JP5511091B2 - 埋め込み電力制御を有するプログラマブル高速ケーブル - Google Patents

埋め込み電力制御を有するプログラマブル高速ケーブル Download PDF

Info

Publication number
JP5511091B2
JP5511091B2 JP2011199445A JP2011199445A JP5511091B2 JP 5511091 B2 JP5511091 B2 JP 5511091B2 JP 2011199445 A JP2011199445 A JP 2011199445A JP 2011199445 A JP2011199445 A JP 2011199445A JP 5511091 B2 JP5511091 B2 JP 5511091B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
circuit
differential
boost
cable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011199445A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012029317A (ja
Inventor
キーディ、エイダン、ジェラード
キーン、ジョン、アンソニー
レーア、ジュディ、アン
グリフィン、ベンジャミン
ホーラン、ジョン、マーティン
Original Assignee
レッドミア テクノロジー リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by レッドミア テクノロジー リミテッド filed Critical レッドミア テクノロジー リミテッド
Publication of JP2012029317A publication Critical patent/JP2012029317A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5511091B2 publication Critical patent/JP5511091B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L25/00Baseband systems
    • H04L25/02Details ; arrangements for supplying electrical power along data transmission lines
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L25/00Baseband systems
    • H04L25/02Details ; arrangements for supplying electrical power along data transmission lines
    • H04L25/03Shaping networks in transmitter or receiver, e.g. adaptive shaping networks
    • H04L25/03878Line equalisers; line build-out devices
    • H04L25/03885Line equalisers; line build-out devices adaptive
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L25/00Baseband systems
    • H04L25/02Details ; arrangements for supplying electrical power along data transmission lines
    • H04L25/20Repeater circuits; Relay circuits
    • H04L25/24Relay circuits using discharge tubes or semiconductor devices
    • H04L25/242Relay circuits using discharge tubes or semiconductor devices with retiming

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
  • Dc Digital Transmission (AREA)
  • Pulse Circuits (AREA)

