JP5508687B2 - 貼付剤用支持体およびこれを用いた貼付剤および貼付剤用支持体の製造方法 - Google Patents

貼付剤用支持体およびこれを用いた貼付剤および貼付剤用支持体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、皮膚面に貼付して使用する貼付剤に関し、特に粘着剤層に含まれる薬剤の保存安定性、効果持続性と、使用時の皮膚の動きに対する追従性とを両立した貼付剤用支持体およびこれを用いた貼付剤と、貼付剤用支持体の製造方法に関する。
従来、皮膚に貼付して使用する貼付剤は、皮膚面の保護や、運動時の関節部の保護等の被覆用途や、薬物を経皮的に体内に吸収させるための貼付製剤などそれぞれの用途に応じて、さまざまな構成の製品が製造されている。貼付剤は、支持体となるシート材料に、薬剤を添加した粘着剤を塗布した構成が一般的であるが、皮膚の動きに対する追従性を高めるため、支持体として布、不織布等の伸縮性の材料を用いた場合、これらの材料は厚さが厚いため、支持体に吸収されて無駄になる薬剤量が多いという問題と、皮膚に貼付したときに厚い支持体のエッジで皮膚が刺激されるという問題があった。
また、貼付剤の保存中には全体をガスバリア性の包装袋に入れて保存したとしても、薬剤が徐々に支持体に移行するため粘着剤中の薬剤量が時間と共に減少するという保存安定性の問題と、さらに使用時に包装袋を開封して皮膚に貼付した後に粘着剤中の薬剤が支持体を通過して大気中に散逸するため、効果が長時間持続しないという問題があった。
特許文献1に開示された貼付剤は、これらの問題を解決するためになされたものであり、厚さ0.5〜6μmのポリエステル製フィルムと坪量5〜20g/m2のポリエステル製不織布を積層してなる支持体の不織布面に粘着剤層を積層してなる貼付剤である。
この発明によると、支持体が薄いため、支持体のエッジによる皮膚刺激性の問題が解決され、さらにポリエステルフィルムによる薬剤透過防止効果が期待できるが、ポリエステルフィルムは、本来伸びにくいため、関節部など大きな伸びが必要とされるような部位には使用しにくいものである。
特許文献2に開示された貼付剤は、支持体上に熱可塑性樹脂フィルムを介して粘着剤層を設けるとともに、この粘着剤層と上記フィルムとを貫通する多数個の小孔を設け、この小孔内に薬剤含有成分を埋入する一方、上記小孔内壁面に上記フィルムを延出させて上記薬剤含有成分と粘着剤層との接触を防ぐ隔壁を形成したことを特徴とする貼付剤である。この発明によると、薬剤有効成分と粘着剤層が分離されているため、粘着性を損なうことなく、薬剤の放出性を調節することが可能となる。また例えば親水性ポリマーからなる粘着剤と親油性薬剤の併用などが可能となる。しかしながら、この発明による貼付剤は、支持体となる熱可塑性フィルムに多数の小孔をあけ、さらにこの小孔に薬剤を埋入するという煩雑な工程を要するので、高価なものとならざるを得なかった。
特許第3081858号公報 特公昭62-48643号公報
本発明は、上記に記したような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その解決しようとする課題は、従来の布や不織布のような厚い支持体に代わる薄い支持体を用いて貼付時の皮膚刺激性を減少させ、かつ薬剤成分の支持体への移行による目減りの防止と薬剤成分の大気中への散逸による効果持続性の減少を防止すると伴に、貼付後の皮膚の動きにも追従しうる新規な貼付剤用支持体およびこれを用いた貼付剤ならびに該貼付剤用支持
体の製造方法を提供しようとするものである。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の貼付剤用支持体は、常温において伸縮自在な厚さ5〜300μmの基体フィルム層と、該基体フィルム層上に配置された厚さ0.5〜500nmの蒸着層と、該蒸着層上に配置された厚さ5μm以下の保護層を有し、前記保護層は、前記保護層の厚さ方向において前記保護層の一端から前記保護層の他端に達しないように延びる切れ目を有することを特徴としている。
また、上記の貼付剤用支持体において、前記切れ目の幅は、前記保護層の一端から前記保護層の他端に向かうにしたがって短くなることがより好ましい。
また、上記の貼付剤用支持体において、前記蒸着層は、金属酸化物からなることがより好ましい。
また、上記の貼付剤用支持体において、前記保護層は、パターン状に形成されていることがより好ましい。
