JP5511389B2 - 4’−エチニルd4Tの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フルフリルアルコール又はレボグルコセノンを出発原料とした、4'-エチニル-2',3'-ジデヒドロ-3'-デオキシチミジン(4'-エチニルd4T)の製造方法に関する。
後天性免疫不全症候群(エイズ、AIDS)は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が免疫細胞に感染し、免疫細胞を破壊して後天的に免疫不全を起こす免疫不全症のことを指す。全世界中でマラリアや結核を凌ぐ死亡原因となっており、2007年11月のUNAIDS(the joint United Programme on HIV/AIDS)の発表によると、感染者数は3300万人、2007年だけで死亡者数は200万人以上と推定されている。("2007 AIDS epidemic update" 19 Nov. 2007)。
HIVの薬物療法は、正確かつ継続した服薬が求められる。ウイルスの増殖を抑制するために有効血中濃度を一定に保つ必要があり、かつ飲み忘れや服薬時間のズレを繰り返すと薬剤耐性ウイルスが出現・増殖するからである(非特許文献1を参照)。つまり、抗HIV療法が成功するには、患者が能動的に治療方法の決定過程に参加した上で、その治療法を自ら実行していく、良好なアドヒアランスを得ることが重要である(非特許文献2を参照)。
現在の薬物治療法の主流となっているのは複数の薬剤を組み合わせた多剤併用療法(HAART療法)であるが、薬剤耐性ウイルスの出現と副作用による薬剤変更が余儀なくされることが問題となっている。
近年、この問題を解決する新たな薬剤の有効成分として、4'-エチニル-2',3'-ジデヒドロ-3'-デオキシチミジン(4'-エチニルd4T)が開発され(特許文献1を参照)、2008年には米国において臨床試験が開始される予定である。4'-エチニルd4Tは、多剤耐性ウイルスにも効果があり、ミトコンドリア毒性が低く安全性が高いことが推察され、長期服薬及びアドヒアランスの維持が可能であると期待されている。
しかしながら、4'-エチニルd4Tを製造するにあたっては、従来の合成方法(特許文献1及び非特許文献3を参照)では合成ステップ数が多く、生産コストが高く、大量生産に向かないという問題があった。
特開2006-528972号公報 Paterson D, et al., 6th Conference on Retroviruses and Opportunistic Infections, Chicago, III, 1999 吉野, 「治療」, Vol.88, No.12(2006.12), p.2903-2907 Maddaford, et al., Synthesis, 2007, No.9, p.1378-1384
そこで、本発明が解決しようとする課題は、より多くのHIV感染者に対して前記薬剤を提供し、HIV感染症治療への実用化を達成するため、当該薬剤の有効成分となる4'-エチニル-2',3'-ジデヒドロ-3'-デオキシチミジン(以下、4'-エチニルd4Tと称する)を、より簡易に、低コストで、大量に製造することができる方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った。その結果、フルフリルアルコール又はレボグルコセノンを出発原料とし、特定の中間体化合物(後述の式(III)に示される化合物)を経て、4'-エチニルd4Tを製造する方法であれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1) フルフリルアルコールを含む、4'-エチニルd4Tの製造用原料。
(2) レボグルコセノンを含む、4'-エチニルd4Tの製造用原料。
(3) 下記式(III):
Figure 0005511389
(式中、R1は水素原子、アシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、複素環基、複素環アルキル基、又は三置換シリル基を表し、R2は水素原子、アシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、複素環基、複素環アルキル基、又は三置換シリル基を表し、R3は水素原子、又は三置換シリル基を表す。)
で示される化合物。
上記式(III)で示される化合物としては、例えば、R1及びR2がいずれも水素原子であり、R3がトリメチルシリル基である化合物が挙げられる。
(4) フルフリルアルコールの誘導体又はレボグルコセノンに、下記式:
Figure 0005511389
(式中、R3は水素原子、又は三置換シリル基を表し、Mはリチウム原子、アルミニウム、又はモノハロゲン化マグネシウムを表す。)
で示される化合物を反応させて三重結合含有基を導入する工程を含む、下記式(III):
Figure 0005511389
(式中、R1は水素原子、アシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、複素環基、複素環アルキル基、又は三置換シリル基を表し、R2は水素原子、アシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、複素環基、複素環アルキル基、又は三置換シリル基を表し、R3は水素原子、又は三置換シリル基を表す。)
で示される化合物の製造方法。
(5) 下記式(III):
Figure 0005511389
(式中、R1は水素原子、アシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、複素環基、複素環アルキル基、又は三置換シリル基を表し、R2は水素原子、アシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、複素環基、複素環アルキル基、又は三置換シリル基を表し、R3は水素原子、又は三置換シリル基を表す。)
で示される化合物とチミンとを反応させる工程を含む、4'-エチニルd4Tの製造方法。
(6) フルフリルアルコールの誘導体又はレボグルコセノンに、下記式:
Figure 0005511389
(式中、R3は水素原子、又は三置換シリル基を表し、Mはリチウム原子、アルミニウム、又はモノハロゲン化マグネシウムを表す。)
で示される化合物を反応させて三重結合含有基を導入する工程、及び
当該工程後に得られた下記式(III):
Figure 0005511389
(式中、R1は水素原子、アシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、複素環基、複素環アルキル基、又は三置換シリル基を表し、R2は水素原子、アシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、複素環基、複素環アルキル基、又は三置換シリル基を表し、R3は水素原子、又は三置換シリル基を表す。)
で示される化合物とチミンとを反応させる工程を含む、4'-エチニルd4Tの製造方法。
本発明によれば、4'-エチニルd4Tを、従来の方法に比べ、より簡易に、低コストで、しかも大量に製造することができる方法を提供することができる。
4'-エチニルd4Tは、HIV感染症治療に効果的な薬剤の有効成分となり得るものであるため、当該薬剤による治療の実用化を達成するために、本発明の製造方法は極めて有用である。
フルフリルアルコールを出発物質としたときの4'-エチニルd4Tの合成スキームを示す図である。 レボグルコセノンを出発物質としたときの4'-エチニルd4Tの合成スキームを示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更し実施することができる。また、本明細書において引用された全ての刊行物、例えば先行技術文献、及び公開公報、特許公報その他の特許文献は、参照として本明細書に組み込まれる。
1.フルフリルアルコールを出発原料とする4'-エチニルd4Tの製造方法
(1) 4'-エチニルd4Tの製造用原料
本発明は、下記式(I)に示されるフルフリルアルコールを含む、4'-エチニルd4Tの製造用原料を提供することができる。
Figure 0005511389
本発明の製造用原料は、フルフリルアルコールのみからなるものであってもよいが、限定はされず、例えば、フルフリルアルコールから中間体化合物(後述の式(III)に示される化合物)を得るために使用される各種反応材料(反応液、反応物質)を含んでいてもよい。
ここで、各種反応材料としては、例えば、N-ブロモコハク酸イミド(NBS)、テトラヒドロフラン(THF)、1-ブタノール、n-ヘキサン、アセトニトリル及び水に代表される溶媒、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウムなどに代表されるアルカリ金属塩、無水酢酸、塩化アセチルに代表されるアシル化剤,Lipase PS(リパーゼ酵素)に代表される不斉加水分解酵素、並びに、三重結合を含有する下記式:
Figure 0005511389
(式中、R3は水素原子、又は三置換シリル基を表し、Mはリチウム原子、アルミニウム、又はモノハロゲン化マグネシウムを表す。)
に示される化合物等が挙げられる。
三置換シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、三級ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ブチルジフェニルシリル基等が挙げられ、中でも、トリメチルシリル基が好ましい。
また、モノハロゲン化マグネシウムとしては、例えば、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム等が挙げられる。
(2) 中間体化合物の製造工程
本発明においては、フルフリルアルコールから4'-エチニルd4Tを製造する過程として、4'-エチニルd4Tの中間体化合物である下記式(III)の化合物の製造方法を提供することができる。
Figure 0005511389
具体的には、フルフリルアルコールの誘導体に、下記式で示される化合物を反応させて三重結合含有基を導入する工程を含む、上記式(III)の化合物の製造方法を提供することができる。
Figure 0005511389
(式中、R3は水素原子、又は三置換シリル基を表し、Mはリチウム原子、アルミニウム、又はモノハロゲン化マグネシウム(好ましくは、リチウム原子)を表す。)
ここで、上記式(III)中、R1としては、例えば、水素原子、アシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、複素環基、複素環アルキル基、及び三置換シリル基等(好ましくは、水素原子、アシル基)が挙げられる。
R1としてのアシル基としては、例えば、アセチル基、ベンゾイル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、及びナフトイル基等が好ましく挙げられ、より好ましくはアセチル基、及びベンゾイル基であり、特に好ましくはアセチル基である。
R1としてのアルキル基としては、例えば、炭素数1〜6の低級アルキル基等が好ましく挙げられ、より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、及び三級ブチル基であり、特に好ましくはメチル基である。
R1としてのアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、及びイソプロペニル基等が好ましく挙げられる。
R1としてのアリール基としては、例えば、フェニル基、インデニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、及びアントラセニル基等が好ましく挙げられる。
R1としてのアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、及びナルチルエチル基等が好ましく挙げられる。
R1としてのシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、及びシクロオクチル基等が好ましく挙げられる。
R1としての複素環基としては、例えば、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペラジニル基、及びインドリニル基等が好ましく挙げられる。
R1としての複素環アルキル基としては、例えば、4-ピリジルメチル基、2-ピリジルメチル基、2-(4-ピリジル)エチル基、及び2-イミダゾリルメチル基等が好ましく挙げられる。
R1としての三置換シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、三級ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、及びブチルジフェニルシリル基等が好ましく挙げられ、中でも、トリメチルシリル基がより好ましい。
また、上記式(III)中、R2としては、例えば、水素原子、アシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、複素環基、複素環アルキル基、及び三置換シリル基等(好ましくは、水素原子、アシル基)が挙げられる。
R2としてのアシル基としては、例えば、アセチル基、ベンゾイル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、及びナフトイル基等が好ましく挙げられ、より好ましくはアセチル基、及びベンゾイル基であり、特に好ましくはアセチル基である。
R2としてのアルキル基としては、例えば、炭素数1〜6の低級アルキル基、ジメトキシトリチル基、及びベンジル基等が好ましく挙げられ、より好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、及び三級ブチル基であり、特に好ましくはメチル基である。
R2としてのアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、及びイソプロペニル基等が好ましく挙げられる。
R2としてのアリール基としては、例えば、フェニル基、インデニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、及びアントラセニル基等が好ましく挙げられる。
R2としてのアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、及びナルチルエチル基等が好ましく挙げられる。
R2としてのシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、及びシクロオクチル基等が好ましく挙げられる。
R2としての複素環基としては、例えば、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペラジニル基、及びインドリニル基等が好ましく挙げられる。
R2としての複素環アルキル基としては、例えば、4-ピリジルメチル基、2-ピリジルメチル基、2-(4-ピリジル)エチル基、及び2-イミダゾリルメチル基等が好ましく挙げられる。
R2としての三置換シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、三級ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、及びブチルジフェニルシリル基等が好ましく挙げられ、中でも、トリメチルシリル基がより好ましい。
また、上記式(III)中、R3としては、例えば、水素原子、及び三置換シリル基等が挙げられる。
R3としての三置換シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、三級ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ブチルジフェニルシリル基等が好ましく挙げられ、中でも、トリメチルシリル基がより好ましい。
上記式(III)で示される中間体化合物としては、特に、R1及びR2がいずれも水素原子又はアシル基(特にアセチル基)であり、かつR3がトリメチルシリル基であるものが好ましく、R1及びR2がいずれも水素原子であり、かつR3がトリメチルシリル基であるものがより好ましい。
以下、フルフリルアルコールから上記式(III)の中間体化合物を製造する工程について、図1を参照しつつ、詳細に例示説明をするが、本発明は特にこの例示には限定はされず、上記式(III)中の置換基(R1、R2及びR3)が所望の基となるよう、当業者の技術常識により適宜変更して当該工程を実施することができる。
(i) 酸化及びアセチル化(工程(1))
まず、出発原料となるフルフリルアルコールを、水及びテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、その後冷却する。この際、水の量に対し、テトラヒドロフランの量が、体積比で4以上が好ましく、特に好ましくは8以上である。また、ここで、溶解の際は、THFに代えてエーテル、ヘキサン、及びメチル三級エタノール等を使用することもできる。冷却は、10℃以下にすることが好ましく、0℃以下にすることがより好ましい。
上記冷却後の溶液に、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、及びN-ブロモコハク酸イミドの混合物を添加し、その後攪拌する。ここで、当該添加の際は、上記混合物に代えて臭素、メタノール、及び硫酸を使用することもできる。
