JP5512972B2 - 新規なハウジングを備えるガルバニ素子の作製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ハウジング・カップと、ハウジング・カバーと、上記ハウジング・カバーから上記ハウジング・カップを絶縁するフィルム・シールとを備えたガルバニ素子、特にボタン電池、および、その様なガルバニ素子を作製する方法に関する。
特にボタン電池の形態であるガルバニ素子は通常、(多くの場合にハウジング・パンとも称される)ハウジング・カップと、ハウジング・カバーとから成るハウジングを有する。一例として上記ハウジング・カップは、スタンプ成形されて絞られた部品として、ニッケル・メッキされて深絞り加工された板金から作製され得る。上記ハウジング・カップは通常は正の極性であり且つ上記ハウジング・カバーは負の極性である。これらの如きガルバニ素子は、たとえば、亜鉛/二酸化マンガン、一次的なリチウム・システム、もしくは、ニッケル/カドミウム、ニッケル/金属水素化物の如き他の二次的なシステム、または、二次的なリチウム・システムなどの広範囲な異なる電気化学システムを含み得る。
これらの如き電池は通常、ハウジング・カップとハウジング・カバーとの間に配置されたプラスチック・リングであって同時にシール要素として作用すると共にハウジング・カップとハウジング・カバーとの間の絶縁を提供するというプラスチック・リングと組み合わせて、ハウジング・カバーの縁部上にカップ縁部を押し曲げることにより、液密な様式で閉じられる。一例として、これらの如きボタン電池は特許文献1において開示されている。
これらのボタン電池に対して必要なシール要素は通常、たとえばポリアミドから射出成形方法により作製される。この目的のために必要とされる射出成形型は、高価であると共に、保守が難しい。更に、0.3mm未満の壁厚を有するシール要素を射出成形で作製することは、実質的に不可能である。結果として、射出成形法により作製されたシールは比較的に大きな体積を占有することから、特にボタン電池の場合に主要な役割を果たし得るという電池の容量の活用に悪影響する。
特許文献2は、フィルムから熱成形により作製されたシール要素の使用を記述している。真空に通ずる絞り型と、成形用スタンプ型とにより、加熱されたフィルムからカップ形状の成形体が絞り成形される。好適なフィルム材料としては、ポリアミドが特定されている。上記成形プロセスは、一段階以上の漸進的プロセスにおいて、所望の直径/高さ比率の関数として実施される。その際、熱成形により作製された上記カップ形状成形体の基部領域において打ち抜きを行うために、切断用スタンプ型および切断用ブッシュが用いられる。この様にして作製された上記シール要素はハウジング・カバー上に取付けられ、該カバーは次に、ハウジング・カップ内に挿入され得る。選択されたプロセス・パラメータに依存し、特許文献2に記述された上記方法は、非常に均一な壁厚を有する5mmまでの高さのシール要素を作製すべく使用され得る。この場合、初期材料からの厚みは好適には0.1mm〜0.3mmの範囲内である。たとえば、初期材料として0.15mmの厚みのフィルムが使用されるなら、約0.12mmの壁厚が達成され得る。
これと同様に薄寸であるフィルム・シールを使用すると、上述の種類のガルバニ電池の利用可能内部体積は増大することから、相当な容量の増進に帰着する。
ドイツ公開公報第31 13 309号 ドイツ公開公報第196 47 593号
しかし、フィルムから成るシール要素と組み合わせて従来型の単一壁式のハウジング・カバー(図1に概略的に示された先行技術)を用いる場合、問題が生じていた。従来型のカバーは、特に縁部領域において非常に不安定である。斯かるカバーは多くの場合、縁部において鋭利に切断された縁端面を有しており、この縁端面は不都合な状況においては、シール要素として使用されるフィルムを切り裂いてしまう。これに加え、この様なカバーの接触面積は非常に小さいので、僅かな圧力でさえも、上記カバーの一部がフィルム・シールと共に陰極に進入する結果となり得る。
上記先行技術(特許文献2参照)からは、縁部の折り返しにより形成された二重壁式のハウジング・ケーシングを備えたハウジングも知られる。その使用は、言及された問題であってフィルム・シールに関して生ずる問題を完全に解決することを意図している。斯かるハウジング・カバーを使用すると堅牢性は確実に高まると共に縁部領域において鋭利な縁端面が生ずることはなく、且つ、斯かるカバーの接触面積もまた、従来型のハウジング・カバーの接触面積よりも相当に大きくなる。