また、本発明の貼付剤は、上記のいずれかに記載の貼付剤用支持体の前記蒸着層側に、薬剤を含有する粘着剤層を設け、前記保護層の厚さ方向における前記保護層の一端は、前記保護層に対する前記粘着剤層側に配されることを特徴としている。
また、本発明の貼付剤用支持体の製造方法は、上記のいずれかに記載の前記基体フィルム層の裏面に、伸縮性の少ない補強フィルムを仮着した後、前記基体フィルムの表面に前記蒸着層を形成することを特徴としている。
また、本発明の他の貼付剤用支持体の製造方法は、伸縮性の少ないフィルムの表面に形成した上記のいずれかに記載の蒸着層を、前記基体フィルム層の表面に転写することによって、前記蒸着層を形成することを特徴としている。
本発明の貼付剤用支持体は、常温において伸縮自在な基体フィルム層と、伸びは殆ど期待できないが、バリア性に優れ、粘着剤中の薬剤の移行、拡散を防止する効果が高い蒸着層とを積層したため、この支持体を用いた貼付剤は、使用前の段階では蒸着層が薬剤の移行、拡散を防止するので保存安定性が高く、使用段階では基体フィルム層の伸張に応じて、蒸着層が破断し、基体フィルムの伸張に従うため、皮膚の動きによく追従するという効果がある。
また、前記蒸着層上に厚さ5μm以下の保護層を設けたので、蒸着層と薬剤との相互作用を防止することができ、粘着剤層の選択の幅が広がり、広範囲の種類の粘着剤あるいは、薬剤が使用できる。また蒸着層と粘着剤層の密着性を向上する効果を有する他、蒸着層の膜割れを防止することができる。また5μm以下としたので、基体フィルムの伸びを抑制することがない。
基体フィルム層として、ポリウレタン樹脂フィルムを使用した場合には、大きな伸びが期待できるため、皮膚に対する追従性が高く、装着感に優れた貼付剤が得られる。
また基体フィルム層としてポリオレフィン系樹脂フィルムを使用した場合には、加工性に優れるため比較的低コストの製品が得られる。
蒸着層として、アルミニウムを用いた場合には、極めて一般的な材料でありながら、高いバリア性を発揮するので、薬剤の移行、拡散を防止する効果が高く、保存安定性の高い
貼付剤を比較的低コストで得ることができる。またアルミニウム蒸着膜は遮光性を有するので、紫外線を始めとする薬剤に有害な影響を与える光線の影響を防止する効果もある。またその金属光沢が製品に独特の質感を与える効果を有する。
一方蒸着層として金属酸化物を用いた場合には、アルミニウムと同等のバリア性を得ることができるばかりでなく、材料の選択によっては透明な被膜が得られるため、粘着剤層を視認できた方が良い場合には、有効に作用する。また薬剤の種類によっては、アルミニウムと相互作用を生ずる場合があるが、金属酸化物は一般に不活性なものが多いので、このような問題は生じ難い。また被膜が透明であるために、最終製品である貼付剤の製造段階での粘着剤の塗工不良等の欠陥を発見しやすく、品質管理面で有利である。
さらに前記保護層を切れ目を有するパターン状に形成した場合には、貼付剤の使用段階で、全体が引き伸ばされた時に、蒸着層がランダムに破断せず保護層の切れ目にそって保護層と一体になって破断するため、切れ目以外の部分における蒸着層の破断を低減する効果を有し、従って皮膚に貼付した後も、薬剤の散逸を低減する効果を発揮するため、薬効がより長く持続する。
上に述べてきた貼付剤用支持体の蒸着層側に薬剤を含有する粘着剤層を設けた貼付剤にあっては、薬効成分が蒸着層によって移行拡散を遮断されるため、基体フィルムに移行することがなく、従来貼付剤の支持体として一般的に使用されている布や不織布に比較して支持体に吸収されて無駄になる薬剤の量が少なくなる。また従来、支持体への薬剤の移行のばらつきによって皮膚に吸収される薬剤の量がばらついていたものが、本発明の支持体を用いた場合には、適量の薬剤を的確に配合することが可能となり、粘着剤の量も少なくて済む。また厚さが薄いことにより、支持体のエッジによる皮膚刺激性が少ないという効果もある。
本発明に係る貼付剤用支持体の製造に当たって、基体フィルムの裏面に、伸縮性の少ない補強フィルムを仮着した後、基体フィルムの表面に蒸着層を形成する方法を用いた場合、蒸着工程における基体フィルムの不必要な伸びが抑制され、安定して蒸着層を形成することが可能となるため、微細クラックのない、バリア性の高い蒸着層を得ることができる。
