JP5510163B2 - 回路遮断器 - Google Patents
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図8は、回路遮断器を示す断面図であり、ケース1aとカバー1bとからなる絶縁容器内に、トグルリンク機構3、電流遮断部4、過電流引外し装置5及び消弧装置11が配置されているとともに、トグルリンク機構3を操作する操作ハンドル2がカバー1bから上方に突出して配置されている。
そして、第1及び第2の固定接触子6,7への固定接点6a,7aの固着位置が加工誤差、組立誤差等によって変化しても電源側接点アーム8a及び負荷側接点アーム8bがシーソー状に傾いて移動することで、投入状態における固定接点6a,7a及び可動接点8c,8dの接触圧力のアンバランスが吸収され、固定接点6a,7a及び可動接点8c,8dの接触安定性が図られるようになっている。
限流開極過程において可動接触子8が傾くと、可動接触子8側で発生する一方のアークA1が、可動接点8cの下面(固定接点6aに対向する面)の一部及び側面に片寄りし、可動接触子8側で発生する他方のアークA2も、可動接点8dの下面(固定接点7aに対向する面)の一部及び側面に片寄りし、これら可動接点8c,8dの片寄りした位置が、アークエネルギーによって溶融,蒸散して消耗しやすくなる。
そこで、本発明は、開極移動時における可動接触子の回動を抑制して可動接点の部分的な消耗を防止することができる回路遮断器を提供することを目的としている。
この発明によると、一方のヨークカバーの基端側の左右側壁に前記一方の接点アームの可動接点が係合することで、アークが可動接点の端部側に片寄りしないように、可動接触子の回動を規制する。
この発明によると、全開離位置の近くまで開極移動した可動接触子の可動接点が衝突しても一方のヨークカバーは容易に変形せず、可動接触子の軸回りの回転を抑制する。
さらに、本願請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載の回路遮断器において、前記一方のヨークカバーの基端側の外周に、剛性を有するカバー剛性補助部材が装着されている。
この発明によると、一方のヨークカバーの剛性が確保されるので、可動接触子の軸回りの回転をさらに抑制することができる。
図1は、本発明に係る回路遮断器の第1の実施形態を示すものである。
本実施形態の回路遮断器は、ケース1aとカバー1bとからなる絶縁容器内に、トグルリンク機構3、電流遮断部4、過電流引外し装置5、消弧装置12、磁気ヨーク13(図2参照)及び一対のヨークカバー14,15が搭載されている。
磁気ヨーク13は磁性板をU字形に曲げ加工した部材であり、その左右に起立する側辺部を上に向けて固定接点6a,7aを左右から囲むように第1及び第2の固定接触子6,7の底面側に重ね合わせて配置されている。なお、図2における符号6b,7bは第1及び第2の固定接触子6,7の先端に形成したアークランナーであり、符号17は電源側端子である。
消弧装置12は、第1の固定接触子6及び第2の固定接触子7の個々に対応する左右の消弧室に仕切られており、その側壁の間には上下段にグリッド板12aが配列されている。この消弧装置12は、ユニット組立フレーム16の絶縁バリア16aを上方から跨ぐようにして組み付けられる。
また、他方のヨークカバー15も、左右側壁15a,15bが上下方向に延在する断面逆U形のモールド樹脂成形品で構成されており、左右側壁15a,15bの先端部(下端側)の外表面には、第2の固定接触子7に配置した磁気ヨーク13の側辺部に対応した形状の凹部15cが形成されている(図4参照)。
一対のヨークカバー14,15の高さ寸法は、可動接触子8の全開離位置に対応し、奥行き寸法は、可動接触子8の開極移動経路を左右から覆うように設定されている。
ここで、図5に示すように、負荷側接点アーム8bの開極移動経路となる他方のヨークカバー15の内部空間は、先端側(下端側)の幅寸法Yと比較して基端側(上端側)の幅寸法Xが小さくなるように左右側壁15a,15bが形成されている(X<Y)。
また、他方のヨークカバー15の基端側の幅寸法Xは、図6に示すように、開極方向に移動した負荷側接点アーム8bの可動接点8dの幅方向両側が係合する寸法に設定されている。