Description

本発明は、符号化された差動信号を電子機器間でシリアル搬送する高速ケーブルに関し、特に、視聴覚機器を相互接続する多導体ケーブルに関する。
テレビ信号の配信はますます、デジタル方法及びデジタル的に符号化された形態の映像信号及び音声信号をベースとするようになってきた。同時に、大型高精細ディスプレイに対応する高解像度(高精細TV)が市場に出回るようになった。このような高精細ディスプレイをデジタル多用途ディスク(DVD)プレーヤ及びデジタル衛星用及び映像材料のデジタルケーブル配信用の受信機/デコーダ等のデジタル信号ソースに相互接続する要件を満たすために、高精細マルチメディアインタフェース(HDMI)として知られるデジタルインタフェース規格が発達した。HDMIの詳細な仕様は、「hdmi.org」ウェブサイトから得られる。現在利用可能であり、本明細書において使用されるHDMI仕様は、2006年6月22日付けのHDMI仕様バージョン1.3であり、これを参照により本明細書に援用する。このHDMI規格は、いくつかのデジタル信号及びクロック信号を搬送するケーブルを経由して、デジタル映像ソースをデジタル映像シンクに接続するために利用することができる。
HDMI信号の搬送に使用され得るような高速差動信号伝送ケーブルに固有の特徴及び製造不完全性は、ケーブルによって搬送される高速信号に悪影響を及ぼす。
例えば、いかなるケーブルも制限された帯域幅を有するため、低域フィルタとして働く。ケーブルの帯域幅はその長さに関連し、ケーブルが長いほど、フィルタリング効果は大きく、帯域幅は狭くなる。結果として、ケーブルを通過している高周波信号が減衰し、そのエッジのシャープさは低くなる。これは、特に長いケーブル及び高速データの場合に、ケーブルの受信機端において受信データを誤って解釈するリスクを増大させる。
図1A〜図1Cは、送信信号に対するケーブルの制限された帯域幅の影響を示す。図1Aは、高速ケーブルを通して送信すべき高速信号を示し、図1Bは、ケーブルの受信端で受信された帯域幅が制限され歪んだ(等化前の)信号を示し、図1Cは、受信機で受信された等化後の信号を示す。図1Bから分かるように、信号エッジは緩慢になり、ショートパルスは狭められ、完全な送信振幅に達していない。
差動信号伝送ケーブルは一般に、高速デジタル信号を差動の形態で搬送するために使用される。差動とはすなわち、極性が逆のパルスがケーブルの2本のより線で伝送されることである。このようなケーブルを経由して搬送される差動信号はワープし得る。すなわち、2つの信号成分(正の極性V+及び負の極性V−)が時間的に互いに対してスキューし(差動スキュー)、受信信号をさらに歪ませる。
差動スキューの影響を図2A及び図2Bのタイミング図に示す。
図2Aは、HDMIソースからケーブルに送信され得るような、HDMIチャネル上の差動データの2つのシングルエンド信号成分(V+、V−)のタイミング図の例を示す。図2A内の対応する差動信号(Vdiff−xmit)のタイミング図は、クリーンで解釈が容易な対応する差動信号を示す。
図2Bは、ケーブルの端部で受信され得るような、HDMIチャネル上の差動データの2つのシングルエンド信号成分(V+及びV−del)のタイミング図の例を示す。明確にするために、差動スキューの影響のみを図2Bに示す。信号V+及びV−は時間的に互いに対してスキューしている。負の信号成分V−は、信号成分V+に対して差動スキュー遅延Td分、遅延する。図2Bの対応する歪んだ差動信号(Vdiff−rcv)のタイミング図は、差動スキューの結果として、差動信号Vdiff−rcvが大幅に歪み、はっきりと目に見える、差動信号がゼロ(0)になるプラトーを信号に有する。受信機は、こういったプラトー領域をノイズとしてしか解釈することができず、その結果として、有効データの窓幅が低減する。この低減は、受信データアイの開口のつぶれとして見られ、チャネル品質をダイレクトに損なう。差動スキュー遅延(Td)の量は、個々の各ケーブルの特徴に依存し、基本的に一定である。
ケーブル品質を向上させる従来の手法はこれまで、ケーブル内で減衰した信号の高周波をブーストする、ケーブル内の埋め込み受動等化回路に限られてきた。このような等化器は固定され、一定の長さのケーブルを補償する。
所与のケーブルに必要な等化は、ケーブルの長さに大きく依存するが、差動スキュー等の高速信号伝送ケーブルの他の特性はよりランダムであり、ケーブル毎に大きく変化し得る。
したがって、業界には、向上した信号特性を提供する改良型高速信号伝送ケーブルを開発する必要性がある。
HDMI信号のブーストに使用できる従来の高精細マルチメディアインタフェース(HDMI)信号ブースタは、外部電力入力を使用する。例えば、www.gennum.com/ip/pdffiles/gs8101.pdfで見つけられるGennum corporationのLong Reach(登録商標)製品を参照されたい。そのため、従来のHDMI信号ブースタは標準HDMIケーブルに埋め込むことができない。より新しい開発は、ケーブルに並べて挿入でき、HDMIケーブル内に統合して利用することも可能な独立式「スーパーブースタ」である。参考文献:独立式HDMI「スーパーブースタの広告を含む、Gefen Inc.のhttp://www.gefen.com/kvm/product.jsp?prod_id=2939、http://www.gefen.com/pdf/EXT−HDMI−141SB.pdfで見つけられる独立式HDMI「スーパーブースタのマニュアル、及び一体型HDMI「スーパーブースタ」を有するケーブルの広告http://www.gefen.com/kvm/cables/hdmicables.jsp#hdmisbを参照されたい。
[特許文献1]米国特許第7,180,354号明細書
[特許文献2]米国特許第5,696,951号明細書
[特許文献3]米国特許出願公開第2006/0239310号明細書
[特許文献4]米国特許第6,393,110号明細書
[特許文献5]米国特許出願公開第2005/0073608号明細書
[特許文献6]米国特許出願公開第2002/0159548号明細書
[特許文献7]米国特許出願公開第2004/0081232号明細書
[特許文献8]米国特許出願公開第2004/0161070号明細書
[特許文献9]米国特許出願公開第2007/0164802号明細書
[特許文献10]米国特許出願公開第2002/0143485号明細書
[特許文献11]米国特許出願公開第2005/0132087号明細書
[特許文献12]米国特許出願公開第2009/0290026号明細書
[特許文献13]米国特許出願公開第2008/0151116号明細書
[特許文献14]米国特許第7,762,727号明細書
[特許文献15]米国特許第7,728,223号明細書
[特許文献16]米国特許第7,617,064号明細書
[特許文献17]米国特許第7,565,530号明細書
[特許文献18]米国特許第7,680,840号明細書
[特許文献19]米国特許第7,706,692号明細書
[非特許文献1]SREERAMA,C.,Effects of Skew on EMIfor HDMI Connectors and Cables, 2006, International Symposium on Electromagnetic Compatibility, Vol.2, pages 452−455
[非特許文献2]Long Reach, www.gennum.com/ip/pdffiles/gs8101.pdf, Product description from Gennum Corporation, p.1−2, 2006.
[非特許文献3]HDMI Super Booster, http://www.gefen.com/pdf/EXT−HDMI−141SB.pdf, the manual for the standalone HDMI "super booster" from Gefen Inc., 2006
[非特許文献4]An advertisement for a cable with an integrated HDMI "super booster"from Gefen Inc., http://www.gefen.com/kvm/cables/hdmicables.jsp#hdmisb, 2006
[非特許文献5]FAVRAT et al, "A High−Efficiency COMS Voltage Doubler", IEEE J. Solid State Circuits, vol. 33, no. 3, pp.410−416, March, 1998
[非特許文献6]A. REZAYEE and K. MARTIN "A 10−Gb/s Clock Recovery Circuit with Linear Phase Detector and Coupled Two−stage Ring Oscillator", SSCIRC, Italy, 2002, p.419−422
[非特許文献7]HDMI Specification, www.hdmi.org/manufacturer/specification.asp, version 1.3, June 22, 2006
[非特許文献8]TDK SEMICONDUCTOR CORP., "78P2341JAT E3/DS3/STS−1 LIU with Jitter Attenuator", http:/datasheet.digchip.com/471/471−391−0−78P2341JAT.pdf August 2003
[非特許文献9]RAZAVI, Behzad "Design of analog COMS Integrated Circuits", published by McGraw−Hill, New York, 2001
[非特許文献10]Mobile High−Definition(MHL) Link Technology, Technology Brief, Silicon Image, Inc., 2009
ケーブル内に能動素子を埋め込み可能なことには問題が関係する。第1に、このような素子に対して、ケーブル以外の電力入力が利用不可能であり得る。すなわち、外部電源が用意されない。第2に、HDMIケーブルの場合、主に終端電圧を入力に提供するための仕様要件により、単純な信号再生器の給電に利用可能な電力が十分ではない。その結果、埋め込み能動素子に必要な給電を行うことは明らかに不可能である。
より詳細には、HDMI信号ブースタの主要電力要件は、終端電圧(3.3V)を提供し、3つの各HDMI入力に12mAを調達することが可能であるという要件である。ケーブルから利用可能な電力は5V線から到来し、シンク装置がアクティブである場合、そこから最大電流5mAが消費され得る(HDMI仕様V1.3によれば)。すなわち、利用可能な合計電力は50mWに限られる。一方、入力終端全体の電力要件は、およそ12mA<SUP>*</SUP>3.3V<SUP>*</SUP>3=120mWである。不都合なことに、標準のHDMIケーブルでは、これら要件を簡単な方法で満たすことはできない。
したがって、業界には、上記問題を回避又は軽減する、又は複数の能動素子に基づく埋め込みケーブル用途用に改良型電力制御回路を有する改良型信号ブースタを開発する必要性がある。
本発明の目的は、埋め込み電力制御・ブースト装置を有する改良型プログラマブルケーブル及びケーブルを較正する方法及びシステムを提供することである。
本発明の一態様によれば、送信側データソース装置を受信側データシンク装置に接続し、差動データ信号を搬送するケーブルであって、差動データ信号のうちの少なくとも1つをブーストするブースト装置を備え、ブースト装置は、ブースト装置の動作に必要な電力の少なくともいくらかを差動データ信号のうちの少なくとも1つから取得する電子回路を備える、ケーブルが提供される。
差動データ信号は、差動高精細マルチメディアインタフェース(HDMI)信号であり、複数の遷移時間最短差動伝送方式(TMDS)符号化データチャネル及びクロックチャネルを含む。
ブースト装置は、データソース装置から差動データ信号のうちの1つを受信する差動入力回路と、差動データ信号のうちブーストしたものをデータシンク装置に送信する差動出力回路とを含み、前記電力の少なくともいくらかはデータソース装置及びデータシンク装置から取得される。
差動出力回路及び差動入力回路は直列接続され、データシンク装置からデータソース装置に電流を流す。
差動出力回路及び差動入力回路は中間電圧ノードで結合され、それにより、データシンク装置からの負荷電流が差動出力装置を通って中間電圧ノードに流れるようにし、中間電圧ノードは、差動入力回路の供給電圧として接続される。
ケーブルは、中間電圧ノードと電圧を差動入力回路に供給する第2の中間電圧ノードとの間に電圧ブースト回路をさらに含む。
電圧ブースト回路は、スイッチキャパシタ及び2相クロックを含み、キャパシタは、エネルギーを中間電圧ノードから第2の中間電圧ノードに周期的に転送するために使用される。
ブースト装置は、差動入力回路が受信した差動信号を処理し、処理された信号を差動出力回路に運ぶ転送機能を有する処理ブロックをさらに含む。
ケーブルは、処理ブロックの動作電力を利用可能なより高い電圧から変換する電力コンバータをさらに備え、電力コンバータはスイッチキャパシタ及び2相クロックを備え、スイッチキャパシタは、利用可能なより高い電圧から処理ブロックにエネルギーを転送するために使用される。
本発明の別の態様によれば、送信側データソース装置と受信側データシンク装置との間に接続されるケーブル内のブースト装置に電力を提供する方法であって、ブースト装置の差動入力回路においてデータソース装置からの差動データ信号を受信するステップと、受信した差動データ信号のうちの少なくとも1つをブーストしてブースト差動データ信号にするステップと、ブースト差動データ信号を、ブースト装置内の差動出力回路を使用して受信データシンク装置に送信するステップと、ブースト装置の回路のうちの少なくともいくつかを動作させるための電力を、差動入力回路及び差動出力回路のそれぞれへの接続を通してデータソース装置及びデータシンク装置から取得するステップとを含む、方法が提供される。
本方法は、差動出力回路及び差動入力回路を直列に接続するステップであって、それにより、データシンク装置からデータソース装置に電流を流す、ステップをさらに含む。
上述した方法は、データシンク装置からの負荷電流が差動出力装置を通って中間電圧ノードに流れるように、差動出力回路及び差動入力回路を中間電圧ノードで結合するステップと、中間電圧ノードを差動入力回路の供給電圧として接続するステップとをさらに含む。
本発明のさらに別の態様によれば、送信側データソース装置を受信側データシンク装置に接続するブースト装置であって、送信側データソース装置は、差動データ信号をブースト装置に送信し、ブースト装置は、差動データ信号のうちの少なくとも1つをブーストし、ブースト装置は、ブースト装置の動作に必要な電力の少なくともいくらかを差動データ信号のうちの少なくとも1つから取得する電子回路を備える、ブースト装置が提供される。
上述したブースト装置では、差動データ信号は、差動高精細マルチメディアインタフェース(HDMI)信号であり、複数の遷移時間最短差動伝送方式(TMDS)符号化データチャネル及びクロックチャネルを含む。
ブースト装置は、データソース装置から差動データ信号のうちの1つを受信する差動入力回路と、差動データ信号のうちブーストしたものをデータシンク装置に送信する差動出力回路とを含み、前記電力の少なくともいくらかはデータソース装置及びデータシンク装置から取得される。
上述したブースト装置では、差動出力回路及び差動入力回路は直列接続され、データシンク装置からデータソース装置に電流を流す。
差動出力回路及び差動入力回路は中間電圧ノードで結合され、それにより、データシンク装置からの負荷電流が差動出力装置を通って中間電圧ノードに流れるようにし、中間電圧ノードは、差動入力回路の供給電圧として接続される。
上述したブースト装置は、中間電圧ノードと電圧を差動入力回路に供給する第2の中間電圧ノードとの間に電圧ブースト回路をさらに含む。
電圧ブースト回路は、スイッチキャパシタ及び2相クロックを含み、キャパシタは、エネルギーを中間電圧ノードから第2の中間電圧ノードに周期的に転送するために使用される。
ブースト装置は、差動入力回路が受信した差動信号を処理し、処理された信号を差動出力回路に運ぶ転送機能を有する処理ブロックをさらに備える。
ブースト装置は、処理ブロックの動作電力を利用可能なより高い電圧から変換する電力コンバータをさらに備え、電力コンバータはスイッチキャパシタ及び2相クロックを備え、スイッチキャパシタは、利用可能なより高い電圧から処理ブロックにエネルギーを転送するために使用される。
本発明のさらなる態様によれば、送信側データソース装置を受信側データシンク装置に接続し、差動信号を搬送するケーブルであって、差動データ信号のうちの少なくとも1つをブーストするブースト装置を含み、ブースト装置は、生の差動信号をデータソース装置から受信し、復元信号を出力する入力回路と、復元信号を処理してデスキュー信号にする、第1の調整可能パラメータを有するデスキュー回路と、デスキュー信号を処理して等化信号にする、第2の調整可能パラメータを有する等化回路と、等化信号を増幅してブースト信号にし、ブースト信号をデータシンク装置に送信する出力回路とを備える、ケーブルが提供される。
上述したケーブルでは、ブースト装置は、調整後の第1及び第2の調整可能パラメータを保持するパラメータメモリをさらに含む。
ケーブルは制御バスをさらに含み、パラメータメモリは前記制御バスからアクセス可能である。
等化回路は、第2の調整可能パラメータを変更することによってデスキュー信号の周波数応答を調整して、等化信号を生成する回路を備える。好ましくは、等化回路は、周波数応答を調整する第2の調整可能パラメータの少なくとも2つの設定を有する。
本発明の実施形態のケーブルでは、デスキュー回路は、第1の調整可能パラメータを変更することにより、差動信号の2つの極性に存在する時間スキューを調整するアナログ差動デスキュー回路である。
アナログ差動デスキュー回路は、連続して配置されたいくつかの遅延ユニットと、遅延ユニットを選択することによって遅延ユニットから発生する合成遅延を選択するアナログセレクタと、合成遅延を差動信号の極性に挿入するアナログスイッチとを備える。
アナログスイッチは、合成遅延を差動信号の一方又は他方の極性に挿入する。好ましくは、各アナログ遅延ユニットは1.0に略等しい利得を有し、1つ又は複数の増幅器を備える。より詳細には、各アナログ遅延ユニットは、アナログ遅延ユニットの入力である共通の入力を有する第1及び第2の増幅器を備え、増幅器の出力は合算されて、アナログ遅延ユニットの出力が生成され、第1の増幅器は(1.0−Δ)の利得及び所定の遅延値に等しい遅延を有し、第2の増幅器はΔの利得及び第1の増幅器と略同じ遅延を有する。都合のよいことに、第1の増幅器はフォロア段であり、第2の増幅器は、利得Δを設定するシャントキャパシタを有する。
本発明のさらなる態様によれば、送信側データソース装置を受信側データシンク装置に接続するブースト装置であって、送信側データソース装置は差動データ信号をブースト装置に送信し、ブースト装置は、差動データ信号のうちの少なくとも1つをブーストし、ブースト装置は、データソース装置から生の差動信号を受信し、復元信号を出力する入力回路と、復元信号を処理してデスキュー信号にする、第1の調整可能パラメータを有するデスキュー回路と、デスキュー信号を処理して等化信号にする、第2の調整可能パラメータを有する等化回路と、等化信号を増幅してブースト信号にし、ブースト信号をデータシンク装置に送信する出力回路とを備える、ブースト装置が提供される。
ブースト装置は、第1及び前記第2の調整可能パラメータを保持するパラメータメモリをさらに備える。ブースト装置は、パラメータメモリにアクセスするための制御入力も備える。
等化回路は、第2の調整可能パラメータを変更することによってデスキュー信号の周波数応答を調整して等化信号を生成する回路を備える。等化回路は、周波数応答を調整する第2の調整可能パラメータの少なくとも2つの設定を有する。
デスキュー回路は、第1の調整可能パラメータを変更することにより、差動信号の2つの極性に存在する時間スキューを調整するアナログ差動デスキュー回路である。
好ましくは、アナログ差動デスキュー回路は、連続して配置されたいくつかの遅延ユニットと、合成遅延を選択するアナログセレクタであって、合成遅延は、アナログセレクタによって選択される遅延ユニットから発生する、アナログセレクタと、合成遅延を差動信号の極性に挿入するアナログスイッチとを備える。有利なことに、アナログスイッチは、合成遅延を差動信号の一方又は他方の極性に挿入する。
好ましくは、各アナログ遅延ユニットは1.0に略等しい利得を有し、1つ又は複数の増幅器を備える。本発明の実施形態では、各アナログ遅延ユニットは、アナログ遅延ユニットの入力である共通の入力を有する第1及び第2の増幅器を備え、増幅器の出力は合算されて、アナログ遅延ユニットの出力が生成され、第1の増幅器は(1.0−Δ)の利得及び所定の遅延値に等しい遅延を有し、第2の増幅器はΔの利得及び第1の増幅器と略同じ遅延を有する。
都合のよいことに、第1の増幅器はフォロア段であり、第2の増幅器は、利得Δを設定するシャントキャパシタを有する。
本発明のさらなる態様によれば、差動信号を送信側データソース装置から、差動信号のうちの少なくとも1つをブーストするブースト装置を含むケーブルを通して受信側データシンク装置に送信する方法であって、ブースト装置の入力回路においてデータソース装置からの生の差動データ信号を受信し、復元信号を出力するステップと、第1の調整可能パラメータを有するデスキュー回路において復元信号を処理してデスキュー信号にするステップと、第2の調整可能パラメータを有する等化回路においてデスキュー信号を処理して等化信号にするステップと、等化信号を出力回路において増幅してブースト信号にするステップと、ブースト信号をデータシンク装置に送信するステップとを含む、方法が提供される。
本方法は、第1及び第2の調整可能パラメータを調整するステップと、第1及び第2の調整可能パラメータをパラメータメモリに記憶するステップとをさらに含む。都合のよいことに、復元信号を処理するステップは、第1の調整可能パラメータを変更することによって差動信号の2つの極性に存在する時間スキューを調整するステップと、第2の調整可能パラメータを変更することによってデスキュー信号の周波数応答を調整するステップとを含む。
より詳細には、第1の調整可能パラメータを変更するステップは、いくつかの遅延ユニットを直列に配置するステップと、いくつかの遅延ユニットから生じる合成遅延を選択するステップと、合成遅延を差動信号の極性に挿入するステップとを含む。有益なことに、合成遅延を挿入するステップは、合成遅延を差動信号の一方又は他方の極性に挿入することを含む。都合のよいことに、いくつかの遅延ユニットを配置するステップは、それぞれ1.0に略等しい遅延を有するアナログ遅延ユニットを選択するステップを含む。
本発明のさらなる態様によれば、送信側データソース装置を受信側データシンク装置に接続し、差動データ信号を搬送するケーブルであって、プリント回路基板(PCB)と、ブースト装置とを含み、PCBは、データソース装置からの生の差動信号をブースト装置の2つ以上の入力に結合する際に遅延を提供するトラックを含み、ブースト装置は差動信号のうちの少なくとも1つをブーストし、ブースト装置は、遅延された生の差動信号を終端する入力回路と、遅延された生の差動信号を選択し、デスキューされた復元信号を出力する、第1の調整可能パラメータを有する入力セレクタ回路と、復元信号を処理して等化信号にする、第2の調整可能パラメータを有する等化回路と、等化信号を増幅してブースト信号にし、ブースト信号をデータシンク装置に送信する出力回路とを備える、ケーブルが提供される。
ブースト装置は、第1及び第2の調整可能パラメータを保持するパラメータメモリをさらに含む。ケーブルは制御バスも含み、パラメータメモリは前記制御バスからアクセス可能である。
ブースト装置では、遅延された生の差動信号を選択して、差動信号の2つの極性に存在する時間スキューを調整する入力セレクタ回路は、第1の調整可能パラメータを変更することによって制御される。等化回路は、第2の調整可能パラメータを変更することによってデスキュー信号の周波数応答を調整して、等化信号を生成する回路を備える。都合のよいことに、等化回路は、周波数応答を調整する第2の調整可能パラメータの少なくとも2つの設定を有する。
PCBは、直列に配置された遅延を提供するいくつかのトラックと、トラックを選択することによってトラックから生じる合成遅延を選択する入力セレクタ回路とを備える。
本発明のさらなる態様によれば、送信側データソース装置を受信側データシンク装置に接続し、差動データ信号を搬送するケーブルであって、プリント回路基板(PCB)と、ブースト装置とを含み、PCBは、データソース装置からの生の差動信号をブースト装置の2つ以上の入力に結合する際に遅延を提供するトラックを含み、ブースト装置は差動信号のうちの少なくとも1つをブーストし、ブースト装置は、遅延された生の差動信号を終端する入力回路と、遅延された生の差動信号を選択し、粗くデスキューされた復元信号を出力する、第1の調整可能パラメータを有する入力セレクタ回路と、復元され粗くデスキューされた信号を処理して細かくデスキューされた信号にする、第2の調整可能パラメータを有するデスキュー回路と、細かくデスキューされた信号を処理して等化信号にする、第3の調整可能パラメータを有する等化回路と、等化信号を増幅してブースト信号にし、ブースト信号をデータシンク装置に送信する出力回路とを備える、ケーブルが提供される。
本発明の前の実施形態と同様に、ブースト装置は、第1、第2、及び第3の調整可能パラメータを保持するパラメータメモリを含む。ケーブルは制御バスをさらに含み、パラメータメモリは前記制御バスからアクセス可能である。
差動信号の2つの極性に存在する時間スキューを粗く調整する、遅延された生の差動信号を選択する入力セレクタ回路は、第1の調整可能パラメータを変更することによって制御され、デスキュー回路は、第2の調整可能パラメータを変更することによって差動信号の2つの極性に残っている時間スキューを細かく調整するアナログ差動デスキュー回路である。
等化回路は、第3の調整可能パラメータを変更することによってデスキュー信号の周波数応答を調整して、等化信号を生成する回路を備える。等化回路は、周波数応答を調整する第3の調整可能パラメータの少なくとも2つの設定を有する。
上述したケーブルであって、PCBは、直列に配置された遅延を提供するいくつかのトラックと、トラックを選択することによってトラックから生じる合成遅延を選択する入力セレクタ回路とを備え、さらに、アナログ差動デスキュー回路は、直列に配置されたいくつかの遅延ユニットと、遅延ユニットを選択することによって遅延ユニットから生じる合成遅延を選択するアナログセレクタと、合成遅延を差動信号の極性に挿入するアナログスイッチとを備える、上述したケーブル。有益なことに、アナログスイッチは、合成遅延を差動信号の一方又は他方の極性に挿入する。上述した他の実施形態と同様に、各アナログ遅延ユニットは、1.0に略等しい利得を有し、1つ又は複数の増幅器を備える。
各アナログ遅延ユニットは、アナログ遅延ユニットの入力である共通の入力を有する第1及び第2の増幅器を備え、増幅器の出力は合算されて、アナログ遅延ユニットの出力が生成され、第1の増幅器は(1.0−Δ)の利得及び所定の遅延値に等しい遅延を有し、第2の増幅器はΔの利得及び第1の増幅器と略同じ遅延を有する。都合のよいことに、第1の増幅器はフォロア段であり、第2の増幅器は、利得Δを設定するシャントキャパシタを有する。