しかし、二重壁式のハウジング・カバーの使用は、電池における利用可能内部体積に対してはマイナスの影響を有する。結果として、理論的にはフィルム・シールの使用により達成されるはずの容量の増大は、達成されない。
本発明は、冒頭にて言及された種類のガルバニ電池であって、最適化された内部体積、故に最適化された容量の利用率により区別されると同時に、上述の問題の発生を回避するというガルバニ電池を提供するという目的に基づいている。
この目的は、請求項1の特徴を有するガルバニ素子により達成される。従属請求項2乃至16には、本発明に係る方法の好適方法が記述される。請求項17は、本発明に係るガルバニ素子を作製する方法に関する。言及により、全ての請求項の表現は本記述に関して包含される。
本発明に係るガルバニ素子は、ひとつの特に好適な実施例において、ボタン電池の形態である。これは、ハウジング・カップと、ハウジング・カバーと、フィルム・シールとを備えたハウジングを有する。上記フィルム・シールは、上記ハウジング・カバーから上記ハウジング・カップを絶縁する。
特に、本発明に係るガルバニ素子は、カバー基部と、それに隣接する円筒状区画と、それに隣接する縁部区画とを有するハウジング・カバーであって、該ハウジング・カバーの縁部は上記縁部区画において内方もしくは外方に屈曲されているという該ガルバニ素子のハウジング・カバーにより区別される。
上記ハウジング・カバーを屈曲させるプロセスは、該ハウジング・カバーの縁部にて生じ得る一切の鋭利切断縁端面が上記フィルム・シールに対して直角ではないことから、上記フィルム・シールに対する損傷の虞れが相当に低減されることを意味する。
更に、本発明に係るガルバニ素子はまた特に、上記フィルム・シールに対する損傷に関して既に言及された優れた安全特性に加え、容量を相当に良好に活用させる。特許文献2から知られるガルバニ素子と対照的に、上記縁部を折り返すことで形成された二重壁のハウジング・ケーシングに依れば、本発明の場合における縁部は上記縁部区画においてのみ屈曲される。本発明の場合、上記先行技術から知られるハウジング・カバーが有するのと同様である広範囲な二重壁の領域は無い。このことは、本発明に係るガルバニ素子のハウジングの内部体積は上記縁部区画においてのみ制限されることを意味する。
特に好適な一実施例において、本発明に係るガルバニ素子の縁部区画は、本質的にL形状の断面を有する。上記屈曲縁部はこの場合に好適には、屈曲されない縁部区画の領域に対して本質的に直角で配置され、すなわち、該領域から開始して、約80°〜100°、好適には85°〜95°、特に約90°だけ外方もしくは内方に屈曲される。その場合、上記ハウジング・カバーの屈曲縁部と上記円筒状区画との間の角度は、好適には90°超、特に95°〜115°、特に好適には105°〜110°である。
但し、この直角配置からの逸脱も可能である。たとえば、上記ハウジング・カバーの屈曲縁部は、上記円筒状区画に関して約90°の角度にて直立もされ得る。その場合、上記屈曲縁部と、屈曲されない縁部区画の部分との間の角度は、90°未満、好適には65°〜75°、特に約70°である。
更なる好適実施例において、本発明に係るガルバニ素子の縁部区画は、本質的にU形状の断面を有する。この実施例において上記縁部は、上記屈曲領域が、屈曲されない上記縁部区画の領域に対して本質的に平行に整列されるまで、外方もしくは内方に屈曲される。故に、該領域から開始して、上記縁部は約180°に亙り外方もしくは内方に屈曲されることから、これを折り返し縁部と称することも可能である。
相互に対して平行に整列された上記各領域間には、間隙が在り得る。但し、上記屈曲縁部は好適には、上記ハウジング・カバー上に、外側もしくは内側で、直接的に着座する。
上記縁部が外方に屈曲されるという実施例においては、屈曲縁部が内径方向に絞られていることも好適である。このことは、縁部がL形状で外方に屈曲されるという本発明に係るガルバニ素子、および、縁部がU形状で外方に屈曲されるという本発明に係るガルバニ素子の両方に適用される。
これらの実施例にて、上記縁部区画において上記ハウジング・カバーは好適には、上記縁部区画の上方に配置された上記円筒状区画の外径に対して本質的に対応する最大外径を有する。この実施例における縁部区画の内径は、上記円筒状区画の内径よりも狭幅である。
