JP5508635B2 - 燃料供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料供給装置に関し、さらに詳しくは、燃料タンク内の燃料を機関等に供給するための燃料供給装置に関する。
燃料タンク内の燃料を機関等の外部装置に供給する燃料供給装置には、燃料タンク本体内に燃料フィルタを備えるようにし、燃料フィルタで異物が除去された状態の燃料を燃料フィルタ内から外部に送出するようにしたものがある。たとえば特許文献1には、剛性を有するプロテクターをろ布で囲繞した構造のものが記載されている。
特許文献1の構造では、プロテクターによってろ布内の空間が確保されるので、燃料タンクの水平時はろ布内に燃料を維持することができる。しかしながら、燃料タンクが傾斜した場合や燃料タンクにGが作用した場合(以下、これらをまとめて「燃料液面傾斜時」という)に、燃料タンク内の燃料がろ布から離れてしまうと、ろ布の表面の油膜が破れ、ろ布内の燃料が外部(燃料タンク内)に流出してしまうため、いわゆる燃料切れが生じるおそれがある。
特開2003−139006号公報
本発明は上記事実を考慮し、燃料タンク本体の燃料液面傾斜時であっても、燃料切れの発生を抑制し、確実に燃料を外部に送出できる燃料供給装置を得ることを課題とする。
請求項1に記載の発明では、燃料を収容する燃料タンク本体と、袋状に形成されて前記燃料タンク本体内に備えられ、内部に燃料が流入するときに燃料から異物を除去すると共に、一部又は全部が燃料に浸漬している状態では表面に燃料による油膜が形成される燃料フィルタと、前記燃料フィルタ内から前記燃料タンク本体の外部に延出された送出配管を備え燃料を外部に送出するための送出手段と、前記燃料フィルタの上方に設けられて底部が前記燃料フィルタの上面の少なくとも一部によって構成され、燃料を貯留可能な貯留部材と、前記貯留部材を構成し、該貯留部材の上部を覆うと共に貯留部材の内部に燃料を流入可能とする流入孔が形成された蓋板部と、を有し、前記流入孔が、内寸が短くされた短内寸部と該短内寸部よりも内寸が長くされた長内寸部とを備えた非円形とされ、前記短内寸部が前記貯留部材の周縁部と前記燃料タンク本体の内面との距離が相対的に長い方向に沿うように前記流入孔の向きが決められている。
請求項2に記載の発明では、燃料を収容する燃料タンク本体と、袋状に形成されて前記燃料タンク本体内に備えられ、内部に燃料が流入するときに燃料から異物を除去すると共に、一部又は全部が燃料に浸漬している状態では表面に燃料による油膜が形成される燃料フィルタと、前記燃料フィルタ内から前記燃料タンク本体の外部に延出された送出配管を備え燃料を外部に送出するための送出手段と、前記燃料フィルタの上方に設けられて底部が前記燃料フィルタの上面の少なくとも一部によって構成され、燃料を貯留可能な貯留部材と、前記貯留部材を構成し、該貯留部材の上部を覆うと共に貯留部材の内部に燃料を流入可能とする流入孔が形成された蓋板部と、を有し、前記流入孔が、内寸が短くされた短内寸部と該短内寸部よりも内寸が長くされた長内寸部とを備えた非円形とされ、前記短内寸部が車幅方向に沿うように前記流入孔の向きが決められている。
請求項1及び請求項2に記載の燃料供給装置では、燃料タンク本体内に収容された燃料が、燃料フィルタを通過して(このとき、燃料の異物が除去される)燃料フィルタの内部に流入する。そして、燃料フィルタの内部の燃料が、送出手段により、送出配管を通じて外部に送出される。燃料フィルタは、その一部又は全部が燃料に浸漬している状態では、表面に燃料の油膜が形成されるので、燃料フィルタ内の燃料が流出することはない。これにより、燃料切れを生じさせることなく、燃料を外部に送出できる。
燃料フィルタの上方には、燃料を貯留可能な貯留部材が設けられている。貯留部材の底部は、燃料フィルタの上面の少なくとも一部によって構成されている。したがって、燃料タンク本体の燃料液面傾斜時に、燃料タンク内(貯留部材の外部)の燃料が燃料フィルタから離れてしまっても、貯留部材の内部に貯留された燃料が、燃料フィルタの上面に触れている状態を維持できるので、燃料フィルタの表面の油膜が維持される。これにより、燃料フィルタ内の燃料の流出を防止することができ、燃料切れを生じさせることなく、燃料を外部に送出できる。