また一方、伸縮性の少ないフィルムの表面に形成した蒸着層を、前記基体フィルムの表面に転写することによって、蒸着層を形成する方法を用いた場合には、厚さの薄い汎用フィルムに大量に能率良く蒸着加工を施すことができるので、蒸着層を基体フィルムに転写する工程が増えたとしても、1回の生産量によっては全体の製品のコストを下げることが可能となる。
以下、図面に従って、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明に係る貼付剤用支持体の基本的な実施形態を示す断面模式図である。
基体フィルム層1の表面に蒸着層2が設けられており、蒸着層2の上に、保護層3が設けられている。
基体フィルム層1としては、常温において容易に伸縮する厚さ5〜300μmの合成樹脂フィルムを用いる。基体フィルム層に用いる合成樹脂フィルムとしては、常温における伸び率が100〜1000%、望ましくは200〜600%であり、厚さ30〜100μmの合成樹脂フィルムが好適に用いられる。合成樹脂フィルムの材質の具体的な例としては、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリオレフィン系エラストマー樹脂等)、エチレン酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、各種合成ゴム、シリコンゴム、各種熱可塑性エラストマー、各種ポリマーアロイ等があげられるが、これらに限定されるものではない。
基体フィルム層の材質や厚みは、目的とする貼付剤の用途に応じて、適宜選択されるが、これらの中で、ポリウレタン樹脂フィルムやポリオレフィン系エラストマー樹脂フィルムは、特に大きな破断伸び特性を有するため、関節に貼る貼付剤のように、大きな伸びを必要とする用途には好適に使用できる。
また、汎用のポリオレフィン系樹脂フィルムは、コスト、加工適性に優れるため、それ程大きな伸びを必要としない用途には好適に使用できる。
蒸着層2の材質としては、アルミニウム、錫、金等の金属かまたは、珪素、アルミニウム、マグネシウム、チタン、ジルコニウム、錫などの金属の酸化物を用いることができる。金属の窒化物、弗化物などが混合していても問題はない。
金属の中では、アルミニウムが最も一般的に使用できる。また金属酸化物の場合、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムなどの金属酸化物を使用した場合には、透明な蒸着層が得られる。
蒸着層2の厚さは、その材質により異なるが、0.5nm〜500nmの範囲であることが好ましく、より好ましくは5nm〜50nmの範囲である。一般に、蒸着層2の厚さが0.5nm以下である場合、十分なバリア性を得ることができず、500nm以上である場合には、経済的な問題もあるが、皮膜が丈夫になりすぎて、基体フィルムの伸びを阻害する危険性がある。
蒸着層2を形成する方法としては、金属の場合であれば真空蒸着法やスパッタリング法が、また金属酸化物の場合であれば、真空蒸着法、スパッタリング法に加え、反応性蒸着法や、金属酸化物の種類によってはプラズマ気相成長法(CVD法)を用いることができる。
蒸着層2を形成する前に、基体フィルム層1の表面に、基体フィルム層1と蒸着層2の接着性を改善する目的で、アンカーコート層を施しても良い。アンカーコート層としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノ−ル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリオレフィン樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVA)、(メタ)アクリル樹脂、ポリブタジエン樹脂、ゴム系化合物、石油樹脂、アルキルチタネート化合物、ポリエチレンイミン化合物、イソシアネート系化合物、澱粉、カゼイン、アラビアゴム、セルロース誘導体、ワックス類、その他の樹脂類またはこれらのポリマーもしくはモノマー等の一種ないしそれ以上の混合物または共重合体を塗布、乾燥して形成することができる。
保護層3は、後述する薬効成分を含む粘着剤層5と蒸着層2の相互作用を防止して、蒸着層2の膜割れを防止したり、薬効成分が蒸着層2の成分と反応して薬効が低下したりすることを防止すると共に、蒸着層2と粘着剤層5の密着性を向上する効果を発揮するように設計することができる。保護層3の厚さは、5μm以下とするのが好ましく、5μm以下であれば、基体フィルム層1の伸びを抑制することがない。