特に、縁部が外方にU形状で屈曲されたガルバニ素子の場合、上記縁部区画の外径は上記円筒状区画の外径よりも僅かに大きいことも好適であり得る、と言うのも、このことは本発明に係るガルバニ素子のシールに対して好適だからである(完全に組立てられたハウジングにおける縁部区画は、カップ縁部に対し、または、カップ縁部とハウジング・カバーとの間に配置されたフィルム・シールに対し、堅固に押圧される)。これらの実施例において、外方への逸脱は好適には、上記ハウジング・カバーの壁厚の50%未満である。
更なる好適実施例において、本発明に係るガルバニ素子は、カップ基部と本質的に円筒状のカップ・ケーシングとを備えるハウジング・カップと、カバー基部と環状の本質的に円筒状の区画とを備えて成るハウジング・カバーとから成るハウジングを有する。上記ハウジング・カップおよび上記ハウジング・カバーを、相互から、フィルム・シールが絶縁する。上記ハウジング・カバーの上記円筒状区画は、上記ハウジングが閉じ状態に在るときに、上記ハウジング・カップの内壁上に着座する。それに隣接して、縁部区画が在る。該縁部区画は、上記ハウジングが閉じ状態に在るときに、上記ハウジング・カップの基部領域に着座することが好適である。上記ハウジング・カバーの上記円筒状区画は、その全長に亙り本質的に均一の外径を有することが好適であり、これは、上記ハウジング・カップの対応内径に対して合致する。これと対照的に、この好適実施例における上記ハウジング・カバーの外径は上記縁部区画において一定でない、と言うのも、上記ハウジング・カバーの縁部は外方にU形状に屈曲され且つ内径方向に絞られているからである。上記縁部区画における上記ハウジング・カバーの外径は好適には、何処でも、上記円筒状カバー区画の外径を超えない。但し、既に上述された如く、上記縁部区画の外径が上記円筒状区画の外径より僅かに大きくされ得るという好適実施例も存在する。
本発明に係るガルバニ素子のハウジング・カバーの0.5mm未満が、外方もしくは内方に屈曲され、特に折り返されることが好適である。0.1mm〜0.35mm、特に約0.25mmのみが特に好適である。これらの数字は先行技術からの相違も表しており、該先行技術からは、縁部の折り返しにより形成された二重壁領域を備えるハウジング・カバーのみが知られ、該領域は概略的に、ハウジング・カバーの高さの少なくとも半分(数ミリメートル)に亙り延在している。
本発明に係るガルバニ素子の上記フィルム・シールは特に、熱成形され得るフィルムから形成される。基本的に、熱成形され得る従来型の全てのプラスチックであって、特に、複数の異なるプラスチックを備える複合体および挟持構造などのプラスチックが、この目的のために使用され得る。上記フィルム・シールは、ポリアミドから形成されることが特に好適である。
更なる好適実施例において、上記フィルム・シールは、高温に耐えるフィルムから形成される。高温に耐えるフィルムで構成されたフィルム・シールは、電子機器の分野で使用されるボタン電池に対して特に適している。この場合、基盤に対してはボタン電池および(特に電気的な)更なる構成要素が装着されると共に、ウェーブ浴において又はリフロー技術を用いて半田付けされる。このプロセスの間において、ボタン電池は250℃までの温度に短時間だけ加熱され得る。ポリエチレンまたはポリアミドで構成されたシールはこの温度にて、既に軟化され、または、それらの形状を喪失する。これは、漏出および電池の無効化に帰着する。
故に、特に好適な一実施例において上記フィルム・シールはポリアリールエーテルエーテルケトン(PEEK)で形成される。この材料で構成されたシールは、長時間に亙り250℃まで、且つ、短時間では300℃までさえも加熱され得る。その流動特性の故に、PEEKで構成されたシールは射出成形により作製されることはできない。但し、それはフィルムとして、シールを形成することが僅かに企図され得る。
本発明に係る要素のフィルム・シールは好適には、特許文献2に記述された如く成形体として作製される。この様にして作製された型成形シールは、その作製の後で、ハウジング・カバー上に取付けられることが好適であり、該ハウジング・カバーは次にハウジング・カップ内へと挿入され得る。本発明に係るガルバニ素子のハウジングが閉じ状態に在るとき、上記フィルム・シールは好適には円周方向にてハウジング・カバー上に配置され、その場合に該フィルム・シールは、上記ハウジング・カバーの縁部領域において電池内部に向けられた重なり合い部分を有することも好適である。上記フィルム・シールは好適にはカバー基部の方向に十分に延在することで、上記ハウジング・カップが全体に亙り押し曲げられたときに、上記ハウジング・カップと上記ハウジング・カバーとの直接接触を阻止する。