本発明のさらなる態様によれば、送信側データソース装置を受信側データシンク装置に接続し、差動データ信号を搬送するケーブルであって、差動信号のうちの少なくとも1つをブーストするブースト装置を含み、ブースト装置は、データソース装置から生の差動信号を受信し、復元信号を出力する入力回路と、復元信号を処理してデスキュー信号にする、調整可能パラメータを有するデスキュー回路と、デスキュー信号を増幅してブースト信号にし、ブースト信号をデータシンク装置に送信する出力回路とを備える、ケーブルが提供される。
ブースト回路は、デスキュー信号の周波数応答を調整する等化回路をさらに含む。
ブースト装置は、調整可能パラメータを保持するパラメータメモリも含む。ケーブルは制御バスをさらに含み、パラメータメモリは前記制御バスからアクセス可能である。
本発明のこの実施形態では、ブースト装置は、ケーブルの性能を求める性能解析回路をさらに含む。
性能解析回路は、ブースト信号をシングルエンド信号に変換する差動−シングルエンドブロックと、シングルエンド信号を共通クロック信号と位相整列させる線形位相補償器と、位相整列シングルエンド信号のデジタル表現(前処理済みデータ信号)を提供するオーバーサンプリング回路と、前処理済みデータ信号の品質を推定し、前処理済みデータ信号の品質を向上させるように(調整可能パラメータを変更することにより)デスキュー回路及び等化回路のパラメータを調整するトレーニング機能回路とを含む。
トレーニング機能回路は、前処理済みデータ信号の品質を推定し、前記品質を示す品質ナンバを生成するデジタル回路と、デスキュー回路及び等化回路のパラメータをいくつかの所定の設定に調整し、各設定について所定数のオーバーサンプリングビットを監視する評価ラン制御回路と、最高の品質ナンバに対応する最良設定を保持するメモリと、前記パラメータを最良設定に更新する手段とをさらに備える。
性能解析回路は、評価ラン制御回路への開始トリガを受信し、制御バスを経由して最良設定を報告する手段を含む。
本発明のさらなる一態様によれば、差動データ信号を受信し、調整可能パラメータに従って差動データ信号をデスキューし等化し、ブースト信号を出力するブースト装置を備えるケーブルの性能を求める方法であって、ブースト装置は性能解析回路をさらに備え、この方法は、ブースト信号をシングルエンド信号に変換するステップと、シングルエンド信号を共通クロック信号と位相整列させるステップと、位相整列シングルエンド信号をオーバーサンプリングして前処理済みデータ信号を生成するステップと、前処理済みデータ信号の品質を推定するステップと、前処理済みデータ信号の品質を向上させるように調整可能パラメータを調整するステップとを含む、方法が提供される。
前処理済みデータ信号の品質を推定し、前記品質を示す品質ナンバを生成するステップと、調整可能パラメータをいくつかの所定の設定に調整するステップと、
各設定の前処理済みデータ信号を監視するステップと、最高品質ナンバに対応する最良設定を保持するステップと、調整可能パラメータを最良設定に更新するステップとを含む評価ステップをさらに含む、請求項29に記載の方法。
上述した方法は、開始トリガを受信することによって評価方法を開始するステップと、制御バスを経由して最良設定を報告するステップとをさらに含む。
本発明のさらなる態様によれば、送信側データソース装置を受信側データシンク装置に接続し、差動データ信号を搬送するケーブルであって、差動データ信号のうちの少なくとも1つをブーストするブースト装置を備え、ブースト装置は、データソース装置から生の差動信号を受信し、復元信号を出力する入力回路と、復元信号を処理してデスキュー信号及び等化信号にする、調整可能パラメータを有するデスキュー回路及び等化回路と、デスキューされ等化された信号を増幅してブースト信号にし、ブースト信号をデータシンク装置に送信する出力回路と、調整可能パラメータを記憶するパラメータメモリと、ケーブルの性能を求める性能解析回路とを備える、ケーブルが提供される。
ケーブルは制御バスをさらに備え、パラメータメモリは、制御バスからアクセス可能である。
本発明の実施形態では、性能解析回路は、ブースト信号をシングルエンド信号に変換する差動−シングルエンドブロックと、シングルエンド信号を共通クロック信号と位相整列させる線形位相補償器と、位相整列シングルエンド信号のデジタル表現を提供して、前処理済みデータ信号を生成するオーバーサンプリング回路と、前処理済みデータ信号の品質を推定し、前処理済みデータ信号の品質を向上させるように調整可能パラメータを変更することにより、デスキュー回路及び等化回路のパラメータを調整するトレーニング機能回路とを含む。
トレーニング機能回路は、前処理済みデータ信号の品質を推定し、前記品質を示す品質ナンバを生成するデジタル回路と、デスキュー回路及び等化回路のパラメータをいくつかの所定の設定に調整し、各設定について所定数のオーバーサンプリングビットを監視する評価ラン制御回路と、最高の品質ナンバに対応する最良設定を保持するメモリと、前記パラメータを最良設定に更新する手段とをさらに備える。
性能解析回路は、評価ラン制御回路への開始トリガを受信し、制御バスを経由して最良設定を報告する手段を含む。
上述したケーブルを較正するシステムであって、ケーブルの制御バスに取り付けられる制御コンピュータと、ケーブルに取り付けられ、差動信号をケーブルに送信するようにプログラムされるデータパターン生成器とを含み、制御コンピュータは、制御バスを経由してトリガを性能解析回路に送信して、評価ラン制御回路を開始させ、性能解析回路から最良設定を受信し、制御バスを経由して最良設定に対応するパラメータをパラメータメモリにロードするように構成される、システムも提供される。
あるいは、上述したケーブルを較正するシステムは、ケーブルの制御バスに取り付けられる制御コンピュータと、ケーブルに取り付けられ、差動信号をケーブルに送信するようにプログラムされるデータパターン生成器とを備え、制御コンピュータは、制御バスを経由してトリガを性能解析回路に送信して、評価ラン制御回路を開始させるように構成され、性能解析回路は、制御バスを経由して最良設定に対応するパラメータをパラメータメモリにロードするように構成される。
差動信号を伝送するケーブルを較正する対応する方法であって、ケーブルは、差動信号をデスキューし等化するブースト装置を含み、ブースト装置は調整可能パラメータ及びパラメータメモリを有し、この方法は、差動データ信号をケーブルに送信するステップと、トリガをブースト装置に送信するステップと、
トレーニングランをブースト装置において実行するステップであって、トレーニングランは、異なる設定の調整可能パラメータを使用する少なくとも2つの評価ランを実行するステップ、少なくとも2つの設定のそれぞれに伴う結果を評価するステップ、及び最良設定を保持するステップを含む、ステップと、最良設定をパラメータメモリに記憶するステップとを含む方法が提供される。
評価ランを実行するステップは、差動データ信号を処理してデスキュー信号にするステップと、デスキュー信号を処理して等化信号にするステップと、等化信号のデジタル表現である前処理済み信号を生成するステップとを含む。
評価するステップは、少なくとも1ビット期間の窓内の等化信号のデジタル表現内の連続した「1」サンプル又は「0」サンプルのランレングスを求めるステップと、「N」ビットの観察期間中に選択されたランレングスの発生回数をカウントするステップと、選択されたランレングスに従って、カウントされた発生回数をカウンタに記憶するステップと、カウンタの出力を処理して等化信号の品質を示す品質ナンバにするステップとを含む。
本発明のさらなる態様によれば、差動信号を伝送するケーブルを較正するシステムであって、ケーブルは差動信号をデスキューし等化するブースト装置を含み、ブースト装置は調整可能パラメータ及びパラメータメモリを有し、システムは、差動データ信号をケーブルに送信する手段と、トリガをブースト装置に送信する手段と、トレーニングランをブースト装置において実行する手段であって、異なる設定の調整可能パラメータを使用する少なくとも2つの評価ランを実行し、少なくとも2つの設定のそれぞれに伴う結果を評価し、最良設定を保持する評価手段を含む、実行する手段と、最良設定をパラメータメモリに記憶する手段とを備える、システムが提供される。
上述したケーブルを較正するシステムでは、評価手段は、差動データ信号を処理してデスキュー信号にする手段と、デスキュー信号を処理して等化信号にする手段と、等化信号のデジタル表現である前処理済み信号を生成する手段とを備える。
評価手段は、少なくとも1ビット期間の窓内の等化信号のデジタル表現内の連続した「1」サンプル又は「0」サンプルのランレングスを求める手段と、「N」ビットの観察期間中に選択されたランレングスの発生回数をカウントする手段と、選択されたランレングスに従って、カウントされた発生回数をカウンタに記憶する手段と、カウンタの出力を処理して等化信号の品質を示す品質ナンバにする手段とを備える。
本発明のさらなる態様によれば、調整可能パラメータ及びパラメータメモリを有するブースト装置を含み、差動信号を伝送するケーブルを較正するシステムであって、少なくとも2つの信号をケーブル入力に送信し、ケーブル出力での応答を測定することが可能なネットワーク解析器と、ネットワーク解析器及びケーブルのパラメータメモリに接続され、コンピュータメモリを有するコンピュータと、コンピュータメモリに記憶され、調整可能パラメータを変更し、ケーブルのパラメータメモリに結果を記憶することによってコンピュータにケーブルの較正を実行させるコンピュータプログラムコードとを備える、システムが提供される。
コンピュータプログラムコードは、異なる設定の調整可能パラメータを使用する少なくとも2つの評価ランを実行すること、及び各設定でのケーブルの性能を評価することを含むトレーニングランをブースト装置において実行することによってケーブルの較正をコンピュータに実行させる。コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも2つの評価ランもコンピュータに実行させ、各評価ランは、
差動データ信号を処理してデスキュー信号にすることと、デスキュー信号を処理して等化信号にすることと、等化信号のデジタル表現である前処理済み信号を生成することとを含む。コンピュータプログラムコードはさらに、少なくとも1ビット期間の窓内の等化信号のデジタル表現内の連続した「1」サンプル又は「0」サンプルのランレングスを求め、「N」ビットの観察期間中に選択されたランレングスの発生回数をカウントし、選択されたランレングスに従って、カウントされた発生回数をカウンタに記憶し、カウンタの出力を処理して等化信号の品質を示す品質ナンバにすることによって各設定でのケーブルの性能をコンピュータに評価させる。オプションとして、ケーブルを較正するシステムは、較正対象のケーブルをさらに備える。
上述したケーブルを較正するシステムを動作させる方法は、(a)ケーブル出力において差動信号の差動スキューを測定するステップと、(b)差動スキューが所定のスキュー閾値よりも高い場合、調整可能パラメータを変更し、ステップ(a)を繰り返すステップと、(c)所定の数の各周波数での減衰を測定するステップと、(d)減衰が任意の測定周波数で所定の範囲外である場合、調整可能パラメータを変更し、ステップ(c)を繰り返すステップと、(e)パラメータをパラメータメモリに記憶するステップとを含む。
本方法は、所定のスキュー閾値を、ステップ(a)の所定の繰り返し回数内で観察される最小値に設定するステップと、各測定周波数の所定の範囲を0dbに近く、所定の限度未満の値に設定するステップと、所定の周波数を、ケーブルが意図される差動信号のおおよその周波数に設定するステップとをさらに含む。
したがって、埋め込み電力制御・ブースト装置を有する改良されたプログラマブルケーブルが、ケーブルを較正する方法及びシステムと共に提供される。
本発明の実施形態を例として、添付図面を参照してこれより説明する。
高速ケーブルを通して送信すべき高速信号を示す。 ケーブルの端部で受信された帯域幅が制限され歪んだ(等化前の)信号を示す。 等化後の受信信号を示す。 送信機によってケーブルに送信され得るような差動信号伝送チャネル上の差動データのシングルエンド信号成分及び対応する差動信号のぞれぞれのタイミング図を示す。 ケーブルの端部から受信され得るような差動データのシングルエンド信号成分及び対応する差動信号のタイミング図の例を示す。 従来技術によるHDMI(高精細マルチメディアインタフェース)システムを示す。 本発明の実施形態による改良型HDMIケーブル20を含むHDMIシステム10を示す。 チャネルブースト回路100を含む、図4の改良型HDMIケーブル20を示すブロック図である。 差動デスキュー回路110を含む、図5のチャネルブースト回路100のより詳細なブロック図である。 調整可能遅延ブロック300を含む、図6の差動デスキュー回路110の簡略ブロック図を示す。 図7の調整可能遅延ブロック300の好ましい実施形態を示す。 図2Bの遅延(Td)を導入するために使用され得る単純なRC遅延回路を示す。 図9のRC回路のシミュレーション結果を示す。 時間定数を低減した場合の図9のRC回路のシミュレーション結果を示す。 3つのRC段のカスケード接続から作られる遅延回路を示す。 台形入力パルス(Vin)の波形及び図12の回路の各段後の遅延パルスの波形を示す。 2つのバッファ(増幅器)が追加された、図12の回路と同じカスケード接続された遅延回路を示す。 図14の回路構成のシミュレーション結果を示す。 単純なフォロア回路を示す。 図16の単純なフォロア回路から導き出されるAC結合フォロア回路を示す。 図6の調整可能遅延ブロック300の遅延ユニット306の実施形態であり得る遅延バッファ段400の簡略ブロック図を示す。 図18の遅延バッファ段400のバッファ404の好ましい実施形態を示す。 単純なNチャネルフォロアを示す。 遅延段306の代替の実施形態であるバッファ404Bを示す。 ケーブルの簡略化された転送機能を示す。 カスケード接続された等化器及びケーブルの簡略化された転送機能を示す。 オプションの電圧ブースタ514及び電力コンバータ520を含む代表的なチャネル500のシステム図を示す。 図24の代表的なチャネル500を簡略化したコピー550である。 図24のオプションの電圧ブースタ514のブロック図を示す。 図24の電力コンバータ520のブロック図を示す。 ケーブルの較正への使用に利用可能な外部接続を示す、図4の改良型HDMIケーブル20を示す。 リアルタイムケーブル較正方法において使用される拡張ブースト装置544を含むリアルタイム構成540を示す。 線形位相補償器554、オーバーサンプリング・リクロックブロック556、及びトレーニング機能558を含む、図29の拡張ブースト装置544の簡略ブロック図を示す。 プログラマブルアナログ遅延568を含む、図30の線形位相補償器554の例示的な実施態様のブロック図を示す。 図31のプログラマブルアナログ遅延568内のデータ位相シフト及び図30のオーバーサンプリング・リクロックブロック556内のオーバーサンプリングを示す。 図30のトレーニング機能558の好ましい実施形態であるトレーニング機能回路700の簡略ブロック図を示す。 図30のトレーニング機能558の動作を示す、トレーニング実行方法800の高レベルフローチャートを示す。 図34のトレーニング実行方法800のステップ806をさらに詳述する例示的な評価ラン方法900のフローチャートを示す。 周波数領域及び時間領域較正方法の汎用テストセットアップ1000を示す。 図4の改良型HDMIケーブル20内のブースト装置30を較正する際に、図36の汎用テストセットアップ1000と併せて使用され得る較正方法1100の簡略高レベルフローチャートを示す。 本発明の他の実施態様として、改良型HDMIケーブル1200を示す。 変更されたブースト装置1206の変更されたブースト回路100Aを示す。
図3は、HDMI送信機Tx(HDMIソース装置)、HDMI受信機Rx(HDMIシンク装置)、及びTxとRxとを接続するHDMIケーブルを含む、従来技術によるHDMI(高精細マルチメディアインタフェース)システムを示す。
図4は、本発明の実施形態による改良型HDMIケーブル20を含むHDMIシステム10を示す。
HDMIシステム10は、HDMI送信機Tx(HDMIソース装置)、HDMI受信機Rx(HDMIシンク装置)、及びTxとRxとを接続する、本発明の実施形態の改良型HDMIケーブル20を含む。
改良型HDMIケーブル20は、詳細について後述する埋め込みブースト装置30及び基本(受動)HDMIケーブル40を備える。ブースト装置30は、HDMI受信機Rxに最も近い、改良型HDMIケーブル20の端部付近に配置される。本願の一般性を制限することなく、改良型HDMIケーブル20は、DVDプレーヤ(HDMIソース装置の一例)をテレビ画面(HDMIシンク装置の一例)に接続するために使用し得る。
図5は、図4のブースト装置30を含む、HDMI送信機TxとHDMI受信機Rxとの間に延びる改良型HDMIケーブル20を示すブロック図である。Txから基本HDMIケーブル40を通ってブースト装置30に延びるHDMI入力50、ブースト装置30からRxに延びるHDMI出力52、及びTxから基本HDMIケーブル40を通ってRxに直接延びる他のHDMI信号群54も示される。基本HDMIケーブル40は、HDMI入力50及び他のHDMI信号54を含む。
HDMI入力50は、HDMI信号をHDMI送信機Tx(図4)から基本HDMIケーブル40のワイヤを経由してブースト装置30の入力に結合する接続を提供する。HDMI入力50は4つの信号ペアを含む。
−遷移時間最短差動信号伝送方式(TMDS)チャネル入力0
−TMDSチャネル入力1
−TMDSチャネル入力2
−クロックチャネル入力
同様に、HDMI出力52は、ブーストHDMI信号の4つの信号ペアを含む。
−TMDSチャネル出力0
−TMDSチャネル出力1
−TMDSチャネル出力2
−クロックチャネル出力
HDMI出力52は、ブースト装置30から短接続を経由してHDMI受信機RxにブーストHDMI信号を結合する。
プログラミング入力56及び+5V電力信号58が、他のHDMI信号54からブースト装置30に結合される。図には、改良型HDMIケーブル20の部分であり得る装置キャリア及びコネクタ等の物理的な特徴が示されていない。
ブースト装置30は、いくつかのチャネルブースト回路100、パラメータメモリ102を含む。本発明の好ましい実施形態では、ブースト装置は、図5に示すような4つのチャネルブースト回路100を含み、各チャネルブースト回路100は、TMDSチャネル0、TMDSチャネル1、及びTMDSチャネル2のうちの1つの信号をブーストする。
各チャネルブースト回路100は、HDMI入力回路106及びHDMI出力回路108を含む。各チャネルブースト回路100は、有利なことに、基本HDMIケーブル40を通って伝搬した差動データ信号の2つの極性に存在する時間スキューを調整する差動(イントラペア)デスキュー回路110及び基本HDMIケーブル40の帯域幅制限特徴を補償する等化回路112をさらに含む。したがって、各チャネルブースト回路は、基本ケーブル40内の対応する差動ペアの劣化を補償するように設計された特徴と共に、各HDMI入力から対応するHDMI出力への転送機能を提供する。
ブースト装置30は、+5V電力信号58及び詳細に後述するようにHDMI出力52から導出される電力によって給電され得る。ブースト装置30の動作のための電力は全体的に、改良型HDMIケーブル20内で搬送される信号から導出され、HDMI送信機Tx及び/又はHDMI受信機Rxによって供給される。
差動信号を搬送するケーブル、すなわち、各信号が一対のワイヤを経由して搬送されるケーブルでは、通常、製造許容差により、各チャネルに使用されるワイヤ及びコネクタの長さにわずかな差が生じる。その結果、各ペアのケーブルを通して差動遅延が発生することになる。このような差動(イントラペア)スキューは、受信信号を劣化させる(上記図2A及び図2B参照)。イントラペアスキューの解消は、ワイヤペアのうちの短いほうを通る信号に、ペアのうちの長いほうを通る信号と位置合わせされるのに適切な量の遅延を追加することによって達成することができる。本発明の実施形態によれば、イントラペアスキューは、次の項で説明するようにデジタル的にプログラム可能な差動デスキュー回路110の助けによって解消される。パラメータメモリ102は、プログラミング(較正)セットアップ方法において一旦決定された差動デスキュー回路110のデスキュー設定を保持するために使用される。
同様に、ケーブルは、ケーブルの長さ及び物理的な構造に依存する異なる帯域幅特徴を呈する。制限される帯域幅は等化回路112によって(ある程度)補償することができ、等化回路112もデジタル的にプログラム可能である。等化器設定も同様に、パラメータメモリ102に保持し得る。差動デスキュー回路110及び等化回路112の両方の適正な設定は、製造時のプログラミング(較正)セットアップにおいて決定され、プログラミング入力56を通してパラメータメモリ102にロードし得る。プログラミングセットアップ方法については、より詳細にさらに後述する(図29〜図37)。
図6は、HDMI入力回路106、差動デスキュー回路110、等化回路112、及びHDMI出力回路108を備える、図5のチャネルブースト回路100の一例のより詳細なブロック図を示す。
HDMI入力回路106への入力は、生の入力信号(ペア)116(図5のHDMI入力50のうちの1つ)である。HDMI入力回路106は「復元信号」(ペア)118を出力し、これは差動デスキュー回路110に入力される。差動デスキュー回路110は「デスキュー信号」(ペア)120を出力し、これは等化回路112に入力される。等化回路112は「等化信号」ペア122を出力し、これはHDMI出力回路108に入力される。そして最後に、HDMI出力回路108は「ブースト信号」(ペア)124を出力し、これはHDMI出力52(図5)のうちの1つである。
図6には、ブースト装置30のすべてのチャネルブースト回路100によって共有されるパラメータメモリ102も示される。パラメータメモリ102は、差動デスキュー回路110のデスキューパラメータ入力126に接続されるとともに、等化回路112の等化パラメータ入力128に別個に接続される。
差動デスキュー回路110
上述したように、イントラペア差動スキュー遅延は、遅延Tdを有する遅延要素を(図2Bの例の場合)V+のパスに挿入し、逆の場合(入力V+信号がV−に対して遅延した場合)にはV−のパスに挿入することによって補償することができ、又はスキューが存在しない場合には、V+にもV−にも挿入されない。
図7は、差動スキューが除去される(補償される)図6の差動デスキュー回路110の簡略ブロック図を示す。同じ参照番号が、差動入力及び出力(それぞれ正[V+]端子及び負[V−]端子を有する復元信号118及びデスキュー信号120のそれぞれ)並びにデスキューパラメータの制御入力(126)を示すために使用される。
図7に示すように、差動デスキュー回路110は、(シングルエンド)入力302及び出力304を有する調整可能遅延ブロック300と、6つのオン/オフスイッチS1〜S6を含む。調整可能遅延ブロック300はいくつかの遅延段306を含む。スイッチS1は、差動入力の正端子(復元信号118V+)と差動出力の正端子(デスキュー信号120V+)との間に接続される。同様に、スイッチS6は、差動入力の負端子(復元信号118V−)と差動出力の負端子(デスキュー信号120V−)との間に接続される。スイッチS2及びS4は、調整可能遅延ブロック300の入力302と復元信号118の正端子(V+)及び負端子(V−)のそれぞれとの間に接続される。同様に、スイッチS3及びS5は、調整可能遅延ブロック300の出力304とデスキュー信号120の正端子(V+)及び負端子(V−)のそれぞれとの間に接続される。
この方式は、単一の調整可能遅延ブロック300が正及び負の両方の差動スキューを補正できるようにする。実際に、単一の調整可能遅延ブロック300は、それ自体を負又は正のいずれかの信号パスに切り替えることによって、それぞれ(正信号又は負信号のいずれかが他方に対して遅延する)正又は負の差動スキューを補償するのに十分である。例えば、正信号V+を調整可能遅延ブロック300(詳細に後述するように、遅延ユニットをカスケード接続したもので作られる)に通すには、スイッチ状態は以下のようになる。S1=オフ、S2=オン、S3=オン、S4=オフ、S5=オフ、且つS6=オン。V−を調整可能遅延ブロック300に通すには、スイッチ状態は以下のようになる。S1=オン、S2=オフ、S3=オフ、S4=オン、S5=オン、S6=オフ。調整可能遅延ブロック300をV−パス及びV+パスの両方から外すように切り替え、それにより、差動遅延の調整を提供しないようにするには、スイッチ状態は以下のようになる。S1=オン、S2=オフ、S3=オフ、S4=オフ、S5=オフ、S6=オン。
デスキュー問題の解決策は2つの難問を呈する。第1の難問は適した遅延を生じさせることであり、第2の難問は遅延を調整することである。遅延を生じさせることは、ユニットが信号を通過させるのに十分に広い帯域幅を有するべきであるが、それと同時に、遅延ブロックが有用な遅延を提示する必要があるため、難問である。単一の遅延段の帯域幅が広いと、自然に遅延が小さくなるため、十分な遅延を達成するために、カスケード接続された段が必要である。
デジタルスイッチ及びデコーダを含んで全体遅延のバイナリアドレス指定可能な選択を提供するデジタル遅延段カスケードが、米国特許第6,268,753号明細書に記載されている。しかし、本発明は、高速アナログ信号を遅延させる調整可能遅延回路を必要とする。
差動スキューを補償するために、提案される図7の構成内のアナログ遅延段カスケードを使用して解消すべき問題としては、単位利得を提供する必要性並びに要求される高帯域幅を保持する必要性が挙げられる。
従来技術の中で、いくつかのデジタル遅延補償方式が開示されているが、アナログ信号に調整可能な遅延を提供するのは少数の回路のみである。例えば、フォロア回路を利得段と並列して使用して、デジタル回路の高周波応答をブーストすることが、米国特許第5,739,713号明細書に教示されている。米国特許第6,525,568号明細書は、RC(抵抗−キャパシタ)要素を含み、その後に定格利得−1及び+2の並列利得段が続き、特に複雑な周波数伝達関数を使用してそれぞれの出力が一緒に合算されて、全体の単位利得を提供する、位相シフト(遅延)段を教示している。米国特許出願公開第20050083130号明細書では、信号パスのどちから一方に存在し得る信号伝搬遅延を補償する遅延要素を含む高性能増幅器が提案されている。
図8は、調整可能遅延ブロック300を実施する解決策として、アナログ選択段308と組み合わせられた8つのアナログ遅延段(「遅延ユニット」)306のカスケード接続による図7の調整可能遅延ブロック300の好ましい実施形態を示す。8つの遅延ユニット306は直列(カスケード)接続され、各遅延ユニット306の出力はアナログ選択段308への入力である。カスケードのうちの第1の遅延ユニット306は、調整可能遅延ブロック300の入力(IN302)を提供する。
デスキューパラメータ制御信号(デスキューパラメータ入力126)は、調整可能遅延ブロック300の出力(OUT304)に切り替えるべき入力のうちの1つを選択する、アナログ選択段308に接続される3ビットバイナリ信号を含む。