しかも、貯留部材の上部は蓋板部によって覆われている。したがって、燃料タンク本体が傾斜等した場合でも、貯留部材から流出する燃料の量を少なくできる。蓋板部には流入孔が形成されているので、たとえば、燃料タンク本体内の燃料液面が流入孔よりも上方に位置していれば、流入孔から貯留部材内に燃料が流入する。
流入孔は非円形とされており、内寸が長い長内寸部と短い短内寸部とが構成されている。したがって、燃料タンク本体の燃料液面傾斜時において、貯留部材の内部から流入孔を通じて燃料を流出させたくない特定の方向が短内寸部と一致するように流入孔の向きを決めておけば、この特定の方向における貯留部材からの燃料の流出を特に効果的に抑制でき、貯留部材内に保持できる燃料の量が多くなる。
流入孔は、短内寸部よりも内寸が長い長内寸部を備えている。したがって、長内寸部を備えていない流入孔と比較して、流入孔として開口している面積を広く確保できるので、貯留部材の内部へ燃料が流入しやすくなる。
請求項1に記載の発明では、特に、前記短内寸部が前記貯留部材の周縁部と前記燃料タンク本体の内面との距離が相対的に長い方向に沿うように前記流入孔の向きが決められている。
すなわち、貯留部材と燃料タンク本体との距離が相対的に長い部位では、燃料タンク本体内の燃料が燃料フィルタから離れやすい。したがって、この方向に沿うように短内寸部の向きを決めておけば、燃料タンク本体内の燃料が燃料フィルタから離れても、貯留部材内により多くの燃料が貯留された状態を維持でき、燃料切れの発生を抑制できる。
請求項2に記載の発明では、特に、前記短内寸部が車幅方向に沿うように前記流入孔の向きが決められている。
すなわち、車幅方向では、たとえば車両旋回時の横G等により、燃料タンク内で燃料が偏り、燃料フィルタから離れやすい。したがって、車幅方向に沿うように短内寸部の向きを決めておけば、旋回時等に燃料タンク本体内の燃料が燃料フィルタから離れても、貯留部材内により多くの燃料が貯留された状態を維持でき、燃料切れの発生を抑制できる。
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記蓋板部が、前記流入孔に向かって上昇するように傾斜されている。
このように、蓋板部が流入孔に向かって上昇するように傾斜されていると、貯留部材に貯留された燃料中の気泡を、蓋板部の傾斜に沿って上昇させて流入孔から上方へ逃がし、貯留部材内での気泡の滞留を抑制することが可能になる。
請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記燃料タンク本体を平面視したとき前記貯留部材が長方形状で、且つ貯留部材の周縁部の各辺から燃料タンク本体の内面の各辺までの距離が一定とされ、前記流入孔の前記短内寸部が、前記貯留部材の短手方向に沿う向きとされている。
この構成では、燃料タンク本体の燃料液面傾斜時に、貯留部材(燃料フィルタ)からの燃料の離れやすさが、いずれの方向においても同じとなる。流入孔は、短内寸部が貯留部材の短手方向に沿う向きに配置されているので、傾斜方向に関わらず、貯留部材に効率よく燃料を貯留できる。
本発明は上記構成としたので、燃料タンク本体の燃料液面傾斜時であっても、燃料切れの発生を抑制し、確実に燃料を外部に送出できる。
本発明の第1実施形態の燃料供給装置を燃料タンク本体の全体構成と共に示す通常時の断面図である。 本発明の第1実施形態の燃料供給装置を部分的に拡大して示す断面図である。 本発明の第1実施形態の燃料供給装置を燃料タンク本体の全体構成と共に示す燃料タンク本体の燃料液面傾斜時の断面図である。 本発明の第1実施形態の燃料供給装置を燃料タンク本体の全体構成と共に示す燃料タンク本体の燃料液面傾斜時で且つ燃料量が少なくなった状態の断面図である。 本発明の第1実施形態に係るサブタンクの概略構造を示し、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B線断面図である。 比較例に係るサブタンクの概略構造を示し、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B線断面図である。 本発明の第1実施形態の第1変形例に係るサブタンクの概略構造を示し、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B線断面図である。 (A)は本発明の第1実施形態の第2変形例に係る燃料供給装置を燃料タンク本体の全体構成と共に示す断面図であり、(B)はサブタンクの概略構造を示す平面図である。 本発明において、燃料タンク本体と貯留部材との関係における流入孔の向きを示す燃料タンクの水平方向断面図である。