上記攪拌後の溶液に、無水酢酸を添加する。無水酢酸の添加量は、出発原料として用いたフルフリルアルコールの量に対して、モル比で1〜10であることが好ましく、より好ましくは1〜5、特に好ましくは4である。アセチル化反応に要する時間を短縮できる点で、無水酢酸に加えてN, N-ジメチル-4-アミノピリジン(DMAP)を添加することが好ましい。添加は、室温以下で行うことが好ましく、0℃以下がより好ましい。添加後は、溶液を20〜55℃(好ましくは室温)に昇温し、アセチル化反応を進める。反応は、攪拌しながら、2〜24時間(好ましくは2〜16時間)行う。
アセチル化反応終了後は、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(又は水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液)を添加後、公知の手法を用いて、酢酸エチル(又はクロロホルム、ジクロロメタン、エーテル、ヘキサン)等の有機溶媒で有機層の抽出を行い、その後、得られた有機層を乾燥、濃縮(減圧濃縮)及び精製(カラム精製)することにより、黄褐色油状物のアセチル体(±)の化合物が得られる。なお、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(又は水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液)を添加する際のpHとしては、5.5〜7.5が好ましく、特に好ましくは6.5である。
(ii) リパーゼ酵素反応(光学分割)(工程(2))
工程(1)で得られた化合物に、リパーゼ酵素を添加して反応させる。リパーゼ酵素の添加の際、例えば、2-プロパノール(IPA)、ノルマルブタノール、n-ヘキサン、THF及び水等を共に添加することが好ましい。反応は、20〜55℃(好ましくは室温)下で、攪拌しながら、2〜164時間(好ましくは3〜20時間)行う。
反応終了後は、公知の手法により、有機層の抽出、洗浄、濃縮(減圧濃縮)及び精製(カラム精製、シリカゲル濾過、再結晶等)することにより、工程(1)で得られたアセチル体(±)の化合物のうち、一方の鏡像異性体が優先して得られる。
なお、本発明の製造方法でいう「フルフリルアルコールの誘導体」としては、例えば、工程(1)で得られるアセチル体(±)の化合物や、工程(2)で得られるアセチル体(−)の化合物が好ましく挙げられ、中でもアセチル体(−)の化合物が好ましい。
(iii) 三重結合含有基の導入(エチニル化)(工程(3))
まず、トリメチルシリルアセチレンとn-ブチルリチウムとを溶液中で反応させて、下記化合物の溶液を調製する。
Figure 0005511389
(この場合は、式中、R3はトリメチルシリル基を表し、Mはリチウム原子(Li)を表す。)
具体的には、トリメチルシリルアセチレンをTHF(又はエーテル、ヘキサンなどの非プロトン性溶媒等)に溶解して、内温を冷却したところに、n-ヘキサンに分散したn-ブチルリチウム溶液を添加する。添加は、内温を0℃以下(好ましくは-10℃以下、より好ましくは-20℃以下、さらに好ましくは-30℃以下)に保持して行い、その後、反応液を内温0℃程度で1時間程度攪拌する。これにより、三重結合を有する上記化合物が得られる。
次いで、当該三重結合を有する化合物の溶液中に、工程(2)で得られたアセチル体(−)の化合物を添加して反応させる。アセチル体(−)の化合物の添加量は、上記三重結合を有する化合物の量に対して、モル比で0.1〜1であることが好ましく、より好ましくは0.5〜1である。添加は、内温を0℃以下に保持して行うことが好ましい。
添加後(反応終了後)は、弱酸性プロトン性溶媒(飽和塩化アンモニウム水溶液、酢酸、酢酸/THF溶液など)を添加し、溶液を室温まで昇温する。その後、公知の手法により、有機層の抽出、洗浄、乾燥、濾過及び濃縮(減圧濃縮)をすることにより、褐色油状物のアセチル体の化合物(粗体)が得られる。必要に応じて、得られた粗体に対し、シリカゲル濾過、再結晶等を行い、精製することができる。
(iv) 脱アセチル化反応(工程(4))
次に、工程(3)で得られたアセチル体の化合物をアセトニトリル(又はノルマルブタノール、n-ヘキサン、2-プロパノール、THF)に溶解し、当該溶液に、リパーゼ酵素水溶液を添加して攪拌し、反応させる。攪拌は、20〜60℃(好ましくは40℃程度)に保持し、8〜48時間(好ましくは12〜30時間)行う。
反応終了後は、飽和炭酸水素ナトリウム(又は飽和塩化アンモニウム水溶液)を添加し、その後、公知の手法により、有機層の抽出、洗浄、乾燥、濾過、濃縮(減圧濃縮)及び精製(カラム精製)をすることにより、前記式(III)の化合物(具体的には、R1及びR2が水素原子で、R3がトリメチルシリル基であるもの。)を一部に含む、黄色油状物のジオール体の化合物(混合物)が得られる。なお、当該混合物に含まれる式(III)の化合物、すなわち4'-エチニルd4Tの中間体化合物には、通常はヘミアセタール性水酸基またはアルコキシ基の位置する1位炭素原子(アノマー炭素)の不斉により水酸基、アルコキシ基の配位(α配位とβ配位)によって二つの立体異性体が存在することになるが、この両者は限定はされず、さらに混合物であってもよい。
(v) アセチル化反応(工程(5))
次に、工程(4)で得られたジオール体の化合物(混合物)に、THF、無水酢酸、ピリジン及びDMAPを添加して、ジオール部分のアセチル化反応を行う。反応は、10〜40℃(好ましくは30℃程度)で、0.5〜24時間(好ましくは1時間程度)行う。
反応終了後は、公知の手法により、有機層の抽出、洗浄、乾燥、濾過及び濃縮(減圧濃縮)をすることにより、前記式(III)の化合物(具体的には、R1及びR2がアセチル基(Ac基)で、R3がTMSであるもの。)である、褐色油状物のアセチル体の化合物が得られる。なお、当該式(III)の化合物、すなわち4'-エチニルd4Tの中間体化合物には、通常はヘミアセタール性水酸基またはアルコキシ基の位置する1位炭素原子(アノマー炭素)の不斉により水酸基、アルコキシ基の配位(α配位とβ配位)によって二つの立体異性体が存在することになるが、この両者は限定はされず、さらに混合物であってもよい。
(3) 4'-エチニルd4Tの製造工程
本発明においては、フルフリルアルコールから4'-エチニルd4Tを製造する過程として、上記1.(2)項の工程により得られた式(III)の化合物から、目的化合物である4'-エチニルd4T(下記式(IV))の製造方法を提供することができる。
Figure 0005511389
具体的には、前記式(III)の化合物(特に、前記工程(5)で得られた式(III)の化合物が好ましい。)と、チミンとを反応させる工程を含む、4'-エチニルd4Tの製造方法を提供することができる。
以下、前記式(III)の化合物から4'-エチニルd4Tを製造する工程について、図1を参照しつつ、詳細に例示説明をするが、本発明は特にこの例示には限定はされず、式(III)の化合物中の置換基(R1、R2及びR3)の種類に応じ、当業者の技術常識により適宜変更して当該工程を実施することができる。
(i) ヌクレオシド化(チミン導入)(工程(6))
まず予め、1,2-ジクロロエタンに、チミンと、N,O-ビストリメチルシリルアセトアミド又は塩化トリメチルシランを添加し、加熱還流後、冷却しておく。使用する溶媒は1,2-ジクロロエタンに限らず,クロロホルム、ジクロロメタン及びテトラヒドロフラン、又はこれらの混合溶媒も用いることが可能である。加熱還流は、1〜24時間(好ましくは2時間程度)行う。また加熱還流後の冷却は、10〜30℃(好ましくは20℃程度)にする。
次いで、工程(5)で得られたアセチル体の化合物を、EDC(又はジクロロメタンに代表されるハロゲン化炭化水素)に溶解し、上記冷却後の溶液に添加して攪拌した後、さらにトリメチルシリルトリフルオロメタンスルフォネート(TMSOTf)を添加して攪拌し、反応させる。この際、前記チミンの使用量に対し、工程(5)で得られたアセチル体の化合物の添加量が、モル比で0.5〜1となるようにすることが好ましい。TMSOTf添加後の攪拌は、10〜30℃(好ましくは20℃程度)で、1〜24時間(好ましくは2時間程度)行う。
反応終了後は、公知の手法により、有機層の抽出、洗浄、乾燥、濾過及び濃縮(減圧濃縮)をして、粗体を得、これをn-ヘキサン等の非極性炭化水素溶媒によってスラリー洗浄することにより、淡褐色結晶のアセチル体の化合物が得られる。
(ii) 脱保護化(工程(7))
まず、メタノール、テトラヒドロフラン若しくは水、又はこれらの混合溶液に、工程(6)で得られたアセチル体の化合物を添加して溶解させる。
次いで、上記溶解後の溶液に1N-NaOH水溶液を加えて攪拌し、反応させる。攪拌は、10〜30℃(好ましくは20℃)で、0.5〜5時間(好ましくは1時間程度)行う。
反応終了後は、公知の手法により、有機層の抽出、乾燥、濾過及び濃縮(減圧濃縮)をすることにより、淡黄色結晶の化合物(混合物)が得られる。なお、当該混合物は、目的化合物である4'-エチニルd4Tの炭素原子のうちメチルピリミジン基が結合する炭素原子が不斉炭素原子であることによる幾何異性体の混合物である。
(iii) 分離精製(工程(8))