それぞれ単位遅延を調整可能遅延ブロック300に提供するようにカスケード接続され得る単一の遅延ユニット306の例示的な完全な回路を以下の図18に示す。
単一の遅延ユニット306の回路の理解を助けるために、最初に、解決すべき問題及び考えられ得る解決策の段階的な説明を提示する。
図9は、図2Bの遅延(Td)を導入するために使用され得る単純なRC遅延回路を示す。図9の回路は、抵抗R1、キャパシタC1、入力端子及び出力端子(信号Vin及びVout)、並びに接地(0)を備えるシングルエンド回路である。キャパシタC1は、Voutと接地との間に接続され、抵抗はVinとVoutとの間に接続される。図9に示すようなRC遅延を有する回路を作成することにより、信号を遅延させることには成功するが、この回路は信号をフィルタリングもする。
パルスに対する図9のRC回路の影響は、図10に示されるシミュレーション結果から見られる。図10は、2つのシミュレーションされた波形、すなわち台形入力パルスVin及び台形入力パルスを図9の単純なRC遅延回路に通した結果として生成される出力パルス(Vout)を示す。台形入力パルス(信号Vin)は遅延されフィルタリングされ(歪まされ)て、出力信号Voutになる。遅延及びフィルタリングの作用ははっきりと見られる。遅延は望ましいが、フィルタリングの作用はパルスの分散及び歪みを発生させる。
回路のフィルタリングの作用を低減するために、RC時間定数を低減することができる。シミュレーション結果を図11に示す。図11に示されるシミュレーションは、図10に示されるシミュレーションに類似するが、シミュレーション遅延回路内の時間定数が低減されている。時間定数の低減は、帯域幅の増大又は維持を助けるが(入力パルス及び出力パルスの両方の傾きに留意する)、図11に示されるように、導入される信号遅延はより低くなる。
図11のシミュレーションでは、パルス幅は0.7秒であり、回路内のRC時間定数は79msである。この長いパルス持続時間及び長いRC時間定数は、このシミュレーションにおいて、回路選択の影響を観察するために便宜上選ばれただけであり、実施形態の時間尺度を表すものではない。
(元の時間定数を有する図9の回路に対して図10に示されるように)遅延を回復しようとする1つの方法は、いくつかのRC段をカスケード接続することである。これを図12に示す。図12には、構成要素R2、C2、R3、C3、R4、及びC4を備える3つのRC段をカスケード接続したものから作られる遅延回路が示され、各RC段は個々に同じ時間定数79msを有する。第1及び第2の段後の信号はそれぞれ、V1及びV2と記される。回路の入力及び出力は全体として、Vin及びVoutと記される。
台形入力パルスを使用しての図12の回路のシミュレーション結果を図13に示し、図13は、台形入力パルス(Vin)の波形及び図10の回路の各段後の遅延パルス(V1、V2、及びVout)の波形を示す。結果として生成される最終波形Voutは遅延されるが、振幅は大幅に低減され、分散する。
後続段の負荷の影響を除去するために、各段は図14に示されるようにバッファリングし得る。図14には、図12と同じカスケード接続された遅延回路が示されるが、2つのバッファ(増幅器)、すなわちR1とR2との間のバッファ「Buf1」及びR2とR3との間のバッファ「Buf2」が挿入されている。その結果、中間信号V1及びV2は、後続段の負荷によって減衰されない。
図14の回路のシミュレーション結果を図15に示す。シミュレーション結果は、図14の回路構成が大きな遅延を導入するという所望の目標を達成しながら、パルスの歪みが最小に保たれることを示す。このシミュレーションでは、0.7秒の台形入力パルスは、1段当たり約77msだけ遅延する。
数学的な意味では、パルスは、単極単位利得段カスケードによって変換され、各段の伝達関数は、
H(s)=1/(1+s/p)
であり、式中、p[Rads]=1/(RC)又はp[HZ]は1/(2πRC)である。
回路の目標は、最大でパルス幅(ビット幅)の約半分までパルスを遅延させることである。図15のシミュレーションに示される場合、要求される遅延は約0.35秒である。図14に示される方式を使用してこの遅延を達成するためには、約5つの段が必要である。図15に示されるシミュレーションでは、RC時間定数は79msに設定され、これは極周波数を1/(2π79ms)=2Hzに設定する。したがって、0.7秒のパルス幅の場合(入力パルスVin)、極周波数2Hzを有する段が、パルスに対するフィルタリングが許容できる状態で適した遅延を生成する。毎秒Nビット(Nbps)のビットレートを有するシステムの極の位置を計算する単純な近似は、各段の極を3<SUP>*</SUP>N Hzに設定することである。例えば、データレートが1Gbpsの場合、約3GHzに極を有する段が必要である。
単純なRC段を使用して、適切な段当たりの遅延をどのように達成し得るかを示したが、適したバッファ増幅器(図12のBuf1、Buf2)をどのように構築し得るかはまだ示していない。最大で3GHZの単位利得を有する単位利得バッファを作成することは、進歩したCMOSプロセスであっても難問である。開始ポイントは、図16に示される単純なフォロア回路を使用することである。図16の単純なフォロア回路は、電流源I1と直列接続されたNチャネルMOS電界効果トランジスタ(MOSFET)M1を含む。トランジスタM1のドレインは接地(0)に接続され、電流源I1の正端子は供給電圧VDDに接続する。回路入力(IN)はトランジスタM1のゲートに接続され、そのソースは回路出力(OUT)を提供する。
この周知の回路では、約1の利得の場合、出力OUTは入力INを辿る。この回路の第1の制限は、出力が通常、約0.6ボルトでレベルシフトされることである。このレベルシフトは、連続したレベルシフトによって出力が供給電源まで上昇し、それによって信号がクリッピングされることになるため、いくつかの段をカスケード接続する場合に問題である。この制限を解消するために、図17に示されるように、AC結合が単純なフォロアに追加される。図17に示される回路は、キャパシタC5を回路入力(IN)とトランジスタM1のソースとの間に追加し、抵抗R5をトランジスタM1のソースと正バイアス電圧を提供するバイアス供給「BIAS」との間に追加することにより、図16の単純なフォロア回路から導出されるAC結合フォロア回路である。
AC結合を使用する場合、段の出力が、図17において「BIAS」によって設定されるバイアスレベルからレベルシフトアップされることは、段がカスケード接続される場合、このレベルシフトは次の段の入力キャパシタの両端の一定降下として記憶されるため、重要ではなくなる。これは本質的に、各段の平均入力電圧を図17に示されるバイアス供給(BIAS)によって設定されるバイアス電圧にリセットする。
この回路のさらなる制限は、トランジスタM1の非ゼロ出力コンダクタンスに由来する。フォロアの利得はgm1/(gm1+gds1)によって与えられる。式中、gm1は小信号相互コンダクタンスであり、gds1はM1の小信号出力コンダクタンスである。明らかに、ゼロよりも大きなgds1のすべての値に対して、段の利得は1未満である。高速広帯域回路が必要とされる場合、MOSFET M1の長さは最小に近くなるように低減される。これは、利得がここでは約0.9に向かうポイントまでgds1を増大させる。こういった段をカスケード接続したものは、入力信号の大きさを劇的に低減させる。
この段利得の低減を補正する1つの可能なアーキテクチャを図18に示し、図18は、調整可能遅延ブロック300(図6)の遅延ユニット306の実施形態であり得る遅延バッファ段400の簡略ブロック図を示す。
遅延バッファ段400は、単位利得増幅器(バッファ)404を備える。入力410及び出力412を有するバッファ404。
バッファ404は、並列になった2つの増幅器、すなわち約0.9の利得を有するフォロア段414及び約0.1の利得を有する補助段416を含み、両増幅器は同じ周波数応答(数学的に極1/(1+s/p)として表されるを有する。両増幅器(414及び416)は、バッファ404の入力410を共有し、それぞれの出力が合算されて出力412になる。
遅延バッファ段400は、固有の遅延(伝達関数の極pで暗黙的に示される)を提供し、上述したように、増幅器によってカスケード内の次の遅延要素からの分離を提供する(図14)。非常に高速の動作では、バッファ404の(必然的に制限される)周波数応答が要求される遅延を提供するように設計される場合、明示的なRC遅延要素が必要ないことに留意する。
遅延バッファ段400は、バッファ404の入力410に接続された遅延バッファ段400の入力信号VINを受け取り、バッファ404の出力412は、遅延バッファ段400の出力信号VOUTを生成する。
構成要素増幅器(フォロア段414及び補助段416)を含むバッファ404の好ましい実施形態をNウェルCMOSプロセスに基づく回路として図19に詳細に示す。
フォロア段414は、図17のAC結合フォロア回路と同様のAC結合回路である。フォロア段414は、PチャネルフォロアトランジスタM2、バイアス抵抗R6、結合キャパシタC6、及びバイアス供給「BIAS1」を備える。
補助段416は、Nチャネル増幅トランジスタM3、2つのPチャネルトランジスタM4(ダイオードとして機能する)及びM5(電流源として機能する)、バイアス抵抗R7、結合キャパシタC7、シャントキャパシタC8、並びにバイアス供給「BIAS2」を含む。
「BIAS1」及び「BIAS2」のバイアス電圧は、必要に応じて回路の機能及び技術に適合される。
バッファ404の入力410は、結合キャパシタC6を通してトランジスタM2のゲートに接続されるとともに、結合キャパシタC7を通してトランジスタM3のゲートに接続される。バイアス供給「BIAS1」の正端子は、バイアス抵抗R6を通してトランジスタM2のゲートに供給される。同様に、バイアス供給「BIAS2」の正端子も、バイアス抵抗R7を通してトランジスタM3のゲートに供給される。「BIAS1」及び「BIAS2」の負端子、トランジスタM2のドレイン、トランジスタM3のソース、及びシャントキャパシタC8の一方の端子は、接地に接続される。シャントキャパシタC8の他方の端子はトランジスタM3のゲートに接続される。フォロアトランジスタM2のソースは、電流源トランジスタM5のドレイン及びバッファ404の出力412に接続される。トランジスタM3及びM4のトレインは一緒に接続されるとともに、トランジスタM4のゲートにも接続される。トランジスタM4及びM5のソースは、供給電源VDDに接続される。
機能的には、バッファ404の入力410の信号は、約0.9の利得を有するフォロア段414によって増幅され、(補助段416内の)トランジスタM5は、電流源負荷をフォロアトランジスタM2に提供する。補助段416の機能は、トランジスタM3内の同じ入力信号の部分(結合キャパシタC7とシャントキャパシタC8との比率によって定義される部分)を変動電流に増幅し、トランジスタM4及びM5を通してこれをミラーリングし、それにより、変動電流源負荷をフォロアトランジスタM2に提供する。したがって、フォロア段414及び補助段416は両方とも、バッファ404の出力412における信号に寄与し、個々の寄与分は効率的に上で図18において示したように合算される。
Pチャネルフォロア回路(414)の利得は、Pチャネル素子(M2)の出力コンダクタンス(gds)以外は本質的に単位利得である。速度要件により、短いPチャネル素子が必要とされるため、素子は大きな出力コンダクタンスを有し、利得は0.9に向かって下がる。5段カスケードを使用する場合、信号は元の値の60%に下がる。チャネルデータレートでの単純なフォロアの利得をブーストするために、並列信号パスが、補助段416の形態で提供される。
上述したように、バッファ404は、入力信号(410)が出力412に到達する第2のパス(補助段416)を含む。この追加パスはC7、M3、M4、及びM5を通る。このパスでは、高周波入力信号はC7を通り、信号の部分はM3のゲートに提示される。この部分は、シャントキャパシタC8のサイズを変更することによって変更される。M3内の電流は、バイアス回路(「BIAS2」)を使用して定格値に設定される。入力信号がM3のゲートに到達すると、入力信号はM3内で電流を変化させる。この電流変化は、ダイオード接続素子(M4)によって供給され、ダイオード接続素子は電流変化をM5にミラーリングする。最後に、M5は、最終結果として、入力信号の変化によってM2内の電流が変化するように、M2内の電流を変化させる。M2内の電流レベルを変化させると、素子内のオーバードライブが変化し、ひいては出力電圧が変化する。まとめると、入力410の正変化は、並列パス内の電流ステアリングにより、出力412において正変化を発生させる。同時に、M2を通しての単純なフォロア作用によよっても出力に正変化がある。出力の全体変化は、並列(補助段416)パス及び主(フォロア段414)パスからの寄与分を合算することによって計算される。主パスが0.9の利得を生成している場合、並列パスは、C8の値を変更することによって0.1の利得を提供するように調整することができる。単位利得に調整されてしまえば、段の利得は、プロセス、供給電圧、及び温度に対して定格値の約2%以内に安定した状態を保つ。
図19のバッファ回路404は以下の要件を満たす。
・全体単位利得ひいてはカスケード接続は、信号を増幅又は低減しない。
・最小の歪みで非常に広帯域の動作が可能である(極は2GHz〜10GHz)。
・段カスケードの入力及び出力のレベルは適した範囲内に留まる。
バッファ404を実施するいくつかの典型的な値は、R6=200k、R7=200k、C6=200f、C7=200fであり、C8は回路の全体利得を単位利得に調整するように合わせられる。
図19に示されるバッファ回路404と等価のバッファの一実施形態を、(ここでは図18に示される完全なバッファ実施態様に繋がった図16のPチャネルフォロアに代えて)単純なNチャネルフォロアから開始することによって作成することができる。単純なNチャネルフォロアを図20に示す。
Pウェル技術を使用するCMOSプロセスの場合、図19に示される構成は、NチャネルMOSFETのバルクが図20に示されるようにソースに自由に結合できるという点で好ましい実施態様である。Nウェル技術を使用するより標準的なCMOSプロセスの場合、NチャネルMOSFET上のバルク接続が接地に接続されるため、図19のバッファの回路はさらなる難問を発生させる。この接地接続されたバルクは、トランジスタ内のソース−バルク電位を変化させ、段の利得を0.9からさらに低下させ、この利得低下は、段の全体利得を単位利得に保持することをより難しくする。
遅延段306のバッファ段を作成する代替の構成を図21に示し、図21は、変更されたバッファ404Bを示す。変更されたバッファ404Bはバッファ404と同様であり、これも、入力(410)信号から出力(412)信号に2つの並列パス、すなわち、フォロア段414及び変更された補助段416Bを使用する。変更された補助段416Bは、補助段416と同じ機能を実行するが、いくらか異なって実装される。
補助段416Bは、5つのNチャネルトランジスタ(M6、M7、M8、M9、及びM10)、2つのPチャネルトランジスタ(M11、M12)、バイアス抵抗R8、結合キャパシタC9、シャントキャパシタC10、及び電流シンクI2を備える。
補助段416Bの構成要素は、以下に列挙するように互いに、接地に、及びVDDに様々に接続される。
−Nチャネルトランジスタ(M6〜M10)のソース及びシャントキャパシタC10の一方のリードはVDDに接続される。
−Pチャネルトランジスタ(M11及びM12)のソース並びに電流シンクI2の負端子は接地に接続される。
−トランジスタM6、M9、及びM11はそれぞれダイオードモードに接続される。すなわち、それぞれのゲートはドレインに短絡される。
−トランジスタM6のドレイン/ゲートは、電流源I2の正端子、トランジスタM7のゲート、及びバイアス抵抗R8を通してトランジスタM8のゲートに接続される。
−トランジスタM7のドレインは、トランジスタM11のドレイン/ゲート及びトランジスタM12のゲートに接続される。
−トランジスタM8のゲートは、シャントキャパシタC10にさらに接続されるとともに、結合キャパシタC9を通して入力信号(410)にさらに接続される。
−トランジスタM8のドレインは、トランジスタM9のドレイン/ゲート、トランジスタM10のゲート、及びトランジスタM12のドレインに接続される。
及び最後に、
−トランジスタM10のドレインは、フォロア段414のトランジスタM2のドレイン並びに出力412に接続される。
この構成(補助段416B)では、電流シンクI2及びトランジスタM6によって形成される回路がバイアス電圧を提供し、このバイアス電圧から、抵抗R8を通してトランジスタM8の動作点が設定されるとともに、M11及びM12によって形成される電流ミラーを通して、トランジスタM8及びM9によって引き込まれる電流がさらに設定される。
結合キャパシタC9を通してトランジスタM8のゲートに供給される入力信号(410)は、トランジスタM8内の電流を変更し、ひいてはトランジスタM9内の電流を変更し(M9内の電流は、M12内で設定される定電流とM8内の信号依存電流との差である)、M9及びM10のミラーリングにより、結果としてトランジスタM10内の電流を変更する。フォロア段414内のトランジスタM2に直列するトランジスタM10内の電流の変動は、オリジナルの補助段416の同等のトランジスタM5内の変動について上述した効果と同じ効果を有する。
ここでも、上の図20に示されるように、Nチャネルフォロアから開始した場合、バッファ404Bの回路と同様の構成を生成することができる。
等化回路112
ケーブルの出力は低域フィルタリングされた応答を示し、したがって、入力信号に対して大きな歪みがある。歪んだ信号の難問となる特徴は、立ち上がり時間の低下及びシングルデータビットの変更が、信号範囲内での信号の伝送に繋がらないことである。
この共通問題を説明するために、ケーブルの入力及び出力での典型的な波形を上の図1A及び図1Bに示した。ケーブルの制限された帯域幅は、データ信号の高周波成分を抑圧する。ケーブルの簡略化された伝達関数を図22に示して、高周波での利得低下を示す。
高周波抑圧は、従来、等化器をケーブル(又は受信器)内に配置することによって解決されている。等化器は、伝達関数をカスケード接続すると、図23に示されるように、対象周波数にわたって単位利得伝達関数が平坦になるように、高周波での利得増大を提供する。
問題を解決するためのこのような既存の手法は、例えば、米国特許第6819166号明細書に記載されている。この既存の実施態様は、可変伝達関数を有する等化器及びケーブル内の高周波抑圧のレベルを検出して、それにより、この影響を正確に相殺するように等化器を調整できるようにする方法を記載している。
本発明の実施形態では、調整可能な等化器が等化回路112(図6)内に設けられる。無限に変更可能な等化器を設けるのではなく、等化パラメータ入力128の制御下で選択可能な有限数の離散した設定が実装される。
図24は、図4のHDMIソース装置(Tx)に見出され得る典型的な差動駆動回路502、図4のHDMIシンク装置(Rx)に見出され得る典型的な差動終端回路504、及びブースト回路506を含む代表的なチャネル500のシステム図を示す。ブースト回路506は、本発明の好ましい実施形態による図6のブースト回路100の一実施態様のより詳細な説明である。
典型的な差動駆動回路502は従来通りのものであり、NチャネルMOSFET(酸化金属半導体電界効果トランジスタ)M13及びM14の差動ペア及び電流源I3を備える。トランジスタM13及びM14のソースは一緒に結合され、電流源I3を通して共通接地に接続され、電流源I3は、HDMI仕様に従って約10mAの電流を供給するように調整される。トランジスタM13及びM14のゲートは差動信号(図示せず)を使用して駆動され、差動信号は、チャネル500がTMDSデータチャネルである場合にはTMDSデータ信号の1つであってよく、又はチャネル500がクロックチャネルである場合にはクロック信号であってよい。典型的な差動駆動回路502の出力は、ブースト回路実装506に具現される、図6のブースト回路100の生の入力信号(ペア)116である。
典型的な差動終端回路504は、HDMIシンク装置内部の供給電圧(通常、3.3V)に結合される2つの抵抗(R9及びR10、通常はそれぞれ50Ωの値を有する)を備える。差動終端回路504の入力(抵抗R9及びR10の信号端)は「ブースト信号」(ペア)124であり、ブースト信号124は、ブースト回路実装506に具現される、図6のブースト回路100の出力でもある。
図24には、生の入力信号(ペア)116を典型的な差動駆動回路502からブースト回路100(506)に搬送する基本(受動)HDMIケーブル40が示されていない。
代表的なチャネル500の動作の説明として、まず、先に示した図3の従来技術の図に対応する、ブースト回路506無しの場合を考える。
この従来技術の事例では、典型的な差動駆動回路502の出力(生の入力信号116)は、基本HDMIケーブルを通して直接、典型的な差動終端回路504の入力(124)に接続される。電流源I3によって大きさが決定される(10mA)電流が、電源電圧3.3Vから抵抗R9及びR10のうちのいずれか一方を通り、差動ペア(116及び124)の対応するいずれか一方の導体を経由し、トランジスタM13及びM14(差動信号によって一方はオンに切り替えられ、他方はオフに切り替えられている)のうちのいずれか一方を通り、電流源I3を通って接地に流れる。抵抗、導体、及びトランジスタのいずれか一方は、差動信号の状態によって決まる。論理「0」信号は、電流の略すべてをトランジスタM13及び抵抗R9を通して流すことができ、論理「1」は電流をM14及びR10に通して流す。その結果、終端抵抗の信号端での電圧は3.3V〜2.8Vに変化し得、したがって、約±0.5Vの差動信号を提示する。実際には、差動信号は、ケーブル内での損失及び終端での負荷により、より低い可能性がある。
ブースト回路506の入力において典型的な差動終端回路504の挙動を模倣し、その出力において典型的な差動駆動回路502の挙動を模倣することは、本発明によるブースト回路506の機能である。
図24に示すブースト回路506は、HDMI入力回路508(図6のHDMI入力回路106の詳細な実施態様を示す)と、HDMI出力回路510(図6のHDMI出力回路108の詳細な実施態様を示す)と、図6の差動デスキュー回路110及び等化回路112を含む処理ブロック512とを含む。
ブースト回路506は、入力516及び出力518を有するオプションの電圧ブースタ514をさらに含み得る。オプションの電圧ブースタ514が設けられない場合、電圧ブースタ514は単純に迂回される。すなわち、入力516は出力518に直接接続される。
HDMI入力回路508は典型的な差動終端回路504に非常によく類似し、供給電圧V3に結合され、生の入力信号116に接続される信号端を有する2つの50Ωの抵抗R11及びR12を含む。抵抗R11及びR12を通るように交互に切り替えられる電流によって生成される差動電圧信号は、単純に「復元信号」118として処理ブロック512内のデスキュー回路110の入力に接続される(図6も参照)。供給電圧V3は、オプションの電圧ブースタ514の出力518に接続されるフィルタキャパシタC11によって供給される。
処理ブロック512は、「復元信号」118をHDMI入力回路508から受け取り、信号を差動デスキュー回路110及び等化回路112内で処理した後、「等化信号」122を出力する。電力は、+5電源から処理ブロックに提供される。処理ブロック512は、+5Vの供給電力をより低い電圧に効率的に変換するために使用できる電力コンバータ520も含み、変換されたより低い電圧は、次に、差動デスキュー回路110及び等化回路112に供給される。
HDMI出力回路510は、典型的な差動駆動回路502といくらかの類似性を有する。HDMI出力回路510は、典型的な差動駆動回路502のトランジスタM13及びM14と同様のNチャネルMOSFET M15及びM16(又は代替として、PチャネルMOSFET M15及びM16)を備える。トランジスタM15及びM16のソースは一緒に結合され(それにより、トランジスタペアを形成する)、NチャネルMOSFET M17のドレインに接続される。トランジスタペアM15及びM16のゲートは、「等化信号」ペア122に接続される。トランジスタペアM15及びM16のドレインは、HDMIシンク(Rx)内の典型的な差動終端回路504に接続された差動「ブースト信号」(ペア)124に接続され差動「ブースト信号」(ペア)124を駆動する。
HDMI出力回路510は、NチャネルMOSFET M18及び電流源I4をさらに含む。ドレインがトランジスタペアM15及びM16のソースに接続されたトランジスタM17は、電圧ノードV4に接続されたソースを有する。トランジスタM17のゲートはノードV5に接続され、ノードV5は、トランジスタM18のゲート及びドレインと電流源I4の負端子とを接続し、電流源I4の正端子は+5V電源に接続される。トランジスタM18のソースは、バイアス電圧ノード「BIAS4」に接続される。実際、トランジスタM18は、BIAS4と電流源I4の負端子との間のダイオードとして構成され、トランジスタM17のソースに結果として生成される電圧V4がBIAS4電圧をミラーリングするように、電圧V5をトランジスタM17のベースに提供する。
HDMI入力回路508及びHDMI出力回路510の動作は、それぞれの共通モード挙動をまず考えることによって説明することができる。
図25は、電力が信号から取り入れられるHDMI入力回路508及びHDMI出力回路510の共通モード機能を説明するための、図24の代表的なチャネル500の簡略化されたコピー550である。太線で示されるのは、典型的な差動終端回路504内の3.3V電源から典型的な差動駆動回路502内の共通接地まで延びる2本の電流パスである。実線の太線は、トランジスタM13及びM15がオンであり、且つトランジスタM14及びM16がオフのときの電流パスを示す。破線の太線は、各トランジスタが逆の状態のときの代替の電流パスを示す。
実線の太線を追跡すると、電流は3.3V電源から抵抗R9、トランジスタM15、トランジスタM17、抵抗R11、トランジスタM13、及び電流源I3を通って接地に流れる。オプションの電圧ブースタ514は迂回される(この図には示されていない)が、電圧ブースタ514については続く図26において説明する。実線の太線の電流の大きさは、電流源I3によって決まり、約10mAであり、各抵抗R11及びR9において約0.5Vの電圧降下を生じさせる。トランジスタM13及びM15での電圧降下は、電流パスに沿った中間ポイントの電位、すなわちオプションの電圧ブースタ514がない状態で等しい電圧ノードV3及びV4によって制御される。V4の電圧レベルは、バイアス電圧BIAS4と略同じに設計され、バイアス電圧BIAS4は、従来、トランジスタM15の飽和を回避するために十分に低い約2.0Vに設定され得る。10mAという全電流を搬送するトランジスタM17は略飽和し、電圧降下は小さい。M17の動作ポイントは、電流(電流源I4によって制御される)が、例えば0.1mAであり得るミラーリングトランジスタM18によって設定される。電流源の比(0.1mA:10mA、すなわち1:100)に合うようにM18及びM17のジオメトリを選ぶことにより、トランジスタM17のゲートからソースへの電圧降下は、M18と同じ値になる。