図1及び図2には、本発明の第1実施形態の燃料供給装置12の概略構成が示されている。この燃料供給装置12は、燃料が収容される燃料タンク本体14を有している。燃料タンク本体14は、たとえば略箱状に形成されており、その内部には、燃料フィルタ16が配置されている。燃料フィルタ16は、その外側から内側へと燃料を通過させるが、その際に燃料中の異物を除去し、燃料フィルタ16の内部には異物が流入しないようにする作用を有する材料(たとえば織布、不織布、多孔質性樹脂など)で略袋状に形成されている。燃料フィルタ16を通過した燃料を、その内部に貯留させることができる。さらに、燃料フィルタ16の少なくとも一部が燃料タンク本体14内の燃料に浸漬されている状態では、燃料フィルタ16の表面に燃料による油膜LMが形成されて維持されるようになっている。
本実施形態では特に、2枚の同形状(たとえば四角形状等の多角形状であっても良いし、円形や楕円形などでも良いが、図5(A)に示すように長方形状としている)の不織布をこれらの周囲でのみ接合し、上面濾布16Uと下面濾布16Lがそれぞれ上下に凸となるように湾曲された形状としている。したがって、上面濾布16Uと下面濾布16Lとの間に、燃料を収容するための空間が構成されている。本実施形態では、燃料フィルタ16の長手方向は、燃料タンク本体14の長手方向と一致されている。また、燃料フィルタ16は、平面視にて燃料タンク本体14の略中央に配置されている。
燃料フィルタ16(特に下面濾布16L)は、燃料タンク本体14の底面14Bに沿って略平行になるように配置されており、図1に矢印F1で示すように、底面14Bとの隙間を通じて燃料を燃料フィルタ16内に流入させることができる。しかも、燃料フィルタ16を底面14Bに沿って延在させており、燃料タンク本体14内の燃料が少なくなったときや、偏ったとき等であっても、より確実に燃料フィルタ16の一部が燃料に浸漬された状態を維持できるようにしている。もちろん、上面濾布16U及び下面濾布16Lの材質は、上記した不織布に限定されず、織布やスポンジ状の部材、メッシュ状の部材等であっても問題ない。また、上面濾布16Uと下面濾布16Lとの間に、必要に応じてスペーサ等を配置し、これらの形状(上又は下に凸となるよう湾曲した形状)を維持できるようにしてもよい。
図2に示すように、上面濾布16Uと下面濾布16Lとは異なる材質とされており、特に、上面濾布16Uの圧力損失が下面濾布16Lの圧力損失よりも大きくなるように、これら濾布の材質が選択されている。ここでいう「圧力損失」は、上面濾布16Uあるいは下面濾布16Lを燃料が通過するとき(たとえば後述する燃料ポンプ本体42の駆動時)の、通過前後の圧力差である。したがって、下面濾布16Lは上面濾布16Uよりも相対的に燃料を通過させ易くなっている。本実施形態では、このように圧力損失に差を設けるために、上面濾布16Uは、下面濾布16Lよりも不織布の空隙の総面積が小さい構造とされている。
図1から分かるように、燃料フィルタ16の上方には燃料ポンプモジュール32が備えられている。燃料ポンプモジュール32は、略筒状のケーシング34を有している。ケーシング34は、燃料タンク本体14の上面14Tに形成された取付孔36から燃料タンク本体14内に挿入されており、ケーシング34の上部において外側に広がるフランジ部38が、上面14Tの支持部40に支持されている。
ケーシング34の内部には燃料ポンプ本体42が備えられている。燃料ポンプ本体42からは下方に向かって燃料吸引配管44Aが延出されており、燃料吸引配管44Aの下端は、上面濾布16Uを貫通して、燃料フィルタ16内に開口されている。また、燃料ポンプ本体42から上方には燃料吐出配管44Bが延出されており、ケーシング34の上部を貫通している。燃料ポンプ本体42の駆動により、燃料吸引配管44Aで燃料を吸引し、燃料吐出配管44Bから、図示しないエンジンに燃料を供給できるようになっている。本実施形態の燃料送出配管44は、燃料吸引配管44Aと燃料吐出配管44Bとを含んで構成されている。