一好適実施例において、上記フィルム・シールは上記ハウジング・カバー上へと収縮される。特許文献2もまた、収縮プロセスを記述している。
好適には、0.01mm〜0.3mmの厚みを有するフィルム・シールが用いられる。特に、0.01mm〜0.15mm、特に0.08mm〜0.12mm、さらに0.03mm〜0.05mmの厚みを有するフィルム・シールを使用することが好適である。
本発明に係るガルバニ素子の一好適実施例においては、上記ハウジング・カバーの上記縁部区画において上記フィルム・シールと上記カバーとの間にはシール化合物が導入されることで、特に、表面漏れ作用に抗するシールが提供される。上記シール化合物は好適には、アスファルトまたはポリアミド接着剤である。
本発明に係る上記ガルバニ素子の上記ハウジング・カップおよび上記ハウジング・カバーは好適には、金属で作成される。一例として、金属材料としてはニッケル・メッキされて深絞り加工された板金が適切に使用される。特に、たとえば(外側から内側に向けて)ニッケル、鋼鉄(またはステンレス鋼)および銅の順序を有する三金属も好適である。
本発明に係るガルバニ素子の上記ハウジング・カバーは、上記縁部区画における構成の故に、驚くほど高度に堅牢である。縁部領域において折り返された縁部のない従来型のハウジング・カバーは高度に不安定なので、堅牢性の理由から、多くの場合、比較的に大きな壁厚を備えたハウジング・カバーとしてのみ使用され得るが、本発明に係るガルバニ素子のハウジング・カバーは、非常に薄寸の壁部を以ても使用され得る。
本発明に係るガルバニ素子の上記ハウジング・カバーは、0.08mm〜0.2mm、特に0.1mm〜0.15mm、さらに0.08mm〜0.13mmの壁厚を有することが好適である。
上記ハウジング・カバーは好適には、2mm〜15mm、特に好適には2mm〜10mm、特に3mm〜6mmの高さを有する。
本発明に係るガルバニ素子の上記ハウジング・カバーは、上記縁部区画における径方向圧力に対して特に堅牢である。この堅牢性によれば好適には、本発明に係るガルバニ素子のハウジングのシール特性を更に最適化する機能が提供される。
本発明に係るガルバニ素子は、カップ基部の領域において内径方向に絞られたハウジング・カップを該素子が有するときに特に好適である。
カップ基部において絞るプロセスによれば、ハウジング・カバーの縁部区画であってハウジング・カップの内壁上に着座するという縁部区画に対して径方向圧力が生成され得る。故に、上記ハウジング・カップと上記ハウジング・カバーとの間に配置された上記フィルム・シールはこの領域において圧縮されることから、相当に良好な漏出挙動を有する本発明に係るガルバニ素子に帰着する。上記内方絞りプロセスは特に、ガルバニ素子の装着に続くハウジング・カップの押し曲げの間に又はその後で、実施され得る。
本発明に係るガルバニ素子は好適には、上記凹所の領域において0.01mm〜0.15mm、好適には0.05mm〜0.1mmだけ減少された外径を有する。
本発明に係るガルバニ素子を作製する方法もまた、本発明の主題である。本発明に係る方法は、内方もしくは外方に屈曲された縁部を備えたハウジング・カバーと、ハウジング・カップと、フィルム・シールとを備えたハウジングを組立てる段階を備える。上記縁部は、上述された如く好適には内方に絞られている。本発明に係る上記方法は特に、押し曲げプロセスの間またはその後で、上記カップ基部の領域において上記ハウジング・カップは内径方向に絞られているという点において区別される。この場合、内方絞りプロセスは好適には、較正ブッシュにより実施される。上記ハウジングが装着される前に、ハウジング部材は、電気化学的プロセスに包含される構成要素(電極材料、セパレータおよび電解質)により充填される。
上記ハウジング・カップを内方に絞るプロセスは既に言及された。本発明に係る方法において使用されるべきハウジング構成要素(ハウジング・カップ、ハウジング・カバーおよびフィルム・シール)もまた、既に上記で詳細に説明された。故に、この場合における記述の対応箇所に対して明確な言及が為される。
言及された本発明の利点および更なる利点は、従属請求項と併せて、以下に続く実施例の説明、および、図面から明らかとなろう。この場合、本発明の個々の特徴は、それら自体で、または、相互に組み合わせて実施され得る。記述された各実施例は、発明の説明および理解の助力のみが意図されており、何らかの限定的な効果を有すると見做されるべきでない。