工程(7)で得られた化合物(幾何異性混合物)をスラリー洗浄(酢酸エチル等)し、メタメール(又はエタノール、酢酸エチル、エーテル)で再結晶することにより、目的化合物である4'-エチニルd4Tが得られる。再結晶を行う回数は、限定はされないが、2回以上が好ましい。
また、工程(7)の反応終了後に反応物を濾過し、その後、工程(8)としてカラム精製による精製を行うこともできる。
2.レボグルコセノンを出発原料とする4'-エチニルd4Tの製造方法
(1) 4'-エチニルd4Tの製造用原料
本発明は、下記式(II)に示されるセボグルコセノンを含む、4'-エチニルd4Tの製造用原料を提供することができる。
Figure 0005511389
本発明の製造用原料は、レボグルコセノンのみからなるものであってもよいが、限定はされず、例えば、レボグルコセノンから中間体化合物(後述の式(III)に示される化合物)を得るために使用される各種反応材料(反応液、反応物質)を含んでいてもよい。
ここで、各種反応材料としては、例えば、三重結合を含有する下記式:
Figure 0005511389
(式中、R3は水素原子、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、三級ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、又はブチルジフェニルシリル基を表し、Mはリチウム原子、アルミニウム、又はモノハロゲン化マグネシウムを表す。)
に示される化合物、無水酢酸、抱水ヒドラジン(N2H4・H2O)、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、塩化第三級ブチルジメチルシラン(TBSCI)、水酸化ナトリウム、過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO4)、及び水等が挙げられる。
(2) 中間体化合物の製造工程
本発明においては、レボグルコセノンから4'-エチニルd4Tを製造する過程として、4'-エチニルd4Tの中間体化合物である下記式(III)の化合物の製造方法を提供することができる。
Figure 0005511389
具体的には、レボグルコセノンに、下記式で示される化合物を反応させて三重結合含有基を導入する工程を含む、上記式(III)の化合物の製造方法を提供することができる。
Figure 0005511389
(式中、R3及びMは、前記1.(2)項の記載と同様である。)
ここで、上記式(III)中、R1は、基本的には前記1.(2)項の記載と同様であるが、好ましくは、第三級ブチルジメチルシリル基(TBS)である。
また、R2及びR3は、前記1.(2)項の記載と同様である。
上記式(III)で示される中間体化合物としては、特に、R1がTBSであり、R2が水素原子又はアシル基(特にアセチル基)であり、かつR3がトリメチルシリル基であるものが好ましく、R1がTBSであり、R2が水素原子であり、かつR3がトリメチルシリル基であるものがより好ましい。
以下、レボグルコセノンから上記式(III)の中間体化合物を製造する工程について、図2を参照しつつ、詳細に例示説明をするが、本発明は特にこの例示には限定はされず、上記式(III)中の置換基(R1、R2及びR3)が所望の基となるよう、当業者の技術常識により適宜変更して当該工程を実施することができる。
(i) 三重結合含有基の導入(エチニル化)(工程(1))
まず、不活性ガス気流下(好ましくは窒素気流下)、トリメチルシリルアセチレンとノルマルブチルリチウムとを溶液中で反応させて、下記化合物の溶液を調製する。
Figure 0005511389
(この場合は、式中、R3はトリメチルシリル基(TMS)を表し、Mはリチウム原子(Li)を表す。)
具体的には、トリメチルシリルアセチレンをTHF(又はエーテル、n-ヘキサン等)に溶解して、内温を-50〜-30℃(好ましくは-40℃程度)まで冷却したところに、n-ブチルリチウムヘキサン溶液を添加する。添加は、内温を-40〜-20℃以下(好ましくは-30℃以下)に保持して行い、その後、反応液を内温-40〜-20℃(好ましくは-30℃程度)で1〜2時間(好ましくは1時間程度)攪拌する。これにより、三重結合を有する上記化合物が得られる。
次いで、当該三重結合を有する化合物の溶液中に、出発物質であるレボグルコセノンを添加して反応させる。レボグルコセノンの添加量は、上記三重結合を有する化合物の量に対して、モル比で0.1〜1であることが好ましく、より好ましくは0.5〜1である。添加は、内温を0℃以下に保持して行うことが好ましく、-30℃以下がより好ましい。
添加後(反応終了後)は、飽和塩化アンモニウム水溶液を添加し、溶液を20〜35℃(好ましくは室温)に昇温する。その後、公知の手法により、有機層の抽出、洗浄、乾燥、濾過及び濃縮(減圧濃縮)をすることにより、褐色油状物の化合物(粗体)が得られる。
(ii) アセチル化反応(工程(2))
工程(1)で得られた化合物を、無水酢酸と共に、濃硫酸存在下で反応させる。
反応終了後は、公知の手法により、有機層の抽出、洗浄、乾燥、濾過、濃縮(減圧濃縮)及び必要により精製(カラム精製)をすることにより、アセチル体の化合物が得られる。
(iii) 加水分解反応(工程(3))
工程(2)で得られた化合物を、ヒドラジン存在下で反応させる。
反応終了後は、公知の手法により、有機層の抽出、洗浄、乾燥、濾過、濃縮(減圧濃縮)及び必要により精製(カラム精製)をすることにより、アセチル体の化合物が得られる。
(iv) 還元反応(工程(4))
工程(3)で得られた化合物を、水素化ホウ素ナトリウムを用いて還元する。
反応終了後は、公知の手法により、有機層の抽出、洗浄、乾燥、濾過、濃縮(減圧濃縮)及び必要により精製(カラム精製)をすることにより、アセチル体の化合物が得られる。
(v) 保護基導入(工程(5))
工程(4)で得られた化合物を、塩化第三級ブチルジメチルシラン(TBSCl)と反応させる。
反応終了後は、公知の手法により、有機層の抽出、洗浄、乾燥、濾過、濃縮(減圧濃縮)及び必要により精製(カラム精製)をすることにより、TBS体の化合物が得られる。
(vi) 脱アセチル化反応(工程(6))
工程(5)で得られた化合物を、水酸化ナトリウム水溶液中で反応させる。
反応終了後は、公知の手法により、有機層の抽出、洗浄、乾燥、濾過、濃縮(減圧濃縮)及び必要により精製(カラム精製)をすることにより、トリオール体の化合物が得られる。
(vii) 酸化反応(工程(7))
工程(6)で得られた化合物を、過ヨウ素酸ナトリウムと反応させる。
反応終了後は、公知の手法により、有機層の抽出、洗浄、乾燥、濾過、濃縮(減圧濃縮)及び精製(カラム精製)をすることにより、前記式(III)の化合物(具体的には、R1がTBSであり、R2が水素原子であり、R3がTMSであるもの。)である化合物が得られる。なお、当該式(III)の化合物、すなわち4'-エチニルd4Tの中間体化合物には、通常はヘミアセタール性水酸基またはアルコキシ基の位置する1位炭素原子(アノマー炭素)の不斉により水酸基、アルコキシ基の配位(α配位とβ配位)によって二つの立体異性体が存在することになるが、この両者は限定はされず、さらに混合物であってもよい。
(viii) アセチル化反応(工程(8))
次に、工程(7)で得られた化合物に、不活性ガス気流下(好ましくは窒素気流下)、無水酢酸、ピリジン及び4-ジメチルアミノピリジンなどの第三級芳香族アミンを添加して、水酸基部分のアセチル化反応を行う。反応は、25〜35℃(好ましくは30℃程度)で、1〜2時間(好ましくは1時間程度)行う。
反応終了後は、公知の手法により、有機層の抽出、洗浄、乾燥、濾過及び濃縮(減圧濃縮)をすることにより、前記式(III)の化合物(具体的には、R1がTBSであり、R2がアセチル基(Ac基)であり、R3がTMSであるもの。)である、アセチル体の化合物が得られる。なお、当該式(III)の化合物、すなわち4'-エチニルd4Tの中間体化合物には、通常はヘミアセタール性水酸基またはアルコキシ基の位置する1位炭素原子(アノマー炭素)の不斉により水酸基、アルコキシ基の配位(α配位とβ配位)によって二つの立体異性体が存在することになるが、この両者は限定はされず、さらに混合物であってもよい。
(3) 4'-エチニルd4Tの製造工程
本発明においては、レボグルコセノンから4'-エチニルd4Tを製造する過程として、上記2.(2)項の工程により得られた式(III)の化合物から、目的化合物である4'-エチニルd4T(下記式(IV))の製造方法を提供することができる。
Figure 0005511389
具体的には、前記式(III)の化合物(特に、前記工程(8)で得られた式(III)の化合物が好ましい。)と、チミンとを反応させる工程を含む、4'-エチニルd4Tの製造方法を提供することができる。