燃料フィルタ16の上方には、貯留部材18が設けられている。本実施形態の貯留部材18は、燃料フィルタ16の外縁部分から垂直に立設された筒状の側壁筒20を有している。側壁筒20の下面は、燃料フィルタ16の外周部分に接合(たとえば溶着)されている。燃料フィルタ16と貯留部材18とでサブタンク15が構成されている。側壁部20が貯留部材18の周縁部となっている。
さらに、側壁筒20の上端からは、燃料送出配管44に接近する方向(平面視にて中心に向かう方向)に、蓋板部22が延出されている。そして、側壁筒20と蓋板部22に加えて、燃料フィルタ16の上面濾布16Uによって、貯留部材18が構成されている。換言すれば、貯留部材18の底部が、上面濾布16Uによって構成されていることになる。貯留部材18内には、燃料フィルタ16の上方において燃料を貯留することが可能とされる。
蓋板部22の中央部(最も高い位置)には、図5にも示すように、蓋板部22を厚み方向に貫通する流入孔24が形成されている。流入孔24は、本実施形態では平面視にて長方形状に形成されており、内寸が長い長内寸部24Lと、内寸が短い短内寸部24Sとを有している。そして、流入孔24は、その長手方向が燃料フィルタ16(貯留部材18)の長手方向と一致する向きとされている。したがって、流入孔24の長手方向は、貯留部材18の周縁部と燃料タンク本体14の内面との間隔が相対的に長い方向に沿って形成されていることになる。流入孔24は、燃料送出配管44を挿通するための挿通孔を兼ねているので、このような挿通孔をあらためて形成する必要がなく、構造の簡素化が図られている。
流入孔24の中央部分には、燃料送出配管44が挿通されている。流入孔24の内寸は、短手方向の内寸であっても燃料送出配管44の外径よりも大きくされている(当然に、流入孔24の長手方向の内寸は燃料送出配管44の外径よりも大きい)。このため、流入孔24の孔縁は燃料送出配管44とは非接触となっており、これらの隙間28を通じて貯留部材18の内部に燃料が流入可能となっている。
蓋板部22は、外周部分から中心部分(流入孔24が形成された部分)に向かって上昇するように傾斜している。このような傾斜を有することで、貯留部材18の内部が燃料で満たされている状態で、燃料中に存在する気泡が蓋板部22の下面に沿って上昇し、貯留部材18の外に抜ける。
貯留部材18の高さは、その最上部18T(流入孔24が形成されている部分)の高さ方向の位置が、燃料タンク本体14に設定された液面の報知位置WLよりも低く設定されている。この報知位置WLは、図示しない液位センサによって燃料液位を検知し、その位置が報知位置WL以下になった場合に、燃料残量が少なくなったことを乗員に知らせる基準となる位置である。すなわち、燃料タンク本体14内の液位が報知位置WLよりも下がった場合であっても、流入孔24を通じて貯留部材18内に燃料が流入するように、貯留部材18の流入孔24の位置が決められている。
なお、本実施形態では特に、側壁筒20の下部に接合片26が形成されている。接合片26は、側壁筒20と燃料フィルタ16との接合面積を増大させて接合強度を向上させると共に、下面濾布16Lを通じて燃料フィルタ16内に燃料が流入するときの燃料フィルタ16の上方への移動を抑制する効果を有している。なお、この接合片26は省略することも可能である。
次に、本実施形態の燃料供給装置12の作用を説明する。
図1に示すように、燃料タンク本体14内において、貯留部材18の流入孔24よりも高い液位で燃料が存在している状態では、隙間28(流入孔24と燃料送出配管44との間)を通じて流入した燃料が貯留部材18内に貯留されている。また、この状態で、燃料フィルタ16内にも燃料が存在している。
ここで、燃料ポンプモジュール32が駆動されると、矢印F0で示すように、燃料フィルタ16内の燃料が燃料送出配管44を通じて外部(機関等)に送出される。燃料フィルタ16内には、上面濾布16U(矢印F2参照)及び下面濾布16L(矢印F1参照)を通過して燃料が流入可能であるが、特に、下面濾布16Lの圧力損失は上面濾布16Uの圧力損失よりも低く(小さく)なっているので、実質的に下面濾布16Lをより多くの燃料が通過して、燃料フィルタ16内に流入する。また、貯留部材18内には、矢印F3で示すように、隙間28を通じて燃料タンク本体14内の燃料が流入する。