ここで、本発明の開閉機構がグルリンク機構3に対応し、本発明の一方のヨークカバーの左右側壁の基端側の内壁幅が、他方のヨークカバー15の基端側の幅寸法Xに対応している。
配電路に過電流(短絡電流など)が流れると、第1及び第2の固定接触子6,7と可動接触子8との間に電磁反発力が働いて可動接触子8が開極し始め、可動接点8c,8dが固定接点6a,7aから開離する。同時にトグルリンク機構3がトリップ動作して可動接触子8を開極終端位置に向けて駆動する。
可動接触子8の開離に伴い、図6に示すように、第1及び第2の固定接触子6,7の固定接点6a,7aと、可動接触子8を構成する電源側接点アーム8a及び負荷側接点アーム8bの可動接点8c,8dとの間にアークA1,A2が発弧し、可動接触子8の開極移動に連れてアークA1,A2が伸長してアーク電圧も増加する。
したがって、全開離位置の近くまで開極移動した可動接触子8は、他方のヨークカバー15の左右側壁15a,15bの内壁が負荷側接点アーム8bの可動接点8dの幅方向両側に係合することで可動接触子8の回転を規制し、限流開極過程における可動接点8c,8dの部分的な消耗を防止しているので、閉極過程における固定接点6a及び可動接点8cの間、固定接点7a及び可動接点8dの間の接触不良を防止することができる。
なお、上記実施形態では、他方のヨークカバー15が負荷側接点アーム8bの可動接点8dの幅方向両側に係合して可動接触子8の軸回りの回転を規制するようにしているが、一方のヨークカバー14が電源側接点アーム8aの可動接点8cの幅方向両側に係合して可動接触子8の軸回りの回転を規制するようにしてもよい。
本実施形態は、他方のヨークカバー15の基端部(上端側)の左右側壁を外側から囲むカバー剛性補助部材18が装着されている。
このカバー剛性補助部材18はモールド樹脂成形品で形成されており、左側壁15aに当接する第1当接板部18aと、右側壁15bに当接する第2当接板部18bと、これら第1及び第2当接部材18a,18bの上端部を繋ぐ連結板18cとで構成されている。
なお、一方のヨークカバー14が電源側接点アーム8aの可動接点8cの幅方向両側に係合して可動接触子8の軸回りの回転を規制する場合には、上記カバー剛性補助部材18に類似した部材を、一方のヨークカバー14の基端部(上端側)の左右側壁を外側から囲むように装着すればよい。
Claims (4)
- 電源側端子に接続された第1の固定接点と、負荷側端子に接続された第2の固定接点と、これら第1及び第2の固定接点にそれぞれ橋絡する可動接点を固着した電源側接点アーム及び負荷側接点アームを有し、過電流発生時に開閉機構の限流開極動作により前記電源側接点アーム及び前記負荷側接点アームが全開離位置まで移動する回動式の可動接触子と、前記第1及び第2の固定接点をそれぞれ左右から包囲して前記可動接触子の開極移動方向に側辺部が起立延在するU字形の磁気ヨークと、前記電源側接点アーム及び前記負荷側接点アームのそれぞれの開極移動方向を左右側壁で覆う逆U字形の絶縁壁であり、それら側壁が前記磁気ヨークの側辺部を覆う一対のヨークカバーと、を備えた回路遮断器において、
前記可動接触子が全開離位置の近くまで開極移動した際に、前記一対のヨークカバーのうちの一方のヨークカバーが、当該ヨークカバーに覆われている前記電源側接点アーム及び前記負荷側接点アームの一方の接点アームの一部に係合して前記可動接触子の回動を規制するようにしたことを特徴とする回路遮断器。 - 前記一方のヨークカバーの左右側壁の基端側の内壁幅を、前記一方の接点アームの可動接点の幅寸法と同一寸法に設定し、
前記可動接触子が全開離位置の近くまで開極移動した際に、前記一方のヨークカバーの基端側の左右側壁に前記一方の接点アームの可動接点が係合して前記可動接触子の回動が規制されることを特徴とする請求項1記載の回路遮断器。 - 前記一対のヨークカバーの間に装着されて前記電源側接点アーム及び前記負荷側接点アームの間を絶縁する剛性を有する絶縁体が、前記一方のヨークカバーに一体化されていることを特徴とする請求項1又は2記載の回路遮断器。
- 前記一方のヨークカバーの基端側の外周に、剛性を有するカバー剛性補助部材が装着されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の回路遮断器。
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