フィルタキャパシタC11は、10nFのキャパシタンスを有し得る。フィルタキャパシタC11の目的は、電流パスが実線で示される経路と破線で示される経路とで切り替えられる際のV3の電圧レベル(オプションの電圧ブースタ514が存在しない場合、V4と同じである)を平滑化することである。さらに、電流パスをR11とR12とで切り替えることは、出力がトランジスタM15及びM16の切り替え動作を制御する処理ブロック512によって導入される遅延により、R9とR10との切り替えと必ずしも厳密に同じ瞬間に行われるわけではない。結果として発生する電流スパイクも、フィルタキャパシタC11によって平滑化される。
図26は、図24のオプションの電圧ブースタ514のブロック図を示す。
図24に示されるように、電圧ブースタ514の入力516は電圧ノードV4に接続され、出力518はキャパシタC11及び電圧ノードV3に接続される。
電圧ブースタ514は電荷ポンプとして機能し、Favratら著「High−Efficiency CMOS Voltage Doubler」、IEEE J.Solid State Circuits、第33巻、第3号、410−416頁、1998年3月と同様である。回路は、2つのキャパシタC12及びC13、2つの「コレクタ」スイッチS7及びS8、並びに2つの「デポジット」スイッチS9及びS10を含む。キャパシタC13は電圧ノードV4と接地との間に配置される。キャパシタC12は、正(+)端子がスイッチS7及びS9に接続され、負(−)端子がスイッチS8及びS10に接続された「フライング」キャパシタである。スイッチは周期的に開閉され、周波数を従来通りに約100MHzであるように選ぶことができるポンプ発振器(図示せず)からの信号によって駆動される。スイッチは、デポジットスイッチS9及びS10が開いている間にコレクタスイッチS7及びS8が閉じられ、逆もまた同様になるように動作する。スイッチは、従来通り、Pチャネル及び/又はNチャネルMOSFET内に実装され得る。キャパシタのサイズは重要ではなく、サイズの比も重要ではない。以下の値を有する回路のシミュレーションにおいて、満足のいく結果が得られた。C11=10nF、C12=1nF、且つC13=10nF。
コレクタスイッチが閉じられているとき([コレクタフェーズ」中)、S7はC12の正端子をV4に接続するとともに、負端子を接地に接続し、それにより、キャパシタC12をキャパシタC13と並列に配置する。
コレクタフェーズでは、フライングキャパシタすなわちC12は、いくらかの電荷を電圧ノードV4にあるキャパシタC13から「集め」る。ノードV4には、キャパシタC13の電荷を常時補給するトランジスタM17(図24)からの電流が供給されることを想起されたい。
コレクタスイッチが開いているとき、デポジットスイッチは閉じられ(「デポジットフェーズ」中)、S9はC12の正端子をV3に接続し、S10はC12の負端子をV4に接続し、実際に、キャパシタC12をキャパシタC13と直列に配置するとともに、C12及びC13の組み合わせをC11と並列に配置する。デポジットフェーズでは、フライングキャパシタC12からのいくらかの電荷がキャパシタC11に転送(「デポジット」)され、電圧V3を増大させる。
ポンプ発振器は上述したようにスイッチS7〜S10を周期的に開閉させ、それにより、フライングキャパシタは、電荷を周期的に電圧ノードV4から電圧ノードV3にポンピングし、平衡に達したときにV3を(理想的には)V4の電圧の2倍まで増大させる。電圧ブースタ514は、スイッチS7〜S10内で失われる電力量はごくわずかであるため、略損失なしで動作する。その結果、電圧ノードV3での負荷(HDMI入力回路508)に提供される電力(電流×電圧)は、HDMI出力回路510と直列になった典型的な差動終端回路504によって供給される電圧ノードV4に送り込まれる電力と略等しい。したがって、典型的な差動駆動回路502に引き込まれる電流量はHDMIソース(Tx)内の電流源I3(10mA)によって決まり、V3から引き込まなくてはならないため、電圧ノードV4上のC13に供給するためにHDMIシンク(Rx)内の3.3V電源から供給される電流(最終的にはV3の半分)は、必ず2倍でなければならない。すなわち、20mAまで上げなければならない。
ここで、図24の説明に戻り、ブースト回路が、HDMI入力回路508の形態のHDMI終端及びHDMI出力回路510の形態のHDMIドライバを提供し、2つの回路が、実際に外部電力を必要とせずに、(オプションの電圧ブースタ514ありで、又はなしで)ノードV3及びV4を経由して相互接続されると結論付けることができる。V4を制御することによって回路の動作ポイントを設定するために、0.1mA(信号電流の1%)という小さなバイアス電流のみが+5V電源からとられる。
入力回路を使用して復元された差動信号(復元信号118)は、処理ブロック512によって処理されて等化信号122になり、等化信号122は、上述したように出力回路を駆動するために使用される。
処理ブロック512は、技術及び回路の実施形態に応じて、電圧ノードV3又はV4から得ることができる特定量の電力を必要とするアナログ処理回路(図7〜図23において説明した)を含む。しかし、本設計の制約により、この電力を供給し、同時にブースト回路506の入力及び/又は出力においてHDMI仕様を満たすことは難しい。それに代えて、本発明の好ましい実施形態によれば、処理ブロック512の電力は、HDMIソース(Tx)によってHDMIケーブルを通して+5V電源から得られる。しかし、+5V電源から利用可能な電流は非常に小さい(5mA)ため、その電力を非常に大事に使用することが重要である。電力コンバータ520は、アナログ処理回路に提供される電流を増大しながら、電圧を低減するために使用される。
図27は、電力コンバータ520のブロック図を示す。この回路は、2つの逓降回路522及び524を備える。第1の逓降回路522は、+5V電源から中間電圧(中間電圧ノード526、+2.5V)を生成し、第2の逓降回路524は、中間電圧から+1.25V供給電圧を生成する。次に、+1.25V供給電圧は、処理ブロック512内のアナログ処理回路、すなわちデスキュー回路110及び等化回路112に給電するために利用可能になる。
第1の逓降回路522は、キャパシタC14及びC15並びに4つのスイッチS11〜S14を備える。スイッチS11は、+5V電源とキャパシタC14の正端との間に接続され、スイッチS13は、キャパシタC14の正端と中間電圧ノード526(2.5V)との間に接続され、キャパシタC14の負端は、スイッチS14を経由して共通接地に接続されるとともに、スイッチS12を通って中間ノード526に接続され、キャパシタC15は、中間ノード526と共通接地との間に接続される。
第1の逓降回路522は、2つの重ならない位相、すなわち「充電」位相及び「放電」位相を有する2相クロック信号(図示せず)によって駆動される。「充電」位相中、スイッチS11及びS12は閉じられ、スイッチS13及びS14は開かれ、したがって、キャパシタC14は、+5V電源と中間電圧ノード526との間の回路に切り替えられる。「放電」位相中、スイッチS11及びS12は開かれ、スイッチS13及びS14は閉じられ、それにより、キャパシタC14は、キャパシタC15と並列する回路、すなわち中間電圧ノード526と接地との間の回路に切り替えられる。2相クロック信号の周波数は、従来通り、オプションの電圧ブースタ514(図26)の同様回路内のポンピングにも使用される周波数と同じ約15MHzであり得る。
逓降回路522が短時間実行され、平衡に達した後、中間電圧ノード526の電圧は、0Vから+5Vの入力電圧の約半分、すなわち2.5Vに上げられる。
第1の逓降回路522は、+5Vを+2.5Vに変圧する(略)ロスレスDC−DCコンバータとして効率的に機能する。第2の逓降回路524は、キャパシタC16及びC17並びに4つのスイッチS15〜S18を備える。スイッチS15は、中間電圧ノード526とキャパシタC16の正端との間に接続され、スイッチS17は、キャパシタC14の正端と+1.25V供給電圧出力との間に接続され、キャパシタC16の負端は、スイッチS18を経由して共通接地に接続されるとともに、スイッチS16を通して+1.25V供給電圧出力に接続され、キャパシタC17は、+1.25V供給電圧出力と共通接地との間に接続される。
第2の逓降回路524の動作は、第1の逓降回路522の動作と同様であり、同じ2相クロック信号を使用してスイッチS15〜S18を開閉して、+1.25V供給電圧を生成する。
したがって、電力コンバータ520は、+5Vを+1.25Vに変圧する(略)ロスレスDC−DCコンバータである、第1及び第2の逓降回路522及び524の組み合わせとして実現され得る。
パラメータセットアップ
4つのブースト回路を備えた改良型HDMIケーブル20は、いくつかの異なる長さの基本(受動)HDMIケーブル40のうちの任意のものを使用して製造することができる。本発明のさらなる目的は、ケーブルの差動スキュー及び周波数応答を補償するようにデスキューパラメータ及び等化パラメータを較正する方法を提供することである。
上の図5及び図6に示すように、パラメータメモリ102は、各差動デスキュー回路110のデスキューパラメータ入力126及び各等化回路112の等化パラメータ入力128に接続される。パラメータメモリ102には、製造時にパラメータ値をロードすることができる。
パラメータメモリ102は、ブースト装置100内に統合してもよく、又は小型プリント配線基板(PCB)又は他のキャリアにブースト装置100と共に搭載される別個の素子であってもよい。
パラメータを較正する3つの代替の方法、すなわちリアルタイム較正方法、周波数領域較正方法、及び時間領域較正方法が提案される。物理的なケーブルはかなり安定しているため、こういったパラメータが最初に設定された後、現場で動的に調整することは、リアルタイム較正方法は確実にこれを実行するように適合可能ではあるが、意図されない。
すべての較正方法において、較正プロセスを制御する(パラメータを設定する)ブースト装置へのアクセスは、「シリアルデータ」(SDA)及び「シリアルクロック」(SCL)を備える制御バスの形態の「他のHDMI信号」54(図5)内で提供される。
図28は、図4の改良型HDMIケーブル20を示し、ケーブルの較正に利用可能な外部接続を示す。ブースト装置30への直接の物理的なアクセスはなく、既存のHDMI信号のみが使用されることに留意する。較正プロセスにおいて使用される接続は、接続532:+5V電源と接地(2本線)、接続534:4つの差動チャネル入力(8本線)、接続536:4つの差動チャネル出力(8本線)、及び接続538:制御バスSDA+SCL(2本線)である。
電源(532)のワイヤ及び制御バス(538)のワイヤは単純に、ケーブル20を通るため、両端で見られる。差動入力チャネル及び差動出力チャネル(それぞれ534及び536)は、ケーブル内のブースト装置30(100)上で終端する。
図29は、リアルタイムケーブル較正方法において使用されるリアルタイム構成540を示す。リアルタイム構成540は、リアルタイムテスト機器542及び図4の改良型HDMIケーブル20を含むが、改良型HDMIケーブル20は拡張ブースト装置544を含む。拡張ブースト装置544は、ブースト装置30(図5)及びブースト信号124を解析し制御バス538へのアクセスを提供する追加の回路を含む。
リアルタイムテスト機器542は、電力をケーブルに供給する+5V電源(+5V電力及び接地532)、HDMI準拠差動データ及びクロック信号を生成して、差動チャネル入力534を供給するデータパターン生成器、及びデータパターン生成器が出力するデータパターンを制御するとともに、制御バス(SDA+SDL)538を経由してケーブル内の拡張ブースト装置544と通信する制御コンピュータ(PC)を含む。1組の典型的な差動終端回路504(図24)を含む終端装置「Term」が、差動チャネル出力536に接続される。
ケーブルを較正するために(各ケーブルは、製造時に個々に較正される)、リアルタイム較正方法は以下のステップを含む。
−PC内の制御プログラムが、データパターン生成器にHDMIデータパターンをケーブルの差動チャネル入力534に送信するように命令する。
−PC内の制御プログラムは、制御バス538を使用して、デスキューパラメータ及び等化パラメータを拡張ブースト装置544に送信する。
−拡張ブースト装置544は、設定されたパラメータによって決まるデスキューステップ及び等化ステップを実行する。
−拡張ブースト装置544は、デスキューされ等化された信号の品質を解析する。
−拡張ブースト装置544は、制御バス538を経由して品質結果をPCに報告する。
−各差動チャネルに対して異なる差動パラメータを使用して上記ステップを繰り返す。
−最良の設定が決定され、拡張ブースト装置544内のパラメータメモリ102内に永久的に設定される。
較正されたケーブルの適宜動作を確認するための追加チェックのために、データパターン生成器からケーブルの差動チャネルに送信された既知のパターンの受信が、拡張ブースト装置544内で検証される内蔵自己テスト(BIST)を拡張ブースト装置544内に含め得る。
図30は、図5のブースト装置30、制御インタフェース546、及び性能解析回路548を含む拡張ブースト装置544の簡略ブロック図を示す。4つのチャネルブースト回路100のうちの代表的な1つのみが図30に示されるが、3つの各差動TMDSチャネル及び差動クロックチャネルが各チャネルブースト回路100によって処理されることが理解される。
制御インタフェース546は、制御バス538を経由してリアルタイムテスト機器542と通信するとともに、パラメータセットアップリンク550を経由して(ブースト装置30内の)パラメータメモリ102と通信する。
性能解析回路548は、拡張ブースト装置544が較正中のときのみアクティブ(制御インタフェース546の制御下で電源投入される)である。
性能解析回路548は、差動−シングルエンドブロック552、線形位相補償器554、オーバーサンプリング・リクロックブロック556、及びトレーニング機能ブロック558を含む。トレーニング機能ブロック558の出力は、制御リンク560を経由して制御インタフェース546の入力に接続される。トレーニング機能ブロック558の2つのオプションの出力(パラメータリンク561)が、パラメータメモリ102を迂回してチャネルブースト回路100のデスキューパラメータ入力126及び等化パラメータ入力128に接続される。
図30には、任意の差動チャネルからクロックを復元し、多相クロック信号(クロック位相PH0〜PH23)を生成する従来のクロック復元回路は示されていない。多相クロック信号の生成は、クロックの複数の位相を生成するいくつかの任意の既知の技法を使用して位相ロックループを使用して達成でき、本明細書では詳述しない。
4つの各チャネルブースト回路100は、リアルタイムケーブル較正方法によって較正されているが、「ブースト信号」ペア124はタップされ性能解析回路548に接続される。
4つのチャネルブースト回路100を順次較正するために、単一の共通性能解析回路548を共有し得ることに留意する。あるいは、チャネルブースト回路100を並列に較正可能にする複数の性能解析回路548を拡張ブースト装置544内に含め得る。
性能解析回路548内で、この差動信号は差動−シングルエンドブロック552に接続され、差動−シングルエンドブロック552は、ブースト信号124をシングルエンド信号562に変換し、シングルエンド信号562は線形位相補償器554に入力され、線形位相補償器554は、多相クロック信号のPH0位相も受け取り、出力として位相整列信号564(すなわち、前処理済みデータ信号)を生成する。
オーバーサンプリング・リクロックブロック556は、位相整列信号564並びに多相クロック信号の24すべての位相(PH0〜PH23)を受け取り、24サンプルのデジタルサンプル信号566を生成し、次に、この信号はトレーニング機能ブロック558に入力される。
アナログ位相復元(線形位相補償器554)
差動−シングルエンドブロック552内でシングルエンド信号562に変換された後、データをサンプリングする(デジタル信号に変換する)準備が整う。しかし、問題は、サンプリングクロックに対するデータの位相が未知であることである。この位相関係が未知の場合、データ遷移中にサンプリングされ、データストリーム内のデータを誤解釈する危険がある。オンボードクロック(多相クロックのPH0)とデータ(シングルエンド信号562)との位相関係を定義するために、(線形位相補償器554内の)アナログ位相検出器が使用される。データ及び復元クロックの周波数は、両方のタイミングが同じソース、すなわち送信されるクロックから導出されるため等しく、周波数調整の必要はない。線形位相補償器554は、Afshin Rezayee及びKen Martinによる「A 10−Gb/s Clock Recovery Circuit with Linear Phase Detector and Coupled Two−stage Ring Oscillator」と題される論文において説明される方式と同様の方式を利用する。この論文は、イタリアフローレンスでの2002年European Solid State Circuits Conference (SSCIRC),419−422頁において発表されたものであり、参照により本明細書に援用される。
Rezayee及びMartinのこの位相検出方式では、データストリーム内の立ち上がりエッジを中心として時間窓が生成される。位相検出器は、この窓内でのみイネーブルされる。窓は、1つのみのクロックエッジの存在が保証されるような長さのものである。Rezayee及びMartinの実施では、クロック及びデータは、クロックエッジがデータビットの中央で発生するようにロックされる。これにより、整列クロックがデータが安定した領域内でサンプリングすることが可能になる。
本明細書において説明する位相検出回路の実施態様では、線形位相補償器554がクロックのエッジとデータのエッジとを整列させる。結果として生成される位相整列データ信号(位相整列信号564)は続けて、別個の回路ブロック(オーバーサンプリング・リクロックブロック556)内でオーバーサンプリングされ、それからビット値を決定することができる。
図31は、線形位相補償器554の例示的な実施態様のブロック図を示す。線形位相補償器554は、
−データ入力(Din)及び制御入力(Cin)を有するプログラマブルアナログ遅延568と、
−アナログ位相検出器(APD)570と、
を備え、アナログ位相検出器570は、−窓生成器572と、−クロック入力「Ck」、データ入力「データ」、及びイネーブル入力ENを有する位相検出器574と、−入力「アップ」及び「ダウン」を有するとともに、キャパシタC18を含む電荷ポンプ576とを含む。
線形位相補償器554への入力は、データ信号(シングルエンド信号562)及びクロック信号(復元された多相クロックのPH0)である。データ信号は、出力が位相整列信号564(前処理済みデータ信号)であるプログラマブルアナログ遅延568のデータ入力(Din)に接続される。この信号(564)は、出力が位相検出器574のイネーブル入力「EN」に接続される窓生成器572の入力にさらに接続される。位相検出器574のクロック入力「Ck」は、多相クロック信号の位相0(PH0)を受け取る。位相検出器574の出力は、電荷ポンプ576の「アップ」入力及び「ダウン」入力を駆動する。電荷ポンプ576の出力はアナログ制御信号であり、プログラマブルアナログ遅延568の制御入力Cinに接続される。
窓生成器572は、入力データの正エッジを検出し、データがロックされるべきクロックのエッジを含むことが保証される持続時間の、位相検出器574のイネーブル(EN)信号を生成する。
位相検出器574は、窓生成器572によって供給されるイネーブル信号(EN)を使用して、イネーブル信号(EN)の長さにわたって「データ」信号の位相と「Ck」信号の位相とを比較する。位相検出器の出力は、キャパシタC18を充電するか、又は他の適した手段によって制御電圧を生成する制御電圧生成器である電荷ポンプ576によってプログラマブルアナログ遅延568を制御する。
プログラマブルアナログ遅延568は、制御信号を位相検出器570からとり(制御入力「Cin」)、プログラム可能な量だけデータ信号を遅延させて、クロック信号と整列させる。したがって、プログラマブルアナログ遅延568の出力は位相整列信号564である。
この線形位相補償器554は、ISI(シンボル間干渉)及びジッタが存在する中でロバストに機能し、オンボードクロックのエッジをデータチャネル内の略「理想的な」データ遷移ポイントと整列させる。
オーバーサンプリング
位相整列(データ)信号564は、まだシンボル間干渉(ISI)、歪み、ノイズ、及び他の欠陥を含み得るレールツーレールアナログ信号である。オーバーサンプリング・リクロックブロック556(図30)において、この信号は、信号のクロックレートの12倍のレートで効率的にサンプリングされる。すなわち、各ビット周期中、データ信号は12の等間隔のインターバルでサンプリングされ、12個のデジタルサンプルを生成する。信号が高速なこと(通常、1.65GB)により、信号を12倍高速のクロック信号を使用して実際にサンプリングすることは現実的ではない。それに代えて、信号をクロック信号の等間隔の12個の位相を使用してサンプリングし、各クロック位相がデジタルサンプルを生成し、したがって、1データビットを表す12個のサンプルを生成することにより、同じ効果が得られる。本実施形態では、24個のクロック位相(多相クロック信号のPH0〜PH23)が、12個のサンプリング位相内の1データビットのみならず、6個のサンプリング位相内の先行データビットの後ろ半分及び別の6個のサンプリング位相内の次のデータビットの前半分を捕捉するために使用される(こうして「将来」を見るために、従来のデジタルレジスタロジック及びパイプライン処理が使用される。)。
オーバーサンプリングにより、用語「ビット」は曖昧になり得る。説明したように、用語「ビット」、「プライマリデータビット」、及び「ビットクロック周期」は、公称1.6GBデータビット及びその周期を示すために使用され、「サンプル」及び「サンプルビット」は、1ビットクロック周期当たり12個のサンプルのうちの1つを示すために使用され、「24サンプルワード」は24サンプルのアンサンブルを示すために使用される。
したがって、オーバーサンプリング・リクロックブロック556は、24サンプルのデジタルサンプル信号566を出力することによって24個のサンプル(「24サンプルワード」)をビットクロックレートで生成する。
図32は、図31のプログラマブルアナログ遅延568内のデータ位相シフト及び図30のオーバーサンプリング・リクロックブロック556内のオーバーサンプリングを示す。図32のダイアグラム600は、例示的な波形602、遅延波形604、1組のサンプリングクロック606、24サンプルワード608、及びビット周期及び前後のビットを示すスケールを示す。
例示的な波形602は、位相整列前のシングルエンド信号562(図30)の一例を表す。信号が、1−0遷移近くでいくらかの歪み(ノイズ又はISI)を有する「1」ビットとして現れ、示されるビット周期と整列していないことに留意する。遅延波形604は、線形位相補償器554を通しての遅延後の対応する位相整列信号564を表す。信号はここで、示されるビット周期とおおよそ整列するが、まだ歪みを含むことに留意する。この信号は、オーバーサンプリング・リクロックブロック556内の1組のサンプリングクロック606によって示される多相クロックの24個の位相(PH0〜PH23)を使用してサンプリングされ、結果として24サンプルワード608が生成される。24サンプルワード608は、先行ビット周期から6個のサンプル(000000)、ビット周期から12個のサンプル(111111111100)、及び後続ビット周期からさらに6個のサンプル(000000)を含む。
24サンプルワード608は、オーバーサンプリング・リクロックブロック556によって24サンプルのデジタルサンプル信号566としてトレーニング機能558に出力される。
アイ品質判断
トレーニング機能558(図30)は、図32の24サンプルワード608に示されるような24サンプルワードストリームである24サンプルのデジタルサンプル信号566を評価することにより、フィードバックをリアルタイムテスト機器542に提供することができる。このように、時間領域テスト機器542は、現在較正中のチャネルブースト回路100の調整可能パラメータを調整することが可能であり得る。
本発明の好ましい実施形態において採用される手法は、考えられるこれらパラメータの設定の各順列を系統的に検討し、前処理済み信号(24サンプルのデジタルサンプル信号566としてオーバーサンプリングされるシングルエンド信号562)を観察してその品質を測定し、「品質ナンバ」の形態の品質尺度を取得し、最良の品質ナンバをもたらす設定をパラメータメモリ102(図30)に保持する手法である。
デスキュー設定及び等化器設定は以下を含み得る(実施形態例での実際の値は、ビットオーバーサンプリング係数12に基づいて括弧内に示される)。
−差動遅延補償の設定(約0psec〜約360psecの範囲の7つの値)
−差動遅延の正極信号又は負極信号への挿入(正又は負)
−最大で32個の周波数応答(ケーブル)等化設定
ビットクロックとデータビットとの位相オフセットはここでは対象ではなく、線形位相補償器554によって独立して自動的に調整されることに留意する。デスキュー及び等化が最適な設定付近内にある場合、位相整列データ信号564の位相はかなり正確であり、公称ビット周期は、24サンプルワードの真ん中の12個のサンプルにセンタリングされる。そうではない場合、データ/クロック位相の整列が最適未満であっても問題ではない。
トレーニング機能558の実施態様
リアルタイム較正方法は、上述したように(図30)PCを通してのステップ毎の制御下で行うことができるが、トレーニング機能558がパラメータメモリ102を迂回し、パラメータ(126及び128)の試行値を設定する反復ステップを実行し、各チャネルの最終結果のみをPCに報告することが可能であり、そしてPCが「最良」の設定をパラメータメモリ102にロードし得ることが有利であり得る。
あるいは、PCをリアルタイム較正を開始するためにのみ使用し、最終結果(「最良の設定」)が、PCの介入なしでパラメータメモリに自律的にロードされ得る。
図33は、トレーニング機能558の好ましい実施形態であるトレーニング機能回路700の簡略ブロック図を示す。トレーニング機能700は以下のブロックをふくむ。
−ビット長検出ブロック702
−参照番号704〜718で示される1組の長さiカウンタ(i=5〜12)
−最良品質ナンバレジスタ722を含むビット品質計算器720
−入力D及びW並びに出力Qを有する最良設定メモリ724
−書き込みイネーブルゲートEN726
−現在設定メモリ728
−評価ラン制御ブロック730
−セレクタMUX732
