JP5513560B2 - 自転車の荷台搭載物 - Google Patents
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Description
第1の連結手段の付勢力に抗する方向に第2の連結手段を荷台の第2の枠部分に差込んだ後、第1の連結手段のバネが非付勢(又は弱付勢)状態から、引掛け部を荷台の第1の枠部分に引掛けられるところまで付勢力に抗して移動した後、付勢された状態で引掛け部を引掛けて固定すること(ロック機構)によって、荷物かごが荷台に取付けられる(特許文献1の図3、図6)。
製品化された荷物かごでは取付けを強固にするために複数の穴で位置が調節されるようになっている。荷台の第1の枠部分と第2の枠部分の間隔の少々の違いは、可動枠の固定時の弾性付勢力の少々の違いで吸収されている。
具体的技術として、ロック用フック側の荷かごの下面に位置調節機構の構成要素として位置調節範囲に応じた複数の係合部を設け、ロック用フックにロック操作機構の構成要素としてストッパー部を設けて、弾性付勢手段のバネ片が常態(非付勢)時に、ストッパー部(の面)が係合部(の面)に接しており、操作部を操作することや何らかの外力が働くことによって、弾性付勢手段のバネ片が撓んでストッパー部が係合部から外れる方向に変位すると、その変位にほぼ比例して復元力としての弾性付勢力が働く構造が示されている(特許文献2の図1〜図5または図7,図10)。
それを防止するため、製品化された荷物かごでは取付けを強固にするために複数の穴で位置が調節されるようになっているが、第1の連結手段の弾性付勢の性能で吸収できない程度に第1の枠部分と第2の枠部分の間隔が異なる荷台に取換える時、その都度、第2の連結手段をネジ締めで取付ける穴を変更しなければならないという問題がある。
その第1の理由は、バネ片の一部であるストッパー部が係合部に係合している時は弾性付勢手段のバネ片が非付勢状態かまたは比較的小さい付勢状態であり、バネ片が撓んでストッパー部が係合部から外れる方向に変位するその変位にほぼ比例して働く復元力としての弾性付勢力だけに頼るもので、かつ一箇所だけの係合によるロック機構であるため、ストッパー部(三角歯)の高さ寸法が小さいと振動や衝撃などの外力の影響を受け易くなることである。第2の理由は、係合部が荷かご側に取付けされ、ストッパー部が荷かごと移動自在であるというロック用フック側に取付けされているが、それぞれが別部位に設けられてしかも移動自在であるということは、精度よい寸法での取付けが求められるが、それが決して容易ではないということである。以上の2つの理由がストッパー部と係合部を強固に係合することを難しいものにしている。
反面、少しでも強固に係合させるためにストッパー部(三角歯)の高さ寸法を大きくすると位置調節の精度が粗くなるという問題が生じる。またこの技術は特に上述の第2の理由から寸法精度が悪い鋼製荷かごには適用できない。
以上の問題点は荷物かご、子供席、または荷物かご、子供席を取付けたりその他の荷物を取付けるための中継板のいずれかである荷台搭載物で、荷台に容易に着脱するための同様の取付構造を有する荷台搭載物の共通問題点である。
第1の連結手段は、荷台の第1の枠部分に引掛ける引掛け部と掛り合い部から成る可動枠と、可動枠の掛り合い部と掛り合う少なくとも1つの結合片と、掛り合いが外れないようにする外れ止め部と、これらが取付けられる支持体を有し、可動枠の掛り合い部と結合片のいずれか一方が引掛け部を位置決めするために必要な長さにわたって複数の掛り合い箇所を有し、他方が少なくとも1つの掛り合い箇所を有するように構成されている。
