前記磁極層は、前記基板からより遠い上面を有し、
    前記磁極層の上面は、前記媒体対向面に配置された第1の端縁とその反対側の第2の端縁とを有する第1の部分と、前記第1の部分よりも前記媒体対向面から遠い位置に配置され、前記第2の端縁において第1の部分に接続された第2の部分とを有し、前記第1の端縁は前記第2の辺と一致し、
    前記第1の部分は、前記媒体対向面から離れるに従って前記基板からの距離が大きくなるように、前記媒体対向面に垂直な方向に対して12°〜45°の角度をなして傾いており、
    前記第2の部分は、実質的に前記媒体対向面に垂直な方向に延在しており、
    更に、非磁性材料よりなり、前記第2の部分の上に配置された非磁性層を備え、
    前記非磁性層は、前記第2の部分に接する下面と、前記媒体対向面に最も近い端部とを有し、
    前記非磁性層の下面は、前記非磁性層の端部と交わる端縁を有し、この端縁は、前記第2の端縁に位置し、
    前記非磁性層の端部は、媒体対向面に対して実質的に平行な平面であり、
    前記シールドは、前記第1の部分との間で前記ギャップ層を挟む第1の面と、前記第2の部分との間で前記非磁性層を挟む第2の面とを有し、
    前記ギャップ層は、前記シールドの第2の面と前記非磁性層との間に配置された部分を含み、
    前記第2の面と第2の部分との間隔は、前記第1の面と第1の部分との間隔よりも大きい垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法であって、
    後に一部がエッチングされ、更に媒体対向面が形成されたときに前記磁極層となる磁性層を形成する工程と、
    前記磁性層の上に前記非磁性層を形成する工程と、
    前記磁性層の上面に、後に前記媒体対向面が形成されたときにそれぞれ前記第1の部分と第2の部分となる2つの部分が形成されるように、前記非磁性層をマスクとして前記磁性層の一部をエッチングする工程と、
    前記磁性層および非磁性層の上に前記ギャップ層を形成する工程と、
    前記ギャップ層の上に前記シールドを形成する工程と、
    前記コイルを形成する工程と、
    前記磁性層が前記磁極層となるように、前記媒体対向面を形成する工程と
    を備えたことを特徴とする垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法。
  2. 前記磁性層の一部をエッチングする工程は、イオンビームの進行方向が基板の上面に垂直な方向に対してなす角度が40°〜75°の範囲内となり、且つイオンビームの進行方向のうちの基板の上面に平行な成分の方向が回転するように、イオンビームエッチングを用いて前記磁性層の一部をエッチングすることを特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法。
  3. 前記ギャップ層は、1原子層毎の成膜を繰り返す化学的気相成長法を用いて形成されることを特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法。
  4. 前記磁性層の一部をエッチングする工程の後における前記非磁性層は、上面と、前記端部と上面とを連結し、媒体対向面から離れるに従って基板からの距離が大きくなるように媒体対向面に垂直な方向に対して傾いた傾斜面を有することを特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法。
  5. 前記傾斜面は、前記磁性層の一部をエッチングする工程の前に形成されることを特徴とする請求項4記載の垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法。
  6. 前記傾斜面は、前記磁性層の一部をエッチングする工程において形成されることを特徴とする請求項4記載の垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法。
  7. 前記媒体対向面に配置された前記磁極層の端面の幅は、前記第1の辺に近づくに従って小さくなることを特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法。
  8. 前記非磁性層は、無機絶縁材料よりなる層を含むことを特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法。
  9. 前記非磁性層は、金属材料よりなる層を含むことを特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法。
  10. 前記非磁性層は、金属材料よりなり前記第2の部分の上に配置された第1層と、無機絶縁材料よりなり前記第1層の上に配置された第2層とを含み、
    前記非磁性層を形成する工程は、前記磁性層の上に、後に一部がエッチングされることによって前記第1層となる第1の膜を形成する工程と、
    前記第1の膜の上に、後に一部がエッチングされることによって前記第2層となる第2の膜を形成する工程と、
    前記第2の膜が第2層になるように、反応性イオンエッチングを用いて前記第2の膜の一部をエッチングする工程と、
    前記第1の膜が第1層になるように、前記第2層をマスクとして、イオンビームエッチングを用いて前記第1の膜の一部をエッチングする工程とを含むことを特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法。
  11. 前記シールドは、前記媒体対向面から離れた位置において前記磁極層に接続され、前記コイルは、前記磁極層とシールドとによって囲まれた空間を通過する部分を含むことを特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法。
  12. 前記非磁性層は、金属材料よりなり前記第2の部分の上に配置された第1層と、絶縁材料よりなり前記第1層の上に配置された第2層とを含み、
    前記ギャップ層は、前記磁極層および非磁性層の上に配置され、
    前記シールドは、前記ギャップ層に接する下面を有し、
    前記シールドの下面は、前記ギャップ層を介して前記磁極層および非磁性層に対向するように屈曲し、
    媒体対向面から見て最初に前記シールドの下面が屈曲する位置から媒体対向面までの距離がスロートハイトとなることを特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法。
  13. 前記磁性層を形成する工程において、後に前記非磁性層の下面における前記端縁の位置を決める際に基準として用いられる指標が形成され、
    前記非磁性層を形成する工程は、前記指標を基準にして、前記非磁性層の下面における前記端縁の位置を決めることを特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法。
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