トレーニング機能700への入力は、ビット長検出ブロック702に接続される24サンプルのデジタルサンプル信号566及びクロック(多相クロック信号のPH0)である。ビット長検出ブロック702の出力は、1組のカウントイネーブル信号734であり、カウントイネーブル信号が1つずつ各長さiカウンタ704〜718に接続される。各長さiカウンタ704〜718の出力は、入力をビット品質計算器720に提供する。そして、ビット品質計算器720は、「最良設定保存イネーブル」制御信号736を使用して書き込みイネーブルゲートEN726に接続される。書き込みイネーブルゲートEN726の他方の入力は、「計算終了」信号738を評価ラン制御ブロック730から受け取る。書き込みイネーブルゲートEN726の出力は、最良設定メモリ724の書き込み制御入力「W」に接続される。最良設定メモリ724の出力Qは、デスキュー及び等化の設定値を表すデジタル制御ワードであるマルチビット「最良設定」信号740を送る。「最良設定」信号740は、セレクタMUX732の2つのデータ入力のうちの一方に接続され、セレクタMUX732の他方のデータ入力は、同様のデータワード、すなわち「現在設定」信号742を現在設定メモリ728から受け取る。「現在設定」信号742は、最良設定メモリ724のデータ入力Dにも加えられる。評価ラン制御ブロック730の出力は、書き込みイネーブルゲートEN726(すでに上述した)に接続される「計算終了」信号738及びセレクタMUX732の選択入力に接続される「サーチ終了」信号744を含む。セレクタMUX732の出力(「サーチ終了」信号744の状態に応じて「現在設定」742又は「最良設定」740を出力する)は、デスキューパラメータ126及び等化パラメータ128に分けられ、これらのパラメータはパラメータリンク561に送出される。図30を参照のこと。
トレーニング機能700は、PC内の制御プログラムによって要求され得るように評価ラン制御730を開始し、「最良設定」信号740又は「現在設定」信号742を報告するために、制御リンク560及び制御インタフェース546(図30)によってリアルタイムテスト機器542(図29)内のPCにさらに接続される。
トレーニング機能700の全体動作は、手短に述べれば、予め定義される各組のパラメータ設定(「現在設定」)に対して特定の時間期間(受け取られるデータビットの特定の数Nに対応する)中にテストを実行(「評価ラン」)できるようにする評価ラン制御ブロック730によって制御される。トレーニング機能700の各「評価ラン」は、Nプライマリデータビットに等しい持続時間(「N」ビットの観察期間)にわたって実行される。「トレーニングラン」は、それぞれ異なる組の「現在設定」を使用する一連の「評価ラン」である。「トレーニング機能」の目的は、「最良」(最高)の品質ナンバを与えるデスキュー設定及び等化設定の順列を選択し、PCがパラメータメモリ102に続けてロードする較正結果として、制御リンク560及び制御バス538を経由してこれら設定をPCに報告することである。トレーニング機能は、制御リンク560を経由してPCから受け取られるトリガによって呼び出す(開始する)ことができる。「トレーニングラン」の動作についてはフローチャート(以下の図34)の助けによりさらに説明する。図33に示されるトレーニング機能700の個々のブロックの機能をまず手短に説明する。
ビット長検出ブロック702は、上述したように(図32)、(公称では真ん中の12個のサンプル内の)オーバーサンプリングされた受信ビット及び隣接ビットのサンプルを示し、24ビット(サンプル)のデジタルワードとして扱う24サンプルのデジタルサンプル信号234を受け取り、このような各デジタルワードクラスタ(ラン)内で、各端で少なくとも1つの「0」によって囲まれる隣接する「1」を検出する。例えば、図32の24サンプルワード608「000000111111111100000000」は、一続きになった10個の「1」サンプルを含む。ビット長検出ブロック702の機能は、含まれる一続きの「1」(もしあれば)の長さによって到着した各24サンプルワード608を分類し、対応する長さiカウンタ(704〜718)をそれに従って増分することである。上記例では、長さ10カウンタ714が増分される。
5未満又は16以上の長さのカウンタがないことに留意する。これらの長さは無視される。
したがって、長さiカウンタ704〜718は、各評価ランでのデジタルサンプル信号234内の24サンプルワードストリーム内の対応する長さの一続きの「1」の発生数を記録し累積する。
各評価ランの終わりに、長さiカウンタ704〜718の出力はビット品質計算器720に供給され、ビット品質計算器720は、ヒューリスティックアルゴリズムに従って累積された長さカウントのアンサンブルから品質ナンバを計算する。アナログフロントエンドを「トレーニング」する目的が、最も適切な等化設定(図2及び図22の等化ブロック206参照)に繋がるとともに、存在し得るいかなる差動スキューも差動デスキュー204を調整することによって「最適に」除去する設定である「最良設定」を見つけることであることを想起されたい。完全に位相整列した(図23の線形位相補償器210参照)「1」と「0」が交互になった理想的なデータ信号は、オーバーサンプリング後、
000000111111111111000000
111111000000000000111111
という連続した24サンプルワードになり、ランレングス12のカウントが高くなる。一続きのいずれかの端に「0」サンプルを有する連続した「1」サンプルのみがカウントされるため、ランレングス6はカウントされない。したがって、窓の端にある6個のサンプルはカウントされず、これらは、先行又は後続するビット周期内でそれぞれカウントされた、又はカウントされることになるビットの部分である。
信号の形状が完全(1ビット当たり12個の「1」サンプル)ではないが、位相整列が1つ又は少数のサンプル分、スキューした場合、その結果として、ランレングス12に高いカウントが同じように記録され得る。信号が歪んだ場合(不完全な差動デスキュー、高ISI、又は非最適な等化設定)、他の長さが記録され得る。
評価ランの終わりに、ビット品質計算器720は、各長さiカウンタ704〜718の中身を長さに固有の重みと乗算し、その積を合算することによって品質ナンバを計算する。
i=5〜12の場合、ビット品質ナンバ=SUM(Length.sub.iカウント×Weight.sub.i)
以下の組の重みが本発明の実施形態において使用されたが、他の重みも良好な結果を与え得る。
Weight.sub.5=−2
Weight.sub.6=−2
Weight.sub.7=−1
Weight.sub.8=1
Weight.sub.9=1
Weight.sub.10=2
Weight.sub.11=4
Weight.sub.12=8
選択された重みの大きさは、予期され得るように、完全なパルスを示す12のランレングスが最高の重みを有し、8未満のランレングスが深刻な歪みを示し得、その結果としてビット品質ナンバに負の寄与を与える。
特定の設定セット(現在設定)を使用しての各評価ランからのビット品質ナンバは、現在(レジスタ722に)記憶されている最良品質ナンバと比較される。前の最良品質ナンバを超える場合、最良品質ナンバ722はより高いナンバで更新され、現在設定は最良設定メモリ724に保存される。ビット品質計算器720の出力(「最良設定保存イネーブル」制御信号736)が書き込みイネーブルゲートEN726内の評価ラン制御ブロック730からの「計算終了」信号738とAND演算されて、最良設定メモリ724の書き込み信号(「W」入力)を生成し、それと同時に、現在設定(現在設定メモリ728からの「現在設定」信号742)が最良設定メモリ724のデータ入力「D」に提示され、最良設定メモリ724に現在設定を記憶させるこの機能は、図33に示される。
一方、所与の現在設定について、レジスタ722にすでに記憶されている最良品質ナンバ以下のビット品質ナンバが得られる場合、書き込みイネーブルゲートEN726はイネーブルされず、現在設定は最良設定メモリ724に記憶されない。
評価ラン制御ブロック730は、各評価ランにおいて、現在設定順列を選び、各評価ランの持続時間にわたって現在設定順列を現在設定メモリ728に記憶する。各評価ラン中、「現在設定」742は、セレクタMUX732を通して供給されて、デスキューパラメータ及び等化パラメータ(126及び128)を(パラメータリンク561を経由して)差動デスキューブロック及び等化ブロック(それぞれ110及び112)に提供する。
全順列が尽きた後、すなわち「トレーニングラン」の終わりに、「サーチ終了」信号744が評価ラン制御ブロック730によってアサートされ、次に、評価ラン制御ブロック730は、セレクタMUX732に「最良設定」をデスキューパラメータ信号及び等化パラメータ信号(126及び128)に(パラメータリンク561を経由して)送る。
各評価ランが行われる受信データビットNの数は、PCの制御下で決定することができ、PCは、較正中にデータパターン生成器が送るべきデータパターンも決定する。数Nは、ケーブルの長さ及びデータパターンの性質に応じて約256〜10000の範囲を有し得る。
現行技術の制限により、トレーニング機能回路700のブロック702〜718は複製される(図33に複製は示されない)。これら各ブロックは半分の速度で動作し、交互に受信するデータビットの24サンプルのデジタルサンプル信号566を処理し、各評価ランの終わりに、ビット品質ナンバが単純に、両方のカウンタセットの中の長さiカウンタの中身から計算される。したがって、実際には、合計で2Nビットが各評価ランで処理される。
実施形態であるトレーニング機能回路700と細部が異なり得るトレーニング機能558の代替の実施態様も考案される。例えば、受信データ信号をオーバーサンプリングするクロック位相数は、24より少なくても又は多くてもよく、オーバーサンプリングの窓は少なくとも1ビット周期(中央サンプリング)を含み得るが、隣接ビットに関してより狭くても又は広くてもよい。「1」サンプルのランレングスをカウントする代わりに、「0」サンプルのランレングスを累積してもよく、異なる重みをランレングスカウントに適用してもよい。当業者が想至し得るこれら及び他の変形は本発明の範囲内に含まれる。
図34は、(図33の実施形態であるトレーニング機能回路700に対応する)トレーニング機能558の動作を示すトレーニングラン800の高レベルフローチャートを示す。トレーニングラン800は、呼び出されて、「開始」から動作又は論理判断のいずれかであるいくつかのステップを通して「終了」までを実行し得る有限プロセスである。
802:「最良品質ナンバ(bestQN)をリセットする」
804:「第1の現在設定を取得する」
806:「評価ランを行う」
808:「品質ナンバ(QN)を計算する」
810:「計算された品質ナンバが最良品質ナンバよりも大きいか(QN>bestQN)?」イエス又はノー
812:「最良設定を現在設定に設定し、最良品質ナンバを計算された品質ナンバに設定する(bestSettings:=currentSettings;bestQN:=QN)」
814:「トレーニングが終了か?」イエス又はノー
816:「次の現在設定を取得する」
818:「最良設定をPCに送る」
現在設定は、制御可能なパラメータ、すなわち差動デスキューパラメータ126及び等化パラメータ128(図30)を指す。トレーニングランの始めに、記憶されていた変数「最良品質ナンバ」(bestQN)が初期化され(「bestQNをリセットする」802)、第1のパラメータセットが作成される(「第1のcurrentSettingsを取得する」804)。この後、ステップ806(「評価ランを行う」)から816(「次のcurrentSettingsを取得する」)までループし、このループは、ステップ814(「トレーニングが終了か?」)によって示されるように、すべての設定(パラメータの順列)が消費され、トレーニングが終わるまで実行される。トレーニングラン800は、ステップ818(「bestSettingsをPCに送る」)で終了する。
ループ(ステップ806〜816)内では、ステップ806(「評価ランを行う」)の後にステップ808(「品質ナンバを計算する」)が続き、ステップ808において、品質ナンバが評価ランの結果から計算される。このステップ808は、例えば、図33のビット品質計算器720によって実行され得る。次のステップ810「計算された品質ナンバが最良品質よりも大きいか」において、最後に計算された品質ナンバ(QN)と記憶されている「最良品質ナンバ」(bestQN)とが比較される。QNがbestQNよりも大きい場合、現在設定が変数「bestSettings」に割り当てられて記憶されるとともに、記憶されている変数「bestQN」も最後に計算されたQNで交換される(ステップ812)。ステップ814「トレーニングが終了か?」において、有効なすべてのパラメータ順列が評価されたか否かが判断される。トレーニングが終了ではない場合、次の順列がステップ816「次の現在設定を取得する」において作成され、ループは評価ラン(ステップ806)に続く。評価する順列がもうない場合、トレーニングは終了し(ステップ814「トレーニングが終了か?」の「イエス」)、現在設定は放棄され、ステップ818において、bestSettingsがPCに送られ、それからトレーニングラン800が終了する。
ステップ806の評価ランは、図35に示される例示的な評価ラン方法900のサブルーチンフローチャートにさらに詳述される。評価ラン900は、「入る」から動作又は論理判断のいずれかであるいくつかのステップを通って「戻る」まで流れる。
902:「currentSettingsを差動デスキュー・等化ブロックに送る」
904:「Length[i]カウンタをリセットする」
906:「次のオーバーサンプルビットを取得する」
908:「ランレングス(RL)を計算する」
910:「RL[i]が0ではない各iについて、Length[i]カウンタを増分する」
912:「評価ランが終了か?」
現在設定(「トレーニングラン」800のフローチャート参照)は、ステップ902において、差動デスキューブロック110及び等化ブロック112に(パラメータリンク561を経由して)送られ、評価ラン900中、一定のままである。ランは、ステップ904においてすべてのLengthカウンタを0(ゼロ)にリセットすることによって初期化される。これらカウンタは、実施形態であるトレーニング機能回路700(図33)のLengthカウンタ704〜718に対応する。本発明の本実施形態では、i=5〜15のカウンタ(選択されたランレングス5〜15)のみが提供されるが、他の範囲を使用してもよい。
ステップ906において、次のオーバーサンプリングデータビット及び隣接するサンプルが得られる。この「オーバーサンプル」は、先の説明(図30)の24サンプルのデジタルサンプル信号566に対応する。次のステップ908(「ランレングスを計算する」)において、受け取ったオーバーサンプルが解析され、上述したように「1」のランレングスが求められる(図33のビット長判断702)。このステップは、オーバーサンプル内で見つかった各ランレングス(ランレングス5〜15のみが範囲に含まれる)の指示を生成する。次のステップ910(「RL[i]が0ではない各iについて、Length[i]カウンタを増分する」)において、ランレングスが前のステップにおいて示された各Length[i]カウンタが増分される。
十分な数のデータビット(オーバーサンプル)が処理された場合、評価ランの終了がステップ912「評価ランが終了か?」において示される。換言すれば、簡単なループカウントが保持され、評価ランが終了し、すなわちトレーニングラン800内の次のステップ808に戻り、長さカウンタの中身は品質ナンバに変換される。
トレーニング機能の実施形態であるトレーニング機能回路700を使用して、実施形態であるリアルタイム構成540とは細部が異なり得るリアルタイムケーブル較正方法の代替の実施態様も考案される。例えば、ビット品質計算等のトレーニング機能のいくつかの機能は、拡張ブースト装置544内ではなくPC内で実行してもよく、この場合、制御バスを経由して長さiカウンタ(704〜718)の中身を拡張ブースト装置544からPCに周期的に通信する必要がある。当業者が想至し得るこれら及び他の変形は本発明の範囲内に含まれる。
図36は、周波数領域及び時間領域の較正方法の一般的なテストセットアップ1000を示す。一般的なテストセットアップ1000は、改良型HDMI(高精細マルチメディアインタフェース)ケーブル20(図28参照)、PC1002、及びVNA(ベクタネットワークアナライザ)又はTDR(時間領域反射率計)のいずれかであるテスト機器1004を含む。PC1002は、ケーブルの制御バス(SDA+SCL)538に取り付けられる。テスト機器1004は、ケーブルの両端において差動チャネル、すなわち、4つの差動チャネル入力(8本線)534及び4つの差動チャネル出力(8本線)536に接続される。
テスト機器1004は、標準PCインタフェース1006を経由してPC1002によって制御され、刺激信号をケーブル入力(534)に送信し、ケーブル出力(536)から測定結果を受信する。結果は、標準PCインタフェース1006を経由して評価のためにPCに渡される。
VNA又はTDRのいずれかであるテスト機器1004を使用して、ケーブルの周波数減衰特性及び遅延特性の両方を取得することが可能であるが、周知の数学的変換が、VNA又はTDRのそれぞれを使用して取得される周波数領域結果と時間領域結果との変換を行うために必要である。
図37は、改良型HDMIケーブル20内のブースト装置30を較正する際に一般的なテストセットアップ1000と併せて使用できる較正方法1100の簡略化された高レベルフローチャートであり、較正方法1100はいくつかのステップを含む。
1102:「第1のデスキューパラメータ設定を選択する」
1104:「差動スキューを測定する」
1106:「スキューは許容可能か?」(イエス:ステップ1110に進む、ノー:ステップ1108に進む)
1108:「デスキューパラメータ設定を変更する」
1110:「第1の等化器設定を選択する」
1112:「減衰を測定する」
1114:「減衰は許容可能か?」(イエス:終了に進む、ノー:ステップ1116に進む)
1116:「等化器パラメータ設定を変更する」
較正方法1100は、2つのフープ、すなわちデスキューパラメータを設定する第1のループ(ステップ1104〜1108)及び等化器パラメータを設定する第2のループ(ステップ1112〜1116)を含む。較正方法は、(任意の)第1のデスキューパラメータ設定で開始され(ステップ1102)、PC1002が第1のデスキュー設定をブースト装置30(図36)のパラメータメモリ102にロードする。
ステップ1104において、較正中の差動チャネルのエンドツーエンド(入力534からブースト装置30を含む改良型HDMIケーブル20を通って出力536までの)差動スキューが、テスト機器1004によって測定され、PC1002に報告される。
ステップ1106において、測定結果はPCにおいて処理され、テストのスキュー閾値セット及び前のテスト結果と比較される。結果が許容可能であると証明される場合、すなわち結果がスキュー閾値よりも低い(且つ理想的には最小である)場合、較正方法はステップ1110に進み、その他の場合、デスキューパラメータ設定は変更され(ステップ1108において)、較正方法はステップ1104にループして戻る。
すべてのデスキュー設定が試行された後、許容可能な差動スキュー測定が見つからないという希な事態では、ケーブルは欠陥とみなされる。
ステップ1110において、較正方法は(任意の)第1の等化器パラメータ設定に進み、PC1002が第1の等化器設定をブースト装置30(図36)のパラメータメモリ102にロードする。同じロット内のすべてのケーブルは同様の特性を有するため、同じ等化器値を同じロットからのすべてのケーブルに設定して、製造時に時間を節約することも望ましいことがある。
ステップ1112において、較正中の差動チャネルのエンドツーエンド(入力534からブースト装置30を含む改良型HDMIケーブル20を通って出力536までの)減衰が、テスト機器1004によって測定され、PC1002に報告される。等化器パラメータの略最適な設定を保証するために、最高で差動チャネル内で送信される最高速信号の周波数程度から最高でデータの2/(ビット時間)−4(ビット時間)の周波数程度までの周波数での減衰を測定する必要がある。
ステップ1114において、測定結果(対象範囲内の全周波数で測定された利得値)がPC1002において処理され、0dbに近いか、それよりも大きく(HDMI仕様の最小要件)、且つ所定の限度未満である所定範囲内にあるという要件と比較される。結果が許容可能である、すなわち、所定の範囲内にあると証明される場合、較正方法は終了し、その他の場合、等化器パラメータ設定は変更され(ステップ1116において)、較正方法はステップ1112にループして戻る。すべての等化器設定が試行された後、許容可能な減衰(利得)測定が見つからないという希な事態では、ケーブルは欠陥とみなされる。
この較正方法をケーブルの4つの各差動チャネルに対して首尾良く実行する必要があり、その後、ケーブルは較正され、HDMI仕様を満たすものとみなされる。
図38は、変更された改良型HDMIケーブル1200の形態の本発明の代替の実施形態を示す。変更された改良型HDMIケーブル1200は、基本HDMIケーブル40(改良型HDMIケーブル20内の使用法と変わらない)、小型プリント回路基板(PCB)1202、コネクタ1204、及びPCB1202に搭載された変更されたブースト装置1206を備える。
PCB1202は、変更されたブースト装置1206に物理的な支持並びに基本HDMIケーブルの導体への接続(PCBトラック)を提供する。
変更されたブースト装置1206はブースト装置30に基づき、追加の入力が設けられている。ブースト装置30が、基本HDMIケーブル40を通って伝搬する差動信号の極性の既存の時間スキューを調整する差動デスキュー回路110(図5)を含むいくつかの機能を提供することを想起し得る。
ブースト装置30内で、各差動信号(図6のHDMI入力50)の各極性はブースト装置30に直結される。
変更された改良型HDMIケーブル1200では、各差動信号の各極性は、図38に示されるPCB1202のトラックを通して変更されたブースト装置1206の2つ以上(好ましくは3つ)の選択可能な入力に接続される。明確にするために、変更されたブースト装置1206の3つの入力に接続されたHDMI入力50のうちの1本の例の正極のみが示される。
−単極信号リード1208が直接、又はショートPCBトラックを経由して基本ケーブル40から変更されたブースト装置1206の第1の入力端子1210に接続される。
−第1の入力端子1210は、第1のPCBトラック1212を通って変更されたブースト装置1206の第2の入力端子1214に接続される。
−第2の入力端子1214は、第2のPCBトラック1216を通って変更されたブースト装置1206の第3の入力端子1218に接続される。
HDMI入力50のうちの1つの例の負極及びその他のHDMI入力50の両極も同様に、ショートPCBトラックを通って同様にそれぞれ、変更されたブースト装置1206の別個の3本端子セットにルーティングされる。
PCBトラック1212及び1216(実寸ではなく、記号的に示される)はそれぞれ、基本HDMIケーブル40から到着する信号に小さな遅延を提供するように設計される。したがって、変更されたブースト装置1206は、3つの入力端子1210、1214、及び1218において少量(好ましくは、約2cmのPCBトラックに相当する100ピコ秒)だけそれぞれ遅延した、同じ信号の3つのコピーを受信する。変更されたブースト装置1206では、任意の入力端子からの3つの信号のうちのいずれか1つを、各差動HDMI入力の各極性に独立して選択することができる。選択後、信号は、ブースト装置30について上述した様式と同じ様式で、変更されたブースト装置1206内で処理される。
このようにして、粗い調整及び細かい調整によって差動信号のデスキューを達成することができる。粗い調整は、各差動信号にいずれかの極性の1つ又は複数のPCB遅延を選択することによって行われる。細かい調整は、差動デスキュー回路110(図7)の調整可能な遅延(調整可能遅延ブロック300)を調整することによって行われる。したがって、より広範囲のデスキューを達成することができ、又は逆に、ブースト装置30と比較して、変更されたブースト装置1206内に提供する必要の有るオンチップ回路が少なくなる(遅延段306が少なくなる)。
図39は、図5及び図6のブースト回路100と同様の変更されたブースト装置1206の典型的な(4つのうちの1つの)変更されたブースト回路100Aを示し、対応する要素が同じ参照番号で示されている。変更されたブースト回路100Aは、HDMI入力回路106、差動デスキュー回路110、等化回路112、及びHDMI出力回路108を含む。
図39には、正極及び負極(それぞれV+及びV−)を含む生の信号入力(ペア)116(図6参照)並びに正極(V+)を図38に示すように変更されたブースト装置1206の3つの入力端子1210、1214、及び1218に接続するPCBトラック(遅延要素)1212及び1216も示される。
生の信号入力(ペア)116の負極(V−)も同様に3つの入力端子に接続される。
さらに、変更されたブースト回路100Aは、2つの入力セレクタ回路1220及び1220を含む。HDMI入力回路106への入力は、遅延された生の入力信号(ペア)116Aであり、これは、PCBトラック(正極信号内の1212及び1216及び負極内の等価の遅延)によって形成される遅延要素を順次通過した後のオリジナルの生の入力信号(ペア)116である。HDMI入力回路106は、HDMIケーブルの終端として機能する。生の入力信号116の遅延されていない正極V+及びそれを遅延させたもの(入力端子1210、1214、及び1218)は、入力セレクタ回路1220に入力され、負極V−の場合も同様に入力セレクタ回路1222に入力される。「選択された復元信号」(ペア)118Aは、ブースト回路100の「復元信号」(ペア)118と等価であり、入力セレクタ回路1220及び1222によって生成され、差動デスキュー回路110に入力される。「選択された復元信号」(ペア)118Aは、入力セレクタ回路1220及び1222の適切な設定を選択することによってすでに部分的にデスキューされ得る。
変更されたブースト回路100Aの残りの回路はブースト回路100と変わらない。差動デスキュー回路110は「デスキュー信号」(ペア)120を出力し、この信号120は等化回路112に入力され、等化回路112は「等化信号」ペア122を出力し、この信号122はHDMI出力回路108に入力され、最後に、HDMI出力回路108は「ブースト信号」(ペア)124を出力し、この信号124はHDMI出力52(図5)の1つである。
上述したように、差動デスキュー回路110の実施態様は変わらないまま(例えば、8つのオンチップ遅延段306を有する:図8参照)であるか、又はより少数(例えば、3つの)遅延段306を含み、それによってオンチップ面積を節約してもよい。入力セレクタ回路1220及び1222の制御をアナログセレクタ段308(図8)の制御と共に処理して、調整可能遅延ブロック300(図8)と選択されたPCBトラックによって提供される遅延との組み合わせである対応する範囲の調整可能遅延を生成することができる。
一例として、それぞれ100ピコ秒の2つのPCBトラック遅延があり、それぞれ25ピコ秒の3つのオンチップ遅延段がある場合、25ピコ秒刻みで0〜275ピコ秒の遅延範囲を、変更されたブースト装置1206を使用して達成することができる。HDMIケーブルの種類及び範囲(長さ)に応じて要求され得るように、他の組み合わせ、より多数又は少数の選択可能なPCトラック遅延、及びより多数又は少数のオンチップ遅延段、並びにより長い又は短い遅延増分が容易に設計され得る。
本発明の実施形態を詳細に説明したが、以下の特許請求の範囲内で実施形態への変形及び変更を行い得ることが当業者には明らかであろう。