図1は、縁部領域102において鋭利に切断された縁端面を有し得る従来型のハウジング・カバー101を示しており、該縁端面は不十分な状況において、シール要素103として使用されたフィルムを切り裂くこともある。
図2は、外方にL形状に屈曲されたハウジング・カバーを備える本発明の一好適実施例に係るガルバニ素子のハウジングの部分的(断面)図を示している。図示内容は、ハウジング・カップ201と、ハウジング・カバー202の縁部区画と、フィルム・シール203と、該フィルム・シール203とハウジング・カバー202との間に導入されたシール化合物204とを示している。屈曲されたハウジング・カバー202の縁部は、(不図示の)円筒状区画に対して約90°の角度で整列される。屈曲された上記縁部と、縁部区画の一部であって屈曲されていない部分との間の角度は、90°未満である。屈曲された上記縁部は内方に絞られていることから、縁部領域202における上記ハウジング・カバーの最大外径は本質的に、不図示の上記円筒状区画の外径に対応する。
図2aは、外方に屈曲されたハウジング・カバーの縁部領域であって内方に絞られた屈曲縁部を備えるという縁部領域の断面図を示している。上記ハウジング・カバーの屈曲縁部は、(部分的にのみ示された)円筒状区画205に対して約90°の角度W1にて整列される。上記屈曲縁部と、上記縁部区画の部分であって屈曲されていない部分との間の角度W2は、90°より相当に小さい。
図2bは、屈曲縁部が内方に絞られたハウジング・カバー202のL形状の縁部区画を示している。この場合、上記ハウジング・カバーの屈曲縁部は、(部分的にのみ示された)円筒状区画205に対して90°より相当に大きい角度W1にて整列される。上記屈曲縁部と、上記縁部区画の部分であって屈曲されていない部分との間の角度W2は、約90°である。
図3は、内方に屈曲された縁部を有する(部分的に示された)ハウジング・カバーを備える本発明の一好適実施例に係るガルバニ素子のハウジングの部分的(断面)図を示している。図示内容は、ハウジング・カップ301と、ハウジング・カバー302と、フィルム・シール303と、該フィルム・シール303とハウジング・カバー302との間に導入されたシール化合物304とを示している。
図4は、内方に屈曲された縁部を有する(部分的に示された)ハウジング・カバーを備える本発明の一好適実施例に係るガルバニ素子の更なるハウジングの部分的(断面)図を示している。図示内容は、ハウジング・カップ401と、ハウジング・カバー402と、フィルム・シール403と、該フィルム・シール403とハウジング・カバー402との間に導入されたシール化合物404とを示している。
図5は、本発明の一好適実施例に係るガルバニ素子のハウジング500の部分的断面図を示している。上記ハウジングは、ハウジング・カバー501およびハウジング・カップ502を有する。上記ハウジング・カバーと上記ハウジング・カップとの間にはフィルム・シール503が配置され、該シールは、上記ハウジング・カバーの丸み付けされた縁部の回りにおいて上記ハウジングの下側領域へと入り込み、且つ、電池の内部へと僅かに重なり合っている。上記ハウジング・カップは、カップ基部504と、本質的に円筒状のカップ・ケーシング505とを有し、該カップ・ケーシングは上側領域において全体に亙り押し曲げられている。基部領域において、上記ハウジング・カップは僅かな凹所506を有する。
図6は、図5からのハウジング・カバー501の断面図を示している。上記カバーは概略的に3つの領域、詳細には、カバー基部601、本質的に円筒状の区画602、および、それに隣接する縁部区画603へと細分され得る。上記カバー基部は、平面的な中央区画604、および、屈曲周縁部605を有する。上記縁部区画は、重要な関心事項として、付加的に拡大して示される。これは、折り返された切断縁端面606および丸み付けされたカバー縁部607を明確に示している。
図7は、U形状に外方に屈曲されたハウジング・カバーを備える本発明の一好適実施例に係るガルバニ素子のハウジングの部分的(断面)図を示している。図示内容は、ハウジング・カップ701と、ハウジング・カバー702の縁部区画と、フィルム・シール703と、該フィルム・シール703とハウジング・カバー702との間に導入されたシール化合物704とを示している。屈曲された縁部は内方に絞られて、カップ内壁に対して平行に整列される。