以下、前記式(III)の化合物から4'-エチニルd4Tを製造する工程について、図2を参照しつつ、詳細に例示説明をするが、本発明は特にこの例示には限定はされず、式(III)の化合物中の置換基(R1、R2及びR3)の種類に応じ、当業者の技術常識により適宜変更して当該工程を実施することができる。
(i) ヌクレオシド化(チミン導入)(工程(9))
まず予め、不活性ガス気流下(好ましくは窒素気流下)で、塩化エチレン又はジクロロメタンに、チミンと、N,O-ビストリメチルシリルアセトアミド又は塩化トリメチルシランとを添加し、加熱還流後、冷却しておく。加熱還流は1〜24時間(好ましくは2時間程度)行う。また加熱還流後の冷却は、10〜30℃(好ましくは20℃程度)にする。
次いで、工程(8)で得られたアセチル体の化合物を、塩化エチレン又はジクロロメタンに溶解し、上記冷却後の溶液に添加して攪拌した後、さらにトリメチルシリルトリフルオロメタンスルフォネート(TMSOTf)を添加して攪拌し、反応させる。この際、前記チミンの使用量に対し、工程(8)で得られたアセチル体の化合物の添加量が、モル比で0.5〜1となるようにすることが好ましい。TMSOTf添加後の攪拌は、10〜30℃(好ましくは20℃程度)で、1〜24時間(好ましくは2時間程度)行う。
反応終了後は、公知の手法により、有機層の抽出、洗浄、乾燥、濾過及び濃縮(減圧濃縮)をして、粗体を得、これをスラリー洗浄(n-ヘキサン等)することにより、淡褐色結晶のTBS体の化合物が得られる。
(ii) 脱保護化(工程(10))
まず、不活性ガス気流下(好ましくは窒素気流下)、THF、エーテル及びヘキサンの混合液に、工程(9)で得られたTBS体の化合物を添加して溶解させる。
次いで、上記溶解後の溶液にフッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF)を加えて攪拌する。攪拌は、20〜30℃(好ましくは室温)で、1〜2時間(好ましくは1時間程度)行う。
反応終了後は、公知の手法により、有機層の抽出、乾燥、濾過及び濃縮(減圧濃縮)をすることにより、目的化合物である4'-エチニルd4Tが得られる。
3.4'-エチニルd4Tの用途
本発明の製造方法により得られた4'-エチニルd4Tは、HIV感染症治療薬の有効成分として非常に有用なものである。
4'-エチニルd4Tをエイズ治療薬の有効成分として使用する場合は、4'-エチニルd4Tは、必要に応じて各種塩や水和物等の状態で用いられてもよいし、また、治療薬としての保存安定性を考慮した適当な化学的修飾がなされた状態で用いられてもよく、特に限定はされない。
当該治療薬は、4'-エチニルd4T以外にも他の成分を含むことができる。他の成分としては、当該医薬組成物の用法(使用形態)に応じて必要とされる、製薬上許容され得る各種成分(薬学的に許容し得る各種担体等)が挙げられる。他の成分は、4'-エチニルd4Tにより発揮される治療効果が損なわれない範囲で適宜含有することができる。
当該治療薬の投与について、その用法は限定はされないが、通常、点滴静注などの非経口用法が採用される。非経口用法等の各種用法に用い得る製剤は、薬剤製造上一般に用いられる賦形剤、充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、潤滑剤、界面活性剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、溶解補助剤、防腐剤、矯味矯臭剤、無痛化剤、安定化剤、等張化剤等を適宜選択して使用し、常法により調製することができる。また、当該治療薬の形態は、限定はされないが、通常、静脈内注射剤(点滴を含む)が採用され、例えば、単位投与量アンプル又は多投与量容器の状態等で提供され得る。
当該治療薬の投与量は、一般には、薬剤中の有効成分の配合割合を考慮した上で、投与対象(患者)の年齢、体重、病状のほか、投与経路、投与回数、投与期間等を勘案し、適宜、広範囲に設定することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下に、フルフリルアルコールを出発原料としたときの4'-エチニルd4Tの第一の合成例を示した(図1の工程(1)〜(8)を参照)。
なお、本実施例中で使用する略語は次の通りである。
DMAP: 4-ジメチルアミノピリジン
BSA:N,O-ビストリメチルシリルアセトアミド
EDC:1,2-ジクロロエタン
n-Hex:n-ヘキサン
THF:テトラヒドロフラン
AcOEt:酢酸エチル
TMSOTf:トリメチルシリルトリフルオロメタンスルフォネート
IPA:2-プロパノール
1.工程(1)
<5,6-dihydro-5-oxo-2H-pyran-2-yl acetate (±)(化合物 (±)4)>
窒素気流下、フルフリルアルコール(化合物1)500 g(5.10 mol)を、水1.65L及びTHF 6.6 Lに溶解し、0℃以下まで冷却した。そこに、炭酸水素ナトリウム855 g(10.2 mol)、酢酸ナトリウム418 g(5.10 mol)及びN-ブロモコハク酸イミド953 g(5.35 mol)の混合物を40分間かけて添加した。その後、1時間攪拌し、無水酢酸2,083 g(20.4 mol)
を0℃以下で添加した。その後、室温まで昇温し、終夜攪拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20.5 Lを加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮を行い、粗体776g(粗体収率42.6%)が得られた。得られた粗体をカラム精製(n-Hex : AcOEt = 3 : 1)し、黄褐色油状物の化合物 (±)4を339 g得た。
化合物 (±)4:
1H-NMR
δH (500 MHz; CDCl3) 6.93 (dd, 1H, J = 10.5 and 3.5), 6.50 (d, 1H, J = 3.5), 6.28 (d, 1H, J = 10.5), 4.52 (d, 1H, J = 17.5), 4.23 (d, 1H, J = 17.5), 2.15 (s, 3H).
2.工程(2)
<(R)-5,6-dihydro-5-oxo-2H-pyran-2-yl acetate (−)(化合物 (−)4)>
窒素気流下、アセチル体(±)(化合物 (±)4)336 g(2.15 mol)に、Lipase PS Amano SD 67.2 g、ノルマルブタノール4.7 L、n-ヘキサン15.5 L及び水670 mLを加えて、室温で終夜攪拌した。反応終了後、水6.7 Lを加え、酢酸エチルで抽出した。抽出した有機層を合わせて、飽和食塩水で洗浄し、減圧濃縮を行い、粗体246 g(粗体収率20.5%)を得た。得られた粗体をカラム精製(n-Hex : AcOEt = 3 : 1)した後、得られた結晶をn-Hex/AcOEt = 19/1で洗浄して、白色結晶の化合物 (−)4を69g得た。旋光度測定の結果、[α]20D = -184.53°(c=1.015, CHCl3)であり、目的の化合物 (−)4のみが得られたことを確認した。
化合物 (−)4:
1H-NMR
δH (500 MHz; CDCl3) 6.93 (dd, 1H, J = 10.5 and 3.5), 6.50 (d, 1H, J = 3.5), 6.2
8 (d, 1H, J = 10.5), 4.52 (d, 1H, J = 17.5), 4.23 (d, 1H, J = 17.5), 2.15 (s, 3H
).
3.工程(3)
<(2R,5R)-5,6-dihydro-5-hydroxy-5-(2-(trimethylsilyl)ethynyl)-2H-pyran-2-yl acetate(化合物5)>
窒素気流下、トリメチルシリルアセチレン50.1 g(510 mmol)をTHF 460 mLに溶解して、内温-40℃まで冷却した。そこに1.6 Mのn-ブチルリチウムヘキサン溶液317 mLを-30℃以下で40分かけて滴下した。反応液を-30℃で1時間攪拌し、アルコール体(−)(化合物 (−)4)66.0 g / THF 460 mLを、-30℃以下で10分かけて滴下した。反応終了後、飽和塩化アンモニウム水溶液を添加し、室温まで昇温した。反応液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濾過、減圧濃縮を行い、褐色油状物の化合物5を102.4 g(粗体収率95.9%)得た。化合物5は粗体のまま次の工程(4)に用いた。
化合物5:
1H-NMR
δH (500 MHz; CDCl3) 6.26 (dd, 1H, J = 2.5 and 1.0), 6.11 (td, 1H, J = 10.0 and 2.5), 5.77 (dd, 1H, J = 10.0 and 2.5), 3.93 (dd, 1H, J = 11.0 and 1.0), 3.86 (dd, 1H, J = 11.0 and 0.5), 2.26 (s, 1H), 2.10 (s, 3H), 0.17 (s, 9H).