燃料タンク本体14内の燃料量が少なくなった状態においても、燃料フィルタ16の少なくとも一部(本実施形態では下面濾布16L)が燃料に浸漬されていれば、燃料フィルタ16の表面に、燃料による油膜LMが形成され維持されている。
車両の坂道走行により燃料タンク本体14が傾斜した場合や、加減速時、旋回時等で燃料タンク本体14にGが作用した場合には、図3に示すように、燃料タンク本体14の燃料が一方に偏ると共に液面が傾斜するような液面変動が生じることがある(燃料液面傾斜時)。
このとき、図3から分かるように、燃料フィルタ16は液面よりも上側の部分が燃料タンク本体14内の気体中に露出しているが、液面よりも下側の部分は燃料中に浸漬されていれば、表面の油膜LMが維持されている。そして、燃料の送出に必要なエネルギーは、油膜の表面張力により、
(気相からの気体吸引)>(液相からの燃料吸引)
の関係となるため、燃料フィルタ16内には燃料のみを吸引する。そして、これらの状態では、燃料ポンプモジュール32の駆動により、燃料フィルタ16内の燃料を外部に送出できる。
ここで、図4に示すように、燃料タンク本体14内の燃料が少なくなり、且つ燃料タンク本体14が傾斜した状態を考える。この場合、燃料タンク本体14内の燃料(貯留部材18の外部の燃料)は、燃料フィルタ16から離れてしまっている。しかし、本実施形態では、燃料フィルタ16の上方の貯留部材18に燃料が貯留されており、しかも、貯留部材18の底部は、燃料フィルタ16の上面濾布16Uによって構成されている。すなわち、燃料フィルタ16の一部が燃料に浸漬された状態となっているので、燃料フィルタ16の表面に形成された油膜LMが、引き続き維持されている。したがって、燃料フィルタ16内へは、貯留部材18内の燃料が流入する。この場合も、図3に示した状態と同様に、燃料の送出に必要なエネルギーは、油膜の表面張力により、
(気相からの気体吸引)>(液相からの燃料吸引)
の関係となるため、燃料フィルタ16内には、矢印F2で示すように、貯留部材18内の燃料を吸引する。そして、この状態でも、燃料ポンプモジュール32の駆動により、燃料フィルタ16内の燃料を外部に送出できる。実質的に、燃料フィルタ16内及び貯留部材18内の燃料のすべてを送出できる。
このように、本実施形態の燃料供給装置12では、燃料フィルタ16の上方に設けた貯留部材18に燃料を貯留することで、燃料タンク本体14の燃料液面傾斜時であっても、いわゆる燃料切れの発生を抑制し、確実に燃料を外部に送出できるようにしている。
ここで、図6(A)及び(B)には、比較例として、円形の流入孔124が形成された貯留部材118(サブタンク115)を備えた燃料供給装置が部分的に示されている。比較例の流入孔124の開口面積は、上記実施形態の流入孔24の開口面積と略等しい。また、これ以外は、第1実施形態の燃料供給装置12と同一構成とされている。
本実施形態では、流入孔24を長方形状に形成すると共に、流入孔24の長手方向が、貯留部材18の周縁部と燃料タンク本体14の内面との距離が相対的に長い方向に沿う向きとしている。このため、図5(B)から分かるように、サブタンク15の短手方向に沿った断面で見ると、流入孔24の幅W1(短内寸部24Sの長さ)が、比較例における流入孔124の幅W2(図6(B)参照)よりも狭くなっている。図5(B)と図6(B)とを比較すれば分かるように、燃料タンク本体14の短手方向で燃料液面が傾斜した場合に、貯留部材18内に貯留できる燃料量が、比較例の構成よりもさらに多くなっている。
しかも、本実施形態の燃料供給装置12では、流入孔24を長方形状とすることで、燃料を貯留部材18内に流入させるための開口部分の面積としては、十分な広さを確保することができる。たとえば、上記したように、比較例の円形の流入孔124と略等しい開口面積を確保することも可能である。このため、流入孔24を通じて貯留部材18内に短時間で燃料を流入させることができる。