第2の連結手段を荷台の第2の枠部分に引掛けた後、第1の連結手段の可動枠の掛り合い部と結合片が掛り合っていない状態で、可動枠を移動させて引掛け部を荷台の第1の枠部分に引掛けて位置決めした後、可動枠の掛り合い部と結合片を掛り合いさせてから外れ止め部によって結合片が支持体に直接的または間接的に固定されることで、掛り合い部の形状、高さ寸法が小さくても掛り合いを確実に保持するように作用し、可動枠の移動方向への動きを阻止して荷台搭載物を固定できる。さらに掛り合い部の寸法が小さいことは可動枠の連結部が精度よく位置決めされるように作用する。
外れ止め部が挿入されて支持体に保持されることによって結合片が固定され、掛り合い部の形状、高さ寸法が小さくても掛り合いを確実に保持するように作用し、可動枠の移動方向への動きを阻止して荷台搭載物を固定できる。さらに掛り合い部の寸法が小さいことは可動枠の連結部が精度よく位置決めされるように作用する。
可動枠と結合片が嵌合いで結合されることは、嵌め合う部分のがたつきがなく、破損も少なく、さらに嵌合い形状寸法が小さくても可動枠と結合片の結合がより密に、強固になるように作用し、可動枠の移動方向への動きをさらに強固に阻止できると共に可動枠の引掛け部がさらに精度よく位置決めされる。
その動き止め部を、位置止めによって支持体の内側面にて可動枠の引掛け部を引掛ける方向に強めに付勢される位置に止めておき、可動枠を移動させて引掛け部を荷台の第1の枠部分に引掛けて位置決めした後、可動枠の掛り合い部と結合片を掛り合いさせ、外れ止め部で結合片を固定してから、位置止めを解除することによって、バネ付勢部の付勢力が位置決め分解能である掛り合いのピッチの分だけ生じるがたつきを吸収するように作用する。
また実施例では掛り合い部の掛り合いがより結合の密な嵌合いの例で説明する。従って分かり易くするために「掛り合い」「掛り合う」との表記を「嵌合い」「嵌合う」と表記し、可動枠の「掛り合い部31b」との表記も「嵌合い部31b」と表記する。
図9は第1の連結手段3の外側の支持体36の上面(蓋36a)または側面を取り除いた内部の詳細を示し、図10はその断面図を示す。図11〜図15は第1の連結手段3の部分的な別の例を示す。
可動枠31の前方先端側は、荷台の第1の枠部分1aの中央部に引掛ける形状の引掛け部31aであり、引掛け部31aより後方側には結合片32と複数箇所で掛り合う(以下「嵌合う」と表記)掛り合い部31b(以下「嵌合い部31b」と表記)が続いており、その嵌合い部31bは長手方向に直角な面の断面が横長の長方形になっている。嵌合い部31bは、概ね三角形の嵌合い形状が上下方向の嵌合いとして上面と下面に施され、それが必要な長さにわたって複数の嵌合い箇所が施されたものになっている。可動枠31は、嵌合いが外れている時に支持体36の前後面の穴36cを通して前後方向に可動である。
弾性付勢部32fは、それがあると可動枠31の移動が滑らかになるので操作性は良くなるが、必須の構成要素ではない。外れ止め部33が引き出される途中でその前部が結合片32から離れると、結合片32の上方に空間ができて結合片32が容易に上方に位置を変えることができるため、結合片32が跳ね上がる動作を繰り返しながらも可動枠31を移動させることが可能である。可動枠31の掛り合い部31bと結合部32の掛り合い形状の斜面角を緩くするほど、または嵌合いにすれば斜面角を緩くできるので可動枠31の移動を操作できるようになる。
嵌合いが外れるところまで外れ止め部33を引き出したところで、止め33aが支持体36に当たり、一旦外れ止め部33の動きが止められてそれ以上支持体から引き出し難くなっている。
以上のように外れ止め部33がその前部まで挿入されることによって嵌合い状態になり、結合片32と可動枠31が固定される。そこで外れ止め部33が固定材33dによって支持体36に保持されるようにすると、外れ止め部33は引き出せなくなって結合片32が確実に固定され、嵌合いが保持される。