Claims (25)

  1. 送信側データソース装置を受信側データシンク装置に接続し、複数の差動信号対を搬送するケーブルであって、
    前記送信側データソース装置を前記受信側データシンク装置に接続し、前記送信側データソース装置と前記受信側データシンク装置との間でデジタル信号を搬送する制御バスと、
    前記複数の差動信号対のうちの少なくとも1つの差動信号対をブーストするブースト装置と
    を備え、
    前記ブースト装置は、
    差動信号対を前記送信側データソース装置から受信し、復元信号対を出力する入力回路と、
    前記復元信号対を処理してデスキュー信号対にする、第1の調整可能パラメータを有するデスキュー回路と、
    前記デスキュー信号対を増幅してブースト信号対にし、前記ブースト信号対を前記受信側データシンク装置に送信する出力回路と、
    前記第1の調整可能パラメータを保持し、前記制御バスからアクセス可能なパラメータメモリと
    を有するケーブル。
  2. 前記ブースト装置は、
    前記デスキュー信号対の周波数応答を調整する、第2の調整可能パラメータを有する等化回路
    をさらに有する請求項1に記載のケーブル。
  3. 前記パラメータメモリは、前記第2の調整可能パラメータをさらに保持する
    請求項2に記載のケーブル。
  4. 前記デスキュー回路は、
    いくつかの遅延ユニットを有する調整可能遅延ブロックと、
    前記遅延ユニットを選択することによって前記選択された遅延ユニットから発生する合成遅延を選択する手段と、
    前記合成遅延を前記少なくとも1つの差動信号対の極性に挿入する手段と
    を含む請求項1から3のいずれか一項に記載のケーブル。
  5. 前記挿入する手段は、前記合成遅延を前記少なくとも1つの差動信号対の一方又は他方の極性に挿入する
    請求項4に記載のケーブル。
  6. 前記調整可能遅延ブロックは、連続して配置されたいくつかのアナログ遅延ユニットを有するアナログ遅延ブロックであり、
    前記選択する手段はアナログセレクタを含み、
    前記挿入する手段はアナログスイッチを含む
    請求項4または5に記載のケーブル。
  7. 前記ブースト装置は、
    前記ケーブルの性能を求める性能解析回路
    をさらに有する請求項2または3に記載のケーブル。
  8. 前記性能解析回路は、
    前記ブースト信号対のデジタル表現を提供して、前処理済みデータ信号を生成するオーバーサンプリング回路と、
    前記前処理済みデータ信号の品質を推定し、前記前処理済みデータ信号の品質を向上させるように前記第1及び第2の調整可能パラメータの少なくとも一方を調整するトレーニング機能回路と
    を含む請求項7に記載のケーブル。
  9. 前記性能解析回路は、
    前記ブースト信号対の位相をクロック信号の位相と整列させる位相補償器
    をさらに含む請求項8に記載のケーブル。
  10. 前記位相補償器は、
    遅延制御信号を生成する位相検出器と、
    前記遅延制御信号に応じて、前記ブースト信号対の位相を変更するプログラマブル遅延回路と
    を持つ請求項9に記載のケーブル。
  11. 前記性能解析回路は、
    前記ブースト信号対をシングルエンド信号に変換する差動−シングルエンドブロック
    をさらに含み、
    前記位相補償器は、前記シングルエンド信号を前記クロック信号と位相整列させ、
    前記オーバーサンプリング回路は、位相整列させた前記シングルエンド信号のデジタル表現を取得する
    請求項9または10に記載のケーブル。
  12. 前記トレーニング機能回路は、
    前記前処理済みデータ信号の品質を推定し、前記品質を示す品質ナンバを生成するデジタル回路と、
    前記デスキュー回路及び前記等化回路の前記第1及び第2の調整可能パラメータをいくつかの所定の設定に調整し、各設定について所定数のオーバーサンプリングビットを監視する評価ラン制御回路と、
    最高の前記品質ナンバに対応する最良設定を保持するメモリと、
    前記第1及び第2の調整可能パラメータを前記最良設定に更新する手段と
    を持つ請求項8から11のいずれか一項に記載のケーブル。
  13. 前記品質を推定する前記デジタル回路は、
    少なくとも1ビット周期の窓内の前記前処理済みデータ信号の前記デジタル表現内の連続した「1」サンプル又は「0」サンプルのランレングスを求める長さ検出回路と、
    観察周期「N」ビット中に選択されたランレングスの発生回数をカウントする複数のカウンタと、
    前記複数のカウンタの出力を処理して前記品質ナンバにするビット品質計算器と
    を備える、請求項12に記載のケーブル。
  14. 前記複数の差動信号対は、高精細マルチメディアインタフェース(HDMI)の差動信号対であり、複数の遷移時間最短差動信号伝送方式(TMDS)符号化データチャネル及び1つのクロックチャネルを含み、
    前記制御バスは、HDMIのシリアルデータ(SDA)ラインおよびシリアルクロック(SCL)ラインを有する
    請求項1から13のいずれか一項に記載のケーブル。
  15. 前記ケーブルは、前記複数の差動信号対にそれぞれ対応する複数のワイヤ対を経由して前記複数の差動信号対を前記送信側データソース装置から前記受信側データシンク装置へ搬送し、
    前記ブースト装置は、前記複数のワイヤ対のうち前記少なくとも1つの差動信号対を前記受信側データシンク装置へ搬送するワイヤ対から、前記ブースト装置の動作に必要な電力の少なくともいくらかを取得する
    請求項1から14のいずれか一項に記載のケーブル。
  16. ケーブルの性能を求め、送信側データソース装置を受信側データシンク装置に接続し、差動信号対を搬送する方法であって、
    前記ケーブル内のブースト装置に設けられ前記ケーブルが有する制御バスからアクセス可能なパラメータメモリに、第1の調整可能パラメータを保持するステップと、
    前記ブースト装置で前記差動信号対をブーストするステップと
    を備え、
    前記制御バスは、前記送信側データソース装置を前記受信側データシンク装置に接続し、前記送信側データソース装置と前記受信側データシンク装置との間でデジタル信号を搬送し、
    前記差動信号対をブーストするステップは、
    前記送信側データソース装置から前記差動信号対を受信し、復元信号対を出力するステップと、
    前記第1の調整可能パラメータを用いて前記復元信号対の2つの極性の間の時間スキューを低減してデスキュー信号対を生成するステップと、
    前記デスキュー信号対を増幅してブースト信号対にし、前記ブースト信号対を前記受信側データシンク装置に送信するステップと
    を備える方法。
  17. 前記デスキュー信号対の周波数応答を調整する第2の調整可能パラメータで前記デスキュー信号対を等化するステップ
    をさらに備える請求項16に記載の方法。
  18. 前記第2の調整可能パラメータを、前記パラメータメモリに保持するステップ
    をさらに備える請求項17に記載の方法。
  19. 前記時間スキューを低減してデスキュー信号対を生成するステップは、調整可能な遅延を前記復元信号対の極性に挿入するステップを有する
    請求項16から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記時間スキューを低減してデスキュー信号対を生成するステップは、前記調整可能な遅延を前記復元信号の対の一方又は他方の極性に挿入する
    請求項19に記載の方法。
  21. 前記ブースト信号対をオーバーサンプリングして前記ブースト信号対のデジタル表現を提供して、前処理済みデータ信号を生成するステップと、
    前記前処理済みデータ信号の品質を推定するステップと、
    前記前処理済みデータ信号の前記品質が向上するように、前記第1及び第2の調整可能パラメータの少なくとも一方を調整するステップと
    をさらに備える請求項17または18に記載の方法。
  22. 前記前処理済みデータ信号の品質を推定するステップは、
    前記前処理済みデータ信号の品質を示す品質ナンバを生成するステップと、
    前記第1及び第2の調整可能パラメータをいくつかの所定の設定に調整し、各設定について所定数のオーバーサンプリングビットを監視するステップと、
    最高の前記品質ナンバに対応する最良設定を保持するステップと、
    前記第1及び第2の調整可能パラメータを前記最良設定に更新する手段と
    をさらに備える請求項21に記載の方法。
  23. 前記ケーブルは、前記差動信号対をワイヤ対を経由して前記送信側データソース装置から前記受信側データシンク装置へ搬送し、
    前記方法は、
    前記差動信号対を前記受信側データシンク装置へ搬送する前記ワイヤ対から、前記ブースト装置の動作に必要な電力の少なくともいくらかを取得するステップ
    をさらに備える請求項16から22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 送信側データソース装置を受信側データシンク装置に接続するブースト装置であって、前記送信側データソース装置は、複数の差動データ信号対を前記ブースト装置に送信し、前記ブースト装置は、前記複数の差動データ信号対のうちの少なくとも1つの差動データ信号対をブーストし、前記ブースト装置は、
    前記送信側データソース装置から差動信号対を受信し、復元信号対を出力する入力回路と、
    前記復元信号対を処理してデスキュー信号対にする、第1の調整可能パラメータを有するデスキュー回路と、
    前記デスキュー信号対を処理して等化信号対にする、第2の調整可能パラメータを有する等化回路と、
    前記等化信号対を増幅してブースト信号対にし、前記ブースト信号対を前記受信側データシンク装置に送信する出力回路と、
    前記第1及び前記第2の調整可能パラメータを保持し、制御バスからアクセス可能なパラメータメモリと、
    前記パラメータメモリにアクセスするための制御入力と
    を備え
    前記制御バスは、前記送信側データソース装置を前記受信側データシンク装置に接続し、前記送信側データソース装置と前記受信側データシンク装置との間でデジタル信号を搬送する
    ブースト装置。
  25. 前記複数の差動データ信号対は、前記複数の差動データ信号対にそれぞれ対応する複数のワイヤ対を経由して前記送信側データソース装置から前記受信側データシンク装置へ搬送され、
    前記ブースト装置は、前記複数のワイヤ対のうち前記少なくとも1つの差動データ信号対を前記受信側データシンク装置へ搬送するワイヤ対から、前記ブースト装置の動作に必要な電力の少なくともいくらかを取得する
    請求項24に記載のブースト装置。
JP2011199445A 2006-11-02 2011-09-13 埋め込み電力制御を有するプログラマブル高速ケーブル Active JP5511091B2 (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US85603206P 2006-11-02 2006-11-02
US60/856,032 2006-11-02
US85835306P 2006-11-13 2006-11-13
US60/858,353 2006-11-13