保護層3の材質としては、アンカーコート層と同様の材質が使用可能であり、具体的には、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノ−ル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリオレフィン樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVA)、(メタ)アクリル樹脂、ポリブタジエン樹脂、ゴム系化合物、石油樹脂、アルキルチタネート化合物、ポ
リエチレンイミン化合物、イソシアネート系化合物、澱粉、カゼイン、アラビアゴム、セルロース誘導体、ワックス類、その他の樹脂類またはこれらのポリマーもしくはモノマー等の一種ないしそれ以上の混合物または共重合体が使用可能である。
保護層3を形成する方法としては、ロールコーター、リバースロールコーター、キスコーター等公知のコーティング手段による方法が使用可能である。本発明に係る貼付剤用支持体における特徴的な実施態様として、印刷手段による形成方法が挙げられる。
すなわち、保護層3を全面にわたって形成する場合の他、保護層を切れ目を持ったパターン状に形成する場合には、印刷法による保護層3の形成が有効である。
図2は、請求項4に記載の貼付剤用支持体の実施形態を示す断面模式図である。
保護層3は、切れ目4を持ったパターン状に形成されている。保護層3をパターン状に形成する方法としては、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、ロータリースクリーン印刷法、インクジェット法等各種の印刷方法の他、パターンの種類によっては、特殊なコーティング方法も用いることができる。例えば、ストライプ状のパターンであれば、ストライプ状に形成したゴムロールによるコーティングによっても形成することができる。
保護層3に切れ目4を設けることにより、前述したように使用段階で基体フィルム1が引き伸ばされた時、蒸着層2が全面にわたってランダムに破壊することが抑制され、蒸着層2が保護層3の切れ目4にそって保護層3と一体になって破断するため、切れ目4以外の部分における蒸着層2の破断が抑制され、従って皮膚に貼付した後も、薬剤の散逸を防止する効果を発揮するため、薬効がより長く持続する。
切れ目4の深さについては、特に制約はないが、図2では蒸着層2まで到達せず、切れ目4の底部においても保護層3が少し残っている。本発明における保護層3の目的からすると、このようにわずかに残すのが好ましい。どの程度残すか残さないかについては、印刷版の仕様によって自由に設計することができる。
図3および図4は、請求項4に記載の貼付剤用支持体の実施形態の例を示したものであり、図3は、保護層3を格子状の切れ目を有するパターン状に形成した例であり、図4は、ハニカム状の切れ目を有するパターン状に形成した例である。この他、ストライプ状、レンガ積み状等、どのようなパターンを採用するかは、目的とする貼付剤の用途によって任意に決定される。
保護層3に、着色を施すことにより、デザイン的な効果をもたらすことも可能である。
図5は、本発明に係る貼付剤用支持体を用いた貼付剤の実施形態の一例を示した断面模式図である。基体フィルム1の上に蒸着層2、保護層3、粘着剤層5、セパレーター6が順次設けられている。
また図6は、図5と同様に本発明に係る貼付剤用支持体を用いた貼付剤の実施形態の一例であり、保護層3に切れ目4を有する場合の断面模式図である。
図7は、本発明に係る貼付剤を皮膚に貼付した状態を示した断面模式図である。
皮膚8に貼付された場合、皮膚の動きによって引き伸ばされるので、保護層3の切れ目4の部分で蒸着層2が破断し、蒸着層のクラック7を生じる。しかしこのクラック7以外の部分では蒸着層2の破壊は、低減されるので、薬効成分の散逸を防止する効果が持続する。
次に本発明に係る貼付剤用支持体の製造方法について述べる。
請求項6に記載された方法は、基体フィルムの裏面に、伸縮性の少ない補強フィルムを仮着した後、基体フィルムの表面に蒸着層を形成することを特徴とする貼付剤用支持体の製造方法である。
基体フィルムとして、皮膚の伸縮に追従するように伸びやすい材質のフィルムが選択されている場合には、蒸着装置中でのテンションにより、基体フィルムが伸びるので、伸びた状態で蒸着がなされることになり、蒸着加工が終了した段階でテンションが解放されると、蒸着層は、基体フィルムと共に収縮して膜としての構造が破壊され、微細クラックが生じてしまうため、基体フィルム単体の表面に直接蒸着層を設けることは、困難である。