バネ33d1hの弾性力に抗して操作部33d1cを押下げてから90度右回転させ、操作部33d1cのレバーが前向きになった時は、操作部下部台33d1dの上半分の上面が取付板の長穴33d1bの縁に引っ掛って通過できず、操作部全体が押し下げられた位置に保持され、操作部下部台33d1dの下半分は外れ止め部33のストッパー部33cに当たる位置にあって、外れ止め部33の引き出しを阻止することになる。この時、取付板側の凹形ストッパー33d1eと操作部下部台33d1dの上半分の上面にある凸形ストッパー33d1fが嵌り合っているために、操作部33d1cは容易に回転できないようになっている。つまり外れ止め部33の引き出しが阻止されることになる。なお、操作レバーが90度以上回転しないように90度回転止め(凸形)33d1gが取付板下面に設けられている。
操作部33d2cが取付板の長孔33d2bの左(右)側にある時は、取付板33d2aの下面左(右)側の凹形ストッパー33d2eと操作部下部台33d2dの上面左(右)側の凸形ストッパー33d2fが嵌り合うために操作部33d2cは容易に移動できないようになっている。取付板中央部は板厚が僅か薄くなっており、操作部下部台33d2dの上面の凸形ストッパー33d2fが移動し易くなっている。
図15(b)には別例として半円角状の嵌合い形状を示す。三角形の嵌合いと同等の性能を有する。
図15(c)には掛り合い形状の例を示す。一般に考えられるのは鋸歯形状の掛り合いで、一方が急斜面で他方が緩斜面であって、急斜面どうしが押し付け合う方向の移動を阻止するように構成される。反対方向(緩斜面どうしが押し付け合う方向)の移動を阻止するように構成することはできない。しかし本出願によれば、それが可能であるが好ましい構造ではない。
可動枠31と結合片32の間に掛り合い形状を適用するとすれば、前者の第1と第2連結手段(実施例1)の引掛け方法の場合は、図15(c)に示すものが適用される。後者の第1と第2連結手段の引掛け方法の場合は急斜面と緩斜面の位置(鋸歯の向き)を反対にする方がよい。
下側結合片32Bとガイド32cで位置合わせされている上側結合片32Aは、弾性付勢部32fの付勢力によって嵌合いが滑らかに外れるようにするため、下側結合片32Bより前後方向の長さが僅かに短くなっており、各々の動き止め部34A、34Bが上側結合片32Aに強く触れないようになっている。
可動枠31の引掛け部31aが外れる動きに抗する側の動き止め部34(実施例2では前側動き止め部34A)には、その位置を一時的に止めて固定する位置止め部34eとしての化粧螺子が設けられている。支持体36側面には螺子を外側から通す穴36dがあり、前側動き止め部34Aには雌螺子穴34fになっている。化粧螺子を締める方向に回していっても螺子の先端が結合片32A、32Bに当たらないような雌螺子穴34fの長さになっている。または結合片側に凹部形状を施すようにしておいてもよい。
1a 第1の枠部分
1b 第2の枠部分
1c 外枠
1d 内枠
2 荷物かご
2A 子供席
2B 中継板
2Ba 店舗用買物かご
3 第1の連結手段
31 可動枠
31a 引掛け部
31b 掛り合い部(嵌合い部)
31c 取っ手
32 結合片
32A 上側結合片
32B 下側結合片
32c ガイド
32d 溝(掛り合い溝、または嵌合い溝)
32e 溝(弾性付勢部32fが入る溝)
32f 弾性付勢部
32g 軸部
33 外れ止め部
33A 化粧螺子(または蝶螺子)
33a 止め
33b 孔
33c ストッパー(外れ止め部の)
33d 固定材
33da 取付板
33db 雌螺子台座
33dc 化粧(雄)螺子
33d1 固定材の別例1
33d1a 取付板
33d1b 長孔(取付板の)
33d1c 操作部
33d1d 操作部下部台
33d1e 凹形ストッパー(取付板側)
33d1f 凸形ストッパー(下部台側)
33d1g 90度回転止め
33d1h バネ
33d2 固定材の別例2
33d2a 取付板
33d2b 長孔(取付板の)