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009534993A Division JP4892613B2 (ja) 2006-11-02 2007-07-19 埋め込み電力制御を有するプログラマブル高速ケーブル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012029317A JP2012029317A (ja) 2012-02-09
JP5511091B2 true JP5511091B2 (ja) 2014-06-04

Family

ID=39344626

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009534993A Active JP4892613B2 (ja) 2006-11-02 2007-07-19 埋め込み電力制御を有するプログラマブル高速ケーブル
JP2011199445A Active JP5511091B2 (ja) 2006-11-02 2011-09-13 埋め込み電力制御を有するプログラマブル高速ケーブル

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009534993A Active JP4892613B2 (ja) 2006-11-02 2007-07-19 埋め込み電力制御を有するプログラマブル高速ケーブル

Country Status (4)

Country Link
US (7) US7729874B2 (ja)
JP (2) JP4892613B2 (ja)
CA (5) CA2881328C (ja)
WO (1) WO2008052607A2 (ja)

Families Citing this family (70)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101542652B (zh) * 2006-08-01 2012-06-13 雷勃电气Epc股份有限公司 接口线和包括接口线的系统
US7729874B2 (en) * 2006-11-02 2010-06-01 Redmere Technology Ltd. System and method for calibrating a high-speed cable
US8272023B2 (en) * 2006-11-02 2012-09-18 Redmere Technology Ltd. Startup circuit and high speed cable using the same
KR101333846B1 (ko) * 2006-11-07 2013-12-19 소니 주식회사 통신 시스템, 송신 장치, 수신 장치, 송신 방법, 수신 방법, 통신 방법, 기록 매체 및 통신 케이블
TWI361615B (en) * 2006-11-30 2012-04-01 Princeton Technology Corp Video and audio data synchronization method and related apparatus for a multimedia interface
JP2008276067A (ja) * 2007-05-02 2008-11-13 Canon Inc 映像表示装置及びその制御方法
US8063986B2 (en) * 2007-06-04 2011-11-22 Himax Technologies Limited Audio clock regenerator with precisely tracking mechanism
US7793022B2 (en) * 2007-07-25 2010-09-07 Redmere Technology Ltd. Repeater for a bidirectional serial bus
US8437973B2 (en) * 2007-07-25 2013-05-07 John Martin Horan Boosted cable for carrying high speed channels and methods for calibrating the same
US8073647B2 (en) 2007-07-25 2011-12-06 Redmere Technology Ltd. Self calibrating cable for high definition digital video interface
US8280668B2 (en) * 2007-07-25 2012-10-02 Redmere Technology Ltd. Self calibrating cable for high definition digital video interface
TWI373971B (en) * 2007-08-10 2012-10-01 Mstar Semiconductor Inc Apparatus and method for power management of high-definition multimedia interface
US7752357B2 (en) * 2007-12-10 2010-07-06 Sony Corporation High-definition multimedia interface receiver/transmitter chipset
US8615205B2 (en) * 2007-12-18 2013-12-24 Qualcomm Incorporated I-Q mismatch calibration and method
US8970272B2 (en) * 2008-05-15 2015-03-03 Qualcomm Incorporated High-speed low-power latches
US7728223B2 (en) * 2008-06-05 2010-06-01 Sony Corporation Flat cable for mounted display devices
US8390740B2 (en) 2008-11-03 2013-03-05 Intersil Americas Inc. Systems and methods for cable equalization
US8558955B2 (en) * 2008-11-03 2013-10-15 Intersil Americas Inc. Cable equalization locking
US8712357B2 (en) * 2008-11-13 2014-04-29 Qualcomm Incorporated LO generation with deskewed input oscillator signal
US8718574B2 (en) * 2008-11-25 2014-05-06 Qualcomm Incorporated Duty cycle adjustment for a local oscillator signal
US8429439B2 (en) * 2009-05-20 2013-04-23 Quellan, Inc. Inter-pair skew adjustment
US8183711B2 (en) * 2009-06-02 2012-05-22 Quellan, Inc. Power extraction from signal sinks
US8847638B2 (en) * 2009-07-02 2014-09-30 Qualcomm Incorporated High speed divide-by-two circuit
TWI403089B (zh) * 2009-07-07 2013-07-21 Asustek Comp Inc 轉接器
US8500489B2 (en) * 2009-07-15 2013-08-06 Luxi Electronics Corp. HDMI locking connectors
US8791740B2 (en) 2009-07-16 2014-07-29 Qualcomm Incorporated Systems and methods for reducing average current consumption in a local oscillator path
US8154322B2 (en) 2009-12-21 2012-04-10 Analog Devices, Inc. Apparatus and method for HDMI transmission
US8502073B2 (en) * 2010-07-13 2013-08-06 John Martin Horan Low impedance boosted high speed data cable
US8674224B2 (en) 2010-07-13 2014-03-18 John Martin Horan Low cost high speed data cable
US8674225B2 (en) 2010-07-13 2014-03-18 John Martin Horan Economical boosted high speed data cable
US8674223B2 (en) * 2010-07-13 2014-03-18 John Martin Horan High speed data cable with impedance correction
JP5704472B2 (ja) * 2010-07-13 2015-04-22 レッドミア テクノロジー リミテッド アクティブ高速データケーブルおよび信号を伝送する方法
US8680395B2 (en) * 2010-07-13 2014-03-25 John Martin Horan High speed data cable using an outer braid to carry a signal
US8502070B2 (en) * 2010-07-13 2013-08-06 John Martin Horan Reduced wire count high speed data cable
US8674226B2 (en) 2010-07-13 2014-03-18 John Martin Horan High speed data cable including a boost device for generating a differential signal
JP2012049763A (ja) * 2010-08-26 2012-03-08 Seiko Epson Corp 画像表示装置、プロジェクター、及び画像表示装置の制御方法
US8675714B2 (en) * 2010-10-12 2014-03-18 Pericom Semiconductor Corporation Trace canceller with equalizer adjusted for trace length driving variable-gain amplifier with automatic gain control loop
US8854098B2 (en) 2011-01-21 2014-10-07 Qualcomm Incorporated System for I-Q phase mismatch detection and correction
US8935125B1 (en) * 2011-02-25 2015-01-13 Smsc Holdings S.A.R.L. Internal cable calibration and compensation
KR101566174B1 (ko) 2011-03-02 2015-11-05 삼성전자 주식회사 영상처리장치 및 그 제어방법
KR101717587B1 (ko) * 2011-04-12 2017-03-17 삼성전자주식회사 종단 회로, 종단 회로를 포함하는 송신 장치 및 송신 장치를 포함하는 멀티미디어 소스 장치
US8305113B1 (en) 2011-05-04 2012-11-06 Texas Instruments Incorporated Intra-pair skew cancellation technique for differential signaling
CN102541643A (zh) * 2011-12-30 2012-07-04 上海新时达电气股份有限公司 嵌入式系统中逻辑信号的延时处理方法
WO2013147332A1 (ko) * 2012-03-27 2013-10-03 스마트파이 주식회사 고속 신호 전송과 전원 전달을 위한 케이블 및 보상 방법
US9154077B2 (en) 2012-04-12 2015-10-06 Qualcomm Incorporated Compact high frequency divider
US9006583B2 (en) * 2012-05-10 2015-04-14 Shenzhen China Star Optoelectronics Technology Co., Ltd. LCD module and liquid crystal display device
KR20140007698A (ko) * 2012-07-10 2014-01-20 삼성전자주식회사 Hdmi 신호 보정 방법, hdmi 신호 수신장치, hdmi 신호 전송장치 및 hdmi 신호 처리 시스템
US9281974B1 (en) 2013-02-04 2016-03-08 Altera Corporation Equalizer circuitry having digitally controlled impedances
US20140270695A1 (en) * 2013-03-14 2014-09-18 Aliphcom Grand central architecture
US8842185B1 (en) 2013-03-14 2014-09-23 Microsoft Corporation HDMI image quality analysis
KR102166908B1 (ko) 2014-02-13 2020-10-19 삼성전자주식회사 고속 데이터 인터페이스 장치 및 상기 장치의 스큐 보정 방법
US20160356836A1 (en) * 2015-06-02 2016-12-08 John M Horan Apparatus and method for data transmission and testing
CN113162722B (zh) 2015-09-21 2024-04-12 Hyphy美国有限公司 用于通过不完美的电磁通路传输采样信号的系统
US10924305B2 (en) * 2016-06-30 2021-02-16 Intel Corporation HDMI skew compensation communication
CN110663194B (zh) 2017-03-20 2021-09-07 Hyphy美国有限公司 基于cdma的媒体接口
US10447556B2 (en) * 2017-09-21 2019-10-15 Fujitsu Limited End user on demand network resource instantiation
EP3461062B1 (en) * 2017-09-22 2020-02-26 General Electric Technology GmbH Power delivery apparatus
US10326245B1 (en) * 2018-03-29 2019-06-18 Cosemi Technologies, Inc. Light illuminating data communication cable
US10735039B1 (en) * 2019-10-04 2020-08-04 Cisco Technology, Inc. Removal of channel impairments due to skew and channel asymmetry with a composite filter
US11716114B2 (en) 2020-11-25 2023-08-01 Hyphy Usa Inc. Encoder and decoder circuits for the transmission of video media using spread spectrum direct sequence modulation
CN112399098B (zh) * 2020-12-02 2024-01-19 龙迅半导体(合肥)股份有限公司 Hdmi发送器输出信号强度自动配置方法及系统
US11218225B1 (en) 2020-12-07 2022-01-04 Marvell Asia Pte, Ltd. Analog receiver equalizer architectures for high-speed wireline and optical applications
US11895359B2 (en) 2021-04-13 2024-02-06 Samsung Electronics Co., Ltd. Electronic device and operating method thereof
TWI771132B (zh) * 2021-05-26 2022-07-11 宏觀微電子股份有限公司 一種用於光通訊通道的源節點架構
CN115426329B (zh) 2021-05-31 2024-08-23 默升科技集团有限公司 具有功率共享的有源冗余y型线缆
US11997415B2 (en) 2021-08-17 2024-05-28 Hyphy Usa Inc. Sampled analog storage system
KR20240057400A (ko) 2021-09-03 2024-05-02 하이파이 유에스에이 인크. 디스플레이 드라이버와 확산-스펙트럼 비디오 전송의 통합
US11769468B2 (en) 2022-01-19 2023-09-26 Hyphy Usa Inc. Spread-spectrum video transport integration with timing controller
US11842671B2 (en) 2022-03-07 2023-12-12 Hyphy Usa Inc. Spread-spectrum video transport source driver integration with display panel
KR102683831B1 (ko) * 2022-12-30 2024-07-11 옵티시스 주식회사 전송 지연으로 인한 데이터의 전송 오류를 방지하는 hdmi용 광 링크

Family Cites Families (48)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3066652B2 (ja) * 1990-10-09 2000-07-17 富士通株式会社 線路等化器
JPH0633224U (ja) * 1992-09-30 1994-04-28 ミツミ電機株式会社 バッファ付きケーブル
JPH06290543A (ja) * 1993-03-31 1994-10-18 Hitachi Ltd Hddデータ再生回路
US5696951A (en) 1996-01-03 1997-12-09 Credence Systems Corporation Signal deskewing system for synchronous logic circuit
US6137827A (en) 1997-04-22 2000-10-24 Silicon Laboratories, Inc. Isolation system with digital communication across a capacitive barrier
US6420108B2 (en) * 1998-02-09 2002-07-16 Affymetrix, Inc. Computer-aided display for comparative gene expression
US6038266A (en) * 1998-09-30 2000-03-14 Lucent Technologies, Inc. Mixed mode adaptive analog receive architecture for data communications
US6393110B1 (en) 1998-09-30 2002-05-21 3Com Corporation Methods and apparatus for terminating a line and supporting the asymmetric digital subscriber line protocol
JP2000187539A (ja) * 1998-12-22 2000-07-04 Nec Corp レベル/インピーダンス調整インタフェース付きケーブル
US6574576B2 (en) 2001-04-03 2003-06-03 Macronix International Co., Ltd. Equalizer with auto-calibration and self-test
IL142884A (en) * 2001-04-30 2006-06-11 Eci Telecom Ltd Reducing noise in a communication system
US7221389B2 (en) * 2002-02-15 2007-05-22 Avocent Corporation Automatic equalization of video signals
US7289543B2 (en) 2002-08-06 2007-10-30 Broadcom Corporation System and method for testing the operation of a DLL-based interface
KR100554922B1 (ko) * 2002-10-18 2006-03-10 엘지전자 주식회사 다중 빔 기반의 다중경로 탐색장치 및 방법
JP2004208004A (ja) * 2002-12-25 2004-07-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd 差動シリアル通信装置
US20050073608A1 (en) 2003-10-02 2005-04-07 Stone Christopher J. Method and system for passing closed caption data over a digital visual interface or high definition multimedia interface
JP2005135840A (ja) * 2003-10-31 2005-05-26 Hitachi Cable Ltd コネクタ付ケーブル
US20050132087A1 (en) * 2003-12-12 2005-06-16 Lech Glinski Method and apparatus for video signal skew compensation
DE602005010773D1 (de) 2004-03-25 2008-12-18 Ibm Empfänger und Verfahren mit Ausgleich von Leitungsungleichheiten
KR100631556B1 (ko) 2004-04-06 2006-10-09 삼성전자주식회사 화상 처리 시스템 및 방법
KR100587547B1 (ko) 2004-04-07 2006-06-08 삼성전자주식회사 컨텐츠별로 싱크 디바이스로의 출력을 제어하는 소스디바이스 및 그 방법
JP3985803B2 (ja) * 2004-05-27 2007-10-03 オンキヨー株式会社 画像再生装置
US7167090B1 (en) 2004-09-17 2007-01-23 Massachusetts Institute Of Technology Far-field RF power extraction circuits and systems
US7706692B2 (en) 2004-09-29 2010-04-27 Finisar Corporation Consumer electronics with optical communication interface
JP4753880B2 (ja) * 2004-11-25 2011-08-24 パナソニック株式会社 リピータ装置およびその制御方法
ATE490472T1 (de) 2005-04-12 2010-12-15 Analog Devices Inc Selbstprüfungsschaltung für integrierte schaltungen von multimediaschnittstellen mit hoher auflösung
US20060239310A1 (en) 2005-04-25 2006-10-26 Salz David B High definition digital media data cable system
JP5145633B2 (ja) * 2005-10-31 2013-02-20 パナソニック株式会社 音響再生装置及び映像音声視聴システム
US20070103204A1 (en) * 2005-11-10 2007-05-10 X-Emi, Inc. Method and apparatus for conversion between quasi differential signaling and true differential signaling
US7809085B2 (en) 2006-01-19 2010-10-05 Redmere Technology Ltd. Data recovery system for source synchronous data channels
US7445389B2 (en) * 2006-04-10 2008-11-04 Finisar Corporation Active optical cable with integrated eye safety
US20070291938A1 (en) * 2006-06-20 2007-12-20 Radiospire Networks, Inc. System, method and apparatus for transmitting high definition signals over a combined fiber and wireless system
US7656983B2 (en) * 2006-09-29 2010-02-02 Intel Corporation Dual clock domain deskew circuit
US7908634B2 (en) 2006-11-02 2011-03-15 Redmere Technology Ltd. High-speed cable with embedded power control
US7729874B2 (en) * 2006-11-02 2010-06-01 Redmere Technology Ltd. System and method for calibrating a high-speed cable
US7873980B2 (en) 2006-11-02 2011-01-18 Redmere Technology Ltd. High-speed cable with embedded signal format conversion and power control
US8272023B2 (en) 2006-11-02 2012-09-18 Redmere Technology Ltd. Startup circuit and high speed cable using the same
TWI395476B (zh) 2006-12-20 2013-05-01 Princeton Technology Corp 用於高解析多媒體介面之影音資料時序判斷方法及其相關裝置
US8175555B2 (en) 2007-05-07 2012-05-08 Analogix Semiconductor, Inc. Apparatus and method for termination powered differential interface periphery
US8035359B2 (en) 2007-05-07 2011-10-11 Analogix Semiconductor, Inc. Apparatus and method for recovery of wasted power from differential drivers
US8063504B2 (en) 2007-05-07 2011-11-22 Analogix Semiconductor, Inc. Systems and methods for powering circuits for a communications interface
US8280668B2 (en) 2007-07-25 2012-10-02 Redmere Technology Ltd. Self calibrating cable for high definition digital video interface
US8203325B2 (en) 2007-09-07 2012-06-19 Analog Devices, Inc. Activation systems and methods to initiate HDMI communication with mobile sources
US7728223B2 (en) 2008-06-05 2010-06-01 Sony Corporation Flat cable for mounted display devices
WO2010040816A2 (de) 2008-10-09 2010-04-15 Silicon Line Gmbh Schaltungsanordnung und verfahren zum übertragen von tmds-kodierten signalen
US20100188880A1 (en) 2009-01-23 2010-07-29 Analog Devices, Inc. Power switching for portable applications
US8183711B2 (en) 2009-06-02 2012-05-22 Quellan, Inc. Power extraction from signal sinks
US8378653B2 (en) 2009-08-17 2013-02-19 Texas Instruments Incorporated HDMI driver tail current transistors with current mirror controlled leads

Also Published As

Publication number Publication date
US20080109180A1 (en) 2008-05-08
CA2848033C (en) 2016-05-10
US7936197B2 (en) 2011-05-03
CA2907322C (en) 2017-01-24
US20080106314A1 (en) 2008-05-08
WO2008052607A3 (en) 2008-12-11
US7729874B2 (en) 2010-06-01
US8254402B2 (en) 2012-08-28
US20090174450A1 (en) 2009-07-09
CA2907322A1 (en) 2008-05-08
JP4892613B2 (ja) 2012-03-07
JP2012029317A (ja) 2012-02-09
CA2881337A1 (en) 2008-05-08
US7996584B2 (en) 2011-08-09
CA2881337C (en) 2015-08-18
US20080106306A1 (en) 2008-05-08
CA2881328C (en) 2015-09-15
US8058918B2 (en) 2011-11-15
WO2008052607A2 (en) 2008-05-08
US20090153209A1 (en) 2009-06-18
US20080106312A1 (en) 2008-05-08
CA2664597A1 (en) 2008-05-08
US8295296B2 (en) 2012-10-23
CA2664597C (en) 2015-10-20
US7861277B2 (en) 2010-12-28
CA2881328A1 (en) 2008-05-08
US20080106313A1 (en) 2008-05-08
CA2848033A1 (en) 2008-05-08
JP2010508739A (ja) 2010-03-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5511091B2 (ja) 埋め込み電力制御を有するプログラマブル高速ケーブル
US7908634B2 (en) High-speed cable with embedded power control
US8479248B2 (en) Startup circuit and high speed cable using the same
US7873980B2 (en) High-speed cable with embedded signal format conversion and power control
CA2847651C (en) Data recovery method and system for source synchronous data channels
US8718127B2 (en) Apparatus and method for digitally-controlled adaptive equalizer

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130617

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130625

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130911

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20131015

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140127

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20140205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140324

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5511091

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250