図8は、U形状に外方に屈曲されたハウジング・カバーを備える本発明の一好適実施例に係るガルバニ素子のハウジングの更なる部分的(断面)図である。図示内容は、ハウジング・カップ801と、ハウジング・カバー802の縁部区画と、フィルム・シール803と、該フィルム・シール803とハウジング・カバー802との間に導入されたシール化合物804とを示している。屈曲された縁部は内方に絞られているが、カップ内壁に対して平行に整列されてはいない。
図9は、フィルム・シールを備えたハウジング・カバーの製造法を概略的に示している。(1)においては、下端部にて内方に向かう凹所を備えるべく熱成形された成形体としてフィルム・シール901が提供される。(2)において、上記凹所はシール化合物902により充填される。(3)において、フィルム・シール901はハウジング・カバー903に対して嵌装される。(4)は、ハウジング・カバー903と、フィルム・シール901とを備えると共に、シール化合物902によりシールされた縁部区画を有すべく完全に組立てられた構成要素を示している。
実施例1
従来型の設計態様のボタン電池は、0.1〜0.2mmの壁厚を有するハウジング・カップと、0.03〜0.05mmの厚みを有するフィルム・シールと、0.1〜0.2mmの厚みを有するハウジング・カバーとから成るハウジングを有している。これは、0.23〜0.45mmの全体的構造厚みに帰着する。しかし、上記ハウジング・カバーは、縁部にて不安定すぎることが見出されている。上記カバーの厚みは、縁部領域において0.25mmの長さに亙り該ハウジング・カバーを折畳むことにより、上記縁部領域において二重化される。その場合、上記ハウジング・カバーの外側サイズは、上記縁部領域において較正される。この様にして補強された上記カバーは、機械的な要件を相当に良好に満足する。これにより、本発明に依れば、ボタン電池の後続的な組立ての間においてフィルム・シールが切り裂かれて陰極が損傷されることが確実に回避される。
実施例2
本発明に係ると共に実施例1に記述された電池は、押し曲げプロセスの後で基部領域において0.4mmの長さに亙り0.05〜0.1mmだけ絞られた直径を有している。この結果、ハウジング・カップの内側部は、フィルム・シールを介し、上記カバーの堅牢な縁部に対して押圧される。この様に作製された製品は、非常に良好な漏出挙動を提供する。
先行技術に係るフィルム・シールを備えた従来型のハウジング・カバーの(部分的)断面図である。 図2は外方にL形状に屈曲されたハウジング・カバーを備える本発明の一好適実施例に係るガルバニ素子のハウジングの部分的(断面)図である。図2aは外方に屈曲されたハウジング・カバーの縁部領域の断面図である。図2bはL形状に屈曲されたハウジング・カバーの縁部領域の断面図である。 内方に屈曲されたハウジング・カバーを備える本発明の一好適実施例に係るガルバニ素子のハウジングの部分的(断面)図である。 内方に屈曲されたハウジング・カバーを備える本発明の一好適実施例に係るガルバニ素子のハウジングの更なる部分的(断面)図である。 U形状に外方に折り返されたハウジング・カバーを備える本発明の一好適実施例に係るガルバニ素子のハウジングの部分的(断面)図である。 図5に示されたハウジングのハウジング・カバーの断面図である。 U形状に外方に屈曲されたハウジング・カバーを備える本発明の一好適実施例に係るガルバニ素子のハウジングの部分的(断面)図である。 U形状に外方に屈曲されたハウジング・カバーを備える本発明の一好適実施例に係るガルバニ素子のハウジングの部分的(断面)図である。 ハウジング・カバーと、フィルム・シールと、ハウジング・カバーの縁部区画に付加的に導入されたシール化合物とを備えて完全に組立てられた構成要素の全てを断面で詳細に示す製造法の概略図である。

Claims (15)

  1. ハウジング・カップ(502)と、ハウジング・カバー(501)と、上記ハウジング・カバー(501)から上記ハウジング・カップ(502)を絶縁するフィルム・シール(503)とを含むハウジング(500)を有するボタン電池であって、
    上記ハウジング・カバーは、カバー基部(601)と、それに隣接する円筒状区画(602)と、それに隣接する縁部区画(603)とを有し、且つ、
    上記ハウジング・カバーの縁部は、前記縁部区画(603)がU形状の断面を有するように上記縁部区画において外方に屈曲されており、且つ