33d2c 操作部
33d2d 操作部下部台
33d2e 凹形ストッパー(取付板側)
33d2f 凸形ストッパー(下部台側)
33d2g 操作部軸
34 動き止め部
34A 前側動き止め部
34B 後側動き止め部
34c 止め部
34d バネ付勢部
34e 位置止め部(化粧螺子)
34f 雌螺子穴
36 支持体
36a 蓋
36b 軸支
36c 穴(可動枠31の掛り合い部31b、
または嵌合い部31bが通る穴)
36d 穴(化粧螺子34eの螺子が通る穴)
4 第2の連結手段
Claims (4)
- 荷物かご、子供席、または荷物かご、子供席を取付けたりその他の荷物を取付けるための中継板のいずれかである荷台搭載物を自転車の荷台に着脱する取付構造を有する荷台搭載物であって、荷台搭載物の下面において荷台の第1の枠部分に引掛けて連結される第1の連結手段を有し、かつ荷台搭載物の下面において第1の枠部分と概ね平行の関係にある荷台の第2の枠部分に第1の連結手段と反対方向に引掛けて連結される第2の連結手段を有しており、
第1の連結手段は、荷台の第1の枠部分に引掛ける引掛け部と掛り合い部から成る可動枠と、可動枠の掛り合い部と掛り合う少なくとも1つの結合片と、掛り合いが外れないようにする外れ止め部と、これらが取付けられる支持体を有し、可動枠の掛り合い部と結合片のいずれか一方が引掛け部を位置決めするために必要な長さにわたって複数の掛り合い箇所を有し、他方が少なくとも1つの掛り合い箇所を有するように構成されており、
第2の連結手段を荷台の第2の枠部分に引掛けた後、第1の連結手段の可動枠の掛り合い部と結合片が掛り合っていない状態で、可動枠を移動させて引掛け部を荷台の第1の枠部分に引掛けて位置決めした後、可動枠の掛り合い部と結合片を掛り合いさせてから外れ止め部によって結合片が支持体に直接的または間接的に固定されることで掛り合いを保持し、可動枠の移動方向への動きを阻止して荷台搭載物を固定することを特徴とする自転車の荷台搭載物。 - 第1の連結手段の可動枠の掛り合い部と結合片の掛り合いが外れないようにする外れ止め部が、掛り合いが外れる方向に位置する支持体の内面と結合片との間、または第1の連結手段が荷台搭載物の下面に取付けられた状態での荷台搭載物の下面と結合片との間の空間を埋めるように挿入されることによって、可動枠の掛り合い部と結合片が掛り合って、結合片が外れる方向に動く空間がなくなって固定されると共に、外れ止め部が支持体に保持されるように構成されることを特徴とする請求項1に記載した自転車の荷台搭載物。
- 可動枠の移動方向に切った可動枠の掛り合い部と結合片の掛り合い箇所のそれぞれの断面形状が、概ね同じとなる掛り合い、言い換えれば嵌合いであることを特徴とする請求項1乃至請求項2に記載した自転車の荷台搭載物。
- 第1の連結手段において、少なくとも2つの動き止め部を有し、各々の動き止め部が可動枠の移動方向にある支持体の一方の側面と他方の側面の内側に設けられて、各々の動き止め部と側面の間にバネ付勢部を設けると共に、可動枠の引掛け部が外れる動きに抗する側の動き止め部の位置を一時的に止める位置止め部を設けるように構成されており、
その動き止め部を、位置止めによって支持体の内側面にて可動枠の引掛け部を引掛ける方向に強めに付勢される位置に止めておき、可動枠を移動させて引掛け部を荷台の第1の枠部分に引掛けて位置決めした後、可動枠の掛り合い部と結合片を掛り合いさせ、外れ止め部で結合片を固定してから、位置止めを解除することによって、バネ付勢部の付勢力が位置決め分解能である掛り合いのピッチの分だけ生じるがたつきを吸収することを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載した自転車の荷台搭載物。
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