4.工程(4)
<(2S,5R)-5,6-dihydro-5-(2-(trimethylsilyl)ethynyl)-2H-pyran-2,5-diol(化合物9)>
<(R)-2,5-dihydro-5-(hydroxymethyl)-5-(2-(trimethylsilyl)ethynyl)furan-2-ol(化合物10)>
400 mLのLipase PS Amano SD 9.8 gを溶かした水溶液を、アセトニトリル300 mLにアセチル体(化合物5)98.4 g(387 mmol)を溶かした溶液に加えて、40℃で終夜攪拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾過、減圧濃縮を行い、粗体84.2 g(粗体収率75.8%)を得た。得られた粗体をカラム精製(n-Hex : AcOEt = 3 : 1)し、黄色油状物の化合物9及び10の混合物62.3gを得た。
化合物9及び10の混合物:
1H-NMR
δH (500 MHz; CDCl3) 6.12 (t, 0.63H, J = 1.0), 6.10 (dd, 0.21H, J = 6.0 and 1.5), 6.03 (m, 0.42H), 6.00 (dd, 0.63H, J = 6.0 and 1.0), 5.97 (dd, 0.63H, J = 6.0 and 1.0), 5.89 (dd, 0.09H, J = 10.0 and 3.0), 5.83 (dd, 0.07 H, J = 10.0 and 2.0), 5.39 (d, 0.09H, J = 2.0), 5.35 (t, 0.07H, J = 1.0), 4.25 (d, 0.09H, J = 12.0), 4.06 (t, 0.06H, J = 7.0), 3.98 (d, 0.07H, J = 12.0), 3.85 (d, 0.07H, J = 12.0), 3.82 (dd, 0.09H, J = 12.0 and 1.5), 3.77 (d, 0.63H, J = 12.0), 3.76 (d, 0.21H, J = 12.0), 3.68 (d, 0.63H, J = 12.0), 3.67 (d, 0.21H, J = 12.0), 0.174 (s, 1.44H), 0.170 (s, 7.56H).
5.工程(5)
<((2R)-2,5-dihydro-5-acetoxy-2-(2-(trimethylsilyl)ethynyl)furan-2-yl)methyl acetate(化合物13)>
窒素気流下、ジオール体(化合物9及び10の混合物)59.3 g(279 mmol)に、ピリジン260 mL、無水酢酸68.9 g(675 mmol)及びDMAP 3.42g(28 mmol)を加えて、30℃で1時間反応した。反応終了後、水と酢酸エチルとを加えて分液し、有機層を1N-HClで洗浄後、引き続き、水で洗浄した。有機層を、無水硫酸ナトリウムにより乾燥し、濾過、減圧濃縮を行い、褐色油状物の化合物13を76.6g(粗体収率92.6%)得た。
化合物13:
1H-NMR
δH (500 MHz; CDCl3) 6.91 (t, 0.79H, J = 1.0), 6.85 (t, 0.21H, J = 1.0), 6.15 (dd, 0.21H, J = 5.5 and 1.0), 6.00 (dd, 0.21H, J = 5.5 and 1.0), 6.14 (dd, 0.79H, J = 5.5 and 1.0), 5.96 (dd, 0.79H, J = 5.5 and 1.0), 4.39 (d, 0.21H, J = 11.5), 4.35 (d, 0.79H, J = 11.5), 4.25 (d, 0.79H, J = 11.5), 4.19 (d, 0.21H, J = 11.5), 2.10 (s, 0.63H), 2.09 (s, 2.37H), 2.05 (s, 0.63H), 2.07 (s, 2.37H), 0.17 (s, 1.89H), 0.16 (s, 7.11H).
6.工程(6)
<((R)-2,5-dihydro-5-(3,4-dihydro-5-methyl-2,4-dioxopyrimidin-1(2H)-yl)-2-(2-(trimethylsilyl)ethynyl)furan-2-yl)methyl acetate(化合物20)>
窒素気流下、EDC 1.5 Lにチミン25.4 g(202 mmol)及びBSA 124 g(607 mmol)加え、2時間加熱還流後、20℃まで冷却した。EDC 1.5 Lにアセチル体(化合物13)30.1 g(101 mmol)を溶かした溶液を加えて10分間攪拌した後、TMSOTf 29.4 g(132 mmol)を加え20℃で2時間攪拌した。反応終了後、水、酢酸エチルを加え分液後、有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過、減圧濃縮を行い、粗体34.0g(粗体収率24.0%)を得た。得られた粗体をn-ヘキサンでスラリー洗浄し、淡褐色結晶の化合物20を27.8 g得た。
化合物20:
1H-NMR
δH (500 MHz; CDCl3) 8.09 (brs, 0.43H), 8.05 (brs, 0.57H), 7.20 (d, 0.57H, J = 1.0), 7.24 (d, 0.43H, J = 1.0), 7.10 (dd, 0.43H, J = 2.0 and 1.5), 7.05 (t, 0.57H, J = 1.5), 6.21 (dd, 0.43H, J = 4.0 and 2.0), 6.19 (dd, 0.57H, J = 4.0 and 2.0), 5.94 (t, 0.57H, J = 1.5), 5.93 (t, 0.43H, J = 1.5), 4.57 (d, 0.43H, J = 12.0), 4.42 (d, 0.57H, J = 12.0), 4.23 (d, 0.57H, J = 12.0), 4.22 (d, 0.43H, J = 12.0), 2.10 (s, 1.29H), 2.08 (s, 1.71H), 1.920 (s, 1.71H), 1.918 (s, 1.29H), 0.20 (s, 5.13H), 0.18 (s, 3.87H).
7.工程(7)
<1-((2R,5R)-5-ethynyl-2,5-dihydro-5-(hydroxymethyl)furan-2-yl)-5-methylpyrimidine-2,4(1H,3H)-dione(化合物31;β体)>
<1-((2S,5R)-5-ethynyl-2,5-dihydro-5-(hydroxymethyl)furan-2-yl)-5-methylpyrimidine-2,4(1H,3H)-dione(化合物32;α体)>
窒素気流下、メタノール35 mL、THF 18 mL及び水5 mLの混合液に、アセチル体(化合物20)4.36 g(12.0 mmol)を加えて溶解した。1N-NaOH水溶液11.5 mLを加えて室温で1時間攪拌した。反応が終了したことを確認し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過、減圧濃縮を行い、淡黄色結晶の化合物31及び32の混合物を2.98 g(粗体収率29.5%)得た。
8.工程(8)
<1-((2R,5R)-5-ethynyl-2,5-dihydro-5-(hydroxymethyl)furan-2-yl)-5-methylpyrimidine-2,4(1H,3H)-dione(化合物31;β体)>
化合物31及び32の混合物2.98gを酢酸エチルでスラリー洗浄し、0.86gを得た。得られた0.86gをメタメール40 mLで再結晶して白色結晶253 mgを得た。得られた結晶について、再度メタノール22 mLで再結晶を行い、白色結晶の化合物31、すなわち目的化合物である4'-エチニルd4Tを141 mg(収率16.0%)得た。
化合物31:
1H-NMR
δH (500 MHz; DMSO-d6) 11.36 (brs, 1H), 7.58 (d, 1H, J = 1.0), 6.88 (t, 1H, J = 2.0), 6.35 (dd, 1H, J = 5.5 and 2.0), 6.05 (dd, 1H, J = 5.5 and 1.0), 5.47 (t, 1H, J = 6.0), 3.69 (dd, 1H, J = 12.5 and 6.0), 3.67 (s, 1H), 3.59 (dd, 1H, J = 12.5 and 6.0), 1.71 (s, 3H).
1H-NMR
δH (500 MHz; CD3OD) 7.71 (d, 1H, J = 1.5), 7.03 (t, 1H, J = 1.5), 6.32 (dd, 1H, J = 6.0 and 2.0), 6.00 (dd, 1H, J = 6.0 and 1.5), 3.82 (d, 1H, J = 12.5), 3.75 (d, 1H, J = 12.5), 3.08 (s, 1H), 1.82 (d, 3H, J = 1.5).
13C-NMR
δC (125 MHz; DMSO-d6) 164.54, 151.51, 137.49, 136.23, 127.82, 109.72, 89.61, 87.28, 82.14, 78.12, 66.44, 12.92
化合物32:
1H-NMR
δH (500 MHz; DMSO-d6) 7.01 (s, 1H), 6.93 (s, 1H), 6.30 (d, 1H, J = 5.5), 6.02 (d, 1H, J = 5.5), 5.28 (brs, 1H), 3.80 (s, 1H), 3.54 (s, 2H), 1.71 (s, 3H).