特に、車体のパネルには、燃料ポンプモジュール32の上方にサービルホールが形成されており、このサービスホールを通じてサブタンク15を燃料タンク本体14内に搭載する構造が採られることがあるため、サブタンク15(燃料フィルタ16及び貯留部材18)の幅や長さには制限が生じる。しかし、このようにサブタンク15のサイズに制限があっても、燃料タンク本体14の燃料液面傾斜時に貯留部材18内に貯留できる燃料の量を多く確保できる。
なお、上記では、長方形状の流入孔24を、その長手方向がサブタンク15の長手方向と一致する向きで配置した例を挙げているが、上記説明から分かるように、燃料タンク本体14の燃料液面傾斜時に貯留部材18内での貯留燃料量を増加させたい方向が、流入孔24の短手方向と一致するように流入孔24の向きを決めればよい。たとえば、図7(A)に示す第1変形例では、流入孔24の短手方向が、サブタンク15(燃料フィルタ16及び貯留部材18)の長手方向と一致する向きとされている。したがって、第1変形例の構成では、図7(B)から分かるように、燃料タンク本体14に対しサブタンク15の長手方向で燃料液面が傾斜した場合に、貯留部材18内に貯留できる燃料量が、比較例の構成よりもさらに多くなる。
また、流入孔24の向きは、燃料タンク本体14内における燃料フィルタ16(貯留部材18)との位置関係において決定してもよい。図8(A)には、第1実施形態の第2変形例の構成が示されている。第2変形例の燃料供給62では、サブタンク15(燃料フィルタ16及び貯留部材18)が、燃料タンク本体14の一方の側壁14P側にオフセットして配置されている。すなわち、貯留部材18は、側壁14Pとの間隔は短く、その反対側の側壁14Qとの間隔は長くなっている。
この構成において、図8(A)に二点鎖線で示す燃料液面L1のように、燃料タンク本体14内(貯留部材18の外部)の燃料が矢印M1方向(側壁14Q側)に移動してしまうと、貯留部材18と側壁14Qの間の空間が広いので、燃料フィルタ16から離れてしまいやすい。したがって、図8(B)に示す向きとなるように流入孔24を形成すれば、燃料が側壁14Q側に移動して燃料フィルタ16から離れた場合でも、貯留部材18内には、より多くの燃料を貯留することができる(二点鎖線L2で示す燃料液面を参照)。なお、図8(A)には比較のため、幅広の流入孔が形成されている場合の、貯留部材18内の燃料液面を二点鎖線L3で示している。
なお、第2変形例の構成において、平面視したときの流入孔24の位置を貯留部材18の中央部ではなく、側壁14Pに近い位置(たとえば二点鎖線P1で示した位置)とすれば、燃料が矢印M1方向に移動した場合に、さらに多くの燃料を貯留部材18内に貯留できるようになる。
このように、実際に燃料タンク本体14を車体に搭載するにあたっては、燃料タンク本体14で燃料液面が傾斜する方向に対応し、特定のどの方向において貯留部材18内に多くの燃料を貯留させたいか、という要請に応じて、その方向が流入孔24の短手方向となるようにすればよい。たとえば、車両旋回時の横Gが燃料タンク本体14に作用した場合を考慮するならば、流入孔24の短手方向が車幅方向となるようにすればよい。
また、燃料タンク本体14を平面視したときの、貯留部材18と燃料タンク本体14との位置関係に応じて、流入孔24の向きを決めてもよい。たとえば、図9に示すように、燃料タンク本体14及び貯留部材18が平面視にていずれも長方形とされ、貯留部材18の周縁部分の長辺から燃料タンク本体14の内面の長辺までの距離D1と、貯留部材18の周縁部分の短辺から燃料タンク本体14の内面の短辺までの距離D2と、が等しい(D1=D2)構造では、燃料タンク本体14の長手方向での燃料液面傾斜時と、短手方向での燃料液面傾斜時とで、燃料フィルタ16から燃料が離れやすくなる程度は略同等となる。なお、かかる観点からは、D1とD2とは厳密に一致している必要はなく、燃料フィルタ16からの燃料が離れやすさが同程度であればよい。
このように燃料タンク本体14と貯留部材18とが配置されている場合には、流入孔24を、その短内寸部24Sが貯留部材18の短手方向に沿う向きに配置すれば、燃料タンク本体14での燃料液面の傾斜方向に関わらず、貯留部材18内に効率的に燃料を貯留することが可能となる。