    ハウジング・カップの内壁上に着座するハウジング・カバーの縁部区画に対して径方向圧力が生成されるように、且つそれにより上記ハウジング・カップと上記ハウジング・カバーとの間に配置された上記フィルム・シールがこの領域において圧縮されるように、前記ハウジング・カップ(502)はカップ基部(504)の領域において内径方向に絞られて凹所(506)を有する、ボタン電池を作製する方法であって、
    方に屈曲された縁部を備えたハウジング・カバー(501)と、ハウジング・カップ(502)と、フィルム・シール(503)とを備えたハウジング(500)を組立てる段階を含み、前記組立てる段階は、上記ハウジング・カップの縁部全体に亙り内方に押し曲げられる段階、及び上記押し曲げプロセスの間にまたはその後で、上記ハウジング・カップ前記カップ基部の領域において内径方向に絞られる段階を含む、方法。
  2. 前記ハウジング・カバー の前記縁部は外方に屈曲されると共に内径方向に絞られていることを特徴とする、請求項1に記載のボタン電池の作製方法。
  3. 前記縁部区画(603)において前記ハウジング・カバーは、前記円筒状区画(602)の外径に対応する最大外径を有することを特徴とする、請求項2記載のボタン電池の作製方法。
  4. 前記ハウジング・カップ(502)は、カップ基部(504)と、筒状のカップ・ケーシング(505)とを備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載のボタン電池の作製方法。
  5. 前記フィルム・シール(503)は、熱成形されるフィルムから形成されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のボタン電池の作製方法。
  6. 前記フィルム・シール(503)はポリアミドで形成されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のボタン電池の作製方法。
  7. 前記フィルム・シール(503)は、高温に耐えるフィルムから形成されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のボタン電池の作製方法。
  8. 前記フィルム・シール(503)は、ポリアリールエーテルエーテルケトンから形成されることを特徴とする、請求項7記載のボタン電池の作製方法。
  9. 前記フィルム・シール(503)は、0.01mm〜0.3mmの厚みを有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のボタン電池の作製方法。
  10. 前記ハウジング・カバーの前記縁部区画(603)において、前記フィルム・シールと上記ハウジング・カバーとの間にはシール化合物が導入されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のボタン電池の作製方法。
  11. 前記ハウジング・カップ(502)および/または前記ハウジング・カバー(501)は、金属で作成されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載のボタン電池の作製方法。
  12. 前記ハウジング・カップ(502)および/または前記ハウジング・カバー(501)は、ニッケル、鋼鉄および銅の層順序を有する三金属で作成されることを特徴とする、請求項の1〜10いずれか一項に記載のボタン電池の作製方法。
  13. 前記ハウジング・カバー(501)は、0.08mm〜0.2mmの壁厚を有することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載のボタン電池の作製方法。
  14. 前記ハウジング・カップ(502)は、凹所(506)の領域において、前記ハウジング・カップ(502)の外径に比べて0.01mm〜0.15mmだけ減少された外径を有することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載のボタン電池の作製方法。
  15. 前記ハウジング・カップ(502)は、凹所(506)の領域において、前記ハウジング・カップ(502)の外径に比べて0.05mm〜0.1mmだけ減少された外径を有することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載のボタン電池の作製方法。
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