1H-NMR δH (500 MHz; CD3OD) 7.34 (d, 1H, J = 1.5), 7.00 (t, 1H, J = 1.5), 6.34 (dd, 1H, J = 6.0 and 2.0), 6.04 (dd, 1H, J = 6.0 and 1.5), 3.73 (s, 1H), 3.72 (s, 1H), 3.31 (s, 1H), 1.86 (d, 3H, J = 1.5).
13C-NMR
δC (125 MHz; DMSO-d6) 135.19, 128.37, 110.41, 90.41, 87.04, 82.63, 79.40, 67.20, 13.82.
以下に、フルフリルアルコールを出発原料としたときの第二の4'-エチニルd4Tの合成例を示した(図1の工程(1)〜(8)を参照)。
1.工程(1)
<5,6-dihydro-5-oxo-2H-pyran-2-yl acetate (±)(化合物 (±)4)>
炭酸水素ナトリウム2055g及び酢酸ナトリウム1004gを、水1.8L及びTHF 15Lの混合溶媒に溶解した。-15℃まで冷却し、0℃以下を保ちながらN-ブロモコハク酸イミド2257gのTHF 1.2L溶液を加えた。さらに0℃以下を保ちながらフルフリルアルコール(化合物1)1200gを加え、そのままの温度で10分間撹拌した。薄層クロマトグラフィーにて反応終了を確認後、0℃以下を保ったままDMAP299gおよび無水酢酸2498gを加えた。反応液を30℃に加熱し、その温度で3.5時間撹拌を続けた。薄層クロマトグラフィーにて反応終了を確認後、5℃に冷却し、2N水酸化ナトリウム水溶液9.5Lを加えて、pH6.5に調製した。この反応液を酢酸エチルで抽出し、飽和重曹水で洗浄して得られた有機層を減圧下で溶媒を留去して、褐色透明油状物の(±)4を粗体として1263g(粗体収率71.1%)得た。
化合物 (±)4:
1H-NMR
δH (500 MHz; CDCl3) 6.93 (dd, 1H, J = 10.5 and 3.5), 6.50 (d, 1H, J = 3.5), 6.28 (d, 1H, J = 10.5), 4.52 (d, 1H, J = 17.5), 4.23 (d, 1H, J = 17.5), 2.15 (s, 3H).
2.工程(2)
<(R)-5,6-dihydro-5-oxo-2H-pyran-2-yl acetate (−)(化合物 (−)4)>
窒素気流下、化合物(±)4 1351gをIPA 27Lに溶解した。ここへLipase PS Amano SD135gの水溶液2.7Lを加え、30℃で2.5時間撹拌した。液体クロマトグラフィーにより反応終了を確認した後、固形物を濾去した。水1L及びIPA 2Lを用いて洗い込みの後、得られた溶液を減圧下濃縮した。濃縮液に水3Lを加え、トルエンにて抽出し、有機層を飽和重曹水で洗浄し、得られた有機層を減圧下濃縮して油状物としての粗体540gを得た。この油状物445gをシリカゲルで濾過し、得られた粗体をIPAから再結晶することにより、化合物(−)4を白色結晶として243g(収率21.8%)を得た。旋光度測定の結果、[α]20D = -184.53°(c=1.015, CHCl3)であり、目的の化合物(−)4のみが得られたことを確認した。
化合物 (−)4:
1H-NMR
δH (500 MHz; CDCl3) 6.93 (dd, 1H, J = 10.5 and 3.5), 6.50 (d, 1H, J = 3.5), 6.28 (d, 1H, J = 10.5), 4.52 (d, 1H, J = 17.5), 4.23 (d, 1H, J = 17.5), 2.15 (s, 3H).
3.工程(3)
<(2R,5R)-5,6-dihydro-5-hydroxy-5-(2-(trimethylsilyl)ethynyl)-2H-pyran-2-yl acetate(化合物5)>
トリメチルシリルアセチレン159gを乾燥THF1475mLに溶解し、-30℃以下に冷却した。
ここへ1.6Mノルマルブチルリチウムヘキサン溶液1020mLを-30℃以下になるよう冷却しながら加え、1時間撹拌した。この溶液に化合物(−)4 210gの乾燥THF溶液 1475mLを-30℃以下で加え,30分撹拌した。薄層クロマトグラフィーにて反応終了を確認後、酢酸116gのTHF溶液584mLを、30℃以下を維持しながら加えた。さらに水1Lを加え、有機層を分離した。有機層は、飽和重曹水及び水で順次洗浄し、減圧下濃縮してアセチル体5の粗体を油状物として324g得た。さらにこの油状物322gを、シリカゲルを用いて濾過し、得られた粗体をヘプタンから再結晶することにより、195g(収率56.9%)の化合物5(化合物5:5'=95.5:4.5)を淡黄色結晶として得た。
化合物5:
1H-NMR
δH (500 MHz; CDCl3) 6.26 (dd, 1H, J = 2.5 and 1.0), 6.11 (td, 1H, J = 10.0 and 2.5), 5.77 (dd, 1H, J = 10.0 and 2.5), 3.93 (dd, 1H, J = 11.0 and 1.0), 3.86 (dd, 1H, J = 11.0 and 0.5), 2.26 (s, 1H), 2.10 (s, 3H), 0.17 (s, 9H).
4.工程(4)
<(2S,5R)-5,6-dihydro-5-(2-(trimethylsilyl)ethynyl)-2H-pyran-2,5-diol(化合物9)>
<(R)-2,5-dihydro-5-(hydroxymethyl)-5-(2-(trimethylsilyl)ethynyl)furan-2-ol(化合物10)>
190gの化合物5のアセトニトリル570mL溶液を40℃に加温し、ここへ19gのLipase PS Amano SD水溶液760mLを加え、40℃を維持しながら15時間撹拌した。薄層クロマトグラフィーにより反応終了を確認した後、室温に放冷し、水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を濃縮して化合物9及び10の混合物148g(粗体収率93.8%)を褐色透明油状物として得た。
化合物9及び10の混合物:
1H-NMR
δH (500 MHz; CDCl3) 6.12 (t, 0.63H, J = 1.0), 6.10 (dd, 0.21H, J = 6.0 and 1.5), 6.03 (m, 0.42H), 6.00 (dd, 0.63H, J = 6.0 and 1.0), 5.97 (dd, 0.63H, J = 6.0 and 1.0), 5.89 (dd, 0.09H, J = 10.0 and 3.0), 5.83 (dd, 0.07 H, J = 10.0 and 2.0), 5.39 (d, 0.09H, J = 2.0), 5.35 (t, 0.07H, J = 1.0), 4.25 (d, 0.09H, J = 12.0), 4.06 (t, 0.06H, J = 7.0), 3.98 (d, 0.07H, J = 12.0), 3.85 (d, 0.07H, J = 12.0), 3.82 (dd, 0.09H, J = 12.0 and 1.5), 3.77 (d, 0.63H, J = 12.0), 3.76 (d, 0.21H, J = 12.0), 3.68 (d, 0.63H, J = 12.0), 3.67 (d, 0.21H, J = 12.0), 0.174 (s, 1.44H), 0.170 (s, 7.56H).
5.工程(5)
<((2R)-2,5-dihydro-5-acetoxy-2-(2-(trimethylsilyl)ethynyl)furan-2-yl)methyl acetate(化合物13)>
化合物9及び10の混合物126gの乾燥THF溶液635mLにDMAP7.3gを加え、25℃以下に冷却した。ここへ無水酢酸146gを35℃以下で加え、30℃で30分撹拌した。薄層クロマトグラフィーにて反応終了を確認後、水200mL及び1N 水酸化ナトリウム水溶液1.8Lを加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄後濃縮して152gの化合物13の粗体(粗体収率86.0%)を褐色透明油状物として得た。
化合物13:
1H-NMR
δH (500 MHz; CDCl3) 6.91 (t, 0.79H, J = 1.0), 6.85 (t, 0.21H, J = 1.0), 6.15 (dd, 0.21H, J = 5.5 and 1.0), 6.00 (dd, 0.21H, J = 5.5 and 1.0), 6.14 (dd, 0.79H, J = 5.5 and 1.0), 5.96 (dd, 0.79H, J = 5.5 and 1.0), 4.39 (d, 0.21H, J = 11.5), 4.35 (d, 0.79H, J = 11.5), 4.25 (d, 0.79H, J = 11.5), 4.19 (d, 0.21H, J = 11.5), 2.10 (s, 0.63H), 2.09 (s, 2.37H), 2.05 (s, 0.63H), 2.07 (s, 2.37H), 0.17 (s, 1.89H), 0.16 (s, 7.11H).