上記では、貯留部材18の蓋板部22が外周部分から中心部分(流入孔24が形成された部分)に向かって上昇するように傾斜した例を挙げたが、蓋板部22はこのように傾斜することなく平板状に形成されていてもよいし、外周部分から中心部分に向かって下降するように傾斜されて、重力により流入孔24に燃料を流入させる構成でもよい。
本発明の流入孔としては、上記した長方形状に限定されず、たとえば扁平な多角形状や楕円形状であってもよい。さらに、円の一部を径方向外側に拡径した形状(いわゆる鍵穴形状はこれに該当する一例である)や、逆に円の一部を径方向内側に縮径した形状等、要するに円形でない形状(非円形)であれば、短内寸部と長内寸部とが存在することになり、本発明の流入孔として適用可能となる。
さらに、貯留部材18と送出手段(燃料ポンプモジュール32、特に燃料吸引配管44A)との関係も、上記したものに限定されない。たとえば、燃料吸引配管44Aが、蓋板部22の流入孔24と異なる位置で蓋板部22を貫通する構造でもよい。
また、貯留部材18が、燃料フィルタ16の一部を覆わない(上方から見て、燃料フィルタ16の一部が貯留部材18から外側にはみ出している)構成としてもよい。この場合には、燃料吸引配管44Aを、燃料フィルタ16のはみ出し部分(貯留部材18の外部)に接続すれば、蓋板部22を貫通しない構造とすることが可能である。
12 燃料供給装置
14 燃料タンク本体
15 サブタンク
16 燃料フィルタ
16U 上面濾布
16L 下面濾布
18 貯留部材
22 蓋板部
24 流入孔
24S 短内寸部
24L 長内寸部
32 燃料ポンプモジュール(送出手段)
44 燃料送出配管
62 蒸発燃料処理装置
LM 油膜
WL 報知位置

Claims (4)

  1. 燃料を収容する燃料タンク本体と、
    袋状に形成されて前記燃料タンク本体内に備えられ、内部に燃料が流入するときに燃料から異物を除去すると共に、一部又は全部が燃料に浸漬している状態では表面に燃料による油膜が形成される燃料フィルタと、
    前記燃料フィルタ内から前記燃料タンク本体の外部に延出された送出配管を備え燃料を外部に送出するための送出手段と、
    前記燃料フィルタの上方に設けられて底部が前記燃料フィルタの上面の少なくとも一部によって構成され、燃料を貯留可能な貯留部材と、
    前記貯留部材を構成し、該貯留部材の上部を覆うと共に貯留部材の内部に燃料を流入可能とする流入孔が形成された蓋板部と、
    を有し、
    前記流入孔が、内寸が短くされた短内寸部と該短内寸部よりも内寸が長くされた長内寸部とを備えた非円形とされ、
    前記短内寸部が前記貯留部材の周縁部と前記燃料タンク本体の内面との距離が相対的に長い方向に沿うように前記流入孔の向きが決められている燃料供給装置。
  2. 燃料を収容する燃料タンク本体と、
    袋状に形成されて前記燃料タンク本体内に備えられ、内部に燃料が流入するときに燃料から異物を除去すると共に、一部又は全部が燃料に浸漬している状態では表面に燃料による油膜が形成される燃料フィルタと、
    前記燃料フィルタ内から前記燃料タンク本体の外部に延出された送出配管を備え燃料を外部に送出するための送出手段と、
    前記燃料フィルタの上方に設けられて底部が前記燃料フィルタの上面の少なくとも一部によって構成され、燃料を貯留可能な貯留部材と、
    前記貯留部材を構成し、該貯留部材の上部を覆うと共に貯留部材の内部に燃料を流入可能とする流入孔が形成された蓋板部と、
    を有し、
    前記流入孔が、内寸が短くされた短内寸部と該短内寸部よりも内寸が長くされた長内寸部とを備えた非円形とされ、
    前記短内寸部が車幅方向に沿うように前記流入孔の向きが決められている燃料供給装置。
  3. 前記蓋板部が、前記流入孔に向かって上昇するように傾斜されている請求項1又は請求項2に記載の燃料供給装置。
  4. 前記燃料タンク本体を平面視したとき前記貯留部材が長方形状で、且つ貯留部材の周縁部の各辺から燃料タンク本体の内面の各辺までの距離が一定とされ、
    前記流入孔の前記短内寸部が、前記貯留部材の短手方向に沿う向きとされている請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の燃料供給装置。
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