この問題を解決する手段として、基体フィルムの裏面に伸縮性の少ない補強フィルムを仮着しておき、伸びを抑制した状態で蒸着層を設ける方法を採用した。この事により、蒸着工程における基体フィルムの不必要な伸びが抑制され、安定して蒸着層を形成することが可能となるため、微細クラックのない、バリア性の高い蒸着層を得ることができる。
補強フィルムとしては、特に制約はないが、一般的に厚さと引っ張り強度と価格の点で、ポリエステルフィルムやポリプロピレンフィルムが好適に使用できる。
補強フィルムを貼り合わせる方法としては、補強フィルム側に仮着用接着剤を塗布してドライラミネーターで貼り合わせる方法を用いることができる。
補強フィルムは、蒸着工程が終了後も引き続き仮着しておき、その後の保護層の塗工工程や粘着剤層との貼り合わせ工程まで継続して使用しても良い。
請求項7に記載した方法は、伸縮性の少ないフィルムの表面に形成した蒸着層を、基体フィルムの表面に転写することによって、蒸着層を形成することを特徴とする貼付剤用支持体の製造方法である。
伸縮性の少ないフィルムとしては特に限定されないが、前項と同様にポリエステルフィルムやポリプロピレンフィルムが好適に使用できる。
これらのフィルムに、望ましくは剥離性を改善するために易剥離層を設けた後、蒸着層を設け、さらに接着層を設けた積層フィルムを基体フィルムに熱圧着することにより、蒸着層を基体フィルムに転写させて蒸着層を形成する。
この時、伸縮性の少ないフィルムに易剥離層を設けた後で、保護層も予め形成しておくことにより、転写工程で同時に保護層を形成することが可能となる。
一般に蒸着装置は、一巻きのフィルムを蒸着釜に収納し、全体を真空に引いた状態で蒸着加工を行うが、収納できる巻きの直径には制約があり、また真空引きに要する時間が長いので、なるべく薄くて長尺のフィルムに蒸着した方が、蒸着加工自体は、効率的に行える。従って、薄いフィルムに蒸着層を形成しておき、基体フィルムに転写する方法を採用するか、基体フィルムに直接蒸着するかいずれの方法を採用するかについては、基体フィルムの厚さや材質、どのような層構成をとるか、また全体の生産ロット等を勘案して適宜決定される。
次に実施例に基づいて、本発明に係る貼付剤用支持体についてさらに具体的に説明する。
基体フィルム層として厚さ30μmのポリウレタンフィルム(日本ユニポリマー社製Ding
Zing Film(登録商標))を用い、補強フィルムとして厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(以下PETフィルムと略す)を用い、これらを積層、仮着して蒸着用原反フィルムを作成した。積層にあたってはPETフィルムの表面に変性塩化ビニル樹脂系接着剤(大日本インキ化学工業株式会社製TS1280メジューム)を塗布し、ドライラミネーション法によって積層仮着した。
次に、この蒸着用原反フィルムのポリウレタンフィルム側の表面にアルミニウムを約50nmの厚さに蒸着した。蒸着加工は、電子線加熱による真空蒸着法を用いた。
次いで、この蒸着面に保護層として、塩化ビニル樹脂系の蒸着後アンカー剤(大日本インキ化学工業株式会社製TA−04ニスを約1μmの厚さになるように塗布して、目的とする貼付剤用支持体を得た。
こうして得られた貼付剤用支持体の表面に、粘着剤層を設けて、貼付剤を作成した。
粘着剤層を設けるにあたっては、セパレーターとして表面にシリコン離型処理を施した厚
さ12μmのPETフィルムを用い、このセパレーターの表面に、インドメタシン等を含む粘着剤組成物を乾燥後の坪量が12g/m2となるように形成し、先に得られた支持体の保護層面に圧着して接着させた。
次いで基体フィルムに仮着してあった補強フィルムを剥離除去して、貼付剤を得た。
こうして得られた貼付剤は、保存性試験によっても粘着剤中の薬剤成分量の変化が少なく、保存安定性に優れていた。
また、セパレーターを剥離して、皮膚に貼付すると、基体フィルム層であるウレタンフィルムが伸びて皮膚に良く追従した。また基体フィルムの厚さも30μmと薄いので、コーナーが皮膚に刺激を与えることもなかった。