6.工程(6)
<((R)-2,5-dihydro-5-(3,4-dihydro-5-methyl-2,4-dioxopyrimidin-1(2H)-yl)-2-(2-(tr
imethylsilyl)ethynyl)furan-2-yl)methyl acetate(化合物20)>
チミン121g、BSA 588g、EDC 7.14Lの溶液を40℃に加温し、1時間撹拌した。ここへ化合物13の粗体142gの乾燥THF溶液7.14L、TMSOTf 139gを加え、0℃で30分撹拌した。薄層クロマトグラフィーにて反応終了を確認した後、飽和重曹水4.8L、水4.8L及びEDC 2.4L を加え、有機層を分離した。得られた有機層は水で洗浄し、濃縮することによって化合物20の粗体169g(粗体収率97.2%)を黄色結晶として得た。
化合物20:
1H-NMR
δH (500 MHz; CDCl3) 8.09 (brs, 0.43H), 8.05 (brs, 0.57H), 7.20 (d, 0.57H, J = 1.0), 7.24 (d, 0.43H, J = 1.0), 7.10 (dd, 0.43H, J = 2.0 and 1.5), 7.05 (t, 0.57H, J = 1.5), 6.21 (dd, 0.43H, J = 4.0 and 2.0), 6.19 (dd, 0.57H, J = 4.0 and 2.0), 5.94 (t, 0.57H, J = 1.5), 5.93 (t, 0.43H, J = 1.5), 4.57 (d, 0.43H, J = 12.0), 4.42 (d, 0.57H, J = 12.0), 4.23 (d, 0.57H, J = 12.0), 4.22 (d, 0.43H, J = 12.0), 2.10 (s, 1.29H), 2.08 (s, 1.71H), 1.920 (s, 1.71H), 1.918 (s, 1.29H), 0.20 (s, 5.13H), 0.18 (s, 3.87H).
7.工程(7)、工程(8)
<1-((2R,5R)-5-ethynyl-2,5-dihydro-5-(hydroxymethyl)furan-2-yl)-5-methylpyrimidine-2,4(1H,3H)-dione(化合物31;β体)>
<1-((2S,5R)-5-ethynyl-2,5-dihydro-5-(hydroxymethyl)furan-2-yl)-5-methylpyrimidine-2,4(1H,3H)-dione(化合物32;α体)>
化合物20の粗体3.0gに水15mLを加え、25℃に加温した。1N 水酸化ナトリウム水溶液30mLを加えさらに30℃以下で30分撹拌した。薄層クロマトグラフィーにて反応終了を確認した後、15℃以下に冷却し、24%アンモニア水20mLを加え撹拌した。固形物を濾去し、得られた水溶液をDaisogel SP120 40/60 ODS B 500x70mm I.D.を用いて精製した。得られた画分を凍結乾燥して、所望の化合物である化合物31を淡黄色結晶として655.1mg(収率32.0%)得た。
化合物31:
1H-NMR
δH (500 MHz; DMSO-d6) 11.36 (brs, 1H), 7.58 (d, 1H, J = 1.0), 6.88 (t, 1H, J = 2.0), 6.35 (dd, 1H, J = 5.5 and 2.0), 6.05 (dd, 1H, J = 5.5 and 1.0), 5.47 (t, 1H, J = 6.0), 3.69 (dd, 1H, J = 12.5 and 6.0), 3.67 (s, 1H), 3.59 (dd, 1H, J = 12.5 and 6.0), 1.71 (s, 3H).
1H-NMR
δH (500 MHz; CD3OD) 7.71 (d, 1H, J = 1.5), 7.03 (t, 1H, J = 1.5), 6.32 (dd, 1H, J = 6.0 and 2.0), 6.00 (dd, 1H, J = 6.0 and 1.5), 3.82 (d, 1H, J = 12.5), 3.75 (d, 1H, J = 12.5), 3.08 (s, 1H), 1.82 (d, 3H, J = 1.5).
13C-NMR
δC (125 MHz; DMSO-d6) 164.54, 151.51, 137.49, 136.23, 127.82, 109.72, 89.61, 87.28, 82.14, 78.12, 66.44, 12.92

Claims (11)

  1. 下記(a)〜(d)の工程を含む、下記式(III):
    Figure 0005511389
    (式中、R1は水素原子、アシル基、アルキル基又はアルケニル基を表し、R2は水素原子、アシル基、アルキル基、アルケニル基又は三置換シリル基を表し、R3は水素原子、又は三置換シリル基を表す。)
    で示される化合物の製造方法:
    (a)下記式(I)のフルフリルアルコールを酸化し、
    Figure 0005511389
    得られた酸化化合物をアセチル化して、下記アセチル化化合物(±)4を得る工程;
    Figure 0005511389
    (b)前記アセチル化化合物(±)4をリパーゼPSで処理して、下記アセチル化化合物(-)4を得る工程;
    Figure 0005511389
    (c)工程(b)で得られた前記アセチル化化合物(-)4と下記式の化合物とを反応させることにより、前記アセチル化化合物(-)4に三重結合含有基を導入する工程;
    Figure 0005511389
    (式中、R3は水素原子、又は三置換シリル基を表し、Mはリチウム原子、アルミニウム、又はモノハロゲン化マグネシウムを表す。)
    (d)工程(c)で得られた生成物をリパーゼPSで処理して脱アセチル化し、上記式(III)の化合物を得る工程。
  2. 下記(a)〜(d)の工程を含む、4'-エチニル-2',3'-ジデヒドロ-3'-デオキシチミジンの製造方法:
    (a)下記アセチル化化合物(-)4
    Figure 0005511389
    に、下記式で示される化合物を反応させて、前記アセチル化化合物(-)4に三重結合含有基を導入する工程
    Figure 0005511389
    (式中、R3は水素原子、又は三置換シリル基を表し、Mはリチウム原子、アルミニウム、又はモノハロゲン化マグネシウムを表す。)
    (b)工程(a)で得られた生成物をリパーゼPSで処理して脱アセチル化し、下記式(III)の化合物を得る工程;
    Figure 0005511389
    (式中、R1は水素原子、アシル基、アルキル基又はアルケニル基を表し、R2は水素原子、アシル基、アルキル基、アルケニル基又は三置換シリル基を表し、R3は水素原子、又は三置換シリル基を表す。)
    (c)工程(b)で得られた式(III)で示される化合物とチミンとを反応させる工程;
    (d)工程(c)で得られた生成物を脱保護して4'-エチニル-2',3'-ジデヒドロ-3'-デオキシチミジンを得る工程。
  3. 工程(d)で得られる式(III)で示される化合物が、さらにアセチル化されていてもよい、請求項1に記載の方法。
  4. 式(III)で示される化合物が、工程(c)に付される前にアセチル化されていてもよい、請求項2に記載の方法。
  5. 工程(d)で得られる4'-エチニル-2',3'-ジデヒドロ-3'-デオキシチミジンが、再結晶によって精製されてもよい、請求項2に記載の方法。
  6. 式(III)においてR1が水素原子又はアセチル基を表す、請求項1に記載の方法。
  7. 式(III)においてR2が水素原子又はアセチル基を表す、請求項1に記載の方法。
  8. 式(III)においてR1が水素原子又はアセチル基を表し、かつR2が水素原子又はアセチル基を表す、請求項1に記載の方法。
  9. 式(III)においてR1が水素原子又はアセチル基を表す、請求項2に記載の方法。
  10. 式(III)においてR2が水素原子又はアセチル基を表す、請求項2に記載の方法。
  11. 式(III)においてR1が水素原子又はアセチル基を表し、かつR2が水素原子又はアセチル基を表す、請求項2に記載の方法。
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