厚さ12μmのPETフィルムの表面にワックス系剥離剤(大日本インキ化学工業株式会社製MCS5093)を塗布して約1μmの厚さの易剥離層を形成し、次に蒸着アンカーと保護層を兼ねるものとして塩素化ポリプロピレン樹脂コーティング剤(大日本インキ化学工業株式会社製MCA2043)を約1μmの厚さに形成し、次いでアルミニウムを約50nmの厚さに蒸着した。蒸着加工は、電子線加熱による真空蒸着法を用いた。
次いで、このアルミニウム蒸着層の表面に接着剤としてエチレン・ビニルアルコール共重合体系の接着剤(大日本インキ化学工業株式会社製TE−10Bニス)を約2μmの厚さに塗布して蒸着層転写フィルムを作成した。
基体フィルムとして、実施例1と同様にしてウレタン樹脂フィルムと補強フィルムを仮着させた積層フィルムを使用し、このウレタン樹脂フィルム表面と、前記蒸着層転写フィルムの接着剤面を熱圧着して接着し、蒸着層転写フィルムの支持体であるPETフィルムを剥離除去して、目的とする貼付剤用支持体を得た。
以後、実施例1と同様にして、貼付剤を作成した。得られた貼付剤は、実施例1と同様の保存安定性と、使用感を与えるものであった。
蒸着方法としてCVD法を用い、蒸着層として二酸化珪素膜を形成した以外は、実施例2と同様の方法によって、貼付剤用支持体およびこれを用いた貼付剤を得た。
得られた貼付剤の保存安定性および使用感は、実施例2の場合と同様であった。
実施例1と同様にして貼付剤用支持体を作成した。ただし、保護層を全面に均一には設けず、グラビア印刷法によって5mmピッチの格子状の切れ目を有するように形成した。切れ目の幅は、0.5mmとした。また、切れ目の部分には、保護層がわずかに残るようにした。以下実施例1と同様にして貼付剤を作成した。得られた貼付剤は、保存安定性については、実施例1の場合と殆ど変わらず、一方皮膚に貼付した際の蒸着層の破断が保護層の切れ目の部分に集中する結果、格子の島の部分の蒸着層の破壊が少なく、結果的に薬効の持続時間が長く改善された。
本発明に係る貼付剤用支持体の基本的な実施形態を示す断面模式図。 請求項4に記載の貼付剤用支持体の実施形態を示す断面模式図。 請求項4に記載の貼付剤用支持体の実施形態の一例を示す平面模式図。 請求項4に記載の貼付剤用支持体の実施形態の他の例を示す平面模式図。 本発明に係る貼付剤用支持体を用いた貼付剤の実施形態の一例を示した断面模式図。 本発明に係る貼付剤用支持体を用いた貼付剤の実施形態の一例を示した断面模式図 本発明に係る貼付剤を皮膚に貼付した状態を示した断面模式図。
符号の説明
1・・・基体フィルム層
2・・・蒸着層
3・・・保護層
4・・・切れ目
5・・・粘着剤層
6・・・セパレーター
7・・・蒸着層のクラック
8・・・皮膚

Claims (7)

  1. 常温において伸縮自在な厚さ5〜300μmの基体フィルム層と、該基体フィルム層上に配置された厚さ0.5〜500nmの蒸着層と、該蒸着層上に配置された厚さ5μm以下の保護層を有し、
    前記保護層は、前記保護層の厚さ方向において前記保護層の一端から前記保護層の他端に達しないように延びる切れ目を有することを特徴とする貼付剤用支持体。
  2. 前記切れ目の幅は、前記保護層の一端から前記保護層の他端に向かうにしたがって短くなることを特徴とする請求項1に記載の貼付剤用支持体。
  3. 前記蒸着層は、金属酸化物からなることを特徴とする請求項1または2に記載の貼付剤用支持体。
  4. 前記保護層は、パターン状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の貼付剤用支持体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の貼付剤用支持体の前記蒸着層側に、薬剤を含有する粘着剤層を設け、
    前記保護層の厚さ方向における前記保護層の一端は、前記保護層に対する前記粘着剤層側に配されることを特徴とする貼付剤。
  6. 前記基体フィルム層の裏面に、伸縮性の少ない補強フィルムを仮着した後、前記基体フィルムの表面に前記蒸着層を形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の貼付剤用支持体の製造方法。
  7. 伸縮性の少ないフィルムの表面に形成した蒸着層を、前記基体フィルム層の表面に転写することによって、前記蒸着層を形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の貼付剤用支持体の製造方法。
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